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1965-03-30 第48回国会 参議院 文教委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月三十日(火曜日)    午後一時二十四分開会     —————————————    委員の異動  三月二十七日     辞任         補欠選任      森部 隆輔君     久保 勘一君  三月三十日     辞任         補欠選任      植木 光教君     和田 鶴一君      柏原 ヤス君     鬼木 勝利君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         山下 春江君     理 事                 久保 勘一君                 二木 謙吾君                 吉江 勝保君                 小林  武君     委 員                 木村篤太郎君                 近藤 鶴代君                 笹森 順造君                 中野 文門君                 中上川アキ君                 野本 品吉君                 和田 鶴一君                 千葉千代世君                 鬼木 勝利君    国務大臣        文 部 大 臣  愛知 揆一君    政府委員        文部政務次官   押谷 富三君        文部大臣官房長  西田  剛君        文部省初等中等        教育局長     福田  繁君        文部省大学学術        局長       杉江  清君        文部省体育局長  前田 充明君        文部省管理局長  齋藤  正君    事務局側        常任委員会専門        員        渡辺  猛君    説明員        文部省大学学術        局審議官     村山 松雄君        文部省大学学術        局教職員養成課        長        安養寺重夫君        文部省体育局学        校保健課長    吉川 孔敏君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○国立学校設置法等の一部を改正する法律案(内  閣提出衆議院送付) ○国立養護教諭養成所設置法案内閣提出、衆議  院送付) ○オリンピック記念青少年総合センター法案(内  閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 山下春江

    委員長山下春江君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  理事補欠互選についておはかりいたします。  去る三月二十六日、理事久保勘一君が一たん委員辞任され、これに伴い理事に欠員が生じましたので、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないと認め、理事久保勘一君を指名いたします。     —————————————
  4. 山下春江

    委員長山下春江君) 国立学校設置法等の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。愛知文部大臣
  5. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) このたび政府から提出いたしました国立学校設置法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容概要を御説明申し上げます。  この法律案は、昭和四十年度における国立大学国立高等専門学校及び国立大学大学院及び付置研究所新設並びに昭和四十年度及び昭和四十一年度における国立大学学部新設等について規定するとともに、国立工業教員養成所を卒業した者に対する大学編入学資格付与について定めようとするものであります。  まず第一は、宮城教育大学新設についてであります。宮城県における義務教育学校教員の供給については、これまで主として東北大学教育学部教員養成課程での養成に期待してまいりましたが、現状では、各種の事情により期待どおりこれを確保することが困難となっておりますので、このたび、地元からの強い要望にもこたえ、東北大学協力も得て、教員養成目的とする単科大学新設し、その改善をはかろうとするものであります。  第二は、国立大学学部新設についてでありまして、北海道大学に薬学部を、東北大学、新潟大学及び広島大学に歯学部を、弘前大学及び静岡大学に人文学部及び理学部を、埼玉大学教養学部、経済学部及び理工学部を、鹿児島大学に法文学部及び理学部を、神戸大学及び島根大学農学部を、鳥取大学及び長崎大学工学部を、それぞれ設置することとし、これをもって、昭和四十一年度以降の大学入学志願者の急増に対処する国立大学拡充計画一環としようとするものであります。このうち、神戸大学及び島根大学農学部は、県立農科大学を国に移管して設置するものであり、また、弘前大学埼玉大学静岡大学及び鹿児島大学の各学部は、既設文理学部を改組してその教育研究体制の整備をはかろうとするものでありまして、これに伴い、埼玉大学工学部を廃止するとともに、既設の四文理学部を経過的に存置することといたしております。なお、神戸大学農学部及び長崎大学工学部は、予算その他の都合により、昭和四十一年度から開設することにいたしております。  第三は、国立大学大学院新設についてでありまして、これまで大学院を置かなかった国立大学のうち、充実した学部を持つ八大学に、修士課程研究科を置く大学院設置し、もって、その大学学術水準を高めるとともに、研究能力の高い職業人養成に資するものであります。  第四は、国立大学付置研究所新設についてでありまして、近年重要性を増してきている電子工学に関する研究をさらに推進するため、静岡大学電子工学研究所を付置することといたしました。  第五は、国立高等専門学校新設についてでありまして、科学技術教育振興一環としての中堅技術者の育成を一そう推進するため、釧路、小山、東京、石川、福井、舞鶴及び北九州の七工業高等専門学校新設することといたしました。  第六は、昭和三十九年度における宇都宮大学工学部及び図書館短期大学新設に伴って経過的に存置してきた宇都宮工業短期大学及び図書館職員養成所を廃止することといたしております。  第七は、国立工業教員養成所を卒業した者に対する大学編入学資格付与についてであります。このことについては、国立工業教員養成所が発足して以来、養成所目的、性格を考慮して、慎重に検討してまいりましたが、このたびその卒業者に対し、大学に編入学することができるように改めることが適当であるとの結論に達したものであります。  以上が、この法律案提案理由及び内容概要であります。何とぞ、十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申しあげます。
  6. 山下春江

    委員長山下春江君) 以上で提案理由説明聴取は終わりました。  ちょっと速記をとめてください   〔速記中止
  7. 山下春江

    委員長山下春江君) 速記をつけてください。     —————————————
  8. 山下春江

    委員長山下春江君) 国立養護教諭養成所設置法案議題といたします。  本法案については、すでに提案理由説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言願います。  なお、政府側から愛知文部大臣押谷文部政務次官西田官房長杉江大学学術局長前田体育局長が出席いたしております。
  9. 千葉千代世

    千葉千代世君 私は国立養護教諭養成所設置法案について質問いたします。  先般、育英会法の一部改正のときに伺いましたのですが、文部大臣提案理由説明の中に、公立小学校及び中学校養護教諭については、昭和三十九年度以降五ヵ年のうちに五千二百人と、こう増員計画がございますですね。これは、私あのとき時間がなくて省略したのでございますけれども、三十七年の三月に五ヵ年計画をお約束なさって、そのときには三十八年から五ヵ年間。で、この間の答弁の中には、標準法がその後できたので、それ以後というお話でございましたのですけれども、当初約束されたものが、その後、福田初中局長さんの答弁では確認されているわけなんです。この関連をもう一ぺん御説明いただきたいと思います。
  10. 杉江清

    政府委員杉江清君) ただいま初中局長が参りますので、直接、初中局長からお聞きを願いたいと思います。
  11. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 直接の御答弁にならないかもしれませんが、初中局長から補足してもらうことにいたしまして、三十九年度からのとりあえず計画につきまして御説明いたします。  三十九年度から四十三年度までに公立小中学校養護教員約五千二百人を増員いたしたい、これは御指摘のとおりの計画でございますが、従来の減耗補充必要数を含めまして、大体、毎年度次に申しますような方向充足をいたしたい。これによりまして公立小中学校養護教員が約一万五千名になり、約四五%に設置可能になるようにいたしたいというわけでございますが、毎年度計画といたしましては、国立大学養成課程修了者を約二百四十人、大学短期大学卒業者約百五十人、県立等養成機関修了者約三百十人、それから養護職員からの配置がえ、これは四十年度から現職教育を実施して正規資格を取得させたいと考えております者を含んでおりますが、約六百人、その他約百人、毎年度こういうふうな計画で進めたいと考えております。
  12. 千葉千代世

    千葉千代世君 この法案を見ますと、北海道岡山の二ヵ所になっておりますわけなんですけれども、文部省では何ヵ所大蔵省に対して第一次要求なさったのでございますか。
  13. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは前々から考えておりましたところによりまして、できるならば八ブロック一つずつということで、八つつくりたいという考え方をもって進んだわけでございますが、四十年度におきましては、予算その他いろいろの関係から二ヵ所ということになったわけでございまして、できれば、まあ私の自分の考え方といたしましては、四十一年度には残りの六つにつきましてぜひ予算要求したい、実現をはかりたい、そういうふうな心組みで努力を新たにいたしたいと考えております。
  14. 千葉千代世

    千葉千代世君 まあ大臣の先ほどの増員計画養成所をふやしていきたいということは全く賛成でございますが、この残る六つだけを来年増設をいたしましても、大臣のおっしゃる増員計画には沿っていけないと思うんですが、具体的には、この法案を見ていきますというと、養成所設置法案ですね。まあ臨時措置法案でよく出されますね、養成所法案については。国立工業や何かの問題でね。これは恒久的にやりたいという意味と解釈してよろしゅうございましょうか。この法案臨時措置法案でなくて、養成所設置法案でございますね。ですから、大臣のおっしゃったように六つ来年やっても、その次もやるという恒久的な法案と解釈してよろしいかどうか、お伺いいたします。
  15. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そのつもりで、成案を得たわけでございます。
  16. 千葉千代世

    千葉千代世君 八ブロック八校の要求をしていらっしゃいますね。その八つはどことどこでございますか。
  17. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは先ほど申し上げましたように、八ブロック、いわゆる八ブロックでございます。したがって、今回は北海道中部地方でございますから、自余の六つブロックを大体予定しておりますけれども、しかし、これは地域的な需要数なども考慮いたしまして、その六つブロックの中で、どこの場所を選んだらよいかということにつきましては、もう少し検討いたしたいと考えております。
  18. 千葉千代世

    千葉千代世君 それでは、当初、文部省大蔵省要求なさったときの設置個所の名前、どことどこですか。
  19. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 四十年度としては、北海道旭川分校岡山でございますが、こういうところにあわせて設置したいと考えましたのは、弘前、茨城、金沢、大阪学芸大学、徳島、熊本の各大学でございます。しかし、これはただいま申し上げましたように、四十年度概算要求をいたしたいと考えた昨年八月ごろの計画でございますから、これらの点について、あるいは四十年度に若干の調整を加えるかもしれませんので、その点はまだ未決定でございます。
  20. 千葉千代世

    千葉千代世君 八つ要求をなさって二つだけできた。そのあと六つ大学では受け入れ態勢は十分であったでしょうか。その点の連絡はいかがだったでしょうか。
  21. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) そういう点を含めまして、もう少し詰めてみたい。今年の概算要求の時期にその点をはっきりまとめてみたいと考えておりまして、これは受け入れ側の十分な態勢と理解ある協力がなければもちろんいけませんし、それから先ほど申しましたように、大体こういったところに置けば目的が一応達せられるかとは思いますけれども、地域的な需要でありますとか、それから養護教員充足の状況などについても、あわせて勘考しなければならないかと考えております。
  22. 千葉千代世

    千葉千代世君 この養成所に関連するわけですが、たとえば大阪大学の場合には、全国でただ一つ国立として保健科免状養護教員じゃなくて、保健科免状を出す学部があるわけですね。ところが、ここ二、三年、たしか二年くらいだったと思いますけれども募集してないわけです。で、この養成所ができれば、たいへん都合がいいというので、受け入れ態勢もたいへん万全である。それがないために教授方々が、たとえば保健免状をやるための学部でございますから、そこの専任の教授の方がおった。それが募集をしない。そうすると、その先生方が余分と見られていくのじゃなかろうかというので、転任の問題もあるように聞いたのですが、その点はいかがでございましょうか。
  23. 杉江清

    政府委員杉江清君) いまの保健免状を与えているところは、相当たくさんございます。数にいたしましても、ほぼ四十近く保健免許状を与えているわけでございます。で、これらのところには、まあ十分ではございませんが、相当の教官組織もあるわけでございます。それらの協力を得ることは可能だと考えております。
  24. 千葉千代世

    千葉千代世君 私が申し上げたのはことばが足りませんでしたけれどもね、いろいろな科目をやるのと一緒保健をやるというのは短期大学でもどこでもあるわけです。ところが、大阪大学保健免状だけをやる部があるわけですね。大学としては、その部だけやるというのはそんなにないでしょう。それは教授がたしか二人か三人いらっしゃったはずです。
  25. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 現在、保健体育科保健免許状というものを発行しているわけでございますが、大学におきましては、両方ともとれる用意をしておるわけでございます。お話し大阪学芸大学は、保健を専攻する学生募集するという多少特別の扱いをいままでやってまいっております。今後は保健体育の中でそういう専攻を分けるというような形で学生募集しようというようなお話になっておるように聞いておるわけでございます。
  26. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは私この前大阪に行きましたときに、去年だったと思いますが、養護教諭が非常に足りないので困るというので、これはおかあさん方一緒になって、たいへんな請願運動をなさって、府にもつくってほしいというような、こういうような並行した運動をなされておったのです。そんなにやって受け入れ態勢があるのでしょうかどうなんですかと聞いたのです。そしたら、文部省のほうで今度増設していただけるような配慮があると。そうしたら、ちょうど大阪でも、いまの学部の問題でも募集していないからいいではないかというので、たいへんこれはみんなあげて熱心だったと、こういうことを聞いておったものですから。そうすると、これはことし残ったのを来年やるとかいう問題じゃなくて、新しい観点からそれぞれの実情を参酌して増設したいと、こういう文部大臣の御意向でございましたようです。ですから、これは受け入れ態勢と同時にやはりお考えいただきたい。  もう一つは、たいへん要望し続けておった山形でございますが、山形は、県立養成所とたしか三つぐらいあると思うのですけれども、それをちょっと実情をお知らせいただきたいのですが。——この間、私、文部省からいただいた資料がどこかへ入っているのですけれども、それが見つからないのです。
  27. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) いまお話し山形には、養成機関が、県立養護教諭養成所というのがございます。このほかに山形大学教育学部でお世話いたしております看護婦の有資格者を一年間お預かりいたします養護教諭養成課程というものを経営いたしておりまして、両方卒業者養護教諭になっておるという現状でございます。
  28. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで、県立養成所が間借りしておったのですね、大学の敷地の中にあって。そうして、いまおっしゃったように、今度は山形のたしか高等学校の中に入っていったのです、大学が移転をしたので。そういうふうな関係の中で、これは設備的にもここで転換しなければならないし、制度的にも、同じ県に二つの違ったものではなくて、できれば国立養成所設置して、そうして一本にして、しかもあそこでは四年制の大学、これを要望していらっしゃるわけですが、いまあるのは三年ですから、四年制の方向を目ざしてというような御意見をたいへん伺ったのですが、山形全国に先がけて県立養護教諭養成所をつくって、実際の経験ある方が主になって非常に成績をあげた。養護教諭については、いわゆる養成計画が非常にいいので、いい方がたくさん出ている。ところが、それが今度は就職する場合になりますというと、標準定数法によりまして押えられるものですから、よその県に行ってしまう。こういう実情にあって、県費をかけて一生懸命養成しても、職場が狭いものですから、しかも標準定数以上に設置してあるところについて云々という、限度政令の問題と関連してまいりますけれども、非常に年齢を若く、まあやめさせるというか、はっきりいえばそういうことになってしまう。ですから、いろいろのそこに問題点が出てきているわけなんですけれども、文部省養成計画に沿った国立養成所とか、そういうふうな方向に、発展的な方向にいくような、何らかのめどはないでしょうか。
  29. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 山形県立養護教諭養成所は、高等学校卒業者を二年預かりまして二級の資格を与える機関でございます。国立養護教諭養成につきましては、先ほど申し上げたような資格付与いたしまして一級の資格を与える。国立でやっておりますものの考え方は、東北一円に中堅的な養護教諭配置したいというような考え方でお願いをしているわけでございまして、必ずしもその設置の意図、効用というものは同じくしない。山形県立養護教諭養成所は隔年募集の二十名の定員でございまして、いろいろお話のような事情を伺っておりますけれども、なおよく検討いたしましょうというようなことで現在おるわけでございます。
  30. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで、やはりせっかく養成に熱心になっていらっしゃって、いま山形で就職したいと、こういうわけですから、その方たちが就職できるように、その隘路は、やはり限度政令の問題がございますけれども、さっきおっしゃった大臣答弁の中で増員計画を述べられたのですが、やはりあれでもまだ隘路があるわけです。具体的にいえば、私どもが文部省とお約束した中には、昭和四十二年度までには、まず一番先に二千名を増員し、あと七百五十、次、七百五十、次、七百五十、四十二年度には小学校九百、中学校千二百と、こうなっている。ところが実際的には、やはりあそこでは非常に早くから配置して、万全を期しておったわけでございますから、配置率を上回っているのです。それについては、これは全然めんどう見ていかないわけですか、やはり限度政令によって切ってしまうわけですか。その点、特別な増員計画ですから、それに沿った特別な何か配慮というものができないわけなんですか。
  31. 杉江清

    政府委員杉江清君) 後ほど初中局長がこられると思いますけれども、いまの法律のたてまえからいえば、いわゆる千人及び千二百人で計算された数の範囲内にとどまる、こういうことにならざるを得ないかと考えております。
  32. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、それ以上配置した県については県にまかせっきりですか、それともいま、標準定数法なら標準定数法によって、限度政令なら限度政令によってぴしっと整理してしまう。それ以上は全然めんどう見ない、これ一本でいくつもりですか。
  33. 杉江清

    政府委員杉江清君) その辺になりますと、初中局長からお聞きいただいたほうが正確だと思いますので、私はお答えをしないほうがかえってよろしいかと思います。
  34. 千葉千代世

