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1965-05-19 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第24号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十九日(水曜日)    午後五時十五分開会     —————————————    委員の異動  五月十九日     辞任         補欠選任      柏原 ヤス君     北條 雋八君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君     委 員                 青田源太郎君                 岡村文四郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 堀本 宜実君                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 石田 次男君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    衆議院議員        農林水産委員長        代理理事     谷垣 專一君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君        農林省農政局長  昌谷  孝君        農林省農地局長  丹羽雅次郎君        農林省畜産局長  桧垣徳太郎君        食糧庁長官    齋藤  誠君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○農地開発機械公団法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措  置法の一部を改正する法律案内閣提出、衆議  院送付) ○積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改  正する法律案衆議院提出)     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  農地開発機械公団法の一部を改正する法律案を議題とし、本案について質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  3. 北村暢

    北村暢君 農地開発機械公団の従来の事業内容について、いままでは公団自体事業実施するということをやっていないので、その機械なり何なりを国もしくは地方公共団体等に貸与して、そしていわばその機械を貸すというような仕事のほうが主体であるというように思っておりますが、今度の目的改正によって事業そのもの実施する、こういうことになったようでございますが、そうしますと、従来の機構もしくは陣容でそういうことが可能なのかどうなのか。現在の事業でそういうことができるのかどうか、こういう点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  4. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 公団事業実績は、お配りしました資料の二一ページにございますが、二十五億のうち二十二億が実際に自分でやる仕事でございまして、機械貸し付け業務は三億でございます。したがいまして、圧倒的に自分でやる仕事の量のほうが多いわけでございます。それから本日おはかりいたします事業は、とりあえず那須地区でございますので、現在の人間で基本的には足りる、かように存ずる次第でございます。
  5. 北村暢

    北村暢君 確かにそういうことですな。それは農地造成ということで、今度は農川地造成ということが入った。機械の貸与、その事業の大部分のものというのは、いままでの事業内容委託事業が大部分であるというふうに聞いておるわけなんですが、これは、その事業内容はどうなっているのですか。
  6. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) いまの資料にもございますように、受託事業の内訳といたしましては、開墾作業車地改良土地改良災害復旧ブルドーザー等を使いまして主としてやる物理的な工事でございます。  なお、補足させていただきますが、先ほど、基本的には現在の職員で足りると申し上げましたが、畜産関係では、数名の人間の補充はいたす考えでございます。
  7. 北村暢

    北村暢君 大体、この機械公団事業委託事業というようなものは、全くこの計画性という点については、非常に乏しいのじゃないかというふうに私は判断しておるのです。それは当初の公団目的事業完了後の、根釧並びに上北パイロット事業を終わって以降、事業というものはその日暮し的な事業に追われておる。事業をさがしてやる、こういうことのようで、まことにその能率的な面においては、あまり効果をあげていないのじゃないか。そのために経理内容等についても相当赤字を出しておる。こういうことで、最近これが改善せられつつあるということでございますが、事業そのものについては相当やはり批判を受けている。たとえば農地開発機械公団ではなしに、農地じゃなしに宅地をつくっているなんといううわさすらあるのであります。そういうようなことですから、設立の目的なり何なりということにおいて、非常に無計画的な事業の運営がなされているというふうに聞いているわけなんです。そういう点については、従来どうであったか。  それから、これから草地造成をやる、こういうことのようでございますが、その場合、その施設等についてもこれから行なっていこう、こういうことのようでございますが、実際にこういうようなものをやる場合に、あとのほうにある那須野地区の何か計画が出ているようですが、一体、こういうような大規模草地造成というものが次々と計画的になされていって、事業能力と、それからそれに応じたところの事業量というものが計画的にできていくのかどうか。それと同時に、この機械開発公団が相当高度な技術を持って、また、大型機械を持ってやらなければならないほど、新しい事業対象としての事業公団でなければどうしてもできないというような、そういう高度の技術を要するものなのかどうなのか、この点についてひとつお伺いいたしたいと思います。
  8. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御質問の前段について、まず私からお答えいたします。  公団事業は、御指摘のとおり、上北根釧が終わりまして、やや安定性を欠き、これが過去におきます赤字の問題になり、三十七年の国会で御指摘をいただきました。その後、事業をなるべく円滑に確保するために、公団の毎事業年度におきまして、国営事業のどこの地区公団にやる、県営地区は、県との打ち合わせの上で、これとこれは公団にやらせるという形におきまして、事業年度の開始前に固めてまいるという考え方をとって運営しておりまして、最近におきましては、先生もおっしゃいましたように、事業量確保はほぼ円滑にいっていると考えている次第でございます。公団につきましては畜産局長から。
  9. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) この種の共同利用牧場草地を大規模造成するということにつきましては、提案理由説明もしくは補足説明でも御説明申し上げましたように、今後の大規模車地造成及び利用に関するモデル的な施設をつくろうということでございまして、基準的な面積としては五百町歩三面町歩程度を最低の面積として考えているわけでございます。今後、全国的に約十年間くらいに三十カ所程度つくりたい、こういう考え方でございまして、それだけのものを造成をいたします場合、草地造成造成事業施設、それから経常手段整備、そこまでやりますためには、過去において草地造成についての経験のある事業主体、また、そのための必要な機械を保有する主体、また、全国的に機動し得る主体というものが必要でございまして、そういう観点から考えてまいりますと、現在の農林省関係機構の中では、農地開発機械公団が最も適当であるというふうに判断いたしまして、公団法改正によって機械公団事業にこれを加えたいということで、法律として提案申し上げた次第でございます。
  10. 北村暢

