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1965-03-30 第48回国会 参議院 石炭対策特別委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月三十日(火曜日)    午後二時四十六分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         小柳  勇君     理 事                 亀井  光君                 岸田 幸雄君                 鬼木 勝利君     委 員                 石原幹市郎君                 大竹平八郎君                 郡  祐一君                 二木 謙吾君                 堀  末治君                 松平 勇雄君                 阿具根 登君                 大河原一次君                 石田 次男君                 田畑 金光君    政府委員        通商産業政務次        官        村上 春藏君        通商産業省石炭        局長       井上  亮君        通商産業省公益        事業局長     宮本  惇君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する  法庫案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 小柳勇

    委員長小柳勇君) ただいまから石炭対策特別委員会を開会いたします。  電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本法案に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  3. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 私は、まず伺いたいのですが、今度、電力用炭代金精算株式会社法の一部を改正する法律案ということになっておりまするが、実際は前の法律を廃止して、電力用炭販売株式会社法というものをつくることになっておるのでありますが、立法の技術からいって、こういう場合は、むしろ前の法律を廃止して、新しい法律案を提案されたほうが妥当ではないかと思うのでありますが、その点はいかがでありますか。
  4. 井上亮

    政府委員井上亮君) ただいまお尋ねの点につきましては、私どもこの法案をつくりますときに法制局とも、ただいまの御意見のような点も加えまして、いろいろ検討したわけでございますが、その結論といたしまして、御承知のように、現行代金精算会社機能と全く同じ機能も相当あるわけでございまして、むしろ違います点は、まず、いままでは精算行為をしていた点を購入販売というような点に改めるというような点、あるいは、それに伴いまして、電力用炭購入販売契約締結仕組みの問題というような問題、こういった点を改めることが従来の精算株式会社機能と特に変わった点でございます。他の大部分の点は、ほとんど同じ仕事を踏襲するというような経緯がございましたために、法制局とも、いろいろただいま御指摘のような点で討論したわけでございますが、一部改正で法的には十分であって、それで足りるのではないかというような意見がありましてそういうふうにした次第でございます。
  5. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 いまの御答弁によりますると、新しい販売会社にも、むしろ精算的な意味が高いというふうな御説明であります。あるいはそうだと思いまするが、そうならば、むしろ精算会社という名前を残して置いたほうが、国策の方針として電力用炭操作をやるという点で、かえってそのほうが誤解を招かないのじゃないか。電力用炭販売株式会社という名前に変わってしまうと、それこそ電力会社のために石炭操作するという意味よりは、むしろ電力用石炭を安く買って、高く売りつけるというような誤解を招くおそれがありますが、その点いかがですか。
  6. 井上亮

    政府委員井上亮君) 私の説明が少し舌足らずであったと思いますが、そのために若干の誤解を受けたきらいがあると思いますが、むしろ従来の精算会社と違います点は、大部分同じ規定があるわけですが、違います点は、従来の現行精算会社では購入販売をやっておりません。むしろ、代金精算業務をやっておるというのが現行の姿でございますが、それを今回この改正法案では改めまして、精算行為にかわりまして、購入販売というような行為をいたしたいという趣旨でございまして、それに伴います必要な条文の整理というものが今回の改正主体でございます。ひとつ御了承いただきたいと思います。
  7. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 いまの御説明によりますると、今度の販売会社は、直接石炭石炭会社から買って、それを電力会社に売るということでありまするが、国策会社の主翼をになっておる会社がこのようなことをやっていいかどうか。むしろ石炭需給なるものは、やはり石炭業者電力業者との間で長年の慣習もありまするし、また、長年の取引関係事情もわかっておるから、相対でやらしたほうがいいのではないかというふうに考えられますが、その点はいかがでございましょうか。
  8. 井上亮

    政府委員井上亮君) 商売の取引の常道といたしまして、ただいま御質問の趣旨は私ども十分承知いたしております。この販売会社法に今回改めますに際しましても、ただいま先生の御指摘のような点を十分配慮してやっていきたいという趣旨でございます。それには、具体的な、端的な表現といたしましては、改正法案の十四条に、「電力用炭購入又は販売契約締結」という条文があるわけでございますが、この十四条の趣旨は、石炭販売会社はかつてありましたような、いわゆる配炭公団、全部炭を一手に購入して、一手に全国に実際に炭を手にして配給するというような、いわゆる強烈な統制法規ではありませんで、むしろこの十四条にありますように、この石炭販売会社機能は、まず、需要部門である電力業界石炭業界がネゴシエーションをいたしまして、取引大筋を話し合う。ですから、事前にそういった取引話し合い行為が行なわれまして、そういう電力業界供給者側である石炭業者話し合いがつきました場合に、それぞれ双方から、電力業者はこの販売会社購入の申し込みをし、石炭供給業者は、この会社販売すべき旨を申し出る、そして、その双方内容が合致したときにこの販売会社当該電力業者販売契約をし、当該石炭業者購入契約を結ぶというような仕組みにいたしておるわけでございまして、これはもっと平たく申し上げますと、要するに需要部門フリーチョイスを認めたい。つまり当てがいぶちに炭を電力会社に供給するというようなことでなしに、つまり、たとえば東京電力であれば、東京電力が従来北海道の某々炭鉱の炭を一番自分として銘柄その他の面から適するということで従来買っておったというものを、全然違う地域の炭を供給するのでなくて、いわゆる下話を一応しまして、特に東京電力なら東京電力中国電力なら中国電力がほしい炭を供給できるような仕組みに考えたわけでございます。そういった配慮をいたしておるわけでございます。
  9. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 いまの説明によりますると、そういう諸論は、結局石炭電力関係における需給事情は従来どおりであって、それをただこの販売会社を通すという、一種のトンネル会社のようなものになるわけですか。
  10. 井上亮

    政府委員井上亮君) これは単なるトンネルではございませんで、この会社、少なくとも先ほど申しましたような電力業界銘柄とか数量とかいうようなものについてのフリーチョイスは尊重して認める立場で十四条をつくったわけでございます。しかし、販売価格は、十五条にありますように、通産大臣石炭鉱業審議会意見を聞いてきめますところの販売価格石炭基準価格に準拠してきめる、その値段によって契約をしていただくというような形になっておりまして、単純なトンネル機関ではないわけでございます。ただ、一応フリーチョイスを認めるという点が従来と違った、一つの新しい需要部門の要請にこたえたやり方を新たに取り入れたというふうに御理解いただきたいと思います。  それから、もう一つ、この会社機能は、たとえばただいま電力業界といろいろ炭価問題で話し合っておるわけですが、電力業界としましては、政府の要請しております三百円値上げに際しまして、やはり各地域電力会社事情もございます。その事情は経営上の問題もございましょうし、あるいは先生承知負担増対策というのを政府でやっております。この負担増対策が、揚げ地については負担増対策がきく。しかし、産炭地につきましては石油の関税還付制度適用になりませんので、そうすると、どうしても負担増の手厚いところと薄いところがある。その場合、電力業界が全体として炭価値上げを受け入れます場合に、やはり全国の九電力でプールして価格値上げをする以外にない。そのプール機能をあわせてこの販売会社が担当するというような考え方になっておるわけでございます。
  11. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 関連。いままでの、従来のこの電力用炭代金精算株式会社ですか、それで取り扱っておった事務と、今回新しく販売会社ができる、それはいまのお話を聞いてみると延長みたようなお話ですが、全然いままでやっていないことを新しく——炭価の安定とか、あるいは流通機構をうまくはかっていくとか、そういう全然いままでやっていない仕事をやるのじゃないですか。
  12. 井上亮

