運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-03-24 第48回国会 参議院 決算委員会首都高速道路公団に関する小委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十四日(水曜日)    午後一時十分開会     —————————————    委員異動  三月二十四日     辞任         補欠選任      吉田忠三郎君     稲葉 誠一君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         横川 正市君     副委員         野知 浩之君     委 員                 稲葉 誠一君                 二宮 文造君    政府委員        行政管理庁行政        監察局長     山口 一夫君        法務省刑事局長  津田  実君        建設省都市局長  鮎川 幸雄君    事務局側        常任委員会専門        員        池田 修蔵君    説明員        行政管理庁行政        監察局監察官   上野 広二君        建設省都市局首        都高速道路公団        監理官      小田 寿夫君        会計検査院事務        総局第五局長   宇ノ沢智雄君    参考人        首都高速道路公        団理事長     神崎 丈二君        首都高速道路公        団理事      桃井 直造君        首都高速道路公        団理事      八島  忠君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○首都高速道路公団に関する件     —————————————
  2. 横川正市

    委員長横川正市君) ただいまから決算委員会首都高速道路公団に関する小委員会を開会いたします。  まず、小委員異動にいって御報告いたします。  本日、吉田忠三郎君が小委員を辞任され、その補欠として稲葉誠一君が小委員に選任されました。  以上でございます。     —————————————
  3. 横川正市

    委員長横川正市君) それでは、三宅坂地区における高速道路建設工事等に関する件を議題とし、調査を進めます。  質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  4. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 行政管理庁行政監察局長おいでになっておるわけですか、行管として首都高速道路公団について行政監察をやったことは何回ぐらいあるんですか。
  5. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 行政管理庁といたしましては、去る昭和三十七年の八月から十一月にかけまして、公社公団事業団等二十余りの特殊法人対象にいたしまして、いわゆる横断的な監察をいたしました。その際、監察の一環といたしまして、首都高速道路公団につきましても監察をいたし、その結果を監督官庁建設省勧告をいたしております。
  6. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 行政監察月報No・47」一九六三年八月号と「No・56」一九六四年の五月号、これは二つの号があるわけですが、古いほうからいうと、どういう点を行政監察して、どういうふうに直さなければいけないとか、いろいろな点について指摘をしたわけですか。
  7. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 各公団公社を通じまして、ただいまお話しのような監察をいたしたのでございます。その結果につきまして、大きく分けまして、公団公社監事制度の問題、これが一つと、第二に公団公社における業務運営について監察をいたしたのでございます。業務運営につきましては、主務官庁公団に対する管理監督の問題並びに公団内部運営についての問題、この二点につきまして監察の結果を勧告いたしております。
  8. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 最初の六三年の八月号に出ておるところを要約して御説明願いたいのですが、一つは、「指名業者選定に当っては「指名業者選定に関する事務処理要領」に基づき、毎年度、指名を願い出た業者を評点し、業者序列順に「指名業者一覧表」を作成をすることにしているが、業者信用度業務成績等に関する審査が不十分である。」、こう指摘していますね。これはどういうことですか。「業者信用度業務成績等に関する審査が不十分である。」と指摘されたんですから、具体的にどういう点があったんでしょうか。どういう業者といっても、業者名前を出すということはいろいろ問題があるでしょうけれども、それは含んでいただいてけっこうですけれども、これはどういうことがあったんですか。
  9. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) ただいま、公団内部運営につきましてのうちで、公団指名業者選定の問題についてお尋ねがございました。結論といたしまして、契約業務関連いたしまして、指名業者選定方法、それからその際の資料となる指名業者一覧表と申しますか、そういうものをつくっておるという点につきましては、一応現場調査で確認をいたしたのでございますが、さらにそれを立ち入りまして、業者信用度の問題、あるいはこれまでの業務成績等に関する審査については、財務諸表その他のチェックが必ずしも十分でなかったというような点からいたしまして、審査が不十分であったという一応の結論に達したわけでございます。何ぶんにも関係業者がたくさんございますし、個々の具体的の問題につきまして、なお足りない点につきましては、説明員に補足をさしていただきたいと思います。結論として、そういう審査が十分でなかったという結論が一応一つ出ております。
  10. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いまのは、ここに書いてあることと同じくらいですよ。もう少し何とか内容的な話で、どういう点が具体的に不十分であったのか、あなたのほうではこうやって月報で公表するまでに書かれるんですから、ある程度具体的なものがあったんじゃないでしょうかね。そうでなければここまで書かれることはないと思うので、その点具体的に説明をしていただけないでしょうか
  11. 上野広二

    説明員上野広二君) お答えいたします。業務内容につきまして個々業者登録状況を調べた結果なんですが、業者の出してくる決算諸表であるとか、あるいは業者がいままで過去に行ないました実績といいますか、工事施行状況であるとか工事進行状況であるとかいったような結果のこまかい点についてのチェック公団としては十分になされてなかった、こういうことでございます。
  12. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それは公団としてはどこが責任持ってやることになっているんですか、これは公団のほうの方でも。
  13. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 公団といたしましては、経理部契約課の担当の仕事になっております。
  14. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いまの点は、行管から指摘されたんですか。
  15. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 行管からお話がありましたとおり、こういう御指摘がございました。
  16. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 指摘があったのはいつごろですか。そうして、どうしたんですか、あなたのほうとしては。
  17. 桃井直造

    参考人桃井直造君) この指摘は、実は直接は建設省にございまして、建設省のほうから私のほうへ連絡があった、こういう意味で私のほうかこの内容を了知した、これは三十八年の六月かと思います。
  18. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、ちょっと開き漏らしたのですが、行管監査があったのはいつで、建設省のほうへその結果が行ったのはいつで、それが道路公団のほうにいったのはいつと、こういうふうになるのですか。
  19. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 行政監察は、直接政府の機関に対する監察でございますので、したがって、私ども主務官庁である建設省公団監督上いかなる措置をとっているかという点に着目いたしまして、監察対象といたしましては、建設省対象にいたしております。そして、実際は調査公団についていたしますが、監察は、先ほど申しましたように、三十七年の八月から十一月にかけて実施いたしました。その結果、三十八年の六月に業務関係勧告建設大臣に対していたしておりますしなお、監察の他の部分でございます監事関係勧告は、それに先立ちまして三十七年の十一月にいたしております。
  20. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 いまのを見ると、実際の監査をやってから建設省に対する勧告までの間に半年ぐらいあるのですが、これはいろいろ理由はあったのかもしれませんが、この点はきょうはあれしませんが、その第二のところで、「工事等請負業者に対し、工事用資材支給に関する通達に基づき、資材支給を行なっているか、」云々、これは価格の問題が最初に書いてありますね、「購入方法について検討の必要がある。」、これはどういうことなんですか。
  21. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 価格の問題が、当時工事に使います主要な資材がかなり景気の影響を受けまして変動いたしていたにかかわらず、その変動が実際の工事にあたって必ずしも反映しないような方法で購入するような契約になっていたという点を指摘いたしたのでございます。この点につきましては、勧告の結果、勧告の線に沿った措置がその後とられております。
  22. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そのあと本件に直接関係してくるのですが、「なお、支給資材残材処理等に関し適切でない事例がみうけられる。」、こういうように行管監察しておるのですが、これは具体的にはいつごろからいつごろまでどういうような方法でそれを行なったのでしょうか。
  23. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) これは監察関連いたしました公団調査の途上におきまして具体的の事例としてあがってきた問題であります。具体的の事例でございますので、必ずしも全部を尽くしていないかと思いますが、こういう事実があったということからこういう結論が出たのでございますか、いつどこにどういう状態にあったかということにつきましては、ちょっと調べさせていただきまして、監察官が申し上げます。
  24. 上野広二

