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1965-04-22 第48回国会 衆議院 本会議 第38号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十二日(木曜日)     —————————————  議事日程 第三十六号   昭和四十年四月二十二日    午後二時開議  一 会社更生法の一部を改正する法律案田中   武夫君外二十二名提出)の趣旨説明     ————————————— ○本日の会議に付した案件  国立国会図書館館長任命承認の件  電波法の一部を改正する法律案内閣提出)  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関   する法律の一部を改正する法律案内閣提   出)  会社更生法の一部を改正する法律案田中武夫   君外二十二名提出)の趣旨説明  吉武自治大臣地方財政法第三十条の二の規定   に基づく地方財政状況についての発言及び   質疑    午後二時八分開議
  2. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) これより会議を開きます。      ————◇—————  国立国会図書館館長任命承認の件
  3. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) おはかりいたします。  国立国会図書館館長河野義克君を両議院議長において任命いたしたいと存じます。河野義克君の任命を承認するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 御異議なしと認めます。よって、承認するに決しました。      ————◇—————  電波法の一部を改正する法律案内閣提出
  5. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出電波法の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  6. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  電波法の一部を改正する法律案議題といたします。
  8. 田中伊三次

  9. 内藤隆

    内藤隆君 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案に関し、逓信委員会における審査経過と結果を御報告いたします。  本案は、国際電気通信条約附属無線通信規則改正に伴い、電波天文業務等保護に関し所要規定を設けるとともに、無線従事者免許制度につき合理化措置を講ずる等の改正を行なおうとするものであります。  その要点の第一は、無線局は、電波天文業務等の用に供する受信設備郵政大臣の指定するものの運用に、混信その他の妨害を与えないように運用しなければならないこととし、微弱な電波を取り扱うこれらの業務保護をはかろうとするものであります。  第二は、特殊無線技士など資格要件の軽い無線従事者資格に関し、郵政大臣の認定した養成課程を修了した者は、無試験で免許を取得できることとし、免許制度を合理化しようとするものであります。  第三は、郵政大臣は、非常の場合の無線通信実施体制整備するため必要な措置を講じておかなければならないとするとともに、その整備に際しては、無線局免許人協力を求めることができることとし、非常通信確保に資しようとするものであります。  なお、以上のほか、若干の規定整備をすることといたしております。  逓信委員会においては、去る三月十五日本案の付託を受け、自来、慎重に審査を行ないましたが、四月二十二日の会議において採決の結果、全会一致をもって本案はこれを可決すべきものと議決いたしました。  なお、採決の後、委員会は、無線従事者国家試験あり方につき、政府考究方を要望する旨の附帯決議を付することを決しました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  10. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  11. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に   関する法律の一部を改正する法律案内閣   提出
  12. 海部俊樹

    海部俊樹君 議事日程追加緊急動議提出いたします。  すなわち、この際、内閣提出核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案議題となし、委員長報告を求め、その審議を進められんことを望みます。
  13. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 海部俊樹君の動議に御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。  核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。
  15. 田中伊三次

  16. 岡良一

