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1965-03-12 第48回国会 参議院 大蔵委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十二日(金曜日)    午前十時四十八分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         西田 信一君     理 事                 成瀬 幡治君                 田畑 金光君     委 員                 青木 一男君                 大竹平八郎君                 栗原 祐幸君                 田中 茂穂君                 鳥畠徳次郎君                 日高 広為君                 村松 久義君                 佐野 芳雄君                 鈴木 市藏君    政府委員        大蔵政務次官   鍋島 直紹君        大蔵大臣官房財        務調査官     吉国 二郎君        大蔵省主税局長  泉 美之松君    事務局側        常任委員会専門        員        坂入長太郎君    説明員        国税庁次長    喜田村健三君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○地方自治法第百五十六条第六項の規定基づ  き、税務署設置に関し承認を求めるの件(内  閣提出、衆議院送付) ○物品税法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○相続税法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 西田信一

    委員長西田信一君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  地方自治法第百五十六条第六項の規定基づき、税務署設置に関し承認を求めるの件、物品税法の一部を改正する法律案相続税法の一部を改正する法律案、以上いずれも衆議院送付の三件を一括議題とし、三件を一括質疑に入ります。  御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 国税庁次長さんにお尋ねいたしますが、先ほどもちょっと雑談のときにお話ししておったのですが、滞納の一番多い税は大体法人税というふうに承ったのですが、総額どのくらいあるかというのが一つと、まあどのくらいで切ったらいいかわかりませんけれども、億単位のものがございましょうか。
  4. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 昭和三十九年十二月末現在で滞納総額内訳を申し上げますと、件数にいたしまして七十九万三千八百八十件ございます。税額にいたしまして七百十六億。この内訳税額で一番大きいのが法人税でございまして、件数にいたしまして十一万四千件、税額にいたしまして三百十八億、それから申告所得税件数が一番多くて四十六万七千件で、二百六十三億、あと源泉所得税が十一万八千件で六十五億、このようになっております。前年同期と比較いたしますと、件数はずっと大幅に減っておりますが、税額が若干ふえておりまして、件数が前年同期が百二十万件ありましたのが七十九万三千件に減ったのであります。ただし税額は六百四十九億でありましたのが七百十九億と、こういう状況になっております。
  5. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 たいへんな額だといえばたいへんな額だということになるわけですが、最初に、源泉でどうして滞納になるのか、どこで一体とまっておるかですね。
  6. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 源泉でも、たとえばあとから源泉監査の結果徴収決定を受けて、そのまま納め切れないというのもございますし、それから、たとえば所得税がかからないものと思って支給したものにあとから税額がかかってきた、そのために本人からあらかじめ取っておかなかった、そのために企業として納め切れないで滞納になってしまう、そういうものもございます。大部分が、本人には税込みで渡してしまい、企業段階に手持ちに残っていない、そのために滞納になってしまうというのが大部分だったろうと考えております。
  7. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 普通でいうと、おっしゃるように源泉徴収は天引きのものでございますから、もし滞納があるとするならば、たとえばボーナスでこれは所得税対象にならぬであろうと、こう思って支給したところが、いやいや、そうじゃない。そういうことでこういうことになったのだというのが多いだろうと思うのです。私もそこら辺でなければちょっと納得しかねる問題で、もし途中でとまったと、これを運転資金に充てたとか何かに充てたというなら、これはたいへんなことになると思いますが、そういうことじゃなくて、いまのようなことだろうとおっしゃるならば、大体それでいいと思いますが、しかし、それにしても、源泉である所得税で何年越しというのがございますか。
  8. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 実は計表として、昨年度分本年度分二つにしか——年度分といいますか、昨年度以前分と本年度分二つにしか分けておりませんが、はっきりもう何年たまっておるかという計数は出ません。昨年度以前分にいたしますと三十三億、本年度分が三十二億、約六十五億の半分ずつになっております。それが何年たまっておるか、私としてははっきりちょっと計数として持っておりません。
  9. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それじゃ、法人税のほうに行きますが、法人税で一億以上というのがございますか。そういう計算資料はお持ちじゃないですか。
  10. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 現在手元にあります資料では、一千万円以上と三千万円以上と五千万円以上と、この件数税額になっておりまして、その税目別内訳は出ておりません。その合計のところで申し上げますと、五千万円以上が六十一人で九十六億でございます。それから三千万から五千万までが六十七人で二十五億、それから一千万から三千万までが五百七人で八十二億、合計いたしまして、一千万円以上が六百三十五人の二百三億ということになっておりますが、これはただちょっと古くて、毎年一回しかとりませんので、三十九年三月現在ということになっております。
  11. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 徴税のほうで、役所等をふやしたりいろいろなことで御苦労なさっておるという点はわかりますが、ちょっといまおっしゃった点で気づく点は、五千万円以上の人が六十一人おる。そうしてそれは総額で九十六億とおっしゃるなら、概算しまして、これは大体平均しますと一億ちょっとということになるわけですね、一人当たり。しかも、これは五千万以上ですから、この中には五千万や六千万の人もおるだろう。つまり最高はどのくらいになっておるか。私は二、三億の人がおるのじゃないかと思いますが、そういうことはわかりませんか。滞納王というのはいま何億になっておるか。
  12. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) ちょっと手元資料がございません。国税庁といたしまして計表をとっておるかどうか、名前をとっておるかどうか、ちょっとはっきり記憶いたしておりませんので、いまはお答えできる資料を持っておりません。
  13. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、税が納められないという人には二つあると思うのですね。一つは、悪質な人と、それから一つは、ほんとうに納めたいけれどもどうにもならぬというところとあると思うのです。その何億というような滞納をかかえておる人は、どう見ても、納めたいけれどもという人よりもむしろそういう意思、意欲のないほうの人じゃないかと思っているんですがね、何億という人は。一度あなたのほうでも、それは何年くらいたつのか、まあたとえば昭和三十九年三月現在だから、それはそれだったら四十年度で納められておるとか、あるいは年賦で納めることになっておるのだけれどもこうなったんだ——滞納のいいところ十名くらいのランクをつくってもらって、その理由は、どうして滞納しておるかというような点を一度掘り下げて、それは産業別にも業種別にも分けていただけば、およその見当がつくのじゃないかと思います。そういう資料をつくることが非常に困難だというなら別ですけれども、御提出願えばいいと思います。
  14. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) いまの点について資料ができるかどうか、あとから検討してみますが、ちょっと御参考までに昨年の九月末現在でどうして一千万以上の大口滞納になっているかということについての御参考になる資料がございますが、とても納められないということで猶予している、納税猶予しているというのが全体で七百二十二人でございましたが、そのうち二百四十六人は資産がなくて納められない。納付が困難であるということで猶予しているのが二百四十六人、税額にいたしまして七十二億ございます。それから、強制徴収という強硬手段整理中というものが二百二十人、六十億ございます。それ以外のものの大部分は、課税に異議があるということのために不服の申し立てをしているもの、あるいは破産で交付要求中または更生会社であるために処分保留中と、そういったような原因滞納になっておる、こういうのがその残りの部分であります。国の強徴処分で取ろうというのは、先ほど申しましたように全体の構成にして約三〇%の人員だけでございます。
  15. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 去年でもいいし、おととしでもいいが、あなたのほうで強制徴収、いわゆる告発あるいは競売、そういうようなことに付された件数というのはおよそ、三十八年でもいいし、三十九年でもいいが、どのくらいございましょうか。
  16. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 滞納整理ということで、それが強制で取ったか、あるいは督促に行って、督励に回って取ったかということは、はっきりと区分した計表がございませんので、いまおっしゃるように、財産を公売したのがどのくらいになるかということは、いまちょっと手元資料がございません。
  17. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 ごく常識的なことですが、普通、税の決定が来る、そうして異議を、ほんとに理屈にならないようなことをやったというような場合には、私は強制執行に入ってくると思うのです。そういうような場合に、普通あなたのほうが各税務署決定されるのは大体一年くらい期間があるのか、半年くらいなのか、三カ月くらいで結論を出しているのか、ずるずるいっておるものなのか、どういうような行政指導を常識的にやっているのですか。
  18. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) まず課税し、たとえば年度が過ぎまして、それで調査に行って更正決定が出るまでにどのくらい時間がかかるかという問題があると思いますが、それは大体いまのところ、所得税にいたしましても、たとえば現在でございますと、三十九年分の所得というものにつきまして低い確定申告を出された場合には、大体処理いたしますのが、大部分はことしの秋くらいまでには処理いたします。法人税にいたしますと、事業年度が過ぎて申告期が来まして申告いたしまして、それからあと半年、大きな法人になるともう少し長くかかるのもありますが、半年くらいの間に一応の処理は大部分のものは済む。ただし、調べた結果、非常に大きなのが漏れがその年度に出てくる、そういう場合には過去の年度についても漏れがないかということで、ずっと四年ないし五年までさかのぼって調べます。そうした場合には、非常にその結果、前はたとえば省略になっていた、しかし今度調べてみた結果、さかのぼって調べてみたらその年度についても非常に漏れがあった場合には、非常に長い期間、極端にいえば五年までさかのぼって課税するということになります。そうした例外的な場合には三年ないし五年さかのぼることもございますが、それ以外は大体、いま申しましたように一年以内に処理される、こういうことになっております。
  19. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 滞納が多いようなところは、普通にいうと、会社でいえば資本金関係上、公認会計士、そうでないところは税理士さんがいるわけですが、大体そういう税理士さんなりあるいは公認会計士の人が入っておるようなところが滞納が多いのか、そうじゃなくて、大体社長なら社長経理課の人を使ってやっておるというような、そういうようなことでは何かお気づきになった点はございませんか。
  20. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) ちょっとどちらが多いかということを計数的に申し上げるあれもございませんが、たとえば更正決定を受けて非常に大きな誤算が出たために滞納になるという会社が多いのでございますが、そういうところは確かにワンマン経営があった。自分所得を隠して資産を抜いていた、そういうような場合には、あとから見つかって大きな更正決定を受けたために滞納になった、そういう会社は多いだろうと思いますが、それ以外に一般原因滞納になった場合に、いまの税理士あるいは公認会計士がタッチしていたか、あるいは企業経営者が独自で企業を切り回していたかということは、どちらが多いかということは判断できる資料を持っておりませんので、お答え申し上げられません。
  21. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 今度は三つほど新しいところが出てくるのですが、大体あなたのほうも、予算関係上いろいろなものがあって、年間にどういうふうにしたらいいか、来年はどうだと、こういうようなことは計画をずっとお持ちになって、そうして四十年度分はこことここだと、こういうふうになると思いますが、たとえば五カ年計画とかあるいは三カ年計画ですか、そういうようなことではやっておみえになりませんか。
  22. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 一般的な方針といたしましては、御承知のように、税の仕事大都市に非常にふえてきておる、小都市でも減らずにふえておるのですが、その間に格差が非常に大きい。定員はそうふやさない限りは、どうしても大都市税務職員を集中していく、こういうことになりますために、一般的な方向としては、大都市税務署をふやしていく。それから、地方の比較的定員が減ってきた税務署については、極端な場合は廃止する、こういうことをやるという、基本的な方向はそういうふうに考えております。  実はこれで税務署新設いたしましたのは、最近では三十八年からでございます。三十八年に兵庫県で一つ税務署廃止して、大阪の税務署をつくっておる。一対一で総数は変わりません。新設一つでございます。昨年は五つ税務署新設いたしまして、廃止いたしましたのが三つでございます。それから、ことし、いま御審議願っておりますのが、新設三つ廃止二つ、こういうことになっております。奄美大島が復帰したときに一つ税務署がふえた。それ以前は終戦後の混乱期にふえたことはございますが、それ以後最近の状況といたしましては、大体このように三つとか五つとか、その税務署をふやしていって、若干それより少ない数の税務署廃止しておる、こういうことになっております。  来年度以降どうするかということについては、まだ検討を始めておりませんが、ただ、いろいろ、廃止するということにつきましては、地元の納税音の便益ということも考えなければならないために、非常にむずかしい問題がございます。廃止の見合いとしてどの程度新設をやっていったらいいかということは、今後慎重に検討してまいりたいこういう段階でございます。
