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1965-05-25 第48回国会 参議院 商工委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月二十五日(火曜日)    午後零時五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 上原 正吉君                 大谷藤之助君                 中田 吉雄君     委 員                 植垣弥一郎君                 川上 為治君                 岸田 幸雄君                 斎藤  昇君                 前田 久吉君                 奥 むめお君    衆議院議員        修正案提出者   板川 正吾君    政府委員        公正取引委員会        委員長      渡邊喜久造君        公正取引委員会        事務局長     竹中喜満太君        通商産業政務次        官        村上 春藏君        通商産業大臣官        房長       熊谷 典文君        通商産業省鉱山        局長       大慈彌嘉久君        通商産業省石炭        局長       井上  亮君        通商産業省公益        事業局長     宮本  惇君        中小企業庁長官  中野 正一君        中小企業庁次長  影山 衛司君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○私的独占禁止及び公正取引確保に関する法  律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院  送付) ○下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案及び総合エネルギー調査会設置法案の審査を行なうこととなりましたから御了承願います。
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) それではこれより議事に入ります。  私的独占禁止及び公正取引確保に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  4. 中田吉雄

    中田吉雄君 ただいま議題になりました改正法案は、本年四月一日から施行する予定でございましたが、衆議院修正で見ますように、いまや施行日がおくれざるを得ないのですが、支障はございませんか。
  5. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 四月一日から施行するように御審議願いたいとは思っておりましたのですが、国会の御都合でもって延びましたようなわけでございまして、支障が絶対ないとも申しませんが、ただ一部は、今度の内容は、一つは、御承知のように株式保有なり役員兼任の場合の届け出を総資産一億から五億というものに引き上げよう、その関係におきまして、多少改正案が通った場合と通らなかった場合と違うわけでありますが、まあそう長い期間でありませんければ、そう大きな影響はないじゃないか。それからもう一つは、増員関係でございますが、仙台地方事務所をつくりたいというのは、いずれにしましても七月一日ということを予定しておりまして、法案のほうもその限りにおいては、七月一日に一応施行がなっております。したがって、その余の分が四月一日から施行したいというのが、現在までに延びているわけでございます。全然支障がないと申し上げるのもいかがかと思いますが、まあ国会のほうの御都合でございますので、われわれとしましては、現状においてできるだけの努力をして、その穴埋めという意味においての覚悟で仕事をしておる次第でございます。
  6. 中田吉雄

    中田吉雄君 ただいまよく聞き取れないのですが、七月一日から施行されるということなんですか。
  7. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 地方事務所設置関係は附則にございまして、三十五条の六の第一項の改正規定では、昭和四十年七月一日から施行するということに改正案がなっております。したがいまして、仙台地方事務所関係は、法案が四月一日前に公布されました場合におきましても、その施行は七月一日ということになります。その関係は今国会で可決していただければ変わりなしに済むのじゃないかということを申し上げたわけです。
  8. 中田吉雄

    中田吉雄君 あとでもお尋ねしようと思いますが、これは十一名というのは配置転換でふえるわけですか。新規採用でふえるわけですか。
  9. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 十一名は新規採用でございます。
  10. 中田吉雄

    中田吉雄君 議事進行板川さんが見えましたから、私はあとで……。     —————————————
  11. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) この際、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案を追加して議題とし、本案の衆議院における修正点説明を聴取いたします。衆議院議員板川正吾君。
  12. 板川正吾

