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1965-03-11 第48回国会 参議院 運輸委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十一日(木曜日)    午前十時四十五分開会     —————————————   出席者は左のとおり。     委員長         松平 勇雄君     理 事                 前田佳都男君                 吉田忠三郎君     委 員                 江藤  智君                 加賀山之雄君                 河野 謙三君                 木暮武太夫君                 相澤 重明君                 小酒井義男君                 浅井  亨君    政府委員        運輸政務次官   大久保武雄君        運輸大臣官房長  堀  武夫君        運輸省船舶局長  芥川 輝孝君        運輸省港湾局長  佐藤  肇君        運輸省鉄道監督        局長       佐藤 光夫君        運輸省鉄道監督        局国有鉄道部長  深草 克巳君        運輸省航空局長  栃内 一彦君    事務局側        常任委員会専門        員        吉田善次郎君    説明員        日本国有鉄道常        務理事      川上 寿一君        日本国有鉄道常        務理事      豊原廉次郎君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○運輸事情等に関する調査  (日本国有鉄道運営に関する件)  (航空に関する件)     —————————————
  2. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。  港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提案理由説明を聴取いたします。大久保運輸政務次官
  3. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案提案理由につきまして御説明申し上げます。  港湾は、経済活動の重要な基盤でありまして、外国貿易を拡大し、生産の増強につとめ、地域格差を是正し、もって国民経済の健全な発展に寄与するためには、港湾の緊急かつ計画的な整備を推進する必要があることは申すまでもないところであります。このような見地から、政府は、昭和三十六年度を初年度とし昭和四十年度に至る港湾整備五カ年計画を策定し、これに基づいて港湾整備事業の実施を鋭意促進してまいったのであります。  しかしながら、近年におけるわが国経済高度成長に伴い、港湾取り扱い貨物量予想外の伸びを示し、すでに昭和三十八年において、最終年次である昭和四十年の推定港湾取り扱い貨物量を上回ったのであります。また、新産業都市建設等地域開発諸施策の積極的推進、船型の大型化航行船舶のふくそうに伴う海難防止の要請等新たな情勢が生じてきたのであります。このような事態にかんがみ、政府といたしましては、このたび、昭和四十年度を初年度とする新港湾整備五カ年計画を作成し、港湾整備を強力かつ計画的に推進する所存であります。  つきましては、昭和三十六年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を作成することとなっております現行の港湾整備緊急措置法第三条を改正し、昭和四十年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を作成し、閣議決定することにいたす必要があります。  以上が、この法律案を提案する理由であります。  何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
  4. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     —————————————
  5. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  6. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 前回委員会に引き続きまして、国鉄側質問をいたします。   〔委員長退席理事前田佳都男君着席〕  資料要求をいたしておりましたところ、本日三点につきましての資料が出てまいりました。運転取扱心得については追って委員会であらためて私は質問いたすつもりであります。ただそのほかの二点の資料につきましては、当初私が資料要求したものとほとんど違った内容のものが出てきております。新幹線車両事故、このことにつきましてはこれは別といたしましても、「新幹線月別予想人員乗車効率」、確かにこれは資料としてちょうだいすることはけっこうですけれども、私が資料要求したものはこういうものではなくして、前の速記録を見て明らかなように、保線所であるとか、大阪運転所、あるいは各駅、こうしたもののつまり欠員がどうなっておるのか、勤務状態がどうなっているのか等々数点具体的にあげて、その関係資料を提示をしていただきたい、あわせてこれら質問に対して答えられる人をきょう出していただきたい、こういう要求をしたはずなんです。ところが、さっぱりこういうものの内容が出ていません。いませんから、私はこれに対して国鉄側誠意云々ということは言いません。言いませんが、あなた方は資料を提示しないわけですから、具体的に私のほうから再度にわたって質問したい、こう考えます。  そこで第一点は、この間も若干触れたけれども勤務実態をこの際それぞれの事業所別に明らかにしていただきたい、これが一つです。
  7. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 勤務実態につきましては、概括的に申し上げますと、大きく分けまして、まず動力車乗務員から申し上げますと、動力車と申しましても、新幹線はすべて電車でございますので、電車運転士勤務につきましては、現在線の動力車乗務員と同じように、御承知のいわゆる国鉄内部規定でございます内達一号というものを適用いたしまして、一日平均労働時間七時間三十分、換算五時間三十分の勤務を行なっておるわけでございまして、その内達一号を適用しながらどういう乗務をしておるかということはもう御承知のとおりでございますが、超特急は二人乗務でありまして、東京大阪間の通し運転、それから特急につきましては一人乗務によるいわゆる段落とし運用と申しまして、上りは静岡で一列車落とす、下りは名古屋で一段落とす、こういう勤務が根本になっておるわけでございますが、そういう内達一号による勤務をやります結果、この前先生から御質問のございました外泊日数在宅日数を申し上げますと、交番組——いわゆる所要数の五十六という数値に対しまして、外泊日数は二十二、在宅日数は三十四でございまして、この勤務状態と申しますものは在来線平均値に比べましてはややいいというかっこうになっておるわけでございます。またそれぞれ東京大阪におきます乗務員休憩施設というようなものも在来線よりは相当よい設備がしてございますので、その意味から申し上げましても、乗務員の給与ということについては、少なくとも在来線よりはまさっておると考えておるわけでございます。  