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1965-05-07 第48回国会 参議院 国際労働条約第87号等特別委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月七日(金曜日)    午後一時十八分開会     —————————————    委員異動  五月六日     辞任         補欠選任      紅露 みつ君     山崎  斉君      森 八三一君     草葉 隆圓君      佐野  廣君     鈴木 恭一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         安井  謙君     理 事                 亀井  光君                 草葉 隆圓君                 竹中 恒夫君                 小林  武君                 横川 正市君     委 員                 江藤  智君                 久保 勘一君                 後藤 義隆君                 鈴木 恭一君                 野本 品吉君                 長谷川 仁君                 日高 広為君                 二木 謙吾君                 丸茂 重貞君                 山崎  斉君                 岡田 宗司君                 北村  暢君                 鈴木  強君                 中村 順造君                 吉田忠三郎君                 渋谷 邦彦君                 田畑 金光君                 佐藤 尚武君    衆議院議員        修正案提出者   藤枝 泉介君        修正案提出者   多賀谷真稔君    国務大臣        外 務 大 臣  椎名悦三郎君        労 働 大 臣  石田 博英君        自 治 大 臣  吉武 恵市君        国 務 大 臣  増原 恵吉君    政府委員        内閣法制局第一        部長       関  道雄君        人事院総裁    佐藤 達夫君        人事院事務総局        管理局長     小林  巌君        人事院事務総局        職員局長     大塚 基弘君        内閣総理大臣官        房公務員制度調        査室長      岡田 勝二君        外務省条約局長  藤崎 萬里君        文部省初等中等        教育局長     福田  繁君        労働省労政局長  三治 重信君        自治省行政局長  佐久間 彊君    事務局側        常任委員会専門        員        伊藤  清君        常任委員会専門        員        鈴木  武君        常任委員会専門        員        結城司郎次君        常任委員会専門        員        中原 武夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○結社の自由及び団結権保護に関する条約(第  八十七号)の締結について承認を求めるの件  (内閣提出衆議院送付) ○公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○国家公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付) ○地方公務員法の一部を改正する法律案内閣提  出、衆議院送付)     —————————————
  2. 安井謙

    委員長安井謙君) ただいまより、国際労働条約第八十七号等特別委員会を開催いたします。  まず、委員異動について御報告いたします。  昨五月六日、紅露みつ君、森八三一君及び佐野廣君が委員を辞任され、その補欠として、山崎斉君、草葉隆圓君及び鈴木恭一君が委員に選任されました。  以上でございます。     —————————————
  3. 安井謙

    委員長安井謙君) 次に、理事補欠選挙の件につき、おはかりをいたします。委員異動によりまして、現在理事が一名欠員になっておりますので、その補欠互選を行ないたいと存じます。  互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 安井謙

    委員長安井謙君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事草葉隆圓君を指名いたします。     —————————————
  5. 安井謙

    委員長安井謙君) それでは、これより結社の自由及び団結権保護に関する条約(第八十七号)の締結について承認を求めるの件、公共企業体等労働関係法の一部を改正する法律案地方公営企業労働関係法の一部を改正する法律案国家公務員法の一部を改正する法律案及び地方公務員法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。  質疑の通告がございますので、順次発言を許します。横川正市君。
  6. 横川正市

    横川正市君 前回総理出席を得まして、総括質問を行なったわけでありますけれども、その総括質問の中にも、部分的には触れておりましたが、衆議院から送付されまして、これを受けた参議院側審議の姿勢として、第一点としてお伺いいたしておきたいと思いますのは、まあそれぞれの関係大臣から提案をされ、衆議院段階における修正について、その代表者衆議院議員から修正部分についての提案がされまして、その両者取り扱いについて、私どもとして、いろいろ疑点を挾んでおる点があるわけでありますが、これは前回質問で一応了承するといたしまして、政府立場としては、提案された内容凍結ないしはたな上げされた、そういう事態をどのように理解をされているのか。第一点としては、政府考え方政府案の中に明確に盛られたんだと思うのでありますが、それが部分的な修正を受けて参議院側送付されてきたというときには、全会一致修正案ということになっているわけであります。そういたしますと、原案をつくったときの政府の意向と、修正賛成をしたときの政府法案に対する考え方というのは変わってきているんだと私ども判断をするわけであります。変わってきたということは、政府案も何らかの具体的な問題でそれを説明し得る内容というものを持っておるのかどうか。その点をまずお伺いいたしたいと思います。
  7. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 政府といたしましては、八十七号条約と、それからそれに関連して提出いたしました国内法とは、同時に可決されることを今日もむろん希望いたしておるのでありまして、衆議院においては同時に可決をされまして、ただその施行公務員制度審議会の設置と関連をいたしまして、政令で別に定めるということになったのでございますが、まず第一に、条約批准とそれに直接関連をする事項ドライヤー委員会の指摘されました公労法地公労法のその部分、これは政令で九十日以内に指定をいたしますれば、これはそのまま処理されるのでありますから、とりあえずの一番中心的な問題はそれで処理してありますし、法律は可決されましたので、まあ実施期日が延びたということだけでありますので、むろん同時に実施されることが望ましいとは思っておりますけれども、この衆議院修正でも政府の基本的に意図しておるところとは違わない。そこで賛成をいたしたのであります。
  8. 横川正市

    横川正市君 労働大臣のいまの答弁は、私どもがこの法案衆議院から送付を受けて、それを受けて審議をするという、そういう立場に立たされているわけであります。まあいってみますと、その政府案というのは、政府が当初提案をしたものではなくて、事実上は三党の共同修正、それにいま政府賛成をされてでき上がったものが、ここで審議一つの対象に私はなっておると思うんです。そうすると、おのずとその中では、きわめて具体性がないにいたしましても、いってみますと、政府の当初提案をした考え方というものと、それから部分修正ではなくして、これは非常に大幅な修正を受けているわけでありますし、それから考え方の焦点は、審議会に移行するということは、実はこれは政府考え方というものは、その点でほとんど審議会にまかせてしまったということで、原案は事実上第三者機関に移ったというような状態なわけです。そういう状態賛成をされた政府態度といいますか、それを具体的に説明をすれば、一体この原案をそのまま押し通すつもりなのか、それともこういう法案取り扱いについて変化を来たしたわけですから、その変化に基づいて、政府としても何らか具体的に説明するような内容を持っているのか、この点を実は私お聞きをいたしたいわけなんです。いまの労働大臣説明では、政府提案であって、凍結部分修正と同時に、これが議決されることが望ましいと言いますけれども、それは少しこちらにきている法案内容その他からいってみて、私は答弁としては適当ではないのじゃないかというふうに思いますが、もう一度ひとつお答えいただきたい。
  9. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 政府は八十七号条約関連して提出いたしました関係国内法、これは政府原案立場が正しいといまでも思っております。ただ、これがその法律案の、国内法成立性格上、いろいろな各方面の意見を参酌して、その御意見を聴取して、よりいいものにされるならば、あえて反対する筋合いのものでもない、こう考えるのでありまして、審議会において、政府の現在の原案立場というものも十分御検討をいただけるものだ、こう考えている次第であります。
  10. 横川正市

    横川正市君 そうすると、労働大臣のいまの考え方は、よりよいものがつくられるということを期待されて、この問題についての審議、それからあるいは審議会での結論というもの、これを待っているということだと理解していいわけですか。
  11. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 政府といたしましては、いま提出いたしました国内法はいいものだと思っておりますけれども、しかし、審議会において、さらにいろいろな御議論を承わりまして、よりよいものができるならば、一そうけっこうである、こう考えている次第であります。
  12. 横川正市

    横川正市君 非常に大幅な修正を受けたにしては、往生ぎわが少し悪いような気がするのですね。しかも、それは院の決定であるから、政府とすれば別個だとは言っても、あなたも入って事実上審議したと同じ結果で、凍結たな上げということが実施された段階でありますから、私は政府立場としては、もっと釈然として政府案に対してはもうこれを白紙にしたような、そういう考え方審議に応じてくることのほうが、きわめて参議院審議に協力する意味だと、そういうふうに思うのですけれども、この点は一応いまの答弁で、私どもはよりよいものがつくられるであろうということに、確信を持ちながら、次の質問に入りたいと思いますけれども、そういたしますと、いまの法案の中で、凍結ないしはたな上げと指定されております条項については、これは参議院が現在この提案されている政府案ないし修正案を議決した段階において、どういう法的な効力を持つか。これは次に何らかの形でこれに適合する具体的な結論が出るまでは停止をされておりますから、その点は何らの効力もないものと思うのでありますけれども効力がなくなりますと同時に、労使関係についていろいろな問題が起こってくるのではないかと思いますが、そういう具体的に効力がなくなった条項関係して、労使関係で問題が起こった場合にどういう取り扱いをするわけですか、その点お伺いいたしたいと思います。
  13. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 法律実施期日が定められていないのでありますから、実施期日が定められるまでは現行法どおりで運用されるものと思っております。
  14. 横川正市

    横川正市君 そこで問題になりますのは、ILO条約の八十七号は、これは今国会成立をしたと、こういうことになりますね。
  15. 石田博英

    国務大臣石田博英君) そのとおりであります。
  16. 横川正市

    横川正市君 そうすると、この条約法律との関係抵触事項について矛盾が起こってこないかと思うのですが、矛盾は起きませんか。
  17. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 直接直ちに起こってくることはないと思いますが、しかし、審議会ができ得る限りすみやかに、衆議院修正のとき私が聞いておる範囲では、条約発効までの間に結論をお出しいただけるということを期待いたしまして、その後に処理されるべきものと思っております。
  18. 横川正市

    横川正市君 これは条約発効までの期間九十日というのがあるから——一年ですか、これがあるから、事実上何か問題が起きないように考えられがちでありますけれども、私のほうで、たとえば、条約国内法との関係というのを参議院法制局見解としてただしてみたわけですが、それによると、国際法上の形式で、文書による国家間の合意である場合の取り扱いとして、日本の場合には条約に当然法的効力を認めるものとして、その間もし部分的に国内法修正しなければならぬ点があって、なお修正する時期が事実上おくれた場合に、条約に抵触するこの国内法取り扱いについて、これはどうするのかという点については、その部分については停止するというのではないかというふうに判断をされておるわけですが、この点は労働大臣はどういうふうに解釈されますか。
  19. 関道雄

    政府委員関道雄君) ただいまのお尋ねの点でございますが、一般に条約効力を発生いたしまして、その場合には、公布をいたされました条約については国内法としての効力を持つというふうに考えられてきております。その場合に、通常は条約内容とそれから国内法内容とが矛盾抵触を来たしませんように、あらかじめ国内法改正国会にお願いをいたしまして、矛盾抵触のない形で条約国内法もともに存するという形にいたすのが理想でございまして、そういうふうに取り計らってきておるのでございますが、かりに条約効力を発生いたしまして、これに矛盾抵触をいたします国内法がそのままに放置されるというときには、いかなることになるかと申しますと、矛盾抵触する限りにおいて国内法効力が失うというふうに考えております。
  20. 横川正市

    横川正市君 いまの解釈でいきますと、二段に分けられるわけですね。効力発効する時期を起点として前後というわけです。その前が問題になろうと思いますが、前の取り扱いについても、これは当然抵触条項については停止するというのが当然常識じゃないかと思うのですけれども、これは法制局見解をただしてもいいですが、労働大臣意見はどうでしょう。
  21. 関道雄

    政府委員関道雄君) 条約を公布いたしましても、その条約効力が発生をしない、そういう状態において、国内法内容だけを比べますと、その間に矛盾抵触の事実があるという場合の考え方でございますが、その場合には、条約効力がまだ発生しておりませんので、それは国法としての効力は全くないわけであります。したがって、現に存する国内法効力をそのままに認めるのが筋であるというふうに考えます。
  22. 横川正市

    横川正市君 あとは政治問題ですよ。これは法律関係ではいま言ったのが正しいということになるでしょうが。
  23. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 法律解釈は、法制局の第一部長のとおりだと思います。しかしながら、政治問題として考えますと、一年後にその条約発効いたすのでありますから、おのずからその運営上それを前において取り扱われるものだろうと思います。
  24. 横川正市

    横川正市君 そういう取り扱いをされるであろうということを私のほうでは考えておりましたが、労働大臣国内法でという答弁がありましたので、前段の労働大臣答弁はいまの答弁修正されたものと理解してよろしゅうございますか。
  25. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 私は直接矛盾する問題についてのことは、施行期日を九十日以内に実施するわけでありますから、それは具体的に処理されるだろう、こう思うのでありまして、そのほかの部分については施行期日が定められないときには現行法で行なわれるだろう、こう言ったのであります。
  26. 横川正市

    横川正市君 ちょっとやはりその点ひっかかるわけなんですね。抵触する部分については、たとえば国内法条約に沿うての改正の時期が、これはこの国会は無理でありますから、次の議会ということになりますが、同時にまた審議会結論はおのずとこれまた次の議会を中心として行なわれるかどうかわかりませんので、そうなりますと、効力発効した、そういう時点でのものの考え方は、いま言われた点で明確なんでありますが、その以前の取り扱いとしては、条約に抵触するものについて、私はこれは政治問題として当然政府解決をしておくものだ、こういうふうに考えて質問したのであります。それに対して抵触する部分については、これは停止をするというふうにいま答弁を私はいただいたというふうに思っておるわけでありますけれども、これはその修正部分にも関係ありますし、それから政府案全体にも関係あるわけですね。これは条約をこの国会批准したという時点から起こってくる問題ですから、その点で考えていただければいいと思うんですが、私はやはりこの条約に抵触する国内法のその部分については、参議院がこれを批准した時期において政府としては当然これを停止した、ないしはいわば考慮をするといいますか、そういう意味での取り扱いに入ることが当然じゃないかというふうに考えておるわけですよ。その点がいま何か国内法が生きていれば国内法でやるということを言っておりますが、それは院の意思は現段階批准をするという意思決定するわけです。ただ、法律上は一年後ということになっているけれども、当然それまでの間には、いろいろな関係で抵触される部分については整理をされていくわけですから、それは私は当然生かしていくのが結果論としては当然なことじゃないかというように思うわけですがね。
  27. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 具体的に法律条項についておっしゃっていただけると明確になるだろうと思うのでありますが、八十七号条約とそれに直接関連する公労法地公労法部分ドライヤー提案のまず注意を向けられるべきだという部分、その私の所管している部分につきましては、九十日以内に政令をもって施行期日がきめられるのでありますから、これは法律上も処理されるのであります。ただ、他の部門で私の所管する部門、たとえば在籍専従その他の問題については、これは法律施行が延ばされるのでありますから、現在の考え方でいくものだ、こう私の所管に関しては考えている。他の国家公務員法地方公務員法は、それぞれ所管大臣からお聞きいただきたい。
  28. 横川正市