    衆議院議員板川正吾君) 下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案修正点説明を申し上げます。  ただいま議題となりました下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案について、衆議院商工委員会において修正いたしました修正部分について、提案者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の第一点は、親事業者の範囲を拡大し、いわゆるトンネル会社親事業者として規制することにしたことであります。すなわち、資本金一千万円をこえる事業者が、本法規制を免れる目的で、自己の支配下にある別会社を通じて、下請事業者に対し製造委託等を行ない、下請代金支払い遅延することなどを防止するため、その別会社親事業者として規制することにしたのであります。  修正の第二点は、今回の改正案で新設されている第四条第二項第一号の、下請代金原材料等対価との関係に関する規定を整備し、「差し引き」とあるのを「控除し」に改めたことであります。これは、会計経理上の用語としては、「控除」が一般的であること、また審議過程において、「差し引き」では民法上の相殺ととられるおそれがあるので、無用の誤解を避けるべきであるという意見もあったことにかんがみ、修正を加えたのであります。  修正の第三点は、勧告、公表に関する規定を整備したことであります。すなわち、現行法第七条においては、公正取引委員会は、順守事項に違反した親事業者に対し、「勧告することができる」こと、また勧告に従わなかったときは、「公表することができる」ことになっておりますが、これを、いずれも「勧告するものとする、「公表するものとする」に改め、本法の積極的な運用をはかることにしたのであります。  修正の第四点は、独禁法との関係をより明確にするため、規定を整備したことであります。  修正の第五点は、第三条で定める書面を交付しなかったときは、三万円以下の罰金に処することとし、下請代金支払い遅延適確規制しようとしたことであります。  以上が修正趣旨及び内容であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛成くださるようお願い申し上げます。
  13. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 以上で修正点説明は終了いたしました。  次に、同法案補足説明を聴取いたします。渡邊公取委員長
  14. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 下請代命支払遅延等防止法の一部を改正する法律案につきまして、その内容を簡単に御説明申し上げます。  この改正案内容は、次の五点であります。  第一点は、下請代金支払期日は、給付内容について検査をするかどうかを問わず、その給付を受領した日から起算すべきものである旨を明確にすることであり第二点は、親事業者下請事業者に対し交付すべき書面記載事項として、新たに下請代金支払い方法その他の事項規定し、かつ、記載事項については、公正取引委員会規則で定めることとすることであり、第三点は、親事業者下請事業者に対し有償支給した原材料等対価を、下請代金支払期日より早い時期に、その下請代命から控除したり、または支払わせることによって、下請事業者利益を不当に害することとなる親事業者行為規制することであり、第四点は、下請代金支払いにつき、一般金融機関による割引を受けることが困難と認められる手形を交付することにより、下請事業者利益を不当に害することとなる親事業者行為規制することであり、第五点は、下請代金支払い遅延している親事業者に対し、下請代金支払いとあわせて遅延利息支払いについて勧告することができることとしようとするものであります。  これらは、本法制定以来八年余の運用経験中小企業政策審議会における本法改正に関する意見内容に照らし、また、第四十七回国会における中小企業危機打開に関する決議の趣旨を尊重して、親事業者下請事業者に対する取引を公正ならしめることにより、下請事業者利益保護するための措置を講じようとするものであります。  以上簡単でありますが、下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法律案内容につきまして御説明いたしました。
  15. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 以上で補足説明を終了いたしました。  それでは、これより両案の質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  16. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止
  17. 豊田雅孝

  18. 中田吉雄

    中田吉雄君 独禁法改正について質問しますが、ちょっと初歩的な質問ですが、法の第十条の二項、これは金融業を除いたのはどういうわけなんですか。
  19. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 十条二項で金融業を除外しております。これは十一条のほうで金融業につきましては、金融業以外の事業を営む会社に比べまして、はるかに厳格な規制をしているということから、こちらのほうは認可を受けなければ百分の十以上の株式の持ち分を持ち得ない、相当やかましい規制をしておりますから、おそらく十一条のほうでそういう厳格な規制をしているということで、十条関係届け出だけの問題であります。金融業の場合にはもっと厳格な規制をしているということから、十条のほうは一応別途に金融業は抜かしている、こういうふうに理解をしております。
  20. 中田吉雄

    中田吉雄君 この報告義務は一億から総資産の五億に上げているわけですね。そうしてこの総資産というものの定義を第十条の二項において見ますと、「一最終の貸借対照表による資産合計金額をいう。」というふうにしています。これは会社規模がただ大きくなったということだけなんですか。この中小企業定義が変わったことで、大体合計すれば総資産が五億というふうになるからそういうふうにしたのですか。その辺はどうなんですか。
  21. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 総資産資本金関係、これは会社によってかなり違うわけですが、きわめて平均的に見てまいりますと、大体総資産一億の会社というのは、資本金にしまして一千万円くらいの会社というふうに見ることができるように思います。で、現在の総資産一億という金額は、昭和二十八年に改正になりましたときに一億という数字でやってまいりまして、この当時の提出義務のある会社と全国の会社との比率をとってみますと、一・四%ぐらいのものが提出義務があるということになっていたと推定されるわけであります。その後御承知のように会社規模も漸次大きくなってまいりまして、そのような関係で現在のままでございますと、提出義務のある会社は大体五%ぐらいにふえてきているわけです。で、この関係でもってわれわれのほうでこういう届け出を必要とするゆえんのものは、結局そこに独占的な地位を持つか持たないか、もちろんそうした小さな会社の全国的な独占ということは問題になりませんが、地域的独占という問題は別にあるわけでございます。ただ最近におきましての状況を見ますと、中小企業基本法などにおきましても五千万以下のものを中小企業としてつかんでいくと、そういったこともありまして、それを先ほど申した資本金と総資産関係からいえば、大体総資産として五億くらいのものじゃないだろうか。で、だいぶ会社規模も大きくなってまいりましたし、この際五億に引き上げますと、おそらく全会社の中で一・二%ぐらいのものが届け出の必要があるということから考えてまいりますと、二十八年当時の数字とほぼ近いような数字になるわけでありまして、臨時行政調査会におきましてこの辺のやはり金額を上げたらどうかといったような勧告もございまして、われわれのほうでも一応検討してみました。結果としまして、その勧告のこともございますので検討しましたが、この際としては、いままで申し上げたようないろいろな事情からしまして、五億円に上げても支障ないんじゃないかと、こういう考え方でもって改正案提出したわけであります。
  22. 中田吉雄

