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1965-04-22 第48回国会 参議院 農林水産委員会 第18号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十二日(木曜日)    午前十時五十六分開会     ―――――――――――――   出席者は左のとおり。     委員長         仲原 善一君     理 事                 田中 啓一君                 森 八三一君                 山崎  斉君                 矢山 有作君                 渡辺 勘吉君     委 員                 青田源太郎君                 北口 龍徳君                 小林 篤一君                 温水 三郎君                 野知 浩之君                 藤野 繁雄君                 堀本 宜実君                 森部 隆輔君                 大河原一次君                 北村  暢君                 石田 次男君                 北條 雋八君                 高山 恒雄君    国務大臣        農 林 大 臣  赤城 宗徳君    政府委員        農林政務次官   谷口 慶吉君        農林省農政局長  昌谷  孝君        林野庁長官    田中 重五君        水産庁長官    松岡  亮君    事務局側        常任委員会専門        員        宮出 秀雄君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○漁港法の一部を改正する法律案内閣提出、衆  議院送付) ○森林開発公団法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○農業機械化促進法等の一部を改正する法律案  (内閣提出)     ―――――――――――――
  2. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を開きます。  漁港法の一部を改正する法律案及び森林開発公団法の一部を改正する法律案一括議題とし、提案理由説明補足説明並びに提出資料説明を聴取することにいたします。谷口政務次官
  3. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 漁港法の一部を改正する法律案につき、その提案理由を御説明申し上げます。  漁港法は、御承知のとおり、水産業の基盤である漁港に関する基本的法律といたしまして、昭和二十五年に制定・公布されました。それ以来、同法の規定により漁港維持管理適正化をはかるとともに、数次にわたる漁港整備計画に基づき、漁港修築事業施行を推進し、着々と漁港整備の実をあげ、わが国水産業発展に寄与しているのであります。  また一方、沿岸漁業振興につきましては、沿岸漁業等振興法に基づき、沿岸漁業構造改善事業実施し、わが国水産業発展とその従事者の地位の向上をはかっているところでありますが、今後この沿岸漁業構造改善事業が十分にその効果を発揮して所期の目的を達成するためには、沿岸漁業と密接に関連いたしております第一種漁港及び第二種漁港整備促進が特に必要となっているのであります。  しかしながら、従来、漁港整備に対する地元負担相当額にのぼり、これらの漁港整備促進していくためには、地元負担軽減をはかることがぜひとも必要なのであります。  以上のような事情から沿岸漁業根拠地である漁港整備促進するとともに、沿岸漁業構造改善に資するため、一定要件に該当する漁港修築事業に要する費用についての国の補助につき、当分の間、特別の割合定め措置を講ずることとし本法律案提案いたした次第であります。  以下、この法律案内容について、御説明申し上げます。  改正事項は、国の補助割合引き上げに関するものであります。国が助成しております沿岸漁業構造改善事業が行なわれている都府県の第一種漁港または第二種漁港について漁港修築事業を国以外の者が施行いたします場合に、沿岸漁業構造改善に資すると認められるときには、基本施設修築に要する費用についての国の補助割合を、当分の間、従来の百分の四十から百分の五十に引き上げることとしたものであります。  以上がこの法律案提案する理由とその内容であります。何とぞ慎重にご審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願いする次第であります。
  4. 仲原善一

  5. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 次に、補足説明を申し上げます。  漁港法の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。  この法律案は、提案理由にもありましたように、沿岸漁業根拠地である漁港整備促進するとともに、沿岸漁業構造改善に資するため、一定要件に該当する漁港修築事業に要する費用についての国の補助割合を、当分の間、引き上げることとしているものであります。  まず、漁港法附則第三項の改正規定でありますが、これは、このたびの漁港法改正主要事項である漁港修築事業についての国の補助割合引き上げに関する規定であります。国が助成している沿岸漁業構造改善事業が行なわれている都府県にある漁港であること及び沿岸漁業構造改善に資すると認められる漁港修築事業であることの二つ要件に該当する第一種漁港及び第二種漁港基本施設漁港修築事業についての国の補助割合を、当分の間、従来の百分の四十から百分の五十に引き上げる旨を規定しているのであります。  なお、このたびの補助割合引き上げは、沿岸漁業構造改善促進をはかるとともに、限時的に当分の間行なうとの趣旨にかんがみまして、漁港法附則改正として規定しているものであります。  また、昭和四十年度の予算におきましては、この法律案規定しております漁港修築事業基本施設に関する補助割合引き上げのみではなく、機能施設についての補助割合引き上げ及び漁港改修事業についての補助割合引き上げも同様に行なう予定であります。  なお、このたびの補助割合引き上げに伴い、漁業協同組合等地元費用負担ができるだけ軽減されるよう事業実施に当たって指導する予定であります。  次に、漁港法附則第四項の改正規定でありますが、これは、漁港法補助金の精算、還付等に関する規定等があるため、このたびの補助割合特例による補助金についても従来の場合と同様に取り扱うこととするための所要の読みかえ規定であります。現行の漁港法附則第二項の北海道における漁港修築事業補助割合特例に関する同様の読みかえ規定をもあわせて同一の項に規定しているものであります。  最後に、この法律案附則についてでありますが、このたびの補助割合引き上げは、昭和四十年度から実施する予定でありますから、施行日昭和四十年四月一日とするとともに、昭和三十九年度の予算にかかる補助金で四月一日以後の出納整理期限内に支出されるもの及び昭和四十年度に繰り越されるものについては、従前の例によることとしているのであります。  以上をもちまして、本法律案についての補足説明を終わります。  次に、提出資料について御説明申し上げます。  提出資料は、漁港法の一部を改正する法律案関係資料、及び(その二)と、二つに分かれております。  まず、最初のほうから申し上げますが、第一ページには、指定漁港数調べというのがございます。これは、漁港法によりまして指定漁港として指定されたものをそれぞれの漁港種類別に、並びに本土離島北海道別ごとにあげたものでございます。御承知のごとく、離島につきましては、離島振興法によりまして特別の補助定めがございます。北海道につきましては、漁港法附則におきまして、特別の補助率定めがございます。  この第一種以下の漁港種類別につきまして簡単に御説明申し上げますと、第一種が、利用範四が地元漁業を主とするもの、それから飛びまして第三種が、利用範囲が全国的のもの、で、第二種はその中間でありまして、一種よりも利用範囲が広く、三種に属しないものということになっております。それから特定三種は、第三種漁港のうちで、水産業振興上特に重要な漁港であって政令定めるものでございます。これは現在八つ政令で指定されておるのでございます。第四種は、離島その他辺陬の地にあって、漁場開発あるいは漁船の避難上特に必要なものでございます。全体の数が二千七百六十八でございまして、そのうち、第一種及び第二種漁港が、これは沿岸漁業に直接関連の多いものでございますが、圧倒的に多いということでございます。  その次のページが、補助率一覧表でございますが、これもやはり漁港種類別それから本土離島北海道別にあげてございます。それぞれ補助率が違うのでございますが、このうち、今回の改正によりまして、第一種及び第二種漁港補助率引き上げることといたしております。ごらんのごとく、第一種及び第二種のうち、本土補助率が十分の四から十分の五に引き上げられるということでございます。  第三ページに移りまして、第三ページは、さきに御承認をいただきました第三次漁港整備計画の全体計画とその実施状況でございます。で、これは事業費や国費によりまして、また漁港種類別にあげたものでございますが、大体のその実施状況金額で示したものでございます。合計欄で、四十年度予算予定どおり実施された場合の金額が示されておりますが、これを率でいたしますと、全体計画に対しまして、四十年度予算案によって予定どおり実施した場合に、進捗割合は二四・三%となります、したがいまして、残事業量が七五・七%ということでございます。  その次にまいりますと、いまのページ修築事業でございますが、その次には、改修事業局部改良事業実施状況を示してあるのでございます。改修事業につきましては、全体規模に対しまして、四十年度予算による実施予定がここに示されております金額になるわけでございますが、これを見ますと、進捗率が二六・三%でございます。同様に局部改良事業が、四十年度予算予定どおり実施いたしますと、進捗率が、全体事業費に対しまして三六・五%、こういうことになります。  その次のページにまいりますと、これは、今回の改正沿岸漁業構造改善事業関連づけて構造改善事業促進するという目的に照らして補助率引き上げ実施いたしますので、御参考のために沿岸漁業構造改善事業によって行なわれている、国の予算によりまして行なわれている事業種類別にあげたのでございます。それを実施している地域の数と金額によりまして実施規模を示したものでございます。  一番最後に、浅海漁場規模開発というのがございますが、これが四十年度から新たに取り上げられた事業でございまして、四十年度におきましては、六地域に対しまして調査費を一地域二百万円計上いたしております。これが実施の段階に入りますと、大規模土木事業実施いたしまして、浅海漁場生産力を回復するということを目的といたしておるのでございます。  最初資料説明はこのぐらいにいたしまして、その次に、関係資料のその二について御説明申し上げます。最初の一ページからあげられております表は、都道府県別に、第三次漁港整備計画によって採択されている漁港一覧表をあげたものでございます。マルじるしがありますものは三十八年度、つまり第三次漁港整備計画の第一年度に着工されたものでございます。それからバッテンがついておりますのが三十九年度の着工でございます。それから黒いマルがついてあるのが離島に属するものでございます。これを県別にあげたものでございます。いまのが修築事業、つまり整備計画対象でございますが、七ページからは、改修事業対象となっておる漁港の名前を都道府県別にあげたものでございまして、これは整備計画のほうと同様に分類されております。  それから最後に、一一ページでございますが、第三表は、昭和四十年度におきまする漁港修築専業及び漁港改修事業新規着工予定港数でございます。これは本土離島北海道の別、修築事業改修事業及び漁港種類別に次のように着工いたす予定でございます。  これをもって資料説明を終わります。
  6. 仲原善一

  7. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 本日提案いたしました森林開発公団法の一部を改正する法律案提案理由を御説明申し上げます。  近日、わが国経済発展に伴いまして木材需要は年々増大する傾向にありますが、この需要増大に対応して林業生産増大をはかることが林業政策を推進するに当たっての最も基本的な課題であり、このためには何よりもまず林道開設を積極的に行ない、未開発森林資源開発利用促進することが必要であると考えるのであります。  政府におきましては、これまで、森林計画に基づき、補助及び融資の両面において林道開設または改良促進につとめてきたのでありますが、その実績計画量に比して不十分であり、しかもその開設状況地域的に相当の差がある現状であります。さらにまた、林道奥地山村地域における交通路として果たしている機能にかんがみ、単に林産物搬出等観点のみでなく、地域産業振興観点をも織り込んだ林道必要性についても指摘がなされているのであります。このような見地から、新たに、未開発森林地域対象として森林資源開発目的とし、あわせて地域開発にも寄与する緯線的な林道開設事業実施することとし、これを急速かつ計画的に行なうことによって開発効果増大させるとともに高率国庫補助及び地元負担金延べ払いにより森林所有者負担軽減をはかることといたしたのであります。この事業は、従来の林道に比べましてその規模も大きく、受益地域が広範囲にわたり、さらに事業早期完成等のため資金運用部資金借り入れを必要とするわけでありますので、その実施主体としては、すでに熊野剣山周辺地域における林道開設等林道事業について実績を有する森林開発公団が最も適当であると考えられるものであります。このため、新たに、森林開発公団業務としてただいま申し上げましたような幹線的な林道開設等事業を加えることとしたのであります。なお今後特に森林資源開発必要性の高い地域につき広くこのような林道開設を行なう必要があると考えておりますが、昭和四十年度以降とりあえず農林漁業用揮発油税財源身がわりパイロット事業としてこの事業実施することとしております。  以上が森林開発公団法の一部を改正する法律案提出したおもな理由であります。  以下法律案内容についてその概要を御説明申し上げます。  まず、新たに、地勢等地理的条件がきわめて悪く、かつ、豊富な森林資源開発が十分に行なわれていない特定地域内において地方的な幹線となるべき林道開設または改良事業施行することとし、この事業実施森林開発公団業務に加えることといたしております。この林道開設事業につきましては、その事業による受益範囲が著しく広く、かつ、その事業施行がこれらの特定地域における林業以外の産業振興見地から相当であると認められるものでなければならないものとし、従来からの補助林道あるいは熊野剣山周辺地域の旧公団林道と区別してその性格を明確に規定することとしております。  この改正に伴いまして、関連条文について所要規定整備を行なうこととしております。  次に、この改正機会に、同公団監事監査権限を強化することとし、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長または農林大臣意見提出できることといたしております。  なお、附則についてでございますが、この改正により同公団に新たな業務を追加することとしたのに伴い、地方財政再建促進特別措置法の一部を改正し、地方公共団体が他の公社公団等に対すると同様に同公団に対しても寄付金等を支出することを禁止することといたしております。  以上がこの法律案提案理由及びその主要な内容であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
  8. 仲原善一

  9. 田中重五

    政府委員田中重五君) 森林開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、補足説明を申し上げます。  まず、第八条の改正規定でありますが、従来監事については、公団業務監査すると規定しているのみでありますので、今回の改正機会に、監事は、監査の結果に基づき、必要があると認めるときは、理事長または農林大臣意見提出することができることといたしました。  次に、第十八条第一項の改正規定は、森林開発公団業務範囲に関するものであります。さき提案理由説明でも申し上げましたとおり、年々増大する木材需要に対処して未開発森林資源開発利用を積極的に促進するため、特定の低開発森林地域林道網枢要部分となるべき林道開設または改良事業を急速かつ計画的に推進することとし、この卒業の施行森林開発公団業務に加えることといたしたわけであります。その林道施行上の要件として、その受益範囲が著しく広いこととあわせて、地域産業振興見地から見ても適当と考えられることの二つをあげ、従来行なっています補助林道あるいは熊野剣山周辺地域における公団林道との相違点を明らかにしたのであります。  なお、森林開発公団が、この事業施行するにあたりましては、特に高率国庫補助資金運用部資金借り入れにより事業を急速かつ計画的に完成して開発効果を高めるとともに、開設改良のうちの地元負担金の徴収につきましては、延べ払い方式を採用して森林所有者負担軽減をはかることとしております。このため昭和四十年度予算補助金四億円を計上するとともに、財政投融資計画中に資金運用部特別会計からの借り入れ金二億円を計上しております。  この改正に伴い、第十八条の関連規定改正し、森林開発公団にこの新公団林道にかかる災害復旧維持管理等についての事業能力を与えることとしております。  第十九条は、同公団の作成する実施計画についての規定、第二十五条は森林所有者等から徴収する賦課金についての規定、第二十七条は県の費用食掛についての規定、第三十六条は国庫補助金についての規定でありますが、それぞれ同公団に新たな業務を追加することに伴い所要規定整備を行なうことといたしております。  最後附則について申し上げます。この改正法施行時期につきましては、準備期間等も考慮いたしまして、公布の日から九十日をこえない範囲内で政令定めることとしております。  次に、地方財政再建促進特別措置法第二十四条第二項の改正規定についてであります。同項の規定は、地方財政健全化をはかるため、地方公共団体が国、公社公団等に対して寄付金法令規定に基づかない負担金その他これらに類するものを支出することを禁止したものでありますが、今回の改正により、同公団に新たな業務を追加することに伴い、同公団に対しても地方公共団体寄付金等を支出してはならないこととし、あわせて必要な経過措置規定することといたしました。  以上、森林開発公団法の一部を改正する法律案につき補足して御説明申し上げました。  それから、お手元に差し上げました参考資料について若干御説明を申し上げたいと思います。  それで、四種類ございまして、「森林開発公団法の一部を改正する法律案関係資料」が一つ。それから、その次は、「森林開発公団関係法令集」。それから、その次が、「森林開発公団概要」。それから、森林開発公団法の一部を改正する法律案による「参考資料」、それだけでございます。  この「森林開発公団概要」、これについて若干申し上げますと、まず、その第一ページは、この公団の当初の「設立の趣旨」、それが書いてございます。  それから二ページで、現在における公団の「業務内容」、これを書いておりまして、まず第一が、「公団林道開設改良聖業」で、現在は災害復旧維持管理でございます。  それから、その開発実績開発計画、これが三ページに掲げてございます。  それから四ページの後段のほうでございますが、「(2)公団林道災害復旧事業」、これの実績が五ページに掲げてございます。  なお、五ページには、この熊野剣山の「公団林道維持管理事業」、これについて書いてございまして、六ページにその実績が載っております。  この実績は、昭和三十八年度で見ますと、この利用台数、それから利用料が掲げてございますが、ちょっと御参考に申し上げますと、この利用台数は、木材運搬トラックのほか、一般のトラック、バス、乗用車それぞれを含んだ総台数でございます。この利用の状態につきましては、開設当時に比べまして相当利用台数の伸びが見られるわけでございます。  七ページの(4)で、「関連林道開設改良事業」、これを説明しておりますが、それの現在までの実績を八ページに掲げております。  それから九ページの表は、「水源林造成事業」、例の公有林野等百行造林事業にかわってこの公団が行なうことになりました水源林造成事業実績と、これからの計画を掲げてあるわけでございます。  それから一〇ページにまいりまして、ここに組織機構の沿革、そういうことを書いてございまして、最後に表として、第一が、いま申し上げました組織機構内容でございます。  それから、一五ページで、三十九年度の公団予算、これを概略書いてあるのが森林開発公団の現在の概要でございます。  それから最後に、「参考資料」、横に長い表、これをごらんになっていただきます。  これの三ページにございます表は、これはまず国有林民有林別、それから人工林天然林別、これの面積、それから針広別の蓄積と、それを昭和三十八年の四月一日現在で掲げてございます。  それから四ページに参りますと、まず木材需給見通し、これについて掲げてございまして、この表は、重要な林産物需要とそれから供給、並びに森林資源状況に関する長期の見通し、これを森林法に基づいて立てることになっておりまして、それに基づいた将来の見通しを掲げているわけでございます。  それから五ページに参りますと、これは現在の林道状況を掲げてございます。この林道の総数、この表の右の一番上に七万一千とありますが、これは車道その他を合わせての数字で、問題になる車道以上の数字で六万五千三百四十八キロというのが現在の林道の総延長、一ヘクタールに画しますと四・六七メートルになりますか、そういうのが現況であるという表で、ございます。  それから次に、ちょっと飛ばしていただきまして、一〇ページごらんになっていただきます。一〇ページは、この森林開発公団法改正によってこれから、昭和四十年度以降さしあたりやろうとするこの林道の土地の利用状況を考えたものでございまして、いかに林野率が高い地域であるかということの表でございます。それで、路線名でいきますと、白糖奥岩泉奈川安曇と、北海道、岩手、長野と、こういうふうになっておりますが、そこで、この受益地の総面積がこの計のところで十二万四千六百ヘクタールと、こうなっております。で、これを一〇〇といたしますと、耕地がその中で〇・五%、その他が一・五%、あとの九八%は林野である十一万二千七百十九ヘクタール、こういうことになっております。  それから一一ページに参りまして、さらにいまの林野率の中へ入ってくる林野、この森林資源面積蓄積、これを掲げてございます。で、この三本の路線で見ますと、面積はこの計の欄で十万九千四ヘクタール、それが針広に分けられますと、大体針葉樹地域で四四%、広葉樹五六%、この面積は比率に直しますと大体そういうことになります。なお、蓄積で見ますと、総蓄積で一千九十二万六百四十二立方メートルと、こうなりますが、これは針広別の割合で見ますと、針葉樹が四三%、広葉樹で五七%、こうなります。一町歩当たり蓄積に直しますと、ほぼ百立方メートル、こうなります。全国平均よりはだいぶ高いということが言えます。  それから次に、一五ページごらんになっていただきますと、現在の水源林造成事業の全体計画と年度別の実績調で先ほど申し上げましたもののやや詳しい表でございます。全体の計画が約二十二万五千の新植、これを進めてまいる、そういう表になっております。  で、一六ページに、「森林開発公団組織、ならびに人員構成表」というのがございます。これをごらんになっていただきますと、現在公団は本所が一カ所、その人員が六十五人、それから支所が六カ所で九十一人、出張所が二十九カ所で百六人、総人員二百六十二人。その内訳は、役員が五人で、職員が二百五十七人と、こういうことでございます。  それから最後の一七ページは、森林開発公団昭和三十九年度の収入支出の予算額の内訳でございます。最後の行にございますが、それぞれ五十七億二千八百二十一万七千円、こういうことで予算が組まれている、予算の状態はそういうことでございます。  以上簡単でございますが、参考資料の御説明を終わります。     ―――――――――――――
  10. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 次に、農業機械化促進法等の一部を改正する法律案を議題とし、本案について質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言願います。
  11. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 農業経営の動向からいたしまして、農業機械の現状というものを見ますと、今後、農業機械自体の研究開発を進めて、その生産増強にあたらなければならないというそういう部門と、もう開発進展するという段階ではなしに、すでにもうその農業経営の実態からいって、機械自体も頭打ちになっているという部門、逆に、もはや整理縮小の方向に行くべき部門、こういう大きくいえば三つの農業機械の今後の方向というものが展望されると思うのでありますが、農機具生産需要なり、また、それらの価格なり、そういうものの現状がどうなっているか、今後の見通しがどういうものか、また、これに対する政府の指導方針というものが一体那辺にあるかということを、まずお尋ねをいたしたいと思います。
  12. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) お話しのように、いろいろな機械がすでにかなりの程度に普及を見ております。特にまあ、いまさら申し上げても、かえっておかしいくらいなものとして、電動機でありますとか、揚排水関係の機械といったようなものは、すでに相当の段階に参っていると思います。それから次に、収穫関係としての、御承知の脱穀関係、もみすり関係の機械力を利用いたしますもの、それらにつきましては、仰せのように新しく利用面積がふえるという余地は、土地改良とか基盤整備等に伴いまして、もちろんまだ若干は余地が残されてはいると思いますが、おおむね達観的に申しますれば、更新需要、代替補充といったような、生産あるいは農家の購入状況になっているのが、一般的な姿であろうと思います。また、他の作業関係の機械について見ますと、御承知の動力耕うん機を中心といたします作業機につきましても、逐年、先般資料で御説明いたしましたような普及の度合いを示し、最近では全国で二百万台をこえておろうかと思います。したがいまして、そういった個別農家が利用いたします作業機としての動力耕うん機の普及状況も、まだ幾分かは伸びる余地を残しておりますことは疑いをいれませんけれども、過去数年示しましたような大幅な年々の上昇ということは、今後は若干期待薄というふうに私どもは見ておりますし、関係の皆さま方もそういう大体御判断のようであります。今後は主として、新規購入よりもむしろ更新、代替補充といったようなところに生産なり販売なりの重点が逐次移っていく傾向にあろうかと思います。それらの点は先ほどの収穫後に使う機械とやや似た関係にあろうかと思います。私ども、そういったものにつきましては、農業観測等を通じましてそれらの需給状況の動向をなるべく的確に把握をいたしまして、適当な機会に外に向かっても発表をいたしておりますけれども、おおむねそういう段階でございます。  今後、問題となります機械といたしましては、やはり米麦作が日本での重要なものでありますだけに、田植え段階、あるいは播種段階の機械の改良開発、それから刈り取り段階の機械力の活用についての問題、これが今後の一番急を要します機械関係の開発改良、あるいは行政的に力を入れていかなければならない機械部門であろうかと思います。なお、これと関連してと申しますか、並行いたしまして、米麦作以外の果樹あるいは蔬菜園芸、あるいは畜産関係等につきましての機械力の利用という点では、まだ研究開発の余地があろうかと思います。  防除関係、消毒関係の機械化につきましては、このことが地域社会の、何といいますか、個別農家の利害を越えた地域の一つの農業生産の安定ということにつながりますだけに、早くから農業団体あるいは市町村等のそういった地域の公共的な諸組織が、防除関係につきましては非常に力を注がれて今日に至っておりますことも御承知のとおりであります。これらにつきましては、だんだん機械の内容改良開発をされまして、最近では、御承知のように、個別農家の個別作業からかなり広範囲での共同作業に作業の実態が移っております。果樹における定置配管でございますとか、米麦作におきます畦畔からの大型防除機械による防除、あるいはまたヘリコプターを利用いたしました大規模な高能率の防除作業といったようなものが進められております。これらにつきましても、次第にそういう大型の能率のよい機械による一斉防除ということが防除効果をあげる上からいっても非常に効率を示しておりますので、今後そういった方向に私どもの重点がいくというふうに考えております。大体、おっしゃいましたように、機械の種類によりまして、あるいは作業の種類によりまして更新需要に移ったもの、あるいは今後ますます開発されなければならないもの、あるいは現状でははなはだまだ不十分なもの等がございます。それらにつきまして、それぞれの状況に応じた対策をとってまいりたいと思いますが、先般の資料の御説明で、大体生産台数等は申し上げましたが、価格の動向につきましては、先ほど御質疑にお触れになりましたが、幸いにして動力耕うん機でありますとか、防除機具あるいは脱穀調製関係の機械等、かなり普及度を示しております範疇に属しますものは、おおむね横ばいというふうにごらんいただいてけっこうでございます。で、むしろ生産規模といたしましては、更新需要に移ったことによって、往年の上昇機運が盛んだったときと比べれば、生産規模は若干縮小するものも動力耕うん機等については見られると思いますが、しかし、メーカーの合理化努力等も伴いまして、おおむね供給価格については横ばいというふうに考えております。で、販売経費等につきましては、農家の共同購入等が逐次進んでおりますので、今後合理化がさらに期待される段階にあろうかと思います。なお、収穫関係の、刈り取り関係の機械、あるいは田植え関係の機械等につきましては、まだ試験実施――パイロット的な段階を出ておりませんので、試作機の価格というものが伝えられておりますだけで、本格的な市販という形での価格は、国産品についてはまだ確立しておらないものが大部分でございます。それらにつきましては、今後型式の改良、定型化に伴いまして、大量生産というようなことに移行すれば、もちろん価格は低下が望めるわけでございます。現状ではやや試作的な段階であるだけにかなり高価なものでございます。輸入品につきましては、運賃等かかりますが、これはまあ外国でかなり大量生産をされておりますものが入ってまいります関係上、それなりに価格は一応安定しておりますけれども、しかし、かなり高いものについておるという感じは免れないかと思います。
  13. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 特に価格については横ばいの状態にある、しかし、今後合理化が期待されるということでありますが、現状は、農業固定資本形成の動向を見ますと、農機具が年々増加をいたしまして、資本構成の比率では三十八年度で四〇%を占めておる。こういう非常に高率割合を、投下しておる農業資本の、固定された資本形成の割合を農機具が占めておるわけでありまして、非常に今後需要も拡大することを考えますと、政府としてはこれらの価格に対してももっと積極的な行政指導をやりまして、そうして農家、あるいはこれらを所有する団体の負担というものを総体的に軽減するという措置が非常に重要な課題であると思いますので、その点では期待されるということではなしに、どういう行政指導をなされてきたのか、また、今後これらの価格市場形成に対してはどういう措置で臨まれようとしておるのか、お伺いします。
  14. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほども申し上げましたように、動力耕うん機でございますとか、もみすり機、脱穀機といったような、あるいは噴霧機といったような、現在平常、村でごく普通に見受けられます農機具につきましては、幸い昭和三十三、四年ごろからむしろ、わずかではございますが、価格は下がっております。おそらく今後もこういったメーカー段階の価格、あるいは農家の取得価格というものは下がる分にも上がるとは考えておりません。  私ども、特に積極的に、どういう対策をとったかということでございますが、私どもが農林省として行政の対象にしておりますのは、できました機械の消費者的見地からの検査、鑑定というところから、実は行政的に、直接のごめんどうを見るのは、そういう段階にまず手を入れたわけでございます。このことは、現状ではまだ十分、私どもの期待どおりには必ずしもいっておりませんけれども、私どもの気持ちとしては、将来、型式の単純化、あるいは部品の共通化といったような事柄につなぎ得る一つの行政の窓口ではなかろうかというふうな気持ちでやっております。現に、メーカー各位のほうで、そういった方向の必要性を認識をされまして、そういう方向への動きが、具体的にお話し合いが進んでおるように聞いております。今後とも、そういった型式の単純化、部品の共通化といったような面から、その問題をときほぐしてまいりたい。  なお、大型のトラクター等につきましては、これは国内だけでそういうことをやっておりましても不十分であります。幸いにしてOECDの組織の中に、国際的な農業機械の規格単純化を目ざした委員会が持たれております。国際的な共通の検査基準というようなものを目下つくっているわけです。私どもは、その会議にも、農業機械化研究所の責任者を参加をさせまして、なるべく早い時期に、大型の農業機械につきましても、そういった国際的な規格、基準あるいはそういった単純化、部品の共通化といったような点で、輸入機械と国産機械との間に大きなみぞができませんように、できればなるべく早急に大型機械の検査等につきましては、OECDが採択しております共通の検査規格、検査方法をわが国でも適用いたしたい、現在やっておりますものとそれほど違っておりませんようでございますので、おそらくごく近い機会に、国際的な基準で、私どものほうでもそれらの検査が実行できるように、実現可能であろうというふうな見通しを持っております。  なお、流通段階の問題につきましては、まずいろいろございますが、できますれば輸入機械については、もっと大口の調達ということを、農家の調達の組織化を通じてやっていくことが、一つの価格を、比較的安い価格で入手し得る方法ではなかろうかということで検討いたしております。  大体、以上のようなことで、購入側の組織化と、供給側については規格の単純化、部品の共通化といったようなことをポイントとして、今後さらに進めてまいりたいと思います。
  15. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 提出された資料を見ましても、農業機械の普及というものは、近年非常に顕著な傾向を示しておる。これはまあ労力不足というような農村の実態に対処して、労働生産性向上に資するために、機械化を有効に促進する手段として、こういう傾向が出ておるわけでありますけれども、しかし、こういう機械の増加ということを、ただ、表面的に見ただけでは、これは機械化が十分浸透しておるとは見えかねるわけであります。現実に農機具を利用している実態から見ますと、効率的な利用という点から見ましても、また、大局的に見て、この機械化体系というものの確立がいまだしの感が、実態において認めざるを得ないわけであります。  そこで、これは政務次官にお尋ねいたしたいのでありますが、そういう現在各種各様の、また、メーカーのPR等によって無秩序に導入されているこの現状に対して、総合的な農業機械の体系ということが、政府としてとらなければならない喫緊の責任課題であると思うのであります。一体そういうものがどういうふうに具体的に施策としてあらわれているのか、今後その体系確立のためどういう行政指導をされるのか、そういう点をお尋ねいたしたいわけであります。
  16. 谷口慶吉