    説明員上野広二君) こまかい点につきましては、ちょっとそこのところ資料がありませんので、あれですが、倉庫保管中に資材かそのまま捨てておかれておった、工事残材あたりが一年ないし二年若干そのままにされておったというような事例があったわけであります。
  25. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 これはあなたに直接に言わなかったかもわかりませんが、行管監察月報に基づいて聞くということはあなたのほうでおわかりになっていたのじゃないかと思いますが、はっきりしません。そうすると、「支給資材残材処理等に関し適切でない事例」というのは、具体的にはいつごろあって、どんなことだったのですか、数量等はどういうふうになったのですか、もう少しはっきりしたものを出していただきたいと思うのですが、これが本件の問題と関係してくることになると思うのです。
  26. 上野広二

    説明員上野広二君) こまかい報告書をいま取り寄せますので、ちょっとすみませんが……。  調査時点において、倉庫名前が、具体的に私たち監察しましたので、あがっておるのでありますが、二カ所の倉庫残材がそのまま置いてあったという事例を見つけたわけであります。
  27. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 それはあとからでも知らしていただければいいと思うのでありますが、そうすると、材料使用管理について公団側に不備があるというか、そういうふうになると、こう思うのですが、それについてはどういうふうにしたらいいということを勧告したわけですか。ただ適切でないという事例か見受けられるだけではないので、適切でないから、一体具体的にどういうふうにしたらいいのかということを行管側では一体だれに指示したのか、やっぱり公団には直接でなくて建設省側にしたのか、そういうたてまえになっていたとしても、行管監察のときには公団の人も立ち会っているはずだと思いますが、そこで何らかの形での勧告というものが事実上行なわれたのではないかと、こう思うのです。そこはどうなんでしょうか。
  28. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 行政監察やり方といたしまして、たとえば公団につきまして、いま申しましたように、契約内容契約方法なりあるいは残材処理等につきまして調査をいたしました結果、将来建設省監督か適切にいくようにという意味におきまして、それらの事態、それらの事例を基礎にいたしまして、こういう点に問題があるというような要点を集約いたしまして、それを勧告として、普通相手大臣行管長官から送っておるのでありますか、それで、公団内部運営につきましての勧告といたしましては、したがって非常に抽象的な内容にならざるを得ないのでございまして、ただいまお話のございました契約方法なり残材処理方法なりについての内容は、一応報告には載っておりますが、それは勧告説明として、勧告そのものをわかりやすく理解していただくために説明としてあげておるのでございまして、勧告そのものはそれらの事例から抽象されました非常に方針的な事柄にとどまっておるのであります。そのお手元にございます資料の中で、公団内部運営についての勧告といたしましては、業務契約について勧告をし、その勧告内容は、「公団契約業務に関し、下記事項改善について、適切な指導、監督を行なう要がある。」といたしまして、「(1)工事請負業者選定を適正に行なうため、業者登録に際して、業務成績等審査を十分行なうこと。(2)工事用資材支給については、従来の慣習をとう襲しているか、市場価格を反映するような購入制度検討して、工事の能率的、経済的な実施に努めること。」という、この二点を内容といたしまして、かなり抽象的ではあるが、同時に根本的な事柄勧告内容として、それを勧告いたしておるのであります。その勧告説明として、ただいまお話のございましたような内容を一応併記いたしまして勧告をいたしておりますが、勧告そのものといたしましては、いま読み上げました内容が、公団内部運営についての、特に契約事務についての勧告でございます。この勧告に対しまして、建設省において勧告検討され、その検討されました結果として建設省から回答行管長官に来ておるわけであります。
  29. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 私の言うのは、抽象的な一般的な勧告勧告として、やはり具体的な事実を指摘しての勧告というものが、これは法規上は建設省を通じるにしても、面接公団に対して相当監察のときにそういう指示がされるのではないですか。しないのですか、それは。
  30. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 指示と申しますか、こういう事実があったという程度のことは話し合いの途中で注意することがあると思いますが、公の公示としての勧告といたしましては、個々指摘でなくして、全体のやり方なり運営改善なりについての勧告という形になっておりますので、勧告といたしましては先ほど申しましたような内容でございます。
  31. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その勧告は、三十八年の六月にやったわけですね。そして、それに対する回答があったのはいつなんですか。これは建設省からあったわけですか。
  32. 山口一夫

    政府委員山口一夫君) 三十八年六月の勧告に対しまして、建設省から三十九年の二月に回答があったわけであります
  33. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 二月にあったのは、二月二十五日にあったわけですね。  そうすると、これは建設省にお伺いするのだけれども行管勧告があってから回答まで半年以上−七、八カ月かかるわけですね。それはどういうわけですか。その間建設省としては何をしていたわけですか、この公団関係で。
  34. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) 勧告があったのは、先ほどからお話があるとおりでありますが、その後、建設省としては、その勧告に応ずる内容についての事実上の連絡と申しますか、それについては、具体的に公団とも相談いたし、それに関する具体的な事件の処理は一応何らかの措置はしておるというように考えておるわけでありますが、この勧告に対する回答は、これは私もなぜおくれたかということの理由をつまびらかに申し上げかねる点もありますが、行管からの勧告には非常に基本的な問題もたくさん掲げられておる点もございますし、またそれ以外にもいろいろあったかと思いますが、そういう点についての回答を十分にいたしますために、いろんな検討を重ねるための時日を要したのではないかというふうに考えておるわけであります。
  35. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 その時日を要したのはまあそれとして、じゃ具体的にこの勧告が出てから、これに基づいて、ことに「支給資材残材処理等に関し適切でない事例がみうけられる。」、こうあるわけですから、それに関連をして、建設省公団との間でどういうような接触といいますか、そういう、ふうな事態処理関連をする指示といいますか、改善というか、それはどういうふうにしたんですか、具体的に日にちを辿ってひとつ説明を願えませんか。そのときに、公団側は、一体建設省側指示ということについて——現場でやる場合もあるし、あとで呼ぶ場合もあるし、建設省側公団に行った場合もあるかもわかりませんが、公団側は一体だれが立ち会ってそういう指示を受けておるのか、こういう点をひとつ明らかに日を追って説明してくれませんか。
  36. 小田寿夫

    説明員小田寿夫君) 行管から御指摘を受けました事実として、この資材について私どもが聞いておりますのは二件ございまして、これは計画変更等によりまして、資材使用量が減少して余剰材が出ましたが、それをそのまま工事現場に長く保管しておった。その事例といたしまして、第一は、第二建設部所管で万年橋の工事用といたしまして資材が購入されていましたが、設計変更により五百五十八本が残っておりましたのを、そのまま現場に保母をしておったという事例でございます。これにつきましては、御指摘後、三十七年八月の一日に支給決定を行ないまして、新金橋架橋工事そのほか他の一件の工事転用をいたしております。それからもう一つ事例といたしましては、第一建設部関係で、小川運輸倉庫に、この調査のときに四十九本の資材が在庫していましたが、これは三十五年九月九日購入されたものでございまして、二カ年を経過しておったものでございます。この件につきましては、設計変更によりまして三宅坂工事にこれは転用をいたしております。建設省といたしましては、行管から御指摘を受けました点につきましては、直ちに公団に対しまして指示をいたして、その趣旨に沿って措置をするように命じておるわけでございますが、行管に対する回答は、行管の照会に基づきましてこれはその後行なわれましたような事情でございまして、先ほど局長から申し上げました点等もあったことと存ずる次第でございます。具体的な日付等につきましては、ちょっと私つまびらかにいたしておりませんので、またあとでお答えいたします。
  37. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 この回答を見ると、「なお、支給材保管方法および残存処理についても適正な措置がとられるよう努めさせたい。」——これは建設省回答でしょう、去年の二月二十五日の。これに基づいて、具体的に公団側にどういうような指示をしたのですか。文書でしたならしたとか、口頭でしたなら口頭でしたとか、そういう点はどうなんですか、これは日を追って説明できませんか。
  38. 小田寿夫

