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1965-03-29 第48回国会 衆議院 文教委員会体育振興に関する特別委員会連合審査会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十九日(月曜日)    午前十時五十一分開議  出席委員   文教委員会    委員長 渡海元三郎君    理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君    理事 坂田 道太君 理事 南  好雄君    理事 二宮 武夫君 理事 山中 吾郎君       大石 八治君    谷川 和穗君       床次 徳二君    中村庸一郎君       松山千惠子君    落合 寛茂君       川崎 寛治君    長谷川正三君       前田榮之助君    柳田 秀一君       鈴木  一君   体育振興に関する特別委員会    委員長 大石 武一君    理事 田中 榮一君 理事 八田 貞義君    理事 川崎 寛治君 理事 泊谷 裕夫君    理事 前田榮之助君       伊能繁次郎君    上村千一郎君       川崎 秀二君    砂田 重民君       古井 喜實君    只松 祐治君       矢尾喜三郎君    山中 吾郎君  出席政府委員         総理府総務副長         官       古屋  亨君         総理府事務官         (中央青少年問         題協議会事務局         長)      赤石 清悦君         大蔵政務次官  鍛冶 良作君         大蔵事務官         (国有財産局         長)      江守堅太郎君         文部政務次官  押谷 富三君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君  委員外出席者         大蔵事務官         (国税庁次長) 喜田村健三君         文部事務官         (体育局体育課         長)      諸沢 正道君         建設事務官         (都市局参事         官)      井上 義光君         参  考  人         (オリンピック         東京大会組織委         員会事務次長) 佐藤 朝生君         専  門  員 田中  彰君     ————————————— 本日の会議に付した案件  オリンピック記念青少年総合センター法案(内  閣提出第七四号)      ————◇—————   〔渡海文教委員長委員長席に着く〕
  2. 渡海元三郎

    渡海委員長 これより文教委員会体育振興に関する特別委員会連合審査会を開会いたします。  先例により、案件を所管する委員会委員長である私が委員長の職務を行ないます。  オリンピック記念青少年総合センター法案を議題といたします。
  3. 渡海元三郎

    渡海委員長 質疑の通告がありますのでこれを許します。長谷川正三君。
  4. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 去る二十六日の文教委員会におきまして、委員会開会に先立ちまして、オリンピック記念青少年総合センター法案審議のために、まず現地を見ようということで、現地にも行ってまいったわけであります。その後委員会を開きまして、上村委員からもいろいろ御質疑なり、御意見があり、私からもいろいろ御質問申し上げたところでありますが、この法案を提案したその趣旨目的につきましては、私どもも何ら反対をいたしておるわけでもありませんし、大いに同感の意を表しておるわけでありますが、その高通目的趣旨に照らしまして、この法案具体的内容、特に現地状況を見ますと、まことにその高通な精神が没却され、踏みにじられたような事態に立ち至っておるという事実が明らかになってまいったわけであります。これにつきましては、スポーツ議員連盟、私もその一員でございますが、役員の方々からも、非常なこれに対する反対の声があがっておるようでありますし、その後このことを伝え聞きまして、私どもが指摘いたしましたとおり、世論も一斉に、たとえば各主要新聞の記事をごらんになってもわかりますが、その非を鳴らしておるところであります。すなわちその内容は、先般も御指摘申し上げたとおり、この十六むね建物のうち六むね大蔵省が、組織委員会から返還手続はしたようでありますけれども、監督の権限があるということで、国税庁に貸すことを許可いたしまして、すでに国税庁職員宿舎として看板も掲げられ、またすでにもう二百人以上が住み込んでおる。今後千二、三百人がここに入る予定であるというような事態になっておるわけであります。  そこで、この点は私どもどうしても納得がいきませんので、再度この点に関連して質問を申し上げたいと思います。  きょう文部大臣大蔵大臣おいでにならないのがたいへん残念でありますが、国会状況も緊迫し、差し迫った時期でもありますので、一応現在御出席方々に対して御質問申し上げ、場合によっては、これはどうしても大臣の御出席を求めなければならない、こういう事態にも立ち至ろうかと思いますけれども、一応質問を続けさしていただきます。  第一は、オリンピックが終わり、あの記念すべき代々木選手村を今後どうするかということにつきましては、いろいろの機関で討議されたと思いますが、先般の御質問で、その最高責任を負うと申しますか、最高方針をきめたところはオリンピック関係閣僚懇談会である、そこで基本的なこれについての方針がきまったということを承っております。またおそらくこのことは、現在まだ組織委員会からは人がお見えになっておらないようでありますが、組織委員会においても、そういう話し合いがなされたのではないかと思いますので、これは当該の方がおいでになったときにさらに確かめたいと思いますが、そういうことで方法がきまってまいったと思うのであります。  そこで私が御質問申し上げたいのは、この代々木オリンピック選手村の今後の生かし方、国民の要望にこたえ、またオリンピック記念という意義をも踏まえまして、どういうふうにこれを生かしていくかという基本的な考え方の中に、いろいろな経緯はあったでありましょうが、このオリンピック記念青少年総合センター設置の問題と、東京都に森林公園を経営させる、こういう問題とが出てきたのではないかと思いますが、その最高方針内容はどうであったのかということをもう一ぺん明確に、これは文部次官にお尋ねすればよいのではないかと思いますが、あるいはその他の関係者の中でもお答えのできる方があればお答えを願いたいと思います。
  5. 押谷富三

    押谷政府委員 御審議を願っておりますオリンピック記念青少年総合センター建物なりその場所は、御承知のように代々木選手村のあとでありまして、これは記念すべき東京オリンピック選手村という歴史もあり、由緒もあるのであります。またその付近一帯は、御承知のように森林公園になる予定になっておりまして、その全体の計画から申して、その建物の性格からいけば、ここを青少年心身修練場所といたしまして、総合センターに使うということが最も好ましいことであり、またその地域はそうした空気がただよっておる聖域だと私どもは考えておるのであります。そこで十六棟は全部青少年心身修練の場に使いたいという希望を持ちまして、予算折衝段階以来われわれの理想が大蔵省にもいれられるように努力をしてまいったような次第でありまして、今後もこの大方針には少しも狂いを持っておりませんので、われわれは希望を持ちましてその場所青少年総合スポーツセンターに使って、そうしてりっぱな心身修練の場を築きたい、かように考えておる次第であります。
  6. 渡海元三郎

    渡海委員長 ただいま参考人として、佐藤オリンピック東京大会組織委員会事務次長の御出席をいただきました。なお、佐藤次長は時間の関係で十一時三十分本委員会退席のやむなきに至っておりますので、御了承の上特に同君に質問を御集中を賜わりたいと思います。御了承を願います。長谷川君。
  7. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 佐藤次長おいでになる前に、質問内容を申し上げたので、これは次長からもお答えいただきたい点であったのでありますが、ただいま次官からは、この代々木選手村の後の生かし方について、森林公園をつくって緑少ない首都、都民のいこいの場所にもし、同時にこれとあわせて青少年心身を鍛える——いまのおことばにはなかったのでありますが、おそらく国際的な青少年の互いの友好、交歓の場所としても生かす、そして日本並びに世界の平和にも寄与する、こういうような意味が含まれておると思うのでありますが、そういう方針については組織委員会としても同様であったかどうかについて、次長にお伺いいたします。
  8. 佐藤朝生

    佐藤参考人 ただいまの御質問お答えいたします。  私ども組織委員会事務当局として申し上げるわけでありますが、先日御答弁いたしましたとおり、組織委員会におきましても、代々木選手村のあとをいかにするかということが議論になったことがございます。そのときにも、ここを青少年総合センターのような施設にしたほうがいいという議論が非常に行なわれまして、そういうふうにするのがよろしいと組織委員会方々もお思いになっておると思います。
  9. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 そういたしますと、この代々木選手村の後の処置につきましては、政府としてもオリンピック組織委員会としても完全にその生かし方について意見が一致しており、先ほどの次官のおことばを借りれば、高邁な大方針というものが確立されておった、こういうふうに私は確認をいたすことができると思うのであります。にもかかわらず、これがいよいよ現実の法案となって出てきたこの段階においていつの間にかしぼんでしまって、それが一部に縮小され、しかもこの青少年の、政務次官ことばを借りて言えば、聖地ともしたいということとはかけ離れたような、全然木に竹を継いだような施設としてこれが利用されるというような事態が起こったのは、はたしてどういうわけであるか、その経過を詳細にひとつ御説明をいただきたいと思います。
  10. 江守堅太郎

    江守政府委員 代々木選手村をどのように処理してまいるかということにつきましては、オリンピック関係閣僚懇談会あるいは閣議の決定等々によっていろいろの措置がなされてきたのでございますが、ともかく現状はどうなっておるかということを御説明させていただきたいと思います。  これは全体二十七万坪ございまして、そのうちの二万七千坪はすでにオリンピックで使いました屋内体育場になっております。それから二万五千坪につきましてはNHKの総合施設をつくるところになっております。残りましたところにつきましては約十七万坪は東京都の森林公園にするということにきまっております。  それからさらに残りましたいまここで問題になっておりますところの昔のアメリカ軍独身将校宿舎、いわゆるBOQ地区でございますが、これが約二万七千坪ございます。これをどう処理するかということがいつどのようにしてきまったかということでございます。この二万七千坪の地区につきまして組織委員会のほうで、あるいは文部省のほうで、これをいま御審議いただいておりますところの青少年センターとして利用したいというお考えはずいぶん前からお持ちのようでございます。でございますが、政府全体といたしまして、これをどう処理するかということをきめましたのは本年度の予算を編成する過程においてきまったのでございます。その結論が十棟につきましては青少年センター使用する、そのために法律をこの国会に御提出をいたしました。残ったところにつきましては、先日も申し上げましたが税務緊急対策用として六棟をそういった目的使用するということがきまったのでございます。私どもはそういったことに基づいてこの仕事処理をいたしてまいってきたのでございます。
  11. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 大きな方針が具体的な段階で明らかに変更になっていると思うのでありますが……。
  12. 江守堅太郎

    江守政府委員 BOQ全体を青少年センター出資をいたしますという政府方針は、一度もきまったことはございません。そういった御希望は、組織委員会文部省からございました。それから、さらに各方面からいろいろの御希望がございました。それらの問題を調整をいたしまして、先ほど申し上げましたように十棟は出資をする、六棟は緊急税務対策用使用するということが政府施策としてきまりまして、私どもはその御方針に従って今日まで仕事を進めてきたということでございます。
  13. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 いまのお答えを聞いておりまして、お役人の悪い面が出ていると思うのです。これは私は、行政的あるいは法律的にどうこうというような問題を越えて、もっと政治的にこれをどう生かすかということで大方針がきまり、そのことは新聞その他でも発表され、国民もこれを理解し期待をしておると思うのです。そういうことになっていたという事実をお認めになりませんか。
  14. 江守堅太郎

