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1965-03-18 第48回国会 参議院 運輸委員会 第13号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十八日(木曜日)    午前十時五十分開会     —————————————    委員異動  三月十七日     辞任          補欠選任      佐野  廣君     加賀山之雄君      後藤 義隆君     野上  進君     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 前田佳都男君                 吉田忠三郎君     委 員         江藤  智君                 加賀山之雄君                 河野 謙三君                 松野 孝一君                 相澤 重明君                 岡  三郎君                 小酒井義男君                 浅井  亨君    国務大臣        運 輸 大 臣  松浦周太郎君    政府委員        運輸政務次官   大久保武雄君        運輸大臣官房長  堀  武夫君        運輸省海運局長  若狭 得治君        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        運輸省鉄道監督        局長       佐藤 光夫君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  深草 克巳君        海上保安庁長官  今井 栄文君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        日本国有鉄道常        務理事      豊原廉次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○海上運送法の一部を改正する法律案内閣提出) ○港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営に関する件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  初めに委員異動について御報告いたします。  三月十七日付をもって委員佐野廣君及び後藤義隆君が辞任し、その補欠として加賀山之雄君及び野上進君が選任されました。     —————————————
  3. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 海上運送法の一部を改正する法律案議題といたします。  ます、提案理由説明を聴取いたします。大久保運輸政務次官
  4. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) ただいま議題となりました海上運送法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  改正の第一点は、近年、自動車航送をする船舶運航事業が急激に発達してまいりましたので、その適正な運営をはかるため、必要な規定整備しようというものであります。  自動車航送は、旅客定期航路事業者がこれを行なっている例が非常に多いのでありますが、現行法におきましては、旅客定期航路事業について、旅客運送の面についてのみ種々の規制を加えているのでありまして、自動車とその運転者、乗客、積み荷を一体として運送する面についてはこれを的確に規制する手段がないのであります。そこで、旅客定期航路事業者が行なう自動車航送につきましては、その自動車航送についての運賃及び運送約款認可制にするなど、旅客運送の場合と同様な規定を設けることといたしました。  また、自動車航送をする貨物定期航路事業につきましては、現在内航海運業法による登録事業となっており、規制が比較的ゆるやかでありますため、最近、その増加が特に著しく、このまま放置することは、自動車航送に関する秩序の維持とその健全な発達をはかる上において好ましくありませんので、これを許可制とし、必要な規制を加えることといたしました。  改正の第二点は、現行法におきましては、定期航路事業者の間の貨物運送過当競争の防止について運輸大臣が必要な勧告をすることができることになっておりますが、最近、不定期航路事業者定期航路事業者と過度の競争をする事態が生じてきておりますので、不定期航路事業者に対しても、同様に勧告することができるようにしようとするものであります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  6. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  7. 岡三郎

    岡三郎君 昭和三十六年に制定された港湾整備五カ年計画が、漸次貨物量増大に伴って計画を新たにしてきたわけですが、今回昭和四十年度を初年度として四十四年度に至る総額五千五百億円をもって港湾整備五カ年計画を発足するとこう書いてありますが、見通し——いろいろ困難な事情はわかるにしても、今回の港湾整備五カ年計画の基礎になる資料ですね、こういったものについていろいろ検討されたと思うのですが、今後の見通しは、どうなんですか、これをひとつ聞きたいと思う。
  8. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) この五カ年計画を三十六年度からつくりましたのは、所得倍増計画に基づいてつくったわけでございまして、御承知のように、所得倍増計画が非常に初期においてその成長率が大きかったものでございますから、貨物量増大いたしまして、四十年を目標にしておりましたのが、すでに三十八年においてその目標量を突破したので、新しく計画をつくり直さなければならぬということになったわけであります。今度つくりました計画中期経済計画に基づくものでありまして、やはりこのもとになる計画がそごを来たすと申しますか、成長率が大き過ぎれば、またこれを改定しなければならないということになるかもしれません。
  9. 岡三郎

    岡三郎君 この昭和三十九年度から四十三年度に至る計画をつくって、それを今回さらに新五カ年計画ということで、五千五百億円の費用で発足することになったと、あまりにも目まぐるしい改定といいますか、そういうことで新しく港湾施設というものをやらなくてはならぬということはわかるわけですが、ここに具体的にいろいろと資料が出ておるようですけれども、一体重点的にいうとどういうところが貨物輸送量がふえるんですか、港として。
  10. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) これは全般にやはり貨物がふえるわけでございますが、われわれが当初予想したよりも貨物量増大が来たされたものは、やはり外国貿易、それから石油その他の工業原材料、また特に著しかったものには木材がございます。
  11. 岡三郎

    岡三郎君 それを具体的に言うと、横浜神戸、あるいは名古屋、大阪港、東京港、こういうふうなことと、それから産業港湾整備ということで、新産都市関係としてはどういうところが重点になるんですか、港の整備として。
  12. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) これは、先ほど申し上げましたように、貨物量はおのおの関連がございまして、一港だけがふえるというものではございませんが、同じ貨物量がふえましても、重点的に処理をしなければならないというのは、やはり六大、港を中心とする外国貿易における施設でございます。
  13. 岡三郎

    岡三郎君 たとえば横浜本牧埠頭等は、四十三年までに完成するということで、前期の計画に基づいてやってきたわけですが、そういうことと今度の五カ年計画との関連はどうなります。
  14. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 五カ年計画が、当初三十九年度から四十三年度までの五カ年間に対して七千二百億円を想定しておったわけでございますが、それが今回は四十年度から四十四年度までで五千五百億円ということで、ワクが縮まったわけでございます。しかし、当初の七千二百億円につきましても、その半分を上回る額が貨物量増大に対応する港湾に向けられておるわけでございますので、貨物量増大に対応する港湾整備というものをやはり一番重点に置かなければならないと思います。したがいまして、ただいまお話がございました本牧埠頭その他の整備というものを極力これは七千二百億円の計画に沿うようにいたしまして、その他新産業都市であるとか、または東京湾における横断の防波堤であるとか、こういうようなものにつきましては、まだ計画熟度の浅いものであればそれを極力縮小する、かようにいたしたいと思っておるわけでございます。
  15. 岡三郎

    岡三郎君 私の聞くのは、昭和四十年度を初年度としてことしから新五カ年計画をやる、そうするというと、いままでやってきた三十九——四十三年度の計画というものは、具体的に言って新しい五カ年計画の中に編成がえされると思うのですが、その場合において、前の四十三年なら四十三年に完成するときめてきた事柄は、これは延ばさないでしょうね。
  16. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 計画は七千二百億円というもので、四十三年を目標にした計画を持っていたわけでございますが、これが四十年度から四十四年度ということで一年ずれました。ずれましたので、われわれが四十三年に完成したいと考えておりましたものが一年ずれるということはやむを得ないことでございます。
  17. 岡三郎

    岡三郎君 これはおかしいな。だって、前の五カ年計画で、四十三年度までにかくかくやるときめてきたことですよ。それに基づいて、いろいろと地域において計画が進められているわけです。それを上のほうが事情が変更したからといってその内容まで全部変えていくということになると、これはたいへんなことになると思うのです。つまり、事情変更を伴うという点はわかるのですが、一応既存の計画を、みだりにこれを延ばしてしまったのでは、地域としては非常に困るわけですね。横浜本牧埠頭も四十四年まで延ばしてしまうというのですか。
  18. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 中期経済計画におきまして、一応当初のワクというものが想定されておりまして、そういうワクの中で配慮が払われたわけでございますので、一年間ずれることはやむを得ないと思います。
  19. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、その貨物量増大に伴ってこういうふうに計画を変えてくるということでやってきた計画が、じゃ最近になって貨物量が少くなるという想定に立ったわけですか。
  20. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 貨物量が少くなるということは想定しておりません。むしろ逆に、貨物量は若干われわれが当初考えたよりもふえる見通しでございますが、やはり資金的に制約がございますので、機械的に全部を延ばすというわけではございませんが、全体として申し上げますときは、一年間延びざるを得ない、かように思うわけでございます。
  21. 岡三郎

    岡三郎君 そうするというと、五カ年計画策定の当初にいろいろと貨物量増大ということによって計画を変更してきた。今回の場合は、貨物量増大は今後も予想されるが、ここに新しい昭和四十年度を出発として五カ年計画策定したというのは、貨物量増大ではなく、資金量だけの問題ですか。
  22. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) これは貨物量増大に対応する計画をつくっているわけでございます。したがいまして、前の五カ年計画の二千五百億円が五千五百億円というように、非常にワクとして倍以上にふえているわけでございますが、それにしてもなおかつ貨物量増大のほうが上回っているのが現状であるわけでございます。
  23. 岡三郎

    岡三郎君 そのわけがわからないんですよ。どうして一年延ばすのですか。一年を延ばすというのはどういう理由なんですか。つまり、四十三年度に終わる仕事を、今回四十四年度にしたというのは、どういうことなんですか、根本的に。
  24. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) これは、七千二百億円というワク中期経済計画で考えている投資計画からいたしますと非常に大きいので、これがはまり得ないということで、一年間延ばさざるを得なくなったということでございます。
  25. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、この昭和三十九年度から四十三年度の計画というのは膨大過ぎて、いまから考えるというとやや机上の空論であった、だから今度あらためてここに縮小した一つの新しい計画をつくった、こういう意味ですか。
  26. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 膨大であったということであるかもしれませんが、われわれからいたしますと、貨物量増大ということ、また地方開発の要請ということに対応して計画をつくった結果が七千二百億円になったわけでございます。しかし、これも、国全体の中期経済計画における財政投融資ワクという面から見ましたときに、それで消化し得ないというので、一年間延ばさざるを得なくなったということでございます。
  27. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、資金的にやっぱりそれはうまくいかない、こういうことですね。
  28. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) そうでございます。
  29. 岡三郎

