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1965-04-27 第48回国会 参議院 商工委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十七日(火曜日)    午前十時五十四分開会     —————————————    委員異動  四月二十四日     辞任         補欠選任      野田 俊作君     赤間 文三君      郡  祐一君     小林 英三君  四月二十六日     辞任         補欠選任      小林 英三君     増原 恵吉君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         豊田 雅孝君     理 事                 上原 正吉君                 大谷藤之助君                 中田 吉雄君                 向井 長年君     委 員                 植垣弥一郎君                 梶原 茂嘉君                 劔木 亨弘君                 斎藤  昇君                 前田 久吉君                 阿部 竹松君                 大矢  正君                 椿  繁夫君                 鈴木 一弘君    国務大臣        通商産業大臣   櫻内 義雄君        国 務 大 臣  高橋  衛君    政府委員        経済企画庁調整        局長       高島 節男君        通商産業政務次        官        岡崎 英城君        通商産業大臣官        房長       熊谷 典文君        中小企業庁長官  中野 正一君    事務局側        常任委員会専門        員        小田橋貞壽君    説明員        大蔵大臣官房財        務調査官     塩谷 忠男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○海外経済協力基金法の一部を改正する法律案  (内閣提出) ○中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○中小企業信用保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、海外経済協力基金法の一部を改正する法律案及び中小企業関係法案審査を行なうこととなりましたから、御了承願います。     —————————————
  3. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、委員異動について御報告いたします。  四月二十四日、野川俊作君、郡祐一君が辞任され、その補欠として赤間文三君、小林英三君が選任され、昨日、小林英三君が辞任され、その補欠として増原恵吉君が選任されました。     —————————————
  4. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  5. 大矢正

    大矢正君 先般、私は海外経済協力基金について、特に基金という名称を用いることについての理由等について資料を求め、提出を願ったのでありますが、いまだ、基金というものの名称を使用することと同時に、基金というものの性格はどういうものかということについて理解することができませんので、この際、先般いただきました資料に基づいて重ねてお伺いをいたしたいと思います。  まず第一点は、海外経済協力基金という一つのものができあがっておりまするが、他にこういう基金という名称を用いているものがあるのかどうか、あるとすればどのようなものが具体的にはあるのかということを御説明願いたい。
  6. 高島節男

    政府委員高島節男君) 経済協力基金以外に基金という名称を用いている政府関係機関法人でございますが、それの例といたしましては、お手元の資料にも差し上げておりますように、石炭賠償関係基金、それから鉱害賠償基金、それから農業共済基金というものがございます。これはいずれも経済協力基金と同じく一つ特殊法人名前つけ方として、基金という文字を用いている性格でございます。
  7. 大矢正

    大矢正君 いまあなたが申された基金というもの、経済協力基金を除いて、他の石炭、それから鉱害、あるいは酪農振興基金と申しますか、あるいはまた漁家安定基金というものは、具体的には政府からの出資だけではなくて、政府から借り入れないしは債券発行ということができるように、他の基金は全部できているのかどうか、その点をお伺いいたします。
  8. 高島節男

    政府委員高島節男君) ちょっとその点正確に記憶いたしておりませんので、理論的には別といたしまして、実例として借り入れ規定まで置いたかどうかは、法令を調べさしていただきます。  ちょっといま調べておりますから、その間に若干補足して資料について御説明申し上げますと、石炭鉱害賠償産金は、石炭業者の供託した金というものが一部原資として入っております。それに政府資金をまぜておる。ただ借り入れがあったかどうかは不確かでございます。農業共済基金につきましても、府県連合会に対して融資をする機関でございますが、これについても民間ベースのお互いの何か持ち合いの金があるかと思います。借り入れ規定についてはちょっと調べさせていただきます。
  9. 大矢正

    大矢正君 この基金というものは、言うならば、対象は別といたしましても、投資をする、融資をするという、言うならば投融資機関である。そこで、いま国内にあるいろいろなそういうものを見ますると、農林中金とか、あるいはまた商工中金とか、あるいはまた政府の直接的な機関としては、中小企業金融公庫とか国民金融公庫というような公庫という名称を使われているものがあるわけでありますが、こういうものはそれぞれ特色と性格があると思うのであります。金庫と呼ばれる農林中金なりまた商工中金というものは、元来性格的にはこういうものである、したがって投融資をする際における原資の調達はどうして行なうかという性格があるわけであります。また、かりに中小企業金融公庫なり国民金融公庫なりというものは、それなりで国からの出資、またある場合においては債券発行、こういうこともあるわけでありますけれども、こういう従来あります投融資機関というものと、それからもちろん基金も従来からあったことは間違いありませんが、新たに基金制度というものの性格はどういうようにこれは規定づけられるものなのか、その性格規定づけというものをこの際明らかにしていただきたい。
  10. 高島節男

    政府委員高島節男君) 制度的な問題でございますから、私から続けて答えさせていただきます。  いま調べましたところでは、石炭鉱害賠償のほうの基金借り入れ規定債券発行規定がございます、法律上入っております。そのほかに、先ほどの供託金等政府出資というものがまぜ合わされて出ている、こういう形になっております。それで基金ということばの使い方でございますが、株式会社でございますと、これは商法によって株式会社と称しなければならないということで法律的に非常にはっきりします。政府関係機関はそれぞれ形成的に一つずつつくっていきますので、その間の概念規定というものは法定になるような一般法は別にございませんが、こういうものは大体こういう体系に入れるというかっこう一つのルートがあるかと思います。それで確かに基金の場合、原資負担はいろいろございますが、一つの金をもとといたしまして、それによって金を貸していく、場合によっては投資をする、あるいは調査その他の費用を出していくというような性格経済協力基金にあるわけでございます。一般公庫金融機関的色彩の非常に強いものを公庫と称しておりますことは、この資料の三ページ以下にございますようなとおりでございますが、この場合、確かに融資をしていくという点においては、ごく抽象的に言いまして両者共通性格を持っておると思います。この基金の場合は、一般公庫金庫類と違って、単に金融業務だけにとどまらない、金融業務というものも一般市中動きあたりとある程度協調していくが、そういう金融業務と離れまして、みずから出資することも場合によってはあり得る、またみずから調査することもある、あるいはこれから金を貸すのに熟するかどうかの調査資金といいますか、そういう資金も出すという場面もあるという辺で、一般金融機関なり政府機関と差を置いておるという感じが強いわけでございます。
  11. 大矢正

    大矢正君 結局、政府海外国々に対して経済的にこれを協力しようという意味においてつくられた制度である、こういう解釈は成り立つと思うのであります。そうなりますると、海外に対する経済協力の、言うならば、ほんとうの中心的なものはこの基金であるべきだ、こういう解釈を私としてはとらざるを得ないのであります。海外に対してわが国経済協力をする、それは東南アジアをはじめとする、言うならば、開発途上にある国々に対して資本なり、また設備なりというものをわが国が提供する、協力をするというその中心的なものは、この基金というものにならざるを得ないんじゃないか、私はこう解釈しておりまするが、その点はいかがでしょう。これは大臣から答弁を願ってもいいんじゃないかと思います。
  12. 高橋衛

    国務大臣高橋衛君) ただいま大矢委員の御指摘のとおり、海外経済協力に対する性格の問題としては、やはりただいま御指摘のとおり、基金というものが経済協力という面から申しますると、これが中心になる性格のものであろうかと存じます。ただ従来の実績を申し上げまするならば、輸出入銀行というものがございまして、これは他の市中銀行に対する協調融資というような関係から、また延べ払い等の場合におけるわりあいに安い金利によって輸出の奨励をするというような観点から輸出入銀行というものが相当使われ、そうして政府といたしましては、この輸出入銀行等によるところの延べ払いをも海外経済協力のうちに含めて、実は国連等の場においては報告をいたしておるような次第でございます。したがって、従来の実績から申しますると、輸出入銀行がほとんど重点になっておる。またそのほかに海外経済協力につきましては、政府ベースじゃなしに、民間ベースでもって民間自身がみずからの資金をもって海外投資をし、または事業に進出をするというものもございます。しかしながら政府の立場において海外経済協力をするという場合におきましては、特に低開発国におきましては、何と申しまして本相当長期にわたる資金を必要とし、また普通の場合においては低利の金を必要とするというふうなことがあり、さらにはまたそのほかに単に融資じゃなしに投資を必要とするというような場合もございます。またはそのほかに、これは先ほどと順序は逆になるかとも存じますが、まずそういうふうな投資をし、融資をするという前段階として、その国またその地方の開発についてどういうふうな方法が最も適当であり、最もその国の経済協力について有効であるかというふうな調査自体についてもやはり必要とする、これは基金自体調査をする場合もございますが、民間専門家がそういうふうな調査をする場合に、その助成をするというふうな必要も生じてくるような次第でございます。そういうふうな非常な多様な方面においてこの基金というものが経済協力について相当重要な地位にある、理論的には重要な地位にある。沿革的にはいままであまりそう大きく働いていないことは事実でございますけれども、理論的には、またたてまえ上からはこれが相当中心的な存在になるべき性格を持っているということをこの際特に申し上げておきたいと思います。ことにまた、昨年国連におけるところの貿易開発会議におきまして、低開発国開発に対して協力をするという話が出てまいったのでございますが、その際に、大体国民所得の一%程度最低開発国協力にやろうじゃないかという話し合いに対して、ずっと日本はこれに賛成をしてまいっております。ところが、現実の姿は、いままで大体〇・五%を下回るという状況でございまして、今後こういう問題については、相当具体的にどういう事業をやり、どういう事業に対して投資をしていく、またどういう事業に対して協力をしていくかという具体的な問題については、なかなか時間のかかる問題であり、もとより相当に慎重を要する問題であろう、かように考えておる次第でございます。
  13. 大矢正

    大矢正君 わが国開発のおくれている国々あるいは地域に対して経済的に協力をするという基本的な考え方は、私も了承するわけであります。当然わが国としてもやらなければならない責任と義務があるであろうことも私ども理解をしておるのであります。ただ、私ども理解のできない点は、海外に対して経済的にこれを協力しようとするならば、何らか基本的な柱がなければならない。ところが、その柱というものが実に不明確であります。いま大臣の御答弁によりますると、輸出入銀行からの融資もこれも経済協力である、なるほどそのとおりだと私も思います。特に今日の輸出入銀行資金量というものは膨大なものでありましてとてもこの海外経済協力基金などというものとは比較にならないだけの大きなものを持っているわけであります。そうなってまいりますると、どこに一体この海外経済協力の中心的な柱があるのかということについて、われわれとしては理解のできない点があるのであります。私はこの際、政府海外に対して経済的に協力をしようというのでありますれば、その窓口を一本にして、一つの基本的な性格を与えて、その中で問題を処理していく必要性があろうと思うのであります。御承知のとおり輸出入銀行というものは、貿易上短期に支払いができないものに対して延べ払いを認めるというものであって、あくまでもこれは貿易上の問題であります。海外経済協力基金というものはそうじゃなしに、開発に直接の関連をする調査なりまたは設備なりというものに対して資金を貸し出そうというのであります。なるほど片や貿易、片方は貿易とは直接関係ないとは申しましても、この性格というものは、二つに分けることはなかなか困難であります。したがって、今日海外経済協力基金というものは、その仕事の大部分というものを輸出入銀行調査なり、あるいは輸出入銀行が事実上業務を行なっているようなかっこうになっている。したがって、輸出入銀行からも理事が入って経済協力基金方向というものについて間違いのないように両者が短期的に会合を持ちつつ進めておるわけであります。したがって、私はここでいう名前海外経済協力基金というものは、まことにわが国が対外的に経済協力をするという大きなスローガンを打ち立てておるのでありますが、実際の実務になるとこれはぜ口であるといっても過言ではない、こういうことを言わざるを得ないのであります。従来海外経済協力につきましては、大蔵省が所管するのか、通産省が所管するのか、あるいはまた外務省が所管するのか、経済企画庁が所管するのかということで、いろいろと議論のあるところであることは私もよく存じておりますが、やはりこの海外経済協力という基本的な理念に基づいてわが国の課せられた任務を果たそうという場合におきましては、私はそういうものは性格的にも内容的にもやはり一本にまとめ上げるべき必要性があるということを感じております。  それで、次にお尋ねをいたしたい点は、今日までこの基金が受け入れた資金の総壁は幾らで、今日まで実際に投融資が行なわれたその実行額は幾らか、したがって、今日なお余裕金が幾らあるのか、もちろんこの余裕金の中には過去における資金運用の利子その他も入っておると思うのでありますが、そういうものを含めて数字的にどうなっているかお答えをいただきたい。私のところにもありまするが、念のために質問をしておきたいと思います。
  14. 高橋衛

    国務大臣高橋衛君) 前段の基金というものと輸銀というものの性格は画然と区別できぬのじゃないか、これは一本であるべきじゃないかという御意見、そういう御意見またはそういうふうな御質問が出ることはこれはもう当然でございまして、基金法ができます当時においても、国会においてこの点が非常に論議された点でございます。したがって、基金輸銀との間の業務の画然たる分割ということは非常に困難でもあり、また必ずしも適当でないという考え方のもとにこの基金というものを発足いたしました次第でございますが、外国の例を申し上げてまことに恐縮でございますけれども、たとえば米国においてもやはりそういうふうな輸出入銀行というものと協力基金というもの、EXIMとAID二つ機関にやはり分かれておる。各国とも大体そういうようなふうになっているわけでございます。必ずしも外国のまねをしているわけではございませんが、それで私ども政府の考えておりますことは、輸出入銀行はどこまでもこれはコマーシャルベースのものである。したがって、民間との協調融資と申しますか、民間相当資金を出す、そうしてその不足の分を何割かを延べ払い奪いたします際に援助して差し上げる。同時にその金利負担を、延べ払い等の場合において外国と競争できる程度に軽減して差し上げるということが、この輸銀の本来の仕事であると存じておるのでございます。したがって、その金利等につきましても、日本の内地の金融機関におけるところの金利水準よりも相当低いのが実情でございますけれども、しかし、これは大体外国輸出入銀行外国延べ払いをいたします場合におけるところの条件とバランスをとりまして、それと大体条件が同じくなる程度にぜひやりたい、こういう趣旨でもってできておる仕組みでございます。ところが、事業によりましては相当長期を要する、たとえば農業関係投資等につきまして、どうしても二十年等を必要とする、金利等についても輸銀においては最低四分または四分五厘でございますが、それをさらに下回る三分五厘程度条件をもって融資する必要を生ずるものがどうしても出てくる。それからさらにまた輸銀においては投資ということを考えておりませんが、投資という権限を与えておりませんが、仕事によりましてはやはり投資をして経営の一半の責任を持ちながら、その地域の、つまり後進国地域開発をして差し上げる。そういうふうな方法におけるところの協力を必要とするという場合もあるという点、さらにまたそういうふうな調査自体が全然できていない。輸銀相当調査をしておりますけれども調査自体が全然できていないというふうな場合もございまして、そういうふうな調査の依頼をした場合に、普通の融資で、たとえばブランド輸出であるとか、またはその他の商品の輸出であるとか、延べ払いであるとかいう場合においては輸銀自体相当スタッフを持ってこの調査をどんどん進めておりますけれども、そういうふうな問題になると、これは輸銀では全然手がかりがないというふうな関係もございまして、基金で人数はわずかでございますが、そういった目的のためのスタッフを持って、そういうふうな調査を進める、こういうやり方をいたしておる次第でございます。もちろん設立の当初におきましては、昭和三十六年度当時、先進各国とも非常にこういうふうな問題についてそれほど積極的でございませんでしたし、ことに日本経済自体がまだ資金をそうそれに投資できるような状況でございませんでしたために、当初はむしろ輸銀におぶさったようなかっこうで、先ほど御指摘になりましたように、輸銀と相互兼務してどっちの仕事かわからないようなかっこうで出発したことも御指摘のとおりでございますが、その後漸次みずからのスタッフを整え、そしてただいま申し上げましたような基金自体意味もだんだんとはっきり自覚をしながら、その使命を達成できるような方向スタッフの充実もし、仕事も進めてまいっておる次第でございます。なお、数字的な点につきましては、局長からお答え申し上げます。
  15. 高島節男

    政府委員高島節男君) ただいまの大臣お話に関連いたしまして、数字的な活動状況を大まかに申し上げますと、御承知のように政府出資としてこれまで出してまいりました金が百六十九億円でございます。それに運営上の積み立て金やら回収されたもの等がありまして、大体原資二百億円見当あったところを、貸し付けその他で使いまして、今年度末、一応この前御提出いたしました資料によりますと、翌年への繰り越しが九十億ということになっております。残額が、三十九年度末の金の繰り越しが九十億、政府出資が百六十九億で、それに若干積み立て金その他回収金等資金余裕が出まして、そしてずっと使ってきた結果が九十億繰り越しになっております。この九十億は、すかっとした決算ではございませんので、あるいは数字的に若干貸し出しの金額がこれより少なかった場合には百億になっているかという、ちょっと境目にあるわけでございます。
  16. 大矢正

    大矢正君 今日までの政府出資並びに運用収入、あるいはまた回収金額等を合わせて、おおよそ原資と目されるものは二百億、これに対して百億を上回る若干の貸し付けが今日まで行なわれたという理屈になると思うのでありまするが、今日なお残が九十億あるということが言われておる中で、どういうわけで資本金あるいは積み立て金合計額倍額債券発行なり、政府関係機関からの借り入れなりを行なわなければならぬのか。この今日までの百億を若干こえる程度貸し付けというのは、一年間で行なわれたわけじゃなくて、数年来かかってこれまでの貸し付けしかできなかった。できなかったという理由はいろいろあるでしょうが、いずれにしてもそういう経過であるものを、なお残が九十億あるにもかかわらず、今日急いで倍額債券発行なり融資を講ずる道をつくることの理由が私には理解できないのです。この点についてお答え願いたい。
  17. 高橋衛