    政府委員谷口慶吉君) 渡辺先生も御案内のとおり、私どもは、やはり農民が利用し、購入しようとするものにつきましては、それぞれの団体などがございますので、政府とそういう団体と絶えず密接不可分の関係をとりつつ、購入の共同化、あるいは一括化、そういうことによって、過剰投資を防止しつつ、購入価格を引き下げていく、こういうことに進めてまいることが、今後とるべき処置方法ではなかろうか、私はかように実は考えておるわけでございますが、過去におきましても、都道府県の農業試験場あたりとも、各都道府県の農業団体などとも絶えず連絡をよくとっているようでございますから、そういう機能をあわせて今後推進し、御指摘のような方向に持ってまいらなければならぬのではないか、私はかように考えておるような次第でございます。
  17. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 もっと端的にお伺いしたいのでありますが、ただいまお尋ねしましたような実態の上に立って、たとえば農業機械化研究所というものがこの課題にどう取り組んで、どういう具体的な、機械化体系はかくあるべしという方向を技術的に打ち出しているのでございますか。
  18. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 何と申しますか、機械の一貫した農作業での活用、利用ということになりますと、米作で申せば、先ほど申し上げましたけれども、田植え段階と刈り取り段階が一番問題を残した段階であります。それから、入った機械の利用という点に着目して申し上げますと、一般的な整地とか、要するに作物が畑にない段階、研究所等では裸地作業と言っておりますが、そういう裸地作業の段階では、機械利用ということは、かなり現実の問題として十分こなされておりますけれども、管理作業、作物が圃場に入っている段階での機械力の利用、中耕その他肥培管理等の段階での機械力の利用という点で、機械の機械としてのフル稼働が、その辺にもう少し研究の余地が残されているというふうに、研究者が大体課題を設定しているわけです。機械化研究所といたしましては、それらの現在一番抜けていると思われます機械化の、つまり米で申しますれば田植え、あるいは直播の段階の機械化、機械力利用をどうするか、それから刈り取り段階の機械力利用をどうするかという、そこの一番欠けております点、抜けております点に最重点を置きまして、設立以来ほとんど主要な精力を、その段階の改良開発の研究をやっておるというのが現状でございます。  それから一つの作物の作業としての一貫した機械力の利用という点での研究ということになりますと、これは機械化研究所もさることながら、やはり国の農業試験場の作物関係の方々が、主としてそういった面での機械利用ということの作物に即した御研究をいただいておるわけでございます。まだ現状ではいろいろと不十分な点がございます。特にあと作、前作の関係等を考慮した場合の機械力利用の限界等がございまして、なかなか十分でございません。しかしながら、体制としてはいま申しましたようなことで、機械化研究所はそういう特に重点を置かなければならない、おくれております段階の機械力の開発改良という面から、御質問の問題への努力を重ねておりますし、また、国の農業試験場は、先ほど申しましたような意味での作業体系という形で、一日も早く日本に適したそういうものをつくろう、つくり出そうということで、試験研究機関が県、国あげて御検討いただいておる、そういった段階でございます。
  19. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 具体的に伺いますが、たとえば大規模の穀類乾燥共同施設、これがコンバインと関連して位置づけられるわけでありますが、これがなかなかどうも体系的に、有機的に関連されていない。で、三十八年の十二月十四日に、農業機械化審議会から大臣に答申した中にもるる指摘しておるわけでありますが、これらの指摘に基づいて、たとえばコンバインの導入等は、三十九年に農業構造改善事業が完成する、その指定地域に対しても一年延期の通達を出しておる。これは、この前の国会で私、多少の時間をもってお尋ねをしたことでありますから、重複を避けますけれども、一体この点がどういうふうに措置されたかということが、現地ではまだ問題が解決されていない実態であります。これは午後、大臣が見えてからなお墓表的にお伺いする問題の一つでありますが、たとえばこの答申の中に、コンバイン導入の条件として、土地基盤の整備というものをあげております。五つの柱のうちの第一の、土地基盤の整備についても、従来、政府が故意か、あるいは重大なる財政その他政治的な配慮からか、この問題をはばむ大きな要素を、改善事業の中に取り上げていない点を二点、まず指摘をいたしておくわけであります。  その第一点は、基盤整備をする当然の関連として、その対象農区の中に農村住宅、農家住宅が点在してあるわけであります。この住宅の移築ということが並行的に取り上げられないために、たとえば三反歩区画というものがネグレクトされる。そのために構造改善事業が返上される。そういう実例は、私の知っている限りでも、たとえば岩手県の水沢市の満倉部落の問題、こういう非常に構造改善事業に対しては問題のある中でやろうと思っておる部落でも、これらの農村住宅を移築するということが基盤整備の大きな項目に取り上げられていないために、その指定を受けかねるという事態があるわけであります。少なくとも生産に直結した農村住宅、農村集団住宅のあり方というものを、農業改善が政府の農政の一枚看板の一つであるならば、これらの生産に密着した農家住宅の基本的なあり方というものもあわせ取り上げないところに、私は、大きな現地における問題点というものを読み取らざるを得ない。  また、第二点は、せっかく基盤整備なるものをいたしましても、その耕地の中に電柱が厳然として存在しておる。これは大型機械を導入する上において大きな阻害要件になっておる。これは私がここで指摘するまでもなく、少なくとも三十七年にこれを取り上げようとする前提条件として解決しなければならない問題であるのに、これらが大きな阻害要件になっておる。そういうものを一体政府はどうする気なのか。いまからこれを取り上げるというようなどろなわ式なことで、一体何が農政の前進であるか。こういうことについて、午後、大臣にあらためてお伺いいたしますが、私はそういう問題をただいまの段階では提起をいたしておきます。  そのほかに、コンバイン導入の条件として、土地基盤の整備には、当該地区内の農道なり、県道なり、連絡路なり、水路並びに橋梁が、コンバインの走行に支障のないよう整備されていること。あるいは農道から水田への出入りが容易であること。あるいは排水がよく、特に地表水の排水を急速に行なうことができること。そういう点を取り上げておるのでありますが、これらの区画整理とともに、大きなこういう問題がなかなかコンバイン導入の条件には整備されていないという実態があるわけですが、こういう点を一体どの程度行政指導として取り上げて、そうしてこれを解決されたのか。一般的な答弁でいいのでありますが、それが一年延期したというわずかな期間の中に、この問題自体が完全に解決されて、大型機械の導入がはたして効率的に経済的に運営されるというような体制が整備しておるか。この点は一体どうなっているんですか。
  20. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) まず最初に、コンバインなり、小型刈り取り機の刈り取り段階の機械化の問題と、それの乾燥施設との関連の、一貫性の問題であります。実を申しますと、この間の資料にもございましたように、いわゆる大型乾燥施設が農村で実用に供せられ始めましたのは三十五年以前からで、新農村等、あるいはその後もあるわけですが、何と申しますか、農家でそれの活用が考えられました動機が、いわば農作業の一貫機械化であるとか、省力というような角度というよりも、むしろ早場米奨励金の時期別格差との関係において米の調整を急ぐ、それに対応して大量の乾燥を急いでやらなければいけないという、つまり何と申しますか、水分の多い米産地帯で、そういった現在の管理制度との関連から、対応上必要に迫られて導入が考えられ始めたというのが、わが国におけるもみの乾燥施設の現実に農家に入っていったプロセスでございます。したがいまして、私ども、構造改善事業で一貫的な大型省力作業というような観点から問題をあらためて見直してみました場合、現に日本で実用化に近く、まあほとんど実用化しております乾燥なるものは、必ずしもコンバイン刈り取りを前提として設計され、運営されておらなかったという点が現実の問題としてあったわけでございます。私どもは、早急に、これを収穫段階の機械化と見合う乾燥施設として、もう一度何と申しますか、技術的にも確かめ、経済的にも確かめていかなければ、将来にわたっての体系とはなりがたいという観点から、先般の機械化審議会にもそういう観点からの御意見を求めたわけでございます。そういう観点からの御意見といたしましては、御承知のあの答申にもありましたように、必ずしも現在のライスセンター方式が唯一絶対のものということではなくて、場合によっては在来の通風乾燥といったことすら考えられるという御注意をいただいたわけでございます。ただ、現実の農村の問題といたしましては、早場米奨励金なり時期別格差といった問題とは無関係にこの問題は農家の段階では考えられませんので、私どもとしてはその辺に、収穫機械の今後の能率なり、普及の度合いと乾燥段階の施設のあり方等、現実の農家のそういったお気持ちとよく調和のとれたものとして安定をさしていかなければならないという、非常にむずかしい問題をかかえております。  それからコンバインの導入自体でございますが、構造改善事業は、おっしゃいましたように、とりあえず三十七年から発足いたしました地域につきまして、三十九年度が三年目になりますけれども、土地改良あるいは国有林活用と相並びまして、収穫段階の機械化はしいて三年内にやらなくても、もっとゆっくりやっていただいてけっこうだという方針を打ち出しました。現在都道府県なり、地方農政局の構造改善の担当者の意向を聞き、あらためて四十年度以降の方針を明らかにする準備をいたしておりますが、現在考えておりますのは、三十七年度に事業に着手いたしました地域につきましては、少なくとも四十一年度までにはけじめをつけたい。入れるものは入れ、あるいは入れ得る地区は入れ、それから条件的に見て無理だと思われます地域はそれを別の方法でこなすことを、今後現地の皆さんと私どもとで御相談をして、とにかく四十年度中にはその基盤整備の成果等もにらみ合わした上で結論を出したい。もちろん本年度、すでに三十七年度事業着手地域でコンバインを入れたいということで、具体的な御相談を受けております地域相当ございます。大体四十年度に入れたいということで、具体的な御相談を受けました地域が全国で二十六地域ございます。個別審査を、私どもはこの問題については特に慎重を期する意味で、中央での個別御相談という特別の慎重な手続をとって、現在地区ごとの可能性あるいは安全性を御相談中でございます。大体現在の過程では、四十年中に入れても不安はなかろうと思われます地域が、地域と申しますか台数と申しますか、同じことでございますが、大体二十台程度が実用化し得るような土地条件なり経営条件だというふうに、いままでの地区別審査の段階ではそういう見当をつけております。なお、将来につきましても、私は、土地改良なり基盤整備を当初三年間でやってしまうというふうに、構造改善事業予算のときにもそういうことで原則は進めておりますけれども、しかし、農家のほうが不安心あるいはいろいろの条件からいって、急ぐことがかえって害があると思われますようなところについては、私は、どんどん例外を設けて、必ずしも三年にこだわらなくていいという基本的な方針で今後もいきたいと思っております。
  21. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 特に高性能の農機具は、構造改善とも関連がありますから、構造改善に触れた機会に二、三お伺いをしますが、農業構造改善は、昭和三十七年から十カ年を目途として、全国三千百カ市町村を対象にして逐次指定をし、実施をしてきておると理解しますが、これが昨年からさらに同じ指定市町村でも、従来指定にならなかった部落区域でも、希望があればそれにさらに追加事業を重ねていくという新しい方式が昨年から出てきておることも、この前の国会の審議で明らかになったわけでありますが、それでお伺いするのは、そういう同じ市町村でも重複する点も考えますると、おおよそ四十三年までには三千百カ市町村を指定する。完成は三年を目途とするから、四十六年には三千百カ町村が一応第一ラウンドとしては終了すると見れば、いまのようにさらに弾力的にその助成基準を延長するということも、今後はあまりそういう点もなくなると思うのであります。大体四十六年ごろにはそれらが完成すると仮定すれば、一体全国の農業地帯いわゆる農耕地を対象として見た場合に、わが国の農民がこの構造改善事業によって受益する範囲というものは、一体何%であると想定をされているのですか。
  22. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 御承知のように、三十九年度末で事業実施に着手いたしました町村数が七百二十一でございます。そのほかに、パイロット地区が現に実行中のが七十二あるわけでございます。約八百というふうに一般に私ども申し上げております。それで四十年度に事業に着手いたしますのがおおむね新規四百地域というふうに予定をして予算を組んだわけでございますが、したがいまして、四十年度末でおおむね千二百市町村で構造改善事業が試みられる。私どもの考え方で申しますと、初めのときはたしか工業化地域等を除いて、おおむね三千とか、あるいは三千百とか言っておりましたわけでございますから、それから見ますと、おおむね四十年度で約四割になりましょうか、近いところで、一応構造改善事業計画あるいは着手したということになりますから、まあ今後手なれてまいりますと同時に、私どものほうでもいろいろ弾力的な措置を講じてまいれば、幾ぶん従来よりも進度が広がるという意味から申しますれば、おおむねいままでかけました四年間と同程度の年数でまず一わたりはいき得るのではなかろうか、もちろんその一わたりと申しますのは、先生十分御承知のように、町村の全域ではございません。過去の計画事業の経験から申しますと、大体村の中の受益農家で申しますと、地区内農家で約一四、五%、それから関連事業を含めた機械でありますとか、畜産センターでありますとかという、土地改良と違いまして、一つの施設を入れればそれが広域の農家の方々に御利用いただけるような、そういう意味合いでの関連度で申しますと、おおむね一つの市町村の四分の一、二五%程度になると申しますか、受益度が及んでおるというのが、いままでの構造改善事業の結果から見ての一つの実績的な広がりでございます。第二ラウンド等もかなり積極的にやってまいっても、その意味での全域を網羅するということになりますためには、かなりの時間を必要とするかと思います。私どもとしましては、構造改善事業を一つの典型的なものの考え方として、一般の土地改良事業なり各種の奨励助成事業構造改善事業と同じねらいで村でこなされることを期待をして、それによっていわゆる構造改善事業という形でのものが全域を網羅しなくても、同じような農業生産の合理化なり労働生産性の向上なりの効果を、他の一般施策――生産対策上講じられておりますところの他の一般施策の効用としても、そういうものを期待することで、その辺の不十分さを補ってまいりたい、まあさような考えで進めておるわけでございます。
  23. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 そうしますと、この面接構造改善事業だけの地域から見れば、その受益割合は一四ないし一五%、こういうふうにまあ承ったのでありますが、前に伺った場合には、これが一三%程度と聞いておったのですが、これがどうして一五%に二%上がったのか。  それから、それらの構造改善の普及効果を考えれば二五%ということでありまして、これもかなりきょうの局長の答弁ではパーセンテージが高いようでありますが、そういうふうに指数が変動する根拠は一体どこにあるのですか。
  24. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 私どもは、各年次の事業実績、つまり三十七年度事業認定、三十八年、三十九年といままでに三年事業をやって、先ほど申しましたように七百二十一の地域についての事業計画を各地方農政局が認定したわけでございますが、なるべくその場合の実績的なもので先ほどの御説明をしたつもりでございます。確かに一三%と、たぶん土地改良であったと思いますが、基盤整備事業受益農家戸数でいった場合に、昨年一三%という数字を申し上げたと記憶しております。その数字ももちろん別に間違っておらないと思います。で、きょう申し上げましたのも、別段その一三が一四、五に上がったという意味で申し上げたわけでもございません。一応町村内の受益農家戸数、直接的ないわゆる地区を設定いたしますその設定された地区内で農業経営をやっておられる方という意味で、過去の計画からとって一四、五というのが私どもの記憶でございますが、若干上がったように記憶をいたしております。それから広域施設、つまりライスセンターとか、くだものの選果施設でありますとか、あるいは大型農業機械で、その設定された地区だけで働かないで、地区外農家の、たとえばミカンでももちろん受け付けておりますし、ライスセンターでは米の乾燥も受け付けておりますし、機械にゆとりがあれば地区外農家にいって働いております。それらの地区外農家も含めて働いております。その環境を含めて申し上げましたのが二四、五%ですから、約四分の一というのがそういう意味合いの数字で、ございます。
  25. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 これ以上伺いませんが、まあきょうの答弁を前提として、これから予算関係に触れて、午後農林大臣にお尋ねいたしたいと思って、その前提として伺うのですが、いま説明がありましたような農業構造改善事業の進捗状況から見まして、すでに関連をするいろいろなパイロット施策で、一般農業経営に導入してよろしいという機械化を含めた農業技術については、これはすみやかに全般の農民にこれを営農体系に組み入れられるような行政措置を講ずる必要があると思うのでありますが、その点の政府の方針というものは那辺にあるのですか。
  26. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) なかなかむずかしい御質問でございますが、御承知のように土地改良事業は、戦後いち早く食糧増産という観点から取り上げられ、さらに最近では基盤整備という観点から、逐年農林予算の中の相当のウエートをもって基盤整備事業が進められておりますことは御承知のとおりでございます。で、ああいった土地に即した土地の改造ということにつながったああいう事業は、逐年予算の制約を排除しながら、なるべく大量の予算を獲得することがまず必要でありますと同時に、また実際問題としては、農家のほうでの受け入れ体制、土地改良事業計画を申請するそういう体制がどんどん積極的に高まりますこととあわせまして、やはり相当の年月をかけて計画的に実行していくということに相なろうかと思います。その他、土地基盤の整備を前提にしたいろいろな農業生産の合理化なり、労働生産性の向上ということでありますから、当然構造改善事業で行ないます基盤整備のみでなく、広く農林省がやっております基盤整備の成果の上に、そういった機械化体系なり何なりが、なるべく全国的に広く網羅的に活用できるようにするというのが私どもの基本的な考え方でございます。それには、非常に初期の段階では、当然補助助成といったようなことに相当の重点を置きませんと、なかなか新しい技術でもありますし、単に新しいというよりも、従来の小農的な農業のしかたから大農的な農業のしかたに切りかわることも意味しますので、かなりの助成と指導的な援助とあわせ行ないませんと、なかなか実用段階には入りにくい。農家は現状を変えることに非常に慎重でございますだけに、なかなか入りにくいという意味では、相当の財政的な援助も伴ってまいりませんと実効をあげにくいと思います。しかし、全体の農家の問題として考えました場合には、やはり初期段階での助成ということは、あるいは特定目的を持った助成ということは、これはそれぞれの生産政策といったようなものの観点から入ってまいりますならば、これだけでは不十分でありますので、やはり低利長期の融資措置というものを相伴って農家への普及度を広げていくというようなことをしませんと、ああいう資本装備の高度化を前提とした新しい技術というものは、なかなか農民のものになり切れないというふうに考えるわけでございます。なお個別農家で、現在の資本の蓄積の程度でどうにかまかなえますような小規模ないし中規模程度のものでありますれば、現在の長期低利の融資措置と、さらには試験場、改良普及員を通じまする御承知の私どもの持っております改良普及制度のそういった普及事業の一環として農家に御指導申し上げ、御援助申し上げることで、相当の普及効果をあげてまいり得るだろうと思います。そのことは、動力耕うん機が今日の段階に達しました経過を見ましても、要するにあの程度の資本装備であれば、融資措置改良普及事業との並行的な進展でおおむね農家のものにしていただけると思いますが、あれを上回る資本装備ということになりますれば、やはりその面でも小型の動力耕うん機と同じようなふうにはなかなかいきがたいという点を特別に頭に置かなければいけないと思います。
  27. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 かなり予算措置についても積極的な姿勢をもって臨んでおられる、そういう気がまえがうかがわれたわけであります。たいへんけっこうなことだと思います。これはいずれ大臣からもっと具体的に伺うとして、資金の点については、第四条の目的を達成するために、今般の第五条の四に、資金の確保に必要な措置を講じ云々とうたっておりますが、これは従来と比較して、この法律が、改正法案が成立した場合に、どれだけの融資条件が受益者にとって改善され、また従来の実績に比較してどれだけ資金総量を増ワクをするということで対応されようとしておるのでありますか。
  28. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 微妙な点がございますので、お答えがはなはだ十分でないかと思いますが、この法律改正と、この条文を入れましたことの非常に直接的な行政的な御回答としては、従来国がそれぞれの生産政策、たとえば、米の増産、麦の省力技術、あるいは甘味資源の増産でありますとか、ありとあらゆる作物について、機械をてことした生産の合理化を進めるための手段としての助成措置を講じております。四十年度予算におきましても、それらのものの累積したものを見ますと、おおむね三十八億円程度のものが構造改善事業による機械の導入を含めて、農林省の各局にまたがって、それぞれの作物ごとに機械の導入関係の予算として計上されておるようでございます。この条文の直接的な意味合いとしては、それらの助成を従来個々にばらばらの作物の生産政策の見地からのみ入れておりましたのを、機械の効率的な利用とか、農家の経営との関係における機械の導入とか、そういう観点から、今後この法律によって私どもが考えております導入の方針、あるいは県の導入の計画というものと調整をとって、機械の利用という観点から、単なる作物ごとの省力化なり合理化という観点のみでなく、そういう農家経営といいますか、横に、それぞれの機械の地帯分布なり、あるいは効用なりというものを、作物からやや離れた角度からも十分見て作られるべく、この計画に即して助成を活用していこうというのが、この条文の直接的な意味合いでございます。それから融資につきましてもその意味では同様でございます。それはそれなりに、それぞれの作物ごとに機械を活用して省力化をしていくことが今後ますます必要でありますだけに、四十年度三十八億円の予算が今後逐年ふえてまいることは、これは疑いのないこととして私どもは考えております。その意味で、ふえてはまいりますが、ふえたということは、必ずしもこの条文の直接的効果というふうには申し上げないほうが、むしろ正直な申し上げ方だろうと思います。  ただ、この条文の行政的な直接的な意味合いは、以上申し上げたようなことに尽きるわけでございますけれども、私自身としては、こういった計画を明らかにし、機械の導入方針を明らかにし、計画を明らかにして、農家に組み入れられやすい形で機械化の促進がはかられる道が開けたことによって、やはり直接的にこの条文の成果というふうに言うことは、行政的には不正確でございますけれども、やはり相当の機械化の資本装備の向上ということで、こういった道を開きましたことが、それぞれの機械化の事業促進に間接的に非常に役に立つ。その意味での効果もあると思います。しかし、それは正直に申しますれば、正確に申しますれば、この条文の直接的効果として申し上げるのはあるいは適当でないかもしれません。
  29. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 どうも具体的に伺ったことに対しては、抽象的な答弁で、直接的な効果がないんじゃなくて、わざわざ従来の法律を改正するからにはです、かなり積極的な行政的なかまえ方というものが内容としてあるものと期待して、いま質問しているわけで、一体これらの融資措置というものは、総ワクを具体的に明示できなければ、これはそこまで答弁を期待しませんけれども、少なくとも従来やってきた農業近代化資金というようなものにのみ依存するということでは、これは大機具の資本装備に対する融資としては、期待を裏切ることもはなはだしいものである。また、近代化資金に依存するとしても、共同利用施設等に対しては七分五厘というような、きわめて採算上からいってもペイしないような法律になってきておるわけです。そういう点に対しても、政府の利子補給のもっと積極的な措置を講じるとか、あるいはこういう大型機械の経済効率からいって、償還期限を実態に合わせてもっと延長するとか、さらに全体の技術体系の普及とも相関連して、資金総量は少なくとも従来に対してはよほどのワクを設定していかないと、法律はできたが、実体は伴わないというようなことになってはいかんと思うので、その点をある程度明らかにしてほしかったのであります。  時間もかなり経過しましたから、午後から大臣が御出席のことでありますから、午前の私の質問は一応これで打ち切っておきます。
  30. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほど私が少し回りくどいことを申し上げて恐縮なんでありますが、端的に私が期待をいたしておりますのは、導入方針、導入計画という形を通じて農家が受け入れられやすい形あるいは心配のない形での導入の見通しを得ますれば、その計画が、りっぱな計画をつくれば必ずその計画の中から出てくる問題点によって、先生御指摘のような融資措置なり融資条件の緩和なりという問題は必ず引き出せるというふうに実は私は期待をし、確信をしておるわけでございます。ただ、そういった計画がまだできておりません。これからつくるわけでございますので、まだ計画もできていない段階で、何か必ずどんな計画が出ても融資条件がよくなるとかワクが広がるとかというふうに申し上げるのは、実は正確な態度でございませんので、そういった計画が実ってくれば、必ず先生御指摘のような方向に、融資なり助成なりの措置の改善の有力な私どもの具体的な材料がここから出てくるということを期待しておりますという意味合いで、少し回りくどい御回答を先ほど申し上げたような次第でございます。
  31. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 暫時休憩いたします。   午後零時四十二分休憩      ―――――・―――――   午後二時十八分開会
  32. 仲原善一