    政府委員井上亮君) 御指摘のとおりでございまして、従来は精算業務をやっていた、電力会社石炭会社代金の決済をする、その場合に精算業務だけをやっておった。今回は精算業務だけではなしに、現実購入し、現実電力会社販売する購入販売業務を営むという点が今回違った点でございます。ただ、購入販売をするに際しまして、先ほど申し上げたように、需要部門の便宜を考えまして、特に需要部門の欲します従来の取引慣行もございましょうから、そういった点で需要部門の欲する必要な銘柄数量というようなものにつきましては、できるだけ需要部門の希望をかなえるような仕組みをこの購入販売会社の中に入れたということであります。
  13. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 いや、そうしますと、この答申案によって三百円アップしたということに対して、電力会社はまだ十分それに対しての納得した態度ではないのだ、また、これに対してはいま研究中だ、そういう場合に、こういうことを早くここで取りきめて成立するかということですね、問題は。
  14. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) まあ当初電力業界は三百円アップという問題に相当反対をいたしたわけでございますが、大体大筋はのんだわけでございます。で、のむにつきまして、先ほど石炭局長からお話がございましたように、そのいわゆる負担増をどういう形で返すかということになりますと、現在ございます制度といたしましては、結局関税特別還付しかないわけでございます。先般来新聞をにぎわしておりますように、千九百万トン使うといたしまして、三百円アップであるならば五十七億、さらに西日本とか、あるいは電発若松、あるいは常磐というような、共同火力を使います石炭を合わせますと、それが約三百万トンの九億円、したがって、六十六億円の負担増に対して二十七億円という形で大筋としてはのんだわけでございます。ただ、いまこまかいことをいろいろやっておるわけでございますが、その場合に、先ほど説明がありましたように、関税特別還付制度におきましては、いわゆる産炭地適用がないわけでございます。したがいまして、現在のままでは返しようがないわけでございます。ところが、御承知のように、特に北海道、あるいは九州におきましては重油発電所というものはございません。したがいまして、返そうにも返せないというようなことから、先ほど説明のありましたようなプール制度をやることによりまして、結局北海道、あるいは九州は安く払う、それから、関税の返る中央部は高く払うというような操作をすることによって、先ほど申し上げました二十七億円の負担増対策を全部に行き渡らせるということが、この電力用炭プール機能の一番大きな目的じゃないかというふうに思っております。いま植村さんと木川田さんの間でまとめていただいておりますが、大体大筋は通産省としてものんでもらうということで、大筋はのんだ。したがいまして、この法律を早く通してもらうことが、やはりもし大体話が早くついたときにすぐスタートできるという意味で、この法律をできるだけ早く通していただくということがお願いであるわけであります。
  15. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 いまの八会社の千九百万トン、いわゆる五十七億の負担増、それに対してはあなたたち見通しがある、こういうことをおっしゃっておるわけですね。しかし、それはあなたたち見通しがあるとおっしゃっても、ここでまだはっきりとした最終決定じゃないわけだ。そこで、私、時間がないから長く聞きませんが、一言聞きたいのだが、そうしますと、今回の販売会社は総合的な事努を取り扱うということになると思うのですね。したがって、これは妙なことをお尋ねしますけれども販売会社に対する手数料というようなものはずっと高くなるわけでしょう。いままではトン当たり幾らくらいでしたか——二円か、二円何十銭くらいだったと思うのですが、今度トン当たり相当高くなると思うのですが、それでなければやれるわけないが、販売会社が。
  16. 井上亮

    政府委員井上亮君) 今回、ただいま御説明申しましたような業務内容を変更するに伴ないまして、若干人もふやさなければいかぬと思います。しかしながら、先ほど申しましたような機能ですから、そう大々的なものにはなりません。重役も、この改正法案にもお願いしておりますように、一名追加をお願いするというような形になっておりますし、そう大々的なものじゃありません。事務職員も、そうたいしたことはありません。
  17. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 それはまあいいですが、結果的にトン当たり手数料はどのくらいになるかということをお尋ねしているんです。
  18. 井上亮

    政府委員井上亮君) トン当たり大体六円程度にいたしたいと思います。
  19. 鬼木勝利

    鬼木勝利君 そうすると、やっぱり三倍になりますね。
  20. 井上亮

    政府委員井上亮君) 二倍あまりくらいです。従来三円近いですから。二円八十銭くらいだったと思います。ですから六円程度にいたしたいというふうに考えております。
  21. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 いまのこの石炭プール計算でありまするが、そうなると、九電力会社の間に十分の連携ができている場合はいいのですが、そうでもないと、それぞれ九電力会社は実質的に自己採算制でやっているにもかかわらず、必要以上に高い石炭を買わせられたり、あるいは、また、必要以上に重油関税の戻し金の一部を再払い戻しさせられて、自己収益が減ると思いますが、その点どうですか。
  22. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 確かに御指摘のとおりでございますが、その点につきましては、先ほど申し上げましたように、北海道九州、これをできるだけ値上げ幅を薄くいたしまして、残りの六社、北陸を除きました六社につきましては今度の負担増分が平等になるような操作をいたして、つまり大体二百円前後になると思いますが、関税がつまり返りますから、名目的には高くても関税で裏打ちをされるということによりまして、大体残りの六社の負担を平等にするようにいま折衝中でございます。もちろん電力業界内部の問題でございますから、多少のでこぼこがあるかもわかりませんが、大体われわれとしては、残りの六社につきまして石炭の実質の値上がり分が平等になるという形でいろいろ指導はいたしておる次第でございます。
  23. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 そういう点から、総括的価格が、電力原価というものが今回の石炭値上がりによって幾らかでもコスト高になるのか、あるいは一面において重油発電にたよるために電力原価が安くなるのか、その辺の見通しはいかがでございますか。
  24. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) その点につきまして十分検討いたしましたけれども、御承知のように、電力原価という場合には、先生御存じのように、総括原価というものが値上げの場合問題になるわけでございます。ところで、今度のいわゆる三百円アップがどの程度響くかということになりますと、実際問題として総括原価に対する影響というものは一%以下というようになるわけでございまして、そんなに三百円上がったからすぐ値上げをしなければならぬというような問題は、現実には起きてこないと思います。ただ、御承知のように、北海道などは重油専焼火力がございませんし、大部分でもございませんけれども、相当大きな部分石炭に依存しておりますので、北海道がまともに三百円上がると、これはかなりきつくなるという意味におきまして、先ほどプール計算におきまして、北海道あるいは九州値上げ幅影響をなるべく少なくしようという配慮を加えているわけで、いずれにいたしましても、この石炭値上がりそのものがすぐ電力料金云々には直接は響かないというようにわれわれ見ております。
  25. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 私が承知している点では、この電力の再編成の当時、水力電源の多い周辺の会社は、火力発電所の多い会社に比べますと電力原価が安いために、石炭調整金というものを水力電源をたくさん持っている会社火力電源でやっている会社のほうに調整資金プール資金としてやっておったというようなこともあったと思いますが、それとこれとは何ら関連性がないわけですね。その辺はいかがですか。
  26. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 確かに昔はいわゆる水火力調整金という制度がございまして、そういうことをやっておったことは事実でございますが、今度は、いわばこの電力用炭販売会社プール機能を持たせることによりまして同じような相当影響を受けるところには、その影響を少なくしようという配慮は十分いたしておるというふうに考えております。
  27. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 そういたしますと、電力原価は高くならぬ。しかし、一面において政府行政指導によって電力原価がいろいろ操作されるということで、官僚統制という形があらわれてくるように思うのでありますが、その点はいかがでございますか。  また、それに関連して思い出すのでありまするが、九州電力のごとき産炭地会社といえども重油をなまだきすれば、安い石炭をたくより発電原価は安いということを聞いておりますが、その点についての御調査はできておりますか。
  28. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 官僚統制になるかどうかといった点は、もちろん最終的には電力会社話し合いで、この程度負担しようということになるわけでございまして、われわれとして、決して押しつけるつもりはございませんが、要するに、石炭産業の危機をある程度救うためには、やはりそのくらいは負担していただきたいということをお願いしておるわけで、先ほど残りの六社が全部パーになる、同じだけの負担になるといった点は、電力業界内部十分調整が行なわれるものと信じております。  それから、産炭地重油あるいは原油なまだきという問題でございますが、この点につきましてはいろいろ研究はいたしておりますが、まだ現在のところは、原油のなまだきということになれば別でございますが、原油のなまだき自体がまだかなり大規模の実験段階でございまして、原油のなまだきがすぐ通用するかどうか、もちろん石炭が、特に九州地区におきましてだんだん集まりにくくなる、場合によっては重油電力発電所ということも研究いたさなければならないということで、研究はいたしております。
  29. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 これは電力用炭販売会社に直接関係のある問題ではございませんが、ついでに伺うのでございますけれども、きょうの新聞によりますると、ベトナムの騒乱が続くと、あそこの無煙炭日本への送り込みが激減するであろう、そうなると、日本ガス用炭とか製鉄用炭に非常に影響を受けるということが出ておりましたが、その点はどうなりますか。
  30. 井上亮