  23. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私の質問もいけなかったかと思いますけれども、私は税務署人たちが相当いい環境の中で仕事をやってもらわなければたいへんなことだと思うのです。実際、仕事はえらいことだし、月給も安いことでありますし、せめて仕事をされる場所はいいところで——いいといっても極端なところでなくて、明るくて能率のあがるようなところがいいと思うのです。そういうような改築というような点については、これも年々計画を立てておやりになりはしないか。そのことに実は触れたかったわけです。
  24. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 私、先ほど御質問を間違えまして、税務署新設のことをお答え申し上げましたが、庁舎新築ということでは、本年度新営を認められて、いま御審議を願っております税務署の数が三十署ございます。昨年が——いまちょっと手元資料がございませんですが、昨年も大体その程度、もう少し多かったかと思いますが、その程度新築いたしております。全体で五百六の税務署でございますから、そのうちの三十署がこの一、二年新築されている、こういう状況になっております。
  25. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 だから、そのことについて、まあ五百六カ署なら五百六カ署が、若干周辺都市ですかというようなところにあって、これは木造でもいいけれども、あとはまあコンクリートにしなくちゃならぬじゃないかというような、たとえばこれの半数はどうもコンクリートにしていかなくちゃならぬ、そこで五カ年計画として改築のほうではこういうふうにしていくというような、そういう長期プランがございませんでしょうか。
  26. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 現在、税務署新築いたします場合には、原則として全部鉄筋コンクリートでやっております。たとえば、さっき申しました三十署のような新築税務署は、原則として全部鉄筋ということになっております。
  27. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 改新築ね、新築じゃなくて。わかりました。
  28. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) それから、その計画年度計画として、大体どういう長期見通しで、税務署幾つぐらいずつ建てていくかということを、実は予算要求のときにはもちろんそういう長期見通しのもとに予算要求をするのでございますが、たとえば、ちょっと手元資料がございませんで、大体もう少し大きな数を一年度に建てていく、それで現在古い庁舎が全体で幾つある、そのうち毎年幾つずつ建てていって、何カ年計画でこれを解消したいという計画はつくっておるのでございますが、いま手元資料がなくてお答え申しかねますが、長期計画はできております。
  29. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 宿舎の問題がしばしば、転勤ということも、長く同一のところにおるというのは一つの悪いこともあるから、転勤もある程度しなくちゃならない、まあ大体三年くらいだというような話も、内規にあるのかどうか知りませんけれども、そんな話も聞いておるわけです。問題になりますのは、住宅がいつも問題になってくるわけです。こういうようなことについてはどういうふうにやっておみえになりますか。今度も新設をされるということはわれわれもわかった。当然それについては住宅という問題が大きな問題になりますが、住宅のほうの問題についてはどういう長期プランを立てつつ、その中でやっていこうとしておみえになるか。
  30. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) ただいまお話のありましたとおり、税務職員は、仕事性質かなり強い公権力の行使を伴う仕事性質の面もございますし、また毎年転勤者が非常に多く出ております。したがいまして、どうしても宿舎を確保するということが非常に大事な国税庁としての仕事でございまして、このために毎年必要戸数というものを確保するということを、非常に国税庁の最重点な仕事一つとして取り上げまして、努力をしてきているわけでございます。  その結果、毎年かなり程度宿舎新築が認められておりまして、たとえば三十九年度で申しますと、二千六百四十二戸という数が、独身世帯まぜてでございますが、戸数新築が認められております。これが、たとえば数年前、三十四年を見ますと九百二十八戸であって、それ以後、たとえば三十六年は千百三十三戸と、逐年ふえておりまして、戸数は相当大幅にふえております。ただ、先ほど申しましたような税務仕事特殊性から、充足率寄舎必要戸数というのがどうしても非常に多くなりますし、また、税務署宿舎の中には非常に古い宿舎が多い状況でございます。またその上に非常に狭い宿舎が多い。こういうことのために、そうした、単に戸数だけじゃなくて、古い宿舎ないし狭い宿舎の建てかえということも必要になってまいりました。そのために、宿舎の数というのは毎年かなりの数を認められておりますが、やっぱり必要戸数というのは相当大きな数として残っておりますが、これにつきましては、三カ年計画でこれを解消したいという計画で、管財局宿舎新設を要求しておるところでございまして、ちょっといま手元資料がございませんが、大体一万二、三千ぐらいの戸数を三カ年計画で充足したいということで、毎年四千戸くらいの新築を認めてほしいということで要求いたしております。
  31. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 全体の住宅政策の中で、将来、官公庁の宿舎がふえてきてしまって、一般住宅がなくなるなんということは絶対ないと思うのです。そういうことは絶対あり得ないと思う。あんまりみみっちいのをつくってもらっても、私はいかぬと思うのです、将来の、特に鉄筋とするなら。ですから、相当太っ腹な計画をつくってもらう。ひいては、全部、住宅というものは、私のものに入っているものが少なくて、あと公営関係住宅にみんながはいれるというようなふうになれば非常に好ましいと思うわけですが、まああなたのいま三カ年計画という話を聞きまして、滞納を征伐するほうには計画がないようですが、住宅のほうには計画があるようですから、非常にいいことだと思うのです。それで、うんとひとつ努力して、四千戸が二千六百戸に削られたということはこれはまあやむを得ないかもしれませんが、何しろそういう、何といったって家庭生活が安定しないようなところにおいては、やはり対人折衝をされる上に一番最前線の人ですからね、その日その日でごきげんが悪かったりしたらたいへん迷惑なんですよ、一般国民から見れば。ですから、ぜひこの問題については力を入れて、次長を何年おやりになるか知りませんが、住宅のことはそう心配せぬでもやってくれるというようなふうに、ひとつぜひ努力はしてもらいたいと思います。  それからもう一つは、これはそう高くないでしょう。給料関係でいうとA、B、Cくらい、あるいはDくらいまであるかもしれませんが、そういうようなランクがあって、それに入れば幾ら、こういうことでやっておられるのか、それとも給料基づいて幾らという家賃できておられるのか、どっちですか、家賃は。
  32. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 家賃のきめ方は、管財局のほうできめておりますが、宿舎の坪数と、それからそれが鉄筋であるか木造であるか、それから経過年数が何年たって古くなっているか新しいか、そういうことできめていると思います。給料には直接比例いたしませんが、ただ、給料の高い人が比較的大きな宿舎に入るために、結果的にはそうしたある程度の比例的な関係はできておりますが、宿舎そのもの性質によってきまる、こういうことになっております。
  33. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 まず協議団の問題についてちょっと一、二点伺いたのだが、私はよく知らないのだが、この協議団というものは国税局を一審とし、それから、まあそういう言い方がいいか悪いか知らぬが、それから国税庁を二審として、それから裁判所を三審とする、まあ大体こういう見方でいいのですか。
  34. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 税務署調査して決定いたしました所得税法人税というものに対して不服のある者が、まず第一回は税務署に再調査請求をする、それに対して、その決定不服のありました者が国税局長に対して審査請求をする、それに対して国税局長協議団の意見に基づいて審査決定するわけでありまして、それに対してなお不服のあるという者は裁判所に提訴できる、こういうことになっておりまして、まあそういう意味で、行政不服決定までまぜますと、税務署段階で第一回、国税局段階で第二回、それから裁判所段階、こういうことになっております。
  35. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、国税庁というものはもう必要ないのですね。国税局段階で、あとはもう裁判と、こういうことになるのですか。
  36. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 国税庁がたとえば直接自分調査をしたとか、自分決定したというものに対しては、国税庁協議団に、国税庁長官に対して審査請求をするというきわめて例外的な場合がございまするが、それ以外はほとんど全部は国税庁審査決定というのはございません。困税局審査決定がありましたら、それからあと裁判段階に入る。いまおっしゃったとおりでございます。
  37. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そうすると、協議団が回してきたその指示を国税局できめれば、もう裁判にせぬ限りはそこで泣き寝入りだと、こう言わざるを得ないわけですね。
  38. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 裁判所に提訴する期間——審査決定がありましてから一定の期間がございますが、その期間裁判所に訴えずにそのまま経過すれば、もう行政処分としては確定する、こういう段階に相なっております。
  39. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そこで、国税局によっては協議団というものが、たとえば大阪のごときは神戸に支部があるとか、そういう一つだけでなく支部のある国税局というものは大体局としては幾つありますか。
  40. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 数がはっきり、支部の数が幾つということはちょっと記憶しておりませ
  41. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 相当数あるのですか。
  42. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 大体県庁所在地には一つずつ支部を置く。ただし、あまり事案のないようなところに支部を置いておくのはむだであるということで、二県を一つで持つというようなこともございますので、必ずしも県庁所在地に一つずつあるということにはなっておりませんが、大体の数といたしましては、各県に一つずつ、本部のないところは支部をつくると、こういうやり方をやっております。
  43. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それで、たとえばその協議団の所管の関係なんですがね、まあ大阪の、かりに心斎橋に本社を持っている、その社長さんが、住居を芦屋に持っている。そして、まあ相続税の問題でトラブルがあったというので、協議団に提訴をしますね、そういう場合は、何ですか、社長さんの——まあこれは相続税の問題だから、社長さんの住居のある所管の協議団、たとえば、具体的にいえば、神戸の大阪国税局の支部というものがやるわけなんですか。そういうたてまえをとっておるわけですか、従来。
  44. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) その処分が芦屋税務署なら芦屋税務署で行なわれた、それに対して不服があって審査請求をするという場合には、まあ審査請求の相手方はもちろん国税局長でございますが、その具体的な事案を審理するのは、原則として神戸の協議団ということになっておりますが、ただ、まあ事案がたとえば神戸に非常にかたまっちまった、そういう場合には、あるいは直接本部がやるというふうにはなっておりますが、原則として神戸でやる、こういうことに運営しております。
  45. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そこで、その協議団の構成ですね、これはどういうぐあいにやられるのですか。また、現にやっておるのですか。
  46. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 協議団は協議官三人を一つの班といたしまして、それで事案の審議をいたします場合には、その三人が協議決定をする。それを協議団の本部に送りまして、協議団本部でさらに審理した上、正式に協議団としての協議決定の意見をつけて国税局長に出す、こういうことになっております。
  47. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 大体、かりに大阪の例を一つあげますが、大阪の協議官は大体、何ですか、大蔵省出身の人が多いのですか。国税庁出身、ほとんどそれでかたまっているのですか。
  48. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 身分は全部もちろん国税庁の職員で、国税局ないし税務署税務の出身ということになっております。ただ、その経歴を見ますと、二十五年当時に外部からかなりの経験を持った人を協議官として採用いたした職員がたいぶ——これはまあそれから十五、六年たっておりますが、そうした方々ももちろんその協議官の中に、協議官としてその協議決定に加わることになっておりますが、もちろん身分は全部国税庁の職員と、こういうことになっております。
  49. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そこで、おわかりになっていますね、最近の三十——暦年でもいいのですが、協議団に提訴された数というものは大体どのくらいありますか。
  50. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 三十八年度の一年度間に、協議団審査請求のありました件数が七千七百九十二件でございます。
  51. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 そのうちで、内容としまして、そのままというか、まあ原告の異議を申し立てることをせずに下げ渡したもの、あるいはその異議を妥当と認めたということによって、内容が変わってきているというような問題についてのあれはおわかりになりませんか。
  52. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 同じく三十八年度で申しますと、先ほど七千七百九十二件と申し上げましたのは、審査請求のありました件数で、実際処理しました件数は五千六百四十件となっておりますが、その内訳を申し上げますと、審査請求をした方が取り下げをされたというのが九百九件ございます。それから却下になったのが五百二十七件——審査請求の形式要件にそぐわないということで却下になりましたのが五百二十七件、それから、納税者の主張に根拠がないということで棄却になりましたのが千四百八十八件、それから今度は、納税者の主張した理由があるということで、原処分が取り消された、また全部の取り消しでなくてもその一部に理由があったということでまあ一部取り消しになって、その結果原処分が変更になったというのが二千七百四件、そのほかに十二件その他というのがございます。したがいまして、さきに申し上げましたように、処理いたしました五千六百四十件のうち、約半分が納税者の主張が全部なり一部通っておる、こういう結果になっております。
  53. 大竹平八郎