    国務大臣高橋衛君) お話のとおり、四十年度初めに百億に近いところのなお利用し得る資金が残っていることは、これは御指摘のとおりでございます。ただ、先ほども申しましたとおり、昨年の国連におけるところの貿易開発会議におきまして、日本国民所得の一%を協力しようということについて同意をいたしておる次第でございます。ところが、三十九年の実績が、これは歴年でございますが、その実績を調べてみますと、輸出入銀行つまり延べ払い資金まで含めまして〇・四五になっております。それで、これを国民所得の一%ということになりますと、六億ドルをこえると申しますか百億ドルに近い金額になるわけでございますが、そういたしますと、一体日本はこれに賛成しながら何にも準備をしていないじゃないかというまあ非難も受けるわけでございます。そういうところから、そういうふうな可能性があるのだというたてまえをこの際ぜひつくっておきたいというところから、この法案の提案をいたしましたような次第でございます。もちろん具体的にこういう問題は、対象となる事業が出てまいりまして、その事業について一々審査をし、そして償還可能なもの、またはその国の開発十分効果があり、その開発結果が日本にとっても利益があるというようないろいろなことを考えながら決定をいたしてまいりまするので、急速にすぐそれが本年度実現できるかどうかという問題については、御指摘のような点はあろうかと存じますけれども、しかし日本の国としては、そういう一%の協力に対して賛成をしております以上は、制度的には少なくともその準備だけはしておきたい、こういう趣旨法案提出しているような次第でございます。
  18. 大矢正

    大矢正君 抽象的には、あなたの言われるようなことは、私どもも新聞その他を通じて理解をしておりますが、ただ現実の問題として、なお百億近い残高があるにもかかわらず、そういうことがやられるということについてはどうしてもわからない。しいてこれをやるといたしますれば、最近新聞その他で報ぜられているとおり、台湾に対してのこの協力基金を通じての貸し付け融資、また日韓会談妥結後における韓国に対しての投融資、こういうものをお考えになっておられるからこそ、百億余りの余裕金があるにもかかわらず、なお倍額のこの債券発行なり、政府機関からの借り入れということを出していると思うのであります。そうでなければ、今日まで政府がしばしば国会においても、海外経済協力基金というものは現実には運用されていないではないかということを指摘されているにもかかわらず、余裕金を非常に多く残して、何年も繰り越しをしてきているわけです。それはかりに開発のおくれた国々開発協力をしようとしても、それがはたして企業的に成り立つものかどうなのかということになってくると、なかなか見通しが立たないという問題があって私は貸し付けが順調に進まなかった、投融資が順調に進まなかったということになっておると思うのであります。それが急速にここ半としか一年の間に多額の投融資ができるなどという条件は生まれてこない。だから単にあなたのいう総体的な一%の低開発国援助というようなことではなしに、現実的にどういう裏打ちがあるから債券発行なり、運用部からの借り入れが必要かということを説明してもらいたい。単に国連における開発協力とかいうような抽象的な議論でなしに、そういう考え方考え方としても、実際にそういうことができるのかどうかという部面の点からお答えをいただかなければ答弁に私はならないと思う。
  19. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連して。この大矢委員その他から尋ねられた点は、この法案が参議院先議で難航したのではなしに、衆議院先議であろうが、どちらの先議であろうが、難航したというのは、大矢委員がただいま指摘された重要な背景を含んでいるのではないかということがあるので、はっきりこの点は答弁していただきたい。
  20. 高橋衛

    国務大臣高橋衛君) 御承知のとおり、この基金法は三十六年度に成立いたした次第でありますが、三十六年度の実績は、貸し出しの実績は九億円になっております。三十七年度も同様に九億円、三十八年度になって二十九億円となっておるのでございます。それからつまり三十九年度の実績が六十五億円というふうにずっとぐんぐんと実績も伸びてまいったのでございます。それで私どもの具体的に予定をいたしております四十年度の予算の編成をいたしました当時におけるところの予定は百五億円ということにあいなっておるのでございます。それで、そのために政府出資を十億円伸ばし、これは同時にそれだけではとうてい足りないものでございますから、十億円の資金運用部からの借り入れを予定し、その借り入れをするために資金法の改正を御提案申し上げておる次第でございます。同時にその背景としては、先ほど申しましたように、こういう際に日本としては外国に対しこういうふうな準備をしておるという姿勢を示したいという趣旨をもちまして、こういうふうな資金法の改正を御提案申し上げた次第でございます。しこうして、先ほど御指摘のございました台湾の問題、または日韓の問題等につきましては、台湾の問題についても今日まだ交渉中でございまするし、またいわんや日韓の問題については、いままだ具体的な事業その他について何ら具体的な問題になっておる事柄ではないのでございます。もちろん今後の問題として検討さるべき対象になる問題であろうと、かように考えておる次第であります。なお、こまかい数字の点につきましては担当の局長から御説明申し上げます。
  21. 大矢正

    大矢正君 実は、私はこれからどうしても議運委員会で発言をしなければならぬ重要な案件がありまして、十一時半までの時間しか質問できないという最初からの話で、すでに十一時半を回ってしまいましたので、この点だけひとつ申し上げておきたいと思うのであります。  それは、いままあ大臣は具体的な裏づけもあるのだ、三十九年度の実績等から勘案をして九十億ないし百億軽度ではどうしても最終的に四十年度で資金量の不足を来たすということが考えられる、よって法律の改正を行ないたいのだというお話のようでありまするが、私は他のことと違う、四十年度の予算を策定するにあたりましては、当然のこととして従来まで調査をしてきた経過に基づいて、かりに海外に対してもどういう企業に、どういう方面の事業にどの程度の金を貸す、したがってこの程度必要だからこれだけの不足があるので法律の改正を願いたいということに私はなると思うのです。それがなくて、ただ目の子勘定で三十九年度の貸し出しの総額がこの程度だから四十年度ではこの程度になるであろうというようなことで金貸しが金を貸せるはずがないのでありますし、同時に予算の編成もできないのでありますから、具体的に四十年度それでは百億以上の投融資をぜひ行なう必要性があるということの根拠を資料をもってひとつ明確にしてもらいたいということをこの際要求いたしまして、私の午前中の質問はこの程度で終わらしていただきたい、こう思います。
  22. 高島節男

    政府委員高島節男君) 資料といたしまして、ただいま御指摘の点は資料の四十ページから四十一ページにかけまして、先ほど総ワクについて大臣からお話がございましたが、それに伴いまして、四十年度の新規の大きな案件というものをここに掲げてございます。四十一ページのところにございまして、提出いたしてございます。三月二十九日。
  23. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  24. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記を始めて。  他に御発言もなければ、本案に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。     —————————————
  25. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 次に、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案中小企業信用保険法の一部を改正する法律案中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  26. 向井長年

    ○向井長年君 先日大臣が出られまして、政務次官に中小企業政策についての行政のあり方について一応ただしたんでございますが、この際大臣にひとつあらためて見解を述べていただきたいと思うわけであります。  それは、実は先般も申し上げましたように、中小企業者が日本には約四百万ある。なおここで働く人たちを含めますと、平均をとりまして五名といたしましても二千万、その家族を含めますならば二・五人なりあるいは三人なり、こういうことを考えますと、約四千万から五千万、日本の人口の半分が中小企業の中において生活をしておる。こういう重大な中小企業に対して、政府はもちろんいろいろな政策をとってまいっておりますけれども、十分でない。したがって、これはやはり行政改革の中で中小企業というものをもっと本格的に取り組まなければならん。こういう立場から、いま通産省の中にはいろいろな部門がございますが、中小企業省を設置して、そうして専門的に中小企業行政に取り組むべきではないか、こういうことで先般質問いたしたのでございます。この点について一般世論もそういう気持ちが非常に強いと思うのでありますが、いま通産省の中で中小企業庁という形でいろいろと取り組まれておりますけれども、これを中小企業省に昇格して、そうして分離して中小企業に愛情を持って取り組むという姿勢が最も肝要であり必要であるんではないか。こういうふうに考えるわけですが、通産大臣の所見をまずお伺いしたいと思います。
  27. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 中小企業省としての構想については、従来非常に要望の強いことは、私十分に承知をしております。行政機構の改革の問題につきましては、御承知の佐藤委員会、臨調で十分御検討をいただいたのでありますが、遺憾ながらその答申の中には中小企業省としての取り上げがなかったと思います。そういうような時点に立って考えますときに、中小企業行政の重要性はただいま向井委員の御指摘のとおりでございます。したがって、一そうわれわれとして力を入れていかなければならないと思うのでありますが、そのような見地に立ちまするときに、通産省自体が全般的に中小企業と不可分一体だという考え方に立ってやっていくべきではないか、かように思います。そういうようなことで、非常に御要望の強い問題ではございますが、現在のこの時点では私はいま申し上げたような心がまえでさらに中小企業行政に力を注いでいきたい、かように思います。
  28. 向井長年

    ○向井長年君 もちろん臨調の答申の中にはそういうものは出ていないと思うのですが、これは政府の基本的な考え方の中でやはり通産省の部門について、特に中小企業という問題についてはこういう現況であると、したがって独立した一つの省を設けたらどうだろうというテーマを臨調のほうに何ら示しておらない。やはりそういうこともひとつ検討を願いたいという政府の気持ちがあるならば、臨調のほうでも十分審議をし、一つの答申が出てくると思う。ところが、そういう政府の態度というものがいまないということ、そこに問題がまずあるのではないか、こう思うわけなんです。それと同時に、現状でいろんな関連を持つからやらざるを得ないということもわからぬことではないのです。しかしながら、これはいろいろな行政機関の中ではすべて各省においても関連を持っていると思う。したがって、先ほど言ったように、通産省の中でほんとうに中小企業に対する大きな政策を打ち立てなければならぬという一つの分野が現在あると思うのです。産業分野の中で、そういう問題は非常に真剣に取り組んでいく姿勢を行政の中でも大臣としてはやはり考えていく必要があるのじゃないか。だから、いま直ちにこれができないにいたしましても、そういう方向を検討するやはり時期がきておるのじゃないか、こう思うわけなんです。これに対して大臣は、いや現状はこれでもう十分だ、こう言われるのか、あるいは将来そういう問題も検討して、そういう形がひとつ望ましい、こういうことを考えられるのか、御答弁願いたいと思います。
  29. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 向井委員の御指摘方向で検討すべき問題だと思います。特に私としてはいまの中小企業の行政機構が確かに不十分であるという認識は持っております。本年度の予算の場合におきましても、平均からいえば、伸び率は三二%ということで相当伸びておるのでありますが、しかし、これをもっと画期的にやろうという場合には、行政機構そのものがやはり不足しておるということは、これは当然考えなければならないのであります。現在行政機構の拡充についてとかくの批判がございますが、中小企業行政の場合のように必要な場合については、これを考えるべきだと私は思うのであります。しかし、一般的な行政機構に対する世論といいますか、考え方の中で中小企業行政というものが扱われまして、どうしても十分な活躍ができない、拡充ができないということについては、私としても非常に遺憾に思っているのでありまして、お話趣旨に沿っての検討は積極的にしていきたいと思います。
  30. 向井長年

    ○向井長年君 それに関連して、やはり愛情を持ってあらゆる行政指導をやり、あるいはまた財政的な援助、こういうことについて今度のこの三法案も出ておるわけなんですが、特にわれわれが日常感じることは、大臣をはじめ各長官なり局長はそういう気持ちで取り組んでおられると思います。ところが、これは人事面になるかもわかりませんけれども、とにかくあまりにも異動が激しいというか、こういうところからほんとうにその職責に熱情を持って取り組もうとしても、もう適当な時期にはかわらなければならぬ、こういうことがたびたびだと思うのですよ。これは法案をわれわれ国会で審議するたびに長官がほとんどかわっている、そういう傾向が出てくると思う。いろいろと聞きますと、六年間の間に四人かわっちゃっているのですよ。一つ法案が通れば、あるいは二つ法案が通れば、次にはもうほかの人にかわっている。もちろん人事の面で栄転されるということはけっこうですけれども、しかし、やはり問題の取り組みという、問題に対しての情熱というものが実際これでは——間口がわかってこれからというときにかわっていかなければならぬ。こういう問題も、これは大臣も含めてでございますけれども、そういう点も大きな施策の支障になっておるのじゃなかろうか、こういう気がするのですが、この点について大臣いかがですか。
  31. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 戦後における行政各省の人事の異動状況については御批判があろうと思います。私もいまお話しのような点について同じような見解に立っておるものでございますが、どういうものか従来——いま六年の間に中小企業庁の長官が四人異動したという御指摘でございましたが、そういうような結果になっておることははなはだ遺憾でございます。ただ、こう言うことは非常に申しわけのようでございますが、私就任以来はできるだけ人事の異動というものは避けてまいってきておるつもりでございますが、御批判の点は十分念頭に置きまして、今後善処していきたいと思います。
  32. 向井長年

    ○向井長年君 この法案に関連して大蔵省の銀行局にお聞きしますが、これは従来から中小企業の金融の問題で、たびたびこの問題は大臣はじめ局長と討議を尽くしてきておる問題でございますが、大蔵省は明確に歩積み、両建てについては銀行あるいは信用金庫、相互銀行ですか、こういうところに厳重なる通達を流しておるということを聞いておるのですが、どういう通達を流して、その後の実績、経過はどうなっておりますか、御説明をお願いしたいと思います。
  33. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 歩積み、両建ての整理につきましては、大蔵省といたしましては、かねてから各金融機関に対しまして、その整理について強く要請してまいったのでございます。たまたま昨年の国会におきまして歩積み、両建ての自粛に関しまして、国会における決議がございまして、この決議の御趣旨に沿いまして、昨年の六月二十五日付で大蔵省銀行局長名前をもちまして、「歩積み、両建て預金の自粛の徹底について」という通牒を出したわけでございます。この内容はいろいろございますが、要点だけ申しますと、銀行につきましては本年の五月、相互銀行、信用金庫につきましては明年の五月までに、いわゆる自粛対象の拘束預金につきましてはこれを全部整理すると、こういう内容でございます。その後の進捗状況につきましては、随時報告をとっておるわけでございますが、最近までの実績に徴しますと、大体予定のとおり五月末をもちまして、銀行につきましては一応の整理が完了すると、かように存じておるわけでございます。
  34. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連しまして。通達を出されまして順調な経過のうちに進捗しているように申されたんですが、私案は二件ばかし実際相談を受けまして、一人の業者は二億四千借りて一億二千積んでいるわけです。五割ですね。ですから日歩五銭も六銭もつくことになるわけです。それからもっとひどい相互銀行では、七千五百万借りて四千万です。これは先日も申し上げましたが、機内通産大臣の地元の相互銀行です。七千五百万借りて四千万両建てしているわけであります。そしてこの政府中小企業金融公庫の代理業務をやる地銀ですね、地銀ですら約二割の両建てをさしていることを御案内でしょうか。手数料等の関連で、これも最近の調査なんですが、これはある事件で主計局の鳩山次長にもちょっと相談を持っていったことがあるのですが、とにかく二億四千借りて一億二千積み、七千五百万借りて四千万積みです。中小企業金融公庫の代理貸しを地銀を通じて受けて二割の両建てをしているわけであります。そういうことがなおあとを断っていないわけであります。代理業務には十分手数料が出ているわけですが、そういうことを御案内でしょうか、お尋ねいたします。
  35. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) ただいま御指摘の問題につきましては、具体的な事案でございますので、後ほどもう少し詳しくお伺いいたしたいと存じますが、一般的に御答弁申し上げますと、先ほど本年五月をもって整理を完了すると申し上げましたのは、いわゆる自粛対象預金ということでございます。実は両建て、歩積みが行なわれることにつきましては、いろいろな事情があるわけでございます。その中には、債務者である借り入れ人と申しますか、あるいは預金者と申しますか、の都合によりまして、両建ての預金を置くという場合もあるわけでございます。あるいは貸し出し金の担保として預金をとる、いわゆる預金担保の貸し出しというのがございます。いろいろなケースがございます。はたして銀行と申しますか、金融機関のほうが強制して預金を拘束しているものか、あるいは借り入れ人が自発的にあるいは任意に預金をしておるのか、その認定がきわめて困難な場合が多いわけでございます。一応昨年の自粛通牒におきましては、自粛をすべき拘束預金というものを一応定義づけまして、その自粛預金につきましては、先ほど申しましたように、本年五月及び来年五月までに整理を完了する、こういうことにいたしておるわけでございます。いま中田先生の御指摘の事案がそのいずれかに該当するかは、具体的に伺ってみないとよくわかりませんですが、それがほんとうの意味で銀行のほうから強制して拘束しておるということであれば、これは厳重に私のほうからその整理を要請いたしたい、かように存じております。
  36. 向井長年