    千葉千代世君 その点あと初中局長に……。
  35. 杉江清

    政府委員杉江清君) いま連絡しております。
  36. 千葉千代世

    千葉千代世君 あとでけっこうですが、答弁していただきたいと思います。  今度の国立養成所は三年のわけでございますね。これで養護教諭養成はいいと思うのですが、年数的に。具体的には養成所ではなくて、大学正規教員養成の中に繰り入れたい、こういう私は希望を持っているし、また全国でも、実際にお仕事をしていらっしゃる方々から聞きますと、そういう声が非常に強いのです。というのは、二年養成、それから看護婦免状を持った方の一年養成、こういろいろやられているわけなんですが、このごろは短大を卒業して出ている方と養成所を出た方と、これはもうたいしたことはないと言えばそれまでですが、私はそうじゃなくて、やはり大学出というものについて、養成所を出たというのと大学出だというのについて、やはり実際に職場に入ってみますと相当やはりハンデがあるように思うのです。それはいわゆる社会通念がいけないとか、いままでの既成概念がいけないと言えばそれまでですが、実際お仕事をしてみた場合に、そういうハンデがかなりあるように聞いておりますけれども、そういう点についてはどのようにお考えになりますか。
  37. 杉江清

    政府委員杉江清君) 将来のあるべき姿としては四年制が望ましいと考えておりますけれども、御存じのように、現実においては二年の課程または看護婦保健婦養成することにあわせて養護教諭資格を取得させるというようなやり方が主体をなしておる現状でございます。一方、養護教諭必要性需要は非常に大きなものがあります。しかも、これを各学校に必置するというようなたてまえをもって考えていきます際に、その需要は非常に大きなものになるわけでございます。そういうふうなことを考えまして、いま四年制課程主体にして考えますことは実際上必ずしも適切でない。むしろいままでの二年程度の課程を引き上げて三年に充実したコースを設けたらと、こういうことでしばらくは進むことが、諸般の事情を考えると適当だと考えてこのような措置をしたわけでございます。
  38. 千葉千代世

    千葉千代世君 そのことはよくわかります。というのは、充足計画で早く養護先生がほしい、いま足りないから埋め合わすためにと、そういうことで養成所も踏み切られたわけですから、そのことはよくわかりますけれども、実際やられてみてそういう点が出てきた。これはこれだけを指摘するのじゃなくて、国立工業教員養成所ですか、あそこをお出になった方々先生になっていただくというために育英資金をたくさんやって、そうして返還免除の規定までつくって、制度的には三年では困るということで私どもたいへん反対しておるわけです。現実にはそれでは先生にならない方がどのくらいあるかと調べてみれば、たいてい民間会社に行ってしまう、育英資金は、貸した金はどうするのですかというと、会社から全部そろえて返すからと、こういうふうな傾向が出てきた。そういう観点からいきますと、過渡的な問題としてはそれは御答弁の趣旨はよくわかりますけれども、やはりこれははっきりと四年制でしっかり学部の中でやっていくという構想を明らかにした中で、その過渡的な問題ということならわかりますけれども、そういうふうな方向にお考えいただけないでしょうか。その点いかがでしょうか。
  39. 杉江清

    政府委員杉江清君) 今後の方向としてはそういうふうにいたしたいと考えております。ただ、早急にというわけにはいきかねるという考え方でおるわけでございます。
  40. 千葉千代世

    千葉千代世君 それで、これは給与に関連するのですけれども、養護教諭二級はさっきおっしゃったように高校卒二年でもくれるわけです。結局、短大二年ですね。そうすると、今度のは三年でございますね。そうすると、給与はどうなんでしょうか、同じ給与でしょうか。それとも何か短大一年分を見ていく給料表に当てはめていくとか、そういう点はございませんでしょうか。
  41. 杉江清

    政府委員杉江清君) 一年多いものとして、それだけ加算する給与体系に当てはめるわけでございます。
  42. 千葉千代世

    千葉千代世君 それからこの三年制を出まして、かりに一年生に入った方が来年いますね。卒業まで三年かかるその間に四年制の大学ができた場合に、かりにですよ、想定ですから。できた場合に、これは四年制のほうに編入というのですか、転科というのでしょうか、何というのでしょうか、変わることができるのですか。
  43. 杉江清

    政府委員杉江清君) さしあたっては、当分の間は四年制課程をつくるのは早いと考えておりますけれども、将来の問題としてそういうことも起こり得るかと思いますけれども、そのときはできるだけ学生のためを考えた適当な措置を考慮いたしたいと考えております。
  44. 千葉千代世

    千葉千代世君 三年課程保健の二級と養護の二級を獲得する、こうなりますね。そうすると、この二級から一級になります場合には片っ方は二年ですね。片っ方は三年。そうすると、二級から一級になります場合の単位に何かこれは換算できるのでしょうか。同じふうに単位をとらなければ一級に行けないのでしょうか、その点ちょっとお答えいただきたいと思います。
  45. 杉江清

    政府委員杉江清君) それは単位のほうでかげんいたしたいと考えております。
  46. 千葉千代世

    千葉千代世君 単位のほうでかげんいたしたいと考えているのじゃなくて、免許法でいいますと、それはどれに当たるんでしょうか。たとえば従来は短大出で経験三年でプラス二十単位だったでしょう。そうすると、この案でいった場合にプラス一年というものを何単位くらいに大体みていくかと、このことを具体的に伺いたいのです。続けて言いますと、免許法を改正して、このコースを明示しなくちゃならないのじゃないかという、こういう点がありますので特に伺います。
  47. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 初めての例でございますので、この法律が成立されました暁には、お話のような場合の措置を省令改正によって行ないたいと、こういうふうに予定しております。その際、他の教科の実情を見ますると、大体一年を十単位程度に換算をするというのがございますので、ほぼそれに準じた扱いにしたらいかがかというような考えで検討をいたしております。
  48. 千葉千代世

    千葉千代世君 そのことがはっきりすればよろしいのですけれども、ですから具体的には一年多くやったから短大出で経験三年プラス二十単位ですから、経験三年した場合に十単位と、こういうふうになるわけですか。経験三年はやはり要るわけでございましょう。
  49. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 大体そういうことになるかと思いますが、検討いたしております。
  50. 千葉千代世

    千葉千代世君 たとえば千葉大で二年やって養教の二級を出しているわけですね。それから北海道の札幌で、二年の養成でこれは養教の二級と保健の二級を出しているように聞いておりますが、そのとおりでしょうか。
  51. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 北海道立の養護教諭養成所は一部、二部ございまして、一部は看護婦資格者を一年預かって養教の免許状を取得させる。二部のほうは高校卒業者を預かりまして二年教育した上で二級の養護教諭資格を与えますが、この二部で、お話のように中学校保健免許状も出せるようなことにいまなっております。
  52. 千葉千代世

    千葉千代世君 いまは出ていませんでしょうが。出せるようになっているということでいま与えていますか、どうでしょうか。
  53. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 制度として取り得るということになっておりまして、若干名が免許状を取得いたしております。
  54. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、この単位の取り方なんですが、養教と保健免状を取りますね、二年で取れるわけでしょう、二級がね。そうすると、今度同じ北海道国立の旭川分校にできますね。それになりますというと、三年で同じ二級、二級が出るわけでしょう。そうすると、単位の取り方はどういうふうなぐあいになっているんでしょうか。同じ北海道で片一方は二年で二つもらえる。片一方は国立二つもらえると、同じことで一年のハンデが出てくるわけですが、単位の取り方はどんなふうになって、これはいいということになるのですか。
  55. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 御承知のように、免許状の取得資格は教育職員免許法の規定がございますし、いわば最低の基準を設定しておきまして、一人の人が二年の就学期間中に努力をすれば両方取り得るというような場合がままございます。いま御指摘の場合は、たまたま免許状を取得します教科の内容が似かよった部分が多うございますので、養護教諭資格取得のための勉強をすることが即保健免許状を取得します場合に相当量そのまま通用するというようなことになりますので、二年のうちにそういうような結果が個人的には発生するというようなことになるわけでございまして、われわれのほうで考えたのはそういうようなことでなしに、初めから三年間かかって両方とれるように教育課程を仕組んだほうが、資質の高い養護教諭先生ができるのではないかというようなことを考えたわけでございます。
  56. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、俗なことばで言えば一年損することになりますね、北海道の場合を考えると。片方は三年、片方は二年で同じ免状をもらえる。内容的にはそれはもちろんいまおっしゃったとおり充実していることは三年のほうが充実していますことは確かですが、年数でいうと一年損をするという結果になりますけれどもね。
  57. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 基礎資格は同じく取得して卒業するわけでございますが、先ほど局長から御説明申し上げましたように、初任給からいえば三年短大と同じようになる予定でございますし、したがって、初任給が高い。それからいま一つは、さらに勉強して一級の資格を取得します場合に、三年を卒業しましたものは、二年卒よりも早く資格が取得できるというようなことをいろいろ措置を講じて、結果的には両方がその特色を受けるようにというように考えておるわけでございます。
  58. 千葉千代世

    千葉千代世君 それから現在、国立養成所、それからこの間は国立でない都立の養成所だったか、ほかの文部大臣指定の養成所の一覧表を頂戴したわけなんですけれども、そういう養成所を通じて、募集人員の定員に見合っているのかどうか。卒業した方々が実際に養教をしているのかどうか、よそに流れて行っているのが多いのではないかというふうに想像されますが、わかる範囲でけっこうでございます。この間、資料を拝見したら、ちょっと足りないところがあるようなのでございますので、大体の見当でけっこうでございます。
  59. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 全国国立大学に一年課程の養教養成課程がございますが、これは現在入学定員には満ちてはおりませんけれども、過去の二ヵ年の実績から申しますと、卒業者は大体所期の目的どおり小中学校中心に養護教員になっております。そのほかに文部大臣指定の養護教員養成機関がございますが、これは二色ございまして、一つ養護教諭養成のみを目的とする養成所がございまして、これはまず県立がその主体でございますが、ほぼその目的を達しているのじゃないか、入学定員にほぼ近い入学者が入り、その卒業者がやはり養護教諭になっておる。いま一つの種類は、保健婦養成所が本体になっておりまして、それに多少の工夫を加えることによりまして、養護教諭の一級の免許資格を取得させようというものでございます。これはいままでの過去三ヵ年くらいの実績から申しますると、入学定員の三分の一程度が養護教諭になっておりまして、あとはその機関本来の目的保健婦なり看護婦になっておるというような実情でございます。
  60. 千葉千代世

    千葉千代世君 今度の三年制のに保健養護免状二つくれるので、ほんとうは養護教諭養成所ですから、養護を主としてつとめていただかなければならないと思うのですが、実際的には保健免状が出ますから、養護のほうと保健のほうをやるとなると、養護教諭の本来の仕事というものがかなりおろそかになるのじゃないかと思いますが、その点いかがでしょうか。  それからもう一つは、これは愛知の例でございますが、愛知山形と同じように大へん早くから養成していらっしゃっているのです。養護教諭免状一緒小学校先生免状をくれたわけです。そうすると、卒業した当時は全部養護教諭でいたんですけれども、だんだん一般の教員に切りかえられて、たしかいまその当時の五分の一くらいしか残っていない、一般の教諭に切りかえられておると思うのです。その数字ははっきりしたものは知りませんが、大体そういうふうな割合だと聞いておるのですが、そういう点を私は心配して伺うのですけれども、その点はいかがでしょう。
  61. 杉江清

    政府委員杉江清君) 保健の時間は御存じのとおりあまり多くありません。二年、三年に一時間ずつですか、これはまとめて一人の先生で担当できる授業時間になるところはそんなに多くはない。で、また一方、保健体育のほうの保健免状を持っておられる方も相当数おるわけでございます。そういうふうな事情がありまして、保健のほうにこれが流れるということはそう一般的には起こらないであろう。ことにこの養護教諭をいま置く、そして新しい者をとるという場合には、これは養護教諭のいないところでそれを充実したいということでとるわけでございます。だから、その方を今度はとった目的に反して片方の保健のみを担当さすということは、その面からもそんなことは一般的には起こらないだろう。それと対して考えられることは、愛知県の例でございますが、小学校教員免許状を持っておりますと、小学校教諭は一般的に不足しております。特に愛知県におきましては、実は愛知学芸大学教員養成のしかたとの関連がありまして、特に小学校教員が不足している実態があるわけでございます。そういうところからそういう現象が起こってきたかと思うのでございますけれども、これはそんなに一般的に私どもは起こり得ないことだと考えております。
  62. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま愛知県の問題に触れられたわけですけれども、最初そうだったのです。養教が足りないからといってつくったのです。だから、一般教員に切りかえるという目的は全然なかった。ところが、だんだん年数がたったときにそういう結果が出てきておるということが明白になったのです。そして今日では養教が足りないということになっております。いま保健免状ですから、初め出ていった場合には養護教員養成所養護教諭になる。はっきりいえば、僻地の学校なんか喜ぶが、それには保健の問題もやったほうがいいんじゃないかということになる。そういうふうにして二年たつと転任していきますね。転任していった場合に、都会なら都会、市街地へ行きますと、今度は保健免状だけでやると、こういうことができてくるということが私は予想される。そこで衆議院のほうで附帯決議がついておりますね。養護教諭保健免状を取得するに当たっては、労働過重にならないように何か配慮するとか何とかいう決議がついておりますね。その意味はどういうことなんでしょうか。
  63. 杉江清

    政府委員杉江清君) 養護教諭保健を担当させられることによって、まあ養護教諭仕事だけでもいろいろ大へんなのに、かたがたそれに加えて保健まで担当させられるということによって負担も過重になるし、仕事もなかなか行き届かなくなるということをおそれてあのような決議がされたと思います。この点は私ども今後の運用の面に当たっては注意すべきことだと考えておりますが、ただ、養護教諭保健を担当するということは、これは当該学校教員配置からいって、保健の時間を担当さすということが必要だと思うときにやるわけでございますけれども、しかし、保健の教科を担当するのは、御承知のとおり、保健体育先生保健免許状を大部分持っておられるし、それから家庭科の先生が担当する場合もあるし、いろいろなほかの先生保健の時間を担当するわけでございます。そういうことを考えますと、この養護教諭先生だけに負担過重になるような時間配当をするというようなことは、私は一般的には考えられないことだと思います。その間は当然学校として教官の負担全体の公平ということを考えて時間割りの配当をすると思います。だから、養護教諭だけに負担が過重になるということは一般的には私は考えられない。ただ、そういうこともあり得ることでありますから、今後いろいろな機会に注意を喚起する必要はあろうと思いますけれども、以上のようなことであります。
  64. 千葉千代世

    千葉千代世君 養護教諭の任務ですが、本来の使命のほかに、たいへん労働過重になっているということは、この間質問を省略したのですが、学校保健会の事務をやりましたり、それから種痘ですか、そういう手伝いをやったり、予防注射をやったり、ほんとうは予防衛生の立場で学校全体の中の学校保健の発展という面が、相当そこなわれているのではないかということを私考えます。そこへ持ってきて、今度、保健免状ですか、免状をやることは私はいいと思います。ただ持っていて、その使い方に相当問題が出てくるのではないかと思います。というのは、これは御承知のように、新しい制度の養護教諭でありますから、当初は特殊技術を持ったという、こういうふうな待遇で、文部省でも技官という名前が、昭和二十年ごろと思いましたが、地方の教官、一般の先生が地方教官になる。そうすると、今度は国立学校の場合は文部技官、地方へ行くと地方技官と、こういう技官という名前を使って、特別な職務の性質というものを確保しておったわけなんです。一番初め、養護教諭のできます時分に、御承知のように、養護訓導と言っていたはずでございましたが、その時分には、いまのように国会で法律をきめるというのではなくて、教師の免状が御承知のように勅令として出ておったわけですね。だから、昭和四年ごろからずっとそういう要求をしておった中で、当時は建議権というのがありました。いまの請願陳情です。その時分は議を建ずるという建議書というのが出た。そのようないろいろな経過の中で、やっぱり新しい職務なんだからいい名前をということで、いろいろな名前があげられたのですが、やはり学校の場において、教師としての位置づけがないと、学校保健の発展がしにくい、こういう中で特に訓導という名をつけた。ところが、その訓導というのは授業をするという意味ではなくて、たとえば研究とか講習とか、そういう場合には授業ができる。できないのではなくてできるということで、雨が降ったときに保健の講話とかができるという、こういう名目で訓導という名前をつけたわけです。ですから、養護教諭の任務というものについては、やっぱりそういう主目的がだいぶ曲解されて、ほら補欠だから養護先生だ、ほら何だからということで、かなり授業を持たせられている方がある、先生が足りないものですから。そういう場合にもってきて、今度は保健免状をもらうということになると、二足のわらじと言ってはおかしいのですが、そうなると、これは養護教諭の本来の性質がそこなわれていくという面がございますので、衆議院の附帯決議、ああいう要望ではなくて、養護教諭養成所を出たのですから、本来の養護教諭の使命を果たす、特別な場合に、たとえば僻地でありますとか、そういう場合に、需給関係がまだ円満でないですから、そういう意味の方便としてくらいに考えていくというのは、これまたわかりますけれども、二つ持ったからということで、現場へ実際行きますというとそうはいかないのです、やらされる。文部省としてはそういう意図は私よくわかるのですが、実際任用される側に立ってみるとそうはいかない。学校でいろいろな行事があったり何かすると、先生が定員が不足しますから、自然そちらにおはちが回ってくるということがありますので、これは単なる附帯決議ではなくて、それがほんとうに生きるような方法で行政指導なり何なりしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  65. 杉江清