    委員長仲原善一君) ただいまから委員会を再開いたします。  農業機械化促進法等の一部を改正する法律案を議題とし、休憩前に引き続き本案についての質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、発言を願います。
  33. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 大臣がお見えですから、午前に保留した質問をまず皮切りにお伺いをいたしますが、何といいましても大型機械を完全にその機能を駆使する体制というものが、組織的にも、あるいは基盤整備の条件の上からいっても必要であることは論を待たないのでありますが、まず、その基盤整備の中でいろいろな前提条件が指摘されておることは、この際は一切省略いたしまして、従来あまり両院ともに取り上げのなかった隘路とでも申しますか、そういう点にしぼって大臣からお答えを願いたいのでありますが、第一は、せっかく大型機械を駆使し得る基盤整備が完成いたしましたとしても、その整備された耕地に立っておるところの電柱の移転ということが解決されなければ、その高性能機械の完全な運行というものが出てこない。これはいまあらためて指摘するまでもない当然考えられる問題であることは、大臣も農村の実態の上からいって御存じのことだと思うのであります。それで、私は四月二十一日ですか、日本農業新聞の記事に出ておるものを引用して具体的にお伺いをするのでありますが、全国農業構造改善対策協議会がこのほど全国四十二の構造改善地区で調査したところでは、移転の必要がある電柱のない地区は十三で、三〇・二%、必要がある地区は二十六で、六五・一%、回答のないのが残りという結果が出たと報じております。「移転するばあいの電柱一本あたりの費用は平均二万円から三万円、なかには十万ちかくもかかるものもざら。」そして、具体的な町村等の事例をあげております。「農家の負担を軽くするため、構造改善地区などでは国の補助金を移転費用としてつかってよいことになっているが、このばあいでも半額は農家負担となっている。しかし、一定額の補助金のなかから移転費用をだすと、構造改善事業などの規模を縮小しなければならないはめになる。」そういうことを記事は取り上げているのであります。こういう実態に対して、「全国構造改善対策協議会では、「国または関係公、会社などの全額負担によって円滑に移転ができるようにする、機械化の推進にそなえて、送配電、電話などの電柱乱立をふせぐため電柱の共同利用、電線の埋没などの新しい配線方式を積極的におこなう」などを農林郵政など関係各省や電々公社、電力会社などに要請をおこなっているが、相手が多すぎてお手上げ。」というような記事が出ておるわけであります。記事はまあ一部を取り上げているにすぎないのでありまして、現実にこの電柱移転ということが農家の負担でなしにこれは解決されなければならないし、また、その移転そのものが早急に基盤整備事業内容の一環として取り上げられなければならないと思うのでありますが、これは単に農業構造改善事業が始まった三十七年から出たことではなしに、従来も基盤整備の現地のそれぞれの実態において問題になっておる点であるわけであります。こういう点について大臣は、従来この敷地内における電柱の移転についていかなる措置を行政的に配慮されたのか、また、現在どう措置をされておるのか。その点についてその対応した具体的な内容を承りたいのであります。
  34. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 電柱等はおおむね個人の土地に借りて、そして立ててある、こういういきさつだと思います。かつて小さい電柱等につきまして、協同組合等で一括借地料を契約してとったと、こういうようなことも、現在続けておるかどうか知りませんが、そういうことがありました。そういうことでございますので、構造改善による土地改良等につきましては、公社あるいは会社等におきまして、借りている場所の移転する必要があるのでございまするので、区画整理等につきましては当然移転をさせなくてはならないと思います。個人の土地を借りておるのでございまするから、その費用等もこれは公社あるいは会社等で持つべきことが至当だ、こういうふうな観点に立ちまして、郵政省その他ともただいま折衝中でございます。
  35. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それでは、農林大臣の方針としては、郵政省その他に折衝をして、全額を農家の負担でないような措置を講ずるように措置をする方向で努力をされている、こういうふうに理解していいのでありますか。
  36. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) さよう御理解願ってけっこうでございます。
  37. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 それでは、次の基盤整備における問題点で、従来取り上げなかった、しかし、非常に切実な問題をもう一点だけお尋ねをいたしますが、それは農業構造改善の指定地区になる以前の問題で、あまり表には出ないと思うのでありますが、それは私から見れば、いまの構造改善内容そのものに問題があるわけですが、それはしばらくおくといたしまして、そういういろいろな不利な条件にもかかわらず、とにもかくにもこの構造改善の指定地域になろうという意欲がある部落で、しかし、これが具体的な計画の日程にのぼった段階において、その区画整理が特に問題でありますが、区画整理をする場合に出てくる現実の問題は、その対象区域の中に既存の農家が存在しておるために、この家屋の移転ということが、政府として積極的に構造改善事業の一環として取り上げがなければ、非常に費用もかさむことであるので、せっかく構造改善の地区指定を希望するにもかかわらず、そのことが隘路になって指定を返上するという事例は、私の実査をした地方の実情から言っても、かなりこれは多きにのぼっておるのであります。  そこで、大臣にお尋ねをいたしたいのは、少なくとも農業構造改善という大きな旗じるしのもとに、政府が施策を打ち出すためには、この農家の今後のあり方というものにも関連して、営農に密着した農村住宅というものが当然考えられてしかるべきものだと思うのです。そういう前提に立って考えますならば、補助をふまえて、でき得れば農家の住宅集団というものを考え、それを内容とする基盤整備というものが並行的に取り上げらるべきものだと思うのであります。また、いささかこまかいことになりますけれども、そういう場合に、今後における農家住宅のあり方といたしましては、少なくとも、二世帯同居の慣例から申しましても、あと取りが農村にとどまって農業に従事する意欲を燃やす以前の問題として、やがて嫁をもらい、家庭を営むというあと継ぎに希望を持たせるためにも、そういう若夫婦の居住というものを農村家屋の中にも十分取り入れて、農村住宅の今後の方向というものがまた取り上げらるべきものだと思うのであります。そういうことが、この構造改善なり、一般的には基盤整備の中にないために、大きな阻害要件になっておるのでありまするが、従来どうしてこういう切実な問題をお取り上げにならなかったのか。これはかなり政府としても財政負担も要することになるわけでありますが、この点にやはり大なき施策の手を伸べないと、基盤整備自体もまた大なき阻害条件の前に行き悩むという現実から、こういう問題を農林大臣は一体どういうふうに対応されるお考えなのか。そこら辺をひとつお伺いしておきたいと思います。
  38. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 構造改善あるいは構造改善の土地改良を行なう地区内に住宅があると、この住宅を移転させなければ、十分その効果を発揮しないということは、だんだんと多くこういう事態が出てくると思います。いろいろ問題がありますので、補助対象とはいたしておりません。しかし、話は飛ぶかもしれませんが、たとえば茨城県あたりで鹿島港の工業建設をやっていますが、そういうところで、工業建設にかかる地区におきまする土地を買収するといった場合に、買収のみでは不都合なので、それにかわるべき土地を造成して、その土地に移転すると、こういう形で新農村を同時に建設するというふうなことをやっております。そういう意味におきまして、これは土地の問題とかなんとかいうことを離れて、そういうふうな住宅と農地との結びつきを考えて、農村の住宅問題というものは考えなくちゃならない。でありますので、そういうことを住宅関係とも、建設省関係とも検討を進めて、やはり費用も出るような方向に持っていきたいと思っておりますが、現在では費用が出るということではございません。補助も出ておりません。それから若夫婦の居住等についても、住宅問題から考えろと、これは御承知のように、生活改善のほうにおきまして、住宅の構造等について、それに適したようなデモル的な構造あるいは改善を進めておるような状況でございます。農村の住宅、これは基盤の整備関連しまして、お話しの点なども十分頭に入れて前向きに進めていきたい、こう考えております。
  39. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 これは非常にじみなようであって、重要な問題だと思いますので、ひとつ、いまの大臣の御答弁のように、慎重にこれは検討の上に、その具体的な施策を打ち出してほしいと思います。  次にお伺いをいたしますのは、先ほど政府側の答弁によって一応明らかになりましたのは、農業構造改善を、三十七年から実施をしておるのでありますが、およそ全国の予定された市町村に十年間で実施が完了するということになれば、この該当地域の農民の受益する度合いというものが一四%ないし一五%ということであります。それから、さらにこれを拡大して、関連する地域というものに伸ばして考えればおよそ二五%程度、こういう見通しを伺ったのでありますが、そこで、今度この一部改正法案が出ておるわけでありますが、この法律が施行される場合には、一体どの程度この構成を、機械を中心として政府予算に積極的に取り組むのかということが、次の質問の要点でありますが、四十年度の農業機械全体の政府補助予算というものを見ますと約三十三億になっております。この三十三億のうちに、農業構造改善に投下される、機械に対する助成は約十六億となっております。波及効果まで考えて二五%ということでありますから、昭和四十五、六年ごろまでに、せいぜいそういう拡大解釈をしても、全体の受益範囲というものが四分の一程度に定着せざるを得ない。そういう実態の中で、農業構造改善地域以外の地域に対する総合的な農業技術の営農体系に組み入れられて、これを行政措置をとっていかなければならぬわけでありましょうから、当然この法律が成立をいたしました場合に考えられる予算というものも、いまのような展望の中からいたしますと、相当、超大型な農機具に対する予算措置というものが当然考えられてしかるべきものだと思うのでありますが、一体この法律にうたっておる補助金内容というものは、どういう構想でその背景をなしておるかということを、ひとつ大臣の重大なる構想のほどをお伺いいたしたいのであります。
  40. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 前提として、私から申し上げないでも十分もう御理解を持っておられる渡辺さんですから、どうかと思いますが、高性能機械を入れて、そして土地基盤の整備というものを推進するという考え方があります。土地基盤を整備しておいて高性能の機械を入れる、こういうようなことも考えられます。しかし、私は両方から高性能の機械が使用されるようなことを考えていくべきだというふうに考えておるのでございますが、それにつきましては、相当費用、購入の費用ばかりでなく、維持管理費用もかかるわけであります。そこで現在は、いまお話しのありましたように、農業構造改善事業等に、おおむね十六億円くらいの補助が計上されております。その他各種の生産対策等につきまして、高性能の農業機械の導入措置が講ぜられるように補助等の予算が計上されております。このたび法律の改正によりまして、農業機械化促進のために高性能の機械を入れるということについて、新たに特別にこれの裏づけの補助があるかどうかということでございますが、そういうものはいま持っておりません。でありますので、当面はこれらの高性能農業機械の導入に対する構造改善の関係の補助、その他の生産対策等に裏づけされておる補助等を総合調整して、今度の改正に対処していきたい、こう思っております。しかし、冒頭申し上げましたように、土地整備をして高性能の機械を導入するということ、あるいは土地の整備がされないところで、高性能の相当なものを入れて土地の基盤整備促進する、こういうことも必要でございまするので、これから機械の導入が相当活発に行なわれる。共同作業等も農協を通じてやっていかなくちゃならぬということでございますので、そういう進み方がとられることと思います。でありますので、今後も各種事業につきましての総合調整につとめますが、さらに必要が生ずると思いますので、この基本方針にのっとりまして、新らしい助成措置等も検討いたしまして、高性能農業機械が計画的に導入されるようにいたしたい、こう考ております。
  41. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 いまのところは具体的な考え方はない。今後検討してやっていくというようなことで、一体この法律を成立させる意図が那辺にありや、これは疑わざるを得ないわけであります。少なくとも法律を出すからには、一部改正案を出すからには、かくかくの展望に基づいて技術体系をかくのごとく確立しておるのだ、また、その受け入れ体制も基盤整備については特段にこれだけのやはり配慮を講ずる、それに見合う高性能機械の導入を通じて農業の共同化、生産性の向上に寄与する政府の施策はかくのごときものである。そういう少なくとも科学的な展望の中にこういう法律が提案されたものと、私はただいままで期待しておったのでありますが、従来の踏襲の中に、いろいろ予算をかきまぜてみても三十三億、一体農業基本法の第十七条で言う「協業の助長」というものは、私から見れば単なるこれは絵にかいたもちであって、もっぱら政府の施策は自立経営農家の育成に重点があったが、これだって、私が去る二十四日の本会議で、農地管理事業団法案で農林大臣にお尋ねしたけれども、自立経営農家、これも絵にかいたもちにすぎないということを指摘したはずでありまして、それにもまして、この「協業の助長」ということは第十七条でうたってあるが、なかなかどうもこれに対する突っ込みが不徹底、不十分である。少なくとも今度の法律の改正の中に、いままで怠ってきた政策の不足というものを反省して、たとえば第五条の四というものは、かくのごとき内容を踏まえて、これから高性能農機具の導入に対処しようというものでなかったならば、改正の必要が一体どこにあるのか。
  42. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほど申し上げましたように、共同化の必要も相当、ございます。農業労働力の不足という点から考えまして、あるいはまた、生産性を向上するという意味におきましても、機械化の必要がございます。でありますので、機械を導入して土地基盤の整備等を促進するということも、あるいは基盤の整備ができたところへ高性能の農業機械を導入するということも、もちろんこれは強力に進めなくてはならぬと思います。そういう意味におきまして、その方向へ持っていくのでございますが、その方向へ持っていくための方法を、持っていく、すなわち導入を効果的に行なうために必要な条件、その他導入に必要な事項をこの改正法定めようということでございますので、これに対する資金の融通等につきましては十分配慮をいたしていく、こういう考えでございますが、補助その他につきましてどうかということでございますというと、当面三十数億の補助等を総合調整してこれに充てていくということでございますけれども、これはなおさらにお話しのような趨勢でもございますし、私は、助成等をさらに検討を進めていかなくちゃならぬというふうに十分考えておるわけでございます。
  43. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 三十三億を総合調整するということなら、何もここへ第五条の四にうたうような必要もないのじゃないか。そうじゃなくて、少なくとも従来やってきた三十二億九千万、これではあまりに低過ぎるから、この高性能機械導入促進法の一部を改正する機会に、積極的にいろいろな諸条件の推進とともに、この高性能機械導入に対する予算も大幅にこれを増額して、この目的達成に遺憾なきを期すということでなければならぬじゃないか、三十三億の範囲内で、従来の予算のワク内で総合調整をするというならば、何もここにそういう改正をする必要が見当たらないじゃないですか。
  44. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) そのとおりでございます。でありますので、本改正案が通る、そういうことに相なりますれば、その導入計画も作成しなければなりません。その導入計画の作成の結果として、新しい助成の基盤がつくられますので、四十年度の予算におきましてはまだそういう対策は講じておりませんけれども、四十一年度からは導入計画の作成の結果、助成をするというようなところに、これは、この法律に基づいてもやらなくちゃならない、こういうふうに考えておるわけであります。
  45. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 ちょっと私の質問がはっきりしなかったようでありますが、私の伺うのも、すでに成立しておる三十二億九千万を大幅に四十年度に増額してほしいという意味で申し上げたのであります。少なくとも四十一年度の予算を組むに当たって、この法律が成立した場合には、かなり大幅の予算を組んでこれに対処するという腹がまえがおありだろうという意味で伺ったわけであります。その点については、期待する方向でこれは臨まれるというふうにいま御答弁がありましたから、これ以上この予算の点については、お尋ねはとどめます。  それで、私、大臣に、特に形式的じゃなく実際ひとつ真剣に検討してもらいたいのは、従来、政府の農業機械の施策というものは作物別であり、あるいは作業別であり、行政庁の内容でいえば、主管局、課別にそれぞれのひもつきの機械が導入されておるという実態であります。大臣は御承知でありましょうが、具体的に私が申し上げますと、農政局にも構造改善事業課自体の農業機械の予算がある。農産課にもそれ自体の機械の予算がある。農業機械課にもある。植物防疫課にもある。農政局の中でもこの四つの課がそれぞれの作業別、作物別の農業機械の予算を持って、これを末端に流しておる。こういうばらばらなやり方をしておる。農地局は入植営農課。畜産局は自給飼料課。園芸局は園芸課、特産課。蚕糸局は蚕業課。あなたが主管している農林省の中でも九つの課がそれぞれ作物別、作業別に農業機械の導入に対して予算を持ち、これを末端に流しておる。それが総合して三十二億になっておるわけです。これはまさに農林省の役所の機構別の農業機械の取り上げ方であって、その機械を利用する農業者本位のやり方ではない、逆である。こういうことを大臣はよく御理解願っておると思うのでありますが、大臣、日本の農業は他国と違いまして、複合形態の複雑な営農の実態が現実の姿でありますが、そういう農民の複合的作物を持った経営の単位に立脚して、農業者の経営意欲というものを基盤とした指導、援助をたてまえとする行政でなければ、せっかくの税金もむだになりがちなこれは実態で、この機械化行政も非常に非効率的である、これが現実であります。でありますから、結果的に本末転倒するような、いまのセクショナリズムのこれは典型的なものでありますが、農林大臣としては、全体をひとつ掌握して、そうして農家は一人でありますから、その農家が、あるいは水田と酪農、水田と果樹、いろいろな複合形態をやっておりますが、いまのように自給飼料用の機械は、それ以外には使えないというような規制、しかしながら、農家から見れば、それを他の畑作あるいは水田に利用することが大目的であるという実態、そういうものを非常にはばんでいるのが政府の機械化政策の実態でありますが、先ほどの答弁の中にも、こういう機械については総合的に機能を発揮するという意味の御答弁がありましたけれども、そういう点を一体どういうふうに、この高性能機械の導入を中心とする法律改正にあたって、大臣はお考えになっておるのか、この点ひとつ納得のいくような考え方をお持ちだと思います。決して従来のそういうセクショナリズムに漫然とおすわりになっている大臣じゃないはずでありますから、そういう農家の実態を生かすような、農林省のいまの仕組みというものを総合的に、これを前向きに解決するという意欲を十分お持ちだと思いますが、その点の具体的な構想等をお聞きいたしたいのであります。
  46. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 機械の算入が、言いわけを申し上げるわけじゃございませんが、機械の導入がまだ歴史的に浅い日本でございます。ことに機械の発達が、農業機械の発達が作業別とか、作物別に発達してきた、こういうことでございますが、しかし、そのまま作物別とか、作業別に農林省の行政が、機械化行政についてセクショナリズムであるということは、私はまことに遺憾であって、御指摘のような欠陥を持っていると思います。そういうことにも気がついておりますので、今度の改正の点などにつきましても、実は総合的に機械を有効に使えるようにというふうな観点を基礎としてはおるのでございます。具体的にどうだということでございますが、たとえば一つの例を申し上げまするならば、ライスセンターに乾燥の機械を入れた。それはライスセンターだけで、ほかに使えなかったのでございますが、ところによっては、農協等におきまして、これで牧草を乾燥するというふうに、機械をある程度改造して、ライスセンターとして、米の乾燥のみの時期でない時期に使えるようにして、総合的に機械を有効的に使うというようなこともやっております。それを組織的にはどういうふうにやったらいいかということの御指摘だと思いますが、そういう欠陥を持って進んできましたので、とりあえず私どもとして考えておりますることは、農協等に大型機械を導入して、それで共同作業等に向けていきたいというような考え方、こういう点などは、いまの欠陥を補って総合的に、効率的に、高性能機械等を使うということの方向に沿うものだというふうに考えて、そういう対策を講ずることといたしておるのでございます。そういう意味におきましては、農協等の役割りに強く期待しておるわけでございます。
  47. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 わかりました。それでは、いまのそういう欠陥を除去して、それぞれの機械がフルに総合運営の妙を発揮するためには、いま大型機械のライスセンターあるいはライス・ミル、大型乾燥機等に例をとられましたが、政府の息のかかったといえば語弊がありますが、政府が管掌している農機具に関しては、農民の共同組織体である農協にその事業の実態を担当させて、そこをパイプとして、その機械が果たし得る機能を全面的に活用させる手段をとるというふうに受け取ったのでありますが、そういうふうに理解して差しつかえありませんか。
  48. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) さように御了承願いたいと思います。
  49. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 そうすれば、老婆心でありますけれども、私の一応心配なのは、例の補助金適正化法という法律があって、この中には、直接補助事業――直接とはいいませんが、間接補助事業に対して補助事業を規制をしておる、いやしくもこれらの補助金等の他の用途への使用をしてはならない、こういう一つの禁止条項があるのでありますが、当然これを合法化していくためには、この法律の改正までもっていくというふうなお考えであると解釈して差しつかえないのでありますか。
  50. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 補助金適正化法という技術的な問題でもございますので、私から検討の状況をお答えいたしたいと思いますが、いま発展過程の機械で、国なり都道府県なり、あるいは市町村が持ったほうがよいというようなものもあります。ただその場合でありましても、現地での実際オペレーション、運用は、できるだけ私どもは農業協同組合といったような農業者の自主的な組織がその主体になっていただきたいというふうな行政方針を持っておるわけでありますが、補助金適正化法との関係から申しますと、それぞれの補助事業ごとに、補助事業の主体、対象なり、目的なりを、補助条件で書いてあります。その補助条件に違反して目的外に使用したり、対象者以外の人が運用したりする場合に、手続を怠っておりますと、法律違反というようなことになります。そこで、現在私どもが検討しておりますのは、おおむねいまお話しのような行政方針なり、方向で、従来の補助金で導入されました機械あるいは今後導入されるであろう機械を予想してみまして、おそらくは補助条件の一部について監督官庁の承認を受けるという手続はおとり願う必要が起こる場合があろうかと思います。しかしながら、適正化法にもそういう補助条件の変更の規定もあることでございますから、おそらくはと申しますか、現状で考えます限り、適正化法自体を改正をする必要はないというふうに、私どもは現状では判断をいたしております。補助条件の運用で処理できる範囲の事柄であろうというふうに思っておりますが、なお、今後の事態で、そういう問題がさらに具体的に出てまいりますれば、また検討さしていただきたいと思います。
  51. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 いずれ、それらの補助要綱で救済できると、この法律の改正までさかのぼる必要はないという御答弁でありますから、それでよければ何をか言わんやでありますが、問題が起きて、そのしわが実際その機械を駆使するところの農業協同組合に与えないように、十分これは前向きにひとつ、改正を要する場合には、改正をしなくても済むならそれでもけっこうでありますが、要はそういうふうに、セクションに限定されて、せっかく他の作物にもこれを活用すべきものが規制されておるという実態にかんがみて、私は苦言を呈しておるわけでありますから、そういうことがないように、大臣が答弁されましたように、農業協同組合にその事業を担当させるということに焦点をしぼって、もしもそのことが、いまいったように、補助金適正化法がどうしても改正を要する場合には、はっきりと改正までして、堂々と総合的に機械を効率的に駆使できるような措置もその場合には講じてほしいと思うのであります。  次に、私お伺いいたしますのは、配付をいただきました政令案の第五条の二の第二項であります。「高性能農業機械の導入に関する目標等に係る一定期間は、高性能農業機械の種類に応じ、五年または三年とする見込み」だという見込み事項の資料をもらったのでありますが、この五年ないし三年ということに、実は問題が私はあると思うのであります。一体この第五条の二の第二項の「一定期間」というものは、農業機械を利用するという態勢の整備に見合って、相当期間にわたって逐次その実態に即応して、年次別に導入するという考え方をとるべきだというのが私の基本的な考え方であります。そういう考え方からいたしますと、五年ないし三年というのは、これは短きに失して、せっかくこの際法律を改正しても、このような政令によって規制されることは、実態からいって非常に無理が出てくる、こういうふうにまあ考えるのであります。もう少し具体的に申し上げたいのでありますが、その五年ないし三年という見込みを設定された根拠は何に基づくのであるかということを、まず、これは大臣でなくてもけっこうでありますから、お答え願いたいと思います。
  52. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) もちろん、私どもも高性能農業機械の導入を計画的にとり進めたいという立法の趣旨でございますから、三年ないし五年という期間で何と申しますか、そういった計画的導入を打ち切る期間とか、あるいはそういうふうな意味合いで三年ないし五年ということを定め趣旨では、ございません。で、もっぱらこれは計画が非現実的にならないように、実情に適して計画が存在し得るようにという趣旨で、むしろ機械の開発の現段階の実情から農業の、あるいは農家の方々の、現在の何と申しますか、非常に変貌のテンポの早い現在の農業事情、それらを前提として考えました場合、一つの基本方針あるいは一つの導入計画がいつまでもそれを変えずに済ませるということはむしろ予想できないわけでございます。基本的な導入の姿勢そのものは、引き続いてこの法律の趣旨とするところに従って、政府としても展開をいたすわけでありますけれども、具体的な方針なり計画なりはなるべく具体性を持って、機械の現状、実情、あるいは農業の実情と遊離しないように、常に実効性のあがる方針であり、計画でありたい。一応そういうものとして考えられる比較的の長期がまず三年、あるいは機械によっては五年というふうに予測されるという意味で、政令ではその程度の期間を考えたわけでございます。  で、こういった問題の取り扱い方について、立法例としては、計画の変更の手続を法律に書くことによって、その計画が実情から離れることを避ける、あるいは実情に即せしめるやり方もあろうかと思います。そういった方針なり計画の変更という手続でその問題に対応するか、あるいは一つの計画、一つの方針は、まず、その辺が望み得る最長期の展望でありますから、一応そうしておいて、そのつどそのときの実態に即して書き改めていくというふうに問題を整理するか、いずれかをとろうということで、この際は、計画のむしろ変更を初めから予想したような法律体系が、私どもとしてはかえっておもしろくない。むしろ計画をそのつど新しく書き改めていくという姿勢のほうが積極性があっていいんじゃないかという趣旨で、三年ないし五年ということでその間の調整をはかってまいりたい、さように考えた次第であります。
  53. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 計画の変更ということは好ましくないということは、まさに私もそのとおりだと思うんであります。  そこで、私、もう少し勘案を願いたいのは、この機械の導入は、農民のこの機械を受け入れるための農協の内部組織でありますが、そういうものの組織化や、あるいは土地条件の整備とか、あるいは農作業の共同化に至るいろいろな段階を経てのプロセスとか、そういうことを考えますと、五年というものは短きに失すると考えるわけです。たとえば、まあ実施をする第一年度として考えられるのは、まず、部分的な共同作業の開始ということから始まるでありましょう。それは当然統一された品種をまず播種するということから始まって、共同田植え等に初年度がまずスタートを切る。それから、第二年度は、その第一年度よりは多少高度な共同作業に入る。たとえば共同苗しろなり、あるいは耕うん作業の共同化なり、あるいは土地基盤の整備なり、そういうものが二年、三年にさらに出てくる。取っ組む問題になってくるでありましょう。次には、高性能農業機械の導入というものは、第三年次ないし第四年次にこれは実現化してくるでありましょう。また、区画の拡大ということも第四年次あるいは五年次に出てくる。そうして、さらに六年、七年ころには、収穫作業の共同化なり、機械化なり、また、高性能機械によるところの一貫作業ということまで出てきて、これが一つの体系化された時期になるということを考えますと、その受け入れ体制の無理のないようにテンポに合わせて考えれば、私は五年というもので期限を切るということは、スタートとしては、地域の実態を尊重しつつ共同化を進めていくというテンポには非常に制約が、現実的にはきびし過ぎる。私の心配するのは、あるいは五年でこれらが最終段階まで入る地域ももちろんありましょうけれども、そういう制約があるために無理に行政指導がなされていって、せっかくのこの共同化というものが、マイナス条件が内在し、それが具体化してくるという、従来の農業構造改善事業のように、たてまえはけっこうなうたい方でありますけれども、実態は行政指導によって地域住民がついてきておる。つかされてきておる。どこの地域にまいりましても実態はかくのごとくであります。まあ例外はあるでありましょう。大体共通的な従来の農業構造改善において特にしかりでありますが、これの足取りを見ますと、上からの行政指導によって、いやいやながらこれを取り上げてきているという、そういう一般的な傾向がある。そういう反省の上に立って、私は、今度の法律というものの運用がなされなければ、再びこういう失敗を繰り返すことをおそれるから、そういう政令の出し方についても十分勘案をすべきであるというふうに考えてお尋ねをするわけであります。そういう点で、私は少なくとも五年ないし三年というものは短過ぎる。もとよりそれを十年以内としたところで、十年間まるまるかけてやるという意味ではないのであって、その期間の範囲内において、いま言ったような、それぞれの取っ組み方のテンポを、農民の意欲をたえず尊重しながらこれを進めていくという、そういうためにも、この見込み年限というものは短きに失するというふうに思うのですが、この点は、具体的なそういうケースは別として、大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
  54. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 機械を使いこなして使用済みというようなことだといたしまするならば、五年あるいは三年というのは短いということは、私も感じます。ただ、どうも私は法律を実は出しておいて、あまり研究していないのはまずいのですが、「一定期間に高性能農業機械の導入に関する目標、」機械そのものの消耗とかなんとかじゃなくて、導入に関する目標を立てるとか、それを「効果的に行なうための必要な条件その他その導入に関し必要な事項について定める」。だから、導入について効果的にこれを行なうための一つの目標、こういうものを五年ないし三年のうちにやろうということでございますから、これはなるたけ短い期間にそういう目標を立てて機械の導入を促進しよう、こういうことのように私は解釈いたすのでございます。確かに一年に一回くらいしか使わない機械を五年、三年で消耗し尽くすようなことに、あるいは買いかえるようなことにするといたしますならば、非常に効率的でない、経済的でもないということでございますが、導入に関する条件とか目標を急速に立てて機械化農業を進めていこう、こういうことに解釈いたしますので、適当でないかと、こういうふうに考えます。
  55. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 時間もありませんから、政令の次の点を伺いますが、高性能機械の種類について、この見込みに「農業用トラクター、走行式動力防除機、コンバイン、穀類乾燥機等で一定の規格以上のものを順次規定する見込み」とあります。その「等」ということで出ておるわけでありますから、それに入るかどうかお尋ねしますが、たとえば、ヘリコプターの場合は、具体的なこの機種の中に明確に出すべきものだと思うんだが、それが出ていないのは一体どういうことでしょうか。  それから、ついでにもう一つ伺いますが、これらの高性能機械の種類の中に、その機械を収容する格納施設及び整備のための施設、こういうものが「等」という中に入っておればけっこうでありますが、当然これも対象にすべきものだと――、格納施設あるいは整備施設、これは一体どういうふうにこの「等」を読み取るのか。私は、その中に入っておれば、むしろ明確に外に出して明らかにしたほうがいいと思うのですが、そこら辺は一体どういうことになっておりますか。
  56. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) お答え申し上げます。一応、政令見込み事項として例示をいたしましたものは、その機械の現状から見て、この法律が期待しておりますような農家の集団的な利用を必要とし、かつ、それが農作業の共同化という線で推進に条件を整えておる、あるいは整え得るという見込みの比較的明らかなものを例示的にあげまして、今後、検討の結果、追加すべき機種が出ますれば、機械化審議会等の御意見もありましょうが、追加指定をしていく段取りにいたしたいと思っております。具体的に御質問のございましたヘリコプターでございますが、利用の実態から申して、先だっての資料にもございましたように、すでに九十万町歩をこえるような利用の姿でございますから、ある意味では、それを計画的に推進するために、この法律による導入方針、導入計画の中に織り込むのも一方法かと思います。ただ、典型的なものとして例示することを避けましたのは、御承知のように、ヘリコプターは、いわば、ある意味では、請け負い作業、賃作業の一つの典型的な事例でもあります。もちろん、これを使いこなす現地の問題としては、防除組織――空からまく薬を有効に農作業の共同化と結びつけるための農家の組織が相伴わなければ、ただ、ヘリコプターが空から薬を大面積に短時間にまくということだけでは、個々の農家がばらばらのままでは、効率を発揮しないことは明らかでございますけれども、しかし、この法律でいっておりますような農作業の共同化に資する高性能農業機械として、はたしていまのヘリコプターの実態が適合しておるかどうか、あるいはまた、ヘリコプターと申しますのは、御承知のように専用機械ではございません。多目的に使われる機械であって、たまたま、それが最近、農作業に活用することの非常に注目を浴びておる多目的な機械でもございます。それらの要素がございましたので、ヘリコプターを典型的な事例としてあげるためには、もう少し部内の検討を必要とするかというような趣旨で、ここへは例示を避けた次第でございます。  それからもう一点、格納施設なり、あるいは修理施設は、この政令の見込み事項の「等」の中に入っておるかという点でございます。これは入っておりません。ここで機械の種類としてあげてまいりますのは、あくまで集団的な利用を必要とする高性能の農業機械、それの付属機械までは含むと思いますが、こういった格納庫とか修理施設といったような付帯施設は、そのものとして独立して高性能農業機械というわけにはまいらないと思いますので、この政令でいう「等」の中に入るというわけにもちょっといきかねる。ただ、御指摘のような実体的な問題として、そういうものを伴わなければ、高性能農業機械がはだかのままで実際に効用を果たし得るものではございませんから、そういう格納施設なり修理施設の整備ということは、高性能農業機械の効率を発揮する上に、欠くことのできない一つの、導入に関する付帯的な重要な事項だと思います。そこで、この五条の二の第二項に書いております導入方針でうたっておりますように、「必要な条件その他その導入に関し必要な事項について」方針を定めるとしておりますが、この「導入に関し必要な事項」という中には、機械のオペレーターの訓練、養成の問題でありますとか、御指摘の格納施設なり、修理施設の整備状況なりといったようなものが、きわめて重要な問題として、この方針の条項に当てはまるものとして、当然、それぞれの指定された機械に関連をして出てまいる、場合によっては、修理施設があることが、導入のための条件というふうに扱われる場合もございましょうし、条件ないしは必要な事項ということで、そちらのほうで処理をするというふうに考えておるわけであります。
  57. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 この政令見込みの末尾に、「一定の規格以上のものを」とありますが、この規格の定め方は、あくまでも、これは営農基盤という現状に即して、営農改善に資することを本旨として、この一定の規格というものを定めていきませんと、現状と多少でも遊離したような規格を設定するということは、かつての農業構造改善のような理想型の押しつけに走って、現地では、そのために、また不必要なマイナス効果を生むということを反省されて、私は、この一定規格というものを考えていくべきだと思うのでありますが、その点、一定規格というものの考え方は、どういう内容になっているのでしょうか。
  58. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) ここでは、高性能農業機械が将来の農業に非常に役立つという意味で、特にこういった規定を設けたわけでございますが、この法律案起草の段階でも、いわゆる高性能機械でないと申しますか、高性能であっても、小型の機械で、なお、今後も日本農業の発展のために非常に重要なものが取り残される、あるいは政策的に少し差をつけられる懸念はないかということが、関係者の間での、こういった立法措置をとるについて危惧された点でございます。私どもとしては、ここで高性能農業機械という法律用語で表現はいたしましたけれども、五条の二の第一項にございます、カッコに入れて説明を書きましたように、大型とか小型とかいうことで、高性能である、ないというようなことをいうのは、本来適切でない。そこで、政府として、特段の立法措置に訴えての方針の宣明をし、姿勢を正す必要があると考えましたのは、個別農家の利用にまかせてはおけないといいますか、機械の性格上、現状の日本の農業の事情では、個別農家単位ではどうにも利用のできない能率の高い機械というものを、特にここでは取り上げたつもりでおります。したがいまして、個別農家で、従来のような奨励措置で、普及事業と融資措置でやっていけるものは、それなりに大いに進めますが、しかし、共同でこなさなければこなせないものについては、その共同組織をもって維持管理をするという点で、機械の効率が格段に違いますから、そこで、それについては方針なり計画を明らかにして、間違いのないように導入をはかってまいりたいという趣旨でありまして、したがって、政令で書きます規格も、まず第一の方針としては、その機械が現在の慣習で農家に問題なく受け入れられる程度の規模のものであるか、あるいはやはり相当在来の農法を切りかえて、相当多数の方々が意思を同じくして、共同でいわば集団栽培を大型化して進めていかなければその機械の活用がむずかしい、そこのところがひとつの政令で定むべき規模の根本のけじめだろうと思います。  抽象的にはそういうことで考えておりますが、具体的には、結局、馬力数その他で表現されることになろうと思いますが、それにいたしましても、個別農家あるいはごく限られた数戸の少数の農家の共同で入れ得るもの以上の大型のものをという意味で、この規模一定規模ということで考えてまいりたい、さように考えております。
  59. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 大臣にお伺いしますが、第五条の四に、「国は、高性能農業機械の導入に関し、第四条に規定する資金の確保のために必要な措置を講じ、」云々とあります。先ほどは予算措置について伺いましたが、この法律が公布されまして、そして四十一年度に、予算もこれは大幅に組むという意欲を承ったのでありますが、これと関連のあるところの資金については、一体どういうようにこの必要な措置というものの内容をお考えになっておるのか、これをひとつ、その融資の条件なりあるいは――制度金融に依存するでありましょうが、農林漁業金融公庫の資金なり、あるいは農協みずからの資金を使うところの農業近代化資金なりによることだと思うのですが、それらの資金の総量についても、この必要な措置という中には、かなり意欲的なものが当然なければならぬと思うのでありますが、その点は、大臣、いかようにお考えになって四十一年度の財政投融資に立ち向おうとされておるのか、ひとつそれの大綱について、お答えを願いたい。
  60. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) いまお話がありましたように、資金につきましては、近代化資金あるいは公庫資金でございますが、この資金につきましては、本年度におきましても、御承知のように近代化資金等は七百億というふうに、去年より百億増加しておる、あるいは公庫資金も千四百億と、こういう中から当然機械化を進めるというのは、近代化の方向でございますのでまかなっていきたい、また、四十一年度におきましても、資金の確保というのは融資の条件も含むものとは思いますけれども、大体公庫資金は三分五厘から七分五厘くらい、近代化資金は六分五厘でございますが、融資の条件というよりもワクといいますか、資金のワクのほうにおいて、十分この機械化を進めるような方向に私は処置をしていきたい、こう考えております。
  61. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 ワクは七百億あるいは公庫融資のワクをさらに大幅に見なければ、当然法律を制定する意味もないと思うのですが、そのほかに、たとえば一つの例を私いいますが、農業近代化資金を使ったところで、農協の共同利用施設に対する融資は七分五厘ですよ。こんな高率では、いまの機械の経済効率というデーターがまだはっきり出ていない段階においては、非常にこれは負担が重過ぎるわけです。そういう条件等は、大幅にこれは緩和する必要があると思うのです。その点はいかがですか。
  62. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 実際、機械の償却費というものが農業機械においては相当負担が重いことにもなります。あるいは稼働も年じゅう稼働ということではございません。そういうことで、資金につきましても、量ばかりでなく、融資条件といいますか、これはひとつ考えないとなかなか促進されないと私も思っておる次第でございます。  また、金利の点につきましては、なかなか実際問題としては、各方面との関連で、これを突破することが非常に困難な状況でございますが、十分私もその点につきまして配慮いたしたいと、こう考えます。
  63. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 どうも大臣にそう言われると、私もこれ以上強く言えないたちで――ひとつ十分考えておられることでありますから、少くとも四十一年度からは、いま言ったような――一つの例でありますけれども、もっとこれが負担にならないような条件緩和だけはぜひ――せっかく法律を改正するのでありますから、その改正趣旨を、そういう融資の条件等にも積極的に反映するようにお取り上げ願いたい。  この目的を達成するために私はその問題を提起しているのでありますから、ぜひお願いをいたしておきます。  それから次は、第五条の三の三項でありますが、「高性能農業機械導入計画内容は、当該都道府県における農業協同組合その他農業者の組織する団体が行なう農作業の共同化の事業の助長に資するものでなければならない。」とうたってありますが、この場合うたっておる「その他の農業者の組織する団体」とはいかなるものを指しておるのでありますか。
  64. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) この規定趣旨は、先ほど大臣からもお答えのあったようなことでございますが、現実の問題といたしまして、農業協同組合がすべての場合に、すぐにこの法律で期待したような農作業の共同化の直接的なにない手として必らず受けて立てるということが望ましいのでありますが、必ずしもそうでもない場合もあります。また、広域の場合等、ある程度小さな集団としてのいわゆる機械利用組合でありますとか、最近営農集団というようなことばでよく言われますが、そういういわば農協との密接不可分の関係を持ちつつ、その下部での一部落、一区画を限っての農家の任意組織が農協と相提携しながら、こういったことを進めていくといったような実態もございます。また、防除事業につきましては、先生も御承知のように、農業共済の事業の一環として、農業共済団体という、これもやはり農業者の組織する団体でございますが、これが防除組織を、沿革的にも現実的にも農家を組織化して非常に効率をあげておられる村の実態なのであります。それらを考え合わせまして、農業協同組合以外で実施いたしておりますものは、営農集団等の任意組織あるいは農業共済団体等が村の実態からして登場してくる場合もあろうかと予想したわけであります。
  65. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 そこで私、大臣にお尋ねするのでありますが、農業基本法の第十七条に、協業の助長をうたって、「国は、家族農業経営の発展、農業の生産性の向上、農業所得の確保等に資するため、生産行程についての協業を助長する方策として、農業協同組合が行なう共同利用施設の設置及び農作業の共同化の事業の発達改善等必要な施策を講ずるとともに」云々と、まああるわけです。で、いま局長が言いましたように、本来農協がこれに当たるべきことは、あなたの説明を待つまでもなく、農業基本法自体が農業協同組合そのものをずばりと言うておるわけであります。農業基本法が出てから以後のいろいろな最近言われておる営農集団と言いますが、これは最近言われておることではなくて、少なくとも農業基本法が出る以前から、われわれは営農団地ということで農協の新たなる生産性に立脚した一つの方向付けを出しておるわけであります。そういう規模の大きな営農団地ということを踏まえて、農林省がまたその事業主体の機能を十分発揮し、責任を負わしめることに農業構造改善の中心を置けば問題はなかったのでありますが、それとは逆な方向に行ったので、いまのような低迷があるわけであります。そういうものがあるときでも農業協同組合というもの一本でうたっておる。農業共済の共同防除はこれは農業基本法以前からの問題である。しかるに、ここにその他の団体というようなものを取り上げるということは、まあ実態を一応配慮しての法律の補完的な取り上げであるとは思いますけれども、私が大臣にお尋ねしたいのは、この協業の助長ということについて、農業基本法が成立してから以降どれだけこの農業協同組合の共同利用施設、また農業協同組合の農作業の協業化等に対する役割り、そういうものに対して政府がいかなる具体的な行政指導と言いますか、それをやってこられたのか、その点を大臣からまずお尋ねをいたしたいのであります。基本法にうたっておるけれども、私から言えば、これは絵にかいたもちに終わっておるのではないか、こういうふうに思うのです。というのは、農協みずからがそういう地域の共通した立地条件を勘案して営農集団という構想を出している。それが次に飛躍する農協の実は青写真であるわけであります。政府もこの方向にもっと行政的なサポートをすべきだと思うのでありますが、それは私の意見でありますが、この法律が出てから、協業の助長というものに対して、農協を中心とするいかなる施策を一体農林省はおやりになってこられたのか、この点をまず大臣からお伺いをします。
  66. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 農業基本法ができまして、御承知のように、そのあと、先ほど話が出ました農業構造改善事業を推進しているわけでございます。これも私から申し上げるまでもございませんが、構造改善事業等の内容は、土地基盤の整備あるいは共同施設等を通じて選択的拡大の作物等につきましての生産を共同的にやる方向へ進めてきているわけでございますので、たいていの構造改善の指定地区におきましては、特に果樹などが多いのでありますが、ちょうど共同経営というような形で進めております。構造改善施行主体が市町村ということになっておりますので、とかく協同組合に対して直接的にそれを進めたというふうには見えませんけれども、構造改善の中におきまして、農協等が共同の作業、共同の営農というようなことに相当力を入れるように指導しておりますので、その面におきましては、私はかなりの共同が行なわれていると、こう考えます。一般に農協等も、いまのお話のように、いままでと違って生産性の方面で力を入れてきておりますので、その面から共同化も行なわれていると考えますが、直接手を出してということはないといたしましても、指導等の面におきましては相当進んで共同化されている、こういうふうに考えます。なお、いまお話のような点もありますので、たとえば今年などは裏作の放棄を解消していこう、こういう意味におきまして、農協等に大型機械などを導入いたしまして、解消につとめたいと、こういうふうに考えている次第であります。
  67. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 どうもすっきりしない答弁ですが、この農業構造改善ということもしばしば出るのでありますけれども、私は、農業構造改善の従来の経過を見ますと、あくまでもこれは表向きの責任主体は県である。その県の申請に対して農林省がこれを指定する、責任は県段階に置いている。しかし、これは計画立案するまでの責任であって、事業主体は大方農協である。しかしながら、十分地域農民の納得と理解と協力というものが前提にならない限り、出てくるしわ寄せというものはすべて農協が背負わされている、こういうことが実態であれば、むしろこの協業の助長というものがこのことによってかなりブレーキをかけられている。こういうことが共通的に言えると思うんです。もしもこういう高性能機械というものが前面に出てまいりますならば、これは申し上げるまでもなく、個々の農協組合員の所有する段階じゃない。農協が所有者にならなければ何ともならない問題が提起されている。これは今度の法律改正を待たずしてすでにそういう経過がある。だとすれば、既存の農協の組織というものに政府はもっと勇敢にメスを入れて、そうして農協の仕組みに対しても、こういう大型機械を完全に駆使し得るような農協の生産活動というものができるような措置もすでに講じて、現実にこの改正案が動き出すという前提条件がまず具備されなければならなかったと思うのであります。一体こういう高性能機械の導入というものを踏まえて、既存の農協というものをどういうふうに対応されてきたのか。そういう点からいけば、遺憾ながら私は何ら見るべき施策は政府になかったと言わざるを得ない。その点をこれから一体どういうふうに農協の既存の仕組み、あるいは三段階制の問題もありましょう、あるいは専門農協と総合農協の末端における混乱もあります。また、大型農協になるための陣痛の悩みもあり、誕生後の悩みもある。営農団地というものを踏まえた今後の農協のあり方という問題もある。あらゆる点において、農協は抜本的に改善を迫られている段階にきておるわけです。この点に対して大臣は、この大型機械、導入の方針なり、目標なり、計画というものを、農業協同組合を中心としてやらせるのだという御答弁があるにつけても、一体今後の農協のあり方を、その仕組みと機能の上においてどういう展望に立って農協を十分事業主体にして進められようとしておるのか、その構想を伺っておきたいと思います。
  68. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 従来の農協は、大体は販売とか購売とか信用というような事業の基礎の上に立っておりました。しかし、この事態の推移その他から考えまして、どうしても農協が生産面に入って生産の共同化を引きずっていく、そうして、また、生産を上げていく、こういう方面にどうしても農協の役割を演じてもらわなければならない事態にあると考えられます。そういう面におきまして、すでに率先してそういう方向に進んでおる農協も相当あるわけでございます。それに対しての、なお生産面がスムーズにやっていけるような体制への編成がえといいますか、そういうようなことを考えていかなければならないと思いますので、そういう観点から農協のあり方等につきましても、それぞれの担当のほうに検討を命じておるような次第でございます。方向はそういう方向でございますが、結論をいまどうこう申し上げるところまでは検討が進んでおりません。
  69. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 どうもテンポが合わなくて、もう経済の動きというものは、大臣が考えておるより以上にスピードをもって変貌しておるわけでありますので、そういう古色蒼然とした農協観というもので、いまやっと係に検討させるなんというようなことをいっても、これは間に合わぬのじゃないか。少なくともそういう経済の実態を踏まえて、もっと技術革新を十分駆使し、客観情勢の変貌に対応し、農協の機能を十分発揮するというためには、もうこの法律が出る前に、あるべき姿が政府からも示されてしかるべき段階だと思うのであります。これから相談するなんということでは、いかにもどうも間延びをした感を禁じ得ないのであります。ここで農協の問題をこれ以上触れる時間はありませんから、約束の時間もありますから、これ以上は避けますけれども、とにもかくにも、こういう大きな課題に取っ組むためにも、すみやかに農協制度そのものに抜本的な改正のメスを入れなければならぬ。組合員の共同体も今後の機能を発揮するためにも、そういう措置が一日もゆるがせにできない段階にきておるわけでありますから、すみやかにそれらの施策の方向づけというものを打ち出してほしいと思います。  で、私、大臣に質問じゃなくて意見を申し上げるのでありますが、大体いままで政府がとってきたこの農業政策には、一つの心棒が欠けておる感じを私は持っております。それはどういう心棒かといいますと、その欠けておる心棒もたくさんありましょうけれども、この農協で私は感ずるのでありますが、政府の考える農政というものを実際担当するものは、これは総合農協を中心とする系統組織が中心でなければならない。これに全幅の信頼と責任を持たせてやることがわが国の農政の正しい推進の基本でなければならぬ。そういう観点から申しますと、まことにいままで政府のとってきた施策は隔靴掻痒の感にたえないのであります。なぜそういうことを申し上げるか、私は次の問題に触れて、大臣にお尋ねをしたいのでありますが、たとえば農機具用ガソリン税の免税の問題がそうであります。この道路を補修する財源を生むために、そういう目的の法律が出て地方税が賦課されております。それによって農機具にまで――道路を使用しない農機具で扱う揮発油にまで税金がとられておる。これは農業、林業漁業合わせて四十年度の政府の税収見込みが百三十一億に達しておる。こういうことはきわめてこの地方道路税法なり揮発油税法からいって理不尽な措置であることは、過般の予算委員会審議においても明らかになったところであります。それを当然免除すべき、これははっきりした方向が出ておるのにもかかわらず、なかなか言を左右にしてこれを免除しようとはしない。いよいよ追い詰めてみれば、とにもかくにも、委員会において検討するというような程度でお茶を濁しておる。少なくとも農林大臣としては、こんなことで満足されておるはずはないと思うのであります。農民の立場から、また、法律の目的を逸脱したこういう課税からいっても、私は農林大臣にきょうはもっと明確な意思の表明を願いたいのでありますが、大臣も御承知のように、これらの折衝の経過においては、大蔵大臣を通じて大蔵官僚の言い回しは、もしもこういう農機具に使うガソリンに税金を免除するということになれば、その事務処理のために、全国に千五百人の役人をふやさなければ処理ができない、こういうことも免除するということを断わる口実の一つになっております。はなはだこれは顧みて他を言うたぐいであって、われわれには断じてこれは首肯できないのであります。で、去年の全国農協大会で決議をした際にも、そういう農機具に使うガソリンについては免税をしなさい、政府は。免税をする手段としては、農業協同組合にその事務をまかせればいい、一元配給をして。そういうていねいな注釈までつけて決議をしておる。あなたもかつては茨城の中央会長をされた方である。総合農協を信頼し、これを十分活用するという精神が国の政治の中にあれば、事農政に関する限りは十分これはできるはずであります。たとえば軽油の扱いにしても、あるいはA重油の扱いにしても、そういう免税措置は登録制度その他の手段を通じてはっきりやっておる。やる気がないからできない。少なくとも総合農協にそういう登録制度をし、切符を出し、それぞれの証明をし、それによってその農機具に使う部分だけを免税にすることは、これは特別な役人を千五百人ふやす必要はごうまつもない。ただ逃げ口上としては、農機具に使うと称してそのガソリンを自家用車に使う、あるいは単車に使う。だから、流用を防ぐ手はないからということも一部出た経過がありますけれども、かりにその免税を受けたガソリンを他の目的に使っても、必ずその農機具を使う場合には、それだけ必要なガソリンが消費されるわけでありますから、年間からいけば、その農機具に使うガソリンについては、これは免税を受けて、何ら横流しにも何にもならないわけであります。また、総合農協がそれだけの掌握をしておるわけでありますから、これは総合農協を信頼しさえすれば、それらの処理も十分監督ができるのでありますが、これは局長や課長はどう考えているかわかりませんが、私は、役人上がりでない大臣に、直接あなたの素朴な意見を伺いたいのは、そういうとるべからざる税金を免除をするということを、農林大臣が総合農協にその事務をやらせることによって十分これは達成できるはずであります。私は、これも四十一年度にそういう措置を講じて、全国の農林漁民の期待にこたえていくべきだと思うんでありますが、その点大臣はいかようにお考えになっておられますか。
  70. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 筋はいまのお話のとおりだと思います。そしてまた、やればやれないことはない。ことに農協にやらせてやれないことはないと私も考えております。ただ、目的税としてとっておるけれども、道路などは、農業機械等においては改修されているわけでもなし、使われていないんじゃないかという点がございます。そこで、免税するのが筋だと思いますけれども、これがいろいろの理由でむずかしい。やればやれないことはないと思います。しかし、むずかしいということであるならば、私は、分散して税金を一人当たりにするというと、わりあいに多額ではない額に落ち着くのではないかと考えておりますので、そういうものはやはり一つにまとめて、ことしのように農道とか林道あるいは漁港の道路というような方面に引き当てられて、相当な額がそれに向けられるということであるならば、これも一つの方法だと、こういうふうに考えるわけでございます。欲を言えば、両方に使えればなおいいわけでありますが、免税を受け、そういう農道等にも相当予算が計上されればまことにいいわけでございますけれども、そうでない場合を考えまするならば、相当な額がまとまって農道の改修等に向けられるということならば、それもやはり農業者全体のために寄与するのじゃないか、こういうふうに考えます。しかし、このガソリン税の免税につきましては、なお私十分、いま衆議院の予算委員会の小委員会で検討しておりますけれども、私の立場としては免税を推進していく、こういうつもりでございます。
  71. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 予算委員会で検討ということになっているが、農林大臣としては免税に対して推進をしていくということで、ぜひこれを免税するようになりますように、四十一年度は全免になるように推進をし、それを実現するように、ひとっこれは強く期待しておきます。いろいろな理屈があるけれども、と言いましたが、これはとる理屈はない。免税すればこまかい金額だから、これを集めて農道その他といいますけれども、それはまあへ理屈であって、税金をとるべからざるものからとるなんということは、これは政治に対する不信を植えつける以外の何ものでもありません。とるべきものをとらない、大口を見逃しながらこういう零細な、しかもこれは標準小売り価格の六割を占めるのが税金であります。六割が免税になることによってどれだけ助かるかわからない。金額に  ついては、個々の農家はわずかでありましょうが、政治に対する信頼の度合い等を考えれば、私は、その政治効果は想像以上のものがあると思うのであります。当然理にかなってこれは免税することを推進して、それを実現するように、これは繰り返しますが強く期待します。それとともに、ことしの経過を見ましても、百三十一億のそういう不当な税収入を農民から巻き上げて、その見返りとして五十億云々といいますけれども、五十億のうちの十億は後継者資金等に使っておる。農道あるいはスーパー林道あるいは漁業等には四十億程度でお茶を潤しておる。これは当然政府の農林予算で、一般会計からもっと大幅を投入すべき性質のものである。何ら見返り財源を前提としてやるべきものじゃないわけです。これは私から申し上げるまでもなく大臣も先刻御承知のことでありますが、免税すべきものを当然免税をし、そういう農道その他の施設に対する予算はより一そう積極的に四十一年度の予算に繰り込むということで、ひとつ繰り返しますが、その実現方を要望いたしておきます。  それから最後に、これも大臣の所管とはいささか違いますけれども、この問題に多少関連のあることは、車両法の改正の問題であります。これは農業トラクターなり、コンバインなり、あるいはスピードスプレーヤーなどの農業用機械を自動車以外の車両として分離して取り扱われるように、現行車両法を改正してほしいということであります。この主張の根拠は私から申し上げるまでもなく、大臣も御承知のとおりであります。車両法によってこの農業機械が自動車として取り扱われているために、登録なり、あるいは車両の検査等、農家の負担が大きくて、現行保安基準が本来農作業を主とする農業機械に一律に適用されるのは、きわめてこれは不合理、不便な点が多くて、農業機械の進展をやはり阻害している一つの要因になっております。ぜひとも車両法を改正して、農業機械を自動車という観念からこれを削除する措置は、本法案の審議関連して、私は、主管大臣の農林大臣は当然そういう方向に善処していくべき問題だと思うのでありますが、この点は大臣はどういうふうにお取り扱いになられる御所存でありますか。
  72. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 農業用機械を自動車並みに扱わないで、これを道路運送車両法から削除していくということにつきましては、削除したために不便を感ずる点などもないわけではございませんが、これは別個の立法などがいいんじゃないかと思いますけれども、とにかくこの問題は、いまのお話の点を十分勘案しながら、折衝を続けていきたいと、こう思います。
  73. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) ただいまの問題は、私どもとしても、かねての懸案として検討いたしておる問題であります。別体系で農業機械についての車両整備、検査、点検等の必要な手続を書くか、あるいは道路運送車両法の中で普通自動車とはっきり分けて、特殊農業用車両というような別範疇を設けて、その範疇にふさわしい規制をあの体系の中で実現していくか、方向は二つあると思います。非常に潔癖に理想論をいえば、別体系ということもあり得るわけでありますけれども、いろいろ考えますると、この二様の方向があろうかと思って、もう昨年来、運輸省と検討し、次の機会には運輸省としても何らかの改正措置を、手当てをせざるを得ないというふうに、だんだん御理解をいただいておるわけでありますが、ただ、これをいじるとなりますと、単に農業用機械の関連での整備事項のほかに、各種、やはり運輸省のほうとしては、いろいろむずかしい関連問題を持っておられる、そういう意味で、かなり私どもが外部で考えているよりはむずかしい複雑な技術論が運輸省の御当局のほうにはある。したがって、結論が今国会に間に合わなかったことははなはだ残念でありますが、方向はそういう方向にあるわけであります。
  74. 北村暢

