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1965-05-18 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十八日(火曜日)    午後一時四十一分開会     —————————————    委員異動  五月十四日     辞任         補欠選任      山崎  斉君     太田 正孝君      田中 啓一君     村松 久義君  五月十七日     辞任         補欠選任      村松 久義君     山崎  斉君      太田 正孝君     田中 啓一君  五月十八日     辞任         補欠選任      北條 雋八君     柏原 ヤス君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君     委 員                 青田源太郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 堀本 宜実君                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 石田 次男君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    衆議院議員        農林水産委員長        代理理事     谷垣 專一君        発  議  者  芳賀  貢君        発  議  者  兒玉 末男君        発  議  者  東海林 稔君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林大臣官房長  中西 一郎君        農林省農林経済        局長       久宗  高君        農林省農地局長  丹羽雅次郎君        農林省畜産局長  桧垣徳太郎君        食糧庁長官    齋藤  誠君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君    説明員        食糧庁業務第二        部長       岡田 覚夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○農地管理事業団法案内閣提出衆議院送付) ○酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案内閣  提出衆議院送付) ○砂糖価格安定等に関する法律案内閣提出、  衆議院送付) ○沖繩産糖政府買入れに関する特別措置法の一  部を改正する法律内閣提出衆議院送付) ○牛乳法案衆議院送付予備審査) ○甘味資源生産振興及び砂糖類管理に関す  る法律案衆議院送付予備審査) ○学校給食の用に供する牛乳供給等に関する特  別措置法案衆議院送付予備審査) ○八郎潟新農村建設事業団法案内閣提出衆議  院送付) ○開拓融資保証法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改  正する法律案衆議院提出) ○天災による被害農林漁業者等に対する資金の融  通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措  置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議  院送付) ○継続調査要求に関する件     —————————————
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  まず、委員異動について御報告いたします。  四月十四日付をもって、委員山崎斉君、田中啓一君が辞任され、その補欠として太田正孝君、村松久義君が委員に選任されました。  四月十七日付をもって、委員村松久義君、太田正孝君が辞任され、その補欠として山崎斉君、田中啓一君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 仲原善一

    委員長仲原善一君) つきましては、この際、委員長は、先例に従い、理事山崎君及び田中君を指名いたします。     —————————————
  4. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 農地管理事業団法案議題といたします。まず、提案理由説明補足説明並びに提出資料について説明を聴取することにいたします。谷口政務次官
  5. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 農地管理事業団法案につきまして、その提案理由及びおもな内容を御説明申し上げます。  農業と他産業との間の生産性格差及び従事者生活水準格差を是正することは、農業基本法に掲げられたわが国農政基本的目標でありますが、必ずしもその是正が進みつつあるとは言いがたい状況にあり、他方、開放経済体制の下において生産性の高い農業経営育成が急務となっているのであります。  このような農業を取り巻く内外の状勢に対応し、他産業従事者に劣らない所得をあげ得るような農業経営育成するためには、自立経営育成及び協業の助長に関する諸施策を強化し、特に、自立経営を指向して農業経営改善しようとする農家及びこれに準ずる効率的な協業経営農地取得促進することが肝要と考えられるのであります。  しかるに、近年における経営耕地規模別農家戸数推移を見ますと、経営規模の大きい農家増加傾向は微弱でありまして、また、農地についての権利移動は、現在年間七万町歩程度に達し、農業就業人口減少等を契機として増加を続けておりますが、その内容においては、必ずしも経営規模拡大方向に沿って移動が行なわれているとは言いがたいのであります。  そこで、以上のような情勢に対処し、農業生活の本拠を置き、農業によって自立しようとする農家生産性の高い農業経営の基礎を確立し得るよう農業経営規模拡大促進するためには、これらの農地移動をそのまま放置することなく、このような農家経営規模拡大に役立つように方向づけを行なうことが必要であり、このため農地取得あっせん売買その他農地移動円滑化に必要な業務を行なう公的機関設立する必要があるのであります。  このような観点から、農地等権利取得農業経営規模拡大等農地保有合理化に資するよう適正円滑に行なわれることを促進するために必要な業務を行なう機関として、農地管理事業団設立することとしたものでありまして、この法律案は、農地管理事業団組織業務財務等に関し所要事項を定めたものであります。  以上がこの法律案提案する理由でありますが、以下法律案の主な内容について御説明申し上げます。  第一に、農地管理事業団組織等につきましては、全額政府出資法人とし、当初の資本金を一億円とし、政府は必要に応じ追加出資をすることができることとしておりますほか、役員定数任免等につき所要規定を設けております。  第二に、事業団業務に関する規定であります。  まず、業務範囲につきましては、農地採草放牧地及びこれらの土地付帯施設について、売買または交換のあっせん取得に必要な資金貸し付け、これらの買い入れ、交換及び売渡し、これらの借り受け及び貸し付け並びに信託引き受け業務を行なうこととしております。  次に、事業団は、農林大臣の指定した業務実施地域内にある農地等について業務を行なうものとしておりまして、この業務実施地域は、都道府県知事関係市町村協議の上申し出た場合、土地農業上の利用高度化をはかることが相当と認められる農業地域農業構造改善をはかるため農地等権利取得を適正円滑にすることが特に必要な地域を指定することこととしております。  次に、事業団業務執行方針につきましては、自立経営になることを目標として農業経営改善しようとする農家及びこれに準じて農業経営改善をしようとする農業生産法人農地等取得促進するように業務を行なわなければならないものとしております。  以上のほか、事業団業務運営方法につきましては、貸し付け金及び売り渡し対価償還条件は、年利三分償還期間三十年以内の年賦償還とし、一定の場合における一時償還及び償還猶予に関する規定を設け、また農地等を売り渡す場合は一定基準により買い戻しの特約をつけ、売り渡し農地耕作をやめた等の場合には買い戻しを行なうこととしたほか、農地等信託引き受けについての信託法特例金融機関及び地方公共団体に対する業務委託等に関する規定を設けております。  第三に、事業団財務及び会計につきまして、予算事業計画等についての農林大臣認可借り入れ金交付金交付等について所要規定を設け、また、事業団は、農林大臣監督することとし、監督命令報告及び検査に関する規定を置いております。  その他の規定といたしましては、まず、事業団は、業務実施地域内の農地等所有者がその農地等所有権を移転し、または賃借権等を設定しようとするときは、あらかじめ通知を受けるものとし、自立経営になることを目標として経営改善をしようとする農家等にその農地等を譲り渡すようあっせんをし、または事業団がこれを買い入れる等の申し出をするものとしております。  次に、税制上の特例といたしまして、事業団農地等を譲り渡した者については、租税特別措置法の定めるところにより、譲渡所得についての所得税軽減することとし、また、事業団あっせん融資事業団からの売り渡し等により農地等取得した者等に対する登録税及び不動産取得税軽減することとしております。  また、事業団業務関連して農地法特例を設けることとしておりまして、事業団買い入れ売り渡し及び借り受け貸し付けについては許可を不要とし、事業団農地等を借り受け、これを貸し付けた場合について、小作地所有制限を適用せず、更新拒否等について許可を不要とする等の措置を講ずることとしております。  以上のほか、附則におきまして、事業団設立に関し必要な手続規定を設けております。  なお、本法律案提出関連して必要となる予算措置等につきましては、昭和四十年度予算におきまして、事業団に対する出資金一億円及び交付金等三億円を予定するとともに、昭和四十年度において事業団資金運用部から二十億円の借り入れを行なうことを予定しております。  以上がこの法律案提案理由及びおもな内容であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  6. 仲原善一

  7. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) お手元冊子で別刷りの補足説明の印刷物がございます。それに補足して御説明申し上げます。  農地管理事業団法案提案理由はただいま御説明いたしましたとおりでありまして、これを若干補足して御説明いたしますと、まず、農地管理事業団目的につきましては、第一条において、農地等にかかる権利取得農業経営規模拡大その他農地保有合理化に資するよう適正円滑に行なわれることを促進するため、その促進に必要な業務を行なうことにより農業構造改善に寄与することを目的とする旨規定しております。  次に、農地管理事業団組織等につきましては、提案理由説明に述べました資本金のほか、第二章において、役員定数理事長一人、理事三人以内、監事一人とし、理事長及び監事農林大臣が任命し、理事理事長農林大臣認可を受けて任命することとし、いずれも任期は三年とし、役員の職務及び権限、欠格条項解任等に関する規定を設けております。  次に、第三章は業務に関する規定でありまして、第二十条の業務範囲提案理由説明で述べましたとおりで、なお、農地または採草放牧地定義は、第二条により農地法定義と同じとしておりますほか、第二十条第二項におきまして、附帯施設については農地または採草放牧地について業務を行なう場合にこれとあわせて業務を行なうこととしております。  第二十一条から第二十五条までは業務実施地域に関する規定でありまして、第二十二条では、業務実施地域は、都道府県知事関係市町村協議し、都道府県農業会議の意見を聞いて申し出た場合に、国土資源の総合的な利用の見地からみて、その区域内における土地農業上の利用高度化をはかることが相当と認められる農業地域で、農地保有合理化等農業構造改善をはかるため、その区域内の農地等についての権利取得を適正円滑にすることが特に必要と認められる地域について指定する旨規定しておりますほか、業務実施地域区域変更等について規定しております。  第二十六条は業務執行方針を定めたものでありまして、提案理由説明で御説明したとおりであります。  次に、第二十七条から第二十九条までが貸し付け金償還条件、第三十条が農地等売り渡し対価支払い条件に関する規定でありまして、実質的におおむね同一の内容を定めており、年利三分償還期間三十年以内の元利均等年賦償還によるものとし、借り受け人は繰り上げ償還をすることができることとするほか、貸し付け金により取得した農地等または売り渡しを受けた農地等耕作をやめた場合、一定限度以上経営規模を縮小した場合等の事由に該当する場合は、事業団は一応償還の請求をすることができるものとし、また、災害その他やむを得ない理由がある場合は償還猶予をすることができることとしております。  第三十一条は、買い戻し権に関する規定でありまして、事業団は、農地等を売り渡す場合は、一定基準により買い戻しの特約をつけなければならないものとし、右の一時償還とほぼ同様な事由がある場合に買い戻しをすることとしております。  以上のほか、事業団業務運営につきましては、第三十二条から第三十五条までにおいて事業団信託業務に関する信託法特例を設け、第三十六条で金融機関及び地方公共団体に対する業務委託について、第三十七条で業務方法書について規定しております。  第四章は、事業団財務及び会計に関する規定でありまして、第三十九条において事業計画予算及び資金計画について農林大臣認可を受けなければならないものとしているほか、第四十条以下において、財務諸表の承認、損益の処理方法借り入れ金及び債券の発行、政府交付金余裕金運用方法等について定めております。  第五章は監督に関する規定でありまして、農林大臣による監督上必要な命令並びに報告及び検査について定めております。  第六章は雑則でありますが、第五十二条は事業団農地または採草放牧地売り渡した個人についての所得税軽減に関する規定、第五十四条は事業団に対する農地または採草放牧地権利移動通知等に関する規定でありまして、いずれも提案理由説明に述べられたとおりであります。  第七章は罰則であります。  附則におきましては、第二条から第五条までが事業団設立手続、第六条から第八条までが経過規定でありまして、第九条が農地管理事業団業務関連して、提案理由で御説明しました農地法特例を設けるための農地法の一部を改正する規定、第十一条から第十六条までが、事業団についての所要免税措置と、事業団あっせん融資売り渡し等により農地を収得した者についての登録税及び不動産取得税軽減措置を講ずるための各種税法改正であります。  以上をもちまして農地管理事業団法案についての補足説明を終わります。  引き続きまして資料を……。  お手元にお配りいたしました資料といたしまして、法案その他を取りまとめまして、農地管理事業団法案関係資料といった冊子がございます。それから、横刷りの、農地管理事業団法案関係参考統計資料というのがございます。この内容は、目次でごらんいただきますとおわかりのように、耕地に関します諸統計、それから、農家に関します経営耕地規模別の諸統計、それから人口推移に関します諸統計、それから、念のため御参考に、国際比較、その次に、農地移動実績、それから、農業生産法人農地信託実績農地価格に関します不動産研究所調査、それから、農地等取得資金自作農維持資金に関しまする資料を御参考に、参考統計資料として。最後に薄い冊子で、農地管理事業団業務による農地保有合理化促進対策実施要領案の骨子。本事業内容につきましては、法案だけではおわかりにくい点もあると存じまして、この全体の動かし方につきまして、趣旨、基本方針業務実施地域の選び方、価格の評価のしかた、農地管理方針の策定に関します考え方等及び市町村農地管理協議会を設けます考えでございますので、その組織考え方等につきまして整理をいたしまして、御参考に添付いたしております。  以上で終わります。     —————————————
  8. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次いで、酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提案理由説明補足説明並びに提出資料について説明を聴取することにいたします。  なお、本案については、衆議院修正が行なわれましたが、その修正点については、前例に従い、便宜、政府当局からこの際、説明を聴取することにします。谷口政務次官
  9. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。  近年におけるわが国酪農発展は、まことに目ざましいものがありますが、近時わが国経済高度成長開放経済体制の進展、農業全体の構造変化等酪農を取り巻く諸情勢は急速な変化を示しつつあります。また、酪農自体としても、その経営規模は漸次拡大しつつあるとはいえ、なお一般に零細であり、飼料自給度も低く、全体として生産性収益性は低い状態にあります。  また、生乳流通加工面におきましても、生乳取引の公正と安定の確保集乳路線の整備、乳業の合理化等数多くの解決しなければならない問題をかかえている状況であります。  さらに、最近におきましては、生乳生産量伸び率が鈍化しており、今後予想される牛乳乳製品需要増大を考慮するとき、これからの需給の逼迫が懸念されております。  これらの情勢にかんがみ、(1)今後とも増大が予想される需要に対応して可能な限り生乳国内自給をはかるよう生産拡大につとめること、(2)乳牛飼養規模拡大等を通じて酪農経営生産性の向上を促進すること、(3)牛乳乳製品生産加工及び流通を通ずる合理化を推進することを施策基本方針とし、またこれが実施に当たっては、輸入に依存することが困難であり、また生産者にとっても相対的に有利な飲用乳の比率を囲めるよう配慮してまいるべきものと考えております。  この基本方針を具体化する方途の重要な一環として、生産及び流通を一体とした酪農近代化計画的、効率的に行なうための措置生乳取引の安定に関する制度を整備するための措置国内産牛乳学校給食計画的実施をはかるための措置地方公共団体等が管即する土地について大規模草地造成事業を推進するための措置等を講ずることとし、ここにこの法律案提出した次第であります。  以下この法律案内容につきまして御説明申し上げます。  まず、酪農振興法の一部改正について申し上げます。  その第一は、酪農近代化計画等に関する制度の新設であります。生乳供給の安定的な増大適地適産による近代的な酪農経営育成及び集乳等合理化計画的、かつ、効率的に推進して行くため、国がこれらに関し酪農近代化基本方針を定め、これに即して都道府県及び市町村酪農近代化計画を定め、これらの計画に基づいて今後酪農に関する各種施策重点的実施をはかろうとするものであります。  第二は、現行集約酪農地域制度につきまして、最近における酪農情勢変化に対処し、酪農近代化計画制度との有機的な関連を考慮しつつ、生乳濃密生産団地としての性格を明確にし、指定基準等所要改正を加えたことであります。  第三は、生乳等取引に関する紛争の適正かつ迅速な解決に資するため、契約の更新に関する規定を整備するとともに、紛争の当事者の出頭義務に関する規定を設けたことであります。  第四は、国内産牛乳学校給食に関する規定を整備したことであります。国内産牛乳学校給食への供給事業は、酪農振興をはかるためにも、児童、生徒等の心身の健全な発達に資するためにもきわめて重要な対策でありますが、今後学校給食への供給量を逐年計画的に増大させる方針のもとに、酪農近代化基本方針に即して学校給食供給目標を策定し、かつ、毎年度学校給食供給計画数量を定めることとし、さらにその供給円滑化するための援助措置に関する規定を設けました。  次に、土地改良法の一部改正について申し上げます。  草地改良事業につきましては、かねてその計画的推進をはかってきておりますが、昭和四十年度におきましては、さきに国会に提出いたしました農地開発機械公団法の一部改正案により共同利用模範牧場設置事業を進めるとともに、新たに公有地等における国営草地改良事業実施することといたしております。  これに伴い、土地改良法の一部を改正し、地方公共団体等が使用収益している土地につき、当該団体等の申請に基づき、国営または都道府県営農用地造成事業を行なうことができる旨の規定を設けることといたしました。  以上が、この法律案提案する理由及びその主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  10. 仲原善一