    岡良一君 ただいま議題となりました核原料物質核燃料物質及び原子炉規制に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、科学技術振興対策特別委員会における審査経過並びに結果について御報告申し上げます。  本案は、最近における原子力船開発進展状況にかんがみ、本邦における外国原子力船規制をはかり、この機会にあわせて国内原子力船についても、入港の際の規制を新たに加えようとするものであります。  その第一は、外国原子力船本邦の水域に立ち入る場合には、その原子炉について内閣総理大臣の許可を受けなければならないこととし、その際に、原子力委員会において、その安全審査のほか、あわせて万一原子力損害が発生した場合に必要な損害賠償措置等についても審査を行なうことといたしております。  第二には、原子炉設置者及び外国原子力船運航者原子力船本邦の港に立ち入らせる場合には、内閣総理大臣への届け出を要し、これに伴い内閣総理大臣運輸大臣等は、相協力して、その港における環境条件において万一の場合の災害防止について遺漏なきを期するため所要措置を講ずるものといたしております。  本案は、去る三月十九日本委員会に付託され、同月二十四日愛知国務大臣より提案理由説明を聴取し、以来、慎重に審査が行なわれたのでありますが、原子力施設安全確保に関し、東海地区に隣接する水戸対地射爆撃場の返還について、防衛庁長官外務大臣及び科学技術庁長官の出席を求め、政府の考えをただしたのに対し、政府は、その責任において早期に解決いたしたい旨の答弁がありました。  その他詳細は会議録に譲ることといたします。  かくして、四月二十二日、質疑を終了し、採決いたしましたところ、全会一致をもって可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し、自由民主党、日本社会党及び民主社会党共同提案として、東海村を中心とする原子力施設の周辺については、地元民の理解と協力のもとに地帯整備を実施し、原子力委員会安全審査を行なうときは、常に科学的、客観的判断を下し、原子炉及び核燃料物質については、つとめて国産資材国産技術重点的活用に意を用いること等を骨子とする附帯決議案提出され、これまた全会一致をもって可決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————
  17. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 採決いたします。  本案委員長報告可決であります。本案委員長報告のとおり決するに賛成諸君起立を求めます。   〔賛成者起立
  18. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 起立多数。よって、本案委員長報告のとおり可決いたしました。      ————◇—————  会社更生法の一部を改正する法律案田中武夫君外二十二名提出)の趣旨説明
  19. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 議院運営委員会決定により、田中武夫君外二十二名提出会社更生法の一部を改正する法律案趣旨説明を求めます。提出者田中武夫君。   〔田中武夫登壇
  20. 田中武夫

    田中武夫君 社会党提出会社更生法の一部を改正する法律案について、提案者を代表して、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。(拍手)  御承知のごとく、会社更生法は、株式会社の持つ社会的、経済的価値重要性にかんがみ、窮境にあるが再建の見込みのあるものについて、直ちにこれを破産、解体せしめることなく、その事業維持更生をはかろうとするもので、昭和二十七年に制定された法律であります。会社更生法による更生手続開始申請件数並びに更生手続開始決定件数は、統計の整備されている昭和三十二年以降今日まで、それぞれ五百九十二件、百八十件でありますが、ここ二、三年来著しい増加傾向を示し、特に昨年は、申し立て件数開始決定件数ともに飛躍的に増加し、それぞれ百七十二件、四十七件にのぼっております。  言うまでもなく、会社更生法は、会社事業維持更生をはかるため、株主、債権者等利害関係人利害を公平迅速に調整するものでありますが、更生手続の結果として、経済力の弱い中小企業下請企業である債権者に深刻かつ多大の犠牲を押しつけておるのであります。このことは、現行会社更生法制度の上から回避し得ないところであります。しかも会社更生法は、その性格上、経済不況期に最も多く活用されるものであり、これら債権者のこうむる影響は、二重の意味においてきわめて重大であります。特に最近の経済情勢は、誤った高度経済成長政策の結果、ほとんど毎月企業倒産の記録が更新され、さきには東京発動機日本特殊鋼、サンウエーブ等々、近くは山陽特殊製鋼のごとく、相当規模企業まで相次いで倒産する深刻な事態が生じております。そうでなくても苦境に立たされている中小企業下請企業は、まさに危機に直面しておるのであります。こうした情勢の中で、会社更生法不合理性はますます拡大されているのであります。  すなわち、これら中小企業下請企業に対しては、たとえ株式会社であっても、現実問題として更生手続費用の予納、管財人の選任、更生計画樹立困難性等々の理由から、会社更生法適用されることはきわめてまれであり、会社更生法によって保護されるものは、相当規模企業や、大企業に限定されているのが実情であります。