    江守政府委員 そういう御希望組織委員会文部省からあったことはもちろんでございます。それから国民方々の中にそういったお気持ちが深かったことも、私はそうであろうと思います。でございますが、だからそれを無視して私どもがかってにしたとは申せないと思うのでございます。それはやはり予算を編成いたします過程におきまして、先ほども申し上げましたように、十棟については出資をして法律を出す、六棟についてはさしあたり税務対策として使うのだということは、私どもが単なるひとつの役人立場できめたということでなく、政府全体のお立場でおきめを願ったのでございまして、それに従いまして私ども仕事を進めてまいったのでございます。
  15. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 そういう御答弁になりますと、ここから先の質問はあなたにしても意味がないという感じがしてくる。これはやはり大蔵大臣なり国税庁長官なり文部大臣なり、それぞれの最高責任者の政治的な責任を追及しなければならない、こういう問題になってくると思うのであります。しかし、いまここにおりませんから、これはそういうものだということで保留をして、なおちょっとお聞きいたしますが、国税庁として税務職員宿舎が必要だ、そのことも不当であるとも思いませんし、そういうことがあればそういう施設を建てることもいいでしょう。ところがその要求が、このオリンピック記念青少年総合センターという大きな意味での方針が立っているところに割り込んできたことは明らかです。その姿勢をいま問題にしている。これは大蔵省管理している。国有財産大蔵省のものじゃないわけです。管理仕事をしているにすぎません。それを文部省が所管するオリンピック記念青少年総合センターをつくるということで、何かそこに権力的な上下関係でもできたかのごとき状態が起こって、文部省はいま次官が申されたとおり大方針を持っていながら、もみ手をして、これを下げ渡してもらうためにそういう利便を提供せざるを得なかった、こうにしかとれないじゃありませんか。こういうことを国民納得しますか。
  16. 江守堅太郎

    江守政府委員 問題は、大蔵省税務職員があの六棟のものをさしあたり使うということの意味と申しますか、政治上の意味がどういうところにあるかというところの御理解の問題であろうと思います。青少年センターとして、あれを、スポーツ研修施設あるいは修学の施設というようなものに十六棟全体を直ちにお使いになるということと、それからさしあたりはこの十棟で御発足になって、それらの仕事の充実をおはかりになる、その間税務のほうで非常に困っておる問題を解決するためにあの碓物を使うということが、国政上どのように意味があるかというところの御判断であろうと思います。その御判断については、いろいろお立場によって違いがあると思います。私どもはその御判断を自分でしたのではないのであります。その御判断は政治的に、行政的にしていただきまして、それに基づいて私ども仕事をしているのであります。
  17. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 関連。少し手続を聞いてみたいと思います。ただいまの局長答弁では、国が全般的な施策の面から判断をしてきめたのだ、こういうことでありますが、このいまかかわっております財産処理の問題について、少し詰めてお尋ねしたいと思います。  先般の文教委員会質疑におきましても説明がありましたように、このいま問題になっております財産は、オリンピック組織委員会設置に関する特別措置法、この措置法に基づいて大会組織委員会設置をされ、そしてその法律の第三条で、国有林産法第二条に基づく国有財産無償提供、こういうふうになってまいったと思います。そこで問題は、その特別措置法政令第二条によって国有財産管理をまかされたわけでありますが、まかされた国有財産管理については、政令並びに組織委員会寄付行為、これの第八条に基づいて、資産管理組織委員会会長が三月三十一日までは権限を持っているはずである。そういたしますと、三月三十一日まで資産管理について持っておる権限を越えて資産を処分するということになれば、当然に会長の同意、つまりその前には、この寄付行為の第八条によれば、組織委員会の議を経なければならないと、こういうことになっておるわけでありますが、先般の文教委員会柳田委員質問に対して、事務局のほうは、組織委員会の議を経ていない、事務局がかってに判断をしてやった、こういうことになっておりますが、この寄付行為第八条の資産管理という規約に違反をすると思うのでありますが、いかがでありますか。
  18. 佐藤朝生

    佐藤参考人 ただいまの点でございますが、先日も私御説明いたしましたとおり、国有財産法規定によりまして、また特別措置法によりまして、われわれ組織委員会がこの選手村の土地管理しておったわけでございますが、大蔵省との当時の契約によりまして、公共の必要があるときには何どきにでも返還することあるべしという規定がございまして、その規定によりまして、二月に返還を命ぜられましたので、その命ぜられたことに従いまして、われわれ事務当局がこれを組織委員会の議決を経ないでお返しいたしました。その点につきましては、われわれ事務当局の解釈といたしましては、選手村を使いますのはオリンピックに使うわけでございまして、使用が終わりまして返還いたしますのは、組織委員会方針に沿わないことはないと思いまして、これを返したのであります。その点におきまして、われわれ事務当局処理に遺憾のあったことは、われわれとして申しわけないと思っております。
  19. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 国の命令でやった、こういうことでありますが、それでありますならば、大蔵政務次官、お尋ねしますが、国有財産法の第九条に基づく審議会を開いてきめましたか。
  20. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 私はこの点について飛び飛びの報告は受けておりまするし、また、ことに古井さんから初めて陳情を受けて、国有財産局長にそういうものができるかということを問うたことはございますが、いまおっしゃったようなことに対しては、全く私、関知しておりませんので、はなはだ失礼ですが……。
  21. 川崎寛治

  22. 江守堅太郎

    江守政府委員 国有土地建物を、オリンピック関係のものにつきまして組織委員会無償でお貸しをしております。これは特別の法律をつくって、無償でお貸しをしておるわけであります。オリンピックが済みましたならば、それは国にお返しを願うべきものでありますが、いろいろ残務整理の御都合等もありますので、ことしの三月三十一日まではそのもの無償でお貸しをするということになっております。でございますが、残務整理に御支障を来たさないようなものにつきまして、政府がほかの面にぜひ使いたいというようなものがございましたならば、その期限が来ます前にお返しをいただいてもいいということになっております。本件につきましても、このBOQ地区以外にも、そういった目的に基づいて二カ所ほどお返しをいただいております。これは国有財産審議会にかけなくてもいいのかということでございますが、こういった無償でお貸しをいたしておりますものにつきまして、再び政府のものに返していただくということにつきましては、関東の国有財産審議会にかけなくてもいいものというふうに思っております。
  23. 川崎寛治

    川崎(寛)委員 特別措置法がつくられて、それに基づく政令財産管理というのがきめられているわけでありますから、きめられている間の処理については、当然やはり委員会の議を経なければならぬと思います。でありますから、三月三十一日以後の問題であればともかくも、三月三十一日までの間に、つまり二月に東京国税局貸して、しかも人間が入ってしまっておる、そういう財産管理上の大きな変更が行なわれておるわけであります。でありますから、それであるならば、そういう財産管理をまかしておる、しかも法律に基づいて措置をされてきておるこういう問題を、事務局がかってに処分をしてしまう、そういう点については、これは私は法律に基づいてやってきた行為としてはきわめて遺憾だと思う。そういうことを大蔵省のほうが、これは審議会にかける必要もないし、またいつでも取り返していいのだ、こういうことを言っておりますが、しかしそれにしましても、一部を処分するについても議を経なければならない、こういうふうに、このオリンピック東京大会組織委員会寄付行為では明確にきめておるわけであります。目的が正しければ何でもいいのだ、こういうことでやるならば、何のために法律をつくったか、必要ないじゃないですか、いかがでしょう。
  24. 江守堅太郎

    江守政府委員 無償でお貸しをいたしましたものをお返しを願うということでございます。残務整理に御必要なものを、政府が返せと申すのではないのでございます。現在向こうは残務整理の御関係がない、どちらかといえばその警備についていわばよけいな仕事をしているというものについてお返しを願ったのでございます。でありますから、その点につきまして組織委員会の内部でどういう手続が必要であるかということについては、私ども何も申し上げる立場にはございませんが、そういった事実そのものが、これは御納得をいただけることではないかと思うのであります。
  25. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 いまの川崎委員質問に対するお答え、これは全然納得できません。ひとつ切り離しまして、一歩譲って、返しても事実問題として困らないからいいとしても、三月三十一日まで貸してあるものを、責任ある機関が何にも知らないのに事務的に返してしまう、こういうことが白昼公然行なわれていいのですか、今後いろんな場合に。組織委員会が何も知らぬうちに、事務局だけでそういうことがどんどん行なわれていいんですか。
  26. 佐藤朝生

    佐藤参考人 先ほど御答弁いたしましたとおり、私ども官務局といたしましては、組織委員会で決定された方針であると思いまして、こういうふうにやりました。その点につきましては、われわれとしてもはなはだ申しわけないことと思っております。
  27. 柳田秀一

    柳田委員 関連して。江守国有財産局長にお伺いしますが、二月一日に大蔵省国有財産局は、今度貸したところを返還をさせたわけですね、そのことはそれで間違いないわけですか。
  28. 江守堅太郎

    江守政府委員 二月一日にお返しいただきました。
  29. 柳田秀一

    柳田委員 二月一日をもって法律的には国有財産局管理された、今度それを東京国税庁使用する、日限はこの法律によるとどういうことになるのですか。
  30. 江守堅太郎

    江守政府委員 便宜、国税庁普通財産としての使用承認をしたのでございますが、その期間は本年の二月十日から来年の二月九日までということにいたしております。
  31. 柳田秀一

    柳田委員 そうするとちょうど一年間は使用承認をさしておるわけですか。
  32. 江守堅太郎

    江守政府委員 そうでございます。それからなお、ずっと使用します間、すべてそういった形で処理してまいりたいと思っております。
  33. 柳田秀一

    柳田委員 そうしますと使用承認の間の財産権はどこに入っておりますか。
  34. 江守堅太郎

    江守政府委員 大蔵省普通財産でございます。
  35. 柳田秀一

    柳田委員 その使用承認しているものは国有財産局管理するのですか、国税庁管理するのですか。
  36. 江守堅太郎

    江守政府委員 使用承認をお願いしております国税庁管理していただきます。
  37. 柳田秀一

    柳田委員 その使用承認国有財産審議会の議を経なくてもいいのですか。
  38. 江守堅太郎

    江守政府委員 使用承認が、これをその相手方に処分をするという、売ってしまう、あるいはやってしまうというようなことを前提にいたしますならば、審議会にかけなければならないと思いますが、一時的に使わせるのだということでございますので、審議会にはかけておりません。
  39. 柳田秀一

    柳田委員 一時的といういまのあなたの表現は、政治的には、法律的には非常にあいまいだと思うのですが、一時的ということばはどういうふうな限度ですか。
  40. 江守堅太郎

    江守政府委員 当分の間、ほぼ五年を目途としてということに大蔵省文部省の間で了解がついております。
  41. 柳田秀一

    柳田委員 大蔵省文部省の間の了解のことを聞いておるんじゃない。国有財産管理しておられる国有財産局長として、国有財産を最終的に処分する場合には、国有財産審議会にかけなければならぬ。最終的処分じゃない、一時使用をされたという、一時使用ということには、あなたのところでは基準があるはずだ。文部省には何ら関係ないことだ。国有財産を所管しておられる国有財産局長としては、一時的というのはどういうふうな限度をもってこれを理解し、そして行政の執行に当たっておられますか。
  42. 江守堅太郎

    江守政府委員 期間の問題として一時とは何年までを一時というかということにつきましては、別にこれという形式的な基準は持っておりません。もちろん一時使用でございますので、一年限りで一年ごとに更新をしてまいるのでございます。でございますが、たとえで申しますと、防衛庁に一時使用をさせておるような土地がございます。これは防衛庁に所管がえをすることを前提として一時使用させておるのでございますが、いろいろ境界その他の関係がございませんために、結果的には相当長期にわたって一時使用を承認をするという結果になっておるところもございます。
  43. 柳田秀一