  11. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。  この法律案提案する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、ここでは省略することといたし、以下この法律案の主要な内容を御説明申し上げます。  まず酪農振興法の一部改正について申し上げますと、第一に、酪農近代化計画等に関する制度を新たに設けることとしたことであります。  すなわち、生産から流通に至る酪農近代化を国及び地方公共団体の協調のもとに計画的、効率的に進めていくため、まず、農林大臣が、その重要事項に関して今後の向こうべき方向を明らかにした酪農近代化基本方針を示し、次いで、この基本方針に即して、都道府県知事が、その区域における酪農近代化をはかるための基本的な事項についての計画を作成し、さらに、この都道府県計画に即して、酪農の合理的な発展をはかるにふさわしい条件を備えた市町村の長が、その区域における酪農近代化をはかるための具体的な措置についての計画を作成することができることといたしました。同時に、これによる酪農関連施策一貫性確保とその重点的、総合的な運用を達成するため、必要な関連規定を整備することといたしました。  なお、従来の酪農経営改善計画に関する制度につきましては、これを市町村酪農近代化計画制度発展的に吸収することといたしました。  第二に、現行集約酪農地域制度につきまして、所要規定を整備することといたしました。  今日、わが国乳製品国際競争力の強化及び大消費地に対する市乳の円滑な供給を期するため、集約酪農地域制度を有効に活用することがますます重要となってきております。  そこで、今回の改正におきましては、まず、集約酪農地域生乳濃密生産団地としての性格を法文上明確にいたしました。また、近代的な酪農経営群育成を通じてこの濃密生産団地を形成してゆく必要があるという考えにたって、集約酪農地域指定基準を改めるとともに、酪農近代化計画制度との有機的な関連を考慮しつつ、集約酪農地域振興計画計画事項及びその具備すべき要件に関する規定を整備することといたしました。  なお、集約酪農地域における草地改良事業の手続に関する規定は、後に申し上げます土地改良法関連規定の強化に伴いまして、国および都道府県が、集約酪農地域における草地の造成等の事業の推進に努めるべき旨の規定に改めることといたしました。  第三に、生乳等取引に関する規定の整備をはかることとしたことであります。  すなわち、まず、生乳等取引契約の継続性にかんがみ、契約当事者がその存続期間の満了の一定期間前までに別段の意思表示をしないときは、当該契約が一カ月間延長される旨の規定を設け、契約関係の明確化と契約の更新に伴う紛争の円滑な解決をはかることといたしました。  また、生乳等取引契約にかかる紛争の調停に関しまして、過去における調停の経過に徴し、さらには労働関係、建設工事関係の紛争にかかる調停手続の規定をも参考といたしまして、紛争関係者の出頭義務に関する規定を設け、紛争の適正かつ迅速な解決に資することといたした次第であります。  第四に、国内産牛乳学校給食に関する規定を整備することとしたことであります。  すなわち、牛乳学校給食への供給事業の重要性にかんがみ、今後、その計画的な増大を目途として、農林大臣が、文部大臣と協議の上、学校給食供給目標を定め公表するとともに、この学校給食供給目標に即して、毎年度、学校給食供給計画数量を定めることとし、さらに、その供給円滑化をはかるための援助措置に関する規定を設け、国内産牛乳学校給食制度的に広範かつ円滑に実施することとした次第であります。  次に、土地改良法の一部改正について御説明申し上げますと、国営または都道府県営による草地改良事業に関する規定を整備することとしたことであります。  公有地等における草地の共同利用、乳牛集団育成等を目的とする大規模草地改良事業についての法制を整備し、これが促進をはかるため、地方公共団体等が使用し収益する権利を有し、かつ、土地改良法第三条に規定する資格を有する土地につき、これらの者の申請により国営または都道府県営による農用地造成事業を行なうことができることとし、その申請手続、適否の決定、土地改良事業計画の策定、計画変更等規定につき所要改正をすることといたしました。  以上をもってこの法律案提案理由補足説明といたします。  なお、委員長からの御質問もございまして、本法案に対する衆議院審議の過程におきまして、一部の修正が行なわれました点を御説明申し上げます。  修正内容といたしましては、酪農振興法第一条の目的改正規定中、「酪農の健全な発達を促進し」とあるのを、「酪農の健全な発達及び農業経営の安定を図り」に改める点であります。酪農振興法農業経営の安定をも意図するものであるという趣旨であることを明らかにされた次第であります。  引き続きまして、資料の御説明を申し上げます。  資料は二部、二種類御配付を申し上げておりまして、一つは酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法律案関係資料でございまして、今回の法律改正に関係します法律案、それからこれに対する法律案提案理由補足説明、それから法案要綱、それから新旧の法律を対照して見やすいようにいたしますための表、それからこの改正に関係いたします法律案の参照条文を収録いたしたものでありまして、内容については省略さしていただきます。  それからいま一つの資料は、横書きの、酪農振興法及び土地改良法の一部を改正する法律案参考資料でございまして、かなり分厚いものでございますので、資料の大要と趣旨を御説明いたします。  第一ページからは、酪農関係一般に関しまする各種のデータをそろえまして、二五ページまで資料を出しているわけであります。これは、今回の酪農振興法改正に関係しますバック・データとしての農業全般、あるいは畜産というものの農業の中における地位、あるいは家畜飼養の動向、あるいはそれに関係します飼料の最近におきます動向、生乳生産に関します動向、あるいは生乳価格に関します動向、牛乳や乳製品の処理、加工いたします工場数等の動向、その他牛乳、乳製品に関しまする消費に関する資料等が第一の部分に当たるわけであります。  第二番目の部分は、酪農振興法の一部改正に直接関係いたします資料でございまして、一つは、集約酪農地域の概要に関する各種のデータでございます。  それから二番目は、酪農経営改善計画市町村に関する概要を知るための質料でございます。  第三番目は、酪農振興法の中に扱っております生乳取引に関しまして、その生乳取引が現在までいかに扱われてきたかということの概要を示した資料でございます。  第四番目は、学校給食に関する概要でございまして、いままでどういう供給事業をやってきたか、あるいはその価格はどういう価格水準であったか、また、一般的に都道府県別に小、中学校に分けて、学校給食実施は学校単位にどうであるか、あるいは実施状況についてどうであるかという資料提出いたしているわけであります。  大きな第三番目は、土地改良法の一部改正に関する資料でございまして、家畜の動向に応じた飼料需給の実績及び将来の見通し、計画等を、審議の御参考のために提出している次第であります。  なお最後に、この飼料関係に関する農林省の予算推移及び四十年度の飼料関係予算の概要を御参考提出をいたしております。  以上で提出いたしました資料の概要の御説明を終わります。     —————————————
  12. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 続いて、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案議題とし、本案について提案理由説明補足説明並びに提出資料説明を聴取することにいたします。  なお、本法案について、衆議院修正が行なわれましたが、その修正点については、前例に従い、便宜政府当局からの御説明を受けることにいたします。谷口政務次官
  13. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案について、その提案理由を御説明します。  近年におけるわが国酪農発展はまことにめざましいものがありますが、わが国経済高度成長開放経済体制の進展、農業全体の構造変化等酪農をとりまく諸情勢は急速な変化を示しつつあります。  また、酪農自体としても、その経営規模は漸次拡大しつつあるとはいえ、なお、一般に零細であり、飼料自給度も低く、全体として、生産性収益性は低い状態にあります。  また、生乳流通加工面におきましても、生乳取引の公正と安定の確保集乳路線の整備、乳業の合理化等数多くの解決しなければならない問題をかかえている状況にあります。さらに、最近におきましては、生乳生産量伸び率が鈍化しており、今後予想される牛乳乳製品需要増大を考慮するとき、これからの需給の逼迫が懸念されております。  これらの諸情勢にかんがみ、一、今後とも増大が予想される需要に対応して可能な限り生乳国内自給をはかるよう生産の安定的拡大につとめること。二、乳牛飼養規模拡大等を通じて酪農経営生産性の向上を促進すること。三、牛乳乳製品の需給の安定並びにその処理、加工流通を通ずる合理化を推進することを施策基本方針としております。また、これが実施にあたっては、需要の急速な増大が予測され、同時に、生産者にとっても相対的に有利な飲用乳の比率を高めるよう配慮してまいるべきものと考えております。  以上の基本方針を具体化する施策の一環として、生乳生産者に対する加工原料乳についての補給金の交付の措置、主要な乳製品について畜産振興事業団が行なう一元的輸入による需給安定の措置並びに同事業団が行なう乳製品の買い入れ売り渡しに関する業務改善整備するための措置を暫定的に講ずることとし、ここに、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案提出した次第であります。  以下この法律案内容につきまして御説明いたします。  その第一は、加工原料乳生産者に対する補給金の交付の措置であります。留産振興事業団による乳製品の、需給操作を通じて加工原料乳の価格安定をはかることをその骨子とする現行の畜産物の価格安定等に関する法律による価格安定措置につきましては、最近における生乳生産の動向と乳製品の需給実勢から見て運用上の困難が予想されるところであります。  今後酪農経営の安定向上及び牛乳乳製品の需給の安定をはかるためには、価格安定制度改善強化を緊要とするゆえんであります。特に加工原料乳につきましては、乳製品の国内価格が国際価格に比して一般に割り高な水準にありながら、原料乳に支払い得る乳価は、なおその再生産確保するに困難な水準であることから考えて、財政上の援助が必要であります。特に加工原料乳の主要な生産地帯の多くは、今後とも酪農を基幹作目として農業発展をはかっていくことを必要とする地帯であります。また、これらの地帯は、今後とも急速な需要増大が予測される飲用乳の将来における供給源として期待される地帯であることも配慮されねばならないところであります。  かかる観点から、現在その乳価形成が不明確な生乳取引を用途別価格による取引に改め、加工原料乳につき生乳生産者に対して補給金の交付を行なうこととしております。これが実施の方法といたしましては、畜産振興事業団が、都道府県知事の指定を受けた生乳生産者団体に、生産者から委託を受けて販売した加工原料乳の数量に応じて補給金を交付し、その生産者団体は、生乳販売代金に交付された補給金を加算して、生産者に対してその生乳委託販売数量に応じて支払うことといたしております。  補給金は、主要な加工原料乳地域生乳の再生産確保することを旨として定められる保証価格と乳製品の実勢価格基準として定められる加工原料乳の基準取引価格との差額とし、補給金の交付の対象となる数量には、限度を定めることとしております。  第二は、加工原料乳に対する補給金制度及び乳製品の価格安定制度の適正な運営を確保するため、畜産振興事業団が、主要な乳製品の輸入を一元的に行ない、乳製品の需給及び価格の安定をはかることといたしております。  第三は、右の制度関連いたしまして、乳製品の消費の安定に資するような一定の水準での価格の安定を確保するため、畜産振興事業団が行なう乳製品の買い入れ及び売り渡しに関する特例措置を定めたことでございます。  なお、この法律案は、今後における酪農及び乳業の合理化の進展と酪農経営にとって価格条件の有利な飲用乳の比率が高まっていくことも期待されますので、昭和四十一年度以降当分の間の暫定措置を定めるものとし、これに伴い現行の畜産物の価格安定等に関する法律規定の適用について必要な特例を設けてございます。  以上が、この法律案提案する理由及びその主要な内容であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  14. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 畜産局長
  15. 桧垣徳太郎