この結果、大企業は、会社更生法によって再建の方途が講じられ、ときには会社更生法を悪用し、これに便乗することによって計画倒産さえ可能であり、そういう事例も多いのでございます。このような場合、大口債権者である銀行、系列親企業等は、事前に相談を受け、被害を最小限度に食いとめるためにいろいろの手を打つのでありますが、無担保債権者である中小企業、特に下請企業は、その従属的関係から平素不利益をしいられている上に、全く知らないうちに、一片の通知もなく、更生手続開始申し立てが行なわれ、はなはだしい場合には、申し立ての当日まで納品を余儀なくされ、しかも、下請代金更生債権として凍結されてしまうのであります。言うまでもなく下請企業には、更生手続の終結まで下請代金の回収を待つ余裕があるはずはなく、金融機関からの約手買い戻し請求に応ずる力もないのでありまして、結局、何ら自己の責任によらずして自滅の道をたどる以外に方法がないのであります。  しかるに、会社更生法は、こうした点について、単に形式的公平を考えるにとどまり、経済実態に即応した実質的公平については何らの配慮もいたしていないのであります。つまり、会社更生法は、下請企業犠牲において大企業を更生せしめる機能を果たしており、子の犠牲によって親を助ける法律となっているのであります。このような会社更生法の欠陥に対しては、すでに法律制定直後である昭和二十八、九年の不況期にも、強い改正意見がありましたが、最近ますます顕著に露呈されているその不合理性は、もはや見のがすことができないのであります。  もとより、われわれは、会社更生法経済実態に立脚した合理的な姿で機能せしめるためには、会社更生法あり方全般にわたり根本的検討が必要であると考えるものであります。しかし、当面最も緊急の課題である下請企業について保護措置を講じ、あわせて、労働者利益保護等をはかることがまずもって必要であると考え、ここに本改正案提出した次第であります。  次に、改正案内容を御説明申し上げます。  その第一点は、更生手続開始申し立て書下請事業者意見を添付せしめるとともに、裁判所に対し、下請事業者意見の陳述を求めることを義務づけることであります。すなわち、会社更生法適用は、下請事業者の存立にかかわる重大な問題でありますので、親企業の一存で決定させることなく、下請事業者意見を十分反映させようとするものであります。  第二点は、裁判所は、更生手続開始申し立て会社使用人の不当な人員整理を目的とするものであるときは、これを棄却しなければならないこととしたのであります。会社更生法適用は、ともすれば、従業員人員整理のための一方法として利用される危険があるので、現行法をさらに明確にし、これを防止しようとするものであります。  第三点は、裁判所は、保全処分にわたり、会社使用人給料、その預かり金及び下請事業者に対する下請代金の支払いを禁止してはならないことであります。  第四点は、更生手続開始申し立ての日前六カ月間及び当該申し立ての日から更生手続開始までの間に、会社下請事業者から受領した給付にかかる下請代金及び会社使用人給料は、いずれも共益債権とするとともに、会社使用人退職金は、更生手続開始前に退職したときは退職当時の給料の六倍に相当する額まで、また、更生手続開始後に退職したときも、共益債権となる退職手当の額が退職当時の給料の六倍に満たない場合は、更生手続開始前の在職期間にかかる退職手当の額をそれぞれ共益債権とすることであります。これらの点は、本改正案中心をなすものであり、保全処分に制約を課することによって、下請事業者連鎖倒産を防止するとともに、下請代金労働者賃金退職金について、共益債権とされる範囲を現行法より一段と拡大し、下請事業者労働者利益保護しようとするものであります。  第五点は、過怠更生罪の新設であります。御承知のとおり、破産法には、過怠破産罪規定がありますが、会社更生法にはこのような規定は設けられておりません。しかしながら、明らかに経営者過怠により企業危機におとしいれ、関連下請事業者労働者に多大の犠牲と損失を与えた場合、これを放任することは、社会主義に反すると思うのであります。かような見地から、当該経営者社会的責任を追及するとともに、会社更生法悪用による経営責任の回避を防止し、あわせて、一般経営者倫理感責任感を自覚せしめる意味において、過怠更生罪を設けたのであります。  以上、簡単に提案理由及び改正要旨を御説明申し上げましたが、親企業会社更生法適用の陰に泣くところの数多くの中小下請企業者を救うために、何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛同くださることをお願い申し上げまして、提案説明を終わります。(拍手)      ————◇—————  吉武自治大臣地方財政法第三十条の二の規   定に基づく地方財政状況についての発言
  21. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 自治大臣から、地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方財政状況について発言を求められております。これを許します。自治大臣吉武恵市君。   〔国務大臣吉武恵市登壇
  22. 吉武恵市