    北村暢君 私は、この提案理由説明によりましても、牧場建設に関する調査並びに計画は、国が都道府県協力を得て行なう。計画は国がつくるわけですね。そうして事業実施公団がやる。そうして、その前の用地取得は、地方公共団体等が行なう。こういうことなんですね。私は、一番むずかしいところは、この公団はほとんど何もやらないのじゃないかと思うのです。先ほどお伺いした、牧場をつくるのに公団が最も適切だと、こう言うのだけれども、五百町歩牧場建設のために、公団がそれほど高度の技術をもってやらなくても、地方公共団体なり何なりが、技術指導によってできるのじゃないか。牧場建設が、そんなにめんどうな仕事なのかどうなのかと思うのです。計画は国がつくってくれる。それから、一番むずかしいのは用地取得です。その用地取得のことはやらないのですね。何もかにもおぜん立てのできたところへいって、簡単な柵をつくったり、サイロをつくったり、そうして牧場そのものをつくる。草地をつくるのですから、開墾的なものをやるでしょうけれども、それほど、公団がやらなければならないほど高度の技術牧場をつくるのに要するのかどうか。そういう疑問があるのです。したがって、先ほど質問したのもそういう意味なんで、ですから、もう少し私は公団が、基本計画方針等は、これは農林省指導があってもいいけれども牧場をつくる計画だのなんだのというのは、事業実施主体計画していいのじゃないかと思うのですよ。それから用地確保というのは非常にめんどうなんですから、これなんかもやはり公団が自主的にやったほうがいいのじゃないか。これは一番めんどうな問題を回避してしまっておるわけですね。そうすると、これは公団自主性なり能率発揮ということが計画どおりにいかないのじゃないかと思うのですね。そういうようなことで私はお伺いしておる。それから、この公団が大体農地造成することがいままでの公団のやることですよね。それですから、その後における経営指導——実際に乳牛を入れたりなんだりしてやる指導というものは、この公団には能力がないんじゃないかと思っているのです。まあ育成事業も若干前にやっているようですけれども経営そのものについてはその能力がないんじゃないかというような感じがするのですがね。実際にそういうようなことで、技術者経営指導のできる、経営管理牧場管理というような、これは経済というものを無視した牧場経営というものはないわけですから、ただ五百町歩牧場をつくって、それで乳牛を入れればそれでいいというものじゃないですね。この牧場がいかに経営として成り立つかということが非常に重要な問題だと思うのです。そういう経営陣というようなものまでの指導ができるような態勢というものがあるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  11. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 大規模共同利用の模範的な牧場をつくりますためには、先ほどお答えいたしましたような意味で、現在の農林省関係機構の中では、この機械公団が最も適当と考えておるのでございますが、土地収得について、困難な問題であるから、この公団にやらせるべきではないかというお話でございますが、土地取得という問題は、農林省としても過去の開拓用地等取得等を通じまして痛惑いたしておりまするところは、要するにこれは現地の問題でございます。したがって、現地的な解決をするということが第一であるということから考えまして、現在の機械公団用地取得に乗り出すということは、むしろ用地取得ということを事実上困難にすることも考えられるわけでございます。それと、いま一つは、この共同利用模範牧場については、主として公有地あるいは国有林等利用を中心に模範的な牧場建設していきたいという考え方でございますので、地元におきます土地取得に関しましては、農林省としてもこれに協力援助をするという考え方地元取得主義をとっておるわけでございます。  それから、事業調査計画は国が行なうということにいたしておりますのは、先ほどもちょっと触れましたように、この共同利用模範牧場というのは、それぞれの地域におきます草地資源開発方式モデル利用方式モデルとして一つの水準に達し得る牧場というものを建設をしたいということでございますので、行政上の目的を伴っております関係上、国の調査計画機能というものが出ていくということが適切であるという考え方でその方式をとっておるのであります。もちろん、この際、機械公団の持っております調査機能等活用すべきものは、調査委託方式等を通じまして活用してまいりたいと考えております。  それから、建設後の牧場経営指導について、どっちにその能力があるか、あるいはその点どう考えておるかという御質問でございますが、建設後の経営指導につきましては、所在の都道府県及び公団協力を得て特別な指導をさせていきたい、また、そのために必要な財政措置等も将来するつもりでございます。公団の側の指導の問題は、主として車地管理に関する点について公団の過去の経験等に基づく指導をしていく。家畜飼養管理に関する問題につきましては、主として府県の指導力にまつべきであろう、かように考えておるのであります。  なお、そういう観点からも、先ほど農地局長お答えをいたしましたように、公団陣容整備につきまして、畜産関係技術者を若干名増員するというようなことでスタートをいたしたいというふうに思っております。
  12. 北村暢