    岡三郎君 それをはっきり先に言ってもらえばいいんですよ。そうするというと、一年間延びる事業と延びない事業があるわけですね。いまの話でいうと、総体的に一年間繰り延べするというのではないという話ですが、それはどうなんです。
  30. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) ちょっと注釈を加えます。前の七千二百億というものは決定していないんです。全部政府がこれを認めておりませんでした。しかし、三十九年度は、七千二百億として、われわれ運輸省のほうが、閣議は通っていないけれども、要求はしたんです。それで、何がしかの一その初年度分として六百六十億、七千二百億の中から取ったわけです。それで残りの分がまだ残っておるが、残りの分全額は、それは今度の中期経済計画では認めがたい。だから、いっそのこと、三十九年は済んじゃったんだから、今度は四十年度から始めて五カ年計画に直して、そうして一カ年延びていけば、そこにまた一カ年分が生まれてまいりますから、まあ中期経済計画のみにくいけれども、五千五百億、融資一千億円で六千五百億円、こういうことになったわけでございます。これは貨物量は、港湾局長の言うとおり、漸増であります。しかし、国家財政上やむを得ず、漸増に応じ切れないというのが現状の姿であります。
  31. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、四十三年度を終点にして、一応港湾整備がずっと進められてきたわけですよ。閣議が決定されようがされまいが、そういう策定のもとに、港湾に対する投資、こういうものがなされてきたわけです。そういうふうな形でずっと海湾整備が進められてきておるのに、ここでもう一ぺんあらためてそれを一年延ばすということになれば、その港湾整備をしている地元としてはいろいろと支障が出てくると私は思うのです。というのは、本牧埠頭、四十二年度の一つ事業として、やっぱりそれに伴う後背地というものの整備というものも進めてきておるわけです。そういうことになると、全体的にいって、やはり一年間のズレが出てくる。だから、そういう点で、本牧埠頭なんというものは、一刻も早く船込みその他の理由によって完成してもらいたいというのが地元の強い要求だし、またそういうふうな希望は、一年延ばされてはかなわぬという気持ちになってくると思うんですがね。だから、そういう着工して、その計画のもとに進められてきておる事業は、やはり当初の予定のように竣工しなければ、ずいぶん狂ってくるんじゃないか。港自体運営自体としても。その点をおそれているわけです。ですから、そういう問題について、機械的に資金量の上からいって一年延ばさざるを得ないといっても、総合的に重点的な施策をとって、そうしてやっぱりこういうものは完成する、いまだ着工していないようなものは漸次繰り延べていくという形にしないと、投資効果というものは私はあがらないんじゃないか、こういう気がするので聞いておるわけです。
  32. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) ただいま作業を実施中でございますが、御趣旨のような作業を続けているわけでございまして、極力仕事効果が集約的にあがるようにということを考えておるわけでございます。
  33. 岡三郎

    岡三郎君 そうすると、裏を返すというと、機械的にすべての仕事を一年延ばすということではなくて、やはりわれわれがいま言ったように、投資効果を促進するという見地からいっても、いまかなり進捗している事業というものについては、やっぱり当初の計画に沿うような配慮はしてもらえるわけなんですね。
  34. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) そういうつもりで作業をやっておるわけでございます。
  35. 岡三郎

    岡三郎君 それと関連して、この前も、これは大臣のほうは直接まだ聞いておらぬという話でしたが、横浜市の事業として、横浜港というのはこれは日本の大きな港ですからね、そこに埠頭が大きく完成した暁において、貨物輸送ですね、そういう点が非常におもんばかられておる。横浜市内現状においても非常に狭隘である。そこで、新しく埠頭がうんとでき、また埋め立てがずいぶん完成するということになれば、貨物のふくそうはいまから心配されているわけです。そういう点で、現在横浜自体としては、横浜港の中にベイブリッジをつくって、それを本牧埠頭から高速道路に抜けるような形をとらなければ、今後輸送量増大に対処できないんじゃないか、こういうお話があるんですが、その関連大黒町の埠頭埋め立てという問題が出てきて、これも運輸省にかなり陳情してきたと思うのですが、大黒町の埠頭建設埋め立ての促進という問題についてはどう考えておられますか。
  36. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) この本牧埠頭大黒町というものをあわせまして、外国貿易に対する整備目標としておるわけでございまして、これを、先ほど申し上げましたように、資金ワクが減少しているわけでございますが、極力その中で前の計画をあまり変更しないでやれるようにいたしたいということで作業をしているわけでございます。で、場所の問題につきましては、これは聞くところによりますと、専門委員会をつくって、設計、調査その他に四十年度からかかりたいということに聞いております。
  37. 岡三郎

    岡三郎君 大体横浜市の予算として、調査費として二千億組んで、今後増大を予想される貨物量輸送、こういうものに真剣に取り組まないというと、港ができて、そうして埋め立てが完成して、重工業地帯が続々とその事業を開始するという暁になってから輸送力を考えてもおそいわけです。これは単に横浜だけではなくして、あらゆる港にそういう関係があると思いますが、特に現在は横浜市内を見るというと、高島町の交差点を中心にして、現状においてもこれは無理だと思います。そういうふうなことを考えて、新しい輸送方法というものを貨物輸送量増大に伴って考えなきゃいかぬと、こういうことで、いま緊急の問題として、昭和四十三年を目標にして本牧埠頭の完成とにらみ合わせてそういうことをやらなければ行き詰まってしまうんじゃないか、そういうことで、その前提として、大黒町の埋め立て埠頭建設、そういうものが強く要望されて、本牧とそれから大黒町にわたってのベイブリッジをかけなければいけないんじゃないかと、こういうことで、それは主として外債にまっとうということで、外債に対する外国の諸情勢は必ずしも不利ではない、横浜市がやるとするならばかなりこれは有望であろうということで、積極的に昭和四十年度から取り組むための予算を計上しておるわけです。そうするというと、これは港湾整備というものが一番横浜としては大きな課題になってくるわけですね。幾ら埠頭をつくっても、それから揚がってくる荷物を輸送する道が寸断されてくるということでは何にもならぬわけです。そういう点で現在米軍宿舎のある本牧地域においても、大蔵省とかけ合って移転の問題が検討され、そうして輸送力に伴う道路建設というものもいま考えられておる。そこから来るやつを市内に入れてしまったのでは何にもならぬ、横浜市が麻律してしまうということで、いま言ったベイブリッジというものをつくって生麦のほうへ流して、そこから高速道路がいま計画されて仕事が進んでおりますから、そこへ全部貨物を乗せて走らせるということになれば、かなり京浜地帯輸送が円滑にいくようになるのじゃないか。われわれもこの計画を聞いて、横浜港湾整備としてはこれは一番重点的にやらなければならぬ問題であろう、こういうふうに判断をしたわけです。そうするというと、結局、本牧埠頭が四十三年に完成する予定で進捗してきて、これと一体関連にある大黒町の埋め立てというものも、これは緊急事態だ、こういうことでいま質問申し上げたのです。極力事情変更等をしないように進めていきたいということですが、この点はひとつ、そういう事情があるので、明確にやるというふうに言ってもらいたいと思う。
  38. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) ただいまの件は、私どもも承知いたしておりまして、現在新しい五カ年計画を決定するにあたりまして、管理者側財政事情もあるわけでございますが、管理者十分意思の疎通をはかっていきたいということで、協議を重ねている段階でございます。
  39. 岡三郎

    岡三郎君 協議を重ねているのはいいけれども、大黒町の埋め立てはやるんでしょうね、どうなんです。
  40. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 大黒町の埋め立てについても、やることを考えております。
  41. 岡三郎

    岡三郎君 やることを考えておりますなんて、たよりないじゃないか。横浜というのは、あんた、日本の最大の港なんですぞ。これは単なる神奈川県の問題だけじゃない。ここを経た負物が全国に散らばるんですからね。これは時期によるけれども、非常に船込みで困ってきた経験があるわけでね。しかも、送ったり着いたりする貨物をどうしてこれからさばくかということが大問題なんです。いまの都市輸送力の渋滞というものは、非常に計画かずさんで立ちおくれているところに原因かあると思う。こういうふうな港湾整備の画期的な間脳については、積極的にやらなければならぬじゃないかというのがわれわれの考えなんです。これは運輸大臣にしても、単に一つの問題ではなくして、横浜港の整備の問題の一大眼目になる問題だと思うのです。本牧埠頭がいま着々として進行している。大黒町の埋め立てが進行しなければ、これはかたわなんですね。だから、そこで海上と陸上の一体的な輸送の強化ということが横浜港湾については一番重要な問題なんです。運輸大臣からひとつ色のよい返事を聞きたいと思う。
  42. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) 私は、自分のことを言ってはおかしいのですが、貿易関係上、日本港湾組合の会長をしておりまして、年に一億ドルぐらいのものを、横浜から三割ぐらい出しております。それで、いまはそうでもありませんが、一番ひどかったのは、いまから三年ぐらい前、横浜の沖に大体四十隻ぐらい、神戸も同様でありまして、安宅産業のごときは一年に四億五千万から五億円の滞船料があるというようなことで、実際民間の企業の隆盛というか伸び率国家投資というものはまるでちんばなんです。だから、これを直さなければ、いかに国内において生産したって外へ出せないということでございますから、御指摘の点は、結論においては必ず仕上げます。しかし、佐藤局長のどうもすっきりしないじゃないかという点は、おわかりだと思うんです。そこはわかってもらわぬと、国家も一定の財源しかございません。しかし、東京横浜その他六大都市というものは富裕都市とされておる。ここがやはり負担金を持ってもらわなければならぬというところに、佐藤君がああいうことを言っておりますから、ひとつ国会議員として、おまえのほうも少しがんばれ、国からも出さしてやるからということで、ひとつあっせんの労をとっていただきたいと思います。
  43. 岡三郎

