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1965-04-08 第48回国会 参議院 運輸委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月八日(木曜日)    午後一時二十一分開会     —————————————    委員異動  四月一日     辞任         補欠選任      浅井  亨君     柏原 ヤス君  四月八日     辞任         補欠選任      井野 碩哉君     栗原 祐幸君      河野 謙三君     村山 道雄君      上林 忠次君     熊谷太三郎君      野上  進君     源田  実君      柏原 ヤス君     中尾 辰義君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 江藤  智君                 吉田忠三郎君     委 員                 栗原 祐幸君                 熊谷太三郎君                 源田  実君                 木暮武太夫君                 平島 敏夫君                 村山 道雄君                 相澤 重明君    政府委員        運輸政務次官   大久保武雄君        運輸省鉄道監督        局長       佐藤 光夫君        運輸省海運局長  若狭 得治君        運輸省自動車局        長        坪井 為次君        海上保安庁長官  今井 榮文君        海上保安庁次長  有田  毅君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        運輸省海運局参        事官       高林 康一君        運輸省自動車局        業務部長     黒住 忠行君        運輸省自動車局        整備部長     宮田 康久君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○日本国有鉄道法の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○港則法の一部を改正する法律案内閣提出) ○運輸事情等に関する調査自動車行政に関する  件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  初めに、委員異動について報告いたします。  四月一日付をもって、委員浅井亨君が辞任をされ、その補欠として柏原ヤス君が選任され、本日付をもって柏原ヤス君が辞任し、その補欠として中尾辰義君が選任されました。同じく本日付をもって、井野碩哉君河野謙三君、上林忠次君、野上進君が辞任し、その補欠として栗原祐幸君、山村道雄君、熊谷太三郎君、源田実君がそれぞれ委員に選任されました。     —————————————
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、理事辞任についておはかりいたします。理事天埜良吉君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がありますが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたいと存じます。互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事江藤智君を指名いたします。     —————————————
  6. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提案理由説明を聴取いたします。大久保政務次官
  7. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) ただいま議題となりました日本国有鉄道法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  今回の改正の第一点は、日本国有鉄道業務運営上特に必要な場合に現物出資ができることとするものであります。現在、日本国有鉄道は、本法第六条の規定により限定された事業投資できる道が開かれておりますが、予算定めるところによりということで現金出資のみに限って行なってまいりました。日本国有鉄道のその後の業務運営の実情にかんがみ、また、日本国有鉄道資金または施設の能率的、効率的活用をはかるためにも、この際、現物出資をすることができることとする必要があるのであります。これによりまして、現状においては早期に実現することが困難である各種輸送サービスが円滑に実施し得ることとなり、ひいては日本経済の進展にも寄与できるものと考える次第であります。  しかしながら、日本国有鉄道が他の事業投資することについては、日本国有鉄道の使命に照らし適切と認められるものに限られるべきことは当然でありますので、現物出資については、その業務運営に特に必要がある場合に限定した規定とした次第であります。  改正の第二点は、日本国有鉄道の発行する鉄道債券一般担保を付する規定を設けることであります。日本国有鉄道は、本法第四十二条の二の規定により、資金調達のため、鉄道債券を発行することができることになっております。この鉄道債券には、その一部について政府保証がついている以外は、何の担保もついておりません。これに反して、日本電信電話公社をはじめ、他の公社公団の発行する債券には、いわゆる一般担保が付されており、民法一般先取特権に次ぐ先取特権債権者に与えております。  日本国有鉄道民間資金を活用して長期資金調達をはかるため、今後鉄道債券発行規模をさらに拡大するにあたりまして、担保が付されていないことが、他の公社公団債等に比べて発行条件流通面で不利な立場に置かれることは十分に考えられるところであります。したがいまして、鉄道債券にいわゆる一般担保を付することにより、鉄道債券消化促進と円滑な流通をはかることが必要であると考える次第であります。  以上の二点がこの法律案の骨子でありますが、このほかに、本法第三条に規定する日本国有鉄道業務のうち採炭を削除することといたしております。これは、志免鉱業所の廃止により現実にその業務がなくなったこと及び将来も日本国有鉄道採炭事業を行なうことが考えられないことのために削除することとしたわけであります。  以上がこの法律案提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  8. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 引き続き補足説明を聴取いたします。佐藤鉄監局長
  9. 佐藤光夫

    政府委員佐藤光夫君) 日本国有鉄道法の一部を改正する法律案につきまして逐条的に御説明申し上げます。  まず、第三条関係について申し上げます。  本条改正は、日本国有鉄道の行なう業務範囲規定整理したものであります。  現在、日本国有鉄道鉄道事業等業務に必要な採炭を行なうことができることになっておりますが、昨年六月の志免炭鉱の閉山以来、採炭を行なっておりませんし、また、今後においても採炭必要性考えられないので、日本国有鉄道業務範囲から採炭を削り、条文整理をはかることとした次第であります。  次に、第六条及び第四十七条関係について申し上げます。  第六条の改正は、日本国有鉄道現物出資について規定したものであります。  現在、日本国有鉄道は、その業務運営に必要がある場合には運輸大臣認可を受けて関連事業投資できることになっておりますが、これは予算定めるところにようしなければならないこととされております。しかるに、当面の問題として名古屋臨海鉄道への現物出資の必要が生じており、また、今後においてもこの種の出資必要性考えられますので、今回、日本国有鉄道投資についてその業務運営に特に必要がある場合に限定して現物出資をすることができる旨を明らかにし、日本国有鉄道業務運営の改善をはかることとした次第であります。  第四十七条は、この現物出資認可について大蔵大臣協議することについて規定したものであります。  次に、第四十二条の二関係について申し上げます。  本条改正は、鉄道債券債権者先取特権について規定したものであります。  現在、鉄道債券債権者先取特権については、特に規定が設けられておりませんが、鉄道債券消化促進流通円滑化をはかるため、他公社等と同様に鉄道債券債権者民法一般先取特権に次ぐ先取特権を付与し、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受けることができることといたした次第であります。  次に、第五十五条関係について申し上げます。  本条改正は、報告義務違反に対する罰則規定整理したものであります。  日本国有鉄道は、投資先輸送施設使用状況等について報告義務を課せられておりますが、報告義務の根拠がこの前の法律改正昭和三十七年法律八十六号により第六条より第五十四条に統合いたしましたため、今回これに関する罰則についても整理をはかることとした次第であります。  最後に附則は、この法律施行期日について規定したものであります。  以上がこの法律案の概要であります。
  10. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。     —————————————
  11. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、港則法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案に対し御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  12. 相澤重明

    相澤重明君 きょう、この港則法質疑をすると同時に、緊急問題で自動車関係についてあと質疑をさせてもらいたいと思うのです。そのことを含んで、先に港則法についてお尋ねします。  港則法改正提案を受けましたが、これによりますと、従来の港域法定められていた港について、その名称を港則法別表に掲げる、その区域政令定める、こういうふうなことをいわれておるのでありますが、そこでこの政令定め別表、これについて幾つに港の数がなるのですか。
  13. 高林康一

    説明員高林康一君) 政令定めます港全体といたしましては、現在四百九十六港ございます。そのうち、現在の四百九十六のところに、さらに加えまして四港を新設いたします。それで五百港でございますが、ただ港湾合併を行ないますのが六港ございますので、六港引きました四百九十四港がこの政令で予定しておるものでございます。
  14. 相澤重明

    相澤重明君 この四百九十四——いわゆる新設や合併を含んだものを整理して四百九十四港。この四百九十四港は、いわゆる運輸大臣都道府県知事との権限の問題についてはどういうふうにお考えになるのですか。
  15. 高林康一

    説明員高林康一君) 直接法律的な権限におきましては、運輸大臣都道府県知事との関係はございません。ただ、港の区域定めます場合に、関係都道府県関係市町村協議をいたしましてその区域範囲をきめるという事実上の関係は、重要な関係を持っております。
  16. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと、都道府県知事あるいは市町村長区域運輸大臣がきめる際に協議をしてきめるということになるといたしますというと、最近、御承知のように、港湾整備という面が、さきの当委員会でも可決せられたように、緊急度合いとしては国も大きな投資をしておるわけでありますが、反面、港の施設をつくるという名によって港の埋め立てが行なわれる、こういう場合には、これは運輸大臣に具体的な報告というものはあるのですか。
  17. 高林康一

    説明員高林康一君) 埋め立ての場合につきましては、これは港湾局のほうの所管でございますけれども、私の存じております範囲では、公有水面埋立法に基づきまして、それぞれ甲号港湾乙号港湾というようなものがありまして、埋め立てについては運輸大臣の許可を受けてやるというようなシステムに埋立法規定がなっておると存じております。
  18. 相澤重明