    横川正市君 具体問題は、あとの各条項で、その政府考え方を明確にしておいてから入りたいと思っておりますが、いずれ具体的な問題に入ったときにさらにひとつ論議を進めたいと思います。  第二点の問題ですが、これはさきに昨年の労使間の問題で紛争が起こったときに、当時は太田池田会談というようなことでてこ入れが入って問題の解決をいたしました。本年はそういうような段階に至っても、調停段階における問題の解決というのはなされなかったという具体的な事例があるわけです。その具体的な事例というものを背景にしながら、問題の解決がきわめて遷延をされ、非常に多くの紛争を起こした一つ原因としては、当事者能力の問題があろうと思いますが、これは昨年来の懸案事項として、一体この当事者能力という問題について、政府としては、具体的にしかもきわめてすみやかなる時期に、何らかの形で問題を解決する意思というものを持っておられるかどうか、また、具体案があれば、それをひとつ明確にしていただきたいと思います。
  29. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 昨年の池田太田会談で申し合わせが行なわれました当事者能力の問題につきましては、その後関係次官会議をしばしば開きまして、いろいろ検討を加えてまいりました。むろんこの労使関係を取り扱う基本的態度といたしましては、これは労使が自主的に話し合うことによって処理されることが望ましい、それが原則であることは言うまでもないのであります。しかし、その原則とそれから公共企業体その他の特殊な条件、国会予算審議権政府予算編成権というものとの関連の調整ということについては、これはいろいろなむずかしい問題がございまして、また、法律改正を必要とするようなこともありまして、そうしてその恒久的な処理につきましては、今回の条約関連をいたします公務員制度審議会において御検討を願うということに決定をし、それまでの間は現行法規の合理的な運営によって処理してまいるということにいたしたのであります。この方針に基づきまして、今回はまだ民間が何らの回答を行なっていない二月、団体交渉段階におきまして、有額回答を出し得るようにし、さらに調停段階におきましても、民間の賃金の動向等を勘案いたしまして、第二次の回答理事者側からいたすようになった次第であります。むろんその金額が折り合わなくて調停段階で話しがつかなかったということは、たいへん残念なことでもありますし、それに長い時間を要したということにも問題がございますけれども、しかしながら、とにかく現行法規の合理的な運営過程において、運営によって何とか処理しようとする政府の誠意、これを具体化したつもりであります。今後も明確な方針決定までの間は、この合理的な運営を行ないまして、でき得る限り労使話し合い処理されるように努力をしてまいりたいと考えておる次第でございますが、先ほど申しましたように、労使関係原則、そうしてその企業体の特殊な性格というものとの間の処理はなかなかいろいろむずかしい問題がありまして、すべてはっきりした割り切った方針にはまいらないことは、これは御承知いただけることかと存じます。
  30. 横川正市

    横川正市君 いまの問題は、たとえば、昨年の例をとってみますと、いわば当事者同士話し合いではない、一歩高い次元における話し合いの結果、相互信頼の上に立って紛争解決に役立った、そういう効果的な、しかも具体的なあらわれ方というものをしておるわけであります。そのときの両者間の話し合いの成果というものは、何かといえば、これは言ってみますと、政府側態度それからそれを受けて立つ組合側態度、そういったものに肝胆相照らして問題解決に対しての一つ信頼感というものを持ったところが、私はああいう結果が出てきた一番大きな原因ではないかと思うのであります。しかも、具体的な内容について示されないまま、そういう両者間の意思の疎通というものがあった、そういうことを政府としては具体的に実施をするというたてまえに立たなければ、私は政府の言っておるいわゆる公的なものや、あるいは日常のいろいろな組合に対する訓話的なものとか、訓示的なものというものは、実はその内容が半減する、効力を失うというような結果というものが出てくるのじゃないのか。そうなりますと、せっかくの話し合いというものが、またもとに戻る結果にもなるわけで、そういう点からいきますと、いまあなたの答弁を受けて、私は非常に疑問に思うのは、それから一年たってまた新しい紛争が起こっておる次元に立っても、当時のものが具体的に処理されておらないということは、これは非常に遺憾なことなんですが、どうしてこれが解決されないのか、その原因はどうなのか、当然政府内部の問題であります。ですからこの際、明らかにしていただいて、いわば可及的すみやかにそういったものが実現することを私ども強く期待するわけですけれども、そういう解決についてのめどはどうなっておるか。これをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  31. 安井謙

    委員長安井謙君) ちょっと横川君、社労のほうで労働大臣だいぶ要求されておりますので、なるべく簡単にして、一応出ていただこうと思いますので……。
  32. 横川正市

    横川正市君 議案審議の経過中に、向こうは労働大臣が必要な法律をあげるというだけで、こっちを軽視しては困るのだ。
  33. 安井謙

    委員長安井謙君) 軽視じゃない。理事会でもそういう話し合いもあったのですよ。
  34. 横川正市

    横川正市君 そこのところを胆に銘じてやってもらうことにします。
  35. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 昨年池田太田会談というものの精神をできるだけ具体化しようという努力を政府はやりました。その具体化しようという努力をやりましたあらわれが、二月における有額回答それから調停段階における第二次の回答、こうなってあらわれたのであります。しかし、それをすぱっと割り切っていくという完全に自主交渉能力を持たせるというようなことになりますと、政府予算編成権とか、国会予算審議権その他企業の特殊的な性格の上からきた問題との調整が必要と相なっておりますので、そういうことについては、今度ILOの関係法案として出しております公務員制度審議会でひとつ根本的に御検討いただきたい、こう考えているのであります。それまでの間、具体的な処理としては、金額の問題そのほかについて、話し合いが結果的にはつかなかったのでありますが、政府としては、できるだけの処置をしたつもりでございます。
  36. 安井謙

    委員長安井謙君) 人事院総裁もおられますし、増原国務大臣出席しておられますので、自治大臣も間もなく来ると思いますが、その間、もし何なら両者質問していただければそれでもけっこうだと思います。
  37. 横川正市

    横川正市君 この国公法と地公法関係関連して、政府案中心にして少しお聞きをいたしたいと思っております。ただその前に、実は労働大臣、それから自治大臣、増原長官にお聞きするのですが、労働大臣が代表してお答えになるのじゃないかと思っておりましたが、この国際労働機関の条約取り扱いについて、政府としてはどういう心がまえでおられるのか。たとえば、批准された条約もありますが、まだ米批准条約が非常にたくさん残っているわけです。ILOは、非常に後進国には高い一つの水準を示し、先進国に対しては、まあいわば、平均水準といいますか、そういうものを示して、労働関係労使関係についての安定というものをはかっている機関だと私は思うのでありますけれども、そういうたてまえから、ILOでそれぞれ決定をしております条約というものについて、日本政府としては全体としてどういう方針でこれから取り組もうとされておるのか、この点をお聞きしたいと思っておるわけですが、これはどうですかな。
  38. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) その点たいへん残念ですが、労働大臣が参りましてからお答えをさしてもらいたいと思います。
  39. 安井謙

    委員長安井謙君) 政府委員から、もし……
  40. 横川正市

    横川正市君 政府委員じゃちょっと答弁できないですかね。
  41. 安井謙

    委員長安井謙君) 実態だけ説明聞かれたらどうですか。
  42. 三治重信

    政府委員(三治重信君) できましたILOの条約につきましては、日本政府としては国内法を整備の上で逐次批准をするというたてまえで進んでおりまして、今後ともできる限りILO条約批准していくように努力をしていくつもりでございます。
  43. 横川正市

    横川正市君 実はいまの答弁でもっと詳しくお聞きしたいのは、国内法の整備ということは、例を示しますと、一つの水準に達するまでに、時間的に経過的にいろいろな過程を経るわけですが、その過程において、いわば高い理想に対してできるだけ一生懸命近寄ろうと努力をされておるのか、それとも順応的に、いわば与党の感情的やわらぎだとか、あるいは保守性の脱皮だとか、そういった一つのものを遠くのほうでながめながら、期待しながら、国内の整備をして、そして条約批准の情勢というものを待つというような態度なのか、その点が事務当局の考え方としてはどっちの方法をとろうとしておりますか。もし私どもが期待をするとするならば、たとえば石田労働大臣がさきに労働大臣に就任をされたときに、条約についてはすみやかに批准をしたい、こういう意思表示があって、ところがその後そういうことを言ったことできわめて逆境な立場に立たされて、その条約は依然として批准をされておらない、こういう具体的な例もあるわけですね。ですからそういう点から勘案して見て、いわゆる条約のこれからの批准に対して、事務当局としてはどういう考えでおるのか、もう少し具体的にひとつ話してみてくださいませんか。
  44. 三治重信

    政府委員(三治重信君) ILO条約関係につきましては、労働省の関係部分とそれから厚生省、運輸省各省にまたがっております。労働省の所管と申しますか、労働省が所管しておる労働部面についての関係国際労働条約につきましては、その条約の水準に達しないものは、できる限り早く達成するように国内のいわゆる労働行政の水準を高めていって、そうしてそれを国内法施行できるように積極的な労働行政をやっていく、そうして国内法国会にお願いできる段階になれば、その上で、できる限り早く条約批准をお願いする、こういうたてまえで現在進んでいるわけでございます。
  45. 横川正市

    横川正市君 大体この条約は言ってみますと、それぞれの関係官庁での現状から見て、幾らかでも理想に近い——理想ということよりか、前進した形の条約というのが多いわけですね。そうすると、これは、いわば、いわゆる労働省所管条約なら労働省に向かって要求する側と、それから労働行政をやる政治の側とは、これは常に前者は前進の形をとり、後者はそれに対して時間的に経過的に押える立場にあるわけですね。それをどう説得されようとされておるのか。そのことは、具体的な日常の労働行政を担当されている皆さんでどう努力をされているのか、労働大臣がいないので、あなたばかりいじめるようなかっこうになるけれども、その点を抽象的ですが、お聞きしておきたい。
  46. 三治重信

    政府委員(三治重信君) 労働省所管関係におきまするILO条約の問題は、やはり労使関係する部分が非常に多いわけでございます。そういう場合に、いまおっしゃったように、労働側すなわち労働組合代表者を通じて労働省また労働大臣に、その条約を早く批准するように要望があり、その中身について、こういうふうに国内法改正しろ、具体的に言えば、いま現在、最低賃金の条約批准する、それにあたっては現行の最賃法をこういう部面をこういうふうにしていったらどうかという問題が出されるわけであります。そうしますと、労働大臣といたしましては、そういう問題について、その審議の場である中央最低賃金審議会に、国内法の改善、最低賃金の前進のための諮問をし、その答申を得て、その段階で積極的にやる方向が出てくるわけでございます。いずれにいたしましても、そういうふうに労働側が要望してくるものにつきましては、労働省は大体においてそれぞれ各部門につきまして、それを労使、公益三者の審議会という部面で検討され、その答申によってそれを行政部面に移し、あるいは法を改正していく、こういうふうな姿で前進をしていくわけでございます。
  47. 横川正市

    横川正市君 いまの答弁で、私たちの質問する側から立ちますと、もう少し労働関係の行政を担当されている方の意欲的な答弁というものがあっていいのじゃないか、こういうふうに実は期待しながらいまの問題を質問したわけですが、ただ日本の場合には、工業的に、あるいは経済的に、言ってみれば先進国並みだと、こういうふうにいわれている中で、条約批准の状況ないしはこれに見合うところの労使間でのいろいろな紛争解決の方法等については、何か少しおくれておるのではないか。そういう点から見て、労働行政担当者である労働省では、もう少し前向きで、たとえば条約批准等については、批准をされることについて不利をこうむると思われる側の説得、ないしあるいは考え方をもう少し変えてもらうための努力というものがあっていいのではないかというふうに思っておりますが、これはひとつこれからの行政の面で期待をいたしておきたいと思う。  あまり待っているのはどうかと思いますから、増原大臣に、国家公務員関係を担当される大臣として、条約を、ことに当面いたしておりますのは八十七号条約でありますが、この八十七号条約批准するという立場に立って、条約に対してどういう御理解を持っておられるか。たとえば、この条約の中には非常に原則的な条項が全部でもって七つあるわけですが、この原則に対してどういう御理解を持っておられるのか。まあ端的に言いますと、この条約のうちの、たとえば二条の持っている固有の一つの強制力、こういったものについてどういう理解をされておるか、こういう点でお伺いをいたしたいと思うのであります。
  48. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 二条の精神は、もとよりこれを批准をするというたてまえに立つわけでございまして、この精神に即応をして国家公務員法もこの趣旨に沿うように改正をする。もとよりこの二条の精神を尊重をしていくというたてまえで国家公務員法改正提案をしておるわけでございます。
  49. 横川正市

    横川正市君 各条項、全部同じですね、答弁は。
  50. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 各条項とも同じでございます。
  51. 横川正市

