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1965-03-31 第48回国会 参議院 本会議 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月三十一日(水曜日)    午前十時二十四分開議     ━━━━━━━━━━━━━議事日程 第十一号   昭和四十年三月三十一日    午前十時開議  第一 千九百年十二月十四日にブラッセルで、   千九百十一年六月二日にワシントンで、千九   百二十五年十一月六日にへーグで、千九百三   十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五   十八年十月三十一日にリスボン改正された   工業所有権保護に関する千八百八十三年三   月二十日のパリ条約締結について承認を求   めるの件  第二 千九百十一年六月二日にワシントンで、   千九百二十五年十一月六日にへーグで、千九   百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九   百五十八年十月三十一日にリスボン改正さ   れた虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示   の防止に関する千八百九十一年四月十四日の   マドリッド協定締結について承認を求める   の件  第三 著作権法の一部を改正する法律案内閣   提出)  第四 国立養護教諭養成所設置法案内閣提   出、衆議院送付)  第五 国立学校設置法等の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第六 北海道開発法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  第七 科学技術庁設置法の一部を改正する法律   案(内閣提出衆議院送付)  第八 通商産業省設置法の一部を改正する法律    案(内閣提出衆議院送付)  第九 清掃法の一部を改正する法律案内閣提   出)  第一〇 放送法第三十七条第二項の規定基づ   き、承認を求めるの件(衆議院送付)  第一一 港湾整備緊急措置法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第一二 航空機工業振興法の一部を改正する法   律案内閣提出衆議院送付)  第一三 競馬法の一部を改正する法律の一部を   改正する法律案衆議院提出)  第一四 国立学校特別会計法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  第一五 国際復興開発銀行等からの外資の受入   に関する特別措置に関する法律の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送付)  第一六 酒税保全及び酒類業組合等に関する   法律の一部を改正する法律案内閣提出、   衆議院送付)  第一七 参議院事務局職員定員に関する件     ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、鉄道建設審議会委員選挙  一、日程第一 千九百年十二月十四日にブラッ   セルで、千九百十一年六月二日にワシントン   で、千九百二十五年十一月六日にへーグで、   千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び   千九百五十八年十月三十一日にリスボンで改   正された工業所有権保護に関する千八百八   十三年三月二十日のパリ条約締結について   承認を求めるの件  一、日程第二 千九百十一年六月二日にワシン   トンで、千九百二十五年十一月六日にへーグ   で、千九百三十四年六月二日にロンドンで、   及び千九百五十八年十月三十一日にリスボン   で改正された虚偽の又は誤認を生じさせる原   産地表示防止に関する千八百九十一年四月   十四日のマドリッド協定締結について承認   を求あるの件  一、日程第三 著作権法の一部を改正する法律   案(内閣提出)  一、日程第四 国立養護教諭養成所設置法案   (内閣提出衆議院送付)  一、日程第五 国立学校設置法等の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第六 北海道開発法の一部を改正する   法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第七 科学技術庁設置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第八 通商産業省設置法の一部を改正   する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第九 清掃法の一部を改正する法律案   (内閣提出)  一、日程第一〇 放送法第三十七条第二項の規   定に基づき、承認を求めるの件(衆議院送   付)  一、日程第一一 港湾整備緊急措置法の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第一二 航空機工業振興法の一部を改   正する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第一三 競馬法の一部を改正する法律   の一部を改正する法律案衆議院提出)  一、日程第一四 国立学校特別会計法の一部を   改正する法律案内閣提出衆議院送付)  一、日程第一五 国際復興開発銀行等からの外   資の受入に関する特別措置に関する法律の一   部を改正する法律案内閣提出、衆議院送   付)  一、日程第一六 酒税保全及び酒類業組合等   に関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出衆議院送付)  一、国会における各会派に対する立法事務費の   交付に関する法律の一部を改正する法律案  (衆議院提出)  一、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一   部を改正する法律案衆議院提出)  一、日程第一七 参議院事務局職員定員に関   する件  一、科学技術会議議員の任命に関する件  一、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、地方税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、地方交付税法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  一、住宅金融公庫法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、所得税法案内閣提出衆議院送付)  一、法人税法案内閣提出衆議院送付)  一、租税特別措置法の一部を改正する法律案   (内閣提出衆議院送付)  一、所得税法及び法人税法施行に伴う関係法   令の整備等に関する法律案内閣提出、衆議   院送付)  一、物品税法の一部を改正する法律案内閣提   出、衆議院送付)  一、関税定率法等の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  一、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部   を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  一、法務省設置法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  一、文部省設置法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  一、労働省設置法の一部を改正する法律案(内   閣提出衆議院送付)  一、昭和四十年度一般会計予算  一、昭和四十年度特別会計予算  一、昭和四十年度政府関係機関予算     —————————————
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ——————————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開 きます。  この際、おはかりいたします。赤松常子君か ら、病気のため二十四日間請暇の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。 よって許可することに決しました。      ——————————
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  来たる四月六日任期満了となる鉄道建設審議会委員一名の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
  7. 柳岡秋夫

    柳岡秋夫君 鉄道建設審議会委員選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議提出いたします。
  8. 亀井光

    亀井光君 ただいまの柳岡君の動議賛成をいたします。
  9. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 柳岡君の動議に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  よって議長は、鉄道建設審議会委員松澤兼人君を指名いたします。      ——————————
  11. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、千九百年十二月十四日にブラッセルで、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五十八年十月三十一日にリスボン改正された工業所有権保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約締結について承認を求めるの件、  日程第二、千九百十一年六月二日にワシントンで、千九百二十五年十一月六日にへーグで、千九百三十四年六月二日にロンドンで、及び千九百五十八年十月三十一日にリスボン改正された虚偽の又は誤認を生じさせる原産地表示防止に関する千八百九十一年四月十四日のマドリッド協定締結について承認を求めるの件、  以上両件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。外務委員長小柳牧衞君。    〔小柳牧衞登壇拍手
  13. 小柳牧衞

    小柳牧衞君 ただいま議題となりました条約二件につきまして、外務委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  現在わが国当事国となっております、ロンドン改正された「工業所有権保護に関するパリ同盟条約」は、特許発明実用新案、意匠、商標等を国際的に保護するため、同盟国相互間における内国民待遇の許与、一国における出願に基づ優先権の主張、その他、統一的保護規定を定めたものであり、また、マドリッド協定は、原産地虚偽表示防止する措置を定めたものであります。  今回リスボン改正された両条約は、従来の規定のほか、戦後における工業技術及び貨物の国際的流通増大傾向にかんがみ、条約保護を一そう厚くする見地から、パリ条約については、代理人による不当な登録からの商標権者保護等措置を講じ、また、マドリッド協定については、虚偽表示のみならず、誤認を生じさせる原産地表示をも防止の対象としたものであります。  委員会におきましては、日本人による外国デザインの盗用問題並びに最近の諸外国におけるわが国デザインの盗用問題の実情と対策、特許権使用料対外支払い超過の問題、わが国マドリッド協定により受ける利益等について、熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。  三月二十五日採決の結果、両件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。  右御報告申し上げます。(拍手
  14. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両件全部を問題に供します。両件を承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  15. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって両件は全会一致をもって承認することに決しました。      ——————————
  16. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第三、著作権法の一部を改正する法律案内閣提出)、  日程第四、国立養護教諭養成所設置法案、  日程第五、国立学校設置法等の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。文教委員長山下春江君。    〔山下春江登壇拍手
  18. 山下春江

    山下春江君 ただいま議題となりました三法案について、文教委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、著作権法の一部を改正する法律案について申し上げます。  わが国著作権制度規定する著作権法は、明治三十二年に制定されたものであり、その後、数回の部分改正を経ておりますものの、科学の進歩に伴う著作物利用手段複雑多面化、及び、関係国際条約変化等に対応した全面的改正が今日必要とされております。これがため、昭和三十七年四月、文部省著作権制度審議会設置されましたが、その際、全面改正実施までの間に著作権保護期間の終了する著作権者を救済する趣旨をもって、著作者の死後三十年を原則としておりました著作権保護期間を、暫定的に三年間延長する法改正措置がとられました。しかしながら、問題の重要性複雑性のため、成案を得るまでにはなお若干の時日を要する模様であります。  本法律案は、以上の経過と理由に基づき、著作権保護期間をさらに二年間延長して、当分の間三十五年とするものであります。  委員会におきましては、著作権本質論著作権制度審議会における審議状況、各種の著作権国際条約の動向、いわゆる臨接権の取り扱い態度等の問題について、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、吉江委員より、自社両党の共同提案にかかる附帯決議案提出され、全会一致をもってこれを委員会決議とすることに決定いたしました。  附帯決議は、次のとおりであります。   養護教諭充足現状にかんがみ、養護教諭各校必置をすみやかに実現するため、左記の事項に留意して計画的な養成確保を図るべきである。   一、養護教諭養成所充実増設等について、すみやかに検討し、その実現に努力すること。   二、文部大臣の指定する養護教諭養成機関に対しても、日本育英会奨学資金の貸与並びに返還免除措置を講ずるよう努力すること。     —————————————  次に、国立養護教諭養成所設置法案について申し上げます。  本案は、現在の養護教諭充足の困難な事態に対処するため、その養成機関として、国立養護教諭養成所設置することにより、養護教諭養成確保をはかろうとするものであります。  本養成所入学資格高等学校卒業程度で、修業年限は三年であり、これを北海道学芸大学旭川分校及び岡山大学に附置することといたしております。  なお、その卒業した者に対しては、養護教諭二級普通免許状及び保健教科についての中学校教諭二級普通免許状を授与することとしております。  本委員会におきましては、養護教諭養成及び配置についての現状計画、本養成所の性格と今後の設置方針等について、熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、委員長より附帯決議案提出いたしましたところ、全会一致をもってこれを委員会決議とすることに決定いたしました。  附帯決議は、次のとおりであります。  次に、国立学校設置法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、昭和四十一年度以降の大学生急増に対する大学拡充計画の一環として、北海道大学等十二国立大学に十七学部を、地方大学充実のため、室蘭工業大学外国立大学にそれぞれ大学院を、中堅技術者養成を推進するため、七校の国立工業高等専門学校新設することのほか、静岡大学附置電子工学研究所及び宮城教育大学新設をも定めております。また、国立工業教員養成所の卒業生に対し、大学編入学資格を付与することを規定いたしております。  なお、本案施行日昭和四十年四月一日とし、一部大学学部新設については、昭和四十一年度から開設することを定めております。  委員会におきましては、教員養成あり方、及び、大学医学部無給副手等の諸問題について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して小林委員より反対、次いで自由民主党を代表して吉江委員より賛成討論が行なわれました。  採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、著作権法の一部を改正する法律案及び国立養護教諭養成所設置法案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  20. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって両案は全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、国立学校設置法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。  本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第六、北海道開発法の一部を改正する法律案、  日程第七、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案、  日程第八、通商産業省設置法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長柴田栄君。    〔柴田栄登壇拍手
  25. 柴田栄

    柴田栄君 ただいま議題となりました法律案三件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、北海道開発法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案は、北海道開発局実施する事業量増大に対処するとともに、新年度から一級河川の管理事務北海道開発局において行なうため、北海道開発庁の定員を八十人増員しようとするものであります。  本委員会におきましては、第一期北海道総合開発計画の実績と第二期計画進捗状況臨時行政調査会答申にありますところの総合開発庁の想に対する当局見解等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、科学技術庁設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案改正点は、垂直離着陸機試験研究等を行なう実験所として、航空宇宙技術研究所支所を設けることができることとするとともに、科学技術庁職員定員を四十六人増員することであります。  委員会におきましては、支所内部組織及び年次計画の内容、宇宙開発体制一元化必要性定員増内訳等について質疑応答がありましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  最後に、通商産業省設置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案改正点は、最近における国際経済情勢に即応するため、現在の通商局を二分して、新たに貿易振興局設置すること、通商産業省職員定数を、本省四十人、特許庁九十九人、計百三十九人増加すること等であります。  本委員会におきましては、貿易振興局設置行政機構簡素化臨時行政調査会答申との関係工業所有権に関する事務処理改善貿易振興の諸方策、中共貿易現状政府方針等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、別に発言もなく、採決の結果、本法律案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  27. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。      ——————————
  28. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第九、清掃法の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長藤田藤太郎君。    〔藤田藤太郎登壇拍手
  29. 藤田藤太郎

    藤田藤太郎君 ただいま議題となりました清掃法の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審議経過と結果を報告いたします。  本法律案の要旨は、  第一に、公共の場所における清潔保持及び運行中の列車における「し尿」処理について、関係者の責務を明確にすること、  第二に、市町村が行なう水洗便所普及事業を促進するため所要の措置を講ずること、  第三に、汚物収集処分に関する業務委託に関して統一基準を定めるとともに、汚物取り扱い業の許可は、当該市町村による収集処分が困難であり、かつ、環境衛生上の支障が生ずるおそれがないと認められる場合に限ることとしたこと、  第四に、一定規模以上の清掃施設については、その維持管理基準を定め、かつ、技術上の業務を担当する技術管理者を置かせること等であります。  委員会においては、神田厚生大臣及び政府委員に対し、清掃に関する市町村責任体制あり方地方交付税合理化業務委託基準水洗化助成措置等の諸問題について、熱心な質疑が行なわれ、また、清掃従業者待遇改善に対する大臣の所見が述べられましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論採決の結果、本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、委員会においては、全会一致をもって鹿島委員提案にかかる次の附帯決議を行ないました。  「政府は、清掃事業地方公共団体責任にお いて行われるよう最善の努力をすべきである。」  以上報告いたします。(拍手
  30. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  31. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  32. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十、放送法第三十七条第二項の規定基づき、承認を求めるの件(衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。逓信委員長占部秀男君。    〔占部秀男登壇拍手
  33. 占部秀男