    政府委員桧垣徳太郎君) 加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案につきまして、補足して御説明申し上げます。  この法律案提案する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、ここでは省略さしていただきまして、以下この法律案の主要な内容を補足して御説明申し上げます。  まず第一章におきましては、この法律案目的とこの法律案における用語の定義を定めております。  次に、第二章におきましては、畜産振興事業団が、畜産物の価格安定等に関する法律規定される業務のほか、加工原料乳についての生産者補給交付金の交付、指定乳製品等の輸入及び指定乳製品等の買い入れ売り渡し等業務を行なうことになったことに伴い、その行なう業務範囲特例について定めております。  第三章におきましては、この法律案のねらいとする第一の措置であります加工原料乳についての生産者補給金の交付に関して定めております。  加工原料乳についての生産者補給金の交付の方法につきましては、畜産振興事業団が、都道府県知事の指定を受けた生乳生産者団体に対し、生産者から委託を受けて販売した加工原料乳について生産者補給交付金を交付することとし、その交付を受けた指定生乳生産者団体は、これを生産者補給金として、生乳の販売の委託をした者に対し、販売の委託をした生乳の数量を基準として交付することといたしております。  生産者補給交付金の交付を受ける生乳生産者団体は、都道府県知事の指定を受けることを要することといたしておりますが、これは、本制度が従来からの混合乳価取引を用途別取引に改め、この上に立って加工原料乳について生産者補給金を交付することといたしておりますので、酪農民相互間の公平を確保しつつ、本制度の円滑な実施をはかるためには、原則として都道府県単位で乳価のプールを行なうことが最も適切であると考えられることにかんがみ、都道府県区域ごとに生乳の販売を行ない、かつ、乳価のプールを行なうものとして生乳生産者団体を指定することとしたのであります。  都道府県知事の行なう生乳生産者団体の指定につきましては、以上の趣旨にかんがみ、第一に生産者から委託を受けて販売する生乳の数量が、区域内で生産される生乳の数量に対し、相当の割合を占めていること。  第二に区域内の生産者のすべてが直接または間接に加入でき、かつ、員外者の利用がその構成員に比し、実質的に制限されていないこと。  第三に生乳の販売の委託をした者に対して支払う対価の算定の方法、生乳の販売価格の約定の方法等が農林省令で定める基準に従って定められていること等を要件とし、これらの要件のすべてに適合するものに限って、指定することといたしております。  次に、畜産振興事業団が指定生乳生産者団体に交付する生産者補給交付金の金額は、保証価格基準取引価格との差額に、当該指定生乳生産者団体が生産者から委託を受けて販売した加工原料乳の数量を乗じて得た額といたしております。この場合における保証価格につきましては、生乳生産条件及び需給事情その他の経済事情を考慮し、生産される生乳の相当部分が加工原料乳であると認められる地域における生乳の再生産確保することを旨として、農林大臣が定めることといたしております。  また、基準取引価格につきましては、指定乳製品にあってはその安定指標価格、その他の主要乳製品にあってはその生産者の販売価格から当該乳製品の製造及び販売に要する標準的な費用の額を控除した金額、すなわち加工採算価格基準として、農林大臣が定めることといたしております。  また、基準取引価格の算定の基礎となると同時に、畜産振興事業団の行なう買い入れ売り渡し等基準となる指定乳製品の安定指標価格につきましては、指定乳製品の生産条件及び需給事情を考慮し、指定乳製品の消費の安定に資することを旨として、農林大臣が定めることといたしております。  なお、指定生乳生産者団体が生産者補給交付金の交付を受けることができる加工原料乳の数量につきましては、農林大臣生乳生産事情、飲用牛乳及び乳製品の需給事情その他の経済事情を考慮して限度を定めることといたしております。  なお、農林大臣は、保証価格及び農林大臣が定める数量を定めるにあたっては、酪農経営合理化促進することとなるように配慮することといたしております。  以上の保証価格基準取引価格、安定指標価格及び農林大臣が定める数量につきましては、会計年度ごとに、その前年度中に、畜産物価格審議会の意見を聞いて定めることといたしております。  第四章におきましては、この法律案の第二の措置であります畜産振興事業団による指定乳製品等の一元的輸入に関して定めております。すなわち、畜産振興事業団は、指定乳製品の価格が、安定指標価格をこえて騰貴しまたは騰貴するおそれがある場合には、農林大臣の承認を受けて指定乳製品等を輸入することができることとし、同時に、指定乳製品等の輸入は、畜産振興事業団または同事業団委託を受けた者でなければしてはならないことといたしております。なお、指定乳製品等の一元的輸入の趣旨が指定乳製品の国内における需給及び価格の安定をはかることにあることから、指定乳製品の価格の安定に悪影響を及ぼすおそれがない場合については、一元的輸入から除外することといたしております。  第五章におきましては、この法律案の第三の措置として、畜産振興事業団が畜産物の価格安定等に関する法律に基づき行なってきております指定乳製品の買い入れ売り渡し等につきまして、特例措置を定めております。  まず、買い入れ売り渡し等の対象品目につきましては、指定乳製品のほか、政令で定める乳製品を追加することといたしております。  また、指定乳製品等の買い入れ売り渡し基準につきましては、その価格を安定指標価格の水準において安定させることを目途に、安定指標価格基準として上下にそれぞれ一定の幅を設け、需給操作を行なうことといたしております。  なお、以上の措置関連して、指定乳製品等の買い入れまたは売り渡しをしない場合、指定乳製品等の交換等に関しまして、それぞれ畜産物の価格安定等に関する法律規定に相応した規定を設けております。  第六章におきましては、雑則といたしまして、この法律の施行に伴う畜産物の価格安定等に関する法律の適用についての特例政府からの畜産振興事業団に対する交付金交付等に関する規定を設けております。  まず、畜産物の価格安定等に関する法律の適用についての特例について御説明いたしますと、同法に規定する原料乳及び指定乳製品の安定価格に関する規定並びに指定乳製品の買い入れ売り渡し等に関する規定につきましては、この法律案に保証価格、安定指標価格等に関する規定並びに指定乳製品等の買い入れ売り渡し等に関する規定が設けられたことに伴い、適用しないことといたしております。  また、同法に基づく乳業者に対する農林大臣または都道府県知事の勧告措置につきましては、この法律案において所要規定を読みかえて適用することといたしております。  さらに、畜産振興事業団業務財務会計等につきましては、所要事項につき、同法の規定を読みかえて適用することといたしております。  このうち主要なものにつきまして御説明いたしますと、畜産振興事業団の行なう加工原料乳についての生産者補給交付金の交付業務及び輸入乳製品の買い入れ売り渡し等業務にかかる経理について新たに一つの特別の勘定を設け、現行業務についての経理と区分して整理することとしております。  また、畜産振興事業団が指定生乳生産者団体に対して交付する生産者補給交付金につきましては、国が国以外の者に対して交付する補助金とみなして、補助金等にかかる予算の執行の適正化に関する法律を準用することといたしております。  次に、政府は、畜産振興事業団に対し、同事業団が行なう加工原料乳についての生産者補給交付金の交付業務に必要な経費の財源に充てるため、交付金を交付することといたしております。  また、さきに御説明いたしました畜産振興事業団の特別の勘定において、輸入乳製品についての売買差益が生じた場合には、これを生産者補給交付金の財源の一部に充当することができることとしておりますが、その反面輸入差損の発生も予想されるところでありますので、このため発生した繰り越し欠損金を補てんするため、政府は、以上の交付金のほかに、同事業団に対し交付金を交付することができることといたしております。  以上のほか、この法律の施行に必要な限度において、農林大臣または都道府県知事生産者、乳業者、指定生乳生産者団体等について報告を徴収し、及び立ち入り検査を行なうことができる等の規定を設けております。  最後に、第七章におきまして、所要の罰則規定を設けているほか、附則におきまして、この法律案は、昭和四十一年四月一日から施行することといたしております。なお、生乳生産者団体の指定に関する手続及び保証価格等の決定に関する手続につきましては、この法律案の施行の準備をいたしますため、法律施行前においても行なうことができることといたしております。  以上をもちまして、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案提案理由補足説明といたします。  続きまして、委員長から御指摘がございましたが、衆議院で本法案に関する御審議の過程におきまして、本法案の一部について修正案が可決されておりますので御説明申し上げます。修正点は、第五条中「委託を受けて行なう生乳の販売若しくはその委託又は委託を受けて行なう生乳の処理若しくは加工及び当該処理若しくは加工に係る飲用牛乳若しくは乳製品の販売若しくはその委託をいう。」とありますのを、「委託を受けて行なう生乳の販売又は委託を受けて行なう生乳の処理若しくは加工及び当該処理若しくは加工に係る飲用牛乳若しくは乳製品の販売をいい、生乳生産者団体が直接又は間接の構成員となっており、かつ、全国の区域を地区とする農業協同組合連合会その他の者に対するこれらの委託を含む。」と改める点が第一点であります。  それから第二点は、第七条第一号中、「場合には、都道府県知事農林大臣の承認を受けて当該区域を分けて定める区域。」とありますのを、「場合において、農林大臣都道府県知事の意見をきいて当該区域を分けて区域を定めたときは、その区域。」というふうに改めるという点であります。  修正の趣旨は、第五条につきましては、指定生乳生産者団体が、その委託を受けた生乳の販売、処理、加工及び製品の販売について、全国段階の農業協同組合連合会に系統的に再委託する旨を明らかにしたものであります。第七条の修正の趣旨は、自然的経済的条件により、例外的に都道府県を単一の区域とできないために、区域を分かって、指定生乳生産者団体と目さざるを得ない場合にも、農林大臣の責任においてこれを行なうこととし、都道府県単一の指定生乳生産者団体を設置するという原則をできるだけ貫こうとする趣旨に出るものでございます。  引き続きまして資料の御説明をいたします。資料は、縦刷りの、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案関係資料というものと、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法案参考資料という横刷りのものと、二種類提出をいたしております。で、縦刷りの資料は、この暫定措置法案の御審議のための法案自体、あるいは提案理由、それから暫定措置法案の要綱、関係法でございます畜産物の価格安定等に関する法律と、この法案との対照表、それから本法案の二十条の規定によりまして、畜安法の条文の読みかえをいたしておりますので、その対照表、それからこの法案に関係いたします参照条文を一つの冊子にまとめたものでございますが、目次にございます第三番目の提案理由補足説明につきましては、当初この冊子に含んでおりますような補足説明をいたすつもりでございましたが、冗長にわたりますので、ただいま簡略にいたしまして御説明申し上げた次第でございます。  それから横書きの資料は、これは本法を御審議いただきます場合におきますバックデータとしての一つの関係資料でございまして、第一は、農業一般に関するデータでございます。これは先ほど御説明を申し上げました酪農振興法の一部改正と、あるいは土地改良法の一部改正法律案資料と同様のものでございます。  また、二番目は、畜産一般の資料でございますが、この資料も家畜の飼養の動向、あるいは飼養全体の動向を、粗飼料あるいは濃厚飼料別に整備をいたしております。また、粗飼料生産の草地の造成に関する従来からの資料、もしくは今後の生産目標等に関する資料を整備いたしております。  次に、酪農関係の資料といたしまして、酪農生産に関する動向を示す全国的な乳牛の飼養あるいは乳牛の屠殺等の数字の推移、乳牛価格推移等を提出いたしておるのでございますが、特に価格関係の法案でございますので、一八ページから二二ページまで生乳生産費に関する資料を整備いたしまして提出をいたしております。  酪農の、第二番の資料といたしましては、生乳及び牛乳、乳製品の生産動向を年次別あるいは地域別に分かちまして提出をいたしております。乳製品につきましては、これは製品別あるいは年次別の資料を整備をいたしまして提出いたしておるところであります。また、それに関連いたします乳製品の企業関係の資料提出をいたしております。  酪農の第三番目の資料は、生乳及び牛乳、乳製品の価格動向に関する資料でございまして、その第一が生乳取引の概要に関係します資料で、これは先刻御説明いたしましたものと同じでございます。  次は、牛乳、乳製品の消費の動向につきまして、国内における消費動向、国際的な消費水準との対比等を示しております。そのあとで主要畜産物の輸出入の推移について年次別、物資別に統計提出をいたしております。  次に、学校給食の概要は、先ほどの御説明を申し上げました資料と全く同じものを提出をいたしております。  最後に、この法案に関係いたします畜産振興事業団の概要につきまして事業団組織、定員の推移資本金推移、債務保証もしくは指定乳製品の買い入れ等の業務内容についての資料提出いたした次第でございます。  たいへん簡単でございますが資料説明を終わります。     —————————————
  16. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 続いて、砂糖価格安定等に関する法律案議題とし、本案について提案理由説明補足説明並びに提出資料について説明を聴取することといたします。  なお、本法案に対する衆議院修正点については、前例に従い、便宜、政府当局からこの際、説明を聴取することといたします。谷口政務次官
  17. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 砂糖価格安定等に関する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  わが国甘味資源対策につきましては、政府は昨年制定されました甘味資源特別措置法によりまして、適地における甘味資源作物の生産振興し、農業経営改善農家所得の安定、砂糖類の自給度の向上及び甘味資源にかかわる国際競争力の強化に資する方針甘味資源の保護育成のための施策を進めてまいったのであります。幸い、寒地てん菜及びてん菜糖をはじめ、南西諸島におけるサトウキビ及び甘蔗糖やイモでん粉を原料とするブドウ糖等着実な生産の伸長をみせ、農業経営改善農家所得の安定に大きく貢献しつつあるところであり、また砂糖の著しい消費の増大にもかかわらず、砂糖類の自給度も逐年向上し、沖繩産糖も含め現在三割以上に及んでいるところであります。  しかし、わが国砂糖の需給の現状は、なおその大部分を輸入糖に依存しておりますため、世界砂糖市場の特異性による国際糖価の激しい騰落によりまして、国内糖価は大幅な変動を続けており、今後とも不安定なまま推移することを余儀なくされるものと考えられるのであります。  このような不安定な事態は、甘味資源振興対策に対しても重大な悪影響を及ぼし、これら原料作物の生産農家所得をもきわめて不安定ならしめるとともに、これを原料とする国内産糖及び国内産ブドウ糖にかかわる関連産業の健全な発展を阻害することになり、国民生活の安定上も好ましくないことは明らかであります。  すなわち、昨年来の国際糖価の暴落により国内糖価は予想以上に下落するところとなり、政府は、国内産糖及び国内産ブドウ糖の買い入れ措置を講じ、農業所得の安定と甘味資源作物の価格支持に努めてまいったのでありますが、現状においては、政府買い入れ砂糖の市価回復の効果を生ぜず、政府買い入れ措置もかえってその政府在庫が糖価低迷の原因となり、いたずらに政府の損失を増大させる結果を招来し、甘味資源対策は現在きわめて困難な状況に直面しているところであります。  したがいまして、かかる事態の解決のためには、すみやかに糖価の安定と甘味資源価格支持の方式の改善につきまして、抜本的な対策を確立する必要があると考えられるのであります。  もとより、わが国が開放経済に向かっている今日、国際糖価の趨勢に照応し、自由化のメリットを生かしつつ生産合理化と糖業の健全な発展をはかるべきことはいうまでもないところであります。  政府は、以上の諸般の事情を十分配慮いたし、甘味資源生産の安定とあわせて国民の消費生活の安定とをはかるため、国際糖価の異常変動を除去して国内糖価の平準化、安定化をはかるとともに、さらに国内産糖については、甘味資源作物の生産の見通しや国際糖価の動向等を考慮して合理化目標価格を設定して、これが実現をはかることとし、このため、輸入糖との価格調整を行なう一方、甘味資源作物の価格支持を強化する等の必要な措置を講ずるため、ここに砂糖価格安定等に関する法律案提出した次第であります。  以下この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。  その第一は、砂糖価格安定に関する措置についてであります。  わが国砂糖価格が輸入糖の価格によって支配されている現状にかんでみまして、次の措置により国内糖価の安定をはかることといたしております。  その一は、毎砂糖年度、砂糖の上限及び下限価格並びにその幅の中において国内産糖の合理化目標価格を設けることにいたし、これにより輸入糖の価格の調整をはかることといたしております。すなわち、国内に輸入される砂糖価格の上限価格をこえて騰貴し、または下限価格を下って低落することを防止し、その幅の中に安定するよう価格調整をはかるほか、国際糖価が国内産糖の合理化目標価格を下って低落するような場合には、国内産糖と輸入糖との価格関係の調整を行なうこととし、その価格調整の方式として糖価安定事業団による輸入糖の買い入れ及び売り戻しの措置によることといたしております。  なお、安定上下限価格につきましては国際糖価の通常の変動の上限及び下限を基準として定めることとし、消費君に不当な負担と不利益を及ぼすことのないよう配慮するとともに、これにより国内産糖製造事業を含め、精製糖企業の秩序ある合理化促進され得ることを期待しているところであります。  その二は、糖価安定に関する補完措置についてであります。  糖価安定事業団の行なう輸入糖の価格調整によって一応国内糖価の安定が期待し得るわけでありますが、さらに国際糖価の高騰の際に糖価安定事業団の行なう輸入糖の価格調整措置によっては砂糖価格を安定させることが困難な場合にあっては、国は、砂糖についての関税率の引き下げその他の措置を講ずべきこととし、糖価安定に対する国の責任を明確にすることにしております。また、この法律案は、粗糖の輸入数量には規制を加えておりませんので、砂糖の需給が著しく不均衡となり、その結果、安定下限価格に見合う価格を下って国内糖価が低落するおそれがある場合にそなえまして、かかる際には、農林大臣は、精製糖の製造業者に対し、砂糖の製造、販売数量の制限に関する共同行為を実施すべきことを指示し得ることとし、その指示に従ってする共同行為については、私的独占の禁止及び公正取引確保に関する法律を適用除外することとしております。  第二は、国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持に関する措置についてであります。  糖価安定事業団は、国内産糖製造業者が農林大臣が定める最低生産者価格を下らない価格生産者から買い入れたてん菜またはサトウキビを原料として製造した国内産糖をその申し込みに応じて買い入れ、かつ、売り戻すこととし、また農林大臣の指示に基づき、国内産ブドウ糖の製造事業者から、その申し込みに応じて、イモでん粉を原料として製造されるブドウ糖を買い入れ、かつ、売り戻すこととしております。このような措置により国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持を行ない、糖価の安定措置と相まって、甘味資源作物の生産農家所得の安定をはかることといたしておるのであります。  第三は、糖価安定事業団についてであります。以上に述べましたような事業実施に当たるため、輸入にかかる砂糖価格調整並びに国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持のための砂糖及びブドウ糖の買い入れ及び売り戻しの業務を行なうことを目的として、糖価安定事業団を設けることといたしております。なお、糖価安定事業団のする国内産糖及び国内産ブドウ糖の買い入れ及び売り戻しの対価の差額の補てんについては、国の責任部分と輸入糖との価格調整によって行なう部分とを明確にし、国の責任部分についてはそれに相当する金額を一般会計から糖価安定事業団に交付するものとしております。  最後に、この法律は公布の日より施行することとしておりますが、輸入糖の価格調整については、昭和四十砂糖年度から行なうこととしております。  また、甘味資源特別措置法国内産糖及び国内産ブドウ糖の政府買い入れに関する規定は、この法律の制定に伴い改定することとし、これに伴い、経過措置のほか、食糧管理特別会計法について砂糖類勘定を廃止する等所要改正規定を設けております。  以上が、この法律案提案理由及び要旨であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  18. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 齋藤食糧庁長官
  19. 齋藤誠