    岡三郎君 そういうふうな返事があると思った。その点は、運輸大臣の認識が足りない。日本広しといえども、横浜ぐらい戦争の最終的なしりぬぐいをやらされているところはない。どこへ行ってみても、横浜ぐらい長期にわたって占領の落とし子がいまだ抜け切らないところはない。そのために、今度はもうかなりばく大な費用をもって、米軍宿舎を移転するなどということは国でやるべきだと——それを一自治体にそういう責任を転嫁して、膨大な費用をかけてそれを移転しようなどということまで、なぜ横浜市がそんなことを考えているかといえば、本牧の港がせっかくできてもこれが生きてこないから、何とかこれはしなければならない。そこで、本牧の港の出っぱなへ、米軍の宿舎がいいところへずらっとあるわけです。そういうことが今後の港の整備その他全体的な計、画の中で困るから何とかしてくれ——そうすると、横浜港は富裕都市だから横浜で持て、いままで膨大なる土地を敗戦の理由によって横浜がこれをしょってきた。敗戦の責任をしようならば、日本全部がしょわなければうそです。たまたま横浜だけにそういう大きな荷物を負わせてやってきた、ここに大きな不満があるんです。ですから、いまの米軍住宅地を移すという問題だけについても、ほかの都市では味わえない苦労をしているわけです。だから、その上に立って普通の六大都市と同じように、また横浜費用を負担せいといっても、地元感情としては、いままで何千億も国のために立てかえ払いをしているというふうに考えている横浜がですよ、もういまの本牧から、あそこに、米軍が使っているところのノースピアからはじめとして、もう占領の残存遺物というものがまだいっぱいあるんですね。今度解除になった土地自体にしても、ずいぶんおくれてなったから、市内の発展をずいぶん阻害してきた。解除すると同時に土地価格が暴騰したからという、そういうふうな面で、せめても横浜市としては、横浜港の整備横浜ばかりじゃない日本全国の問題として国が積極的にやってくれるということにならなければ、いままで横浜市を泣かしっぱなしじゃないか、こういう考え方が強いわけです。つまり、いまの米軍が占拠している土地自体の開放がなされれば、横浜市としても独自財源でやり得る余地がある。まだまだいい場所を全部米軍宿舎で占拠している。ですから、そういう点で、日本の国全体が負うべきものを地元がやっているのだからということで、田中大蔵大臣等も非常に気の毒だということで、直接米軍の移転等については横浜市も負担してもらいたいけれども、その代償ということになるかどうか別として、そういうふうな考え方のもとに、ひとつ大黒町の埋め立てについては、やはり横浜港湾整備の大きな一環としてやっていくように協力しますという話がなされてきている。ですから、そういうふうなことを考えたときに、こういうものを再びまた市の負担において、国会議員がいろいろと中に入ってやって、応分の支出をせいというふうなことはなかなか言えないね、いまのところ。
  44. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) るる御説明がございまして、またそうでなくても、日本終戦における三拠点の一つとして、長崎、広島は決定打を打たれ、横浜は上陸第一線以来の犠牲を受けております。これは言うまでもないことでありまして、非常な感謝をいたしておりますが、しかし、よその貧弱な港湾においても、その自治体で持つべきものは負担しているのでございますから、その自治体で持つべきもの以上をお願いする気持ちはございません。その自治体で持つべきものを負担する以上にいまの本牧埋め立てについて特別なことを多少考えるという程度のことなら、御相談に乗れますけれども、それを全部国でやれと言われましても、そういう新例はちょっと開きかねるのじゃないかと思います。
  45. 岡三郎

    岡三郎君 大黒町の埋め立ての問題については、大蔵省のほうもかなり余裕のある立場で、これは善処しようということを言っておられる。その点はどうなんですか。
  46. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 大黒町につきましては、われわれが五カ年計画もしくはさらにそれ以上の計画において考えておりますのは、あすこに外国貿易貨物を扱うための岸壁なり荷揚げ場をつくるということでございまして、内部の土地につきましては、やはり市の財産になるのでございますし、市が起債でやらざるを得ないものと思います。おそらく、大蔵省の言っている協力といいますのは、それに対する起債について特に考えてやろう、こういうことではないかと思うわけでございます。先ほど申し上げました趣旨も、お互いに財政事情が苦しいけれども、国もがん、はってできるだけ当初の計画どおりやりたいから、市のほうも同じように財政的に苦しいけれどもがんばってやろうじゃないか。特に現在の負担を変えてほしい、そういう意味ではないのであります。
  47. 岡三郎

    岡三郎君 大体運輸省当局の考えがわかりましたので、ここでこれ以上言っても、大臣から色よい返事はなかなか出そうもないので、問題はあとにこれを回します。  私はここでひとつ根本的な問題を伺いたいのですが、港の管理者というもの、管理するものの権限はほとんどなくて、金だけは出せ——一体横浜港というものは横浜市で管理していますが、しかし一体管理している管理者の権限というものは何かあるのですか、管理者の権限。
  48. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 横浜港で申しますと、横浜港が管理している財産があるわけでございまして、これを使用させて港の効率的な利用を促進していくということがこの管理の実態でございまして、特に権力行為というものではないと思うわけでございます。
  49. 岡三郎

    岡三郎君 港があるために金を出して、それから利益が得るということが少ないですね。全くお荷物なわけです、実際は。横浜港というのは横浜市の港とは思っていないのだ、われわれは。日本のこれは横浜港ですからね。たまたま管理者という名前で、何でもかんでも金を出せ、こういうもぎどうなことについて、それならば管理者に大切な権限はみな委譲しろ、こう言いたいのだが、ほとんど管理者というのは無能力者みたいなもので、名前だけあるというふうにわれわれは聞いているのだが、結局市自体が支出する金に見合う管理権というものはほとんどない、運輸省がみな握っている、全部。だから、われわれとしては、管理者かほんとうに港を運営して、そこから利潤があがるということになるならば、これは投資効果があるということになるわけです。いま自治体としたって、へたな理屈を言ったって、もうとにかく財政は豊かなんて言ったって、最近の税収の伸びがとまっている中で非常に苦しいわけです。そうすると、港があるためにずいぶん金を出さなければいかぬということになってくれば、これはやはりもとへ戻って国自体が処理すべき問題がうんとあるのじゃないか、そういう理屈になってくると思うのです。それで私はいま聞いたわけですが、横浜港湾局長なんかが言うところによると、わたしらはでくの坊みたいなもんで、名前だけで何にも実権がないんだ、こういうふうな不都合な管理者というのはないのじゃないか、こういうことを言っているのだな。そうして、金を出すときには金を出せ出せ、こう言っている。だから、管理者というものの権限をもうちょっと考え画さなければいかぬのじゃないかという考え方を持つわけなんです。
  50. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 横浜市の港湾局長から、金だけ出させて何もその権限がないというお話があったようでございますが、実は私ども、日本港湾の管理制度そのものが、欠点のないりっぱなものであるとは思っておらぬわけでございます。しかし、先ほどおっしゃいましたように、国営という問題がございますが、戦前におきまして——というよりも、港湾法ができます以前におきましては、横浜港、神戸港は国営でございまして、国営の場合も一部の負担を課しておったわけでございますが、国が責任を持って港をつくり、またそれを利用させておったわけでございます。港湾法ができまして、これを地方自治体に移すということで、横浜市が横浜港の管理者になったわけでございます。しかし、国営港であったときの負担割合というものは、横浜神戸についてはそのまま存置しているわけであります。したがいまして、防波堤なり水域施設というものは、全額国が負担しております。また、岸壁をつくりますときにも、あるいは外国貿易に使用するものにつきましては、四分の三を国が持ちまして、四分の一を管理者が負担しておるということで、国営港のとき以上には負担を課していないわけでございます。同じように、地方自治管理であります名古屋港にしろ、大阪港にしろ、これは岸壁は五割負担でございますし、水域施設、また外廓施設の防波堤等につきましても五割を負担している。むしろ、東京、名古屋、大阪等につきましては、なぜ横浜神戸だけをそう優遇するのかというような声もあるようでございます。また、その負担の問題を別にいたしましても、国営ということにつきましては、管理者がこぞって反対をするわけでございますし、われわれも国営というものが港の発展にいいとは思っておりませんので、現在の管理制度そのものでそれを強化したいというようなふうに考えているわけでございます。  なお、港湾管理者の制度そのものをどういうように改善していったらいいかということにつきましては、運輸審議会の中に管理部会というものを設けまして、その委員として横浜の市長もなっていただいているわけでございますので、その審議会を通じて、改善の策があれば、そこでいろいろお話し願えれば幸いと思うわけでございます。
  51. 岡三郎

    岡三郎君 大黒町の埋め立て埠頭建設等については、終局的にはやる。あとは金の分担の問題ですね。だから、そういう問題について、きょうの委員会の時点では、大蔵大臣のわれわれが聞いた答えの筋と、運輸省のほうがいま答弁されたこととは、少し違っておりますので、ひとつそういう点については話の筋をつけて、この問題については後刻またはっきりさせていきたいというふうに考えますが、本日の質問においては、四十三年度の計画に基づく横浜港の整備については、大体そのような方向でやりたいということであったので、この点についてはあまり引き延ばさないでやってもらえるように判断したわけですが、それでよろしゅうございますね、念のために。
  52. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 先ほど来申しておりますように、現在、この計画というのは、管理者と相談して、最終的な姿を決定しようという段階でございます。したがいまして、確定的なことは申し上げかねるわけでございますが、御趣旨はよくわかりましたので、それを尊重してやっていきたいと思っております。
  53. 岡三郎