それから、列車乗務員につきましては、超特急特急ともに、専務車掌が二人、乗客掛は二人というふうに、原則として二人二人という乗務をやっておるわけでございまして、一週間平均労働時間は協定によりまして四十五時間、一日平均七時間三十分というふうな乗務をやっておるわけであります、なお、非常に業務の繁忙時等につきましては、一名の増し乗務ということもやっておるわけでございます。また、列車乗務員につきましては、これは御承知のように深夜運転がございませんので、公休日等入れますと一カ月におおむね二十日程度自宅休養が可能になっておるわけでございます。  それから、車両検査をする検査掛でございますが、これも運転所に所属しておるわけでございますが、これは組合との間の労働協約を締結いたしまして、現在線の職員に適用しておる勤務制度を適用することはもちろんでございますが、特別な勤務制度を適用しておる者は相当な数でございます。これにつきましては、ある程度新幹線列車のダイヤというものが昼間だけでございまして、夜間車両検修が非常に多いという実態がございますので、その実態に合うような特別な勤務形態をとったわけでございますが、これは一日平均七時間、一週間平均四十二時間という勤務時間でございまして、この一週四十二時間という勤務時間は国鉄が初めてとりました一週間平均としては一番短い勤務時間になっております。もちろん、先ほど申し上げましたように、夜間勤務が多いわけでございますから、それにマッチするように、休憩時間等におきましては、在来線で行なっているよりも休憩時間を増すというような考慮を払っておるわけでございます。電車検査掛の中で特殊なものは、新幹線につきましては、御承知のように、列車添乗する検査掛がおるのでございまして、この者につきましては、一日平均所定労働時間は七時間三十分ということになっておりますが、東京運転所におきまして所属しております添乗検査掛勤務を見ますと、全体で三十二日の勤務割り交番のうちで、自宅休養できる回数はその十八日程度になっておるわけでございます。その他の添乗以外の者につきましては、現在線と同様な在宅日数を示しておるわけでございます。  そのほか特殊なものといたしましては、保線所とか電気所というものがございまして、それぞれ新幹線特殊事情によります夜間作業というものが非常に多いわけでございますが、それらにつきましては、先ほど申し上げましたような特別勤務というものを特に組合との間に協定をいたしまして、それによって実施しておるわけでございますが、この勤務が、この前先生からもお話の出ましたC——何型という形で、先ほど申し上げたような特殊な勤務形態をとっておるわけでございます。  以上が勤務実態概略でございます。
  8. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 勤務実態概略説明されたわけでございますが、私は、それはそれとして、普通の説明という程度にいまの段階では聞いておきたいと考えます。  そこで、つけ加えてお伺いしますが、現在地上警備員配置をして、遺伝間のつまり乗務員を間接的に地上警備をしながら補助をするというような制度があると思うのです。そこでその警備員配置というのは、何名配置をして、どことどこに具体的に配置をしているのか、ちょっと説明していただきたい。
  9. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) ただいまその個所等について手元資料を持ち合わせておりませんので、すぐに調べて御返事をいたします。
  10. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 ではあと委員会にそうした資料を提示していただきたいと思います。いま手元資料がないから、この問題についてはあと資料を求めることにいたしましたが、実際問題として私も、ただ新幹線国鉄側が宣伝をいたしているような快適で何とかというようなことじゃなしに、数回乗車いたしてみました。そのつど私は運帳台に参りまして、運転士勤務実態等々、さらに、十月開業以来こうした諸君は常時運転しているわけですから、いままでの経過等を聴取しながら実態を見てまいったのです。これは、いま手元資料がないということですから、どうかと思いますけれども、五百十五キロの間に、私が過去四回そうしたある意味調査をしたけれども地上における警備員というのは、私は近眼ですからあまり見えなかったのかもしらぬが、ただの一人も残念ながら見つけることはできなかった。そこでこれは、私だけがそういうことになって、どこかに、いま申し上げたように、目があまりようございませんから、これは私の誤解ではいけないわけですから、乗務員諸君にいろいろ尋ねてみました。乗務員諸君、異口同音です。あなただけじゃない、われわれが十月以来開業してこうして勤務していますけれども、ほとんど地上警備員というものは見届けたことがない、これがために、運転乗務員は必要以上に前方注意忙殺をされて、たいへんな神経疲労度勤務を終えられたあとに出てまいる、こういうお話がその中で私はうかがえたのであります。こうしたことが、やがて、添乗検査というような形で現在もいろいろなことをやっているようですが、そういう現実の姿の中から、私はいろいろここに資料として出されてまいっておりますものの中を見てみましても、列車遅延——これは在来線と違いまして何分遅延した場合に事故扱いにするか私は承知していません。いませんが、そうした関係事故もかなり出てきているのじゃないか、こら考えますので、この点をちょっとこの機会に明らかにしていただきたいと思います。
  11. 川上寿一

    説明員川上寿一君) ただいまの御質問の中で、添乗検査員に関連をいたしまして、車両事故の点を少し申し上げたらいいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。
  12. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 車両事故は、それはこの間ぼくは指摘してある、前回委員会で。だから、君から聞かなくてもぼくのはうは全部承知している。ぼくは実態調査をしてあるわけですからね。それは、多少君たちが隠そうとしていれば、ある程度事故件数が少なくなっているかもしれんが、概略は一致している。それはぼくが調査したっていいですよ。それはいいが、いま言った実態説明しろと言うのです。地上警備員を置いているわけでしょう。そういう制度を設けているわけですね。そこで、実際問題として、地上に、五百十五キロの間に、私が見たけれども、一同じゃないですよ、四回私が乗って見たが、そういう者は一人も私の目にはとまらなかったと言っているのです。そこでぼくは、肉体的に近眼だから見えないのかと思って、それじゃいかぬから、乗っている乗務員諸君に聞いたら、開業以来こうした諸君も見たことがない。そのために、前方注意、そうした事柄忙殺されて、非常に神経が消耗する。しかも、さらに車内における事故件数というのは、これは月間百二十件もあるわけですから、添乗検査員が補助しているわけですね。だけれども、そのことだけじゃ足りないので、こうした事柄列車遅延原因になっているのじゃないか、こう私は判断をしたので、こういう関係はどうなのか、こう聞いているのです。そのことだけ答えられればいい。
  13. 川上寿一

