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国務大臣(
赤城宗徳君) まあ労働力が最近転出しておるというととは御
指摘のとおりでございますし、三十七年、三十八年約七十万ぐらいが出ております。
これは、
一つは、国全体の経済の成長が非常に高度であった。工業方面、都会方面の成長が進んでおりましたので、消費ブーム等も手伝って、その方面に相当出ていったということが
一つ。それから、農業者自体といたしましても、支出の面が収入よりも相当ふえてきておりますので、そういう面から、現金を取得するという
ような傾向から出かせぎ等も増してきた、こういうこともあると思います。
で、これの対策といたしましては、まあ出かせぎ等の対策につきましては、できるだけ近くにおいて労働に従事する
機会を与える、こういう
ようなことから、
地域の開発ということも必要であろうと思います。そういう
方向をとっておるわけでございます。それから農家全体としての労働力不足に対処いたしましては、どうしても少ない労働力で農業をやって効果をおさめていくということが必要でありますので、やはり機械化が進んでおりますけれ
ども、さらに一そう機械化農業という
方向へ進めなければならないと思います。しかしながら、小さい機械は相当入っておりますが、大きい機械を入れるということになりますというと、いまの経営面積の狭い農家におきまして、大きい機械を入れるということでは採算が合わぬという
ようなことも出てきておるので、こういう大型機械等は、農協等に導入させて、共同的に大型機械等を使って、そうして労働力の少ないのをカバーしていく
ようにしたい、こういうので予算等も御
審議を願ったわけでございますが、そういう
方向を持っております。
それからもう
一つは、やはり労働力の不足をしております場合に機械化を進めるといたしましても、土地基盤の整備が、いままで進めてはきておりますけれ
ども、おくれて、まだまだ土地基盤の整備をしていかなければならないので、土地改良を強く推し進めるために、四十年度の予算等につきましても、相当前年度よりも予算を計上して、土地基盤、生産の基盤を整備していく、その中でもやはり機械を使い、あるいは労働力の不足をカバーする
意味におきまして圃場の整備・あるいは本年度農業用の機械に使用するガソリンの免税、それに見合った額で農道の整備を推進していこう、こういう
ようなことから圃場を整備し、農道をつくって、そうして生産基盤が機械化に適する
ような、あるいは輸送面が十分に行なわれる
ような形に持っていって、そうして労働力の不足にたえ得る
ような
方向に進んでおるわけでございます。
それからもう
一つは、やはり優秀といいますか、すぐれた後継者が農村に残ることが、これまた必要でございます。そういう
意味からいいまして、
先ほど官房長からお話し申し上げました
ように、生産性におきましても、あるいは生活水準の比較におきましても、零細な農業者よりも、一町五反とか二町歩以上の
ような耕作面積の大きい農家におきましては、生産性も他産業の従事者に比較して零細な人よりも多いわけです。あるいは生活水準の比較におきましても非常に多い、こういうことによりまして、経営規模を量的に拡大していこう、こういう
意味で御
審議を願っている農地管理
事業団という
ような、これはパイロット的にことしは始めますが、そういう
方向によりまして経営規模を大きくしていきたい、そういう
方向。ところが、御承知の
ように、兼業農家、ことに第二種兼業な
ども四二%を占めるということで、一方においては兼業農家が多くなってきております。こういう兼業農家の中で農業と離れ得ない、農業をまだやっていきたい、こういう意欲を持っておる兼業農家も相当あるのでございます。
〔
委員長退席、理事栗原祐幸君講席〕
こういう兼業農家につきましては、やはり協業といいますか、共同で農業を進めていくという
方向へ持っていって、そうして労働力の不足も補い、あるいは生産も上げ、所得も上げる
ような
方向へ持っていくと、こういう
ような
方向を進めておるわけであります。
以上大体概略的に申し上げたのでありますが、そういう
方向で労働力不足の対策を立てておるわけであります。