    ○北村暢君 いまの渡辺さんの質問に対する答弁ですが、大体この農業機械で、大型機械ですけれども、道路を一つ隔てて次の作業場に行くといった場合に、これはもう動けないのですよ。大型機械を入れて、それを通るというとおこられるし、どうにもならない。それで、一回一回それを搬送するトラックで、日通で運んでもらわなければならない。そういうややこしいことで大型機械を入れても、非常にそういう支障の問題が起こっておるわけなんです。ほんとうに入れたところは困っておるわけなんですね。これは何とか解決方法を講じないというと、せっかく入れた機械が使えないという状況がもうすでにあるわけです。ですから機械を入れることだけは農林省はやるけれども、あとの処置がさっぱりできておらぬ。そしてまた、そういう不便な機械だからこれではとてもだめだというのに対して、都道府県は、それでなければ補助金は出さないと、こういうことを言われるものだから、補助金をもらうためにはそれを入れなければならぬ、そういう問題が起こっておるわけですよ。それで結局使えないと、こういうことなんです。そういう場合が、これは北海道の農民の直接使っておる本人から、私は、これは何とかしてくれないかと、こう言われておるのですよ。だからこの問題は、いま言ったように、運輸省との関係で非常にむずかしいでしょうけれども、何らか解決をする、できないとすればほかの方法として、こういう機械を入れるときには何かしらの、その機械だけの補助だけでなく、それを運搬するものについての補助か何かやらなければ、また、それを集団的に使うということになれば、それを搬送するような共同の施設、農協に補助をするとか何か便法を考えないというと、道交法等の関係から、あるいは車両運送法の関係からいって、結論が出ない出ないといって放っておかれたんでは非常に困るわけですよ。実際問題として困っておる問題ですから、これは何らかの方向で解決策を早く見出していただきたい、このように思うのですけれども、所見をひとつ承りたい。
  75. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) おっしゃるとおりでございます。根本的には道路の整備とか基盤の整備とかいうことが前提であろうと思います。さしあたりましては、いまのような問題が起きてきます。今度の法律の改正案につきましても、機械を導入するにつきましての目標とか、必要な条件とか、そういうことを勘案していかなくてはならぬようにしてありますが、そういう意味におきまして、いまのお話等につきましても十分研究さしていただきたいと思います。
  76. 北村暢