    政府委員井上亮君) 私もけさ新聞で、北ベトナム無煙炭につきまして、配船その他、ちょっと問題があるというような記事を読んだのでございまして、まだ正確な情報をつかんでおりませんので、これに対して的確にお答えするわけにはまいりませんけれども、かりにそういうような事態になったことを想定してみますと、これは先生指摘のように、北ベトナムから現在輸入しておりますのは無煙炭でございまして、むしろ家庭用煉炭等の材料になるものでございまして、製鉄用、あるいはガス用につきましてはほとんど影響はございません。むしろ家庭用の炭のほうの需給の問題が場合によったら起こるだろう、しかし、この点につきましては、いま国内の無煙炭貯炭が相当ふえております。むしろ宇部の無煙炭あたりは、貯炭のために非常に苦しんでおるというような実情がございますので、私は、まだ事の真相、あるいはその影響という点はさらに検討しなければいかぬと思いますけれども、目下のところ、そう大きな影響はないというふうに考えております。ただ、関係煉豆炭業界には相当あると思いますので、これはもうちょっと慎重に影響を検討しなければなりません。
  31. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 先ほど取引とか価格決定のことですが、取引条件とか、そういうことはもう全く従来どおり慣行一切を認めて、両方の意見が一致して契約できたのをこの販売会社へ持ってくると、そういうふうに理解していいのですか。
  32. 井上亮

    政府委員井上亮君) 大筋におきましてはお説のとおりでございます。
  33. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 大筋というのは、何か違うところがあるのですか。
  34. 井上亮

    政府委員井上亮君) 先ほども申しましたように、需用部門、特に電力業界フリーチョイスを認めるという思想ですから、その意味におきましてはお説のとおりでございます。ただ、問題は、価格はきめられた値段契約をお願いしたいということでございます。あと数量とか銘柄とか、相手の石炭山とかというようなチョイスは、すべて従来の慣行どおりというような考え方です。
  35. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私は、こういうふうなことはあまりどうもよくわからないのですが、価格はそうすると通産大臣が一方的にきめて、その上で価格については両者の取引というか、話し合いというものは全然ないのですか。どういうことになるかわからないものだから、実際どういうふうにして行なわれるかというようなことを具体的に少し話してみてください。
  36. 井上亮

    政府委員井上亮君) 価格の点につきましては、今度の改正案の十五条にうたわれておりますが、まず、価格は、通産大臣が一応最終的にきめます。きめますが、きめる仕組みとしましては、石炭鉱業合理化臨時措置法の中に、現在でも基準価格制度があるわけです。その基準価格通産大臣石炭鉱業審議会需給部会の議を経まして、この需給部会には需要部門の代表が大体主体で入っておられるわけですが、この議を経まして基準価格というものを決定いたします。基準価格と申しますのは、電力会社別基準銘柄基準品位、たとえば東京電力でいえば六千カロリーの炭について幾らというような値段基準価格と称しておりますが、それがきめられておるわけでございます。これは通産大臣がきめる。今度は販売会社が実際に取引しますのは、そうやってきめられました基準価格に準拠しまして、さらに具体的に銘柄別に展開を行ないまして価格をきめる。きめますときに、先生ただいま通産大臣が一方的にきめるのかというような御意見もありましたが、そういうつもりはございません。これはやはり現在でもそうですけれども需要部門十分話し合いの上きめるということで運用してまいりたいと考えております。
  37. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうしますと、現在でも、いまあなたが話されたような基準価格でいろいろきめていくというやり方はいまでも行なわれておるわけですね。そうなると、今度はその点についての考え方は現在と全然違わないですね、あとプール計算しなければならぬとか、いろいろの問題は別に出てきますけれども考え方の根本は、もう全然違わないと理解しておっていいでしょうか、どうだろうか。
  38. 井上亮

    政府委員井上亮君) 価格のきめられますプロセスは従来の仕組みと変わりありません。ただ、しかし、具体的にこの会社購入販売業務を営みますが、従来は精算業務ということで、むしろ価格チェックのような意味合いが強かったわけですが、今回は現実購入し、販売いたしますので、その購入し、販売する価格という意味で、それから、先ほどお話し申し上げましたような、特に今回値上げに際しましてプールする必要がある、電力業界としてそういう必要性が加わっておりますので、基準価格をきめる基本は変わりませんけれども基準価格をまずきめて、それを展開していくという考え方は変わりませんけれども一つ違いますのは、プールをいたしますと、プールは先ほど負担増対策とも見合って公平にきめていくというような操作がとられますので、その点が従来と違う点でございます。
  39. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、プールして負担増対策とあわせて考えていくところが違うだけで、基準価格を中心にそれを展開してずっときめていく、その前段までのところは従来と全然変わらない、こういうふうに理解していいですか。
  40. 井上亮