    横川正市君 その場合、こういうことが起こってくると思うのですが、たとえば、この条約条項批准することによって、この各条を、これを尊重し、この線に沿うて公務員関係の行政を担当しようとされている場合に、いわばこの条項によって改正されてそれぞれ有利になる点と、それからもう一つは、きわめていままでの労働慣行といいますか、そういったものがまあ水準から幾らかおくれておって、ある程度時間待ちをしなければ条約の精神にのっとった運営ができないという場合と、それぞれこの条約批准する場合に矛盾点が起こってくるわけでありますけれども、そういうような矛盾点の起こってきた点についての取り扱いについては、どういう心がまえをお持ちになっていらっしゃいますか。
  52. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 今回の八十七号条約批准に際して、抵触をする面、あるいは趣旨として適当でなく改正を必要とする面は、提案しておりまする国家公務員法改正の中でこれを改正をすることにいたしておるわけでございます。この法律改正によって、その点は解決ができるというたてまえで改正提案をいたしておるつもりであります。
  53. 横川正市

    横川正市君 まあ後段の答弁がないわけですが、それはまたあとのときにお聞きしたいと思います。  たとえば、この公労法地公労法の四条三項、五条三項というものは削除されまして、団結権が一応保障される。まあ現行から見れば阻害されなくなるわけですが、そういうような状態に置かれながら、なおかつ法のたてまえとしては百八条の二の三項とか、地方公務員法でいけば五十二条の三項のように、オープンショップ制が併記されているのでありますけれども、これはいま大臣の言われる三条の趣旨をそんたくしてみると、条約に私は違反をしているんじゃないか、こういうふうに思われる点があるわけですが、この点は大臣としてどうお考えでしょうか。
  54. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 国家公務員について申しまするならば、申すまでもないことでございまするが、その地位、身分といいまするか、これは法令によって定められておるわけであります。地位、労働条件等基本的なものは、給与にしましても、法令によって定められている性質のものであることは申すまでもございません。そういう性格国家公務員の職員としてのあり方については、オープンショップをとることが八十七号条約の趣旨に反するということはないと考えられる。ILOのほうにおきましても、そういう解釈をとっておるように承知をいたしておるわけでございます。
  55. 横川正市

    横川正市君 労働組合がきわめて自主的に組合自体の問題を処理していくというたてまえを、きわめて明確に一つの国際水準として申し合わせた条約が八十七号条約だと私は理解をいたしているわけです。もちろん公務員であるという、そういうたてまえというものは、これは国民全体の奉仕者としての義務を負うておるわけでありますので、それをくずそうとは考えておりません。しかし、少なくとも労働組合が、規約とかあるいは綱領とかあるいは団体の日常におけるところのいろいろな取りきめというものは、これは労働組合自体がきめるというところに条約三条というものの精神があるんじゃないか、で、それはおのずと組合の自主的な判断できめられるものであって、法律上オープンショップでなければならぬ、こういうふうに規定をするということは、私は条約に対して、いわば何といいますか、忠実な政府態度ではないというふうに判断をするわけですが、この点は、ひとつ再度答弁をいただきたいと思います。これもあわせてあとで五十二条の三項についても関連して自治大臣意見を聞きたいと思っておりますが、二人おられると一番いいわけですが、一人一人になっちまって、あと答弁が食い違っても困るわけですから、その点もひとつ考慮されてお答えをいただきたいと思います。
  56. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) ILO八十七号の趣旨からいいまして、これがどういうショップ制をとることがいいかということについての言及はないものというふうに解釈をいたしておりまして、先ほども申しましたように国家公務員のたてまえは、法律によってその身分の得喪が行なわれるわけであります。かえってクローズドショップ制をとるというふうなことは、その身分の得喪について都合が悪いとむしろ解釈をすべきものである、自由な加入、非加入という制度のほうがむしろよろしい、こういうふうに解釈をいたしております。
  57. 横川正市

    横川正市君 これはユニオンがいいか、クローズドショップがいいか、それからオープンがいいかというような判断は、私は組合自体が自主的にきめるものであって、組合の自主的判断の中にこのユニオンとかオープンとかあるいはクローズドショップとかいうものが、対交渉の相手側との関係において、当然私は自主的判断の中で結論というものはつくものであって、こういった法的にオープンショップ制というようなことが明記されるということは、これはやはり組合の自主制に対する介入だと私どもはまあ判断をするわけであります。なぜなら、いま大臣の言われるようにユニオンやクローズドショップは、これは事実上、組合運営上、しかも職員団体として相手側との関係上、これが全くまあいわばできないものだ、そういうことは許されないものだというふうな、そういう実情にあるならば、その実情を組合判断をすべきだというふうに私どもは思うわけでありまして、この条項というのは、政府案が考えたことは、たとえば相手側に対してこれが限界ですよという一つの限界を提示したとしても、それは私は条約三条に忠実な解釈ではない。あくまでもこれは組合の自主的判断に待つべき条項だと、こういうふうに判断いたします。もちろん、ここで大臣答弁されることは、やがてこれまた一つの国際機関で、一体政府考え方が正しいか正しくないかという、そういうその問題にも触れてくるわけでして、私どもは、その点もひとつ十分腹の中に入れられて答弁をしていただければ非常に私どもとしては何回も同じことを言わなくても助かるわけですが、まあ私はどういうふうにこれを理解してみましても、三条の精神というものを正当に理解をして、それに忠実な条項だと判断できないわけでありますが、もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。
  58. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 三条の精神で、「その規約及び規則を作成し、」という点をお述べになったものと思うのでございまするが、国家公務員の場合は、繰り返し申し上げるようでございまするが、その基本的な身分、労働条件等は法令によって規定をされ、これはまあことばをかえれば保護されるものをというたてまえのものでありまするので、その身分の取得は法令によって行なわれる。規約の性質上当然に公務員の身分収得に影響するということよりも、やはりオープンショップで自由に加入、非加入の措置がとれるという形にすることで適当であろうという考え方をとっておるわけでございます。
  59. 横川正市

    横川正市君 私はこの点については、この三条の示しております精神と、それから政府のいま説明をされました公務員としての身分上からくる当然の規制といいますか、というものの間には、非常に問題点が残されると思うのです。ですから、これはやがてまたひとつ問題として残して、あとで論議をいたしたいと思います。  それから、これは国公法、地公法同じに登録制を設けているわけであります。国公法は百八条の三項、地公法五十三条。交渉権は百八条の五、地公法の五十五条、それから法人格の取得について差別をつけている項、これは百八条の四、五十四条、これは同じように三条の精神、それから先ほど各項目で全部指摘はいたしませんでしたが、原則の五と六ですね。原則の五は、公の機関は、この権限を制限、妨害してはならない。六、これは軍隊及び警察の条約適用は国内法できめられるという第九条ですが、この五、六の原則から考えてみて、三条に抵触をするというふうに考えるわけでありますけれども政府考え方をお聞かせいただきたい。
  60. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 登録の問題は、そのあとに続きまする法令によりまして登録をされた職員団体は法人格を取得し、あるいは使用者側に対して交渉の地位に立つというふうな点が規定をしてあるわけでございまするが、職員団体として結成をされることについての何ら別の制限は加えておるわけではございませんで、八十七号条約にその点が抵触をするものとは考えないわけでございます。法人格の取得につきましても、今度の改正法に盛られておりまするところで、八十七号条約の趣旨に沿うように改正をいたしておるつもりでございます。
  61. 横川正市

    横川正市君 これは前段の場合も同じですが、関連するからこの際にお聞きをいたしておきますが、これはまあ自治大臣でなければ困るのかな……。このオープンショップ制ということが、これが公務員の身分とかそれから公務員の雇用条件とか公務員の義務規定とか、そういったものと、それから職員団体を自主的に構成するということとつなぎ合わせ、関連をさせてこれに適用した一つの身分法みたいなものをつくるということ自体に、私は条約に抵触をするのじゃないかという判断をするわけですがね。そこまで政府が老婆心か何か、介入してこなくても、職員団体は自主的にこれらの問題が判断できる、こういうふうに政府では考えていいんじゃないですか。何か少し問題のとらえ方として、介入し過ぎているようなきらいがするわけですが、ことにまあ後段で出ておりますが、登録制度の問題は、登録するしないということにかかわりなしに、差別をつけない、これは労働次官の証言があるかと思いますが、そういうことや、それから法人格の取得そのものは、私はこれは自動的なものであっていいのではないか、登録、非登録ということでなくて、職員団体を構成するという自主的な組合意思に従って、法人格というものは当然与えられていいんではないか、何か少しその点政府考え方は、問題に、権威主義というのか、そういう何か介入のしかたをしているように思われるわけでありますけれども、その点は、取り扱いとして政府のお考え方はどういう考え方でしょう。
  62. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 政府として国家公務員法をつくる考え方は、全体の奉仕者としての国家公務員のあり方についての考え方であります。その中に、もとより勤務条件、労働条件等が重要な問題として入るわけであります。全体の奉仕者としての公務員のあり方をきめるということが、同時に一面から見ますればILO条約に示す諸種の労働条件等に関する問題となってくるわけでございます。特に介入をするというふうな意思で公務員法を制定をする、あるいは改正をするという考え方は、政府としては持っておらないわけでございます。
  63. 横川正市

    横川正市君 逆に第八十七号条約批准をされますると、警察官それから自衛隊は、一体これは何に入るわけですか。戦力なき軍隊ですから軍隊ではないかもわかりませんが、軍隊と見なして自衛隊も国内法によってこれをきめるということになっておるわけですね。その他は、ということで、公務員だからどうだとかそれから公共企業体職員だからどうだというような、いわゆる国内法における区別、区分というものは、実は条約の中にないわけですよね。もしこの条約にないのが国内法にあるとすれば、前段におけるこの条約に抵触する国内法ということで、私は事実上条約を完全に実施したということにはならない結果というものが出てくるから、その点は問題が出てくると思います。いわゆる条約の中に警察官とか自衛隊とかいうような、いわゆる国内法に移すべきものについては明確にしたという点ですね、それと、それから条約の中に区分としてされておらないという関係については、政府ではどう解釈をされておるか。
  64. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) ちょっと御質問の趣旨がのみこみかねたから、とんちんかんなお答えをするかもわかりませんが、警察関係は、これを組合をつくることから除外をしておるわけでございます。これは監獄、海上保安庁などもこの範疇に入るわけでございます。そういうものは条約の趣旨から申しましても、組合結成の条項から除外をするというたてまえをとっておるわけであります。
  65. 横川正市

    横川正市君 条約の条文の中に除外すべきものを明確にしたという精神は、その他のものは、というふうに、その他のものに区分や差別やなんかはしておらぬというふうに私は判断をするのですが、警察や自衛隊が除外をされたという、そういうことに対する政府の理解はどういう理解か。それと、他のものについてはどういうふうに考えておられるのかというふうに、条約そのものの持っております固有の強制力といいますか、批准したものの義務というものと勘案してみての国内法関係をお聞きをしておるわけです。ですから、もう警察を入れろとか自衛隊を入れろとか言っておるのではないのですよ。これを除外したそういう条約の精神からしてみて、他のものをそれを国内法によって、自主的あるいは自由な組合結成というものについて国内法で何らかの規制をするということは間違いなんじゃないかと、こういうふうに私は考えているわけです。
  66. 三治重信

    政府委員(三治重信君) いま問題になっております点につきまして、結社の自由委員会に提訴側から提訴されておりまして、それについてILOの結社の自由委員会で、日本の事件について結論を出しておる部分を申し上げますと、いま一番最後に問題になっております。警察、軍隊というものについての、日本で提訴側の場合におきましては、警察、消防、海上保安庁及び監獄の職員に団結権が与えられてないという申し立てを検討しました。しかし、こういうものにつきましては、警察及び警察と同視すべき若干の職務と見て本委員会はこれらの職務に関する申し立てについてはこれ以上審議する必要はないというふうな結論を下しておりまして、日本の現行の制度におきますいわゆる警察、消防、海上保安庁、監獄の職長、この条約によります軍隊及び警察の適用に関する範囲というもので具体的に問題になりましたそのほかの海上保安庁、消防、監獄というものも大体これに準ずるものであって、国内法令で定めている場合において何らその結社の禁止についてはよろしいというのが大体結社の自由委員会の結論でございます。  それから先ほどのオープンショップ制の問題でございますが、これは条約審議過程でも問題になりまして、批准、何と申しますか加入しない権利というものをはっきりこの条約の中に書くべきではないかというふうな意見を出した国もあるわけですが、そういうものについては否決されました。しかし、これは積極的な権利だけを規定するものであって、そういう義務的なものをこの条約で規定しなくてもいい。それは各関係国の何と申しますか、加盟国の慣行及び規則にゆだねられるべきものだというふうに五九年の報告で規定しております。なお、このILO八十七号条約のこの点について、ショップ制との問題につきまして労働大臣が諮問いたしました労働問題懇談会における小委員会の報告におきまして、この団結権とショップ制との関係については、この条約は、この条約審議経過から見て、直接ショップ制の問題に触れてはいなという答申を得ておりまして、政府としては、この八十七号条約は、このILOにおける八十七号条約審議の経過から見て、また、条約の実際の解釈からいってもこのショップ制の問題には触れていないというふうに解釈をしておりまして、オープンショップ制をとるように法で規制しております。これは単に国家公務員、地方公務員だけでなくして、労働省の所管しております公共企業体等の職員につきましても、同じようにオープンショップ制の法律の規制があるわけでございますから、これを先ほど増原国務大臣から御答弁のありましたように、政府としては従来ともこれは広く競争試験によって行なう、その採用、解雇についてはしっかりした特別の法令による基準でやっておるわけですから、こういう規制が必要であるというたてまえに立っておりまして、この条項がこの八十七号条約に抵触するというふうにはこれは考えておらないわけでございます。  なお、法人の関係につきましては、この法人の登録要件、その他の制限についてはILOの方面においては交渉そのものを制限するために法人の取得に制限を加えるということでなければ、すなわちその法人格の取得がいまの日本の規定のように、ただ財産権というふうな、財産権を取得するために都合がいい、そういう財産権とかその他の組合のいわゆる物的な権利のために法人格を取得する制度、いうならばそれについての制限、いわゆる法人登録の要件をある程度国内法によって規制するのはやむを得ない。ただ、法人格を取得する要件を整備することによって、そういう法人でなければ交渉に立てない、交渉する能力を有しないというふうな法人格取得の要件は困る、というのが従来のILOの結社の自由委員会の審議の経過でございます。
  67. 横川正市