    柳田委員 従来の国有財産局の例として、一時的に年度ごとに更新をしていく、そうして使用承認を一時的に認めておるが、結局いままで一番長いものを例として何年ぐらい一時承認で貸しておりますか。
  44. 江守堅太郎

    江守政府委員 先ほど申しました防衛庁への使用承認にそういうものがあると思いますが、一番長いものでどのくらいありますか、私、ここで御返事を直ちにしかねますが、相当長いものがあるということは申せると思います。
  45. 柳田秀一

    柳田委員 私はきょうは別に質問をするつもりではなかったので、関連でやりますが、国有財産局長はこういうお立場ではないかと思うのです。あの十六棟の建物に対しては、四十年度予算折衝の過程において、政府当局、特に大蔵省関係文部省関係との間の話し合いがついた、あるいは政府与党間の了承もついたので、東京国税局から申し入れがあったから、その東京国税局の申し入れどおり一時使用ということで——一時使用ということは、一年度ごとに更新をされて、何年になるかわからないが、一応認めた、行政府答弁としては別にそれで違法ではございません、あなた方はこういう答弁をしたいのだと思います。ところが、政府というものは必ずしも法律に合致しておるからそれでいいというものではない。これは国税庁の長官あるいは東京国税局長に御答弁願うのが筋道だと思いますが、きょうは来ておりませんので、国有財産管理しておられる江守局長答弁願うのもどうかと思うのですが、この問題は新聞にも出ておりましたが、あなたのほうでは、いまごろ問題にされるとはというふうに何か意外だった。ところがこの問題は、あなた方大蔵省のお役人のほうでは非常に軽く考えておられたかもしれませんが、そう世の中のことはあなた方の思うようにはいかない。ことに、いまここに鍛冶政務次官もおられますが、あなたは大蔵大臣の代理で来ておりますから、大蔵省の全権をもって来ておられる、そういうふうに理解しておるのに、何も知らぬということでは初めからここに来るのはどうかと思います。この青少年スポーツセンターの問題は、いま国有財産管理しておる国有財産局長として、あなたは、自分としては、そうたいした問題ではなかったはずだ、いまごろ国会で騒がれて心外だというふうにとられるような新聞記事もあるわけだ。ところが、この問題が社会に投げかけた波紋はかなり大きい。これは文部省政務次官大蔵省政務次官もおわかりだと思う。あなた方は政務次官としてそこにおすわりになっておるけれども、われわれと同じ一国会議員としての立場からいうならば、私たちの言うことは理解できると思う。ところが、この問題の投げかけた波紋はかなり大きい。政治的にもあるいは行政的にもあるいは社会的にも問題がある。特に社会的には非常に問題がある。マスコミ、世論等も、大蔵省、国税局のやったことはよろしいと言っている新聞はどこにもない。むしろいまからでもおそくないから大蔵省の横やりはよしなさい、あなた方は青少年スポーツセンターのほうに提供しなさい、これが世論ですよ。私もそう思う。世論に忠実に耳を傾けるのが政治家だと思う。あなたはこの問題が起こってからどういうふうな世論になってきておるかも知らないでここにやってきたとおっしゃるなら論外だ。
  46. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 私がきょうここに来たのは、隣でいま委員会をやっておったが、何でも来いと言われたので、何のことだか……。しかしいまあなたのおっしゃったことは十分耳を傾けて承っておきます。これは間違いありません。
  47. 柳田秀一

    柳田委員 それじゃ委員長大蔵政務次官がここに来られて出席したことは、大蔵省責任をとったということになる。一ぺん理事会をお聞きになってて、大蔵政務次官出席はきょうはないことにして論議を進められぬと、たまたま大蔵政務次官はここに出席しておった、大蔵省は出てきておったけれども、自分は全然何も知らない、隣の委員会からひっぱり出されたのだという、まるで自民党の採決のときの賛成要員のようなことをやられたのでは、最高機関としての国会審議はたまったものではない。国権の最高機関としての国会の権威の上からも、そういうまるでこの委員会の尊厳を侮辱するような言辞をなさるような政務次官出席は拒否して、明らかに政務次官出席なしにやって、政務次官がいない、大蔵省最高責任者出席がないという、そういう前提に立って、そういう時点に立っての善後策をこの連合審査会として講ずる、それが正当だと思う。私は関連質問だからこれでやめます。
  48. 渡海元三郎

    渡海委員長 大蔵政務次官に一言申し上げます。大蔵政務次官出席要求は、大臣に対する出席要求も、政務次官に対する出席要求も、委員部を通じて、議題となる発言内容あるいは法案等を示して出席を求めておりますので、ただいまの大蔵政務次官答弁はおそらくことばが足らなんだのだと思いますので、ひとつ御討正を願います。
  49. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 実際知らぬことを知らぬと言わなければ、知らぬことを知った顔をしてはいけませんから……。それからいまあなた方のおっしゃることは、それは責任を持って承っておきます。それは間違いございません。それからいままでこれに対してどういうふうなことを関係しておったかと言われれば、これは申し上げてもよろしゅうございますが、法案そのものについては、私は詳しく存じません。
  50. 渡海元三郎

    渡海委員長 なお、大蔵政務次官の問題につきましては、後刻また相談させていただくことにいたしますが、佐藤事務次長が十一時三十分に退席する予定になっておりますので、佐藤事務次長に対する御質問がございましたら続けていただきたいと思います。
  51. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 ただ一問だけあなたにお聞きします。  組織委員会は、一月以来、柳田委員も組織委員ですが、大体虚脱状態に入っておると思う。いいことをした、オリンピックは非常な成功をした、そしてこのごろ勉強しておらぬでしょう。あと始末をやはりきちんとしてもらいたいですね。その中では一番あなたが勤勉だという話も聞いておるので、気の毒ではあるけれども、一問だけ聞きます。大蔵省はせっせと自分の税務官僚を入れることにうまくすり抜けて、すりみたいに成功したが、記念センターの将来一番中核となる十棟−十六棟全部記念センターですけれども、とりあえずは法案としては十棟、今日どういう状況になっておるか。だれが視察をして、だれが管理をしているか。実は十日ほど前には、私はあそこへひそかに行っておる。これはどろぼうでも入れるですよ。そこで二、三日前に行ってみたら、国税局は研修所と称して、事実は、代々木寮工事現場と書いてあるのですな。それで八十人から九十人ぐらいの者が入っておる。廊下をリノリウムを張って、相当いい設備をしようとしておる。四千万円ぐらいかかるだろう。どこからひねり出したか知らぬが、大蔵省のほうはずいぶんあるものですな。一方、文部省のほうは、もらうことは法案できまっておるのにかかわらず、これが重大な問題です。あのあとだれもキープする者がない。したがって多くのものは、私は女子の寮のほうは知らないけれども、まさかこれは女子の選手村に敬意を払って入らなかったのじゃない。ほかの寮に入ってみると、水道の水をひねるやつ、蛇口ですな、ああいうものをみんな取られておる。だれが管理しておるか。それからこそどろか何か相当入ったんだろうと思うですな。われわれがあけてみようとすると、そこは先生あきませんよと言うのだが、あくんだ。連れていった者さえ知らない。そういう状況ですが、一体どのくらいの管理をしているのか。  それからもう一つこの際聞いておきますが、文部省は四月一日から法案が通ったら改装を始めて、そしてジアア・ユース・サッカーが四月二十四日から開かれる。マレーシアのラーマン総理大臣も来られて、約千名近いアジアの青年サッカー・チームが合宿をする予定文部省は案を出しておった、ところが、実際はそういう状況で、蛇口はとられるし、電気はみなありはしないです。そういう状況組織委員会はどういう管理をしておったのか、私よりあなたのほうが知っているはずなのだ、全部言ってごらんなさい。それからいまのユース・サッカーの申し入れについて組織委員会はどういう利便を与えておるか。あなた十一時半に帰るというものですから、一問だけ聞いておきます。
  52. 佐藤朝生

    佐藤参考人 選手村の土地管理につきましては、昨年オリンピックの前に、われわれが選手村の管理をいたしますときには、われわれのほうでやれませんので、警備会社にこの警備を頼みまして、責任は私どもが持ちましてやっておりました。オリンピック時になりましてからは、御承知のとおり防衛庁に全部あそこの警備をお頼みしておったわけでありますが、オリンピックが済みましてからはわれわれの手でこれを管理するたてまえのもとに、前に頼みました警備会社に、私のほうの人員がだんだん少なくなりましたので、直接管理もできませんので、警備会社に管理を依頼いたしまして、われわれのほうの責任においてやってもらったのであります。いろいろ中の管理の点につきましてぐあいの悪かったことはもちろん組織委員会責任でございますが、そういう状態で管理しておったわけでございます。   〔渡海文教委員長退席、大石体育振興に関す   る特別委員長着席〕
  53. 長谷川正三

    長谷川(正)委員 先ほど来の各委員からの御質問に対する答弁を聞けば聞くほど、これは全く納得できないことばかりでございます。国税庁税務職員宿舎が緊急に必要だという、そのこと自体を何ら否定する必要もないし、それに対して異議を差しはさむものでも何でもありませんけれども、どうもこの法案を提案した趣旨説明、それからそれ以上に、先ほど柳田委員も申されましたけれども国民全体が期待をしており、確認をしておるこの方針、そういう問題をごうまつも理解をしていない官僚の法の運用で、ただこれでも合法的だという一点だけで、こういうふうに神聖な計画を冒涜しておるというやり方については、断じてこれは承服できません。直ちにこれはひとつ練り直して、われわれの期待にこたえるような形に直してもらいたい。それにはきょうは役者が足らないと思うのです。各大臣がそろわなければだめです。ですから、私はここまでで、きょうはこのままで質問をこれ以上しません。打ち切ります。
  54. 只松祐治

    ○只松委員 ちょっと関連して。  佐藤さんにお尋ねしますが、きょうは代々木選手村の問題ですが、ほかにもこういう関係でたくさんそういう処理について紛争、混乱が起きておることは御承知だと思うのです。たとえば狭山のライフルをやったあとをどうするか、戸田のボート場のあとをどうするか、そういういろいろなことを聞いております。こういうもののできれば管理状況といいますか、処理状況の一覧表のようなものを、これを、いま体育振興特別委員会委員長委員長席にお着きになりましたから、体振でやってもいいのですが、ちょうどあなたがお見えでございますので、その処理状況の一覧表を体振、文教委の全員にでもけっこうです、私は体振ですから体振でもよろしゅうございますが、それを参考資料として御提出をお願いしたい、こういうことを要求いたします。
  55. 佐藤朝生

    佐藤参考人 お答えいたします。  ただいまの御質問処理状況につきまして資料を出すようにというお話でございますが、われわれがオリンピックをやりました施設のうちで、われわれがつくりましたものと、それから国がつくりましたものと両方ございますが、私のほうの一存だけでも出せませんので、文部当局と御相談いたしまして、提出いたしたいと思います。
  56. 只松祐治

    ○只松委員 文部省はよろしゅうございますか。
  57. 前田充明

    前田政府委員 私のほうがつくりましたものについては、資料は当面はできますが、こまかい点がございますけれども、もし資料ということでございますれば、文部省に関する限りはできると思います。
  58. 大石八治