    説明員小田寿夫君) 御質問の点につきましては、行管から御指摘を受けまして、直ちに公団のほうに連絡をいたしまして、公団のほうでもその御指摘事項につきまして事後措置検討させたわけでございます。なお、資材支給につきましても、そのような御指摘事例がございますので、今後そのようなことのないように極力適切な措置を講ずるようにという、抽象的でございますが、指示をいたしたわけでございます。
  39. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 あと二宮さんがこまかい具体的な事実について質問されるそうですから、私はもうこれで終わりますが、具体的に建設省はどういうような適正な措置がとられるように努力させたのですか。どうもはっきりしないが、いまの話も、あなたのほうで公団の人を呼びつけたのですか、あるいは文書でやったとか、あるいは建設省自体保管場所を見るとか、工事材料がどういうふうに使用管理されておるかということを調べたとか、いろいろな点があると思うのですが、そういう点具体的に何をしたのですか。ただ行管から来たから、こういうふうな措置をとるようにと、そういうことだけを口頭で言ったと、こういうふうな程度なんですか。そこらへんのいきさつがどうもはっきりしないのですが。
  40. 小田寿夫

    説明員小田寿夫君) お答え申し上げます。行管の御指摘を受けましたことにつきましては、具体的に公団には指示をしたわけでございますけれども、具体的にどういう形で、だれがということにつきましては、ちょっと当時の関係者でございませんので、いま直ちにお答え申し上げかねる次第でございまして、まことに恐縮でございます。
  41. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 じゃあ、公団側ではどうなのですか。建設省から、支給材保管方法とか残材処理について、いつごろ、一体だれから、だれがどういうふうな指示を受けたのですか、そこははっきりしないのですか。受けなかったのですかな。
  42. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 行政管理庁の御指摘がありましたその事項について、すぐ総務部総務課連絡がございました。ちょっと日にちは覚えておりませんが、月数は先ほど申し上げましたようにやはり三十八年六月でございました。総務課連絡がありまして、総務課からそれぞれ所管のところに役員会議を通して連絡かあったわけでございます。
  43. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、いまの支給資材残存処理等についての問題は、分団としては、理事長とか理事とかいう方も、そういうようなところで建設省側からも指示をされているということは知っていたわけですか。
  44. 桃井直造

    参考人桃井直造君) このような実は残材処理に手落ちがあったことは存じておりました。御指摘がございましたので、すぐ気がついて、この問題は、それぞれの工事場転用をいたしました。
  45. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、まあ行管から指摘されたものはそれとして、それでは将来そういうふうな問題が再び起きないようにとか、あるいは支給資材が横流しされないようにとか、こういうふうなことについての一つの方策というものについては、ここで特に立てたようなことはないのですか。
  46. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 残材処理につきましては、二点の問題につきまして御指摘がありましたので、今後こういう残材について、こういうような手抜かり、連絡不十分があってはいかぬと、こういうことで、契約課残材報告をさせるということを一そう励行させるようにいたしました。そして、契約課と申しますのは、御承知のように、新しい鋼材を各現場から請求を受けて買うところでございます。そこで残材をはっきりつかんでおりまして、ある工事場でこういう鋼材がほしい、こう言って請求してきたときに、必ず残材を見まして、その残材があれば、まず残材支給していく、こういうような処理を特に励行するように、この御指摘を受けてからいたしておるわけであります。
  47. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 もう少しですが、そうすると、「請負工事において工事用材料支給し、又は貸与する場合の事務処理に関する達」というのがあるわけですね、公団できめたこの九条によって、財産管理命令職というものが、請負人に材料支給したときは、請負業者をして、毎月支給材料使用管理状況一覧表というのを提出させることになっている、こういうふうなことになっているようですが、この支給材料一覧表というのは毎月現実に出ていたものなのですか。これはどこに出したのですか。
  48. 桃井直造

    参考人桃井直造君) これは毎月業者から出張所に出ておりました。出張所でそれを受けておりましたわけであります。
  49. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 出ておって、そうするとその使用なり保管状況というものは一覧表と合っているか合っていないかということは確かめないのですか。
  50. 八島忠

    参考人八島忠君) 西松建設関係工事現場について申し上げますと、最初比較的鉄筋等を使う仕事が少のうございましたが、一、二回現場のほうで、使用状況管理状況一覧表とそれから現物とを照合したことがございます。それは工事最初でございます。そのときには、きちっと帳簿と、それから一覧表と、それから現物とが合っておった例が一、二回あったわけでございます。その後だんだん工事が非常に忙しくなってまいりまして、鉄筋の量も非常にどんどんふえてくるというような状況になりまして、私のほうの人手の問題等もございましたのと、それから最初に一、二回そういうことをやりましたために、業者を信頼できるというような印象を持ったわけでございます。それからあとは、まことに申しわけないのでございますが、当初だけ一、二回やっただけで、それからあとはやっていないのが実情でございます。
  51. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 最初は合うのはさまっているんじゃないですか。最初から合わなければおかしいので、途中でのあれが問題だと思うんです。そうすると、毎月支給材料、使用管理状況一覧表というのは現実に出ていたことは間違いないんですか。しかも、出ていて、それがどういうふうなルートを渡って、公団側の最終的にはどこへ行って、決裁というか、何かを求めることになっているんですか。
  52. 八島忠

    参考人八島忠君) 業者のほうから三宅坂土木出張所のところへ提出されまして、それが第二建設部長の手元まで出されるわけでございます。
  53. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、第二建設部としては、別にそれに従っておったら、そのとおり違いないだろうということで、ハンコを押しておった、こういうことですね。——そうすると、いまの状況一覧表と設計書によるところの使用材料との関係の確認は、それはだれがやることになっているんですか。
  54. 八島忠