    北村暢君 この資料によりましても、草地造成が最近急速に伸びていることは事実なんですね。したがって、いま説明のありましたように、農事組合法人等のいわゆる協業的な性格を持った生産経営、それからまた地方公共団体共同牧場的な育成事業、こういうふうに二つに分かれているようですけれども、非常に多く地方で要求せられるのは、この育成事業、すなわち共同利用牧場というのは、地域においては非常に要望されているのじゃないかと思うのですがね。たとえばまあ水田酪農をやる場合にしても、農繁期のときには共同牧野で飼育して、そして農閑期には各農家で飼育をするというようなことで、育成関係の期間だけの手間を省く上においての共同牧場、こういうのが各地方では非常に要望されていると思うのです。したがって、これはたいした技術は要らないのじゃないかと思うのですよね。その開墾そのものについてはそうかもしれませんけれどもね。ところが、生産経営というのは、生産面における事業ですね。これが直接経営の問題になるというと、それはなかなか簡単にいかないのじゃないか。経営自体能力を持たないというとできぬ。牧場経営そのもの能力がないというと、簡単にいかないのじゃないか。しかも、これを見ますというと、個人ではもちろんないわけですね。農事組合法人あるいは農業法人、まあこういうことを想定しているようですけれども、これが非常に簡単にいかないのですがね。ということは、農家共同経営ですから、この共同経営組織というのは、私どもこれを主張しておりますけれども、個々の農家がほんとうにこの共同経営精神を理解をし、そうして人間の調和というものが必要なんですね。非常に経営としてはむずかしい経営なんです。ですから、そういう面の指導ということが、私はこの公団ではちょっとできない。先ほど地方公共団体がそういう面の指導もする、こういうことのようですが、なかなか私はそういう面では簡単にいかないんじゃないかというような感じがしているのです。ですからそれはいまやっている地方農政局なんかは農業指導やっておるわけです。構造改善事業もやっているわけです。そういうものとの関連で、地方農政局行政指導面とこの技術指導面というものとの関連はどうなんですか。これはもう全然国で計画立てるというのは農政局でやって、そしてこの指導というものは地方公共団体または事業団、これにまかせる、こういうようなことになるのですか。そこら辺の考え方はどういうふうになっているのかお伺いしたいと思います。
  13. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 日本酪農経常等の実情からいって育成牧場の必要が非常に大きいことは仰せのとおりでございます。搾乳経営等につきまして共同経営という問題にはいろいろむずかしい点があるという点もお話のとおりでございますが、土地基盤共同にいたします酪農共同搾乳経営と、いうものは、私どもとして今後日本一つの山地における酪農のあり方として期待をすべき姿であるというふうに考えておるのでございまして、この共同経営組織化なり、あるいは経営についての指導は主として都道府県指導にゆだねたい。ただお話しのように、農林省地方農政局組織を持っておりますので、地方農政局技術指導経営指導等協力も惜しみなくやるべきであるという点は、私どもも同感でございます。  なお畜産局の助成によります、都道府県畜産課に設置されております畜産コンサルタント団というものがございますので、そういう純技術的な総合指導というものも、こういう新しい方向について重点的な指導をさせるようにいたしてまいりたいというふうに思っております。
  14. 北村暢

    北村暢君 次に、もう時間があれですから、大臣に一、二問お伺いして終わりたいと思いますけれども、この農地開発機械公団に新たなこういう牧場建設並びに育成牧場建設というようなことを担当させて実際やっていこう、それもどちらかというと模範的な牧場をつくっていきたい。こういうことのようでございますが、大体これの事業資金資金量はどのくらいのもので、将来一体どういう構想を持ってやっていかれようとするのか。将来性の問題についてひとつお伺いいたしたいと思います。
  15. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) ただいま予定しておる資金量でございますが、四十年度は三カ所調査、一カ所建設になっております。一カ所約四億円、こういうふうにみております。将来をみての資金計画は百二十億くらいを一みていまして、その半分は国で負担する。こういうような予定を立てております。
  16. 北村暢