    政府委員杉江清君) その点については今後留意してまいりたいと思います。
  66. 千葉千代世

    千葉千代世君 それから国立養成所をいままで設置なさった、その受け入れ態勢で、さっきも申し上げたのですが、養成所時分のものでもほしいし、つくってもらってよかったと、講師陣なり何なり、講師の方たち全学一致してこれに集中して、非常に発展のために全力を尽くしている。たとえば石川とか、茨城とか、一々あげませんけれども、とても一生懸命になって成果をあげているところと、中にはたいへん迷惑そうなところがあるわけです。これは名前を申し上げませんのですけれども、どうもあいまいなものをもってして、講師の俸給もたいへんよくないし、指導体制についてもなかなか、これは新しい制度だものですから、円満な運用を欠いているという点がありますが、その点についてはどのようにお考えになりますか。
  67. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 現在の八大学課程の運営の問題だと思いますが、われわれのほうからお願いしてやっていただいておるわけでございまして、まあ当初お話のように、いろいろ手当てをしてもらいたいというような要望はございます。しかし、これはたいへん必要なことであるからということで、なおわれわれとしては今後も引き続いて目的達成のために御協力をしていただきたいというようなことでお願いしておる状態でございます。
  68. 千葉千代世

    千葉千代世君 この養成所の中で、実際の養護教諭としての経験のある方、そういう方で何か指導的な立場に入っている養成所ございますか。
  69. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 今度つくります養成所の職員の選考につきましては、現在、二大学でそれぞれ進めておりまして、大体、北海道では北海道大学の医学部が中心になって御相談いただいております。岡山大学では、同大学の医学部先生が中心になっていろいろ教授陣——陣容をどういうぐあいに将来に向かって整備するか御検討願っているような状態でございます。
  70. 千葉千代世

    千葉千代世君 それでは、実際に養護教諭の実績を持った方は一人もいないのですか、いるのですか。
  71. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 個々別々の人の人選はまだ伺っておりません。
  72. 千葉千代世

    千葉千代世君 いままでも一人もいなかったという解釈をしてよろしいですか。
  73. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) いま申し上げました今度新設されます二つ養成所のことをまあ申し上げたわけでございますが、在来ございます八大学養護教諭養成課程につきましては、それを直接お世話をいただいております教員養成学部の、主として医学保健の担当の先生方のお出ましをいただいて、ほかに所々方々からたんのうな先生方に非常勤講師としての御協力を願っておりまして、現実養護教諭の職務の御経験をされた方が大幅に御参加願っているとは聞いておりません。
  74. 山下春江

    委員長山下春江君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  75. 山下春江

    委員長山下春江君) 速記をつけて。
  76. 千葉千代世

    千葉千代世君 いま私の申し上げました受け入れ態勢について、必ずしも積極的でないというところもある中に、養護教諭仕事内容ですね、職務の分析とはっきり申しますか、そうした中で、何のために必要だということが十二分に把握されていない面があるわけです。それはやはり講師陣ではなくて、実際に主任なり何なり、そういうふうな担当する方が、現場の経験を経た人が一人もいないということにあると思います。養成所をやって運営してみた中で、非常に御努力なさっていますけれども、お医者さんというつまり医学としての単位をとる中の医学問題について、それは権威でございますから、なかなかりっぱな方でいらっしゃるししますけれども、これが現実養護教諭としての職務を遂行するためのいろいろな面については、私は不十分だと思っていますけれども、いかがでしょうか。
  77. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 御承知のように、一年間のうちには、学校保健の問題なり、養護教諭の職務というようなことについて勉強する機会がございますし、生徒たちは教育実習ということで実際学校へ参りまして、必要な実務の経験も一応させられるというようなことになっておりまして、実際御経験のある方に接触する場合も多いわけでございます。それが十分かどうかという問題だと思いますが、われわれ毎年担当者の会議を開いていろいろ今後の進め方なども繰り返し積み上げてまいっておるわけでございます。御指摘のような点、なお今後十分になるように努力したいと思います。
  78. 千葉千代世

    千葉千代世君 実習に行きましても、行く期間というものはほんのちょっとしかないわけです。ですから、これはやはり養護教諭の経験をお持ちになって、その身になって苦労なさった方々、そういう方々がやはり指導の面に責任を持って入れるような体制をおつくりいただきたい、こういう要望でございますが、それからもう一つは、文部省では非常に学校保健について御熱心でやっていらっしゃって、全国的な講習なんかでも講師を派遣していらっしゃるわけなんですが、やっぱり文部省の行政の中に養護教諭の実際経験ある人が一人もいませんですね。あれは私、前からぜひひとつそういう方々を入れてほしいなと思っていたら、ずっと前に、定員の関係でできないとか何とか言ったんで、ちょうど大臣がいらっしゃるのでお尋ねしたいんですけれども、これは指導主事——何という名目ですか、いろんな指導なさる方がいらっしゃいますね、文部省の何官というのですか。
  79. 杉江清

    政府委員杉江清君) 初等中等教育局にはそういった教科の指導の面を担当しているものに教科調査官というのがおります。これは体育局の学校保健課のほうにも類似の方がおられますが、養護教諭専門の方はそこにはおられません。
  80. 千葉千代世

    千葉千代世君 類似の方というのはどういう……。
  81. 杉江清

    政府委員杉江清君) 学校保健一般のことを指導する専門の者がおります。これは医学出身の者でございます。
  82. 千葉千代世

    千葉千代世君 その方はよく存じ上げておりますし、養護教諭のことについてはほんとうに育ての親でして、たいへん御熱心にやられるし、講習についても特別な、養護教諭という仕事は特別だものですから、なかなかむずかしいのですが、よくやっていただいておりますんですけれども、やはりそこに実際経験を持った方が入ればなおいいという私考えを持っていますけれども、その点いかがでしょうか。
  83. 杉江清

    政府委員杉江清君) 望ましいことだと思います。まあいろいろ定員等の関係もございまして、なかなかすべての分野にわたって人を置くという現実的な困難性はありますけれども、望ましいことだと考えます。
  84. 千葉千代世

    千葉千代世君 私、二十年前にちょうどその答えを伺ったことがあるんですけれども、いつも望ましいことだ望ましいことだで、定員の問題でやれない。これは定員の問題は限度政令のような、そんなむずかしい問題じゃないんです。これは人一人をそこに置くというのですから、私は勇気さえあればすぐできると思うんです。率直に言って。まあお医者さん出身の方でいい方がいますけれども、それに加えてやはり現場にいた方がそこで講習の参画なり、いろんな点についての指導面にいるといないとではたいへんな違いだと思います。これは各県で、大阪、京都——東京都では三十九年度から、その現場にいた方で直接のそういうふうな参画する指導主事という名前ですが、いろいろ指導主事については問題がありますが、私は養護の問題についてはやはり日も浅いので、そういう面で指導主事の役目ですか、ほんとうにいい意味の指導主事の役目を果たしていただくという方々に、実際経験者がいたといないとではあまり違いがはっきりしている、こういう意味で、いい意味で言えば。——ここに学校保健担当の方いらっしゃるでしょうか、恐縮ですが。大阪その他私見まして、あまりいいので、東京都の教育長さんに会いまして、現場指導の方がいないというのは困ると言ったら、この前まで置いたじゃないか。置いたというのはどういうことで置いたかというと、学校保健課の事務として置いてあったわけです。事務として置いてあれば、統計とか、そういうお世話はやけますけれども、現場の指導という面についてはやっぱり出られないわけで、出ていけば一般教科の方々、あるいは校長さんに対し、あるいは現場の養護教諭に対し、あるいは一般の教員に対して、やはりはっきりした養護教諭の立場から学校保健と教育と一体となっていくというその任が十分果たしていけないと思うんです。置かれてから非常によかったわけなんですけれども、そういう点で学校保健のほうでは、ほうぼう回ってどうお考えになりますか。
  85. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) 地方の教育委員会では、委員会によりまして保健技師あるいはおっしゃるとおりの指導主事という方に養護教諭の方を充てておる場合が相当ございます。そういうところでは、養護教諭の講習会あるいはいろいろの指導の面で相当効果をあげているというふうにわれわれのほうは考えております。
  86. 千葉千代世

    千葉千代世君 先般の育英会法の改正のときに、全国養護教諭設置状況のアンバランスについて報告が述べられ、これを直していきたいということで、これは初中局長さんですか、お答えいただいたわけですが、その養護教諭養成と相待ってそれを指導——指導ということばは適当かどうかわかりませんが、担当していっている方がいるといないとの違いをどうようにお考えでしょうか。
  87. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) 担当する者がいたほうが指導上非常にいいということは確かでございますけれども、その場合にいろいろの条件もございますので、一がいにすぐそういう人を置けと、県の事情もございますので言えないと思うのです。
  88. 千葉千代世

    千葉千代世君 それは県の事情はよくわかりますけれども、やはり学校保健についてのいろんな文部省にも課がありますんですから、人事の面についてはそれは容喙できないかもしれません。しかし、やはり全国的なアンバランスをなくしていく一つの方法として、安心して希望を持って仕事に精通していくという面から、そういう方が私必要だと思っておるわけなんですが、いま全国養護指導主事を置いているところは市も入れてどのくらいでございますか、大体。
  89. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) ただいまその資料を持ち合わしておりませんので、後ほどお届けいたします。
  90. 千葉千代世

    千葉千代世君 これはたとえば養護の問題についてのそういうふうな指導とか、講習とかの計画を進めていらっしゃるというところは、これは保健課だけでございますか。
  91. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) 養成のほうが大学学術局の教職員養成課、それから定数の関係は初等中等教育局の財務課、行政指導のほうは学校保健課でございます。
  92. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、各県の教育委員会で養護教諭の講習をいたしますね、そういう場合には保健課のほうから講師として行くのですか、大学局の教職員養成課のほうから行くのですか、どういうたてまえが本筋になっていますか。
  93. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) 教科指導の面で私のほうの教科調査官、これが指導に当たってまいるわけであります。
  94. 千葉千代世

    千葉千代世君 もう一つ保健課にお尋ねいたしますけれども、養護教諭の実際経験を持った方を県では指導主事にしていくと同時に、今度は文部省のほうとしては、そういう方を置くということについて何かお話し合いしたことはありませんか。さっき定員の問題でいろいろとかいうことですが、私は一向相談していないように聞いているんですが、どうなんでしょう。
  95. 吉川孔敏

    説明員(吉川孔敏君) ただいま私のところに保健担当の教科調査官が二名おりまして、その方が養護教諭の指導に当たっておりますけれども、私が参りましてから養護教諭の方を専門員で入れたいというふうなお話はときたまございましたが、そう強い要望ではなかったように考えております。
  96. 千葉千代世

    千葉千代世君 たいへんくどいようですが、なかなかこういうふうに質問する機会もなかったものですから、ためておいたわけなんですが、各県教育委員会が自主性を持ってやると同時に、やはり養護教諭養成についてそれだけの考えをされているわけですから、これは養護を担当する係といってはどういうのでしょうか、私は文部省の中の役人の方の格づけは知りませんけれども、実際に責任を持ってそういう指導ができるという立場の方、そういう方はぜひひとつ置いていただきたいと思うのです。ほんとうならば私は別に指導主事を置けとか、何を出せとかいうことをあまり言うほうでありませんけれども、養護教諭の特別の場合を考えたときに、やはりそういう欠陥が日本の教育行政の中で出ているのではないかと考えるわけです。それは強く要望しておきたいと思っています。  それで、最後にですが、いまいろいろ申し上げたことは学校教育法の百三条を削除していただきたい、この一言に集約されるわけなんですが、この間、百三条を削除するまでの青写真を出してほしいということを申し上げて、努力するという御回答であったわけであります。これはぜひ早急に撤廃されるような方向に、いわゆる五ヵ年計画が四ヵ年でも三ヵ年でも早いほうがいいわけなんですが、事情の許す限りしていただきたい。それから、先ほど初中局長さんのお留守になったときに伺ったんですけれども、山形の例で申し上げたんですが、養成計画を一生懸命やり、養護教諭をよく配置した。配置率がいいために、今度は困ってしまった。ということは、標準法によってちょっと余るわけです。そうすると、これが国で今度はめんどうみないとなってきますと、全部県で負担することになってくると、これは相当問題が起きて、年齢を早くやめさせるとか、そういうことが出てくるわけなんですが、その点について養護教諭配置について、特に考慮をされて計画を出しているわけなんですから、それ以上置いたものについては拘束しないということは、五ヵ年計画をやるときに私発言して約束されているわけなんですが、その点いかがでしょう。全部標準法に拘束されてくる、こういうわけですか。
  97. 福田繁

    政府委員福田繁君) ただいま御質問のありました点、少し理解しにくい点がございますが、御承知のように、標準法によりまして改正の際に養護教諭の増員を計画したわけでございます。五年間に約五千人増員するという計画を始めたわけでございますが、同時に、一定規模以上の学校には養護、教諭をその五千人の配置によって充実するという計画になっているわけでございます。したがって、各県によりまして非常に充実の度合いが格差がございます。非常によく養護教諭をいままで置いたところと、ほとんど置いていない県とがございますが、山形県などもあるいはいま御指摘のように、よく置いた県であろうと思いますが、しかしながら、標準法で計算をいたしました定数以上にわたりました場合には、こえました場合には、当然、県費負担ということにならざるを得ないわけでございます。ただ、その際に、県費負担として県が十分財政措置をして現在いますところの養護教諭配置に十分支障のないようにするかどうかということは、これは県の責任でございますけれども、おそらくその当時、何かお話があったといたしますならば、若干そういうでこぼこの出たほうの県について、実情に即するような指導をせよというような意味ではなかったかと私は記憶するわけでございます。そういう点は三十九年度も四十年度もできる限り私どもはしたつもりでございます。したがって、いま御指摘になりました山形県なども標準法で計算しますと、やや現在の実員よりも少ない定数になるわけでございます。しかし、四十年度のこの県の予算定数としては現在の実員をカバーできる定数になる予定でございます。岩手県なども同様でございまして、現在の実員をカバーできる定数を予算定数として組む予定になっております。したがって、山形も岩手県もどちらも四十年度においては支障なかろうと、こういうように考えております。
  98. 千葉千代世

    千葉千代世君 支障なかろうではなくて、支障があるので申し上げているわけです。これは県でたくさん養成して配置したから、今度は標準ができて、限度政令でもって筋を引かれてしまう。そうすれば、それは県の責任ばかりではないのですね。局長さん、いま県の責任でとおっしゃったのですが、やはりこれは国の責任じゃないでしょうか。限度政令でいきなり引いていったということは、どうでしょうか。
  99. 福田繁

    政府委員福田繁君) これは定数法の改正によりまして、一般の教員養護教員もできる限り充実した配置をするという改善をしたわけでございます。それによって、全体としては七万六千人整理が起きるところを、改正によってこれが排除できたわけでございますが、したがいまして、国庫負担の限度としては、標準法で算定されました定数までしか国庫負担をしない、こういうたてまえになっております。しかしながら、教育のことでありますから、それぞれ各地域、地域で自発的に非常に熱心にこの標準法の定数以上に定数を置いていきたいとかいうような場合には、その上回った定数については、これは県費でもって負担をするというたてまえになっているわけでございます。したがって、国の責任とか何とかいうことではなくして、私はこれは地方と国が協力して教育を振興していくという現在の態勢から考えまして、ある程度、やはり都道府県自体がこれに対して十分な責任をもって措置をするということも非常に大事な点であろうと思います。そういう点から申しまして、具体的な問題になりますけれども、山形県あるいは岩手県のごときは、ごくわずかでありますけれども、現在の実員をそのまま置けるように、予算定数としてはその限度に組んでいるわけでございます。したがって、整理というような問題は、四十年度に関しましては、岩手県あるいは山形県では起きないというように私は考えております。
  100. 千葉千代世

    千葉千代世君 予算定員として組んでいるというのは、国が出すお金の中の算定基準の中に組んでいるというわけでございますか。
  101. 福田繁

    政府委員福田繁君) 県の予算定数として組んでおりますのは、国庫負担をされる分と、そうでなく、純県費で負担をするものと合わせた定数が予算定数として組まれているわけでございます。
  102. 千葉千代世

    千葉千代世君 ところが、県が実際に財政に困ってきますというと、いかに善意があって、養成計画においても全国に先がけて熱心にやった、配置もしたけれども、いまおっしゃられたように、今度は整理されるときになると、まっ先に上ってくるという、割合に何もしないといっては恐縮ですが、消極的であったところについては、今後やらなければならぬという面が出てくるわけですが、そこで、アンバランスの問題で私申し上げたのですけれども、そこらがやはりこれは県自体の責任もありますけれども、やはり国の行政指導の責任ということもあります。私は本来からいって、地方の教育委員会の問題に対して、文部省があれこれ干渉するということは好みませんし、また、すべきでもないわけなんですけれども、実際的に行政指導の面で全国的にアンバランスがあって、保健教育にはこれだけ問題があるのだとなれば、いまいった点でやはり特別の配慮がなさるべきで、特に事務職員と養護教諭の問題についての五ヵ年計画、それはいままでは一般の教員のワクをお互いに食い合ったりするので困るので、画然としてもらったという歴史を考えてみまして、やはりそういう一生懸命やった県については、実際に必要なわけですから、そういう点については何か御配慮をいただいて、一人でもそういう犠牲にならないという保障がございますか。
  103. 福田繁