    中田吉雄君 現状では、私よく理解しなかったんですが、五%ぐらいになるのでそれを一・二%ぐらいにするために総資産を引き上げたと、こういうことですか。
  23. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 五億円にした一番のきっかけと申しますか、それは先ほど述べましたように総資産資本金割合が大体一〇対一ぐらいになるんじゃないか。それでそうしますと、中小企業として一応認められている関係資本金五千万円以下、そうすれば総資産に直したら五億円ぐらいじゃないだろうかというのが、実はまず考え方出発点でございます。で、それをした場合に、結果的にどうなんだろうと思ってみますと、大体会社全体の一・二%くらいになる。その割合は先ほど言いましたように二十八年のときの一・四%にかなり似た数字になると。それこれ考えますと、それぐらいまで引き上げてもいいんじゃないだろうか、こういうふうな論理の追い方でもって改正案を考えたわけでございます。
  24. 中田吉雄

    中田吉雄君 資本金と総資産との関係は一対一〇、一千万の資本金が大体一億と。これどういう構成になるんですか。
  25. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) これはもうほんとうにマクロ的に見た場合の平均的な数字というふうに理解すべきものじゃないかというふうに思います。個々会社によりまして、結局、資本金一千万円としましても、一千万円のほかに内部留保という、いわゆる積み立て金のようなものがどれだけあるか。あるいは要するに他人資本である借り入れ金というものがどれだけあるかというようなことが全部重なりまして、それの対応関係資産が出るわけでございますから、会社によりましては、比較的他人資本が多いために資本金が少なくても総資産の多い場合がございますし、あるいは内部留保資本金関係というものもいろいろ会社によってまちまちでございます。したがいまして、個々会社について見ますと、必ずしも総資産資本金関係が一〇対一というわけのものではございませんが、全体の統計をアベレージしてみますと、大体それが一つの見当になるのじゃないかという数字があるわけでございます。
  26. 中田吉雄

    中田吉雄君 それじゃ、総資産を五億にしても、この法の適用からいって、地域独占等も含めてまず心配ないということなんですか。
  27. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 地域独占があれば、これはもう資本金の大きさにかかわらず一応法の対象にはなるわけでありますが、届け出をとるということは、一応そういう地域独占のようなものもここでもって届け出でもって手がかりをつかむという問題だと思います。その意味からしまして、いま申しましたような程度会社につきましては、わざわざ届け出をとらなくても支障なく仕事ができるのじゃないだろうか、こういう考え方でございます。
  28. 中田吉雄

    中田吉雄君 本改正案の大きな点は、現在の定員二百六十六名を十一名増員して二百七十七名にするということですが、公取のなさねばならぬ仕事重要性からいって、歩積み、両建てとか、物価対策下請保護消費者等保護など非常に業務重要性を増しておると思うのですが、いまの支配権力公取が強くなることをあまり好まないというようなことでもってわずか十一名の増員になったのじゃないかと思うのですが、そういうことでは、になっておる重要性を果たすことができぬじゃないかと思うのですが、一体これは一律にそういうふうなことが規定されたのですか。特別に公正取引委員会の強化のために十一名をふやしたのですか。その関係はどうですか。
  29. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 定員の問題は、まあ公正取引委員会の法規といいますか、内閣のほうでおきめになる問題でありますので、私のほうでそれ自体について直接的に答弁するのはいかがかと思いますが、一応御参考に申し上げますと、公正取引委員会としては、総理府のほうに四十五名の増員をしてほしいという要求を出しました。四十五名という数字も、実はわれわれのほうから見ますと、必ずしもそれで十分と言える数字ではございませんが、しかし、そう一度にということもできませんので、一応四十五名の増員を要求したわけでございます。で、内閣のほうの一貫した方針としましては、今回は、定員はできるだけ各省庁を通じて特別の場合以外はふやさぬ、こういうような方針のように伺っております。したがいまして、他の場合であったならば定員はふやさない、むしろ欠員につきましても、二分の一は不補充ということでもってやっていくつもりだという前提のもとに、しかし、公取委員会はいろいろないまお話のような事情もありますので、とにかくこの際として十四名ふやそう、ただ三名は欠員補充でもって留保してある人間があるからそれを解除しよう、で十四名の中で、実質的にはその意味で十四名ふやすが、三名は欠員補充でもって留保してある三名をそのほうに充てるから、したがって法律上の定員としてはこの際十一名だけふやす、こういうふうな説明で十一名がきまっているというふうに私のほうでは聞いております。
  30. 中田吉雄