    参考人八島忠君) これは毎月の工程表によって資材の請求をするというたてまえにはなっております。これもやはり当初のうちにはそういうふうにいたしましたが、三十八年の三月ごろと思っておりますが、そのころに、いわゆる鉄鋼関係の操短というようなこともございましたので、非常に鉄鋼関係の入手かむずかしいという状況が一時あったわけでございます。そういうような関係で、毎月毎月の工程表のとおりに品物が入るという見通しがつかなくなりましたので、その時点から先におきましては、できるだけ買えるだけ買おうじゃないかというような気持ちから、できるだけ多くの資材の入手できるものを契約したというのが実情でございます。
  55. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 私の質問は、きょうはこの程度ですけれども、会計検査院の方来ておられるんですか。——会計検査院の決算報告昭和三十八年のをこの前ずっと調べてきますと、あなた方のほうで指摘したことと、それから公団側で言うのと、違うわけですよ。あなた方のほうでは、こういう点も不当だと言っても、公団側は、いやそれは不当ではないのだと言っているところが、最初のところなんかあるわけですね。たしか三点にわたって指摘されていると思いましたが、ぼくは何も会計検査院の報告どおりに全部が正しいという意味じゃなくて、それは見方の相違や何かがあって違う意見かあり、それが合理的な理由があればそれでもいいんですが、会計検査院の指摘したものと公団側の言い分とが違うわけですよ。どうしてそういうようなところか出てくるんでしょうかね。
  56. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) まず最初の第一点でございますが、これは私実はこの前当委員会に出ておりませんでした関係で、公団側でどういう御説明をされたか、速記録でしか存じませんが、まずクレーンの点でございまするが、私のほうでは、この白魚橋の工事に悔いますクレーンは、重量としては大体一トン未満のものを材料置き場から運ぶものでございますので、これに使いますクレーンも三トン程度のもので十分じゃないか、こう考えておったわけでございまして、公団側としましては、何かこの十・五トンのほうが便利であるから、それでそういうふうな積算をしたのだ、こういうふうに言われておりますけれども、これはあくまで予定価格の積算でございまするので、できるだけ安いほうがいいわけでございます。それで私のほうでは、なるほど公団側がおっしゃるように、十二五トンのものを使っても、それで経済計算が三トンのものを使うよりも経済的であるというような御説明であれば、それで納得できるのでありまするが、私のほうで計算しました経済計算では、三トンのものを使ったほうが、仕事もそれで十分間に合うし、経済的にもそのほうが得であるということで、枝算としては三トンでいいんじゃないか、こういうことでございます。  それから第二点は、たしかこれは型ワクの問題だったと思いますが、この型ワクの点につきましては、一方でこの型ワクを清掃する人夫というものを見ておりながら、さらにそれと同じものをダブって空気圧縮機の使用を見込んで計算したということで、二重計算があるので、この点はおかしいんじゃないか。これは一応公団側とされても納得されておられるようでございますので、この点につきましては、そう争いはないものと考えます。  それからその次は、検査報告で申し上げますと一八九ページの(2)のところで、最後の七百五十四万一千円の指摘に対しまして、公団側ではさらにこれに十六万何がしかのプラスをされて、実際は七百七十万二千円というものを業者から返させる、こういうことでございますが、この計算が私のほうが過小になっておりますのは、これは実際にこの型ワクを使っておらないわけですから、つまり型ワクを拡大計算しているわけですから、私のほうとしてもはたして現実にどういう型ワクを使うかということかわからなかった関係で、安いほうの型ワクで一応積算したわけでございます。一応つまり低目に批難したわけでございます。ところが、あと公団側でいろいろ折衝された関係から、半分くらいは上等なやつを使ったのだ、これは従来の実績からそういう計算をされたんだろうと思いますが、それで金額が……。  それから、(3)の百四十九万八千円の本院の批難に対しまして、六十四万四千円に変わってきたわけでございますが、これは実はちょっと経過を申し上げないとなんですが、実は本件につきましては、私どものほうの実地検査を三十九年の六月二十二日から七月三日にかかってやったわけでございます。これについての照会を出しましたのが九月十七日で、これに対して公団から回答をいただきましたのが十一月の二日で、その間約二カ月間の時日があります。その間、公団側でも本院の申し出に対しまして十分調査されたことはもちろんでございますし、私どものほうでもその間公団といろいろ折衝いたしまして、最後に十一月二日になって回答をいただきましたので、その間二カ月ほどの期間を経過しておりますので、十分その金額については誤りがないということでこの報告書ができたわけでございますけれども、この報告書をその後内閣に送付いたしましたのは三十九年の十二月三日でございまするが、本件の金額が変わってまいりましたのは、その後公団のほうで御調査になった結果、ごく最近になりまして新しい事実が出てきまして、これは全く公団側の誤認といいますか、私のほうでもそこまで——間違った原因が地中に埋まっている構造物なものでございますから、公団側のほうでお調べになって報告がないと、私のほうとしてもちょっと確認がなかなかできかねるので、この点、まああとになって金額が変わってきたということははなはだ遺憾でございますけれども公団側からそういう御報告をいただきましたので、その事実を私のほうで確認いたしまして、こういうふうに金額が変わってきたと、こういうわけでございます。
  57. 横川正市

    委員長横川正市君) 先ほどの稲葉君の質問に対して、上野監察官の答弁が、もし用意ができていれば、ちょっと補足していただきたい。
  58. 上野広二

    説明員上野広二君) 先ほどの残材処理につきましてのこまかい資料をいま取り寄せましたので、お答えいたします。  一つは、第二建設局の万年橋工事でありますが、この工事は三十六年十二月に一応終わっておるのでありますけれども工事契約に先立って三十六年の七月十一日に鋼材七百六十本を購入契約をしております。ところが、自後設計変更がありましたために、そのまま使用されないで残ったものが五百五十八本、そのうち使用したのは二百二本ということになっております。これはそのまま工事場保管されたままになっておりまして、先ほど建設省から御答弁がありましたとおり、その後の処理変更は適切に行なわれたものと認めます。  それからもう一つは、第一工事建設局関係でございますが、これは小川運輸倉庫保管されておりました鋼材四十九本、百八十四キログラム、これは三十五年の九月に購入されたものでありますが、その後私たちが調査した時点において——三十七年の八月でありますが、そのまま保管されていたという状態であります。これも、先ほど答弁がありましたとおり、その後処理されたものと認めます。
  59. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、返すべき時期と現実に返した時期との間のズレは、前のほうはどのくらいなのです。あとのほうはどのくらいなのです。それから価格において大体どのくらいの程度つのですか。
  60. 上野広二

    説明員上野広二君) 購入契約を締結されましたのは三十六年の七月でありますから、私たちが残材を発見いたしましたのは——そのうち残材は五百五十八本でありますが、発見いたしましたのは三十七年の八月でございます。したがいまして、その間一年数カ月というものが経過されております。金額につきましては、私たち調査をいたしませんでしたので、はっきりいたしておりません。  それから、第一建設局関係につきましては、三十五年の九月に購入されたものでありますので、調査した時点におきましては、やはり二年近く、一年数カ月でございます。
  61. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 納入されたときと、それから返されたときとの間の日にちの計算では、ちょっと違うのじゃないかと思うのですがね。納入されたのだけれども、現実にもうそれは使われなくていいということになってからそのまま放置されておったのが、前のほうは何年ぐらいだろうか、あとのほうは何年ぐらいだろうか、そういうことですね、聞いているのは。
  62. 上野広二

    説明員上野広二君) ただいま申し上げましたのは、残材として決定されたのが三十六年十二月でございますから、それからの計算でございます。それから、あとのほうの第一建設局関係も、これは工事使用されておりませんので、はっきりいたしておりませんけれども、購入されたまま約二年を経過しておる。これは工事には使用されておりませんでした。
  63. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、公団側では、いまの第一の場合、第二の場合のあれは、金額にすると幾らぐらいのものだかわかりませんか。
  64. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 一の場合の金額、これは本数で五百五十八本でございますが、約五十万円ぐらいです。それから、二の場合は、四十九本でございます。これは約七千円ぐらいの計算になるわけでございます。こういうことでございます。
  65. 稲葉誠一

    稲葉誠一君 そうすると、いまのは、本数としては多いけれども、金額としては少ないからということで、あなたのほうでそこまで目が届かなかったと、こういうことなんですか。
  66. 桃井直造

    参考人桃井直造君) 金額が少ないということは一つも実は考えておらないのでございますが、たまたまこの二つの現場で早くほかへ転用する残材連絡不十分で転用しかねて、ついに御発見になった。まことに恐縮いたしておる次第でございます。
  67. 二宮文造

    二宮文造君 この決算委員会で小委員会を設けられておりますが、御承知のような首都高速道路公団の汚職の事件について若干お伺いしたいんですが、その前に、法務省の方、刑事局長さんも見えておるようですから、事件の概要を確認の意味お話し願いたいと思うんですが。
  68. 津田実

    政府委員(津田実君) お尋ねの点は、すでに資料を差し出してございますが、概要を申し上げますと、まず、首都高速道路公団汚職事件につきましては、同公団が西松建設株式会社関東支店に起工させましたいわゆる三宅坂地帯地下インターチェンジ工事にからむ贈収賄事件がまず第一と考えられますが、同事件につきましては、昭和三十九年十二月二十五日、公団職員一名、業者五名を東京地方裁判所及び東京簡易裁判所に起訴いたしております。それから第二は、元首都高速道路公団第二建設部長等にかかる贈収賄事件でございますが、これは最近警視庁から東京地方検察庁に対しまして事件送致が行なわれておりますが、目下同検察庁において捜査中でございます。なおまた、第三には、西松建設株式会社関東支店の社員等が公団支給資材業務横領を行なったという事件につきましては、同建設会社社員五名を昨年十二月三日及び十二日東京地方裁判所に起訴いたしております。それがこれらの関係事件の概要でございますが、もし内容につきまして詳しく申し上げるとすれば、また後に申し上げます。
  69. 二宮文造