    ○北村暢君 次に、研究所関係の問題についてお伺いをいたしますが、機械化研究所のこの法律を制定するときの、この機械化という「化」が入っておる問題ですね、これで機械研究所というと、これは通産省にいってしまうので、「化」というのを入れて農林省所管にしたと、こういういきさつがあるようです。そこで、この機械化研究所の仕事の内容ですけれども、研究と機械の改良改善ですか、こういう二つ目的でやっておるようですけれども、農民が機械を使う場合に、その性能ばかりでなしに、それがどういうふうに営農に役立つかということの研究というのが機械化研究じゃないかと、私はそう思うのですけれども、この研究所がほんとうにそういうふうな仕組みに実際になっているのかどうなのか。  それから農業試験場の機械関係の研究の調整、どういうふうに研究の分野が分かれているのか、この点をひとつまずお伺いいたしたいのですが。
  77. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 農林省が農業機械の行政を進めます上でお触れになりましたような生産行政と、それから利用者の側からする行政ということで線を引いておりますので、おっしゃるような経過もあったわけでございますが、さしあたり、私どもが大宮の機械化研究所で当面最も重点をおいてやっていただいておりますのは、現在の農業機械の状況からみて最も機械化が差し迫って必要であり、かつ現在一般に市販あるいは市中の農機具メーカーでの開発がおくれております分野、たとえて申しますれば、稲についての田植え段階、あるいは刈り取り段階の問題、あるいは乾燥段階といったようなところに、機械利用の、開発改良の余地を一日も早く検討していただきたいということが当面の最も大きな問題でございます。将来機械化研究所の施設が整備をしてまいりますれば、それらの一貫した工場での組み立て作業といったようなことにも、機械化研究所も将来そういうところまでやっていただくことを期待はいたしておりますが、当面はむしろ個々の作業ごとの機械の開発改良、あるいは検査といったようなことを当面の任務として遂行していただきたいと思っております。作物別の営農形態、あるいは農作業の形態としての機械の利用関係は、やはり当面は国の農業試験場あるいは国の試験場が計画的に、各県の試験場と区分、分担をして進めてまいるというような重点をおきますそれらの研究分野の調整につきましては、農林省にございます農林水産技術会議で、国の試験研究機関の担当すべき研究項目と、大宮の機械化研究所で担当すべき機械化研究についての研究項目とを、具体的に技術会議の組織を通じて調整なり効率化をはかるというふうな態度で進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  78. 北村暢