    北村暢君 そうしますと、百二十億程度つくれば全国に大体主産地形成と見合って模範的な牧場ができる、こういう計画になっておりますか。
  17. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) いまの考え方は、模範牧場でございますので、お話しのとおりに大体面二十億で模範的な、モデル的な牧場ができる、全国的に、こういうふうに考えております。
  18. 北村暢

    北村暢君 そうするとこの牧場は、先ほど局長の話によるというと、対象土地の問題ですが、国有林その他のようなところを対象考えておるようですが、全国種畜牧場との関係はどうなっておるのか、種畜牧場が実際に営農を含めた育成牧場というような事業も取り入れるというふうに聞いておるのでありますが、私は全国種畜牧場が、やはり地域畜産指導のセンターになるということは非常にいいことだと思っているんです。ところが、従来種畜牧場種畜だけであって、農家経営そのものにはさっぱり貢献をしておらないのであります。したがって、試験場でもなければ普及機関でもない、種畜牧場、しかも膨大な面積を持った種畜牧場が相当あるわけなんです。そういう点からいって、この種畜牧場活用というようなものが私は相当重要な要素を持つのではないかと思うのです。そういうようなものとの関連で、種畜牧場活用というようなことはどういうふうな関連性があるのか、また関連はないのか、そういう点。  それからこの公団目標に置いている、これは計算すればわかるのでしょうけれども、百二十億かで、一カ所五百ヘクタール程度目標に置くというのですから、大体この公団ではどのぐらいの面積牧場建設しようとするのですか、その用地確保ということは、大体見通しというものが計画的にいけるような形になっているのか、どうなのか、この点を、もうすでに調査されて何カ年計画かでできるような形になっているのか、どうなのか、この点。
  19. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お話しのように、この模範牧場というようなものは、土地をどこに求めるかといえば、先ほど畜産局長から御答弁申し上げ、いま御指摘のように、大体国有林地でございます。あるいは公有地一般から土地を求めることは困難だと思います。国有林を主としております。その一カ所の面積はどのくらいかということにつきましては、後ほど局長から御説明申し上げます。  それから種畜牧場活用についてはどうか、こういうことでございますが、これは全くお話しのとおり、私は種畜牧場がいまのままであってはいけないので、さらに草地造成あるいは牧場的なものに活用していく、特に育成等につきましては活用していきたいと思います。現に阿蘇の種畜牧場におきましては相当そういう方面活用できる素地を持っておりまするし、そういう点から考えまして、二カ所ほどは種畜牧場育成牧場として活用していくというめどもつけておりますし、その他におきましても活用を進めていきたい、こう考えております。
  20. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 大臣からお答えになりましたように、約三十カ所程度模範牧場を設置したいと考えておるのでございますが、そのためには、平均、五百町歩車地というふうにいたしますと、全国で約一万五千町歩用地が必要なわけでございますが、私どもが従来車地としての適地調査の予備的な調査をしたもので、全国に約八十万町歩程度草地適地がございますので、それについて毎年大規模草地改良基本調査を取り進めて、おりまして、その中から模範牧場として適当なところ、しかも一地元において熱意のあるところを採択をしてまいるようにしていきたいということでございまして、現在三十カ所、どの地点にどういう規模で設けるというところまでは計画はできておりませんが、毎年のそういう事業の進捗に伴って具体的な個所を決定をしてまいりたい、四十年度は、大臣お答えにありましたように那須の一カ所のほかに、二カ所の具体的な、基本調査でなくて具体的な共同模範牧場適地調査するということにいたしております。
  21. 北村暢