    二宮文造君 ちょっと聞き漏らしたんですが、第二の事件のことについてもう一度。
  70. 津田実

    政府委員(津田実君) 第二の事件は、首都高速道路公団第二建設部長伊東何がしという者を中心として、業者からその者が収賄をしたという事件につきまして警視庁から送致がございました。その送致は本年の一月二十九日でございますが、その事実につきましては、目下捜査中でございます。
  71. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、公判前であまり内容に立ち入ることはどうかと思うんですが、いま第二の事件と言われますのは、新聞報道によりますと——十二月十三日の新聞報道ですけれども、大成とか飛島とかの捜査の中から収賄の疑いが起こってきたということに関連する問題ですか。
  72. 津田実

    政府委員(津田実君) さようでございます。
  73. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、第一の事件と、それから第三、いわゆる起訴された二つの問題については、もうすでに捜査の段階は終わっているわけですか。
  74. 津田実

    政府委員(津田実君) 公訴提起をいたしておりますので、捜査は終わりましたが、内容につきましては、公判前でございますので、ある程度一般的にはちょっと申し上げかねる点もございます。
  75. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、この起訴状にあります贈収賄事件の中で、非常に抽象的なんですが、「指導監督、既済部分検査願の審査等に関し、種々便宜寛大な取扱いを受けたことの謝礼並びに将来も同様の取扱いを得たい趣旨」ということをもう少し説明していただけませんか。
  76. 津田実

    政府委員(津田実君) この部分につきましては、具体的にはいろいろのやりとりがございまして、それをかように起訴状において抽象化いたしているわけでございます。したがいまして、内容につきましては、それぞれの証拠に関連する問題でございますので、ちょっと申し上げることは差し控えます。
  77. 二宮文造

    二宮文造君 そうしますと、第一の事件は、起訴状によりますと、昭和三十八年十二月十八日まででございますね。そのどちらも、そういうふうに犯罪事実一覧表に出ているのですが、その後の問題に関しては捜査はされたのでしょうか、それはまだ捜査の段階なんでしょうか。
  78. 津田実

    政府委員(津田実君) その後の部分につきましては、もちろん捜査をいたしたと思いますが、あるいはその後の部分にありとして追起訴等の措置が行なわれるかどうかにつきまして、ちょっと申し上げかねます。
  79. 二宮文造

    二宮文造君 次に、建設省の都市局長にお伺いしたいのですが、この前衆議院の決算委員会建設大臣が出席されて答弁になったときに、調査中なので、事件の概要についてはよくわからない、自後また報告するというふうな答弁をされているわけですが、主として工事の検査とか、そういう部分について建設省側調査されたことがあったら聞かしていただきたい。
  80. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) いまいろいろお尋ねがございました中で、工事に関する件というのは、西松建設事件に関する問題であろうと思いますが、三宅坂インターチェンジに関する工事、この件に関連してどういうふうになったかという調査のお尋ねかと思います。この件については、すでに当委員会、その他の委員会におきましても、公団側から、また建設省のほうからも御説明申し上げておりますわけでございますが、端的にこの事件によって工事の手抜きがあったのではないかということが一番の問題であるわけでございますが、この工事に手抜きがあったかどうかということにつきましては、従来の工事監督状況から見まして、また残材その他いろいろな調査の結果わかりましたスクラップ分、その当時のものを合計いたしましたその数量、それから横流しされたこの資材の量から見まして、本件に関する工事につきましては、心配することはないというふうな御答弁を申し上げておるわけでございます。もちろん、工事を全部終わったわけでございますから、その状況がどういうふうになっているかということは、これは実際に調べなければわからないわけでございますが、私どもとしましては、そういう資材状況、それから今日までの工事関係についてつくられました資料等を十分に勘案いたしまして、そういう結論を出しておるわけでございまして、これにつきましては、たびたび資材の数量、その内容等について御説明をいたしたとおりでございます。
  81. 二宮文造

    二宮文造君 これは新聞報道で、当時の報道ですから、その意味でお伺いするわけですが、この事件が発覚しましたときに新聞で伝えられました問題の安全性ですね。道路の安全性という問題に関してこういうふうなことも言っているわけです。「首都高速道路公団では、問題の西松建設施工地区について、くわしい検査を重ね、安全性を再確認することになっているが、必ずしも設計書どおりでなくても、いますぐ大型重量車の通行などに危険があるというわけではなく、長年の使用によっていたみが早くなる——といった欠陥か指摘される程度だといっている。」新聞ではこういうふうに言っているのですが、事実こういうふうなことですとたいへんな問題になるのですが、この点について建設省としては何か資料に基づいて、あるいは実施のあれに基づいて、指導、監督の立場から検査をされたことはありますか。
  82. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) ただいまお話の中には、設計書どおりでなくともというようなことがございましたけれども、私どもは設計書どおりに即して行なわれておるというふうに考えておるわけでございます。ただ、その裏づけをどうして調べるかということが問題でございますが、その点につきましては、この事件が発生いたしました後に、建設省の事務次官のところにおきまして、こういう点についての技術的な面をどうして検討すればいいかということを相談いたしまして、関係者がいろいろの角度からこの点に関してその当時においてでき得るだけの配慮をいたしたわけでございまして、工事の検査の日誌あるいは写真その他いろいろな残されている資料等を十分検討いたしまして、また、先ほど申し上げましたような公団側におかれまして実施されました工事の検査の状況、そういうことから私どもは設計書どおりに行なわれておるというふうに確信いたしておるわけでございます。
  83. 二宮文造

    二宮文造君 われわれしろうとの考えからいきますと、資材が横流しをされた、すると、直観的に感ずるのは、どこかに工事の手抜きがあったのではないか、これはしろうとが考えて当然の結果だろうと思うが、しかも、その工事現場は、地下に埋没されて、どれだけのものが使用されたかわからない。時日が経過しなければ手抜きのところが発見できない。現に私たちがいわゆる建物なんかを見まして、確かに竣工検査もしている、そういう場合にあっても、検査に全然手落ちがなくても、三年、五年してきますと、あっちこっちでいま指摘されているようにずさんな工事が発見されるわけです。特にこの高速道路の場合は、ただ紋切り型に、資料に基づいて検査をした、あるいは埋没しているためにそれは破壊検査も容易でない、ただ設計書どおりにできているであろうという推測のままこの問題を見のがしていくわけにはいかないと思うのですが、特に世間にそういうふうな心配があるわけですから、建設省としても、あるいはまた公団もそうですが、特別世間の疑惑とそういう心配を除く意味での厳密な検査ということは当然必要であろうかと思うのですが、おやりになりましたか。
  84. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) ただいま御指摘の件は、全く大事な問題でございまして、私どもとしましても、これによって工事が粗漏に行なわれているということになりますと、これは非常に大きな問題になるわけでございます。そこで、これをどうして確かめるかという点につきましては、まず横流しされた資料の数重が、はたしてそういう設計に影響を及ぼすものであったかどうかという点が問題になるわけでございますが、これにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように、いろいろ精査の結果、残材及びこの発生くず、こういうことの数字があるわけでございますが、これらを合わせましたものと横流しされた数字と、数字が見合っているわけでございまして、そういう資材の面からは、まずそういうおそれはないというふうに考えている点でございます。  それから二番目に、実際にこの工事が建設されている過程において、そういうことがあったかどうかということは、結局公団がどういう工事現場監督を実施してきたかどうかということになるわけでございまして、また、その現場監督に伴ういろいろな記録、資料等が必要になるわけでございますが、また設計等も問題になるわけでございますが、設計、施工、管理の面につきまして、その後建設省は、もちろん公団におかれましても、この内容について十分な検討をいたしたわけでございます。これは特に技術的な面においてその点の検討が行なわれたわけでございまして、その検討の結果では、先ほど申し上げましたように、設計書どおりに行なわれておるというふうな確信を持っておるというわけでございます。
  85. 二宮文造