    ○北村暢君 実際に普及してきている機械ならいいですけれども、これから新たにこのような高性能の機械を農家が新たに入れていこうというときには、やはり試験のデータなり何なりというものがほしいわけですよ。ところが、いまの段階で研究所へ行っても、実際に農民の使えるようなデータというものはそろってないのじゃないか。相談に行っても何もないと、こう言うのですよ。それじゃあ研究所を何のために置いているのか、非常に趣旨からいっておかしいと思うのです。農民は相当な危険をおかして機械を入れるわけなんだ。これは成功するかしないかというのはたいへんなことなんですよ。それを、いままでの農業構造改善事業においてもコンバイン入れる計画になっておる。ところが、コンバイン入れるこの技術体系というものは、どうやったならば一体営農体系なり技術体系なりというものができるのかということについてのデータというものがない。構造改善事業の、三反歩区画にする、その三反歩区画というものを農林省は指導したけれども、コンバインを入れてみたら三反歩区画ではもうすでにだめだ、もう倍の六反でもうまくないのじゃないか。基盤整備は三反でやってしまった。コンバイン入れたところが六反でなければ機能が発揮できない。実際にやってみたらできない。これじゃ農民は二重、三重の基盤整備をやらなければならなくなってくるし、機械を入れる自信がなくなるですね。農業機械化研究所でコンバインの研究のデータなんかもちょっと出ているようですけれども、実際に農民の使えるようなデータというものができているのかどうなのか、農林省のやっているのは、こういう研究所で国の責任において研究をしないで、実際に農民を使って生体実験をやっている、それが成功するのかしないのかというのは、ああでもないこうでもない、やってみてうまくなかったからこうだと、こういう行き方が今日の農林省の行きあたりばったりの指導だと思うのです。そういう点が、この機械化研究所で技術体系というものが確立していないんじゃないかと思うのですが、どうなんでしょうか、その点……。
  79. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 機械化研究所につきましては、当初私どもが期待をいたしましたテンポで諸施設の整備を行なうことができなかったという事情がございまして、今度のこの法律でお願いいたしておりますのは、やっと大宮の種畜牧場のあとが、まとめて施設の整備をする場所としてきまったといったようなことで、当初予定いたしました、鴻巣の現在の農事試験場周辺にしかるべき土地を得てという構想がとんざをいたしました事情がありますので、三十七年にできましてから今日まで、検査、鑑定という点について、あるいは焦眉の急である田植えとか刈り取りとかという段階についての研究を、不完全な施設のもとでやっていただいておるというような事情がございまして、私どもが初め期待したような速度での研究の姿勢が整わなかったというふうな、私どもとしても反省をいたしておりますし、それだけに、やっと大宮に土地を得ましたししますので、今後、初め考えました方向で急速に施設の整備をはかってまいりたいと思います。そういった点で先生から御指摘を受けましたような不十分な点が、現状ではまだおおいがたいことは、率直にある程度認めざるを得ないと思いますが、しかし、検査なり、あるいは特に収穫機械の関係では、鑑定という一種のサービスでございますが、それを通じまして農家の方々がコンバインを実際に導入する場合の機種の選定なり、あるいは導入に必要な前提条件として、どういうものが必要かというようなことについての諸要素と申しますか、諸元の究明はかなり進んでまいったように思っております。それと国の試験場なり県の試験場が分担いたしております農作業という面からくる試験研究等、総合的につなぎ合わせて、とりあえず現状でのいろいろ指導指針として私どもは行政にそれを活用しておるわけでありますし、先般機械化審議会から、コンバインの導入についての、必要な具備すべき諸条件についての御答申を得ました。それらもやはり過去の機械化研究所の鑑定結果等を十分織り込んでの御研究、御答申であったと承知をいたしております。いずれにいたしましても、そういった基礎を踏まえた上で、具体的な導入がはかられなければならない。農家に少なくとも過渡的に非常に不安なり不利益を与えてはいけないわけでございます。この法律が特に一章設けまして、こういった高性能農業機械の導入についての具備すべき諸条件を、国としてあらかじめ明らかにし、また、その諸条件に従って導入の計画を固めていただくということを、この法律の改正機会にお願いをいたしておりますのも、そういった機械の導入と、それから導入するためには当然なければならない各般の導入の前提条件との不一致といったようなものを今後なくす方向で姿勢を整えてまいりたいという趣旨で、この法律改正をお願いいたしております。今後そういう方向での導入についての姿勢を整えるという趣旨を、私どもとしても必要を痛感いたしております。御了承を得ておきたいと思います。
  80. 北村暢

    ○北村暢君 どうもね、農林省の行政面のデスク・プランは、どんどん農業近代化のために進むのですよ。ところが、それを裏づけるところの技術体系というものがこれについていっていない。そのために迷惑しているのは農民なわけですね。いろいろな補助金、近代化の補助金だの何だの出ているけれども、補助金は来るんだけれども、一体どうしたらいいんだ。というのは、農民自身の考えでやれと、こういうような形に実際はなっておる。構造改善事業なんかも、私どもはそういう意味においては非常に批判持っておるわけです。いまおっしゃられるように、せっかくつくった研究所が、これは今度の農業構造改善事業なり、農業近代化のための機械化導入なりというものに役立てるために、これ三十七年につくったわけです。この研究所の試験結果ができて、これならいいからといって農民に普及するというなら、まだわかるけれども、もう機械はどんどん入れる。補助金はもらったのだけれども、どうやってこの機械を有効に経済的に使うかということの技術体系、指導というものがないんですね。これは私非常に遺憾なことだと思うのです。農林省に大体こういう機械のオペレーターというものは何人くらいいるのですか。
  81. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 御承知のように、農林省は内原に機械課の分室という形で研修施設を持っております。そこに、農林省職員として各府県のオペレーターの養成訓練に当たるための職員を配属しておりますが、そこには相当高度のそういった機械を駆使する、実技的にも学理的にも十分わきまえた方々を配置しておるわけであります。また、各県につきましては、四十年度をもって過去三カ年かかりましたけれども、各県に一カ所ずつ機械化研修センターを、農林省の補助によりまして府県ごとに設けて、本年度で目標個所数の設置が終わります。そこにおきましては、中央の研修を受けた方々、あるいは試験場等でそういった技術を修得された方々が配属されておりまして、そういった中央、地方の研修センターを通じて、実際の市町村、団体の機械の担当者の研修訓練に当たっております。内原の訓練施設におきまして、実技の訓練に当たり得る職員としては、現在十六名を整備いたしております。
  82. 北村暢

    ○北村暢君 そこで、具体的に機械化研究所の点についてお伺いしますが、この大宮の種畜牧場を移転をさせて、そのあとにこの建設をする。こういうことなんですが、これが適当な土地なのかどうなのかですね。まあ、これはいまから質問したところで意味ないのかもしれませんけれどもね。この種畜牧場を移転するという理由は何だったのでしょうか。機械化研究所をあとにつくるために種畜牧場を移転したのですか。どういうことなんですか。
  83. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) これは、たまたま大宮の種畜牧場は種畜牧場なりに、御承知のように、最近の養鶏事情――農家の養鶏経営のあり方から見て、あるいは品種の改良というような見地から見て、大宮では不十分であるということで、福島県の種畜牧場の一部に移って、より大量、大規模な種鶏の育成をはかるという趣旨で、大宮から福島へ引っ越すということになって、着々福島の施設の整備が行なわれて、本年度中には移転を完了するということで、これは別途設置法の改正の関係でお願いをいたしておるわけであります。そのあとの土地を活用して、そこに機械化研究所を整備することにいたしましたのは、御承知のように、現在、機械化研究所は鴻巣の農事試験場と接続したところに検査施設を持っております。これは機械化研究所が独立いたします前、農機具検査室として検査業務のみをやっておりました当時の施設を、そのまま拡充活用してやっておるわけであります。当初の構想としては、大宮の農事試験場のその至近のところに、機械化研究所の所要の土地を得たい、また、得うるであろうということで発足をいたしました。ところが、その後の鴻巣周辺のいろいろの土地関係の事情の変化によりまして、鴻巣の周辺でいまのところを中心に施設を整えるだけの土地を得ることが実際問題としてなかなかできなくなったわけであります。たまたま比較的近いところにあります大宮の種畜牧場のあとがあきましたので、そこを機械化研究所の本拠として活用することが、当初の構想の代案として最も適切と考えて、そういうことに決定をいたしたわけでありますが、そもそも機械化研究所が大宮あるいは鴻巣ということで、比較的に東京とあまり離れていないところに場所をいままでさがしておりましたゆえんのものは、御承知のように、これは農機具の研究あるいは検査ということになりますれば、民間の農機具メーカーあるいは販売業者等との関係からいって、交通関係のあまり不便でないところでないと、そういう業務実施に差しつかえるであろうということで、その周辺のなるべく遠くないところを初めから予定をしてさがしておったということ、それからいい研究者を十分に確保いたしますためにも、そういったへんぴでないところということを理想として、土地の選定に当たったといったような事情でございます。まあ大宮の種畜牧場のあとであれば、まずまずそういった意味での条件にかなっておるという意味で、現段階での最適のところというふうに考えたわけであります。
  84. 北村暢

    ○北村暢君 この配置図見ましても、農業機械の検定なり何なりするのには、これくらいのものでいいと思うのですけれどもね。やはりいろいろな地形なり地質なり立地条件に応じたところの、本格的な営業を含めたところの研究をやるということになると、この二十町歩の大宮の、これはもう最近では町のまん中くらいになってきているところです。それで、大体場所的にいっても、いま言ったように、非常に交通の便もよし何もよしという理由のようですけれどもね、交通の便がよかったり何なりする反面、研究所としては、二十町歩程度のこのくらいのものでは、これは適当でないのじゃないかと。したがって、これは実際に、先ほど局長が言われましたように、検定と機械そのものの開発改良、これだけならいいんですけれども、それを実際にその土地に当てはめて営農にまで実験をするということになったら、ここではできないわけです。したがって、付属の農場をいまさがしているようですけれども、そういう面でいくというと、その付属の農場は離れたところに設けなければいけないわけでしょう。そうするとね、人事管理の面でいっても、この研究員がまたそっちのほうに行かなければならないと、どういうふうになるのか知りませんけれども、とにかく不便じゃないかと思うのですね。そのメーカーなり何なりは、交通の便利のいいところがいいかもしれないけれども、実際に研究所として確立する上においては、農業の機械化の研究所としては、私は不適当だと思うのです、ここは。したがって、これはどういうことでこういうことになったのか知りませんけれども、もう少しやはり農民本位の研究所でなければいけない。実際に農民が来て、トラクターを動かして、コンバインなり何なりをやっているところを見て、どういうふうにいいんだというようなことでなければいかぬと思うのですよ。それにはもう全然ここではできないわけですね。ほかに農場を持たなければいけない。そのほかに持つ農場というのは、どういう計画になっているのですか。
  85. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) すべての要件を完全に満たすというわけにもまいりませんので、大宮の種畜牧場あと地を本拠とすることが比較的によいということで判断をして、そこに検査なり研究に必要な一応最小限度の施設の収容は可能であるという見通しをもってこの大宮を選定したわけでございますが、その図面でもごらんいただけますように、大宮ではその構内に持ち得る圃場としてはわずか四町歩程度が精一ぱいの実情でございます。これだけでは一応トラクターなり作業機等の試験的な運行はできないことはございませんが、将来だんだん整備をして、先ほど申し上げましたように、農作業の一貫作業といったようなことについての本格的な研究段階まで施設を整備していくとなれば、当然もう少し十分な面積の圃場がほしいわけであります。これにつきましては、実は鴻巣に従来おりましたときから、あの周辺で買える場所についての実験圃場の用地の選定を急いでおりまして、昨年以来やむを得ず埼玉県の川里村に約十町歩の土地、その十町歩といいますのは、機械化研究所が自分で購入して保有する圃場の用地でございます。なお、その計画の中には、鴻巣の農事試験場がやはり現在の圃場では手狭で、将来の大規模な営農の試験研究をやるためには、従来の農事試験場の鴻巣の圃場だけでは不十分でございますから、鴻巣の農事試験場と機械化研究所ができれば共同で土地を持ってということで、鴻巣と機械化研究所が計画的に相隣接して、その川里村に土地を選定をして現在購入の手配をいたしております。合計いたしますと約十九町歩の農場がそこに形成できるというふうに考えております。もちろん接続してありますことが理想的な姿ではございますけれども、何さまあの付近の土地の事情から申しまして、完全に隣接したところにそれだけのものを一括して持ち得なかったことははなはだ残念でございますけれども、諸般の事情からその程度の離れ方はまあやむを得ない。それを犠牲にして、遠隔不便の土地に行くことの利害得失を考えて、川里村での実験圃場の入手ということでがまんをするということにいたしたわけでございます。
  86. 北村暢

    ○北村暢君 大体この実際の営農実験をやるのに、十九町歩とか何とかといっているような程度の農場で試験をやるというのが、いろんな各種の機械を試験するのに、私は実際には営農に役立つ実験にはならないのじゃないかという感じがするのですがね。これはあなた、十九町や二十町といったら、あれでしょう、アメリカの一戸の農家の面積よりもまだ小さいようなものが国の試験場でございますなんて、そして農業機械の大型機械の研究をしますなんといって、ろくなデータ出てこないですよ、これでは。ほんとうにやる気でやっているのだか、どうなんだかということを非常に疑いたくなるのですね。それは土地が高くてとてもだめだというなら、土地の安いところで、試験を主体にやはり考えるべきであってね、交通の便利だとか、理事長が通うのに自動車の通勤可能な範囲だなんて選定するから、大宮みたいなところになっちゃうのですよ。そういうことなんだよ。役人本位で試験場をつくる。理事長がそこの試験場に骨を埋めるつもりでどこにでも行けばいいんだよ。東京に住んでおって大宮に通おうだなんて、そういう研究所をつくるからいかぬ、これは。そういうところに問題がある。農林大臣は、こういうことをひとつ思い切って国の試験場をつくる、こういう特殊法人の研究所をつくるのに、それは農民本位のほんとうの農業試験研究になる試験場をつくらないと笑われますよ、こんなものをつくると。もう将来だの何だのと言っているけれども、こんなところに施設してしまってから、ここは検定だけにして、あとの応用試験は別ですと、これならどうかわかりませんけれどもね。しかし、この機械化研究所というものだったらばね、やはりもう少し大きな構想をもって、あらゆる条件下におけるあらゆる機械の使い方、これでいろいろな部門に分かれてやるようですが、たとえば飼料作物をやる場合に、傾斜地における機械の試験をやろうだなんて、大宮のどまん中のまっ平らのところで傾斜の試験なんてできないですよ、これ。したがって、そういう土地条件から何からいって、やはり試験場にふさわしいようなそういうようなものを、山をつくってやるというならまた別ですけれどもね、あなた飼料作物の機械化なんて、酪農振興だってこれからどんどん機械でやるでしょう。そうなれば、とても十九町や二十町の試験場なんというのは、そんなのはおかしいですよ。大体それでなくたって、まだ種畜牧場だって、大宮の種畜牧場でなくったって、福島のだって、膨大な農林省の牧場たくさんあるわけなんですから、そういうところにやはり機械研究をする人がほんとうに骨を埋めるつもりでやるのだったならば、そういう構想でやるべきだと思うのですがね。これはいまさら反対してもどうにもならないから、私はあまり言いませんけれども、構想が小さ過ぎますよ。これはおかしいです、大体。だから、そういう点からいくと、もっと研究所らしく、農民に実際に使える研究所にしてもらいたい。これは実際問題としてそうなんですよ。機械を入れたところで、農業協同組合の幹部がどうやってこの機械をこなそうかといって、この研究所に来るわけですね。来たところが、コンバイン走ったら、すぐ突っかかるような試験場で何が試験できるのですか。そんなところにあんた試験場をつくってですよ、大体その着想がおかしいのだね。だからこれは、いまさら文句を言ってもしょうがないけれども、どうも役人的な研究所で、あまり農民の役に立たない研究所になるんじゃないか、こう思っている。どうですか、大臣。着想をもっと大きく持ったらどうですか。
  87. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 先ほどこういう研究所では営農と結びつきはないのじゃないかという御指摘がございました。私もそう感じます。やはり営農の方面は、実際にやるところに出ていって研究してみなければ、ほんとうに農民に役立つかどうかということははっきりしないのじゃないかと思います。たとえば八郎潟等におきましては、八郎潟周辺に相当の試験場を持って、大型機械の試験をやっておりますが、そういうところとか、あるいは一般の民間で試験をするような何といいますか、適当な場所を見つけてやっていくということでないと成果があがらぬと思います。御指摘のような点につきましては、研究、農事試験場、あるいは研究所のできる一般の場所等をなお検討いたしまして、大宮でやっている狭いところの研究が大きい営農と結びつくような方向に持っていきたい、こう考えます。
  88. 北村暢

    ○北村暢君 あまりこきおろしばかりやっておってもしようがないですから、もうやめますけれども、付属の農場ですね。これは十九町だとかいうことでは、検定をやるものは大宮でしかたがないですけれども、伸ばそうとしても伸びようがないですから、あと町ですから、どうにも伸びようがないです。ですから付属農場くらいは十九町という、けちくさいことを言わないで、もっと適当なところに、まだはっきりしておらないようですから、施設も何もやっておらないようですから、何かこれやっぱり考え直して、実際に生きた研究所になるようにやるべきだと思うのです。どうでしょうか、そういうお考え、考え直すというようなことになりませんか。
  89. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほど申しましたような事情で、やはり大宮でいろいろ研究あるいは検定をやります際にも、なるべく近いところにある程度の規模の実験圃場を持つことが非常に研究効率をあげると思いますので、これはこれで予定どおり整備し、鴻巣の農事試験場と共同で所要の研究をする場所を整備いたしたいと思います。三十七年にできましてから、まだそういう意味で本格的な施設整備がやっと緒についたということでありますから、はなはだ申しわけないのでありますが、まあいろいろ理想を言いますれば私どもにも理想はございますけれども、とにかく、これはこれとして緊急、早急にこのスケールでのまず整備を急ぐと、で、将来基礎が固まり、ゆとりができますれば、先ほど大臣からもお触れになりましたように、また、八郎潟だとか、あるいは北海道でありますとか、そういうしかるべきところへ、研究所の基礎の固まり工合と相伴ってもう少し仰せのような規模の大きな実験ができますような場所を逐次整備をいたしたい。しかし、いずれにいたしましても、全部を一ぺんにかなえることも、理想論ではございますが、なかなか実現の問題としてはむずかしゅうございますから、とりあえずできるところからやらしていただくということで、この段階は御了承いただきたいと思います。
  90. 北村暢