    北村暢君 これで終わりますが、そうしますと、大体この事業団がいまのそういうような草地関係建設事業にはどのくらいの人員を擁して、大体いまの目標でいくというと十年くらいで終わるのではないかと思いますがね。その終わったときのこの公団の将来というものについて一体どのようにお考えになっておるのですか。私は、大体この事業団が、先ほど申しましたように仕事をあさってやらないというとないような状況で、だいぶ苦労したと思うのですよ。したがって、この公団の将来というものは一体どのようにお考えになっていろか。事業が終わったならばやはり八郎潟のように解放をするというようなことになるのですか。そういうような見通しについてひとつはっきりした見通しをお伺いしたい。  これで私の質問終わります。
  22. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 先ほどお答えしましたとおり、公団は八千数百町歩開墾事業等をやっております。この建て売り牧場程度草地造成事業は現存の機械職員でおおむねやれる。したがって、そのために人をふやす必要は全然ない。ただし先生指摘のとおり、家畜を扱いますのでその方面はウイークでございますので、数人の人力を職員として動員する必要がある、かように考えております。したがいまして、この事業先ほど来の事業計画が終わりましても、この牧場事業のために公団職員をどうするかという問題はあまりないと考えております。しかしながら一般論として、機械公団そのものをどうするかということでございます。私ども考えとしては、国営開墾あるいは大規模な圃場整備というものは、現在公団が持っております高性能の機械がやるのに非常に適する事業でございます。この事業そのものは今後とも精力的に伸ばしていきたい、かように考えておりますので、一定の時点で公団事業量がなくなって職員が困る、こういうふうには考える必要はない、かように存じております。
  23. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 一つだけ、これは資料からちょっとお聞きしたいのですがね。公団保有の機械の稼働状況ですね。この基準時間のと、実際の稼働時間というものと非常に格差があって、基準に達していないのだが、機械が基準に達しないということになると、それだけ仕事がなかったということなのか。機械が動かなければ人も要らぬということになるんじゃないかと思うのですが、どうなんですか。
  24. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 高性能の大型の機械を使っておりますので、基準稼働時間にまで実際の稼働時間を極力高めたいと努力はいたしております。ただ、御承知のとおり農業用機械でございまして、農繁期なり何なりに使わなければならない。土建の機械とちょっと違うというウイーク・ポイントといいますか、ここに制約がございます。したがって、そういう制約もございますので、機械公団には政府出資をするとか低利の融資をするとかいたしまして、経費は極力安く、農業なるがゆえに受けます制約を、国の出資なり財政投融資で軽減しつつ負担の問題は高からしめない。と同時に、企業努力としては、できるだけフル稼働ができるような事業量を求める。こういう姿勢で現在事業考えております。
  25. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それはいいんですが、基準と実際との稼働の相違ということはどういうことから出るのかということを聞いている。
  26. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 一定のブルドーザーならば、もし年間フルに働かせるならばこれくらいの基準が望ましいという意味の基準でございます。ところが、農業川の機具が大部分でございますので、農閑期その他に休まざるを得ないというようなために、望ましい基準時間までは十分に稼働せしめ得ないという実態でございます。
  27. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  28. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認めます。よって、質疑は終局いたしました。     —————————————
  29. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次に、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、本案について質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  30. 大河原一次