    政府委員井上亮君) お説のとおりでございまます。
  41. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 これは公益事業局長のほうにも伺っておきますが、そういう意味電力業界のほうも理解、納得しているかどうか知りませんが、理解、納得してこれに協力するというような形になっているのですか。
  42. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 先生御心配のように、初めは電力業界自体も、こういういわば一社、しかも、国策会社的なものと電力業界契約するということは、初め非常にいやがったわけです、何か統制されるというようなことで。しかしながら、先ほど申し上げましたように、結局現在ありますような負担増対策というものを関税の還付というようなことでやりますと、これを利用してプールしないことには北海道九州には金がいかないわけでございます。たとえば北海道とか九州だけ給付金を出すとか、あるいは税金をまけるということはできませんので、そういう意味で結局今度の負担増対策をやる限りは、この方法しかないだろうということで割り切りまして、そういう意味電力業界は納得をいたした、こういう経過でございます。
  43. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、電力用炭が今度トン当たり三百円か何かの値上げ、ところが、原料炭は二百円、そうすると、原料炭のほうの値上げをするというやつの確保ですね、これはどういう方法でやられるのですか。また、大体目的を達することができるという見込みであるのか、そこらをちょっと。
  44. 井上亮

    政府委員井上亮君) 原料炭につきましては、ただいま問題になっております電力用炭、これは一般炭でございますが、これと違いまして、業種、業態が非常に違うわけでございます。まず一般炭の、つまり電力用炭、これのほうは、先生承知のように、全国の二百数十の山がほとんど一般炭でございますから、これにつきましては、ほとんどみんな電力会社に売りたいという希望を持っておるわけでございます。片や買い手である電力会社は九つの電力会社というようなことで、従来とかく、さなきだに弱い石炭産業の立場が、特に売り手、買い手の立場で、非常に弱い立場に置かれておったというのが現実の姿でございます。原料炭につきましては、これまた先生承知のとおり、鉄鋼業界は、これまた電力と同じように、大体まあ高炉メーカーが買うわけでございます。高炉メーカーは、大体大きいところ六、七社でございます。全部入れましても七、八社というようなことでございます。また、石炭を供給いたしております原料炭の会社も、まあ大体主力が五、六社、全部入れましても七、八社というようなことでございまして、比較的その間に双方話し合いがつきやすい事情にございます。  それから、もう一つ、一般炭と原料炭の根本的な違いは、一般炭につきましては、電力業界はじめ、一般産業におきましても、まあ電力業界は、御承知のように、この引き取りに協力するという大所高所の見地をとっていただいておりますけれども、しかし、一般的にいいまして、むしろ重油転換をしたい、石炭はあまりほしくないというのが、電力業界はじめ、一般炭需要家の本心でございます、ほんとの気持ち。ただそれを国策的に協力するというようなことで、電力会社には協力をいただいておりますけれども、そういう性質の炭でございます。ところが原料炭につきましては、いま一般的に申しまして、国内の炭だけでは足りない。で、海外の炭をむしろ開発してでも確保しないと現在の鉄鋼生産に間に合わない。いわんや、将来の鉄鋼の生産の伸びについていけないというような事情にございます。従来ともに、鉄鋼業界、ガス業界は、国内炭優先使用原則という、まず輸入よりも先に国内炭を優先使用します、足りない分を輸入いたしますというような、つまり石油との代替関係もございませんし、むしろ原料炭が絶対的に必要であるという事情にございます。それから、ただし、一つ問題点は、豪州炭が日本の炭よりいま安い、豪州炭が日本の原料炭より安いという点がいま一つの問題点になっておるわけですが、しかし、いずれにいたしましても、国内の炭がもっと量的に増産されることを希望するという立場に鉄鋼業界はあるわけでございます。そういうような炭の需給関係、それから、同時に、従来歴史的に原料炭山との、いわば平たいことばでいえば、親戚つき合いといいますか、というような関係もありまして、これは私ども行政指導によりまして、十分所期の目的を達成しようという考え方をとっているわけでございます。
  45. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私から言うまでもないことですが、いま鉄鋼は日本の輸出の、これはまあ非常に大きな部門、一番大事なものになっているわけです。今度は石炭が上がりますと、それだけコストが高くなってくる。むしろコストをできるだけ下げさして輸出を助長してやらねばならぬときに、こういう措置をとられることはどうだろうかということを鉄鋼業界の人からも聞くのです。私どうしてこういう質問をするかというと、こういうことをするよりも、これは大臣にお伺いしなければならぬことかもしれませんが、石炭業界を救済するなら、もっと国がその方面に金を出すようなことをして、業界にこれを転換していろいろやるということは、これは論議し尽くされたことかもしれませんけれども、どうだろうかというような感じを強く持つのです。大臣が来られましたら私もう一度聞いてもいいのですけれども局長なり政務次官もおられることですから、御意見を聞いておきたいのです。
  46. 井上亮

    政府委員井上亮君) お説は私どもも非常にごもっともであるというふうに考えております。おりますけれども、ただ、御承知のように、第二次石炭鉱業調査団におきましても、ただいま先生指摘のような点も十分議論を重ねまして、いかなる形でその問題を解決していくかということでございますが、まあ第二次調査団の考え方といたしましては、いろいろ討論しました結果、やはり、まず、国が最大限の助成を石炭産業に与えるべきである、しかし、御承知のように、石炭産業は私企業でございますので、国が最大限の助成をする場合にもおのずから限界がございます。そこで、御承のように、今回鉱害につきましても、ほとんど特交並みに近いような、国の補助率を三割も引き上げるというような措置を行なったり、それによって石炭業者の鉱害復旧についての負担は軽減されるということ、あるいは利子補給制度を新たにとり入れる、あるいは近代化資金、無利子の融資を拡大するとか、あるいは非常に困っておる企業については、地方債務を全額たな上げというような、あらゆる手段を講ずべきであるという結論に到達しているのですが、そういうようなことの結果、たとえば四十年度で石炭関係に一般会計の予算といたしましては二百七十億の資金を投入する、石炭プロパーの予算といたしましても百七十億近い数字になっております。これは石炭関係プロパーの予算についてですが、これは鉱害を含めましてそのくらいです。労働省関係では九十億程度、その他を入れまして、全部で二百七十億くらいの一般会計の資金を投入する。なお、このほか財投といたしましてもやはり開銀で百十億、合理化事業団から無利子の金がやはり六十億程度、そのほかに再建資金とか整備資金とか、あらゆる財投を投入しておるという現状でございますので、私企業に与える国の助成策としては、おそらく現在わが国におきまして最も手厚い最高の助成ではないかというふうに考えまして、これ以上のことは、やはり国としても、そう傾斜をつけるわけにいかぬのではないかという意味で、しかし、それだけの一般会計予算、あるいは財投を投じましても、石炭産業の再建にはなお不十分な点があるという意味で、やはり需要部門に対しましても何ぶんの御協力をいただく、これが一国の一つの基礎産業を立て直していくためには必要ではあるまいかという判断に立ちまして、もちろん需要部門のみに石炭政策のしわを寄せるということは毛頭ございません。ございませんが、国でも最大限やるが、やはり需要部門も御協力をいただくという考え方炭価値上げをお願いしたわけでございます。
  47. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、今度三百円、二百円上げたことによって、どのくらいの増収といいますか、見込まれておるわけですか。
  48. 井上亮