    説明員川上寿一君) 地上警備員につきましては、計画を立てまして、所定どおり出しておりますが、いまの先生の御指摘のように、車上から見えない場合がしばしばあるわけでございまして、これはできるだけ早期に待避をするということにしておりますので、そういう場合があるかと思います。それでも、これは私の経験でございますが、十月、十一月は、これは残工事関係もありましたかと思いますが、むしろ地上警備員待避がおくれまして、乗務員が非常に神経をとがらせた事実がございますが、十二月あたりからはそういうことがなくなりましたので、そういう方面からの神経をとがらすという問題はなくなったと了解しております。  それから、添乗検査掛事故処置忙殺をされるという事実につきましては、これはやはり十月−十一月の初期故障が非常に多かった時期につきましては、相当にたいへんでございまして、ほとんどこの添乗検査掛運転室にすわっておれないというような状況がございましたが、これは最近だいぶよくなりまして、件数としては一日百数十件出ることもございますが、その中には冷暖房機のスイッチがふぐあいであったのをちょっと行って見てやったとか、あるいは給水のコックの状態が少し悪くて水の出が悪かったというような、一つ一つ見たものもその件数に入っておりますので、列車遅延になってあらわれるような事故は非常に減ってまいっております。ただ問題は、先生も御承知のとおり、一月−二月に雪害事故が頻発をいたしまして、これが大きく列車をおくらせる原因になりましたが、これも二月一ぱいで大体の応急の処置はできまして、まだ根本的には昭和四十年度の雪害期までに大きく手を打たなければならないものも残っておりますが、応急的な処置はできましたので、三月に入りましてから関ケ原地区にも雪が降っておりますが、徐行のために若干その区間でおくれたという事実はございますが、最近はそのために終着までおくらせたという事故はほとんどございません。大体以上のとおりでございます。
  14. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 そうしますと、これは具体的にどういうところに配置しているか、きょうは資料がないということだから、議論の対象になりませんが、そうした地上警備員というものは、当初きめたとおりに配置しているということですが、どうしてそれは……。
  15. 川上寿一

    説明員川上寿一君) これは、配置と申しますか、巡回をしております。
  16. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 もとより、警備員ですから巡回するのはこれは当然で、そういう勤務内容というか、巡回でもけっこうですが、しかし、幾らあなたがそこでなかなか列車の中から見当たらない場合があるといっても、普通この地上でとほうもない長距離にわたって監視したり警備したりしているのではない。防護柵の中でやっているのですから、ですから常識的には、ぼくのような近眼でも、そのことにのみ注意しているわけですから、何人か目にとどまるはずです。ましてや、そのベテランの運転士前方におって運転をしながら見て目にとどまらないということはないとぼくは思うが、この点どうなんですか。何のために見えないのか、あなたのほうは配置していると言うが。
  17. 川上寿一

    説明員川上寿一君) 私も、先生の御質問の、何のために見えないかということについては、了解をいたしかねますので、先ほど豊原が申し上げましたように、もう一度よく調べまして、資料をもってお答えしたいと思います。
  18. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 では、十分調査をして、これはたいへんな問題ですからね。国民の側にしてみたって、当初国民に公約した、地上警備を含めて運転には万全を期している——絶対ということばを使っているのですからね、国鉄側は。絶対ということばはたいへんなことですから、非常にそういう意味では関心を持っておられると思うのですよ、一般利用者もね。ですから、そうした方々にも一つの解明を与えるために、調査をして、それで私ども理解のできるようなひとつ委員会答弁を私はしてもらいたいと思う。  それからもう一つ伺っておきますがね、前の委員会で、東京運転所、それからもう一つ機関士、この関係の私は欠員指摘をしたのです。豊原常務理事も、その欠員のあることは認めます、すみやかに欠員補充をしたい、こういう答弁でございましたので、それは私はそれとして、きょうの委員会で、ここのみならず、保線所電気所大阪運転所、さらに事務系統資材あるいはその他の関係の面についてどうなっておるか、基準要員と現在定員がどうなっているのか、それからでき得れば各駅実態はどうなっているのか、これを資料を求めた。出ていません。そこで、新幹線全体として今日何名欠員を生じているか、これだけはおわかりだと思いますから、簡単でいいですから、何者欠員になっているのか、全体でですね、明らかにしてもらいたいと思います。
  19. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 新幹線所要員として定められておりますものは、全部で——これは駅の関係が実は新幹線支社というよりも各ほかの支社でそれぞれ担当しておりますので、駅を除きまして、新幹線支社の木部と申しますか、   〔理事前田佳都男君退席言委員長着席〕 それ以下、経理資材所車掌所運転所保線所電気所、こうございますが、それの全体の合計では、所要員四千四百二十八名に対しまして、四千四百二十五名の現在員——これは二月末でございます。したがいまして、全体といたしましては三名の欠ということになるわけでございます。そのほかに駅は、これは新幹線のみでなく、現在線との共用部分が多いわけでございますが、これの新幹線関係職員としては、所要数が七百五十八、それに対しまして現在員も七百五十八名でございますので、これは欠なしということになるわけでございます。ただ、この中で、欠員の生じておる個所と、それから所要数を定めましたとき以後の事情の変化によりまして現在員のほうがふくれておる個所がございますが、こういう個所別につきましては、欠員のところは相当あるわけでございまして、先般も御質問がありましたときに、欠員はなるべくすみやかに補充するように努力をしたいと申しましたのは、そういうことでございます。で、御指摘運転所についてみますと、運転所所要数全部で千二十七というのに対しまして、九百八十五ということで、四十二名の欠員が一これは東京大阪合計でございますが、あるわけでございます。その他保線所等にも若干の欠員がございます。欠員のところと過のところの差し引きが、先ほど申し上げましたような三名という欠員であります。
  20. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 要員状況説明されましたが、全体でマイナス三、こういうお話でございますが、非常に私は問題があると思う。なぜかというと、全体でマイナス三ということになりますと、さして欠員はないように感ずる。ところが、前回指摘したように、新幹線の最も重要部門である運転部門、あるいは検修部門保線部門等々に膨大な欠員が出ているわけです。前回も、ここに資料——いま速記のほうからとってきましたが——ございますが、運転所東京だけでこれは二十八名ですよ。さらに運転士関係は十七名欠員。まことにここらあたりがぼくは理解に苦しむところですがね。勢いこういうことを、あなた方もうすでに半年に迫ってきている状況の中で、最も重要な現場にかくも欠員を生じさせているということは、全体の要員運用から見ればわずか三名の欠員だからそう問題はないじゃないかという言い方になるか知らぬが、これはたいへんな問題じゃないですか。しかも、こういうことから起きている現象はどういうことかというと、この間もちょっと触れたが、長期欠勤者が非常に出てきた。これはサボって長期欠勤しているわけじゃないでしょう、実態は。