    占部秀男君 ただいま議題となりました承認案件は、日本放送協会昭和四十年度収支予算事業計画及び資金計画について、国会承認を求めんとするものであります。  収支予算規模は、収入支出ともに総額八百五十六億四千万円でありまして、前年度よりいずれも六十七億五千七百万円の増加となっております。次に、事業計画は、その重点を、テレビジョン放送局建設ローカル番組拡充等に置いております。また、資金計画におきましては、収支予算及び事業計画に対応し、年度中における資金の需要、調達に関する計画をいたしております。  なお、これらに対し、郵政大臣は、おおむね適当と認める旨の意見を付しております。  逓信委員会におきましては、郵政省並びに日本放送協会当局に対し、詳細にわたり質疑を行ない、慎重審議をいたしました。  かくて質疑を終了し、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して新谷委員より本案賛成、次いで、日本社会党を代表して横川委員より、附帯決議として、政府並びに日本放送協会当局は、左の各項の実施につとむべきである。 を付して、本案賛成する旨の発言があり、討論を終え、採決の結果、多数をもって、附帯決議を付して、原案のとおり承認すべきものと決定した次第であります。  以上御報告申し上げます。(拍手
  34. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本件を問題に供します。本件承認することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  35. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本件承認することに決しました。      ——————————
  36. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十一、港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。運輸委員長松平勇雄君。    〔松平勇雄登壇拍手
  37. 松平勇雄

    松平勇雄君 ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審議経過及び結果を御報告申し上げます。  本法案は、昭和三十六年度を初年度とする現行港湾整備五カ年計画の策定後において生じた、経済の高度成長に伴う港湾取り扱い貨物量の著しい増大、地域開発諸施策の推進、並びに、船舶の大型化等の新情勢に対処するため、新たに昭和四十年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を作成し、これに基づき、港湾の整備をさらに積極的に促進しようとするものであります。  委員会におきましては、港湾に関連する各般の問題につき熱心な質疑が行なわれた後、討論採決の結果、全会一致をもって本改正法案は原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  38. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  39. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  40. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十二、航空機工業振興法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。商工委員長豊田雅孝君。    〔豊田雅孝君登壇拍手
  41. 豊田雅孝

    ○豊田雅孝君 ただいま議題となりました法案について、商工委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。  本法案の要旨は、日本航空機製造株式会社が募集できる社債の限度を引き上げることにあります。現行法では、資本及び準備金の総額または純資産額のいずれか少ない額の二倍以内となっているのを、十倍以内に改めようとするものであります。  この会社は、航空機の国産化を促進するために、航空機工業振興法基づき、昭和三十四年に設立された会社でありまして、同社は、自来、今日まで、中型輸送機YS11の設計試作を行ない、ようやくその量産販売の段階に至ったのであります。したがいまして、これに必要な資金は著しく増加することとなりますので、これを社債によって調達すべく、この際、その発行限度を引き上げようとするのが改正の理由であります。  委員会では、特に、参考人といたしまして、日本航空機製造の社長外一名の出席を求めて意見を聴取するとともに、政府及び参考人に対し熱心なる質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終了して討論に入りましたが、別に発言なく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  42. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  43. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  44. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十三、競馬法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案衆議院提出)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。農林水産委員長仲原善一君。    〔仲原善一君登壇拍手
  45. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいま議題となりました律法案について御報告いたします。  この法律案は、本年三月までとなっている指定市町村の競馬施行の期限を三カ年延長しようとするものであります。  委員会におきましては、三カ年延長した理由、地方財政の健全化等が問題となり、続いて討論に入り、日本社会党を代表して、渡辺委員から反対の意見が述べられました。  採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  46. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  47. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  48. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十四、国立学校特別会計法の一部を改正する法律案、  日程第十五、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、  日程第十六、酒税保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  49. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長西田信一君。    〔西田信一君君登壇拍手
  50. 西田信一

    ○西田信一君 ただいま議題となりました三法律案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、国立学校特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、国立学校の移転が都市の過密化対策に資するため必要であり、移転に伴って不用となる財産の処分収入をもって償還することができる見込みがあるときは、その移転先の用地の取得費を支弁するために、この会計の負担において借り入れ金をすることができることにしようとするものであります。  委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、国際復興開発銀行等からの外貨資金の借り入れまたは外貨債の発行の円滑化に資するため、外貨債務についての政府の保証を、予算をもって定める総額の範囲内で実情に即して行なうことができることにするとともに、利子の非課税等に関する規定を整備しようとするものであります。  委員会におきましては、外貨債務の政府保証の限度額を予算に一括計上した理由、今後の外資導入の見通し、及び、政府保証外債と民間外債との競合関係等について、熱心なる質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、鈴木市藏委員より、本案に反対する旨の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  最後に、酒税保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近における酒類の取引の状況等に顧み、酒類業組合等が、その組合員の経営合理化のため、特に必要があると認める場合には、酒類の販売方法についても規制できることにするとともに、昨年六月に、酒類の基準販売価格の告示が廃止されたことに伴い、酒類業組合等に関する不況カルテルの要件についての規定を整備する等、所要の改正を行なおうとするものであります。  委員会における審議の詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  51. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  まず、国立学校特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  52. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  53. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  54. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  55. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 次に、酒税保全及び酒類業組合等に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  56. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  57. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  国会における各会派に対する立法事務費交付に関する法律の一部を改正する法律案、  国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案、  (いずれも衆議院提出)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  58. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。議院運営委員長田中茂穂君。    〔田中茂穂君登壇拍手
  59. 田中茂穂

    ○田中茂穂君 ただいま議題となりました両案につきまして、議院運営委員会における審査の経過並びに結果について御報告いたします。  まず、国会における各会派に対する立法事務費交付に関する法律の一部を改正する法律案の内容について申し上げますと、会派に交付する立法事務費の算定基準額を、現行の議員一人につき月額三万円から四万円に改めようとするものであります。  次に、国会議員の秘書の給料等に関する法律の一部を改正する法律案の内容について申し上げますと、現在二人の秘書の滞在雑費については、一人は日額五百五十円、他の一人は日額四百五十円と、差がありますが、これを一律に日額六百円とし、同じく閉会中雑費についても、月額八千二百五十円、月額六千七百五十円と、差がありますが、これも一律に月額九千円に、それぞれ改めようとするものであります。  なお、両法律とも昭和四十年四月一日から施行することになっております。  議院運営委員会におきましては、審査の結果、両案とも全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  60. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  61. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ——————————
  62. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第十七、参議院事務局  職員の定員に関する件、  議長は、本件につきまして、議席に配付いたしましたとおりの「参議院事務局職員定員規程の一部を改正する規程案」を議院運営委員会にはかりましたところ、異議がない旨の決定がございました。
  63. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 本規程案に御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  64. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  これにて休憩いたします。    午前十一時七分休憩      ——————————    午後六時三十四分開議
  65. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  この際、日程に追加して、  科学技術会議議員の任命に関する件を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  内閣から、科学技術会議設置法第七条第一項の規定により、兼重寛九郎君、茅誠司君、篠原登君を科学技術会議議員に任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  本件に同意することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  67. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。      ——————————
  68. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 参事に報告させます。
  69. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、  裁判所職員定員法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  70. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。法務委員長石井桂君。    〔石井桂君登壇拍手
  71. 石井桂

    ○石井桂君 ただいま議題となりました「裁判所職員定員法の一部を改正する法律案」について、法務委員会における審議経過と結果を御報告いたします。  本法律案は、一審における訴訟の適正迅速な処理をはかるため、簡易裁判所判事を本年四月一日から十六名増加するものであります。  委員会における質疑については、会議録によって御承知を願います。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、稲葉委員から、本法律案賛成の意見が述べられ、自由民主党日本社会党、公明党及び第二院クラブの共同提案にかかる次の附帯決議案提出されました。    附帯決議案   政府並びに最高裁判所は、近時における訴訟遅延の現象にかんがみ、裁判事務の適正迅速なる処理を図るため、裁判官、裁判所書記官その他の裁判所職員を大幅に増員するとともに、それに伴う庁舎その他の施設の拡充整備に特段の努力をすべきである。   右決議する。  次いで、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  また、附帯決議案も、全会一致をもって委員会決議とすることに決定いたしました。  以上御報告いたします。(拍手
  72. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  73. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。      ——————————
  74. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、  地方税法の一部を改正する法律案、  地方交付税法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  75. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。地方行政委員長天坊裕彦君。    〔天坊裕彦君登壇拍手
  76. 天坊裕彦

    ○天坊裕彦君 ただいま議題となりました二つの法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず、地方税法の一部を改正する法律案は、地方財政の安定と住民負担の軽減合理化をはかるため、住民税における障害者等の非課税範囲の拡大、住民税法人税割りの税率調整、営業用小型自動車、トラック等を除く自動車税率の引き上げ、大規模償却資産にかかる固定資産税に対する市町村の課税限度額の合理化、電気ガス税の免税点の引き上げ等をおもな内容とするものであります。  委員会におきましては、三月二十三日、吉武自治大臣より提案理由の説明を聞いた後、地方財政の現況、自動車税及び娯楽施設利用税等について活発な質疑を行ない、また、参考人の意見を求める等、慎重審査を行ないましたが、その詳細は会議録によってごらん願います。  かくて質疑を終局し、討論に入りましたところ、林委員は日本社会党を代表して、本法律案に対する修正案を提出されましたが、その要旨は、大型車を除き、自動車税率を現行どおりとしようとするものであります。次いで竹中委員は、自由民主党を代表して、本修正案に反対、政府原案に賛成する旨を述べられ、また、地方財政の強化、住民負担の軽減等について要望する旨の附帯決議案提出されました。二宮委員は公明党を代表し、田上委員は民主社会党を代表して、本修正案に賛成政府原案に反対する旨を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、修正案を否決し、本法律案賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  また、附帯決議案については、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。     —————————————  次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法律案のおもな内容は、四十年度地方交付税について、公共事業費の増大、社会保障制度の拡充、給与改定の平年度化等に対応して、第一に、地方交付税率を〇・六%引き上げて二九・五%とし、第二に、地方交付税の総額の増加に伴い、単位費用を改定して基準財政需要額を増額し、第三に、新固定資産評価基準の実施に伴い、市町村の土地にかかる固定資産税の基準税額の算定基礎の一部を改める等の改正をしようとするものであります。  委員会におきましては、三月二十三日、吉武自治大臣より提案理由の説明を聞き、慎重審査をいたしましたが、詳細は会議録によってごらん願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、松澤委員は日本社会党を代表して、二宮委員は公明党を代表して、政府原案に反対の意見を述べられました。採決の結果、本法律案は、賛成多数をもって政府原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上報告申し上げます。(拍手
  77. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  78. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ——————————
  79. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、  住宅金融公庫法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  80. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。建設委員長安田敏雄君。    〔安田敏雄君登壇拍手
  81. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 ただいま議題となりました法律案につきまして、建設委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  本法案は、最近の公庫の貸し付け業務の実情にかんがみ、業務の範囲を拡大しようとするものでありまして、  第一は、市街地の高度利用をはかるための施策として、従来、法人に対してだけ行なってまいりました賃貸または分譲の中高層住宅建設資金の融資を、個人に対してもできるようにしたこと、また、公庫の貸し付けを受けて建設される賃貸住宅等と一体として建設される中高層耐火建築物内の店舗、事務所等に対する貸し付けの限度を、七割五分から八割に引き上げたこと、並びに土地所有者等が中高層耐火建築物を建設する場合に、その資金のほとんど全額を貸し付けられるようにしたことであります。  第二は、新住宅市街地開発事業等の大規模な宅地造成事業におきましては、学校施設の建設資金を宅地造成資金と合わせて貸し付けることができることといたしたことであります。  第三は、現在公庫が行なっております増築資金及び改修資金の貸し付け制度は、その内容が類似しておりますので、これを統合して、増築工事や住宅の居住性を良好にする工事等には、住宅改良資金を貸し付ける制度を設けたこと等であります。  本案に対する質疑のおもなる点は、公庫の貸し付け業務の実績及び貸し付け金の償還状況、中高層耐火建築物や学校施設の建設に対する公庫の貸し付け条件と公団がこれらを建設して分譲する場合の譲渡条件の差異、公庫の貸し付け金にかかる土地担保の取り扱い、土地担保貸し付けの際、新たに借地権者を貸し付け対象とした理由等に関するものでありますが、詳細は会議録に譲ることといたします。  かくて質疑を終了、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して田中委員、公明党を代表して白木委員、民主社会党を代表して田上委員から、それぞれ実情に即した適正な運営を要望して賛成する旨の発言がありました。  次いで採決の結果、本法案全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  82. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  83. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  84. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、  所得税法案、  法人税法案、  租税特別措置法の一部を改正する法律案、  所得税法及び法人税法施行に伴う関係法令の  整備等に関する法律案、  物品税法の一部を改正する法律案、  関税定率法等の一部を改正する法律案、  交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改 正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)  以上七案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  85. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長西田信一君。    〔西田信一君登壇拍手
  86. 西田信一