    大河原一次君 与えられた時間がたくさんございませんので、若干御質問いたします。  この法案全体を内容的に検討いたしましたときに、いわゆる天災融資に対する条件の緩和という面では一歩前進の案であると考えておるわけでありますが、ただ、このような施策をとることによって、決して私は万全だということはできないと思うのです。むしろ利子の引き下げなり、あるいはまた、貸し付け額の増額なり、あるいは償還期限の一年延長というようなそういう面を講ずると同時に、私は、一面にはやはり災害に対する抜本的ということばは天災の場合ですから言えないかもしれませんが、未然にこれを防止するというような対策が今日までいろいろ出先機関等を通じて指導なりそういった面においてとられていると思うのですが、まだまだ私は十分でないものがあるのではないか。このように判断せざるを得ません。ましてや御承知のように本年度は特に気候その他が非常に変動の激しい年であるだけに、冷害が予想されている。特に東北地方におきましては毎年のように冷害、凍霜害、こういう面によって非常に痛めつけられている農家がある。依然としてその被害から完全に立ち直っていないという現状を考えましたときに、一面このような条件の緩和をやると同時に、一面には災害に対するできるだけの予防策を積極的にこれはとらなきゃならぬし、単に行政面やその他の指導という面だけでなくて、これに対する、やはり予防に対する国の助成というものを、そういうものをもっと機械的にかつ大幅に取り上げていくべきではないか。私は、先般東北地方のある農村地帯に入りまして、座談会をもったのですが、もう夜になりますと、こんなにあたたかいのだが、今晩あたりあぶないのじゃないかということで、やれみすをかけろ、あるいはまた油をたかなければならぬという、一家総動員で子供まで動員して予防対策に狂奔している。冷害に対して戦々恐々としている実態を私はまのあたり見てきたのですが、これに対してもっと積極的な対策をひとつとるべきではないかと思いますが、現在どういう施策がとられているか。また同時に、本年のように、いま申し上げたような冷害が予想される、あすにでも凍霜害によっておかされるのではないかという事態におびえておる現状に対して、どのような方策をとられようとしているか。本年度における予防対策の面と、さしあたっての問題についてひとつお聞かせ願いたいと思う。
  31. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) もう御承知のはずでございますが、さしあたっての問題と申し上げる前に、考え方は私も御同感でございますけれども、申し上げたいと思います。いまの天災融資法は、御承知のように災害ができてからのこれに対する手当でございますが、この改正案も、昨年北海道の冷害等ありまして、本委員会等の附帯決議等もありまするので、金利を、三分五厘を三分というふうに去年変えることができませんでしたので、ようやくことし変えたわけでございます。災害に対する根本対策としては、御承知のように冷害等を克服するにつきましては、何としても上質の改良、といいますか、土地改良が一番必要だと思うのです。そういう土地改良が進んでおりますということになりまするならば、災官に対する抵抗力、冷害等における抵抗力等も強くなるわけでございますので、そういう冷害対策としても土地改良等を進めて、あるいは河川の改修、堤防あるいは地すべり地帯における林野、山林の育成あるいは地すべり対策、こういうことを講じておるのでございますが、本年は特に非常な冷害を予想されております。でありますので、いまのお話のように、できてからのことでは困りますので、できない前にその予防をしていかなければならぬ、こういう意味で応急対策等を講ずる必要がありますので、農林省に災害対策本部というものを置きまして、東北農政局、北陸農政局にそれぞれに地方災害対策本部を設けまして、現在までまずどういうことを行なったかということを申し上げたいと思います。  第一は、雪解けが非常におくれておりまして、それで苗代のしつけといいますか、それができないような状態でありましたので、雪解けを促進する対策を講じてきたのであります。  第二には、いま申し上げましたように、苗代が雪に埋もれておってできないので、その苗代を設けたり、あるいは共同前代をつくったり、あるいは特別なところへ苗代を設置するというような時代の対策あるいは水陸稲の品種の対策、冷害に強い品種を選んでそのまきつけ等をする、こういうようなこと。あるいは第四に、水陸稲の病虫害防除対策、前代をつくってみたら、いもちで苗代がとろけてしまうというか、なくなってしまうというようなこともありまして、そういうような関係もありますので、水陸稲の病虫害防除対策あるいはまた凍霜害の対策、それに長期予報の検討会の開催、現地調査及び関係県との打ち合わせ会の開催、手の込んだいろいろな対策ではありますが、北陸農政局、東北農政局、出先機関等と県等と打ち合わせまして、いま申し上げましたような応急的といいましょうか、そういう対策を講じておる次第であります。
  32. 大河原一次

    大河原一次君 いろいろと対策なり指導が行なわれていることは、私も承知しておりますが、具体的に、たとえば農家自身の手によるいわゆる予防措置が講じられておるわけです。もちろん、これには指導の面が入っておると思いますが、ただ、その場合に、単なる県なり、地方出先機関の予防に対する対策等が講じられておるでありましょうが、しかし、予防措置に対する農民自身の、たとえば重油を講入しなければならぬとか、あるいはその他いろいろな予防のための施設等が農民自身の手によって、負担によって行なわれているのですが、こういう面に対する当局の何といいますか、援護措置といいますか、助成措置というものが具体的にはどのようにとられておるか、それをお聞かせ願いたい。
  33. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) お話しの点につきましては、特に四月の中旬以降、府県当局を中心に活動を開始しています。特に問題の深そうな、大きそうな地域につきまして、県の係官を派遣してそこに張りつける、あるいは県の専門技術員をそこに長期滞在させる、さらに普及員も重点的に配置するというようなことで、総合的に指導に漏れのないように配慮をいたしております。それの指導に基づきまして重油の手配なり、苗代づくりの手配、さらに農薬の手配等もいたしております。なお、地方でいたしておるだけでは済まない点につきましては、地方農政局を通じまして要望を取りまとめて、農林省でそれぞれの手配をいたすという手だてを現在なお継続いたしてやっております。
  34. 大河原一次

    大河原一次君 私が質問申し上げているのは、そういう手当なり、施策がとられておることはよくわかりますし、出先機関のほうからも聞いておりますが、ただ、その指導に基づいて農家自身がいろいろの切除策を凍霜害に対しては当然措置をしなきゃならぬ、冷害に対しては当然措置をしなきゃならぬということで、そのために要する、たとえばさきに申し上げました具体的には油を買っておかなくちゃならぬとか、あるいはまた石灰をまかなくちゃならぬとか、その他労働力の面においていろいろと農民の負担となるべきものがあるわけですが、そういったものは別個に何か措置する必要があるのではないかというふうに考えるがゆえにお尋ねしたわけです。その点はどうなっておりますか。
  35. 中西一郎