    政府委員(齋藤誠君) ただいまの砂糖価格安定等に関する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。  この法律案提出する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下この法律案の主要な内容につきまして若干補足して御説明申し上げます。  まずこの法律案は、輸入糖の価格調整その他砂糖価格の異常な変動を防止するための措置並びに国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格を支持するのに必要な措置等を定めることにより、砂糖価格の安定をはかるとともに国内産糖及び国内産ブドウ糖にかかる関連産業の健全な発展促進し、もって甘味資源作物及び国内産でん粉の原料作物にかかる農業所得確保と国民生活の安定に寄与することを目的とすることを規定しております。  砂糖価格安定に関する措置につきましては、まず輸入にかかる砂糖価格調整等に関する規定から御説明申し上げます。  その一は、農林大臣は、砂糖年度ごとに定める安定上限価格及び安定下限価格並びに国内産合理化目標価格についてでありますが、安定上限価格及び安定下限価格は、輸入糖の価格を適正な水準に安定させるための指標として、砂糖価格がその額をこえて騰貴し、またはその額を下って低落することを防止することを旨として、国際糖価の通常の変動の上下限を基準として定めることとしております。  次に国内産合理化目標価格は、輸入糖の価格が低落した場合にこれによる甘味資源作物の生産振興及び国内産糖企業の健全な発展に及ぼす悪影響を緩和するため輸入糖の価格を調整することが必要であり、この価格調整の基準としての意味を持つものでありますが、その価格は、一定期間の甘味資源作物の生産の見通し及び国内産糖の製造事業合理化目標並びに国際糖価の動向をも考慮して定める国内産糖の目標生産費を基準として定めることとし、もって国内産糖の合理化の努力目標といたしております。  なお、これら安定上下限価格等の決定につきましては、砂糖類の製造、販売、輸入または消費に関し学識経験を有する者の意見を聞かなければならないこととし、公正な立場に立って対処し得るよう特に配慮しておる次第であります。  その二は、糖価安定事業団のする輸入糖の価格調整についてであります。輸入糖につきましては、その通関のときに糖価安定事業団による買い入れ及び売り戻しの措置を通じて必要な価格調整を行ない、もって輸入糖の価格安定と輸入糖と国内産糖及び国内産ブドウ糖との価格調整をはかろうとするものでありますが、この買い入れ及び売り戻しは、買い入れと同時にその買い入れの相手方に売り戻すいわゆる瞬間タッチ方式により運用することといたしたいと考えております。  すなわち、国際糖価の低落時における輸入糖の糖価安定事業団への売り渡しについては、農林大臣が過去の一定期間における国際糖価の平均を基準として算出する平均輸入価格国内産合理化目標価格に満たない場合輸入される砂糖は、原則として糖価安定事業団に売り渡さなければならないこととしております。他方平均輸入価格が安定上限価格をこえるときに輸入される砂糖については、原則として売り渡しの申し込みに応じ糖価安定事業団買い入れるものとしております。  これら価格調整の対象となる輸入糖の買い入れ価格は、その輸入の際の平均輸入価格によることといたしておりますが、糖価安定事業団買い入れる輸入糖は、必ずその相手方に売り戻すこととし、その売り戻しの価格は、国際糖価が低落している期間においては、平均輸入価格あるいは安定下限価格一定の額を加えた額とし、この加算額は、輸入糖と国内産糖及び国内産ブドウ糖との価格調整に必要な額として、国内産糖及び国内産ブドウ糖の総製造見込み数壁を砂糖及び国内産ブドウ糖の総供給見込み数量で除して得た数を限度として農林大臣が定める事を、国内産合理化目標価格と平均輸入価格あるいは安定下限価格との差に乗じて算出することとしております。また国際糖価が高騰している期間においては、売り戻しの価格は、安定上限価格としております。この場合売買価格が個々の輸入価格によらず一率に定められることとなりますので、個々の企業の買い付け努力のメリットは完全に確保されておることは申すまでもないところであります。  なお、糖価安定事業団のする輸入糖の価格調整の補完措置といたしまして、国際糖価の高騰時におきまして、糖価安定事業団のする輸入糖の価格調整によっては砂糖価格を安定させることが困難と認められるときは、砂糖についての関税率の引き下げその他必要な措置を講ずることとしており、糖価の異常な高騰を国の責任において抑制すべきことを義務づけているのであります。  次に、精製糖の製造数量等の制限について御説明申し上げます。  輸入糖について価格調整を行なう場合におきましても、輸入数量の規制のないため砂糖の需給が不均衡となり、国内糖価が予想される水準以下に低落することも自由化のもとにおきましては当然に予測されるところでありますが、国内糖価が安定下限価格に見合う水準を下回って低落する異常な事態となるに至った場合には、国内糖価の安定を確保するため、必要に応じ、農林大臣が精製糖企業に対し、精製糖の製造数量または販売数量の制限に関する共同行為を実施すべきことを指示し得ることとし、私的独占の禁止及び公正取引確保に関する法律規定は、この場合の共同行為については、適用しないこととしております。  次に、国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持に関する措置についてであります。  糖価安定事業団のする国内産糖の買い入れにつきましては、現行政府買い入れによる価格支持を糖価安定事業団買い入れによる価格支持に改めるとともに、買い入れの発動は、国内産糖製造事業者からの国内産糖の売り渡しの申し込みがあったときに、その申し込みに応じて、買い入れるものとしております。  次に糖価安定事業団買い入れ国内産糖は、必ずその買い入れの相手方に売り戻すべきこととしておりますが、この買い入れ及び売り戻しは、賢い入れと同町にその相手方に売り戻すいわゆる瞬間タッチ方式により運用いたしたいと考えております。  なお、現行甘味資源特別措置法におきまして、国内産糖製造施設の新設の当初においてその新設をした者が甘味資源作物の集荷等の面で受ける著しい不利を補正する必要がある場合等については、国内産糖の政府買い入れ特例規定が設けられておりますが本法律案におきましても同趣旨の特例を設けております。  国内産ブドウ糖の価格支持につきましては、国内産糖と異なり、原料たるイモでん粉の価格がそれ自体の需給によっても変動しております関係上、糖価安定事業団買い入れの発動につきましては、イモでん粉の価格国内産ブドウ糖の価格砂糖価格等を勘案して、国内産ブドウ糖の生産を維持しその原料でん粉の原料となる国内産のイモの需要確保をはかるため必要があると認められる場合に、農林大臣が糖価安定事業団に指示を行ない、糖価安定事業団は、その指示に基づき、ブドウ糖製造事業者から、その申し込みに応じて、その製造する国内産ブドウ糖を買い入れるものとすることとしており、その買い入れ価格につきましては、現行と同様の考え方としております。  次に、糖価安定事業団買い入れ国内産ブドウ糖は、国内産糖と同様に、必ずその買い入れの相手方に売り戻すべきこととしております。  なお、現行甘味資源特別措置法におきまして、国内産ブドウ糖の製造事業合理化促進するため特に必要があると認められる場合については、国内産ブドウ糖の政府買い入れ特例規定が設けられておりますが、本法律案におきましても同趣旨の特例を設けております。  次に、糖価安定事業団業務等については、糖価安定事業団は、輸入糖の価格調整並びに国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持のための砂糖及びブドウ糖の買い入れ及び売り戻しの業務を行なうことを目的とし、この法律規定による輸入糖の買い入れ及び売り戻し、この法律規定による国内産糖及び国内産ブドウ糖の買い入れ及び売り戻し並びにこれらの業務に付帯する業務を行なうこととしております。  なお、国内産糖及び国内産ブドウ糖の買い入れ及び売り戻しの対価の差額のうち、買い入れ価格国内産合理化目標価格に見合う価格の差額につきましては、これを財政措置によることとし、政府交付金を交付するものとしておりますが、対価の差額の残余につきましては、輸入糖との価格調整によって措置することとしております。また、平均輸入価格が安定下限価格に満たない期間内に糖価安定事業団が輸入糖の売買を行なうことにより取得した対価の差額中買い入れ価格と安定下限価格との差額に相当する部分は、糖価安定資金として管理することとし、その運用収入をも含めて国際糖価の高騰時における輸入糖の買い入れ及び売り戻しの業務に要する費用の財源に充てることとし、国内糖価の高騰を抑制する効果を確保し得るよう配慮しております。  最後に、附則規定につきまして御説明申し上げます。  この法律は、公布の日から施行することとしておりますが、まず糖価安雄事業団のする輸入糖の価格調整は、昭和四十年十月一日以後に輸入される砂糖について、国内産糖及び国内産ブドウ糖の糖価安定事業団による価格支持に関する措置は、昭和四十砂糖年度に製造される国内産糖及び国内産ブドウ糖について、それぞれ適用することとしております。  次に、この法律の制定に伴い、国内産糖及び国内産ブドウ糖の政府買い入れに関する規定につき、甘味資源特別措置法所要改正を加えております。また、これに伴い昭和三十九砂糖年度に製造される国内産糖及び国内産ブドウ糖の昭和四十年九月三十日までの政府買い入れについては、なお従前の例によることとしております。  以上のほか、甘味資源特別措置法改正に伴い食糧管理特別会計法につきまして、砂糖類勘定の廃止等の所要規定を置くほか、関係の法律について所要改正を行なうこととしております。  以上をもちまして、砂糖価格安定等に関する法律案についての補足説明といたします。  なお、この砂糖価格安定等に関する法律案は、衆議院におきまして一部修正がされましたので、その修正点につきまして便宜私から御説明申し上げます。  修正点は、国内産合理化目標価格基準となる目標生産費の定め方についてでありますが、この目標生産費は甘味資源作物の生産振興その他甘味資源対策と密接に関連することにかんがみ、これを定めようとするときは農林大臣甘味資源審議会の意見を聞かなければならない旨の修正を行なうとともに、これに関連して、甘味資源特別措置法及び農林省設置法の改正規定所要修正を行なったものでございます。
  20. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 岡田業務第二部長。
  21. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) 砂糖価格安定等に関する法律案の関係資料といたしまして、三部提出してございます。  まず第一の、法律案関係資料につきましては、これは法律案法律案の参照条文等を記載いたしておりますので、内容は省略さしていただきます。  砂糖価格安定等に関する法律案参考資料として(1)(2)をお手元にお届けいたしておりますが、まず(1)のほうから申し上げますと、Iは五ページから一五ページまででございますが、砂糖類の需給につきまして、世界の需給と国内の需給、それから需給の見通し等に関しまして記載いたしております。それから、IIは砂糖の輸入の関係でございますが、一六ページから二一ページにわたりまして種類別、国別に実績、通関価格等の推移を記載いたしております。IIIは砂糖類価格でございますが、これは二二ページから二五ページまで、国際糖価と国内糖価の推移各種甘味資源価格推移の一覧表を掲げております。  四が、二六ページから二八ページまででございますが、砂糖に関します税制について記載をいたしております。  五は、砂糖類流通消費の関係でございますが、二九ページから三九ページまで記載しております。  六は、精製糖、てん菜糖、甘蔗糖、ブドウ糖等の会社の企業につきまして、その内容を記載いたしております。  それから七は、主要国の糖業制度でございますが、四六ページから六九ページにわたりまして、各国の糖業政策の概要なり制度につきまして記載をいたしております。  それから参考資料の図でございますが、第一は、国際糖価の動きにつきまして、参考図表をつけまして記載をいたしております。  それから第二は、国際糖価の推移でございますが、これも簡単に図表にいたしてございます。  それから第三が、世界貿易の内訳でございます。これは一九五八年から六三年にわたりまして、世界の貿易の推移を書いておるわけでございます。  それから第四が、特恵価格、いわゆる特恵的な取引をいたしておりまする各国の価格の例を記載いたしております。  それから第五は、米国の国内価格と自由市場の価格。  第六は、英連邦協定価格と自由市場の価格。  第七が、西ドイツ国内価格と自由市場の価格について書いてございます。  八以下は、国際糖価と国内の卸売り価格、小売り価格等につきまして、年次別月別の数字を記載いたしております。  簡単でございますが、資料内容を御説明申し上げました。
  22. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次に、沖繩産糖政府質入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案議題とし、本案について提案理由説明補足説明を聴取することにいたします。谷口農林政務次官
  23. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 沖繩産糖政府買入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明申し上げます。  沖繩における砂糖生産は、近年飛躍的に増大し、そのほとんどが本邦に輸出され、わが国砂糖の重要な供給源の一つとなっておりますとともに、サトウキビ及び砂糖生産の沖繩における農業及び経済に占める地位はきわめて高く、したがって国際糖価の低落時には、沖繩におけるサトウキビ生産農家の受ける影響には著しいものがあると考えられるのであります。  そこで政府といたしましては、沖繩に対する援助措置の一部として、サトウキビの生産者農業経営改善農家所得の安定に資するため、沖繩産糖政府買い入れに関する特別措置法によりまして、国内産糖に準じ沖繩産糖政府買い入れを行なっている次第でありますが、今回砂糖価格安定等に関する法律案において、国内産糖及び国内産ブドウ糖の価格支持の方法を改正することといたしたことに伴い、沖繩産糖価格支持の方法につきましても国内産糖に準じ改正することが適当であると考えられますので、ここに沖繩産糖政府買い入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案提案する次第であります。  この法律案の要旨は、第一には、砂糖価格安定等に関する法律案規定により設立されることとなる糖価安定事業団業務として沖繩産糖買い入れ及び売り戻しの業務を行ない得ることとしたことであります。第二には、農林大臣は、毎年、糖価安定事業団沖繩産糖買い入れ価格を定めることとし、これを下って砂糖価格が低落している場合において農林大臣が指示したときは、糖価安定事業団沖繩産糖買い入れるものとし、買い入れの発動要件を明確化したことであります。  なお、この法律案は、昭和四十砂糖年度以降の沖繩産糖について適用し、昭和四十年九月三十日までに製造される沖繩産糖の同日までの政府買い入れは、従前の例によることといたしております。  以上がこの法律案提案理由及び要旨であります。なにとぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くだいますようお願い申し上げます。
  24. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 齋藤食糧庁長官
  25. 齋藤誠

    政府委員(齋藤誠君) 沖繩産糖政府買い入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、補足して御説明申し上げます。  この法律案提出する理由につきましては、すでに提案理由説明において申し述べましたので、以下この法律案の主要な内容につきまして若干補足して、御説明申し上げます。  法律案内容の第一は、砂糖価格安定等に関する法律案規定により設立されることとなる糖価安定事業団は、同法の規定により行なう業務のほか、沖繩産糖買い入れ及び売り戻しの業務を行なうこととしたことであります。  内容の第二は、沖繩産糖価格支持の発動の要件を砂糖価格が糖価安定事業団沖繩産糖買い入れ価格を下って低落している場合において、農林大臣が必要と認めて指示したときとするように改めることとしたことであります。また、これに伴いまして、政府は、糖価安定事業団沖繩産糖買い入れ価格を毎年定めるべきことといたしております。  内容の第三は、糖価安定事業団買い入れ沖繩産糖は、必ずその買い入れの相手方に売り戻すこととしたことであります。この買い入れ及び売り戻しは、国内産糖と同様の方式により通用することといたしたいと考えております。  内容の第四は、この法律は、公布の日から施行することといたしておりますが、昭和三十九砂糖年度に製造される沖繩産糖昭和四十年九月三十日までの政府買い入れにつきましては、なお従前の例によることとしたことであります。  最後に砂糖価格安定等に関する法律案中輸入糖と国内産糖及び国内産ブドウ糖との価格調整につきまして、沖繩産糖をもこの価格調整の対象とし得るよう糖価安定事業団のする輸入糖の売り戻しの価格の算定をすることとする規定を設けております。  以上をもちまして、沖繩産糖政府買い入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案についての補足説明といたします。
  26. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 岡田業務第二部長。
  27. 岡田覚夫

    説明員(岡田覚夫君) 資料といたしまして二部提出をいたしております。一つは法律案の関係資料で、一つは参考資料でございます。  法律案関係資料は、法律案並びに参照条文等を記載しておりますので、内容を省略さしていただきます。  参考資料でございますが、まず第一は、一ページから三ページにわたりまして、沖繩における農業経営の概況を記載しております。  第二といたしまして、四ページから五ページにわたりまして、沖繩におけるサトウキビ並びに砂糖生産実績を記載いたしております。  第三といたしまして、六ページから七ページにわたりまして、日本への沖繩産糖の年次別の輸出実績を掲げております。  第四といたしまして、八ページから一七ページにわたりまして、沖繩で施行されております糖業振興法につきまして、重要な部分を記載いたしております。  簡単でございますが、以上で御説明を終わらしていただきます。     —————————————
  28. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 続いて、牛乳法案(衆第一七号)、甘味資源生産振興及び砂糖類管理に関する法律案(衆第二七号)、学校給食の用に供する牛乳供給等に関する特別措置法案(衆第二九号)、以上三案について、提案理由説明を聴取することにいたします。  なお印刷物が間に合っておりませんので、後ほどこれは皆さんに配付いたしますから、御了承が願いたいと思います。芳賀衆議院議員
  29. 芳賀貢

    衆議院議員(芳賀貢君) ただいま議題となりました、芳賀貢君外十一名提出にかかる牛乳法案について、その提案理由内容を御説明申し上げます。  最近におけるわが国農業は、高度成長政策に災いされて、農業基本法に掲げる生産性の向上と所得確保は、単なる題目にとどまり、農業就業人口の都市への大量流失、兼業農家の急増等によって、農業生産は停滞し、国民食糧の供給に不安を生じ、今後の農業発展に対し、まことに憂慮すべき事態に立ち至っていることは御承知のとおりであります。  この際、酪農の現状について申し上げますと、昭和三十年の乳牛の頭数は四十二万一千頭であったのが、一千九年には百二十三万八千頭と、十年間に三倍に増加し、今では四十万戸の酪農家が平均三頭の乳牛を飼育しており、したがって牛乳生産についても、昭和三十年には年産百万トンであったのが、三十九年には三百四万トンと、生産量も三倍に躍進しているのであります。また、これに対して、飲用牛乳及び乳製品の国民消費は毎年一三%乃至一五%と順調に伸長を示しているのであります。  かかる生産と消費の動向にもかかかわらず、酪農政策については、今日、多くの矛盾と欠陥が起伏しているのであります。  最近政府は、社会開発の推進によって、ひずみ是正をはかり、明るい農村を建設すると宣伝しておりますが、依然として貿易の自由化を促進し、食糧自給体制を放棄し、安上がり農政を強行しておりますことは、各方面から指摘されているところであり、まさに自民党政府に農政なしの感を禁じ得ないのであります。  しこうして、政府は、ここ数年来、農業基本法にのっとり、畜産、果樹等の成長部門に対し選択的拡大の路線を推進してまいりましたが、この施策と併行して実行されるべき飼料資源の開発及び流通管理対策、あるいは牛乳、乳製品の生産価格及び流通対策が、独占的な乳業資本または飼料会社の利益本位に進められているため、酪農民の適正な労働報酬すら確保されず、毎年のように生産者と乳業者の間に乳価問題をめぐって紛争を生起させ、結局生産者には低乳価をしい、消費者には、生産者乳価の三倍にものぼる高乳価を押しつけているという矛盾をもたらし、今や酪農民は政府に対し強い不信の念すら抱いているのであります。  まさに農民不在ともいうべき政府の農政に対して、わが日本社会党の酪農政策の基本方針を申し上げますならば、すなわち、わが国の食糧自給体制を確立し、食生活の消費構造の質的向上をはかるため、農業発展長期計画に基づいて、牛乳・乳製品の生産確保し、酪農発展と農民所得増大を期することとし、国の責任によって、草地の開発造成を行なって、自給飼料の増産等生産条件を整備し、酪農経営近代化、共同化を促進するとともに、牛乳生産加工流通価格、消費等の対策については国の管理を強め、特に価格対策、消流対策については抜本的な改革を行なうこととし、この基本方針に基づく重要な柱として今回牛乳法案提出した次第であります。  したがって、本法案目的といたしますところは、牛乳及び乳製品の生産確保価格の安定、消費の増進等をはかるとともに、酪農及びその関連産業の健全な発達と農家所得の向上を促進し、あわせて国民食生活改善に資するため、牛乳についての交付金の交付、牛乳及び乳製品の販売に関する基準価格の設定、乳製品の政府買い入れ及び売り渡し学校給食牛乳及び母子保健牛乳の給付等の措置を講じようとするものであります。  以上が本法案提出した理由であります。  次に法案内容について申し上げます。  第一に、農林大臣は、毎五カ年を一期とする牛乳等長期需給計画を定め、これに基づき、牛乳等年度需給計画を定めて公表することとしております。  年度計画内容は、生乳生産数量、飲用牛乳、乳製品の需給数量、政府買い入れ及び売り渡し見込み数量及び、生乳の遠距離輸送に関する事項等であります。  第二に、農林大臣は、牛乳年度の開始前に、一、生乳の保証価格、二、生乳の販売基準価格、三、飲用牛乳の販売基準価格、四、飲用牛乳の小売り基準価格、五、指定乳製品の販売基準価格を定めて告示することといたしております。  まず、一の生乳の保証価格は、食管法に基づく生産者米価と同様に、生産所得補償方式によって算定された生乳生産者価格であり、同時に政府の保証価格であります。また、保証価格は、一物一価の原則により、全国同一価格をたてまえといたしております。  二の、生乳販売基準価格は、農業パリテイ指数、物価及び消費者の家計費等を参酌して定めることとし、この価格は、生産者団体が乳業者に生乳を売り渡す場合の最低販売価格のことであります。  三の、飲用牛乳の販売基準価格は、生乳の販売基準価格に飲用牛乳の製造及び販売に要する標準的な費用を加えたもので卸販売価格のことであります。  四の、飲用牛乳の小売り基準価格は、飲用牛乳の販売基準価格に、小売り販売に要する標準的な費用を加えたもので、飲用牛乳の消費者価格のことであります。  五の、指定乳製品の販売基準価格は、生乳の販売基準価格に、乳製品の製造及び販売に要する標準的な費用を加えたもので、乳製品の卸売り価格のことであります。  第三は、生産者団体による生乳の一元集荷多元販売についてであります。  生乳生産者が構成員となっている農業協同組合または農業協同組合連合会は、生乳生産者団体として、生産者から生乳の販売の委託を受けて、生乳の一元集荷と販売の事業を行なうとともに、全国を区域とする農業協同組合連合会は指定生乳生産者団体として、政府からの交付金生産者に交付する業務を行なうことといたしたのであります。  第四は、生産者に対する交付金の交付についてであります。  まず、生乳の保証価格から、生乳の販売基準価格を控除した額が交付金の基礎となるのであります。  政府は、出産者団体が一元集荷して、乳業者に販売した生乳の総数量に対し、交付金を交付するものとし、その場合の指定生産者団体は、農林大臣が指定した全国を区域とする農業協同組合連合会とし、交付金は農協系統を経由して生産者に交付することといたしたのであります。  第五は、指定乳製品の政府買い入れ及び売り渡しについてであります。  政府は、乳製品の需給及び価格の安定をはかるため、指定乳製品を生産者団体または乳業者からの申し込みを受けて買い入れるものとし、買い入れ価格は、販売基準価格によることといたしたのであります。  次に、政府買い入れまたは輸入した乳製品の売り渡しについては、その時価が販売基準価格の水準に安定するようにつとめることといたしております。  第六は、乳製品の輸入についてであります。政府は、牛乳等年度需給計画に基づき、需給上必要な乳製品を輸入するものとし、輸入については、政府が、これを行なうことといたしたのであります。  第七は、学校給食牛乳の無償給付と、母子保健牛乳の給与についてであります。  わが日本社会党は、すでに第四十六国会に学校給食法の一部改正法案及び学校給食牛乳供給に関する特別措置法案を提出し、今国会において、目下継続審議中でありますが、両法案の趣旨は、義務教育諸学校の児童、生徒に対し、牛乳学校給食を無償で給与することとし、これが実施に必要な措置内容としたものであります。  したがって、本法案においても、学校給食牛乳を無償で給付する旨を明らかにいたしたのであります。また、妊産婦及び乳幼児の健康の保持増進をはかるため、母子に対して牛乳、乳製品の摂取に必要な費用の全部または一部を国が負担する旨を明らかにいたしたのであります。  第八は、牛乳審議会の設置についてであります。  審議会は、農林大臣の諮問に応じ、牛乳等需給計画生乳の保証価格、飲用牛乳及び乳製品の販売基準価格、その他重要事項調査審議し、あわせて農林大臣に対し建議するものといたしております。  第九は、生乳の遠距離輸送に関する施策についてであります。  政府は、牛乳等年度需給計画に恥づき、牛乳流通円滑化をはかるため、牛乳の遠距離輸送に必要な牛乳専用貨車または、牛乳専用船を建造して、日本国有鉄道または、指定生産者団体に無償貸し付けを行ない、公共的な牛乳の輸送が期せられるようにいたしたのであります。  第十に、政府生乳価格安定をはかるため、生産者団体の飲用牛乳または、乳製品の製造施設等について、経費の一部を補助することができることとし、また、乳業者に対しても、それ等の製造施設に要する資金の融通、あっせんを行なうものといたしたのであります。  第十一に、農林大臣または、都道府県知事は飲用牛乳または、乳製品の製造または販売業者に対し、流通経費の低減をはかるため、経営改善合理化等に関し、必要な勧告を行なうことができるものといたしたのであります。  第十二は、交付金の対象となる生乳の集荷及び販売の適正を期するため、指定生産者団体及び乳業者は農林省令で定めるところに従い帳簿を備えつけること、農林大臣または都道府県知事が必要とする報告、または立ち入り検査に応ずる義務を明示いたしたのであります。  第十三は、附則におきまして、農林省設置法、酪農振興法、畜産物価格安定法について改正及び諸規定の整備を行なうことといたしております。なお、この法律業務及び会計については「牛乳管理特別会計」によることとし、別途に法律案提出することにいたしたのであります。  以上が牛乳法案内容であります。  何とぞ慎重御審議のしすみやかに御可決あらんことをお願いして提案理由説明といたします。     —————————————
  30. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 兒玉衆議院議員
  31. 兒玉末男