    岡三郎君 それは、管理者といつごろまでに打ち合わせを完了する予定ですか。
  54. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 管理者との打ち合わせというのは、四月一ぱいぐらいまでには終わりたいと思っております。と申しますのは、横浜について話がつきましても、全国の管理者とそういう打ち合わせをしなければならぬということでございまして、その結果に基づきまして、大蔵省とさらに打ち合わせをいたしまして、最終的には、来年度予算案を提出するまでに大蔵省との間で確定いたしたいと思うわけでございます。
  55. 岡三郎

    岡三郎君 これはあとでまた質問を続けます。
  56. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの岡委員の質問に関係をするから、私もひとつ御質問しておきたいのですが、いまの局長なり大臣の答弁は、さらっとしておって、はたで聞いていると、まあそんなものだろうという話なんだけれども、今回の港湾整備緊急措置法改正をするということは、いわゆる修正五カ年計画である、こういうふうな説明が一番私は受け取りやすいと思うのだが、そういうふうに考えていいかどうか、この点を先にひとつ御説明願いたい。
  57. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) この計画は、法律を提案いたしました趣旨から申しますと、三十六年から四十年度までの五カ年計画は、実はまだ終わっておらないわけでございます。四十年度までその期間があるわけでございます。それを、四十年度から新しい五カ年計画に移るという意味では、修正ということが言い得ると思います。しかし、七千二百億円の案が変わったということでは、修正という意味でなくして、新しいものができた、こういうふうに考えられると思います。
  58. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、説明のしかたとして、先ほども岡委員がいろいろ御心配されたように、いま五カ年計画で進めてきたものが、今回の提案によって白紙の立場でいくのかという心配をするのが一つある。それから、いままで進めてきたのが、また途中で変更になるかという心配もある。あるいは、いままでのをさらに速度を速めて、いまの取り扱い貨物量増大等に伴い、設備を増強しなければならぬ、従来考えておったことよりは非常な発展をしてきている、これに見合うための整備をしなければならぬ、こういう意味でのいわゆる年度の改定やら資金量の改定というものが行なわれた。こう考えてくると、いままでの五カ年計画というのは、確かにこの三十六年発足当初の考えから比べれば、今日の時点では足りなかった、間に合わない。したがって、これを早急に、五カ年計画だから、五カ年たってから新たな第二次五カ年計画策定すればいいんだけれども、それには追いつけないから、ここに法律改正を提案をしておる。しかも、前回の五カ年計画、四十一年度までの考えでいけば、あるいは四十三年度までの考えでいけば、この年度の政府資金というものは必ずしも固定化したものではない。こういうこともあわせ考えていけば、もっとこれを増大をせしめ、そして政府としても資金計画というものを立てれば、若干の年度のズレ、つまり改定する必要があるということが趣旨なんでしょう。そうすれば、いままで手がけておったものをそこで白紙にして、新たなる五カ年計画のもとにやるというのではなくて、国の財政投資したものを最も効率的にするためにはさらに資金増大して投資する必要が生じてきたと、もちろんそれは新産業都市のことも含んで今回の改定になったと、こういう私は提案の趣旨だと思うんだよ。そういうことからいけば、一つの例を岡委員があげられて、本牧埠頭が四十三年までにできると、こうたとえば、いままで策定をされてきたものならば、それがおくれるということはあり得ない。おくれるということではなくて、むしろその速度を速められるということは考えられるかも知らぬが、他の新産都市等の関連において資金量がふえたから、今度はそこまでおくれると、こういうことには私はならぬ。それでは、いわゆる投資効果というものは減退をしてしまうわけだ。そういう点の誤解を、先ほどの答弁から、私が聞いておると受けるような印象があったので、私は、そうではないと、もっとどんどん進んで、いままでの計画では間に合わないから、ここでさらによくしていくための計画を、今回法律改正を提案をしておるんだ、こう受け取っておるので、その点の局長なり大臣からはっきりしたことを言ってもらわぬと、一応四十三年なら四十三年までにきわめたものを、いや、それを白紙にして、新たに五カ年計画をやろう、それは四十四年でも四十五年でもしかたがないんだ、年間のズレは、おくれるかもしれないということになったら、明らかにこれは国損ですよ。そういうことからいって、投資効果を減退させるということは、これは政府の考えていることじゃないと私は思う。そういう意味で、ひとついま一度答弁をして、その点をきちっとしておいてもらいたい。
  59. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 旧五カ年計画策定中に、貨物量増大によって新しい計画に移り変わらざるを得なかった。したがいまして、その案として七千二百億円というものを持っておりました。これに基づきまして、三十九年度から新しい構想のもとにやっておるわけでございますけれども、その計画それ自体は決定されたものでなかったわけでございます。したがいまして、当時われわれが予想しておったものよりもワクが小さくなったわけでございますが、これが計画として確定されるということになると、計画的な整備ができるということにおいて、そういう目標は達し得たのではないかということが一点でございます。  その次に、いまお話がございましたような新産都市とか新しい開発計画ができたために、横浜港の当初考えておった計画が引き延ばされるのではないかという点でございますが、これはそういうものではございません。ただ横浜港の問題だけではなくって、やはり全国的のバランスのとれた整備というもの、か全体としては一番効果があるわけでございますから、そういう意味において、貨物量増大に対応する計画は一番重一点を置いておるわけですが、それをさらに検討し直していると、こういうことでございます。
  60. 相澤重明

    ○相澤重明君 これは大臣にいま一度念を押しておくが、いずれ年度がたてば、これは決算委員会に提出をされることだから、ぼくはこの際はっきり断わっておくが、政府が三十九年度に使った金が、四十年度以降、政策を策定をして、そうして新投資をするが、三十九年度までに投資をしたもの、かむだになるなんていう考え方を出したら、これはたいへんなことなんだよ。そんな話をもし大臣が本気になって言うなら、これは一度あらためて決算委員会で、なぜ国費の乱費をしたかということでぼくは追及する。そういうことじゃない。これはむしろ、いままで五ケ年計画策定してきたけれども、いまの需要には間に合わぬ。したがって、もっと政策的な立場からも、練り直し、より発展する方向に行くのだということでなければならぬのだよ。それが、いまの局長の答弁を、ぼくがひがみで聞くわけじゃないけれども、答弁を聞いていると、別に三十九年度のは、七千二百億についてコンクリート化したものじゃないから、三十九年度は終わっちゃった、四十年度から新たな五カ年計画をやるから、横浜港のこともさりながら、全国的な視野に立ってやるから——その点についてはあいまいもことした答弁になっちゃう。そうすると、一体三十九年度まで使ったものはどうなるのだ。そういうことじゃないのだよ。だから、その点をもっとはっきりすれば、新産都市の問題も含めて、いまの日本の経済力培養についてどう運輸省としてやらなければならないかという中で、いままでの五カ年計画では足りなくなったから、新しい五ケ年計画を提案しているのだ、こういうのだから、いままでのものを、使った金をより効果的にするようにしていかなければ国損になるわけだ。明らかに、そういうことでなくて、より効率的に効果があがるようにしていくというのが運輸省の考えであると、こう言えば、四十三年までにこれはやりますというものは、やっていくのはあたりまえなんだよ。ただそれが足りない。その計画が、いま少し金をふやして、いま少し規模を増大しなければいけないという場合はあり得るのですよ。あり得るかも知れぬ。既定のものを、完成の目的があったものを、資金の効率的運用というものを当然考えていけば、完成させるのがあたりまえ、こういう意味で、答弁のしかたとして、私が聞いておると、何かいま一度白紙に返して、せっかく三十九年度も使ったものは使っちゃった、これからのものはまた別ですよ、こういう印象を受けるのは、少し予算決算会計令の面から考えて私はあとで問題になると思う。だから、この点はきちっとしておかぬというと、あとでいずれ決算委員会でそういう問題が提出がされた場合に、大臣の責任追及の問題になってくるわけですよ。その点を明らかにしておきたいと思うのです。
  61. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) いまおっしゃられましたとおりでございまして、三十九年度の計画の上にこれを重ねていくわけでございますから、決してむだになるような考えではございません。
  62. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) それは、いまいろいろお話しになったように、三十六年から四十年まで二千五百億でやった。やって三年目ごろから見れば、さっき岡さんが言われたように、四十隻も沖へとまってどうにもならぬじゃないか、こういうことではいかぬじゃないかというので、七千二百億というものをそろばん出してきたわけです。ところが、二千、五百億に対して七千二百億じゃあまり大き過ぎるじゃないかというので、ほとんど二年間もんだわけなんです。もんでいるうちに、三十九年度の予算の編成になってきたわけだ、主実上。それは、前の二千五百億から見れば、第四年度の予算。ところが、われわれの要望から見れば、七千二百億から見れば一年度の予算なんだ。ところが、七千二百億というのは、とうとう籍がつかないのだ。それで、この七千二百億と二千五百億の中をとって、本年度の三十九年度の国家予算というものが取れたわけですよ。それはいまの計画によってやっているわけだ。それじゃ三十九年度は済んだから、四十年度から向こう五ケ年六千五百億にしようじゃないか。しかし、あなたのおっしゃるように、三十九年度までの事業はそれをさらに基礎に置いて拡大して呑吐力をふやすようにしようじゃないかということで、この予算閣議決定したわけです。閣議で決定しましたから、無籍者じゃないのです。今度は、毎年六千五百億のわりあいに、われわれには年次計画があります。その年次計画によって行なっていきますから、今度本籍なものになるのです。いままでの七千二百億というものは、残念だけれどもこれは籍がつかなかったというわけです。
  63. 相澤重明