    中田吉雄君 四十五名要求されて十一名では歩どまり二割五分で、欠員補充を解除してもらってもやっと十一名なんですが、これは他の省も同じなんですか。これでも特別にふやしてもらったほうなんですか。
  31. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 私の聞いておりますところでは、いわゆる現場的な官庁といいますか、あるいはそうしたところでは、事務量が相当ふえている場合には、それに応じてのある程度定員増は見るが、いわゆる企画官庁的なものにおいては一切増員はしていない。で、公取の場合には、一部現場的な面もあるゆえだと思いますが、公取の場合には、とにかく中央的にはふやさない、中央官庁としては一切ふやさないという方針だが、公取仕事も重要だから、公取の場合におきましては、さっきも言ったように、実質的には十四名、形式的には十一名ふやすんだ、こういうふうにして現在の改正案ができている、こういうふうに伺っております。
  32. 中田吉雄

    中田吉雄君 これも内閣のほうでないとわからぬと思うんですが、一体何ぼふえているのでしょう、全体で。わからぬですか。
  33. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 今度の一連の定員関係法案で、公務員の全体の数がどうなっているかということにつきましては、遺憾ながら私のほうには資料はございませんので、この際、お答えするのはできかねます。
  34. 中田吉雄

    中田吉雄君 ちょっとさかのぼるのですが、総資産が一億から五億に改める問題ですね。これで報告事務の量が大体一・二%くらい簡素化するというのですが、総資産別会社の数というものはわかりますか。
  35. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 総資産である程度の区分をしまして、そうして会社の対資本を見た統計というものは私のほうでもまだつくっておりませんし、他の役所あるいは民間においても、そういった意味統計は、遺憾ながらまだできていないようでございます。
  36. 中田吉雄

    中田吉雄君 きょうはどうせ採決はないですし、あらためてわが党の阿部委員が質問しますが、それに大体こんな人員では、どうせほんとう公取使命は果たせないのだから、ザル法だから、これは継続審議でもいいじゃないか、こう言っているのですが、それは別にしてこの次には総資産額別会社数ですね、わかりましたらわかるだけの何でいいですから、資料をお願いしたい、規模別額別
  37. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 一応届け出書提出がある分について総資産別会社の数を拾うことは、これはできると思います。ただ実はいままでそういう統計を私自身のほうではつくっておりませんし、他にもございませんので、これからそれを拾うとなりますと、ある程度時間を要するのじゃないかというふうに思いますので、ちょっとすぐ……、次回がいつか知りませんが、それまでの間にそうした統計がつくり得るかどうかという点につきましては、この場でお答えするのはちょっと無理かと思います。
  38. 中田吉雄

    中田吉雄君 最初にも触れましたが、公正取引委員会業務は、不当なカルテルとか管理価格の監視、歩積み、両建て、下請けの保護のための実態を把握されねば、なかなかやれぬと思うのですが、ただ待っておって届け出があってから活動に移るというのではおそいので、実際もう少し人員でも充実して、経済憲法ともいうべきそのになっている使命を果たすためには、積極的にこの実態調査に乗り出すことが必要で、やはりこれは人手も要することで、私も地方の県でやはり独禁法に触れるというような調査を依頼したことがあるのですが、なかなか人手がなくて、製氷の販売なんですが、氷の販売なんですが、調査ができてきたときには、氷の販売シーズンも済んだというようなことで、あまり意味がなかったということを知っているのですが、したがって、機構の充実、それから人員増加については四十数名要求して、二割五分の歩どまりというのでは、どうも国税庁長官をやられ、住宅公団の総裁の前歴のある渡邊委員長、これは内閣でやってというようなことでは、いささかやすきについておられるのじゃないかと思いますが、この辺の所信を……。
  39. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 私も十一名、実質には十四名と言っておりますが、十一名の定員増で満足なのかどうかと言わわれば、もちろんきわめて不満であります。実質的には内閣のほうでおきめになる問題です。及ばずながら私も公取仕事実態というものにつきまして関係の方々に説明しまして、われわれのほうの主張が決して過大でないということについては、相当努力したつもりでございます。先ほど言ったような一般方針というものがあるのだということで、それとのからみ合いによりまして、結局この程度定員増でがまんしてくれといった話に最後に落ちついたわけでございます。私どもといたしましては、結局この与えられた人間をどういうふうに有効に使っていくかということについて十分努力をしてまいりたいと思います。もちろん、この定員で十分かあるいは支障ないかと言われますと、遺憾ながらきわめて不満な増員に終わったということは、お示しのとおりであります。われわれのほうとしても、その意味でいろいろ努力はしたのでございますが、遺憾ながらそういった程度にしか実が結ばなかったということは遺憾に思っております。
  40. 中田吉雄