    大竹平八郎君 それは国税局からむろんそのつどあなたのほうに報告があるでしょうね。事件ごとというわけにもいかぬだろうが、それはどういうのですか、年度内とかあるいは一カ月とか、期限をきめてその報告をしてくるのですか。
  54. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 報告は、いま申し上げましたのは一年度間でございますが、大体四半期に一回の報告だと記憶しております。
  55. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 きょう国税庁長官、ちょっと見えないようですけれども、この国税の問題のときに、いつもこの委員会で、私も問題にしましたけれども、いわゆる納税者の権利の問題で、いわゆる全国民主商工会というのがありますね。その商工会関係に関する問題については、最近この国税庁長官もかわったようですが、何か新しいそういったことについての考え方とか対策とかというものが打ち出されたかどうか、その点をちょっと聞きたいのですが。
  56. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 民主商工会の反税的な動きというものが変わらない限りは、国税庁といたしましては、これらに対して調査の徹底をはかっていく、適正な課税を実現するという方針には変更ございません。
  57. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 この話し合いをするとか、まあもちろん団体交渉といったようなそういう強い性格のものではないのだけれども、実情について話し合いをするとかというような点についての何というのですか、一歩前進といったような姿勢は打ち出されていませんか。
  58. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 話し合いと申しますが、納税者からいろいろ、もちろん課税の調査の場合にいろいろ主張はございますが、ほんとうにそれが理由があるということになれば、納税者との間でいろいろ課税の問題について話し合うということはもちろんございます。いま御質問があるいは民主商工会自体との話し合いということかと思いますが、これにつきましては、納税者個々の課税内容について話し合うということはもちろん法律上できないことになっております。したがいまして、従来どおりそうしたことについてはそうした団体と話し合うということは考えておりませ
  59. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 従前はやっていたわけなんで、つまり、最近における民主商工会に対する当局の考え方が変わってくるに従って、そういうことが実情においてできなくなっているので、むしろ数年前は盛んにそれをやっていたわけなんです。で、最近、ごく最近の事例で何か顕著なトラブルが起きたとか、こうだとかいうようなことがあります
  60. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 最近、まあ非常に顕著な調査妨害を行なう、調査の忌避を行なうといった事例が若干減ってきているようではございます。しかし、まだ方々でやはり依然として調査を忌避する、こういったような事例も出ております。顕著な事例というのがどの程度までのことのお話かはっきりいたしませんが、依然としてこうした事例が全然なくなったわけではございません。
  61. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 昨年、あるいは一昨年、この問題が起きてから、今日の経過を見てみると、若干つまりそういう点についての話し合いといいますか、両者の間で何らかの意味でのそういう点における歩み寄りというか、そういう機運というものが見えますか。
  62. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) まあ非常に顕著な反税、調査妨害的な行為が減ってきているという、事によりましてはそういうところが推察されるわけでございますが、しかし、はっきり依然として全然なくなったわけではございません。そうした点で、はたして全部についてそうした方針を取りやめたのかどうかということにつきましては、はっきりいたしません。
  63. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 そうすると、あなたがさっき言ったように、つまり反税的な動きというものは単なる、それはつまり実情ではなく、概念的にそういうことを考えたのであって、事実においてはそういう顕著な動きがないにもかかわらず、なぜ一体商工会について反税的な動きと一番最初あなたが答えたようなそういう、つまり頭からそういうことをきめてかかる必要があるのですか。
  64. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 御承知のとおり、現在まで民主商工会の会員というものに対する税務調査で、こちらが参りました場合に非常な妨害を受ける……
  65. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 あなた、さっき顕著な事例は一つもないと言ったじゃないですか。
  66. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) あったと。したがって、いままで民主商工会の活動そのものが税の調査を妨害するということによって非常に低い申告をするという実例が非常に多かったために、そうしたことを反税的な動きであると、こう申し上げたわけであります。ただ、現在、先ほど申し上げましたように、一般的にすべての場所で顕著な調査妨害あるいは調査忌避が行なわれるということが減ってきておる。したがって、表面的には若干平穏な状態になってきたと、こういうことを申し上げただけでございます。
  67. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 それは国税局が別に思想調査をするというところでもなければ、政治的な動向を調査するというところでもないのですよね。ですから、税金の問題で、表面的にとあなたはおっしゃるけれども、そんなその個々の人間の思想的、政治的調査をするわけではないのですから、表面的には、つまり租税政策上あなた方の立場から見て、表面上そうたいしたことはなくなってきた、顕著な事例といわれるようなものがなくなったということなら、もう反税的な動きとか反税的な団体とかいうようなそういうきめ方でなくて、やはり軌道に戻すように話し合いの方向を進めていくべきではないですか。去年、本委員会においても、各地の委員会の調査報告の中でも、なお依然として民商との関係の問題は、出先の税務署においては問題の一つだということを報告されておるわけです。しかし、それはやはり主観的なところもあるいは双方にあるかと思いますけれども、しかし、少なくとも顕著な事例がなくなった今日、もう反税的な団体とか反税的な動きがあるというようなそういう見方で対処するのではなくて、やはりこれを納得して税を納めるという方向に向かって進んでいくべきだと考えますが、これについては具体的にそれをやるについての考え方をあなた方がお持ちになっておるかどうか。
  68. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 先ほど申し上げました、表面的に平静な、平穏な状態になってきたと申し上げましたのは、すべてこうした会員の方々が調査の妨害とか忌避とかいうことをすべてやめられたというわけではございません。まあ露骨な方法による調査妨害などの行動は若干影をひそめてきたということにはなっておりますが、しかし、依然として、たとえば税務署の管内がかわりまして、その管内におきましては依然としてこうした調査妨害、忌避をやるとか、あるいは手元資料がない、それからいない、それから都合が悪いということによる調査の引き延ばしなど、かなり方法は若干えんきょく化しておりますが、依然として、程度の差こそあれ、調査妨害、調査忌避はある。こういう状態がなくならない限り、こちらとして全体としての話し合い、あるいは調査の手をこちらはゆるめていくということに態度を変更するまでにはまだ至らない、こういうふうに考えております。
  69. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 昨年は川崎の税務署あるいは湘南の税務署あたりでは、民商の会員入るべからずということで立て札を税務署の門のところに——立て札ではなくてつまりビラですね、ビラを張っておる。ポスターみたいなのを張ってある。ああいうふうなことは最近はなくなりましたか。まだ依然としてあれはそのまま続けているのですか。
  70. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) ちょっと現状を把握いたしておりませんが、そのビラは現在はもちろんないと思いますが。
  71. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 これについては、まずあなた方のほうから、やはり税金は納得して納めるものだというたてまえをとって、特に零細な企業もしくは生業の人が多いのですから、こういう人の立場を考えて、それでなくとも今日中小企業の倒産が多くて非常に商売をやっている人たちがやりにくい状況に置かれている条件も十分ひとつ考えて、いままでの、つまり民商は反税的団体なり、大蔵大臣が事もあろうに本会議でそういう答弁をするようなことは、むしろ事態を非常にいたずらに先鋭化した事情もあるので、もし顕著な事例が全国的に影をひそめて、若干の個々の問題はあるでしょうが、これは必ずしも私は民商の会員に限らないと思いますよ、こういうことは。ですから、たまたまそういう個人があったとしても、それを民商という団体の責めに帰して、これを反税的動きをするものだ、反税的団体であるというふうなそういう形で頭から臨んでくるという態度は、もはややめるべきだと、実はそういうふうに私たち考えますが、いかがですか。
  72. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 国税庁といたしましては、単に抽象的に民商が反税的な団体であるというふうにきめつけておるわけではございません。先ほども申しましたように、過去におきまして、また現在においても依然として、程度の差こそあれ、あるわけでございます。調査の妨害をする、調査の忌避をする、こうした態度が依然としてまだ残っているということを、そうした事実に基づいて、そうした面をとらえて反税的な行動に出ているということを申しておるわけでございまして、そうした態度を改めていただかなければ、ただいまのようにすべてについてできるだけ話し合いに行って調査を省くというようなことには、現在のところまだ考えておりません。  ただ、先ほどお話のありました小企業の納税者に対する税務の指導ということにつきましては、いろいろ商工会、また青色申告会、税理士会、そういったものと提携いたしまして、小企業納税者が十分な税の指導を受けられるという態勢を整えるように努力いたしておるところでございます。
  73. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 私はこれで質問終わりますけれども、あなたが先ほど言っておるように、つまり顕著な事例があるかという私の質問に対して、そういう個々の顕著な事例はありませんと言っているわけですから、もしあったら具体的に言ってくださいというのです。最近——最近といっても今年度ですよ、あったら言ってください。しかし、あなたはそういうことはなくなった、表面上は非常に違ってきたということをおっしゃっているのですから、そうであるならば、何もそれが表面上といっても、大体そういうことを何か底意のあるかのごとく見ないで、そこまでくるならば、これは国税庁みずから反税的な団体であるとか、そういうふうなことをきめつけて問題を荒立てていくという態度は正しくないのだ。ですから、それは個々のケース——個々のケースというのは何も納税者が民商の会員であるといなとを問わず、さっきの大竹委員の質問によっても約八千件近いところのそういうような問題が起きるのですから、ですから、それはひとり民商なるがゆえに反税団体だとか反税的な行動だとかというような見方が正しくないのであって、これがつまり一つの思想的、政治的なワクを持った見方であって、やはりこれは個々のケースとして片づけるべきものがもはや大半だろうと私たちも考えているので、したがって、そういう立場で、民商とか民主商工団体とかいうものを特別の、つまり反税的な団体というふうに見るという見方、これはもうおやめになってもいいんじゃないか。あなたは一番最初に、つまり私が質問したときにも、民商はなお依然として反税的動きをしているということを最初お答えになりましたけれども、つまりこういうお答えをするその考え方ですね、その姿勢が正しくない、今日はもうそれを改めるときに来ているというふうに私たちは考える。もしあなたがそうでないとおっしゃるならば、個々の具体的な事例について、顕著な事例についてひとつ説明してください。
  74. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 先ほど私が顕著な事例がなくなったと申しましたが、それはそういう調査妨害ないし調査の忌避の事態がすべてなくなったといった意味で申し上げたのではございません。非常に、昨年、一昨年に見られたようなきわめて顕著な事例がだんだんと減ってきた、こういうことを申したわけでございます。  それから、協議団の協議決定の結果、非常に税務署調査のほうが間違っていたという事例が多い。このように税務署調査というものは必ずしもすべてが正しいのではないから、よく話し合っていこうという話であります。したがいまして、たとえば民商の会員の方々が十分調査に協力していただいて、帳簿を見せていただく、質問にも答えていただく、その結果、税務署調査の課税額が間違っていたという場合には、正規の再調査なり審査なり、あるいは訴訟という手続がありますので、そうした手続で救済をはかられるということもお願いするんでありまして、その前にまず調査を受けないように、いないとか、あるいは都合が悪いとか、あるいは帳簿がないとか、そういうことをいって調査を受けられない。お話の結果、非常に課税の低い申告をそのままにされるということはぐあいが悪い。ですから、そういう調査ということの妨害忌避をやめていただいて、その結果の争いについては、一般の納税者と同じように、正規の手続で争っていただく、こういうことをお願いしたいと思っているわけでございます。
  75. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 私はもうやめようと思ったが、そういう一般的なことを言っているのではない。私なんかのほうは出かけていって話をしているので、内容はよくわかるのですけれども、顕著な事実がなくなったとき、つまりそういう調査とかなんとかいうものについて顕著な事例がなくなったときに、われわれとしても、その話し合いの余地があるのだ、それがなくならない限りだめだということを、実際何回も繰り返して言っているのです。しかし、顕著な事例がなくなったとさっきおっしゃったじゃないですか。だから、そういう時点のときに問題を正規に返すという立場をとるべきではないか。そこに差別待遇があるということです。たとえば税務署の窓口において、先ほど言ったように、川崎にしても、湘南税務署においてもそうなんです、民商の会員は入るべからずという、つまりビラを税務署の入り口に張っているという、そういう差別待遇があるから、依然として尾を引くのです。そういうものをもう今日は——あなたはまだ実情を十分つかんでおらないとおっしゃったけれども、そういうような顕著な事例がなくなった今日は、つまり民商の会員なるがゆえということでの差別待遇をやめるべきだと、そうして問題を軌道に返していくべきときではないかと、そういうことを言っているのです。一般論をここで何回もやりとりしてもなんですが……。
  76. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 顕著な事例というのがどの程度までの事例か、その程度の問題でございます。  それから、先ほど、まだ調査の妨害、引き延ばしの事例があるということを申し上げたわけでございます。その具体的な事例につきましては、ただいまちょっと手元資料がございません。全然なくなったわけではございません。まだ依然としてございまして……
  77. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 報告するほどの材料がないんでしょう。
  78. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 手元にちょっと資料がございませんが、依然としてそうした事態は、妨害ないし忌避が行なわれている、こういうことを申し上げたわけであります。
  79. 田畑金光