    政府委員(中西一郎君) 失礼いたしました。それらの点については、主として消耗剤、農薬あるいは重油その他消耗剤については、これはかねてからいろいろ検討いたしましたが、まことに補助の対象にするのは非常に困難であるということで、これは市町村等が措置いたしました場合に、特別交付税で措置する以外に道はないということで、具体的な方策は補助金としては考えておりません。で、ただ、委託苗代等について費用のかかります分、あるいは苗の輸送について費用のかかるという点については累計をいたしておりますけれども、累計いたしましたところで補助金を要求をいたしたい、かように思っております。
  36. 大河原一次

    大河原一次君 今日まで各種災害のあるたびごとにいろいろと施策が講ぜられてまいりましたけれども、たとえば、ことしはこういう被害にあったから、これに対しては今度は利子の五厘引き下げを行なうとか、あるいはまた、貸し付け限度額を幾らふやすとか、償還期間を一年延ばすとか、いままで相当いろいろな方策がとられてきたと思うのですがね。しかし、ほとんど毎年といってもいいくらいに、そういう災害に直面してきているわけです。そのつどいろいろなそういう、まあ私は抜本的なということを言いたいのだが、今日までどちらかといえばみみっちい、そういう施策がそのつどとられてきたと思うのですが、今後ともやはりいろいろな風水害その他の災害にあうということを予想しなきゃなりませんし、ですからそういうことを予想して、毎年のように予想しなきゃならぬ問題に対して、こそくなといっては失礼ですけれども、こそくな、わずかの施策をそのつど取り上げて、これが天災融資法の一部改正であるとか、何々の暫定措置だというような暫定措置が今日まで積み重ねられてきたと思うのですが、今後もそういうような天災に対して、積み重ね方式によって暫定措置をとることによって、天災に対する措置は十分であるかどうかということに対して、私は必ずしもそうではない、やはり天災、災害に対してはもっと抜本的な方策がとられて、このような災害に対してはこのような手当が即座に法の発動によって取り上げられて、被害農民に対して即座に、それが天災のための手当として農民のほうに渡るような、そういうような抜本的な方策が考えられていいのではないかと、こういうように考えておるんですが、どうなんですか、その点は。ひとつ大臣からお聞かせ願いたい。
  37. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 確かにこう薬ばかりであとからあとからやっているのは当を得ていないと思います。そういう意味におきまして、先ほども申し上げましたように、東北などにおきましても、かつては毎年、毎年冷害があったわけでございます。しかし、相当土地改良等も進み、あるいは品種の改良等も進み、あるいはまた作付経営の時期等を早め、刈り取りの時期を早める、こういうようなことで、最近におきましては東北地方の冷害などが非常に少なくなってきている。北海道におきまして去年相当の冷害がありました。こういうような抜本的な対策とか、あるいはまた、河川の改修等による水害を防ぐとか、あるいは国有林一般の林野につきましての地すべりの防止、とか、あるいは植林、造林によりましての水の調整をはかるとか、まあこういうことがやっぱり根本的に必要だろうと、こう思いまして、それぞれ対策を講じてきておりますので、相当程度は冷害等もまあ免れるようにはなってきております。しかし、ことしならことしに対応して即座にもっと抜本的と、こう御指摘いただきましても、まあ抜本的ということは、ことし限りの抜本的ということはなかなか困難でありますので、まあ即効的といいますか、即応的に、いま申し上げたような対策を講じてみると、こういうことでございます。しかし、何といたしましても地盤の整備とか、その他によりまして、あるいは品種の改良等もありましょう。そういうことにいたしまして冷害をほんとうになくしていきたい。北方農業といいますか、北のほうの農業等も世界的には確立しておるんでございますが、日本におきましてもそういう方面の農業の確立ということになお一そう力をいたしたいと、こう思っております。
  38. 大河原一次

    大河原一次君 ちょっと内容に触れてお聞きしたいんですが、第一点の、政令で定める営農資金について、特別の貸し付け限度額を設けているようでありますが、これは五十万の特別貸し付け限度額ですが、これの貸し付け額を受けられる対象となる経営というものはどの程度経営考えておられますか。
  39. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 政令で定めます資金といたしましては、果樹、畜産の主業者に対しまして貸し付けられる資金と、水産関係におきましては水産養殖に必要な資金を政令で定める、水産では水産養殖に必要な資金を政令では予定をいたしているわけであります。
  40. 大河原一次