    政府委員福田繁君) 特にこの養護教員につきましては、参議院の当委員会におきましては非常に御関心を持っておいでになりますので、私どもも前々から県の教育委員会等に対しまして十分話し合いをしながら指導を続けているわけでございます。その結果、いま申しましたように、標準法のワク内を越えるものが若干ありますけれども、それについてはできる限り現員が整理されないようにという配慮のもとに、予算定数としては、岩手県、山形県などはそういう措置を四十年度講じたわけでございます。できる限り私どもは各県の自主的な判断によりまして、そういうことをやっていただくことが望ましいわけであります。その点は従来から参議院の御意向も十分都道府県にお伝えをして善処をいたしている次第でございます。
  104. 千葉千代世

    千葉千代世君 限度政令そのものについては、これは当然かえていかなければならぬということは、私個人の考えとして考えております。けれども、来年の場合、ことしはかりに局長のおっしゃったように万全の処置をとられると私解釈して、そうすると、来年またこの問題が出てくるわけです、養成所から人が出てくるのですから。ですから、その処置もひとつあわせて考えていただきたいと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  105. 福田繁

    政府委員福田繁君) ここ二、三年の間は毎年少しづつ、県によりましては標準法の定数をオーバーする県があろうかと思います。しかしながら、それもそれほど大きな数ではございませんし、実際上の問題としては、各県でも、いま申しました山形、岩手の例のように、具体的な予算措置を講ずる県もあろうと思いますけれども、そうでなくても具体的に、現在いる養護教員自体のいわゆる首切りの問題ということには私は直接つながらないと思います。なぜかと申しますと、自然退職される方も毎年若干ございますし、それからまた養護教員として働いておりましても、他の資格を持っておる養護教員もかなりおりますから、したがって、定数上はオーバーいたしましても、そういう具体的な人事に当たりましては、できる限り適当なポストに配置するというようなことも各県では考えられるわけです。したがって、そう大きな数でない限りは、私は心配は要らないように考えております。少なくとも五ヵ年計画が完成した暁におきましては、今後は次の計画を立てなければならない時期に際会するわけでございますから、そういう点も私ども十分考えて今後計画を進めていきたいと思っております。
  106. 千葉千代世

    千葉千代世君 それに関連しますが、各県で限度政令のために非常に困っておるわけです。実害をなくしていくための苦慮をしてどういう結果が出ているか、いろいろありますが、一つの例で、これは東京の例で申し上げますと、文部省では養護教員の増員の問題、事務職員の増員の問題については、五ヵ年計画の約束もしたし、東京都でもそれを受けて、ふやしていきたいという予算折衝をされたわけです。中学に養護教員を百名ふやすということ、百名一ぺんにふやすということはたいへんな英断なんです。これはいいあんばいだとたいへん喜んでおった。ところが、一般の教諭が余ってきますから、それを今度は養護担当教員——養担ということばを使っておりますが、養護担当教員という名目で一般の先生がそれになるわけです。まだ余るからというと、就職担当教諭というのですか、それに行ってしまう。そうすると、養護教員の定数は百名ふやしたけれども、養護担当教員という名前でいきますから、この養護教員の皮はかぶっているけれども中身は全然違うわけです。そういうことも出てきたわけで、これにはいろいろ東京都の事情とか、交渉の過程とかありますから、一がいにいまここでそのことを述べるあれもございませんけれども、とにかく首を切りたくない、切らせたくない、そういう中で苦慮した中のしわ寄せが、やっぱり養護教員にきておるという実例があるわけです。そういう観点から考えますと、やはり養護教員の使命というもの、養護教員の職責というもの、こういうものが相当ぼやかされてしまうのじゃないかと、このように考えておりますので、養成計画については、今後増設していくという大臣の御答弁もございましたので、その点に向かっていただきたい。内容的な改善についてはさっき申し上げたのです。  大臣は最後に百三条削除に対して一校一名必置、どんな学校でも一名必置していって、そうして多いところに生徒数に応じて人数をふやしていく、具体的に、たとえば五百名以下全部一名必置して、五百名以上については二名とか、六百名以上については二名とか、何か人数を切ってふやしていきませんと、二千名いる学校でもそうだし、それから五百名の場合も一人だ、こういうことになっていくと、いろいろ問題があって、私はきょう質問したいと思いました学校医の問題、安全会の問題、これに非常に関連を持ってくるわけですが、そういう観点から、百三条削除ということについて大臣のひとつ決意を伺って私終わりたいと思うのですが。
  107. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) だんだんといろいろ示唆の多いお話を承って、私もいろいろ勉強になったわけであります。学校教育法の百三条、これの削除、撤廃ということは、実質的には必置ということを意味するわけでございます。これは事情の許す限り、御趣旨に沿うようにすべきが私どもの役割りであると、かように考えておりますので、いろいろ具体的な措置を進めてまいりまして、なるべく早くその目標が完成できるようにしたい、私どもの気持ちとしてはさように考えております。
  108. 千葉千代世

    千葉千代世君 質問を終わります。
  109. 山下春江

    委員長山下春江君) 他に御発言がなければ、本案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。     —————————————
  110. 山下春江

    委員長山下春江君) この際、国立学校設置法等の一部を改正する法律案を再び議題といたします。  先ほど提案理由説明を聴取いたしましたので、これより質疑に移ります。質疑のある方は順次御発言を願います。  なお、政府より愛知文部大臣押谷文部政務次官西田官房長及び杉江大学学術局長が出席されております。
  111. 小林武

    ○小林武君 文部大臣にお尋ねいたしますが、この国立学校設置法の一部を改正する法律案の中の宮城教育大学に関連して質問をいたします。  教員養成については、文部大臣の御承知のように、教員の質を高めるというようなことと量を獲得するというようなことも、私はいまのような教育のいろいろの状況からは当然考えられなければならないことと思うのであります。そこで、お尋ねいたしたいのは、文部大臣として教員養成の問題、大学の中における大学卒業生から教員を取る、その教員を取る段において、きわめて優秀な学生の諸君が教員を希望していると現在お考えになっているかどうか、その点についてひとつお答えを願います。
  112. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 率直に申しまして、なかなかその点はむずかしい問題であると思いますので、教員養成課程というものを目的をはっきりし、また、充実するようにしていくことが望ましいのではなかろうかと、かように考えておりますが、なおまた経済的のいろいろな問題などにつきましても、たとえば育英奨学金の返済の免除でありますとか、あるいは授業料の関係でありますとか、そういう面についても、あわせていろいろの措置が必要じゃなかろうか、かように考えておるわけであります。
  113. 小林武

    ○小林武君 質問のしかたが悪かったのか、どうも私の聞いておることのお答えにはならないと思うのですが、私はこのことはたびたびどこかでも話したことがあるのです。だいぶその当時からみれば年数がたっておりますけれども、教員の国際的な会議がありましたときに、教員の間で、どうも教員というのは一流の人間のやる仕事ではないということを、多分に自嘲の意味を含めたような、こういう発言がある。しかし、そういうものについて、よその国では、どこの国でもこのごろは優秀な人材を集めるということに力を注いでいるということをある学者から聞いたわけです。私もその当時、そういうようなことを聞いて非常にショックを受けたのですが、実際をみれば一体どうなのか、大学の卒業生の中でも最も優秀な者が一体教員になってくれるかどうか。あるいは教員養成を主たる目的にしたところの学部とか大学において、いわゆる学生の中の優秀な者がどんどんそこに希望してくれるかどうかというようなことを考えますというと、必ずしも日本の場合は楽観し得るような状況にはないように私は考えるのです。そういう点について大臣はどういうふうにお考えになっているかということを聞きたい。
  114. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは実に大切な問題でもあり、また、それだけに多くの角度から検討しなければならぬ問題であると思いますけれども、日本の最近の場合においては、異常なと言いますか、世界にも類例のないような、いわゆる高度経済成長が進んだというようなことから、たとえば人手不足ということが特に顕著に現われてきたというようなところで、一般の経済界その他で相当の待遇で若い人たち、特に大学の卒業生などについてはいろいろ目先には好ましい条件が出ているというようなことで、私は本質的には悲観をしないのでございますけれども、やはり教育というものの非常に大切な仕事に対して、優秀な資質のある若い人たちも、必ず相当の数の人たちは教職というようなりっぱな仕事に一生をかけていきたいという人たちがたくさんあることを私は信じたいわけでありますが、そういう人たちの向学心を、初めから教職員になるということで教職課程ということに十分な勉強ができるような環境をつくってあげることが私は必要ではなかろうか、こういうように考えているわけであります。根本的にどうしたらいいかというようなことについては、まだまだ将来長い問題であろうかと思いますし、恒久的な対策ということもいろいろの角度から考えていかなければならぬと思いますけれども、さしあたり、できることから着実に実行していきたいものである。非常に抽象的になりましたけれども、気持ちとしてはそういう気持ちを持っているわけであります。一つは社会環境の問題もあろうと思いますが、これは漸次落ちつきを取り戻してくる、そうして優秀な資質のある若い人たちが、やはりこれは相当に教職につくということに希望を持っている人がある、それをその希望をかなえていくように、いろいろの面で助成をしていきたいものである、かように考えております。
  115. 小林武

    ○小林武君 大臣考え方の中には、まあだんだん環境をつくってやれば、ある程度そういうよい教師が集まるのではないかというような希望的な意見を述べられておるようでありますが、やっぱりいまの日本の教育の実情を考え、また、この科学技術の進歩その他学術の進歩というようなことを考えますというと、大方の人が考えていることは、日本の教育の場合に、教師の養成ということについては相当深い考慮を払わなければならぬ。特に後期中等教育のものについては、特段というわけでもありませんけれども、そのことだけをやればけっこうだということではないが、これについては相当の対策を講じなければならないというふうな人たちもいるわけです。私は、日本はそういう現状をはっきり見きわめたほうがよろしい。大体、希望的な観測でやるというようなことはどうかと私は思うのですが、できるだけ教師になる人たちに優秀な人たちを集めるということは大事でありますし、いい環境の中で教育をするということもきわめて大事なことだと思いますが、そう考えますと、私たちどうも今度のこの法律案に出ておりますところの宮城県の教育大学を設立した、東北大学から分離した、このことが一体よい環境のもとでよい教師をつくるというようなことの趣旨と合致しているのかどうか、私はきわめて疑問を持たざるを得ないのであります。東北大学教員養成するという問題について、新たに教育大学をつくってもらいたいというような要請の中にも、何か環境の面についてはいまの現状のほうがいいというようなことを書いておる。環境がいいのにどうして一体その環境のいい東北大学教員養成を、わざわざ宮城大学というものをつくってやらなければならないのかということも非常に疑問を感ずるわけでありますが、この点についてひとつ御意見を承りたいと思います。
  116. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) これは御承知のとおり、学制改革が行なわれたときにさかのぼるわけでありますけれども、旧帝国大学が新制大学になったときに、東京はじめ各旧帝大の場合においては学芸大学というものが原則的に設置されて、そうしてこれが相当の成績をあげている。ただ一つだけこの例外として、東北大学の場合は教員養成の課税と教育科学の勉強を専門とする学科と一緒になった。それから相当長い経過をたどってきましたけれども、いろいろな面から、やはりこれは少なくとも他の場合と同じように、ほかの場合では学芸大学という名前が使われますが、そうやったほうが教員養成の課税の充実ということからいえば望ましい。これはまた宮城県内の教職員の充足の問題というような当面の問題ももちろんでございますけれども、それらとあわせて、やはり教員養成課程というものは別個に組織をしたほうがよろしいと、これが多年にわたる要望でもありましたし、それに対しましては従来から文部省もそういう考え方にだんだんなってまいりまして、昨年度においても教育大学といいますか、学芸大学設置のための調査を始めようということで調査費もできておったわけでありますが、そうして調査をし、かたがた地元のいろいろの意見あるいは東北大学の意見というものの取りまとめをまって、この際新しく設置をすることが望ましいということに踏み切ったわけであります。  それからその次にお尋ねがあった環境の問題でありますけれども、環境と私申しましたのは、いろいろの意味があるわけでありますけれども、自然的な条件というようなことから申しましても、実は東北大学全体のキャンバスの拡充、移転の問題が進んでおりますこと、これも御承知のとおりでございます。それと関連して考えますと、教育大学として適切な土地も確保の見込みがついたというようなことで、いろいろの意味で環境ということは考えられますけれども、自然的な意味の環境をも含めて私はよいものができるという確信を持っておるわけであります。
  117. 小林武

    ○小林武君 大体いまの文部大臣の御答弁は、学芸大学設置促進に関する要望というものの中にあらわれている考え方だと思いますけれども、総合大学教育学部教員養成をするということは適当でないという考え方、そういう考え方をお持ちですか。それがあなたのおっしゃる、文部省はだんだん教員養成目的大学方向をたどるようになってきたということになるわけでありますが、この点はどうなんですか。
  118. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) その要請書にどう書いてありますか、それと必ずしも一致するかどうか私わかりませんけれども、私の考え方はいま申しましたような考え方であって、従来、他に数個の実例があるわけであります。せめて他の土地と同様なふうになったほうがよろしいということを私は間違いなく言えるのではないかと思うのであります。ですから、そのことは総合大学として、ことに教育学部の中に、まあいわば教育科学の研究と申しますか、そういうところは面が違うのではないだろうか。それから事実東北大学という名前のもとに志願をしてくる入学の希望者等からいたしましても、必ずしも教員養成課程ということを希望してくる人ではないというような、実際的なこともあろうかと思います。これもやはり先ほどから申しておりますように、教員養成課程ということを十分にわきまえ、認識され、そこに意欲を持って入ってこられるような人たちに教員養成課程を充実して勉強してもらいたい。こう考えたわけであります。
  119. 小林武

    ○小林武君 そうするとあれですか、教育科学という学問研究と、実務者である教員養成との両立は困難である。こう断定するわけですか。
  120. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 断定すると言われて、そうでございますとも申し上げるほどこれは簡単な問題ではないと思います。しかし、教員養成のコースといいますか、そういうことが明確であるほうがベターである、そしてまた実際の運営上といいますか、いままでの実績からみまして、そうしてきたほうが相当の実績を上げているし、また、多くの人たちがそれを希望している。こういう環境にあるということは、私は間違いなく言えるのではないかと思います。
  121. 小林武

    ○小林武君 どうも大臣のおっしゃることは抽象的でわからないのですがね。あなたのおっしゃることはこうだと思うのです。簡単に言ったら、学芸大学を出た者はたいへんけっこうだけれども、これは地元の要望にも沿う、こういう話だと思う。実務者として学校でやればたいへん間に合うという、こういう考え方だと思うのです。そういう実例があるということをおっしゃるところをみると、それは何々学芸大学というところで養成された者が、いま言ったように役立つ教員だという御見解だと思う。私はその内容を明らかにしてもらいたいのです。どういう点が一番宮城県の東北大学において養成された教師がぐあいが悪くて、どういう点が学芸大学養成された者が便利なのか。これは単なる地元の一、二の人間が言ったとか何とかという問題ではなくて、文部省でその方向をたどるというからには、はっきりしたやはり根拠がなければならない。その根拠を私は承りたいわけです。具体的にひとつ言ってもらいたい。
  122. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) 役立つとか役立たないとか、そういうことよりも、教育学部の従来の卒業生においてもこれはひとつ具体的な実情をお聞き取り願いたいと思いますけれども、教職員になる人が非常に少ない、それからまた地域的に見ましても、宮城県内で東北大学教育学部卒業者で教職員になってもらえる人が現実の問題として少ない、これは他地方に比べまして数字の上からはっきりしているわけでございます。で、教職員の充実ということは、先ほど来も、きょうも話が出ておりますけれども、これは量質、両方ともによくしたいというのが私どもの念願でなければならないんじゃないか、かように考えているわけでございます。そういう点から申しまして、こういう要望が出、また、われわれのような考え方になるというのは私は自然の趨勢ではなかろうか、こういうように思います。
  123. 小林武