    政府委員井上亮君) 電力部門につきましては、低品位炭の価格をどうするかによりますけれども、かりに低品位炭を三百円上げるといたしますれば、六十六億円くらい電力業界から増収を見込んでおります。それから、鉄鋼業界につきましては、二百円の値上げということを前提にいたしまして約十七億、それから、ガス部門が約四億程度の増収、合計いたしまして大体百億から百十億ぐらいの増収になるのではないか。なお、このほかに一般産業向けにも、これに準じ、御協力をいただくというふうに考えておりますが、一般産業向けにつきましては、これは一挙になかなかそういう目的も達成できませんので、これは取引の実情に即して御協力いただくというふうに考えております。
  49. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 先ほど石炭局長が、石炭プロパーでも百七十億の金を出しておられると言ったのは、この予算の総計なんですか。それとも、四十年度に特に石炭政策のために新しく出すという意味での金なんですか。需要部門に百十億ぐらい出すわけですね、そこらとの対比の意味で伺います。
  50. 井上亮

    政府委員井上亮君) 先ほど私が、石炭関係の一般会計の予算が約百七十億程度というふうに申し上げたわけですが、これはこの全部が石炭会社に入る金ではございません。この内訳を申し上げますと、石炭局の予算は、一般会計で百四十七億、これに他省関係に計上されておりまする鉱害が二十億ございますので、それと合わせまして百六十七億、これを百七十億とラウンドで申し上げたわけでございます。全部が石炭産業に入るわけではございませんが、この大部分石炭産業のコスト・ダウンとか、あるいは直接的な補助助成になるというようなものでございます。
  51. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私がただいま聞きましたのは、今度新しい措置として、炭価値上げで民間から百十億ないしそれ以上のものを協力を願おう、こういうわけでしょう。そういう意味での今度の石炭基本産業立て直しのために、四十年度といいますか、今後新たに出そうとしておられる金がどのくらいあるかということを聞いているのです。
  52. 井上亮

    政府委員井上亮君) 新たと申しますと、前年度に比べまして四十年度の予算の増の分が大体それに当たると思いますが、その予算の増の分は大体三十六、七億、四十億程度でございます。ただ、しかし、ほかに財投がございますが、一般会計ではそういうことでございます。
  53. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 だから、私は、需要者側に転嫁しているほうが少し大き過ぎて、政府の出す金が少し貧弱じゃないかという意味で聞いておったのですが、一方では三十数億から四十億、一方では百数十億というのでは、ちょっと一般産業界に転嫁する部分が大き過ぎるのじゃないでしょうか。それが結局さっき言った鉄鋼の輸出なんかにもあるいは響いてくるかもしれないし、それから、岸田さんが質問されておったようですが、電力会社電力料金なんかにもあるいは何がしかの影響があるのではないかというふうなことが考えられるのですが、もう少しこれこそ大臣に聞かなければまずいところだけれども石炭政策のために三十億や四十億というのじゃ、ちょっと貧弱なような気がしますね。
  54. 井上亮

    政府委員井上亮君) 特にふやしました予算がそういうことでございますが、先生承知のように、今日、石炭産業の資金状況、借り入れ残高の状況等を見ますと、大体設備投資におきましては、七割は政府関係の融資でございます。三割が市中協力というようなことで、ほとんど大部分政府の資金でまかなわれているという実態でございます。それから、さらに、先ほど申しましたように、石炭関係プロパーの予算としましても百七十億くらいの国費を投じている。この中に無利子の融資が六十億とか、あるいは専用船の建造だとか、その他鉱害の事業者負担の軽減のための予算とかいうのが従来とも入っているわけでございまして、やはりこれはわが国の産業政策の中では群を抜きん出た助成策で、これ以上の助成策をもしやるとすれば、それはやはり私企業に与える問題として相当大きな問題が出てくるのではないかというような考え方に立ちまして、特に需要部門に御協力を願いましたが、ただ、平面的に電力業界に三百円といえば、非常に過酷のようにもお聞き取りになるかもしれませんが、まあ私ども公平に見まして、石炭産業自身も、今日までコスト・ダウン、あるいは炭価の引き下げのためには、なみなみならぬ異常な努力を重ねてまいりました。先生承知のように、昭和三十四年以来今日まで、毎年二百五十円ずつ炭価を引き下げて、これはエネルギー革命の趨勢で当然だといわれればそれまでですけれども、業界にしてみれば、コストに無関係に毎年二百五十円程度ずつ引き下げて今日に及んでいるというような事情もございますし、だから当然だということは申しません。できるだけ需要部門負担を軽減することは当然だと思いますけれども需要部門に多く御協力をいただくという意味で特にお願いをした。ただ、しかし、先ほど来議論がありますように、電力業界、鉄鋼業界等につきましては、やはりこの値上げにつきまして相当な負担増対策政府もあわせてやるということで電力業界にも御理解いただいているわけでございます。
  55. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 最後に、もう一つ聞いておきたいのですが、この法律がいつ成立するかによりますが、この販売会社はいつから——この法律ができ上がるとすぐ、これは四月一日施行ですから、四月一日から販売会社というのは発足するのですか。
  56. 井上亮

    政府委員井上亮君) 販売会社は、国会を通過いたしましたら、即日にただちに現在の精算会社販売会社に改組するための総会の招集をいたしたい。その間、政省令の改正というような手順を踏みまして、私ども、少なくとも通りましてから一カ月以内には発足させたいというふうに考えております。
  57. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、三百円値上げして、いろいろプール計算や何かをやっていくということは、その会社のいわゆる業務発足とあわせてやられることになるのだと思いますが、そのとおりでしょうか。
  58. 井上亮

    政府委員井上亮君) 私どもといたしましては、炭価値上げにつきましては四日一日から実施いたしたい。これは御承知のように、この販売会社が、国会を通りまして、それから所要の手順を踏みまして正式に発足してから、先ほど来のプール計算はここにゆだねたい、プール価格の運用はこの会社の成立後に行ないたい。しかし、電力用炭代金精算株式会社はその間あるわけでございますので、プールの機能は営みませんけれども、一応四月一日から先ほど来申しました基準炭価の改定を行ないたいというふうに考えております。
  59. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうしますと、その一カ月か何かの間には、三百円もし上げるとすれば、比海道なり九州なり、そういうところには、もうすぐ三百円アップ石炭を九電なり北電は買い取っていかなければならんことになるわけだと思うのですが、プール措置が行なわれない間に北海道九州は非常な重い負担といいますか、一方、還付金はないし、石炭のほうだけは三百円上がる、こういうことになるようにいまの説明では思えるのですが、そうでしょうか。
  60. 井上亮