    中田吉雄君 これは運営をよくやって、少ない人員で十分な機能を果たしたいということですが、何ぶん相手独占企業を主として対象にするわけですが、相手を取り締まっておっては、定年になってからなかなか身の振り方もめんどうなということで、なかなかいろいろな調査なんかを欠くきらいがあるのです。そこに入っておられる人は良心に誓ってやっておられると思うのですが、なかなかそういうことを考えると、非常に困難なような気がするのですが、その点はどうなんですか。
  41. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 調査対象がかなり複雑であります。特にカルテルのような問題になりますと、そこに何らかの意味における意思の合致といいますか、そういうものをやはり裏づけなければならない問題もありますので、同時に、非常に大きな企業になればなるほど、もしやるとしましてもその辺の独禁法はわかっておりますので、できるだけそうした妙な証拠を残さないようにといったような動きがあるわけでございまして、それをわれわれのほうとしましては、もしそういう事実があれば、これをつかまえようというわけですから、かなりむずかしい仕事であるということは、おっしゃるとおりだと思っております。しかし、その事務に従事する者が、相手方によって手かげんする、卑屈になるといったような意味のそうした考え方は、これは私は全然ないと思っております。ただ仕事が複雑であり、むずかしいだけに、なかなか十分な証拠をつかむには相手の苦労が要る、これはおっしゃるとおりであります。
  42. 中田吉雄

    中田吉雄君 私はやはり公正取引委員会につとめられる人の身分保障について、裁判官と同じようにとは言いませんが、特別な考慮なしには、いろいろな退職後その他を考えたりしても、優秀な人材を集めて、そうして公取に課せられたら機能を十分に果たすというのは非常にめんどうじゃないかと思いますが、これは私不案内なんですが、一般の行政官と同じことですか、身分関係は。
  43. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 委員長及び委員につきましては、裁判官と同じような意味の身分保障がございます、任期、定年が別にありますのと相対応じまして。しかし事務局の者につきましては、特に身分保障といったような意味のものは別にございませんで、これは一般の行政官庁と同じでございます。
  44. 中田吉雄

    中田吉雄君 委員長はただいま特別な身分保障があるわけですから、それでいいかもしれませんが、やはり第一線のやる人が私は人員増加とともに、何らかのそういう措置が必要じゃないかと思うのですが、その点はお考えになりませんか。普通の行政官でいい、他者並みでいい、こういうことでいいわけですか。
  45. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 現在の公務員のいろんな制度を見てまいりますと、身分保障という問題は、確かに大きな、大事な問題ではございますが、ゆえなくして公務員をやめさせるとか、いろんな意味のことは、これはもちろんあるべきでもありませんし、ないわけでございますので、私、いまの仕事にまいりまして二年余たっておりますが、事務局の人たちが、いま言ったような点で身分保障がないがゆえに当然やるべきことが、もう一つ力が入らないというようなことは万ないんじゃないかというふうに思っております。ただ、痛感しますのは、やはり何と申しましても、仕事がかなり広範にわたっております。あれもやりたい、これもやりたいというふうに広範にわたっておりますが、なかなか手のほうが足りないので、まず重点的に仕事を処理していかなきゃならぬという点は強く痛感しておりますが、身分保障の点について、事務局の人たちが、それがないがゆえに、士気が十分発揮されないという点については、それほど大きな弊害はないのじゃないだろうかというふうに私は見ております。
  46. 中田吉雄

    中田吉雄君 改正案についてはまあそれぐらいにして、関連してお尋ねしますが、最近宅地の分譲広告などが実際と非常に違ってでたらめな広告が多いので、公取でもその取り締まりを強めていられるように伝えられていますが、不当景品及び不当表示防止法に基づく訂正広告を出す命令はあまり実効がないので、この訂正の罰則強化が検討されているということですが、そういうことについていろいろ当面された最近の問題からして所信をお伺いしたい。
  47. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 広告の問題につきましては、しばしばまあ不当表示、法律にありますものが見受けられます。特に、いま話題になりました不動産の場合なぞにおいて、相当客寄せのために極端な甘言的な広告をして、そして人集めをするといったような事例があります。で、こういったものにつきまして、われわれ目につく限りにおきましては、取り消しの広告を出させる、いわゆる解除命令を出しております。しかし、それだけではなかなか全体の姿勢が直らないようでありますので、二年ほど前から、宅地建物業者の中で相当昔からやっている方を中心としまして公正取引協議会というのをつくってもらいまして、そうした業者の間では広告の場合においても、たとえば新聞広告の場合にはこうこう、こういう事項を書く、あるいはビラの場合にはこの程度のことを書く。で、書く場合におきましては、たとえば駅から五分という場合には、大体メーターにしてどれくらいの距離のものを駅から五分に書くとかといったような幾つかの書くべき事項と、書く場合におけるよりどころというものを規約につくってもらいまして、この協議会に入っている人たちは、まず第一次的には協議会の内部的な働きに、統制によりまして妙な活動はやめると、で、同時に協議会に入っていない人たちはそうした規約に拘束されませんから、これはまあわれわれのほうでもって取り締まっていく。協議会としても、そういったものが目につけば、どんどんわれわれのほうへ回してよこしてくれ、こういったことで仕事をやっております。一応そうした虚偽表示の広告を見ますと、やはり一応は現場に行って確かめてみませんと排除命令も出せませんし、そういったことで、これも相当の人手の要る仕事ではございますが、かなり、一見してちょっと怪しいという広告がずいぶんございますので、見当たり次第そういう排除命令は出しております。ただ、こういったことがちっとも絶えない理由はどこにあるかどうかというような問題もありまして、建設省などとも話し合いまして、もちろん宅地問題とかいろいろな基本的な問題がありますが、もう一つそれとあわせまして、やはり土地をほしがっている人に相当の基本的な知識を持ってもらうということが、あまりばかなことに惑わされなくなるもとじゃないかというととで、こういった点も——大体一番極端なのは東京都あるいはその周辺でございますので、東京都あるいは建設省とも話し合いまして、何かそうした方面からも、やはりいろいろな予防的な意味における措置も講じていくべきではないかと、こういったような両面からこの問題の対策を講じていく必要があるんじゃないかということで、片方の排除は排除としまして、そういったことも別途話を進めております。
  48. 中田吉雄