    ○西田信一君 ただいま議題となりました七法律案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  まず、所得税法案法人税法案租税特別措置法の一部を改正する法律案、並びに、所得税法及び法人税法施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案について申し上げます。  いわゆる租税三法の改正は、税制調査会の答申を受け、さらに、政府が検討を加えた結果、昭和四十年度税制改正として、中小所得者を中心とする所得税の負担軽減、及び、企業の体質改善、国際競争力の強化に資する企業課税の軽減を行なうほか、当面要請される諸施策に対応する税制上の特例措置を講ずるため、平年度約千二百億円の減税を行なおうとするものであります。     —————————————  所得税法案のおもなる内容について申し上げますと、  最近における所得税の負担の状況にかんがみ、給与所得者、事業所得者等、各種所得者を通じ、中小所得者に重点を置いて所得税の負担を軽減するため、基礎控除を一万円引き上げ、十三万円にするとともに、配偶者控除、扶養控除、専従者控除、給与所得控除をそれぞれ引き上げております。この改正により、夫婦及び子三人の家族の場合で、所得税を課せられない限度額は、給与所得者につきましては、現在の約四十八万円から約五十六万円に、青色申告の事業所得者は、現在の約四十三万円から約五十万円に引き上げられております。  第二は、納税者の理解を容易にする見地から、全文改正を行なうものであり、この点については、税制調査会の答申昭和三十八年十二月に行なわれております。  すなわち、基本的には現行制度を踏襲しつつ、税法の体系的な整備、表現の平明化及び規定の整備合理化の三つを基本方針として、課税所得及び税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続について、その簡素合理化をはかるため、所得税法の全部について改正しております。  本法改正に伴う減税額は、平年度約一千百三十七億円であります。  なお、本案につきましては、衆議院において、不動産業者の不動産あっせんに関する調書提出義務を削除する修正が行なわれております。     —————————————  法人税法案は、  第一に、最近における法人税負担の状況にかんがみ、中小所得に対する負担の軽減と、中小法人の内部留保の充実をはかるため、法人税率を、年三百万円以下の所得については三三%より三一%に、三百万円超の部分は三七%に、それぞれ引き下げるとともに、同族会社の留保所得に対する課税につき、この留保所得金額から控除する額の引き上げを行なうものであります。  第二に、所得税と同様、納税者の理解を容易にする見地から、税法の体系的な整備、表現の平明化及び規定の整備合理化をはかるため、法人税法の全部を改正しております。  本法改正に伴う減税額は、平年度約三百十四億円であります。     —————————————  租税特別措置法の一部を改正する法律案は、  第一に、本年度末で期限の到来する利子所得及び配当所得の源泉徴収税率の軽減措置につき、現在の五%の税率を一〇%に引き上げ、なお二年間存続する一方、資本市場の育成等に資するため、利子所得についての分離課税制度の適用期間も延長し、配当所得については、新たに年間一銘柄五万円以下の配当について確定申告を要しないものとするほか、一定の要件のもとで、一五%の税率による源泉選択制度を創設しております。  第二に、鉱産物資源の開発の促進に資するため、探鉱準備金及び探鉱費の特別控除制度を創設するとともに、国際競争力の強化に資するため、技術等海外取引の特別控除制度の適用対象を拡充しております。  その他、交際費につき、内部留保に資する企業努力を税制面から推進するため、損金不算入割合を五〇%に引き上げるとともに、新築住宅にかかる登録税の軽減措置等、適用期限の到来するものにつき、その期間の延長をはかっております。  本法改正に伴う増収額は、平年度約二百二十九億円であります。     —————————————  所得税法及び法人税法施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案は、所得税法及び法人税法の全文改正に伴い、国税通則法その他の関係法令について、必要な整備を行なおうとするものであります。  委員会におきましては、四案を一括し、大阪大学教授木下和夫君、三菱化成工業社長篠島秀雄君を参考人として意見を聴取する等、慎重審議を行なったのでありますが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、質疑を終了し、修正案についてはかりましたところ、木村委員より、所得税法案について、「配偶者控除を基礎控除と同額にするため、さらに一万円引き上げる」旨の修正案が提出されました。  なお、この修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、政府に対して意見を求めたところ、政府においては、現時点では財政上適当でない、との意見が述べられました。  次いで、四案一括して討論に入りましたところ、日本社会党を代表し、佐野委員より、「所得税法案の修正案は賛成であるが、四案については、国民の減税要望を踏みにじり、答申を曲げ、その反対方向に進み、大資本優先の減税を強めている等の理由で反対である」との意見が述べられ、自由民主党を代表し、大竹委員より、「修正案には反対であるが、四原案は、国民の減税要望と現在の経済情勢よりする政策を配慮したもので、現在の時点では最善であり、賛成する」との意見が述べられ、公明党を代表し、中尾委員より、「修正案には賛成であるが、四原案には、課税最低限の引き上げが不足である等の理由で反対する」との意見が述べられ、民主社会党を代表して、田畑委員より、「修正案には賛成であるが、四原案は、物価値上がり、生活水準の向上に見合う所得減税もなされず、一方、資本、資産所得の優遇等、企業のための減税に偏したものであり、反対である」との意見が述べられ、鈴木市藏委員より、「修正案は賛成、四原案は、国家独占資本主義を強化し、所得政策に道を開き、勤労者に耐乏生活をしいるものであるから反対する」との意見が述べられました。  各案について、それぞれ採決の結果、所得税法案の修正案は、賛成者少数で否決され、四案の原案については、いずれも多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  さらに、大竹委員より、四派共同提案にかかる租税特別措置法改正案について、「消費生活協同組合等の留保所得の特別控除適用について検討せられたい」という趣旨の附帯決議案提出され、多数をもって本委員会附帯決議とすることに決しました。     —————————————  次に、物品税法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本格的な開放体制に移行した現在、国際競争力の見地から、本年四月より基本税率に戻ることは必ずしも適当ではないとの理由により、本案は、この際、四十年度の税率を、小型乗用自動車につきましては一六%、カラーフィルム等三物品につきましては一三%とし、漸次段階的に引き上げつつ、二年後に基本税率二〇%に戻すよう、経過措置を講じようとするものであります。  委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して成瀬委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  次に、関税定率法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、最近の経済情勢の変化に対応するため、関税率について、二十品目の実効税率を変更し、九十一品目の暫定税率の適用期限を延長するほか、暫定関税免除及び還付制度の適用期限の延長、拡充等を行ない、また、最近における外国貿易の実情に顧み、開港として二港を追加するとともに、船用品及び機用品の積み込み手続を簡素化する等のため、関税定率法、関税暫定措置法及び関税法について、それぞれ所要の改正を行なおうとするものであります。  なお、本案につきましては、衆議院において、トウモロコシに関税割り当て制度を採用する修正が行なわれております。  委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知を願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、鈴木委員より反対の意見が述べられ、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。     —————————————  最後に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、地方交付税法改正に伴い、一般会計からこの会計に繰り入れる金額のうち、所得税、法人税及び酒税の収入見込み額を基礎とするものの算定の基準となる割合を、昭和四十年度以降、百分の二八・九から百分の二九・五に引き上げることにしようとするものであります。  委員会における審議の詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  87. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 所得税法案に対し、木村禧八郎君外四名から、成規の賛成者を得て修正案が提出されております。この際、修正案の趣旨説明を求めます。木村禧八郎君。    〔木村禧八郎君登壇拍手
  88. 木村禧八郎

    ○木村禧八郎君 ただいま提案の所得税法案に対する修正案は、配偶者控除を基礎控除と同額にするための修正案でございます。  まず、修正案文を朗読いたします。    所得税法案に対する修正案   所得税法案の一部を次のように修正する。   第七十七条第一項及び第二項中「十二万円」を「十三万円」に改める。   附則第四条の表中「十二万円 十一万七千五百円」を「十三万円 十二万五千円」に改める。  という内容のものであります。  提案理由を説明いたします。  本修正案の提案の目的は、税制面から家庭内における妻の座を引き上げようとするものであります。このことは、男女同権を規定しております民主憲法の立場から申しましても、また、夫の家庭外における労働も、妻の家庭内の労働も、家庭への貢献ということから見まして同等であるということからいたしましても、当然の措置であると思うのであります。  自民党は、昭和三十五年の総選挙にあたりまして、妻の座を引き上げるために、基礎控除と配偶者控除を同額にすることを公約いたし、昭和三十六年の税制改正におきまして、従来扶養控除として取り扱われておりました妻の控除、そのために常に基礎控除より下回っておりました妻の扶養控除を、配偶者控除と改めたのであります。初めて配偶者控除を新設しまして、配偶者控除を基礎控除と同額の九万円にいたしたわけであります。このときは公約を守ったのであります。ところが、その後の税制改正におきまして配偶者控除と基礎控除との間に再び格差を生ぜしめまして、配偶者控除は基礎控除を下回るに至ったわけであります。これから見ますと、昭和三十六年の改正はどうも選挙目当ての改正であったように思われるのであります。そこで私は、昨年の三月十六日の参議院予算委員会におきまして、配偶者控除と基礎控除とを同額にすべきことを政府に求めたわけであります。これに対して泉主税局長は、「理論的には配偶者控除と基礎控除は区別すべきではなく、できるだけ一致することが望ましいことは、お説のとおりと思っております。しかし、さらに配偶者控除を一万円引き上げますには、平年度百億円の減税財源が要るわけでございます。そこで、今回の減税財源が相当大きく、歳出との関連から、これ以上減税財源をふやすことは困難ということからいたしまして、配偶者控除の引き上げは、今回は五千円引き上げにとどめざるを得なかったのでございます。将来におきましては、衆議院の大蔵委員会で、中山税制調査会長が言われておりますように、配偶者控除と基礎控除とは同額に持っていくように今後考えていきたいと、かように考えているのでございます。」——これは速記によったものでございます。こういう答弁をしております。続いて、田中大蔵大臣は次のように答弁しております。「来年度の財源の問題を今日ここで申し上げるわけにはいきませんが、来年減税がまたやれるような状態であれば、いまのお説のようなものは優先的に考えるべきだというふうに考えるわけでございます。」、このように、はっきりと、四十年度の税制改正におきまして配偶者控除と基礎控除を同額にすることを公約しているわけであります。国会の場で、はっきりと公約をしているわけであります。したがって私は、当然、四十年度の税制改正で、配偶者控除と基礎控除が同額にされるものと期待しておったのであります。ところが、四十年度の税制改正におきまして、基礎控除十三万円、配遇者控除十二万円でありまして、配遇者控除は基礎控除より一万円下回ったわけであります。  そこで私は、まず、三月六日の予算委員会におきまして、佐藤総理大臣に対しまして、政府国会で約束したことは、これは責任をもって守るべきであるが、守るつもりがあるか、ということを質問したわけであります。これに対して、佐藤総理大臣は次のように答弁をしているわけであります。「公約した事項——国会において、国会の場で公約した事項、これは忠実に実行する責任政府にある、かように考えております。ただいままでも、そういうことについては最善の努力を払っておると、かように確信いたしております。」、こう答弁しております。さらに、これに関連して、米田勲君が重ねて総理大臣に所見をただしたところ、総理大臣は、「やはり約束事項はこれは誠意をもってそれを処理しないと、これから後の信用にも関する、かように私は思います。それで私は、率直に私の所信を表明いたしたのであります。」、こういう答弁をされているわけです。  そこで私は、総理大臣が、このように、国会で約束したことは誠意をもって守らないといけないということを、はっきりと言われましたので、それでは、昨年、予算委員会で、配偶者控除と基礎控除を、四十年度で減税をする余裕があったら、優先的に措置するということを大蔵大臣が約束したんでございますから、なぜ四十年度のこの税制改正でこの約束を守らないのか、こういう質問をしたわけであります。ところが、大蔵大臣は、これは約束ではない、こうおっしゃっているんです。これは私は、全く無責任な放言ではないかと思う。速記録にはっきり約束しているわけです。また総理大臣も、大蔵大臣が約束ではないといっているようである、しかも誠意をもって今後また考えると言っているからと、そうして大蔵大臣は、今度は、四十一年度——来年度はまた優先的に考えると、こう御答弁されているのです。これでは全く政府国会で公約したことを信頼できません。また、来年優先的に考えると申しましても、これは実行できるかどうか、もうすでに公約に違反しているのでありますから。また、税制調査会の今度の答申では、必ずしも配偶者控除は基礎控除と同額でなくてもよろしいという答申をしている。したがって、今度は同額にしなかったと、これも一つの理由にあげております。しかし、この前の中山伊知郎氏が税制調査会長のときには、はっきりと、基礎控除と配偶者控除は同額にすべきであると答申しております。また、自民党も、昭和三十五年の総選挙にあたりまして、妻の座を引き上げる——民主主義の世の中では、妻と夫の座は同じであるということから、三十六年に、いま、申しましたように、基礎控除と配偶者控除を九万円、同額にしたわけです。それを税制調査会の答申を理由に、また差別をつけて、四十年度の税制改正でこれを実行しなかったわけです。しかし、税制調査会の答申をそんなに厳格に守るなら、税制調査会が答申しなかった配当の分離課税について、なぜ政府は、やったのですか。税制調査会の「日本の税制に関する基本的なあり方」の中では、利子とか配当とかのそういう資産所得、一部の高額所得層に特別の優遇措置を講ずるような特別措置は廃止すべきであると答申しているのです。ところが、政府は、廃止どころか、むしろ逆に、この優遇措置を強化しているのです。そういう点は、政府は税制調査会の答申を無視しております。それならば、配偶者控除につきまして、税制調査会が、必ずしも同額でなくてよろしいというのをなぜ無視できないのですか。しかも、税制調査会の答申は、あるときは同額にせよといったり、あるときは同額でなくてよろしいといったりしているのです。これは、学者の意見は、態度が変わるのです。また、政府は、差別させようとすると、来年、自動的にまた、学者の意見が、どうも政府の意見を反映してしまうのです。この点が、私は見識がないと思うのでありますが、政府のこれは措置によってできることなんです。おそらく、大蔵大臣は、財源がないとお答えになるに違いないのです。しかし、四十年度の予備費は五百億ございます。三十九年度より二百億よけい計上してあるのです。三十九年度は三百億、四十年度は五百億、予備費を計上してあります。この配偶者控除を一万円引き上げるためには、約百億の財源が要るはずであります。したがって、政府がやろうと思えば、できるのです。それを行なわないということは、国会で公約したことを守らない。これは非常な政治的不信でありまして、今後も、私は、予算委員会あるいは他の常任委員会、こういう本会議で、政府に質問して、公約しても、これを信用できないということになりましたら、どうなりますか。われわれ何のために法案審議をし、あるいは予算の審議をするのでありますか。その審議の過程で、政府に公約を取りつけた、取りつけたが、政府がそれを約束でないといいながら、これを無視するということは、絶対に私は許されないことであると思うのです。今後も、これは、私は、単にこの一事だけの問題ではない。参議院の威信に関する問題だと思うのです。  また、私の修正案に賛成されない方は、これは、妻の座を引き上げ、婦人の権利を伸長することに反対されるものと解されるわけでございますから、この点については、十分に御考慮の上、ぜひ、全員一致、私の提案に御賛同の上、この修正案を可決されんことを心からお願いいたしまして、提案理由の説明を終わる次第でございます。(拍手
  89. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 本修正案は、予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。田中大蔵大臣。    〔国務大臣田中角榮君登壇拍手
  90. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) この修正案は、平年度において約百億円の歳入減となる見込みでありまして、現時点におきましては、財政上適当でないと考えます。
  91. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 所得税法案法人税法案租税特別措置法の一部を改正する法律案、及び、所得税法及び法人税法施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案に対し、佐野芳雄君から、また、物品税法の一部を改正する法律案に対し成瀬幡治君から、それぞれ討論の通告がございます。順次発言を許します。佐野芳雄君。    〔佐野芳雄君登壇拍手
  92. 佐野芳雄