  59. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 本日の連合審査会では、青少年総合センターの問題について、体育振興の見地から、また青少年育成の見地から、種々質問をいたしたいと思っております。ところが、すでに文教委員会委員諸君の非常な御精励によりまして、こまかに現在の問題は相当に取り上げられておると思うのです。ところが出席をされた鍛冶大蔵政務次官は、事情をあまり知らぬという。これは同僚として非常に残念なことではございますけれども、せっかくの機会ですから、私はこれに至った経緯というものを質問応答によって鍛冶大蔵政務次官も十分におわかりになるようにしたい。あなたは田中大蔵大臣を助けておられる、田中大蔵大臣の気持ちが変われば、これはきょうにでも解決し得る政治的な問題である。税務署の建物を急いで四千万円でつくる強力な大蔵省ですから、どこにだって建物をつくるくらいはわけはない。  一番初めに、文部省政務次官に伺います。  先ほど御答弁がありまして、代々木選手村のあと森林公園にするのほかは——もちろんそれ以前にNHKが、これも、私はNHKの出身なんですが、当時議席も失っておったし、そのことに反対することができなかった。割り込んだ、はなはだこれも困ったことですが、世界に放送を知らせるにはいまの場所が不適当だというので割り込んだので、多少意味がないことでもない。しかしあとは全部森林公園ということにきまっておった。代々木選手村のうちの鉄筋コンクリートの十六棟だけは破壊をするのは惜しい。あれもほんとうは破壊をしてしまえば筋道としてはよかったかもしれぬ、こんなことは起こらなかったかもしれない。しかし鉄筋コンクリートの建物を利用して、あそこの森林公園青少年が利用し、野外で鍛練をし、研修をし、勉強するという意味青少年センターみたいなものをつくったらどうかという口火は、実は昨年の二月二十二日の衆議院予算分科会で国会での発言としては私が手始めに御質問申し上げた。しかるところ、灘尾文部大臣は全面的に賛成である、こういうことであったのであります。もとよりあのあとは渋谷の区議会などは相当ねらっておった。できればあの辺に商店街を建てて一そして大きく渋谷区全体のために活用しよう、あるいはそれと関連して、ディズニーランドみたいなものをあそこにつくろう、いろいろ知恵は出てくるものです。そういうことで相当な割り込みがあったにもかかわらず、ぴちんと代々木選手村の鉄筋コンクリートは青少年総合センターにするということを政府は十月の半ばに閣議決定をし、天下に公表し、自民党もまたそれ一本でいくということであった。しかるに予算編成の途上において、自民党の中で青少年の問題を取り扱っておられる方々はたいへんこの問題についてあの施設を固持せられたけれども大蔵大臣文部大臣の間に何があったか知らぬが、とにかくふたをあけてみると、このような事態であった。しかも二月の一日からすでに国税局の職員が入り込んでおった。しかも研修所というたてまえで申し合わせがなっておったのを、代々木寮ということで、おとといの新聞にもあったとおり、おしめまで干しておる、こういうことで世間の憤慨を買っておるのが今日の実情だと思います。  文部政務次官に伺いますけれども、もし世論と党内の意見が、また国会での審議が、すみやかにこれを撤回をして、そして文部省所管のもとに総合センターとして活用することに踏み切るということならば、文部省は差しつかえないのですか。
  60. 押谷富三

    押谷政府委員 川崎委員のおことばのごとく、この代々木選手村が森林公園になる予定であり、そこが青少年心身鍛練の場所として好個の場所であり、またこの問題の建物オリンピック選手村という歴史があり、由来がしみ込んでおる建物でありますから、ここを総合センターとして利用するということも好個の場所でありまして、この付近は、先刻も申しましたように、こういう特殊な雰囲気、空気がただようているところでありまして、この利用にはそういう空気にふさわしい利用をすることが文部省としては絶対に望ましいところであります。したがって、十六棟を全部文部省がいただきたいということは、予算折衝において強く要望をいたしたところであります。いま御承知のように、国税庁代々木寮に一部使われておりますが、これは何としてもその目的、性格からいきまして、場所柄にはふさわしくない使用の方法であり、目的でありますから、そこで、この点については大蔵省においても十分了承していらっしゃると私は信じております。だから一定の期間を経過したならば、この六棟も総合センター出資をするという話し合いはできておるのであります。その一定の期間というのがどの程度であるかということについて、皆さんの御賛成をいただくかどうかは、これはわからないところでありますが、いまにももしお返しをいただくならば、いま川崎委員が言われたように、これがもし返ってくるならば、文部省はどうするかといえば、喜んでお受けをいたしまして、総合センターとして完全な運営をいたしたい。青少年のための心身鍛練の聖域といたしまして利用することを喜んでお受けをする覚悟であります。
  61. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 皆さんの声もありますし、いま聞いて大体わかりましたね、鍛冶さん。だから、どうですか、ここは政治家の腹の見せどころでもありますよ。そういうことになってきたときには、それに対応する意思はありますか。
  62. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 どうも私はここへ来て何も知らぬと言ったのでは申しわけないようですが、実は、この話はたしか古井さんから私が聞いた話です。そのときに国有財産局長にこういう話があるが、これはできるのかと言ったら、いろいろ話がありますから検討中です。どうだね、ほかにも希望者があるのか、いや、たいへんなんです、いろいろな方面から申し込みが多くて。それじゃ、よく検討してあげてもらいたい、こう言っておりました。その後予算がきまってからであったろうと思うが、文部省との間に話がきまりまして、いよいよそういうことになりました、これだけの報告を受けて、それはよかったなというので、私のほうから出した法案でも何でもないので、どういう法律案が出ておるか内容も何も知りません、私のほうの所管でもないのですから。だからきょうここへ来ても私としてはどうも答弁に困るので、それだけのことは知っております。いま文部政務次官が言われたこと、あなた方のきょうの御希望は十分承りましたから、この点はひとつ本省でよく相談しまして、できるだけひとつ御意に沿うように働いてみたい、かように考えております。
  63. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 大蔵省もそれに対応する——きめるのは国会がきめることになると思うのです、どうしたって。それは党の関係もありますし……。そこで、私は、その当時の事情をもう少し掘り下げて、まあ現場まではつかめないかわからないが、大体国民の前に浮き彫りにさしてみたい。そして自民党としても正しい道を歩まなければいかぬ、こう思うのです。  古屋副長官に伺いますが、オリンピック記念青少年センターというのは、総理府からも設置要求が出てきておって、予算内容が幾らか違っておったように思う。名称も違っておったように思う。むしろいま出ておる青少年総合センターという名称のほうは、総理府のほうから出ておったやつがそうで、文部省のほうは青少年センター、こういうふうに私は記憶しておるのですが、その総理府が折衝しておるときに、この所管が文部省にきまったことの経緯もいま伺いたいと思っておりますけれども、あなたのほうと大蔵省のほうの話では、この六棟だけは譲るからおれのほうにくれればおまえのほうにやるというような話はなかったのですか、どうなんですか。
  64. 古屋亨

    ○古屋政府委員 私どもただいま川崎先生のお話で、青少年総合センター設置する、これを総理府でこういうものをつくりたいと思いましたのは、青少年の行政が十一省ですか、非常にたくさんにまたがっておりまして、総合調整の見地から、たとえば勤労青少年とか、また海外からいろいろの青年が来られますが、そういう宿泊訓練も総合的に調整して、片寄らないでやるべきである。また私どもは、そういう意味ではその当時——当時でございますから、これは私が申し上げるのはあれでございますが、たとえば修学旅行の方々がそこに入られると、それを総合的に利用することができなくなるから、むしろ勤労青少年あるいは海外青少年——国内の青少年はもちろんでありますが、こういう訓練に……。それでたくさんの申し込みがあるということは私ども聞いておりました。これは川崎先生のお話にありますように、もしこれが総理府に認められれば一部を国税庁にどうかという話は全然ございません。これは責任を持って申し上げますが、全然その当時は私は関知しておりません。したがいまして、実は青少年局が許されて御設置になりましたならば、総理府として総合センターを考えたいという強い希望でございましたが、青少年局がいろいろの事情で設置に至りませんでしたので、中央青少年問題協議会としてはこういうものを持つのはいかがかと考えておりました。したがいまして、青少年局ができなくなりましたので、私どもはこの問題は文部省で所管していただくのが適当であるというふうに、青少年局の設置問題が消えましてからは、そういう態度でございました。その折衝中におきまして、ただいまお話しになりましたようなやみ取引は絶対しておりませんし、またそういうことは聞いておりません。
  65. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 あなたのほうにやみ取引がないと思うから私は聞いたのです。文部省にやみ取引があったかどうかは私は知らぬけれども……去る二十三日、衆議院体育振興委員会の席上において私が河野国務相にお尋ねをした。すると、河野国務相は、自分は実施官庁の文部省がやるべきことは適当だと思った、そのことは確かにあずかり知っていた、しかし青少年センター国税庁の一部が使うということについては全くあずかり知らぬので、四、五日たってということばであったが、数日たってこれを知って、これはしまったと思った、あれは、あからさまに言えば、文部、大蔵両首脳部のやみ取引だと、これは閣僚が言っているのですからな。   〔大石体育振興に関する特別委員長退席、渡   海文教委員長着席〕 わりあい質問するのに今日楽な立場は、党内における多くの人々の議論は、なるべく早くこれを撤回しろということに変わってきた。変わってきたというよりは、代議士はみな知らなかった。私は、ものによってはこの問題は党議違反だといえるかもしれないと思うのです。これは大蔵省幹部、文部省の幹部、党の政調会の会長まで立ち会って、文教部会長も立ち会ってきめたことだというのだ。実際聞いてみるとそのとおりだ。しかし、それがはたして党全体の世論かどうかということについては、非常な疑点があるばかりでなく、かような政治的、社会的問題に発展するとは、それらの人々は考えてもおらず、多くの代議士は、何ということだというて、今日代議士会の開催要求をしておる者もある。そんなことなら、この問題は一ぺん撤回させようじゃないかというて、有志代議士会ないし代議士会の開催まで要求しておる者があるのだから、わりあい気楽な立場で、自民党が間違わないような方向に導きたいから聞いておるのですが、これが一体きまったのは、十二月——青少年局を置くか置かぬかということは最後まできまらなかったようですな。その前に青少年センターにいくということがきまった、文部省にいくということがきまったほうが、早かったのではないか。これは押谷さんどうですか、ちょっとその経緯を言ってください。
  66. 押谷富三

    押谷政府委員 この青少年の局の関係につきましては、ただいま川崎先生からのお話のとおりだと思います。また、オリンピック選手村のうちの六棟を大蔵省の国税局で使うという経緯につきましては、最終決定をいたされたのは、二月に入ってからの話し合いであったように存じております。たしか政調の方々も一応了承をされて、そして、やむを得ない、そうしようかということできまって、しかしそれは必ず後日この総合センター出資をしてもらうのだ、六棟は臨時に使うのだから、必ず出資をしてもらうという約束が確約されたのが、二月の八日前後じゃなかったかと考えているのでありますが、そういういきさつで、大蔵省におかれても、お使いになるのは全く臨時処置である。そしてこれをこちらへ返してもらう。まあそれは私の了承、了解をしているのは、臨時処置として国税局が使うけれども、この文部省の計画をいたしておりますオリンピック記念青少年総合センター出資をする、こういうことの約束が取りかわされているということは、間違いない事実であると信じております。
  67. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 あなただらだらと長く言われたけれども、簡単にいえば、二月の何日か、そんなころに、それはこの法案にからんで何棟を出すかということであって、予算折衝の過程で一応方針がきまったのですよ。それはわれわれもあとで聞いたのですけれども、江守君、あなたのほうがよく知っておるだろう。十二月二十七日か二十八日に、予算の最終決定をする一日前ぐらいの夜だ、田中大蔵大臣と愛知文部大臣の間できまったように聞いておるけれども、どうですか。
  68. 江守堅太郎