    ○小林武君 いまの答弁の中ではっきりしたいことは、東北大学教育学部教員養成課程を出た者がどうも教員になる者が少ない、特に県内にとどまる者が少ないということをおっしゃる、そのことについてはあとでまた私のほうでも表を持っておりますからひとつお尋ねいたしますが、そのほかの点は抽象的なんです。あなたのおっしゃることは、どこが一体学芸大学東北大学と比較して教員養成として適格でないのか、あなたは用心深くおっしゃっているけれども、たとえば設置促進に関する要望を見ますというと、東北大学学生というのは教育現場へ行ってたいへんぐあいが悪いといとふうなものの言い方をしている。これは私はこういう団体が書いたんですから、その人の考え方というのはいろいろ感じ方もあるでしょうから、かれこれ批判しても仕方がありませんから言いませんが、しかし、文部省は一体どう考えているのか、文部省全国四十六都道府県の教員養成の問題を取り上げてみて、この学芸大学というところは単一のその短期大学を持っているところ、あるいは複合した幾つかの学部を持って形成している大学養成された者、あるいはたった一つの例でございますけれども、総合大学の中において東北大学のように教員養成しておったところ、こういう幾つかの型の中で宮城県の養成のしかた、総合大学養成したということが、特にぐあいの悪いところがあったんですか、これははっきり申してもらいたいと思う。教員になるかならぬかというのは、私は問題点からすれば第二義的な考えだ、やっぱりいい教員が出るか出ないかということが教員養成の問題では重大な問題になるわけですから、この点に問題があるということになると、私はこれから教員養成するやり方について、四十六都道府県の中に非常に大きな大変革を及ぼしてこなければならないということになるわけですから、ひとつ文部省の御調査なり何なりを明らかにして、この内容をもっと明確に御指摘をいただきたい。それが私は責任だと思うのです。
  124. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) その要望ということについていろいろ御意見がおありのようでございますが、これはまあいろいろな面で要望が出ておりますから、一つの団体その他というわけではなくて、たとえば県議会などでも、数年来の与野党一致の決議と私は伺っているわけです。それから四十六都道府県というお話がございましたけれども、これを今回新設するということは、四十六都道府県の教員養成大学をどうするかということとは私はかかわりないつもりでございます。なお、先ほど申しましたように、文部省としても、もう三十九年度に開設の準備ということで調査もしておるようなわけでありますから、これらの点については、事務当局からも説明をお聞き取り願いたいと思います。
  125. 山下春江

    委員長山下春江君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  126. 山下春江

    委員長山下春江君) 速記を始めてください。
  127. 小林武

    ○小林武君 どうしても私の聞いていることに答えないわけでありますが、答えてもらいたいのは、私は別にこの要望にこだわって申し上げているわけではないのです。文部大臣のこの大体考え方というのは、これにやや似ているものですから一例を取って申し上げた。まあ幾つかのタイプの教員養成のしかたというものはある。この幾つかのタイプの養成のしかたで、宮城の総合大学の中で教員養成するということがぐあいが悪いというのはどうなんだと、それはまあ市井で議論されることはいい、あるいは一般の人たちが議論するということはまだいいが、文部省ではどういういわゆる批判をしているのか、どういう一体評価をしているのか、それを聞きたい。具体的に述べていただきたい。こういうのです。政務次官、やってください。
  128. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 所管局長からお答えをいたします。
  129. 杉江清

    政府委員杉江清君) 総合大学の中で教員養成をすることが適当でない、そこではやれないという本質的な理由は私はないと思います。ただ、現実に旧帝大のようなところで、その教員養成課程を置くということは実際問題としてなじまない、こういう実態があると思います。というのは、小学校課程であれば、これはたくさんな教科を全部履修させる。そのことが教員養成としては必要なわけです。しかし、そういう履修のしかたをすれば、個々の各科目について深く学習するということにはおのずから制約があるわけでございます。また、全体を通じて教育ということに対する関心と研究は大いに必要なことでありますけれども、それも学生の履修という点から考えると、おのずから時間的制約がある。で、そういうことから深く学術のうんのうをきわめるということには、必ずしもまいらないわけでございます。これは程度の差にはなりましょうけれども、実際問題として学生の学習の態度、方法からいえば、その差が出てまいる。ことにいわめる旧帝大というようなところでは、そういった学問的雰囲気というものは高く評価されるし、非常に深く学習しようとする学生の態度、また教官の態度があるわけでございます。で、そうしたところへまあ小学校課程というところを持っていったときには、おのずからいろいろな面でなじまないものが出てくるということは、私は実際問題としてあり得ることだと、十分想像できるし、また、そうした点からいろいろ中で融和しない面が出てくるわけです。  それからもう一つ、これはほかにもありますけれども、この東北の場合などにおいて、いわゆる教員養成課程でありながらその中の主要教科を他学部に依存している。そういうふうな教育がなされておる。しかし、この教員養成として必要なその勉強のしかたと、それからまた教育のしかたと、他学部におけるその学習のしかた、教育のしかたとはおのずから違ってまいる、これはまあ歴史の学習にしましても、ある程度教員養成という観点においては全体を把握するということが必要になってまいるわけですけれども、まあ他学部においては必ずしもそういうことは必要でないというような面がある。これも相対的なものでございますけれども、程度の相違はあるわけでございます。こういうことが教育内容の面から言われます。  また、そういうことと関連して、まあ教官の問題もあるわけでございます。たとえば、芸能教科あたりの教官というものの処遇というようなことになってまいりますと、かなり実際的な問題が起こった例もあるわけでございます。そういうふうなことで、理論的に私は絶対いわゆる総合大学の中でやるということが不適当だという根拠は何もない。しかし、実際問題としていろいろな面からなかなかなじまない。どっちにしたほうがよく育つか、またよくその養成課程教員養成という面でどういうふうにしたら実際問題としてふさわしいやり方ができるかという観点から私は考えたときに、まあ東北大学のほうはこれを別にしたほうがいい、こういうことが言えると思います。しかし、いわゆる旧帝大においては、これを別にするというのが他の一般の例でもあります。で、東北大学の場合はその例にならったということでございますけれども、しかし、いわゆる旧帝大でないほかの大学、数学部を持っておるような大学において、現在これを学部として存在している、そうしてかなりいい成績をあげている大学も相当あります。で、そういうものまで私どもはこれを別の大学にしようという考えはありません。だから、教員養成課程学部または単独の大学で行なうと、こういう方針をとっているわけでございます。これがいままで中教審でも考えられた方針であり、また、教育職員養成審議会等でも考えられた方針であり、私どもの現在とっている方針は、一律にすべての大学学部からこれを分離独立させるというようなことを考えておりません。ただ、東北大学のようなところでこれをそのままにしておいても、先ほども申し上げましたように、いろいろな観点からなかなか育たない。で、いろいろな弊害が現実にあらわれておる、それを中において矯正することは実際問題として至難なことだ、こういう判断に立って今回の措置をしたわけでございます。
  130. 小林武

    ○小林武君 どうもあなたのおっしゃることも、本質的理由はないといったら、理由がないということと同じですよ。本質的理由がなくてなじまないのだと、こういういいかげんな話だと私は言いたくなるのですね。なじまないと、あんまり俗っぽ過ぎる。そうでしょう。本質的にぐあいの悪いものがあれば、これはぼくはやっぱり十分究明して改めるものは改めなきゃならぬと思う。本質的にはないんだけれども、なじまないんだと、こういう言い方をするからあなたも答弁に非常に苦労しているが、納得をさせることができない。結局まあ文部省や何かと、私どもがこういうことの議論をするというのは、何もいやがらせを言ったり、お互いがあげ足をとったりすることでない。結局、日本のいまの教員というものにりっぱな人材を持ってこようとする、そして教員になろうとする人たち、そういう人たちにうんといい教育を与えてやろうという、そういうことを念願している。それがまた日本の将来にも大きな影響を与えるし、青少年のためにもけっこうだということから議論するわけですが、そうなると、あまり、まあ率直に言って筋の通らぬような話はしないほうがよろしいんですよ、ここでは。だから私は申し上げる、くどいようだけれども。本質的な理由がないとあなたおっしゃるんだけれども、これは正直だ。そうおっしゃらなければならぬだろうと思う。そこで、何とかそういうふうに理屈をつけなければならぬものだから、今度はなじまないと、こう言うでしょう。旧帝大にはなじまないとは何と情けない言い方だと私は思う。教員養成するのは旧帝大のような学識の高い、そこの総長さんはほかの総長より月給をよけいもらっておる特別待遇の人の、いわゆる総合大学だから、教員ふぜいとは言わなかったけれども、教員ふぜいを養成するのにはなじまないと、こういうふうに悪くとられてもしかたがないのではないかと、こう思うんです。私はそう言いたくなるんですよ。私は逆のことを考えている、ほんとうのことを言うと。私は東北大学というもので教員養成することを非常にいいと思った。なぜならば、あそこは東北大学教育学部だということで、ひとり宮城県の人だけではなくて、北海道の人間も山形の人間も、あるいは遠く関東の方面からも、あの学部にはやっぱり入りたいといって入るものが出てきている。私はそれだけまあ、いわゆる広く人材を集めるということで役割りを果たしていると思う。そして、そこを卒業すると、これは宮城県にも若干欠陥があるということはわかりますけれども、宮城県ばかりでなくて、やっぱり東北大学教育学部を出た人をほしいという声は非常にこれは強いんですよ。需要者が多い。だから宮城県にとどまらないという現状も若干出てきた。傾向としてそういうこともぼくは数字の上から認めます、ある程度は。そういうふうに、ほしいという人があらわれるというのはどういうことか。校長さんにしてみれば、同じ教員養成学校を出たものを雇うならば東北大学を出たものをほしいと、こういうことは、そこで養成されたものが最も適当な、いい教員だからほしがるんでしょう。だから各県にほしいというものがあらわれた。なじまないんじゃなくてなじんだ。どうしてそういう変な理屈をつけるのか私にはわからないんですがね。たとえば、あなたは他の学部にいって各教科の勉強をやることが適当でないと言う。これは私はおかしいと思うんですよ。そういうものの言い方をしたら、たとえば理科の教師、理工系の教師というようなものを一体どういう人をほしがっているか。たとえばここの教育大学養成したものに理科系、そういうものの系統のところにはどういう学校から申し込みがあるかと言ったら、これは教員養成のほうじゃないですよ。これは一流学校、名門といわれる学校から殺到しているが、だれもなりたがらない。何でもあそこの教授に聞いたら、一人もいないと言った。これはこの間聞いたばかりのほやほやだから、大体私は最近そうだと思う。だれもいかないという、ところがほしがる人間はもうたくさんいる。北海道の端のほうからきても、ちょっとそれは手に入らない。しかるべき学校からきて、どうだぼくのところにこないかというのは相当ある。引く手あまただけれどもだれもならぬと、こう言っておった。もし適当でないならば、大体教員養成目的としないところにどうして頼みにくる。私はそういうあれは一体どこから出てくるのかわからぬ、あなたのような議論というのは。みんなむしろりっぱな施設を持った旧帝大のような学識というよりかも、旧帝大というものの持っている、総合大学としての完備した、いわゆる研究の上においても、教育の面でも、いい条件のあるところで養成された者がほしいんだと、こういうことですよ。私は東京の学芸大学をつくるよりかも、もっと東京の学芸大学でなくて、あるいは教育大学とか、あるいは東大とかの中に、自由にいろいろこれを利用できるところの教育学部があったら、そこで教員養成を主目的にやったら一そうよかったのではないかと思うくらい、ある意味では日本の教員養成の形では、東北大学というのは一番恵まれた条件の中にある。これをどの場合にも残しておかなければならぬと私は思っておった。ところが、旧帝大ではなじまない、ほかの複合の大学ぐらいならばけっこうですと、こういうことの理屈が成り立ちますか。どうですか。大学学術局長に風当たりむやみに強くするわけじゃないけれども、あなたこれを一体どうですか、冷静にしかも考えてみてそういうことが成り立ちますか。どうです。どこに不便があるんです。
  131. 杉江清

    政府委員杉江清君) 私どもは現実的な解決をはかる必要があると、こう考えておるわけなんですが、そういう観点から、東北大学の中に置いたんでは必ずしも所期された教員養成という観点からの効果を十分に期待できないと、こう考えたわけでございます。
  132. 笹森順造

    ○笹森順造君 小林さん、あなたの質問の間に、私も重大なことだからちょっと関連質問をさしていただきたいんですが。
  133. 小林武

    ○小林武君 いいですよ、いまどうぞ。
  134. 笹森順造

    ○笹森順造君 そう申し上げてははなはだ失礼ですけれども、私も三十年以上教育に携わっておって、いまの小林委員の発言は私の多年考えていることと非常に合うものがあるようで、これは根本の、将来の日本の教育のために文部省に聞いておきたい。長くは申しません、関連質問ですから。それは、昔は教員養成の師範学校あるいは高等師範学校、そういうものがあった。ところが、それだけでは日本の教育のために人材を供給することができなくて、各大学に、総合大学に、これは国立大学もあるし、私立の大学もある。これは人文科学でも社会科学でも、あるいはまた自然科学でも、それぞれの学問をやっている者の特に教員たらんとする者のために教職課程を置いて養成をしてやってきた。私は校長として両方の方面からいろいろな人を入れてみたが、やはり小林委員の指摘されるように、そういうりっぱな総合大学で教職課税をとってきた人が非常な優秀な感化を与えていた。これは昔の師範教育を私は非難するわけではありませんけれども、そういう広い視野において高い教育をした者の中から得た先生というものがりっぱな感化を与えていた、こういうことを私は身をもって体験している。ですから、なるべくりっぱな大学の中に、そういう雰囲気の中にあって教職課程をとって教員たるに足る者が出ることが、私は日本の将来のためになると自分でも思っている。ところが、いまは少し反対したような、反対というわけではないけれども、具体的な問題をもって御都合上おやりなさるということは、いまの政府のやり方かもしれぬけれども、根本のそういうことを考えてみると、やはりこれは考えるべき問題ではないかと実は思う。そこで、師範教育のようなそういう専門の教育を受けた人、それは実に遅刻もしないし、点数のとりようもよいし、まことにりっぱだ。ところが、人間として養っていく上において非常に窮屈なものができる。はなはだ失礼ですけれども、師範教育を受けた人はそういうものなんです。ところが、そうでない者からは非常なりっぱなものをつくり上げていた。そういうことを私は体験するがゆえに、あまりいまのようなことがはやって、りっぱな大学からみんな分離して、師範教育みたいなものばかりつくるということは、これは私としては賛成ができない、実際のことから。ですから、いま特別な事情があって東北大学がそうするというのですから、それはこの場合にこうですからといって率直に言えばいいので、それを全体を動かすようなことの発言は私は納得はできないので、願わくば、こういうようないい大学でこれを温存するようなことをもう少し考えてもらったほうがいいんじゃないかということで、関連質問ですから、それ以上は申しませんけれども、体験を通して、もう一度深く考うべきじゃないかということを実は申し上げて、その点の御所見を一応この場所で承らしていただきたいと思います。
  135. 杉江清

    政府委員杉江清君) 教員養成を閉鎖的なものにして、他からの入る道をふさぐという考え方は現在考えておりません。ただ、小学校課程においては、これは広い教科にわたって学習するという実際的な必要がある。多くの場合、音楽もやり体操もやるということが要求される。そういうふうな教育というものは、これは一般の大学ではなかなかしにくいことでございます。そこで、ことに小学校課程においては、これは国が責任を持ってそういった小学校先生になるにふさわしい教育をする課程を用意するということが必要だと、かつては師範学校でやったわけですが、いま大学という形の中でこれを行なうということになっているわけでございます。で、そこにおいてもなお閉鎖主義はとっていない。それから中高においては、これはもちろんそういった特別の課程を履修しなくとも、免許状を取ればこれは教員になれるわけでございます。ただ、小学校中学校も相当部分は国が責任を持って、それに向いた教育をするということがやはり必要だと、こういう意味で現在教員養成の制度が考えられておるわけでございます。東北大学においては、これはなぜ分離するかという問題になれば、先ほど大臣がおっしゃられたように、実際この課程卒業者教員にならない率も多いし、他県から志願して他県へ出る者が多いし、県内は東北大学教員養成課程卒業者の就職する率が非常に低く、したがって、またいわゆる助教員の率が非常に多い、こういうふうな実際問題の解決をどうするかという観点から、この分離独立の措置が講ぜられたわけで、いま、たまたま一般的に総合大学で教育を行なうことがどうかというふうな御質問があって、一般論にわたりましたけれども、宮城教育大学設置については、そういった具体的に困っている事態を解決するということをねらってこのような措置をとったわけでございます。
  136. 小林武