    相澤重明君 これは、私は過去にそういう事例を実は承知をしておるわけです。というのは、神奈川県の真鶴港の埋め立てを、都道府県知事のおそらく同意を得たと思うのでありますが、いま高林参事官説明のように、運輸大臣がもし認可をするということになると、簡単にそう私はこの埋め立てというものができるものではないと思う。もう数年前の話でありますが、港の施設を固有化すようなことが当時行なわれたわけです、三十五年から六年にかけて。   〔委員長退席理事江藤智君着席〕 それで、一時私も当委員会で話をしたこともあるのですが、やはり港関係についてはよほど国の方針というものをはっきりしておらないと、実は市町村の段階において特定の人のために港が利用されてしまうというようなことがあると思う。これについては、当時、真鶴港の問題については、私が決算委員会でそのことを究明をして、ついに助成をされた金も返還をしたように思っております。思っておりますが、特にいま全国の四百九十四港にも及ぶたくさんの港の整備をして、そうしてできるだけ、特定港と同じように、日本貨物輸送物資輸送等に、経済成長に伴う輸送力確保というのが問題だと思うのです。そういうことからくると、ある程度国の方針というものが都道府県知事には厳重に指示ができる。あるいはそれが、もし都道府県知事なり市町村長自分たち考えだけでその港の改造というようなものが行なわれるようなことになったら、私はこの趣旨に沿ってこないと、こう思うのです。そういう場合のプッシュをだれがするか。運輸大臣報告があればいいけれども運輸大臣報告がなかったらどうするか。現地調査以外にはないだろう。現地調査をした結果初めて出てきたところで、すでに港の改造が行なわれたというような場合があったらどうするのか。こういうことは、私はやはり問題点となると思うので、単に罰則を強化をして、罰金をよけいつけたらそれでいいという法律の内容では私はないと思う。そういう点について、どういうふうにお考えになっておるのか。この四百九十四港という政令定める港についてのそういう取り扱い方について、いま少しはっきりしておいてもらいたい。いずれこれは、そういう個々の問題が出れば、必ず私問題になると思うのですよ。そういう点で、いま少し運輸省の見解を明らかにしておいてもらいたいと思う。
  19. 高林康一

    説明員高林康一君) 主として港湾工事に関する問題でございますので、港湾局からお答えするのが至当かと思いますけれども、私どものほうで存じておることについて申し上げたいと存じます。  この四百九十四港の港域定めになっておる港、これらのものにつきましては、やはり多くの場合においては港湾法上の港湾になっておるものが相当ございます。そういうような港湾につきましては、港湾法によりまして港湾管理者が設立されておる。港湾管理者が、それぞれ港湾について、埋め立て、あるいは岸壁その他、防波堤その他の港湾施設を工事いたします、そういった場合におきましては、やはり港湾計画というものを樹立する。そして、その港湾計画においては、港湾審議会、これは運輸省付属機関でございますけれども港湾審議会においてそれらのそれぞれの港湾計画というものの妥当性についていろいろ審議をして、それでしかる後、もし国が補助する必要がある、あるいは国が直轄で工事する必要があるというふうに認定いたしました場合においては、国において、運輸大臣において、それぞれの補助または費用の分担をやるというふうな仕組みになっておるかと存じます。したがいまして、いま先生の御指摘のありましたような、それぞれの港湾計画なり港湾工事の具体的な妥当性というものにつきましては、それぞれ運輸大臣において慎重に検討をして、それぞれの費用あるいはその他の補助区分を決定しておるものと考えておりますけれども、具体的な個々の問題につきましていろいろ慎重に今後とも進めていく必要があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  20. 相澤重明

    相澤重明君 この港の整備に名をかり、あるいは港湾整備に名をかりて近代化する、あるいはそうしたよくするということについては、私どもも反対をしているわけではない。けれども、単に港湾整備あるいは港をよくするということによって沖に港域を広げていく、こういうような場合に、一番陸との接触点接触点ですね、そういう地点を埋め立ててもろもろのいわゆる施設をつくる、あるいはまたその埋め立てたために、いままで一本釣りをしておったものや、あるいはまた魚介類等、あるいは海藻ですね、そういうような——特にこういうものについては農林省、水産庁関係とも関係をすると思うんだけれども、そういう沿岸漁業者あるいはそういうあま組合というような人たちが失業する場合がある。ところが、港を埋め立てたいというのは、一面においてはある程度の資本を持っておる人たちなり、そういう市町村有力者人たちがやる。その場合には、近代化なり、そういう港湾整備なりという名によって、そして働いておる人たちが犠牲になる場合がまま多いと私は思う。そういう問題をやはり十分考えてやらぬというと、これらの問題について結局はあとでもって相当の事件が起きてくるのじゃないか、こういうふうに私ども思うのです。これは一つの例を、私は真鶴の例をあげたのですが、あの湯河原の川の流れの海のところも、いま白雲閣が埋め立てて、そして娯楽施設をつくるためにやっておるわけです。そういうところの沿岸漁民というのは一体どうするのか。生業ができなくなる。こういうようないわゆる生活補償生業補償というようなものも、私はやはり相当問題になると思うのです。しかし、上のほうで話をしてしまえば、それはごく簡単な契約で、あるいは話し合いで問題を解決しても、下のほうの多くの働いておる人たちにはたいへんな問題だと思うのです。ですから、いま少し港自体監督のしかたというものについては、私は、せっかく今度の港則法改正で、港域法をなくして港則法一本でいくということについては、むしろ賛成だと思う。賛成で、非常にいいんだが、せっかくそういうふうな法律条文整理をし、実際の作業を進めていく上において、政府方針というものが徹底するように私は期待をしたいわけです。こういう点がないと、地方の住民というものはかなり混乱を起こす、こういうことがあるので、この点はひとつ私から要望しておきたいと思う。そういう点について、政府も御検討を願いたいと思うのです。  それから次に、たとえば「港則法に基づく港の区域定めのあるものについては、その区域によるものとする。」、そこでただし書きが出ていますね。「ただし、運輸大臣は、政令定めるところにより、特に港を指定し、これと異なる区域定めることができる。」、こういうことになっておるわけですが、この具体的な事例というものをひとつ御説明いただきたい。
  21. 高林康一

    説明員高林康一君) 原則として港域法、まあ今度改正になりました場合には港則法でございますけれども、その場合に、たとえば船員法あるいは港湾法というような規定適用につきましては、港域法区域——今回の港則法定めるところの、政令定めるところの区域によるのが原則でございます。ただ具体的には、たとえば京浜港というふうになっております、現在の港域は。そういった場合におきまして、たとえば港湾法でございますと、東京港、川崎港、それから横浜港というふうに、それぞれ港湾管理者が設定されております。したがって、それはその範囲内においてそれぞれ別に港湾管理者がそれぞれの港湾区域を設定するというふうになるわけでございます。また、あるいは船員法適用につきましては、これをそれぞれ、京浜港ということでなしに、東京横浜というふうに分けてこれを適用するというふうにやっておる状況でございます。
  22. 相澤重明

    相澤重明君 そうすると、いまたとえば京浜港の話が出たが、港の管理については東京なり川崎なり横浜なり管理者がおる。しかし、港則法によるいわゆる政令で指定するのは京浜港、こういうことになる。だから、実質的には一つの港であるけれども、その個々の港の管理についてはそれぞれの性格が持たされておる、こういう意味ですか。
  23. 高林康一

    説明員高林康一君) 港湾法におきましては、原則として港域法区域定めのありますところのものにつきましては港域法区域によると、ただし、その港湾管理者において、その範囲内において港湾管理運営の必要な限度というものをそれぞれ考えて、そしてその範囲内において港湾区域を設定することができるということが港湾法考え方でございまして、そういう意味港湾のそれぞれの実態あるいは現状に合わせてそれぞれの港湾法上の港湾区域定めておるというのが現状でございます。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 次に、その港湾法区域によるいわゆる港の管理、あるいは今度は港則法によるところの政令定めるこの港の区域、こういうことに対して、港湾運送事業法との関係、これについて、いままでのそれぞれの区域の中における登録業者あるいは認可業者、まあいろいろ言われるわけでありますけれども、こういう点についてはどういうふうにやろうとするのですか。
  25. 高林康一

    説明員高林康一君) 港湾運送事業法上は、それぞれ適用になりますところの港は政令規定しております。そこで、その政令規定されましたところの港につきまして、港域法上の港域が定まっておりますときはその区域によってやっていくのが原則であるというふうに港湾運送事業法考えておるわけであります。ただ、やはりその港域法上の港域によることが困難な場合においては、別に必要な範囲港域法上の港域港湾運送事業法で違えて適用するというのが現在の港湾運送事業法のやり方でございます。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 今度港則法に統一した場合には、その港則法趣旨政令で出していくという考えはないのですか。
  27. 高林康一