    ○北村暢君 渡辺君が質問ですでに触れたかもしれませんけれども、あと一点だけで終わります。  高性能機械を入れた場合に、たとえばコンバインを入れる、コンバインを入れた場合に、これはまあ導入の計画と、都道府県の計画と、それから基本方針というようなことで立てるようですから、抜け目ないのかもしれませんけれども、実は、機械を入れて、しかも大型機械というのは輸入品、輸入のものがほとんどですね。それで、故障が起きた場合の修理にたいへんなんです、これ。で、岡山県で故障を起こして、大阪まで修理に持って行かなけりゃできないという状況なんですよ。実際問題としてね。そういう事情があることは御存じなんですか、農林省としては。わかっているのだろうと思うのだけれどもね。私は、こういう機械を導入する限りにおいては、それに対応するところのその修理のためのセンター、機械のセンターというようなものを付随して設けなければ、さあ故障起きた、簡単に直らないで、一番忙しい刈り入れ時期に一週間も大阪へ修理に行ったなんということじゃ、これは営農にならないわけですわね、全然。そういう実態にあるのじゃないですか。で、私は、かっての各地方農政局にあった機械管理所、こういうものはいまもう衰退しちまって、あるかないかわからないような状態になっておるのですね。ああいうものが、これは国営の機械を修理しているところでしたが、あれでしょうけれども、実際にそういうわずかばかりの外国輸入の機械を修理するったって、これはもうたいへんなんですよね。したがって、その地域地域にそういうサービスセンター的なものができなければ実際に実用化しないのじゃないかと、こう思うのですがね。そういう対策まで講じられて、この機械化導入の計画というものが立てられるのかどうか。ほんとうに農民に対するサービスの機関というものは、これは民間の経営ではとても成り立たないと思うのです。したがって、これはそういう対策まで考えておられるのかどうなのか、お伺いしたい。
  91. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 現状におきましては輸入機械が相当の部分を占めておりますし、また、輸入機械につきましては、販売業者あるいは代理店等がアフターサービスをするというようなことで、その分布が非常に密度があらいために、まま先生の御指摘のような不便な状態がございますことも事実でございます。私どもといたしましては、今後こういった法律で、国の姿勢を正していく一つの重要な問題として、そういう問題についての手当ても考えてまいりたいと思いますが、当面私どもが最も期待をいたしておりますのは、現に実現の緒についておりますけれども、御承知のやはり系統農協によるこういった機械の導入サービスということを計画的に進めるのが、いまの問題についても一つの対策ではないかと思います。つまり個々のディーラーまかせにしておりまして、そういった商業的なサービスに待つということも、もちろん場合によってはけっこうでございますけれども、やはり農家の側から、著しくそれによって不便だということになれば、全購連等が指導し、各県連に持っていただいておりますが、現在の農協の系統組織が逐次整えつつありますサービスセンター、あれを将来とも農民のためのそういう施設として伸ばしていくことを、私どもも援助してまいりたいというふうに思います。もちろん商業活動の一環として、販売業者の方々も、そういう修理施設を整備するということに御熱心でございます。これも決してそれを排除するわけではございませんので、そういった在来の販売業者の修理活動も大いに御援助申し上げたいと思いますが、やはりそれだけでは不十分な点は、系統農協等のアフターサービスということが一番緊要なことではないかというふうに考えて、その方向での施設の整備をいたしたい、これを国が直接担当するということになりますと、やはり国労で、国の職員がそういう活動をやるということは、今日の現状において必ずしも適切な組織とも考えられませんので、私どもは、内原の訓練施設の中でオペレーションの訓練をやりますと同時に、本年度からは修理整備の訓練も内原で開始することにいたしております。  それから、御指摘の各地方農政局にあります農機具の、これは在来は建設用の土木機械の管理を主任務としております。しかし、せっかくそういった大型機械の整備のとにかくエキスパートとして農林省が持っておりますわずかなスタッフでございますけれども、唯一のスタッフでございますから、営農用機械の整備にもそれらの人々の知識を援用いたしたいということで、府県の整備関係の状況の指導に、あの機械管理室の諸君を動員をわずらわすことで、必要な予算措置も、実は四十年度わずかでございますが、講じて、そういった態勢を逐次やってはおります。まだ不十分でございますが、そういう方向でございます。
  92. 北條雋八

    ○北條雋八君 この第一章の二に、農林大臣は、高性能の農業機械の導入の基本方針を定めるということになっております。先ほどもお話がありましたが、これいつごろできるお見込みでございましょうか。
  93. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 高性能農業機械としてどういう機械から手がけていくかということを、まず政令定める手続をいたします。これは法律施行後なるべくすみやかに機種の指定をいたしたいと思います。それと、ほとんど同時並行的に、機械化審議会の部会で、基本方針に定むべき内容について、私どもの原案をおはかりをし、御検討を願って固めてまいりたいと思っておりますので、比較的に政令予定事項でお示しいたしましたような機種につきましては、本年度少なくとも前半ごろまでには方針を定めて公表するところまで押し進めたいと思います。
  94. 北條雋八

    ○北條雋八君 この機械の導入ということにつきましては、先ほども話がありましたが、これは基盤の整備ということが先決問題だと思うのです。ですから、この基盤の整備に見合った方針を立てなければならぬ、それには、土地改良法も先般改正になりましたし、土地改良の長期計画その他もやはり関連してくることでありますし、いろいろこれに関連する資料というものがあるわけでありますが、そういうような準備はもう大体はできておられるのかどうか、これは全国にわたるものでありますから、非常に私は大事なことだと思うのです。ごく大ざっぱな方針を立てられるのでありましょうか、導入の目標とか、必要な条件、その他必要な事項について定めるものとするというふうにありますが、その問題ですね、方針を、その内容定め方の大筋を、簡単でいいですがね、説明していただきたいと思います。
  95. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 国が定めます導入方針は、かなり一般的な、基本的な条件だけを定めたいと思っております。たとえばいまお話しのように、土地改良の、少なくとも排水がある程度にできているところでなければ、これ以上の機械を入れるのは無理であるとか、あるいは農家の利用組織がかなり固まっておらなければいけないとか、そういったような技術面の問題、あるいは利用組織の関係の問題等にわたって、方針を定めたいと思います。それを具体的な台数で示すか、処理量で示すか、あるいは面積で示すか、いろいろ示し力があろうかと思いますが、それらの点は、機械化審議会の御意見を伺いながら、それぞれの機種にふさわしい数値のとり方等についてはきめ方をいたしてまいりたいと思います。具体的にその方針を受けまして、それぞれの県が、自分の県ではこういった高性能機械はどことどこに、どういった時間的な順序で入っていくであろうかというようなことを、農業協同組合その他関係者の御意見を徴しながら、府県がきめていただくことになります。少なくとも府県が導入をなさるについて、こういうところについては導入すべからざるところ、あるいはこの程度のものなら、この程度の条件があるなら、導入してもまずまず心配がないというところ、そういう荒筋の導入の諸条件だけは、国のほうできめてまいりたい、さように思っております。
  96. 北條雋八

    ○北條雋八君 農業機械化審議会ですが、これは組織はどういう組織になっておりましょうか。
  97. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 機械化審議会は、現在も機械化促進法に基づいて設けられておる諮問機関でございますが、委員の構成としまして、学識経験者が総体で十九名、そのうち純粋の学識経験者が十三名、それから関係団体、関係業界等に所属しておられまする学識経験者が五名、それから実際に営農集団のリーダーとしてやっておられます方が一名、それからそれ以外は関係行政機関の職員ということで、農林省の試験研究関係者、あるいは通産省の機械関係の試験研究者というようなもので構成されております。
  98. 北條雋八

    ○北條雋八君 農業団体のほうからは出ていないわけですか。
  99. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 学識経験者十九名の中の、関係業界団体に所属しておられる方五名と申しました中に、農業団体の関係の方も含まれております。
  100. 北條雋八

    ○北條雋八君 メーカーの団体からは何人。
  101. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) メーカーの関係といたしましては、やはり、俗称日農工と言っておりますが、日本農業機械工業会と申しましたか、そこの会長の方が御参画いただいております。
  102. 北條雋八

    ○北條雋八君 この第五条の三に、都道府県知事はその導入の基本方針にのっとって計画をつくるということになっておるのですが、この計画をつくるのは、最終的の計画をつくるわけですか。それともこの計画には農林大臣がやはり最後には決定されるのですか。その点伺いたいと思います。
  103. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 御相談になればもちろん御相談に応じていろいろと助言指導その他いたしますけれども、制度のたてまえとしては、この法律に書きましたように、国が示しました方針に基づいて県が計画をお立てになるということで、それがその県におけるこの法律に基づく最終的な計画ということに相なるわけであります。
  104. 石田次男

    ○石田次男君 関連。いまの答弁ですが、具体的には、都道府県の知事が一体だれに諮問して、だれを中核にしてそれをするのか。
  105. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 法律の規定の上では、特別に、都道府県知事の行動を束縛するような規定は、地方自治のたてまえから言ってもあまり好ましくございませんから、法律の規定の上では、知事の行動を規制する意味でのそういう手続は書かないことにいたしたわけでございます。私どものこの運用の心づもりといたしましては、都道府県知事への私どもからの勧告と申しますか、おすすめとしては、こういう際にはやはり県内に、現にお持ちのところもありますし、お持ちでないところはやはり県内の学識経験者を網羅しての御相談の場をお持ちになることを、私どもとしては府県知事にはおすすめいたしたいと思っております。
  106. 石田次男

    ○石田次男君 県内の学識経験者なんかをおすすめして、それらの意見をまとめて、知事さんにきめてもらいたいと、こういう意見ですね。ところが、この問題については、専門的な知識が非常にいる問題ですよね。そう簡単に各県に学識経験者なるものがいると考えられますか。現に国でさえも迷っているじゃないですか。私は、これ考えてみると、この機械化ということは、ごく最近日本の国でも緒についたばかりでありまして、むしろ中央自身が迷っているのじゃないかと思うのですよ。その証拠には、この法案見ても私さっぱりわからない、非常に観念的なんです。一体この法案の趣旨はどこにあるのか、それをまずひとつ伺いたい。これも質問の一点にしておきます。  とにかくこの問題については、外国の機械化しているのを見習って、いままあまねしていこうという段階でしょう。その証拠には、機械自身を国内で積極的に開発している気配はないのです。あらゆる種類の機械はほとんど輸入ものですよ。いろんな型のいろんなものを輸入して、それをテストしている段階じゃないですか。そのいずれもきまらない。それが日本のこういう狭隘な国土に合う合わないという問題も解決しておらない。むしろこれから、ほんとうに基礎から地固めをしていかなきゃならないという段階に、一体政府の頭のほうで簡単に物事をこういう根本方針だといって、観念的な方針を打ち出して、県知事にげた預けて、さあ地方の学者を集めて、そうして、その種類ごとに高性能の機械の導入の基本方針に即して県ごとに導入する計画をつくれといっても、これは実際から非常に遊離しているように私は考えるのですけれども、これはしろうと考えでしょうかね、どうでしょうか。
  107. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) たいへん基本的な御指摘なんでございますが、確かに、何と申しますか、もっと消極的に慎重にかまえるべしという考え方も、私どもの内部でも検討した段階でございましたし、機械化審議会の委員の先生方の御意見を聞いた段階でも、そういう意味の御注意も伺いました。ただ、私どもが今後方針の内容としていかなることを諸条件として定むべきか、内容等については機械化審議会で今後御検討いただくわけでございますけれども、ただ、大型機械が現実にいろいろの形で入っておることも事実でございますし、先ほど渡辺先生から御指摘を受けましたけれども、各作物別あるいは作業別の必要にせまられて、それぞれ補助金、融資等の形で現実にいろんな機械がかなり、個別農家の利用のできないような大きな機械がいろいろの形でそれぞれの行政の必要から入っておることも現実の事実でございます。むしろ現状の入り方が必ずしも機械の本来、いわゆる前提として備えるべき条件を確かめない上で、外国での試験結果がよかったというようなことから入って、それが日本の現実の村の実態とかみ合わないために、機械自体がこうむるべき非難と、それから準備ができていないところへ入ったためにこうむるべき非難とが混同されて、必要以上に迷いを生じておることも事実でございます。そこで、そういった現実の動きからみまして、この際私どもとして、こういった機械を農村に現実に入れていく際の、私ども関係者の導入についての姿勢を整えるということが、無用の混乱と手戻りを避ける意味で、最小必要限度非常に必要なことではなかろうかというふうに考えておるわけでございまして、その意味で台数が伸びることだけが、この法律の目的とは私は考えておりません。むしろ入るべき条件を備えていないところに入ることを、こういった手続によって関係者により慎重にやっていただけるようにするということも、この法律の実は趣旨とするところでございます。で、そういうことが整い、そういった関係者の姿勢を公に整えていくことが現実の構造改善事業なりその他の生産諸対策の推進ということに関連して、むしろ必要な段階ではなかろうかという気持でおります。
  108. 北條雋八

    ○北條雋八君 政府としては、この規模の拡大拡大と言っておられますが、一体どの程度の規模と、また、大型といってもどの程度の大型を考えておられるのか。耕うん機に例をとっていうと、いろいろ場所により、また、地形により、また、稲作あるいは畑作その他果樹なんかによって違いますけれども、大体機種別にどのくらいの程度を考えておられるか、伺いたい。
  109. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 指定いたします機械の規模は、法律では、政令定め一定規模ということで表現をいたしておりますが、先ほど渡辺委員にお答えいたしましたように、これの基準としては、個々の農家の個別の利用で十分こなしていけるか、それとも、相当大勢の農家を、一つの機械がいわば支配するような関係にも相なるわけでございますから、そういった一つの機械で結びつく農家の規模が、在来の村の慣行などではとてもこなせないものであるかどうかといったような点で、機械の規模を考えてまいりたいと思います。したがいまして、具体的にトラクターで考えてみますと、北海道では、おそらく十馬力程度のものならば、個別農家が十分使いこなしておられるわけでございますから、北海道の場合には、かりに、この法律で姿勢を整える必要があるのは、やはり相当規模のものということになろうと思います。それから、内地の場合で申し上げますれば、性能的にはそれほどのことはないのかもしれませんが、やはり十五馬力程度のトラクターであれば、相当大勢の方々、あるいは少なくとも十町歩以上の集団栽培というようなことを前提にしなければ、機械の効率が発揮できないだろうと思います。そういった点で村の実態等ももう少し見きわめまして、トラクターの一定規模をきめていきたいと思います。できますことなら、かなり多数の農家の方々を組織化しなければ、機械が効率的に動かないといったようなものになるべくいたしてまいりたい、そう考えております。
  110. 北條雋八

    ○北條雋八君 そういう意味から規模をきめ、また、全国的の農産物の需給計画にも影響することでありますし、そういう点から考えますと、都道府県知事にこの計画を全部ゆだねてしまうということは、私は非常に、万一の場合は、農林省としては、知事の責任に持っていってしまうというようなことになるのじゃないか。やはり最終的の計画は、大臣がやられるのが本筋じゃないかと思うのです。まず、県でもって計画を立てさして、それを今度は、総合的に全国的に勘案して、それで最後には、やはり大臣が決定をするのが本筋じゃないかというふうに思いますが、その点につきましてどう考えられますか。
  111. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) そういったお考えもあり得ることかとも存じます。私どもが、こういう、いま御審議いただいておりますような形のものとして案をまとめました趣旨は、この方針なり計画は、少なくとも何か性急に、一定の期間内に、無理やりにも一定規模以上の機械で、ある面積を塗りつぶしてしまおうというような意図を持ってはおらないわけでございます。むしろ一定規模以上の機械を使う場合には、少なとくもこういう条件を備えた――土地条件もごさいましょうし、その他経営条件等もございましょうし、社会的な条件等もあろうかと思いますが、少なくともそういう条件に当てはまるところにお入れなさいということを申し上げるつもりでありますから、その意味で、知事さんが県内の農業団体その他農業関係者の御意見をお聞きになれば、自分の県として、その機械を入れていい場所と、まだ、入れては時期尚早な場所といったようなことについての御判断は、決して誤るものではないというふうに考えております。決して、導入の結果の責任を農林省が免れて、知事に何か責任を転嫁するという趣旨で書いておるものではございませんので、その点は、在来、知事不信で、一々許可制にするとか、承認制にするとかいうようなことが、過去によくございましたけれども、こういった奨励的な行政について、何かこちらで一々チェックしなければ、少なくとも制度上のチェックを持たなければ安心ができないというような態度で臨むのもいかがであろうかというように考えたわけであります。
  112. 石田次男

    ○石田次男君 これはいま私が質問し、さらに北條先生からの質問があって、筋が出てきたと思うのですが、もう少しわかりやすく言えば、その答弁ではっきりしたのですけれども、考え方が逆じゃないかと言うのですよ。もちろん、この法案の意図するところは、これは非常に長期的なものだと思うのです。それはいいです。しかし、ながら、現実を踏まえてみれば、農業の機械化ということは、これは、いわばわが国の農業としては、体質改善につらなる大きな問題、抜本的な問題ですよ。それを今度、一つの方向というものをつくって、あとは知事にげたを預ける、こういうような行き方をして、じゃあ、現実に受けるほうはどうなるかと思うのです。まあ、さっきは、諮問すべき、意見を聞くべき地方の学者云々の問題で、そんなにいるものかと、私、失礼なことを申し上げたわけですけれども、現実にいないところたくさんあるでしょう。農業大学一つない県がたくさんあります。今度は、実地に農業をやっている農協組織やなんかの面ででも、強いところもあれば、あるいは弱いところもある、ごたごた内紛を起こしているところもあれば、さまざまですよ。それから、県自体を見ても、必ずしも農業にベテランの知事がいて、きめこまかによく見てくれるような人ばかりいるとは限らないでしょう。革新知事のいるところがありますよ。保守系の知事のいるところももちろんあります。そういったいろいろな要素があって、そう単純に、あなた方が考えているように現地がかみ合うかどうか、そこのところは考えたのですか。そうして、こういう、いわば日本農業として革命的なテスト段階にあるこの際に、いきなり、そういう現地の実情というものを深く考えないで、法律のていさいだけ整えて、下へ仕事を流すという、非常にこれは危険だと思うのです。それならばそれで、農業基盤の体質改善の上で、ある程度までの実効があがった上でならいいですけれども、それすらあがっていないでしょう。田畑を大きくするのだ、農業の経営規模をでかくするといったって、それさえ、しようしようというかけ声だけで、そういう土壌の上に、いきなり、こういう考え方をぶっつけていくという考え方自体が、私は逆だと思うのですがね。むしろ地方からのいろんな意見を吸い上げて、中央の一番がっちりしたシステムのあるところ、学者も何もみなそろっていらっしゃる、そういうところで、それこそ非常に慎重に検討した上で、あらゆる角度から見た上で、そうして農林省自体が責任を持ってやるべきじゃないですか、この条項に関しては。私はそれを言いたいのですがね。
  113. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほど御説明申しましたと思いますが、私どもは、まず導入についての基本方針を示すわけでございます。で、その基本方針に、導入についての目標なり、必要な諸条件なり、付帯的な注意事項なり、すべて、その機械の導入を考える際に考慮すべきいろいろの点についての、私どもの導入方針を明らかにしたいと思います。で、県でお立ていただく計画は、その方針の、その県における具体化の問題でございます。で、方針に基づきまして、それぞれの県で具体的にお考えをいただいた場合に、現地に当てはめて、その方針でどういうふうな姿の導入が考えられるかということを県のほうでお考えいただくのが、導入計画でございます。そういう意味で、決して私どもは、何と申しますか、御指摘のような基本的な事項は、当然中央で方針に盛り込んでお示しをするつもりであります。その方針を当該県で具体的に当てはめてみると、どういう導入が計画できるかという段階での仕事を、当然知事さんがおやりになることだと思いますので、そういう意味合いで、必らずしも先生の御指摘のようなこと、そう食い違っておらないように、私は考えておるわけでございます。
  114. 石田次男

    ○石田次男君 質問すぐやめますがね。これは食い違っていますよ。そういった県知事がいろいろとやったことを、さらに中央でもって最後にチェックして、それを再検討して、それで話してやるならわかをのですよ。そこが抜けているのはさかさまじゃないですか。これはずっと進んで、順調な仕事を積み重ねた上で、それを下のほうに実行させるという、こういう段階じゃないということは、私は何べんも言ったとおりです。そこのところさかさまじゃないですか。これはひとつ大臣にお伺いしたいのです。その点、ものの考え方です。農政の考え方です。事務当局ではなくて大臣にお伺いしたい。
  115. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 私はこの方針が適当じゃないかと思うのですが、というのは、国で導入の目標とか、導入に必要な条件とか、あるいは導入に関し必要な事項等を示します。特に政令を出しますので、どういう種類の機械とか、そういうことまでこまかに方針をきめますから、その方針に基づいて現地に適するか、適しないかということにつきましては、やはり知事がその県等に適当した計画をその方針の中から立てていくのでございますので、大きなワクの中で具体化していくことでございますから、私はそれをまた持ち上げてきて、それがいいか悪いかという認可とか、そういうようなことは法律に規定しなくても、大体適当なものであるかどうかということを、この計画を立てる過程におきまして、協議をしたり、指道導したり、こういうことによっていまお話しのような目的は達せられるのではないか、こういうふうに考える次第です。
  116. 北條雋八

    ○北條雋八君 私がいまの締めくくりを。いま大臣からお話がありましたから、意図はわかるのですが、しかし、われわれが心配するのは、やはり地方の計画と、今度は国全体を見て、緩急また軽重をおもんばかった計画とは自然違ってくる点があると思うのです。でありますから、この地方農政局もあることでありますから、そういう点はひとつ緊密な連絡をとられてやられることを強く要望しまして、私の質問は終わります。その点。
  117. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 私も、いまおっしゃるとおりのことをしたいというつもりで、法文には掲げてありませんけれども、そういうふうに考えるわけでございます。農政局等を活用といいますか、この点におきましても十分活用し、あるいは本省におきましても常に相談にあずかるといいますか、協議にあずかって、御趣旨のような、また、御心配のような点を除去していきたいと、こう考えます。
  118. 石田次男