    ○小林武君 どうもあなたの答弁は逃げる答弁だけれども、中学校や今度高等学校がぐあいが悪くなると、小学校がぐあいが悪いというようなことを言いますが、それはいかぬですよ。そういう逃げ口上を言っちゃいかぬ。小学校だからどうこうというあれはないでしょう。特にあなたも教育については専門家の一人なんですから考えていらっしゃると思いますけれども、小学校といえども、やっぱりだんだん専科的な制度というものを加味していかないというと、これはいまのような学問学術の進歩というようなものが、直接初等の教育に入り込んできたというような現状からいえば、これはやはりたいへんだと思う。その方向にいかないわけにはいかない。これは論争の種にもなるが、幼児教育の問題でもそうです。幼児教育の中で数を取り上げるかどうかという問題、ずいぶん論争があって、何歳から一体数というものについてやったらいいか、従来ならばよけいなことをやるな、大体もう集まってきた人間を社会生活になれさせるような、子供としての集団としての団体生活ができるような態度を養えばけっこうだというような考えであった幼稚園教育に対して、これは新たな注文が出てきている。そうすると、幼稚園の教師も、単に歌を歌って踊りを踊って、そうして子供を楽しませるだけではなかなか容易じゃないということが問題提起として出ておる。そうなりますと、私は幼児教育から始まって、小学校の教育の中にも相当われわれが教員をやった時代とはだいぶ違ったレベルのものを要求される。やらないのは裁縫だけだ。ぼくも師範出身であまり役に立たぬほうですけれども、やったものの中でできなかったものは裁縫だけだ、ほかのものはみなやってきた。そういうことで間に合った時代もあったが、しかし、いまやれと言ったって、はずかしくてできるものではない。音楽をやったら生徒のほうがずっとうまかったというのでは、片方はたどたどしくピアノにかじりついてやっているのに、生徒のほうが高度のものをやったというのでは問題にならない。先生は生徒のブレーキ役だなんと言われては教育にならない。そうなりますと、それは質が悪いので、もっと別なやつはいいというなら、これは話は違いますけれども、だんだんそういうふうに教育の程度というものは高まってきておるということになりますと、あなたは小学校の教育は何でもできなければいかぬというようなことからおっしゃったろうと思うのですけれども、それは大学でやる場合というようなものの言い方はだめだと思うのです。やはり教師そのものはどの面においてもすぐれたものを持っている。それをどう子供に与えるかという問題は技術の問題として出てきますけれども、この技術の問題の克服は案外簡単なんです。私の経験からもそれは言えるわけです。だから理屈にならぬのです。大臣答弁ですでに明らかになったようにとおっしゃるけれども、大臣答弁ではちっとも明らかになっていない。明らかになったのは何かといえば、宮城県にどうも残る者が少ない、そういう数的なことは多少わかった。しかし、これはあとから議論するとして、その前に、いい教員を養うのか養わぬのかということが問題なんです。いま教員養成の問題で一番問題になるのは質と量との問題だ、これは車の両輪のようなものだと私は思う。しかし、ほんとうは質というものはもっと重視されてもいいような気がする。その質の高いいい教員養成するのはどうか、一番いい環境は何なのかといったら、笹森先生がいま多年の経験から、私と立場は違うけれども、そういう見解を述べられた。私はやっぱりそういう点について、あなたたちのほうで率直に意見を出すべきだと思うのですよ。しゃにむに通したいから、いいかげんなことを言って通すと、これがまともだなんて考えられて、教員養成自体に大問題が起きることを心配している。それを私は心配しているのです。それと同時に、どうしてこういう一体重大なことを、文部省としてはっきり中教審の答申なら答申があって、それに対して討論をし検討をして、教員養成はかくあるべしというような、少なくとも全体的な結論が出たときにやるというならまだ話がわかるけれども、まだそういうあれもきまったわけではないでしょう。それにいきなりこういう、やるとすれば一番条件のいいようなところのものにこういう手を打つということになると、将来、日本の教員養成制度というものはどうなるんだろうという心配を抱くのは当然だと思う。文教委員会あたりでそういうことの討論をしないとしたらおかしいということになるわけでしょう。だから、あなたがいままでおっしゃったことは、一つも私の質問に答えておらないことになるのです。所期の問題とか、現実とか何とかいうことを言うけれども、所期とか現実ということは何のことかさっぱりわからない。むしろ非常に幼稚ではあるけれども、学芸大学設置促進に関する要望というのは、そういうことについては腹の中をみんな見せておる。大体ここの大学を出た者が教育現場にくると気がまえが乏しいとか、意欲的でないとか、科目別教育はできても教職に関する教育に欠けているとか、適格な教員を望み得ないとかいうとんでもない誹謗を下している。これだけのことを書くのには、それだけの裏づけがなければならない。これを全部うのみにして文部大臣がやられたとも私は思わぬけれども、それだけのことをはっきり言われておるからには、あなたたちのほうでは、やはりこれと見解は別であっても、東北大学からどうして一体教員養成を切り離したかということを明らかにここで答弁しなきゃいかぬと思うのです。政務次官、どうです。
  137. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 小林委員のおことばにありましたように、教員を確保するためには、その量と質と両面において考慮をせなければならぬというおことばがありましたが、まことに質と量と両面においての考慮を払っているのが現状でありまして、東北大学といった総合大学の中において教育学部を置き、そこを卒業せられた先生方が非常に優秀であることはもちろんこれは認めているのでありまして、そういう先生を教育界に求めることもまことに好ましいことであることは、これは全く同感であります。しかし同時に、単科大学として教育大学を出た場合に、旧師範のごとく、そういう大学において学ばれた先生が、これが質が悪いと断ずることもできないのは、これは先生もお認めいただけると思っておるんでありまして、何びとも教育大学の単科大学を出た教員が質が低下をしているとか、悪いとかということは言えない。そこで、どちらがその数において、量において確保することができるかということも、文部省としては当然考えなければならぬことでありまして、地元の要望等を考えますと、東北大学教育学部を出た人たちが宮城県内に居つかないという現実、しかも、そこには先生が非常に足りないという現実、また東北大学の内部におきましても、これを分離することに賛成をしているという、こういう現実を考えまして、この際、教職員を確保するというところを考慮に入れまして、そしてここに宮城教育大学をつくることに踏み切ったのでありますが、こうして宮城教育大学で教職員の養成課程を終えられた人たちが、教職員としてりっぱな素質を身につけ、りっぱな教育家となると私どもは確信をいたしておりまするので、その点においては総合大学教育学部を出た人と、宮城教育大学をこれから出る人との間において、さように大きな差を持っているとは私は考えておりません。
  138. 小林武

    ○小林武君 初めのほうはだいぶよかったんですが、だんだんおかしくなってきたんですが、まあ私が言うのは、決して学芸大学を出た者がどうこうという批判をするんじゃないのです。しかし、学芸大学を出た場合よりかも、東北大学において教育を受けた者は非常に恵まれているということなんです。恵まれればいいことになるわけです。これはたとえば北海道大学を見ても、九州の大学を見ても、私は四十六都道府県のほとんどの教員養成に関する学校は見たと言ってもよろしいと思います。中にはこれが大学かと思われるようなところもある、旧師範学校のそのままの建物を使ったり、まことに情けないと思うような大学がたくさんあるわけです。そういうことを考えますと、東北大学なんというのは私は恵まれている、だから、私はこの点ではやはり一番いい教員養成のしかただと思う。それをなぜやめるかということを言っているんです。だから、その点のあなたの変えた理由というものをはっきり示してもらわないと、それと同時に、ちょっとこれはおかしいと思うのだが、たとえばいま一つだけ例をとってみると、数の問題だが、宮城教育大学をつくった場合、宮城教育大学をつくった場合と、それから東北大学教育学部の一体学生の数はどうなんですか。宮城教育大学のほうが少ないんじゃないですか、どうですか。
  139. 杉江清

    政府委員杉江清君) いままでは二百九十名の入学定員であったものを、四十年度において、これは新しい教育大学の定員になるわけでございますが、二百五十五名にいたします。そういたしますと三十五人の減になります。
  140. 小林武

    ○小林武君 三十五名の減。
  141. 杉江清

    政府委員杉江清君) はい。
  142. 小林武

    ○小林武君 減でしょう。おかしい。量の問題だと言って、量が少なくなった。そうでしょう。
  143. 杉江清

    政府委員杉江清君) これは御存じのとおり生徒数が減ります。その減った生徒数によって必要とされる教官定数は、いわゆる標準法によって計算できるわけでございます。大学的にはほぼ推測できる。現在入ります生徒は四年後に卒業するのでありまして、そのときの教員需要は現在よりも相当減少するわけでございます。それに応じて全国教員養成課程の定員をある程度減少することが将来の就職その他のことを考えて必要だ、こういうことで各県とも十分お打ち合わせの上でこれらの措置をとったわけでございます。
  144. 小林武

    ○小林武君 首尾一貫しておらないですよね。東北大学に置くというと教員になる者が少ない。それから他県にも出ていく、宮城県にとどまる者が少ないからこれじゃ宮城県はたまらない。端的に言うとこういうのです。そうしたら、今度は宮城教育大学をつくってそういう問題点をなくするわけだから、定員を増したというのならぼくは話がわかるけれども、何で定員を減らすんです。定員は減らしておいて、話が合わないじゃないですか、これは。そうするならば、今度は逃げ道として歩どまりが多くなるということを言うかもしれない。だんだん質を低下したから、よそからは買い手がなくなってくる。そうすれば歩どまりがよくなるからいいだろう。大体とんとんというようなことを言うのであれば、これは詭弁だ。私はやっぱりあなたたちのおっしゃるところに無理があるのではないかと思うのです。どうですか。
  145. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 政府で言おうとするところを小林委員におかれてすべておっしゃいましたが、そのとおりでありまして、東北大学教育学部の卒業生は宮城県内にとどまらない。   〔委員長退席、理事二木謙吾君着席〕 また、他の方面に多く流れますから、先生として、教職員として教べんをとってもらう歩どまりがすこぶる悪い。そこで、これを切り離しまして、宮城県の教育大学として教職員専門に、教育学専門にやることによりまして歩どまりがよくなるという——歩どまりということばはたいへん失礼なことで用いたくないことばでありますが、先生がおっしゃったからそのまま申し上げるのですが、まあそのとおり、小林委員のおっしゃるとおりが私どもの考え方でありまして、そうすることによってただ教員の質が低下するという考えは毛頭持っておりません。りっぱな素質を持っている教員が相当数確保できる、かような考え方に立って今回の御審議を願う設置法である。かように御了解をいただきたいと思うのであります。
  146. 二木謙吾

    理事(二木謙吾君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  147. 二木謙吾

    理事(二木謙吾君) 速記をつけて。
  148. 小林武

    ○小林武君 押谷政務次官、政務次官はやはりさっきから申し上げているように、あなた、やはり質が低下するとかというなら、質が低下する、しないという理由をはっきり言ってもらいたい。ところが理由のないことで、かくかくの理由によってというものがない場合、それを立証する何ものもない場合は、これはあれですよ、結論だけ言って、これを承知せいと言ってもだめでしょう。私は質は下がると思うのですよ。これは東北大学ということから、いままで東北大学といったら、これは宮城県ばかりでなしに、これはもう東北の近辺ではやはり東北大学へ入りたい、こういう人はうんと勉強して東北大学へ殺到する。だから、私はそこにはわれわれが最も希望している優秀な青少年を集めるという、そういう目的を達成することができるわけでしょう。これは宮城の教育大学というだけでは、これはなかなかそうはいかぬと思うのです。さっき師範学校の話が出ましたけれども、昔の師範学校というのはわりあいに素質のいいのが集まったというわけですけれども、もし集まったとすれば、いたとすれば、これはやはりそれにはそれなりの理由があった。たとえば兵役の問題があった。六週間現役とか短期現役とか言っても、兵役免除の形であった。だから貧乏人の子供ばかりでなしに、相当の地主の息子だとか何とかというものが、兵役の関係で行かなかったということもあった。師範学校へ入るということもあった。貧乏なものには給費ということがあった。ほんとうに着るものから、足の先から頭のてっぺんまで、それから食べるものまで、やはり全寮制度でやった。金がかからぬ。こういうところで貧乏人の秀才と言ったら悪いかしらぬけれども、いわゆる上級学校に進学できないようなものの子弟もあった。やはりそこに集まるというような結果も招いて、師範学校の当時にはかなりそういう面では小学校の相当なものでなければ入れないというような実情だった。私はやはりその学校は青少年が魅力を感ずる、あすこで勉強したい、ああいう先生のいる大学へ行ってみたいというような、そういう条件をつくってやるということが大事だと思うのです。そういう点では、私はまあ旧帝大ばかりではありませんけれども、北陸へ行ったら金沢の大学に学芸学部があって、そこで教員養成するということもはなはだけっこうだ、あれが分かれたらどうなるだろうということを考える。だから、私はそういうことからいって教授の面からいっても研究者と違うのでしょう。大学院を持ってないところの、一時は駅弁大学と言われるような、そういうとにかくあらゆる面で整備されてない学校へ入るよりかも、大学院もある、研究費の問題から旅費の問題から全部違ってくるところのそういう条件のそろったところで勉強するということは、なるたけやはり私はとるべきだと思う。これをどうしてあなたのほうで質が下らぬという、単なる口だけの話は私はうまくないと思う。それから量の問題でもそうでありませんか。それからここでみてもどうして一体東北大学教養学部教員養成課程の卒業生の就職が悪いかというようなことも、そんなにもうどえらいあれじゃないでしょう。百六十一人の就職者のうちに百五十八人は教職についている。これは昭和三十五年、三十六年には百八十五人のうちの百七十一人は教職についている。三十七年は二百七名のうち百八十一名が教職についている。三十八年については百八十一名のうち百六十名が教職就職者である。こういうところを見ますと、教職に就職する者が少ないということは必ずしも私は言い得ないと思う。ただし、これが他県に行ったといった者が多少多いということは、一つは私はよその県から入った者が多いということも一つあるでしょう、そういう者もいるということになりましょうけれども、この点、宮城県は大いに考えなければいけないと思う。地方から来て東京の学校へ入った者は、学芸大学へ入った者は東京から出たがるかというと、出たがらない、それは東北の仙台というのは、東北の中で、かりに東北と北海道学生の諸君がどこから入ってきたかという場合には、文化の程度からいったら宮城県というのはそんな特に逃げていかなければならない場所ではないと私は思う。そういうことを考えますと、一体悪いのは何かということになると、それは私は県当局は考えなければならないところもあるんじゃないか、教員の待遇問題その他で考慮するところがあるんじゃないかと思う。しかし、それはいまここで議論することではないから申し上げませんが、数からいっても、先ほど数の問題が出ましたから、そういうことになると思う。どの面からながめてもその理屈が成り立たないと思うが、どうですか、局長は一体この数字に異議がありますか、私が述べた数字に。
  149. 杉江清

    政府委員杉江清君) これは比較的なものですけれども、いまの述べられた数字でも明らかなように、教員以外に就職する者の率はほかの大学教員養成課程に比べて多いわけでございます。それからまた教員になる者で県内にとどまる者の率が他の大学に比べて低い。それからなおもう一つ、これはあの教員養成課程の中の問題ではあると思いますけれども、事実、高等学校教員になる者が相当多いということがあって、一そう小学校教員になる者が少なくなるという原因もあろうかと思います。いずれにいたしましても教員以外に就職する率も多い、県内にとどまる率も少ない、こういう両方の数字が具体的に明らかになっているわけでございます。これは程度の問題はありましても、これはやはり改善されなければいけないということだと思います。
  150. 小林武

    ○小林武君 しかし、数字を見て申すときには数字で言わなければならないが、比率にして、就職者の中で教員になった者というのは、三十五年度の場合は九八・一%、三十六年は九二・四%、三十七年、三十八年というのは八七%、八八・四%、こういう点をみますと、私は必ずしも悪いとも言われないと思う。これはたとえば四十六都道府県のいわゆるそういう学芸学部とか、教育学部とかの就職率はどうなっているか知りませんけれども、必ずしもこれをもって分離しなければならぬという理由を導き出すほどの理由には私はならないのじゃないか、この点はやはり数字の問題ですから、あなたのほうでも御考慮願わなければならぬ。  それから、どうもあなたのほうの提案理由説明にうそがありますですよ。提案理由説明の中に、このたび「東北大学協力も得て、」、こう書いてある。「地元からの強い要望にもこたえ、」と書いてあるが、この「強い要望」というのは、学芸大学設置促進に関するという動きも、そうでない、今度は東北大学教育学部を守るところの運動もある。これは両方ある、東北大学のこの問題で。平和と民主教育を守る連絡会議、こういうものがあって反対論もやっている。賛否両論だということになる。それからもう一つ、そのことはひとつ後ほどでも時間があったらやることにして、地元の強い要望というのは、地元が一致してやったように言っているが、これはあまり強くない。綱引きみたいなもので、片一方が強ければ片一方も強い。どっちが強いかはっきりはわからない。プラスマイナス、ゼロ、「東北大学協力」ということになると、これは一体どういうことになるか、簡単に言い切れないと思う。「東北大学協力」といったら、そこの教官が一体どういう態度をとっているか、あるいはそこに就職しているところの教官並びに職員全体の諸君はどうなのか、学生諸君は一体どういう態度をとっているかということになると、「協力を得て」ということは断言できますか。
  151. 杉江清

    政府委員杉江清君) 形式的にいいまして、東北大学としての正式な意思決定をされ、分離、独立することに賛成である。こういうような意思表示をされたのであります。なお、この設置については、設置計画から現在設置準備からいろいろな点について、もう最善の御協力を得ております。
  152. 小林武

    ○小林武君 宮城学芸大学設置に反対するわれわれの立場、東北大学教育学部教員養成課程教官一同。東北大学から教員養成課程を分離することに対する反対理由書、東北大学教育学部教授会川内部会。こういうその一番問題の中心であるところのその教育学部内が反対している。あるいは東北大学職員組合連合会、こういう反対の議論というのがある。しかも敷地その他の問題では農学部がなかなかこれに賛成しないというのも事実なんです。農学部は、何と言ったって私のほうではそれには協力できませんという敷地問題にからんだこともある。どこを押したら一体その「東北大学協力も得て」というのか。学長がとか、あるいはだれかがやったとか、あるいは何か手続的に、まあそう言ったら悪いけれども、一致してないところを見ると、適当なやり方で形式的にあれを整えてそういうような結論を出したのか。私はこの問題について非常に疑いを持っております。その点についてどういうことになっておりますか。
  153. 杉江清

    政府委員杉江清君) 大学の意思は大学が成規の手続を経て決定され、学長から提出される御意見によるべきだと思います。そういう意味におきまして、いろいろ内部では問題があり、まあいろいろな御意見もあったわけでありますけれども、それを大学として十分慎重に審議され、そうして最終的には評議会の決定という形でその分離独立に賛成されたわけであります。そういう意味におきまして、その大学の正式の御意思に沿って今回のことをこれは行なうと、こういうことでございます。
  154. 千葉千代世

