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吉田忠三郎君 これから道路
整備については努力をしようということでありますから、当然
建設行政との関連の中で有機的な連携をとりつつ、
運輸政務次官として、そうしてまた政治家の一員として努力するということだと私は思うのです。だから、その努力はするほどいいわけでありますから、ここではよしなさいということは言いませんけれ
ども、次官あなたが答えたように、道路行政一つとらえてみても、たまたまあなたが企画院などいかめしい役所におって企画をしたときに、東條が削った。東條なんて、こんなものは二十年も前の話で、しかも国家総動員とか何とかとんでもない
法律をつくってやった時代ですからね。もう今日の近代
社会になりつつある客観的な情勢とは全く違っていると思うのですよ。ですから、たまたまあなたがそういう
経緯を十分存じ上げて、しかも企画院におって体験されておったとすれば、今日的な
段階においてどうすべきかという、しかも将来の展望をひとつながめて、そうした事柄をもう
政府としてやるべきだと思うのですよ。
私は、たいした経験じゃありませんけれ
ども、英国に行ったことがありますが、英国の人々は
——指導者を問わず、
一般国民もそうでございますが、
東京都のように、去年も水が出なかった、またことしも出ないらしいという目先のことをやっておりませんよ。それはそれ、しかし最低大体二十年ぐらい先のことをずっと読んで手を打っておるのですね。政治家は政治家らしく、
事業家は
事業家のように。ところが、どうも
日本のやり方は、これはどこの国をまねしたのかわかりませんが、非常に目先のことだけで、しかも場当たり的なこういうちっぽけな問題を、役人が好んで、また
法律改正、また
株式会社、飛行場の
建設など出してくるところに、ぼくは非常に問題があると思うのです。先ほど大臣がいなかったけれ
ども、
政務次官にいろいろ聞いたら、初めのころは五億円出した、ところが、大臣いつの間に田中角榮大蔵大臣にちょろまかされたか知らぬが
——その真意はわかりませんよ、ふたをあけてみたら五千万円、まことに中小企業になってしまった。そういう
事情がわかりましたが、しかしそれにしても、これからこれを初歩にして前向きにやると言うものですから、私
中身に入って
質問しているのですが、何かしらん欠けている点があると思うのですよ。ですから、これは幸い
運輸大臣も官僚上がりではありませんから、純粋な政治家でありますから、ひとつ
政府の中において、一体道路行政の問題はどうあるべきかということでディスカッションしてみたらどうですか。東條なんという時代の話がいまごろ国会に出てくるのじゃ、たいへんな話ですよ。実情にそぐわないですよ。だからつまり、この臨時行政調査会などでも、いろいろ行政上の各省庁の統廃合な
ども出てきて、運輸省
関係もかなりありますね。そうしますと、今度は大臣、私はそういうことはないと思いますけれ
ども、陰において官僚
どもが依然として
——きょうの午前の
委員会でも、この問題とは別問題ですけれ
ども、指摘いたしましたが、何か策動して、そうしてまた統一と団結をとりまして、労働組合以上ですよ。学閥統一行動隊が出ててきて、圧力団体となって、歴代大臣をおどかして、そうしてまた何かせっかく
政府機関のりっぱなそういう調査機関で出した答申がゆがめられていくというような今日的な現状というものは、私は、この際思い切って打破をして、そういう弊害を取り除いて、それで
ほんとうに国民の要求の上に立った政治、それから出てくる
施策を行政官庁は施すべきものではないか、こう思うのです。
端的に、この文章にもありまするように、「特に
東京、大阪では厳しい交通規制」なんて、これはいい
ことばじゃないでしょう。文章に書けばたいへんいいけれ
どもね、本来、自動車なんというものは、文化人がこれを発明して、文明の利器として、よりすみやかにそれぞれの目的が達成するように、自動車というものはつくられたと思うのであります。それが、こんな「厳しい交通規制が行われ」云々などということになると、結果は、やはり人間が原始的な時代に返って、歩け
——最近、大臣歩いたかどうか知らぬが、歩く運動というのがだいぶ大臣連中にもはやっているようだけれ
ども、もっと文明人が原始時代に立ち戻るような実態をとらまえて、「特に
東京、大阪では厳しい交通規制が行われ日曜、祝日以外の日は、大型トラックの都心乗入れは殆んど不可能の状態である。」
——まことにいい文章に文章としてはなっていますけれ
ども、国民のはだ合いには、これはさっぱり、この文章は実感として、いいものであるというふうに受けとめることは私はできないと思う。できないと思いますよ。しかも、こうしたことを認めておりながら、板橋のところに
ターミナルを
建設、一カ所五千万円
——まことに
規模の小さいものをつくったら、この書いた文章がどこかに吹っ飛んでいくような、こういう提案というものは、
運輸大臣、なっていませんよ、これは。
ですから、私は、
運輸大臣並びに運輸省の行政官を叱咤激励する
意味も含めて、どうですか、松浦さん、これはあなたの
会社よりちっぽけなものです。これはあなたの
会社より。思い切って
——あなたは港湾行政で今度かなり思い切った前向きの
措置をとられましたね、今度。ですから、陸の
関係におきましても、高度経済成長政策あるいは中期経済政策等々の高度な
——私は理論闘争はここではいまごろ、もうかなり国会も終盤の時期になってきていますから、ここで論じ合おうとしませんよ。しませんが、いずれにしても、歴代内閣がとってきた経済のあり方のよしあしは別として、
社会面のひずみという形で私は出たと思う。今日、池田内閣の政策を踏襲する佐藤内閣は、そのひずみ是正が大柱だ。間もなく参議院選挙始まると思いますけれ
ども、必ずや人にだってどこかにおいて、わが党はいわゆる経済のひずみ是正にその全知全能力を傾けていますという演説をどこか北海道でぼくは聞かされると思う。聞かされると思うのだ、ぼくは。ですから、私は、そういう
社会に出てきた政治経済の悪い面なんですから、この悪い面を取り除くためには、大臣の持っている偉大なる政治力を、陸の自動車の面にも思い切ってやったらどうですか。こういう実は感じを持っているものですから、さっきから伺っているわけです。大臣の大方針をひとつ聞かしていただきたいと思います。