非常に勤務時間が長い、しかも新しい型の機械設備等々をマスターしなければならぬですから、非常に神経が消耗する。そういうことがあるから、健康を害して病気してやむを得ず長期欠勤している者が出てきている。それから、豊原理事も知っているかどうかは別として、これは重傷を負っている人々もかなりおりますわね。その他けがをして休んでおられる人もいる。こういう積み重ねが、非常に私は将来の新幹線の運行、運営についてほうっておけない問題じゃないかと、こう思うゆえに先般から伺っているわけです。これらは、あなたはできるだけすみやかに補充をしたい、こういう答弁でございましたが、私はこれは当然のことですから、すみやかにやっていただきたい。と言っても、なかなか、きのうきょう国鉄に採用になったからといって、直ちに構内作業あるいは検修作業、とりわけ運転などというものはできっこないですね。したがって、これからの職員運用あるいは将来展望に立った要員養成計画などを当然立てておかなければならないものだと思うわけです。立っているのだと私は思うのです。そこで、将来展望に立った一体欠員補充のこの点も含めて、要員養成計画を私はこの際明らかにしてもらいたい。それなくしては、いかにあなた方委員会でりっぱな答弁をしても、利用される国民の側は、今日わずか一日か二日の委員会指摘されて明らかになった部面だけでも、国民は心配して新幹線はほとんど利用せぬことになる。しかも、一たんこのことによって人身事故でも起きたら、あなた方は一体、どう国民——事故あるたびに、まことに申しわけないということをよう言いますけれども、それだけでは済まされないものが、あなた方管理者としてこういうところに残っているのじゃないですか。私は残っていると思う。管理者のまさにこれは怠慢だと思うのです、今日までの。ですから、そういう計画があろうと思いますから、計画を明らかにしていただきたいと思います。
  21. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 先ほどお話ししましたような過欠状態でございますが、私ども全体を考えて、四千名というもののうち三名であるからたいしたことはないというようには決して考えておりませんで、いま先生指摘ございましたように、特に運転関係乗務員なり検査掛欠員ということに対しましては、一日も早くこれを補充いたしたいと、こう思っておるわけでございます。で、実際のところ、御指摘のように、直ちに新しい職員を持ってきても、新幹線電車運転士になれるわけではございませんが、その電車運転士につきましては、実は開業前にすでに養成を終わった者が相当残っておるわけでございまして、その者がいま現在線の電車運転士として働いておるわけでございます。これを新幹線のほうへ補充をすれば、いまの欠員新幹線のほうは解消するわけでございますけれども、実は現在線のほうでも電車運転士がなかなか十分とまでいっておりませんので、その現在線のほうであるいは臨時列車運転するなんとかということのために補充がいまおくれておるというのが現状でございまして、現在線のほうの問題を解決いたしまして、すみやかにすでに教育を終わっておる者を新幹線のほうへ持ってきたいという考えでおるわけでございます。まあ、現在線のほうにつきましては、四十年度の予算についても問題になっておりましたように、ある程度の業務量増に対する人員の増加という手が打たれましたので、そちらから人員の補充がつき次第新幹線を埋めたいということでございます。新幹線のほうにつきましても、現在線のほうにつきましても、業務量は両方上がっておるわけでございます。幸いにいたしまして、この欠員は、先ほどの検査掛保線所等においてはある程度の欠勤者も出ておりますが、動力車乗務員につきましてはいまのところ長欠者がないという、これはある程度年齢も元気の盛んな人たちを集めておりますので、そう長欠がないというような恵まれた状態がございますので、いまの欠員を擁しながら列車運転に支障を及ぼさないというのが現状でございますが、こういう状態に長く耐えることはできませんので、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、すみやかにこの欠員補充いたしたいと考えております。
  22. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 具体的に私はここで期限等切りませんけれども、あなたも答えておりますように、大事な問題ですから、特急が二百キロから平均百九十キロくらいで走っている段階ですから、可及的すみやかに、一日も早くこの問題を解決する、そういう立場で努力してもらいたいと思います。  それから、現在見習いが配置されておりまして、特急に技術の向上という題目で乗務しておりますね、これはつまりあっせん案の二人乗務のある意味においては代替であなた方が考えて配置しているような気がしてならない。私は、当然、特殊な列車運行ですから、将来展望に立って大いに研修をしたりあるいは見習い等々制度を設けて一人前にしていくというやり方はけっこうなことだと思うが、とりあえずやはり、あっせん案が出まして、当分この二人乗務でやれ、こういうことになったわけですから、やはり経験肴を常町特急といえども配置をして、なお技術を習得するために見習い制度があるとすればそうした者を見習いにつける、こうあらねばならぬと思うのですが、こういう点一体どう考えておられるか。  それからもう一つは、上りと下りのつまり段落駅の問題がございますね。いま、下りは名古屋でやっているんですが、上りは静岡でございますね。私ども考えてみるに、いまのところ、東京大阪間五百十五キロで、いわば同時間帯に双方から上り下りが発車するというダイヤ編成になっていますね。こういうことを専門的に、技術的にながめてみると、五百十五キロの中間帯の駅を段落駅にするということは運転上の常識じゃないかと思う。そうすると、ちょうど浜松になるわけですよ、中間帯の駅というのは。しかも、あなた方も御承知のように、したがって電車等の設備も浜松にしておるはずなんだ、現状ですね。ですから、なぜ一般の鉄道始まって以来の運転常識をはずれた、下りを名古屋にして上りを静岡にしているのかということが、非常に私は解せない。これも一つには、いろいろ内達一号の勤務の都合で、車掌あるいは運転士の交替時間等々を、きのうおとついの総裁の答弁ではございませんが、古いやり方の形式、形態を頭に描いてやっているところに私は問題があると思う。新幹線は新しいですからね、総裁答弁のように、新しい感覚で、この際は常識的に段落駅を浜松にすべきだと私は思うのですが、どうなんですかね。
  23. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 新幹線乗務員の一人乗務か二人乗務かという問題は、御承知のように、開業前にいろいろ問題がございまして、あっせん案が出、超特急は二人、特急は一人の段落としということになっておりまして、いま一番初めの話の見習いの者が乗るということは、これは将来ダイヤを非常にふやす関係もございまして、全列車とは申しませんが、そういう者が乗っている場合が相当あるということは事実でございます。しかし、私どもとしましては、いまの東海道新幹線の保安施設その他の条件から考えまして、一人で乗務ができるという考えを持っておりましたわけでございますけれども、これはあっせん案によります結論を出すには早いから、もうしばらく持てということになっておりまして、ただいまあっせんで一応定められました六カ月という期間もそろそろ終わりに近づいてまいりましたので、いままでの経験を持ち寄りまして団体交渉をやっておるところでございますので、その問題につきましては団体交渉のほうにおまかせを願いたいと思うわけでございますが、あとの段落ちの場所、上りは静岡、下りは名古屋ということにつきましては、先生もおっしゃいましたように、内達一号を適用する勤務時間等の関係ももちろんございますが、まん中で必ずしも段落ちにしなければならぬということはないのでございまして、一人の運転士がそれで大体何キロになりますか、三百五十キロ程度かと思いますが、時間にいたしまして五時間のうち三時間余りのハンドルを握るということは、勤務状態から見ても無理のない適当なところだというふうに理解いたしまして、いままでのような場所で段落ちの作業をやっておるわけでございます。