    ○田畑金光君 私、しろうとなんで、あまりわからぬのでお尋ねするのですが、今度三つ税務署を設ける、これで全国で五百七の税務署が全国にできると、こういうわけですか。  そこで、この税務署新設するについては、地方自治法の百五十六条の第六項の規定基づいて国会の承認事項だ、こういうことになっておるようですが、同時に、今回税務署をなくする、統合する、こういうこともあるわけですね。このあとの場合はこれはどういうことになるわけですか。要するに、国会の承認事項であるのかないのか、廃止するとかあるいは統合するとか、こういう場合です。
  80. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 今回廃止いたします税務署は、北海道の壽都の税務署と、それから九州の豊後高田の税務署でございますが、この税務署新設につきましては、地方自治法規定基づきまして国会の承認が要るわけでございますが、廃止につきましては国会の承認なく省令の改正ということでできるような法制のたてまえになっております。
  81. 田畑金光

    ○田畑金光君 統合するというような場合は、これは新設に相当するということで国会の承認事項、こういうことになるわけですか。
  82. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 統合と申しますのは、一つ税務署廃止して、その事務が、もう一つ税務署の管轄区域が他の税務署の管轄区域に入るということでございますので、これは新設ということには該当いたしませんで、これも国会の承認は要らない、こういうことになっております。
  83. 田畑金光

    ○田畑金光君 新設する場合と、それから統合する場合と廃止する場合と、取り扱いが法律的に違ってくるわけですね。いずれにしても、住民の利便とか税務行政のあり方から見た場合に、新設の場合であろうと廃止の場合であろうと、国民の側から見ればこれは同じことだと、こういうように思うんですが、どうしてそのような取り扱いの違いがあるのか。この百五十六条の六項を見ればそれはわかりますけれども、実体的にどうしてそこに差別をつけなければならぬのか、その理由がのみ込めないのですが、これはひとつ見解を承っておきたいと、こう思うのです。
  84. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 地方自治法の趣旨、私のほうから御答弁するのは適当かどうかわかりませんが、国の行政官庁を地方につくっていくということになりますと、地方自治との関係で、国の事務と地方の事務というものとの競合関係が起こる。したがいまして、地方自治との関係でここに国会の承認を要するということにきめられたのだそうでございまして、納税者の利便が新設の場合と統合の場合といずれの場合にも相当な影響を受けるという点から考えれば、趣旨としては同じでございますが、その前者の考え方で、地方自治の尊重ということから国会の承認を得るというふうに聞いております。
  85. 田畑金光