    ○佐野芳雄君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました租税関連四法につきまして反対、社会党を代表しての木村議員提出にかかりまする修正案に賛成討論を行なわんとするものであります。  私は、まず反対の理由を申し上げる前に、政府に深く反省を求めたい点があるのでございます。すなわち、減税を要求する国民の声は、ちまたに満ち満ち、政府みずから減税問題を重要施策として取り上げざるを得なくなっている実態についてであります。減税を要求する国民の声は、何より、高度経済成長の結果、経済のあらゆる分野にゆがみが爆発的に露呈し、特に物価上昇の中で勤労所得に実質的に重い税金が課せられ、資産と所得の格差はますます拡大していることであります。さらに、大企業や資産所得に対しては不当な優遇措置がとられているにもかかわらず、勤労所得には重い税金が押しつけられ、そのために、税負担の不均衡、不公平、大衆負担の増加が著しくなってきていること、及び、権力をかさに着て、弱い者いじめの徴税がますます強化されているということに、その要因を求めなければならないと思うのであります。しかるに政府は、今回の改正案を見ましても、これらの国民の要求を踏みにじり、大企業、大資本優先の減税を、しゃにむに推し進めようとしているのであります。  すなわち、反対の理由の第一点は、今回の税制改正案は、当然に、政府みずからが強調されているように、経済の高度成長に伴って生じたいわゆる「ひずみ是正」にまつ正面から取り組まねばならないにもかかわらず、かえってひずみを拡大し、さらには税体系そのものを破壊しようとする方向をとっているという点であります。それは、今回の改正案が、国民の減税要求を忘れて、あまりにも政府側との妥協に終わったと批判されている税制調査会の答申をすらねじ曲げ、むしろ正反対の方向をとろうとしている点に、端的に証明されているのであります。税制調査会の答申は、少なくとも所得税減税を中心とした減税の方向を指摘しているのであります。確かに減税規模は初年度八百十八億円と、表面的には税制調査会の答申にいう「自然増収の二〇%」の減税の線を踏襲しているかのごとく装いながら、実質におきましては、所得税の基礎控除を一万円切り下げ、配偶者控除に振りかえ、中低所得者層に対する税率緩和の削除を行ない、他方、法人税においては税率の引き下げをあえてし、さらには、租税特別措置の期限切れとなった部分は、全面的にこれを延長拡大し、配当源泉選択制度の採用により、事実上の分離課税を認めてしまっているのであります。これでは、財源難とは名のみ、所得税を中心とした大衆重課を合理化するもの以外には、何ものも読み取ることができないと思うのであります。特に、物価高の中で、名目所得が一割程度ふえたといたしましても、現実の勤労者の生活実態は何ら向上していないにもかかわらず、税額は逆にふえているのが実態であります。しかもその陰で、消費者米価の値上げ、財政法の基本原則でありまする減債基金制度の改悪など、なしくずしの金づくり政策をあえてし、ひずみ是正どころか、ますますひずみ拡大の方向をとっているのであります。さらには、公債発行、インフレヘの危険を一そうかき立てているのであります。ここで問題としなければならないのは、課税最低限の問題であります。生計費には課税すべからずというのが税制上の大原則であります。これまでもたびたびこの点は指摘したところでございます。しかるに、今回大蔵省より発表されました基準生計費は、およそ現実を離れたものであり、成人男子一人当たり一日百六十七円という最低食費計算の非現実性をこえて、実態的消費構造を全く反映していないものを示しているのであります。しかも、この一日一人成人百六十七円というこの生計費にまで、間接税が課税されているのであります。このような過酷の度を勤労大衆に加えているのが実情であります。  反対の第二の理由は、これまでの政府の減税政策は、常に、所得減税が、企業減税、資本減税に押しまくられ、とりわけ、高度成長経済の過程において、税の累進構造は緩和の一途をたどっていることであります。今回の改正は、この傾向を決定的なものとしようとしていることであります。その一つは、法人税率の引き下げの問題であります。産業界や政府首脳の法人税率軽減論は、諸外国に比べても正当な根拠を持つものとはとうてい言えないものであります。総資本利潤率が表面上低下したことは、早期償却制度によるところの償却費の増大、あるいは利子負担の増大等を勘案いたしますならば、法人利潤の実勢を反映しているのではないのであります。むしろ、物価騰貴による名目賃金の上昇と、それに伴って生ずるところの中低所得層の税額の累進的増加のメカニズムを反映した所得税の大衆重課の質的拡大を考えるならば、企業課税においてこそ、累進税率の採用によって、その負担能力に応じた課税を実現すべきであると言わなければならないのであります。私どもが超過利潤税の導入を主張いたしておりますのも、このような立場からなのであります。  もう一つの問題点は、租税特別措置の拡充と強化の点であります。大企業ないしは資産所得優遇の租税特別措置は、これまで何回となく、その整理改廃が論議されてきたところであります。税制調査会においても、これまで毎年のようにその弊害を指摘し、負担公平原則や、租税の中立性を阻害し、総合累進構造を弱め、納税者のモラルに影響を及ぼすなど、多くの短所があるから縮減すべきであるとして、特に利子・配当課税の特例措置は直ちに廃止すべきであるとして具体的に示しているのであります。しかるに政府は、この税制調査会の答申にすら盛り込まれていた租税特別措置の整理を全般的に縮小し、利子配当の源泉徴収税率を五%から一〇%に引き上げたのと引きかえに、利子分離課税を延長しただけでなく、配当については、いわゆる源泉選択制度を採用し、一五%の税率による事実上の分離課税を推進しているのであります。さらに、委員長報告のありましたように、一銘柄につき年間五万円までの確定申告不要制度の創設をあえて行なおうといたしているのであります。この源泉選択制度がだれのためのものであるかは明らかであります。この制度により減税の対象となる者は、上積み税率が三五%、課税所得百八十万円をこえる者が、この選択によって有利になるにすぎないのであります。これらの配当所得者はきわめて限られた一部所得者にすぎず、たとえば昭和三十八年度分給与実態調査によりましても、配当所得の所得階層別分布のうち、所得階層二百万円以上の配当所得者は、全配当所得者の三一%、全納税人口の〇・七四%にすぎないのであります。これらの層が全配当所得の実に八三・五%を受け取っているのであります。形式的な制限条項も、運用の過程でどうにでもやりくりできる性格のものであります。まさに高額資産所得に偏した片手落ちの処置と言わなければなりません。  さらに、この制度の導入により、税の累進構造体系は決定的に破壊されることであります。分離課税化の最大のねらいは、所得捕捉をおおい隠し、高額所得者の実質的な脱税行為を合法化するところにあると言わなければならぬと存じます。  また、この制度により証券市場が好転するかどうかの問題もさることながら、証券市場の低迷は、むしろ、借金経済を軸とした金融、証券市場の正常化を改めない限り、根本的な解決はあり得ないのであります。問題なのは、高度経済成長政策の破綻によってもたらされた経済のゆがみを反映した株価低迷に対し、その根本的原因を反省することなく、政府みずからが株式てこ入れ策として共同証券に四千億円もの援助をしたり、大蔵大臣が進んで批判の多い配当優遇税制を推進するなど、諸外国には例を見ない異常な姿をとっていることそのものであります。  反対の理由の第三は、高度成長政策を軸として、大衆課税的な性格を強化しながら、他方、税制を通ずる資本蓄積のための諸政策が実現されたことによって、「金持ち天国、勤労者地獄」の税制に対する大衆の不満と、それに対する抵抗の姿勢は、急速に成長しつつあるということであります。このまま放置いたしますならば、必ず重税に対する大衆の不満、批判は、反税闘争へと転化していくであろうことは明らかであります。そして、その裏側では、権力徴税の方向を政府はますます強化する危険が十分であります。たとえば、今回の全文改正及び整備関係法規を見ても、整備とは名のみ、租税法定の原則をあざ笑うかのように、おびただしい個所において政令委任事項が設定されており、そのいずれもが税額算定には決定的な役割りを果たすべき重要事項なのであります。その意味では、納税者の首根っこは大蔵官僚のほしいままな判断にゆだねられ、税法の簡素化は、すべて権力側からの簡素化に終始し、納税者の権利はきわめて低い地位に放置されているのであります。まさに、納税者の権利は、風にそよぐ葦にひとしいと言わなければならないと思います。納税者の権利を法定し、権力の乱用を規制するのは、わが党の年来の主張である租税基本法を制定し、租税法定の原則を貫くことが先決であると存ずるものであります。  以上簡単に政府法案に対する反対の理由の要点のみを申し上げたのであります。  以上の観点に立ちまして、わが党は、すでに昭和四十年度税制改正の基本方針を明らかにして、政府に強く反省を求めてまいったところであります。その骨子は、  第一に、減税の中心は、所得税、特に給与所得者の減税、特に五人家族サラリーマンにつき、年収八十万円まで無税とすべきであり、同時に、富裕税の復活等、資産に対する適正な課税を実現すること。  第二には、大企業、資産所得に片寄った租税特別措置の徹底した整理を行なうこと。  第三に、租税基本法を制定し、租税白書を義務づけるなど、徴税行政が科学的かつ民主的に行なわれるようにすること、を要求しているところであります。これは、わが党の要求であるとともに、国民の強い要求であり、これを踏みにじっている政府の態度は、国民とともに徹底的に糾弾されねばならないのであります。  わが党は、このような立場を踏まえながら、この際、まさに最低限度の修正要求をいたしまして、ただいま同僚木村議員から趣旨説明のございました配偶者控除を基礎控除と同額にまで引き上げることにいたしまする修正案に対しましては、私たちは満腔の賛意を表する次第であります。  ここに政府法案に対し反対の意を表明し、同時に、木村議員の修正案に賛成して、私の討論を終わります。(拍手)     —————————————
  93. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 成瀬幡治君。    〔成瀬幡治君登壇拍手
  94. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま上程をされております税法のうち、物品税法案に対して反対の討論をいたします。  反対をする第一の理由は、物品税法は、戦時立法であり、しかも大衆課税立法であるという点であります。戦争遂行にあたって、ばく大な費用、金が必要であるというので、国民大衆への負担増大をねらい、人頭割りの性格の強い本法律が作成されましたのは、昭和十六年であります。自来、「勝つまでは」のかけ声で、国民大衆に困苦耐乏をしいて金を召し上げたものであります。再出発をした日本に、戦後二十年を経過した今日、なお残存していることが全くおかしな話で、納得のいかない点であります。わが党がしばしば更新廃案を強く主張してきた点も、ここにあるのであります。  政府は、直接税と間接税の比率を諸外国に例をとり、物品税法の存在の理由づけとしております。しかし、特にイタリア、フランスにおきましては、所得税の脱税が多くて、間接税によらざるを得ない国です。これをまねすることはとんでもないことですとは、木村元一・一橋大学教授の予算委公聴会における公述であります。博覧強記を称せられている田中大蔵大臣は、何もかも先刻御承知のはずであります。その田中大蔵大臣が、最近、間接税の大幅増徴を示唆されましたが、間接税は消費者の負担であります。人頭割り負担の性質であり、大衆課税であります。税は、元来、持っている者が負担をして、持たない層、額に汗して働き、その家族の生活をささえている階級からは税は徴収しないというのが原則であります。持てる階級の負担を軽減し、持たない階級への負担の転嫁は、間接税による以外に方途がないのであります。  一国の政治はその国の税制を見ればわかるといわれています。戦時立法を強化し、増税をする、大衆課税を増すがごときは、言語道断であります。しかし、奢侈的なものに税金をかける、持てる階層がその財力にまかせて購入するがごときもの、たとえば五十万円以上もするダイヤのごときものは、相当大幅な累進税金がかかるのは当然というべきでしょう。しかし、こうしたことは一向にやらないのです。だれに遠慮しているというのですか。生活必需品と目されるもの、今日の経済生活上、当然必要欠くべからざるものにまで税金をかけるのは、一体何事でしょう。大衆の生活を守ってこそ初めて民主政治の意味があるのであります。奢侈的なものにのみ税金をかける、ぜいたくな消費財のみに税金をかける、すなわち、富裕な階級が税を負担する、税の公平原則に基づくような税法に改めるべきであります。戦時立法、大衆課税を是認している物品税法を、わが党は認めることができないのであります。  反対する第二の理由は、大衆の生活保護と自動車産業の保護の立場からであります。今回の改正案によりますと、小型自動車関係は、国税において五%、地方税において五〇%の税率の引き上げであります。すなわち、国税においては平年度約二十六億、地方税において約九十億、計百十六億の増税であります。これはコストの中で消化されるものではありません。消費者の負担増となってはね返ってきます。試みに計算をしてみますと、千五百ccで、物品税は、昭和四十年度で八万一千六百円、昭和四十二年度は十万二千円で、それぞれ現行に比べて五千百円と二万五千五百円の増税となり、これに地方税は二万一千円で七千円の増税となります。また、二千ccクラスを見れば、物品税で昭和四十年度は十万八千八百円、昭和四十二年度は十三万六千円となり、それぞれ現行に比して六千八百円、三万四千円の増税となり、地方税は八千円増税となります。ガソリン税、強制保険は昨年増額になっております。そこで、一般消費者の負担増は、千五百ccクラスで、国税、地方税、ガソリン税、強制保険を合算してみますと、昭和四十年度は十二万九百九十六円で一万八千三百三十円の増となり、昭和四十二年度は十四万千三百九十六円で、三万八千七百三十円の増となり、二千ccクラスでは、昭和四十年度は十五万五千三百円で、二万一千三百五十五円の増となり、昭和四十二年度は十八万二千五百円で、四万八千五百五十五円の増となります。たいへんな増徴となります。販売が累年どおりに伸びると保証することができましょうか。これだけの増額となりますから、だれが一体保証することができましょうか。  自動車産業は国民経済に占めるウエートはきわめて重く、その成長は国民経済発展に大きな影響を及ぼすことは、だれも異論のないところであります。戦略産業と呼ばれるゆえんもここにあると存じます。自由化措置がとられないのも、ここに根本的な理由があると思います。一方、OECDの科学研究委員会が、科学と経済成長を主題に、近く初の対日審査を開始すると伝えられております。当然わが国への直接投資を要求してきます。わが国としては、産業構造対策として戦略部門を選定してその対策を樹立するのも、自衛上当然の措置であります。アメリカの自動車がイギリスを征服し、続いて欧州を征服し、最近はカナダとの間に部品協定が結ばれました。次は日本をねらっております。わが党は、国内産業を犠牲にしたり、労働階級を犠牲にしたりする自由化に反対をしてまいりました。だれのための自由化か。民族資本がつぶされてしまわないか。日本はアメリカの経済支配下に入るのではないか。新しい植民地支配に巻き込まれはしないかを懸念してまいりました。今回、政府は、コストダウンもできた、生産も伸びたと指摘していますが、コストダウンは下請へのしわ寄せであることは、今日の産業界の常識になっております。自由化を本年上半期にすると言明されておりますが、暫定税率の改正は、自由化後にその推移を検討してからでもよいのではないでしょうか。  小型レコードは、御案内のとおり、昭和三十七年十月一日から自由化されております。三年経過した今日、業界にとって一向差しつかえないとの結論は、税制調査会等に出されておるところの資料によってもわかるのであります。すなわち、自由化後も、外国の第二市場からの流入、輸入はほとんどないのであります。生産は三十九年度見込みで三十六年の二九・七倍、コストは九〇%になっております。十七センチ盤レコードにこれだけの配慮が必要であり、暫定税率一〇%が三年間据え置かれたものなら、わが国経済に重大な影響を及ぼすであろうところの小型自動車に対して、なぜ小型レコードに対してとられた措置、すなわち、自由化後も暫定税率一五%で、二、三年の経過を見て、その上であらためて、必要な措置、対策を立てるのが筋だと思うのであります。小型レコードに対してできたことが、小型自動車にできない理由は見つかりません。すなわち、小型自動車の生産は、昭和三十九年度は三十六年度に比して二十三倍、コストは八七%であります。小型自動車にこそ必要な理由があります。なぜならば、一言で言いますならば、わが国の戦略産業であるからであります。また、田中大蔵大臣も本法律案審議の中で答弁をされておりますように、小型自動車は、高級的、奢侈的消費財ではないのであります。
  95. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 成瀬君、時間になりました。
  96. 成瀬幡治