    横川正市君 もとへまた戻るわけですが、いまの説明の中で、ちょっと理解しがたいのは、論議の過程がちょっと述べられておりましたので、それはどの項かは私のところに資料ありますからあとでメモでひとつちょっと教えていただきたいと思いますが、この取り扱いの中で、条約の中に明記して書かれておる場合、それから明記されておらない場合、それぞれそれを国内に持って帰ってきて実施する場合に、明記されていない部分については、国内でそれぞれいままでの取り扱い法規あるいは慣行に従ってそれを規制し、ないしは立法化していくということは条約に触れるか触れないかという問題です。これはいまの説明からいきますと、そういうことは触れないというふうに理解をされて立法されたようですが、私どもはやはり条約にことさらに明確に、いま言った警察官や自衛隊、海上保安庁あるいは刑務所職員等々に規定をされたこと、それ自体がたとえば先進国で運用されている場合の運用と国内とが違った場合は、単にその国との国内的な違いだというふうに判断すべきか、それとも条約自体の固有の拘束力として判断してその間違いを国内法で正すか、その点は私はこういうILOの条約取り扱いとして非常に大切な点じゃないかと思うのですよ。言ってみますと、一番低い線では条約批准したけれども国内法の整備は一向にしていないというそういう国もあると思うのです。しかし、条約批准していないけれども、きわめて労使慣行が高い水準で維持しているという国もあります。それはそれぞれの実情に合ったやり方をやっているのだと思いますが、条約の持っておる固有の強制力というのは、実は相当高い水準だと判断される面と、それから中くらいで、高いところについてはより高くていいという判断と二つあると思うのです。ただおくれた分については、これはやはり水準に近づけなさいというのが条約の私は精神だと思うのですね。そういたしますと、いまいわれているような問題は、組合というのはきわめて自主的な判断によってつくらなければならないものですから、必要でない——必要だから入れたのでしょうが、いわば後進的なものの考え方から入れられるというものについては、これは十分判断をして入れさせない、入れない、そういう方向をとるべきものだと私ども判断をするのです。そういうふうな判断からすれば、いまかりに組合とはきわめて自主的なものだが、しかし、これは個人の加盟によって、だれからも強制されないで加盟するものなので、私はその一条において、その状態が当然組合一つ性格としてあらわれておれば、併記して組合判断を拘束するような条文、条項については入れなくてもいいんじゃないか、こういうふうに私どもは思っております。その点は、一体労働省としてどういうお考えかひとつお聞きしたいと思います。
  68. 三治重信

    政府委員(三治重信君) 先生の御意思を十分理解しないで答えることになるかもわかりませんけれども、もしもそういう点がございましたら御指摘いただきたいと思いますが、条約そのものはわが国においては批准したものは完全に実施すると、そうしてその中で問題になった分、たとえば国会で質疑なり、また実際上問題になった部分は、従来、在外公館を通じてILO当局にも、実際の各国取り扱い、また、審議、経過の解釈とか、ILO事務当局のやはり法制的な解釈も聞いて対処しているところでございます。この八十七号条約につきましては、日本の国内各公務員、公共部門の各組合から、私たち政府としては、もあ大体各あらゆる部面について、結社の自由委員会に提訴されております。そうしてその結社の自由委員会で百七十九号事件としてずっと過去取り扱われておりまして、それが大体結論を得た順序に逐次理事会に報告されておるわけですが、そういうものを私たち整理しましたものの一部を先ほど御報告申し上げたわけでございます。  そういうところからいきまして、私たちは現行国内法で何と申しますか、条約に直接抵触しておりますのは、常々言われておりますように、公労法の四条三項、地公労法の五条三項が、これが直接に抵触している。それからしいて言えば、若干その趣旨に照らしてもまずいというのが、いわゆる管理職の組合の結成を禁止しております四条一項の問題、五条一項の問題がございますが、あとの国公、地公法につきましては、運用の問題、あるいはその他何と申しますか、ILO条約の精神から照らし、または正常な運営を確保するという見地から、ILO条約批准するにあたっては直したほうがいいという問題で、あとのほとんどの国内法はそれによって改正されていく、こういうふうに改正案が出されている、こういうふうに政府としては理解しておりまして、ILO条約国内法との抵触は、直接的には以上私が申し上げた点でありまして、ただあと実際の国内法の何と申しますか、規定が、まあ直接抵触しないからといって、それよりかなおさらILO八十七号条約の精神を生かすという部面における改正、あるいは運用、規定というような問題でいろいろ御意見があろうかと思います。その点の一、二が、先ほどからの規制の問題、あるいはその他の登録の問題という問題でございましょうが、そういう問題、われわれとしては、大体この百七十九号事件として、ずっと多年にわたって結社の自由委員会から結論が出され、または先日来来ましたドライヤー委員会にもわれわれ改正案を示しまして、それについての意見も聞いて、大体において納得され得るところであります。納得されたと理解しているところでありまして、国内法現行法改正案がILO八十七号条約矛盾していると、あるいは離反しているというふうには考えておらないわけであります。
  69. 横川正市

    横川正市君 私は、この各結社の自由委員会の報告を、部分的ではありますけれども、読んでみたわけですが、まあ感じから言えば、具体的な指摘事項はちょっとあとにしますが、感じから言うと、国内の解釈修正される部分が多くて、まあ言ってみますと、労働関係から提訴されて、結社の自由委員会の意見を聞くまでもない、そういうものまでも持ち出されて、それに対する見解が非常にたくさん述べられているというような感じをするわけですね。その中にこのいま言ったような条項についても、さらにどういう見解結社の自由委員会に下すかというような、そういう結果を招き、結論としては、どうも私は文章は字のまま読む癖があるからあまり底を解釈いたしませんけれども、まあ第一五の原則の中には、「公の機関は、この権利を制限し又はこの権利の合法的な行使を」妨害干渉してはならない。それから第八には、「国内法令は、この条約に規定する保障を阻害するようなものであってはならず、また、これを阻害するように適用してはならない。」という八条の二項のそういう各条文と照らしながら判断をいたしてみますと、非常にこの点干渉がましい。組合の自主性ということは一体何かという点について非常に明確な結論を持っておらない。いわば組合に対する信頼といいますか、組合というものに対する理解といいますか、そういった面に欠ける点があるのじゃないかと思われる節、そういったものが一つの根底になっての解釈というのが多いような気がするわけなんですよ。それは言ってみれば、後進性ということになるのか、これはまあそれぞれ判断というものがあると思うのでありますけれども、いわば私は何回も言いますけれども条約一つの水準であって、これがもう最高ではないのだという観点から立てば、その水準を少しぐらいはみ出しても前向きの形をとるべきで、これにうしろ向きで、水準以下ということは、これはやはり条文整理のときに修正していくのが私はたてまえじゃないかというふうに思うわけです。  そういう点で、もちろんこれはあなたのいまの答弁聞いておりますと、十分調査をした結果だということでありますから、私のいま言ったことは速記にとどめることにして、次に進めたいと思いますが、この点はひとつまたいつの日に何らかの形で意見をお聞きするようなことになるかもわかりませんが、あとにしていきたいと思います。  第三点の問題で、管理職の範囲というのを、これはまあ人事院とか人事委とか公平委員会にまかせて、組合が自主的にその規約で範囲をきめることができない。もしこれに管理職を加入させるという組合団体があるとすればこれは認められない。まあこういう団体があるわけでありますけれども、一体これはどういう趣旨の組合員なのか。まあこの組合は一体どういうたてまえで、みずからの組合をつくったその権利義務というものを行使していくのか、その点の説明をしていただきたいと思うのです。
  70. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 現行法におきましては、いわゆる次官から小使さんまでとよく言われますように、一括して組合がつくれるというたてまえになっておりまするが、改正法のもとにおきましては、管理職員等と一般職員というものを分けまして、それでそれぞれ別個の組合をつくるということにいたしたわけでございます。といいますのは、管理職員等がその職責上、一般職員と立場を異にいたしますという点から、これが一緒になりますということは、職員団体としての基盤として健全を欠くということから出てきたわけでございます。  ところで、その管理職員等の組合がつくられました場合、これはその職員団体であるということにおきましては、一般職員がつくります職員団体とその職員団体たる性格においては何ら異なるわけではございません。ただ一般職員であるか管理職員であるかという構成員の中身が違うだけのことでございます。
  71. 横川正市

    横川正市君 これはしかし、どうなんですかね。一条からいきますと、団体を設立する権利、それから自主的に判断をして加入するわけですから、規約に従うことのみを条件として加入する権利という、この二条の持っております条約の固有の強制力から判断してみて、いまの解釈が妥当かどうか、非常に私疑問に感じます。  それで、国家公務員とか地方公務員とかという性格は、これはどういう立場にあっても国民に奉仕をする立場であることについては変わりはないわけです。ただ、職務上のそれぞれの違いというものがあって、その違いというのが常識的に判断のできる範囲内で私はいままで組合というものが結成されてきておったと思うのです。そういう点から勘案してみますと、たとえば管理職というふうな形の人たちの組合が、これが組織をされるということについて職員団体であるという、そういう名称からは何の差別も受けないという判断というのに対しても、どうも私はすっきりと理解することができないわけですが、たとえば職名区分からいきまして、一体固有の職責を持っているものの一つ一つについて、職員団体に加盟し、ないしは加盟しない、そういうことの自由も勘案しながら、それらの団体が構成され、その持っております固有の権利義務について、何ら職員団体と変わりがないという証明をしてもらいたいと思うのです。これはこのままの形でいきますと、非常に私は事実上何といいますか、職員団体は問題がないのですが、管理者組合というものの中には相当問題が起きるのではないかというふうに判断をいたしますので、その点の説明をお願いいたしたいと思います。
  72. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) その点につきまして、結社の自由委員会の五十四次報告の九八項でございますが、「その上、若干の諸国においては、監督的職員の団結権に関する特例の規則が存在するけれども、監督的職員がその監督の下にある被用者と同一の団体に加入することが許されない場合には、監督的職員は、彼等自身の団体を結成し又はこれに加入する権利を有する、というのがこのような場合に、一般的に適用される原則である。」ということを言っております。  なお、一九五九年の専門委員会におきましても、監督職員が一般職員の団体に加入できないとする制限は条約に反するとは思われないということを言い、それは第二次的な差別にすぎないと言っております。
  73. 横川正市

    横川正市君 説明してもらいたいのは、固有の職務内容を持ったものが条約に照らして職員団体をつくり、それが職員団体と同等の取り扱いを受けるということについての政府側解釈を聞きたい。たとえば事務次官はどういう内容で、経理局長はどういう内容で、人事局長はどういう内容で、官房長はどういう内容である、いわゆる管理職と該当されるものの固有の持っております職責とあわしてこの点の政府の理解をどういうふうにされたかお聞きしたいわけです。
  74. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) ただいまの御質問の趣旨をあるいは十分理解しないままでの御答弁になるかと思いますが、事務次官の職務内容がどう、あるいは経理局長の職務内容がどうというふうなことを一々個別に調査してということではなくして、現存労組法にもありますように、管理者、監督者あるいは検閲の事務を取り扱う者といったことを一般的に想定したわけでありまして、それの具体的な範囲がどこまでかということになりますれば、これは法案にもありますように、その具体的なきめ方は、一切をあげて中立機関としての人事院におまかせする、こういう仕組みをとっておるわけであります。
  75. 横川正市

    横川正市君 これは逆な形で質問をして、何か質問のそれ自体が本質から離れたようでありますけれども、この人事院とか人事委員会、公平委員会に国公法、地公法で管理者の範囲というものを、これをきめる、こういう点について、私は組合がこの点についてもきわめて規約上で明確にして、その規約で明確にされたものでこと足りるのではないかというふうに判断をするわけですが、これらの三者の各委員会が管理者の範囲というものを、これをきめる、こういうことについては、事実上条約の二条、三条から照らしてみていかがかと、こういうふうに思うわけですが、その点は先ほど答弁をいただきましたが、なお多くの問題があると思います。ことに登録の条件ということになりますと、この管理職の場合には、これは登録はどういうふうな取り扱いの方法をとるわけですか。それから交渉といいますかね、あるでしょうが、それはどういう方法でやられるわけですか。それから具体的には日常のいわゆる全体の意思決定とかなんとかというものは、どういうふうにやられるのか、非常に対職員関係の間に同一な要求があった場合にどうなるのか、それからいわば一つの管理運営事項のようなものが出て、それを職員団体に実施する場合に、どういう実施のしかたをするのか、きわめて複雑怪奇な問題がたくさん出てくるわけですが、それについてはどういうお考えを持っておられますか。
  76. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 先ほども申しましたように、管理職員等の組合も職員団体たる性格において一般職員の職員団体とその本質といいますか、性格を異にするというものでございません。したがいまして、登録するにつきましても、国家公務員の管理職員等の組合でありますれば、登録の手続を法に定める手続に従って人事院に登録手続をとるわけであります。  それから管理職員等の組合がいざ交渉するということになりますれば、法案にありますところの百八条の五でございますか、ここに定めるところの手続に従って交渉していくということになるわけでございまして、一般職員の職員団体が登録をし交渉する、そういういき方と別段変わったところは出てまいらないわけでございます。
  77. 横川正市

    横川正市君 人事院総裁はちょっといまのことに何か答えておくことはないのですか。
  78. 安井謙

    委員長安井謙君) 人事院総裁、何かありますか。
  79. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) いや別にこちらから申し上げることはありません。
  80. 小林武