    ○相澤重明君 この法律は、予算を伴う法律なわけです。だから、いま大臣が言うように、少なくとも運輸省のただ案だけではこれはだめなわけです。政府がやはり閣議決定をされたものとして、われわれは国会に提案をされておると、こう理解をしておるわけです。また、そうでないと意味がない。そういう意味で、いまの大臣の答弁で、私はその点を確認してよろしいと思う。  それから次に、まあ横浜港の話を岡さんからされたから、いま一度、佐藤港湾局長との話を聞いておったから、伺うのだけれども、大黒町の埋め立て運輸省計画は、この港湾整備計画にのっとって実はできておるわけです。ただそれがいま大臣言うとおりに、予算がきちっとして、その予算の中で何年度までにこれが実行できるかと、こういうことは、これから予算が参議院を通過した後に具体的に相談されると思うが、私は、その計画をしたものが、毎年目の玉がぐるぐる回るように変わるということは、権威のあるものではないと思う。しかも、運輸省としても、そういう実情というものも十分把握してやってきたのだから、これはやはり大黒町の埋め立ては基本方針どおりやれるわけです。ただやり方として相談していくだけの話で、この点は、局長がやはりさっき言ったように、何か言質をとらえられたらいけないというような答弁をされると、一体お前は何をやっているんだと、逆をつかれるわけです。そこでそれについてはやはり大黒町の埋め立てはやる。ただし、政府がやる埋め立て事業と、横浜市がいま提案しておるところの米軍住宅地の問題は、確かに起債の問題も含むから、これは田中大蔵大臣とまあ私ら地元選出議員が十分意見交換をしたわけです。したがって大蔵省でも、それはよろしい、協力をしていきましょうということで、まあここにおる岡委員や藤山代議士と私一緒になって大蔵大臣と相談したことなんですよ。だから、その点は、横浜市の起債が伴うから、この点については、確かに国の予算でないですから、そういう意味からぼくは言われたと、こう理解しておるわけです。だから、運輸省は、大黒町を埋め立てれば、既定方針でいけば、横浜市の米軍住宅地の問題も、これは大蔵省がやはりそういう相談をされた中において進めていく、横浜市もそういう財政事情というのを考えていくということにならなければ、効果があがらないわけです。そのことで岡委員が先ほど指摘をしたのですよ。そういう点をごっちゃにしないで、これはそのほうまで全部運輸省が金を出すかと思うと、それまで考えていなかったという何があったかと思うが、そうではない。運輸省大黒町の埋め立ては、これは計画どおり、一方横浜市が新たに提案しているものについては、経済効果があがるように、対大蔵省との折衝で起債等の問題も含めて進める。そうして、市内の交通緩和なり貨物輸送量増大対応策をここで樹立する、こういうことであるから、この点はひとつやはり局長も認識して、そうして大黒町の問題を答弁されれば、別にそんなに問題はなかった。その点については、局長もいま私が申し上げたことでわかったと思うのですが、どうですか。
  64. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) いまおっしゃられた趣旨のことを私申し上げたわけでございますが、ただ、埋め立てということの中で、岸壁に直接接する部分だけは国の持ち分でございまして、中は市の持ち分であるわけでありますので、そういうことをはっきり申し上げた、こういうことでございます。
  65. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、この際、大臣にやはり一点、全国の港湾整備に伴う問題ですから、はっきりしておいてもらったほうがいいと思うのですが、この港湾整備に伴って、当然上屋とか倉庫あるいは機械というものは整備されなければならない。ところが、この重要港湾なり大都市港湾というものを含んで、この市のいわゆる土地、いわゆる公有地ですね、こういうところに建てる建物、上屋、倉庫等は、やはり大きな事業家との提携によってつくるものが多いのではないか。そこで、せっかく上屋がつくられ、あるいは倉庫がつくられても、上屋のうちその地元の自治体が一般の業者に開放するものは何平米、あるいはその他のものについては出資者である業者、これが独占をする、こういうようなことで、ともすると、港自体に多くの業者がありながら、その業者は使用できないで、ごく二、三の大手業者によって独占をされる、こういうことが起きないかどうか。もし起きるとするならば、せっかく国の投資をしたこの港湾整備の意味というものは相当減殺されると私は思う。そういう意味で、たとえば上屋とか倉庫あるいは機械設備をする場合に、国は地方自治体に対してどう指導するのか。あるいは、この関係の業界に対してどういうふうに指導されておるのか。これは将来大事なことになると私は思うのです。現に、神戸あたりでも少し問題が出かかっておる。そういうことで、政府の考え方というものを私はここで聞いておきたいと思う。
  66. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 上屋、荷役機械を整備していく場合に、これが独占的な形をとるかどうか、こういうことでございますが、倉庫は、これは私企業がやるわけでございまして、岸壁の第一線の上屋のりしろにつくるわけでございますから、倉庫につきましては、これはやはり大きな企業がつくるということで、倉庫業そのものについてはこれを規制することはむずかしいのではないかと思います。しかし、この上屋につきましては、横浜市もそうでございますが、全部管理者がつくっておるわけでございます。上屋を独占させるということは岸壁を独占させるということに問題があるわけでございますから、そういうように管理者としては気をつけてやっております。ただ、あまりにも公共、公共ということで上屋の面積を細分化するために、船自身から見ると非常に不都合である。せっかく岸壁ができて船が着いたけれども、別の上屋からはしけを持ってきて船に積まなければならぬ不都合が起こるわけでありまして、むしろ特定の大企業に独占させるということでなくして、港の運営をもっと効率的にするという面から、この問題についてはさらに検討を要するのではないかと思います。
  67. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの局長の答弁は、やや八十点くらいやれると思うのです。そこで、それを実際に、港のそういう業界が混乱をしないように、それじゃ運営についてどうするかということについて、たとえば港湾管理者とその業界あるいは政府との運営協議会、あるいはそうしたまあ懇談会というか、そういうようなものを政府としてはどういうふうにお考えになっておるのか、その点もあわせて御答弁願いたい。
  68. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) いままではどうなっておるか知りませんが、もしいままでそういう点がありましたならば、法律をつくってでも私はやりたいことがあります。それはなぜならば、これは材木を取り扱っておりまして、非常に大きな面積の要る仕事でありますから、そうして船が一隻入ると小さい港はどうにもならぬといったようなことになる場合が多いのです。しかし、今後六千五百万石ないし七千万石も入ってくるということになると、これは非常に考えなければならぬ。あなたのおっしゃることは問題なんです。そこで問題になるのは、その港の呑吐力によって、この港の公用使用面積ですね、それから企業用地の問題、これは二つに分けて考えなければならぬ。その岸壁なら岸壁に対して一体どれだけの船の収容力というか積み取り、おろしの能力を持っておるかというものに対する背後においては、すべて公用にしなければならぬ。しかし、独占的な大企業が独占してしまうというようなところには、これは初めから大企業に資本を出さして、そうして港をつくるという、堺でやっている方式が私は一番いいと思うんです。名古屋でも一部そういう方式を取り入れました。これはこの間行って見たばかりであります。神戸では問題が起こっているけれども、あらまし地方自治体、すなわち市でやっているものですから、やはりそういうようにして市でもって企業者に売りつけている、その方式もいいと思うのですけれども、この公用面積、つまり神戸なら神戸中心にして商売をやっておる人の公用面積というものは、一定面積を与えなければいかぬ。これは原則です。このほかにその企業用のものは、やはり企業家に土地を買わせるなり、あるいは埋め立て地を買わせるなり、約束をして、その金でぽんとやるという方式がどこでもとられておりますが、この公用面積と私用面積というものについては、画然と法律をもって私はきめるべきである、かように考えております。これはいまはどうなっておるかわかりませんけれども、そういうようにしたいと思うんです。それは、港湾局長、私のほうから言っては悪いかもしれませんけれども、ほんとにせっかく船が入りながらどうにもならぬという状況は、これからこれだけの金をかけるのならば、これはそういうふうにしていかなければならぬというんですが、私のほうから申し上げてちょっと悪いですけれども、そういうふうにしたいと思うんです。
  69. 相澤重明