    衆議院議員(兒玉末男君) ただいま議題となりました芳賀貢君外三十二名提出にかかる甘味資源生産振興及び砂糖類管理に関する法律案及び沖繩産糖政府買い入れに関する特別措置法の一部を改正する法律案につき、提出者を代表してその提案理由を御説明申し上げます。  わが国における甘味資源としましては、てん菜を原料とする北海道等のてん菜糖、甘蔗を原料とする南西諸島、沖繩の甘蔗糖と国内産でん粉を原料とするブドウ糖がございます。これら甘味資源対策としててん菜生産振興臨時措置法の期限切れに際し、甘味資源生産振興砂糖及びブドウ糖の政府買い入れを行なうことを内容とした甘味資源特別措置法が、第四十三回国会に提出され、第四十六回国会で成立をみたものであります。  その際、わが党といたしましても、第四十三回国会に、甘味資源生産振興及び砂糖数の管理に関する法律案提出し、砂糖の全面国家管理を主張したのでありますが、国会の賛同を得るところとならなかったことは、はなはだ残念に存ずるところであります。この甘味法を審議いたしましたころは、世界的な砂糖不足で国際相場も異常な高騰を見せ、平常時の四−五倍にも達したのであります。すなわち甘味法はなくとも国内産糖、ブドウ糖は採算がとれる状態であり、比較的安易な考え方で甘味法を制定したというべきでありましょう。しかしながら、甘味法成立を境とし、国際糖価は下落を続け、逆に今度は高騰時の五分の一という糖価になってしまったのであります。このため、甘味法の完全運用を行なうとすれば、恒常的な国内産糖の全量買い入れのみならず、でん粉需要確保のため、ブドウ糖の大量買い入れをも行なわねばならない破目におちいり、巨額の政府買い入れ予算売買損失を招来するおそれが強くなったのであります。現実問題として、てん菜糖、甘蔗糖、でん粉、ブドウ糖等の買い入れを行なっても糖価、でん粉市況は一向にさえず、買い入れの効果があらわれず、逆に政府買い入れ量は砂糖需給の過剰分として糖価引き上げの作用をするという苦境に追い込まれているのであります。  このため、政府としては、この打開策として、国内産糖のコストを基準とし糖価水準を決定し、糖価の安定をはかるべく、糖価安定事業団設立し、輸入砂糖から差益をとり、国内産糖の赤字を補てんすることを内容とする砂糖価格の安定等に関する法律案提出せざるを得なくなったのであります。換言すれば、この法律は、甘味資源特別措置法の不備を補足した補完法とも言うことができましょう。  しかしながら、この際、この糖価低落に伴う国内甘味資源業界の苦悩の主因は、申すまでもなく、池田前総理の無暴きわまる粗糖の自由化にあると言っても過言でないことを、あらためて明らかにいたしておきたいのであります。  わが党といたしましては、糖価の安定なくして、てん菜、甘蔗、イモ、でん粉の生産農家は安心して、その生産を行ない得ないことは年来の主張であります。甘味資源生産振興と糖業の発展及び糖価の安定をはかるためには、砂糖の国家管理の方法をとる以外にその方途はないと確信いたし、本国会において、さきの第四十三回国会に提出いたしました甘味資源生産振興及び砂糖類管理に関する法律案に、所要改正を加え再提出いたしますとともに、消費者の立場も考慮いたしまして、糖価水準の引き下げをはかるよう砂糖消費税の廃止も行なうことといたしております。  次に、この法案内容について概要を御説明申し上げます。  第一は、砂糖類需給計画の策定でありますが、農林大臣砂糖審議会にはかり、砂糖類の需給見通し、砂糖類生産目標、てん菜、甘蔗及びブドウ糖原料のでん粉の生産目標砂糖類の輸入見通し、等の重要事項について、毎五カ年を一期とする長期需給計画を定め、これに基づく毎年度の需給計画を具体的に改めて、施策方向を明らかにして、これを公表することといたしております。  第二は、てん菜及び甘蔗の生産振興についてでありますが、生産条件が、てん菜または甘蔗の栽培に適しており、農業経営改善により生産増大する見込みが確実であり、さらに製糖企業を成立せしめるだけの生産量を確保し得る見込みのあること等を考慮し、農林大臣都道府県区域につき生産振興地域の指定を行なうものであります。次に生産振興地域の指定を受けた都道府県知事は、甘味資源生産振興審議会にはかり、生産振興計画を定め農林大臣の承認を求めることといたしております。  第三は、砂糖類製造施設の承認制でありますが、現在の製糖工場は原料不足等の理由から不安定な経営におちいっている現状であり、これ等製造施設の合理化はもちろんでありますが、設備が過剰とならないよう、原料の生産に即応し施設の設置または変更につき農林大臣の承認を要することといたしております。  なお、ブドウ糖の製造施設についても同様の承認を要することといたしております。  第四は、生産振興地域内において生産されたてん菜または甘蔗の集荷及び販売については、生産者団体を通じて一元的に行なわれるようにつとめ、生産者団体及び製造業者は、これらの事項につき、契約を締結するようにいたしております。  第五は、砂糖類政府買い入れ措置についてでありますが、国内産てん菜糖類及び甘蔗糖にあっては、砂糖製造業者の申し込みに応じて、政府買い入れを行なうことといたしております。またブドウ糖については、市価が低落し、でん粉の需要確保をはかるため、特に必要と認める場合は政府買い入れを行なうことといたしております。  第六は、生産者価格及び買い入れ価格についてでありますが、まず、てん菜及び甘蔗の生産者価格については、選択的拡大の重要作物とみなして、生産者米価の算定と同様に生産費、所得補償方式に基づき生産者価格を定めて告示することといたしました。  次に、てん菜糖及び甘蔗糖の政府買い入れ価格については、てん菜または甘蔗の生産者価格砂糖の製造及び政府への売り渡しに要する経費を加えた額を基準として定めることとしております。なお、ブドウ糖の買い入れ価格については、農産物価格安定法に基づく甘蔗及びバレイショでん粉の政府買い入れ基準価格所要の経費を加えた額を基準として定めることとしております。  第七は、砂糖政府輸入についてでありますが、政府は需給計画に基づき、必要量の砂糖を輸入することとし、政府以外の輸入は認めないことにいたし、この際、関税については、これを免除することといたしてあります。  第八は、砂糖の販売標準価格についてでありますが、販売標準価格は、砂糖の国際価格国内産糖の生産費、家計費、物価事情等を参酌して定め告示することといたしました。  第九は、砂糖の小売り標準価格についてでありますが、小売り標準価格は、販売標準価格に販売に要する費用を加えた額を基準として定めることといたしております。  なお、農林大臣は、糖価安定のため、必要な勧告を行なうことといたしております。  第十は、砂糖類政府売り渡しについてでありますが、政府は需給計画に基づき、その所有する砂糖類を売り渡すものとし、売り渡し予定価格については、販売標準価格から砂糖の精製及び販売に要する経費を控除した額を基準として、定めることといたしております。  第十一は、助成措置についてでありますが、国は予算範囲内で、生産振興地域都道府県に対し、生産振興計画実施に要する経費の助成を行なうことといたしますとともに砂糖類の製造施設につき必要な資金の融通のあっせんを行なうものといたしました。  第十二は、砂糖審議会等の組織についてでありますが、甘味資源生産振興砂糖類の需給計画、てん菜等の生産者価格砂糖類政府買い入れ価格及び砂糖の標準価格の決定に関する重要事項調査審議するため、農林省に砂糖審議会を設置することといたしております。  また、甘味資源生産振興対策、原料の集荷及び販売等に関する重要事項について調査審議するため、生産振興地域都道府県甘味資源生産振興審議会を設置することといたしました。  第十三は、行政機構等についてでありますが、本法案の円滑な運用をはかるため、食糧庁に、砂糖所管部の新設、定員の確保を行なうための農林省設置法の改正砂糖類政府管理のため「砂糖類管理勘定」を設けることに伴う食糧管理特別会計法の改正及び砂糖政府輸入につき、関税を免除するための関税定率法の改正その他諸規定の整備を行なうことといたしております。  第十四に、この法律昭和四十年十月一月から施行することとし、甘味資源特別措置法は廃止することといたしております。  以上、甘味資源生産振興及び砂糖類管理に関する法律案の概要でございます。  次に沖繩産糖につきましても、沖繩糖業の振興と経済の安定に資するよう、国内産糖に準じ、政府買い入れできることとするため「沖繩産糖政府買入れに関する特別措置法」に所要改正をいたしたものであります。  以上、法律案提案理由及びその内容の概略を申し述べました。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  32. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 東海林衆議院議員
  33. 東海林稔

    衆議院議員(東海林稔君) ただいま議題となりました「学校給食の用に供する牛乳供給等に関する特別措置法案」について提出者を代表して、その提案理由を御説明申し上げます。  昨年の第四十六回国会において、わが日本社会党は、牛乳学校給食について、栄養価の高い国内産牛乳による学校給食を行ない、もって、わが国酪農の発達と児童及び生徒の心身の健全な発達をはかるため「学校給食の用に供する牛乳供給等に関する特別措置法案」を提案し、以来この案は、継続審査の取り扱いを受け、今国会に至ったのであります。  しかしながら、わが党は御承知のように今回、牛乳法案を出しており、この牛乳法案におきましては、牛乳等の長期需給計画及び年度需給計画を策定し、牛乳等の基準価格を定め、その水準で価格を安定させる措置、その他乳製品の政府買い入れ及び売り渡し等の諸措置を講ずることを規定し、特にその第十七条におきまして、「政府は、牛乳及び乳製品の消費の増進を図ることにより酪農の健全な発達に資するとともに、児童及び生徒の心身の健全な発達と国民の食生活改善に資するため、学校給食の用に供する牛乳を義務教育諸学校の設置者に無償で給付する措置を講ずる」こととし、その具体的な措置に関しては「別に法律で定める。」こととしております。  そこで、この牛乳法案と「学校給食の用に供する牛乳供給等に関する特別措置法案」を調整する必要が生じましたので、従前の案を撤回し、ここにあらためて本案を提出したのであります。したがいまして、本案は、先に撤回したものの趣旨と全く同様でありますが、牛乳法案に対応せしめるため字句の修正あるいは条文の整理等を行なっているのであります。  以下そのおもな内容について申し上げます。  第一に、国は、学校給食実施に伴い、毎年度、学校給食の用に供する牛乳買い入れ、公立または私立の義務教育諸学校の設置者に無償で給付することとしております。  第二に、このため農林大臣は、毎年度、当該年度の開始前に、文部大臣と協議して、学校給食の用に供する牛乳買い入れ及び給付に関する計画を定めなければならないこととしております。  第三に、学校給食牛乳の国の買い入れ価格は、毎年度、当該年度の開始前に、牛乳法の規定に基づき決定された飲用牛乳の販売基準価格または指定乳製品の販売基準価格基準として、農林大臣が定めることとし、また物価その他の経済事情の変動により必要があるときは、改定することができることとしております。  第四に、国は、学校給食の用に供する牛乳買い入れについては、生乳生産者団体から買い入れを優先的に行なうこととしております。  第五に、国は、予算範囲内において、生乳生産者団体に対し、学校給食の用に供する牛乳供給円滑化をはかるため、牛乳の処理施設の新設または改良に要する経費について、その三分の二を補助することとしております。  以上、本法律案提案理由及びその内容の概略を申し述べました。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いする次第であります。
  34. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 三十分間休憩いたします。    午後三時四十七分休憩      —————・—————    午後五時三分開会
  35. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を再開いたします。  八郎潟新農村建設事業団法案議題とし、本案について質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  36. 石田次男

    ○石田次男君 この法案がかかってくるにつきまして、いろいろ現地のほうの話も聞いてみたのでありますが、最初に、八郎潟を埋め立てするときには一部の、県内のいわば政治関係の一部の人たちを除いて、あとは一致して反対だったそうですね。それが今日までの経過で、とにかく埋め立ててし在ったわけです。聞くところによりますと、ことし一ぱいで排水が完了すると、こういうふうに聞いておりますが、この見通しは見通しどおりにいきそうですか。
  37. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) お答えいたします。排水の予定は、本年度に全体の排水は完了する予定であります。  それから当初反対があったのは御指摘のとおりでございます。漁業補償交渉をいたしまして、円満に妥結いたしましてこの事業に入ったわけであります。
  38. 石田次男

    ○石田次男君 それで、現地の話によりますと、とにかく現在においてはほとんど埋め立て完了という見通しの段階にきて、これから新農村をつくるというところにきている。いままで県下の反対が全部あきらめた。こうなってしまった以上は、なるべく既成の事実の上に立って考えるのだから極力努力してくれと、こういうわけです。それで、どんな注文があるのだと聞いてみたのですが、私の予想していた答えと違って、ほとんどこの基本的な条件のことばかりいってきているのですよ。そうして秋田の県会でも、反対の市会、その他関係の市会でも、国会での社会党の反対ということがあるにもかかわらず、現地は現地でもって、共産党以外は全部一致して促進賛成。事業団を早くつくって、とにかく早く仕事をしてくれ。そうでないと何となく安心できぬというような、そういう意見、促進の決議もしているようです。この法案について、事業団をつくって仕事を進める促進の決議、そういうものはこっちの本省のほうに届いているのですか。
  39. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 現地からも、ともかく早く国の事業といたしましては、排水して、一応基幹的な工事だけでございまするが、それだけでは利用できせまんので、もっと基盤の整備とか、それから社会施設の充実のための本事業団を早くやってくれという趣旨の御陳情はたびたび承っております。
  40. 石田次男

    ○石田次男君 地元の県会、市会その他あるいは農業団体等もあるかもしれませんが、陳情とか要望とか、直接本省にかつぎ込んできたものがあったらその内容を発表してもらいたいのですが。
  41. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) この事業促進は、先ほど申したとおり、常にいろいろの機会に御陳情がございます。それから地元のほうとして、さらに具体的な陳情といたしましては、地元の方を優先的にこの地区に入れるように配慮をしてもらいたいという御陳情はたびたびございます。私どももそういう考え方をとるつもりでございます。
  42. 石田次男

    ○石田次男君 内容はそれだけですか。それだけではないでしょう。
  43. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 陳情の内容はそういうことでございます。もう一つ別の意味の陳情といたしましては、この潟の外の漁業の補償の問題の御陳情がございます。
  44. 石田次男