    江守政府委員 その時分にお話し合いがありまして、はっきり私どもがその話がきまったというふうに伺いましたのは一月の四、五日ごろになうてからでございます。十二月の末ごろのお話では、まだ最終的に大蔵大臣がこうしろと私におっしゃるほどにはさまっていなかったのではないか、四、五日ごろになって、こうきまったからこうしろというふうに私は承っております。
  69. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 副長官に伺いますけれどもオリンピック記念宵少年センターのほうが、予算とからんで取引したわけだから、予算とからんできまったことのほうが早くて、青少年局は一応きまったものをだんだん延ばされて、最後にくつがえされた、こういう関係になっていますな。
  70. 古屋亨

    ○古屋政府委員 総務長官が大蔵大臣予算折衝されますときには、記念総合センターを出していただいたわけでございます。青少年局はそのあとでございます。一日か二日違ったと思いますけれども総合センターの問題を総務長官が予算折衝されましたのが二十七日か八日の夜ではなかったか、それから青少年局はそのときは——だめになりましたのはまだそのあとでございます。
  71. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 そのとおりだな。  そこで、これは青少年局の問題とも非常に関連があり、今後の日本の青少年運動あるいは青少年対策というものを総合調整をして、そして行政官庁として指導するというものがどこになるかということにも大きな問題がひそんでおると私は思うのです。それは自民党が長い間、党議として青少年局を設置しよう——今日のように青少年問題がいろいろと欠陥が出てきている、そして次代をになう青少年の指導というものに十分な措置がとられておらぬ。社会開発懇談会でも青少年対策ということがやはり中心の課題になっておるのですが、ある意味では今日の政治問題の中心にもなってきたと思うのです。その青少年局をどこへ設置しようかということは、——大体これは総合調整の必要もあるんだから、内閣総理府に設置すべきである、こういう考え方はだれでもうなずけることなんです。ところがあのときに愛知文部大臣あるいは田中大蔵大臣が、内閣総理府というものは、青少年局を設けて、そして将来青年の海外派遣について実施をしたりあるいは青少年センターを実際に管理をするような行政官庁になることは、実施官庁としておもしろくない、わが国の行政組織というものはやはり現場官庁というものが実際の実施指導をすべきであって、そのむずかしい問題だけを、労働、文部、厚生等にまたがった青少年問題を調整するために総理府は調整的な役割りをすべきで、青少年調整局ならいいが、青少年局をつくってこれを指導すべきでないなどという議論をたくみに愛知文部大臣が考え出して、そしてせっかく体育局が長年スポーツについて努力してきたからこれに管理をさせようという親心もあり、理論構成も持ち出して、青少年局をつぶし、さらに青少年センター文部省に入ったということになる。その文部省との折衝の過程で、おまえのほうにやるかわりには、ひとつ国税局の建物としておれのほうに半分貸してくれ、国税局にあの青少年センター貸してくれということが大体の真相のように私は受け取っておるのです。将来青少年局というのはできるでしょう。しかしどっちに属すべきかなどということは、文部省にもいろいろいままでの関連もあり、スポーツのことについては体育局をして大いに奨励してやらせようと思っておりまするから、そういう意見も大いに耳に聞きます。しかし今度できたあの青少年センターというものは、スポーツだけでもないんですね。広い意味の野外活動もあれば、そこでいろいろな精神的な鍛練もするというので、広い意味での青少年対策ということになると、われわれは純粋にいえば、やはり総理府が管理をしてしかるべきではないか。そうしないと日本全国にある青少年団体が——佐藤総理が十一月の末であるか青少年団体を全部集めた席上で、将来必ず青少年局を設置して諸君の希望にこたえると言ったことをくつがえすと、彼らは純真一路ですから、しかもスポーツ団体とは違って相当な政治意欲もある、こういうものを裏切ってはいかぬですな。必ずこの報いはあるですよ。私はそういう意味佐藤総理はえらい約束をほごにしたものだと思っておるので、これは何とか近い将来に改めてもらわなければならぬけれども青少年局の問題はきょうの問題ではない。  そこで、青少年センターの問題でさらにお聞きしますけれども、どうも文部省のほうはあの建物を一ぺんにもらったところで、あれを活用するだけの大きな大会もなければ−何かスポーツというものばかり考えているから、そういう大会でもないと活用できないというふうに考えているのじゃないか。私はもっともっと大きな見地から、青少年の地方から上がってくる者あるいは青少年団体の訓練、指導者の訓練というようなことにも使わすべきものであって、——それならば私は特に伺うけれども、四月、五月、六月、七月にどういうような具体的な行事をやろうとしておりますか。ユースサッカーの問題は、むしろ私はあなた方に応援の意味で聞いたのだけれども、現実には利用できないという。スケジュールを出してみなさい。
  72. 押谷富三

    押谷政府委員 ここに御審議願っておりますオリンピック記念青少年総合センタースポーツだけに利用されるものとはもちろん考えておりません。先ほどから心身鍛練の場所として修練の場所として、一つの大きな聖域であるとわれわれは考えておるのであります。もちろんわれわれはその青少年心身鍛練のためには総合的ないろいろな事業をやろうと考えておるのでありますが、その事業計画につきましては局長より説明をいたさせます。
  73. 前田充明

    前田政府委員 私どものほうで、四月に受け取りましてから直ちに工事をやるわけでございますが、電気工事、水道工事等工事をやりまして、そして最終的に完全に始めますのは来年の一月になるのでございます。と申しますのは浴場その他講堂、そういうものもつくらなくちゃなりませんので、初めから、四月からできないのでございます。それから五月、ユースサッカーというお話でございますが、ユースサッカーは現在旧学芸大学世田谷分校の青少年キャンプで使いました建物を使うことに決定いたしました。ちょうど大きさもよろしいし、またあそこに、オリンピックの際つくりましたちょうど適切なローンのサッカー場がございますから、これを使うことにしておりますので、その点については困るようなことはございません。  それから使う計画でございますが、私どもも、前、いろいろな青少年団体の計画等も伺いまして、そして大体入る人員等も実は計画いたしております。一体今度の十棟で千五百人程度——千八百八十八人入れられるということになっておりますが、まあ千五百人程度が——一年間を通せば常に満員というのは、ああいう建物ではございません。したがって、私どもとしては、平年度におきましては大体千五百名を基準に考えております。来年度四十年度におきましては、一月から実施するわけでございますが、これはまあ最初の年でもございますし、千五百名は無理ではないか。したがって、当初は約千三百人ぐらいの程度でやっていきたい、こう思っております。したがって、年間これを通築いたしますと、平年度において延べ約五十五万人ぐらいの人が入る予定を立てております。  私どものほうでは、いま川崎先生のお話によると、スポーツのことしか考えないから何にもそんな全部使えないだろうと思っているんじゃないだろうかという御疑念でございますが、これはそういうことはございませんで、むしろ私は、青少年はもちろんのこと、学生等も大いに使ってよろしいんではないか。ことに大学等におきましては、今日では一つの学部で一千人以上入るような学校もございます。こういう学校では、生徒間においてもなかなかお互いに知り合う機会もなし、ある学校へ入っても、その学校の学風というものに染まるということはそう簡単にできない。したがって、そういうときに、最初に集団的な合宿をさせて、その学風をよく理解をするなり、あるいは大学生というもののオリエンテーションと申しますか、そういう点もやりたいし、それから官庁でそれぞれいろいろな指導者の養成等もやっておるわけでございます。こういうものももちろん使っていただきますが、私、体育局が扱うからそういうものはできないというふうに一がいにお考えにならないでも、たとえば私のほうで考えますならば、社会教育だけで使うかというと、やはりいま申し上げましたように、大学でも使ったらいいんじゃないか。したがって、社会教育局の所管だけでなしに、あらゆる意味で、ほかの官庁でももちろん使う、こういう意味で考えておりますので、その点を御理解いただきたいと思います。
  74. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 どうも長い答弁で……。  たとえばユニバーシアードの招致が成功したら、あれは四千三百人くらいは来るだろう。柳田委員なんかもよく御承知だろう。それを見ると、再来年にはあそこよりほかに選手をまとめて宿泊させる場所東京にはないですよ。ユニバーシアードをあなたは文部省方針として大いに支持してもらっているんだから、そうなれば二年以内には必ず全部使わなければ消化できないということになりますね。そういうことを肯定しますか。
  75. 前田充明

    前田政府委員 ユニバーシアードは一九六七年に行なわれるわけでございますが、そういう場合にはこれはもうあらかじめわかっていることでございますので、あの建物、私どものほうの管理のものは、もちろん全部使わざるを得ないと思います。
  76. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 そういうことと類似の関係で聞いておきます。むろん平素、青年の修練に使うことは当然であり、学生もですが、国際的な行事は特に重視をしなければならない。来年世界青年会議というのがありますね。あれは何月でしたか。これも大体見込みはあるんでしょう。
  77. 古屋亨

    ○古屋政府委員 お許しを得まして中音協の局長から、もし私が間違えるといけませんので……。
  78. 赤石清悦

    ○赤石政府委員 まだ引き受けるかどうかきまっておりませんが、もしやるとすれば、約二千名外国人が来ることになっております。
  79. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 こういうことになってきておるわけですから、もうこれ以上、まだいろいろ各委員も御質問になりますし、冒頭に申し上げたように、でき得れば撤回してもらいたい。そうでなくてもそれにかわる徹底的な措置をしないと、この問題は解決しないと私は思う。  最後に将来のくぎどめもしておかなければならないから、文部政務次官に聞きますけれども、近代美術館もあそこに行くような計画があるのですか。
  80. 押谷富三

    押谷政府委員 近代美術館の移転につきましては、現在の場所が非常に不適当な場所であり、また保管その他の関係におきましても悩みが多いし、また参観者の交通関係もよろしくありませんので、場所をかれこれ考えまして、あそこに希望をいたしているというのは事実でありますが、いまだ確定の段階には達しておりません。これはもちろんあの建物ではございません。森林公園のあの付近でやろうという計画で希望しております。
  81. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 これは質問ではございませんが、かように世論が非常に換起をして、一種の政治問題になり社会問題になっている。特に社会今般に与える影響というものを考えられて、文部、大蔵両当局もよく相談されて措置されることが、わが党の立場をも救うゆえんになるだろうと私は思っております。どうかそういう意味で、あの森林公園がだんだん食い荒らされて、NHKをはじめとして、これは既往のものはかりにしかたがないにしても、今度は選手村事件、さらに近代美術館などというような問題になって、都民が、あるいは日本の青少年たちが若人の森として、いこいの場所にしよう、鍛練の場所にしようというものが裏切られるということになれば、非常に重大な問題でありますので、どうか御善処のほどをお願いいたしておきます。
  82. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 承知いたしました。
  83. 渡海元三郎