    ○向井長年君 いまの答弁は、これは答弁にならないと思うのですよ。もっと実態をつかまなければだめだ。その担保のかわりに預金をその中から幾らかする、こういうことを言われておりますが、銀行はそんな担保じゃないのです。担保は別に取っていますよ。あるいは保証人もいるだろうと思いますよ。したがって、それはやはりその信用度のために預金をさそう、こういうことになっているんです。だからこれは事態をもっと把握してもらいたい、私はそれを知っている。  そこで問題は、去年の五月ですか、そういう厳重な通達をして自粛をしろということを大蔵省はやったけれども、しかし去年の実績を見ますと、増加の問題はあったかもわかりません、貸し出し増加は。しかしながら、昨年五三・七%が五五・二%に増加しているんですよ、歩積み、両建ての率が。率ですよ、額じゃないのですが、こういう実態がある。中小企業の融資を受けるその中から八〇%がその拘束預金をしなければならぬ、こういう実態になっているということを御存じですか。この点違うなら違うと言っていただきたい。
  37. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) ただいまの御指摘の数字がちょっとよくわからないのでございますが、私のほうが昨年の十一月末現在をもちまして求めました報告の集計によりますれば、たとえば昨年の五月末現在の報告分と比較いたしまして、都市銀行について申しますれば、債務者預金に対する自粛対象預金の比率が七・一%から二%に減じている。地方銀行については一〇・三%から二・八%に減っている。相互銀行につきましては二二・六%から一四・九%、信用金庫につきましては二〇・九%から一三%と、それぞれかなりの改善が行なわれているような数字になっているわけでございます。
  38. 向井長年

    ○向井長年君 それは額で言っているんでしょう金の額で言われているんでしょう。私の言っているのは、いわゆる率で言っているんですよ。昨年が大体拘束預金というものが両建ての五三・七%であった、これが五五・二%に率が増加している、こういう状態があらわれている。同時に件数から考えるならば、八〇%がやはりそれに該当するんだ、中小企業の中には。これは政府調査ですよ、私の言っているのは。政府調査資料をもって私はいまお聞きしているわけです。だから額にして数字を検討すれば、いま言われた減ったということが出るかもしれませんが、率から言うならば、ふえていると言うこともできるのですよ。そういう点がどうかということを聞いているんです。はっきりわからないのですか。わからなければあとでもけっこうですから、これは明確にひとつ面接資料をいただきたいと思います。
  39. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) ただいま私が御答弁申し上げました数字と先生のお手持ちの数字と多少食い違うようでございますので、あとでよく調査いたしまして御答弁いたしたいと思います。
  40. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連。塩谷さんの言われることはよくわかりますが、とにかく七十五百万借りて、それはまあ債務者の信用能力もあり、担保のような形もあり、いろいろあると思うんですが、あまりにもひどいし、通達がちっとも生きていない。これは最新の例であります。  それと御答弁がなかったのですが、私が実は融資のあっせんをして、中小企業金融公庫からワクをいただいて、そのワクさえもらえば代理業務はやりましょうということなんです。ところが、まず先に百万積みなさい、二百万にしなさいというようなことで、金を借りようというのですから、なかなか前に積み立てる金なんかないものですよ。そのために数カ月もまあその金を調達するために延びて、実際代理業務をやる銀行が、これはあとで金融全体の問題の中で、未払いの場合の保証の問題と関連して賛同したいと思いますが、とにかく中小企業金融公庫の金を一千万円代理貸しをある地銀を通じて受けた、両建てにはならぬかもしれぬ、先に預金するのですから。しかし実質的な両建てですね、二百万積みなさい、そうすれば一千万の代理業務を引き受けましょう、こういうことで実質的にこれは相当政府の手数料もあることですし、こういうことは厳に取り締まっていただきたいと思うのですが、いかがでしょう。
  41. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 先ほど来お話申し上げましたことが、いかにも金融機関を弁護しておるようになりまして、まことに申しわけなく存じておるわけでございますが、私もまたいろいろな機会に非常にそういうひどい事例というものを耳にするわけでございます。わかりますれば、そのつど当該の金融機関については厳重に申し渡しまして、さっそく整理するようにいたしております。したがいまして、個々にそういう問題がございますれば、いつでも言っていただければ、私のほうでも適当に指導はいたしたいと思いますが、ただ大蔵省といたしましては、歩積み、両建ての問題については実は昨年通牒を出しましたのですが、その以前から非常に強くこの問題については言ってきたわけでございます。それがなかなか一拳に改善できないというのにはいろいろな事情もあると思うのでございます。たとえば相互銀行、信用金庫等につきましては、やはりそれぞれの金融機関の経営上の問題もございまして、やむなくそういうことをやったとか、あるいは相手方の信用の問題がございまして、担保の意味でそういうことをやったとか、いろいろな事例がございます。したがいまして、個々の場合には金融機関側においてもいろいろな申し開きをしておるわけでございますが、しかし、いずれにしましても、そういうことで表面金利をはるかに上回る実質的な金利負担を債務者にかけるということは非常に好ましくないことでございますので、昨年の通牒はもとよりでございますが、今後におきましても厳重に指導してまいりたいと思います。おそらく両建て、歩積みの制度につきましては、最近におきまして、ただいま御指摘のようなケースはあるのではないかと実は思っておったのでございます。金融機関におきましても相当自粛の態度を示しておるように信じておったのでございます。今後ともそういうことのないように努力いたしたいと思います。
  42. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この点は午後もやりますから何ですが、とにかく代理業務をやって一千万貸し出しを受けた、一ぺんに使わぬ場合もあるのですから、その一部を預けろというのならわかるのですよ。ところが先に積ませるのですからね、これは非常に困るのです。とにかく代理業務をやって、一千万借りても一千万すぐ使うわけじゃないのですから、債務者の都合で預けるというなら、自分で預けるならわかるのですが、両建てでないということを粉飾するためか、先にやらせるというので、なかなか借り主も困るのです。これは私が直面した実際の例なんです。ところが、銀行局なんかにはそういうことは後難をおそれてなかなか実際のことが私は入りにくいと思う。また私もこういうのがあらたから何とか征伐してくださいというわけにもなかなかいかぬので、実態把握がめんどうなんじゃないかと思うのです。ただ、この点は私はあとで申し上げますが、農林漁業金融公庫など、未払いの場合の銀行の保証の問題が非常に大きな関連を持っているというので、そういう広範な関連で取り上げたいし、また歩積み、両建てはこれはもう銀行の数が多いとか、あるいは過剰投資とか、広範な金融政策全般との関連で私は取り上げぬと、この問題だけでどんなに突っついてみても進展しない。しかし、善良なかなり確実な債務者に対して事前に積ませるというような代理業務、これは実際よくないですが、しかしそういうのが非常に多いということを申し上げて、答弁は求めませんが、午後やります。
  43. 向井長年

    ○向井長年君 そこで、その通牒を五月二十六日に出した。もちろんこれは自粛というか、単なる自粛じゃなくて、これはやはりわれわれの知る範囲においては処罰形式も強固な取り締まり、こういう形が出ておったように思うのです。そういう取り締まりの方式と、現在までそれに適用されたような何か問題はありますか。どういう形で出されましたか、単なる自粛じゃないと思うのです。取り締まり要綱がその中に入っていたと思うのです。
  44. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 先ほども申し上げましたが、日付の問題でございますが、六月二十五日でございます。この通牒は、表題のように、自粛の徹底ということで実は出しておるわけでございますが、ただ単なる自粛じゃないと申しますのは、半年ごとに結果についての報告を徴しておる、それから随時歩積み、両建てに関する特別検査を実施しておるというようなことで、単にこういうことをやってほしいという程度のなまぬるい通達ではないわけでございます。したがいまして、銀行と申しますか、金融機関につきましては、報告をしたりあるいは検査を受けたりするものですから、この措置の内容につきまして、かなり神経質にななっておる、こういうことは事実でございますが、もう一つは、期限を切って整理をやれということになっておりまするので、非常にはっきりした目標がございます。したがいまして、その罰則というものは実はございませんですが、検査なりあるいは報告によりまして、自粛の進展が非常に著しく悪いというようなものにつきましては、銀行行政全般を通じまして適当なそれに対する措置がとれる、こういうことになっておるわけでございます。
  45. 向井長年

    ○向井長年君 その適当な措置というのは何ですか。
  46. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) これはただいま申しましたように、期限が一応五月ということになっておりまするので、その以前におきましては、頭取なりあるいは社長等その責任者を呼びまして、厳重に自粛の徹底を何と申しますか、要請するということでやっております。ただ、呼んでやるということは、相手方にとりましては非常な不名誉なことでございますし、かなり効果があるのじゃないかと一応考えておるわけでございます。これが五月になりまして一応整理を完了するということに対して、目標が達成されなかった場合にどうするかということにつきましては、これから十分考えてみたいと思います。
  47. 向井長年

    ○向井長年君 去年の国会で田中大蔵大臣が、私は内閣委員会でこの問題を設置法のときに質問いたしましたが、この中でいまいった通牒が、一年の間に自粛をしろ、もし一年の間で不当なそういう形があれば厳重に取り締まり処罰する、こういうことを明言されておるのですよ。だから、ただ呼んで訓戒するとかあるいは要請するとか、そういうなまやさしいことを大臣は言っていなかったはずですよ。そういう点について、そういうことが何ら検討されていない。若干の期間があるから、その間に検討しょうということですか。
  48. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 大臣が発言されましたことと別に矛盾しておるわけじゃございませんが、処罰といいましても、これは非常にいろいろな意味がございますので、できるだけ効果をあげるということが主眼でございますので、その効果があがるような措置をとると、こういうことに御了解いただきたいと思います。
  49. 向井長年

    ○向井長年君 信用保険法の改正の本論でございますが、これについて先般も質問いたしまして、特に簡易であり迅速であると、こういう一つの大きな主眼目的を持っておるわけなんですが、まあ一般のいわゆる条件を満たさないところであるならば、大体一週間なり十日なりで、普通の場合ですね、これが貸し出されておる、したがって心配ないんだと、こういうことでございますが、結局これはどうなんですか、条件を満たして保証協会がそれに対する保証をするということになれば、銀行はこれはもう文句なしにそのまま貸し付けると、こういうかっこうになるのか。やはり銀行でワクの問題がありましょうから、そういう問題で保証のほうはいいけれども、銀行の金融面で、殺到してきた場合に、若干日にちを待ってくれと、こういう問題も出てくるんじゃないかと思うんです。この問題についてはどういうように考えられるか。これは長官でも銀行局でもいいですが。
  50. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 保証と貸し出しとの関係でございますが、これは最初に銀行の窓口に行って、それでは保証協会の保証をとっていらっしゃい、そうすれば貸しますという経路をたどる保証、これが追認保証と言っております。それからもう一つのやり方は、最初に保証協会のほうへ行きまして保証をして、そして銀行へ行って金を借りる、こういうケースがございまして、この特別小口保証につきましては、相当部分のものがいまのあっせん保証のほう、最初に保証協会の窓口へ来て、そこで保証をして銀行へ取り次ぐという形をとるものが多いんじゃないかと思いますが、その場合は、当然これは銀行のほうへあらかじめ連絡をとって、銀行でも金を貸そう、保証があれれば貸そうというあっせんをした上で保証をするということになっております。  それで今回の場合は御承知のように、特にこの制度を推進するために、中小企業保険公庫へ六十億政府出資を予算でしておりますが、そのうちの約十億程度のものをこの制度を推進するために特別に貸し付けようということを考えております。それからほぼ同額のものを府県もやはり出損なりあるいは貸し付けという形で応援をしてくれる話が大体ついておりますので、そういうことで、かりに政府が十億出して府県が十億出せば二十億になりますですね、これをあっせん保証の場合はあっせんする金融機関へあらかじめ預託をする、この金を保証協会が。そうしますと、これは大体普通の保証でありますと、元金に対して銀行なり金融機関が貸す金が五、六倍に回ってくるわけですが、これは小口でございますので五、六倍まではいかないんじゃないか。かりに三倍といたしますれば、二十億の金を預託して銀行から六十億のこの制度によって金が出る、こういう形になりますので、そういう方法で、あっせん保証の場合は保証すれば必ず金が借りられるような方法をとりたいというふうに考えております。
  51. 向井長年

    ○向井長年君 そうすると、いま長官が言われたように、条件さえそろっておれば保証は無条件にする。それと同時に、無条件でした保証は必ず銀行は貸す。ワクがないからとか、あるいは若干時期を待ってくれとか、そういうことはこの問題については全然ない、こういうように考えていいんですか。
  52. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま御指摘になるように、これは行政指導もございますし、いま言ったような金の面の裏づけ、そういうようなこと、いろいろな方法でそういうふうに持っていきたいというふうに考えております。しかし、そういうケースはちょっと待ってくれとか、いまちょっと金があれだからということで待たされるようなことがないようにしたいとは思いますが、それが絶無であるということをこの席で言い切ることはできないかと思いますが、そういうふうにぜひ持っていきたいというふうに考えております。
  53. 向井長年

    ○向井長年君 そのワクが、いま言うように全国で百何万件ですか、こういうところが簡易迅速であるから、零細な企業が一斉にこういう法案ができれば貸してくれということになるかもわからぬ。そういう場合に、いま言うように、ワクの問題とか、あるいはまた預託の問題、こういう中で法案が出れば、われわれいい法案ができたのだから、中小企業に対する信用助成的な法案ができたのだから、これは利用しなければならぬ、また利用すべきだ、こういうことをわれわれも言うし、当然それはやるべきだと思うのですよ。そういう場合に、せっかくできたけれども、実施にあたっては若干金がまあそう簡単にいかないので、保証はできるけれども、銀行の都合で待ってくれ、やはり二十日ほど待ってくれとか、こういう状態が出てきはしないかということをいま聞いているわけです。いまその努力をする、あるいはそういう指導をしたいということはわかりますけれども、そういう金のワクが、あるいは預託が十分であるならば、銀行は文句を言わぬと思うのですよ。そういう問題が十分裏づけができるのかどうか、こういうことなんです。したいということじゃなくて、できるということを言ってもらいたい。
  54. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 先ほども御説明いたしましたように、保険公庫からの融資基金融資、あるいは県当局の応援というようなものによりまして、本年度はいま申し上げましたように、国の金を十億程度出すということでやりたい。しかし、まあ先生もおっしゃったように、非常にこの制度の利用者が多くてワクが不足するというようなときには、そういう事態に至れば、それに対するまた手段、措置というものを考えにやならぬというふうに考えております。
  55. 向井長年

    ○向井長年君 それから投資育成株式会社法の問題ですが、この問題で特に転換社債を保有する問題ですが、これは新しく投資金札にこういう事業が加えられたと思うのです。この転換社債というのは、これはもう日本ではこういう制度はあまりいままで行なわれておらないと思うのですよ。今度これが適用されるわけですが、どれくらいいままでこれに対して利用されているのか、あるいは実績がどれくらい上がっているのか、こういう問題をまずお聞きしたいと思うのですが。
  56. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 現在までに非公募でもって転換社債を発行した会社が二十三社ございます。その大部分は中小企業でございまして、しかも非公募の転換社債のほとんどが無担保、二十三社のうちで二十一社が無担保でもって出しておって、大部分は中小企業者がむしろ転換社債というものを出して、これは縁故募集とかそういうことになると思いますが、中小企業にはむしろ転換社債という制度は比較的なじみやすい制度じゃないかというふうに考えております。
  57. 向井長年

    ○向井長年君 この社債は、金融公庫でも行なっていいじゃないかと思うのですが、この点いかがですか。
  58. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 御承知のように、転換社債でございますので、四、五年の間にこれを株式投資に転換をするということになるわけでありまして、今度の制度はあくまでこの中小企業投資育成会社をつくりました趣旨でありまするいわゆる中小企業の自己資本を充実させよう、こういうことがねらいでございますので、やはり公庫でなくて、今度の中小企業投資育成会社に株式投資と並んで、それのむしろ準備段階として転換社債を投資育成会社に持たせるということのほうが妥当じゃないかというふうに思います。
  59. 向井長年