    ○石田次男君 さて、本論に入りますが、この八郎潟の埋め立て反対のあったのは、一つには漁業問題が有力な材料であった、これはお話のとおりです。それで埋め立てにかかる以前の八郎潟、あすこは浅いですから、魚の種類も違っていますけれども、埋め立てにかかる以前のとれておったおもな魚種と、それからその年間の量と金額と、それ大体わかっておるでしょう。
  45. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) ここにとれております魚種は、主としてフナ、コイ、淡水とあれとまざっておりますので、いわゆるハタハタ等の魚種でございます。いわゆる淡水魚がおもでございます。  それからどの程度とれておったかというお話でございますが、漁獲高につきましては、現在ちょっと手元資料を持参いたしませんでございました。三十二年の十二月に漁業補償が妥結をいたしておりますので、何ぶんだいぶ前のことでございますので、ここに資料を持参いたしませんでした。
  46. 石田次男

    ○石田次男君 そういう反対はあったということはわかっているはずです。それで、当然あの湖水から幾らとれておったという金額の算定はしておったと思うのですが、どうですか。ここに持ってきてなくても、算定はしてあったと思うのです。
  47. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) おっしゃるとおり、漁業補償をいたします際には、どれだけの漁獲高があったということが根拠になりますから、漁業補償の根拠としては漁獲高の算定はあったわけであります。本日ここに持参いたさなかったという意味のことを申し上げたわけであります。
  48. 石田次男

    ○石田次男君 そうすると金額もわからないわけですね。
  49. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 三十二年の十二月二十六日に妥結いたしました漁業補償額としては、十六億五千四百万円でございます。
  50. 石田次男

    ○石田次男君 それは漁獲量の金額じゃないでしょう。補償の金額であって、幾らとれておったというその金額じゃないでしょう。私の聞いているのは、年産です。当時の金といまとでは違うけれども、年産で、あの周辺から幾ら金額にして上がっておったかということを聞いておる。
  51. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 先ほど申しましたとおり、年間にどれだけの漁獲が淡水でとれておるか、これを金額に換算すれば幾らになるか、その資料が基礎になりまして三十二年の漁業補償が行なわれたわけでございますから、数字はあるわけでございます。まことに恐縮でございますが、本日持参をしておらないということでございます。
  52. 石田次男

    ○石田次男君 そうすると、この十六億というやつは年間の収益だと、こう見ていいですか。違うでしょう。
  53. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 収益を基礎にいたしまして……。
  54. 石田次男

    ○石田次男君 基礎になっているのはわかっているけれども、私の聞いているのと方向が違うんだ。  それじゃもう少し話を詰めますが、まんなかをいま埋めたわけですね。そうして入り口を仕切って、まわりの細い川から水を入れて、塩だけを抜いて、純然たる淡水にするというわけですね。そうすると、当然面積は減ったわ、水質は変わるというわけで、漁業の資源の確保という観点がひとつの仕事になってくるはずなんです。それを聞きたいというわけですよ。そういう意味で、埋め立てる前に水産量が幾らあったか、これをはっきりさせたいと思っているのですがね。
  55. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 先ほど来、恐縮でございますが、手元に、その当時漁業補償の基礎になりました年間漁獲高の資料を持参いたしておりませんので……。
  56. 石田次男

    ○石田次男君 それですね、いまちょっとすぐ調べはつきませんか、本省に連絡して。大体六時ごろまでやるというわけですから、まだ少し時間があるから。
  57. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) ただいま本省に連絡をいたしておりますが、ちょっと気になりますことは、三十二年に補償いたしておりますので、基礎資料が非常に古いわけでございますので、直ちにそれが出てまいるかどうか、ちょっとそれをいま気にいたしておりますが……。
  58. 石田次男

    ○石田次男君 きょうこれで審議をするというわけですから、そのくらいの資料は準備しておいてしかるべきで、当然用意してしかるべきだ。これから調べて出るかどうか、あやふやなことでは困るわけですよ。それははっきりしなさい。これから衆議院に回るわけでもないでしょう。きょうだけでこれは審議の日がないのですから、いわば国会の審議の場はきょうこれから一時間で終わるのですから、それをはっきりさせなければ、それはわからないわけだから、ぜひともきょうひとつそれは出していただくようにしてください。  要するに、面積はだいぶ減ったわけですが、これからのやり方次第では当時の水産量をほぼ確保するところまで、私は技術的にできそうな気がするのです。この事業団のやる仕事というものは、これは農業のことばかり考えておりますが、その意味では非常に片手落ちであると思います。農業ばかりではなくて、これから残った水域での漁業のこともぜひ考えてほしい。これは技術面として、当然可能性はあるわけですから、事務当局のほうでそういう計画があるか、または大臣、次官あたりから、そういうきめのこまかい指示がされているのかいないのか、それを両方からお伺いしたいと思います。
  59. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御指摘のとおり、四千七百ヘクタールの調整池が残りましてございます。そこで、これをそのままにするということはもったいないことでございますので、昭和四十年度に、農林省で、水産庁が中心になりまして、内水面漁業地域振興計画地域指定を行なっております。それから調査計画を進めて、そして四十二年度から事業実施する予定で準備中でございます。県といたしましては、八郎潟残存湖水産利用対策審議会というものを設けまして、農林省、水産庁、水産試験場、県の水産課、県の水産試験場をもって構成いたしまして、昨年の十二月に第一回の会議を開催いたしまして、これの活用の方途を現在審議中でございます。
  60. 石田次男

    ○石田次男君 その計画は、現在、まだきめていないのですか。
  61. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 振興計画を立てるための調査を四十年度からやりまして、四十二年度から事業実施するということでございます。
  62. 石田次男

    ○石田次男君 それで三十二年に補償をして、もうことし一ぱいに発足せられるというのですから、当然淡水化完了とともに、そっちのほうにすぐかかるということでないと、政治ではないと思うんですね。大体いまの政府与党のやることは、そういうふうにだらだらして、さあ埋め立ては終わった、事業団をつくって、それからぼつぼつと漁業資源のほうも調査して、調査が終わってから少しずつふやそう——まるっきりたるんでいるんですね。そういうことでほんとうに総合的な現地の住民のことを考えた開発計画と言えますか。少しその計画はルーズ過ぎるんじゃないですか。その点、いかがですか。
  63. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御指摘の点確かに留意すべき事柄だったと思います。何分四十年度三月水をはきますので、その過程におきまして濁りますので、それが完了するまでは淡水として利用いたしかねる、漁業として利用いたしかねる事情もございましておくれております。確かに先生御指摘のとおり早めに、完成いたしたらすぐできるように、事前に計画を急ぐべきだという点は、確かに私どもとしてはおくれておる、かように考えます。
  64. 石田次男

    ○石田次男君 その点は、時間がないですから打ち切っておきますが、なるべくこれはひとつ詰めてもらいたいと思います。  それから御存じのとおりに秋田、あの辺は非常に油田地帯でございます。八郎潟についても、あの地区には石油資源があるというのがもっぱらの定説ですけれども、鉱区権の設定あるいは地下にあるかないかの見込み、そういったものの現状はどうなっておるのでしょう。具体的な詳しいことは私は知らないので、教えてもらいたいのですが。
  65. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) お答え申し上げます。現在、八郎潟の中央干拓地区については、大部分すでに鉱業権が設定されております。それから御指摘のとおり石油及び天然ガスの埋蔵量もかなり多いようでございます、かように承知をいたしております。そこで、そういう採掘あるいは試掘が行なわれる場合には、十分協力いたす、かような考え方でございます。
  66. 石田次男

    ○石田次男君 その石油のことですがね、埋め立てた地域がこうあるわけです。その全面にまたがっているか、あるいは北とか南とかというふうに地域的に片寄っているか、その点はどうですか。
  67. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 大体全範囲に及んでいるようであります。ただこれは、掘りまして、パイプで運べばいいということでございますので、この鉱業権の設定、試掘をやりましても、農業のほうの影響はさしてない、かように考えております。
  68. 石田次男

    ○石田次男君 時間がないから、ひとつ答弁のほうも簡単にお願いします。  私は秋田の生れで、秋田で育ったからよく知っておりますが、あのやぐらは確かに簡単なものですが、一たん立てたら農業の機械化をはばむものですよ。大型機械化でもってがたがたやるわけにはいかない。電柱がたくさん立っているのと同じですから、だから全面的に鉱区が設定されて、どんどん掘れば、ここで述べているような理想的な大型農業ができかねるようになりますけれども、そことの調節はどう考えておりますか。
  69. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 八郎潟の干拓に関しまして、先に研究会を設けて長年検討しております。そこでも御指摘のとおりの石油の問題が出ました。これに関しては、農業への影響がないような方法が講じられる、また講ずべきであるという御注意がございました。私どもとしては、そういう方法で考えてまいりたい、かように存じております。
  70. 石田次男

    ○石田次男君 これはあとの実施のときのお手並み拝見としまして、打ち切っておきますが、埋め立てした周辺の問題です。まわりですね。御存じと思います。あすこのところは大体景色のいいところでして、八郎潟というのは昔からいわば周辺は風致地区みたいなものです。あの辺には公立の公園もあれば何もあるという調子で、埋め立てた島のまわりのほうは、これはひとつ風致地区にふさわしいように……、風致地区というかどうかそういうふうに配慮して、残してですね、考慮を加えて、よりよい国土をつくっていったほうが将来のためになると、私はこういうふうに感ずるわけです。その点についての配慮はいまのところしておりますか。
  71. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) おっしゃるとおり、たいへんきれいな地区でございます。周辺の干拓地も農業として利用いたしまして、やたらに工場その他をつくらせない。また、つくる考えも、秋田県も私どももございません。御指摘のような立場におきまして、秋田県とよく相談して、風致を害することのないように重々注意をしたいと思います。
  72. 石田次男

    ○石田次男君 そこのところはとにかく農林本省としては考慮に入れているというお考えですね。そうなりますと、この事業団にやらせる、事業団が実際に発足する、その発足した段階において、そのことをはっきり事業団に申し含めて、むやみな計画はさせない、そういう確約をきょうここでできますか。
  73. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 法案をごらんになればおかわりなりますとおり、国が基本方針を示しまして、事業団実施計画を立てたのに対しまして農林大臣が承認する段取りになります。したがいまして、いまの先生おっしゃったような形におきまして、この仕事、事業の承認なり基本計画を指示するにあたり対処いたしたいと、かように存じます。
  74. 石田次男

    ○石田次男君 この八郎潟の新農村建設事業ですが、いままで聞いたところによれば、農林省の説明では、十年くらいで終了させるといっておるのですが、ところで反面、書いてあるとおりに、事業団をつくれば、役員の任期は三年、こうなっておりますよ。で、計画としては十年くらいかかる。とすれば事業団そのものは当然十年くらい仕事をするという意味であると私は了解しているわけですが、それに間違いがなければ、役員の任期が三年というのは、これは仕事の性質からいっても、あまりにも短か過ぎるのじゃないか、いや、そうなったらそれを今度はそのまま同じ役員でもってまた再任していけばいいじゃないか、こういうことも出てきますけれども、とかくお役所でやっていることを見ますと、三年なら三年ということになれば、理事長でも理事でも監事でも、みな首のすげかえして、いわば公団人事をたらい回しして、ごっそり退職金をもらって、ぐるぐる回るのですよ。社会党さんあたりで法案に反対というのも、一つはこういう公団人事の点からきている点もあると思います。私はそれは当然だと思います。むしろよそとの振り合いからいってこうなんだというかもしれませんけれども、こういう性質のものは、はっきりと役員の任期も事業内容にふさわしいものにとりきめて、本腰を入れた仕事をさせる必要がある。三年くらいで首のすげかえなどをやって、それで満足なものができるわけはない、こういうふうにも考えられるわけです。また、地元としても、やたらに人間がかわったり何かして、ぐるぐる変動があれば、やはりやりにくいものですよ。そういういろいろな点から総合してみて、この役員の任期、それから事業計画の十年というプラン、それらをにらみ合わせて、本省では、いまやっていらっしゃる方針どおりそれでいいとお考えでしょうか。
  75. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 一応時限的でない公団、事業団等におきましても役員の任期を三年なり四年なりにきめておる立法例が多いようでございます。私ども別に他意はなく、やはりそれと同様に、この事業団も一応三年の任期にいたしまして、仕事の、本人の健康その他いろいろの事情によって続けてやっていただきたい方は再任をする。いろいろと適格性を再検討をする場合にはその際に交替していただく。そのためにはやはり三年の任期を置いておいたほうがよろしいのではないかと、かように判断をいたした次第でございます。
  76. 石田次男

    ○石田次男君 三年の任期を置くということは、やはりこの人事が変わるということを可とする予想に立ってやっているんですね。これはまあ事務当局から聞いてもしようがないと思うのです。私申し上げたこの趣旨ですが、大臣ないし次官はどういうふうにお考えでしょうか。三年といえば、われわれ議員の任期六年、前半の三年なんというものは、もう無我夢中で過ぎて、あとの三年はさあ選挙だというわけでこれはさっと過ぎて、実際六年いたってほんとうに自分で満足できるような仕事はできないのですよ。それを、公団つくって、しろうとの役人をそっちに引っぱっていって、もの覚えさして、仕事をやらせる。それは一応の、一通りのことはできるでしょうけれども、本腰を入れて、じっくりとこの現地の事情を理解し、地元の要望を知り、そうして一つの行政としてがっちり力を入れるについては、この十年という仕事の期間に比較して三年というものは、これはどういうものでしょうか。ざっくばらんな御答弁をひとつ聞かしていただきたいのですがね、次官の。
  77. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) なかなかむずかしいお尋ねでございまして、私のほうが、三年の任期が、それでいいのか悪いのかということにつきまして、まことに申しわけないのでございますが、期間を長くするかどうかということの判断につきましては、ただ私が、十カ年でやりとげようとする場合の前三年で、大体の基本計画というものはできないものであろうかというようなふうに実は考えますし、なおまた、石田先生のお話にもございますように、たいがい役員の任期もきました場合も、また、留任の方法もあろうかと思いますので、さような場合、御心配のような情勢がございます場合には、お前そう答えるだろうというお話もございましたが、留任でもしていただいて、引き続きやはりやってもらう方向をとっていけば支障はないのではなかろうか、必ずしも三年ということですべてがまた更新されるというふうにはとってもらってもどうであろうかと、実はそういうふうに考えております。
  78. 石田次男

    ○石田次男君 では、一応その御答弁はいまの段階で了解しまして、現在この役員人事は、理事長一、理事三、監事一、計五です。で、毎回こういったものが出てくるたびに申し上げているとおりに、とにかくこれらの人事というものは、理事クラスで最低二十万円、理事長二十五万円くらいのいい月給取りです。こういうのを一人ふやせば、これは年間相当なものですよ。まあ現在の五人だけでも軽くこれは一千五百万円でしょう、年間かかるこの人件費が。将来ですね、十年間のうちに、私はこれは絶対にふやさないという確約をほしいと思うのですがね。その点はどうですか。
  79. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 理事監事を絶対ふやさないかという御質問かと存じますが……。
  80. 石田次男

    ○石田次男君 いやふやさないという確約をほしいのです。こんな人間がふえたってしようがないから。
  81. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 私ども、いろいろな角度から、本事業団はこの程度のスタッフでよろしかろうという判断をいたしたわけでございますから、これをふやすということを直ちに考えておるわけではございません。
  82. 石田次男