    ○成瀬幡治君(続) 税法改正が政治的配慮という美名で悪用されてはなりません。消費者負担軽減の立場から、自動車産業保護の立場から、本法案に反対をいたします。(拍手
  97. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  まず、所得税法案に対する木村禧八郎君外四名提出の修正案全部を問題に供します。本修正案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  98. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 少数と認めます。よって本修正案は否決せられました。      ——————————
  99. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 次に、所得税法案の原案全部を問題に供します。原案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  100. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  101. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 次に、法人税法案租税特別措置法の一部を改正する法律案所得税法及び法人税法施行に伴う関係法令の整備等に関する法律案物品税法の一部を改正する法律案、及び、関税定率法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。五案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  102. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって五案は可決せられました。      ——————————
  103. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 次に、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  104. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ——————————
  105. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) この際、日程に追加して、  法務省設置法の一部を改正する法律案、  文部省設置法の一部を改正する法律案、  労働省設置法の一部を改正する法律案、  (いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  106. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長柴田栄君。    〔柴田栄登壇拍手
  107. 柴田栄

    柴田栄君 ただいま議題となりました法律案三件につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、三法律案改正点について申し上げます。  法務省設置法の一部を改正する法律案改正点は、法務省職員の定員を九十八人増員すること、鈴蘭台学園の名称及び位置を改めること、青森少年院及び帯広少年院を新設すること等であります。  次に、文部省設置法の一部を改正する法律案改正点は、附属機関として国立社会教育研修所及び臨時私立学校振興方策調査会を設置すること、文部省職員の定員を三千八百四人増員すること等であります。  最後に、労働省設置法の一部を改正する法律案改正点は、労働災害の防止対策事務の強化拡充をはかるため、労働基準局に労災防止対策部を設置すること、広域職業紹介の業務体制の整備に伴い、北九州職業安定事務所を廃止すること、労働省の職員定数を三百十人増加すること等であります。  本委員会におきましては、右の三法律案について熱心に質疑を重ね、慎重に審査を行ないましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。  三法律案とも質疑を終わり、別に討論もなく、それぞれ採決の結果、いずれも全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  108. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。三案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  109. 重政庸徳

    ○副議長(重政庸徳君) 過半数と認めます。よって三案は可決せられました。  これにて休憩いたします。    午後七時四十九分休憩      ——————————    午後九時三十一分開議
  110. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。  参事に報告させます。    〔参事朗読〕  本日委員長から左の報告書が提出された。  昭和四十年度一般会計予算昭和四十年度特別会計予算及び昭和四十年度政府関係機関予算可決報告書      ——————————
  111. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、  昭和四十年度一般会計予算、  昭和四十年度特別会計予算、  昭和四十年度政府関係機関予算、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。  まず、委員長報告を求めます。予算委員長平島敏夫君。    〔平島敏夫君登壇拍手
  113. 平島敏夫

    ○平島敏夫君 ただいま議題となりました昭和四十年度予算三案の委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  昭和四十年度予算の内容につきましては、すでに本議場における財政演説において、田中大蔵大臣から説明が行なわれたとおりでありますので、省略させていただきます。  これらの予算三案は、去る一月二十二日に国会提出されたものでありますが、予算委員会におきましては、一月三十日に大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、三月三日衆議院よりの送付を待って、翌四日から質疑に入り、自来、本日まで委員会を開くこと二十回、その間、三日間にわたり分科会、二日間にわたり公聴会を開いて、慎重に審査を進めてまいりました。以下、質疑のおもな点につきまして、その要旨を御報告申し上げます。  まず、外交問題では、主としてベトナム紛争の解決策、日韓交渉等に質疑が集中されました。ベトナム問題については、「ベトナム紛争の激化は、日米安保条約当事国として、日本にも重大な影響があると思うが、政府は、ベトナム紛争に対し、どのような考えを持っているか。最近における米国の攻撃は報復の限界をこえており、日本が戦争に巻き込まれる心配がないとは言えないのではないか。政府は、中ソの介入はないと考えているのか。米国から安保条約による事前協議があった場合、どうするのか」等の質疑がありましたが、これに対し、総理及び外務大臣から、「ベトナムにおけるアメリカの行動は、南ベトナム政府の援助の要請に基づくものである。アメリカの北ベトナム爆撃は、北ベトナムからの浸透作戦に対する防衛的反撃であると言っており、やむを得ないものかと考えられるが、日本としては、一日も早く平和のくることを念願している。解決のためには、双方がその分を侵さないという保証が必要であり、双方不信の現状では困難と思う。また、わが国が何らかの呼びかけをすることも、まだ時期尚早と思う。中ソの介入については、第三者として何とも言えないが、今日までの情報では、あり得ないと思われる。米国の北ベトナム攻撃が日本の基地から行なわれるとすれば、安保条約の事前協議の対象になるが、日本の意思に反して戦争に巻き込まれることは絶対避けたい」との答弁がありました。  また、日韓交渉につきましては、特に予算審議中に進展をいたしましたので、そのつど交渉の内容につき質疑が行なわれましたが、最後の総括質疑におきましては、「専管水域を十二海里と認めたことは、領海との関係でどうなるのか。今後他国との交渉にあたって悪例を残すことにならないか。また、李ラインにより受けた日本漁船の損害賠償を韓国の置籍船舶の請求権と相殺するのは筋が通らない。漁民に対する補償をどうするのか。民間借款の一億ドル以上を三億ドル以上としたことも、大平・金了解の逸脱ではないか。竹島問題の処理はどうするつもりか」等の質疑に対しまして、総理及び関係大臣から、「十二海里は領海とは関係なく、専管水域として認めたもので、国際先例もある。今後他国との交渉にあたっても、場合によっては話し合いに応ずることもあり得る。韓国の置籍船舶請求権は大平・金了解で消滅したと解しているので、日本漁船の損害賠償との相殺ではないが、政治的考慮からこれを放棄することによって最終的解決をはかる方針である。漁民に対する補償は別途考えたい。大平・金了解の(ハ)項は、民間の信用供与であり、具体的な計画があれば、三億ドル以上になることも期待される。竹島問題については、国際司法裁判所に提訴することで解決のめどをつけ、一括解決としたい方針である」との答弁がありました。  第二に、経済運営の基本方針につきまして、「政府は経済の基調を長期にわたって安定させる方向に持っていくと言っているが、中期経済計画は依然として設備投資の比率が大きく、設備投資主導型の所得倍増計画と基本的性格は変わっていない。これで、はたして高度成長のひずみを解消し、経済を安定的基調に持っていけるかどうか。また消費者物価については、公共料金値上げストップの解除等による新たな段階を迎えているが、三十九年度及び四十年度政府見通しのとおり、おのおの四・八%、四・五%の上昇にとどめ得るのかどうか。さらに中期経済計画の五カ年間においては、消費者物価の上昇率を年平均二・五%にとどめることになっているが、三十九年度及び四十年度における値上がり分を引けば、四十一年度以降は年平均一%強の上昇にとどめねばならないことになるが、このようなことがはたして可能なのかどうか」等の質疑がありましたが、これに対し、政府から、「中期経済計画は、経常収支における国際収支の均衡と、消費者物価の安定を基本的な政策目標としており、設備投資は過去十年間の年平均増加率の半分、個人消費支出も過去十年間の年平均増加率をわずかに上回る程度にすぎない。成長率八・一%は欧米に比べ高いとしても、生産性の上昇により経済を安定的基調に持っていけると考えている。また、消費者物価については、公共料金値上げストップは一応解除したが、抑制の基本方針には変わりなく、生鮮食料品等も落ちついているので、三十九、四十年度政府見通しのとおりおさまると思う。中期経済計画期間の消費者物価上昇率については、計画が決定されたとき、三十九年度はすでにほとんど過ぎてしまっていたので、四十年度以降の四年間において年平均二・五%の上昇にとどめたいと考えている」との答弁がありました。  第三に、減税につきましては、「四十年度における所得税の減税額は八百二億円になっているが、所得税中心に三千億円の減税を行なうという総理の昨年七月の公約はどうなったのか。また、税制調査会の答申における所得税の減税額は八百九十億円となっているが、どうしてこれより少なくしたのか。さらにまた、物価上昇により名目所得がふえ、その結果、増税になる分を差し引けば、実質的な減税額は、国税で百九十四億円、地方税で八十八億円にすぎないではないか。消費者米価と医療費の引き上げによる国民の負担増を考えれば約二千億円となるが、これでは、減税どころか、大衆増税ではないか。租税特別措置についても、税制調査会の答申は廃止が望ましいとしているのに、配当所得については、かえって強化しているが、これは一部資産家の利益を守ろうとするもので、不公平ではないか。」などの質疑がありましたが、これに対しまして、総理及び大蔵大臣から、「三千億円の減税と言ったのは、減税に対する姿勢を示したもので、今後ともその方向に努力することに変わりはない。所得税の減税額が税制調査会の答申より少なくなったのは、自然増収が少なく、他にも減税すべきものがあったからで、やむを得ない。実質減税の額が少ないと言われるが、物価調整を必要とするのは所得の低い層であり、総体としての数字で論ずることは適当ではないと思う。また、消費者米価や保険医療費の値上げにより国民の負担は確かに増加するが、租税とはたてまえが違うので、同一に論ずべきではない。租税特別措置は日本経済の長期安定につながるもので、一部の利益のためではない」との答弁がありました。  第四に、社会保障関係費につきましては、特に医療保険財政につき質疑が多く行なわれました。その要点は、「健康保険の赤字をめぐる紛糾の責任は、一方的に赤字の負担を保険者・被保険者に押しつけようとする健保三法の改正政府と自民党の間で決定したり、厚生大臣の職権告示など、ルールを無視した政府側にある。医療費九・五%引き上げを撤回して出直すべきではないか。政府と支払い七団体側と約束した国庫負担の増額、医療の実態調査その他諸事項を、政府は忠実に実行するか。薬価基準をさらに一・五%引き下げることによる財源は、保険財政に入れるべきではないか。また、国民健保の財政は重大な危機に立っており、保険料引き上げにも限度があり、国保返上論さえ起こっているが、国庫負担を大幅に増加する意思はないか。当面の事態収拾もさることながら、医療制度、医療保険全体を前向きに再検討すべきではないか」等でありました。これに対し政府から、「九・五%は有沢答申のおおむね八%に、実施段階までの物価情勢を事務的に考慮してきめたもので、撤回は考えていない。衆議院における約束は、健保三法の改正については社会保険審議会の答申を待ち、それを尊重するということである。薬価基準引き下げ一・五%は、有沢答申以後合理化等により生じたものであるから、これは保険財政に入れたい。医療実態調査は、関係方面の円満なる了解のもとに実施したい。国保の財政は悪化しているが、保険制度のたてまえ上、国庫の負担、保険料の負担、自己負担の割合はあらかじめきまっており、そのたてまえの上でまかなっていくということにならざるを得ない。緊急是正に見合う国庫負担は、前回の補正と合わせ、予算で二十七億円を計上したが、これは地方公共団体が予算措置をとるまでの準備期間を見るという従来の例によった。なお、今回の医療問題の紛糾を契機とし、政府に医療制度調査会を設け、医療制度、医療保険等、全般を再検討する方針である」との答弁がありました。  第五に、文教関係費につきましては、「大学生急増対策は、国立大学の増募数が少ないため、私立大学に依存するような計画となっているが、私大も受け入れ態勢が不十分なため思うように増募ができない。これでは大学生の急増に対処することができないではないか。財政難にあえぐ私立大学に対しては、低利の財政資金を大幅に出すべきではないか」などの質疑があり、これに対し、政府側から「大学の増募計画は、今明年度関係では、四十年度に大体四ぐらいを、四十一年度に六ぐらいを解決しようと考えていたが、三と七ぐらいの割合にせざるを得なくなったが、これはどうしても解決しなければならぬ問題であるから、今後覚悟を新たにして取っ組んでいくつもりである。私学の財政難に対しては、真剣に努力しており、四十年度は私学振興会に対する融資を昨年度の倍の百五十億円にふやし、うち六十四億円は急増のための施設費に充てることになっているが、今後の対策については、私学振興方策調査会を設けて検討したい」との弁答がありました。  第六に、農業政策につきましては、「所得倍増計画における自立経営農家百万戸育成をはじめ、少なくとも農業面に関する限り、所得倍増計画は破綻したのではないか。兼業化と労働力の流出、農作物の自由化等を前にして、今後の農業政策をどう進めていこうと考えているのか。農業と他産業との格差は拡大するばかりであるが、四十年度予算は、このような情勢に十分対処できるのか」などの質疑がありましたが、これに対し、政府側から「自立経営農家の十年間百万戸育成の目標が達成困難になったことは率直に認める。中期経済計画においては、これを所得の面からとらえ、六十万円以上の農業所得を得られる農家というふうに、自立経営農家に対する把握のしかたを変えているが、しかし、経営規模拡大の方向は変わっていない。兼業化、労働人口の流出等の状況に対しては、一方において協業を促進するとともに、他方、社会保障、地域開発等によって、安定的職場の確保に努力したい。四十年度の農林予算は、社会開発の観点から特に重点を置いて編成したものであり、食管会計繰り入れ等を除いた予算額では、予算全体の伸び率をはるかに上回っている」との答弁がありました。  第七に、中小企業対策については、「過去一年間における中小企業のおびただしい倒産については、政府の政策の誤りにその基本的な原因があったのではないか。中小企業対策費は、一般会計予算のわずか〇・六%にしかすぎない。これではあまりにも少なすぎるではないか」等の質疑がありましたが、これに対しましては、政府から「昨年一年間の倒産件数は四千二百十二件、負債総額は四千六百三十一億円であるが、この原因は、生産性の低いこと等の構造的な要因と景気調整とが重なったためである。中小企業対策は、一般会計における対策費だけで律せらるべきものではなく、むしろ、税制と金融を主としたものであり、この三面を合わせ考えなければならぬ」との答弁がありました。  第八に、地方財政につきましては、「政府は地方財政悪化のおもな原因として人件費の増大をあげているが、決算の実績を見ると、歳出中に占める人件費の割合は変わっていない。赤字の原因は、委任事務を含む地方の事務に対する国の財源措置が不十分な点にあるのではないか。地方交付税率〇・六%の引き上げで、はたして地方行政水準の維持ができると考えているか。地方における超過負担の現状並びにその対策はどうか」等の質疑がありました。これに対しまして、政府側から「いままでは人件費の構成比は横ばいで推移してきたが、財源の伸びが鈍化する今後においては、人件費の比重は変わってくると思われるので、この際、地方財政の健全化に乗り出さざるを得ない。交付税率の〇・六%引き上げは、これで十分だとは思わないが、国の財政も非常に苦しい状況のもとでは、この程度でやむを得なかった。超過負担の額は、一般会計、特別会計を合わせて八百六十三億円に上っているが、この数年来、補助単価を実情に合うよう是正するなどの措置により、できるだけこれを解消していく方向で努力してきたし、今後も努力してまいりたい」との答弁がありました。  第九に、自衛隊の統合防衛図上研究が問題になりましたが、これについては、「三十八年に行なわれた自衛隊の三矢研究には、海外派兵、核兵器の持ち込み、国家総動員等の事項について記述されており、憲法、自衛隊法に違反する疑いがあるが、事実を明らかにするため、これを資料として提出すべきではないか」との質疑がありましたが、これに対しまして、政府から、「自衛隊の図上研究は毎年行なっているものであり、三矢研究は、三十八年に例年のものより少しく大規模に行なわれた図上演習で、二十四の課題に対し幕僚たちが答えた答案を集めたものであり、これは政府責任の持てるものではないので、資料として提出することはできない」との答弁があり、三矢研究についての説明資料は提出されましたが、三矢研究そのものは提出されませんでした。  このほか、質疑は、沖縄の施政権返還、中国貿易、佐藤内閣の政治姿勢、金融政策、住宅対策、公営企業の赤字対策、海運収支の改善対策、高速自動車道の建設促進、ILO条約批准の問題港湾労働対策、公共企業体当事者能力の問題、厚生年金法の改正、学校給食の問題等、広範にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。  かくて、本日をもちまして質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して中村委員が反対、自由民主党を代表して日高委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、緑風会を代表して佐藤委員が賛成、民主社会党を代表して向井委員が反対、日本共産党を代表して須藤委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、昭和四十年度予算三案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  114. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。藤田進君。    〔藤田進君登壇拍手
  115. 藤田進