    ○向井長年君 それじゃその投資育成会社は、その資金のうちからどれくらい転換社債に向けようとしておるのか、あるいはその見通しはどうなんですか。
  60. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 昭和四十年度の東京、名古屋、大阪の投資の計画でございますが、東京、名古屋、大阪三社でもって約百件の投資並びに転換社債を持つ、相手が百社でございます。そのうちの大体七割程度が新しく株式を持つ、あくまでやはり投資育成会社でございますから、重点は投資にあるわけでございますが、転換社債の方面に約三割程度、これはもちろん非常に厳格なものではなくて、彼此融通もできるわけでございますが、大体百件のうちの七割程度が株式投資で、三割程度が転換社債というふうに考えております。それからこの転換社債と株式投資に要する金が、東京、名古屋、大阪で約三十三億程度で、本年度一ぱいで株式を引き受けるかあるいは社債を引き受けるかというふうに持っていきたいと思っております。
  61. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 午前の審議はこの程度にとどめ、午後は一時に再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時二十分休憩      —————・—————    午後一時三十五分開会
  62. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を再開いたします。  午前に引き続き、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案中小企業信用保険法の一部を改正する法律案中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、以上三案を一括して議題とし、質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  63. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 大臣おいでになる間にちょっと伺いたいのですが、中小企業対策を今年度の予算でも相当重視をして編成されておるように伺いますが、全体の予算の中に占める中小企業対策の経費というものは、これはどの程度になっておりますか。相当前進は見られるんですけれども、私から申しますと、なおかゆいところに手の届かない内容のものであると思っているんですが、全体の予算に占める中小企業対策の経費、その比率はどうなっておりますか。
  64. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 本年度の国家予算が三兆六千五百億円余でございまして、中小企業対策予算は二百十八億、〇・六%ということでございます。
  65. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 〇・六%……。最近相当大きな工場の倒産が目立っています。これに関連して倒産が中小企業のほうに起こっている。それも先年来努力しておられる工場団地などにおいても、その関連倒産が起こっていることなどが報道されています。こういうときにいま伺いますと〇・六%ということですが、この中小企業はわが国の産業構造の特徴とも言うべきでありましょう、部分品を生産して大企業にそれが持ち寄られ、そこで組み立てが行なわれて船となり汽車となる。いわゆるわが国の産業構造の特徴というものは、中小企業が部分品の製造工場であるという特徴があると私は思うのです。にもかかわりませず、最近この大メーカーとはいえないまでも、中小の大と思われる三十億、四十億の資本金を有する会社の倒産が起こっている。それに関連してばたばたと関連倒産が起こっているのに対して、この程度の予算の比率では、前向きであるとは解されますけれども、あまりに少なきに失するのじゃないかという気がいたします。対策があればひとつ伺っておきたいのであります。
  66. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 実は通産省予算そのものが四十年度六百十六億円、一・七%でございます。その中で中小企業対策は二百十七億、全体に対して〇・六、こういうことになっておるのでございます。確かに絶対額の少ないことは認めざるを得ません。今回の予算折衝に際しましては、全体の国の予算の伸び率に対しましては、中小企業の予算は三二%ほど伸びておりますので、その点では予算の中で中小企業を重要視してもらったということにはなるのでありますが、今後におきまして中小企業の予算をもっと充実させるべきであろうと思います。言うまでもないことでございますが、中小企業対策は、この財政措置のほかに政府機関の金融措置の二千四十五億円がございます。これは全体に対して一三・一%というように相なっております。またこの減税措置におきましても、所得三百万円までの事業税について特に他の場合よりも減税率を高めたようなわけでございますし、あるいはそのほか専従者控除であるとか、また他の減税措置をも講じておるようなわけでございまして、まあ総合的に、不十分ではございますが中小企業の施策を推進しておる、こういうようなわけでございます。
  67. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連して。佐藤総理の施政方針演説でも、また昭和四十年度の予算の説明におきましても、さらに大臣が当委員会で申されました通商産業政策の重点についてというのを見ましても、中小企業施策の画期的な拡充というのが大きな柱になっていますが、ただいま椿委員質問に対して、全体の予算に対して〇・六、私の計算では、昨年が〇・五、一昨年が〇・四、たった〇・一%ずつの増にすぎません。ただいま言われた財投ではなるほど二千四十五億、農林漁業金融公庫のほうはこれが一千百六十九億くらいで一千億くらい違いますが、これもまあやはり午前の委員会で言われましたように、向井委員が関連人口が四千万もあるといわれるにしては、この財投、減税その他を含めてもあまりに少ないんじゃないか。三二%はなるほどふえましたが、農林漁業金融公庫に対して千百六十九億、中小企業向けには二千四十五億ありますが、それらとの勘案でもはなはだしくうたい文句とは去ること遠く、そういうことが椿委員の言われたような関連企業の倒産にも及んでくるのではないか。これは何とかもっと、これまでのまあしきたりも行きがかりもあるでしょうが、毎年〇・一%ずつふえるというのでは、中小企業対策を画期的に拡充するという櫻内大臣の所信表明にはあまりにもふさわしくないんじゃないか。またこのいただきました中野長官のもとでやった力作でしょうが、それの総括ですか、本年度何をやろうかということをうたわれたこの総論を丹念に読んでみても、そういうことばにふさわしくない。これはやはり中小企業を必ずしも重点施策にしておられないのです。予算や財投こそ政策の具体的な表現ですから、これはごまかすことができないと思うのですが、しきたりもあるんでしょうが、全体の予算のワクが少ないので、三二%という伸びは大きいんですが、もっと画期的な表現にふさわしいような予算増は取れんものですか、その点を。
  68. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 中田委員から御指摘を受けるまでもなく、私としてもこの二百十八億の予算で満足しておるわけではないわけでございます。遺憾ながら本年度の予算は全体の伸びが一二・四%というような中で、中小企業の予算は三二%伸ばすということについて、まあ限られた財源の中では不十分ではあっても、なかなか困難であったようなわけでございます。先ほど申し上げたように、財政面だけでなく、金融、税制等を通じて中小企業の振興に留意しておるわけでございますが、元来自由主義経済のもとでございまして、それに対して政府としてできるだけ補完的に中小企業の振興を考える、こういうことでまいったものと思います。通産省自体の全体の予算もそういうことでございますから、六百十六億ほどでございます。広範囲の施策をやる中で三分の一強を中小企業の対策費に充てておるというわけで、まあこの額が少ないといわれればそのとおりでございまして、今後さらに予算の増額には努力すべきだと思います。
  69. 向井長年

    ○向井長年君 関連。椿委員質問の中小企業予算について、先般私からも質問いたしましたが、特に具体的に大臣にお伺いしたいんですが、小規模事業対策として、小規模企業の共済事業団が新設されたけれども政府出資はわずか七千万円で、全く微々たる出資しかやっておらないということ。それから下請対策として下請振興協会を設置して、代金支払いの円滑をはかるということになっておるんだけれども、この予算がこれまたわずか四百六十万円、そのうち親企業に対する立ち入り検査費百五十万円、こんなことでは、看板は確かにいいことを言っておるけれども、予算措置等は全く問題にならないですね。この点ひとついまの椿委員質問に関連して、こういうことで十分やり得るのか、現在のいま申しました小規模事業に対して、一応そうしたが、将来はこうだという考え方は持っておられると思いますけれども、実際これくらいの七千万や四百五十万でどのようにできるかということなんですが、この点ひとつお伺いしたいと思います。
  70. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 従来特に小規模企業対策というものが十分でなかった、あるいは皆無にひとしいという御批判を受けても、これは甘んじて受けなければならないと思います。今回御指摘のような小規模企業共済事業団というものの発足を見、あるいは無担保、無保証の融資をするというようなことで、わずかばかりの具体的な小規模事業対策というものが打ち出されたわけでございますが、まずこのほかに信用補完制度で信用保証をやる、こういう部面もございます。あるいは商工会や商工会議所を通じて小企業に対する指導、事業などの強化もあるわけでございますが、何と申しましても御指摘のとおりに、非常に微々たるものであるということは認めざるを得ないと思います。
  71. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは両委員からも関連して御発言があったのですが、中小企業対策の強化ということはいろいろ言われておりますけれども、それがほとんど予算の裏づけになってあらわれていないというところに私どもの大きな不満があるわけであります。宣伝的なことは言われるけれども、実が伴うていない、はなはだ遺憾なことであります。そこで、今後の御努力を要望して次に伺いますが、今回提案されております中小企業近代化資金助成法、あるいは中小企業投資育成会社の一部改正などを見まして感ずることでありますが、政府は大企業と中小企業の生産性の格差あるいは施設の格差、厚生施設等の格差、賃金の開き、こういうものを是正するという大きな政策を打ち出しておられる。ところが、この程度のことでは、この政府のいわゆる格差是正ということがこれまたうたい文句になってしまって、実質的な格差の是正、均衡をはかっていくということにはほとんど役立たないのじゃないかという心配をしております。ことに、今度の中小企業投資育成会社にいたしましても、近代化資金助成法にいたしましても、この改正前の現行法のたてまえから言いますと、それぞれの企業の中で比較的業績のあがっておるものを対象としての法改正のように思われるのであります。そうしますと、中小企業というものをずっとながめてみて、比較的優等牛のところを助成する、あるいは転換社債等の何を設けて援助していくというおつもりなんでしょうけれども、大企業と中小企業の格差は縮まらない。同じ中小企業の中でも優等生だけが保護、助成を受けて、中小企業の中でも格差が大きくなってくるのじゃないかという心配が、このいま審議中の二つ法律を考えてみても感ぜられるわけであります。これはどういうふうに自分に納得さしたらいいんですか。
  72. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) ただいま御指摘のような見解は当然出ると思いますが、先ほどもちょっとお答え申し上げましたように、たてまえは自由主義経済をとっておりますので、中小企業の中でも自己努力で伸びていく面もこれは全然ないとはいえないと思うのであります。それから政府の施策によって伸び得る余地のものもある。優等生だけが投資育成会社や近代化資金、高度化資金を利用するというのでなくて、こういうものによって優等生のほうへいく面が相当あろうかと思いますが、自己努力で伸びていく面もあるのじゃないか、こう思います。ただ現状ではその資金量が十分でございませんから、お話のとおり中小企業の中の格差も出てくるのじゃないかという御疑問は、これは出ると思います。私どもとしてはできるだけ資金量をふやし、広範囲にこの施策が及ぶようにすべきであろうと思いますが、その点の不十分な点は認めなければならないと思います。
  73. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そこで、こういうふうに政府の手で近代化を促進する、あるいは株式の公開ができるように育てていくということなんでありますが、この制度が始まりましてからあまり年数がたっていませんから、実際こういう施策をやったためにこんなに見違えるように近代化された、あるいはこのように成長しましたという実例はまだ出ていないかと思いますけれども、それはどうですか。ここ二、三年来、施行以来どの程度実績が現にあがってきておるかというようなことについて御説明を伺いたい。
  74. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま先生から二つの問題をおっしゃったのじゃないかと思います。一つは、中小企業の設備近代化資金でございますね。これはすでに三十九年度で十年近くやっておりまして、大体これの対象になった中小企業は四万八千くらいであります。そしてこれは四万八千工場でありまして、金額にしまして、府県を通じて貸し出した金が約五百億、そしてこの設備近代化資金は御承知のように無利子で五年の償還、で貸しておりまして、比較的金融ベースに乗りにくいような、比較的零細なといいますか、大体一件の貸し付け金が平均で申しまして、一件当たり、一工場当たり百二十五万円くらいになっております。したがいまして、比較的規模の小さいもので、金融ベースに乗りにくいようなものをこの府県を通じて無利子で貸して、設備を合理化し、近代化させよう、そしてそれが先ほど言われたように、ある程度成長していけば、市中金融機関の普通の金融ベースに乗っていく、こういう制度でございます。これも相当いままで効果がわれわれはあがっているというふうに見ております。しかし、金額等はまだまだ不足しているじゃないかという御指摘は非常にごもっともだと思います。  それから投資育成会社のほうは、これはいまいいました設備近代化資金対象とはまた違いまして、いわゆる中小企業の中のいわゆる中堅企業というか、優秀企業というか、こういうものをできるだけ拾って、そういう会社が自分の力で株式資本の調達ができるように、要するに株式の公開へ持っていこう、こういうことで投資育成会社が引き受けておりまして、これは事業を始めましてから一年半程度になりますが、いままでのところまだ四十七社しか投資をいたしておりませんが、これは別に資料もございますが、投資を受けた会社の成績のいろいろ詳しいデータも載っておりますが、投資を受けてからまだ日にちはあまりたっておりませんが、成績は相当にあがってきているというふうにわれわれはみております。
  75. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 近代化資金助成法の補助を受けた四万八千工場、府県を通じてすでに貸し出しましたものが五百億、平均百二十五万円ですか、これは無利子、無担保ですか。
  76. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 設備近代化資金は先ほど言ったような、比較的零細に近いような業者の近代化をはかろうという制度でございまして、無利子で一年据え置きの四年均等償還ということでございまして、無利子でございます。  それから担保の点は、担保か保証人を、これは府県が貸すわけでございますが、実際には保証人は立てさせているようでございます。
  77. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは格差是正のことでちょっといま思いついたのですが、三十九年度はたしか政府資金が四十五億、今年度がたしか五十億ですね、それを府県が大体こちらが貸し出しをする同額のものを裏づけて、しかも府県を通じて貸し付けるということになっていると思うのです。中小企業といいましてもこれは零細企業ですね、この零細企業対策に熱心な府県とそうでない府県、この府県がこの程度助成でやりたいというてきたところには、五十億の政府資金の中から同額のものを貸し付けていくわけですが、それが府県から出てこないと、こちらも半額を出さないということになってくると思うのです。そうすると、零細企業対策に熱心な府県と、そうでない府県との間に格差が出てくる。せっかくの政府資金があっても、これを活用しないで終わってしまうということがひとつ考えられます。  それから、そうでなくて、今度は府県で財政的な余裕のあるところとないところ、ないところは、この制度がありましても、ほとんどこれを活用することはできないというようなことになって、これは地方格差というものが、いまのままの状態であれば、私はますます大きくなってくるような気がするのですが、これらについての政府の指導はどういうふうに行なっておられますか。
  78. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま椿先生から御指摘になったとおりでございますが、予算は、三十九年度は国の予算が四十五億、それから四十年度は五十億、府県がやはり同額を出して、両方合わせたものを府県を通じて、通じてというよりも、府県が貸し付けをする。こういう形になっておりまして、三十九年度は、これは従来からこの制度がございますので償還金がございます。したがいまして、三十九年度は国の予算が四十五億、都道府県の繰り入れが四十五億、回収金が五十三億円でございまして、実際の貸し付けの規模は百四十三億ということになっております。それは従来貸したものが返ってくるものがございますので、三十九年度が百四十三億、それから四十年度は、国が五十億、都道府県が五十億、合わせて百億でございますが、それに回収金を入れまして、ことしは百七十七億の金を貸す、こういうことになっております。  それから府県によってみな多少の事情は違いますが、まあ私の見ているところでは、中小企業対策、特にこういう零細企業に近いような数の多い中小企業を引き上げていこうという各府県の熱意というか、努力は最近非常に力を入れていただいております。したがって、たとえば設備近代化資金あたりも五十億の国の金を取りましても、これでは府県の要求のほうがこれを上回るのではないかというふうに見ております。おかげさまで相当ふやしてはきておりますが、それくらいでございます。ただ、非常に財政力の弱い府県あたりからは、いま言った国が半分、府県が半分という負担率を、国がもう少しよけい持ってくれという要望は一部ではございますが、出ております。しかし、これはいままでいろいろ研究はしておりますが、やはり国が半分というのが適当ではないかというふうに現在のところは考えております。将来の問題としては、そういう点も考えていかないと、いま御指摘にあったような、中小企業の助成ということを通じて、各地方の格差、地方の産業の格差というようなものも縮まらないというような問題もありますので、今後の問題として大いに研究してみたいと思います。
  79. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連して。私長いこと地方行政をやっておったので、この問題については、椿委員の言われた問題に非常に関心を持っているのですが、特別御依頼を申し上げて、いただいた「三十九年度都道府県財政状況及び助成法に係る補助金等交付状況」というのを見まして、府県の財政需要を分母にして、それから府県の基準財政収入を分子にして、そして財政力指数を、各府県の経済力の指数を出してあるのですが、その一覧表をずっと見ますと、これはまさしく椿委員が言われたように、山形、山梨、滋賀、鳥取、島根、鹿児島というような県を見ますと、非常にやはり財政事情の制約のために、やりたくても、やはり二分の一を堅持していこうといわれるような点からして、これはもう地域格差をある意味ではますます拡大するということになると思いますが、大体各都道府県の予算もこの法改正を予定して、この種の予算を組んでいると思うのですが、そういうことですでに事実上おそらく予算も通っているのですから、中小企業庁と折衝があると思う。そういうことは、特に再建整備法を適用して地方財政は立ち直ってきましたが、最近非常に窮屈になって、また赤字の府県も出てくるというような面と関連して、四十年度の各府県のこれに対する中央交渉の段階等と照らし合わせて、これはどうなっておりますか。どういうふうになりますか。もう折衝を始めているわけでしょう。すでに自分の県にはどれだけもらいたいということはあるはずです。
  80. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 各府県とはまだ正式な折衝には入っておりませんが、各府県によって幾分事情も違うようでございますが、一応この設備近代化資金等につきましては、もちろんこれは府県の負担にはなるわけでございますが、先ほど言いましたように、非常に各府県とも熱心でございまして、大体昨年並みくらいの予算は一応計上しておりまして、そしてことしは幾分ふえるわけですから、国の金が四十五億から五十億にふえるわけですから、そのふえたについてそれをどういうふうに配分するかという点につきましては、これから各府県の要望をとりましてそれから金額をきめていく、こういうことになっております。
  81. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 関連ですからなんですが、もうすでに始めているのじゃないですか。もう各府県も三月三十一日で予算を組んでしまって、こういうことも含めてやっていると思うのですが、こういうことがやはり私は各都道府県の予算編成の過程でこの財政力の強さとの関連で出ているのじゃないかと思うのですが、それはまだ実際折衝はないのですか。
  82. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 一応予算上は、予算はもちろんすでに通っておるわけでございますが、三十九年度の予算の半分程度のものを前渡しという形で、一応内示的に各府県に行ってあります。そしてあとの残りの金額を渡すときに、各府県の要望を聞いてこれを調整する、そういうことで大体六月一ぱいにはその折衝を終えて配分をするという段取りになっております。ただ高度化資金のほうは、今度償還期限等を変えていただくようにいま御審議願っておりますから、これはどちらかというと、ちょっとあとになると思いますが、そういうことで各県の事情を非公式には聞いておりますが、この半分の負担が非常にきついというところもまだあまり出ていないように私は感じております。
  83. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 昨年度政府から四十五億、それで四十年度は五十億、こういうふうになって、しかも、各府県から計画が出て、それにまあ半額の貸し付けをやる。熱心な府県とそうでない府県、あるいは財政力のある府県と乏しい府県、これに格差が出ておりますことはいまここでいただいております資料を拝見してもわかるわけです。しかも、この運用が、この十年間貸し付けをやってきて、回収のできたものをそのまままたその府県に据え置いて運用に当たらせているのですから、この種の資金が多いところはだんだん多くなってくる。政策的にも財政的にも貧弱なところはだんだん貧弱になっていくという、この地方的な格差をどうして是正していくかということは、政府の大きな産業政策という見地からも私はお考えにならないと、ますます格差を拡大していく結果になる、そのことを心配しております。大臣のひとつ御方針を聞きたい。
  84. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 過去における実情はただいま御指摘のとおりであろうと思います。しかし、その間にありまして、貧弱な県は一そう貧弱になっていくという点については当然注意を払ってやっていかなければならないと思うのでありますが、不幸にして実績についてはお示しのようなことに相なっております。私としては、さようなことがないように、特に中田委員がおっしゃるように、私は島根県でございまして、その貧弱なほうにあげられているほうでございますので、特に注意をいたしまして、さような格差が今後広がることのないように、できるならば格差が次第に縮まるように指導し、努力すべきだと思います。
  85. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは年次別の表を出していただくと、ただいま椿君が言われたように、その県で吸い上げてその県で使う、全国的にプールをやらぬのですからわかると思うんで、本日の採決には影響しませんが、参考のためにそれがどのように数学的に出ているか、ひとつ手数ですけれどもお願いしたい。
  86. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまの点は私からもお願いしておきます。百二十五万円ずつ平均四万八千事業に対して助成が行なわれたわけですが、実際に貸し出しをする前と、貸し出しを受けて何年かたった後の何といいますか、近代化の状態ですね、こういうものをごらんになったことがありますか。運転資金か何かに変わって、ほんとうに設備がそのために変わって少しはよくなったというようなことを実際にごらんになったことありますか。中小企業庁長官
  87. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは府県が実際を担当してやっておりますが、この設備近代化資金については、各府県とも私が見るところでは非常に熱心でございまして、そうして近代化資金貸し付ける場合には、大部分のものは事前に企業診断をやらしております。適当な診断員のチームを編成して企業診断をして、こういうところは改善し、設備についてはこういうふうにしたほうがいいというような診察をしまして、それに基づいて大部分のものには近代化資金を貸す、そうしてその後また必要に応じてアフターケアといいますか、企業診断——もちろんこれは企業診断でございますから本人の希望がなければできませんが、そういうようなことをやって相当成績をあげているというふうに私は見ております。また実地について私も実例は知っております。
  88. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは平均の貸し出し額が百二十五万円というのですから、どんなに零細な企業にいたしましても、私はこの程度の金を借りて設備が近代化するとは思いません。ですからこれは事業診断などをやった上で府県がお出しになっていることとは思いますけれども、ほとんど運転資金に流用されているのではないかという気がいたします。それはそれなりに必要な資金ですから、それ自体が悪いとは申しませんけれども、それでは立法の趣旨とは違うわけでありますから、よほどこれは府県によって政治力の強いところはちゃんともっともらしい計画を中央に出して、それでそれだけのものをあなたのほうから出してもらうというようなことになってしまって、政治力の強いところの府県がだんだんと多くなって、そうして弱いところ、あまり熱心でないところなどはだんだんと年々小さく、格差が大きくなってくるというふうな心配があるのですが、どうですかねその点は。
  89. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この制度は、先ほど申し上げました比較的零細な企業の設備を急速に近代化させようということでございまして、大体資本金で申し上げまして五百万円未満のものが七割程度、企業貸し付け対象のうちで資本金五百万円未満のものが七割、それから一件の最高貸し出しが一応三百万円、しかしこれはもちろん例外はございます。例外は、府県でどうしてもこの者については貸したいという場合には中小企業庁のほうに申し入れていただいて、両方で協議をしてきめるということになっておりまして、それから貸し付け設備については各業種とも一々近代化すべき機械の種類をきめておりますから、そういうものに貸す、そういう施設をするときにだけ貸すということで、そのできた施設を府県の係官が行って確認をしてから金を出すということになっておりますから、ほかに流用されるというようなことは、全然ないことはございませんが、これは会計検査院あたりでときどき指摘されますが、そういうようなやり方を講じております。
  90. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 こういうのはどうなりますか。市中銀行からすでに金を借りて、なるほど指定した業種に合うものをやっちゃっておる、そういうものをあとで近代化資金で肩がわりするというような例が私はあるんじゃないかと思います。そういうのは一体そういうことをやってしまって何カ月後ぐらいまでは認めているのか、そういうことはどうなりますか。
  91. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは計画を出していただきまして、たとえば四十年度の計画であると、四十年度中に機械が設置されるというものについて近代化資金貸し付けるわけであります。実際に金が出るのは機械の設置を確認してから出しますから、その間に自己資金なり、ほかのほうから金を借りてそれで設置するといういまのような御指摘のような例もあるかと思います。
  92. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 大臣お急ぎのようですから、もう一点だけ伺いますが、平均は百二十五万円ですが、大体近代化のために機械などの業種を定めて貸し付けを行なっておる、そうしますと、何年かたちますと、五年なり四年なりたちますと、貸し付けを受ける前とは見違えるようになっておるはずですね。政府と府県が共同してそういう助成を行なっておるわけですから、見違えるようになってきた工場に対しては、おたくもこういうふうにしたらどうですか、こういう資金の道がありますよ、というようなことを広く知らせるために、それを模範工場に指定するとか、あるいは中小投資育成会社の場合もそうですが、株を公開するように成長したというようなところは、公開をして、みんなに見てもらうようにするとか、あるいは模範工場として指定をするとかというような何か措置を講じて、広く活用の方途を教えていく必要があるんじゃないかと思うんですが、それについてはいかがでしょう。
  93. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 非常にけっこうな御意見でございまして、そのように推進してまいりたいと思います。現在でも不十分ではございますが、たとえば私最近見てまいりましたが、熊本県の洗たく屋さんで白屋というのがございますが、これなどもモデル工業として近代化された実情をパンフレットにしております。また投資育成会社のほうもめんどうを見たあとの効果のあがっておるものにつきましては、パンフレットなどに事例を印刷に付して、そうして奨励をするようにしむけておるわけでありますが、ただそれはきわめて例が少ないのでございまして、ただいま御意見のように今後一そうこういう点のPRにつとめたいと思います。
  94. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  95. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 再開。
  96. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 最近土地の値上がりが大都市においては非常にひどいんですね。それをこの制度は全国画一の貸し付け方針、そうすると、東京とか大阪とかいうふうなところは三百万円借りましても、もう地代のほうなりに食われてしまって、なかなか思惑のとおりの近代化ができない、そういうところほどよけい借りておるわけでしょうから、いやそれでまあバランスするんじゃというお考えかもしれませんけれども、全国的な地代の格差などについての配慮が少しもなされていない。こういう点については少し貸し付けの額の差というものを認めるべきじゃないかというような気がするのですが、いかがでしょうか。
  97. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いまの先生の御指摘の点は非常にむずかしい問題なんですが、われわれのほうも最近の貸し付けの十地代の実績等を勘案しまして、いままで坪当たり二千五百円で見ておったのを四千五百円、これは最高ということになるわけでございます——見たわけでありますが、土地代が高いような場合は実際問題として中小企業者の負担が多くなりますから、やはりこの安い土地造成、ここらは実際には県あたりが土地の開発公社等をつくって、土地の安いところをみつけて、そして土地造成をやって、この中小業者の団地なんかに貸し付けるというようなことをやっておる府県が多いようでございます。四千五百円に引き上げれば、全体から見て大体これならやっていけるのじゃないか、非常に土地の高いところに移っていくということは、実際問題としてそれは非常に非能率的なことになるわけでございます。この程度でいいんじゃないかというふうに考えております。
  98. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまのお話のようなことででは、長官ほんとうに政府の——これ一つだけじゃありません。学校の教室を建てるにしても基準単価が安過ぎて問題にならぬのだ。それから補助金を半額出す、こう言っておるけれども、その半額の予算措置が地方ではできなくて、かえってもらうはずのものを遠慮しなければならぬというような状態の中におりますから、もう少しひとり地代とだけは申しません、実情に即した措置を講ぜられるよう望んでおきます。  それから投資育成会社についてお尋ねをいたしますが、これは一昨年でしたか、東京、名古屋、大阪と投資育成会社が発足をし、最初この計画では百社ぐらいの予定をしておられたようですが、最近三社を合わせまして四十七社か入社しか育成をやっていないと聞いています。当初の計画がこのように五〇%にも達しないというのは、何かその投資育成会社に対して政府の何といいますか、行政指導が誤っていたのではないか、なぜこのような計画のとおりにはいかないのか、ということをまず伺います。
  99. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは投資育成会社ができまして一年余でございまして、一つにはやはり何といっても非常に新しい仕事でございますし、それから投資をするということでございますので、非常にリスクも大きいというようなこともございまして、要するに業務開始後日が浅くて仕事に不慣れであるというようなことも相当影響したと思います。それからもちろん政府側のPRのやり方等も不十分で、中小企業者御自身がこの制度というものを十分によく知られなかったというようなこともあるのじゃないかと思っております。しかし、ごく最近は非常に仕事が軌道に乗ってまいりまして、件数も非常にふえてまいりました。いま御指摘がありましたように、昨年度末で四十百の会社に投資をするということになってきております。それから中小企業者のほうの側の事情としては、一つには非常に優秀な会社で、これはぜひ投資したいというところまでいって話が相当こわれる、それはこの会社が、御承知のように近い将来にできるだけ早くこの投資会社が投資をすることによって株式公開に持っていこう、こういうことでございまして、株式公開に持っていくために投資会社がある程度成長したときに第二部市場に銘柄として公開をして、そのとき時価でもって投資会社がその株を手放すわけであります。そうすると、中小の経営者のほうの側からいうと、それを一般の公開入札でやられると、それを特定の人に買い占めをされる、そうすると経営権を他にとられやせぬかというような心配、そういうようなことも相当ケースがあったようでございます。だからこういう点については運用面である程度改善をしておりますが、一つにはやはり投資会社がいきなり投資をするというところに非常に用心深くなるところもございますので、今度は投資一歩手前の企業について、投資できるような段階まできてないものについて社債を引き受けるという制度を、御承知のように転換社債でございますが、導入したいというふうに考えております。
  100. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 当初の計画が百件であったのに、いまだに四十七、八件しかこの育成がなされていない、業績が予想のとおりに上がっていないということについては、政府はこれは三つの会社に対して出資は一割じゃないですか、これは二十五億の会社に対して二億五千万くらいしか出していないのじゃないかと思います。その一割の出資をしておって監督だけは厳重なんだな。たとえば業務報告書などはかくかくの要件をそろえて出せ、たとえば今回の引き受け株式を中小企業としては当然のことだと思うのですけれども、できるだけ公開市場へ出したくなくて縁故で買い取りをしたい、それを私は認めてやらなければ業績はちょっと上がらぬと、こう思うのですよ。その縁故で買い取りができる、今度は若干緩和しようとしておられるようですけれども、その縁故売買をひとつ認めるというのでも投資会社だけで意思決定ができない、通産大臣か大蔵大臣かの許可か認可か何かわからぬが、そういうふうにしないとその買い取りさえもできないというように、ちょっと大蔵省は厳格なワクをはめ過ぎておるのじゃないかという気がするのですが、いかがですか。
  101. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この中小企業投資育成会社に対する監督は、もちろんこれは特殊の法律によってできた会社でございますから、代表取締役と監査役は通産大臣任命になっております。実際の仕事については、これは私はできるだけもう会社の自主性を認めてやかましいことを言わないように、これは大蔵省も私どものほうも実は同じなのですが、ただこの業務をやっていく上の基本の方針というものは、いわゆる業務方法書というものできめて、これは大臣の認可を受けなければならぬということになっておりますので、その点は相当いろいろこまかく十分審査をして認可をいたしますけれども、認可をして、その認可した業務方法書に従ってやられる分は、もう私どものほうとしては、どこの会社に投資するというようなことは一切これはおまかせしてやっております。それからまあ全般の考え方としては、できるだけやはり役所は監督だけはやかましいことをいって、運営がぎすぎすしないようにやるべきであるということは御指摘のとおりでございます。それからいま申されましたいわゆる株式を証券市場に公開することがなかなかむずかしいというような場合もありますので、その点は三月の一日に規程を変えまして、要するに縁故者というか、従来の株主等へその株を分けるということも認めるように改正いたしました。
  102. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 改正をされたその規程がなお窮屈じゃないかと申し上げておるのです。ちょっと私いま書類が手元にございませんので、育成会社の判断にまかせたらどうかとこう申し上げておるのです。
  103. 中野正一