    千葉千代世君 関連質問。いまの問題ですけれども、たとえば十二月の十五日、昨年の。東北大学の評議会が開かれたわけですね。そこでは法学部、経済学部が反対だ、特に農学部に至っては、いま小林委員が述べられたように、四十八名中三十七名が反対している。で、八つ学部のうちの四つが反対しているわけですけれども、そうすると、これは審議過程においてそうした問題があるということを御承知であったかどうかということ、その点。
  155. 杉江清

    政府委員杉江清君) いろいろな御意見のあったことは承知いたしております。しかしその点について、まあ繰り返しますけれども、ほんとうに大学としては慎重な手続を経て、十分な討議を重ねられて最終的な結論を出されたわけであります。やはり私どもはそういった御意思を十分尊重するということが必要なことだと考えております。
  156. 千葉千代世

    千葉千代世君 それでは十二月十五日以降どういう会が開かれて、どういう討論がなされて、いつ幾日付でそういう返事が文部省に届いたのですか。
  157. 杉江清

    政府委員杉江清君) その経緯につきましては大体のことは承知しておりますけれども、いま詳しく申し上げる資料はございません。ただ、最終的な御意見としましては、十二月十五日に学長から文部大臣あての文書が出ております。これによりまして分離独立に賛成しておられる御意思は明らかでございます。
  158. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、さっきの答弁と違いますね。さっきは十二月十五日にこれこれあったの御承知かと言うと、いろいろな意見のあったのは知っておると、その後いろいろ討議を経て、そうしてそういう結果になったと、こういうお話ですね。ところがいま十二月十五日付でそちらに返事がきておるわけでしょう。その後十分な討議をするひまがいつあったのでしょうか。
  159. 杉江清

    政府委員杉江清君) その前に十分御審議を重ねられたわけでございます。大体の経過を申し上げれば、三十九年度においてはこれを分離独立することについての調査費が計上されており、これを事務的にも何とか処理しなければならぬ課題でありましたから、四十年度予算編成及びその予算折衝の際の用意といたしまして、宮城学園や東北大学にこの問題についての御意見を承りたいということを私どものほうからも申し上げ、それから学内でいろいろ研究を重ねられてこられたわけであります。そういうふうに、私どもから申し上げたのは八月だったと思います。以来いろいろな形で審議を重ねられてきておられます。で、正式な機関としては、いわゆる教育学部でこの審議を重ねられたのであります。教育学部の中も実は二つに分かれておりまして、教員養成課程と、それからいわゆる教育学科という、まあ教育科学を研究することを主たる目的とする、教員養成を直接の目的としないものと二つでいろいろ審議されたのであります。その結果、いわゆる教育学部としては、この両方の意見があってまとまらないと、こういうことでその旨を文書にして学長に提出されたわけです。で、学長としては、そういうふうな教育学部の状況をどう判断すべきか、これをまず内部で十分検討されたのであります。そうして、これは評議会において決定すべきだという結論が出され、これを評議会にはかって、そこでまた慎重に審議された結果、最終的な意見を出されたわけであります。
  160. 千葉千代世

    千葉千代世君 前の経過はとにかくとして、十二月の十五日に開かれた東北大学の評議会、ここでは、いま申し上げたように、四対四に分かれているわけですね。いま局長がおっしゃった中には、教育学部で討議を重ねて、なかなかぴたり一致しないと、そういう意見が出されて、そうして今度は、最終的には評議会できめると、こうおっしゃったですね。すると、評議会は二つに分かれているわけですね。二つに分かれた。二つに分かれたまま、学長さんが、それじゃ協力しますということに持って行ったとすると、非常に非民主的なやり方ですね。十分納得していないでしょう。どういう機関で納得されて、学長がその答申をするということについて、みんないいという話し合いになったのかどうか、その辺ちょっとお聞きします。
  161. 杉江清

    政府委員杉江清君) 最終的な評議会の決定の表決の状態がどうであったかは、私は承知いたしておりませんけれども、とにかく評議会で最終的に結論を出された。その間に、何ら手続の違法、そご、欠陥等はなかったと私どもは聞いております。で、その経過に、先ほど申し上げましたように、最初は教育学部教員養成課程、いわゆる分校と称しているものと、それから教育学科と両方審議され、そこでの意見がまとまらなかった。で、そこでそれを受けて、一体どうするかということを、内部でまた別の組織を設けられて、ずいぶん回を重ねておられます。このことは、ちょっとここにも資料がありますけれども、しばしば会を持っておられます。その間に各部長会議もやられておりますし、いろいろな会合を持って慎重に審議され、そうして、最終的に評議会にこれを付議されて、そうして十二月十五日に決定されたのでありまして、その間には、私は繰り返しますけれども、慎重な審議がなされてきたということは事実だと思います。
  162. 千葉千代世

    千葉千代世君 別の組織とは、どういうことなんでしょうか。
  163. 杉江清

    政府委員杉江清君) 学内に制度審議会という組織をつくられて、そこで慎重に審議されたわけであります。
  164. 千葉千代世

    千葉千代世君 そうすると、教育学部自体で相談し合って、意見がまとまらないと、そのまとめる調整役というのは別の会がやると、こういうことですか。ずいぶんおかしいシステムなんですけれども、私は大学の内部の運営についてよく存じませんので聞くのですけれども、ちょっと奇妙に感じられるのですが、その点どうでしょうか。
  165. 杉江清

    政府委員杉江清君) 大学の意思決定の問題になるわけでございますけれども、教育学部両方の意見があってまとまらなかった。それを最終的に、大学としてどういうふうに考え、どういう意思決定をするかということは、上位の機関においてこれを取り扱う以外にないわけでございます。で、それは大学の最終的な意思決定の機関として評議会があるわけでございます。
  166. 千葉千代世

    千葉千代世君 そればわかるのですが、評議員から最初——十二月十五日にきまっていないわけです、四対四で。その前提となるものが、教育学部できまらなかったでしょう。そうすると、いま別の機関で、あなたは相談し合ってと言うでしょう。そうすると、その意見がまとまらないときには、何か都合のいい会が開かれるような機構になっているのですか、大学では。
  167. 杉江清

    政府委員杉江清君) 経緯について課長から少し詳しく御説明申し上げます。
  168. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 当初、文部大臣から御説明いたしましたように、本年度予算で宮城学芸大学設置の準備をしようという手はずが整いまして、八月の中旬に、大学学術局長が現地に参りまして、地元並びに大学当局にもいろいろお考え願うということを申し上げたわけであります。   〔理事二木謙吾君退席、委員長着席〕 で、東北大学ではそのことを受けまして、これは、学内のこういった基本的な制度の運営につきましては、在来から制度審議会というものがございまして、その構成員は、学長、各学部長、教育部長、付置研の所長、そういう人たちが構成する会議でございますが、制度審議会で討議すべきであるが、これは学部自体の固有の問題でもあるから、まず、教育学部でひとつ案をつくってもらってはどうかというようなことに相なりまして、教育学部の評議会でこのことをまず審議することになったわけであります。教育学部は、中身が多少複雑になっておりまして、現在、教育学、心理学を検討する講座制の部分がございまして、これが一つの部会をつくっております。そのほかに、教員養成を担当する分野は教育学部分校という別個の形になっておりまして、その分校の組織、これを川内部会と申しておるわけでございますが、それぞれの部会で案を練りまして、教育学部としては、両部会の意見をまとめるというところで意見がまとまりませんで、十二月の初めに、教育学部としては結論に到達しない、賛否両論であるということを学長に具申をしたわけでございます。したがって、それを受けまして、さっそくに制度、審議会が連日このことを議論をいたしまして、その結論を評議会のほうへ持ち込みまして、評議会で最終決定をした。それが十二月の十五日ということになっております。そうして、東北大学としては、学内の一切の手続を終了して、同大学の分校の廃止、宮城教育大学設置に賛成ということの正式の御回答を得たわけでございます。
  169. 千葉千代世

    千葉千代世君 これは学部の評議会の決定を経ていないわけでしょう、いまの内容を聞くというと意見が分かれておって。
  170. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 教育学部の結論は、教育学部としては片平部会は分離賛成、川内部会は反対ということで意見がまとまりませんので、学長に、どうぞよろしく、こういう決定をしたわけでございます。
  171. 千葉千代世

    千葉千代世君 要するに、学長に白紙一任と、こういう形でしょうか。
  172. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 制度審議会におきまして、種々検討しました上、そういった旨の、いま御発言のような了解をして、検討しようではないかということになったわけでございます。
  173. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで、この学部自体の中でそういうふうにまとまらないということは非常に、重大な要素をはらんでいると思うのです。賛成反対におのおの理由があると思うのですが、できれば、その後の制度調査会ですか、そういうふうな審議過程も伺いたいのですが、いまは時間がございませんので省略いたしますけれども、一番本元の各部で意見がまとまらない、評議会でも二つだ、評議会も学長に白紙一任したわけでしょうか。そうすると、向こうに返事が来ましたね、それをちょっと読み上げていただきたいのです。
  174. 杉江清

    政府委員杉江清君) 少し長くなりますけれども、読ませていただきます。    東北大学教育学部教員養成課程を廃止することの可否についての諮問に対する回答   かねて諮問のあった標記の件に関し、下記のとおり回答します。    記  1 宮城学芸大学(仮称)の設置に伴い、東北大学教育学部教員養成課程を廃止することはさしつかえない。  2 上記に付帯して次の事項を強く要望する。   (1) 東北大学教育学部教員養成課程所属教官の処遇についての配慮   (2) 宮城学芸大学(仮称)創設に伴う用地問題の解決   (3) 宮城学芸大学(仮称)については、教員養成大学としての規模、組織および内容を現制度下において可及的に完全なものとするだけでなく、教員養成の本質に徴し、高度の研究を期待しうる機構を備えたものとする。   なお、この件については、本学制度審議会の審議の結果に基づき、昭和三十九年十二月十五日開催の本学評議会において審議決定したもので、それまでの経過および決定の理由は次のとおりであります。  経過、理由も申し上げましょうか。
  175. 千葉千代世

    千葉千代世君 いいえ、それは省略してよろしゅうございます。
  176. 杉江清

    政府委員杉江清君) では省略させていただきます。
  177. 千葉千代世

    千葉千代世君 そこで、その省略していただきました内容の中に、学生たちの考えはどんな考えを持っているかということは全然触れられていませんか。具体的には、その学生さんたちがこの宮城教育大学ができた場合の学長の任用の問題とか、教授会が形式的に開かれても内容的にはなかなか思うようにいかないのじゃないか。たとえば兼任の方や何かありますね。そういう点があるのじゃないか、あるいは学生の自治の問題についても保障がないではないかとか、いろんな心配をしておると思うのです。これは心配するのが当然だと思うのです。それで、学生さんたちはいろいろな意見をあらゆる方面に反映していらっしゃるわけなんです。そういう意味で答申の中にはそういう点について触れられていませんですか、全然。もう一つ、さっきの質問の中で、十二月十五日の評議会で四対四だ、そうすると、それは学長にこれもまた白紙で一任したと、こういう形になりますか。
  178. 杉江清

    政府委員杉江清君) 文書には学生考え方、動き等については記載されておりません。評議会の決定内容については、決定の内容といいますか、どういう比率で賛否があったというようなことについては私は承知いたしておりません。
  179. 小林武

    ○小林武君 大学の内部においてきわめて民主的にいろんな機関が招集され、またその議題について審議が行なわれたか、こういうことになるというとやはり問題点があると思うのですね。十三日、十四日の制度審議会というのは病院の病棟の中で行なわれた。それで病院の各科長というから、おそらく内科の科長、外科の科長とかいうことだと思うのですが、そういう科長の人たちが、別の場所でやってくれ、こういう申し入れをしたけれども聞かないでやった。どうしてそういうことをやるのですか。あるいは、東北大学というのは、見たところりっぱな大学だと思うけれども、十五日の評議会についてはとんでもない場所で、とんでもないということもないでしょうが、よその場所でやった。電力ビルというようなところにわざわざ会場を移した。そしてその会場でもかなり混乱を起こした。こういうようなやり方をやって、そしてきめるということ自体に私は大学のこの問題を決定するにあたってちょっと不明朗なところがある。どうしてこれまでのことをやらなければならないか。いいことをやるならとにかく、先ほどからいろいろ議論が出て、笹森委員からあのような公正な御意見もあった。私はそういう点でもう少し考慮する余地がなかったか。どうもこの点は納得がいかない。それから、たとえば農学部の敷地の問題、このことについて農学部教授会が反対しておるのにどうするつもりなんですか、敷地の問題は。そういうたくさんの学内の意見の不統一というようなものを押し切ってやるというようなこと、そうして、それが学内の意見が一致したから、御協力によってやるのだというようなことを言うのは、私はたいへん残念なことだと思うのですよ。教員養成というような問題について質的に量的にうんとりっぱな教員養成しようというところに意図があるならば、これはもうあなたたちの意図もわれわれの意図も同じと、そういうたてまえに立つならば、もっとやっぱり教員養成に対し慎重な態度が必要じゃないかと思うのです。この国立学校設置法の中にこの点が一点入っているために、国立学校設置法というものが非常にどうもいやな法律案だということにならざるを得ない。これについて押谷政務次官はどうですか、宮城教育大学の件についてはひとつ考慮するというような、そういう御決意はございませんか。
  180. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) いろいろ大学内における答申をせられるにあたっての協議の内容は、私も実情はつまびらかにいたしませんが、大学から学長名をもって文部大臣に答申をされましたその回答の内容によれば、大学正規の制度機関であります制度審議会の慎重審議の結果の御報告でもあり、また、この内容からいきますと評議会においても審議決定したもので云々というので、評議会におきましてもこういう回答をいたされ、大体、審議決定をされたようであります。そこで問題は、一部反対のあったことはこれは私も承知をいたしておるところであります。
  181. 千葉千代世

    千葉千代世君 四対四だから半分ですよ。
  182. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) ですから四対四という、全部という意味ではなくて、実は何人かの間に反対があったことは認めますが、いやしくもみずからかかえてきておる一つの大切な学部をなくするということにつきましては、これは反対の意見も出てくることも考えられます。自分の学部を愛し、自分の今日まであたためてきた学部がなくなるとあれば、それをそのまますなおに認めていくということはできない事情もあろうと考えます。しかしながら、大学の制度審議会におきまして慎重審議の結果、分離されることはよろしい、これを廃止することはよろしいと回答が出た以上は、一応これに基づいて、文部省でも宮城教育大学設置することに踏み切ることも、私は今日の義務教育の教職員を確保したい、ぜひせなければならぬ必要に迫っている今日におきましては、これは御了承いただけるのではないかと考えるのであります。また、基本的な考え方といたしまして、宮城教育大学を分離して単科大学でつくったから、そこから出ていく教職員になる人は、それはお粗末であるという考え方につきましては、これは賛成ができないのでありまして、現に東京におきましても、大阪におきましても、その他の土地においても、分離して単科大学の教育大学ができておりますが、そのいずれの学芸大学においても優秀な教職員が出ておられるのは現実でありますから、先ほど小林委員のおことばの中に、優秀であるかお粗末であるか、これはこちらのほうでむずかしいことばで言えば、立証せなければならぬようなお話がありましたが、もし実績からいきますならば、東京、大阪その他の土地におきまして教育の単科大学——学大というものがあって、りっぱな先生養成いたしております。この事実、こういうことを考えますと、宮城教育大学において、これからこの大学から出ていく先生方は素質の高いりっぱな教養を備えた義務教育の教職員として最適任である先生方が得られると私どもは確信をいたしておる次第であります。
  183. 小林武

    ○小林武君 そういうものの言い方をされると非常に心外なんですね。あなたはいままでいろいろの討論されたことをお聞きになっているのですか。どこで一体教育するのが一番いいのかということは、いままでの討論の中で知り尽くされているでしょう。私はいまの学芸大学の卒業生が粗末だとか、粗末でないとかいうことを議論しているのではない。よりよいものをということを考えた場合に、いまの教員養成制度の中でどういう点を重視しなければならないかという点では、東北大学教育学部というものを重視しなければならないということを言っている。しかし、あなたはいろいろなことをおっしゃるけれども、いまの教員養成制度に一つもあなたは問題を感じていないと、こうおっしゃるのですね。そうおっしゃるならば、何で教員養成制度に関してあなたのほうで答申を求めたのですか、中教審に対して。そういうおざなりな話は私は聞きたくない。そうでなしに、もう少しやはりお互いによくするという立場から議論しなければいけない。文部省に対してもあなたに対しても非常にきびしいことを言うのは、日本の教師を、教育をよくする立場からお互いに議論しているんだから、そういうふうに受け取ってもらいたい。私はあなたから、たいへん悪うございましたという答弁要求したって得られないことは承知いたしておりますけれども、やはり虚心になって、あなたのほうの党の方でもそういう御意見の方がある。りっぱな教師というものはこうであったというような過去の実績のことについてお話しなさっている方もある。十分その問題について御討論いただいて、まだこれからでもおそくないからやってほしいという希望を私は持っている。  それからそれに関連して、私は教員の問題としてお尋ねしますが、この工業教員養成所ですね。これは今度大学にいく道を開いたわけですね。だいぶこれを要求したのですけれども、あの当時あなたたちは要らない要らないと盛んにがんばったけれども、やはり大学の道を開かなければ学生の諸君の満足を買うわけにいかないでしょう。一体どうなっていますか、入学志望者の状況は三十六年以来どういう状況になっておりますか。入学志望者が一体どれくらいあるのか、どれだけのものがその中に入って、それから卒業しているはずですね。いつ卒業したのですか、第一回目のやつはいつですか、昨年ですか。昨年並びに今度卒業を予定されるものが一体教職に何ぼつくのか。
  184. 杉江清