    大河原一次君 水産の問題が出たから、この前もちょっと漁港の問題でお聞きしたんですが、養殖というと、やはり一極漁港、二極漁港等の場合において国の補助負担がなされておるわけですといいますか、委員会提出というような形で提案をすることが、立法当時のいきさつからいって、まあ何といいますか、すなおな行き方だ、別に政府がこれを拒否しているわけではございませんが、政府も了解の上でそういう立法をされたほうが、前の母法の立法のいきさつからいってすなおではないか、こういうふうに考えた次第でございます。
  41. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それでは少し事務的にわたってお伺いをしますが、これらの五つの法律によって立てられた農業振興計画、その振興計画に対して、事業のただいままでの実施されてきた状況は、どの程度の進捗率を示しているか、逆に申しますと、いまだ計画に達し得ざる残事業分量というものはどういうふうになっていますか。この点を事務的にお答えを願いたいと思います。
  42. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) これらの法律が前回延長されましたのが、積寒は三十六年、その他の四法は三十七年度から延長されて、新しい計画事業実施してまいったわけでございます。四十年度の予算の予定までを含めまして、一応当時できました振興計画に基きます一つの基盤整備事業の進度でございますが、国費面で申しますと、五法でおのおの若干ずつ差がございますが、積雪寒冷地帯の特殊立法と海津砂地、これらにつきましてはおおむね国費ベースで八割程度の進度を見ております。それから他の三つの法律につきましてはそれぞれ五割強、あるいは湿田単作はやや進度がおくれておりまして、三割ちょっとをこえたという程度の進度でございます。
  43. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 ただいま伺いましたところによりますと、たとえば湿田のごときはまだ計画に対して三割しか進んでいない。残事業量が七割も残っている。非常にこれは計画に対しての進捗の度合いが低過ぎると思うのであります。第一次から第三次にわたる計画の推移を見ましても、予算の確保なり事業実施に対するかまえ方というものは、はなはだどうも、これは議員立法であるからと、私は勘ぐりたくはないのでありますが、非常にどうも、政府のこの計画自体も問題がありますけれども、一応計画が好ましいものと前提を置きましても、その計画の進捗自体がかくのごとき状態というものは、冒頭に大臣が御答弁になったその腹とは必ずしも——この予算の確保事業の進捗に対する政府のかまえ方が十分ではない。むしろきわめて不十分な点が多いのではないかということを、ただいまの実際の残事業量の四十年度までを含めた御報告によってこれを指摘せざるを得ないのであります。そこで私、冒頭に、これを議員提案としたその理由なり背景というものを大臣からお伺いをいたしたのであります。大臣も答弁で触れましたように、この五つの法律のほかに、なおいろいろ類似の地域開発の農業関係法律もあるわけであります。あるいは離島なり山間僻地の問題なりあるわけでありますが、これらの類似の法律等を総合的にこれを押し進めるというような御意思が政府にはないのか。また、ただいまは時限法でこれがそれぞれの五つの法律に分かれておりますが、少なくともこの五つの現行法というものを法制的にもこれを一体化して、より強力に総合的に財政の確保等をはかって進める、こういう方向というものは当然期待してしかるべき方向だと思うのでありますが、大臣の御所見はいかがでありましょうか。
  44. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 議員立法であるから粗末にするという気持ち、扱いはいたしておりませんけれども、御指摘のように進捗率等が非常に鈍いものがございます。湿田単作等は、これは他の土地改良の予算等が相当多いので、その方面に吸収されておる面もありまして、湿単の問題等につきましての進捗率は非常に残念ながら鈍い、こういうふうに私も承知いたします。そういうことでございますけれども、これは御承知のように、それぞれの法律によって審議会等もつくられておりまして、審議会の意見等も聞いてやっておるのでございますが、残念ながら法律のほんとうの目的にはまだ沿わない面もあると思います。そこで、こういう面を総合的に整理して、もっと力をいたすようにしたらどうかという御指摘かと思います。私は提案者とも相談いたしたのでございますが、今度二カ年の延長ということでございます。この二カ年間の延長の間にはもう、少しマンネリズムになっているこの法律等を検討を加え、また、施策等も考え直してみる必要があるのじゃないか、こういうふうに考えております。でありますから、御趣旨のようなことにつきましては研究させてみたいと、こう思います。
  45. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それでは、この提案の内容をなすところの二カ年の期限延長は時限法で、これを今度の国会で取り上げなければ廃案になるうき目にありますから、それをまず延ばして、その間に私が申し上げたような点をひとつ十分織り込んで期待のできるような、佐藤内閣が表看板に大きく掲げておるような社会開発の命題にふさわしい内容を盛って相まみえる、そのために二カ年間の延長が必要である、こういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。
  46. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) 期限がきましたので延長ということでございますけれども、私の気持ちにおきましては、この二年間の延長の期間に、御趣旨のような気持ちでこれを深く掘り下げて、なお前進させるようなことにいたしたい、こういうふうに思っております。
  47. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認めます。よって、質疑は終了しました。  七時半まで休憩いたします。    午後六時三十六分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