    政府委員(中野正一君) その点は、いま椿先生が御指摘の点は、今度三月の一日に改正をしました投資育成会社の事業規程を言っておられるのだろうと思いますが、いま言いましたように、この「投資先中小企業の株式を相当期間保有した後においても、なお、当該株式を証券市場に公開できる見通しがたたない場合」には、中小企業庁長官の承認を受けてその保有する株式をこの本会社、投資会社の指定するものに処分することができる、こういう規程がございますので、この規程をいま育ったように運用面においてこの会社の希望というか、意見を十分尊重してやれ、こういう御意見だろうと思いますので、そのように運営したいと思います。
  104. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 この相当期間証券市場に公開することのできない事由のある場合、その場合は、たとえば育成会社に株式を持ってもらっておる会社が縁故引き取りをやりたい、そのために証券市場への公開売買が困難であるという場合も含んでいますかというのです。
  105. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この投資育成会社をつくりました趣旨は、中小企業の増資がなかなかむずかしいということで、その自己資本充実のために投資会社が一応株式を引き受けて、そうして将来できるだけ早い機会に株式を公開して、自分で要するに資本調達ができるように持っていこうという趣旨でございますので、いま言ったように、相当期間証券市場に公開できる見通しが立たないような場合に、この縁故者等に売り渡すということは、まあ何といいますか、例外的な措置でございますので、あまりそいつがルーズに行なわれるということは好ましくないというふうに考えております。
  106. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これはいまの点非常に重要だと私は思いますのは、この中小企業者というのはまあ同族資本ですね、大体。けれども、今度はこの法律でもって資本力というものを充実させるためにひとつ育成会社が引き受けてやって、そして公開市場へ上場できるというふうにまで育成しようということが法の目的であるということはわかりますが、中小企業者としては、できるだけ育成会社のおかげで立ち直りましたら市場へ公開するのがほんとうですけれども、私のほうでひとつ買い取りさしてもらいたいという道が開ければ、私はこの育成会社の業績というものは百件予定されたものが四十七でとどまるというようなことなしに成果をあげることができるのではないか、そこのところの判断を育成会社にまかせることにしたらどうだろう、こう申し上げているのです。
  107. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ちょっと答弁の前に……。私実は長官、先般中小企業金融公庫にちょっと行ったときに、ちょうど投資育成の問題について対象になるような業種を集めていろいろ懇談しておるときに、一番問題になった点は、いま椿委員が言われたこの問題なんです。それはなるべくそういう同族性をなくして近代的なスタイルにすることが必要ですが、もう裸一貫でたたき上げたものは、なるほど優良企業になって、株式を公開して十分一本立ちできるようになったら、公開市場で株の過半数を取られて乗っ取られやしないかということが、これはもう最大の心配なんです。ですからそういう経過措置としては、同族性をだんだんとぬぐっていく経過措置としては、やはり椿委員の言われたようなことを考慮してやることが、数十年間同族会社として裸一貫でやったものとしては、やはりそのような思いやりのある配慮がなければ私なかなかいかぬのじゃないか、こういうふうに、その投資育成会社の対象になるような業種を集めて懇談をした中のあとの経過を聞いて、この点が一番問題になっておったのです。そういうあたたかい思いやりが経過措置として、同族性は当然ぬぐうべきだが、このおい立ちからしてもなかなかめんどうじゃないかというような点をひとつ椿委員質問と関連をして御答弁願います。
  108. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま両先生からの御指摘の点、中小企業の実態がそういうふうであるということもわれわれも十分承知しておりますし、またそういうことがあって、先にも説明しましたが、ほんとうに投資しようということを大体きめかけるころに、そういう点を非常に中小企業者の経営者のほうが心配されて引っ込み思案になるというようなケースも聞いております。したがいまして、三月一日の改正で、例外的に、公開できる見通しがなかなか立ちにくい、これにはいろいろ事情があるのでしょうが、そういう場合には特別の場合として投資会社が持っている株式を、関係者というか縁故者というか、そういうものに指定をして処分する道を開いたわけでございます。この点がまだ十分PRも行き届いていないのじゃないか、三月一日に改正したばかりでございますので。それからそれ以外の規程として、この投資会社が保有する株式を処分するに際して、投資先の中小企業の株式の買い占めが行なわれるなど、当該中小企業の経営の自主性が著しくそこなわれる事態が懸念される場合に限りまして、その発行済みの株式の二四%をこえる部分を限度としまして、現在の中小企業の株主に特別に処分を認める、こういう規程も一応あるわけでございます。だからそういう点を十分PRをして、中小企業者の皆さん方にこの制度趣旨を了解していただくということが大事じゃないか。それから運営につきましては、もちろんこれはできるだけ投資会社におまかせをするという方針でわれわれやっております。
  109. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまの問題ですが、相当期間育成会社が保有しておって、なお公開市場へ出すことが困難な事情のある場合、その会社の株主とか、あるいはたとえば従業員とかいうようなものが持ちたいというときには、特別の措置として、ゆるめる方針を三月一日に規程として改正された、その認定を育成会社におまかせになるかと言うんです。中小企業庁長官は、それをおまかせになりますか、育成会社に。おまかせになったほうがよろしいと私は思いますが、いかがでしょうか。
  110. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これはもう各投資会社にそのためにりっぱなスタッフもみんな来ていただいてやっておりますから、私どもも、できるだけこれはもうおまかせしてやるというつもりでございます。
  111. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 この政府出資は、今回は何か五億ばかり融資されるようですが、出資しておるのは二億五千万、二億五千万と二億で七億でしたかな。出資総額は三社に対して。
  112. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 六億です。
  113. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 六億でしたか。六億をたしかあれは五年以内に政府へ返せという規定があったように思いますが、そうでしたかね。
  114. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 十五年の間に返すということでございます。
  115. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 十五年の間に返すというんですか。開銀とか輸出入銀行はどうなっていますか。
  116. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 開発銀行、輸出入銀行等に対する出資については、返還の規定はございません。
  117. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 これは私は同じように扱えんものだろうか、こう思うんです。そればかりじゃありません。政府機関に対する関係と同じような義務をこの育成会社に課しているわけだ、報告の義務とか、監査を受けるとか何とか。そういう義務だけは政府機関に対すると同様の義務を課しておいて、そしてわずか六億ばかりの出資を、いま伺いますと十五年以内に返還せい。輸銀、開銀の場合は返済の期間はない。こういう矛盾がありますから、何とかこれを緩和してやらんといかんように私思うんです。いかがでしょうか。
  118. 中野正一