    国務大臣吉武恵市君) 地方財政法第三十条の二の規定に基づきまして、昭和三十八年度の決算中心とした地方財政状況を御報告申し上げます。  昭和三十八年度の地方財政のうち、まず、普通会計について申し上げますと、その純計決算額は、歳入三兆三千九百七十七億円、歳出三兆三千八十八億円でありまして、前年度と比べますと、歳入において四千百四十八億円、一三・九%、歳出において四千二百十四億円、一四・六%増加しております。  次に、昭和三十八年度決算における実質収支においては、三千六十七団体黒字で、その黒字額は六百五十九億円、四百一団体赤字で、その赤字額は二百七十三億円でありまして、前年度に比べますと、黒字額が三十六億円減少し、赤字額が百十三億円増加しておりますが、赤字団体数は前年度とほとんど変わりがありません。  歳入のおもなものについて申し上げますと、地方税一兆二千百二十九億円、国庫支出金八千百五十七億円、地方交付税五千八百十一億円の順でありますが、地方税等一般財源は一兆八千二百九十二億円で、歳入総額の五三・八%となっております。  また、歳出のおもなものについて申し上げますと、教育費八千九百二十四億円、土木費六千百六十三億円、庁費四千七百六十億円の順となっておりますが、これを性質別に分類いたしますと、人件費が一兆一千九百六十九億円、普通建設事業費が九千七百億円で、この両者で歳出総額の約三分の二を占めている状況であります。  以上のような昭和三十八年度の決算状況につきまして、その特徴を申し上げますと、次のとおりであります。  第一に、地方税収入等伸び悩んだことであります。歳入の柱である地方税及び地方交付税は、民間企業における収益が伸び悩んだこと、地方税負担軽減合理化のための税制改正が行なわれたこと等により、その増加率はいずれも前年度を下回っております。  第二に、歳出における人件費等義務的経費及び公共事業費増加単独事業費増加率の大幅な低下であります。給与改定定期昇給等による人件費増加、及び生活保護の基準の改定等による扶助費増加等によりまして、義務的経費は引き続き増加するとともに、国庫補助公共事業費も引き続き増加を示しておりますが、反面、地方団体が独自で行なう単独事業費につきましては、前年度の増加率を著しく下回ったのであります。  第三に、公営企業国民健康保険事業等特別会計に対する繰り出し金が増大していることであります。  第四に、財政規模増加率が鈍化していることであります。さきに申し述べました歳入歳出規模は、前年度に引き続きその増勢は鈍化し、また、歳出増加率は引き続き歳入増加率を上回っております。  第五に、財政構造弾力性が前年度に引き続きさらに減少しておることであります。これは歳出総額に占める義務的経費割合が高くなるとともに、義務的経費に充当された一般財源割合が高くなったことによるものであります。  次に、地方公営企業について、その特徴を申し上げますと、  第一に、前年度に引き続き、目ざましい量的な拡充発展を遂げたことであります。昭和三十八年度末における地方公営企業の総数は五千五百六十一で、前年度末に比べると百九十事業、三・五%増加しております。また、決算規模におきましても、収入七千三百十二億円、支出七千三百三十三億円で、前年度に比べると、収入が千七十三億円、一七・三%、支出が千百五十三億円、一八・七%増加しております。  第二に、量的拡充発展を遂げた反面、経営状況が悪化の傾向を強めてきたのであります。昭和三十八年度末における地方公営企業累積欠損金に同法非適用企業赤字額を加えますと五百七億円となり、年間料金収入の一五・一%に達しているのであります。このように経営内容が悪化した原因としては、企業を取り巻く環境の著しい変化に伴う効率低下賃金をはじめとするコストの上昇等があげられます。  次に、国民健康保険事業について、その特徴を申し上げますと、その財政が著しく悪化していることであります。昭和三十八年度の国民健康保険事業会計決算状況を見ますと、赤字団体実質上の赤字額は百三十二億円に達し、赤字団体は全市町村の四一%に当たる千四百十一団体となっております。このように財政事情が悪化したおもな原因としては、受診率上昇あるいは給付改善等影響により、医療費が急激に増高したのに対し、保険料または保険税収入増加が及ばなかったこと、事務費に対する国庫負担金が十分でたかったこと等が考えられます。  以上のほか、昭和三十九年度における地方財政運営状況、並びにさきに御報告いたしました昭和四十年度における地方財政の見通しをあわせ考えますと、最近の地方財政については、次のような傾向が認められます。  すなわち、税収入等伸びが鈍化する反面、人件費等義務的経費増加し、公営企業等普通会計に対する依存度が強くなるとともに、地方行政水準の引き上げ、地域開発地域格差の是正、社会開発推進等の要請に基づく財政需要は引き続き高まっていくものと考えられます。したがいまして、地方団体においては歳入確保につとめ、経費重点化効率化を行ない、その健全化を推進するよう地方団体関係者の努力を期待するものであります。政府といたしましても、さきに御報告申し上げました昭和四十年度の地方財政計画の策定に際しましては、これらの客観情勢をも念頭に置き、極力地方財源確保し、財政健全化行政水準の向上をはかるため、必要な措置を講じた次第であります。  以上、簡単でございますが、御報告要旨にかえさせていただきます。(拍手)      ————◇—————  地方財政法第三十条の二の規定に基づく地方   財政状況についての発言に対する質疑
  23. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。安井吉典君。   〔安井吉典登壇
  24. 安井吉典