    説明員高林康一君) さしあたりは——港則法港域に変えますのでございますけれども、実態的な港湾区域範囲というものは、現在の範囲を、従来指定しておりましたところの港につきましては従来の範囲原則的に考えておるわけでございます。そこで、その点につきましては、港湾運送事業法原則といたしましては現在の区域規定というものによってやっていくということでございます。ただ、いろいろ将来やはり港湾の伸展に伴いまして、また港則法港域というものを改正していく必要が多分にあるだろうとは考えております。また、港湾運送事業法も、それぞれの特殊性から見て、やはり必要な改正を今後も検討を続ける必要はあるのではないかと考えております。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 この港則法改正した場合の海上保安庁業務海上保安庁関係はどういうふうになりますか。
  29. 有田毅

    政府委員有田毅君) 海上保安庁が所管いたします港長業務等は変わりございません。
  30. 相澤重明

    相澤重明君 港則法では、先ほど高林参事官の言うように、たとえばいままで、東京川崎横浜というのを京浜港とすると、港則法京浜港というふうに一つになった場合に、港長というのはどういうことになるのですか、いま一度説明してください。
  31. 高林康一

    説明員高林康一君) まず、いまの御質問の前に、私の説明が不十分でしたが、現在京浜港というふうに港域法がきめておるわけでございます。東京川崎横浜を一括いたしまして、港域法あるいは今度改正いたしますところの港則法区域というものは京浜港というふうに一括しておるという状況でございます。さしあたりこれはこのまま改正しないで、そういう区域によって港則法上の区域考えていきたいと考えておる状況でございます。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 海上保安庁長官が見えましたから……、いまの京浜港の港長というのは一人になるわけですね。そうすると、京浜港の範囲はどこからどこまでですか、明らかにしてください。
  33. 高林康一

    説明員高林康一君) 京浜港の範囲は、港域法定めるところによっております。そこで、具体的には、東京港から横浜港に至る線ということでございますが、ちょっとどういう表現になっておりましたか覚えておりません。非常に長うございますが、読ませていただきますと、江戸川口右岸突端(N35°38’18”E139°52’32”)から二百五度五千五百メートルの地点まで引いた線、同地点から百九十八度三十分九千七百二十メートルの地点まで引いた線、同地点から二百三十三度九千三百三十メートルの地点まで引いた線、同地点から二百度二十分一万三百メートルの地点まで引いた線、同地点と鴻ノ巣鼻南東端とを結んだ線及び陸岸により囲まれた海面、荒川放水路、洲崎川、汐浜川、大島川、隅田川、亀島川、築地川、古川、目黒川、多摩川、鶴見川、滝川、大岡川、堀川、千代崎川各下流の河川水面というふうに書いてございますが、   〔理事江藤智君退席、委員長着席〕 先ほど申しましたように、いわゆる東京港から横浜港に至る線でございます。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 なぜ私がいま質問しているかというと、次の海上運送法にも関係があるのですよ。いまの港の区域をいままでの港域法からさらに港則法に発展統一するということは、大型船舶の出入が多くなってきて、したがって従来の港域ではあまりにも仕事の能率というものがあがらぬということも一つの例があると私は思う。ところが、政府も御承知のように、たとえば千葉、木更津にせよ、船橋にせよ、この京葉港というか、いわゆる千葉に入る船も、太平洋岸は別にいたしますならば、これはもう浦賀水道を通って横浜の港に向いてから方角が変わっていくと思うのです。そうすると、海上運送法そのものの今回の改正の価値もあるし、港則法改正の価値もあると私は判断しているわけです。ところが、先ほどの御説明によりますと、政令定める港について、四百九十四港の中には、千葉県の船橋、市川、千葉、木更津、それぞれがみんな港に出ておりますね。私はそこで海上保安庁長官に、この前の委員会に長官は出席しておらなかったけれども、一体浦賀水道のあの出入口について改善をする考えはないのかどうか、こういうことも私から申し上げて、検討しろということを、運輸大臣だったかな、この前のときに言っておいた。だから、こういう狭い範囲区域——区域というよりは、より合理的な港のそういう区域というものをきめるということになれば、むしろ航行安全なり、あるいは海上衝突予防法のことしの九月からの実施ということから考えてくれば、むしろこういう際にこそ私はもっとはっきりさせる必要があるのじゃないか。そうすると、どういうふうに、先ほどの御説明の中に、港湾運送事業法による港湾運送事業は確かに固有名詞の港があるけれども港則法という今回の改正趣旨からいくならば、むしろ思い切って東京湾を一つのものは一つにしたらどうなんだろう、そして海上衝突予防を定めたり、あるいはもっと実際の港の仕事がよくできるようにしていくというのが本来の趣旨ではないのか、こういう点を私は考えるわけです。その一つとして、大型船舶の出入が激しくなれば、こういう際に、浦賀水道の第一、第二、第三海港をそのままで置くということは、大型船舶は自由に航行ができないし、その直前を小型船舶がいつでも横切ったら、これは事故が起きるというのはあたりまえのことです。いままで浦賀水道におけるところの。どのくらいたくさんの事故が起きておるかわからない。こういうことから考えてくると、海上保安庁としても意見がなければならぬし、今回の港則法改正については、当然そういうことを政府考えていくべきではないか、こういうのが私の言いたかったことなんです。そういう面で、ひとつ海上保安庁長官の意見を聞きましょうよ。ちょうどいい時期だ。
  35. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 実は相澤先生からそういう御質問がございましたので、私どものほうとしては浦賀水道の従来の事故の経過であるとか、それから、私どもが従来とっております浦賀水道安全航行のためのブイの設置というふうな面につきましての資料を実はつくりまして、先生の会館まで実は御説明にあがったのでありますが、とうとう説明する機会がなかったわけでございますので、きょう御説明申し上げたいと思います。  海難の発生状況につきましては、昭和三十六年から三十九年までの統計をとったのでございますが、幸いにして、大型船の乗り上げ事故は非常に少なくなっております。しかしながら、先ほど先生がおっしゃいましたように、非常に船の交通がふくそうしてきておる。特に汽船関係が大型化しておるというふうなことから、やはり依然として衝突事故は必ずしも減少を見ておらないという現状でございます。たとえば昭和三十六年は、汽船の衝突事故が当該水道において約十件ございましたが、それがやはり三十九年には、ブイを水道の中央に五つ設置いたしまして、船の右側通行について厳重な管制を行なっておるわけでございますが、三十九年に十二件の汽船の衝突事故があったというふうな状況でありまして、私どもとしては、浦賀水道につきましては、特に今後とも、いわゆる航法の順守というたてまえによって衝突事故をできるだけ少なくするというために全力をあげていきたい、かように考えるわけでございます。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 ですから、いまのまた港則法改正に戻るわけですが、結局、そういう船舶の大型化、航行のふくそう化、こういうようなことによって、従来の港域法というものを港則法に発展をさせる、統一をしていくということは、私は非常によいことだ。しかし、現状京浜港なり、あるいは京葉港そのもの自体を考えると、必ず法律がそういうふうにいくのに、そういうものにマッチしているかということが問題になるのじゃないか。そこで、もしそうだとするならば、この際、港則法のそういう前向きの姿勢で法律改正するにあたっては、一つにしちゃったらどうなのだろうということも考えられはしないか。そうすると、海上保安庁がまあ船舶の航行安全の検査をするにしても、あるいはまた、航法をどういうふうにとらせるかということについての一つ方針というものがはっきり確立できるのじゃないか。そうすると、いまの浦賀水道の事故をはじめとして、京浜港内におけるところの事故というものはだんだん減ってくるのじゃないかということも考えて、これは京浜港のことは一つの例であるけれども、そういうことが考えられはしないかという点を実は私お尋ねしておるわけです。  いまの今井長官の話では、浦賀水道付近の海難統計がまあ十件ですか、あるということを言われたのでありますが、これは実際のいままでの例を見ると、やはり乗り上げとか、衝突とか、その他とかいうもの、いろいろ見ると、汽船や機帆船、漁船等の事例からいくと、かなりの数があるのですね。三十七年に乗り上げの汽船は十四隻、三十八年は八隻、三十九年は六隻、いままでに三十七年から三十九年まで見ると、二十八隻の汽船の乗り上げがある。機帆船の乗り上げは、三十七年が三隻、三十八年が二隻、三十九年が一隻、計六隻。あるいは衝突については、三十七年に汽船が四隻、三十八年に四隻、三十九年に十二隻、計二十隻、こういうようなことが、いままでの統計上出ているわけです。そうすると、港の区域とか範囲とか、いろいろなことを言っておっても、どこが一番事故が多い、どういうところが、そういう問題点が出ているのか。こういうことは、法律改正のようなときに、やはり徹底して直していくという考えでなければいかぬと思う。そういうことで、実は私も、今回の港則法については非常にいいことだし、これはぜひ賛成していかなければならぬのですが、政府はほんとうにそういう点について、内部について全体的に統一がとれているのかどうか。それぞれ船員局は船員局、船舶は船舶、海上保安庁海上保安庁と別であったらいかぬ、運輸省としては、そういう統一した中で、全体の前向きの姿勢を考えていかなければならぬのじゃないかという点を私は思ったから質問したのです。  そこで、海上保安庁長官のさっきの答弁は、ややいいと思うのだけれども、ところで、なお一つ、たとえば今度は区域の中で、横浜港なら横浜港、その横浜港のノース・ピア——米軍の荷揚げをしているようなところ、この内防波堤の中間の、小さい船の出入をさせるところがある、これはあかりがない、こういうふうなところで、私は、やはり港則法改正するようなときには、そういう施設まで実際的に直す考えがなくちゃいかぬじゃないかと思うが、そういう点については、海上保安庁はどういうふうに考えられますか。
  37. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 先生のおっしゃる点、まことにごもっともなことでございまして、前にそういうお話がございましたおりに、私どものほうの関係の向きから、港湾局のほうにも、事務的にこれは折衝している状況でございまして、そういう御趣旨が実現できますように今後とも努力いたしたい、かように考える次第であります。
  38. 相澤重明