    二宮文造君 残材が、設計書の計算に基づけば、精密な検査の結果大体数字が合った、こういうふうな説明なんですが、いまも刑事局長さんから話があったように、贈収賄にからまる事件が一件、これがすでに起訴されておる。第二の事件としては、相当数の関係者を含めて捜査の段階にある。こういうふうな時点に立ってものを判断してみますと、確かに設計書とそれから残材とは、これは合ったのではなくて合わしたような傾向が私はあると思うのです。で、すでにこういうふうに事件が起訴されまして、それはもう内容を見ますと、建設工事第二課主査、その人を対象にしまして、ずっと傾向的に犯罪事実があげられておるわけです。七月、八月、十月、十一月、八月、十一月、十二月と、こういうふうに傾向的にあげられておる。いまも私が質問をしましたように、自後の問題については追起訴するかもわからない。としますと、峻工検査のたびに、あるいは工程表に従って検査をすべきその立場にある人が贈収賄の事件に引っかかっているわけですね、結果から見て数字を合わしたようだし、そうしてその工程表に基づいて検査すべき当人が贈収賄事件に引っかかっている。こういうような関係から見ますと、どこか非常に心配な部面について破壊検査でもして、事実このとおりです。設計書のとおり行なわれておるというふうな反証を関係者のほうであげられなければ、世間の疑惑の目は一掃されないと思うんですがね。そうやるおつもりありますか。
  86. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) まず、先ほど法務省からお話になりました三つの事件、これが第二建設部関係によって発生したということにつきましては、私どもも非常に遺憾に考えておるわけでございまして、また、いま御指摘のような、そういう相次いで事件が起きたということは、何か工事関係にも影響があるのじゃないかという御疑念を持たれるのも、ごもっともであるというふうに考えるわけでございますが、その点について少し説明さしていただきますと、まず、西松建設に関する資材横流し事件に関する問題と、この個人が行ないました増収賄事件あるいはそれに類似の事件というのは、全く別な問題であるということでございます。と申しますのは、いま法務省、検察庁当局でやっておられますのは、個人的な犯罪と申しますか、個人的な事件についての内容でございまして、それぞれのどういうことがあったかということを内容に、その事実をもととしてやっておられるわけでございます。ところが、この西松のこの工事に関する問題につきましては、横流しをしました西松建設関係関係者については、これはすでに処断がされておるわけでございますか、この事件に関しましては、公団当局としては何ら、だれもこれについての容疑は受けてないわけでございます。要するに、個人的な若干の第二建設部に関連しました容疑はございましたけれども資材横流し事件に関しましては、何ら検察当局も追及をしていないということでございます。そこで先ほど申し上げましたような、それでは世の中が納得しない、破壊検査でもしなきゃならないという御心配でございますが、私どもとしましては、あらゆる手段を尽くして工事の写真、記録、その他のものを十分精査いたしまして、それから資材の面等を見まして判断をいたしたわけでございますが、それらの結果から見ましても、この件については設計書どおりに行なわれておるというふうに、たびたび申し上げておるように考えておるわけでございます。ただ、これが少しおくれたという点が、またある意味では、このいわゆる残材処理等がおくれた点で、何らかつじつまを合わしたというふうに先ほども指摘ございましたが、これは確かに、あるいは私どもも反省すべきであると思いますが、これがおくれました理由は、御承知のようにこの一号線、四号線の首都高速道路はオリンピックが十月に開催されるということで、全道路のみならず各建設工事全体につきまして非常に建設が促進されたわけでございます。特にこの三十九年の二−三月から七−八月に至ります間は、各業界とも非常な勢いで建設に従事したわけでございまして、とにかく時間に間に合わせるということで急いだわけでございます。そういうことがございまして、特に一号線は非常な雑工事のようなところがあったわけでございますが、そういう難工事も含め期日に間に合わせるという条件のもとに仕事をいたしたわけであります。ただ、これが精算がおくれましたのは、そういうこともありまして、本来ならばもっと九月、十月あるいは十一月ごろまでにその精算を完了すべきであったわけでございますが、そういういろいろな事件が重なり合いましたためにその精算がおくれたということで、その点が何かつじつまを合わせられたというふうな御懸念でございますが、そういうことでおくれた点はございますが、この点につきましては、私どもも今後十分迅速にそういう点の設計変更、あるいはそれに伴う精算事務を急ぐということは注意しなきゃならぬというふうに考えているわけでございます。
  87. 二宮文造

    二宮文造君 いまお話開いていて釈然としないのですが、贈収賄の事件は完全に個人の問題であって、工事とは関係がないような言い分をされている。それからまた、資材の横流しがなければ、その工事が不適正に行なわれないかのような言い分ですけれども、どうも私、この辺はちょっと考え方を変えてもらわなきゃいかぬと思うのですがね。確かに個人の犯罪事実を摘発されているわけですけれども、その裏にはやはり便宜供与という、あるいはお目こぼしということを意識しての事件なんです。決して個人が職務を離れて友だちづき合いか何かで供応を受けたということには私はならないと思う。それからまた、さらに第二番目の資材の横流しがなければ工事は手抜かりがない、したがって問題は西松に限るというふうな御言い分のようですけれども、この前の小委員会で私欠席しておりましたが、同僚の吉田委員が質問されたようですが、そのときにも公団側としては資材の管理には不注意であった、善良な管理を怠っていた、あるいはまた返還義務の不履行ということがあった、こういうふうに認めていらっしゃる。そうしますと、資材の管理か不適正だのに、ただ設計書ですか、設計書とそれから勘案して工事の手抜かりがなかった、残材等があったからこれでよろしいということにはならないと思うのですがね。さらにもう一つ、個人の犯罪事実とおっしゃいますけれども、いま先ほど第二の事件として捜査をしているというふうなものの内容は、これはまた新聞の報道ですから、そのつもりで聞いていただきたいのですが、大成や飛島の事務所を捜査した場合に相当量の、これは贈賄未遂事件のようなんですが、商品券、商品券に関連してそういう疑惑が出ている。「関係省・公団の部課長級」という、こういう大きな見出しですがね、約四十人に収賄の疑いがある、これはいま捜査中ですから、そういう事実ははっきりわかりませんけれども、少なくとも捜査の段階でこういう事件が出てくれば、これはいま答弁のあったように、個人の犯罪事実ということとだけでは私言い切れないと思う。もっともっと背後に捜査が広がっていけば、背後に関係する工事区、工区に相当出てくるのではないか、こういう心配もするわけです。ですから、何度も言うわけですけれども、確かに検査が困難であるということはわかりますけれども事態をはっきりさせるということで、重要な部分に対する破壊検査でも立ち入り検査でもやられるようなことかなければ、ちょっとこれは世間一般の疑惑といいますか、そういうものを一掃することにならぬと思うのですがね、どうですか。
  88. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) ただいまのお話の中で、個人の犯罪だけでないではないかという点がまず第一点でございます。この点は私どもの立場で云々申し上げるよりも、一番よく御了承になっているのは、警察及び検察当局でございますが、私どもがそれらの御指摘によってわかった範囲についての内容で申し上げておるわけでございまして、西松事件に関する資材横流し事件に関しましては、西松の建設関係者の数名については処分を受けておりますが、検察、警察当局の取り調べによっては何ら公団関係には容疑者は出ていない、こういう点を申し上げているわけでございまして、これは私たち建設省の立場から言うのではなくて、そういう取り調べ当局の事実にしたがって申し上げているわけであります。したがいまして、この件に関しては何ら、公団に関してはそれ以外の問題は全然ないかと申し上げるとそうではないのでありますが、そういう点についての問題はございません。ただ、なお同じ建設部におきまして、二つの相次いだ事件、特に関係のある二人の者が検察当局において取り調べを受けるということは、私ども非常に遺憾に存じ、また、こういうことのないように、今後とも十分考慮しなければならないところでございますか、その点は、ただ当面するこの関係の内容についてだけ申し上げると、そういうような状況であるということを申し上げたわけでございます。  それから資材支給制度あるいは資材の管理等が十分であったかどうかという点につきましては、これは、私ども公団が実施された資材の管理制度は、必ずしも十分であるという点を申し上げておるわけではございませんので、この点につきましては、先ほどからお話がございましたように、工事の進捗に応ずる資材支給、それから管理の問題は、どうすればいいかという点は検討さるべきであると考えますが、ただ、この資材の管理そのものは、業務の請負契約に基づいて支給と管理はやっておるわけでございますが、これは現場において資材支給しまして、その後は、契約書に基づいてそれぞれ業者が負担をするという、善良なる管理者の注意をもって保管をするということになっておるわけでございます。それと並行してと申しますか、公団内部におきましては、業務の円滑な運営と、その他諸般の点を考慮して、できるだけ資材の点についても、先ほどお話がございましたような報告書等を徴収しておるというのが状況でございますが、なお、これら資材処理の問題については、こういう事件が発生いたしましたことにかんがみまして、建設省としましては、公団関係公団も多くあるわけでございます。各地方建設局で直轄工事等も行なっておるわけでございますが、そういう事業の実施にも関連する問題でございまして、この点につきましては、省全体の問題としてこれを廃止するという方向で、いま検討中でございます。  なお、検査の問題は、先ほど来申し上げましたように、私どもが現在残されたる資料によって判断したところにおいて、まず、この設計書どおりに行なわれておるという確信に基づいておるわけでございますので、そういう資料その他の点について間違いない限り、私どもは、そういうふうに考えてよいのではないかというふうに思っておるわけでございます。
  89. 二宮文造