    小林武君 関連。構成するものの中身が違って性格は同じであるというあなたの答弁は、そのことの事実だけはわかりました。  そこでお尋ねいたしますが、これはやはり労働組合法の第二条一号と比較して考えなきやならないと思うのでありますが、管理職員は、いうなれば、労働関係におけるところの機密事項をまず知っている、同時に使用者のいわゆる利益代表である、こういう性格を持っている。まあこれはもっとあげればあるかもしれませんが、簡単にいえばその二つがあげられる。その者が同じ性格の一体職員団体をつくるというのはどういうことですか。その場合に利益代表がどういう一体交渉をやるのですか。それからその場合には、機密事項はどんどんばらしてやってもいいわけですか。無理じゃありませんか、少しあなたたちの論理は。
  81. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 管理職員等が結成するというところで使用者的な立場という角度からごらんになれば御指摘のような疑義も生ずるかと思いますが、しかし、管理職員等といえども、これはやはり政府に雇用されている一職員でございます。それらの職員が自分らの給与その他の勤務条件をよくするというために交渉を持つ、登録をするということになりますれば、その意味におきまして、一般職員の職員団体と何ら変わるところはない、こういうことでございます。
  82. 小林武

    小林武君 いまお伺いしたのですが、いまのような性格があるから、管理職員を職員団体の中に入れると登録の条件はなくなる、具備したことにはならないと、こういうんです。なぜならば、管理職の性格というものはかくかくのものであると、二つぼくはあげたけれども、そういう条件だ。そういうものが、同じ性格の職員団体、これは別格ならいいのですが、別の性格のを持った、御用団体であるという旗を掲げているとか、使用者には絶対あれしないのだ、いろいろないわゆる社交団体であるとか、性格を別にするならあれだけれども、同じ性格だということになると、これはあなたたちいまいろいろ説明するが詭弁になってしまう。そういう非論理的なことを言っちゃいかぬ。逃げどころをILOのほうへ、そういう勧告がございましたからなんて逃げちゃいかぬ。もっとわかるように説明しなさい。
  83. 三治重信

    政府委員(三治重信君) 先ほど来のいろいろ御答弁を申し上げておりますが、結局いまの現行法におきましても、初めに答弁がありましたように、極端なことを言いますれば、事務次官から組合、職員団体がつくれるようになっております。そこで現在改正法案における立場は、労組法二条一号の趣旨などに準じまして、二つ、職員の種類によってつくる、職員団体を区別をいたそうというのが改正法案の趣旨でございます。それで先ほど来両種の団体が性格が同じであるということを答弁いたしましたその趣旨をそんたくいたしますと、これは二つともに勤務条件の改善をはかる団体であるという点においては変わりはないということであろうと思います。  その構成する職員が、先先も仰せのごとく、片ほうは管理監督の地位にある職員であり、片ほうはそうじゃないということから、そのつくります職員団体が実際の活動においていろいろ性格に違ったものが出てくるということは私はあり得ることだと思います。ただそれを法律の上において、この団体はこういう性格を持つべきものである、片ほうのほうはそういうものを、性格を持つべきじゃないということを法定するということとはそれはおのずから別のことであろう、こういうふうに考えております。
  84. 小林武

    小林武君 まあ関連ですからこれでやめますけれどもね、またあとでゆっくりやりましょう。ただ、あなたのおっしゃることはおかしい。職員団体というのは勤務条件の維持改善をはかる目的を持っておる、こう書いてある。そうでしょう。そのためにさっきあなたのおっしゃるように、極端なことを言えば事務次官から全部入れるような現行法の仕組みになっておる。それをそうでなくしよう。そうでなくしようということでどこへ理屈をつけたかといえば、管理職というのは機密のあれに携わるとか、知っておるとか、これは利益代表であるとかいうようなところからこれは一緒に入れておくべき性格のものでない。入れれば——いろいろあなたのほうで言いわけはあるだろうけれども、入れれば登録できないということは、条件が悪くなる。そういう制限つけながら、自分の勤務条件については堂々とやれるのだと、こういうような同じ性格の職員団体をつくれるということはむちゃくちゃでしょう、あなた。そんな論理がどこにありますか。そんなばかなこと言うとこれはおかしくなる。だから、もとに戻すというならぼくは何もこれ以上言わない。もとに戻して、それは自由なんです。入る入らないは自由なんですというならいいんだ。しかし、あなたが幾ら言ったって、いまのようなことを言っておるのなら人をばかにする話です。愚弄するにもほどがある。ただ、あなたたちの逃げ道が一つあるとすれば、ILOのほうではそうなっておるから、だからそれを批准するんですから、私のほうでは不本意ながらやりましょうというなら逃げ道が一つある。ほとんどこれは逃げ道ないでしょう。いいかげんなことを言っちゃ困るよ。
  85. 三治重信

    政府委員(三治重信君) 一般の労使関係の部面からいまの先生の点について若干私の見解を御説明したいと思いますが、労組法では、御承知のように、いわゆる一般の労働組合員とやはり管理監督者、機密の事務を取り扱う者とが一緒に労働組合を結成できないようになっております。それで管理監督者といっても、まあ何と申しますか、機密の事務を取り扱う者あるいは中級の監督者というふうに階層別に労働組合ができるというふうにわれわれのほうでは労組法上は解釈しておるわけであります。一般の職員団体もいまの現行制度のそういう何と申しますか、勤務条件についての維持改善についてより合理的にしよう。一般の何と申しますか、同じ地位程度というグループごとにやって、そのグループの関係について勤務条件の維持改善をやる。同じ管理監督者については、同じ勤務条件の維持改善でございますけれども、一般の職員と管理監督者とは職務上の身分あるいは権限が違うわけでございますから、その点おのずからそれが一緒になって団結をするよりかまた新たにそれを別にやるのが、一般の民間の労組法上ではそれが当然になっておるわけでありますから、よりそれが近代化されるという意味でございます。その点はやはり九十八号条約とも関連もありますし、やはり労使の相互理解を深め、また、その結社の場合におきましても、何と申しますか、利害関係が必ずしも一致しない者同士を包括するということじゃなくして、そこを明確に区分してグループをつくるというふうなのがより合理的であるということからそういうふうになっておるわけでございまして、この点は直接何と申しますか、八十七号条約そのものの明文上の規定があるわけではありませんが、結社の自由あるいは団結権保護という部面からいきまして、その同種者のグループをやって、利害関係の相反する管理監督者とは別に組織をするという、これが一般的な原則であるということであるわけであります。
  86. 安井謙

    委員長安井謙君) なお自治大臣も出ておりますから、どうぞ。
  87. 横川正市

    横川正市君 このいまの条項は、言ってみますと、何か他の関係にきわめて強い影響力を持つので、無理をして分離論を筋道立てて説明されているような気がするわけですが、それは後段に譲るとして、大臣にいまの問題と関連させながらひとつ見解を伺っておきたいのは、きわめて条約に忠実な方法をとっておられるのに、この件については条約に非常に忠実でなかった点として、先ほど私が一、二の問題としてあげたわけです。それは条約の中には、どれとどれはだめだけれどもその他はいいと、こういうふうに言われているような明文になっておりますのに、その項についてはやはり明文がないからといって、政府見解でこれに対する解釈を立てた、こういうことは、私はいまの問題とはいわゆる逆な立場で、同じような問題が二つ出ているわけですが、こういう問題が出てきているという、そういう現実に立って、大臣としてどう解釈をされるか、どういう御意見を持たれるか、それを伺っておきたいと思うのです。
  88. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) 私おくれて、はなはだ申しわけございませんで、どういうことか存じませんが、いまの管理職だけを別の組織をつくることについての問題かと存じますが、これにつきましては、政府委員よりお答え申しましたように、一般の職員と管理監督の地位にある職員とはそこに性質が違う。そういうものを一つの団体にすることは、組合といいますか、団体そのものの自主性をそこなうものがある、こういうところで別に分けたものと思います。この点は御承知のように、労働組合におきましてもその点を明瞭にいたしまして、管理監督の地位にある者は一般の組合の中には入ってならない、こういうことでありまするのとその精神は同じではなかろうか、かように存ずる次第でございます。
  89. 横川正市

    横川正市君 これは条約の精神とは似ても似つかぬものであって、その条約の精神をとらえて、言ってみると、労務管理を強化するような、そういう条文になっているものだと判断されますね。それは条約それ自体はきわめて高い精神で、それぞれの団結権団体交渉権等について、これを保障するようなことになっているから、それを今度は逆手にとって、小使さんから次官まで入れるけれども、その中でも、最も重要な管理監督の立場にある者といえば、きわめて少数の人に限られるので、高い労働条件その他を獲得するための、いわゆる団結権団体交渉権の権利を与えたと称して、職員団体から管理者と名目のつく者は全部引っこ抜いて、事実上はその管理者の組合に、組合的な任務を一つも行なわせないで、そうして、一般の組合を分断をするような、そういう作為的な方法だととられても、これはしかたないじゃないかと私は思うのですがね、どうですか大臣、その点について。
  90. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) そういうふうにおとりになることは、多少誤解ではないかという感じがするのであります。御承知のように、一般の職員組合というのは、それが団結をして、そうして交渉をして、勤務条件というものを向上さしていくという性質のものなんですね。その組合といいますか、職員団体の中に、その職員を監督をする、あるいは管理をするというような者が一緒になってやるというところに、その組合なり団体というものが、ほんとうにすっきりしたものにならない。もし管理監督の地位にある者が非常に力の強いものがあったとしますと、そのためにゆがめられるということがあり得ることであります。でありますから、一般の労働組合法におきましても、そういう地位にある者は中に入れちゃいけないということによって、一般の労働者の権利というものを保障しているのであります。そういう趣旨でこれができているのでありまして、それを別にして、何か特権を、こういうことではないであろうと、ひとつ御了承いただいて、そういうつもりではもちろんございません。ですから、一緒にすることによって、いわゆる団体とかというものの自主性というものをそこなうおそれのあるものはこれを排除するというのが、これは一般の労働法の原則ではなかろうかと、私はかように存ずるわけでございまして、ちょっとそういう誤解ではなかろうかという感じがいたしますので、御了承願います。
  91. 横川正市

    横川正市君 人事院総裁関連してお聞きいたしますが、この管理職の範囲というものを、あなたのほうできめられるわけですが、大体どういうお考えをお持ちになっておるか、この際お聞きいたしたいと思います。
  92. 佐藤達夫

    政府委員佐藤達夫君) お答え申し上げます。前の政府案では、人事院は基準をきめるというようなことで、われわれも大まかな条文になっておりましたが、今度の案ではだいぶ精密にやらなければいかぬようなふうにも読めますし、かたがたどういうふうにこれを規定すべきか検討したいと思っております。ただし、これは御承知のように、すでに労働組合法第二条に相当数多いことばをもって規定がございますし、それから公労法関係でも管理職の範囲についての法律に基づいての告示というようなものがございますから、そういうようなものを、かたがた勘案しながら、かねてここでの御審議の成り行きなり、あるいは法律で予定されております審議会の御意向なりを十分体しまして、適正のものを考えたいと存じております。
  93. 横川正市

    横川正市君 私はこの項目については、非常に矛盾を、一つの何といいますかね、棒をのんだような解釈をしたために矛盾が起こっている条項だというふうに思うわけですが、たとえば団結権を与えなければならないという、そのことがきわめて強く要請された条約でありましても、警察官や自衛隊は国内法でいいというような、そういう判断もとっているわけですから、そうなってまいりますと、管理監督の立場で、最も高い地位にある者が、次官とか局長クラスですね、補佐役は別として。これはいわば条約による保護から対象外とされてもやむを得ないという解釈をとれば、そうすれば一般に職員団体に自主的に加盟するわけですから、二つの組合をつくらなくても一本化していくことによって十分職員団体としての使命というものは達成できる、こういうふうに判断をし、そのことは何か非常に矛盾しているようだけれども、いま二つの職員団体と管理者の組合をつくるという間違いから考えてみれば、私は私の言っているほうが正しい方法だと判断をいたしております。これはここで政府の出しました案に対してすぐ違った意見を出せといっても無理でありましょうから、十分ひとつこの点は検討する問題として強い要望をいたしておきたいと思います。  そこで、この問題と非常に関連をいたしますが、今度は逆な意味で都道府県の自治法附則八条の職員とそれから単純労務者が一般の職員団体に加入することを許されるけれども、他の混合組合は依然として登録ができないという方法がとられているわけでありますけれども、それはどういう理由によるのか、御説明をいただきたいと思います。
  94. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 附則八条の地方事務官及び単純労務者につきましては、現行法のもとにおきましては、当核地方公共団体の一般職員との間におきまして同一の職員団体に加入することはできないことになっておるのでございまするが、勤務の場所も同じでございまするし、実際やっております仕事の内応につきましても類似いたしておりまするので、同一の職場に働いておりまする当該地方公共団体の一般職員との間で同一の職員団体に加入し、結成もできるということにすることがそれらの職員の労働条件を拡充する上からも適当であろう、かような判断をいたしまして提案をいたした次第でございます。その他の一般職員と労働組合との間におきましては、これは職務の性格あるいは勤務条件決定の方式が非常に違っておりますので、これは従来どおり登録はいたさないということにいたしておる次第でございます。
  95. 横川正市

    横川正市君 これはまあひとつあとでやりましょう。  そこで、消防について国家公務員法百八条の二で規定がないので、消防庁のみ組合結成ができるが、地方の大部分は結成できない、こういう処置をとられておるわけでありますが、この中央と地方というふうに分けられたことも問題ですが、根本的には消防をどういうふうな性格としてとらえられたのか。条約にはこれは明記されておりませんので、国内法取り扱いとしてこういう取り扱いをされたその趣旨をまずお伺いをいたしたいと思います。
  96. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 消防につきましては、先刻他の政府委員から答弁がありましたように、条約にいう警察の作用と類似するものと存じまして、これを同様な取り扱いをすることにいたしたわけでございます。さらに国の消防庁と地方の消防職員と区別した理由でございまするが、国の消防庁におきましては、消防に関する制度の企画立案等を主といたしておりますので、いわゆる消防の実施の作用をやるものではございませんので、これを除外することにいたしたのでございます。
  97. 横川正市