    政府委員井上亮君) その辺を、ただいま植村石炭鉱業審議会会長が、通産大臣の委嘱を受けまして、いま電力業界との話し合いを本日も詰めておられるわけでございまして、私、先ほど連絡を受けましたところでは、今晩中には話をきめたいということでございます。明日実は石炭鉱業審議会需給部会がございまして、ここで四月一日からの先ほどからの基準価格の正式の審議をいたしたい。しかし、これは形式でございますから、実質上は今晩中に電力業界との話し合いを詰めたい、こういう予定になっております。それで、ただいまのところは、先ほど公益事業局長からお話がありましたように、大筋においては四月一日から値上げ差しつかえないということになっておりまして、いまの問題の焦点は、ただいま御指摘北海道電力九州電力値段をどうするかという点がいま残されておる点になります。ほかの点は一応解決いたしております。そういう状況でございます。
  61. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 それでは、この会社の発足の趣旨から考えまして、わずか一カ月くらいのことであるなら、それに合わせてやっていかれたらいいように思うので、価格値上げだけは四月一日からやって、実際の会社機能は一カ月なり何カ月か先にしか動けないということでは、ちょっとこの法律に最初にうたってあるプール計算して調整をとっていこうという措置に、もとるような私は感じがするのです。そのくらいのことなら機能を合わせてスタートさせたらいいように思うのですが。
  62. 井上亮

    政府委員井上亮君) 石炭産業は、先生におことばを返すようですが、そうゆっくりもしておれません。非常に三月を越すことのできる会社、ゆうゆうと越える会社は数少のうございまして、大手の会社といえども、半数近い企業は、私どもが金融機関をかけ回って年度末を越すというような騒ぎをただいまやっておるわけでございます。非常に切迫した事態でございます。  それから、もう一つは、四月一日からやはり電力業界として、ともかくも答申のラインに沿って値上げをしていただくのを、九、北の問題はありますが、これはどうきまるかわかりません。これは電力業界話し合いを納得ずくでいたしますから、それはどうきまるかわかりませんが、いずれにしましても、やはり三百円値上げはやるのだということでありませんと、御承知のように、電力石炭の需要の大宗でございます。五千万トンのうち、二千万トン電力にいくわけでございますから、したがいまして、電力用炭について四月一日から値上げができないということは、同時に、鉄鋼、ガス、その他一般産業向けにつきましても、あるいは国鉄等におきましても、やはり炭価値上げはできないということにひとしいことになりますので、ひとり電力業界価格だけでない問題になってきまして、石炭業界にしますと、相当重大な経営上のそごを来たすという問題がありますので、そういった点をいま電力業界ともお話をしまして、御協力をいただくように折衝いたしておるわけでございます。
  63. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私は、炭価の上がるのをおくらせという意味で言ったのではなくて、平仄を合わせてもらうようにしたらどうかということを言ったのです。それから、いま国鉄のお話も出ましたけれども、国鉄も三百円上げのほうでしたかね。
  64. 井上亮

    政府委員井上亮君) 国鉄も一般炭でございますから、三百円の口でございまして、四月一日から御協力いただくようにお願いしているわけでございます。
  65. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 石原先生のお考えはごもっともでございますが、御承知のように、先ほど来申し上げております二十七億という負担増対策というのは、実はことしの四月一日から来年の三月三十一日までの分を含めて二十七億、こういうことになっております。したがいまして、実際にこの会社がスタートするのは多少時間がかかりますが、その間どうするかということを別にいたしまして、電力業界としては四月一日から上げることに承知をいたしております。そういう意味です。
  66. 阿具根登

    ○阿具根登君 一、二点質問したいのですが、大臣がおられれば当然大臣に御質問せねばいかぬのですが、最近、新聞で御承知のように、この問題に触れて、北海道は五十円上げろ、九州は百円上げろ、その他云々ということが出されて、非常な批判といいますか、問題が出ておる。どうも大臣が思いつきで言ったのじゃないと思うのです。そうすると、そういう考え方石炭局の中にあるのかどうか、プールすれば一体どうなるのか。それから、事務局のほうに一ぺんに質問しておきますけれども、プールの問題について、もう少し詳細に話してくれませんか、プールをやるそのお考えについて。関税について、いままで関税がどういうふうな形で還元されておったか、そういう点、詳細に知らせてください。
  67. 井上亮