    相澤重明君 海上保安庁が現地を調査をされて、東水といいますか、上屋のあるほうの南のほうについては、直ちにあかりをつけて、船の出入について非常に便宜をはかった、これは非常によかった、これは率直にほめておきたいと思う。ああいうふうにやることがいいことだ。けれども、いわゆる米軍の貨物を扱っている岸壁のそばにあるところは、実際に何もしていない。これは、いわゆる港湾法に基づく港湾管理者そのものに、ただ整備をさせるといっても、これはなかなかたいへんだと思う。したがって、むしろ、そういう米軍の関係が表面に出ているようなところについては、国としてやはりそういうものをある程度施設をしてやらなければいかぬのじゃないか、こう思うのです。もちろん船の出入りそのものは米軍には関係ないが、すぐ目の前に米軍の軍艦を扱っている場所なんですから、そういうところから、もしそれが横浜市に返還されているならば、そこから取れば施設費用というものは簡単に済むわけだ。しかし、それが米軍に貸与しているだけに、なかなか簡単にいかない。こういうことは、日米安保条約の関係もあるが、国全体の問題であるから、私はむしろ、運輸省なり海上保安庁がそういう港の航行安全あるいはそうした海難を防止するという意味で、私は、政府が積極的に、いま長官の答弁のように検討して、すみやかにひとつこれはそういう施設を設置してほしい、こう思うのですが、いま一度長官の御答弁を聞きたい。
  39. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 先ほど申し上げましたように、さっそく、運輸省の内部では、港湾施設関係港湾局が所管いたしておりますから、港湾局とよく相談いたしまして、一口も早く実現するように努力していきたいと、かように思います。
  40. 相澤重明

    相澤重明君 いまの長官の御答弁は、先ほど私が申し上げたように、船員局なり船舶局なり港湾局なり海上保安庁という別々のセクションがあるから、おれのほうはおれのほうだということじゃなくて、運輸省としてやるべき仕事を——まあきょうは港湾局長がいないから、そこで、海上保安庁長官が、海上の航行安全、海難防止と、そういう意味から考えて、運輸省の中における一部局に対して、できるだけそういう施設をするようにと、こういう意味と受け取っておるんですが、そういうことでいいですか。
  41. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) そのとおりでございます。
  42. 相澤重明

    相澤重明君 次に、港則法ということになると、やはり前回の質疑の際に私が申し上げた平水区域と海洋との関係というものをいま一度聞いておかなきゃいけない。それは先ほど何ですか——統計が何だとか、だいぶむずかしい長たらしいことを言っておったが、その港の範囲内において、機帆船のいわゆる平水区域における問題、こういうことについては、前回私から御質疑を申し上げ、船舶局においても検討されておると思うが、少なくとも今回の港則法改正については、そういう点が明確にできるように、そして、できるならば、海上保安庁長官おりますから、船舶局なり海運局なりが一応の方針をきめたならば、海上保安庁はそれに協力をしていくという態度でなければ、運輸省の仕事というものは一貫をしない、こう思うんです。そういう点について、いまの港則法との関連について、ひとつ政府から機帆船の問題について御答弁を願っておきたい。
  43. 高林康一

    説明員高林康一君) 平水機帆船の問題につきましては、前回先生から御質問がございました。平水機帆船の場合の平水区域というものは、船舶安全法でそれぞれ平水区域をきめております。先ほど申しました東京湾の場合におけるごときは、安全法上は平水区域になっておるわけでございます。ただ、直接この港則法区域というものとの関係は、安全法上の平水あるいは沿海、近海、遠洋というような、それぞれの区域というものとは、直接法律的な関係を持たないわけでございますけれども、ただ、先生の御指摘のございましたように、現在の平水機帆船というものの実態につきましては、いろいろ問題がございます。この点については、私ども、船舶局ともよく話し合いをいたしまして、そして、この平水機帆船の海難実態というものともにらみ合わせ、どのように海難防止の見地から妥当な措置をとることができるかということを現在検討を進めておる次第でございます。さらに今後検討を進めて、その間いろんなそごのないように進めてまいりたいというふうに考えております。
  44. 相澤重明

    相澤重明君 いまの高林参事官の答弁は答弁として、海上保安庁の長官はどうですか。
  45. 今井榮文

    政府委員(今井榮文君) 法改正につきましては、御承知のように、海運局が中心になって企画立案をいたしておるわけでございまして、海上保安庁としては、成立いたしました法律なり、あるいはその他の規則に従いまして万全の取り締まり、あるいはまた、交通の統制をやっていくと、こういうたてまえでありますので、いまのような面について、私どもとして必ずしも積極的な意見を持っておるわけじゃございません。
  46. 相澤重明

    相澤重明君 次に、港湾運送事業法にいう港湾、原則法に基づく港の区域、これに対して湖とか、いつかの固有名詞をあげた鶴見川とか、帷子川とか、大岡川という名前が出た、そういう川と港の入り口ですね、こういうものについて、この前の当委員会でも、湖の中における船の監督はどうするのだ、あるいは川を出入する船についてはどうするのだという質疑あるいは答弁がかわされたと私は思う。そこで、この湖、川あるいは港、そういう問題について、船員法との関係港湾運送事業法との関係、こういうものは当然出てくるわけですね。これに対しては、ここ三年、四年ほど前に——これからもまた時期にもなるので、ひとつ私から注文をしておきたいと思うのですが、桜の花の見物に行くのに、小さい船で定員をオーバーをさせて、そうして船が転覆をしたという事件があったわけです。当委員会で相当問題になった。この十二人以下のいわゆる船舶——船舶というか、船に対する規制、あるいは十三人以上といいますか、そういう二十トン以上というのか、五トンとかいうのか、いろいろな規制のしかたがありますね。そういうものに対して、今度の港則法との関係は、政府はどういうふうにお考えになっておりますか、それぞれの担当者から御説明いただきたい。
  47. 高林康一

    説明員高林康一君) 河川なんかを航行いたします、あるいは湖を航行いたしますところのいわゆる旅客船、これは現在、海上運送法におきまして規定をしておりますけれども、旅客定員十三名以上のものでございますけれども、河川、湖沼におきましても、これは全部いわゆる旅客定期航路事業といたしましてそれぞれ免許ということを規定しているわけでございます。また、この場合に定期でなくても、不定期でございます場合においては、これを許可事業というふうにして海上運送法上の取り締まりをやっているわけでございます。さらにこの場合に、ただ港則法適用につきましては、港則法適用は、原則として港でございます。港と河川との区域につきましては、港域法区域でそれぞれの港について規定しておりますけれども、要するに、川のほうには原則として入らないというような状況になっておりますので、港則法適用については、いわゆる港の区域に編入されているところの河川というようなものについては、当然港則法適用がございますけれども、それ以外の河川とか、あるいは湖水とかいうようなところについては、港則法適用がないわけでございます。これらの港則法適用のない河川、湖沼等につきましては、現在、通常の場合におきましては、府県条例におきましてそれぞれの航行取り締まりと申しますか、そういう点を規定しております。たとえば、モーターボートの暴走規制等につきましては、現在、二十県ばかりがそれぞれの取り締まり条例を規定している。あるいはまた、琵琶湖とか神奈川県の海水浴場取り締まり条例とかいうふうな、港則法の及びませんところの水面につきましては、原則として府県条例でやっているというのが、現在の状況でございます。  ただ、これらの問題につきまして、今後、これらいわば港に接続しておるあるいは河川、湖沼等におきますところのいわば交通取り締まりというものをどのようにやっていくかというようなことにつきましては、ただいま御指摘もございましたように、いろいろ問題もございますので、先月、海上航行安全審議会に、これらの問題もその一つ問題点として検討をしてもらっているという状況でございます。また、さらに、先ほど御指摘のございましたような、各種の非常に混雑いたしますところの水域あるいは航路というようなものについての規制をどうするかというようなことも、あわせて海上航行安全審議会で現在審議をしていただいているという状況でございます。その結論を得次第、また適切な措置をとりたいと考えている次第でございます。
  48. 相澤重明