  24. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 確かにものさしではかって何でもまん中に段落駅をしなければならぬという……、理屈は、これはあなたの答弁したように、考えようによってはそういう理屈もぼくは成り立つと思います。しかし、内達一号の勤務実態から見て、あなた方はあくまでも下りを名古屋あるいは上りを静岡ということを主張するなら、私は私なりに具体的に理屈がありますよ——理屈じゃなく、実態です。この間も指摘したように、仕業ナンバーの十八は睡眠時間五時間二十七分しかない。これはこういう実態があるんですよ。ですから、私はもう理論だとか理屈というのを抜きにして、新しく総裁も言ったように一つ新幹線なら新幹線というものが生まれて、いまだかつて、これは日本のみならず、世界だって、こうしたことになることを予想しなかった、そういうものが生まれたんですから、その方向に合わせてやるべきだと思うんですよ。ですが、一挙に私はそうならなくても、場合によってはやむを得ぬかもしれぬが、少なくとも、いま言った五時間二十七分程度の睡眠時間でトンボ返り運転させなければならぬということは、これは改めていくべきだと思うんです。だから、ここのところは、こういう列車は交番は夜間ですから、私は特急については夜間帯は浜松で折り返す、昼間帯は浜松から折り返し運転をやる、いわゆるトンボ返り運転をやる、こういうことにしさえすれば、かなりこういう条件というものが緩和されてくるということは、いやしくも国鉄でめしを食っておった者なら、これは直観的に出てくる。理屈じゃなくて、実態ですよ。こういう関係をあなた方はどう考えておるのですか。
  25. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) いまの乗務員勤務実態につきましても、総裁が先般お答えいたしましたように、全く新しいものができたわけでございますから、まあ新しい考え方でやるという線は私ども全部が持っておる考え方でございまして、約半年たちましたこの経験を労使双方ともよく考えながら、ただいまそういうもろもろの問題につきまして団体交渉をやっておるところでございますので、その中で双方納得のいくような結論が出ることを期待しておるわけでございますので、勤務のそういう具体的な点につきましては、団交の結果をお待ち願いたい、こういうふうに存じます。
  26. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 これはかなりこまかな問題ですから、こういう問題は労使双方これから煮詰めていただかなければならぬと思いますが、団交でできるだけ——いま申し上げたように、もう国鉄に職を奉じておった者は一見にしてわかることですからね。ですから、十分話し合って、いま私が申し上げたように、できれば、夜間帯と昼間帯というものを総合的に判断をして、勤務体制、こういったものをもう少し合理的に新幹線らしいものにしていただきたいと私は思います。  それから、福利厚生関係一つになりますがね、これはあとあと細部にわたってお伺いしますが、いまの問題に関連をして一つ例をあげてみますと、御承知のように、下りは大阪に着くのは二十四時でございますね。ところが、始発の関係が朝の六時ですから、そうしますと、到着して直ちに睡眠をとれたものと判断して、六時間ですね。しかし、人間は二十四時に大阪の駅に着いて直ちに睡眠をとれるわけのものではないですから、睡眠時間というものはおおよそその中から出てきますがね。それ以上に困っている問題は、これは実態調査をしてみると、そういう点が出てきますが、帰ってもこの人々が宿泊をする設備がない。ささやかなものはありますよ。ありますが、つまり、先ほどあなた方が答弁したように、ダイヤが平常どおりにいっている場合はさして問題はありませんが、車両事故であるとか、あるいは雪害もかなり多くありまして、ダイヤは乱れてまいります。そうすると、上り列車との関係で、帰っても休養をとれる場所がない。ですから、この人々はほとんど満足に睡眠、休養をとらずして、翌日の六時に始発で運転を開始しなければならぬ、こういう実態がございますがね。こうした事柄について、この前総裁は、このことを指摘したわけではないのですが、国鉄全体の宿舎の問題だとか、あるいはいまいう宿泊設備の問題ですね、思い切って改善したいと言っておったことですから、そうした一連の中で解決されるのじゃないか、私はこういうように思いますが、こういう事実はあなた方は知っておりますか。もし知っているとすれば、どう具体的にこれを解決するかということについてお聞かせ願いたいと思います。  それから、東京大阪間における全体の問題として、福利厚生の関係の施設はどうなっているか、これもあわせてお聞かせ願いたいと思うわけであります。
  27. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) ただいまお話しのような終列車で着いて始列車で出るというような交番もきわめてまれには出てまいりますけれども、一般的に申しますと、そういうものは極力避けておることは当然でございまして、東京大阪の行き先地における休養時間というものは平均九時間二十一分ということになっております。最も短いものでは六時間十二分というようなものもございますが、平均的には九時間以上、長いものは十時間というようなものもございますし、それぞれ東京大阪運転所のこれら職員が休養する施設というものは、現在線には見られないいい設備になっておるわけでございますので、災害、事故等の異常時におきましては、これは短い時間になることが起こることも否定いたしませんけれども、一般的には休養に事を欠かない、こういうふうに考えておるわけでございます。  それから、あとの福利施設一般と申されますと、大体現在線のそれぞれの駅に併置されておりますので、保線関係、電気関係等の職員の施設ということになろうと存じますが、それらのことにつきましては、確かに開業当時は不十分な点も見られ、また現在におきましても完全とは思っておりませんけれども、少なくとも四十年度中に、当初計画いたしました職場環境なり宿舎その他の整備を完了いたしたい、こういうふうに考えております。
