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国務大臣(
赤城宗徳君)
日韓漁業交渉につきましては、
再々この席で申し上げておりまするように、
李ラインの
撤廃、こういうことと、
日本の
漁業の
実績を維持していくと、こういう
目標で進めてきたわけでございます。そういう
意味におきまして、いまの
李ラインの線を、
国際的慣例でありまする
漁業専管水域内に押し込めるといいますか、縮小する、こういうことが必要である、こういうふうに考えまして、
韓国の
沿岸に
専管水域を、これは島が入り乱れておりますので、
直線基線によってこれを引きまして、
東側は低
潮線を主として引いて
専管水域をきめた。
済州島のまわりだけが、この間から申し上げておるように、残っておりまして、
済州島の
周辺は、低
潮線から十二海里の
専管水域をつくる、こういうことで
専管水域の決定をいたしたわけでございます。そこで、
専管水域の中で
済州島と
韓国とをつなぐ間、これを、この間、御
質問で、内
水域ではないかということでございますが、私のほうでは
専管水域といっておりまして、取りきめをしているわけでございます。それが、
直線基線から十二海里はかったものと、低
潮線から十二海里はかったものとが一致してきます。ただ、その
東側、
西側にくぼみができます。これは公海であります。このくぼみにつきましては、
漁業の紛争を避けるために、しばらくの
間日本の
漁船が入らないようにいたそうではないか、その線を
直線によって引くという話を進めておったわけであります。
経過を顧みまするならば、
韓国側は、
済州島
周辺も低
潮線によらず、
直線基線で、
なべ底型といいますか、そういう線を引きたがっておったのでございますけれ
ども、それが
国際の
慣例に反するということで、低
潮線を基礎として引いて、
東側、
西側にくぼみができる、そこだけ、しばらくの
間立ち入りを禁止する、
立ち入りを控えると、こういうことで、線の話について話がまとまらなかったのでございますけれ
ども、
けさほど大体線がまとまり、そういうふうな
専管水域を第一に設ける。
第二に、その
専管水域の
外側に
共同規制水域を設ける。
共同規制水域におきましては、両国平等公平に
漁業ができるように
——一方的に禁止する、あるいは押えるというようなことであってはいけない、こういうことで、
共同規制区域内における両国の
入漁隻数、船の数ということできめようということでございましたが、
向こうの主張が、まず
漁獲量をきめてからにしたい、こういうことでございましたので、
漁獲量を、十五万トン、上下一〇%アローアンスのものを
漁獲量と一応きめて、それを
めどとして、入漁する、
漁業をする
隻数をきめよう、こういうことでございます。そこで、
日本の入る
隻数をきめまして、それを
提示いたしたのでございますが、私
どもの
提示どおりに
向こうでも認めるといいますか、もっともだというようなことでございまして、それに見合う
向こうの
隻数等につきましては、
日本の
隻数、
日本の船と
向こうの船との
装備等が違いますので、実質を、まあ何といいますか、同じような
レベルにして、
向こうのほうのをきめていこうということでございまして、
向こうの点につきましては、なお
実務者といいますか、
事務当局の間で検討を加えることにいたしております。
その
共同水域における
取り締まり及び
裁判管轄権は、
旗国主義といいますか、
日本の船に対しましては
日本、
韓国の船に対しましては
韓国、こういう
取り締まり及び
裁判管轄権を持つということにきめました。
それから、よく疑いがあるようでございますが、
李ラインと
共同規制水域の
外側の
間等に
調査区域等を設けるのではないか、こういう
お尋ねが
再々ございましたが、
共同水域の
外側に線を引くとか、こういうことは全然ございません。
調査は、
共同水域の内外にわたって
調査をするということは話し合っておりますけれ
ども、線を引くということは絶対にございません。
以上のようなことで、大体の話は、
李ラインの
撤回を意図した話はきまりました。それから、
日本の
漁獲量を
実績を認めていくということも
話し合いが大体きまりましたので、いまそれを
整理さしているところでございます。
なお、
再々向こうからの申し出の、
向こうの
漁業を普通の
レベルまでに持っていくための
漁業協力の
資金を出してくれ、こういう話でございます。しかし、これはずっと、昨年来あるいはその前からの話がありましたように、あくまで
政府資金としてのものではない。
民間資金として扱うべきものである。でありますから、
政府が
あっせんはいたしまするけれ
ども、
政府が責任を持つというような性質のものではないという話をいたしておりまして、そういう
意味におきまして、あの三億、二億、一億ドル・
プラスアルファと、こういうどの範疇に入るかというならば、一億ドル・
プラスアルファの中の
民間資金、こういう扱いをしようということになりまして、この金は大体九千万ドルくらいの
あっせんはしようではないかと、こういうことできておるわけでございます。まだ最終的にはきまっておりませんが、事務的にいままできまったことを
整理してみて、そしてもう一回、疑問のある点や、話が最後まで煮詰まっておらない点などを煮詰める、こういう段階でございます。