    安井吉典君 ただいま御説明を受けましたいわゆる地方財政白書は、地方財政の新しい危機にある実態を、なるほどそれによって知ることができるわけでありますが、その真の原因は何か、またそれならば、どうすればよいかについては、何らの解明がないのであります。私は、日本社会党を代表し、以下、政府に対し、若干の質問をいたしたいと思います。  まず最初に、政府の御見解を特に伺っておきたい問題があります。  最近、東京都議会議長選挙をめぐる贈収賄事件があり、現職議長を含め自民党議員九名が逮捕される不祥事が起きました。もっとも、東京だけでなく市長の職を一千万円で取引した大月市長問題をはじめ、各地で地方自治体の住民に背を向けた不正事件が起きていることはきわめて遺憾であります。(拍手東京都議会事件原因は、議長の職のたらい回しに始まっております。全国的に地方議会で、地方自治法規定を無視した交代制の慣行が意外に多いようでありますので、自治大臣は、この際、議長職の権威に関しもっとはっきりした見解を示し、指導を行なうべきであると思うがどうでしょうか。(拍手)  私はさらに、佐藤総理に伺いたい。新聞で、ある作家は怒りを込めてこういっております。「自民党総裁選挙で数億の金が動くといわれる。それがなぜか取り締まりの対象にならない。都議会自民党議員議長選挙でそれをまねしても不自然でない。だからまず、政治の大もとを正していかなければならない。」こういっているのであります。(拍手)また、ほかの新聞では、「自民党の一部都議会議員の中には、いまでも、党内の予備選挙の段階でこれっぽっちの金が動いたからといってなぜ大騒ぎするのだ。自民党総裁選挙なんかもっとひどいと私見を振りかざす者がいる。」と、新聞は率直に伝えているのであります。(拍手)  佐藤総理は、私は古いことは言いませんが、地方がお手本としております昨年七月の問題の自民党総裁選挙をあなた自身がおやりになっているのですから、私はこのことに関し、総理みずからの御見解をぜひお聞かせ願いたいと思います。(拍手)  さて、三十八年度地方財政の分析の結果、白書は、地方税伸びは鈍化する一方、物価騰貴のため人件費扶助費等義務的経費増加、国の施策としての国庫補助公共事業費増加のため歳出規模の拡大が著しく、財政収支は悪化し、財政構造弾力性が減少し赤字が増大したことを指摘いたしております。  たとえば、地方人件費歳出決算額の三六・二%に増大しており、この比率は特に都道府県において高く、一般財源に占める人件費割合は全国平均が五二・五%に及んでおり、県の予算は、職員の給料を払い、国の押しつけ仕事をしたら、あとは本来の自主的な住民福祉のための仕事の予算はゼロにひとしいということであります。一方、国の予算での人件費は一割そこそこで、そこで組まれた事業予算を地方人件費で実施させているのであり、いわば県庁や市役所は、中央政府の何々県支所、何々市出張所といっていいような実態であり、住民の創意と責任を基調とすべき地方自治本来の姿は全くじゅうりんされているといわねばなりません。(拍手)  国の仕事と地方の仕事とけじめをはっきりつけよという声はきわめて高く、国と地方の事務再配分について、さきに臨事行政調査会の答申もあり、地方制度調査会での検討では、すでに労働、厚生などにつき一部をまとめ九月ころには正式答申の予定と聞くが、問題は答申を受けての政府の態度であります。なわ張り根性旺盛な官僚機構の中の自治省と関係省との折衝にまかせておいては、何一つ解決できません。事務再配分のための強力な総理直轄の行政機関を設け、実施に当たるのでなければ成功できないと思うが、佐藤総理の率直なお考えを伺いたいのであります。(拍手)  次に、地方税など地方の固有財源の伸び悩みの問題でありますが、三十八年度決算では、地方交付税をもらわなくてもやっていけるレベル以上のいわゆる不交付団体はただの四・七%しかなくなってしまいました。町村の場合、ごく少ないのはいたし方ないといたしましても、四十六都道府県中四都府県のみ、七大都市では二市のみ、五百四十七市中六十六市のみという現状は、財政中心である地方税が少な過ぎることを意味していると思うのであります。私は、都道府県と市の少なくも半数以上が不交付団体となり、地方税だけでまかなうところまでいかなければ、その名に値する地方自治の確立はないと思います。  そこで、私の主張したいことは、国と地方との事務再配分とも関連させつつ、また、国民に新たな税負担をかけることを避けつつ、国税の一部を地方税に移譲し、地方の基幹的な自主財源を充実強化する、これにより都市部の自治体の財源が充実すれば、農山漁村部の自治体には地方交付税の濃密な配分が可能となり、なお、右の措置により、現行の補助金制度についても、整理統合の抜本的措置を講ずる。以上の私の主張に対し、政府のお考えはどうか、大蔵、自治両大臣のお答えを願いたいと思います。  なお、昨年税制調査会に、自治省が国税のうち二千八百億円を地方に移す試案を出しておるわけでありますが、これについて大蔵省ではどのような見解をお持ちか、あわせてお尋ねを申し上げたいのであります。  なお、地方自治体の側にも財政の放漫な運営や、むだな支出がなくはありません。しかしながら、政府は、地方財政法の、国は地方に対し、当然の国の仕事の経費を負担させてはならない、あるいは、国の負担金、補助金等の支出金は、その事務を行なうのに必要かつ十分な金額を基礎として算定しなければならないという規定に違反し、実に八百六十五億円にのぼる超過負担を地方にさせておるのであります。政府みずからが法律違反を犯していては地方を戒める資格なしといわざるを得ないのでありますが、大蔵大臣の超過負担解消のためのお答えを願いたいと思います。  