  28. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 さらに伺いますが、具体的な例で一つあげますよ。この例は事実私が確認してきているわけですから、あなた方も否定できないと思いますが、どうもここで答えているような新しい方向であなた方は職員を扱っているというかまえはちっとも見えない、これから私が申し上げる事柄から判断しますと。総裁は国会に参りますると、人命を尊重する、人は非常に大事である、特に何か三井物産におられた例をあげられて、一昨日もそういうようなことを言っておりますが、そういうことになっておりませんね。具体的に例をあげてみますと、車体検査をするような関係で、幾ら大阪とか、あるいは東京、中間にあります静岡とか、名古屋の気候温暖な土地といえども、いまのC型の検査交番で、これなどを見ますと、かなり深夜にまたがっております。そうしますと、非常に冷え込んできます。そういう場合に、これはあなた方は偉い人ですから、本社の常務理事室におりますから見たことないと思う。今度行って一回現場を見てごらんなさい。こういう諸君作業をする場合の詰所に、何ら暖をとるようになっておりませんよ。ストーブ一個だってないですよ。こういう作業環境にしているということ。それから、たとえば、私も工場で勤務したことがありますが、照明関係——修繕場の照明の関係、この関係だって、上部から照明を照らしておりまして、実際に作業をする検査掛諸君手元関係については照明ありませんよ。これまた検修する場合の環境だってなってませんよ。安全衛生規則からいったって、こんなものは違反ですよ。そうして、一面においては、職員に対しては、安全作業をやれ、安全作業をやれということを言ってます。これは労務管理をやる人は、立場上当然でしょうね。私だってそういう立場になったら言いますよ。言いますけれども、安全管理をやれと言ってみたって、でき得ないような実態になっておりますよ。こういう問題だって、そういう担当の管理者がいると思います。本社にだって、支社にだって。なぜこういう問題が起きるか。さして照明の問題なんというものは金のかかる問題じゃない。やる気になっているかなっていないか、心がまえの問題ですよ、こういう問題は。こういう例があります。それから、とらえてみると、数々たくさんこういう問題が出てくるのですよ。しかも、検修作業に出る場合に、どのくらい職員が徒歩で歩いていると思いますか。十五キロくらい徒歩で歩いて検修作業に当たっているのですよ。場合によって二十キロくらい徒歩で歩かなければならぬ場合がある。こういう事柄について、それは作業現場というのはどこになるかということはわかりませんからね。故障がどこで起きるかわからない。これは十五キロの場合もあるであろうし、二十キロ、二十五キロの場合もあるかもわからぬ。しかし、職員が徒歩で行く。こうした事柄だって、故障を早く直して車両運転効率を高める、運行効率を高める、こういうことになりますれば、せめてこういう諸君には、私はオートバイなどと言いませんが、自転車くらい与えたっていいじゃないですかしそれさえやってない。やってませんよ、それは。あなた方二人で相談したうて、これは現場を見てないからだ。もっとあなた方は真剣になって、新幹線運用実態がどうなっているかということを、幹部の方がもう少し巻きゃはんでもはいて現場を見てごらんなさい。こういう事実がある。まだまだたくさんありますよ、あげますれば。だから、あなたがいま答弁したように、そういうなまぬるい、ゆうちょうな答えでは、これは済まされない。全般にある。一体こういう問題をあなた方どうこれからやろうとするか、ひとつお答え願いたいと思います。
  29. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) 側々の現場のこまかい作業環境についての御質問でございますが、一般的に申しまして、たとえば二番目に申されました検修作業場における照明、これも必ずしも私ども万全で万遺漏がないとまでは申し上げませんけれども新幹線検修の職場というものは、一般の国鉄のレベルから見ますと、最もよくできておるわけでございまして、照明についてそう作業に支障を生じ、障害、事故を惹起するというようなことはないと考えておりますが、なお具体的には、それぞれの職場につきまして、そこの職場の管理者に十分に注意をさせ、設備の足りないところは補っていかなければならないと思います。暖上房につきましても同様でございまして、それぞれの職場の責任者がおるわけでありますから、作業実態に即したような必要な暖房設備というものもこれは当然やらなければならぬことでございますから、御指摘のようなところは、よく検討いたしまして、善処をいたしたいと思います。  なお、検修に行くための徒歩が十キロないし二十キロに及ぶということにつきましては、これは検修中に歩く距離か、検修の現場まで行くのに十五キロも徒歩で歩いておるということは、私どもちょっといまのところ思いつかないわけでございます。そういうことはないと思っております。
  30. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それは、もう少し具体的に言うと、作業手順が実態に合っていないから、十五キロ、場合によっては二十キロぐらい修繕小道具を持って歩くのです。ですから、これはあなた現場を見ておりませんから頭をかかえているのですが、それはもうちょっと専門の技術属とか管理者にこういう実態を把握させるようにあなた方努力しなさいよ。いま申し上げたとおりだ。豊原さん、安全管理あるいは職場における安全の確保について努力する、当然のことです。そこで、あなたに注意しておきますが、具体的にぼくはこの目で見て来た。たとえばクレーンの運転、これは加藤さん技術屋さんだから、加藤さんの関係になるかもしれないが、クレーンの運転について、資格のない者に運転させているのじゃないか、資格のない者に。それから玉掛けの関係についても、本来は玉掛け等については、職員に対して講習を受けさせて、ある程度の知識あるいは技術を習得させて作業させなければならない。ところが、この玉掛け作業についても、全く講習さえ一ぺんも受けない未経験者が当たっている。こういうことでは、あなた方が委員会に来て、幾ら職場における安全を確保したいと言っても、そういうことにはなっておらぬ。答弁にならぬ。実際こういうことは現場にたくさんある。こういうものはすみやかにやめさせて、それにかわる措置をして初めて、この委員会に来て、かくかくしかじかの措置をとっているのだから案全確保については万全だということが言える。そういうことにはなっていない。これは大事な問題です。しかも、事故が起こったときに重要な問題です、その職員にとっても、対社会的に見ても。こういう問題については、すみやかにあなた方は努力してもらわなければならない。この点は、そういう実態をあなた方把握しておられますか。
  31. 川上寿一

    説明員川上寿一君) ただいまの御指摘のようなことがないことを確信しておりますが、先生は事実の上に基づいてお調べになっておりまするので、さっそく取り調べをいたしまして、こういうことが今後絶対ないようにいたしたいと思います。
  32. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 時間がなくなっておりますから、あとあと、この次の委員会でもまた十分やることを約束して、きょうは最後に一つだけさらに伺っておきますけれども、旅費の関係、当初それぞれ今日の旅費規程を参考にして換算したものをかなりの額になるように算出されてきたように私は記憶する。ところが、実態調査してみると、必ずしもそうなっていない。主として内達一号を適用されて勤務する車掌の関係ですが、この関係でどうして当初計算をしたものよりかなり下回った旅費額になるのか、ここらあたりをちょっと教えていただきたいと思います。
  33. 豊原廉次郎