    中田吉雄君 二月十七日の読売新聞ですが、太洋興業観光不動産、これがでたらめな広告を、六十万枚も実際と違うものを出したというようなことで、いま公取では、六十万そういうでたらめな広告を出したら六十万の訂正広告をまた出させるとかいうようなことを検討されているということですが、この新聞に書いてあるのですが、そういうことはないのですか。
  49. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 具体的な問題としては、ちょっと私聞いておりませんが、排除命令を出しますときにおきましては、どういう程度にやることが必要かという点についてはすみやかに、そうした不当表示の広告をしたその広告の程度、それに対する取り消し命令、このバランスを得るということがやはり必要だということで、一応われわれは考えております。したがいまして、たとえば新聞でもって広告を、普通の新聞広告をした場合に、おおむねのやり方としまして、新聞広告で取り消し命令を出させております。それからビラの場合でございますが、これはビラのかっこうで排除命令を、取り消しを出させるのがいいか、あるいは新聞の広告のかっこうで出させるのがいいかという点につきまして、どの程度のことが周知方として適当かという点を考えまして措置しておりますが、従来はおおむねビラの場合におきましても、新聞による取り消し広告という場合が多かったと記憶しております。いまお話しの六十万枚ビラを配ったから六十万枚また訂正のビラを配れというような意味の該当事例は、いまのところまだございません。
  50. 中田吉雄

    中田吉雄君 毎日のように新聞に住宅の広告が出ていますね、宅地、家の。あれのたとえば高円寺から何分、それから宅地の面積が六十坪というようなことがあるのですが、実は私聞いてみると、なるほど高円寺から六分は、歩いて六分かタクシーで六分か、それから六十坪といっているが、この坪が私道を含んでおるかという問題があるのですが、こういう広告は、これは建設省の所管の宅地建物取引業法の対象になるのですか、公取の不当景品類及び不当表示防止法の対象になるのですか、どっちなんですか。
  51. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) こうした不動産のブローカーの場合におきましては、宅地建物取引業法ですか、そちらのほうの監督は当然受けておるわけです。したがって、その意味では建設省の監督は受けております。しかし、そこへ出している広告が実際のものと違うという限りにおきましては、不当表示のこの法律の取り締まりを受けますから、その広告に関する限りにおきましては、われわれのほうが排除命令という名前においてその取り消しを出させる、こういう仕事の分担にしております。
  52. 中田吉雄

    中田吉雄君 私、もう時間がありませんので、日を改めてやりたいと思いますが、この点やはり、連日のように広告を出しておりますね。歩って十分とか、これは高円寺から十分といって、実際歩ってだと思ったら——良心的な業者は徒歩何分と書いてある。ところが、実際たいてい十分というのは、歩けばたいへんなんで、バスかタクシーで行って十分というのが多いそうです。それからそこは坪十万もするわけです。それが私道が一割も二割も含んでいるのを、私道も含むと書かずに宅地面積六十坪、こういうふうになっているのは、これは坪単価十万もするのですから、不当表示に私は当たると思うのです。ひとつその点を、徒歩で一体何分、車で何分、実面積か、私道を含んでいるかというようなことも、これはやはりただいま言われた宅地建物取引業法にも該当するようですが、広告の面ではやはり私は、公取のほうにも関係があると思うのです。そういう点はやはり良心的に、歩いて何分か、車で何分か、実面積か、私道を含んでいるかというようなことは、これは非常な、私道が一割も二割もあるのに、そういうことをはっきりしないということは、非常な不当な表示だと思うのですが、いかがですか。
  53. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 私もそういったものは不当な表示であると思います。先ほどちょっと申し上げましたが、古くからやっている業者を中心にして不動産関係公正取引協議会ができておりまして、その協議会の申し合わせの規約の中には、いまお話のように駅から何分という場合に、これはやはり徒歩で何分かというように書けという申し合わせになっておりますし、また、百坪なら百坪の中に私道が含まれているような場合におきましては、その点をやはり特記するというようなことになっておりまして、その限りにおいては一応、協議会のほうに参加しているメンバーについては、ある程度協議会自身が申し合わせによってその規約を、課徴金までつけて一応実行しようとしております。私はその点ではかなり守られていると思いますが、しかし同時に、協議会メンバー以外のものについては、相当やはりいまお話のような意味の虚偽表示の広告があるというふうに思います。われわれのほうとしましては、先ほども言いましたが、そういった点を問題にしまして、かって排除命令を出したこともございます。したがいまして、今後ともそうしたものにつきましては、相当厳重な取り締まりをしていくということにするつもりでおります。
  54. 中田吉雄