    政府委員井上亮君) 公益事業局長からの御答弁のほうが適当な問題もありますが、最初に私からお答え申し上げます。  通産大臣が、二、三日前の新聞に出ておりましたが、北海道につきましては四月一日から五十円、九州につきましては百円、その他の揚げ地につきましては四月一日から三百円値上げをいたしたい、植村石炭鉱業審議会会長にもそういう線であっせんを願うようにというような記事であったと記憶いたします。で、これは新聞の書き方が非常にきっぱりした書き方をしておりましたから、非常に誤解を与えたり、あるいは関係者に迷惑を与えたりしていることは事実でございます。しかし、ほんとうの大臣の真意は、大臣といたしましては、一応プールにしたときの九州北海道値段程度のものは、このプールの値段も、精密にはじけば五十円、百円ではないかもしれません、あるいはもっと高くなるかもしれません。しかし、一応の試算で、たとえばプールの値段一つ出たと仮定すれば、せめてその程度のものは九州北海道においても四月一日から協力していいんじゃないか。これはちょっと申しおくれましたが、電力業界意見は、揚げ地については三百円、これはやむを得なかろう、しかし、九州北海道はゼロにしてくれというのが電力業界意見。その上に、電力業界といたしましては、従来、政府が予定いたしました負担増対策をさらに増額してくれという条件がついておるわけです。それに対して、大臣は、せめてただいま申しました程度のことは通産省として希望したいというお気持ちがあったわけです。で、大臣はそのお気持ちを希望意見として披瀝されたと思います。ただ、その発表されました時期が、率直にいいまして適当であったかどうかという問題がありますけれども、大臣としては、強く自分の希望意見を述べられたというふうに私ども了解いたしております。ただいま植村会長は、大臣のそういう希望意見を受けられまして、先般来、非常に精力的に連日電力業界とも打ち合わせをされ、あるいは負担増問題についてはもちろんうちの通産大臣も大蔵大臣と折衝され、いろいろやっておりますが、そういうようなことで現在まあ電力業界と最後の詰めを急いでいるというような現状でございます。見通しとしましては、私は今晩じゅうには、いわゆる植村さんが調停の立場で話し合いをつけられるのではないか。大臣も、一応価格の問題はやはり政府の関心事でもありますけれども、具体的にはやっぱり業界相互間の問題であり、石炭電力相互間の問題であり、そういった性格の問題ですから、価格の問題は植村会長に円満な解決を委任されて、いま折衝を進めていただいているというようなことでございます。
  68. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 御指摘の、関税還付並びにプールの実際のやり方についての御質問でございます。御承知のように、一昨年の第一次石炭調査団に基づく石炭対策大綱というものが出まして、その当時の状況は、先生御存じのように、たとえば昭和三十八年度に電力業界石炭業界の自主的な引き取り数量というものがございまして、これが当時千八百万トンであった。ところが、第一次調査団の報告によりまして、それじゃ足りないので、もっとよけい引き取れということで、三十八年度が二千五十万トン、それから四十二年度が二千五百五十万トン、四十五年度が三千万トンと、ずっとふえていくわけでございます。したがいまして、いままでの約束したものをこえる分については原油関税特別還付をしようということで、六%の特別還付という制度ができたわけでございます。ところが、そういう制度ができたのですが、先生御存じのように、三十八年度は、したがいまして、そのもとになる基準量が千八百万トンで、引き取り予定量が二千五十万トンで、この差額、千八百万トンをこえて二千五十万トンまでいった分について計算をして重油関税を返してやる、こういうことだったのですが現実には石炭が千八百四十七万トンしか出てこない。これはいわば電力側の責任ではないということで、三十八年度の関税還付は、たしか七千万円ぐらいで、非常に少なかったわけです。それから三十九年度、つまり今年度でございますが、今年度もやはり基準は千八百五十万トンに上がったのでございますが、現実に入炭したのはやはりほとんど千八百五十万トンしかこないというようなことで、三十八年度、三十九年度は、関税還付制度はございましても、電力側に言わせれば、石炭側の責任でこないために金がちっとももらえぬじゃないかと、こういうことになりまして、そこで、今度の負担増対策、いわゆる関税還付制度というのは少し性格を一般還付に近いようにする。したがって、しかも、先ほど申し上げましたように、三百円アップということを現在負担増対策としてやり得るのはこの関税還付制度であるというだけに、一応計算いたしますと、まあ今度千九百万トンくるということになっております。むしろこの引き取りを下げまして、二十七億円はくるように、むしろベースを下げよう。ですから、それだけは必ず返るんだ、いままではよけい引き取ったらその分だけ返るということで、制度は、同じ運用をするにしても、趣旨は少し違いまして、それで二十七億円は必ず返してやるから三百円アップをのめと、こういうふうになってきたのです。  そこで、具体的な問題になるわけでございますが、御承知のように、先ほど申し上げましたように、関税還付というのは、九州北海道には、重油を使いませんから、返そうにも返せない、こういうことでございます。そうしますと、結局具体的に試算をいたしますと、たとえば四十年度千九百万トン引き取ろうという場合に、北海道が百四十三万九千トン、九州が三百六十一万七千トン、トータルいたしまして積み地の計が約五百五万トン程度、したがって、残りの揚げ地の計が——これは北陸電力は現在石炭発電所がございませんから、これを除きまして、残りの六社につきまして千三百九十四万トン、約千四百万トン、これだけを一応石炭に割り振っておくわけでございます。それと同時に、今度は重油を使う量が各電力会社でそれぞれ違うわけでございます。そうしますと、一キロリットル当たり先ほどの六%というのが二百三十円返るということで、一応それぞれの電力会社が使います重油の量にその二百三十円を掛けます。そうしますと一応返してもらい得る限度というものがおのずから出てくるわけであります。そのトータルが約二十七億と、こういうことになるわけであります。ところが、北海道九州には返りません。したがいまして、先ほど申し上げましたように、北海道重油がないから、もしほうっておけば非常にダイレクトに受けるということで、北海道の炭の値上がり分をかりに五十円、九州は百円とした場合、そうした場合に、その残りの、しかも、平均三百円アップするということのためには、残りの六社を平均いたしますと三百七十八円アップになるのです。しかも、いろいろな数量関係で三百七十八円アップなんですが、個々の会社にとりましては、たとえば中部電力なんかわりあいに重油の還付量が多いから、それだけ高く石炭を買う。わりに少ないところでは値上げ幅がわりに少ないというようなことで、電力会社がいまの販売会社に払います金はそれぞれみんな違うわけです、この還付を考えますから。しかし、トータル五十七億円というものはとにかく販売会社に集まる。販売会社から今度石炭会社に払うときには、全部三百円アップでずっと払っていく、こういう操作をするので、非常にややこしいわけでございます。したがいまして、先ほどお話のございました十五条の価格をやる場合に、中部電力は非常に値上げ幅が高くなり、北海道電力は非常に低く出る、こういうややこしい操作をしませんと結局プールというものはできないということでございまして、こうでもしなければプールができないということで電力業界ものんだ。詳細ないろいろな数字その他はまた後ほど御説明いたしますが、大体考え方はそうでございます。
  69. 阿具根登

    ○阿具根登君 あとでその詳細な数字がほしいのですが、その考え方が私の考え方と全く違う。重油関税をかけて、この関税の一部を重油を使った人に返すというのは一体どうだろうかと思う。重油関税をかけたならば、その関税をプールする場合に、石炭を使っているその石炭そのものにこれを還元するならいいんです。石炭政策をやる以上、そのとおりです。それは工業生産だってそのとおりです。輸入品に関税かけたらば、関税かけて輸入した人にその関税の中の一部を返すということはおかしい。返すのだったら何も関税かけることはない。私はすべてのものはそうだと思う。たとえばノリなんかも、今度日韓問題で非常に問題になっておりますが、これは二億から五億枚の問題だけのわずかの問題だけれども、これに対して関税をかけるかどうか調整をしていただいておるわけです。そうしましてこのノリ業者を助けるわけです。これは国民の食生活からいえば非常に身近なものでございますよ。でございますけれども、この石炭のように、国の経済の基本になるようなものに全然そういう政策をとらずに、何か重油関税かけたやつを、重油を使った人に重油関税還付金で返すということが現在行なわれている。それをまた今度もそうしたことを勘案されているというならば、これはおかしいものじゃないだろうか。関税かけぬで入れば一番いいけれども、これはどこの国でも政策上関税かけておる。その関税をかけたやつは、それによって犠牲になるその国の産業に対する一つの救助対策でなければならぬと私は思うんですね。そういうことからいえば、何も九州重油を使わないから、北海道重油を使わないから還元はやれませんという考え方が私はおかしいと思うんです。なぜ石炭そのものにやらないか。重油にやる必要はない、重油を使うものに。そこでバランスがとれてくると思うんです。そこで業者も、非常に重油はたきやすいけれども石炭たけば関税石炭にこれこれ返ってくるんだ。私はいまの考え方がどうしてもわかりませんから、ひとつ御説明いただきたいと思う。
  70. 井上亮