    説明員豊原廉次郎君) いまお話しのように、従来の旅費規程と今度の新幹線の旅費の定額は、全く別のものを定めたわけでございまして、いまの列車乗務員につきましても、また動力車乗務員につきましても、検査掛にしましても、添乗する検査掛にしましても、それぞれ各駅間ごとの定額を定めたわけでございます。従来の旅費規程に比べて有利か不利かという問題は、いろいろな考え方がございますけれども、実際に乗務員が受け取っておる旅費、これはその人の作業によりましてそれぞれ個人別に非常に差があるわけでございますけれども平均的に見ますと、車掌の場合で月間の旅費というものは、新幹線の場合九千円から一万円くらいの旅費でございまして、これを現在線の特急に乗っておる車掌の五千円ないし六千円という月額に比べますと、相当新幹線のほうが平均的に上回っておるということが言えると存じます。これは電車運転士につきましても同様であると思います。
  34. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 さらに次回に、この問題について私はまだ理解しない点がありますから、旅費関係のすべての職種についての実態資料として出していただきたいと思います。ただ単に在来線のものより二千円ないし三千円乗務旅費が多いからということだけでは私ども理解できないものがありますので、参考までに出していただきたい。その上に立って私は、車掌と乗客掛とそれから運転士と、それからいま運転士に対しての車内検査掛がおりますが、その者と、見習いの者がおる。そういう関係の人々が技術を習得するために、たとえば東京から名古屋までAという者が本務で勤務をした、それから補助的な者が、技術を見習うためにEという者が今度は名古屋から大阪までハンドルを握った、こういう勤務がたくさんある。その場合の旅費の支給のしかたについて、かなり私どもは疑問を抱いている点がございますので、前段に申し上げたように、次回にそういう関係をもう少し浮き彫りにしたいと思いますから、資料を出していただきたいというふうに思います。そのほか、まだ弁納の関係、こういう関係の問題もございますし、あるいは準備折り返し時間等の問題もございますから、きょうは、先ほど申し上げたように、時間もございませんから、なお法律の関係で、相澤先生もおいででございますから、かえって迷惑になると思いますので、私は本日はこの程度にして、次回に課題を残したいと思います。以上でございます。  次に、航空局長にちょっと伺っておきます。最近、あまりいいことではないのですが、航空事故が大小合わせまして、日本航空あるいは全日空たびたび惹起をいたしております。これがためかどうかは別問題といたしまして、各航空会社が非常に乗務員の訓練を行なっているような模様です。その結果、この間の壱岐飛行場における日本航空事故、それから最近また全日空が何か機長養成のための訓練を行なったようでございますが、それによって何か社会的に騒がれておるような問題があるのですが、私はその場合に、社会的な問題になって、初めて今度は航空局のほうは航空会社に警告を発する、こういうことでは何か妙なかっこうではないかという感じがするのです。先般も申し上げたように、航空法では明らかに、そうした訓練飛行する場合においても、認可というか、許可といいますか、届け出が必要なわけですね。したがって、かってに航空会社が訓練をしておるものではない、かってに、訓練飛行だからといって、適当な場所で、つまり低空飛行をやっておるものではないと私は理解するのですね。今度の全日空の場合におきましても、そうした手続は、成規に所管保安事務所に手続をして訓練を行なったと、その結果、住民から騒がれたり、あるいは一種の社会問題になった。ところが、それを認めた航空局のほうは、そういうのはけしからぬ、したがって十分そういうことのないように、こういう警告を発した。まことに奇妙な私は現象だと思うのです。そこで、この関係のいきさつをひとつ聞かせていただきたいことが一つ。  それからもう一つには、こうしたことがたびたび問題化される現況にかんがみまして、この辺で、これはまあ政務次官もおいででございますが、最近とみに航空事業は、これは航空白書を見てもわかるように、かなりの急カーブで上昇いたしております。そういう傾向等を踏まえて、思い切って抜本的に、つまり航空訓練に必要な場所、時間、こうしたものを運輸省として明確に与えてやらなければならぬ時期にきているのじゃないか。そういうことをせずにして、そうして出たときの勝負で、そうして申請書がきた、許可した。許可した結果、何を論議になったり社会的な問題になると、これはけしからぬ——これでは私は責任あるいわゆる航空行政指導、監督していることにはならない、こう思うんです。この点についてひとつ伺っておきたいと思います。
  35. 栃内一彦

    政府委員(栃内一彦君) 最近航空事故その他社会を騒がす問題が頻発しておりますことは遺憾でございます。ただいま御指摘の問題につきましてお答えいたしますと、壱岐飛行場における訓練、これはいわゆる低空飛行をやるということで低空飛行をやる許可を申請しまして許可をおろしております。したがいまして、低空飛行をやるということについての手続は、日本航空としてはとったわけでございます。ただ、事故そのものにつきましては、また問題は別でございますが、ともかく手続上はとってあるということをはっきり申し上げます。  それから全日空の伊丹における訓練中の問題でございますが、これは実は私もけさ朝刊で見まして、さっそくいま伊丹に調査を命じております。これにつきましては、まだ正式に報告が参っておりません。ただ、低空飛行をやるという場合には、これは許可を要しますが、訓練だけをやるという場合には、訓練そのものは別に許可事項ということにはいまなっておりません。ただ、訓練の内容が低空飛行をやるとか、あるいは一種の曲技飛行というようなものを訓練としてやるという場合には許可が要るが、訓練一般というものをすべて許可事項に掲げておるわけではございません。したがいまして、伊丹で全日空がやったといわれておる訓練がどういうものであるか、またそれがどういう手続によってやられておったか、またとられた手続と実際にやったこととはどういうことになっておるかというような点は、実際の現地からの報告を待って判断いたしたい、かように考えております。
  36. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) 局長が申しましたように、最近の航空事故につきましては、まことに申しわけないと考えております。そこで、日本航空をとってみますと、乗員の養成という仕事を日本航空が、特にジェット・パイロット等の養成をいたしておる。これは外国と競争する使命を帯びておる日本航空といたしましては、そういう養成をひとつの会社の金で負担していかなければならないということにつきましては、相当なこれは会社にとっては負担であろうと考えておる次第でございます。また一方から申しますと、その訓練のための飛行場も、なかなか日本には適当な飛行場がただいま御指摘のようにない、実用飛行場すら十分ではないという状況であります。そういう関係で、今後の事故対策といたしましては、日本に適当な飛行場がない場合におきましては、外国の飛行場もあわせて検討いたしまして、万全なる訓練の措置を講ずるとともに、また日本航空のさような出費につきましては、外国の航空会社との競争関係もございますので、これは適当な国の助成も必要であると考えまして、この一両年来、日本航空に対して国庫の助成をしておる、かようなことでございます。