  84. 古井喜實

    古井委員 私はこういう具体的な問題について質問をいたしますことはあまり好まないのございますけれども、事柄が小さいようで非常に大きいと思いますので、質問をしておきたいと思います。あのオリンピック選手村をどう処理するかという具体問題としてもきわめて重要でありますし、より以上に私はこれを見て、行政のあり方ないしは大蔵官僚の根性、精神、吏道というものについて考えさせられるとき、非常に重大だと私は思います。そこでそういう気持ちで少し質問をしたいと私は思うのです。  まずあのオリンピックにゆかりの深い場所処理の問題としてでありますけれどもオリンピックはあれだけ国民に大きな感激を引き起こしたのみならず、あれを実行しますために一体どれほどの国帑を費やし、どれほどまた国民が大きな精力を費やしたか、これを一時の祭典に終わらせるということはまことに遺憾だと私は思う。このオリンピックの精神をいつまでも国民の心の中に、体に残していかなければいかぬ、発展させなければいかぬ、私はそう思う。つまりオリンピックの火を燃え続けさせなければならぬ、そう思うのであります。その意味から申しますと、オリンピック関係の深かったあの場所をどう処理するかということはきわめて重要だと思う。あのオリンピックというものをぶちこわしにしないようには少なくともしなければいかぬ。むしろあの精神、趣旨を生かしていくように活用していかなければならぬ、私はそう思う。この意味において、いま問題になっておるように、国税局の公務員の研修と称して宿舎に使うなどということは、許されぬと私は思います。  次にまた、それを抜きにしましても、あの代々木場所は、単なる土地としましてもこの狭い東京ではきわめて貴重である。もしあれを利用するならば、幾らでも社会のために必要なことに利用できる場所である。個人の住宅に使うにしてもどれほど高い土地かわかったものではない。あの場所の利用の問題としても、まことに私はいま問題になっておるようなことがあってはいかぬと思うのである。よくもこういうことを考えたものだ、その頭を、精神を疑っておるのであります。すみやかに私はこれは考え直すべきだと思う。これを通じてみてつくづく私はそう思った。ああいうことにしたのは、手続の上で違法性はないというようなことをしきりに大蔵省の人は言っておる、あるいは大臣や党のほうと相談しておる、自分たちのことでやったことではないと言っておる、それで済むのかどうか。法に触れさえしなければどんなことをしてもよいと思っているのか、これを聞きたいのであります。法に触れさえしなければどんなことをやってもいいという考えでいままで大蔵行政はやってきたものであるか。これからもそういう考え、根性で大蔵省仕事はやっていくかどうか、つまり法律にひっかからなければ、いままで何でもやってきたということなのか。やっていいと思っているのか、そういうふざけた根性を持ったら私はもうおしまいだと思うのである。また大臣に相談したであるとか、党の何がしと相談してあるとか、こういうことでありますけれども、話は違いますけれども、極端な例をとれば、犯罪をやる場合に、ほかの者と相談したからといって犯罪者がかんべんされるものではない、同罪のものができるだけのことである。いけないこと、道理を越えたことは同じことである。そういうことで弁明になるものではない。自分の責任を免れることは私はできないと思うのである。こういうことをほうっておいて差しつかえない、そういう気持ちで行政をやっているのかどうか。おそらくは事務当局の人というよりも、もっと大臣連中の話し合いとかというようなことできまったのかもしれぬ、押しつけられたのかもしれぬ、たぶんそうだろうと思う。まさかああいう処分を事務当局が何ぼ何でも案は立てないだろうと思う、進んでああいう案を立てますか、一体事務当局として。私はまさかそうじゃなかろうと思う。上から押しつけられたのだろうと思う。押しつけられたにしても、いやしくも大蔵官僚だ。なぜこういうふざけたことを断わらないか、それはだめであると。私はまことにこの点で大蔵省の官僚の名誉のために惜しむものである。私も二十年官僚をやってきた。間違いにもこういうふざけたことはわれわれはできなかった。全くいわば吏道すたれたりという感を深くするのであります。よく考えてもらいたい。いま田中大蔵大臣はいわば権勢並ぶ名もない実力者でしょう。大蔵省の持っておる大きな権限に加え、鬼に金棒で何でもできるだろうと思っている、これがいけないのである。平清盛でさえもできないことがあった。太陽をさかしまに戻すことはできなかった。道理に反すれば限界がくるのである。よく考えてください。そしてこれをすみやかに是正しないならば、気の毒だけれども、これを使っておる間は天下のなぶり者になりますよ。国会のみならず社会全体の空気はここまできておる。これがある限りはあれを見ろあれを見ろということで、気の毒に大蔵省の人はなぶり殺にあうのだから早く直すべきだ。あれは入ったからしばらく、少しでも長くかんべんしてもらおう、そのうちに話が変わるなどと思っておったのでは、世の中はもっときびしい。私はむしろさっさとこれを改めて、きれいさっぱりに青少年総合センターに一元化してしまうことをして、そして罪滅ぼしをするのみならず、自分たちのためにも立場を明らかにして、そうしてよけいな悪口を言われないようにしたほうが私は賢明だと思う。これは政務次官はいわば白紙でものをお聞きになったのでしょうから、よく大臣とも相談してください。また事務当局も官僚としての立場からよく考えてみてください。何かお答えになる点があれば両方から伺っておきます。
  85. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 だれにしようとも、いま古井委員が言われたように、法律に触れさえしなければ何でもいいのだという考えを持っておる者はないと思います。大蔵省といえどもさような考えは持っておらぬと私は信じます。ただしどういう考えでやったかと言われると、私がこれをやったのじゃありませんから、私はこれに対してお答えするわけにはいきませんが、皆さんのきょうの御意見は十分承りまして、十分これを伝えて研究することだけは申し上げます。  そのほか事務のほうのもので、どういうことでやったか、これは事務から答弁させていただきます。
  86. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 現在税務行政で一番問題は何であるかと申しますと、納税者の数が非常にふえてきた。事務量が非常にふえてきた。そうした場合に、そのふえ方が都市と地方でうんと違っております。このために東京の課税の調査、地方の課税の調査との間にかなりアンバランスが出てきている。これをどうやって是正するかということが非常に大きな問題になっております。そうした場合に、現在一番国税庁として考えておりまするのは、何とかして東京に人を集める、このことが一番大事なことでございます。人が不足のために、同じ日本国民でありながら、納税者の間にもし課税のアンバランスができる、こういうようなことがありますと、単に税務行政だけというような問題じゃなくて、国民全体の非常に大きな関心事になるだろうと思います。そうした場合に、何とかして東京税務官吏を集めたい、こういう要請が非常に強く出ております。そうした場合に、現存地方におる税務職員を集めるということになりますと、こうした職員を集めるための宿舎というものを確保しなければなりません。ただそうした場合に、家族持ちを集めるということになりますと、膨大な宿舎予算が要ることになります。そうした場合には、一番簡単なのは税務大学校の新規採用者を新たに東京に配属する、こうすればすべて独身者でございますから、わりに宿舎としては少なくて済む。このためにたとえばことしの、四十年度に卒業いたします税務大学校の卒業生というものを東京に重点的に配置することにいたしまして、そうした場合にその宿舎をどうするかということになりますと、何かそこに宿舎というものを確保していただかなければ配属はできない。しなければ依然として課税のアンバランスが残るということになりますので、新規に今年度卒業いたします税務大学校の卒業生を東京に重点的に配置する、その宿舎としてワシントンハイツを一時貸していただく、それと同時に税務大学校の研修生の数も東京地区にうんとふやさなければならない。そのふえる研修生を置くという場合に、その研修生の寮として何かやはり宿舎が要る、この新規卒業生を配置するための宿舎、それから税務大学校の研修生を入れる宿舎、そのためにワシントンハイツの宿舎というものを六棟一時借用するということのために借用願いをお願いしたわけでございます。これは必ずしもあるいはワシントンハイツの目的として適当でないかもしれませんが、いつまでもこのまま借用しているというつもりではございません。一時、こうした事態が解消するというまでの間、宿舎として借用させていただく、こういうことをお願いした次第でございます。
  87. 古井喜實

    古井委員 私はいまそういうことを長々と答弁してもらうために、大上段の質問をしたのじゃないのですよ。そういうように言ったのを黙っておると認めたことになっても困るので、何がそれがオリンピック関係があるのです。何がそれがオリンピックあと始末として意味があるのか。私はそれが意味があるとは思わぬのだ。もしこれを公務員に使わせるならば、警察官はどうしておるか。いま警視庁の警察官は、片道二時間まではかまわぬということになっておるくらい遠方から通っておるのですよ。それくらい住宅に困っておるのだ。なるほど税金をとるのも大事だろうけれども、いま何が起こるかわからぬのに、治安の責任を負っておる警察官さえそういう状況じゃないか。あまり視野が狭い。起こりは、たまたま国のものを管理しておる管理人が大蔵省だったというところから、つまりお手盛りをやったということなんです。せめてこれがほかの公務員に使わしたのならまだましだ。私が吏道なんということを言っておるのは、お手盛りだということを言っておる。横暴過ぎるということ、それがいけないということを言っておるのだ。やりたくてもそういうことはやってはいかぬ、私はそう思うのであります。いわんや、公務員の寮に使う前に国民に先に使わせるというのがほんとうの考え方じゃないのか。それを役人の寮に使う。一体何という根性なんです。それが恥ずかしいと思わぬのがふしぎだということを私は言っておる。それが私の言いたかったことであって、それをつべこべ何のかんのと言うならお話にならぬ。おかしいと少しも思わぬならおしまいである。そういう考えでおるならまことに吏道すたれたり、実に嘆かなければならぬと思う。  これは答えてもらう必要はありませんから、これで私の質問は打ち切っておきます。
  88. 柳田秀一

    柳田委員 ちょっとそれに関連して。  それじゃ国税庁次長にお尋ねしますが、あなたのほうはあなたのほうであるいは必要な理由があったかもしれない。いまあなたが言われたように、税務官吏が足りなくなった、そのために緊急やむを得ない。しかもこの問題がこれほど大きく国会の場で、あるいは単に国会の場だけでなしに、川崎委員からも言われたように、社会的にもこれだけ大きくなるとは思っていなかったかもしれない。事を簡単に考えたかもしれない。それに古井委員も言われるように、かりにこの国有財産管理が総理府ならば、大蔵省同士でこうも簡単にいかなかった。あるいはいま古井さんが言われるように、警視庁の職員の住宅にほしかったかもしれない。自治省は自治省で、地方の職員の研修ということはいま非常に大事なんですが、自治省は東京に適当な建物がないということで、自治省は自治省でほしかったかもしれない。それが全部総理府ならそう簡単にいかなかったでしょう。ただ国有財産局管理しておるものだから、同じ大蔵省の中でひとつ君頼む、こういう点を古井さんは言われたわけだ。しかしこの問題は予想外に大きな波紋を描いた。この問題を一番最初に川崎委員が二十三日の体育振興委員会で取り上げたところ、河野さんは、大体こういうことになるのは文部省がしっかりしておらぬからだ、ここまで極言された。その次は二十六日の文教委員会で私が質問したのだが、予想外に波紋が広がっておる。川崎委員、私が問うてから世論としてはどういう反応が起こったか。あなた方の理屈じゃない、世論としてどういう反応が起こったか。政治、行政に当たる者は、いつも国民の声、世論の声に謙虚に耳を傾ける雅量を持っていなければならない。自分がやったことは妥当性があるのだ、あるいは法に触れないのだ、行政官庁としては行政の処置に従ってやったというだけでは済まない。国民はこれをどう受けとめたか、世論としてはどう解釈しておるかということに謙虚に耳を傾けるだけの雅量を持ちながら行政をやるのが当然だと思う。二十三日、二十六日にこの問題が国会の場で取り上げられてから、単に国会のみならず対世間的にも社会的にも、あるいは世論の関係でどういうふうな反響があったか、あなたがそれをどう理解しておるか、国税庁次長から承りたい。
  89. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 新聞その他先日の論議によりまして、ワシントンハイツの一部を国税庁が使うということに対して、相当な非難が起こっているということは十分承知しております。ただ、先ほど申しましたように……。
  90. 柳田秀一