    ○相澤重明君 局長は先ほど考えがあるというようなことだから、局長の答弁もひとつ聞いておきたい。
  70. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) この集約化といいますか、そういう上屋をどういうように運営していったらいいか、それについてどういう方策を立てるかということでございますが、先ほど申し上げましたような、本船の速発に役立つような、貨物を集めて、しかも公共性を失わない、こういうものは、諸外国でいわれているターミナル、オペレーターという名前で呼ばれるものではないかと思うんです。こういうものをつくっていくということになりますと、実は三・三答申の中にもいわれております集約化というもの、また系列化というものとも非常に関係がございまして、そういうことを実現する方策であるとも思うわけでございます。そこで、これをどういうように進めていくかということでございますが、われわれは実は、新しくこの三・三答申を実現するための審議会のようなものを持ちたいと、かように考えておったわけでございます。しかし、港湾審議会の中に管理部会を設けるということがより急がれた問題であったわけでございまして、管理部会を設けまして、現在管理者の財政を中心とした問題について審議をしていただいております。そこで、この新しく港湾運送事業の合理化の審議会というものを設ければ、一年おくれざるを得ない、こういうことになるわけでございますから、この問題が、われわれの考えとして熟し、また早急にやるという決心がつけば、管理部会を利用——と言っちゃなんでございますが、管理部会にお願いいたしまして、ここでひとつ管理者のやはり運営のしかたの一環として、こういう問題を検討していただくと、こういうことも考えておるわけでございます。で、この管理部会の中には、倉庫業、海運業の代表の方、それから経団連の関係の方、学者の方が入っておるわけでございますし、港湾管理者の代表も入っておりますから、そこでやっていただくのも一案じゃないかと、現在そういうことで検討中でございます。
  71. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの点、私も、まあこれはやってみてどういう意見が出るかわからぬが、大体そういう各界の意見を聞くということはいいと思います。それはいつごろまでに大体そういう構想を具体化する考えがあるのか、管理部会なり何なりを持つというのはいつごろまでにやるつもりなのか。それからまた、それをたとえば持ったとするならば、だらだらしておったら全く意味がないので、どのくらいの期間で一応の答申を受けようとするのか、もし構想があったらこの際発表願いたい。
  72. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 実は、この三・三答申に盛られました港湾運送事業の近代化というものをどういうようにやっていくかという一つのスケジュールを持っているわけでございます。これによりますと、いまのような問題を進めていくにしろ、とにかく運送事業自体が打って一丸となってその意思が表明されるもの、またわれわれと協議する対象が必要でございますので、日本港運協会というものを公益法人化し、これを強化していく。そのような団体をつくってもらいたい。これを大体六月に予定しております。それからもう一つは、現在進行中でございます免許の切りかえでございますが、これを六月中には完成いたしたい、そういうことを考えております。その次には、来年度の国会に、事業規模を拡大して、一貫体制を強化する、こういうようなことの趣旨に基づいて、限定免許とか、それから全部下請け禁止の規定というものを再検討して、法律の改正をしたいと思います。来年度国会に提出するという目標にいたしまして、それともう一つ、いま申し上げましたような近代的埠頭業というものの確立を考えているわけでございます。この二つを来年度の予算に提出できるように準備したい、こういうふうに考えております。
  73. 相澤重明

    ○相澤重明君 それから、これは運輸大臣、この前の委員会のときにちょっと答弁をした港湾の問題について、調整機関ですね、港湾調整審議会、これの中央の構想と、それから労働組合やら地方機関が希望している地方調整審議会、これについてどうするのかということは、この港湾整備の法律改正案と同時に、いま局長から来年度の三・三の答申を受けたその方針を具体化する提案の中には、重要な私は課題になると思うので、この間ちょっと大臣も触れておったがね。そこで、いまの大臣の構想はどういうふうになっているのか、この際だからひとつ御説明願っておきたい。
  74. 松浦周太郎

    国務大臣松浦周太郎君) この間も申し上げましたように、非常に、一般の機械工場なら機械工場、陸上の整備されたりっぱな工場の方面に働いている人々と、あの荒っぽい船内作業をやっている人々と、厚生施設なんか見たら問題にならないところでよく働いている。ちょうど言いかえるならば、炭坑の中に入っている人たちと同じようなものですよ。それならば給与がいいかというと、給与もあまりよくない。船を早く出してやらなければならぬから、時間外労働もうんとやらなければならぬというようなことで、非常にいまの労働法規から見れば乱れているということは、だれしも認める。ところが、それならばすぐできるかというと、なかなか、一定の訓練というか、教育というか、あるいはいろいろな調整というか——という機関がなければどうしてもできないものでありますから、こういう審議機関をつくって、それで、主として六大港だろうと思いますが、博多ななんかどうなっているか知りませんけれども、六大港を中心にして、現地へ乗り込んで、ほんとうに労働省と運輸省一体となって、港湾労働法が実際に実行できるように、調整、訓練をしなければならぬ、かように思っております。
  75. 相澤重明

    ○相澤重明君 だから、いま少し突っ込んで、いまの大臣の構想は、それはそのとおりだと思うのです。そこで、中央の審議会と、地方にもまあ六大港にはそういう審議会を持つという基本的な考え方、これは労働省との関係も、まあ内閣全体の問題になりますから、ただ構想だけでけっこうだと思うのですよ、いまはね。いずれこの港湾労働法がきまった場合にはそういう問題が起きてくるのですから、そこで運輸省の立場として、実際の港湾整備をこれだけやって、それでできるだけ経済培養力、国際競争力をよくしようということなんだから、そういう意味では、いまの大臣の御説明されたように、港というものは全く前時代的であったものが、ようやく立ち直りつつあるところなんです。ここにさらに人の問題をも含めて、先ほどの政府の方針をさらに生かせるというようにしていくことは大事なことだから、私はこの前の委員会で申し上げたように、港の労働者の組織としては、全港湾という組織があり、あるいは日港労連という組織がある。横浜港でいえば浜港労連という組織があるということをこの前の委員会で申し上げたわけだ。したがって、港湾調整審議会の場合の構成というものはどうなるのか、それから、いまたとえば六大港というお話が出たが、六大港に対する地方機関というものはどうなるのか、その構成はどうなのか——そういう中に労働者側の意見というものがやはり反映しなければ私は港の革新なんというものはできるもんじゃない、こういうように思うので、労働省からも折衝の中で意見も出ていると思うが、私はむしろ運輸省からそういう点は出してやっていいんじゃないか、こう思うので、どういうふうな構想があるのか、この際明らかにしてもらいたい。
  76. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 港湾労働法の施行にあたりましては、今回総理府から設置法の一部改正として出しております港湾調整審議会の意見を聞くことになっておりまして、この港湾労働法の施行がうまくいくかどうかということは、審議会が各界の意見を反映しまして、それを総合したことで労働大臣に意見を具申するという形にならなければ、うまくいかないと思います。したがいまして、この委員の人選につきましては、もちろん内閣総理大臣が任命するわけでございますが、われわれといたしましては、労働省とは連絡をとっておりまして、十分各界の意見が反映できるように持っていこうということを相談しておるわけでございます。  それから地方につきましては、やはりこの法律によりますと、地区職業安定審議会というのがございまして、この地区職業安定審議会の意見を聞くことになっておるわけでございます。中央の審議会がやはり基本的な方針をきめることになりまして、地方はこの地区職業安定機関が具体的にその方針を実施するだけの相談で済むと思いますので、やはり中央に設けられます審議会には各界の意見を反映できるような委員を置くべきであると、こういうように思っております。
  77. 相澤重明

    ○相澤重明君 いまの局長の答弁は、もちろん総理府なり関係の労働省との法律施行の場合の一つの考え方を述べられたわけでありまして、私としては、現在の法律改正を行ない、それを施行する場合には、いまのような形で、中央機関にも各関係者が入って、従来ともすると、そういう審議会等は、金融関係の代表が多くて、実態に沿わない。実際の働く人たちの意見というものが非常に反映する機会が少ない。特にこの港湾問題については、私はやはり、働く人の意見が反映するような措置を、これは労働省が中心になるかもしれないけれども、政府自体の進め方でありますから、運輸省としてもこれは強く主張するように要望しておきます。  まあ時間の関係で、ほんとうはもっとやりたいのだけれども、一つだけそこで聞いておきたいのは、港湾の近代化というものが進められる中に、やはり厚生施設というものは大事なことであることは間違いない。労働力の培養について最も大事なことである。そこで、先日、手元に四十年度港湾福利厚生施設整備計画という資料をちょうだいをいたしましたが、これは一応の厚生協会に対するところのこういうふうな資金を持って、考え方を一持っておるというのでありますが、これをつくる場合に、具体化する場合に、厚生協会にいわゆる建設の主体性を持たせておるわけでありますが、いま申し上げた労働者側の意見、あるいは管理者の意見——管理者というのは地方自治体の、あるいはまた船主の意見と、いろいろあると思うのです。こういう意味で、厚生協会そのものを私は別に疑うわけじゃないけれども、そういう、たとえば労働者側の意見というものを、こういうところに住宅を建てれば、これは港に近いし、最も港の労働者が利用できる、あるいは環境上もよろしい、こういうふうなことで意見をいれる機会というものをどう考えておるのか。現在の港湾労働対策審議会というものだけでは、私はちょっと労働省のいまの立場では、少し運輸省の意見というものはあまり入っていないのじゃないか。もっと港湾問題については運輸省が意見を出していいのじゃないかという気がするのです。これは気がするのですよ。そこで、気がしないように、これは十分いれております、こういうことであれば、それは問題ないの、だけれども、そういう点について、港に働いておるそういう労働者、あるいは運輸省の考え方というものはどういうところまでいれることができるのか、その点について基本的な点だけを御説明いただいて、あとは後日に譲ります。
  78. 佐藤肇