    相澤重明君 いま私の質問したことをいま一歩進めていくと、次のような問題があるわけです。いま港則法がここにきめられる。しかし、港に通ずる河川——これは港の中で港湾運送事業を行なっておった船が、たとえば老朽化して、これは直してもとてもしかたがない、といってこれをよそにやるのはたいへんだというので、最近における情勢というものは、この港の中にまさか船を捨てるわけにいかないから、港に通じておる川をさかのぼって、川に捨ててしまう。つまり、川が閉鎖をされてしまう、こういう問題が起きるわけです。これについては、だれがどうということにならない。ですから、もし港の区域なり、港のそういう港則法などの適用でそれを除去することができるのか、あるいはできないのかという問題は、この港の管理者なり、あるいはその港の管理者権限の及ばないところになる。こういう問題については、地方の市町村は一体どうしたらいいのだという問題が、私は出てくると思う。つまり、たとえば、だるま船ならだるま船を、船の名前を削ってしまって、暗やみに乗じて、夜、港から川を少しさかのぼったところに行って沈めてしまえば、どこの船だか、持ち主さえわからない。それはもう非常に港の作業にも悪影響を与えるし、また、それがたくさんになってくれば、その地域の流水等の問題に大きな影響を与えてくる、こういうことが、私はどこの港でも実は悩みの種だと思う。  そこで、この港則法審議の際に、私どもは、こういう問題点をやはり政府も知ってもらわなければいけないし、場合によったら、そういうものを除去する方法というものはないものか、こういう点を考えるわけです。港の中におれば、確かに港則法にかけられるだろうし、あるいはまた、海上保安庁のいわゆる警備艇においてさがすこともできるだろう、あるいは管理者に対する、こういうふうに直せという改善命令も出せるだろう。けれども、その港則法にかからない、こういうような場合には、一体どうするのか。しかも、それは、実はその港からすぐ入らなければそれはできないことで、まさか陸からトラックで持って行って川に捨てるわけじゃない。港から持って行って、そこで川に捨てる、こういうものについては一体どうするのかというようなことを政府がお考えになったことがあるのかどうか、これは少し聞いておきたいわけです。
  49. 高林康一

    説明員高林康一君) 現在の港則法では、港内だけでなく、港の境界、境界付近といいますか、境目における付近というところにおきますところの、いま先生のおっしゃいましたような障害物と申しますか、そういうようなたとえば漂流物、沈没物、その他の物件というようなものが港の境界付近にございますときには、それぞれこの占有者または所有者に対して、除去を、特定港の場合におきましては、港長がこれを指示することができるというふうに、現在の二十六条等において規定しておる状況でございます。ただ、さらに、この境界付近から離れました場合におきましては、どうしても港則法の手の及びませんところでございます。これについては、おそらく河川の場合におきましては、河川管理者が河川管理機能の一部としてそれぞれやっておるのではないかと考えておりますけれども、これらの点について、なお河川等の管理着たちというものとよく連絡をいたしまして、港の機能の維持をはかっていきたいというふうに考えておる次第でございます。
  50. 江藤智

    江藤智君 関連して。今度の港則法で港の区域をきめますね。その場合に、いろいろ関係のある法律につきましても、原則としてこの港則法によるということは当然ですが、その中で、船員法だけ、特に法律定める港の区域と異なる区域定めることができる、こうしたのは、これは船員局長のほうかもしらぬが、特に船員法については別の区域定めるというのが明記してありますね。これはどういうわけですか。
  51. 高林康一

    説明員高林康一君) 船員法におきましては、御指摘のございましたように、別の区域の特例を定めているわけでございます。これは港域法は、各種の法律におきますところの港の区域をできるだけ統一的に規定しようというふうに考えたために、非常に広いというのが大体の現状でございます。そこで、その港湾内におきまして、それぞれ港湾の労働実態というものが相当違う場合がございます。そこで、この場合において労働実態、たとえば京浜港といった場合に、京浜港だけの航行というようなものについて、これを船員法考えないということは、非常にかえってこの実態にそぐわないというようなことで、これを東京横浜川崎というふうに三つに分けて考えて、その間を航行するところのものを船員というふうにとらえるというふうにしておりまして、概して非常に広くそのために船員としてとらえるべきものをのがすという可能性があるというふうな関係から、こう広い区域のものについては、区域特例を定め船員法適用考えているというのが現状でございます。
  52. 江藤智

    江藤智君 そうしますと、大体港湾法港湾管理者区域をきめますね。管理者関係東京港とか横浜港とか、それと大体具体的に一致しているのですか。いま東京だけの例ですけれども、もう少し別例で説明していただきたいと思います。
  53. 高林康一

    説明員高林康一君) 船員法の場合は、いまの港湾管理者区域というようなものと大体一致しております。他のものにつきましては、港湾区域というものが、将来、港湾計画考えておりますので、かなりやはり広い状況になっていると覚えております。
  54. 江藤智

    江藤智君 京浜の例はわかりますがね。ほかにもそういう場所が相当あるのですか。
  55. 高林康一

    説明員高林康一君) 現在、区域特例を船員法できめておりますのが、六港ございます。
  56. 江藤智

    江藤智君 どこどこですか。
  57. 高林康一

    説明員高林康一君) ちょっと六港の名称は忘れました。
  58. 江藤智

    江藤智君 いずれあとで……。終わります。
  59. 松平勇雄

    ○要員長(松平勇雄君) 本案質疑は、本日はこの程度にいたします。     —————————————
  60. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。
  61. 相澤重明

    相澤重明君 自動車局長にひとつお尋ねしておきたいと思うのですが、前回——前回というよりも、この前の委員会ということでなく、ずっと前ですが、当委員会で、自動車の使用するガソリンあるいはLPガス等の問題について、ガソリンとLPGと、どちらが一体公害が多いのか、こういう点を質問いたしました。その際に、LPGのほうがより安全であるというような、私は御回答をいただいたと思うのですが、その点については、今日も変わっておりませんか。
  62. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) 公害関係につきましては、私どもの技術研究所の調査で、ガソリンよりLPGのほうが、その有毒ガスの発生が少ないということを申し上げました。
  63. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、最近すでに参議院で三月三十一日の夜、四十年度の予算は通ったわけでありますが、ガソリン税あるいはLPGの課税、こういう問題でたくさんの請願、陳情が来ておるわけです。ところが、それはそれといたしまして、今日の自動車の動向について政府はどういうふうにお考えになっているかという点をお尋ねをしたいと思うのです。  その一つは、最近、もちろん、きょうは通産省関係が出席しておりませんから、具体的なことについてはなかなかむずかしいかもしれませんが、石油あるいはガソリンの生産制限といいますか、調整といいますか、そういうようなことと、LPGの不足ということによって、せっかく運輸大臣認可をした自動車の稼働率が非常に悪い、場所によると、保有台数の二割、三割も休車をしなければならぬ、どういうようなことが現実に行なわれておるというふうに私どもは聞いておるのでありますが、運輸省として、そういうことを把握しておるかどうか、この点お答えを先にいただきたい。
  64. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) LPGの不足につきましては、昨年の末から年初にかけましてそういう声が強かったわけであります。しかし、それにつきまして、われわれとしては、局部的あるいは一時的な現象ではないかというふうに考えておりまして、春になって家庭用のLPGの需要が緩和すれば、自動車用LPGの不足は漸次解消するんではないか、こういうふうに期待しておったわけであります。しかし、最近に至りましても、依然としましてその期待どおりに緩和しないという声が強いので、われわれとしましては、陸運局に休車の状況あるいは運行制限の実情、あるいはまた、価格の高騰の状況等、至急調査させて対策を考えたいと、そう思っております。
  65. 相澤重明