    政府委員杉江清君) いまこれに関する資料を持ち合わせておりませんからすぐ取り寄せます。
  185. 小林武

    ○小林武君 それではひとつ、くるまで別なことを聞いておきましょう。歯学部ですね。歯学部というのが今度二学部できたわけですね。
  186. 杉江清

    政府委員杉江清君) 三つでございます。
  187. 小林武

    ○小林武君 三つの学部ができたわけですが、一体、歯学部というのがある大学ですね、これはどれだけあるのですか。あるいは私立でもかまわないですけれども、歯科大学というようなものを置いている場所ですね。
  188. 村山松雄

    説明員(村山松雄君) 現在、歯学部国立二つございます。東京医科歯科大学、と大阪大学でございます。それから公立一つございます。北九州歯科大学でございます。それから私学で六つございます。日本大学の歯学部、それから日本歯科大学、東京歯科大学、それから神奈川歯科大学愛知学院大学の歯学部、それから大阪歯科大学、以上でございます。
  189. 小林武

    ○小林武君 その歯学部について、歯学部設置してもらいたいという要請のあった国立大学というのはほかにはございませんでしたか。
  190. 杉江清

    政府委員杉江清君) 具体的な形での要望は三つございました。まあ内々のお話はあったようですけれども、まだ具体的な構想が熟さずに、正式の概算要求措置をとってまいりませんでした。
  191. 小林武

    ○小林武君 歯学部設置についても、大体いまの審議官のお話を聞いても同じようなところに固まっておるのですよ。大体、東京周辺、それから大阪とか、それから九州にもあります。それから名古屋の近所、それから今度できますれば広島とか、それから宮城県の仙台、こういうことになりますが、北海道にはこれはないわけですね。人口の上からいっても当然考えられますし、それから二つの医学部と医科大学を持っておるというようなことからいっても、北海道の場合には、要請があったら当然これは置かれなければならぬ場所だと考えるのですが、これはどういうものですか。
  192. 杉江清

    政府委員杉江清君) 地域的な配置から考えれば北海道にあってもよろしいかと考えます。ただ医学部設置については、これは最大の問題は、いい教官が得られるかということでございます。その点でなかなかいま教官が得にくい実情にございますので、それらのことも考え、今後、条件が整うかどうか、その辺を十分検討してまいりたいと考えております。
  193. 小林武

    ○小林武君 教官を得られる、得られないということですね。これは文部省が世話するというのじゃなくて、もし大学学部設置するという場合には、その教官をあれですか、どういう教官をそろえるかとか、そのそろえる具体的な人事ですね、その面についての一応の検討は大学側が出すものですか、それとも文部省のほうで歯学部設置をきめてから、それから人事のほうは文部省でだれをどこにやるというようなことをやるわけですか、どうですか。
  194. 杉江清

    政府委員杉江清君) 大学で要請するわけでございます。
  195. 小林武

    ○小林武君 そうすると、その大学でそのめどがついたら教官の問題は解決するということになるわけですね。
  196. 杉江清

    政府委員杉江清君) そういうことではございますが、ことし三つの歯学部を置きまして、この点で非常に困難な状況にあるということを痛感したのであります。これをあまり急いで多くの歯学部をつくるということは、かえって質の低下を来たすということがほぼ明らかになったと私ども考えております。
  197. 小林武

    ○小林武君 あなたたちのほうでは歯学部設置は必要だと考えられておると思うのです。しかし、いま一番の問題点は、いままでの御答弁から推測するというと、教官がなかなか充足できない、こういうところに問題点がある。できれば、つくったらいいということになると思うのです。そこで私はやはり学者、そういう教官の不足ということについて文部省はもう少し考えなければいかぬと思うのですよ。一体何か大学大学院に残るというものが、医学部関係ばかりでなしに、そのほかのものもほんとうにあるのかどうか。私は医学部卒業生のいわゆる医学博士といわれる若い人たち二、三人と昼飯のときに一緒になったのですけれども、その人たちは無給医員というのですか、無給何というのですか、給料を全然もらわないで大学の病院に勤務しておる。これが一つ大学の中で膨大な数なんです。医学博士で、年齢を見れば大体結婚なさってお子さんもいる。これをただで使うというようなやり方、これがなければ大学の病院が経営できないというようなやり方が、はたして一体日本の医学を前進させることになるのかどうかということを、毎度のことながらびっくりしたのです。これではりっぱな医者も生まれないだろうし、それからまた全国に一体どれだけ病院があって、どれだけ無給の医師というのがいるのですか。
  198. 杉江清

    政府委員杉江清君) 無給副手にはいろいろな勤務の態様があり、一日か二日出てくる者もあるわけでございますが、それらを全部含めまして、現在、無給副手は八千二百三十八人ございます。
  199. 小林武

    ○小林武君 それは日本全国ですか。
  200. 杉江清

    政府委員杉江清君) 日本全国でございます。
  201. 小林武

    ○小林武君 八千人、小一万ですわね。この人たちが何年間一体無給で働くのかということになると、私の知っている人は、これでだいぶたつのですが、私が聞いてからでも足かけ三年か四年ぐらいになると思います。その間にもうその人は結婚をして子供をつくられておる。これでは何というか、これはもう残酷物語です。こういうことを一体どうしても制度上やらなければならぬのですか、解決の道というのはないのですか。それらの人たちがそれでは全部いなくなったら病院というのはどうなるのですか。私はやはりこういうやり方をやっているというと、歯学部をつくっても、歯学部教授になる人、助教授になる人もないというようなことになる。医学部をつくったってそうだと思う。私はそういう点で、もう少しこの面についての抜本的な一つの改革といいますか、そういうものをやらなきゃならぬのではないかと思うのです。これは政務次官、何年来こういう問題にぼくはぶつかってきておるのですが、このごろでは大学学生諸君の中にはこれに対してやはり反発しているでしょう。それからそういう人たちも不満でたまらぬというような状態だと思うのです。これは当然だと思うのです。特に長い間、一番長く学校に入っていて、あげくの果てには国家試験、インターン、いろいろなむずかしいことをやらせておいて、今度は無給で何年もと、こういうことは一体正しい制度なのかどうか、ほんとうに一体医術というものを向上させる道なのか。これについては、いままで政府の中で議論されたことはないのですか、将来議論するお心持ちありませんか、どうですか。
  202. 押谷富三

    政府委員押谷富三君) 小林委員の御発言で、同感の点もたいへん多いと思います。ちょうど時を同じゅういたしまして、両三日後に無給の副手の人たちが私に会見を申し込まれておる事実があります。私は喜んでお目にかかりまして、この重要な問題について、さらにその人たちからなまの声を聞いて、大いにみずからも認識を深め、また検討すべきものは前向きに検討をいたしたいと存じております。
  203. 小林武

    ○小林武君 ひとつこの問題は真剣に御討論いただきたいのです。いつまでも放置できるというものじゃないと思うのです。八千人というとかなりの金額になることですけれども、しかし、日本の学術の将来を考え、医術の進歩のことを考えますと、これはまた私はささいな金だと思うのです。そのことについて、ひとつ研究者のために、来年度予算においてはこういう無給の副手がなくなるような案をぜひとも実現させていただきたいと思います。
  204. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 先ほどお尋ねの学生の入学状況でございますが、総定員八百八十名でございまして、九大学に付置してございますが、現在の、第三年次の在校生は七百五十八名、二年次が七百五十七名、一年次が七百二名ということになっております。昨年三月に最初の卒業生が六百十六名、そのうち五百十五名、約八割弱が高等学校工業教員に就職したわけでございます。
  205. 小林武

    ○小林武君 あとの二割はどういうところに行きましたか。
  206. 安養寺重夫

    説明員安養寺重夫君) 数名の者が大学の助手というようなかっこうで残りました以外は、一般の会社のほうに就職したわけでございます。
  207. 小林武

    ○小林武君 出ていって、まだ一年足らずのことでございますが、これについてかれこれ批判もできないのですけれども、一般的なことからいえば、やはり科学技術の進歩というものは、ほんとうに目をおおうくらいの速度でもって進歩している。そして、いわゆる中級の技術者といいますか、そういうものを養成する学校に勤務するわけでありますから、その使命はなかなか重いと思うのです。そこで私はやはり工業教員養成所というものは、法律の性格からいっても、何とか早く四年制の大学にでもして、ここから出た者が、いろいろな教育の面からいっても、技術の面からいっても、見劣りのしないようなものにしなければならぬと思う。学生の諸君もそれを望んでいると思う。何といっても、私はこれは便宜的措置であるということは間違いないと思う。そういう点はひとつ考慮して、私は特に何といいますか、一番変化の多い、進歩の激しい部面の仕事に携わっている人たちについて、日本でこういうような形で教員養成をやっているということは、いささかちょっと恥ずかしいと思う。その点で、私は広くよその国のことを知っているわけではありませんけれども、聞くところによりますと、いわゆる後期中等教育に対する、特に理工系の者に対する力の入れ方はばく大だということを聞いております、各国とも。ちょっと時代おくれの感があった。しかしその点、私は一面において、悪くいえば急場に間に合わせるということも多少は必要であったわけですけれども、ひとつ今度は大学に残れるという希望を持たせる、しかし、これも残れるといったところで、編入することが許されたところで全部が入れるわけではない。そうすると、やはりたいていの者が、ぼくに言わせれば不十分な形で工業科を出ていく、ぜひともこの問題については、文部省におかれては、十分御検討いただいて、そしてこの面でおくれをとらないようなふうにしていただきたい、このように考えます。  きょうの私の質問はこれで終わります。
  208. 山下春江

    委員長山下春江君) この際、都合により暫時休憩いたします。    午後四時四十八分休憩      —————・—————    午後六時五十五分開会
  209. 山下春江

    委員長山下春江君) これより委員会を再開いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。本日、植木光教君、柏原ヤス君が委員辞任され、その補欠として和田鶴一君、鬼木勝利君がそれぞれ委員に選任されました。     —————————————
  210. 山下春江

    委員長山下春江君) この際、国立養護教諭養成所設置法案を再び議題とし、質疑を続行いたします。  御質疑のある方は順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  211. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  212. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認めます。  それではこれより採決に入ります。国立養護教諭養成所設置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  213. 山下春江

    委員長山下春江君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際おはかりいたします。  先ほど理事各位と御協議決定いたしました附帯決議案を便宜私より提案いたします。  まず、案文を朗読いたします。    国立養護教諭養成所設置法案に対する附帯決議案   養護教諭充足現状にかんがみ、養護教諭の各校必置をすみやかに実現するため、左記の事項に留意して計画的な養成確保を図るべきである。  一、養護教諭養成所の充実、増設等についてすみやかに検討され、その実現に努力すること。  二、文部大臣の指定する養護教諭養成機関に対しても、日本育英会の奨学資金の貸与並びに返還免除措置を講ずるよう努力すること。  ただいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方は挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  214. 山下春江

    委員長山下春江君) 全会一致と認めます。よって、ただいまの附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。愛知文部大臣
  215. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) ただいまの御決議につきましては、御趣旨に沿い、十分検討いたしたいと存じます。
  216. 山下春江

    委員長山下春江君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  217. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  218. 山下春江

    委員長山下春江君) この際、国立学校設置法等の一部を改正する法律案を再び議題とし、質疑を続行いたします。  質疑のある方は、順次御発言願います。——別に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  219. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
  220. 小林武

    ○小林武君 私は日本社会党を代表いたしまして、本案に反対の意思を表明いたします。  その一つは、いい教員養成するという、そういう環境としては、総合大学の中において教員養成を行なうということが最も適当であると考えるわけでありますが、その点が今度の宮城教育大学の出現によって全面的に認められなくなった、このことが一つであります。  もう一つは、これによって宮城県の教員充足に対して貢献するというような、こういう提案の趣旨でありますけれども、現在の教育学部よりかも宮城教育大学というものは学生の定員において少ないのであります。これは明らかに、宮城県にとどまる教員が少ないとか、あるいは宮城県の教員の供給をするのに非常に問題があるとかという、こういう提案理由からはたいへん反対した結果でございますので、この点についてまず反対するわけであります。  第三点といたしましては、東北大学協力によるということが言われておりますけれども、東北大学の内部においては、この問題について賛否両論がございまして、特に教員養成学部教授の間においては反対の意向がはっきりしておること、あるいは敷地問題にからんで農学部がこれに必ずしも賛成していないというようなこと、こういう事態等を考えまして、そういう東北大学の意見の不一致のままこういう教育大学の分離をはかったことについては賛成しかねるのであります。  この点について、私どもは、宮城教育大学を含むところの本法律案については反対の意思を表明いたします。
  221. 吉江勝保

    ○吉江勝保君 私は自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっておりまする国立学校設置法等の一部を改正する法律案に対し賛成の意見を述べたいと存じます。  まず、東北大学から分離して新たに宮城教育大学を創設いたしますことは、政府提案理由にもありますとおり、従来の事情にかんがみ、義務教育関係教員確保のためにはきわめて時宜に適した適切な措置であると信ずるものであります。  次に、国立大学に歯学部その他の学部学科を新設して、大学入学志願者の急増にこたえ、大学院及び付置研究所新設して、研究能力の高い職業人を学者の養成をはかることは、いずれもわが国の高等教育に課せられました重要な問題の解決に資することが大きいと考えます。  以上述べました理由により、本案に対し賛成の意を表するものであります。
  222. 山下春江

    委員長山下春江君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  223. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認めます。  それでは、これより採決に入ります。国立学校設置法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  224. 山下春江

    委員長山下春江君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議こざいませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  225. 山下春江

    委員長山下春江君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
  226. 山下春江

    委員長山下春江君) オリンピック記念青少年総合センター法案議題といたします。  まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。愛知文部大臣
  227. 愛知揆一

    国務大臣愛知揆一君) このたび政府から提出いたしましたオリンピック記念青少年総合センター法案につきまして、提案の趣旨及び内容概要を御説明申し上げます。  オリンピック東京大会は、昨年秋、全国民あげての絶大なる御支援と御協力のもとに、大成功裏に終了いたしました。この大会は、単にわが国スポーツ界にとって画期的なできごとであるばかりでなく、すべての国民、特に青少年にとって永久に記念されるべき世紀の祭典であったのであります。このことにかんがみ、大会に際し、世界各国からつどい来たった若人たちのいこいと交歓の場となった選手村の施設は、このオリンピック東京大会を記念するとともに、これを次代をになうわが国青少年のために最も有意義に活用される施設とすることをかねて念願してきたのであります。  幸いにして、このたび、これを青少年のための宿泊研修施設として用いることになりましたので、この施設を国より出資し、適切に運営させるため、特殊法人オリンピック記念青少年総合センターを設立することといたしました。  この法律案は、特殊法人オリンピック記念青少年総合センター設立の目的を定めるとともに、この特殊法人の資本金、組織、業務、財務、会計、監督等に関し、所要の規定を設けたものであります。すなわち、第一に、オリンピック記念青少年総合センターは、その設置する青少年のための宿泊研修施設を適切に運営し、青少年の心身の発達をはかり、もって健全な青少年の育成に寄与することを目的とするものであります。なお、青少年総合センターは、これを法人とし、その設立当初の資本金は、さきに申し述べました政府が出資した財産の価格の合計額に相当する金額といたしております。  第二に、この法人の業務についてでありますが、第一は、青少年のための宿泊研修施設を設置し、運営することであります。第二は、この宿泊研修施設を利用して、法人みずからが、青少年の心身の鍛練その他心身の健全な発達をはかるため必要な業務を行なうことであります。第三は、オリンピック競技大会に関する内外の資料を収集し、整理し、保存し、及び利用に供することであります。なお、この法人は、これらの業務を行なうほか、この法人の目的達成に支障のない限り、その設置する宿泊研修施設を一般の利用に供することができることといたしております。  第三に、この法人の役員として、理事長一人、理事三人以内及び監事二人以内を置き、理事長及び監事は文部大臣が、理事理事長が、それぞれ任命することとし、その任期はいずれも二年といたしております。  次に、この法人には、その運営の適正を期するため、理事長の諮問機関として評議員会を置くこととし、所定の重要事項について、理事長は、あらかじめ評議員会の意見を聞かなければならないことといたしております。評議員は、十五人以内とし、この法人の業務の適正な運営に必要な学識経験を有する者のうちから、文部大臣が任命することといたしました。  第四に、この法人は、文部大臣の監督を受けるのでありますが、その業務の公共性にかんがみ、業務方法書、事業計画予算、財務諸表等については、文部大臣の認可または承認を受けることを要するものといたしたのであります。  第五に、この法人は、所定の準備を経て、昭和四十年四月一日に設立されることとしております。  以上がこの法律案提案理由及び内容概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。
  228. 山下春江

    委員長山下春江君) 以上で本案の提案理由説明聴取は終わりました。  本日はこれにて散会いたします。    午後七時十一分散会