    ○石田次男君 実はたくさん質問があるのですけれども、ずいぶんはしょりますけれども、さっき聞いて返事してもらわなかった部分があるのですが、この法案の中心はどこにあるのかということです、この法案の大事なところはどこなんですか。
  119. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほど申し上げたつもりでおりましたのですが、高性能の農業機械がだんだん現実の問題として農村に入ってまいります、また、入れていく必要性もだんだん強くなってまいります。その際、いままでのように、それぞれの作物ごと、あるいは作業ごとの必要から入れていくということも将来当然予想しなければなりませんけれども、それらの機械が在来の農村の実態から見て、どこでもここでもすぐ十全の効率を発揮できるというふうには安易に考えるわけにまいりません。そこで、かりに機械そのものの性能はりっぱなものでありましても、それを活用する条件が十分整っていなければ、結局、農家に不利益なり、あるいは無用の摩擦を生じますので、そういったことの少しでもないようにいたしたい、いわば計画的導入ということばを用いておりますが、そういう前後相整うべき条件が逆になったり、あるいは前後したりすることのないようにいたしたい。そういう意味で、土地改良だけが先行してしまったり、あるいは機械が土地改良に先んじて入ってしまったり、そういったようなことで、機械のせっかくの性能が十分発揮できないといったようなことをなくしたいという意味での一つの導入の姿勢を正すというのが、この高性能農業機械の章に関するこの法律の改正趣旨でございます。  それから提案理由説明でも申し上げましたけれども、そのほかに、機械化研究所の敷地といたしまして、大宮の種畜牧場のあとの土地を機械化研究所に政府が現物出資をするという規定を一つ加えますこと、この機会に、機械化研究所の役員の規定につきまして、他の同種の法人と同じような規定整備をいたす、その三つの点がこの改正法律案提案趣旨でございます。
  120. 石田次男

    ○石田次男君 結局、総花的な返事になりましたが、最後に、あえて申し上げておくのですけれども、この法案については、私はいろいろ勉強したのですけれども、ほんとうの目的はここの五ページの一番最後にある、あなたの、後段で言っていた、大宮の土地、建物その他土地の定着物を出資の目的として云々、この研究所への出資ですね、これを実現するためにこれはくっつけたというような意見があったのですが、その点はいかがですか。つまりこれ一つだけ出すのはいかにも唐突だから、ついてはあれもこれも盛って一緒にやるのだ、こういう法案のつくり方だというのですよ、裏話で。それならそれで、これは切り離して、こっちの法案はこっちの法案で切り離して、すっきりした形で出すのがほんとうだと、そのときに感じたのですが、いまでも感じておりますが、この点どうですか。
  121. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 高性能農業機械の導入について法律的な措置を講ずべしという御意見は、実は大宮の種畜牧場に土地の出資をするということがきまる以前から、関係者の間で御論議が出たところでございます。私どももその高性能農業機械の導入について、促進なり、あるいは条件の整備なりということの必要性は十分痛感をいたしておりました。で、当初御熱心な関係の方々の御意見としては、機械化促進法では検査が主体の法律であって、どうも高性能の農業機械の導入といったような新しい行政テーマを実現するのには不十分であるから、単行法でそういうものを設定したらどうかという御意見もございました。私どももそういった関係団体、関係学識者、関係識者等の高性能農業機械の導入についての単行法をつくるべしという御意見を受けまして、私どものほうでそれの具体的な検討を始めたわけでございます。で、そのために機械化審議会の懇談会を昨年来両三回お願いをいたしまして、立法事項として盛り込むべきことの問題点についての御論議を願いました。具体的にいろいろ御相談をしたのでございますが、まだ段階が非常に区々でありますから、いまの段階で示すとすれば、こういった国の基本姿勢を正すというようなことに相なろうというような機械化審議会の大方の御意見も受けまして、その部分はそれとして、法制化のことを検討いたしたわけでございます。  たまたまそのころ、やっと大宮の種畜牧場が四十年度中に福島に移転を完了できるということが昨年暮れの予算折衝を通じて明確になったわけでございます。したがいまして、そのこともあわせて機械化促進法の一部改正という形で出すことにいたしました。それ以前から検討いたしておりました高性能農業機械の導入のほうは、単行法で出すか、それとも機械化促進法の改正でやるかということでございましたけれども、機械化促進法の一部には、大宮の種畜牧場の現物出資の規定をどうせ書きますから、機械化促進法に新たに一章を設けまして高性能農業機械の導入についての規定を書けば、単行法を別につくる必要もあるまいというような大方の御意見をいただいて、このような姿の改正案になったわけでございます。
  122. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 私質問しようと思ったことは、大体北村委員のほうから御質問があったので、ダブることを避けますが、高性能の農業機械の導入の基本方針は、今後きめてそうして公表していきたいと、こういうことですから、この点についてはそれでいいとしましても、あまりにも政府がこの機械化ということのみに力を入れ過ぎているんじゃないかと思うのです。  私が質問したい要点は、現在の自立営農の立場をとって、農業機械化の一切の一つのセットをそろえて、そうして二・五ヘクタールでもいいですが、それを中心にしてどのくらいのコスト安になるのか、そういう原価計算をやったことがあるのか、あれば一ぺんひとつ発表してもらいたいと思うのです。
  123. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 先ほど来申し上げておりますように、この種の予定しております高性能農業機械は、かりに二町五反といたしましても個別農家だけで十分の成績をあげることはむずかしいと存じます。相当の数の農家と、相当面積の共同でやっていただく。おそらく農協等による共同作業といったようなものの一環として組み入れていただくということに相なろうと思いますから、おのずから面積は二十町歩なり、ないしそれ以上、二十町歩ないし四、五十町歩というのが理想的な一つの集団栽培の面積に相なろうかと思います。そして、その中で個別農家が、おやりになる、そういう実験結果でございますが、先般御説明いたしました関係資料の二六ページからあとのところに、私ども数年来、機械化実験集落という形で、この種の機械をなるべくセットで入れて、それぞれの農作業の所要労働時間がどの程度節約されるであろうかということを実験的にやっておるのがございます。その実験成績でございますが、ところによっては必ずしも条件等が十分整備しておりませんで、機械そのものの理論効率から言えばはなはだ不十分なデータしか出ておりませんけれども、これが残念ながら実態でございます。それを資料として差し上げたわけでございますが、二六ページから以下に、それぞれの地域での実験結果についての労働時間の節約の度合い等については御判断いただきたい。問題は、この節約された労力が、農業面なり、あるいは農業外でいかに有効に活用されているかというような問題等がまだまだ研究の余地の残された問題でございますけれども、一応こういうデータで、現状のありのままの姿を御運解いただきたいと思います。
  124. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 いや、私がさっきお聞きしたのは、この高性能機械を導入するという問題の今後の計算というものは今後に残されておると思うのです。それはまだ研究所にしても、あなたのさっきの説明からいくと、機械の性能だけのいわゆる検討を迫っていると、あなたは言っておられるのだが、性能だけ、しかも、この営農のほうについては、都道府県の農業試験場でやっていっているのだ、こういう不完全な試験過程を経て機械化をしようという考え方なんですね。現在でもそうなんですよ。ところが、先ほどあなたの説明のあった点は、自営農家の二・五ヘクタールを中心とする、それに適用している今日の機械をかりに入れるとしたらどのくらいの購入費が要るのか、しかも機械の償却がどういうふうになるのか、あるいはまた、日本の労働賃金から見て、現在の労働賃金から見て、機械にかける費用と、あるいは労働による賃金とのそういう対比の試験というものは、私はデータは一つも出ていないと思うんですよ。したがって、むしろ現状のままで部分的な機械を入れたということについては、それだけの余裕の時間が出るとか、効率が出たとかいうことはわかるけれども、実際にしからば償却をして、そうしてしかもその機械のつまり耐用年数といったようなものを考えたときに、一体合うのか、合わぬのか。日本の現状の労賃から比較してみて、そういうものを出さなければ機械化したってあまり私は効果ないと思う。私がお尋ねしたいのは、今度の高性能農業機械をやるという考え方ですが、これに対して今後やる、それにしてももっと研究が必要じゃないかと私は思うんですよ。この点は北村さんと全く意見は一緒です。と申しますのは、幸わいにして八郎潟というような、ああいうりっぱな機械化してもいいという土地があるわけです。しかも、農業は保護産業の一つとして政府が全部これに機械に対する費用を出して、高度なものを一ぺんやってみて、それで実際に生産とコストと、そういう面が合うのか、それが適切であるから今後の高性能機械をどういう地域に入れるということがきまってくると思うのですよ。それでなければ、先ほど北村委員が言われたように、試験台は農民がやるんだ、政府は、機械の購入が現実にどんどん入りつつあるから、その入りつつあるものに対しては一つの指針を出したい、基本的な考え方を出したい、こういうところには適用しなさいという考え方を持っておられると思うのですね。それではあまりにもお粗末じゃないか。それよりももっと研究して、そうして減価償却も考えて、あるいはまた、機械の性能も何年もつのか、こういう点がほんとうに研究なされなければ、外国の機械をただ日本に輸入して、私は、そのまま日本に当てはまるものとは考えていないのですよ。しかも、指導面においても、オペレーターの問題にしても、実際これだけの機械を使いこなす技術者が何人あるのかということも問題の焦点になろうと思うのですよ。そういう点が非常に不完備のまま、ただ、機械化のみに政府が力を入れるということは、あまりにも農民の負担が大き過ぎるじゃないか。しかも、現在の農業地域におけるいわゆる賃金から考えてみて、現実にどれがいいかということについては、私はまだ疑問がたくさんあると思う。まだ労力のほうがいいと、現段階では。なるほど高度に進むことはいいですよ。しかし、それは研究の結果、これで完全にできるという見通しが立ってはじめてできると思うのですが、この点どうですか。
  125. 昌谷孝

    政府委員昌谷孝君) 私どもも、まだまだ研究の程度が不十分、きわめて不十分で、今後一そう研究を深めなければいけない点が多々ありますことは十分わきまえて今後やっていきたいと思っております。ただ、ここで私どもが悩みとしておりますことについて御理解をいただきたいのでございますが、機械そのものと申しますか、機械化営農そのものにつきましては、諸外国の実例等から見ましても、すぐれた成果をあげておることは、これはもう御承知のとおりでございます。問題は、日本の小規模経営農家が圧倒的に多いこの村の現実の中で、それだけの稼働面積を持つ機械の活用法がどうやったらできるかというところが根本問題であります。で、機械の使い方なり機械の性能は、もうすでに外国でごらんのとおり、現実に成果をあげておるのでございます。したがいまして、試験場で研究をいたします場合につきましても、六十町歩なら六十町歩という圃場を試験研究者に与えて、外国ですでに実用化しているセットの機械を与えて研究したというだけでは、その結果がいかによかろうとも、現実の村に六十町歩の経営がない限りはだめなんであります。やはり六十町歩なり、あるいは二十町歩でもけっこうでございますけれども、それを構成する数軒の農家の在来のあり方の中で、それらのすぐれた機械がどうやったら向こうで働いている能率と同じ能率で、能率を落とさずに、その数軒の農家の組織の中で、その機械が生きて働くかということが、私どもの一番の痛切な問題であります。したがいまして、試験場に広い圃場を与えるだけでは、外国の試験データをとってくることと極論すれば大差のない問題にもなりかねません。そこで、やはり現実にそういう何十軒かの農家の方々の組織体が、そのすぐれた農法をどうやって身につけていくかという点に一番の問題があるわけでございます。単なる農業技術者の試験研究だけでなしに、経営学者とか、あるいはいろいろな広範な意味での経験のある皆さまの御協力を得、また、具体的にその機械をお使いになる農家の方々の協力なり御習熟を得なければどうにもならないところに、私どものこの機械化行政の最大の悩みがあります。理論的な能率計算なり、理論的な機械の使い方であれば、外国で現に成功して使われておるわけでありますから、そういう経営が日本に成立するならば問題はないわけなんです。そういった意味で私どもも今後反省を重ねなければならない点がたくさんございますけれども、ひとつ私どもの意のあるところを御理解いただきたいと思います。
  126. 高山恒雄

    ○高山恒雄君 それは、あなたの意のあるところはわからないことはないのですよ。わかり過ぎて私も質問しているんだが、しかし、あまりに機械化に走り過ぎてはいかぬ。と申しますのは、皆さん、機械の研究というものは、しかも農業機械は一体一年に何回実験しますか。一年に一回じゃありませんか。たとえば、穂の刈り取りにしてもこれは二十日間しか実験しないですよ、実際は。そうでしょう。諸外国では実績をあげておるといっても、たとえば乾燥機にしても六十日とか五十日とか限定されると思うのですね。実際問題として、積み重ねてまいらなければ、あなたが言われるような実際の実効はあがらないと思うのです。だから、やはりそういう機械でありますから、また、そういう短期の実験しかできないものであるから、広い地域の農民の全部の方ができる……それだけの改善をやった地域対象にして機械を入れて実験させるというような危険は、これほど不親切な政府のやり方はないと思うのです。私が言うように、これは大臣にお聞きしたいのですが、八郎潟というのは、ああいうりっぱな地域を日本も構造改善やったのですから、ひとつこういうところこそ保護産業として政府が一切の機械化、高度の機械化を入れてしまう、政府の金でですよ。そうしてそれを実験的に向こう七カ年なら七カ年使ってみよう、そうしてこれで減価償却してみて、機械というものが一体何年持つのか、その間の修理費が何ぼであるか、日本の労賃は何ぼなのか、こういう高度な実験が私はなされてしかるべきじゃないかと思うのです。これが一つの産業だったらそうしますよ。そうしなければ一つの企業体は経営できませんよ。この高性能機械というものは、ほとんど組合がやるのでしょう。さっき言われたように個々の個人経営でやるわけじゃないのです。特に政府補助金を出して、そうして機械を買わせてみて、これだけじゃあかぬということで、やれぬような補助金ならやめたほうがいい。それよりも政府が機械を入れて、できる範囲内に地域を一カ所、これこそ小管法じゃないけれども、モデルケースを日本の政府はつくるべきじゃないか。私は、保護産業の立場からそういう考え方を持つのですが、大臣どうですか。
  127. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 確かに八郎潟のようなところで十分な研究をしてからやるということは、石橋をたたいて渡るようなわけで、けっこうなことだろうと思います。ただ、現状は農業の機械化をせざるを得ない、また、しなければならぬという情勢にかられておりますので、そういう点から考えまして、八郎潟の試験がいい結果をもたらしたといたしましても、日本全国が八郎潟のようなわけには基盤がそうなっておらないわけでございます。でございますので、この経営と結びついて、どういう段階においてはどういう程度というような段階があると思います。でございますから、いま全国に大きな機械を全部入れて、そうして八郎潟でやるようなことをやろうということを考えておるわけではございませんで、やはりお説のとおり、経営における採算というような問題がございます。それから基盤の整備された規模、段階もございます。そういうものに即応してやはりこれは進めていくということが現段階において適当だと思いますので、こういう方針をきめていきたいと思うのでございますが、無理なことは、やはり採算のとれないようなことは私は進めるべきじゃないと思います。そういう意味におきまして、各県等において機械化についての研究等もいたしておりまするし、また、いまの大宮等におきまして実験的なものが十九町歩くらいで、狭いかもしれませんが、そういうところでやったり、あるいは試験場との結びつき、こういうことで機械を入れていく上におきまして、採算その他規模等も勘案しながら進めていきたいと思うわけです。
  128. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 時間がないようでございますので、簡単に意見を申し上げておきたい。そして最後に一問だけ御答弁を願いたいと思うのですが、高性能の農業機械の計画的な導入に関しまする今回の措置につきましては、構造改善をやり、あるいは生産性の向上あるいは近代化を進めていきまするために、前向きの着想であるということには敬意を表し、まことに私はけっこうだと思う。しかし、皆さんからお話がございましたように、これを具体化していくためには、あるいは具体化し効率化していくために、何となしまだ諸要素が欠けておるような気がいたします。土俵のできる前に裸になっておったような気がいたしまして、少し何かピッチの合わぬようなものがあるような気がいたします。これは一々申し上げませんが、たとえば技術体系の問題あるいは品種の選定の問題あるいは予算措置の問題等々ございます。そういうものがもう少し付加されて検討の必要があろうというふうに政府のほうもお考えのようでございますので、私はこれについて質問はいたしません。もう答弁も必要といたしませんが、特にそういうことを希望しておきたいと思います。  そこで、この法案を御提出になるについて、もう一つ欠けておりますことは、こういう機械がいままでもあり、これからも機械を入れていくということについて、農民の負担というものがやはり相当あるのでありますが、そこで、一番不自由を感じることは、やはり修理をどうするかという問題であろうかと思う。少なくともこういう機械を導入し、すでに小さい機械はそれぞれ入れておるのですが、それらの修理を行いますることが非常に経費がかかっておるというようなことでございますので、数組合共同で、私はそういうものに低利資金を貸してやるとか、助成をしてやるというようなことが、この機械化促進と同様にありましたら、この法案をもっと意義づけるものではなかったか、これはお忘れになったのではなかろうが、将来どういうふうに考えておられるか、これだけはひとつ答弁を願いたい。  もう一つ答弁を願いますのは、先ほど渡辺委員から、高性能機械あるいはその他の機械化を行ないまするについて、耕地の中にございます電線あるいは電話線そういうものの撤去あるいは移転等についての御答弁を伺ったのでございます。ところが、これはなかなか私は移転はできぬと思うのですよ。一カ所にぽつんと立っておるのだったら移転ができますが、向こうからつながってきておる線が、ございますから、どこに移すといっても、そんなに山の遠くに移してしまうわけにはまいらぬと思う。移すその経費についてどうするかということについては、いまお話がございましたので、経緯はよくわかりましたが、私はそれがそう簡単に――ここで答弁だけならできますが、たんぼ続きの、しかも高性能機械が使えるような耕地で、しかもそれがいままでのように人力でやったり、あるいは家畜によって耕作をされておりまするときには、それほどの支障がなかったかとも存じまするが、これから機械化してやっていこうということになりますと、あるいは電柱、電線あるいは、ことに側線というのがございますが、そういうものはきわめてじゃまになるのでございます。それを移転するというような経費を、それぞれの会社所有の経費で償うというようなことだけではおさまらないと思う。米価等も高騰しておる今日、すでにその工作物が相当古い時代に行なわれたのでありますが、その当時の契約をしておる単価というものと、今日の単価というものとは違うのであります。農民に対して一体どういうような契約の方針をもって指導をされるのか、この工作物に対する指導方針をひとつ伺いたいということが一つ。  この問題でもう一つ、これは土地を使っておるんですが、土地の使用料を規定する賃借といいますか、それでその契約をなさしめておるのかどうか、ただ、契約をしないで、単なる従来からの行きがかり上、慣習として立てて、そのまま放置されておるのではないかと私は思う。もしそれが農地を使用する場合において、会社であり、あるいは公社であるといえども、法律をもってかりにそこえやむを得ざるものと処置されておるやに、もしそうであるとするならば、私は、問題はきわめてきびしい問題がなければならぬはずであり、追及しなければならぬ問題がある、こういうふうに思うのでございます。農林省はこれが設立に対しましていかなる根拠によって許可をし、これを見過ごしておるのか、あるいは今後一筆一筆その田の使用料を、あるいは使用契約をなさしめる意思があるのかどうか、あるいは、いままでの経費はそれでいいかどうか、そういう問題もきわめて私は重要だと思う。これからそれについて、このあとの二点についてお答えをいただきたいと思うのでございます。
  129. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 御指摘、三点あったように思いますが、先ほど高山さんからもお話がありましたが、こういう大型機械を導入するについてのタイミング、こういうことでございますが、これにつきましては、やはり採算等考えて、機械化貧乏というようなことにならぬように十分注意して導入を進めていきたい、こう思います。  第二は、これも北村さんからの御質問もございましたが、修理工場等が併用されなければ片手落ちのようなことになりやせぬかということでございます。ごもっともでございまして、あるいは県連等にそういう修理工場等を併設するといいますか、導入とともに併設するような指導をいたしたいと思いますが、これは導入に関する事項ということで申し上げたような方針を進めていきたいと思います。  第三点は、電柱等でございます。これも古い慣習で、無契約のまま、それが賃措料等を払わないで電柱等を立てて、ずいぶんそのままであった面もございます。そういう面につきましては、農林省といたしましてもまた指導いたしましたが、農協等におきましても所有者の一括代理というような形で、あるいは会社等と契約を新たに結んで、そして代理で賃貸料をとっておる、こういうような方途をとってきましたが、これをさらに進めて契約をはっきりさせたい。それから使用料の額等でございますが、公社等につきましては、現状に即した値上げをいたしたのでございますが、さらに一般の民間会社等につきましても、それに沿うように農協等が代理で、所有者の代理で契約し、あるいは交渉するというような形を進めていきたい、こういうふうに考えております。
  130. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 最後に、私はもうこれで質問はございませんが、希望をしておきたいと思いまするのは、一括して、農業協同組合が、その地区内における工作物についての賃貸借あるいは使用権という、土地の使用権というものを契約するということは、少し違法ではないかと思うのですよ。
  131. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) いまの申し上げた場合は、無断で農協等がやるということではございませんで、各土地所有者に委任状等をもらいまして、そして委任を受けて賃貸し料をとったり、交渉したり、こういうことにやっておるわけであります。
  132. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私が聞きまするところによりますると、それは単なる口頭での使用を認め、それに対して一括して払っているというのが実情じゃないかと思うのですがね。これはほんとういえば、いまのようになってまいりますと、高性能機械を使うということになりますと、たいへん構築物というものがじゃまをするわけでございます。ですから、いままでの考え方ではいけないのであって、ここの場所は相談の上ここへ立ててもらいたい、この付近であれば非常に都合がいいとかいう耕作者の少し便宜もはかるというようなために、そして、たとえば今後一本の柱でなくて、だんだんと鉄柱で幅広くその基礎ができるようなことになりますと、かなりな面積を使うわけになってくる。そういうような時代の移り変わりとともに、その工作物が変わってまいりまするので、私は、少なくとも、できればお世話は農業協同組合がされることがよいと思いまするが、でき縛る限り農地法に示されたように賃貸借というものの契約をおのおの結んで、そして締結をすべきものではないか。それがあまりに粗漏になることにおいて、農家というものに対して非常に迷惑を感じ、不利益を感じておるというふうな事例がございますので、私の意見を申し上げた次第でございますので、今後特に御注意を願い、そういう観点において御指導を願いたい、こういうふうに思うのでございます。
  133. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 御趣旨ごもっともでございますので、そういう線に沿うて指導していきたい、こう思います。
  134. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 他に御発言もなければ、これにて質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  135. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認めます。  これより討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、これにて討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  136. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認めます。  これより採決に入ります。  農業機械化促進法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  137. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  この際、おはかりいたします。ただいまの可決すべきものと決定しました農業機械化促進法等の一部を改正する法律案に関する附帯決議案についておはかりいたします。  附帯決議案の案文を朗読いたします。  本附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  138. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 全会一致でございます。  よって本決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたします。農林大臣
  139. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 農業機械化促進法の一部改正につきまして、御可決を願いましてお礼申し上げます。  なお、ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨私も適当なものと考えます。この附帯決議の御趣旨の実現に努力をいたしたい、こう考えます。
  140. 仲原善一

    委員長仲原善一君) なお、諸般の手続等につきましては、先例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  141. 仲原善一

    委員長仲原善一君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後六時十八分散会      ―――――・―――――