    相澤重明君 いろいろ町の話を聞いてみると、最近はむしろ、ガソリンよりはLPGのほうが値段が高くなりつつある、しかも、なおかつ数量を確保するのがなかなかたいへんだと、こういうような話を私聞くわけです。そうすると、特に政務次官も出席ですから、これは運輸省の所管事項として私はやはりこの点、重大関心を持っていただかなければならぬのは、さきに衆参両院の本会議でも、山陽特殊鋼の倒産によって関連事業がどのくらい多くの被害を受けたかということは、すでに政府も御承知のとおりだと思うのです。ところが、いま自動車関係の業者が、これはバスの人にせよ、あるいはハイヤー、タクシーの者にしても、また貨物の問題にしても、この消費するガソリンあるいはLPGの値段が上がるということは、それだけ経営を困難に私はすることだと思う。特に大企業のものは例外といたしまして、普通まあ運輸大臣認可をするハイタク業者なんというものは、中小企業、むしろ零細業もかなりあるのではないか。特に私どもがいつも政府に注目をして要請をしておったのは、個人タクシーとか、あるいは駐留軍の離職者のハイヤー、タクシーとか、そういうものをすすめてきたのでありますが、そういう零細業とか中小企業の場合は、あまりにも関連のコストが高くなれば、それだけその人たちの生活というものは脅かされる、ひいては、その事業というものが私は遂行できぬのではないかと、こう思うのです。そういう意味で、通産省の所管とはいいながら、この大衆の足を確保するための公共的な立場にある自動車行政については、私は政府自体が相当のやはり考えを持たないと、なるほど、五百億も関連して倒れたということになれば、すぐに火がつくかもしれないけれども、一軒や二軒の自動車会社がつぶれたから、あるいはスタンドがつぶれたから、それで声が出てくるかというと、そういうことには、これは私はならぬと思う。そういう意味で、現在のLPGの不足について、どういうふうにしたらいいのか。いま局長の答弁では、春になればLPGの使用も家庭用は少なくなるから緩和されるだろう、こういう甘い見通しを持っておったと思うのですが、しかし、すでにさようですか、業者も東京に集まってこの打開策というものを緊急的にいま討議を進めておると私ども承知をしておるわけです。そうすると、単に業者がつぶれてから、あるいはまた、経営が成り立たないようにひどい患者になってから手を加えるということは、これはなかなか困難だと私は思う。そういう意味で、LPGの問題をはじめとして、このガソリン消費等について、自動車関係について政府はどう対処していくのか、この際、ひとつ承っておきたいと思うのです。どうですか。
  66. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) LPGが不足して価格等も相当高騰しているというような話も聞きました。まあLPGが原価的にどういうことになっておりますか、私よく知りませんが、需給状況が非常につり上げられておるというようなことになりますと、われわれとしても相当関心を持っておるわけでありまして、ただいま申しました陸運局の調査に基づきまして、さしあたり生産の確保の方策と流通機構の整備等について通産省と折衝し、また、今後の長期の需給の策定等につきまして計画を樹立するよう、やはり通産省と協議したい、そう考えております。
  67. 相澤重明

    相澤重明君 整備部長、いまのLPG車は、ガソリン車と比較してどのくらいの数になるのですか。
  68. 宮田康久

    説明員(宮田康久君) 本年一月の調べによりますと、全国でLPG車が六万四百三十八台でありまして、その中で、乗用車が五万三千七百六十二台であります。
  69. 相澤重明

    相澤重明君 いまのような数字が政府報告をされておるようですが、私は現実にはもっと多いのじゃないか、こう思う。ところが、LPGの不足ということで、また自動車の構造を変えなければならぬ、こういうことが業界のいま非常に苦悩しつつある内容だというふうに私は聞いておるわけです。これはもうLPGがなぜ非常に急速に発展をしたかというと、わずか三年か四年前に、大阪や川崎で一部の業界が、いかにして独立採算制を進めるかということについて、まず労働者の賃金というもの、生活安定というものを考えなければならぬ、それには、できるだけ経費を節約しなければならぬ、こういうことで、高いガソリンをできるだけ安いものにかえていく必要があるというのが、LPGのそもそもの発足だと思うのですよ。当時、三、四年前のLPGとガソリンとの単価を比較すれば、おそらく半額以下、こういう事情だったと思うのです。それが、いま整備部長が言うように五万台、六万台、あるいは今日では十万台あるかもしれませんが、そういうふうに急速に伸びてきたと私は思う。ところが、実際に、ガソリンよりは今度はLPGのほうが高くなる、こういうことになれば、かえって、そのために構造改善したことが、今度は業者自体の大きな負担となってくる、それをまた変えなければならぬということになると、先ほど申し上げた中小企業なり零細業というものは全く立つ瀬がないと私は思う。そういう意味で、このLPGを輸入をするということは考えられないのかどうなのか。国内の出産というものを、率というものを上げることはできないのかどうなのか。こういうようなことを、私は、自動車といたしまして、監督しておる立場で、通産省に厳重に申し入れなければならぬじゃないかと、こう思うんですが、先ほど自動車局長からは、通産省と協議をするというお話だったんですが、そういう点について、特に私は運輸省として、これは本日は政務次官がおりますから、大臣に報告をしていただいて、これはもうきちっとやってもらう。そうでないと、せっかくの足の確保ということを言ったけれども、実際には休車が多くなって、大衆の足に確保されない。しかも、業界自体は指導委員会とか、あるいは乗せないという者をできるだけ指導をして、そういうことのないようにしてきたと、乗車拒否というものは近ごろなくなってきたと、こういうことを言っておるにもかかわらず、車の数が少なくなれば、どうしても利用者が不便を来たすということになると私は思う。一方において、同じ政府機関で、運輸省が大衆のためにということで積極的に進めておっても、そういう一方のいわゆる使用するガソリンなりLPGが高くなって、そのため大衆が不便をこうむる、こういうことは私は許されないことだと思うんですよ。こういう点について、政務次官出席ですから、どうするかひとつ御答弁いただきたい。
  70. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) ただいま御意見がございましたとおり、自動車のような特に運賃が公共料金として規制されておる、こういったような種類の産業につきましては、できるだけその原料となるべきものを安く供給するといったような施策が、同町にとるべきであると私は考えております。そういう意味から申しまして、自動車の場合におきましては、この最も必要な原料である燃料につきまして、さような措置をとることは当然でございます。従来、その点につきまして、私といたしましても種々残念な点がございますが、いまLPGにつきましてさような問題があるといたしますれば、これは極力努力いたしまして、その原価を安く供給し、公衆に対する自動車料金を安定していく、そういう施策を同時に講ずべきでございますから、これは大臣にも申しまするし、また、できるだけ政府間におきましても調整をはかっていきたいと考えておる次第でございます。
  71. 相澤重明

    相澤重明君 せっかく政務次官の御答弁ですから、私も了承いたしますが、実際に業界諸君も努力をしておると思うんですが、そういうための自分の企業努力よりか、他からくるところのそういう問題によってコストが高くなったり、あるいは経営が不振になるということは耐えられない問題だと思うんですよ。そういう点で、これは一運輸省の問題じゃなくて、政府全体の私は問題だと思う。運賃の値上げ、料金の値上げをしたところで、そういう他の影響によって経営が不振になる、あるいはまた、そうした事業の不振ができるということは、政府全体が考えなきゃならぬと、こういうふうに思うんです。特に専任の担当省であるところの通産省は、そういう点を積極的に対処しなきゃならぬというのが、いま政務次官から御答弁いただいたことだと私は思うんです。そういう意味で、きょうも全国のそういう業者関係も、非常に頭をひねって対策を練っておるようでありますから、早急にひとつ私は対処してもらいたい。このことは特にまた強く要望しておきます。  そこで、いまハイヤー、タクシー等の問題のお話を承ったわけでありますが、貨物ですね、トラック。とういうような業種については、いまLPGを使っておるなり、あるいはディーゼルを使っておるというものは、ガソリン車と比較してどういうふうになっておりますか、比率は。
  72. 宮田康久

    説明員(宮田康久君) 四十年一月末のやはり統計で、トラックの中でディーゼル自動車を使っておりますのが三十万五千百六十九台、ほぼ三十万台ディーゼル自動車をトラックに使っております。それから、トラックの中でLPG車は、やはり一月末で六千六百七十六台になっております。
  73. 相澤重明

    相澤重明君 ガソリン車は何台ですか。
  74. 宮田康久

    説明員(宮田康久君) ガソリン車は、差し引き勘定になりますが、全体で申し上げますと、ガソリン車が軽自動車、軽三、四輪車まで含めまして三百九十二万台になっております。その中で軽自動車が百四十八万台でございます。
  75. 相澤重明

    相澤重明君 今度政府が自動車ターミナル法案を提案をし、衆議院はすでに可決をして本院に回ってきておるのですが、おそらくこの次あたりには、その提案理由説明もあると思うのですが、自動車ターミナルをつくった場合に、そういうところで使用する自動車はどういう種類のものですか。
  76. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) ディーゼルが主体になると思います。
  77. 相澤重明

    相澤重明君 ディーゼルを使った場合と、ガソリン車を使った場合、LPG車を使った場合、これはこまかい点は別といたしまして、重量とかあるいは速力とかというようなもの、また経費の点について、やはりディーゼル車が最も適当であると、こういうことでターミナル関係の使用車がディーゼル車が多いということですか。
  78. 宮田康久

