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田中一君 こまかいいろいろな問題は、ああいう
市街地改造事業を行なわなければならぬという
地区は、非常にふくそうした、また奇々怪々な契約とか、あるいはまた
実態を見ているわけなんですから、いろいろな
状態があると思うのです。これを
一つのものできめるという、
一つの結論に持っていくということは、むずかしいかと思いますけれ
ども、少なくとも基本的な
態度というものは、これは変わっちゃならぬと思うのです。一人も不幸な者をつくらないという前提に立っておるよい
法律なんです。ところが、これを扱うほうの側でもって、一番最初に申し上げたように、この
事業の
事業者側のほうが非常に
安全率を高めるために、過酷な
措置をすることが多いわけです。たとえば
大阪の例をとりますと、
大阪は約四十億程度の赤字になるだろう、こういうことを公言しております。赤字になるというのは、何をもって赤字というか、
大阪市は
大阪市としての所有する、買収した
土地がたくさんあります。この上に乗るものは、それを損をしないで分譲する場合もあるし、また分譲できずして賃貸する場合もあるし、また、その
建物の中に車庫をつくる、いろんなものをやっております。したがって、損をするという考え方でなくして、金銭的な決済が長引くということにとどまると思う。こういう点もひとつ十分に調べてほしいと思うのです。
それから
大阪市などの例をとりますと、五カ年間償還ということを言っておるのです。それが十カ年にいまなっておるのです。起債は御
承知のように二十年以上になっておるわけです。それから分譲する場合にも、長期の分譲をしておりますけれ
ども、家を持っているものに対しては、ようやく五カ年から十カ年になったようでありますけれ
ども、十カ年で全部のものを払え、こういうわけです。たとえばあの現状をごらんになればわかるとおり、それこそひどいもんです。ひどい
建物に
権利を持っているわけですが、それがりっぱな耐火建築になった場合には、
一つの単価というものは非常に上がってくる。たとえば
補償金もらっても、
補償金の倍あるいは三分の二ぐらいの負担をしなければその
権利が得られない、得ることができないということが多いわけなんです。そうすると、
補償金もらってもその倍ぐらいのものは
自分で金を調達しなければ
自分の
権利が守れないということになるわけです。みんなああいう
人たちは欲が深いわけですから、少しでも損はしたくない、うんともうけようという
気持ちでおります。したがって、金を調達してやる場合でも、一般市中銀行から借りる金利よりも、
大阪市に払う金の金利のほうが安いわけでありますから、もっと長期分譲という形にしてくれ、いわゆる納金を長期にしてくれという要求はどこでもあるわけなんです。これは何も
法律でその貸し付け期間というものをきめたわけじゃありませんから、大体最高どのぐらいまで余裕がとれるものですか、どうですか、伺っておきたいと思う。