    二宮文造君 再三の答弁ですが、私が言っておりますのは、確かに事件の容疑については、捜査当局あるいは検察当局の範囲でございまして、それはいま問題にしているわけじゃないです。ただ、そういうふうな全般的な空気の中にこの工事ができ上がっておるわけです。そして完成後にこういう事件が発覚して、しかも、その工事そのものについては、設計書のとおり行なわれていると判断するというふうなことだけで、はたしてその問題の核心を突くことができるかどうか、たとえば、いま会計検査院のお話を聞いても、会計検査院としてはわからない、こういうお話なんです。詳細については究明するわけにいかぬ、できない。事件は発覚したわ、会計検査院としても、もう手の打ちようがない。しかも、工事そのものについては、ただ設計書どおり行なわれているということだけでは、工事そのものに手抜きかなかったという証明にはならぬと思うのですがね。ですから、私の申し上げたいことは、やはりそういうふうな疑惑もあるわけですから、適当な場所を、設計書どおりに行なわれておるかどうか、実地に基づいて検査をされる必要があるのじゃないか、それこそ、問題をはっきりさせることになるのじゃないかということを申し上げているのです。かね。
  90. 鮎川幸雄

    政府委員鮎川幸雄君) 私は事務のほうでございますので、この事件に関連しまして、今日まで技術的な面でどういう調査を行ない、どういう記録をもってこの点を確めたかについては、公団の工務担当理事のほうがもっと適切かと思いますので、補足して工務担当理事のほうから御説明いただけたらと思っております。
  91. 八島忠

    参考人八島忠君) この剰余鉄筋内容につきましては、お手元に差し上げておりますプリントに記載いたしておりますが、まず、今回の汚職事件で起訴されております野辺某の立場から申し上げたいと思いますが、西松建設工事現場を担当いたしております直接の責任者は、三宅坂出張所の所長でございます。その配下には、最盛期には、五十三名だと記憶しておりますが、職員を配置しております。それからその中に、あのインターチェンジ全体の土木工事の関係の監督——直接現場監督をいたします職員が二十四名ございます。この二十四名の職員が、毎日現場を見ているわけでございます。したがいまして、監督のいないところでごまかして仕事をされたというものでもございませんし、この二十四名の人間が交代でそれぞれ見ているわけでございまして、必ずしも一つの目だけで見ているわけではございません。それから工事の検査の問題でございますが、工事の検査につきましては、竣工検査、あるいは中間の検査につきましては、公団の本所に検査担当調査役というのがございまして、この職員が前後四回にわたって検査をいたしております。したがいまして、第二建設部の野辺某というものが、現場で直接検査をするという立場ではなかったわけでございます。ただその間に、これは私ども現場へ参りましたが、第二建設部で部長以下五十七回、それから木所の工務部で四十一回というものが、その必要に応じて現場へ出向いているわけでございます。したがいまして、大きな手抜き工事というようなことは、私どもはとうてい考えられないというふうに考えておるわけでございます。たまたま野辺何某というものが、第二建設部の第二工事課の主査をいたしておりまして、これの仕事は主としてデスクワークであります。出来形の設計書を検査する、そういったようなものでございまして、そういう立場であるということも御了解いただきたいと思うわけでございます。  それから残材内容でございますが、お手元に差し上げましたプリントによって御説明申し上げますが、第一の「擁壁構造変更に伴い鉄筋経の変更」云々という項で、三百二十三トンというものが節約されております。これは隼町のところに半地下の部分、オープンカットになったところがございまして、これはだんだん深くなって、ついに隧道になる部分でございますが、したがいまして、断面が変わってくるわけでございます。この断面が変わってくるところで、深さの少ないところは鉄筋の数か少なくてもよろしい。それから深いところになりますと、その鉄筋を密にやらなければならないということになるわけでございますが、実質的にはこういうふうな段階式になるわけでございます。これを再検査いたしましたところ、その境目のところにつきましては、それほど密に鉄筋を入れる必要はないのじゃないか、倹約できるじゃないかということから設計変更をいたしたものでございまして、また、その次の「半断面」云々と書いてございますのは、三号線と四号線との分岐点のところに——おそらくお通りになってごらんになっていると思いますが、柱がかかっております。鋼管の大きい柱か立っておりますが、この鋼管の柱が、初め発注いたしましたときには非常に製作がおくれるということから、このいわゆる半断面として、それがないものとして補強鉄筋を上のほうに入れなきゃならないという計算でやっておったわけでございますが、幸いにしてその柱が製作が間に合いましたために、その補強鉄筋が要らなくなった、それだけ節約できたというものでございます。それから「肋筋によるもの」というのは、これは小さい鉄筋でございまして、大きい鉄筋を横にこう結ぶ帯状のものでございます。肋骨状になっておるものでございますが、鉄筋鉄筋との——大きい鉄筋鉄筋との間が八センチしかない。そこへもっていって九センチの長さのものを横に入れるというような設計になっておったわけです。実際問題として、これは入らないわけです。その鉄筋は。これは不適当だというので設計変更いたしまして、鉄筋を切ったような設計変更をいたしたわけでございます。  それからその次に、中間ぐいその他の埋め殺しによるものでございますが、これは掘さくをいたします場合には、くい、あるいはシートパイルで土どめをいたしまして、それを突っぱりをかうわけでございますが、突っぱりをかったり、あるいは途中でもう一本の柱を立てたりしなければならないわけでございますが、これをコンクリートを打ちます場合に撤去した上でコンクリートが打てる状態ならばけっこうでございましたが、ああいう場所でございまして、埋め殺しせざるを得ないところが随所に出てきたわけです。それを埋め殺しにいたしますと、その部分だけ結局鉄筋が入らない部分ができてくるわけです。そういうところを埋め殺しにしたために鉄筋の余りが出てきたということでございます。  それからその次の「鉄筋の溶接」でございますか、これは工事を急ぐ関係もございましたし、また——主として工事を急ぐ関係でごさいましたが、鉄筋をつなぎ合わします場合に、ただそのままつなぎ合わしますと、直径の三十倍以上というものは重ねなきゃならない。それだけのものを電気溶接をいたしますと、重なりの分だけが減ってくるわけでございます。たとえば三十ミリの鉄筋を電気溶接いたしますと、九十センチ程度のものは鉄筋が節約できるわけでございます。まあそういうようなことから電気溶接に切りかえたのでございます。  それからその次の「当初設計の違算によるもの」、これはまことにどうも申し訳ない次第でございますが、実は鉄筋の数が、この三宅坂の西松関係だけで六十八万本でございました。非常に膨大な数字でございます。初めに計画をいたしましたときには、概算設計でやりまして、この次に詳細な設計によってやったわけでございますが、そこになおかつ百六十二トンというものの誤りが、最後の調査の段階になって出てきたものでございます。  それからその次の最後のところは、設計では鉄筋をこう二本継ぎ足すということになっておりましたのか、材料か長尺ものが出てまいりまして、たとえば五メーターものを二本つなぎ合わせるという予定のところが、十メーターものが入ったというような関係で、その重なりの部分だけが節約になったわけでございます。  それからその他のところにつきましては、これは鉄筋を購入いたします場合に若干の、たとえば十メーターものを注文いたしますと、十メーターものがそのまま入ってくるのではございませんで、大体三センチないし七センチ程度のものが長く入ってまいります。そうしたようなものを加えますと、それは二百三トンになるわけでございまして、この長いものにつきましては、これは従来普通の場合ですと、コンクリートの中にそのまま埋め込んでしまうのが通例でございますが、この場合は、それもきちっと計画的に溶接その他を利用いたしまして使いました関係で、こうした材料か出てまいったようなわけであります。  これらの資料につきましては、現場監督二十四名のそれぞれ一人だけじゃございません、全部の意見も聞きました。また、写真あるいは現場日誌あるいは野帳、それから現場監督員が持っております図面等によりまして精査をいたしましてこうした計算をしたわけでございます。
  92. 二宮文造