地方自治体で赤字が増大し、破産的な財政状態のものが再び増加する傾向にあります。その中で工業開発に狂奔する都市財政の悪化が目立っております。工業化のための先行投資や、都市構造の激変のため支出が膨大となり、たとえば新産都市のチャンピオンとされておりました瀬戸内海のK市では、十二億円をこえる赤字で、ついに財政再建団体適用申請をいたしましたし、石油コンビナートとして発展しているかに見えるY市も、十七億円をこえるやみ起債と産業公害でにっちもさっちもいかぬ状態であります。私は、過密都市問題の解決や、後進地域開発は、当然積極的に進めなければならないと思いますが、政府が現に進めつつあります開発行政のあり方では、地方にいたずらに幻想を振りまき、大企業の産業基盤整備地方を奉仕させ、その上、不況のために最近企業はなかなかやってこない。かくて、住民に幻滅と地方財政の破壊を与えるのみであり、政府の新産都市や工業整備特別地域等の開発建設計画には、根本的な再検討が必要ではないか、経済企画庁長官の御答弁を願います。  この春の定例地方議会ぐらい全国的に荒れに荒れた例は私は知りません。東京では警官の議場内導入があり、大阪でも警官の出動を見、予算の年度内通過ができなかった例が全国できわめて多いようであります。しかも、その紛糾の原因は、高校授業料の値上げ、水道料金値上げ、国民健康保険税引き上げ等、公共料金の値上げ問題に対する住民の強い反発に端を発している点が特徴的であります。水道、交通、病院等の地方公営企業の問題は、三十八年度末の累積赤字が五百七億円にも達する危機実態を示している上に、人件費、物件費等の増大、急激な施設拡大のための起債償還費の増高等で、自治体当局は料金値上げの羽目に追い込まれました。この赤字やコスト値上がりの原因は、政府高度経済成長政策による社会資本の急速な充実の無謀な強行に基づくものにほかなりません。  国民健康保険事業につきましても、白書は、三十八年度決算で、全体のうち四二・二%が赤字であることを示しており、国保中央会の最近の調べでは、いま終わったばかりの三十八年度は、赤字団体は六八%に及ぶのではないかと推定される異常な事態が起きているのであります。これに追い打ちしたのが、政府の例の医療費緊急是正であり、市町村当局は三十九年度で全国平均二七%もの国保税の引き上げを行なっている上に、新年度重ねての大幅値上げ提案であっては、住民が騒ぎ立てるのも無理はないのであります。そして、ここまでに至った原因をさかのぼってみますと、国保事業は国の社会保障の一環であるにもかかわらず、全く不十分な財政措置をもって地方に押しつけている政府の無責任きわまる態度こそが、今日の混乱を巻き起こしたものと断じて差しつかえありません。(拍手)  私は、自治、厚生、大蔵の各関係大臣に対し、地方公営企業及び国民健康保険事業に関し、当面の問題をどう解決するか、抜本的な改善のための長期的見通しはどうか、お尋ねいたしたいと思います。  最後に、一点つけ加えてお尋ねいたしたいのは、最近の報道で、自民党が、国鉄、電通、専売の三公社職員が在籍のまま県市区町村議会の議員を兼任することを禁止する方針をきめ、法案の検討に入ったと伝えられることについてであります。  地方の小都市や農村漁村等では、そう大きな民間工場はなく、郵便局、役場、学校、農協等、官公庁や公社等の相当数の勤労者とその家族がおります。現在、国家公務員や地方公務員の地方議員兼職が禁止されております関係で、国鉄や電通の職員がそれら勤労者である住民の代表とし、議員に出ているというのが地方の実情であります。したがって、三公社職員にも兼職を禁止することは、このような地域では、その地域における勤労者全体の地方議会への発言権を事実上完全に奪うことに通ずるのであります。近づきつつある参議院選挙で、相変わらず各省の次官、局長級のいわゆる高級官僚出身者が自民党公認として出馬するため、これまでの地位を最大限度に利用しつつ事前運動に狂奔していると新聞は伝えております。これから生ずる弊害を除くため、高級官僚の立候補制限の立法化の問題が出てまいりますと、自民党はそれは憲法違反だと反論してまいりました。これを憲法違反という同じ自民党が、三公社職員までも地方議員から締め出し、小さな地域社会の議会にも勤労者の意思の反映を一切拒もうとしているとすれば、これほど大きな矛盾撞着はないと思うのであります。(拍手)私は、この際、この問題に関しても政府の御見解を明らかにすべきことを要求し、質問を終わります。(拍手)   〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇
  25. 佐藤榮作