    ○藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和四十年度一般会計予算外二件につきまして、反対の立場から討論を行なわんとするものでございます。  やがて四月一日になろうといたしますと同時に、ただいま委員長から若干の点が質疑の形で御指摘がございました。何しろ三兆六千五百億という有史以来の大型予算でございます。審議はまことに不徹底、時間の短さによりまして、私は次の要点のみを簡略に申し上げて、反対の理由といたします。  そのまず第一は、総括的に佐藤内閣に対するわが日本社会党の立場を明らかにいたしたいと思います。  私どもは、昨年十一月における池田内閣より佐藤内閣への政権交代は、所得倍増計画の名のもとに日本経済の超高度成長政策を推進した、池田内閣の政策的行き詰まりの転換を意味するものであるべきと考えるものであります。およそ、政党政治のたてまえといたしましては、かかる場合、総選挙による国民の信を問うとか、いさぎよく野党第一党に政権をゆだねるということが憲政の常道であるのであります。さて、国民が佐藤内閣に対しまして、その迎えた気持ちというものは何であったか。昨年夏、総裁選挙に際しまして、佐藤総裁候補者が国民に公約されたところ、これを通じまして、佐藤さんが池田政策と一線を画されているという、こういうところを見ております。そのことが、新鮮味を期待したというところでもあります。この期待は、前国会における質疑応答を通じまして、おおむねくずれ去ったのであります。なお、しかし、一るの望みを、今次四十年度予算と、内外の時局に対する佐藤首相の政治的指導力にかけたのであるのであります。  しかるに、本国会の予算委員会を通じて明らかにせられました佐藤内閣の実体は、期待に沿わないものであると言わねばなりません。特に、激動かつ重大化しつつある国際情勢に対しまして、口では、平和に徹するとか、あるいは自主外交だとか言われながら、その実行が伴っていないのであります。この点に、私は、現在火急な問題として多くの問題が残されているのであり、すみやかなる対策を必要とすると認識をいたすものであります。また、現在大詰めにさしかかっていると言われる日韓交渉や、台湾政府と中国政府への諸施策をはじめ、アジアの危機に対処いたします真剣な将来に備える対策にも、きわめて欠けるところがあるのであります。  さらに、国内経済政策については、中期経済計画を佐藤内閣がどう処理されるかは、いわば佐藤内閣の踏み絵であったのであります。中期経済計画は、池田前首相がその倍増計画の失敗を認めて、経済企画庁にそのアフターケアを命じ、その検討の上で、倍増計画の改訂版をつくらせたものであります。ところが、その内容たるや、経済成長率や設備投資の伸びを若干落としておりますけれども、重大化しつつある過剰生産の現実を無視して、依然、設備投資主導型の成長促進計画であります。このような計画によっては、ますます設備過剰を深め、物価の安定をはかることも、生産性格差や地域格差拡大を招いた、もろもろのひずみの是正ができるはずはありません。  佐藤さんは、総裁候補として登場された際には、池田政策批判者のポーズをとられ、量的拡大が万事ではない、人間を尊重し、国民すべての者を富ませる、そのために、物価安定、三千億大幅減税、金利の実質的低下といったような、響きのきわめていい約束をせられたのであります。それをまじめに実現しようとされるならば、佐藤内閣は、提出されました中期経済計画の根本的修正を命ずるべきであったと思います。しかるに、佐藤内閣は、四十年度予算は中期経済計画の線に沿うものだと説明をし、これを政府の経済政策の基本に置くと、閣議決定をされました。さらに、その際の条件として、「情勢に応じ弾力的に運営する」と書き加えて、この計画を一そうふくらませる方向を指示されたのであります。かかる政策方向においては、池田内閣のもとにおけると同様、格差の拡大、物価騰貴、農業、中小企業の没落は不可避となり、佐藤内閣出現の意義は全く失われてしまうのであります。  このような一般的背景のもとに、以下明年度予算案の持つ性格を指摘いたしたいと思います。  その第一点は、本予算三案は、今日の段階において、はたして適切であるのかどうかという問題であります。すなわち、社会保障関係の一環をなす社会保険の赤字対策に端を発しまして、事態が収拾しがたい状態となりましたため、衆議院段階において、政府はわが党に協力を求められ、保険三法の改正については社会保険審議会の答申を尊重し、国庫負担の大幅増額をはかる法案改正がおくれる場合は、保険会計に融資を行なう旨の約束をされたのであります。このことは、予算案のあり方、手続の問題等、多くのものを含んでいると言わねばなりません。  第二の点といたしまして、四十年度予算は、財源調達の面において、はなはだ無理を重ね、表面上の均衡予算を装っていることでございます。まず、租税印紙収入の予算は三兆三千八百七十七億円で、本年度最終予算額より三千百八十三億円の自然増収となっておるのでありますが、本年度収納実績から見ましても、これは甘きに過ぎるのではないかと思われるのであります。次は、二百億円ばかり財源を浮かせるために、剰余金から国債償還に充当する限度を二分の一から五分の一に引き下げるとの財政法改正をもくろんでいることであります。さらに、利子補給をつけることにより、一般会計よりの産投特別会計への出資必要額を浮かせていること、旧地主補償のような、うしろ向きの経費について、交付公債という形で、隠れた巨額の歳出増を行なっていることが指摘できるのであります。それらの財源調達の方法は、いずれも後年度財政の負担を拘束し、硬直化させるものであります。  次に、第三の点は、政府の減税案であります。佐藤首相は、総裁立候補の際、国民を富ませるために、所得税を中心に三千億円の減税をやりたい、財源が不足なら公債を発行してもよいと、公約されていたのであります。ところが、今回の減税規模は、三千億はおろか、一般減税では九百八十八億円、所得税では八百二億円にすぎません。しかも、物価上昇に見合う名目所得への課税を差し引いた実質減税額で見れば、わずかに二百八十二億円にしかならないのであります。さらに、無差別、強制的に国民に降りかかってくる米価や社会保険料の引き上げによる負担増加約二千億円を考慮いたしますならば、減税どころか、国民から言えば大増税をやられたと異ならないのであります。政府案が税制調査会の答申を最もはなはだしく改悪しているのは、租税特別措置における利子配当の取り扱いであります。すなわち、答申では、利子所得に源泉選択制を認めておりますが、これは分離課税から漸次総合課税へ持っていこうとしているのであります。しかるに、政府案を見ますると、株式配当に源泉選択を認めて、総合課税を分離課税へ移そうとしており、まさに反対の方向をとっているのであります。この税制改正案が、いかに不公正であるかを、具体的に示してみるならば、全所得が配当である場合、所得額百五十八万円まで——これは元本にいたしますと、三千万円前後の資産家であります。——国税は無税、地方税がわずかに二百円かかるばかりであるのであります。これに対して、同額の所得で、給与所得者の場合は、国税・地方税で二十七万三千円、商業者ならば三十九万二千円を負担しなければならないことになるのであります。  反対の第四の理由として、この予算には物価対策がないということであります。政府の経済見通しでは、明年度消費者物価の値上がりを四・五%見ているのであります。しかし、民間のいろいろな機関の調査を見ますと、これらの予想は、少なくとも五%ないし七%でございまして、政府のいう四%台でおさまるだろうなどと見ているものは一切ないのであります。現時点における物価を安定させるという問題は、確かに困難な問題でございます。しかし、これには、三十六年以来のわが物価騰貴のメカニズムを正しく把握して、その原因を除去するため、政府が行政並びに財政手段を集中的に行使する、かたい決意が必要であったのであります。われわれの見るところでは、三十六年度以来の積極予算と財政投融資、これをまかなうための日銀信用の膨張が一般的背景であり、直接的には、独占・寡占価格の成立を黙認し、卸売り物価が硬直化していること、急激な労働力の流出に伴う農業の荒廃、土地価格騰貴を放任したこと、流通機構、特に食料品流通機構の立ちおくれ、無秩序なサービス産業の拡大と、この労働力の吸収の放任、労働力流動化対策の措置を怠ったこと、以上のそれぞれをあげることができるのであります。  ところが、政府は成長政策に拘泥いたしまして、物価対策といえば、すぐ賃金の上昇が物価騰貴の原因であるように考えまして、所得政策を日本もやらねばならぬと言う。所得政策が必要なのは、完全雇用の状態において、成長政策をとろうとする場合にあり得るのであります。日本では完全雇用ではなく、二重構造は根深く残っており、賃金の上昇は物価のあとを迫っているだけで、物価上昇の原因ではないのであります。所得政策を言い出す前に、政府は独占価格の監視を、もっときびしくいたしまして、独占利潤を削って卸物価の引き下げに寄与せしむべきであります。今日の地価対策は、土地造成などの供給増加対策のみで解決し得べくはありません。自由に増加し得ない土地は、本来、社会公共のものだとの見地に立たねばなりません。食料品価格対策としては、一方で、生産農民に対しては、適切な価格支持政策のもとに、安定的な増産を可能とする基盤を与え、他方、不合理な流通過程の諸機構にメスを加え、中間マージンを節約し、かくて消費価格を引き下げることができるのであります。しかるに、政府のやる実際を見ていますと、価格支持政策が十分でないから、成長農産物に手を出した農家というものは損をいたします。人手は足りない、地価は上がる、このように農業生産は荒廃するばかりであります。流通機構の整備に昨年も、ことしも、若干の予算は、ついたが、実施段階では、既存権益に遠慮してか、何一つ手がついていないのであります。また、食管会計、社会保険会計、地方の公営企業などについて、政府の言うたてまえ論は、通常のときならばわれわれも首肯しないでもないけれども、今日はいかにして物価の続騰を押えるかが至高の経済政策目標となっているときに、たてまえ論を振り回して、政府が率先して、これら価格、料金の引き上げをはかったことは、これを認めがたいのであります。これを要するに、物価対策に関しても、政府は無計画と言わねばなりません。  次に、社会開発予算についてであります。総理が施政方針演説で述べられたように社会開発を理解すれば、あまりに範囲が広がり過ぎて具体性がない。ここで私は、池田時代に大企業中心の高度成長政策が強行され、これがため、予算上、行政上、置き去られた、日の当たらなかった部面、高度成長についていけないために生じた諸矛盾、こうしたものを引き上げて、いこうとする政策を、すなわち社会開発政策であると理解するものであります。これはそれなりに大きな意義があると、私も思います。ところが四十年度予算で、この線に沿った費目をさがしていきますならば、精神病精薄者対策、特殊教育、僻地教育の振興、母子健康対策、勤労者住宅供給対策、私学振興、公害対策等々をあげることができますけれども、これは大いにけっこうであるが、しかしながら、それらは金額としてまことに少額であります。社会開発予算と誇示するには、あまりにも貧弱であるのであります。また、これら諸施策は、物価の上昇、税負担の増加、社会保険制度の改悪などにより、その効果が減殺されていることを指摘しないわけにはまいりません。  最後に、私は財政政策の方向転換を政府に要求いたすものであります。今日わが国経済界が当面している重大な過剰生産危機、また、慢性化した国際収支の赤字、物価の続騰という情勢に対しまして、自由主義経済をたてまえとされる自民党政府としては、思い切って成長政策の看板をおろされ、池田時代四年の異常成長が生み出した多くの矛盾の是正に専心する覚悟が必要と思うのであります。予算規模にいたしましても、予想される自然的な経済成長率を上回らぬようにする。四十年度予算規模の伸び一二・四%は、名目成長率一一%とかなり接近はしているけれども、予算の組み方が前年と異なっているのでありますから、実質的な予算水準はこれよりもっと大きくなっており、経済刺激的であることに変わりはありません。財政投融資規模に至っては、前年度のこれをさらに上回りまして、二一%増であるのであります。これでは安定効果を目ざす財政の態度とは言えないのであります。  さらに、問題は予算の内容や性格であります。経済企画庁の資料によると、中央地方を通ずる財政支出の構造につきましては、三十八年度、日本は財政消費三八%、資本形成が四四%、移転支出一八%であって、このように政府投資偏重の国はございません。英、米、西独は、いずれも一二%前後、仏、伊は七、八%というところであります。そのかわり、社会保障の水準ともいうべき移転支出の比率は、フランスの五一%は、これは別といたしましても、独伊が四〇%前後、英国は三一%となっているのであります。日本は社会資本の蓄積が足りないから、このような財政構造となるのはやむを得ないというのも一応の説明であります。しかし、無計画に工場が建設されるあとを追って、道路をつくり、港を広げ、住宅、下水道、学校をつくるというかっこうであります。中には、本来、民間資本が基礎投資として負担すべきものまでが、公共投資でまかなわれている部分も相当大きなものがあります。かくて、国と地方の財政は、あげて大企業の設備拡充に奉仕するという財政の姿となったのであります。財政方針の転換とは、財政構造における投資偏重から、ウエートをもっと移転支出に、また財政消費へ回せということであります。社会保障の充実、社会開発ということは、このような財政構造比率の変革なしには不可能であります。超高度成長政策の看板をおろし、財政政策の大転換を行なうことによってのみ、現下の重大な経済危機は解消されるものと信ずるものであります。これは資本主義経済原則から出てくるオーソドックスの解答であるのであります。佐藤首相の重大な決意を促し、これをもって私の四十年度予算三案に対する反対討論といたします。(拍手)     —————————————
  116. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 村山道雄君。    〔村山道雄君登壇拍手
  117. 村山道雄