    横川正市君 ちょっと条約との関係でもっと具体的に、条約をどう解釈したからこういうふうにきめたというように、条約の精神と参照しながらひとつ言ってもらわないと——それはあれはあるわけですね、結社の自由委員会その他関連した解釈が。ちょっと私のほうで解釈のあれがないから、どこをどういうふうに参酌されてそういう取り扱いをされたか、ひとつ明確にしてください。
  98. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 条約は警察及び軍隊を除外をいたしているわけでございまするが、警察と軍隊を除外をいたしておりまする趣旨が国の治安確保につきましての警察作用の特殊性を考慮したものと考えられるわけでございます。わが国における消防の作用も、その歴史的な経緯、現行の法制等からいたしますると、警察に包含されているというふうに解釈することが妥当であろう、労働問題懇談会の条約委員会におきましても同様な報告がございまするし、この点につきましては、ILOのほうに報告をいたしまして、先方においても異存がないという通知をいたしておるわけでございます。
  99. 横川正市

    横川正市君 ILOも異存がないというふうに言われた文書をちょっと見せてください。——この条文は必ずしも消防というやつを抜き書きしているわけではないでしょう。申し立てに対して軍隊及び警察に適用する範囲内をというふうに出ている。——この条文の矛盾点の第一は、警察、消防、海上保安庁及び監督の職員の団結権が与えられていないという、そういう申し立てに対して相手国が警察及び警察と同視すべきものというふうに、同視すべきものの職務というやつを国内法で、消防というのは歴史的に経過的にいままで同じだからという判断でこれはつけ加えられたものですよね、実際上は。そう判断をするわけです。私は少なくとも、警察、軍隊にこれを全部入れろというような、そういう趣旨のことを言っているんではなくて、いま取り扱いとして、消防については国家公務員法の百八条の二の規定がないので消防庁のみ組合結成ができるようにし、地方の大部分は結成ができないというふうにしたというその国内法取り扱い条約違反だと、こう判断をするわけです。というのは、あなたのほうは、この提訴に対して、申し立てについて、それと同視すべきというその同視を、日本の歴史的過程というのをつけ加えたわけでしょう、消防を入れたということは。しかも、そのつけ加えた中に、上部団体と下部団体とを分けて、上部団体については職員団体を構成させ、下部団体にはそれを認めない。そういう非常に御都合主義的な、自分のほうに都合のいいようなもののとらえ方をしているという点が一点と、もう一つは、消防を歴史的あるいは経過的に警察と同一視してきたという日本の現在までの消防に対するものの考え方が間違っているんじゃないですか。私はそれはきわめて遺憾なことだと思うんですね。次官だとか局長まで管理職組合が生まれるのに、下部の消防というのがなぜ職員団体をつくることができないのか。これはあまりにも実際上の取り扱いとしては不合理だし、不公平ですよ、実際問題として。その点ひとつ、大臣、どういうお考えでしょうか。
  100. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) ただいま政府委員からお答えいたしましたように、消防は警察と同じように、住民の生命、財産を確保する直接の衝に当たるものでございまするから、そういうものについては特別の配慮が払われておるわけでございます。したがいまして、消防はこれを除いたわけでありますが、しかし、本庁の消防庁は、ただ企画立案等の事務をつかさどるものでございまするから、これはその中まで含めるということはいかがかということで、組合の、といいますか、団体の結成を認めた次第でございます。
  101. 横川正市

    横川正市君 日本の警察関係の職務規定はどうなっていますか。警察官——警察庁に勤務する者は全部、警察官ないしは、何といいますか、司法警察。それから、身分上はどういう取り扱いをされておるのでありますか、警察官の場合は。
  102. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 警察庁に勤務しております者は、警察本部におりまして、警察職員ということになっておりまして、これは地方の警察本部に勤務しておりまする者と同様な地位、権限を与えられております。消防庁、これは自治省の外局でございますが、この消防庁は消防の実施につきましては全く権限がございませんで、ただ消防に関する制度の企画立案等の事務をやっておるという事務官でございます。
  103. 横川正市

    横川正市君 そういう解釈をすると、警察庁の中にも、企画立案事務関係だけをやっておって、司法警察としての身分的な権限を持たされている者と区別されていい者がいるわけですね。それから、消防庁の中の中央とそれから地方であって、その地方の中にも、いわば現役で消防任務につく者と、それとは全然別個に、事務関係で仕事をしている者とあるわけですね。そういう者はいないのですか、全然。
  104. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 御指摘のとおりに、警察庁の中にも事務を扱っている者もございまするし、また、地方の消防署にも事務を扱っている者もございます。しかし、警察権の行使、あるいは消防の実施の活動にあたりましては、それらの者が一体となってその任務の遂行に当たるわけでございますので、これを分割するということは適当でないと判断をいたしたのでございます。
  105. 横川正市

    横川正市君 何を言っているのだか、わかったものじゃない。一体、管理職組合をつくるというような分離をして、その分離された管理組合の管理者というのは、どういう仕事をしているのですか、日常。あなたたちはどういう仕事をしているのです。日常。あなたたちは管理職組合をつくって、組合の権利義務を行使することができて、末端で事務をやっている消防署の者は組合をつくっちゃいかぬ。そういったちぐはぐな判断というのはどこから生まれてくるのですかね。あなたのほうでは、条約を明確に、これを忠実にするために管理職組合を認めたわけでしょう。もし忠実ならば、消防署の場合も職務区分によって、日常あなたのほうが、消防は警察官と同じような歴史的経過があるからと言って不当にこの職員組合をつくることを弾圧するなら、一般職員についてなぜそれを剥奪するという論拠が成り立ちますか。そんな論拠というのは、だれが聞いたって理解できるものじゃないですよ。大臣、それはあなたは事務官僚の言っていることをそのままうのみにして答弁されているけれども矛盾については、少し筋の通った答弁をしてくださいよ。おかしいじゃないですか。実際上、前段と後段を分けてくる……
  106. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) それは、いま政府委員から申しましたように、警察職員あるいは消防職員というのは、先ほど申しましたように、住民の生命あるいは財産というものを確保する任務を持っておりますから、それにつきましては団結権を認めないで例外を認めている。ところで、それでは、いまお尋ねのように、警察職員にしましても消防職員にしましても、その中には事務をつかさどる者がいるのじゃないかというお尋ねでございますが、それはいるでございましょう。いるでございましょうが、それは一体となってはじめてその機能を発揮するのでありまして、ただ現場で水をかけるだけが消防の任務じゃないわけであります。そうすると、またさらにお尋ねがございましたのは、そんならば、消防庁の本庁におる者もそうでない者も一体だから同じでなければならぬのに、どうして別々にしたかということだと思いますが、御承知のように、自治省は自治体とは別でございます。昔はいわゆる内務省系統なんかのときには、本省が地方に対して指揮監督権があり、命令をし、あるいは一体的な運営をしていたかもしれませんが、現在の消防庁というのは、ただ予算の関係とか、あるいは企画の関係とか、そういうことをいたしておりまして、直接に地方の消防機関に対して指揮監督権を持っていないのであります。でありますから、一体的な運営としたいのでありますけれども、それはいわゆる団結権という立場からいえばおもしろくない、やはり普通の者は別にすべきであるという立場から、本庁の消防庁だけを別に扱ったわけであります。ですから、これが一体的な指揮監督権があり、そうして命令があり、一体的になるということになれば、お話のように、これも除かなければならぬのが本筋だと思いますが、それが今日の機構によりましては別になっておりまするので、やむを得ずそういう事態が起きている。そういうふうに御了承を願いたいと思います。
  107. 横川正市

    横川正市君 自治大臣答弁は、大臣として現状というのを認識して答弁された答弁としては、まず大道濶歩できない答弁ですね。あなたは、地方の消防署は自治省と分離しているからどうこうと言う。この法律は、国の少なくとも職員団体に関する関係では、地方公務員も国家公務員も公共企業体も全部あわせて、関係する法規として審議しているんです。あなたの所管外のものについて私が質問するわけのものじゃないですよ。同時に、いまILOの八十七号の精神に従って、その条約に示された団結権あるいは団体交渉権等によって示される強制力を、これを広範に、しかも公平にだれもが享受できるというそういうたてまえをとっているからこそ、あなたのほうは無理をして管理者組合というものをつくったわけですね。そうでしょう。ところが、いま地方の消防署で働いている全く消防の実務と関係のない事務関係の者まで、これは電話の取り次ぎをするからですか、泊まっているのは完全に消防職員が泊まっておるわけでしょう。そういう消防関係、消防官が泊まって実務をしているわけでしょう。ただ、経理をやるとか厚生福利関係の仕事をやるとかいうのは、一体となって仕事をしている。これは全部ですよ。ただ、その職務内容に従って保障するものと保障しないものとを区分してものを考えるとするならば、保障できるそういう該当者が地方の消防署の実務者の中にいるではないか。なぜそれまでのものを交渉権や団結権を剥奪するのかということを聞いているのです。一人いたってこれは与えるべきですよ。あるいは全国に何人かいたら単一組合をつくればいいんですからね。そういう点からいってみて、取り扱いとしては現在のあなたのほうの考え方は不公平な取り扱い方だ。それから、警察官と警察職員の場合も同じだと思うんです。これは経理だとか厚生だとか一般業務をやっている者のに司法警察権なんて与えていないですよ。一体となって飛び出して行って犯人逮捕するなんていうことはやっていないですよ。それならば、その者は団結権というものを与えるべきじゃないか、こういうことを当然の話の筋として言っている。いないなら別です。いますからね、実際には。それを一体となって仕事をしているから与えられませんなんていうことは筋道として通りませんよ。もっと明快に、なぜ団結権を与えないのか、いわゆる条約の恩恵というものをなぜ剥奪するのか、これはきわめて重要な問題ですから答弁をしていただきたい。
  108. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) 先ほど申しましたように、条約が警察あるいは自衛隊等のそういうものについて団結権を与えていないというのは、いわゆる住民の生命とかあるいは財産とかいうものの確保のために直接関係がありまするから、これを除いておるわけであります。そういう趣旨からいいますれば、警察職員の中で警察官という名前のついた者であろうとなかろうと、一体的な仕事をしている者はこれを除くべきであるということでこれを除いておるのであります。
  109. 横川正市

    横川正市君 消防は、どうなんです。
  110. 吉武恵市

    国務大臣(吉武恵市君) 消防につきましても、同様でございます。
  111. 横川正市

    横川正市君 労働大臣が来たから、あなたは労働大臣としていまの行政担当大臣が言っておることが正しいか正しくないか、言ってください。
  112. 石田博英

    国務大臣石田博英君) いまにわかに入ってまいりまして、御質問の趣旨を伺っておったのであります。御質問の趣旨は、消防庁の本庁の職員に団結権を与えておいて、警察その他の事務職員に団結権を与えないのはどういうわけか、こういう御質問でございますね。これはやはり消防庁の本庁の職員は、直接消防という仕事を指揮命令あるいは管理しておるわけではありません。しかし、警察の場合は事務職員も警察官も一体となって仕事をいたしておりまするので、こういうふうな区別を設けられるものだと思っております。
  113. 横川正市

    横川正市君 労働大臣、あなたは、職務上どうだこうだからといってILO条約八十七号の恩恵を一人でも多くにこれを与えるということを阻止する職務を持っているわけじゃないでしょうね。どうですか。
  114. 石田博英

    国務大臣石田博英君) そういうわけではございませんが、及ぼす範囲につきましていろいろ各政府部内の意見を統一いたしましたところが、ただいま申し上げましたようなことでございます。
  115. 横川正市

    横川正市君 これは私は最初に、政府考え方というのは、言いづらいことでありますけれども、保守性の脱皮だとか、労働問題について労務管理を強化するということだけで労働問題を御そうとか、いろいろ歴史的経過的過程があって、その経過に基づいて条約批准してそれを実施するのに、いろいろ時間的な経過を苦労して待っておって、そうして一つ一つ条約というのを批准していきたい、しかも、それは何年かかるかわからないというような労働行政をしているのではなかろうか、その点はどうかと言ったら、前向きで検討しておるという返事がありましたけれども、いまの問題のとらえ方というのは、少しやはり粗末過ぎると思うんですよ。なぜなら、いま、条約関係で申し立てをいたしましたその申し立てに対する結社の自由委員会の条文というのを見てみましたが、この中に、警察及び警察と同視すべきものという、同視すべきものの中にこの消防官ないしは消防庁勤務者というものを加えられたというのは国内の解釈ですよ。いわゆるILOの結社の自由委員会の意見じゃないわけなんですよ。同視するかしないかは、これは国内の判断なんですよ。国内の判断ということになれば、あなたのいわゆる労働者に対する感覚が、これが前向きかうしろ向きかということによってきまるわけです。そこで、そのことを、消防官全部を私は入れないというのはけしからぬと言うのじゃなくて、いまあなたが前段として言われたように、直接的にその業務、いわゆる消防業務とか警察官業務に携わらない経理担当者とか、あるいは厚生福利、年金等の事務担当者とか、こういった者には当然この条約の恩恵というものを及ぼすべきじゃないか、こう言うのに対して自治大臣は、一体になって仕事をしているから与えられない。一体になって仕事というのは、たとえば、火の見やぐらに立って見ておって、そして火を見たからさあといって出て行くのは、これは一体ですよ、いわゆる消防業務についているのですから。ところが、経理だとかあるいは厚生福利関係をやっている人は、それは全然別個の仕事をしているわけでしょう。それなら条約の恩恵というものを及ぼすべきだと、これは当然のことと言えるんじゃないかと思うのですがね。もう一回ひとつ答弁いただきます。
  116. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 業務の実態は所管省の人が一番よくわかっておるわけでありますが、われわれがこの問題について検討をいたしました政府の総合的見解では、警察の場合は、各警察署、本庁その他においてそれぞれみんな人事の相互の交流も行なわれ、それから、それぞれやはり仕事の上で関連を持って一体となって仕事をしているのでありまして、消防庁の本庁とそれから消防の実際に当たっている者との関係とは違うという判断のもとに、現在提出いたしましたような処置をいたしておる次第であります。
  117. 横川正市