    ○石田次男君 いまちょっと答弁聞きそこねました。すみませんが。
  83. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 一応新しい仕事でございますので、この仕事の量等の関係で、この数を関係当局ともいろいろ相談をしてきめたわけでございます。特別の事情のない限りこれをふやすことは考えておりません。
  84. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 今度の八郎潟のこの新農村の事業団法案について私が質問したいことは、いわゆるこの周辺におられた方、つまり漁業権を持っておられた方ですね、これは従来スタートされたときに相当の補償がなされておると思うんですよ。その後の水路における漁業権というものはもう与えないのか。それはもうそのまま放任しておくのか、相当水路としても大きいですからね。その点はどうなっておるかということです。
  85. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 先生御指摘のとおり、漁業権を買収いたしましたから、漁業権は一応ないわけです。そこで、先ほど申しましたとおり、新たに漁業として利用のしかたをきめまして、そのきめた態様に応じまして新たに漁業権を許可するという考え方をとっております。
  86. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 新たに許可するという考え方をとっておる。
  87. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) さようでございます。
  88. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、その漁業権を持っておった人を主体としての入植者を選定していくと、この点はどうなっておりますか。
  89. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 漁業権補償の際に、将来ここの地区に入れてもらいたいというお話が非常にございました。八郎潟は中央干拓地の周囲にたくさん周辺干拓地がございます。現に周辺干拓地にはそれらの方を優先的に入れております。それから、中央干拓地につきましても、私どもとしてはそれらの経緯を考えて配分にあたりたいと、かように考えております。ただ、それらの方だけであの膨大な地帯、干拓地を占有してしまうという形はとれません。全国からも有能な方々を募集する。しかし、そういう経緯は尊重する。さように考えております。
  90. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、なんですね、周囲の漁業権を持っておった人をまず優先的にとって、それでは足らないからそれ以外からもとる場合がある、こういう解釈をしてもいいんですね。
  91. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 周辺干拓地に対しましては優先的に現にやっております。それから、中央干拓地につきましては、今後具体的に人を選んでまいるわけであります。その際に、全国からも募集をいたしますが、周囲の方々で周辺干拓地へおさまらなかった方々、これらの方々は過去の経緯を尊重して選ぶべきである、こういうことは秋田県にも申しておりますし、関係の方々にも申しております。
  92. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 大体そうした場合の一戸当たりの面積というものは、どのくらいを考えておるのかですね。
  93. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 中央干拓地におきます経営のタイプといたしましては、実は圃場が六十ヘクタールずつになっております。そこで、六十ヘクタールを十二戸程度で共同でたがやすような形を考えてまいりたい。したがいまして、一戸当たりで言うと五町程度を中心に考えてまいりたい。ただし、それにかわりまして、漁業補償等で一部の方々に増反にしてくれないかというお話がございました。それとの調整は別に考える必要がある。基本的には中央干拓地はそういう形を考えております。
  94. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 土地所有権はそうした個々に持たせるにしても、いわゆる機械化という問題になってくると、共同作業ということになるわけですか。
  95. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) さようでございます。大きな機械を使ってやらないとやれない地区でございますので、個々の農家に対しましては五町ずつの基準で配分はいたしますが、それらの方方が一緒に六十ヘクタールを大型の機械でやってもらいたいという考え方で現在進んでおるわけでございます。
  96. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうなりますと、役員の問題で御質問もあったようですから、私はダブっては触れませんけれども、小人数の、つまり職権あるいは任命権、任期とか、こういう問題は別にして、この中の職権ですね、運営方法ですよ。現地における運営方法ですね。これは、むろん県知事はその地域地域の方の意見を聞きながら、それに対する運営については考えていくでしょうけれども、その点の詳細のやり方は具体的にどう考えておるのかですね。その点ちょっとお聞きしたいんだがね。
  97. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御審議願ってます法案の二十条にもございますように、農林大臣が基本計画を立てます際には、農林大臣は秋田県知事及び大潟村の村長の意見を聞かなければならない。それから、事業団が立てます際にも、同様に現地の方々の意見を聞かなければならないことになっております。ただ、基本的な問題といたしまして、あの中でどういう営農でやってまいるか、そのためにはどの程度の大きさの圃場をつくるか、また、どの程度の水路なり道をつくるかという基本方針は、意見を聞きまして国が指示する、こういう考え方でございます。
  98. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それは案としては、なるほど県知事なり、あるいは地域の村長と協議をしてきめるということには間違いはないでしょうけれども、実際問題として、ここに入っておる、入植された人の意見ですね。そういうものを吸い上げる機関は、ここでは、法には盛っていないのですが、実際問題として、どういういき方をしようと考えておるのか。村長の意見を聞く、町長の意見を聞くというけれども、実際問題として、入植された人の意見が多少なりとも聞けるような方法を考えておるのか。それはもう職権でこうせよああせよということになるのか。この点は入植者として非常に問題じゃないかと私は思うのだがね。
  99. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 音通の開拓地でございますと、工事が終わりますと、人を入れてしまいまして、それらの方々が金を借りたりしてこまかい圃場の整備をする。ここは膨大でございますから、圃場の整備を先行させようと考えております。そこで、しかし、急にすぐ営農するわけでございませんで、この事業団事業にも書いてございますように、一年ないし一年半の訓練期間を国の圃場、農場その他でやろう。その段階におきまして入る予定者の方の訓練をいたします。その過程におきまして、それらの方々と十分話し合いながら、現実に、どこにどう人を入れていくか、機械はどうするか、その他話し合ってきめていきたいと、かように考えております。
  100. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 もう一つ。公共施設、これは国がやるということにしてありますが、実際問題として、一つの村が形成された場合、村の負担は全然これにはないとするのか。もし入植者が独立して政活をしていくという事態になっても、公共施設は、もう政府はそこにやるということが前提で公共施設の整備をやるのかどうか。この点はどうなんですか。
  101. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 公共施設にもいろいろございますが、たとえば基幹の導水路、国がやっておりますものは国が全部やってしまう。事業団のやります事業の公共施設の中で、たとえば小さい道路、それから学校の敷地とか、あるいは学校とか、そういうものがいろいろ出てまいります。それらのものに対しましては、事業団一定額負担をいたしまして、その事業団がそれらの方々から、あるいは村から、村のものでございますれば村、県営住宅でございますれば県から年賦的に、国の負担する以外の分はちょうだいいたす。しかし、一ぺん国の金で全部先につくってしまう。こういう考え方でございます。
  102. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 そうすると、結果的には、たとえば保育所とか、あるいはまた学校とか、公会堂をやるとか、そういうものはあとでやはりその町村の負担になる、こういうのですか。
  103. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 国が一定額を負担いたしますが、負担する残りは村の負担になります。ただ新しい村でございますから、一ぺんに取り立てるわけにまいりませんから、なるたけ繰り延べして年賦額で取る。こういう考え方で考えております。
  104. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 長期間に移譲していく。
  105. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) さようでございます。
  106. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 これで終わります。
  107. 北村暢

    ○北村暢君 時間がございませんので、ごく簡潔にお伺いしますが、現在の国営八郎潟の干拓事業法人事業概要は大体出ておりますから、これは質問いたしませんが、大体どの程度の人員がおされるのか、そしてこの干拓事業が終わったならば、この国営事業に従事している人々の配置転換その他についてどのような計画になっておるのか、この点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  108. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 現在大きな干拓といたしましては鳥取県、島根県の中海、それから昨年度大長崎の着工に踏み切りました。そこで中海等につきましては、現在すでに機械あたりは逐次八郎潟から転進させております。それと同様な考え方で、職員や干拓の専門職員の異動考えております。現在どのくらいいるかということでございますが、八郎潟の事務所は四百二名現在おります。御参考に、中海にいたしましても長崎にいたしましても、ピーク三百名から四百名近い職員が要ることになります。時間的には大体これに引き継ぐ形にタイミングとしては相なるわけでございます。
  109. 北村暢

    ○北村暢君 この四百二名のうち、技術者はそういう形で配置転換が可能でしょうが、地元採用で、なかなか中海その他長崎干拓等へ移るといっても簡単にいかない人がだいぶおるのじゃないかと思うんですが、その数はどのくらいになっておりますか。
  110. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 地元の方というのは、いままだそういう段階でございませんので突き合わせをやっておりませんが、たとえば庶務、経理というようなところに比較的そういう方が多いと考えますれば、庶務が二十一名、経理が二十五名、管理が十六名、先生おっしゃるとおり国営事業は何年かかりまして、終われば次に仕事を移すわけでございます。技術職員はそういうふうに異動をいたしますが、地元職員といいますか、にはいろいろ問題がございます。私どもといたしましては、八郎潟はとりあえずは事業団もできることでございますから、それらの方々で庶務、経理、管理という方々はやはり当然事業団のほうでも吸収の余地もございます。そういう面も配慮して、まいりたい、かように思っております。
  111. 北村暢

    ○北村暢君 この配置転換その他については、当然地元の労働組合等とも話し合いをして、混乱のないようにされることだと思いますが、そういうふうに理解して差しつかえございませんか。
  112. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 愛知用水にいたしましても、あるいは水公団にいたしましても同様な問題に当面いたしました。十分話し合いをして、職員団体の方々と話し合いの上処理したようでございます。
  113. 北村暢

    ○北村暢君 八郎潟の新しい事業団ができるわけですが、それが国営事業で引き続いてなぜできないのか、新しい公団をわざわざつくらなければならないのはなぜなのか、この理由を簡単に説明していただきたい。
  114. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 実はこの事業をやるのにどうしようかということで、各方面から検討いたしました。特別会計をつくって、国の手で干拓事業の先をさらにやるかという問題も検討してみました。それから既存の公団でやれないかということも検討いたしました。しかし、何分自治大臣との共管の部面もございまして、国の特別会計では非常に執行が困難であるという問題にぶつかりました。機械公団等を使うということにつきましては、両公団の性格上適当でないという判断をいたしました。そして各方面から詰めまして、どうしても八郎潟におきまして、国営事業の先に膨大な事業をやりますためには、やはり新しい事業団がどうしても要る。この事業団に財政投融資からなにからを一年プールしてこの事業団でやるという考え方に達した次第でございます。
  115. 北村暢

    ○北村暢君 衆議院の附帯決議に、八郎潟新農村建設にあたっては農地開発機械公団の活用につとめることという附帯決議がついているのですが、この附帯決議は尊重するということになったのだろうと思いますが、一体こういうことは可能なのかどうかどうかということ、それからいま説明がございましたが、農地機械開発公団の従来の事業内容からいって、こういう新農村建設ということができないのかどうなのか、私はそれほど困難ではないのではないかという判断をしているのですが、事業内容からいって、この附帯決議との関連においてどのようになさろうとしているのか、この点をひとつお答え願いたい。
  116. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 申すまでもなく機械公団はたくさんの機械を持っておりまして、工事を実際に執行する公団でございます。したがって、その持っております機械に対しては事業、たとえば八郎潟の中で圃場を整備する、あるいは一部の道路をつくるというような仕事は、機械公団が自分の機械を持ってやってもらうのに適する仕事でございますので、そういう方面で機械公団に仕事を発注する、委託するというふうに考えているわけでございます。衆議院の附帯決議には、それを極力活用につとめる、適する事業については極力活用を考えるつもりでございます。そこで、今度は、八郎潟新農村事業団にかわって機械公団にやらしたらいいじゃないかという話でございますが、この八郎潟のほうは、先ほど申しましたとおり国から基本計画を受けまして実施計画を立てて、たとえば道をどういうふうにつける、あるいはどういうふうに学校をつくるという企画機関、企画いたしまして発注する機関でございます。自分がそういう建築の資材や人手を持つ必要のない機関でございます。任務が相違っておりますので、任務の混淆があるということはどうしてもうまくないという立場で、企画し発注する公団として別に八郎潟に公団をつくる、それから実際に工事をする仕事の面は機械公団がこれから委託を受けてやるという整理をいたしました。
  117. 北村暢

    ○北村暢君 大体わかりましたけれども、私は、事業団、公団、こういうものに反対だということは、すでにもうスーパーの管理会のときに申し上げましたからもう申し上げません。ただ、公団が乱立をしていくということについて非常に遺憾に思います。いま発注するいわゆる資金的な面、事業計画そういうことをやり、しかも営農指導をやる、こういうことも業務内容に入っているようでありますけれども、営農指導をやるなんということは、これは地方に農政局があって営農指導をやることになっておるのでありますから、また県もやる、こういうことでありますから、この指導ができないはずはない、指導をやるだけならばそういう面でやるべきである、まあこういうふうに思います。それからそういう意味では、多少意見になりますが、きょうはもう論争することをやめますが、一体この八郎潟の事業団は、発注する機関というが、大体どのくらいの規模でなるのか、この点をひとつお伺いいたしたいと思います。
  118. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御質問の御趣旨は、八郎潟事業団の……。
  119. 北村暢

    ○北村暢君 機構。
  120. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 機構でございますか。現在のところ、総務部、建設部、管理部、指導部、東京支所というふうな考えをとりまし七、職員といたしましては、四十年度においては一応百数十名、最盛期には二百名程度になる見込みをもって考えております。
  121. 北村暢

    ○北村暢君 あなたの、予算を要求したときの資料では、二百五十名程度の人員を予想しているんじゃないですか。
  122. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 最盛期におきましては二百数十名、二百名と申しましたが、二百数十名、それを一応予算の際には二百五十名くらいの考えであるという説明を、財政当局にいたしたわけであります。
  123. 北村暢

    ○北村暢君 そこで、事業の基本干拓地の工程表を見ますというと、事業の完了するのは大体四十五年で、訓練指導期間だけが五十年、こういうことになっておるようでございます。そうすると、この公団の指導関係が約三十五、六名ですから、あとの管理関係は若干残るんでしょうけれども、建設部と管理部関係は、ほんとど五年くらいで事業は完了する、こういうことになるだろうと思うのですね。したがって、人員はもちろんそのとき減らさなきゃならない。そうして昭和五十年には全部の事業を完了する、こういうことになりまするので、そのときに、この事業団はあっさり解散するのか。これは大臣にひとつ聞きましょう。この事業団は、この八郎潟の事業が終わったら、あっさり解散するのか、しないのか、またほかのほうへ仕事を見つけて、今度はほかのほうの、中海とか長崎とか、そういうところへ移っていくような考え方で、この事業団はまたずっと残っていくのか、八郎潟だけで解散するのか、これ、見通しはどうなっておりますか。
  124. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 八郎潟の事業団は、八郎潟の事業団として目的が終わりましたら、一定の時期にはやめる、こういうように考えます。ただ、そういう人をどういうふうに、また首切りというか、そのままにしておくというわけにはいきませんから、その人の配置等については考えることがありますけれども、事業団としては一定の時期が来ましたら、目的達成いたしましたならばやめる、こういう予定でございます。
  125. 北村暢

    ○北村暢君 そうしますると、やめるということがはっきりしましたが、その際の人員等については考慮する、このようなことでございますが、大体いまのところ、国営事業から八郎潟へ行く、八郎潟の事業団に相当の技術者もなければこれはできないような仕組みになっているようですが、建設部だけで約百名くらいの人員、そうすればこれはほとんど技術者ではないかと思う。そのほかの事務関係の人も、急にこういう人を全部集めるといっても、なかなか簡単にいかないだろうと思うのですが、現在の国営八郎潟干拓事業所からこの事業団に、国営事業をやめて事業団へ行くというような人は、予想としては一体どのくらいおるのか、そしてまた国営事業からそういう人の人員配置がなくても、非常に短期間において事業を完成しようとしておりますが、それだけの技術者を確保する見通しがおありになるのか、どうなのか、この点をお伺いしたいと思います。
  126. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 供給のソースといたしましては、八郎潟の事業所の職員、それからやはり時限性の問題もございまして、秋田の知事も時限性の問題は考慮いたします。秋田県庁からなるべく出して、時限性の際の処理についての問題を極力少なくしたいという立場をとっております。私どもも、したがいまして八郎潟の事業所と秋田県庁を中心にソースを考えまして、そして、それから八郎潟の事業所の一部は、先ほど申し上げましたほかの、干拓地のほうに行くということもございまして、そういう立場から、この人間は確保できるという見通しを持っております。ただ、本法は施行になっておりませんので、具体的に職員に呼びかけて希望をとるということは差し控えております。もし法律が幸い御通過願えれば、その段階において十分各人の希望をとる、不足分はほかの事業所から、あるいは秋田県から埋めてまいりたいと考えます。
  127. 北村暢

    ○北村暢君 先ほど大臣の答弁で、公団は廃止するが、人員等については、配置その他について考慮する、こういうことでございましたが、国営事業から公団へ移った方が、再び農林省にかえりたいと、そういう希望があった場合に、可能であるかどうかという点についてお答え願います。
  128. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 御承知のとおり、八郎潟とか愛知用水に出向いたしますについて、水資源に出向いたします際にも、本人の要請は当局でちゃんと登録いたしております。かえる際には引き取るという、現在は引き取るという措置をとっております。八郎潟事業団についても同様に考えております。
  129. 北村暢

    ○北村暢君 もう時間がございませんからごく簡単にお伺いしますが、この資料にもありますように、八郎潟干拓地大型機械化稲作作業体系試験というのが行なわれまして、その概要がこの資料に述べられておりますが、試験の結果は非常に不成績で、予期した成果が得られなかったということが出ております。この試験がこういう不成績になったのは、若干の原因も書いてあるのでありますが、事業団がこの建設事業をやり、入植者が実際に入植して、模範的な新農村ができる、こういうものについて、私は、この試験の結果から見ますというと、入植当初の二、三年は非常に営農において不安があるのではないか、このように思うのです。したがって、この試験の結果を勘案し、どのような措置考えられておるか、この点についてお伺いいたしたいと思うのです。
  130. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) お手元に御配付いたしました資料に率直に書いてございますとおり、三十八年はこの試験は率直に申しまして失敗でございます。この原因をいろいろ探究いたしまして、三十九年度、この一九ページの、次の欄にございますように、三十九年度は手当てをいたしまして、おおむね所期の成果をあげております。しかし、これは実験でございますので、実際に人を入れる際には大事をとらなければいけない、そういう立場におきまして、実際に人を入れます際には、四十一年に入る人を、四十年から国の農場で一年程度訓練をする、かつその間におきましての土壌条件の整備につとめるということで、先ほど訓練が非常におそくまでかかるようになっているという御指摘がございましたが、これは土壌条件の整備に応じて入れるというように、逐次少しずつ入れてまいるという考え方をとっておるわけでございます。私どもといたしましては、土壌条件の整備と試験及び訓練を通じまして、現在やっております周辺干拓地におきますこの試験を通じまして遺憾のないように大事をとって仕事を進めてまいるつもりでございます。
  131. 北村暢

    ○北村暢君 基本計画は農林省がお立てになっているようですが、基本計画の構想というのはどういうものを持っておられるのか、それから入植計画はどのような考え方で対処しようとしているのか、それから営農の機械化、農業のモデル構想というのは一体どんなものなのか、この点を、質問は非常にばく然としておりますけれども、概略でいいですから御説明願いたい。
  132. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 基本計画といたしましては、基本方針とそれから工事計画に関する事項と、所要事業費に関する事項というふうに分けまして、基本方針の中では事業の施工区域、それからその中で特別会計でどこまでやるか、それからどこから先をいわゆる公団がやるという施工区域の概況その他を明らかにして、しかる後に事業目的土地利用区分に関する事項土地配分に関する事項、営農に関する事項、入植者の訓練に関する事項、機械の導入管理に関する事項等々に基本計画では示す予定でございます。  それから御質問の第二点の、営農の体系でございますが、これは先ほどもちょっと申しましたとおり、現在圃場を六十ヘクタール程度にする前提で土地の整備にかかっております。この事業団を通じてそういう形で整備をいたすつもりでございます。したがいまして、この地域におきましてはやはり六十ヘクタールを十二戸で一緒になって経営をするという形をとりたい、かように存じます。そういたしますと、当然播種は機械によります直播によらざるを得ない、したがって、収穫はコンバインによらざるを得ない、したがって、営農に関しては一ユニットに対して大型三十馬力のトラクターを二台ないし三台を用意する必要がある、こういうことで、関係の技術者の方々と設計を鋭意詰めている段階でございます。
  133. 北村暢