    内閣総理大臣(佐藤榮作君) 安井君にお答えいたします。  東京都議会におきまして、今回起きた事件は、あなたと同様に私もきわめて遺憾に思います。今日までわが国の民主政治は、それぞれ順調な伸展を遂げてまいったと思いますが、かような事柄によりまして、民主政治に対する信頼が得られない、こういうようなことが起きましては、これはたいへんな問題だと私は思います。かような意味合いにおきましても、東京都は、地方自治行政の運営が正常化されるように、関係者の特段の留意を促したい、かように思います。  ただいまこの問題につきまして、政治の大もとを正せ、こういう御意見があるやに伺います。私もそのとおりだと思います。今日にして大もとを正さないならば、これはたいへんなことになると思います。社会党の皆さんにも御協力を得まして、このことを遂行してまいりたいと思います。(拍手)  また、自民党総裁選挙におきまして、ただいまのような事態があるのではないか、こういうお尋ねでございますが、他の委員会等の席におきましても明らかにいたしましたように、私、責任をもってさような事態はないということをはっきり申し上げます。(拍手)  第二点といたしまして、国と地方との行政配分、そのために特別な機関を設けろ、こういうことでございますが、私は、ただいまの制度で十分だと思っております。すなわち、地方制度調査会なるものが今日ございまして、ただいま御指摘になりましたような国と地方との行政配分、これを適正化をはかりたい、同時に、これがまた地方財源をも含めて具体的な対策を立てつつあるのであります。私は、もちろん、この調査会の答申につきましては、その他の審議会等と同様、この答申を尊重するという態度でございますので、その答申が出てくることを待ちまして、そうして善処してまいるつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣吉武恵市登壇
  26. 吉武恵市

    国務大臣吉武恵市君) お答えをいたします。  第一の点は、地方議会議長選挙等において、たらい回し等が行なわれているがどうかというお尋ねでございますが、御指摘のように、これは制度といたしましては、議員の任期というものが原則でありまするが、往々にして一年または二年で交代するという点がございます。これははなはだ好ましくないことでございまするので、行政指導といたしましても、できるだけこれを本来の姿に改めさせていきたいと考えております。  次に、行政事務の再配分と地方財政の問題についてのお尋ねでございますが、これは目下地方制度調査会におきましても取り上げられておるところでございます。ただいま総理からもお答えがございましたように、その答申を待ちまして善処したいと思います。  なお、地方税源の問題がだんだんと窮屈になっておることは御指摘のとおりでございます。これをどうして財源の確保めるか、こういうことになりますと、これは国の税制調査会におきましてもすでに検討されておりますように、国の税源と地方の税源と合わせました総量を増して地方の税源を確保するということは、これはやはり好ましくないと思います。したがいまして、国の税源と地方の税源を合わせました総量の中において、地方の税源を増すということになりますれば、国の税源を移譲することになるわけでありますが、これは先ほど御指摘になりましたように、事務とともに移譲するということでなければならぬかと思います。したがいまして、この問題は、国の税制調査会におきましても、引き続き検討されておるところでございますので、その答申を待ちまして善処したいと考えております。  なお、超過負担の件は、大蔵大臣からもお答えがあろうと思いますが、これがだんだん大きくなっておりますことは、はなはだ遺憾でございまして、漸次これは是正していきたいと考えております。  なお、公営企業赤字がだんだん大きくなっております。水道あるいは交通等におきまして相当の赤字が出ておりますが、これも現在公営企業制度調査会におきまして検討されております。これの答申がこの七月ないし八月には出てくると思うのでありますが、この答申を待ちまして善処していきたいと思います。しかしながら、今日、授業料の問題にいたしましても、約十年間値上げをしないでほってあったわけであります。その間において、高校生一人当たりの経費も倍になり、また、国民所得も倍以上になっておるときでございまするから、六百円を二百円程度上げるのはやむを得ないかと考えておるわけであります。なお、水道料金にいたしましても、東京も大阪も、他の地域に比較いたしますると、非常に安いのであります。今日、水道の十トン当たりの料金は、大体二百円から二百五十円ぐらいでありまするが、東京も大阪も百五十円程度でございまするから、これはある程度は、独立採算制をとっておりまするたてまえとしては、やむを得ないかと考えております。  なお、そのほかに、三公社五現業の職員の地方議員の兼職を禁止するのではないかというお尋ねでございますが、いまのところそういう考えは持っておりません。  なお、国保の事業を国の事業としてやったらということでございますが、これは、国の事業のたてまえではございまするけれども、今日、市町村に委託してやっておるわけでございます。市町村単位にするがいいかあるいは府県単位にするがいいかという問題は、問題になっておるのでありますが、これはなお相当検討していく必要があろうかと考えております。  以上、お答え申し上げます。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇
  27. 田中角榮