    横川正市君 きめこまかい政策を期待している側からすれば、職務内容が変わったとかなんとかいうときには、きめこまかく、変わったときに団結権がなくなり、事務担当になったときに団結権が与えられるというような、きめのこまかいことも必要なわけですよね、実際には。まあ、しかし、いま言われているような点については、私どもは、数の少ない問題かもわかりませんけれども、非常に不満です。しかし、こういうような人たちの不利益処分の問題についてはどういう処置をとられようとしているわけですか。消防署も同じですよ。
  118. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 警察職員でありましても、監獄の職員でありましても、職員といたしましてそれらの職員が不利益処分を受けましたときは、国家公務員法の規定に基づきまして、人事院に対して不利益処分の審査請求をすることができるということにおいては、団結を禁止されておる職員と禁止されていない職員と何ら差異はございません。
  119. 横川正市

    横川正市君 団結権はそれじゃ実際上自主的に何のために持っているわけですか。私は、きわめて民事的なものの考え方でこういう結社の自由とか団結権というものを考えているということは、けしからぬと思うのですよ。実際問題として、たとえば一般の職員が消防書に転勤になるとか、あるいは人事の交流については各省それぞれやるわけですね。その場合に、自分の代弁者となってくれるようなバックがなしに、その人間が自分の不利益なものについて、公平審理があります。人事委員会がありますということで、そこへ一々提訴して云々するというような、そういうような方法をとれるものじゃないでしょう、実際には。問題は、結社の自由とか団結権、交渉権というようなものがバックにあるからこそ、不利益処分について十分な保障措置というものがとれるんじゃないですか。そういったものを全部禁止しておいて、そうして事実上そういうものがありますから不利益処分は十分対処できます。こういう言い方というのは、きわめてこれは保守的な日本的なものの言い方で、近代的な労使関係や、あるいは結社の自由委員会、あるいは八十七号条約批准しようなんという、そういうたてまえからの私は答弁とは思われないのですがね。もう少し具体的に、何らかの形でこういうような方々の不利益処分についてその取り扱いをどうされるか、対処しておることだろうと私は思うのでありますが、その点の考え方をお聞きしたいと思います。
  120. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) ただいまお答え申し上げました、不利益処分の審査請求ができるということは、いかなる処分についても共通でございますし、不利益処分の審査請求のほかに、行政措置の要求という制度もございます。これも職員団体を結成していようといまいと、その制度を利用して審査を請求できるということにおいても変わりございません。現実に見ておりましても、職員団体を結成できる、また、現に結成しておる職員についての救済も、職員団体を結成していない、結成することができない職員についての救済につきましても、人事院においては、その救済の程度に何ら差別をしておられるわけではございませんのが実態でございます。また、そのように、現実にたまたま職員団体に入っていないそういう職員につきましても、個別的に意見なり、苦情を申し出る機会も持っておりますので、職員団体の結成あるいは非結成ということにかかわらず、職員としての権利、利益の擁護ということには、そこに特段の径庭は現在ございません。
  121. 横川正市

    横川正市君 労働大臣は、いまの室長の答弁にそのままあなたの答弁を置きかえても同じですか。
  122. 石田博英

    国務大臣石田博英君) いまの職員団体の結成を許されておる場合は、職員団体が背景となっていろいろな労働条件の維持向上につとめるのでありますが、それが禁止されている場合、ただいま公務員室長がお答えしましたような処置、そのほか給与、時間等についてはいろいろ法令で保障措置等が加えられて、あとう限りの利益擁護の処置がとられておるものと考えておるのであります。
  123. 横川正市

    横川正市君 労働大臣は何回か労働大臣をやっているので、何回日かわかりませんが、条約批准関係ではきわめて熱意を示されて、百五号条約についても、これを早期に批准をしたいという考え方を表明したことがあったと記憶しているのですが、百五号条約批准問題について現在どうお考えになっておられるか、お聞きしたい。
  124. 石田博英

    国務大臣石田博英君) これは政府部内として統一した見解を持っておるわけではありません。私の労働行政担当者としての経験に基づく個人的見解、こうお受け取りいただきたいのでありますが、私はこれはできるだけ早く批准いたしたいものだと思っております。その批准の障害となっておりますのは、国家公務員法地方公務員法の両方の規定だと思っておりますが、それに検討を加えてできるだけ早く批准いたしたい、こう考えております。
  125. 横川正市

    横川正市君 労働組合法第二条で、「労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的」とすると、労働組合としてその内容、目的をこの場合に法的にこの二条にうたっておるわけですが、公労法地公労法に言うこの職員団体が、これはいつのあれかちょっと記憶と資料を持ち合わせませんが、「主たる」が抜けているのは、一体これは「主たる」という趣旨の中にどういう趣旨を持っているから、あるいは事実上どういう趣旨を持たれるから、判断一つの素材として「主たる」を抜く結果になったのかどうか、その点お伺いしたいと思います。
  126. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 現行法のもとにおきましては、職員団体に関する定義がございませんので、条文の文言として目的は特段に掲げてはございません。   〔委員長退席、理事竹中恒夫君着席〕  改正法のもとにおきましては、御承知のような条文になっております。現行法のもとにおきましても、実際の運用といたしましては、勤務条件の維持向上をはかることを主たる目的とすればよろしいのであって、そのほかに若干の随意的目的を持つことは、何ら差しつかえないということに解釈運用されております。改正案のもとにおきましても、「勤務条件の維持改善を図ることを目的として」と書いておりますが、その解釈といたしましては、現行法におけると同様に、勤務条件の維持向上ということを主たる目的とすればよろしいのでありまして、そのほかに付帯的に他に若干の目的を持つということは何ら妨げないものでございます。
  127. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これ同じならば入れてもいいということですね。
  128. 岡田勝二

    政府委員岡田勝二君) 目的につきましては、いま申し上げましたとおりでございますので、そして実際に職員団体の行動といたしまして交渉ということが中心になってくるということでございますので、それが「主たる目的」になるということはおのずから明らかなんでございます。でございますから、あえて法文に書く必要がないということで書いておらないのでございます。
  129. 横川正市

    横川正市君 入れてもいいわけでしょう。そういうことならば、これは大勢が入れたほうがいいということならば、これは入れるべきだと思いますが、大臣どうですか。
  130. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) ただいま政府委員から申し上げたような趣旨で改正案を提案をいたしたわけでございます。政府としては、「主たる」という文句を入れる必要はない、原案のままで御審議承認願うのがけっこうである、かように考えます。
  131. 横川正市

    横川正市君 いまの政府委員答弁は、これは入れても入れなくても同じことをやるのだ。そしたら、入れてくれと言えば、あなたのほうで入れることにあまりこだわらないということになるじゃないですか。それとも、「主たる」というのを入れると、何かとんでもないことが起こるというふうに解釈をされておられるのですか。その点大臣意見をひとつ聞きたいと思います。
  132. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 繰り返すようで恐縮ですが、「主たる」という文字が入りましても入らないでも、同様の解釈ができるものという解釈をとっておりますが、そうした点を考えた上で、「主たる」という文字を入れないという原案をつくったわけでございます。そういう原案に御賛成を願うことがたいへんけっこうであるというふうに考えます。
  133. 横川正市

    横川正市君 労組法に、二条でこれはちゃんと入っているわけですから、国公法、地公法に「主たる」を入れることについては、別に取り立てて反対する理由はない、こういうことで理解してよろしゅうございますか。
  134. 増原恵吉

    国務大臣(増原恵吉君) 趣旨として特別違った趣旨があるとは、先ほど申し上げたように、考えておりません。そういう趣旨で、まあ、なくてもいいものはないほうがよかろうという考え方で、その趣旨で御理解を願いたいと思います。
  135. 横川正市

    横川正市君 労働大臣に、先ほどちょっとあわただしく他の委員会に出席されましたので、お聞きをいたしておりませんでしたが、この条約一つの国の水準として持ち込まれてきた場合に、これに抵触する幾つかの問題は、それはそれなりにその国の経過として必要であったからといって制定された法律案だと思うのですが、その法律やあるいは規則、規程というものを直していく、そういう努力というものは、私はこれは当然労働大臣にあると思うわけです。それと同時に、いまあなたが、たとえば百五号については、政府見解ではないけれども労働大臣としていままでの経験から推しても、百五号はすみやかに批准したい、こういう意思表示をされたわけですが、そういう意思表示をされた場合に当然起こってくるのは、たとえば百五号によって、当然国内法として抵触する幾つかの条文、条項というものがあるわけですが、こういったものの運用について、私はやはり一段階水準を高めた形での運用というものがあってしかるべきだ、かように思うわけですが、普通の労働行政の中での労働大臣の、いわばかまえといいますか、これについて、この際、きわめて抽象的な質問ですが、お伺いしておきたい。   〔理事竹中恒夫君退席、委員長着席〕
  136. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 労働行政の立場からの意見、それから、それぞれの法律所管しておられるそれぞれの立場からの意見、これもまた調整してまいることが必要であろうと存ずるのでありますが、労働行政を担当する者といたしましては、その立場からその調整の努力をいたすべきだと思っているのであります。いまの百五号の場合は、国家公務員法地方公務員法における政治活動禁止の条項における懲役刑の規定、これは直接的にかかるのではないかと思うわけでありますが、それは、必要があれば行政処分を行なうということで足りるのではないか、これは私自身の私見でございますが、そういう立場をとっているのでございます。同時に現在、その法律条項というものの運用状態というものをやはり見ていかなければならないのではないかと思っております。一ぺんに、あれもこれもというわけにはまいりません。国家公務員法地方公務員法のこの規定も、それぞれ長い間の議論を通じてでき上がった規定でありますから、八十七号条約もまだ片がつかないうちに取りかかるという物理的余裕の問題もございますので、できるだけ、私どもは私ども立場からそういう努力をしてまいりたい、こう思っている次第であります。
  137. 横川正市

    横川正市君 私は、あなたの内閣を支持する与党の体質的な一つのものの考え方というのがあって、その体質的ものの考え方が、実はあなたの期待を、あるいはあなたの考え方実施するのに非常に苦労の要る点ではないかというふうに判断をいたします。いま増原さんが盛んに「主たる」の問題をもじっておりますけれども、それは自由民主党の政調会の意見というのを見てみますと、百五号条約批准等も関連いたしまして、各項についてなかなかかたい意見があるようです。実際問題として、私はこれらのことが少なくとも新しい日本の労働行政というようなたてまえからすれば、すみやかに一つの方向に向かって解決されるべきものだと判断をするわけですが、この点は論議を再び繰り返しませんが、十分ひとつこの点については御要望として申し上げておきたいと思います。  それから、先ほどもちょっと触れたわけでありますけれども、交渉関係で、第三条では、自由に代表者を選ぶ権利がある。それから十条では、「「団体」とは、労働者又は使用者の利益を増進し、かつ、擁護することを目的とする」団体とし、それから十一条では、条約加盟国は「団結権を自由に行使することができることを確保するために、必要にしてかつ適当なすべての措置をとることを約束する。」、こういうふうなことが明確に明文化されておるわけであります。こういう明文化をしている条約の趣旨から見て、交渉というのは、これは言ってみますと、単なる陳情ではなくして、両者話し合いの上に合意に達したならば、そのことを実施に移す契約を行なうということが私は当然必要なことだというように思うわけでありますし、ドライヤー委員会の日本訪問で、各地を回られていろいろあちこちの労働事情を視察されたようでありますけれども、その離日のときのメッセージの中にも、その趣旨については明確にされておるようであります。私は、こういう明確になった点について、労働省としてはこれからの具体的な考え方を表現する方法としてどういう用意をされているのか、その点を聞いておきたいと思うのであります。
  138. 石田博英

    国務大臣石田博英君) まず前段の問題でございますが、御要望としておっしゃいましたが、私は、こういうことの様式的なと申しますか、国際的な観点からの処理をなかなか困難にしているのは、やはり双方に問題がある。たとえば、法令に対してこれを順守するという観念の普及があるならば、その法令違反に対する処罰というような規定は従たるものに相なるわけでありますが、しかし、法令違反行為が目に余ると多くの人々が感ずるようになってまいりますと、それを防ぐためにやはり罰則を強化しなければならない、こういう議論も出てまいります。それがいい方法であるかないかは別として、そういう議論も出てまいるのであります。したがって、これはやはり双方がお互いの責任と感じて、そうして反省をしつつ改善をしていくべきものだと考えていることを申し上げておきたいと思います。  それから、話し合いをして、交渉をして意見がまとまったならば、これを実施に移す契約を当然行なうべきではなかろうか、こういうことでありますが、これはまあ結局、協約締結権のことをおっしゃっておるのじゃないかと存じますが、この場合はそれぞれの、たとえば公務員その他におきましては他の法令との関係がございますので、これはやはりいろいろ及ぼす範囲が広範でございますから、公務員制度審議会等においてひとつ十分御検討をいただきたいと、こう考えておる次第であります。
  139. 横川正市