    説明員(宮田康久君) いまのお話でございますが、ターミナルに入ります車の中で、御承知のように、長距離走ります路線トラック的なものは、これは非常な大きな車になりますので、しかもまた、長距離走りますので、これにLPGを使うのは、実際問題としてあまり可能性がないと思います。したがって、これはすべてどこの国でもそうでございますが、LPGではございませんでディーゼル車を使うことになっております。ただ、いまのお話に関連しまして、集配車でございますけれども、集配車でございますと、一日の走行キロもきまっておりますし、その程度の、たとえば二トン積みでございますとか、四トン積みでございますとかいう程度のトラックで集配いたします場合には、経費の点等を考えまして、あるいはLPG車を使うということも可能だと考えます。
  79. 相澤重明

    相澤重明君 それから、いわゆる高速道路を利用する長距離路線トラックですね。こういう車は、現在の重量トン数というものは、どの程度までを一応お考えになっておるのか。
  80. 宮田康久

    説明員(宮田康久君) これに関しましては、運輸省、建設省等といろいろ協議をしておりますが、また、世界の実際に高速道路等走っております車の実態等調べておりますが、私どもといたしましては、おそらく単車で十二トン程度のもの、トレーラーを引っぱりまして十五トン、積載量で申し上げますと十五トン程度のものはぜひ使われるようなことにいたしたいと考えております。
  81. 相澤重明

    相澤重明君 運賃、料金等につきましてはよくわかりませんが、たとえば十五トン車というようなものでいきますと、どのくらいの料金になるのか。長距離、たとえば名神国道でトラックを使用するとなると、どのくらいの収益になるかというようなことは、たとえばターミナルをつくった場合の中継等のことも考え、先ほどの集配のことも考えると、やはりコストのことが問題になると思うんですよ。大体いまのトン当たりはどのくらいの単価になっているんですかね。そういうことはおわかりになりませんか。
  82. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) 詳細なことは、いま調べましてまたお答えしますが、考え方としては、車両が大型化すればするほど、運賃コストは安くなるのでありまして、従来路線トラックの運賃が十年間近く据え置かれておったということも、車両の大型化によって合理化していく、そういうことでございます。今後高速道路が整備されれば、車両の大型化によってコストダウンをはかるということは、当然考えられると思っております。
  83. 相澤重明

    相澤重明君 全国のバス業界等においては、先日の九社ですか、いままで保留になっておったところの九社ぐらいが料金の改定がなされたと私は思うんです。しかし、全国のバス業界等では、さらに適正な料金を申請して受くべきであるというような動きがあるやに聞いておるんですが、それはそれとして、いまの局長の答弁のトラック運送ですね、トラック運送について、いままでしばらくの間運賃料金というものはストップしておった。そうして企業努力によって、その業者自体の企業合理化といいますか、企業努力によってどうにか維持をしてきた。ですから、だんだんコストダウンを考えていくには大型化と、またできるだけの利便というものを考えていかなければならないだろう、こういう点がうかがえるわけです。しかし、その反面、私どもおそれるのは、自動車の整備に不十分の点があったらたいへんではないか、それから自動車を運転する運転者の待遇が悪かったならば、それもやはりそういう問題に影響してきやしないかという点が考えられるわけです。そういう問題も含んで貨物運賃の適正化というものについて、政府がお考えになったことがあるのかないのか、この点はいかがですか。
  84. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) 貨物の運賃につきましては、三十七年に申請が出まして、路線トラックにつきましては、一昨年の四月に認可になりました。区域トラックにつきましては、昨年一ぱいかかりまして三段階に分けまして運賃の改定を終わりました。これによりまして、現在はわれわれとしては適正な運賃が維持されているというふうに考えております。
  85. 相澤重明

    相澤重明君 それから、この機会にいま一つ伺っておきたいのは、自動車ターミナルができることはたいへんいいことだ。合理化にもなり、また利用者に対して非常に便利になると私は思う、速くなるから。それはいいとして、たとえばいまの集配の問題ですね、集配の場合にいまの運輸省が自動車業の免許をする際に、一定の区域を指定をするわけですね、限定じゃなくて一般区域の場合。この一般区域を指定をする場合に、その区域の中における、たとえば事業協同組合を組織した、その中における業者がですよ。そうして企業合理化をはかり、企業努力によって、できるだけ運賃料金を値上げをしないで大衆の負担を重くしないで、何とかいまの認可事業、免許事業というものを維持していきたい、こういうことがあると思うんです。この場合に事業協同組合を組織した場合に、その地域の交流という中において、これはたとえば一般区域で本来ならば行なえるのでありますが、その区域の中における限定のあなた方のほうで許可をしたものについて、事業協同組合に加入した場合にはどうなりますか。その区域内は当然私は同じように取り扱っていいと思うんだが、政府考えはどうですか。
  86. 黒住忠行

    説明員(黒住忠行君) 協同組合を地域的につくりますことにつきましては、運輸省といたしましても強く指導いたしておりますが、その場合に一般事業者及び限定業者が入りまして協同組合を編成することは、言うまでもなく可能と思います。しかし、この限定業者が一般事業を行ないますためには、所定の手続きを要するわけでございまして、免許は個々事業者でやるわけでございますので、協同組合に入りまして一般の免許を受けてやれば、他の業者と同じように事業ができるということであります。
  87. 相澤重明

    相澤重明君 いや、私の聞いているのは一般免許をとった者が一緒になっていま言った事業協同組合をつくって組織をして仕事をするなら、これはもうあたりまえの話だ。そうではなくて、そういう一般の人たらが中心になってもちろんやるけれども、中には限定の者もある、この区域の中には。そうすると、その限定の者は協同組合の組織に加入したい、加入を認める、これは拒否する理由はないわけですね、事業協同組合には。そうすると加入する。加入した場合には、その協同組合の定款に基づいてその区域内における事業については、当然行なっていいのではないか、こういう解釈をするわけですよ。だから、いま言った黒住部長の言う個々事業者については、それぞれの資格要件というものは必要だ、事業の内容については資格要件が必要だ。したがって、協同組合は組織されても、個々の資格要件に基づいて事業をするということになれば、事業協同組合を組織をした私は意味が大分薄らぐのじゃないか。つまり、それはただ単に交流という名だけであって、実際の事業そのものには私はあまりプラスにならぬのじゃないかというふうに思うのです。したがって事業協同組合を組織をすれば、そういう何らかの恩典は、規制されておっても、何らかの私はある程度の恩典がなければ、私は事業協同組合を組織する価値がないと思うのだが、こういう点はどうですか。
  88. 黒住忠行

    説明員(黒住忠行君) 協同組合を組織いたしまして、やはり恩典といいますのは、共同作業それから金融面と二つに分かれると思います。それで協同組合にもいろいろ形がございまして、普通業者が集まってやる協同組合につきましては共同の引き受けであるとか、あるいは協同組合としまして金融面で金を借りる、そういうことでその場合におきましては、個々事業者は免許は個々に持ちまして、事業自体は個々にやるという場合でございます。しかし一方、先生のおっしゃるのは、事業協同組合の形だと思いますが、事業協同組合というものが免許を受けまして、組合員はその下において仕事をやるという形ももちろんあるわけでございまして、形は二つあるのであります。前者につきましては、いま相当各事業者が独立いたしまして事業をやっております場合に、中小企業でございますから、自分たちの力だけでは不十分であるから協同組合をつくりまして、共同の引き受け、あるいは共同の車庫をつくる、そしてまた金融面を緩和していく、そういうふうな目的から協同組合をつくっているという実情でございまして、両者の形があると思います。
  89. 相澤重明