  37. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 航空局長調査は十分していただきたいと思いますが、しかし三月十日に全日空は現地の保安事務所に訓練をやるという届け出をしておりますね。ですから、訓練をやりますという届け出をした場合に、ただいま私が申し上げたように、訓練をするというだけを書いた書類では出さないと私は思います。いわゆる訓練の様態、すべて条件が書くかれて、それで出しているのじゃないかと思うのですよ。そうでなかったならば、そんなものは、はいそうですかといって保安事務所長了解するわけはない、法律的に。しかも、いまあなたがおっしゃったように三百メーター以下に下がって低空訓練するわけですから、今度の場合も三百メーターないし四百メーターのところでプロペラを一つとめて訓練をしていたようです。だから、そういう内容はプロペラをとめて、エンジンをとめて訓練をやるかどうかということを書いておったかどうかは別として、訓練の内容は明記して保安事務所長あてに届け出をした。これはぼくはそうでなかったらこれはいいかげんなものだと思うよ。ぼくは現地の保安事務所、あなた方の出先の機関、その役所はいいかげんなことをやって.いると思わない。だから正規の届け出だと思う。で正規の届け出して、さて訓練始まったところが、今度はたまたま故障が起きて、壱岐飛行場のような事故ではないが、地域住民大衆から危険であるとか、あるいは騒音がひどいというようなこ、とになって、現地の市長が代表して自今こんなものは一切やってもらっては困るということを言ってきたところが、まるっきり人のしり馬に乗るようなかっこうで、現地の保安事務所が許可しておきながら、今度はそうした訓練はけしからぬ、こういうやり方というのは、ぼくは国民が納得しませんよ、それは。そんなぼやけた権威のないぼくは保安事務所というものはないと思う。だから、もう少しやはり責任体制をきちっと確立をして、責任をとって会社に対しても、一般国民に対しても、その方向というものを明らかにする必要がぼくはあると思うのですね。  それから政務次官から将来の訓練については答弁がございましたが,日本航空については国際競争力の基盤を強化するという大きな柱があるから、ぼくはそれはそれでいいと思うが、しかし国内航空だろうと全日空だろうと、あるいはその他の航空会社だろうと、パイロットを養成する、あるいは訓練するということについてはこれは同じですよ。日本航空だからといってなんでも——これは私はやるなということを言つているのじゃないですよ、大いに国が助成すべきものだ、この特殊な事業ですから、そういう考え方に立って申し上げるのですが、日木航空だけに政府が力を入れるというのは、私は間違いだと思う。この際大局的な見地に立って、しかも今日訓練をしていくような飛行場は一つだってありません。訓練用の飛行場というものは一つもありませんから、ですから、そういうような事柄等も考えて、私がこの際日本はパイロットが不足していますから、ですから外国からパイロットを呼んできて、毎回羽田あたりでもいろいろ紛争を起こしたりなんかしていますね。ですから、もっともっと国があなた方がおっしゃるように国際競争力を高めなければならないというならば、その裏づけをいま政務次官も答えたように、より前向きに積極的にひとつ日本航空だけじゃなくて、全体の航空会社にそういう施策というものを施さなくちゃならぬじゃないか、こういう気が私はしますよ。  それからもう一つは、外国の飛行場も活用してということですが、たいへんけっこうな考え方だと私は思う。しかし、外国の飛行場をかりに利用する場合に、たとえば日本航空が、外国といってもどこらあたりをさしたか具体的に言いませんが、沖繩、これは沖縄は日本の領土ですから、外国ではありませんから、実際占領されていますからその意味ではアメリカが占領していますから、アメリカの管理下にある、沖縄あるいは香港、太平洋を渡るとまさかニューヨークとかシカゴのほうまでは行くわけにいかぬでしょうから、サンフランシスコあるいはロスアンゼルスこういうところじゃないかと想像するんですが、これまた訓練するためにむだな経費がかかると思うんですよ、ですからそういう高邁な考え方は私は非常にけっこうですから、それはそれとしても、それ以前に日本の国内でその種の訓練ができるような措置がないか、私は航空局長あると思うんですよ、あると思う。これをやはり航空局が局長中心に、積極的にあるものを引き出して、私はそうした会社にいわゆる日本の一つの産業ですから、育成するという立場で有形無形に提供すべきだ、こう思うので、極端な例を一つ申し上げますれば、たとえば立川の飛行場なんかアメリカがいるから、日本が訓練ができないだけの話で、これはちょっと飛躍した意見になりますが、日本の自衛隊だっていろいろなところを使っていますよ。そうしたところだって、もっと大局的な見地に立って、全部が全部じゃなくても、全国的にながめて訓練しやすいところを一カ所か二カ所指定してやりさえすれば、国内でもこの問題解決できる、私はこう思う、どうですか。
  38. 栃内一彦

    政府委員(栃内一彦君) ただいまおっしゃいました国内で訓練をするための飛行場という問題、この点は私自身もいま先生のおっしゃいましたような考え方、たとえば自衛隊の問題、これらも実は考えてはおります。ただ、いまここで具体的に申し上げる段階には達しておりませんので御了承願いたいと思います。  伊丹の件につきましては、最低低空飛行の許可あるいは曲技飛行の許可というものは、保安事務所限りでやっておりますので、特別の問題が起きたときには本局に報告する、あるいは本局から照会するということになっておりますので、私自身は承知しておりません。ただ、新聞に出ておりました記事から見て、どういうことであろうかということを、さっそく報告するように手配をいたした次第でございます。
  39. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 詳細調査でき上がったら、次回でけっこうですから報告してください。
  40. 栃内一彦

    政府委員(栃内一彦君) 調査が完了いたしましたら報告させていただきたいと思います。
  41. 吉田忠三郎

    吉田忠三郎君 それから政務次官、先ほどのこと、ひとり日本航空のみということではあかぬということなんですがね。
  42. 大久保武雄

    政府委員大久保武雄君) 吉田委員の御指摘はまことにごもっともでございまして、パイロットの養成は、航空会社の一番バイタルな問題でございます。そこで、日本航空は先ほど申しましたように外国とのかね合いもございまして、外国がパイロットの供給に対して特別の措置をやっております場合におきましては、日本もこれに対抗する措置も必要になってまいりますわけであります.全日空、国内航空等におきましても、やはりパイロットの養成は重要な問題でございますので、御承知のように、航空保安大学を宮崎に設置いたしまして、これらのパイロットの基礎訓練をいたしておる次第でございます。しかしながら、この航空保安大学の教科課程につきましても、今後さらに充実をいたしまして、今後の日本の航空の基幹となるべきパイロットの養成に教育の強化拡充をしていきたい、かように考えております。
  43. 相澤重明

    ○相澤重明君 資料をちょうだいをしたんですが、この次の機会によく説明をいただきたいのが一つと、それからきょう港湾整備緊急接置法の御提案をいただいたようですが、次の機会に説明をいただく参考に要請をしておきたいのは、港関係できわめて暴力団関係が多い。したがって暴力追放という問題については、いま港関係でも、組合にしろ会社側にしろ立ち上がっているわけでありますから、次回当委員会に法務省の関孫者を呼んで、港におけるところの暴力追放についてどうするかということをひとつ取り上げてもらいたいと思う。そういう意味委員長にひとつ次回は法務省の関係者を当委員会に出席させることを要請をいたします。以上です。
  44. 松平勇雄

    委員長松平勇雄君) 本件については、一応この程度といたします。  次回は三月の十六日午後一時開会の予定とし、本日はこれにて散会をいたします。    午後零時二十五分散会