    中田吉雄君 私、実は体験者だから語っているんです。その協議会に入っている役員が広告出しているのが、なるほど高円寺から何分と書いてあるんです、歩こうが、車だろうが。それから、宅地面積七十坪と書いてあるんで、実際一級建築士に実測さしてみると、私道が二割もある。私道を含むと書いてないのが多いわけなんです。私道を含んで徒歩で何分と書いてるのもありますが、その辺はもっとはっきりするように、やはりしていただきたいということと、きょうは時間がありませんので、別な面から今度の人員増加で足りるかどうかという面も、私この次のときに不況カルテルの生産調整の問題、支払い代金の遅延の問題、歩積み、両建ての問題を質問したいと思いますので、その点をお願いしておきます。  それから、エネルギーの調査会について資料をお願いしておきたいと思います。  まず、第一に、通産省所管の審議会、委員会、調査会の名称、構成、審議なり調査されているテーマ、経費。  第二番目には、これは鉱山局長からいただいたんですが、第一次エネルギーの構成比ですね、石油、水力、石炭、原子力というようなもののこれまでの構成比並びに将来の見通しというものはいただいたんですが、主要国でありますアメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリアというものについてお願いしたいと思うわけであります。  さらに調査をお願いしていますし、私自身も調査していますが、少なくともエネルギーはわが国の基幹産業であり、特に石油はたしか食糧とえさに次ぐ大きな輸入物資だと思います。したがって、私はこういういろんなエネルギーの総合的なやはり調査研究をする必要があるんじゃないかと思って、だいぶん世界各国の調査研究所等も調査していますが、そういうものの一覧表をお願いしたい。  それから次に、特にドイツ、フランス、イタリアの民族資本といいますか、その国のナショナル・インタレストを高めるためにとっている国際石油資本との戦いといいますか、国際石油資本に対してイタリアやドイツやフランスがどういう手を打っているかというようなことを、よくわかりますような一覧表にしていただくような資料をお願いしたいと思います。その他の資料は、大体官房調査課と鉱山局でいただきましたから、今度の木曜日が委員会ですから、その前までにひとついただけたらたいへんありがたいと思う。  それから、ただいま公正取引委員会から、最近における下請取引の概況、下請代金支払い遅延防止法の施行状況というものをいただきましたが、これは下請代金ではないですが、こういう調査はやっておられますか。たとえば一流の業者がホテルや旅館で遊興飲食を取引のためにやった、そういう支払い遅延実態ですね。これは私は聞いて驚いたのですが、三井、三菱、住友というような一流大商社が商談をやって取引をする。商談をやったあとで、一流のホテルで宴会をしながら、何カ月たっても払わぬ。そうすると、そのときに担当した人はもうパリに駐在している。サンフランシスコに行っちゃったというようなことで、もうとってもかなわぬ。遊興飲食税は、今月飲食やったら翌月に取られちゃうので、これは下請代金と同じようになかなか重大な問題だと思うのですが、そういう支払い遅延実態調査をやられたことはありますか。
  55. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 下請代金についていろいろ調査していることは、御承知のとおりであります。そのほかの問題としまして、結局、最近の経済の実態を見てまいりますと、親企業自身が今度はまたその納入先からの支払いの受領が必ずしも円滑にいっていないといったこと、その他いわゆる企業間信用というものが非常に膨脹しているということは、これはやはり下請代金の問題を検討するのと並行しながら検討してみるべき問題じゃないか。そういう意味におきまして、企業間信用について最近の状況いかんという点につきましては、昨年も一応調査しましたし、今年もその調査に着手しております。しかし、いまお話しのような、具体的におあげになったような事例についての調査というのは、これはわれわれのほうとしてまだやった事例もございませんし、ちょっとむずかしい問題じゃないかと思います。サンプル的に一つ、二つ探がすことはできますが、総合的にこれを見ることはむずかしいんじゃないかというふうに思っております。
  56. 中田吉雄