    相澤重明君 なぜ、私が、いまのことを申し上げるかというと、トラックターミナル法ができる。この場合、何といっても、これは縦貫するというか、幹線道路を使用する者が一番多くなると私は思うのです。したがって、この地域に入った末端における集配等については、そういう既設の免許事業者にやはり協力を求める者が多くなってくるのではないかと、こう思うのです。その場合に、ある地域に行けば、そういう全国的な系統的な業者と提携をして、最もサービスの行き届いた、しかも、速く安くと、そういうことが要請される現代だと私は思うのですよ。ということになると、そういう密接不可分な組織形態というものをつくってやるということが、これからますます近代社会では必要ではないか。そういう点で、ターミナルというものは、そんなに狭いところにたくさんつくれるわけじゃなくて、広範な地域の中に特定の個所をつくるんだと、こう思うのです。あと法律提案を受けてから、私どもは質問したいと思うが、いまは別にターミナルの法律審議しているのじゃなくて、そういう自動車がたいへん多くなるし、また、事業をよくしていかなければならぬという目的からいけば、いまの地域の中における協同組合を組織した場合には、その協同組合が一手に荷物の引き受けをする、本来ならば、各事業者でいけば、十台なら十台しか車を保有しておらないものが、たくさんの荷物を言われたところで、それは合理的にはけない。それがいま言った協同組合を組織しておれば、自分のところはなくても、協同組合としては、どこの車がどのくらいあるから、それで直ちに配車できるということになるわけです。共同受注、共同配車ということが、そういうところで協同組合のうまみというものが、私は出てくると思うのです。そうした場合に、たとえば限定の者が、もちろん、これは特定事業者が特定の会社と荷物の契約をして運送をしておると思うのです。けれども、それがいま言った、たとえばターミナルに乗る場合もあると思うのです。ターミナルだから、特定の業者はもう入れないということになっては、私はならぬと思うのですよ。そういうようなことを考えていくと、やはりその地域の一つ協同組合を組織した場合には、私は協同組合を認可をしたのなら、その中におけるところの共同受注、共同配車、共同作業ということはやらしていいんじゃないか。それで、その者が、その協同組合組織の区域を越えた、しかも限定の者が、それ以外のことをやるということについては、これは法律違反に私はなると思う。そうでない場合は、特定のそういう限定免許であっても、その地域内における共同組織の中に加入して行なわれるものについては、それまでは見てやるべきではないか。法律というものも、何も昔からできている法律をそのまま審議しておるのなら、何もわれわれ国会議員は必要ないわけです。やはり新しい事態に必要なように法律改正をしていくというのが、法律改正だからね。そういう意味で、いままでの協同組合を組織をして、それで運輸省に申請したところが、これが認可された。そうすると、その一定の地域というものは、この協同組合の区域になるわけです。その場合には、その区域内の事業者に対しては、協同組合の名による仕事をさしていいのじゃないか、こういうように私は思うだが、その点は、まだ理解できませんか。いま一度説明を願いたい。
  90. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) 協同組合そのものに運送事業の免許を与えて、運送契約を結ばせたらどうかというような御質問ではないかと思うのですが、現在のたてまえは、運送事業の免許は、個々の法人に与えまして、それらの者が共同行為をするために組織するのが協同組合である。あるいは、資金を共同して借りるとか、あるいは資材を共同して購入する、あるいは、さらに進んで、共同引き受けをやるとかそういった行為もあると思います。その場合、共同引き受けの場合には、いまわれわれの道路運送法のたてまえでは、設備の共同使用の認可といいますか、そういったような規定認可になるわけでありまして、組合自体が運送事業者の免許主体になるという考えはとっておりませんで、個々の業者が共同して引き受ける、そういった共同行為についての道路運送法上の認可をわれわれとしては与える、そういうたてまえになっております。
  91. 相澤重明

    相澤重明君 だから、私の言っているのも、その協同組合に一括して運送事業の免許を与える、こういうことを言っているのじゃないんだ。一般の免許を持った者が中心で、そのいわゆる特定の地域を限って協同組合の組織をする、そうして運輸省認可をもらう、こういう場合には共同作業でしょう、一つの目的は。で、共同の、お互いに足りない点を補充したり、悪いところは直したり、設備の改善をしたり、そういうようなことに、この共同組織というものは非常によくなるわけですね。そこで、そういう目的で進んでおるのだから、たとえば、その地域内における限定の者があっても、その限定の者が、しかも協同組織の区域内以外に飛び出していくということについては、これは問題だろう。しかし、この協同組織の区域内にあれば、いま言った共同作業という解釈までとれるのじゃないか。それがとんでもないところへ飛び出してくるのなら、これはやはり法律に従って免許の基準というものがあるのだから、それは押えなければいかぬ。しかし、そうでなくて、協同組合組織というものの理念からいって、そういう共同作業をするとか、あるいは共同事業を行なうということになれば、ある程度のそういう足りない点をお互いに補完しつつ、よいものにしていく。そうして、先ほど申し上げたように、中小企業ができるだけこの改善策をとって、事業の経営を安定化していく、こういうことになりはしないか。そうでなければ、協同組合組織化というものが、全く何のことか、せっかく法律は中小企業基本法とか協同組合法とかいうものがあっても、実際に運輸省の中での行為としては薄れていくのじゃないか。まあこれは一面だがね、しかし、一面においては、さっき黒住業務部長が言うように、これは融資の問題とか、共同作業場の問題とか、そういうもののプラスの面もある、それはもちろんある。あるけれども、むしろ私は、いま一歩進んで、その特定区域の中を指定して協同組合を組織したならば、その中における行為は、私はそういうふうな解釈をとっていいのじゃないか、こう思うのだが、その解釈のしかたですよ。どうですか、それは。
  92. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) われわれが協同組合化を非常に進めておりますのは、運賃のダンピングを防止するとか、企業の健全化をはかるとか、あるいは合理化をはかるとかということから進めておるのでありまして、その場合に、一般の免許を持っておる者が協同組合を結成する中に、限定の事業者も入っておったという場合、そうして、たとえば共同引き受けをするという場合に、非常に不便ではないかというような御質問だと思うのであります。そういうような情勢のときには、限定免許を一般に切りかえておいたほうが、私としては合理的な方法ではないか、こういうふうに考えております。
  93. 相澤重明

    相澤重明君 これで終わりますが、それから、いま一つは、いまの協同組合組織について、運輸省の行政指導は、どういうことですか。都道府県単位あるいは市町村単位、いろいろあると思うのですがね、まあ業界の友好団体としてはトラックならばトラック協会、バスならばバス協会、それぞれの協会がありますね。これはあくまでも親善団体だ、事業団体ではないわけだ。いまの協同組合というのは、ひとつのそういう事業も含んだものなんですね。そういうものについての範囲というものは、どういうふうにお考えになって行政指導しておられるか。
  94. 黒住忠行

    説明員(黒住忠行君) いまの指導方針は、まずその足場から固めるという意味におきまして、地域協同組合をつくらす、で、足場が固まったものを県単位の連合会をつくらす、そしてまた全国組織といたしましては、すでにでき上がりましたが、全国貨物運送組合連合会というものを全国単位としてつくらすという順序でございまして、目下のところは約百七十七地域協同組合がございます。これを県単位にまとめるという指導をいたしておりまして、たとえば御承知のように神奈川県におきましては、すでに昨年でき上がりました。逐次いま申し上げましたような順序で指導して、協同組合を広くつくらしていきたいという考えでおります。
  95. 相澤重明

    相澤重明君 いま全国的に見て、府県単位でできたのは幾つぐらいあるのですか、連合会ができたの。
  96. 黒住忠行

    説明員(黒住忠行君) 神奈川県におきまして連合会ができております。
  97. 相澤重明

    相澤重明君 それだけか……。これは神奈川県というと私の地元なんだけれども、私はやはり全国的に、そういう問題をできるだけ早い機会に組織化する。それがやはり業界の、先ほどもお話のあったようなダンピングを防止することにもなるし、それから国民に対するサービスの向上にも私はなると思う。それがともすると業界自身に、なかなかそういう積極策というものは乏しいと思うのですよ。それがやっぱり先ほどから一つの例で、LPGや、ガソリンの消費問題を話したけれども、全般の問題に関係してくると思う。そういうことで、できるだけコストダウンをして経営が安定をするような指導をする。他面においては、やはり仕事の量というものが安定をするということが必要だと思う。これはやはり共同作業、いわゆる協同組合の組織化というものがどんなにか大きな役割りを果たすということがわかってくると思う。そういう面でことしの目標、たとえば自動車局の一つの目標として、私は府県単位の協同組織化と、こういうことに努力をしてもらいたいと思うのです。そして一方においては、あとで御提案になるでしょうが、ターミナル法等を十分に活用して、そして経済効果のあがるようにしてもらいたいと思う、そういう点をきょうは希望しておいて、これで質疑は終わりたいと思うのですが、ことしの一つの目標をそういうふうに運輸省考えられぬかということについて、御答弁を願って終わりたいと思います。
  98. 坪井為次

    政府委員(坪井為次君) トラック事業につきましては、非常に経営が、経蔵というか、経営主体が零細で、われわれとして特に区域事業につきまして行政する場合に、非常にむずかしい行政になっておるわけでございます。われわれとして、やはりトラック輸送というものが、国民の経済生活に非常に重要な役割りを占めているということから、流通の合理化という見地からも、これが内容の合理化、あるいは近代化、そういったようなことに努力しておるわけであります。その方法の一環として、ただいまお話のありましたように、協同組合化を積極的に指導して、これによって体質改善をはかっていきたい。特に中小企業近代化促進法の業種指定も受けまして、こういった面からもそういった組織化を急いで、トラック聖業のレベルアップというものに最重点の施策を行なっていきたい、そう思っております。
  99. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。  次回は四月十三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後三時十五分散会      —————・—————