    政府委員佐藤肇君) 福利厚生協会は労働省と運輸省の共管でございますが、この基礎になる金につきましては、荷役料金の中に福利厚生施設分担金というものがございまして、それでやっておるわけでございます。したがいまして、私のほうも積極的にこれは指導いたしております。また、施設をつくるにつきましては、協会の構成メンバーといたしまして、事業者と労働者がおのおの意見を出しておりますので、十分労働者の意見が付されてやっておるわけであります。なお、労働省におきましては、このほかに雇用促進事業団による労働者の福利厚生施設をつくっておるわけであります。両々相まって福利厚生施設の充実をはかっていきたいと思うわけでございます。
  79. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。     —————————————
  80. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。  御質疑のおありの方は御発言を願います。
  81. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 午後から決算委員会が開かれると思いますから、そうした関係を考えまして、時間がありませんので、簡単に国鉄側に新幹線の問題について若干質問いたしておきます。  その一つは、前回の委員会資料を求めたものが今日届いております。その資料を見ますと、新幹線の支社要員基準が運転所関係者だけで千二十七名、現在員が九百八十五名、欠員の内訳が、乗務員が十九、検修員が二十三、合計四十二名、こうなっております。そこで、私は前回のこの種問題についての答弁についてとやかく言うものではありませんが、前回は、全体で欠員が三名である、こう答えられました。私の資料では欠員が四十五名、本日明らかになったものは四十二名ですから、三名程度の差異がございますけれども、これはあとあと欠員補充したものであろうというふうに、私は善意に解釈いたします。ともあれ、四十二名欠員が出ていることは明らかになりました。しかも、私が指摘いたしたように、最も重要でありまする乗務員が十九名、検修員が二十三名、このことにつきましては、私はゆゆしい問題だ、したがいまして、ぜひこの関係につきましては、国民要請にこたえ、さらには、安全保安を確保する意味からも、すみやかに私は欠員を補充するような措置をとっていただくことを、この資料の中からひとつ国鉄側に要望しておきたいというふうに思います。  それから次に、新幹線の警備の実態の状況が資料として提示されてまいりました。このことにつきましては、先般も指摘をしたところでありますけれども、現在、国鉄側が自前で警備要員として張りつけている者は、東京、静岡、名古屋、大阪含めて合計四十四名。この四十四名が、つまり延べで四十四名ですから、そのままのなまの人員では二十五名です。ですから、私は、いま申し上げたように、このままの要員で一体五百十五キロの沿線の、国鉄が新幹線を発足させるにあたって、当初申し上げておった、いわゆる安全保安、そのことについて万全を期しているということに足りるのかどうかということについて、若干懸念を持つものであります。しかも、この資料の中では、民間の協力員が何と百四名でございます。この数字的な面から見ましても、明らかに私の懸念が出ているのじゃないかと、こういう気がしてなりません。たいへんことばが悪いのでございますけれども、この数字で見ますと、明らかに国鉄は警備に関する限りは、他力本願的なやり方をやっているということを指摘せざるを得ないということを私は思う。しかも、聞きたいことは、この百四名の民間協力員というものの任務、さらには、もうちょっと高度な点で申しますと、こうした人々の警備は、協力の意味で携わるのかどうか、携わった場合に、この人々はいわゆる警察権を補助的に持っているのかどうか、こういうことを私は伺っておきたいというふうに思うのです。これに付帯する資料を見ますと、どうもそういうふうになっていないような気がする。つまり、国鉄の公安職員の諸君が主として一組二名で、さいぜん申し上げた大阪、名古屋、静岡、さらには東京、こうした区間を巡回警備をしているようになっています。「巡回範囲」というこの配置図を見ますると、そういうふうになっているようにうかがえます。その人々が、今度は、この百四名といわれる民間協力員の諸君の自宅を訪問して、警備に関する情報資料の収集につとめていると、こういうことになっているようなんです。だとすれば、ここに記載されている百四名というものは、つまり、この保、安警備という立場から、私は、実情としてはその任務に当たっていないのじゃないかということを感じ取るわけでございますが、こういう関係について一体どうなっているのか、明らかにしていただきたいというふうに思います。  それから冒頭に申し上げたように、時間がありませんから、立ったついでですから、全部伺っておきますが、新幹線の乗務員の旅費の関係でございます。この資料を見てまいりますれば、在来線との比較から、かなり旅費が、特殊性にかんがみまして配慮されているようにうかがえます。私は、問題といたしたいのは、ただ単に、今日は電車の運転士が、在来線でありますと、八千円のものが一万二千円になっている。こういうことですから、結果的には、ここで四千円程度、特殊性にかんがみまして配慮したということは、数字的には考えられることでありますけれども、いろいろ私どもは新幹線の職員の勤務実態、あるいは旅費の支給実態等々を調査をしてみれば、必ずしもここに出ているような、報告資料のようなことになっていない、こういうことを、私はこの際、実態として指摘をしたいわけであります。  どういうことかというと、当初、昨年の十月の一日開業にあたりまして、経営者の皆さんは、乗務員の諸君が往復をすればおおむね約千六百円、月に十往復することを大体勘案いたしまして、一万五千円から一万六千円になるという当局の、いわゆる労使双方の協定の団交で明らかにいたしているところでございます。こういうことになりますと、このたび、本日提示された、つまり一万二千ないしは一万四千——最高額だと思いますけれも、この資料が実態だとするならば、当初経営者、かお約束をしたものから見ますると、三分の二程度しか入っていないじゃないか、このように私は理解せざるを得ないものがここに一つ出ています。しかも、こうした関係が、しからば、実態としてなぜ出てきたかという問題点でありますが、これは明らかに、外勤の専従者がおらないというそういう中から、当初経営者か組合側と話をしたときから見ますると、実質的にはダウンされている一つの要因じゃないか、こう考える。それから、こまかな問題でいろいろそういう要素がございますが、これは私はいま時間ありませんから申し上げませんけれども、主たる要因はそういうところにあるのではないか、こう考えます。  さらに、先般も指摘をしておきましたけれども、本務の補助として、今日いろいろ問題がありますけれども、乗務をいたしている者がございます。この関係が前に申し上げたように、本務と補助という関係で、実際の作業はAとBが交互に、いわゆる技術の向上という面からハンドルを握っているわけですけれども、ここに御承知のように、七百八十円というものが本務で、補助は六百円、つまり、こう見ますると、百八十円の差がつけられて、こういうことからも、旅費全体をトータルをする場合に、下がっている要因ではないのか、こう考えます。私は、実際の勤務の実態等々考えまして、こうした差をつけることは非常に問題があるであろうし、さらには、ここに旅費規程というものがございますから、この旅費規程というものをいわゆる適用せしめる、それぞれ積算をしますれば、私はこういう金額にならないと思う。それがたまたま、今日の段階では、定額制をしいて、本務には七百八十円、補助には六百円、こうしたきめ方まで、私は多少の問題がありゃせぬか、こう考えているものであります。したがって、こういう事柄についての考え方をひとつお聞かせを願っておきたいというふうに思います。  それから、新幹線運営にあたりまして、開業半年たったというものの、まだ間がございません。だから、決して私は無理を言おうとする気はない。むしろ国鉄側の、経営者の労を私は多とするものでありますけれども、やはり何といたしましても、先般も総裁が答弁したように、新しい線の開業でありまするから、従来約百年に近い国鉄の運営、経営の歴史からかんがみまして、そのことにあまり私はこだわるべきではないと思う。ですから、たとえば訓練あるいは練習の状態にいたしましても、新しい角度から質の向上、技術の習得等々について私は訓練を行なうべきだと思うんであります。幸い、趣旨はどうあろうとも、その訓練をただいま実施いたしておるようでありますが、私は、このやり方について問題があると思うんであります。どこに問題があるかというと、従来、在来線においては、乗務員につきましては、各組別に三時間半程度の訓練時間を設定していることは、皆さん経営者ですから御承知おきのとおりであります。それ以外に、地方局におきましても、それぞれの対応機関と、この種問題については若干の相違ある運営があることも、私は承知をいたしております。しかし、実際、今度新幹線のこの種問題をながめてみますると、非常に問題が多いのであります。どういうところに問題が多いかというと、作業の終了後に二時間ないし三時間それぞれ待たせておいて、十三時から、実施訓練が一二時間ないし三時間半というものがなされている実態を私は把握をしてまいりました。こうした事柄は、私が前にも指摘をいたしましたように、結果的に新幹線の乗務員の拘束時間を非常に長くしている一つの原因になっていると思うんであります。しかも、新幹線は特殊な機械、あるいは特殊な条件といわれる二百キロ、超スピードで走らなくちゃならないという条件がさらにございます。そのために、乗務員の諸君は、勤務を終わった場合に疲労度が、これは医学的にも明らかでございまするけれども、非常に高いものが記録的にになされています。つまり、非常に疲れて帰ってくる状態になっています。そうしたときに二時間も待たされて、しかも、三時間からないし三時間半の訓練をするということは、私は、ここらあたりにかなり問題があるような気がしてなりません。しかも、その訓練のしかたというものは、大阪、名古屋、静岡、東京の各運転所の間で、訓練のやり方の統一がなされていない。このために、訓練を受ける人々は、さらにたいへんな苦労をしているという実態も出ています。一つ例をあげてみますると、あるところでは、筆記試験などをやっているところもございました。これはいろいろ指摘されまして、その後とりやめましたけれども、こうした関係は私はやはり、この際本社が統一をして、前に申し上げたような立場から訓練を行なったり、教育を行なったり、あるいは練習をさすべきではないのか、こういう気がしてなりません。この点どうです、一体、どう考えておられるか。  さらには、こうした事情にありますから、訓練は一朝一夕になされるものではありません。ですから、長い目で見て、恒久的な訓練のあり方というものをひとつ計画をお立てになって、その上で訓練をするという立場に立つならば、こうした過酷な、つまり——過酷ということばはよくないけれども、きびしい、激しい勤務を終えられた者の訓練時間というものが三時間ないしは三時間半ということは、在来線でやっているからといって、そのまま当てはめることは、一体、いいのか悪いのか、こういう点が私はやはり、問題になろうと思います。私個人の意見としては、若干やはり、この訓練時間というものを短縮をしてやるなり、あるいは勤務終了後ではなくして、実態はどうなっているかわかりませんが、勤務時間の中に訓練時間というものを一時間くらい入れて、つまり、勤務明け一時間くらいをこの訓練時間に充てるというような、やり方によっては私は便法があろうと思うのです。こういう点、一体、どうお考になっているか、時間がありませんから、一括質問をいたしておきたいというふうに思います。