    国務大臣田中角榮君) 私から四点にわたってお答え申し上げます。  第一点は、地方の固有財源充実のために、交付税や補助金及び国税の一部を地方に移譲する等抜本的な財源措置を講じてはどうかということでございます。本件につきましては、総理大臣及び自治大臣からただいま申されたわけでありますが、国民の租税負担というものを前提といたします限り、事務配分及び財源配分という問題に結論的には帰一するわけでございます。でありますので、ただに、国の財源を地方に移譲するというだけで解決できる問題ではございません。よって、税制調査会、地方制度調査会等の答申を待ちまして、この線に沿って適正な財源配分を考えておるわけでございます。四十年度におきましても、交付税率を〇・六%引き上げたり、また、石油ガス譲与税等の措置をとりましたのも、かかる措置に出るわけでございます。  第二の点は、昨年、税制調査会に対して、自治大臣が、自治省から出された二千八百億円の財源を地方に移譲してはどうかという問題に対して、大蔵当局の意向を聞かれたわけでございます。本件は、昨年、税制調査会に対して、自治省から議論の素材として提供せられたものでありますことは事実でございます。しかし、非常に問題が多いので、税調でも本件については結論をいまだ出しておらないのでございます。今後、税調の検討に結論を待ちたいと考えておるわけでございます。  第三点は、地方団体の超過負担というものが地方財政法違反ではないか、今後どのように解消をはかってまいるかということでございます。この問題は、いつでも御指摘になられるわけでございますが、超過負担が起こらないようにできるだけ努力いたしております。しかし、御承知の国の補助率というものば精算補助を前提といたしておるものではなく、標準的地方団体においてごく能率的に公共事業が行なわれるということを前提にして補助単価を計算いたしておるわけでございます。その意味におきまして地域的物価差、土地の条件等によって予算単価を実施単価がこえることは間々あるわけでございまして、これが調整については補助率の引き上げ等、予算編成時において格段の努力をいたしておることにつきまして御理解を賜わりたいと存じます。しかも、このような事態が起きたからといって、直ちに地方財政法の違反であるということは当たらないと存じます。  第四点は、地方公営企業及び国民健康保険等の運営に必要な財政的処置について御質問がございました。  まず、地方公営企業について申し上げますと、四十年度地方債のワクの中で早急に公営企業関係の起債を決定して充当いたしたいと存じます。四十年度の地方債の計画は大幅に増加いたしました。三十九年の千五百八十四億に対して千九百二十三億、二一%余もふえておるわけでございます。なお、将来の地方公営企業財政問題その他につきましては、地方公営企業制度調査会の答申を待ってきめたいと存じます。  国民健康保険の問題につきましては、もう御承知のとおり、運営に必要なつなぎ資金等に対しては十分の配慮をしてまいるつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣神田博君登壇
  28. 神田博

    国務大臣(神田博君) 国保の赤字財政の現状にかんがみ、この際社会保障制度としての国の事務にふさわしい形で制度を再検討すべきではないかという意味の御質問でございました。  御承知のように、最近における国保財政の悪化の現状は、もう御指摘のとおりでございます。国としては各種補助負担金を活用し、その健全化をはかってきており、これによってできるだけ対処したいと考えております。ことに将来の事業の発展、基盤確立のためには、現行の国庫補助負担金制度を十分強化する、また、制度の改善につきましても検討いたしまして、十分この趣旨に沿いたいと考えております。  さらに、緊急是正の経費でございますが、三十九年度におきましては十二億円、四十年度におきましては十五億円の国庫補助をいたしております。十分とは思っておりませんが、しかし、緊急是正の分は全部国が持つのだというようなことにはまいらないと、かように考えております。十分ひとつ検討いたしたいと思います。(拍手)   〔国務大臣高橋衛君登壇
  29. 高橋衛

    国務大臣(高橋衛君) お答え申し上げます。  新産業都市建設促進法に基づく基本計画につきましては昨年の十二月、また、工業整備特別地域についての基本計画につきましては今年の三月、その基本計画を政府において承認いたしました次第でございますが、これらはいずれも約十カ年にわたるところの長期的な建設計画でございまするし、同時に最近の地方財政情勢等も十分に勘案いたしまして、なおまた、中期経済計画にも十分照応いたしまして承認いたしましたような次第でございまして、いま直ちにこれを改定する必要はないと存じます。  なお、各年度ごとの具体的な施策につきましては、もちろん、御指摘のとおり、工業開発を中心として、開発を促進しようというのがこれらの法律の目的でございますので、いずれも相当多額の先行投資を必要とすることは御指摘のとおりでございます。したがって、政府といたしましては、この双方の建設につきまして、国の財政上の特別措置に関する法律を提案申し上げまして、ただいま御審議を願っておるような次第でございます。(拍手
  30. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  31. 田中伊三次

    ○副議長田中伊三次君) 本日は、これにて散会いたします。    午後三時十分散会      ————◇—————  出席国務大臣         内閣総理大臣  佐藤 榮作君         大 蔵 大 臣 田中 角榮君         国 務 大 臣 愛知 揆一君         厚 生 大 臣 神田  博君         郵 政 大 臣 徳安 實藏君         自 治 大 臣 吉武 恵市君         国 務 大 臣 高橋  衛君  出席政府委員         内閣法制局長官 高辻 正巳君         郵政省電波監理         局長      宮川 岸雄君         自治省財政局長 柴田  護君      ————◇—————