    中田吉雄君 中野中小企業庁長官にお願いしておきたいのですが、こと資料公取にいただいたのですが、中小企業庁でも下請代金支払い実態調査があると思いますが、ひとついただいて、議事の促進の協力に備えたいと思いますので、これもいただきたいと思います。  私の質問は、もう時間ですから終わります。
  57. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止
  58. 豊田雅孝

  59. 奥むめお

    ○奥むめお君 渡邊委員長には初めていろいろ御質問するわけですけれども、私はこと公正取引委員会というものは、非常に大事な職責を持っていると思う。ことに経済事情がここまで変わってきますと、特に忙しくなるのがあたりまえだと思います。それに、十一人ふやしたいということでございまして、それくらいで何ができるかしらと実際そういう疑問を持ったわけです。いまお話を聞きましてややわかりましたですが、それはやむを得ないかもしれないですが、やはりそれだけに今度は当局のあなた方が心がまえとして持つべきものが非常に重大であろうと思います。その点いかがでございますか。
  60. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 私も御指摘のとおりだというふうに思っております。非常に広範にわたりました問題、しかも相当経済の複雑なからみ合いの中に筋を通していこうという仕事でございますので、われわれとしましては、与えられた予算、与えられた人員、これをいかにして十分に活用していくかという問題の把握におきまして、できるだけ重点的な処理ということもある程度やむを得ないと思いますが、それにしましてもやはり独禁法の目的に照らしまして指向すべき問題を十分把握しまして、そうして不十分ながらも、その範囲において十分な努力をしていくということが、われわれの使命であると考えております。
  61. 奥むめお

    ○奥むめお君 このごろ日常の国民の生活実態についてどういうふうにお調べになっていらっしゃるか。人手が足りないから、あれもできません、これもできませんということをよく聞きますけれども、足りないのはもっともだと思いますけれども、それで済むわけのものでもないと思うのです。まあ国民の側から言いますと、たとえばクリーニングの問題で北九州がずいぶん荒れておりますね。それからおとうふの問題で関東一円が荒れております。そして協定価格がどんどん高くなるのですね。こういう実情を御存じでございましょうか。
  62. 渡邊喜久造

    政府委員渡邊喜久造君) 九州の問題につきましては、おそらく奥委員の御指摘になっておりますのは、われわれもかなり大きく関心を持っておりましたクリーニングの環境衛生の組合が、アウトサイダーである新しい様式をとっているクリーニング業者が安い料金でもって引き受けている。で、それは困るからアウトサイダー規制をしてくれということを中央に言ってまいりまして、そうして、それが審議会の話題になり、いろいろ問題になったと、この問題ではないかと思います。われわれのほうとしましては、結局クリーニングのような問題こそ、一番まだ同じ環境衛生業者の中では合理化の余地があり、そうして、合理化された機械によるクリーニング料金で一応引き合っているものを、他の合理化が進んでいない業者のために料金まで引き上げろ、それは消費者の利益をあまりに無視しているいき方じゃないか。むしろ合理化の行きわたっていない人たちをいかにして合理化するかと、そのほうに重点を置くべきじゃないか、こういう意見を持っていまして、厚生省にその意見をはっきり表示いたしまして、アウトサイダーを規制するためには、公取へ協議があると法律に出ていまして、したがって、協議があれば、われわれはおそらくいま出ている資料に関する限りにおいて、アウトサイダー規制について賛成するというわけにはいかぬというような意思表示をしてあったのですが、結局その問題はわれわれのほうの協議にも参りませんで、アウトサイダー規制もしませんで、まあ問題が一応ある程度、厚生省が県と話し合いましたが、落ちついたという姿になっているということを伺っております。  それから、とうふの問題につきましては、いま残っております問題は、いわゆる十円どうふ、十五円どうふという問題で、とうふ屋さんが、回りの十円どうふをやっているとうふ屋のそばでもって十円でとうふを売っているというような意味で、相当の営業妨害的なことをしているのじゃないだろうかというふうな意味の、この問題じゃないかと思います。われわれのほうも、ある程度この問題をトレースしておりますが、私へ報告があったところでは、どうも近くの人がやっているのじゃなくて、かなり遠方から人が来ておりますし、来る人も始終人が変わっているというふうな姿で、なかなかそこがどういうふうなかっこうで独禁法との抵触の問題がトレースできるのか、かなりむずかしいということを言ってきております。われわれのほうとしては、いろいろ苦労しておりますが、まだそこに法律的にはっきりこの点でこうだというまでの証拠なり何なりがつかめていないというのが、現在の実態でございます。消費生活におきまして御指摘のようにいろんな現在問題がございます。したがいまして、われわれとしましてもやはり独禁法において与えられている限りにおきましては、そうした取り締まりをいたしまして、多少とも物価問題というものについて役立つというように努力すべきであるという点で、相当神経を使っているつもりでございます。
  63. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 他に御発言もなければ、本日の審議はこの程度にとどめ、これをもって散会いたします。    午後一時十八分散会