    二宮文造君 技術的な問題は私の専門外なので、ちょっとそのことについてはあまり確信がないわけですけれども、会計検査院の方にお伺いしますけれども、こういう場合ですね、先ほど稲葉委員の質問に答えて、どうも私のほうはわからないというようなニュアンスが非常に強かったわけですかね。一般にこういう、たとえば橋梁とか、それからまた、いわゆるその他のこういうふうな建設事業について疑惑があったときは、会計検査院が要求して、そうしてその破壊検査をいままではなさっておるわけですね。今回の場合は、それは要求されないのですか。それともそこまで立ち入ってやる必要がないと、こういう見きわめになったのか。不可能なのか、この点について。
  93. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) 実はその点でございまするが、私、先般の衆議院の決算委員会の際も、先生いまお尋ねのようなことについて、私に勝澤先生から御質問がありましたので、その際私申し上げたのですが、簡単なたとえば道路とか、ちょっとした水路、小さな取水口といったような程度のものでございますれば、検査に参りました際に、ちょっとおかしいというような点が書面その他で発見されますれば、そういうものは何カ所か破壊してみれば、はたして規定どおりにセメントその他が使われているかどうかというような点は、比較的簡単にわかるのでございまするが、本件のような構造物になりますと、御承知のように、私たちの検査はでき上がったあとで行って検査をするわけでございますので、そういうものができ上がりましたあとでは、なかなかそれをこわして、はたしてそれだけの鉄筋なり何なりが入っておったかどうかといったような検査は事実上不可能に近いのでございます。それで先ほどの先生の、いままで検査院がこういうような場合に、不正な工事があった場合に、要求によってやっておったという点が、ちょっと私納得いかないのですが、本件に関しましては、これはいまのところ、破壊検査をおやりになるのは、監督官庁たる建設省が第一次的にはおやりになるのが至当なんでございまして、私どものほうとしましては、ただいまのところ、そういう破壊検査をやるというところまでは実は考えておりません。
  94. 二宮文造

    二宮文造君 いや、そうじゃないのです。やるところまで考えていないということじゃなくて、そういうような要求はできるのですか、できないのですかということを聞きたいのです。たとえばその二月四日の決算委員会のあなたの結論は、こういうものにつきまして書面で確認をするよりほかにいたし方がないということになっております。」、これはあなたの結論なんです。
  95. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ちょっと、いままでこういうような事例がございませんので、はっきりした御答弁はいたしかねますけれども、現在の私の考え方から申し上げますと、要求をいたす意思はないわけでございます。
  96. 二宮文造

    二宮文造君 いや、私はあなたの考えを聞いているのじゃないのです。会計検査院法に基づいて要求ができるのかできないのかということを伺っているわけです。といいますのは、再三言いますけれども、あなたのこの結論の一言は、このまま世間に会計検査院の態度として発表した場合には、世間は納得できません。「こういうものにつきまして書面で確認をするよりほかにいたし方かないということになっております。」、このままでは会計検査院の態度としては、私、確認できないのですがね。
  97. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) たびたび繰り返して恐縮でございますが、こういうような例がいままでございませんですけれども、これは実際やりますとなりますと、たいへんな問題だろうと思います。費用、その他の点につきましても。それで、やってやれないことはないと思いますが、事実上なかなか困難じゃないかと、こういうように考えております。
  98. 二宮文造

    二宮文造君 そうじゃないのです。やってやれないとか、やれるとかという問題じゃなくて、院法の立場からいけば、要求できるんですかできないんですかということを伺っているのです。
  99. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) できないことはないと思います。
  100. 二宮文造

    二宮文造君 できないことはない。——事実問題として、非常に大きな調査の工程になるので、現在としてはやる意思がないと。
  101. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) そういうことでございます。
  102. 二宮文造

    二宮文造君 これは検査院全体の考えですか、担当としてのあなたの考えですか。
  103. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) これは、私、担当としての個人の考えでございます。
  104. 二宮文造

    二宮文造君 会計検査院の中でこの事件についてそういうことを論議したことはありますか。破壊検査を要求するかしないか、会計検査院の態度を院内でお話しになったことはありますか。
  105. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) そこまで実は議論したことはございませんが、この小委員会結論を待ちまして、そういうことについても、今後どういうふうにいくべきかということについては、検討はいたしていくつもりでございます。
  106. 二宮文造

    二宮文造君 じゃ、画確認しますが、検査院としては、法規どおりでいけば、そういう破壊検査の要求はできるのですね。
  107. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) して差しつかえないと思います。
  108. 二宮文造

    二宮文造君 そういうことじゃないのです。できるのですか差しつかえないじゃなく、できるのですか。むしろすべきではないかという私の個人的な見解もあるわけですが、そういうことも含めてもう一度御答弁を願いたい。
  109. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) すべてこの問題に限らず、会計検査院の意思決定というものは、検査官会議でされるわけであります。私がここで、そういうものをすぐやれるのだ、こういうことをはっきり申し上げて、あるいは間違っておったかもわからぬというようなことも考えられますので、私としては、やれる、こういうふうに考えております。その点御承知置き願います。
  110. 二宮文造

    二宮文造君 それは院法の何条ですか。
  111. 宇ノ沢智雄

    説明員(宇ノ沢智雄君) ちょっといま法規を——院法三十四条で。もしやるとしますれば、院法三十四条で、不当な事態があった場合には、これについて是正改善かできるというふうな条文でいくのじゃないか、こういうふうに考えております。
  112. 二宮文造

    二宮文造君 自後に相当まだちょっとお伺いしたいのですが、きょうは時間がないようなので、会計検査院のただいまのお話で、一応ここでとどめておきたいと思うのですか。
  113. 横川正市

    委員長横川正市君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕
  114. 横川正市

    委員長横川正市君) 速記を起こして。   本日はこれにて散会いたします。     午後二時五十五分散会