    ○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、昭和四十年度予算三案に対しまして賛成の意を表明するものであります。  本年は、終戦後二十年目に当たるのでありまするが、この間、新生日本は、世界の奇跡といわれるほどの経済発展を遂げ、国際経済社会におきましても重要な地位を占めるに至ったのであります。このことは、国民のすぐれた能力と、たゆまざる努力の結晶でありまするが、他面、長年にわたり政権を担当しておりまするわが自由民主党が、適時適切なる政策をとってきた成果にほかならないのでございます。かかる経済発展の基調の上に、通貨価値の維持と国際収支の均衡を確保しつつ、わが国経済の長期にわたる安定成長をはかって、先進諸国に比肩し得るような質的な強化をなし遂げることこそ、昭和四十年代のわが国の課題であると思うのであります。私は、政府提出にかかる予算三案は、この課題に十分こたえるものであると存ずるものであります。しかるに、この予算案に対しまして、誤解に基づくかと思われるいろいろな批判が行なわれておりますることは、遺憾に存ずるところでございます。私は、この機会に、そのうち三つの批判に対して反論を加えることによりまして、政府原案に対する賛成の趣旨を明らかにいたしたいと思います。  その第一は、今度の予算には、佐藤総理大臣の提唱される社会開発に要する経費が十分に盛り込まれていないという批判でございます。しかしながら、予算の内容をしさいに検討いたしますと、社会開発を推進するに必要な経費につきましては、特に大幅な増加がはかられ、今回の予算が社会開発に力点を置いたことが明瞭になっておるのでございます。すなわち、従来とかく立ちおくれぎみであった住宅の整備、生活環境の充実につきましては、一般会計においても、また財政投融資計画においても、前年度を二〇%以上、上回る経費が計上されており、その他、一般会計における社会保障関係費の対前年度伸び率一九・九%、及び、財政投融資計画における厚生福祉施設関係の伸び率三二・一%等、社会開発に十分の配慮を加えておるのでございます。  その第二は、今回の予算案により国民の負担が増大するという誤った批判でございます。国民負担の軽減をはかることは、わが自由民主党が年来主張いたしました、また実行してきたところであります。すなわち、昭和二十五年度以降減税しました国税の額は、合計約一兆二千億円にのぼっております。三十九年度において、国税、地方税を通じて平年度二千億円に及ぶ大幅の減税を行ないましたことは、皆さまの記憶に新しいところでございますが、国税だけをとってみますれば、昭和四十年度の減税も、所得税、法人税等の一般的減税においては、これに匹敵する規模のものであります。すなわち、所得税の基礎控除、扶養控除等を引き上げまして、給与所得者の標準世帯における免税点を現行の四十八万五千円から五十六万四千円に引き上げるとともに、中小法人を中心とした法人税率の引き下げ等によりまして、平年度一千二百四十億円に及ぶ一般的減税を行なっておりまするが、これを三十九年度の一般的減税額一千二百七十億円に比較いたしますると、政府が例年にないきびしい財政事情にもかかわらず、なみなみならぬ考慮を払ったことが、よくわかるのでございます。私は、この努力を高く評価いたしますと同時に、政府が将来とも、国民負担の軽減について、さらに一そうの努力を払われるように希望いたすものでございます。  その第三は、今回の予算案の規模、性格に対する誤った認識でございます。すなわち、今回の一般会計予算及び財政投融資計画をインフレ的であると言って、その証拠として、予算の対前年度の伸び率が経済成長率を上回ることをあげる人があるのでございます。しかしながら、一般会計の予算の伸び率一二・四%と対比すべきものは、国民総生産の昭和三十九年度当初見込み額二十四兆七百億円と、四十年度の見込み額二十八兆一千六百億円との比率一七・〇%でありまして、このように一般会計の伸びが国民生産の伸びを下回ったのは、昭和二十六年以来、昨年に引き続き二回目でありまして、この点では、むしろ引き締まりぎみの予算であると言えると存じます。  以上おもなる批判に反論を加えることによりまして、私の賛意をあらわしたわけでございまするが、ひるがえって考えますると、近年、年とともに、一方において減税の要求が多くなり、他方においては各種の財政需要が強くなってまいっておるのでございます。一つ一つの問題を取り上げまして政府案を上回る要求を主張することは、簡単容易なことでございます。これに引きかえまして、長期の見通しに立ちつつ、すべての要望を受け入れて円滑に解決していくことは、きわめて困難なことであると存じます。私は、政府が今回予算編成に示された努力は、このような立場から見て、なみなみならぬものであったと存ずるのでございます。  賛成討論を終わります。(拍手)     —————————————
  118. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 白木義一郎君。    〔白木義一郎君登壇拍手
  119. 白木義一郎

    ○白木義一郎君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十年度一般会計等の三案に対し、反対の討論をするものであります。  新年度の日本経済は、昨年の開放経済への移行に続いて、再編成の年であるといわれ、昭和三十九年一カ年の景気調整の結果、金融の逼迫は、企業全般にわたり、倒産、不況のあらしを巻き起こすに至ったのであります。このような不況下に迎える四十年度予算でありますが、その性格は、均衡予算といいながら、精一ぱいの伸びをした、破綻を招くおそれのある予算であると言えるのであります。  いま、四十年度予算の前提となる昭和三十九年度予算の執行状況を見てみますと、不況を反映して、二月末の収入額調べから逆算しますと、法人税で四百八十億円、酒税、砂糖消費税、物品税、揮発油税などの消費税で二百十億円という、補正後予算額に対しての不足を生ずる見込みであり、半分に見積もっても、一般会計分で四百億円をこえる歳入欠陥が予想されるのであります。このことから予測されることは、四十年度の予算も、先行きの経済事情のよほどの好転がない限り、一ぱいか、やや余る程度であるということであり、医療費、公務員のベースアップなどの事態に対処できなくなると見ざるを得ないのであります。  このような結果を招いたのも、政府が高度成長を急ぐあまり、一般会計からの大きな財政支出による投資をして有効需要を喚起させ、その結果、設備過剰不景気を招いたと言えるのであります。  そこで四十年度の予算も均衡のとれたものでなくてはならないのでありますが、表面上では均衡がとれてはいるが、歳入難にもかかわらず、与党や圧力団体の要求のために、四十年度に少し顔を出し、四十一年度以降には大きな支出を予定しているものも見られ、このままでいけば、四十年度を終わるとともに、いよいよ国家財政は行き詰まりとならざるを得ないと思われるのであります。公債を発行し、公共投資の増大をはかって景気の回復をはかるか、均衡緊縮財政の立場をとって不況の克服に正面から取り組むかの、いずれかの道を選ぶときにさしかかっていると言えるのであります。しかるに、予算案は、そのいずれをもとらず、一面では、なしくずし的に公債発行への理由づけを得られるよう、硬直化した財政支出を持ち、一面では、均衡の名によって緊縮にも踏み切れないのであります。このような性格のあいまいな予算案は、四十一年度以降に大きな問題を残すのであり、その点から見て、当座をつくろうにすぎない性格の予算と言わざるを得ないのであり、はなはだ不満を禁じ得ないのであります。財政の方向を確立した予算案を強く望むものであります。これが反対の第一の理由であります。  次に、減税について見ましても、国民の最も熱望しているのは所得減税でありますが、国際競争力強化に名をかりた企業減税にその重点が置かれている点に、大きな不満を持つものであります。今回の所得減税は、政府では、標準五人世帯の所得税を現在の四十八万五千円から五十六万四千円に免税点を上げ、国民生活の安定を期していると自画自賛しているが、現実の生活は、総理府の家計調査でも明らかなように、標準生活費は五十六万円をこえているのであります。したがって、今回の所得減税は、地方税を考えますると、最低生活維持も困難な減税であると言えるのであります。看板は国民生活の安定であると言っていながら、電気ガス税も若干の免税点の引き上げにとどまっただけで、内容は企業減税に重点がかかっており、四十年度の税負担率は二二・一%と、前年とほとんど変化なく、横ばいの現状となっているのであります。総理の政治家として公約された租税負担率二〇%はどこにも見られないのであり、大衆は裏切られた感を禁じ得ないのであります。これが反対の第二の理由であります。  また、国民生活に大きな関心を与えている物価安定についても、本年度の予算にもほとんど対策らしい措置は見えないのであります。総理は消費者物価の安定に政策の重点を置くと強調してきましたが、政府の経済見通しでは、経済成長率は鈍くなって、七・五%になるから、消費者物価は四・五%しか上昇しないと見ている。しかし、不況と倒産のあらしの中の景気調整下の昨年でさえ、成長率は一三%に達し、物価は五%も上昇しているのであります。したがって、金融引き締めを緩和した四十年度が、三十九年度より成長しないで、物価の伸び率が下がってくるとは、どうしても考えられない。初めからその見通しが狂っていると言わざるを得ないのであります。予算の面にも積極的な姿が見られず、政府の物価政策の方策も一向にその効果があらわれず、かけ声だけかけているだけで、ほんとうにやる気があるのかどうか疑いたいのであります。さきの消費者米価の大幅な値上げに始まって、医療費の値上げ等、国民生活を圧迫する物価の高騰はメジロ押しであり、生活苦の浸透は国民全階層に及んで、大衆はきめ手を持つ物価対策を早々に示すよう切望しているのであります。これが反対の第三の理由であります。  次に、具体的内容についてでありますが、近代化をうたわれている中小企業、農業の対策も、全く不十分であると言わざるを得ません。中小企業対策費は三十九年度当初に比べ三〇%増と、大幅に強化されたと言われておりますが、政策は総花的であり、企業倒産と関連してその充実が叫ばれている下請対策を見ましても、下請代金支払遅延等防止法違反に対し、その立ち入り検査費のごときはわずかに百五十万円計上されているだけであります。そのほか、中小企業に対する政府三機関の貸し付け額も、前年度比一九・八%の増で、増加率はほとんど変化せず、市中銀行の中小企業に対する貸しつけが減っている現状から、今後もその倒産は増加の傾向をたどることが予想されるのであります。そのほか、今回は、小規模企業に対し金融の道や共済制度の対策も考えられているようでありますが、このようなつけ焼き刃でない、真の対策をせよと言いたいのであります。  また、農業問題にしても、現在の構造改善事業を停滞させている農地の交換分合に対し、農地管理事業団の設立がありますが、それには、農地法の改正による農地売買の緩和と、農地を手放し離農する農家に対する対策が不十分であると言いたいのであります。その他、後継者問題等、当面解決を迫られる問題に対し、十分な力を入れていくべきであると思うのであります。  また、社会保障についてでありますが、均衡のとれた社会保障制度の整備を目標とすると総理は言っておりますが、その内容を見ても、当然過ぎる生活扶助基準の引き上げも、東京など七大都市とその周辺の一級地の標準四人世帯で一万八千八十四円と、千九百三十七円アップはされましたが、現在の物価高のおりから、はたしてこれだけでどのような生活ができるか疑問であります。  また、国民健康保険の世帯に対する七割給付についても、その年次計画を進めていくことをたたえていますが、結果として、その財政圧迫は保険税の大幅な値上げとなって国民生活を脅かしているのであります。政府管掌健康保険を見ても、四十年度は六百五十九億円の赤字を見込んでおりながら、国の負担はわずか三十億円だけであり、この赤字の残りを全部被保険者が背負わされていることになれば、四十年度の減税分は、軽く、これだけでなくなってしまうのであります。いまや社会福祉の進歩のために、国庫負担による大衆保護に真剣に取り組むべきであります。その点、はなはだ不満であります。  以上のように見てきましても、政府の姿勢は、あくまでも大企業優先を改めていくことが第一であるはずが、それを差しおいて、大企業発展の犠牲となって発生した社会問題を補足的に対処していることは、許しがたいのであります。  最後に、外交について一言述べてみたいと思いますが、佐藤内閣は自主外交をやってきたとは言っておりますが、対中共政策については前内閣の踏襲で終わっているといえるのであります。アジアの平和のためには、中共をめぐる国際環境の整備が必要であり、そのイニシアチブは日本が持っているといえるし、また、そうあらねばならないと思うのでありますが、総理のたびたびの発言にも見えますごとく、前内閣の踏襲で終わっているようでは、自主外交の名にそむく行為であると思うのであります。南ベトナム問題についても、アメリカの報復爆撃は当然であるとの発言をするなどは、平和に対する無定見な外交のあらわれであると言わざるを得ないのであります。また、日韓交渉は、外相訪韓などによって妥結の機運がみなぎり、重要な懸案問題の一つであった基本条約、漁業問題が解決のきざしに向かったことは、両国の国交正常化にとっては一歩の前進ではありますが、いまだ解決されていない諸問題に対してもすみやかな解決をはかり、同時一括解決を政府に強く要望するものであります。佐藤外交も欧米追随外交の域を出て、地球の民族は一体であるとの理想を掲げ、わが国独自の外交路線を打ち立てなければならないと考えるものであります。このような姿勢が見られないことは、はなはだ遺憾であります。  以上、若干の意見を述べまして、反対討論を終わります。(拍手)     —————————————
  120. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 基政七君。    〔基政七君登壇拍手
  121. 基政七

