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横山委員 私も大蔵
委員を兼務いたしておりまして、
各省の
予算にある
程度目を通しておるわけでありますが、
裁判所所管の四十年度概算
要求重点事項並びにその結果を拝見をいたしまして、たとえば六十二万五千円というような
数字だとか百万円台の
数字が列挙されておるのであります。何というみみっちい話だろうか。これが重点事項として百万円だ、六十二万円だという重点事項の
要求については、まことにさびしい気がするわけであります。いままでの
予算要求について旧套を墨守して、きのうかくてありけり、きょうかくてありなんという立場において
要求がなされ、そうして去年もこういう結果であったから、
数字はふえたからことしはいいという判断が、おそらく
事務当局の中の中心をなしているのではあるまいかと思う。最高裁の現状、
裁判所の現状が、最近における著名な判決事件を含めて国民世論に浮き彫りにされておるわけです。それでおって、浮き彫りにされておりながら、裁判にかかってみずからの憲法、
法律に示された権利を守るについて非常に国民は憶病なんであります。なぜか。裁判にかかると数年かかると、こう言っている。したがいまして、国民の権益という
ものは、また国の権益についてでもそうでありますけれ
ども、裁判はその機能を完全に果たしていない。弁護士にかかるにしても、非常に時間がかかるから、金がかかるから、裁判になるとむずかしくてわからないからということで、結局多くの国民が
裁判所に係属することについて敬遠している。したがって、憲法、
法律に基づく
裁判所の機能という
ものは国民のために十分生きていない。それにもかかわりませず、あなた方は、去年の
予算に比べて多少はふえたからとか、多少
要求が通ったからということで、安易な気持ちになってもらっては困ると私は思う。私の言いたいのは、この重点事項を見ましても痛感するのでありますが、ここ一番ひとつ最高裁の全機能が国民の期待にこたえて全うし得る立場を根本的に議論をしてもらって、それをもって
財政法十七条、十八条、十九条を運用するという腹がきまらなければ、去年こうであったから、ことし少しふえたからといったのでは、この
財政法の条文は死文になります。そこを言いたいのであります。
〔
委員長退席、上村
委員長代理着席〕
そこのところが
寺田さんや
守田さんにはまだ十分おわかりになっていないのではあるまいか。自分たちの
要求した
ものが多少通ったからということでは、私は国民の期待にこたえておらぬ。もっと根本的な、裁判
制度はいかにあるべきか、国民の期待にこたえるにはいかにあるべきかという立場で、一ぺん
予算要求があって、それによって
財政法を発動するという、そういう条件をみずからおつくりになること、そういう時期をみずからお選びになること、そういうことが必要だと思って、特に来ていただいたのです。いかがでございますか。