  82. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 第一番に、欠員の問題でございますが、前回にも口頭で、全体では三名でございますが、いま御指摘のありましたような動力車乗務員、検査掛に欠員があるということは申し上げたと存じます。これは御指摘のとおり、早く補充をしなければならない問題でございますので、ただいま鋭意これの補充に努力しておりまして、最近の機会に、これらの欠員の少なくとも大部分は補充できる見込みを立てておるわけでございます。  それから警備員の問題でございますけれども、警備員が四十四名で少ないということももちろんあろうかと存じますけれども、ここにございますように、一日に二回は担当のところを見ておるわけでございます。そのほかにも、この資料の初めにございますような保線、電気というようなものの警備を兼ねながら見ておる人もございますし、また、御指摘の、民間の方に御協力をいただいておるということは、そのねらいはむしろ、構内に入ってさましたり、または、いわんや、警察権を持っておる者ではもちろんございませんが、新幹線の、安全運行のために一番われわれおそれておりますのは、非常に多いといわれております変質者というようなものが何をするかわからないということに、非常なおそれを抱いておりますので、これらの者を監視していくと申しますか、そういう意味から申しますと、われわれの公安職員並びに沿線の警察官というものだけの力ではなかなか及びかねる。また、万一にもそういう者が何かしようとしたときでも、なかなかわかりにくい面がある。そういう人またそういうものを常に気をつけておるという人があるだけで、相当な予防的な措置ないし効力があるのではないか、こういう考え方から、地元の方々にそういう意味で大きな関心を持っていただくというねらいをもちまして、特別な方にお願いをしておるわけでございます。で、実際に、そういう方が事故を防止するということがあっては、むしろ、たいへんなんでございまして、そういう方がおることによって、いままでにそう大きなことが起こっていないということは、相当な効果があるものと私どもは考えておるわけでございます。  それから三番目に、乗務員の旅費でございますけれども、先ほど先生もおっしゃいましたように、私どもも全く新しい仕事でございますので、いろいろ考えまして、結果的にも、現在線の特急に乗っておるものに比べまして相当な差があることは、いまお話のあったとおりでございまして、これをきめます際の交渉の経過において、一万五千円ぐらいになるということを言ったということは、私は実は承知しておりませんけれども、まあ、ここにあげましたのは平均値でございまして、最高額においては相当これを上回るものがおることも事実でございます。しかし、これは平均的に論ずべきものでございますから、それでいいんだということを申し上げておるわけではございませんが、これらの点につきましても、いま団交の対象になって双方が協議をしておるところでございます。  それからもう一つ、二人乗務の場合に本線上でハンドル交代をやっておるというお話があったわけでございますけれども、私どもとしては、そういうことはないと、こういうふうに指導もしておりますし、考えておるわけでございまして、本務の者はあくまで責任を持って本務を全区間続けていく。補助の者は補助として補助の任務を果たしていくというたてまえにしておりまして、いつもAとBとが途中でハンドルの交代をしておるというふうには考えていないわけでございます。  それからもう一つ、現在線のいまある旅費規程をそのまま適用すればいいんではないかというお話がございました。これを適用いたしますと、いろんな加算がございまして、そのまま適用すると、新幹線においてはもっと大きな旅費額になることは、これは事実でございます。しかし、何と申しましても、現在線とのバランスということももちろん考えなければならない一つの要素でございます。私どもは最後に先生がおっしゃいましたように、新しい仕事であるから、新しい考えを持ってやるという基本的な考え方を持って、旅費の定額を考えておるわけでございまして、まあ、いまのところ、この程度でバランスがとれておるんではないだろうかと私どもは考えておりますが、これもまた、団交の事項として、多くの問題とともに団体交渉をやっておるところでございます。  最後に、訓練時間、訓練の問題でございますが、確かに、非常な高速で走る列車のことでございますから、仕業が終わったときに疲労も強いということはわかるわけでございますが、一方、それだけに訓練も非常に重要な問題でございますので、これらはもちろん、作業時間の中に入れて訓練ということをやっておるわけでございますが、まあ仕業の終了後はぐあいが悪いという意見ももちろんあり得るかと存じますけれども、仕業が終わり、ある程度の休みをやったあとで訓練をやるということは、現状でやむを得ないんではないかと、そういうふうに私どもは考えておるわけでございまして、全体の作業時間といたしましては、これは前回にも申し上げましたように、在宅日数なり何なりというものは、現在線の現状が必ずしも百点満点いいとは申しませんけれども、新幹線のほうがやや状態がいいということになっておることから考えましても、訓練のやり方その他については、新しい問題として考える必要は確かにあろうかと思いますが、私どもも、限られた人間、しかも限られた労働時間の中で、できるだけ能率的な訓練をやるように、今後とも十分その点については検討いたしたいと思っておるわけでございます。  全般的には、先生が先ほどおっしゃいましたように、また総裁が申し上げましたように、私どもとしましては、この半年間の経験を生かしまして、従来のやる前にいろいろ考えた観念にとらわれることなく、新しい考え方と事実に即して、いま労働条件その他につきまして、両方誠意を持って団交をやっておる次第でございまして、もろもろの問題も、その中から結論が出てくることと存じ上げております。
  83. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 どうもそれぞれ答弁がありましたけれども、私は納得しません、そういう答弁では。したがいまして、先ほど申し上げたように、次回の委員会でさらに私はこの種問題については、具体的に取り上げて、私の納得のいくようにお答えを求めるつもりであります。たとえば、いま答えられた訓練の問題にしても、二時間も三時間も、勤務を終わったものを待たしても行なわねばならぬという運用は、私はないと思う。幾らでもやり方によっては、帰ってきたら待ち時間なくして、かりに時間が三時間——三時間やるということは私はとやかく言いませんが、運用としてできるはずだと思う。  それから在来線との関係であるとか、あるいは均衡がどうであるとかいうことでやっているということについては、私は納得はしませんので、この点については、ひとつ十分考えていただいて、次回に答弁するように私は要求しておきます。  それから旅費の関係については、経営者がそういうことを言ったかどうか私はわかりませんがと、確かにあなたはこの当時から変わった常務理事ですから、私はその面での答弁は了承しますけれども、当時の職員局長は明らかに言っていますよ。これは私は労使双方の団体交渉の記録をながめて言っていることなんです。しかも、この実態が、現在ですね、仕業組が二十七組に分れていることは御承知だと思う。ところが、実際の問題として、二十五組で仕事をさしていたわけですね。若干これは最近になってから変えて二十七組運用にしていますけれども、これはこれで私はよいとして、一つ例をあげてみると、レールに乗務する者の旅費は、先ほど申し上げたように七百八十円、その計算のしかたはどうやるかというと二人乗務ですから、一週間に一回運用ということであるから、六で割って実際の実働員数に対する本線乗務ないしは外勤をつかさどる者の数でさらに割って一日平均が約四百円、これの二十六倍ということですから、一ヵ月平均が一万四百円ということが、今日の支給されている旅費の実態なんです。だから、こういうことは、職員の側もそれぞれの機関がありますから機関で検討して、こうなることは従前もう承知ですから、この種問題をきめるときに、労使双方でやりとりをしたんです。その記録が国鉄労働組合にありますよ。そのときに、あなた方はどういうことを言ったかというと——最終的に決定をさしたときです、これは。どういう回答をしているかというと、往復すれば約千六百円になる、月に十往復すれば約一万五千円から六千円になるじゃないか。だから決して悪いようにはわれわれのほうとしては考えていないと、こういう当時のきめ方でものを言っているんです。ところが、いま私が申し上げたような実態になっているから、それでは三分の二程度にしかなっていないじゃないか。しかも、その金額の高低は別として、運用のしかたについても、本務と補助というものの勤務の実態は全く一緒ですよ。それは加藤さんそこにおりますが、違った勤務をさしておりますか。二人乗務の場合はさしていないでしょう。質的な向上、技術の向上ということで、名古屋から大阪までハンドル握らしている。勤務の実態は一緒ですよ。ところが、片や本務のほうは七百八十円、片や六百円、こういう実態にそぐわない——何か国鉄が従前とってきたような一つのこういう問題についても、古い形の階級制を生かしたごとき印象を受けるような実態になっているところに私は問題がありはせぬかと、こう言っているんです。ですから、あなたの答弁では、この点については私は了承しませんし、時間がありませんから言わぬだけのことですけれども、添乗乗務員の旅費の問題にしても、あれは百円と言っているけれども、百円といういまの金の値打ちはどの程度になっていますか。とてもじゃないけれども、添乗勤務すればするほど、本人の給与からこれにかかわる夜食、あるいは昼食代を持ち出さなくちゃならないという実態になっているじゃないですか。こういうことについても、私はあとあと時間をかけて、十分なお次回にでも納得のいくように、しかも、このことが世間に出して、社会に出して恥ずかしくないような形のものを引き出すまでは、皆さんに質問したいというふうに思うのです。ぜひひとつそういう点で準備をしておいていただきたいと思います。  それから前々から申し上げております青函連絡線の合理化の関係、被服工場の関係、あるいは土木、営林部門の近代化の関係、それから建築関係の保守体制、電務の執務体制に伴う合理化の問題について、順次この問題についてもやっていきますが、とりあえずは、今度は、国会の会期もだんだん詰まってきておりまするから、この問題だけではありませんから、便宜上申し上げておきますけれども、この五つの問題について具体的な計画案を資料として私は求めておきたいというふうに思いますから、次回から一ぺんに言われてもなかなかこれはたいへんだと思いますから、とりあえずは、青函と被服工場の関係資料を私は求めておきたいというふうに思います。以上であります。
  84. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。  次回は三月二十三日午後一時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十三分散会