    ○基政七君 私は、民主社会党を代表いたしまして、政府提出昭和四十年度予算三案について、反対の意向を明らかにいたすものであります。  私が政府案に反対する第一の理由は、不況と物価高の克服について真剣に取り組む姿勢もなければ、また具体策にも欠けているからであります。最近における企業の倒産の続出は、山陽特殊製鋼に見られるように、負債五百億、関係企業三百社の広範囲なものにまで発展し、地元下請企業者に対して深刻な影響を与えているのであります。このような不況の爆発的な進行について、私ども野党も、政府も、お互いに、中小企業の救済、下請対策の強化、会社更生法の改正などを提案し、かつ、検討しておりますが、現在の経済政策の最重点は、それにとどまらず、生産過剰、設備過剰の現状をいかにして健全化するか、そのための経済構造の体質改善策は何であるか、さらに政策の最先端に立つ財政は何をなすべきか、これこそ当面の政策並びに予算編成上の最大の問題点でなければなりません。  また、物価問題について申しまするならば、政府の物価政策はコスト主義の一言に尽きております。すなわち、原価が高くなれば販売価格も高くするのが当然だという考え方であります。この方針のもとに、政府は、消費者米価、医療費をはじめ、各種の公共料金の値上げを軒並みに容認しております。このため国民生活が圧迫されてくることはきわめて明白なところであります。現在の物価対策にとって最も緊要なことは、物価高の根本原因、すなわち金融面の信用膨張の行き過ぎによる通貨のふえ過ぎ、これを金融政策としていかに抑制するかと並行して、公共的料金の上昇を、財政の力でどこまで吸収し、コントロールするかにかかっております。  現在、不況に対する生産と設備投資の調整策として、鉄鋼業界を先頭に、各産業界では、大手メーカーの間に調整の話し合いが進められております。これは企業間の休戦協定でありましょうが、政府は、この話し合いに経済政策の基本であるべき新しい産業秩序づくりを一任した形であります。  このように、不況対策は大企業まかせ、物価対策は消費者にしわ寄せ、これが佐藤内閣の経済政策の基本であって、明年度予算は、この二つの当面の重要な問題を回避しているものと言わねばなりません。  私が政府案に反対する第二の理由は、今後の財源の調達について何らの見通しも持たずに、国民の税金を食い散らかしているからであります。経済発展と国民生活水準の高度化に伴って、歳出予算は大型となり、歳入財源がこれに追いつけなくなっております。四十年度歳出予算は、前年度に比べて四千二十六億円の増額となっているが、そのうち、新規政策に充てられるべき財源はわずかに五百億円にすぎません。政府は、このような歳出構造の変化を漫然と見送って、わずかな新規財源のワクの中に、政策項目だけを盛りだくさん並べ立てております。いまや、このようなごまかしでその日暮らしをするのではなく、中央、地方を通ずる大胆な行政機構改革をもって、冗費の節約、超過利得と浪費的支出に対しては仮借なく課税し、税負担の公平を期し、もって財源とすべきであります。政府は、一体、財源確保にいかなる道を選ぶのか。国債発行やむなしの方向に追い込むつもりなのか。昭和四十年度は、医療費の赤字処理、農業用ガソリン税の負担引き当ての新規予算の計上、生産者米価の引き上げ、公務員給与のベースアップ、IMF増資に対する出資金負担など、現在すでに歳出補正必要額は一千億円をこえるはずであります。政府は、参議院選挙が済めば、これらの財源確保に苦労しなければならないことは目に見えております。おそらく政府の方針は、財源がないから何もできないとの消極方針でございましょう。このような予算編成は、まさに財政不在の予算と称すべきであって、われわれはこの事態を深く憂慮するものであります。  昭和四十年度予算編成にとって何よりも必要なことは、政府の決意と政治力の結集であります。佐藤政治は前向きの姿勢であとずさりしているという批判が町に流れておりますが、そのような政治姿勢によって最も困るのは国民なのであります。政府は一日も早く不況対策を確立すべきであります。この意味で、まず重要産業の生産と設備投資の調整についての国の責任体制を確立する重要産業基本法の制定、オーバーローンと、大企業向け集中融資に流れている金融機関のあり方を是正する銀行法の改正、勤労者向け所得税の五人世帯年収七十二万円までの免税、行政事務費用の大幅節約、公共料金据え置きのための財源補てん、少なくともこの五つの政策の柱を政府がすみやかに確立するよう要望いたしまして、私の反対の討論を終わります。(拍手)     —————————————
  122. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 須藤五郎君。    〔須藤五郎君登壇拍手
  123. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十年度予算三案に反対するものであります。  今日、日本にとって最も重要な問題は、アメリカ帝国主義が南北ベトナムへの侵略をますます拡大し、東南アジア全域はもちろん、中国に対する侵略戦争を開始することを辞せない危険な道に踏み出したことであります。アメリカ帝国主義は、恥知らずな、集団自衛という口実のもとに、ジュネーブ協定をじゅうりんして、ベトナム民主共和国に連続的な爆撃を行なうとともに、国際法を無視して、ナチス・ドイツさえやれなかった毒ガスの使用まで始めました。アメリカ帝国主義のこうした残虐狂暴な侵略行為は、全世界の人民の非難の的となり、アメリカの国内においてさえ激しく糾弾されております。しかるに佐藤内閣は、このアメリカの不法暴虐な措置に対しどのような態度をとっておりますか。政府は、アメリカのベトナム民主共和国に対する爆撃を正当であると高言したばかりでなく、彼らが毒ガスを使用することまでこれを肯定し、みずから進んでこの侵略戦争に協力する体制をとっております。それだけではありません。佐藤総理は、韓国軍隊二千名の南ベトナム派遣を支持し、日本におけるアメリカの軍事基地の使用を許し、特に沖繩を最大の拠点として使用させているのであります。こういう、侵略と戦争に加担し、協力する体制を一だんと強めようとするのが、すなわち政府の四十年度予算の本質であります。  さらに、今日しゃにむに押し進めている日韓会談に至っては、断じてこれを許すことはできません。日韓基本条約においては、アメリカのかいらいである韓国を朝鮮唯一の合法政府と認め、わざと条約の適用区域を明記せず、厳然たる独立国である朝鮮民主主義人民共和国を完全に否定しているのであります。漁業協定においては、事実上、李承晩ラインの存続を認め、在日朝鮮人の法的地位の問題に至っては、一方的に韓国籍を強要し、これに従わない朝鮮人に対しては無国籍の外国人として、無法な差別をたくらんでおります。特に、朝鮮人民の対日請求権の問題については、朝鮮人民を代表する何らの資格もない朴一派に、有償、無償その他を加え、八億ドル以上の援助を提供しようとしているのであります。これらは、アメリカ原子力潜水艦寄港の承認、三矢作戦計画、憲法改悪の陰謀、自衛隊の増強、第三次防衛計画等とあわせて、朝鮮を中心とする新しい侵略戦争の準備そのものであるといわねばなりません。これらすべてが佐藤内閣の基本政策をあらわしており、この基本政策に基づいてつくられたのが本予算案であります。したがって、政府は、三兆六千億円に及ぶ膨大な予算案を組み、一兆六千億円をこえる財政投融資を計画しているが、その内容たるや、安保条約と日米経済協力に基づく軍国主義復活の経済的基礎を固め、独占資本の海外進出をいよいよ本格化しようとするものであります。年年増大し、ついに三千億円をこえた直接軍事費、一千四百億円の旧軍人恩給、軍事目的を含む科学技術費の大幅増額、さらに南ベトナム、台湾など、アメリカのかいらい政権に対する巨額の援助は、佐藤内閣の反人民的、反民族的性格を端的に示しているものであります。さらに、巨大な公共投資は、いわゆる高度経済成長政策の破綻を人民の犠牲によって切り抜け、独占資本の一そうの集中強化とあわせて、軍事目的をも追求しているのであります。これらはすべて戦争準備と独占資本本位の政策であり、また、そういう政策であるからこそ、生活費に食い込む過酷な重税、消費者米価、水道料、授業料その他の値上げを行ない、人民に対する収奪を一そう強めているのであります。特に社会保障に至っては、たとえば医療費の値上げ、各種保険料、年金等の掛け金の引き上げ、失業対策事業の打ち切り、生活保護の実質的引き下げなど、社会保障を全体にわたって改悪するとともに、独占資本に対する財政投融資の財源確保につとめています。このような予算案は、日本の独立、平和、民主、人民の生活向上に、何の役にも立ちません。逆に、人民生活を破壊し、アジアの平和を撹乱し、日本のアメリカへの従属を一そう深め、民族の運命を危険におとしいれる予算であります。  以上の理由により、われわれは、人民とともに、本予算案に反対するものであります。
  124. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。  三案全部を問題に供します。表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。  議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。    〔議場閉鎖〕    〔参事氏名を点呼〕    〔投票執行〕
  125. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。    〔投票箱閉鎖〕
  126. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。    〔議場開鎖〕    〔参事投票を計算〕
  127. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。   投票総数            二百票   白色票           百二十三票    〔拍手〕   青色票            七十七票    〔拍手〕  よって三案は可決せられました。(拍手)      ——————————   〔参照〕  賛成者(白色票)氏名      百二十三名       北口 龍徳君    野知 浩之君       二木 謙吾君    天埜 良吉君       青田源太郎君    赤間 文三君       大竹平八郎君    鈴木 恭一君       森部 隆輔君    加賀山之雄君       森 八三一君    上原 正吉君       野本 品吉君    松平 勇雄君       岡崎 真一君    中山 福藏君       三木與吉郎君    村上 義一君       佐藤 尚武君    野田 俊作君       小山邦太郎君    木暮武太夫君       太田 正孝君    笹森 順造君       植木 光教君    鈴木 一司君       沢田 一精君    和田 鶴一君       木村 睦男君    中上川アキ君       森田 タマ君    源田  実君       熊谷太三郎君    久保 勘一君       井川 伊平君    石谷 憲男君       植垣弥一郎君    岸田 幸雄君       谷村 貞治君    川上 為治君       仲原 善一君    豊田 雅孝君       天坊 裕彦君    竹中 恒夫君       鈴木 万平君    江藤  智君       亀井  光君    山下 春江君       堀本 宜実君    佐藤 芳男君       青柳 秀夫君    平島 敏夫君       山本 利壽君    堀  末治君       藤野 繁雄君    新谷寅三郎君       西郷吉之助君    紅露 みつ君       木内 四郎君    植竹 春彦君       田中 茂穂君    小林 英三君       大野木秀次郎君    寺尾  豊君       草葉 隆圓君    平井 太郎君       黒川 武雄君    西川甚五郎君       井野 碩哉君    重政 庸徳君       谷口 慶吉君    徳永 正利君       鍋島 直紹君    村上 春藏君       栗原 祐幸君    川野 三暁君       丸茂 重貞君    日高 広為君       温水 三郎君    長谷川 仁君       金丸 冨夫君    村山 道雄君       木島 義夫君    大谷藤之助君       柴田  栄君    西田 信一君       松野 孝一君    稲浦 鹿藏君       石井  桂君    吉江 勝保君       中野 文門君    井上 清一君       岡村文四郎君    八木 一郎君       剱木 亨弘君    梶原 茂嘉君       田中 啓一君    斎藤  昇君       塩見 俊二君    河野 謙三君       村松 久義君    小柳 牧衞君       増原 恵吉君    高橋  衛君       吉武 恵市君    林屋亀次郎君       郡  祐一君    安井  謙君       青木 一男君    津島 壽一君       迫水 久常君    小林 篤一君       佐野  廣君    後藤 義隆君       林田 正治君    横山 フク君       前田 久吉君    小林 武治君       古池 信三君    宮澤 喜一君       近藤 鶴代君    下村  定君       杉原 荒太君     —————————————  反対者(青色票)氏名      七十七名       市川 房枝君    山高しげり君       林   塩君    鈴木 市藏君       石田 次男君    鬼木 勝利君       中尾 辰義君    北條 雋八君       浅井  亨君    小平 芳平君       二宮 文造君    鈴木 一弘君       渋谷 邦彦君    柏原 ヤス君       辻  武寿君    和泉  覚君       白木義一郎君    野々山一三君       瀬谷 英行君    稲葉 誠一君       吉田忠三郎君    渡辺 勘吉君       林  虎雄君    千葉千代世君       武内 五郎君    山本伊三郎君       小柳  勇君    大河原一次君       伊藤 顕道君    秋山 長造君       岡  三郎君    大倉 精一君       戸叶  武君    松澤 兼人君       大矢  正君    田中  一君       藤原 道子君    加藤シヅエ君       鈴木  強君    阿部 竹松君       岩間 正男君    須藤 五郎君       野坂 參三君    小林  武君       松本 賢一君    佐野 芳雄君       杉山善太郎君    高山 恒雄君       野上  元君    中村 順造君       安田 敏雄君    基  政七君       藤田藤太郎君    横川 正市君       相澤 重明君    森 元治郎君       占部 秀男君    光村 甚助君       田上 松衞君    向井 長年君       永岡 光治君    藤田  進君       阿具根 登君    加瀬  完君       大和 与一君    田畑 金光君       柳岡 秋夫君    北村  暢君       小酒井義男君    佐多 忠隆君       中村 正雄君    村尾 重雄君       成瀬 幡治君    鈴木  壽君       木村禧八郎君    岡田 宗司君       羽生 三七君      ─────・─────
  128. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 本日はこれにて散会いたします。    午後十一時四分散会