    政府委員(中野正一君) それは中小企業投資育成会社をつくるときにいろいろ御議論があったと思いますが、できるだけ将来はこういう会社の性格からいって、民間の金で運営できるように持っていきたいという趣旨もあってこういうことになっていると思います。それから監督規定等につきましては、ほかの特殊法人の例等から比べると、それほどきつい監督にはなっておりません。  それから、運用面については、先ほど申し上げておりますように、これは中小企業庁で監督しております。私のところでやっておりますから、もう全部おまかせするというような方針で、そのかわり情勢はしょっちゅう役所のほうに報告していただいて、三社ございますこの横の連絡も十分とっていただくようにやっております。そういうことで、今後この中小企業投資育成会社をどういうふうに育てていくかという根本問題は、いま先地の御指摘になったような問題ですね、政府の金をもう少しふやすべきじゃないか、あるいはほかの特殊法人と同様のやり方に、たとえば株式等につきましてもすぐそいつをどんどん引き上げていくというような方向が出ておるわけであります。そういう点についても今後検討はしていきたいと思います。
  119. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 この投資育成会社を大体つくるときに、これは中小企業対策の一環として発足しておるのであります。それで、いま三社に対して六億の政府出資が行なわれておるわけであります。それが三社とも政府資金というのは資本金の一〇%しか出資していなくて、そしてその義務だけは政府機関と同じ程度の義務を課しておいて、そしてその出資の金だけは十五年したら返せ、そして監督だけは、こうやかましく言っておられる。これでは私は政府出資をして、そして中小企業全体の底上げをやっていく目的として発足した会社としては、あまり保護のなにがなさ過ぎるという感じを深ういたします。大蔵省おいでになりましたら、一緒にひとつ答えてください。
  120. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) ただいま御指摘出資の問題でございますが、輸出入銀行あるいは開発銀行等の政府関係機関におきましては、予算及び決算につきまして政府の監督を受けております以上、年々の剰余金等につきましては、これを国庫に納付するということになっております。この点投資育成会社につきましては、ただいま御指摘のような監督の問題がございますが、経理につきましては予算上の措置を受けておりません。いわば純然たる民間の会社として扱われておるわけでございます。多少その間には性格的な違いがあるのじゃなかろうか、かように存ずるわけでございます。
  121. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 性格の差のあることは私も承知しておりますが、このような経過で止まれた会社に対しての優遇措置、税金は一体どうなっています。それから今回どこかの政府関係機関で五億をたしか貸し出しをすることになっていますが、これの金利は一体どうなっているか。
  122. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この会社に対する税制上の特別の優越措置というものはございません。実はことしの予算折衝の際に、この会社からの席望もございまして、いわゆる投資損失準備のための積み立て金制度をつくろうということを考えたのでありますが、まだ発足後間もないし、もう少し大蔵、通産両省でよく検討しようじゃないかということになりまして、これもぜひ私としては近い将来に実現をしたい、損失準備のための積み立て金制度ですね。したがって、現在のところは特別の税制上の優遇措置というものはございません。それからことしは財政投融資のほうで、中小企業金融公庫から五億、いま御指摘があったように融資を受けられるということにいたしております。これは実際問題として資金がショートするのは、ことしの計画でショートするのは名古屋だけでございます。大阪、東京は大体現在の資本金でまかなえるというふうな計画になっております。したがって名古屋にこれは出す、名古屋は政府が一億で、あと九億を民間と地方公共団体が出しておりまして、資本金が十億でございますので、計画どおりこの投資あるいは社債の引き受けが行なわれれば金が足りなくなる、したがって中小公庫から名古屋の投資会社が借りる。金利の問題はいま検討中でございまして、名古屋の場合はどうしても近い将来に増資をせにゃいかぬというようなことになるんじゃないかと思います。したがって、そういう問題とあわせて金利の問題は検討中でございます。
  123. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 損失補償準備金といいますか、投資育成会社の損失補てんのための準備金の積み立て、それを課税しないようにという努力をしたけれども、ことしの予算折衝では通らなかった、というお話がございましたが、租税特別措置法によって電力会社のごとき、渇水準備金の積み立てまで税金控除されている。貸し倒れ準備金も控除されている。そういう税制の恩典が一般の企業会社にさえあるのにかかわらず、政府出資をやって中小企業対策を推進するというこの投資育成会社が税制上の恩典を一つも受けてない。長官、あなたは十分中小企業庁、長官としてこれでいいと思って満足しておられるんですか。私は満足いたしません。いかがですか。
  124. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま御指摘の点については、私も相当努力したつもりでおりますが、実現を見なかったことはまことに残念に思っております。近い将来ぜひこれは実現をさしたいというふうに考えております。実は、中小企業政策審議会の金融小委員会というのをつくっていただきまして、そしてこの投資育成会社についてさらに発展させるためにはどうしたらいいかということを諮問いたしまして、その答申を得たわけでありますが、これは実はいろいろ審議の関係で十二月に答申が出たこともございまして、予算折衝に時期的に少しおそく答申が出た。もちろんこれは答申がおそく出たのはわれわれの責任でもございますけれども、ほかの点については、たとえば転換社債——今度法律改正をお願いしております転換社債の引き受け、それから限度の資本金一億円以上のものでも例外的に引き受けられるというふうな規定については答申どおりになったわけであります。いまの税制の問題は非常に残念ではございましたが実現を見なかったということで、今後私としては実現に努力したいというふうに考えます。
  125. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまの答申では税制上の恩典を与えるべしということになったでしょう。大蔵省どうです。中小企業庁はこれは自分のところの所管だからそういう主張をされるんだが、大蔵省、まだ方針はきまっておりませんというそういう答弁ならあんまり開きたくない、答申がございますのでそれを尊重してどうとか、という御答弁でないと、要りませんが、いかがですか。
  126. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 申しわけございませんですが、私は面接の担当者でございませんので、責任ある御答弁ができないわけでございますが、通産省当局と今後十分折衝いたしたいと思います。
  127. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そういう答弁のできる人に御出席を私はお願いしたはずなんですが、どうもいまの長官のお話でも、五億は一体どこの金を出すつもりか、五億のこの育成会社に貸す金は、政府機関の金が出るのじゃないですか。
  128. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは中小企業金融公庫に対する財政投融資の中から、中小企業金融公庫を通じて出すわけであります。通じてというか、中小企業金融公庫から貸しつけるのであります。
  129. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 政府関係機関金利はまちまちであります。五分五厘のものもあれば、六分五厘のものもある。まだ高いのもある。一体中小企業投資育成会社には、いまだにワクだけきめて、金利の話もついていないのですか。
  130. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いませっかく折衝中でございます。
  131. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 どの程度でせいというお話をしておられますか。
  132. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 会社側からは、できるだけ安い金利でという希望がございます。これは当然のことでございます。中小企業金融公庫は、御承知のように原則として金利は九分でございます。したがって、これより安くしたいというのがわれわれの希望でございますので、いませっかく折衝中でございます。
  133. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 わざわざ中小企業金融公庫の金にせぬでも、財投の大きなワクがあるのですから、ほんとうに政府が中小企業対策をお考えになっているのなら、総予算の〇・六%というふうな二百億程度の金しか中小企業対策費として計上しないで、しかも三つの会社が、その事業遂行のためにこれだけの借り受けをしなければ運営が困難である、そういうときに、中小企業金融公庫金利は九分だからという——政府関係機関金利としてはこれは一番高いと思うのです。まあ市中銀行金利に比べますとどうか知りません、そう高くないかもわかりませんが、この政府関係機関金利というものは五分五厘もあれば六分五厘もある、七分もあるはずです。それをどこがそんなことを言っているのです。それは大蔵省でしょうね、そんなことを言ってるのは。これは少し腰を据えた話をやられませんと、中小企業対策なんて看板はおろしてもらいたい。いかがですか。大蔵省もひとつ一緒に答えてください。
  134. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま先生の御指摘があった点も十分頭に入れて折衝してまいりたいと思います。
  135. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 特段の御努力を望んでおきます。当初六億の政府出資であるから、東京と大阪の一社にしたい、そういう御計画であったところへ、中京から、東京と大阪につくって名古屋にないということは不自然じゃないかというなにがありまして、三社になった経緯もございます。ところがこの一年間の二社の育成状況を見ますと、計画の外にあった名古屋の実績が一番あがっておりますね。その理由は、関係の都市銀行が数の多い東京、大阪はわりあいに実績はあがらない。名古屋の場合は東海銀行が一社であるというところにわりあい金融機関投資会社との関係がスムーズにいっている。そこに名古屋の育成会社の実績があがっておるのではないかという気がいたします。そこで、せっかくの会社でありますから、業績をあげていただくために、名古屋で比較的実績があがっておるのは、東海銀行が一社であるというところに私はその育成の実があがっておる理由があるように思うのですが、当局は一体どうお考えになりますか。
  136. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 各投資会社につきましては、関係の銀行は全部株主として参加をいたしております。名古屋が非常に成績がいいというのは御指摘のとおりでございますが、これはいま先生が御指摘になったような理由もあるいはあるのじゃないかというような気もいたしておりますが、その点は私も判定に苦しむわけですが、特にはっきり言えますことは、御承知のように名古屋の投資会社は管轄区域が要するに愛知、三重、岐阜、石川、富山という五県に限られておりまして、比較的PRも非常に行き届いておったというふうに私は見ております。それから関係の府県が五つでございまして、お互いに非常に連絡もいいし、また何というか、お互いの競争意識というふうなものもございまして、府県の指導が非常によろしかったのじゃないかということも考えられるのじゃないかというふうに見ております。
  137. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いま長官のお話のようなことであれば、東京と大阪の受け持ち区域というものを狭めて、そうしてそれ以外のところに育成会社を新しくつくっていくということじゃないと業績があがらぬということにこれはなりますが、そういうこともお考えになっておるのですか。
  138. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これはいまこの会社を細分することも非常に力を弱めることになりますので、その点はもう少し今後情勢を見て研究をしなければいけないと思いますが、三つ比べた場合にこうだということで理由をあげると、どうしてもそんなことじゃないかと思いますが、しかし、ほかの二社につきましても、最近は各都道府県あるいは通産局、中小企業金融公庫その他と提携してPRも相当つとめておりますので、最近は相当成績があがってきつつあるというふうに見ております。
  139. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 関係される銀行が多いと、どうしてもこれは仕事がやりにくいのではないかと私は思います。名古屋の場合幸いに一社ですから、わりあいそういう点の話し合いがつきやすい、そういうところに仕事の能率があがるのとあがらないのと出てくる。将来の検討を望んでおきます。  さて、転換社債についてですが、商法の規定にも転換社債の規定はあるわけですけれども、これまであまり聞いたことがない。どういうところでこの転換社債というものが活用されておるか、その実例をひとつ聞かしてもらいたい。
  140. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 現在までに非公募で転換社債を発行したところが多いわけでございますが、その大部分が中小企業でございます、二十三社の大部分が。したがって、この非公募の転換社債というものは比較的中小企業にはなじみやすい制度じゃないかというふうに私ども見ております。それから非公募の転換社債のほとんどが無担保、これは二十三社のうちで二十一社は無担保で発行されておる実情にございます。
  141. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 そういうわけで育成会社に転換社債を導入すれば実績があがるというふうにお考えになったのでしょうが、その経緯と段取りをひとつ聞かしてもらいたい。
  142. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この転換社債の引き受けは、先ほど御説明しておりますように、やはりあくまでこの投資会社の趣旨は、その当該中小企業者の自己資本の充実ということを考えておりますので、やはり株式投資の補助手段として認めていこう、したがって普通の社債でなくて、将来株式に、大体四、五年のうちにこれは転換する計画になっておりますが、株に転換する社債、こういうことにいたしたいということでございまして、これをやりますれば、株式引き受けまではなお踏み切れない、株式引き受けの一歩手前の段階にある企業まで転換社債を認めれば、この投資会社は比較的仕事がやりやすくなるのじゃないか、こういうことを考えたわけであります。  それからどうしてこういうことを考えたかということでございますが、昨年の五月に、ここにおります金融二課長も入って、担当課長でございますが入りまして、民間の会社の方々と一緒に調査団をつくりまして、ヨーロッパ、アメリカに、こういう投資育成会社式なシステムが外国でどうなっておるかということを視察にやりまして、調査団の報告にもありますが、外国投資会社は全部やはり社債を、大部分転換社債でございますが、引き受けるということができるような規定になっておりまして、そういう調査の結集もありますし、それから投資育成会社の半年から一年程度実績等も見まして、投資一歩前の、したがって規模もいままでよりも少し低い、規模の小さい企業にまで投資会社の業務範囲を拡張していこう、こういうことも考えましてこの制度を考えたわけであります。
  143. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 本来育成会社は株式の引き受けをやって、そしてその会社を育てて公開市場へ上場ができるように育成をしていくということが目的でしょう。それを社債を引き受けをして株式まで引き受けができないというのは、これは何かしろうと考えですけれども、本来株式を引き受けるべきなのに、そうして育成してあげる、それを株式引き受けまでは踏み切れぬ。まだ危険が感ぜられる。そこで社債だけをこう引き受けて、これならだいじょうぶというところになってから、ひとつ株式引き受けをやろう、へっぴり腰だな、これは。そういう気がしますが、いかがでしょうか。
  144. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これはそういう意味ではなくて、いきなり株式ということになると、危険も相当多くなるわけでございまして、社債でありますと、確定利息が得られる、それから償還期限に元本が回収できるというような、これは当然のことでございますが、株式とは差があるわけでございますから、まあ言ってみれば、例は悪いかもわかりませんが、結婚する場合にいきなり結婚というのじゃなくて、その間に見合いをして、ちょっと交際期間を置くというような意味合いでお考えいただいたらいいのじゃないかと思います。
  145. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いわばランデブーだな、これは。ランデブーならなんですけれども、本来そういうものであれば、それこそ中小企業金融公庫などが融資をしておいて、そしてこの企業が一人立ちできるような段階において株式引き受けを行なうということなら、これは筋が通るように思うのですが、その道をとられなかった理由はいかがでしょうか。
  146. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま先生御指摘になったような方法一つ方法かと思いますが、投資育成会社の運用その他の実績等を見まして、先ほど申しましたように、株式投資まではなかなか踏み切れない、しかし、社債を持つならばいいというふうなことにすれば、一つには先生の御指摘のように、この投資育成会社が非常に中小企業のうちの優秀選手というか、チャンピオンだけを拾い上げていくのじゃないかというような非難をわれわれ非常に聞いておりましたので、こういう転換社債というような制度を導入すれば、もう少し幅広く、規模もやや小さい、たとえばいままでの投資会社が投資した先の資本金の平均額は三千五百万円くらいになっております。今度の転換礼債は大体平均で二千万円程度資本金のものをねらいたいというようなことで、やや幅広く業務ができるようにいたしたいという趣旨投資会社にこういう仕事をやらせようということを考えたわけでございます。
  147. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 であれば、その投資育成会社に金融の仕事ができるというその業務範囲というものを広げて、資金の許す限り。そうしてだいじょうぶというところになったときに、株式引き受けをやるというようなことも一面考えられるわけですが、育成会社の業務範囲というのを広げるということについてはいかがなものですか。
  148. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは投資育成会社のつくった趣旨が、あくまで自己資本の充実ということで、したがって株式投資の補助手段として転換社債引き受けを認めようということで、それだけは業務範囲を今度広げることになるわけであります。一般貸し付け業務までやらしたらどうだということになると、ちょっとそれはほかにいろいろのそういう機関がございますから、普通の金融、これとは区別して考えたほうがいいと思うのであります。
  149. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 ですから、私は政府関係金融機関として三公庫がある、特に設備関係融資を担当しておる中小企業金融公庫国民金融公庫は運転資金と聞いています。だから、そこで転換社債を引き受けなければならぬ程度のところは、中小企業金融公庫の金融にゆだねて、それによって育成された段階において株式引き受けを、本来の仕事でありますから育成会社が行なうことにすれば、なお筋が通るように思うのですが、商法に規定はあるが、これまであまりわが国では例を見なかった転換社債の業務を育成会社にゆだねようというようなことは、はたして実績のあがるものであろうかという心配がございますから、そういうことを重ねてお尋ねいたします。
  150. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 政府関係金融機関融資によって十分中小企業を育てて、それからこの投資育成会社の株式引き受けということに持っていったほうがいいではないか、確かに御指摘のとおりでございます。そういう方法中小企業金融公庫あたりとも十分連絡をとらして進めてまいりたい、同時にあわせてこの転換社債をこの株式引き受けの補助手段として認めるという方法も新しくそういう道も開いておいたほうが、非常に中小企業の育成のためにいいのじゃないかというふうに考えて、こういう制度を提案いたしたわけでございます。
  151. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 中小企業とこう名前が冠せられると、さきには資本金三千万円まで、先般の国会で五千万円以内ということに大体なったのですね。それがこの育成会社は中小企業投資とこう名前があるのに、一億まではよかろう、さらに今度は二億までよかろう、こうなるわけでありますが、中小企業のなるほど株式引き受けをやって会社を育てるということが目的だから、五千万円のところならばいいけれども、八千万台になっちゃだめだというわけにまいらぬ事情はよくわかります。それが中小企業投資育成会社でありながら一億まではワクが広がる、さらに今度は二億程度まではいいということになるのじゃないか、これはどこまで終点はありますか、これは。
  152. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま御指摘になったとおりでございまして、従来は投資先の資本金が一億円をこえてはならないということになっておりますが、最近のまあ御承知のような証券市場等の事情からいうと、一億円でいきなり上場ができるというような情勢にもないようでございますので、株式公開へ持っていく橋渡しとして、例外として一億円以上まで引き受けることができる。このときはもちろん法律にありますように、通産大臣の承認が要ることになっておりまして、その承認基準として二億円までは認めようということになっております。
  153. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 この投資育成会社の中小企業の範囲の終点は二億円ということですか。他の法律には、やはり中小企業と名前がついておれば、三千万円ではどうも最近の何からいうとだめだから、これは五千万円以内にしよう、こういうことで去年これは中小企業の範囲というものが確定された。それがこの会社の場合は一億にしろ、二億にしろ、資本を充実さして健全な会社をつくるということが目的ですから、一億までというのは私はよかったと思っておりますが、今度二億までこれを許すということになりますと、大体こう一億、二億というところにこの育成会社の目標がきまってしまって、立法の目的である中小企業の健全な育成ということのワクをはずれてくることになるのじゃなかろうか、こういう心配があるのです。それはどのようにしてこの規制をされるお考えでしょうか。
  154. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 中小企業基本法ができます際に、資本金は五千万円以下、それからあるいは従業員が三百人以下というのが中小企業の定義として基本線がきまっておるわけであります。各種の制度によりましていろいろ例外はございます。この制度も先ほど御説明いたして、おりますように、中小企業の自己資本を充実させて、そして自分の自力で株式の増資の調達ができるように育成をしてまいりたいということでございまして、最近の証券市場等の事情からいって一億円までしか投資会社が引き受けできないということにしておきますと、なかなか公開に持っていく道が狭くなるというような事情になってきましたので、例外として一億円以上まで引き受けることができるということに、特にこの株式公開のために必要な場合に限って例外を認めよう、こういうことでございまして、決してわれわれとしては中小企業の定義等の基本的な考え方をこれによって変えようというような考え方ではございません。この制度の特殊性からそういう規定を設けたほうが実際に実情に合うじゃないかというふうに考えておるわけでございます。
  155. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 いまお話のようなことでいいとは思いますが、三つの育成会社がたとえ政府資金一割にせよ——一割しか出していないのだからあまり大きなことは言えませんけれども、やはり本来の中小企業の範囲というものは、中小企業基本法などで定められておる三千万円とか五千万円程度のところの会社を主として育成をするということに行政指導をされる必要があるように思います。それから転換社債のために各社が一体どの程度までその社債を引き受けていいということに何か基準を定めておいでになりますか、それとも今度中小企業金融公庫から貸し出しをしようとする五億というものを転換社債の大体ワクにお考えになっておるのかどうか、その点をひとつお聞かせ願いたい。
  156. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 昭和四十年度の三社の投資計画を申し上げますと、全体で百件ですね、百件というのは百の会社ですね。百の会社に大体投資あるいは社債を言引き受けようという計画にいたしております。これは東京、名古屋、大阪の二つの会社を通じまして百の企業に投資あるいは社債を引き受けを考えております。そのうちの約百割が株式投資、それから約三割が転換社債の引き受け、こういうことでございます。それから五億ほど中小企業金融公庫から融資を受けられるようにしておりますが、これはもう全く金繰りの関係でそういうことをいたしておるわけでありまして、その五億を転換社債に持っていくと、こういうわけではございません。こみにしてやっておるわけであります。
  157. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 私の聞き取り方が悪かったのか、七割を株式引き受け、三割を転換社債ということは資本金のですか、それとも百社の中の七十社をその株式引き受け、三十社を社債引き受けというようなことなのですか。
  158. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 件数で約百件と、そのうちの七割、これは件数でございます。それから三割程度の件数のものが社債引き受けと、こういうふうに一応計画しております。
  159. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 それは四十年度の御計画ですか。
  160. 中野正一