    ○田畑金光君 私もおおよそそうであろうとは推察できるわけですがね、まあ税務行政だから地方税の徴収事務とも似たりよったりだということで、国の事務と地方自治体の事務との競合ということも一応考えられますけれども、しかし、それぞれ法規に基づいて仕事の分限というのははっきり明確化しているわけですね。またさらに、大蔵省の出先の仕事なんか見ますと、百五十六条の第七項によれば、「税関の出張所及び監視署」、こういうのが別段国会の承認事項でなくてもいいと書いてありますね、私もいま初めて読みましたが……。こういうようなことを見ますと、大蔵省にたくさんのやはりその他に出先機関もあると思うのですが、百五十六条六項に基づいて国会の承認を経なければならぬというのは、大蔵省関係ではどのような出先機関が該当するわけですか。
  86. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) ただいまお話にありましたように、地方自治とあまり競合しないような官庁の出先機関というものにつきましては、この地方自治法規定によりましてはずしております。したがいまして、その意味からいいますと、税務署などというのは一番——一番といいますか、比較的承認を要するという色彩の薄い官庁ではないかと思いますが、現在のところはいずれも承認を要することになっております。  大蔵省関係ではずされておりますのは、いまお話しのありました税関の出張所及び監視署、税関支署の出張所及び監視署ということに自治法の規定はなっておりますが、たしかそれだけだと。ちょっと所管でございませんのではっきり記憶はございませんが、それ以外あるかどうか、ちょっと責任ある答弁はいたしかねます。
  87. 田畑金光

    ○田畑金光君 私は、この点が、いまの点が地方自治法の百五十六条第六項の規定基づいて承認を要するということが非常に実情に沿うのかどうかという疑問を持っているわけですがね。試みに、大蔵省設置法の第一条を見ますと、「この法律は、大蔵省の所掌事務の範囲及び権限を明確に定めるとともに、その所掌する行政事務及び事業を能率的に遂行するに足る組織を定めることを目的とする。」、大蔵省設置法の第一条に明確にこういう目的が明示されていて、これに基づいて大蔵省の組織令ができておる。これは主として、組織令を見ますと内部部局のようですね。それから、大蔵省の組織規程に基づいて、またさらにこまかく規定されておりますが、大蔵省の組織規程の第三章国税庁、第四節 税務署、これを見れば、別表に税務署を設けておるところがずっと書いてあるわけですね。だから、税務署をふやすとか減らすとか統合するなんということは、この別表の改正だけで十分用は足せると思うし、また国会の意思も十分聞けると思うし、国の出先機関を設けるときには国会の承認を得なければならぬといっても、この設置法の改正だけでも現在のところでは十分国会の意思というものは聞けるわけですね。そういう点から見た場合に、私は地方自治法百五十六条の第六項の存立趣旨、意義というのがないと思うのですけれども、そういう疑問をお持ちにならぬか。また、あなた方としても、むしろ大蔵省設置法の関係で付表などの修正でこういう案件は処理したほうがいいようにお考えになりませんか。
  88. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 先ほどお読みになりましたように、現在税務署設置場所、管轄区域については、大蔵省組織規程の付表で規定されておりまして、したがいまして、設置法系統の法体系から申しますと、税務署新設廃止、統合はこの組織規程の付表の改正だけでよろしいわけでございます。組織規程が省令の形をとっておりますので、省令の改正だけでそうした地方自治に影響のあるような官庁の新設を認めていいかどうかという趣旨から、この地方自治法ができているんじゃないかと思います。  ただ、先ほどお話し申し上げましたように、現在の国税の仕事というのが、この百五十六条の規定によりまして国会の承認を要するという趣旨から見まして、比較的その色彩は薄いんではないかと、こういうことは考えております。この中からはずしていいかどうか、はずすべきかどうか、ちょっと私個人としての見解を申し上げることは差し控えさしていただきたいと思います。
  89. 田畑金光

    ○田畑金光君 いま私、省令で、あるいは政令でやればいいんじゃないかという点は、少し私もこれは思い違いしておりましたが、たとえば、法務省の出先の法務局の出張所を設けることかなくするとかいうような問題等も、たとえば法務省設置法の一部改正という形でくるわけです。私は、大蔵省設置法の一部改正でやれば、こういうような別の地方自治法にまで持ってこなくてもいいじゃないかという実は議論なんです。だから、そういうようなことが実情に即していいんじゃないかという気持ちでおりますけれども、これはまあいまどうするということでもないでしょうから、これは十分ひとつ御検討願っておきたいと、こう思うんです。  今後どうなんですか、去年もふやした、ことしもふやした、来年もふやさなくちゃならぬ、こういうようなことで、この法律の趣旨の説明にもありますように、いろいろ社会、経済が進展するに応じて税務行政なんかも複雑多岐にわたってくるし、さらに正確を期さなければならぬ、こういうふうなことから見れば、毎年税務署等については漸増しなくちゃならぬというようなことになっていくと思うのですが、そういうような見通し等についてどうなんですか。
  90. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 税務署の数、先ほどお話ししましたように、税務署仕事というものがかなり都市において過重になってきている。したがって、職員の数もふえている。こういう場合には、なるべく納税者の利便ということ、それからまた税務官庁の内部の業務管理という点から見まして、あまり膨大な税務署ができてしまうということは望ましくないんではないかと。そういうことで、そうした観点だけをとらえますと、なるべく税務署の数をふやして納税者に対するサービス、きめこまかいサービスの徹底が期せられる、あるいは内部の業務管理が十分にできるという体制をつくっていったほうが望ましい。そういう意味でなるべくそうした地域につきましては税務署の数をふやしていったほうがいいと思うのでございますが、ただ、何ぶん税務官吏の数が全体として五万一千足らずでございます。そうした場合に官庁を一つ——税務署一つつくるということになりますと、ある程度どうしてもそうした管理要員が必要になってくるということから、そうした面で人員の効率的な配置という点から見ますと、若干そうした面でマイナスがある。それからまた、行政機構が新設ばかりでふえていくということになりましては、行政機構の膨大化というあまり望ましくない事態になりますために、一方において現在までのように税務署の数を減らして、幾つかの税務署廃止していくと、こういうことになるわけでございます。そうした場合には、やっぱり地元の納税者に対する、遠いところまで税務の相談や申告に行かなければならないといったような不便もございますし、また地元民のいろいろな感情にも沿わないというところがございまして、するほうは大体において望ましい。組織の拡大でありますが、一方においてそれに見合って廃止するということにつきましては、かなり地元との間で利害の反するところもある、こういうことになりますので、そうしたところを全体として検討いたしまして、どの税務署を将来分割するか、またどの税務署廃止しても、たとえば交通機関の関係とかあるいは地域の広さということでそれほど弊害がないかということにつきましては、一つ一つ具体的に検討いたしておる現状でございます。まだ現在、たとえば来年、再来年幾つ廃止して幾つ統合するということの結論が出るまでの段階に至っておりません。
  91. 田畑金光

    ○田畑金光君 これは私もまだ正確に、あるいはまた詳しく勉強していないのですがね、税務署の職員に優秀な人を集めて、大いにひとつ税務行政を通じ国民に奉仕してもらうということは、われわれ大いに賛成ですが、端的に承りますが、税務署の職員という中で管理職という人方というのは一体どの程度におるのか。特に、いろいろ地方税務署がありますが、ああいう税務署なんかに管理職の職員というのは一体どの程度までになっておるのかですね。ことに、これは税務署の場合もそうだったと思いますが、昨年の暮れですか、人事院が管理職手当を上は二五%から下は一二%まで大幅に引き上げましたね。そうしてまた、管理職手当の支給対象人員というものを相当ふやしましたね。これはいろいろILO条約の批准に伴う国内法の改正とも関連しておると見ておるんですがね。管理職手当をふやし、管理職の範囲を広げておりますね。税務署の場合はその結果どのようになっておるのですか。
  92. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 役付の数という場合のその役付をどこまで入れるか、管理職とおっしゃいましたが、管理職の数にどこの範囲まで入れるかということによりまして、その数が変わってまいります。たとえば国税庁で申しますと、五百十人……
  93. 田畑金光

    ○田畑金光君 それは署長の数でしょう。
  94. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) いや、本庁でございます。まあ、税務署だけ申し上げます。税務署が一番わかりやすいかと思いますが、税務署で申し上げますと、署長が五百六人、副署長が百二十四人、それから課長が二千二百二十九人、課長補佐が三百五十七人、係長が六千八百八十四人、まあこれが一応いまおっしゃった意味での管理職だと思います。  ただ、そのほかに、たとえば税務署調査官、高額納税者を調べたりする実地の、管理職じゃなくて実際に調査する職員でございますが、それの能力の高い者、そういうものをたとえば調査官、徴収官というようなかっこうで置いております。そうした数でありますとか、あるいは署の主任といったような職員、こういうものをまぜますと、もっと数はふえます。しかし、これは管理職というよりは専門職という色彩が強いために、一応管理職という範囲からははずしてお答え申し上げました。  それから、管理職手当、どこまでついたか、ふえたかというお話でございまするが、これは前年までは、税務署で申しますと、署長、副署長が管理職でございましたが、ことしから税務署の課長も全部管理職手当がつくということになりました。
  95. 田畑金光

    ○田畑金光君 そうしますと、いままでは署長、副署長だけであったが、課長までは全部管理職手当がつくようになったわけですね。係長までは行っていないのですね。
  96. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 行っておりません。
  97. 田畑金光