    政府委員井上亮君) お説はまことに私ごもっともだと思います。先生承知のように、第二次石炭鉱業調査団におきましても、石炭鉱業の今後の安定のためにどういう施策をしたらいいかということを種々討論いたしたわけです。特に今日の石炭問題、いろんな諸問題をずっと洗っていきますと、やはり根底は会社経理がきわめて悪化しておる、そのために労働条件の改善もできないし、保安の面にも重大なしわが寄る。あるいは鉱害も、鉱業権者が支払うべきところを、会社経理の悪化のために、これも十分にいかない。すべての今日の石炭政策のしわの根源は、会社経理の悪さからきているというような認識に立ちまして、この会社経理の改善をどうするかということで、ただいま先生指摘のような政策も有力な一つ考え方として討論されたわけでございます。それが先ほど申し上げましたような、やはり国も最大限にやるけれども需要部門にも協力を願う。しかし、願う際、その負担増全部を返すわけじゃありませんけれども、一部はやはり国に手段がある限り、めんどうみたらどうかというような線に落ちついたわけです。この考え方に落ちつくまでの間に、当然先生指摘のような議論もあったわけでございますが、調査団の団員の中に、強烈にそれを主張した方もございます。ただ、ただいま先生指摘の点は、私まことにごもっともな御意見だと思っておりますし、調査団としても魅力のある政策だと考えております。しかし、これを今日の時点において実行いたしますときに、やはりなかなか技術的にむずかしい問題が起こってまいります。理論としてはお説のとおりでございますが、実行の面になりますと、たとえばこれは一種の私は原重油関税を財源にして、そこから出てくる収入を石炭業界にやはり補給金の形でめんどうみてやるという形になるわけでございますが、その場合、価格差補給金というような形になろうかと思います。ただ、損を出したから補給金というわけにもいきません。そうすると、やはり価格差補給金、コストと販売価格の差をというような考え方になろうかと思うのですが、それをやりますときに、現在大手の企業におきましても非常な格差がございます。その格差を、補給金を交付するに際して、どう公平に算定するか。特に格差の中には、自然条件による格差もございます。同じような努力をしておって差が出てくると自然条件の差もございます。あるいは、非常に労使がよく努力をしてよくなってる山もありますし、労使いずれか、あるいは双方必ずしも十分努力していないで悪い山もございます。いろいろ千差万別な事態にある大手もありまして、中小炭鉱になりますと、またこれは国が補給金を出すというからには、やはり相当公平な配分が可能であるようなやっぱり技術的な一つのめどをつけなければいけません。そういう場合に、中小炭鉱等についても、個々の事情につきまして、的確に把握してそれをやらなければならないということは、急激に一気にこういう政策はとりがたいのじゃないか。やはりもうしばらくそういった抜本的な対策については、なお十分の検討を待って実施すべきじゃないかというような意見がありまして、先ほど私申しましたような現実石炭政策になったわけでございます。したがいまして、調査団におかれましても、あるいはこの調査団の答申を尊重すると言った政府側におきましても、一がいにただいまの意見を否定しているわけではございません。しかし、やっぱり段階的に見まして相当研究する問題があるというような点から、いましばらくおかれたいというのが実情でございます。
  71. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 阿具根先生指摘のとおりでございまして、われわれのほうでも、何もこんなめんどくさいことをしないで、直接石炭業者にやったらどうだという意見もあったわけでございます。ただ、第二次調査団の答申が出ましたときがたまたま予算の出てくる時期でございまして、いまこの負担増をやるとすればこれしかないというようなことから、こういうはなはだめんどくさいことをやらざるを得なくなったので、私自身、個人的にはやはりすっきりさしていただきたい。ただ、石炭局長の言われましたように、いろいろなむずかしい問題がある。直接石炭へやったらどうかというのは、実はこれは衆議院段階でも、そんな回りくどいことをしないで、二十七億なら二十七億を直接やったらいいじゃないかという御意見ごもっともだと思いますが、まあこれしかこの段階で方法がないものですから、あえてこういうめんどうくさい回りくどいことをやらざるを得なかったという事情だけ御了承いただきたいと思います。
  72. 阿具根登

    ○阿具根登君 お二方の意見はわかりますけれども、むずかしく考えればできないのです。それなら、どの会社石炭にも、石炭一トン千二百円引くとだれがきめたか、引く場合はかってに千二百円引いて、物価が何ぼ上がろうと何だろうと千二百円引けと至上命令で引かしたわけです。それをやらなければならなくなったときに還元することができないという理屈は成り立たぬと思うのですね。引く場合は情け容赦なく千二百円引いたのです、一律に。それならば千二百円返すということじゃないわけです。それで企業努力をうんと認めた上で、そうして、たとえば三百円なら三百円上げねばならぬということになってくれば、トン当たり三百円なら三百円その関税の中から返すというならば、企業努力でうんと出すところはうんと返ってくる。いま井上局長が言ったように、努力しないところは石炭が少ない。少ないところは少ないなりに人も少ないでしょうし、たくさん出すところは人も多いでしょう。だから、私は、そう心配することはないと思う。引くとき引いていて、そうして出すとき出せないという理屈は通らないですね。また電力業界だってそのとおりです。重油が高かったならば買わなければいいのです、買わなければ。それでも電力業界は赤字になってやっていけぬ電力業界でないのです。やっていけるはずです。それならば、関税の還付を、油を輸入したものにまた逆戻りさすような考え方、それにかけて結論を見出すような考え方というものは、これは私はほんとうに技術をもて遊んでいるものだと思うんです。でなければ引くとき引けないはずです、千二百円などは。だから、やろうと思えばできるのだけれども、もろもろの政治情勢なり突き上げなりがあってやりにくいんじゃないか。なぜ断固としてやれないのか、こんなわかり切ったことはない。それは工業政策だって何だって、一切やっているはずです。米だってそうでしょう、輸入の米、あるいは販売価格、あるいは買い上げ価格、それだってちゃんと政府はやって、赤字が大きくなったから今度は上げてくれというのでしょう。何で基礎産業たる石炭だけできないのか、そういう考えが私からどうしても失せないのです。これはまた大臣のおるとき質問します。  私は、時間がございませんので、このくらいで質問を終わります。
  73. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 もう一点だけ、先ほどの三百円上げるというやつですね。あれは石炭局長先ほど言われたように、基準価格からいろいろ展開して石炭業者電力会社契約をしますね、そこでそのときも値段を出すわけですか、そこで一ぺんは。
  74. 井上亮

    政府委員井上亮君) 基準価格は、先ほどいいましたように、電力会社別基準品位につきまして価格をきめる。それから、さらにそれをカロリー別に、つまり東電でしたら六千カロリーで幾らという基準価格ができる。六千カロリーの場合は幾ら、五千カロリーなら幾ら、五千五百カロリーなら幾ら、六千五百カロリーなら幾らというふうに、カロリー別に展開した価格をきめる、基準価格をもとにして。これはメリットだとか、いろいろカロリーの相違によって価値は下がったりなんかしますけれども、そういう値段をきめるということでございます。
  75. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 そうすると、三百円アップするというのは、それに三百円プラスするということですか。どうもそこらの実際問題がよくわからぬものですから。
  76. 井上亮

    政府委員井上亮君) ですから、現在は東電等におきましても、精算会社があるわけですが、現在基準価格取引をお願いしておる。したがいまして、それに三百円今度プラスしたいという考え方です。したがって、三百円上がったものの展開、こういうことになるわけです。
  77. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) これはちょっと具体的に説明しますが、いままで買っておりますのをそのまま三百円上げるのではなくて、関税還付がくるのをまた勘案いたしまして、ですから極端にいいますと、中部に四百円関税還付がくるならば六百円上げる、あとからこっちへくる、そういうような形になりまして、したがいまして、各会社ごとに非常にでこぼこができるわけです。そういうのを十五条で一々手続をしていって、そして結局電力会社から納めるところは、たとえば中部電力は高く買い、北海道は安く買って、合わしたところを、今度は販売会社石炭会社に払うときは三百円払うと、こういうことになるので、これは非常にめんどくさいややこしい操作をしなきゃいかぬ、こういうことであります。
  78. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 どうもわかりませんな。
  79. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 後ほど具体的に……。
  80. 小柳勇

    委員長小柳勇君) 他に御発言もございませんようですから、本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時十一分散会