    政府委員(中野正一君) そのとおりでございます。
  161. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 重ねて要望をいたしておきますが、この法律の目的は、中小企業を公開市場にまで株式の上場ができるように育てるということが目的で政府出資も行なわれておる。したがって、行政指導なりあるいは監督、それからその他の義務はこの政府関係機関と同じように扱われておるにかかわらず、租税の点において、あるいは借り入れをいたします際の金利の点において、何ら見るべき優遇措置というものが今日までのところでは具体的でない、これは非常に不満であります。でありますから、これはひとつ立法の目的に沿うように、しかも審議会の答申も出ておることでありますれば、すみやかに答申の線に沿うた措置を講ぜられるよう望んでおきます。なお、これは希望だけではなく、後ほど委員長理事打ち合わせ会等でもお開きいただいて、これを採決いたします際には附帯決議でもして、政府に強くその点を要望するようにお取り計らいをいただきたいと思います。
  162. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について椿委員質問されましたので、落ち穂を拾ったような形で少しお尋ねしてみたいと思います。  中小企業近代化資金助成法の第四条に貸し付け金の限度というのがありますが、これは「都道府県が必要と認めた金額の二分の一以内とする。」、こういうふうになっていますね。このことはどういうふうになっているのですか。「以内」ということですが、都道府県の財政力のいかんによってこれはいろいろ変わっていくのですか。大体二分の一になっているのですか。これはどういうふうになっていますか。
  163. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま御指摘がありましたように、第四条でそういう規定になっております。「都道府県が必要と認めた金額の二分の一以内」を貸し付けるということになっておりますから、法律規定からいえば、都道府県の都合で二分の一以下でもいいわけでございますが、いま御指摘があったように、各府県とも全部二分の一の貸し付けでございます。
  164. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 それはわかりました。次にお伺いしておきたいことは、さきに椿委員質問されましたように、財政力の強い府県がますます強くなっていくようなおそれもあるわけですね。したがって、この資金の割り当てが、できるだけそういうことを調整するような、そして地域格差をなるべく少なくするような必要があると思うのですが、これは一体どういうふうにして割り当てられているんですか。ただ各県の要望とか実績とか、一定の基準があるわけですか。そういう点についてお伺いします。
  165. 中野正一

    政府委員(中野正一君) これは各府県の要望を十分聞きまして、資金の配分をやっております。確かに御指摘のように、この金は国が半分出しそれから府県が同額を出すということでございますので、財政力の弱い県にとってはいろいろ負担がかさむというような事情もあるかと思いますが、お手元に資料として御提出してあると思いますが、この高度化資金設備近代化資金、両方でございますが、これの昭和三十九年度の各府県の負担分を、高度化資金設備近代化資金を足しまして、その金額を都道府県の基準財政需要額で割ったもの、したがって、都道府県の財政の規模から見て高度化資金設備近代化資金がどのくらいの負担になっておるかということを見ますというと、大部分のものがもう〇・何%という数字でございまして、一番大きなところで一・何%というようなことになっております。たとえば福井県あたりで一・七九%、愛知県で一・五〇%、静岡で一・四四%というような程度でございますので、まだいまのところでは、それほどこの資金が非常に府県が負担を感ずるというようなところへはいっていないんじゃないかというふうに私どもは見ております。したがいまして、この資金の配分等にあたりましては、できるだけ各府県の実情に即して、先ほど御指摘があるように、地域聞の産業格差というようなものが縮まるような方向で、われわれとしては、各府県の要望に沿うように配分いたしたいというふうに考えております。
  166. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 ただいまのお話を聞くと、まあ格別な基準というものはないわけですね。そこらに、エリートの皆さんのことですから恣意は働かんと思うわけですが、やはり何らかの基準というものをつくって、そして地域格差をできるだけ是正するような、近代化をできるだけバランスがとれるようなやはり配分をやるというようにするには、かなり基準が要るんじゃないか、あったほうがいいんじゃないかと思うんですが、どんなものでしょう。
  167. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 各府県の要望を勘案して、配分すると申し上げましたが、その府県の要望を聞く際に、業種別の分類でございますね、それから各業種に属しておる中小企業者のその府県における数等も十分見まして、参考にして配分をいたしておるわけでございます。
  168. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まあ金額も小さいことですからなんですが、地方交付税のような五千億もあったりすると、これが悪意的なことで動いてはいけないというので、なかなか厳密な測定単位その他によってわりあい恣意が働かんように、しかも府県の財政調整をやる、そして自主性を侵さないというような配慮があるわけで、私はそういうことも、まあいろいろ団地の形成とか、そういう適地の調査とか、集団化の計画とか、調査があって、そういうこととの関連でやっておられると思うので、そういう少し長期の展望に立った各府県の実態を十分調査されてやっていただくことが必要ではないかと思うのですが、団地化とか集団化とかいうような各府県の少し長い見通しに立った調査なんかは、地方通産局等を通じてやってあるのでしょうか、どうでしょうか。
  169. 中野正一

    政府委員(中野正一君) いま先生が御指摘のような観点は、いままではあまり考慮しておらなかったと思いますが、確かにこういう設備近代化、高度化資金等を相当増額をいたしましてやっていくわけでございますので、長期的観点に立った必要な調査等をもとにして的確な基準等も考えてやってまいりたいというふうに考えております。
  170. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大蔵省の銀行局のまあ次長さんとも言うべき塩谷さんが出てきておられるのですが、あるいはお聞きするのが適当でないかと思うのですが、これが無利息だというようなことと関連していろいろ質問したいと思うのですが、ほかにも無利息なものがやはりありますか。
  171. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 私の知っております限りにおいては、ほかに無利子の資金融資というものはないように存じます。
  172. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この法律ができてから、たしかさきにも申されたが、十年近くなるように言われたのですが、塩谷さんもこれが一つじゃないかというような御発言ですが、それはまあ利子は安いほどいいし、ただほどいいのですが、これが包まれた理由について、集団化というようなものが格別困難でそういう措置が必要だというようなことですか。無利息だというその生まれたおい立ちについてまずお伺いしたい。
  173. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 確かに農林関係は、いろいろな金融措置についても幾つかの金利の段階もあることも承知しておりますが、この中小企業の設備近代化資金なり高度化資金というものは、いわゆる普通の金融ベースになかなか乗りにくいような、比較的零細な企業の設備近代化を促進しようということで設備近代化資金というものはでき上がっておるわけでございまして、その意味でこの制度は非常にほかの制度から比べると、無利子であるということで特異の制度ではありますが、特別に政策的な意味からこういうことを続けてまいりたいというふうにわれわれは考えております。集団化等につきましても、これは従来からありました設備の共同施設に対する助成金、これはやはり無利子の助成金でございますが、共同化なり協業化というものを政策的に急速に進めていく必要がある、そういう観点からこういう制度を採用いたしておるわけでございます。
  174. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は実は利息は安いほどいいと思うのですが、はたして無利子というものがいいかどうか。この点については、むしろあるいは年限、据え置きを含めて年限を延長したりするような措置がいいかどうかというようなことはやはり再検討を要するのじゃないかと思うのですが、この点はいかがですか。
  175. 中野正一