    横川正市君 次に、国家公務員関係も地方公務員関係関連事項としてあろうと思うのでありますけれども、管理連帯事項という、そういう銘を打った問題と、それから、交渉の俎上に載せるために労働条件の問題として問題を提起する場合と、両者立場に立って、管理運営事項か労働条件かについて、きわめて長時間論蔵をしても結論を得るに至らないような事態というものを持っておるのが第一であります。  それから第二は、各地で見られるのは、労務管理をするための一つの方法といいますか、そういうことで、管理運営事項というものを前段の防波堤にしておるという、そういうきらいもあるようであります。そのときは一方的な宣言になっておるわけであります。そういった点を勘案してみて、一体管理運営事項というものと労働条件というものとはどういう性格のもので明確に区分して説明のつくものなのかどうか、この点をひとつお聞きいたしておきたいと思います。
  140. 関道雄

    政府委員関道雄君) 管理運営事項と申しますのは、国または地方公共団体の機関それぞれの職務権限に基づきまして、法令上の職務権限に基づきまして、国または地方公共団体の事務の処理として行なう行為、そういうものに関係するのが管理連帯事項でございます。したがって、そのもの自体は勤務条件とは関係がないわけでございます。勤務条件そのものであるわけではございませんが、ただその結果、そういう管理運営事業に関する事項を行なった結果としまして、勤務条件に変動を来たすということはあるわけでございまして、その場合には、その管理運営事項そのものとは別に、勤務条件というものが影響を及ぼすという関係はございますが、両者は全く別個のものと考えております。
  141. 横川正市

    横川正市君 たとえば、公共企業体等の公共企業の場合、企業経営及び企業活動について総括的、統轄的権限で、財産管理及び処分並びに業務計画立案事項というものが管理運営事項だと、こういうふうに一つの何か規定みたいなのがありますね。そうすると、大体考え方としては、管理運営事項というものは、いわゆる企画立案等の、まあいわば、経営人ならば、経営の一つ方針というようなものをきめる段階においては、これはどういうきめ方があっても、そのことは一向に労働条件や勤務条件とは関係がない。ただ、それを実施に移す段階で当然この問題が出てくる。それは勤務条件として団体交渉の対象になる。こういうふうに理解していいわけですか。
  142. 関道雄

    政府委員関道雄君) いま先生がおあげになりました最高方針の企画立案、決定というのがもちろんその中に入ると思いますが、国または地方公共団体の機関が職場権限として行ないます行為そのものは管理運営事項に属するわけでございます。したがって、おっしゃいますように、最高方針決定すること自体も管理運営事項でございますが、それを実施に移す場合の国、地方公共団体の各機関の処分という行政行為でございますが、そういう種類に属する行為は、すべてそのもの自体は管理運営事項でございます。しかし、それに伴って影響を受けます場合の勤務条件というものは、また別個にあるわけでございます。
  143. 横川正市

    横川正市君 具体的に言いますと、いわゆる合理化計画などというようなものは、これは最高スタッフによるところの一つの計画として立案をされるわけです。その合理化計画が立案される過程は、これは管理運営問題だ、それが事実上実施にあたってたとえば人員の増減があるとか、それから配置転換があるとか、あるいは部署その他についての改廃等が伴うとか、労働の質と量その他の過程に変動があるとかというようなものは、これは勤務条件として団体交渉の対象になる、こういうふうに考えられるわけですが、そういう考え方でいいわけですか。
  144. 関道雄

    政府委員関道雄君) たとえば、定員に変動を来たしますその場合は、国家公務員でありますれば、各省設置法等における定員の規定が改正になりまして定員がかりに削減になるということ、そのことは、そういう企画をいたしましてそういう法案を提出する、閣議の決定を仰ぐという行為は、これは管理運営事項でございます。その結果として、各職場において労働が過重になって、非常に従来の勤務の条件と異なった条件のもとに勤務をしなきやならなくなるという結果につきましては、交渉の対象になるわけでございます。
  145. 横川正市

    横川正市君 そうすると、国公法、地公法で管理運営について対象とならない旨を新たに規定をしているわけですが、これは新たに規定をした範囲というのは、いま言ったことを出ないと、こういうふうに理解していいですね。
  146. 関道雄

    政府委員関道雄君) 今回そういう規定を設けましたことについて、管理運営事項について、今度の新しい規定において管理運営事項の新たな内容をそこに与えるという趣旨は少しもございません。
  147. 横川正市

    横川正市君 まあ、これは具体的にはだれが担当するのか、質問いたしますから、担当者は答弁をしていただきたいと思います。  結社の自由委員会の五十四次報告による個人の任用、解雇、懲戒その他の基準等公労法でも地公労法でも交渉の対象とおそらくこれはなるんではないかというふうに書かれておるんじゃないかと思いますが、実際にはこの対象になるのかどうかですね。その点、御質問いたします。
  148. 関道雄

    政府委員関道雄君) ただいまのお尋ねは、人事権の行使としての当局者が行ないます処分に関するお尋ねだと思いますが、そういう場合の処分そのものは管理運営事項に属しますので、そのもの自体が交渉の対象になるということはございません。しかしながら、かりに配置転換のような場合を考えてみますと、配置転換をいたしますと、その転勤の命令そのものは処分でございまして、管理運営事項に属しますから、そのものについて交渉の対象になることはございませんが、配置転換の結果、勤務条件に非常な差異を生ずるということにつきましては交渉の対象になる、かように考えます。
  149. 横川正市

    横川正市君 基準がきめられる場合の基準の設定は、言ってみますと、これはいろいろな結果というのがこれに伴うわけですが、基準の設定というような場合は、これは基準をつくる段階において、たとえば意見を聴取するとか、あるいは意見を言うとかというような対象として考えられるかどうか、この点どうですか。
  150. 関道雄

    政府委員関道雄君) 基準と申しますのは、いろいろな人事権の行使についての基準のことであろうと思いますが、公務員につきましては、それこそまさに法定されておるわけでございまして、それにつきましては、先ほど申しましたとおり、そういう基準を設定することそのことは管理運営事項でございますが、それの結果としていろいろな変動を生じますれば、その変動を生じた限りにおきまして交渉の対象になるわけであります。
  151. 横川正市

    横川正市君 そうすると、基準というものがつくられる過程においては、これは職員団体としては一切意見を言うことはこれはできないということになりますね、いまのあなたの意見では。それから、基準そのものは、これはもう当然職員に対してこれは一つの規制あるいは強制あるいはいろいろな範囲を決定されるというような、いろいろな意味でこの勤務条件、勤労条件に関係することをきめられるわけですね、一つの基準というのは。その場合は、できてしまえばこれは文句を言ってみてもしかたがないことなんで、基準がきめられる段階において当然これは条件にかなう場合には交渉の項目として上がってくるというふうに理解していいですか。
  152. 関道雄

    政府委員関道雄君) 法令で定められておりますいろいろな基準のところにさらにいろいろな基準をつくるかどうかという問題は、全く管理運営事項でございまして、当局の決定するところでございます。その場合、どういうふうにこういうふうな基準を設けてもらいたいというようなことで申し入れをする、あるいは意見を述べるということは、少しも差しつかえないことでございます。
  153. 横川正市

    横川正市君 次に、この新法による交渉の手続について、通常いままでは別に不都合があったわけではないわけですが、一体この交渉の手続で慣行や協定で行なわれたいままでのものを、どういう理由で条文化されて、しかもこれを協議からはずしてしまったのか、その点は理由をちょっと説明していただきたいと思います。
  154. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 交渉の実態というもの、これは漸次改善はされてきておるのでありますが、なおいろいろな問題がございます。で、交渉を効果的に行なって実を結ばせるためには、やっぱりできる限り静粛な環境において冷静に一定の方式をもって行なわれるのが望ましいことだと存じますし、議会審議、いろいろな審議会審議規定は、やはり一定の規定があって行なわれて、はじめていい成果が行なわれ、あるいは議事の進行が見られると思いますので、そういう規定を設けることにいたした次第であります。
  155. 横川正市

    横川正市君 労使間とか、あるいは使用者と被使用者との関係とかというもので、あまりこの法律に縛られて実際上の運用というものを阻害するのには、私はきわめて高い水準に達した場合の一つの形と、最も低い事態におけるものごとの取り運びと、二つあると思うのですよ。で、いまあなたがきわめて静粛な中で交渉したいという考え方から推しはかってみると、この条項というのは、言ってみると、後者に関係する事項で、あなたのほうで一つ法律事項にしたというふうに考えられるわけですね。しかし、このこと自体、実際にはいままでのいわば慣行みたいな形でやられている。たとえば交渉についての手続の話し合いというのは、これは事前に窓口同士が話し合ってものごとをきめていくわけですね。そういう慣行にまかせておくほうが自主性尊重の立場からすれば、より私はいい結果を招くのじゃないかというふうに思うのですけれども労働大臣としては、いまの段階判断をされて、一体、この条項は、水準からいえばどの辺で、それはどういうことなんで、これがどうして必要か、これをひとつ明確にしていただきたい。
  156. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 労使双方とも、労使間における交渉の経験も積み、知識も持ち、そうしてそれぞれが良識をもってこれに対処するという慣行ができてしまうことが一番望ましいと思います。しかしながら、現状においては、なお喧騒のうちに、騒擾のうちに行なわれる事例も決して少なくなく、また、地方あるいは小さな団体、自治体その他においては、労使いずれか、あるいは双方が経験が乏しいという事例も多いのであります。したがって、その手続等は現在の段階においては定めて置くことが適当であろうと判断いたした次第であります。
  157. 横川正市

    横川正市君 きわめて自民党の中で進歩的だといわれる労働大臣判断ですから、あなたもそういういわば判断をするような素材しかなかったのかどうか、これは非常に私としては遺憾ですが、こういうようなものは、慣行にたより過ぎているということは、結果的にはあまりいいことではないかもしれないけれども労使間の自主的な協定事項とか話し合いにおけるメモとか、そういう形のものに持っていかせるような条文にしておくほうが私は取り扱いとしてよりよい方法だと判断をするわけであります。人員から、場所から、何からかにから全部規定事項にしてしまうということは、これは言ってみますと、片一方の力に対して抑圧を加えておいて自分だけが責任のがれをしようとする、そういう便法に使われるための条文ということに私はなると思うのですよ。そういう点から、私はこれは自主的な労使間の協定事項ということにまかすべきだと、こういうように思いますけれども、もう一度ひとつ大臣答弁をいただきたい。
  158. 石田博英

    国務大臣石田博英君) 先ほども申しましたように、すべての人が、すべての使用者の立場にある人、すべての職員団体の代表に立つ人が、十分な経験と良識を持つという段階が望ましいのでありますが、まだそのいずれか一方、あるいは双方が未経験、未知識という状態がなお現在存在をしておると私は判断をいたします。日本の近代的な労使関係と申しますか、近代的な労働法を背景にする労使関係が生まれてまだそうたいした年月日もたっておりません。したがって、私は、こういう規定を設けることは、いずれか一方に抑圧を加えるというのでなくして、両方ともが静かな環境で良識をもって話し合うことができるような条件を整えるということは双方に有利であろう、こう考えておる次第であります。
  159. 横川正市

    横川正市君 私は、これは自主的な組合の交渉にまって取り上げらるべきものであるというふうに考えますし、いままでこういう事態から特別に紛争が起こったというような事例について考えてみますと、それは使用者側に全く労働問題に対して無知であるという場合にのみ起こってくるわけですよ。だから、あなたのいま言われるこういう条文を法律的にきめておくということは、いわゆる労働問題に対して無知な者の保護法律ということであって、実際上はILO条約八十七号批准の精神からは数歩後退した条文だと私は判断をいたします。しかし、現状、あなたの経験がきわめて乏しいようですから、十分これはひとつ検討しておいていただきたいと思います。  それから国公法の百八条の五と地公法の五十五条の第五項の職員団体がその役員の中から指名する者との間と、こういうふうに従来あったものが、改正案で「当局の指名する者との間」とあるのでありますが、この相違点についてはどう理解すればいいのですか。
  160. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 御質問意味をあるいは取り違えておるかもしれないと存じまするが、従来から、やはり交渉に当たる者につきまして、職員団体のほうも役員の中から指名された者、当局のほうも当局から指名された者ということで明確にいたしまして交渉を行なうということが慣行となっておりましたと思うのでございますが、先ほど労働大臣の申されましたような御趣旨から、その点を法律に明確にしようという趣旨でございます。
  161. 横川正市

    横川正市君 この「当局の指名する者」というのは、だれをさすのですか。
  162. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 地方公共団体で申しますると、長がその自分の部下で担当しておる適当な者を指名するということが多かろと思います。まあそのほか特別な場合にその代理者として権限を与えて指名するということもあり得ようかと思います。
  163. 横川正市

    横川正市君 職員の場合は問題ないが、代理者というのは、一体どういうような立場の者が代理者ということになるのですか。
  164. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) たとえば、法律問題などにつきまして、顧問弁護士を代理者に指名するというようなこともあり得ようかと思います。
  165. 横川正市

    横川正市君 労働大臣公労法の九条程度にする考えはありませんか、実際上の取り扱いとして。
  166. 石田博英

    国務大臣石田博英君) これは私の直接の所管ではありませんが、たとえば会社の社長が交渉に当たるときに労務担当重役を指名するというような規定と同じものだと私は思います。
  167. 横川正市

    横川正市君 それなら問題はない。第三者の弁護士だとか言うから……。
  168. 石田博英

    国務大臣石田博英君) それは、相談しなければならぬ場合に、そういう人たちに……。だから、そういう問題がありました場合は、そういう人たちも出すことができるという意味であります。しかし、これは、民間の場合でも、たとえば労務担当重役が出て行って自分で法律問題等わからない場合は、やはり顧問弁護士を出すということもあり得ることだと思います。
  169. 横川正市

    横川正市君 このほか、あと大体十七、八件にわたってあるわけです。具体的にはもっと。何か参議院における法案審議がいささか気の楽な審議のようで、あまり熱の入らない点は非常に残念でありますが、きょうは一応ただいままでの点で、自後の質問については後日に譲りたいと思います。
  170. 安井謙

    委員長安井謙君) 本日はこの程度にして散会いたしたいと存じます。    午後四時四十分散会      —————・—————