○林
委員 この問題は、
関係者を処分するとか、ゆゆしい問題だというようなことだけで済まされない問題です。具体的に申しますと、法案を各グループに分けて、国会は、
委員会は二週間の間に通過させるとか、あるいはなんとかいうようないろいろな問題もあります。これは国会自体にとっても重大問題ですよ。それは、国
会議員としてだけでも許しがたい問題です。ましてや
憲法の根本的な破壊という重大な問題で私は聞いているんだから、あなたももう少しまじめに聞いてください。私は、この問題は特定の幹部に
責任を転嫁するような問題じゃないと思うのです。
政府自体の
責任をどうしても明らかにしなければならない問題だと思います。重ねてこの点は
政府の
責任を明らかにすることを
要求して、次の問題に移ります。
これまでの審議で明らかになったように、この三矢作戦は、単なる
防衛庁の一グループの空想した作戦計画ではない。六〇年の
安保条約の改定のあと、六二年十二月の
日米貿易
経済合同
委員会でのケネディ米大統領の中国封じ込め発言があり、これに基づいて翌六三年一月には
アメリカの原子力潜水艦の
日本寄港の申し入れと、これに対する
日本の受諾が行なわれました。こうした中で、
安保条約に基づいて
日米両国
政府の指示のもとにこの秘密計画がつくられたことは明らかでありますが、さらに、私は、ここでそのことにつけ加えたいのは、さきに
防衛庁は、わが党の岩間正男議員の参議院の質問におきまして、治安行動草案をつくっているということを明らかにしました。これは、人民弾圧の
体制を準備しているものであります。その内容は、
防衛力整備に関する
基本的
見解というものをつくって、明らかに軍が
政治介入をする陰謀がたくらまれておることが暴露されました。この三矢作戦にも、民主勢力を弾圧するための自衛隊の防衛出動がはっきり打ち出されております。このすでに参議院で明らかにされました治安行動草案とこの三矢作戦とは、まさに一体のものであります。
安保条約を
国政の
基本に据える自民党
内閣のもとで、
憲法違反のこのような自衛隊が戒厳令下の
日本の軍部独裁
政治をたくらむに至ったのは、決して偶然ではないと思います。これは偶然のことではない。これはまさしく
安保条約の必然の結果だ、われわれはこういう
考えております。これこそが
安保条約の正体だ、ここに事の重大性がある、私はこのことを
総理に指摘しているのであります。
そこで、次の問題に移りたいと思いますが、日韓会談の問題であります。
佐藤内閣は日韓会談の早期妥結を非常に急いでおります。
予算審議の最中に椎名外相をしゃにむに訪韓させようとしております。現に、三矢作戦の朝鮮における武力戦に備える戦時
体制の第一項目としては、日韓会談の即時妥結をうたっております。三矢とは、正確に言えば、米、日、韓の三本の矢を合わせるいわゆる三国軍事同盟を象徴した
ことばだ。これは明らかであります。わが党がこれまで再三指摘したように、日韓会談の真のねらいは、
アメリカに従属しながら東北アジア軍事同盟をつくるということであります。そうして、すでにだれの目から見ても明らかなような崩壊寸前にある朴正煕一派をささえて、
日本の大資本の南朝鮮への進出をしようとする野望がこれに結びついております。このような日韓会談は、
日本の人民はもとより、南北の朝鮮の人たちも、アジアの平和と安定を願うすべての人たちは絶対にこれを
承知しないのであります。
そこで、この際
総理にお尋ねいたします。一体、椎名外務大臣をこの二月の早々韓国へ派遣しようと
考えていられるようでありますけれ
ども、この椎名外務大臣の前歴を参考までに私のほうで調べてみました。それは、朝鮮人民と
日本の人民の友好親善に椎名外相が朝鮮へ行くことが寄与するかどうかということについて重大な関心を持っているから調べてみました。ところが、椎名外務大臣は、第二次世界大戦当時軍需省の軍需統制局長をして、戦時総動員法をつくりました。そうして、朝鮮人民の強制送還や土地の没収などをしております。朝鮮人民に対して、はかり知れないいろいろな戦時中の罪悪を犯している、こういう資料が出てまいりました。また、旧満州国の高官でもあります。朝鮮から追われた在満朝鮮人民に対して抑圧の限りを尽くしている人物であります。その張本人がこの十七日に平然としてソウルに行こうとしております。乗り込もうとしております。このこと自体が朝鮮人民に対して重大な侮辱にならないとだれが言えましょうか。日朝両
国民の真の友好親善に反することは明らかであります。この際、この椎名外相の訪韓計画を当然打ち切るべきだと思います。そうして、このような日韓会談は打ち切るべきだと思いますが、これに対する
総理の明確な答弁を求めます。このような人物を朝鮮へ派遣することは、決して日朝両人民の友好にはならない、かえって朝鮮人民に対して重大な侮辱を与えることと同じことであります。現に高杉発言であなた方は痛い目にあっているでしょう。この愚をまた繰り返すことです。直ちにやめるべきだと思いますが、
総理、どうですか。