    政府委員(中野正一君) この点は、確かに御指摘のとおりでございまして、われわれとしても従来からも相当検討はいたしておりますが、格別のいま御指摘の御意見ございましたので、今後の問題として大いに研究してまいりたい。一部には、非常に低利の金利を取ってもいいからこの資金のソースをうんとふやせと、こういう議論なり考え方もございます。これも相当検討したのでございますが、どうも、この制度はやはり残しておくほうがいいということで、ことしは、こういうことで踏み切ったわけであります。さらに今後検討を重ねてまいりたいと思います。
  176. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、そういうふうに、ただいまの御発言のように、資金の全体のワクとかソースをふやしたりするとか、年限の延長というようなことを考えるほうが、これはやはり無利子ということは、受けるほうとしては非常に事態を甘く見るんです、私もずいぶん世話もしていますが。そういう点では私はやはり一考を要するではないかというふうに思いますので、とにかく、ただでもらったような気になるんです、まあ元本は返さにゃならぬわけですが。無利息ということは、まあ歩積み、両建てその他を考えるとたいへんな恩典なんで、ただでもらったような気になって、経営自体を甘く見やすいんじゃないか。私もかなり世話をしてみて、その恩典にあずかるものがそういう甘い考えを持ちやすいということを申し上げて、御検討をいただきたいと思います。  幸い櫻内大臣もおいでになりましたのでお伺いしますが、この中小企業白書を見ましても、そして、昭和四十年度において講じようとする中小企業施策を見ましても、この資金の貸し出し期限とか利率とかいう、まあ体系を是正するということが非常な大きな柱に——中小企業白書の流れる大きな柱は構造変化——産業構造の大きな変化ということをうたい、それに対応するために四十年度に講じようとする政策の中で、やはりこの貸し出し期限とか据え置きとか利率とかいうようなことをかなり詳しく載せておられるわけであります。そこで、私はここで、幸い大蔵省からもおいでになっておるのでお伺いしたいんですが、そういう際に、まず農業との関連で総合的な検討をやはりされたかどうか。たとえば国民金融公庫、中小企業、商中、農林漁業金融公庫、農中というようなものと、全体を総合的に考えてこの貸し出し態勢を見ると、非常に私は検討を要する問題があるじゃないか、こういうふうに思うわけであります。私も長い間農林水産委員会にもおりましたし、また、そのほうにもかなり関係したことがあるので申し上げたいのですが、たとえば、このいただきました「中小企業高度化資金の貸付状況および貸付条件等」について見ますと、商業集団化等資金というのがあります。この中に、たとえば例をとってみますと「倉庫」というのがあります。これが五年が七年になったわけであります。私は開銀の倉庫に対する融資のあっせんもやった経験がありますが、開銀におきましては、まず大体十二年——二年据え置き十年払い、それでも地価の高騰したような現在においては、この償還のついている倉庫はペイするが、新しく建てる倉庫はなかなかペイしない、倉庫業はなかなかたいへんだということを聞いているのですが、そういう点でも非常にこれは問題じゃないかと思うのですが、私は、こういうふうに五年が七年になり、あるいは九年になったりしていますが、少なくとも私が経験する——私も県の経済連の会長として、農業倉庫を建てました。そのときに農林漁業金融公庫から借りる金は二年据え置き十八年、そういうのに比べて、私は倉庫なんかがこういうことではたして十分償還できるかどうかというふうな疑問を持つのですが、いかがですか。
  177. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 私より、全般的な考え方をお答え申し上げまして、あとは担当者にお答えさせますが、私として大蔵省との折衝にあたりましては、この近代化資金あるいは高度化資金等の利率の問題も含めまして、貸し出し条件の緩和につきましては、種々お願いをしたのでありますが、今回は、公害防止関係あるいは工場等集団化資金、ただいまお示しの倉庫などをひっくるめたものについては、多少の改善がはかられたわけでございますが、全般的には今年は見送られたわけでございます。他の金融機関との関係につきましては、私、十分承知をしておりませんが、ただいま開銀との関係についての御指摘がございまして、おそらくそのようになっていると思うのでありますが、今後、中小企業のこの種の資金について、通産省の立場からいたしますれば、なお改善の余地が相当あると、かように思います。
  178. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 まあ開発銀行は、主として五千万円以上の大きな会社に貸せるので、収益性も高いと見なければならぬ。それだのに、そういう長期で——どんなに短いのを含めても、昨日調査いたしましたところが、七年ないし八年、例外としては十年から三十年というように、業務方法書ですかを調べてみるとなっているわけです。そういう点で、私は倉庫などは、これは実際やってみて、なかなかめんどうじゃないかと思うのです。そういう点は将来お考え願いたいし、さらに、集団化のほうは七年に延長されていますが、共同施設資金のほうは五年にそのまま据え置かれているのですが、集団化よりもこのほうは返済能力が商いというふうに、収益性が高いと見られたためですか、どういう意味ですか。
  179. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 集団化、いわゆる団地化につきましては、商業団地も工業団地も、それから商店街近代化資金、この三つのものについて、償還期限の延長をお願いしていたのであります。それは御承知のように、団地化につきましても、商店街の近代化計画につきましても、大体助成期間というものが三年間になっております。したがって、土地を取得して、土地造成をして建物をつくり、所要の機械を入れるのには、やはり大体三年間かかるわけでございます。従来は、これを一年の据え置きで四年で返せ、そうすると、団地ができて工場がまだ動かない先から償還が始まる、こういうふうな不合理の結果になっておりましたので、今度は三年間は据え置き——助成をして三年間の据え置き期間を置き、そうして四年で償還ということで七年いうことが出たわけでございますが、これで団地をつくっておられる方々は、非常に実地に合うというか、実際に適合した制度になったというふうに喜んでいただいております。御承知のように、共同施設につきましては、これは従来から一年据え置きの四年の償還ということで五年でございますが、これは御承知のように、土地なんかは含んでおりません。したがって、大体所要の施設、機械等でございますので、一年据え置きで返済が始まってもおかしくない、非常に不合理とは言えないということで、これはそのままにしたわけでございます。
  180. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 大体、こういう据え置き期間を含めた貸し出し期間というものは、返済期間というものの計算の理論的根拠はどこに断るのですか。私、国民金融公庫、中小企業、商工中金、開銀、農中、農林漁業、六つ集めて全部比較検討してみたのです。全くまちまちです。その点で私は非常に問題があると思っている。なるほど、私も、土地改良とか、あるいは植林とか海湾というようなものが二十年、三十年というのはよくわかります。しかし、私が直接関係した農林漁業金融公庫の金で、共同施設で中小企業等協同組合にも貸せられる。ほとんど中小企業と同じものに対して貸しているのです。しかも、それは貸し出し期間が二十年——二年据え置き十八年です、ほとんど。ですから、これはさきに申しましたような表現で言うと、全くただで措りたようなものだ、こういうことを言っているのです。それは実際どこの産業に属するか。たとえば、はっきり申し上げますと、具体的な例は、シイタケの菌を培養する工場なんです。これは林業施設ということになるわけなんです。日本では桐生の林産業あるいは明治がペニシリンをつくる副業として菌を培養している。あるいは、私の県にただいま三つあるのです。とにかく、これはほとんど中小企業等協同組合に入っている。それも林業の共同施設ということで二十年という破格の優待を受けているわけなんです。それも悪いとは言いませんが、それに比べると、中小企業は私はもっと条件を緩和すべきではないかというふうに思って、この白書と四十年度に行なおうとする政府の中小企業施策の中の重点は、ある意味では資金対策に重点が置いてある。そういう面では、これまでの中小企業金融だけでなしに、やはり農林漁業、開銀、そういうものも含めた総合的な、もう一ぺん実態に合う再検討をされる必要があるのじゃないかというふうに思うのですが、櫻内大臣、いかがでしょう。
  181. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 先ほどから種々具体的に例をあげられての御質問でございまして、私も総合的に検討し、すみやかに改善を要すべき点は改善をいたしたいと、かように思います。
  182. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 塩谷さんにお伺いしますが、私ふしぎに思うのは、中小企業と農林漁業金融公庫との代理貸しに対して、それが回収できないのだという場合の引き受け銀行の保証ですね、これは両者どうなっていますか。
  183. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 受託金融機関の保証率は、農林漁業金融公庫中小企業金融公庫の場合は率が違っておりまして、農林公庫の場合は二〇%、中小公庫の場合は八〇%、かようになっております。
  184. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、この問題がどういうわけでこういうふうに——この問題は歩積み、両建てとも関連してくるのです。中小企業金融公庫の金を地銀なり相互銀行なりが借りて代理貸しの業務をやる場合には、もし払わねば八割を引き受け銀行は保証せにゃならぬ。ところが、同じような返済の可能性を持つものがたった二〇%だ。これはいかにも私、農業は、そういうふうに危機に、転換期に直面する農業ですから、そういうことは悪くないのですが、どう考えてもこれは、こういう点も考えぬと、歩積み、両建てを責めるわけにもいかぬ点もあるのです。とにかく、受託銀行は八割保証せにゃならぬ。ところが、農林漁業金融公庫の金を借りて倉庫をやるというような場合には、これはたった二割でいい。これは将来検討を要する問題じゃないかと思うのですが、大蔵省としてはどう思われますか。
  185. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) ただいま御指摘の点につきましては、実情から申しまして非常に適切な御意見でございますが、ただ多少その両公庫におきます事情の相違からこういようになっておる点があると思うのでございますが、それは貸し出しの審査及び決定に関する権限と申しますか、責任が代理機関にあるか、あるいはこれを委託しておる金融機関にあるか、その相違が一つあるのじゃなかろうかと思います。つまり中小企業金融公庫におきましては、審査及び決定の責任が代理機関である受託銀行にある、農林漁業金融公庫の場合は、公庫自身が最終的な審査、決定を行なう、したがいまして、代理機関貸し付けを実行いたします場合の審査のしかたの相違から、その保証の率の変化が起こっておるのじゃなかろうか、かように思うわけでございます。ただ一般の——これは政府機関でございますが、一般民間金融機関、たとえば興銀あるいは長銀といったような機関も代理貸し制度を利用しておりますが、この場合は受託金融機関審査及び決定についての責任を持つ場合とそうでない場合がございます。しかし、保証の責任につきましては、いずれも  一〇〇%の保証をやる、こういうことになっております。
  186. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そういう中小企業金融公庫が四十六ですか、都道府県に支店を持って十分審査できないので、それぞれの県の金融機関にまかせるという点でかなり厳密な審査をするでしょう。しかし私の知る限りでは、たとえば農林漁業金融公庫の金を受託銀行がやる場合には、それはなるほど最終的には、たとえば中国でいいますと岡山の——金額にもよりますが、やります。しかし、県庁に尋ねたり、なかなか、この作業はだいじょうぶか——その調整はかなりやるのですよ。そういう点で私は、八〇%と二〇%では、これは私は、中小企業金融公庫の金の受託業務をやる金融機関がやはり両建てを一極の保証としてやらせる大きな原因の一つだと見ているわけであります。これは将来、だんだん各地に支店網が完備すればそういうこともなくなるでしょうが、直接貸しがだんだん多くなっていっていますから。しかし、これはなかなか早急には予算その他の関係で、あるいは銀行員の養成その他でできぬと思うのですが、しかしこの差は、私はあまりにもひど過ぎはしないか、こういうふうに思うわけであります。ひとつ将来、中小企業庁のほうにおかれても、この点は、両建て等を防ぎ、実質的な金利を少なくするためにも、私はこの点を検討していただきたい。この商工委員会に池田総理が御健康のときに出てもらって、そしてこの問題を取り上げたら、手数料を払っているのだから絶対両建てはあり得ないということを申されました。経済に詳しい池田大臣でもいかに実情に薄いかということを私は知りましたが、とにかく、この八〇と二〇は、どのような事情があろうとも、中小企業金融の実質金利を高める大きな原因の一つになっているということを申し上げて、ひとつ御検討をお願いしたい。この問題は、そういうふうにしまして、ひとつ総合的にあらゆる、開銀等を含めて、私は、もう一ぺんこの貸し出し条件というものを検討をし、少なくとも、農業と同じようにとは言いませんが、もう少し中小企業向けの金融については、貸し出し機関その他、劣勢産業ですから、考えてやるべきではないか、そのことを希望しておきます。  そして櫻内大臣に特にお尋ねしたいことは、通産省関係政府関係機関余裕金の預託についてであります。御案内のように、通産六法をたんねんに見ましても、なお、たくさんの通産省関係政府関係機関があるにもかかわらず、その余裕金の預託先が商工中金がはずれているところがあるわけであります。この点について、前福田大臣に対して質問した際にも、そういうことは速急に改める、こういうことでしたが、今回、石炭関係法案ではそういうことが一つ改められたのですが、なお残っている問題があるのですが、これについての御所見をお伺いしたい。
  187. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 正直に申し上げまして、余裕金の預託の問題は、私、承知しておりませんでした。ただいまジェトロ及びアジア研究所の預託が行なわれていない、こういうことでございますが、これにつきましては、これらの基礎法と申しますか、ジェトロ関係法案あるいはアジア研究所関係法案の整備のときにこれは考えることにしておって、法改正等のことがないので、これだけをやることにしなかったというような、いまここで話を開いたようなわけでございまして、以前に稲田前大臣の時代に、そういう答弁を行なわれておるということについては、後任者の私としても十分責任を感じまして、改正のすみやかな機会を得たいと思います。
  188. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 幸い塩谷さんは銀行局関係ですが、政府関係機関余裕金は、一体どういうところに預託したら、その安全性といい、融資性といい、採算といい、どういう指導方針をされていますか。
  189. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 余裕金運用につきましては、国債、地方債その他の確実な有価証券、あるいは銀行等に対する預金といったようなことが一般的な通例でございます。原則につきましては、ただいま御指摘のような、安全性があり、かつ流動性があるということできめておりますが、必ずしも画一的にはきまってはおりません。これがそういう一般的な原則にかなうものであれば、どれがよくてどれが悪いというようなことは、必ずしもないのじゃなかろうか、かように考えております。
  190. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私の指摘したい点は、櫻内大臣、農林省は幾らありますか——十一でありますが、農林省関係政府関係金融機関、通産大臣が指定するものということでなしに、きちんと農林中金をその指定の中にもう入れるほど、その資金が農林関係に流れるような措置をとっているわけであります。ところが、通産省におきましては、やっと私が多年叫んで、これはまあ中野さんが企画庁の調整局長のときに、藤山大臣のときですが、国民生活研究所ができて、政府が一億、民間が一億出して、この余裕金はどこに預託されるか。幸いまあ所管大臣が指定するところに預けてもいいということで、商工中金債券を数千万買わせて中小企業向けのワクの増大に寄与してもらったわけですが、長官がこちらに就任されてもう忘れられておったのか。私は、そういうことは法制局に頼んで、このジェトロ、アジ研のこれは改正やったらどうだ、これは衆参両院与野党一致でもう至急に通るのじゃないかと言ったのですが、どうも手持ちの法案が多くてというようなことですが、まだ時期はおそくないと思うんですが、やられる意思はありませんか。
  191. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど申し上げましたように、おしかりを受けるかもわかりませんが、何か他に改正の必要のあるときに同時に行なうということで本日に及んでいるそうでございまして、まあこの国会におきまして、あるいはやろうと思えばやれないことではないかとも思いますけれども、何ぶんにも時日も切迫いたしておることでありまして、ここで確答を申し上げかねると思います。
  192. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 虎ノ門の辺では、たくさんの銀行が支店を持っているのです。政府関係機関の金をどうして預託してもらうかというので、いまは銀行局の取り締まりもきついのでそうでもないでしょうが、虎ノ門相場というほど高い金利をはずんだりして資金を一生懸命に獲得しているわけであります。だのに中小企業の金融難がこれほど大なときに、アジ研にしてもジェトロにしても、ほうって置かれるというのは、私としてはふに落ちないと思う。中野長官にお尋ねしますが、向井委員質問されましたが、中小企業が輸出に占める割合は一体どれくらいな貿易額を占めているのですか。
  193. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 五一%でございます。
  194. 向井長年

    ○向井長年君 答弁変わっちゃいかぬ。この間六〇%と言ったでしょう。
  195. 中野正一

    政府委員(中野正一君) 正確にはこの白書の数字で申し上げますが、昭和三十八年には五一%程度ということで、白書に報告してございます。
  196. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 五一%にしろ六〇%にしろ、ジェトロの背景というもの、中小企業のになう役割りというものは非常に大きいのです。ところが、三十九年の九月末現在で調べてみると、ジェトロは普通預金が三億一千八百万、金銭信託が五億四千八百万、計八億六千六百万の金をジェトロは十八の銀行に預けておるわけなんです。そうして信託銀行もあります。アジ研も十四の銀行に余裕金を預託し、そうして信託もあります。また、アジ研の研究する分野でも、やはりアジア貿易を振興するというのが大きな使命だと思う。そういう意味においても、これは当然商工中金は当座預金を預かることも、法の二十八条の第一項第六号の規定によってできますし、預金の受け入れもできるし、あるいは二十八条第一項の第三号で当座預金の貸し越しをすることもできるわけなんです。これは桜内大臣、とにかくジェトロは八億の余裕金を持っているのですよ。その金が、とにかく十八の市中銀行が争奪戦をして問題を起こさないとも言えない。私はそういう意味において、五〇%以上も中小企業が日本貿易において占める意味からいったら、当然法の改正をして、通産大臣が指定するものは、これがやれるということに指定するように早急にすべきだと思うのですが、御所信をこの点でお伺いして、この質問はやめたいと思います。いかがですか。
  197. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) 先ほど、今国会にどうかと、こういうことで確答をしかねたのでございますが、ただいまの御発言の御趣旨は十分理解いたしました。すみやかな機会に改正法を出したいと思います。
  198. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 塩谷さんにお伺いしますが、そういう改正案は大蔵省は反対じゃないでしょうね。大蔵省銀行局は、どうも都銀や地銀をかわいがられる傾向があるのじゃないかと私は思うのですが、そういうことはありませんか。
  199. 塩谷忠男

    説明員(塩谷忠男君) 私のほうの監督と申しますか、所掌いたしております金融機関につきましては、その経営の安全性とか、あるいは健全性につきましては、十分確信を持っておりますので、それらの金融機関に対する預金が不安であるというようなことは全然考えておりませんので、したがいまして、それぞれの機関におきます法律改正の際に、私のほうが反対してそれがだめになるということはまずあるまいと存じております。
  200. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 その点をひとつ私は、銀行局へ遠慮してあまり手を触れられなんだのじゃないかと思っておったのですが、それが誤解であったのでけっこうですが、早急にひとつ、たいへんな金なんです。かなりの金額ですから、符にジェトロの持っている金は大きいですから、早急に改めていただきたい。
  201. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  202. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 速記をつけて。  他に御発言もなければ、三案に対する質疑は終局したものと認めて御異議こざいませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  203. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。討論は三案を一括して行ないます。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  204. 椿繁夫

    ○椿繁夫君 三案のうち、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案につきましては、附帯決議を付して賛成の意を表したいと思います。  先ほども質疑の際に申し上げたのでありますが投資育成会社は、六億の資本金を三つの育成会社に出資しております。これは、三社とも政府出資は、資本金の一割しか出資しておりませんけれども、行政指事あるいは監督の方法などは、いずれも政府関係機関に対すると同様に行なわれております。私は、この投資育成会社の創立当時の、特にその立法の趣旨を果たしますために、会社の運営を自主的にさせていくこと、あまりこまごまと制約などを加えないでいく必要がある。ことに、政府関係金融機関から最近五億の融資がなされると聞きますが、その金利さえもまだ確定をしていない。それから資本金につきましては、十五年以内に返済することを義務づけており、開発銀行とか輸出入銀行等出資しておりますのとはだいぶ出資の性質も違っております。その上に、一般企業会社と同様に、税金等は普通に課することを定めており、企業会社でさえ貸し倒れ準備金とか、電力会社のごときは、渇水の際の準備金などまで租税特別措置法によって優遇されておるにかかわらず、投資育成会社の場合は、その損失に対する準備積み立てなども許していないというような欠点はございますけれども、当局が善処をする旨御発言がございましたので、特段の努力を今後に期待いたします。  以下読み上げますような附帯決議をつけて賛成いたしたいと思います。    中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議   政府は本法の実施に当り、中小企業投資育成株式会社事業活動を活発化するため、今後その増資、低利資金導入及び税制優遇に関し、格別の措置を講ずるよう努めると共に、投資業務の実施については会社の自主性を尊重すべきである。  以上、附帯決議を付して本案に賛成であります。
  205. 向井長年

    ○向井長年君 私は、三案に賛意を表すとともに、ただいま椿委員から提出されました附帯決議に対しましても賛成をいたします。  ここでつけ加えて政府に要望しておきたいことは、政府は中小企業政策あるいは特に小規模事業政策について一応前向きの姿勢をとっておられることは、これは私たちも認めますけれども、実際は予算の裏づけ等は全く微々たる現況にあると思います。したがって、今後これに対する拡充と予算の繰り上げ支出もあわせて検討し、実施されるよう強く要望いたしまして、三案に賛成いたします。
  206. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 他に御意見もないようでございますから、三案に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  207. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  まず、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  208. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  209. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  210. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました椿君提出の附帯決議案を議題といたします。椿君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  211. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 全会一致と認めます。よって、椿君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、機内通商産業大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。
  212. 櫻内義雄

    国務大臣(櫻内義雄君) ただいま満場一致で決議せられました中小企業投資育成株式会社法の一部改正案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、すみやかに施策を講ずることをお約束いたします。
  213. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき三案の報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  214. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
  215. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は実は、この保険法について社会党の担当でもう一、二時間やらしてもらおうと思ったのですが、それを恩に売るわけではありませんが、ただいま申しましたジェトロ、アジ研の問題は、みな富士とか三井、住友、第一、勧銀、三菱というような有力銀行ばかしに、両方とも預けているわけなんです。五〇%も中小企業の生産が輸出に占めている割合から考えても、これはぜひとも櫻内大臣が在任中、幸い豊田委員長商工中金がお里でもあり、もしできましたら、私は与野党ともほとんど問題ないと思う、政府提案で単独立法として本国会において。何の障害もありません。これは私、衆議院も当たってみました。決して抵抗はありません。ひとつぜひともそういうことを希望しておきます。
  216. 豊田雅孝

    委員長豊田雅孝君) 委員長からも、ただいまの中田君の発言、きわめて同感でありますので、その点、政府案として整備提案せられるように要望をいたしておきます。  本日はこれをもって散会いたします。    午後四時四十四分散会      —————・—————