    ○北村暢君 入植計画はどうなっているんですか。
  134. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) そこで、地区が順番にかわいてまいりますので、一挙には入れるつもりはございません。順番にかわいたところから、土地条件の整備をいたして入れていくつもりでございます。したがいまして、目下のところ考えておりますのは、四十二年に三百四十人、次が六百人、次が六百人、五百六十人、四百人というふうな段階で、四十六年までかかって逐次入れる、そしてその前に一年間の訓練を重ねてまいるという形にいたしております。したがって、そういうふうに考えますと、四十年度におきまして選考の基準なり何なりを明らかにして募集をいたす、こういうかっこうに相成ります。
  135. 北村暢

    ○北村暢君 募集ということですが、入植の対象者は全国至るところから募集するのですか、これはどういう考え方で募集するのですか。
  136. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 私どもの考え方としては、全国的に募集をいたす考えでございます。ただ、先ほども申しましたとおり、実際の募集者の中で募集の条件に合う人がもし競合するような場合におきましては、先ほど申しましたとおり、秋田県の漁業補償の関係の方々、あるいは周辺の方方、こういう方々を優先的に考えてまいる、かような考え方、で全国的に募集をいたす考えでございます。
  137. 北村暢

    ○北村暢君 最後に一つお伺いしますが、これは農林省の干拓地ですから、もちろんいまの基本計画に基づいてやるということになれば、新農村ということで農村が建設される、このように理解するわけでありますが、農村以外の目的に使用せられるということには絶対にならないのかどうなのか、たとえば一部工場の集団団地をつくるとか何とかということにはならないのかどうか、その保証はあるのかないのか、この点を最後にお伺いいたします。
  138. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) お手元の配付資料の三ページに図が書いてございますが、やっぱりこれだけの数千戸の人が入りますので、市街地として八百屋、魚屋、そういう方々の地域はやはり要ると思います。それを私ども総合中心地と呼んでおります。しかし、この地区は農地でございますから、農地転用を働かせる余地がございますので、転用許可をやたらな工場等についてはいたさない考えでございます。
  139. 北村暢

    ○北村暢君 調整池というのがあるんですが、この調整池等について利用の方法等についてはどんなふうに考えておりますか。何か有効な使い方があるのかないのか、また、中央地区以外に南部干拓地、西部干拓地が周辺にあるわけですね、こういうようなものについての入植計画というようなものは、農用地としてのみ利用するのか、あるいは工業用地として集団団地をつくるというようなことにはならないのか、この基本計画は大体中央干拓地についての計画のようでございますが、その点をお伺いいたします。
  140. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 周辺干拓地は現にどんどん完成いたしておりまして、先ほども申しましたとおり漁業補償を受けた方々の増反用にどんどん配分をいたしておりまして、これらの方々が既存の農地と合わせまして増反用地として米をつくっておる現状でございます。ほかの施設はできておりません、またつくらせる考えはございません。  それから調整池は先ほど石田先生の御質問に対してお答えいたしましたとおり、これをあらためて漁案として利用する余地を考える必要がある。そこで現在秋田県におきまして利用対策審議会をつくりまして、どういう魚をどういうふうにして養殖をしてどうとるか、その検討を続けております。それが確定いたしますれば新しい漁業権を許可する形に相なります。  それから石田先生からの御質問にお答えできなくて申しわけなかったんですが、資料取り寄せました。三十二年におきますときの資料といたしましては、魚類を百九十万三千貫、一年間でございます。魚介が百十九万六千貫、その数でございますが、これが二十八万七千貫、金額に直しまして締めて二億六千二百万円、これが過去四カ年間の収穫から算定いたしました八郎潟におきます漁穫高でございます。
  141. 石田次男

    ○石田次男君 それで、その問題きまりつけたいと思いますが、これから水産庁中心にして計面させるというわけですが、二億何千万のものを将来生産させる見込みは技術的に見てありますか。
  142. 丹羽雅次郎

    政府委員丹羽雅次郎君) 八郎潟は御承知のとおり、過去において塩水が一部入っておりました。それから今度はそれを淡水化いたしました。そこで状況が非常に変わっております。そこで、先ほど来申したとおり、どういう魚をどういうふうに養殖するなり、つくるなりすることが一番収穫高を高めるかという立場で、水産庁水産研究所、県の水産課、県の水産試験場で現在鋭意検討中でございますので、せっかく先生の御質問でございますが、その当時の二億数千万円以上のものが四千ヘクタール程度の狭まった地域でとれるかどうかという点につきましては、現在まだ明確にお答えするだけの資料が整っておりません。
  143. 石田次男

    ○石田次男君 じゃあ、それはひとつ極力農林省の研究にまつといたしまして、最後に大臣にひとつお伺いしたいのです。というのは、先ほどお約束して、事務当局から一応の御返事はいただいておるわけです。内容役員の任期と人事の問題です。この仕事は大体十年かかるといっておるわけです。この事業団は十年仕事をする。ところが役員の任期が三年になっておるわけですね。この三年というのは、たいがい公団づくりは大体三年か四年ぐらいが普通だから、それに合わせたのだろうと思って質問したら、御答弁もそのようでした。ところで、三年といえば、さっきも言ったのですが、非常に短いものなんです。われわれ議員をやっておっても、三年といい六年といい、まあ三年という時間は非常に仕事をするには短いのです。ここのところは十年間で仕事を仕上げる。三年でいけば、きちきちとやれば任期が三回くるわけですけれども、がっちりした仕事をするのに、三年ごとに理事がかわったり理事長がかわったり、あまり人事が異動するというのは芳しくないと思う。仕事の上からいっても打ち込めないし、かわればまた退職金なんていって国費の乱費が始まるし、これは相当に任期の点は考えるべきではないか、こう申し上げたのです。それから役員理事長一、理事が三、監事一、計五です。十年間であれだけの村一つ扱って、そこへ営農体制を確立するわけですから、その規模に見合わせて五人ときめたのだろうと思いますので、この十年間であとは絶対ふやさないという当然見通しがあってきめられた数字であるべきだと思うのです。それについての返事は、現在ではかえない。よほどの情勢変化でもない限りはふやさないつもりだという事務当局の返事ですが、つもりというのは、私ははなはだ煮え切りもしないし、計画としてはおかしいと思います。仕事の内容がはっきりわかっておるし、対象になる物件、土地、仕事の内容、これもきまったものです。とかく政府としては、何かあるとすぐこういった公団の役員をふやしたがりますので、ふやさないという確約をここでしていただきたいと思いまして、その質問を申し上げるわけなんです。この二つ、ひとつ大臣御意見をお願いいたします。
  144. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 公団、公社等の役員の任期でございますが、大体三年、四年というふうになっています。政府といたしましては、大体公団、公社の任期は、四年とすれば二回ぐらい。あまり短いのもいまの御指摘のように成績が上がらない。あるいはまた、あまり長くなってはどうかというような批評もありますので、大体八年くらいを目途としようということを、この間申し合わせなどが政府内部であったのでございます。この公団の任期は三年でございます。適当な人を選び得ればまず三回ぐらい、ちょうど九年ぐらいが適当かと思います。人によると思いますが、りっぱな人を選んで、そうして完成まで仕事してもらうというか、やってもらうというような考えを持っています。増員するかしないかという問題でございますが、これは新車業団ができますと同時に、八郎潟には自治体としての村ができるわけです。そういうことでございますので、新農村の事業団としては増員しない、この法律によるものでやっていく、こういうめどで進みたいと思っております。
  145. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 他に御発言もなければ、本案についての質疑は尽きたものと認めて御輿儀ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。  これより開拓融資保証法の一部を改正する法律案を問題とし、本案の討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。なお、修正意見のある方は討論中にお述べを願います。
  147. 森八三一

    ○森八三一君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております開拓融資保証法の一部を改正する法律案について、本法案の成立がおくれたことに伴い、附則の施行の日に関する規定を整備するため、次の修正案を提案し、修正部分を除く原案に賛成するものであります。  修正案を朗読いたします。    開拓融資保証法の一部を改正する法律案に対する修正案   開拓融資保証法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則中「同年四月一日」を「公布の日」に改める。  以上でございます。
  148. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 他に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認めます。  これより開拓融資保証法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず、討論中にありました森君提出修正案を問題に供します。森君提出修正案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  150. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 全会一致でございます。よって、森君提出修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  151. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 全会一致でございます。よって、修正部分を除いた原案は全会一致をもって可決されました。  よって、本案は全会一致をもって修正すべきものと議決されました。
  152. 矢山有作

    ○矢山有作君 私は、日本社会党を代表いたしまして、開拓融資保証法の一部を改正する法律案に対して、次のような附帯決議を付したいと存じますので、御賛成をお願いしたいと存じます。  以上です。
  153. 仲原善一

    委員長仲原善一君) おはかりいたします。  矢山君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を順います。   〔賛成者挙手〕
  154. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 全会一致でございます。よって、本決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。農林大臣
  155. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) ただいま附帯決議をしていただきましたが、いずれも適切であると私は考えます。よって、その趣旨に沿いまして善処したいと、こう思います。
  156. 仲原善一

    委員長仲原善一君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  157. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  158. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次に、八郎潟新農村建設事業団法案の討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  159. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。  八郎潟新農村建設事業団法案を問題に供します。賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  160. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 多数でございます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  161. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  162. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 本日、二法案が付託になりましたので、まず、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案議題とし、本案について提案理由説明を聴取することにいたします。衆議院農林水産委員長代理谷垣衆議院議員
  163. 谷垣專一

    衆議院議員(谷垣專一君) ただいま議題となりました、衆議院農林水産委員長提出積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法等の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  御承知のように、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法、急傾斜地帯農業振興臨時措置法、湿田単作地域農業改良促進法、海岸砂地地帯農業振興臨時措置法及び畑地農業改良促進法の対象になっております地帯は、積雪寒冷の地域であるとか、地形が急峻であるとか、農地が常時湿潤であるとか、潮風または飛砂による災害を受けるとか、あるいは、しばしば干害を受ける等自然的条件に恵まれず、農業生産力が著しく劣っている地帯でありまして、これら地帯の自然的条件を克服し、農業生産力を辞め、農業経営の安定向上をはかるため、昭和二十六年三月に積寒法が、また、二十七年五月に急傾斜法が、そして同年十二月に湿田単作法が制定され、引き続き、翌二十八年三月には海岸砂地法が、さらに同年八月には畑地法が制定されたのであります。  しかしてその後、それぞれの法律について再度にわたり有効期限の延長がはかられて今日に至っているのでありますが、その間、これら地帯の農業生産基盤の整備をはかるため、農業振興計画等に基づき、土地改良事業を中心として、農地の保全事業、海岸砂地造林事業等が実施され、とにもかくにも、相当の成果をあげてまいったのでございます。しかしながら、これら対象事業の進捗状況を児ますと、これらの法律制定当初に計画された振興計画等に対比し、遺憾ながら相当のズレを示している実情にあります。  そこで、この際、昭和四十一年三月三十一日限りで失効するこれらの法律の有効期限をさらに二カ年間延長いたしまして、引き続き事業の推進をはかり、これら法律制定の所期の目的を達成するに遺憾なきを期すべく、ここに、本案を提出した次第でございます。  以上が提案理由及びその内容でございます。  いわゆる積寒地帯等は自然的、社会的、経済的状態が劣悪でありまして、これら地帯の農業振興を積極的に促進することは、農業基本法の指向する各種格差是正をはかる上においてきわめて重要なことであると考えられますので、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。     —————————————
  164. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次に、天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案議題とし、本案について提案理由説明補足説明を聴取することにいたします。谷口農林政務次官
  165. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) ただいま提案になりました天災による被害農林漁業者等に対する資金の融通に関する暫定措置法及び開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  天災融資法は、昭和三十年に制定されて以来、天災による被害農林漁業者等に対する低利資金の融通に大きな役割りを果たしてきたのであります。この間農林漁業経営の動向に即応し、天災による被害農林漁業者の経営の安定に資するよう数次にわたる改正を行なってきたところでありますが、昨年度におきましては、各種の天災により各地に農作物等の被害が生じ、特に北海道においては、大規模な冷害が発生いたしましたので、これらの被害農林漁業者に十分な経営資金供給するため、去る第四十七臨時国会において貸し付け限度額の引き上げを中心とする天災融資法の改正を行なったことは御承知のとおりであります。  しかしながら、昨年の改正は、被害農林漁業者に対する低利資金の融通措置について当面必要とするものを早急に講ずることを主眼としたため、現段階における天災による被害農林漁業者に対する救済措置としては必ずしも十全とはいいがたい面もあったのであります。このため、最近における農林漁業経営の動向等にかんがみ、被害農林漁業者の資金需要増大に対処し、かつ、被害農林漁業者の負担の軽減をはかり、もって、被害農林漁業者の経営の安定に資するよう、今回、被害農林漁業者に対する経営資金貸し付け限度額の引き上げ、償還期限の延長及び貸し付け利率の引き下げを内容とするこの法律案提出することといたした次第であります。  次に主要な改正点を御説明いたします。  第一点は、政令で定める経営資金につきまして特別の貸し付け限度額を設け、その額を五十万円とすることであります。  第二点は、現行経営資金についての償還期限五年を六年に延長することであります。  第三点は、特別被害地域内の特別被害者に対する経営資金貸し付け利率三分五厘を三分に引き下げることであります。  第四点は、天災融資法において政令で定める資金についての特別の貸付限度額五十万円を設けることに伴い、激甚災害法における天災融資法の特例措置に関する規定を改め、激甚災害の場合の政令で定める資金貸し付け限度額五十万円を六十万円に引き上げることであります。  第五点は、開拓営農振興鶴町措置法の改正であります。現行開拓営農振興臨時措置法は、暴風雨、低温等異常な天然現象により被害を受けた開拓者に対し、国が災害資金貸し付けることとしておりますが、今回の天災融資法の貸し付け利率の引き上げにあわせて、この開拓者に対する国の災害資金のうち政令で定める場合の貸し付け利率三分六厘五毛を二分に引き下げることとしております。  なお、従来、天災融資法の改定規定は、改正法施行後に指定のあった天災につき適用するのを例としているのでありますが、今回の改正案においては、昨年七月以降の天災に対する特別な経過的措置として、この法律施行前にすでに指定のあった天災でありましても、昨年七月以降に発生したものにつきましては、貸し付け限度額及び償還期限については、改正法の施行の日から改正後の規定を適用することとしております。また、利率につきましても、今後三分の利率で貨し付けられるもの及び一定期間内に三分に利率を引き下げる旨の契約の変更が行なわれたものにつきましては、これに要する利子補給を行なうことといたしております。  以上が、この法律案提案理由及び内容であります。気象予報によれば、本年は特に災害が多くかつ深い年といわれております。何とぞ、慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いいたします。
  166. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 久宗農林経済局長
  167. 久宗高

    政府委員(久宗高君) 特に補足いたすものはないのでございますが、資料をお配りしてございますので、簡単に資料の御説明だけつけ加えさせていただきます。  お手元に横に広い資料が差し上げてあると思いますが、最初の一ページにございますのは、天災融資法を発動いたしました状況を三十年以降まとめたものでございますので、一番下で見ていただきますと、被害見込み額の総計は八千六百三十六億にのぼるわけでございます。これに対しまして適用いたしました融資のワクでございますが、千百八十一億になるわけでございます。  その次の資料は、三十九年の九月末で災害別の融資の残高をみたわけでございます。ごらんのような形になっておりまして、ちょうどまん中の辺に経営資金の三分五厘資金というのがございますが、この合計を見ていただきますと、百八十六億になっております。全体の額が、一番右の合計のところでございますが、二百八億になっておりますので、大体大ざっぱに申しますと、九割近いものが、結果におきまして三分五厘資金になっているわけであります。  その次の三の資料は、災害融資につきまして、利子補給の補助金の災害別に交付いたしました実績でございまして、ごらんのような形になっているわけでございますが、天災法を制定いたしました以前のものも含んだのが、一番下から二番目の合計という欄でございまして、八十二億というふうになります。それから天災法を制定いたしました以降つまり三十年以降のものだけを見ますと、三十億という数字になります。  それから四番目の資料は、国の損失補償費の補助金交付実績でございます。一番右の計の下のほうをごらんいただきますと、天災法制定以前と両方含めまして、その合計は六億八千なにがしになるわけでございますが、天災法制定以降のものだけをとりますと、五億二千なにがしという数字になるわけでございます。  それから五番目の表は、開拓営農振興臨時措置法に基づきます災害資金貸し付け状況でございまして、三十六年、三十七年、三十八年、三十九年と内訳が書いてあるわけでございますが、貸し付け額は、三十九年の計で申しますと、二億でございます。  その次の六の表は、それを地方別に、また年度別に割ったものでございます。  以上、参考までの資料として差し上げてあるわけであります。     —————————————
  168. 仲原善一

    委員長仲原善一君) この際、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。  農林水産政策に関する調査につきましては、閉会中も調査を継続することとし、本院規則第五十三条により、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  なお、要求書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  170. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。  これにて休憩いたします。    午後六時三十七分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————