    ○田畑金光君 そうしますと、管理職手当をもらう課長というのは、先ほどの御説明のあった二千何百名、こういうことでしたね。こういう人方は結局、今度は公務員法の改正なんかも、だんだんILO条約批准に関連して改正になってくるとすれば、管理職という立場で当局としては非組合員これは人事院の規則によってきめるのだとは思いますけれども、そういうようなことにだんだんなっていくでしょうね。
  98. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 国家公務員法の改正案ができて実施されてみないと、ただいまお話のありましたように、はっきりどこまでが管理職に入るかということは、人事院としてもきめかねるだろうと思いますが、あるいは課長というものが一般の組合員の中からはずれる、こういう結果になるかもしれない、こういうふうに考えております。
  99. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 ちょっと、時間もさることながら、主税局長がお見えになっているから、物品税関係資料を、これは衆議院のほうに資料を御提出になったものは全部こちらのほうにもということでしたが、手元にないものですから。衆議院のほうで要求されなかったのか、あるいはこっちに回ってこないのか、ちょっとそこはわかりかねますが、こういう資料をお出し願えないでしょうか。  小型乗用車を、今度こういうふうに暫定税率を変えていくというわけですが、そのもとは昭和四十年度の上半期に自由化する見込みなんですね。見込みがはずれれば、これはなしになるという前提に立っておみえになっているのか。これは質問になってしまったのですが、それを先にお答えになってもらいましょうかね。
  100. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 今度の物品税の改正は、四品目について暫定軽減税率が設けられておりますのを、さらに三年間なお暫定軽減税率を設けるというものでございまして、そのうち小型乗用車につきましては、お話のように本年が、上半期とは必ずしも限りませんけれども、私どもとしては少なくとも本年中に自動車の自由化が行なわれると。先般、通産大臣は国会におかれまして、上半期中に自由化を行ないたい、こう言っておられますが、いずれにしても、本年中に自由化が行なわれるということ、それから他方において、地方税でございますが、自動車税の税率が自家用車を中心に五〇%引き上げられることになっていること、それから石油ガスに対しまして新しく課税を行なうようになること、これらの関連を考えまして、一挙に本則税率の二〇%に戻すのは適当でないではないかということから、三年間漸進的に本則税率に持っていくという考えをとったのでございまして、自由化が本年中に行なわれなければこういう改正をやらないのだということではございません。
  101. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 このことにつきましてはあらためて議論しますが、それに関連して、それに関係しての資料要求ですが、これだけ税が四十年度は一六%、四十一年度は一八%に上がっていくわけですが、これが消費者に完全に転嫁されるものか、それとも値段が下がって、生産の関係で下がっていって、それはコストダウンされていって、どっちみちそれは税を負担するということになるけれども、税が上がっただけ単価が上がるのじゃない、コストダウンができるのだ、こういうことが私は一番大切なことだと思うのですよ。そういうことを勘案しながら、この一六、一八ということをおやりになったのだろうと思う、そうでないと意味がないと思いますから。そこで、そういうふうにお考えになっている基礎的な算定数字、それから競合すると思われる外国車の単価がどのくらいに動いているか、その比較が一つですね。  それから、もう一つは、小型レコードはすでに自由化を三十七年にできておるわけです。ところが、またこれが四十年までに基本税率に戻そうとしている。これは一体どのくらい、昭和三十六年度を一〇〇とした場合に、単価がどのくらい動いてきたのか、三十七年度、三十八年度、三十九年度、そうして今後動いていく四十年、四十一年、四十二年の見通しをもらいたいと思うのです。いわゆるこういうことをやってきた以上は、それが単価にそのまま税率が上積みされずにコストダウンされているだろうと思う。もっといえば、それに対してどのくらい生産の伸びがその裏づけとしてあるかということも資料としてお出し願いたいと思います。それが二つ資料です。  それから、カラーテレビジョンの受像機ですが、これも自由化されたわけですが、これはできてから相当に日にちもたちますから、昭和三十六年なら六年を起点にしてどのくらいずつ伸びてきているかというような資料があればお出し願いたいと思います。
  102. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御要望の資料、現在までの統計はお出しできますけれども、将来どういうふうに動くと申しますか、なるだろうかということは、ちょっと私ども見通しかねます。ただ、過去の計数から、将来このように大体、たとえば小型乗用車にしてみれば、過去においてこれだけのコストダウンが行なわれている、したがって今度の増税額が一六、一八、二〇になった場合にその金額はどのくらいになるか、それならば企業努力によって吸収し得るのだろうかということは、過去の数字を基礎にすればできると思います。そういう意味での資料を差し上げたいと思います。四十年に自動車のコストがどのくらいになるかということは、私はちょっと見通しかねます。
  103. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いや、ぼくが最初話したが、こういう品税を改正されるのは、小型レコードでもカラーテレビジョンでも同じです。相当業界と話し合っている一応見通しの数字はあると思うのですよ。全然なしで、いや、昭和四十年度は一六にする、そのときの単価はどのくらいになる、四十二年度はどのくらいになる、二〇%になればどのくらいになる、その話もせずに、そんなことをやっちゃおみえにならぬと思う。これはあなたのほうも責任ある数字とはいえぬかもしれぬが、参考資料なら参考資料という形でもいいから、出してもらいたい。
  104. 田畑金光

    ○田畑金光君 それといまの小型自動車についての輸出市場別、そういうようなものもひとつあれば同時に出してください。
  105. 西田信一

    委員長西田信一君) ただいまの資料は御提出願えますか。
  106. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 御要望の資料は、できるだけ作成いたしまして提出いたしたいと思います。ただ、今回の物品税の改正につきまして、業界のほうからは、これは御承知のとおり税率を上げてもらわないほうが得なわけでございますから、上げられるとたいへんだという陳情は来ますけれども、四十年度になればコストは幾ら下げますということは決しておっしゃるものではございません。私どもが過去の数字からいたしますと、自由化の問題もあるし、外国車との競争の関係もあるし、この程度に下げていかなきゃいかぬのじゃないかということは考えられますけれども、業界から幾ら下げますということはなかなかお申し出にはなりません。
  107. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いや、ぼくはあなたのほうは話し合っておみえになると思うのですよ。全然そういうことは話し合っていないのだ、しかし、四十年にはこのくらいになるのじゃないかと、いままでのいきさつからいってこうじゃないかと、あなたのほうからそれを算定した数字があると思うのですよ。それでもいいから出してください。あなた、だれにも出されないのだといえば、ちょっとおかしいですよ。業界が、四十年度にはこれだけにします、四十一年度にはこうしますと言ったら、自動車買う人はいなくなってしまうから、これはたいへんなことだ。その点はわかるのだけれども、あなたのほうとしては一応このくらいになるだろうという推定をされると思う。何かの基準がなければ、何でそれじゃ一六、一八という数字をやったのだ。しかも、それは自由化の開放体制になるのだからこう取っていくのだという大義名文が立たなくなる。何としてもそれは出してもらわなければならぬ。
  108. 鈴木市藏

    ○鈴木市藏君 それは非常に必要なことなんです、いまの資料は。夕べだったかけさの新聞だったか、もうすでに川又さんが、これは税率が上がれば乗用車の値段も上がるだろうというようなことを言っておる。あれなんかずいぶんふざけた話だと思う。
  109. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 どうですか、局長。
  110. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) まあお話のとおり、われわれがまあ三年間にわたって暫定税率を本則税率に戻していくことができるという判断をいたしました基礎には、いまお話しのようなことが基礎になっておるわけでございますが、しかし、それを資料としてというのはちょっとあれでございますので、できるならば口頭で申し上げることにお許しをいただきたいと思うのでございます。もちろん、われわれもやみくもにやっておるわけじゃございませんけれども、その与える影響がいろいろ大きゅうございますので、大蔵省資料という形で出しますことにつきましては、何とぞ御勘弁を願いたいのでございます。
  111. 西田信一

    委員長西田信一君) 成瀬さん、それでよろしゅうございますか。
  112. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いいでしょう。それじゃちょっと速記をやめておいて……。
  113. 西田信一