    柳田委員 もうそれでよろしい、わかりました。  私の関連はこれで……。
  91. 渡海元三郎

    渡海委員長 前田榮之助君。
  92. 前田榮之助

    前田(榮)委員 もう同僚の諸君から、いろいろな角度から御質問がございましたので、私は最後にごく簡単に質問申し上げたいのであります。  それより前に、いま柳田委員からも申されましたが、喜田村国税庁次長、あなたがおっしゃることを聞かないうちは何とも思わなかった。聞いて私はびっくりした。こんなばかな無能を暴露した答弁は私は初めてです。私は約二十年近く国会に議席を置いておりますが、あなたの行政管轄の中で、宿舎はどういうようにしなければならぬとか、研修は何人でこういうようにしておく、それは昭和三十八年度はこう、九年度は、四十年度は、こういうことの状態というものは、あなたの頭悩の中にはずっと考えられておらなければならぬ。今日あなたの意思にも反するような結果が出てきておると私は思っておる。それを堂々と国権の最高機関の議場において言うに至っては、言語道断だと思う。もうこれ以上相手にする勇気を私は持ちません。  そこで、私はこの国有財産処理についていろいろな角度からお尋ね申し上げたいのでありますが、鍛冶大蔵政務次官は、この問題については従来あまり関係していなかったのでというようなことでお話がございまして、急所をそれた御答弁ばかりされております。そこでそういう点は一そう追い打ちをしようとは私は思いません。ただあなたも弁護士をし、法律については一見識を持っておられる方でありますから、一つの行政法といいますか、法律の実態というものを私はお尋ね申し上げたいと思うのであります。  過日柳田委員質問に江守国有財灘局長答弁をされたときに、オリンピック組織委員会から返された国有財産は国に帰属することになっている。しからば国へ帰属したものを、法律的にはいかなる法律に基づいて処分したかという質問にたりました。それは、国有財産が返った場合においては大蔵大臣の許可によりそれを処分した、したがって法律的には何らの違法はないのだ、こういうことであります。そういうような、法律の条文の上でだけ整っておればよろしいのかどうかということについても、いま古井委員からも質問されたから、その点をまた追い打ちしようとは思いません。  ただここで大蔵政務次官としての政務次官にお尋ねを申し上げておきたいのは、国に返ったという財産は、大蔵省の行政的な行政庁へ返ったのではないと私は思うのです。ことにこのオリンピックのワシントンハイツの地域の財産については、大蔵省の、つまり行政庁として、行政庁の集約された庁として財産が返ったのではない。それであるならば——たとえは国税庁あるいは専売局、大蔵省の管轄下の行政庁で右にしたり左にしたりすることは、大蔵大臣がしてよろしいということになろうと思う。ただ大蔵大臣には行政庁長官としての大蔵大臣と、国務大臣として国全体の財産管理の上に立つ大蔵大臣と、この二面があると思う。その二面をうまくこうかつに、悪らつに使っておるのがこの財産使用の実態であろうと思う。この国に返ったものを、大蔵省の行政的な管轄のものと同様にこれを使用したところに今日の誤りがあると思う。国に帰属する財産については、大蔵省内において処分すべき性質のものと、もっと高度の立場判断をして処分すべきものと、二面があると思うのです。この点について将来十分な考えを持ってやらなければならぬが、大蔵政務次官として、いわば副大臣たるべき立場に立っての鍛冶さんの御意見をお伺いしたいと思う。
  93. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 御説のとおり国に帰属するというのは、国家の所有物になるということであると思います。しこうしてその管理大蔵大臣管理に移るのだ、かように考えておりまするので、その管理についてもいま御説のとおり、国民の声を聞き、国家の要望に従って最もよい方法で管理せねばならぬことは当然であろうと考えます。もし私違ったことがあればなんですから……。
  94. 前田榮之助

    前田(榮)委員 いまさっき私が質疑応答の状態を見ておりますと、江守局長は、答弁をしようとされる政務次官のところへかけていって何かお話があったようでありますが、ああいうことはやめたほうがいいと思う。答弁を求めておるほうは、何も鍛冶さんがどのくらい考えておられるくらいのことは知っておって問うておるのであって、官僚の知恵を借りなければ答弁ができぬ人じゃないのです。知らぬことは知らぬとはっきり言われておるじゃないですか。こんな国会をばかにしたようなことはすべきものじゃないと思う。必要があるならばいまみたように次官のほうから局長のほうへ、これは事務的にはどうなったのかということを聞いて答弁されるのだ。国会をなめておる局長の態度がここにもはっきりわかっておる。も少し今度の問題を、古井さんが言われたように、大臣がどう言われようが、内閣がどう言われようが、一見識は、大蔵官僚としてはかくあるべし、こういうくらいの考えがあってほしいと思うのでありますが、あまりそういうようなことを言うと、大蔵官僚がだんだんはびこることになりますから、それもあまりやっちゃならないと思うのでありまして、行政官は行政官としてのことをやってもらったらよろしいと思う。  その次にお尋ね申し上げたいのは、だんだん話が詰まったようでありますから、文部省のほうへお尋ね申し上げるのでありますが、この青少年センターをどういうように利用するかについてはもうすでに御答弁のあったとおりでありますが、私はもっともっとこれらの問題を二倍、三倍に拡大していかなければならぬときがきておると思う。すでに先日総理府において体力づくりの国民会議まで開かれて、これを全国民に呼びかけていこうというときでありますから、現在の設備を二倍、三倍にしても決して私はあれが余ってかんこ鳥が鳴くようなことにはならぬと思う。  そこで政務次官でも局長でもよろしいのでありますが、お尋ねを申し上げたいのは、東京に参りまする全国の学童、学生等の修学旅行、これが東京でいろいろ宿舎に困り、またその宿舎で多くの問題を起こしておることはすでに御承知のとおりであります。これらの青年を全部はとても収容しきれないと思うのでありますが、やはり各府県で何名か、二百名か三百名かというように計算されてあの一部の端にでも収容してやったならば、オリンピックあるいはスポーツのためにもまた教育のためにも非常な効果があろうと思うのでありますが、これらに対して、現在この問題に関連してどう考えておるか。またこの関連以外に将来どういうようにすべきものだというお考えがあるか、これをお聞かせ願いたいのであります。
  95. 押谷富三

    押谷政府委員 前田委員のおことばは全く同感でありまして、修学旅行等につきましても宿舎にこれを充てたいと存じておりますが、修学旅行者であるがゆえに優先さすということまで考え得ないような今日の収容量の状況でありますから、そこで収容に余力がある限り、御発言のごとき修学旅行者に対する利用も考慮をいたしたいと考えておる次第であります。
  96. 柳田秀一

    柳田委員 二十六日の委員会で江守君は、国有財産法に従って国税庁にこれを処分した——処分ということばはおかしいですが、一時的に使用を認めたと言ったでしょう。そのとき私は法の乱用ではないかということを言ったのです。そこで先ほど承りますと、この六棟、五棟ですか、東京国税局に一時的に使用を認めたんだ、こういうふうに江守国有財産局長が言われたのですが、しかもこういう例は防衛庁にもある。大体一年きりの限度にして一時的ということは——まあはっきり申し上げられぬが、防衛庁等は五年ぐらい、一時的一時的で使用を認めている場合もある、こういう御説明であったのですが、私は関連質問でしたから詳しくお尋ねしませんでしたので、もう一回はっきり聞いておきますが、それは国有財魔法第何条に基づいておりますか。江守国有財産局長から……
  97. 江守堅太郎

    江守政府委員 法律にそういった個々の具体的な処分について一々規定はございませんが、法律普通財産大蔵大臣管理処分するという法律がございまして、それに基づきまして内部的に普通財産の取り扱い規則というようなものを出して仕事を進めております。その中に一時使用はこういう場合にするというようなことを書いて仕事をしておるわけであります。
  98. 柳田秀一

    柳田委員 あなたは先般国有財産法に基づいて云々、こう言われたでしょう。普通財産法じゃないですね。
  99. 江守堅太郎

    江守政府委員 ことばの問題でございますが、国有財産法にそういう規定がございまして、その規定を受けてわれわれとしては内部的にいろいろ処理のしかたをきめて、それでやっておるという意味でございます。
  100. 柳田秀一

    柳田委員 ワシントンハイツのあの鉄筋住宅は、国有財産法の第何条に基づいて国税庁にこれを一時的に使用を認めましたか。
  101. 江守堅太郎

    江守政府委員 国有財産法の六条に「普通財産は、大蔵大臣が、これを管理し、又は処分しなければならない。」という規定がございます。ワシントンハイツの十六棟の建物大蔵大臣管理する普通財産でございますので、それに基づいて処分をしたのでございますが、一時使用許可というようなものは法律そのものの中には出てきておりません。この管理のしかたの一つのあらわれとして普通財産取扱規則できめておるわけでございます。
  102. 柳田秀一

    柳田委員 だから私は先般の委員会でこれは国有財産法の乱用ではないかということを言った。いま私も調べてきたのですが、国有財産法のどこを読んでみましても、そういうような一時使用を認めるというようなことは一言半句も出てこない。これは大事なことです。そこでいま事務当局に検討を命じたところ、しいてここで関連があるとすれば、いま江守局長の言われたように、第六条「普通財産は、大蔵大臣が、これを管理し、又は処分しなければならない。」これだけなんです「管理し、又は処分しなければならない。」。これは処分ではないのです。処分というのは、私は最終的にこの権利が移動する場合をいうのだろうと思うのです。だからこれは管理の一つの方法だ。局長も言われた、管理の一形態として一時使用を認めているのだ。そうなってくると、大蔵大臣権限に属してくる管理のしかたというものは非常に広範囲なんです。国民の声としては当然いまの古井さんのような議論が出てくる。現に出ておる。各種新聞、世論等を見ても、その声が出ておる。そうなってくると、これは法に基づかぬけれども管理というものを大蔵省の解釈によれば、これは国税庁に貸与する、一時的に使用を認めることができるのだ、こういう大蔵省の解釈というものは非常にデリケートなんです。鍛冶さん、そこはおわかりですね。これは国有財産局長に言ってもしかたがない。国有財産局長大臣の命によって国有財産法弟六条によって管理し、処分しなければならない。その管理という解釈をこの国税庁貸したことに該当してやっているのだ。そうでしょう。管理ということばは、そういう意味じゃないと思う。管理ということばをすなおに言うならば、やはり大蔵大臣管理して、その間、大蔵大臣責任があるわけです。これを一時的にせよ、第三者の権利を移譲するということは、普通に日本語でいう管理のしかたじゃないのです。しかもそこに行政権限を持ったところの行政官庁が使用する、これも管理でございます。われわれの責任でやっておるのでありますということになっていくと、これは何ぼでも拡大解釈がやれる。しかもその管理の方法たるや、いま世論はごう然として、国税庁独善なり、大蔵省独善なり、お手盛りなりという議論国会からも出ておる。こうなってくると、その管理のしかたというものは非常に微妙になってくる。また法律をつくった国会としても、この六条の中からこういうような膨大な権利までもあげて行政官庁に委任しておるということになると、これは問題になってくる。管理という二字の中にこのような権限までも大蔵省に与えているとは、われわれ立法府としては解釈していない。大蔵大臣が必要と認めるときには一時使用を認めることができるとか何か書いてあるのならよろしい。しかもその一時使用を認める相手が公共団体であるとか国家機関であるとか、そういう場合に限っては一時使用を認めることができる、そういうことがあるのならよろしい。そういうものは何もないのに、管理ということばからそう解釈されてはたまらぬと思う。ここのところに問題がある。鍛冶大蔵政務次官、どらですか。
  103. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 いま局長が申しましたように、第六条によって大蔵大臣管理する。そこでその管理の細則については、省令か何かでいろいろのものをきめているわけでございます。そこでその規則に基づいてやったのだから、その意味においては不法でない、こういうのですが、ただしそれは何でもやれるというものではないのじゃないか、まず国民の要望にこたえなければならぬ、そのものの最も適当なる管理使用をやらなければならぬのじゃないか、こうおっしゃられればそのとおりだと申し上げるほかはない。そこでいまやった管理の方法が今日のあなた方の御要望に沿わなかった、またきわめて適応する管理でなかったという御説については、これを謙虚にもう一ぺん研究し直さなければならぬ、かように考えております。
  104. 柳田秀一