    委員長西田信一君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  114. 西田信一

    委員長西田信一君) 速記をつけて。
  115. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 まあ今度は税制調査会の答申そのものをおやりになったと。これはまあ大蔵省の意向が十分反映したからこういうかっこうになったのか、あるいはどうか知りませんのですけれども、まあこういう暫定軽減については期限到来とともにその措置はやめようという趣旨だと思うのです。しかし、まあその中身についてはこのものずばりじゃなくて、少し考慮して漸減されたわけです。議論の中ではやはりこうした議論の過程を経てこういう答申になっておるのか、漸減ということを含めて。ですから、文字どおりの答申なんでしょうか。
  116. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 税制調査会の答申は、答申書にもございますように、この物品税の暫定軽減税率を設けられておる四品目については、この期限到来と同時に廃止するということで答申が行なわれております。ただ、この答申につきましては、この税制調査会の中にもいろいろ御意見がございまして、ことに小型乗用車につきまして、自由化の問題もあるし、さらにまあ今後のわが国の輸出商品として期待される面からいたしまして、いわば輸出上の戦略産業ではないか、したがってそれをもっと保護育成すべきだというような見地から、本則税率に一挙に戻すことについては反対だというような税制調査会の委員の御意見もあったわけでございます。ただ、まあ多数決ということじゃございませんけれども、調査会の答申としては、なかなかこれは政治的な問題になるおそれがあるから税制調査会としてはき然たる態度を示そうということで、答申がまあできておるわけでございます。政府におきまして、その答申を受けましていろいろ検討をいたしました結果、まあ税制調査会のいうように一挙に持っていくことについては、そういう考え方もあろうけれども、まあ乗用車についてはいま申し上げましたようないろいろな問題があるし、その他のものについても一挙に税額が倍になるということは穏当を欠くのではないか、そういう意味では、本則税率に戻すには戻すのだが、少し時間をかけてやったほうがその与える影響が刺激的でなくていいんではないか、こういう見地から漸進的に本則税率に戻すと、こういうことになったのでございます。
  117. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、大型、中型等が、こういうことになって小型がやられて、こういう優遇措置を受けておるということになっちゃ、それぞれの日本の産業その他に及ぼす影響も、これは理由があると思うのですが、しかし、この小型レコードというのはどういうところに主として使われますか。
  118. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは主として家庭で使われるのが多いわけでございますが、御承知のとおり、これが三十七年に自由化が行なわれたわけでございます。当時心配でありましたのは、アメリカでこの小型レコードが相当たくさん売られているわけでございますが、そのセコハンものが日本へ非常に安い値段で入ってくるのではなかろうか。そうすると、日本のそういう小型レコードをつくっているところは壊滅的な打撃を受けるんではないだろうか、こういうことが心配になったわけです。ところが、日本のレコード業界といたしましては、そういうことを心配いたしまして、外国のレコード会社と提携いたしまして、そういう外国からセコハンものを非常に安い値段で持ってこないように、日本で原盤を買って日本でつくっていくと、こういうような体制を整えまして、それによって生産も相当、全体といたしまして三十六年に比べまして三倍近い増加になっておりますが、そういうふうになりまして、まあ自由化によって心配いたしましたことは一応防げておるわけでございます。しかし、今後そういうアメリカのほうからセコハンものが来ないという保証は絶対にないわけでございますので、そういう点を考えると、一挙に税額が倍になるのはどうだろうかということで、漸進的な措置にいたしておるわけでございます。
  119. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これも資料として——そうおっしゃいますと、これは家庭で、どちらかというと娯楽対象になると思うのです。こういう娯楽ものに対してはなかなかいままで、大蔵省は税の捕捉に対してはきついと思うのですよ。まあしかし、そうではないとおっしゃるかもしれませんが、私はそう思っているのですが、それをやっているから、それは理由は前に言ったように、セコハンものが非常に入ってくるのじゃないか、それを防ぐために外国と提携したとおっしゃいましたが、どこの会社がどこの会社と提携したか、提携すれば当然それに対してパテント料ならパテント料、あるいは技術料などそういうものを払っておるのか、それがどのくらいなのか、そして競合するとするならどのくらいの値段なのか、もしこっちへ持ってくれば、日本でもし市販するとするなら、少しくらいは入っていると思いますから値段もわかるだろうと思いますが、どのくらいになっているのか、そういうような比較しやすい点で……。  ぼくが主張したいと思う点について大ざっぱに申しますと、どうも小型レコードに対しては非常に優遇されておるように思える。自動車のほうがどうもちょっと粗末になりはしないかということを心配する、理屈をいうと。そういうことになるような資料がもらいたいと思うのです、結論は。比較したらそうなると思うのですよ、自動的にそういうことに。あなたのほうはそうじゃないとおっしゃるけれども、そうじゃないならそうじゃないと、資料でいいから、あからさまの資料を出してもらいたい、そういうことになりはしないかと思います。ですから、そういう資料をひとつお願いしたい。これはいいですか。いいですね。
  120. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) けっこうです。
  121. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それから、カラーフィルムのほうは、これはカラーフィルムといいますけれども、これは何か条件があるわけでしょう。カラーフィルムは何か、三十五ミリ、八ミリ、あるいは一般用のロール、印画紙、こういうもの全部含めてこういうふうになっておるのか、そのうちのいまあげましたのは四品目の何かがどうこうというのですか、四つとも一本ですか。
  122. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) これは、カラーフィルムにつきましては、いまお話しの映画用のフィルムを含めまして、それと印画紙、それからロールのやつ、これらも含めましてカラーフィルムとして物品税の課税対象になっているわけでございます。
  123. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは日本でいうと富士、「さくら」両方つくっておるわけですか。
  124. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) さようでございます。富士、それから小西六。
  125. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは輸入をどのくらいやっておるかという点と、それからそれに対していまいう三社ですか、あるいは四社になるか私は知りませんが、つくっているとするなら、富士、「さくら」、小西六、もっとありますか。
  126. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 小西六が「さくら」です。
  127. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 小西六が「さくら」か。そうすると、二社だけですか、カラーフィルムをつくっているのは。
  128. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 印画紙では三菱があります。
  129. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは生産がどのくらいになっておるかという点を資料としてお出し願いたいと思うのですが、大ざっぱにいって、いま資料としてこまかくもらうことは——ここでは大ざっぱに、一体映画用のフィルムというようなものは国産ののものが使われておるのか。輸入に依存しておるわけでしょう。
  130. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 輸入品の部分が全体の三一%くらいを占めておりまして、やはり国産で使われているもののほうが全体としては多いことになっております。ただ、御承知だと思いますが、わが国のカラーフィルムはアグファに対してはそれよりはいいというふうに、最近ずいぶんよくなってまいりましたが、まだコダックに対しましては、この色のぐあいがやや青みがかった色が強く出過ぎまして、赤とか黄というきれいな色についてはまだコダックに及ばない、こういうことになっておりますので、映画の中でも特に外国へ輸出するような映画につきましては、どうも日本のカラーフィルムでは十分ではない、やはり外国のカラーのものを使わないと外国に出すには適当でない、そういうように聞いております。
  131. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 大体あなたがおっしゃった三一%は、そうしますと、映画用の場合に限るわけですが、輸入してもほとんどそれが輸出に回っておるというふうに解釈してよろしゅうございましょうか。
  132. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) もちろん、輸入したもので輸出しているものが相当多うございますが、国内にも相当そういうようなものが使われておりまして、ことに観光映画のように色彩に非常に重点を置いたような映画でございますと、国内にも相当使われております。まあ数量的に申しますと、輸出のものよりも、やはり国内で使われているほうが多かろうと思います。
  133. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 その場合、輸入で三十五ミリのときに、税金が、関税がかかりますね。もちろん物品税もかかる。輸出する場合は、これは物品税はもちろん免税になる、そういうふうでよろしゅうございますか。
  134. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 外国からなまのフィルムを輸入いたしまして、それに日本で撮影いたしまして、これをできたものを輸出するという場合におきましては、保税作業でやっておりまして、国内へ入るときに一応関税の課税あるいは物品税の課税を留保しておきまして、輸出されたことを確認いたしました上で課税をしないという最終処理をして、もしそれが国内に回れば課税する、こういうことになっております。
  135. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 普通いう物品税の「課税済みの」ということになるわけですが、二十一条のほうでは、「課税済みの物品を輸出した場合の物品税の還付」というか、そうではなくて、すでに初めからそういうことはわかっているからというので、関税も取らなければ物品税も取らない、そういうやり方でやっておられる。
  136. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 外国からの輸入品につきましては、そういった外貨作業としてやっているものがかなりございます。それ以外に、国産品のものにつきまして輸出免税をやるという場合が、いまの二十一条の規定の適用を受けることになるわけでございます。
  137. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 話が前後して、これは大臣というようなことになるかと思いますが、田中大蔵大臣が予算委員会かなんかで、直接税よりも間接税をふやしたほうがどうも国民をだまして税を取りやすい、このほうがけっこうだというようなものの言い方を実はしているわけですが、これは田中大蔵大臣に直接お聞きさしなければならないことだと思いますけれども、事務当局の最高責任者である、税を取るほうではございませんけれども、税をきめるほうの泉さんも同じ考え方ですか。
  138. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) この問題は、私ども事務当局がお答えするにはあまり適当なものかどうか、問題だと思いますが、私どものいままでの事務当局の考え方だけ申し上げますと、世界のそれぞれの国におきまして、直接税、間接税の割合は違っております。御承知のとおり、現在の先進諸外国と比較いたしますと、わが国はアメリカに次いで直接税の割合の高い国でございまして、イギリスよりも直接税の割合が多いということになっております。そういうことからいたしまして、何も直接税にそう割合を多く求めるよりも、ドイツとかフランス、イタリーのように、間接税に割合を多く求めたらどうかというような御意見が財界方面にかなり多いようにお聞きいたしております。  しかし、それでは、具体的な方法として間接税の割合を高めるにはどういう手段を用いてやるのだということになりますと、やり方は二つあるわけでございますが、一つは、現在の個別消費税の形をとっております酒、たばこ、物品、砂糖、揮発油、こういったものに対する税率を引き上げるやり方であります。しかし、現在でも酒の税金が安いという考えの方は割合少ないので、むしろ税が高過ぎるのじゃないか、こういった御意見が強いわけでございますから、この税率を引き上げることによってはたして増収になるか、問題があるのではないか。たばこにいたしましても、かつてこれはピースだけ上げたから問題になったかもしれませんけれども、一品目だけ上げるということになりますと、必ずしも増収にならないということも考えられますので、現在の個別消費税を増徴するということは、もとより消費がふえて数量がふえることによって増収ができることは別といたしましても、税率を引き上げることによって増収をはかるのはなかなか問題があるのではないか。したがって、間接税のウエートを増す方法としては、欧州各国がとっておりますように、取引高税とか、あるいは売り上げ税を創設するほかはないということになるわけでございますが、現在の段階で、毎年だんだん少なくなってきたとはいいながらも、相当の自然増収が出て、その中で減税もやり、歳出の増加もできるというような時勢のときに、新しく税を起こす、しかも相当多額に収入をあげるような税を起こすということは、なかなか問題があるのではないか。欧州各国の取引高税とか売り上げ税が設けられた経緯から見ましても、戦時中に歳出の増加に迫られる、あるいは戦後の疲弊時にどうしても歳出をまかなうために増税せざるを得なかった、こういう特殊の事情があった場合に初めて設けることができるものでありまして、わが国の現状においてそういうことをやるのはなかなかむずかしいのじゃないか。そうすると、間接税のウエートをそういう形で高めるということはなかなかむずかしいのではないか。  事務当局といたしましては、従来の考え方は、直接税と間接税といわず、国民の税負担が重いと認められる税目について減税をやっていく。現状でございますと、やはり何といっても所得税の負担が重いというふうに認められますので、所得税の減税をやっていく。ところで、御承知のように、所得税ですと、税収の弾性値が高いものですから、国民所得が一ふえると所得税収入は二以上ふえていくというような関係になりますので、その減税を行なっていかないと、非常に直接税のウエートがむしろ高まってくる。それを防ぐ意味でも、そういった所得税を中心とした減税をやっていく。それによってようやく面接税と間接税のウエートの割合が現状程度に押えられていくのであって、それでなくても間接税のウエートをもっと高めようという意識で増税等をやることには、なかなかむずかしい問題があるのではないかというふうに感じておるのでございます。しかし、せっかくの大臣の御発言でございますので、事務当局といたしましては、税制調査会等にも十分おはかりいたしまして、慎重に検討いたしてまいりたい、かように思っておるのでございます。
  139. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いま間接税と直接税の比率、大ざっぱに何%ですか。それが一つと、徴税費というのが非常に問題だと思うわけです。そこで、源泉徴収はほとんど安いものだと思うが、申告、あるいは法人、相続、酒税、砂糖、揮発、石油、物品、そういうように大ざっぱに分けてみて、百円についてどのくらいずつかかっておるかという試算、計算はできておるでしょう。
  140. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 昭和四十年度見通しでは、直接税が五八・九%、間接税が四一・一%、これは国税だけでございますが、そういう割合になっています。地方税を含めますと、もっと直接税の割合が高いことになっております。  それから、徴税費でございますが、徴税費全体といたしましては、百円につきまして一円六十九銭ということに、まあだんだんと税収が増加するにつれまして徴税費が下がってまいっておるのでございますが、税目別の徴税費ということになりますと、経費をどういうふうに配分するかが非常にやっかい、ことに徴収の人員とか直接各税ごとの担当でない場合、徴収とか協議団とかそういう人たちの配分をどうするかというような点、いろいろ問題がございまして、まあ税目別には的確な資料というのは実はできておりません。
  141. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると、徴税費は百円について一円六十九銭ということでありますが、私は、間接税と直接税との割合でいけば、これはもう間接税のほうが多いんじゃないかと思うわけなんですが、そういうようなところで大ざっぱに分けて、このくらいになるんじゃないだろうかと、一円六十九銭の内訳というようなことですね、平均として出てきた。そういうような試算はしておみえになりませんか。
  142. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) まあ大ざっぱに申し上げますと、徴税費の一番安いのは、実は源泉徴収所得税でございます。それから、一番高いのは申告納税の所得税、これが一番高い。その次に高いのが財産税、それでその次が法人税ということでございまして、あと間接税は、酒税にしても消費税にいたしましても、まあ法人税よりは安いということになっておりますが、しかし源泉徴収所得税に比べますと、それよりはかなり高いということがいえると思います。
  143. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いまあなたの話を聞いておると、私のとずれちゃって……。直接税と間接税の割合でいえば、そういう試算がないならないでいいですよ、こう思うとかいうんじゃなくて。
  144. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) 直接税と間接税との比率だけで申しますと、そりゃ間接税のほうが徴収費は全体としては安うございます。
  145. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 安い。
  146. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) はい。
  147. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 先ほどのことについては、一度最終的な税法上の問題について、委員長等にお願いして、大臣にはもちろん出席していただくわけですが、あまりラッパが大きくなっちゃって、すぐ何かあなたがいまおっしゃったような新しい税が新設されるかのごとしというのは、国民のほうでいえばたいへんなことだと思うんですよ。ですから、私は、そういう話が出てきたのはほんとうのアドバルーンもアドバルーンだというふうに、いまお聞きしてとれたわけです。まあ、あまり歓迎すべきことじゃなくて、十分御検討になってからアドバルーンを上げてもらいたいと思うわけですが、これは補佐する立場において十分そういう意味では補佐しておいてください。私もお見えになったら、そういう点について申し上げておきたいと思う。  で、物品税の改正は三十七年度でしたか大改正が行なわれたわけですが、今度私は、いつかは増税等になってくるから、いろいろな意味合いにおいて検討をされる、そういうときが来ているんじゃないか、まあぼつぼつおやりになる時期が来るんじゃないかと思っているんですが、そういうようなことについてはどういうようにお考えになっていますか。
  148. 泉美之松

    政府委員(泉美之松君) お話のように、物品税はじめ間接税につきましては、三十七年度かなり大幅な負担の軽減を行なったわけであります。その後の情勢を見ますと、まあ現在の間接税は、御承知のとおり小売り段階の税率の場合には一〇%、製造過程の課税の場合には大体二〇%ということを基本の税率といたしまして、間接税が設けられているわけでございますが、その点からいたしますと、まあかなり間接税の体系としては現在の負担の水準というものはいいところに来ているのではないかと思われるのであります。個々の、たとえば物品税なら物品税の個々の品目、酒なら酒の個々の品目についての税負担のバランスというようなことを考えてみますと、ことに物品税の課税対象物品でございますと、わが国の経済成長が非常に激しいものでございますから、それにつれて消費の態様もいろいろ変わってまいります。三十七年当時にこの程度の税率でがまんしていただきたい、こういっておったものが、その後の消費の変化につれて、まあそれほどの税率でなくてもというふうに見られるものも出てきておるようでございます。  そういう意味では、間接税につきましては、税制調査会が申しておりますように、毎年毎年減税というようなことはできないし、ことに先ほど申し上げましたように、わが国の場合には所得税に重点を置いた減税をやらないと、ともすれば直接税のウエートが高くなり過ぎるというきらいがありますので、どうしても所得税のほうに重点を置いて減税を行なうということになりますと、間接税についてそうしばしば減税はできない。そこで、まあ数年に一回程度間接税の見直しをやるということ、これは税制調査会で言っているとおりであります。  私どもも従来そういう態度でいるわけでございますが、三十七年度に行ないましてから、ことしはやらぬわけでありますが、来年はちょうど四年目に当たるわけであります。再来年になりますと五年目ということになりますので、その辺ではどうしても一ぺん間接税について見直しをしなければならないのではないかというように考えておるわけでございますが、しかし、間接税増徴というようなことになりますとそうもゆきかねるというので、実はその辺で苦慮いたしておるような次第でございます。
  149. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、国税全体の問題について資料基づいてやっていきたいと思います。  もう一つ、悪いですけれども、国税庁次長にちょっとお願いしたい、ちょっと法律案のかっこうではないので悪いんですけれども。輸出をいたしますね。で、クレームがついてきます。その場合、税金のほうはどういうことになりますか。
  150. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 初めに輸出いたしましたときに売り上げに計上されまして、法人税がかかる。それから、その結果さらにクレームがついて戻ってきた、そういう場合には、そのときの損金として落ちる。ただし、品物が返ってくれば、その品物の価格はさらに加わる。在庫品として返ってきた品物は加わるかもしれませんが、売り上げが落ちる。売り上げがその日から控除されるか、あるいはクレームの部分が損金として落ちるか、いずれかの処置になる取り扱いになっております。
  151. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そこの在庫が、在庫品と見ておるのか、不良品として破棄すべきものとされるのか、その辺のところが非常にデリケートな問題だと思うのですがね。どういうふうになりますか、そこは。
  152. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 返ってきた品物、あるいは返ってこないでそのまま向こうで捨ててしまったような場合にはもちろん在庫品にはなりませんが、返ってきた品物のまだ処分価格があるかどうかということによって具体的な判定をするということになると思います。
  153. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それじゃ、わかりました。  もう一つは、本社がたとえばAの場所にありますね。そうすると、工場がBのところにある。cの税務署のあるところにもう一つ工場がある。そういうような場合には、大体本社のあるところで一括していろんなものを納めると、本人としちゃ経理がやりいいわけなんですね。ところが、どうもあなたのほうの指導はそうじゃなくて、bの税務署のあるBの工場ではb、cの税務署のあるものはCの工場でやったものはcでやってくれというような、そういう税務署の税金の棒グラフが長くなることの競争みたいなかっこうで、どうもそういうようなことになっておるようですがね。そういう指導はしておみえになりませんか。
  154. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 税目によって違うと思いますが、たとえば物品税であるとか、あるいは源泉所得税は、そのそれぞれの工場で納める。法人税自体は本社で一括して納めるというたてまえになっておりますので、本社で納めることになっております。  ただ、本社が、名目だけの本社が京橋なら京橋にある、実際の経理も生産も全部たとえば岡山でやっているという場合は、納税地の指定をいたしまして、岡山で納税してくれ、そういう納税地の指定ができるようになっております。そうした場合は、調査のほうも、納税のほうも、岡山税務署なら岡山税務署でやると、こういうたてまえになっております。
  155. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 指定地というのはどちらが……。会社のほうの希望でやられるのか、あなたのほうがそういうふうに指図されるのですか。
  156. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 納税者のほうからそうしてくれと言った場合も、こちらが審査してそのほうが適当であるとすれば、納税地の指定をします。そうじゃなくて、納税者のほうが名目的な本社で納めたいと言っている場合でも、実体が岡山にあるとすれば、そこで職権で——職権というか、税務署側が指定する、ないし国税庁次長国税庁長官が。管轄区域がまたがっている場合は、国税局長あるいは国税庁長官が指定する。こういうたてまえになっております。
  157. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 税務署はよくわかりました。私の知っているのはアセンブルの工場がありまして、それは本社になっている。ところが、部品をつくっておる工場が、他の税務署の管轄下にある。ところが、それは大半そこでつくっておる。本社工場のほうは非常に簡単なアセンブル工場です。したがって、税は工場のほうで、向こうで納めることはいいが、こちらでも納めてくれないと困ると言うのです。会社でいえば、二重の手間をとっておられる実例があるのですが。
  158. 喜田村健三

    説明員喜田村健三君) 具体的な事例、ちょっと拝見してみないとわかりませんが、同じ法人税を二カ所で分けて納めるということはあり得ないので、あるいは下請工場が別の法人になっているのではないかと思いますが、そうでなければ、その半分ずつ二カ所に納めるという事例はございません。
  159. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 わかりました。それでは、間違いのようですから、そういう行政指導をこっちが、税務署の言い方のほうが間違っておるということがわかれば、それでいいわけです。
  160. 西田信一

    委員長西田信一君) 本日の質疑はこの程度にいたします。本日はこれにて散会いたします。   午後一時五分散会      —————・—————