    柳田委員 細則を述べなさい。
  105. 江守堅太郎

    江守政府委員 普通財産取扱規則というのがございます。その九条の二に「各省各庁に対する使用承認」というのがございまして、「財務局長は、予算その他やむをえない事情により、臨時に、各省各庁の長に普通財産使用を承認しようとする場合において」次にいろいろ書いてございまして、「大蔵大臣の承認を受けなければならない。」という規定がございます。これに基づいて各省に対する使用承認仕事をしておるわけでございます。
  106. 渡海元三郎

    渡海委員長 只松君。
  107. 只松祐治

    ○只松委員 いまの問題につきましては、私は大蔵委員もいたしておりますので、きょうは法令解釈の問題だけでなく、むしろ先ほどは非常におとなしい前田委員古井委員たちが激高されましたように、本質問題について討議をしておるわけでございますからこれ以上ここでは追及いたしませんが、大蔵委員会でもその問題に関連いたしまして論議を進めていきたい、このように思っておりますから、その辺ひとつ御了承をしておいていただきたいと思います。  私は常に、昔内務官僚いま大蔵官僚と言って、大蔵官僚が独善的な運営あるいは法の解釈その他を実力でもってやっておられることを指摘しておりますが、そういうことがいまの管理の解釈一つにも端的にあらわれていると思っております。単なる管理使用権まで含む管理とはおのずから違ってくることでございます。これは鍛冶さん弁護士ですからあれですが、借地、借家の場合、それの相違というものは、別個にあるわけですし、使用権というものも生じてくるわけですから、そういう点には多分に問題があると思っております。  それはそれといたしまして、大蔵委員会でもお聞きいたしますので、ここで多少問題にしておきたいと思うのは、国税庁次長に、まずこの問題は国税庁が御要望になったのか、それとも国税庁が要望されたら、大蔵省のほうからこうやってここがあいているからひとっここを使ったらどうだという話があったのか、話のきっかけと申しますか、だれがここを使えとおっしゃったのか、ひとつお教えいただきたいと思います。
  108. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 国税庁といたしましては、先ほどのような事情で何らかの宿舎がほしいということを考えて、そうした要望を一般的にいたしておったのでございますが、その後たまたまワシントンハイツというのが今度あくということを聞きまして、国税庁のほうからお願いを申し上げたわけでございます。
  109. 只松祐治

    ○只松委員 あるということを聞いて国税庁がしたのですか、大蔵省国有財産局のほうから先に言ってきたのですか、そこをはっきりしておいてください。
  110. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 国税庁のほうからお願いいたした次第でございます。
  111. 只松祐治

    ○只松委員 徴税その他で国税庁宿舎が足りないということは、私もよく存じております。東京の徴税機構をもっと拡充すべきだ、東京の徴税をもっと厳格にすべきだ、そういうことも私たちは大蔵委員会を通じて言っております。そういう大蔵省宿舎状況その他もそれはそれなりにわかります。しかし先ほどから言われておりますように、オリンピックというのは、いわばここ十年来といいますか、時の政府は、あるいは国民も全くオリンピックムードに包まれましたように、これは国をあげての行事をしてきた。その精神を体得し云々というようなことは、先ほどから古井さん等がおっしゃいますように、何とかして日本にいわゆる国民の健全なスポーツあるいは平和な精神、それは人おのおの解釈はあるでしょう、しかしこれを日本に残しておきたい、一つの日本の当面の、国民、特に青少年や何かの精神のよりどころにしたい、こういうことは行政の府に当たられる皆さん方も御承知のとおりだと思うのです。そういうことを御承知ならば、私がいま申しましたように、宿舎が足りない、あるいは徴税の云々というようなことが十分理解され得るとしても、前段のこのオリンピック精神というものを日本に残していきたいということを考えるならば、これはやはり多少皆さん方としては行き過ぎではないか、こういうことをお思いになりませんか。先ほど古井さんの質問にはどうも事務的な答弁をされましたけれども、事務的な答弁ではなくて、そういう観点からやはりこれは多少行き過ぎであった、こういうふうにお思いにはなりませんか。
  112. 江守堅太郎

    江守政府委員 国税庁のほうは、自分の仕事を十分にやってまいりたいという意味であの建物を使わせろというようなことを申すのは、国税庁としては当然だと思います。国有財産局として、はたしてそういうものを国税局に使わせることが適当であるかどうかということを判断するのは、また別の問題であります。私どもとしては、この問題は国有財産管理という観点からいってもはなはだ重要な問題である。あの代々木の一角をそういうものに使うということに対して、世間一般の御感触の問題もある、オリンピックのいろんな記念の意味もある。ああいうところを使うことがはたして適当かということについては、十分検討をいたしました結果、はなはだ不適当であるけれども、緊急的にやむを得ないということで私どもはあれをしたのであります。この点については、私どもとしてはお手盛りで、内部のものだから何でもいいんだというような意味でやったのではないのであります。十分、あそことしては場所柄適当であるかどうかということを考えて、どうもあんまり適当な場所ではないということは、十分私どもも思ったのであります。でございますが、一方ほかのことを考えるとやむを得ぬのだということで、私どもとしてはああいうふうにきめたということでございます。
  113. 只松祐治

    ○只松委員 たいへん失礼なことばでございますが、盗人たけだけしいと申しますか、はなはだ不適当である、こう考えながらなおかつ使わせるということは、これは穏当を欠きますね。それは万やむを得ないということであるとまあ緊急避難か何かのような感じがするのですね。これは緊急避難じゃないでしょう。ほかに住宅公団の建物もありますよ。これはあとで聞こうと思っておりますが、ほかに方法は山ほどありますよ。刑法上の緊急避難ならば、これははなはだやむを得ない場合に力を行使する場合はありますよ。そこに先ほどからいわゆる与野党を問わず言われている問題があります。はなはだ不適当と思いながら——緊急やむを得ない、緊急避難行為にどの程度値するか。ひとつ大蔵政務次官、こういう問題は最後に聞いておこうかと思ったけれども、こういう宿舎というのはほかに一つも、大大蔵省の力をもってしても建物の一つも見つからない、そういうふうにお思いですか。
  114. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 当事者の考えを申しましたので、私が考えてやったのではありませんから、その点について私の判断はちょっと困りますので、お許し願いたい。
  115. 只松祐治

    ○只松委員 そうなれば大臣を呼んでこなければわからないわけですが、参議院の状況その他で大臣というわけにはまいりませんから、次官として答えなければ答えないで、あとでまたあらためて質問するということになると思います。
  116. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 おそらくこれをやりますときに、いまのようなことを聞いておらなかったからやったものだろうと思いますので、本日はこれを聞きました以上は、先ほどから何べんも申しますように、謙虚にこれを承って、十分研究しなければならぬということは当然だと思います。   〔発言する者あり〕
  117. 只松祐治

    ○只松委員 大臣が来ておらなくても、結局国会審議です、これは。国会審議ですから、国会がこれだけ、しかも重要な問題として文教委員会と体振委員会と合同審査までやっているのですよ。その審議を進めているのに、大蔵省責任を持った答弁をする者がおらなければ、これ以上ここで審議してもむだでしょう。これはこの委員会をなめているということですよ。大蔵省であるか文部省であるか、どこがなめているかということは別として、責任ある答弁をしなければ、常識的にはきわめて不謹慎であるし、ずばり言えばなめている、こういうことになりますよ。これは審議する必要はないということになる。
  118. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 こういう考えでやったのがいいか悪いか、こう言われるから、その考えは私の考えではないから答えられぬというので、私のいま申し上げておりますのは、あなた方のきょうの御意見を聞かないでやったのでしょう、きょう聞きました以上は期するところがあるものと心得ますから、大いにこれを順守して研究いたします、こういう意味で申し上げました。その意味において私は責任ある答弁をしておるつもりです。
  119. 只松祐治

    ○只松委員 初めからそのようにおっしゃっていただきますとそれなりに——いままで知らなかったのはたいへん無能といってはどうかと思いますが、きわめて遺憾です。遺憾ならばすぐそれを改めていただきたい。そういうことを聞いている。大臣の耳に入ったかどうか知りませんが、耳には入ったでしょう。しかし、実際上は局長や課長の、そこいらの官僚の何人かの間でたらい回し的な話があってできたということは、どなたもそういうような御判断をなさると思う。さっきは古井さんは大所高所から、あまり官僚のほうをいじめてはどうかというような配慮があって、大臣がこうやって押しつけたのだろうという、たいへん親心ある発言を繰り返しされたわけですよ。しかし、ぼくは古井さんの腹の中にも、あなたたちがやったのではないか、それを改めなさい、こう腹の中はありながら、しかしそう問い詰めたのでは答弁もできないだろうからと思って、大臣が押しつけたのではないか、こういう質問をされたけれども、全くそっけない答弁だったから、古井さんはおこって、このやろうと言って出ていかれたわけです。これ以上質問しないということで。だから、やはりこれだけ与野党をあげて問題にしておる、しかも吏道すたれたりと言われるくらいの極論まで吐かれてこの問題が討議されておるならば、多少のメンツがあろうとも、やはり官僚の人は、行政の府に当たっている者はすなおに聞くべきである。この民の議会における国民の声を聞かなければ、あなたたちは何を聞いて一体行政をやろうとするのか。独断専行で、国民は直接声をあなたたちのところに持っていく力はないわけですから、この国民を代表している議会で、与野党をあげてこれだけ言っている、しかも親切にお話をしておることさえも、そっけない、事務的な答弁一つで片づける、こういうことになったらもうこれは思い上がりもはなはだしいものだと思う。そこに今日の大蔵行政、国税行政の本質的なものがあるということをよくひとつお考えをいただきたいと思うのです。こういうあまりお説教みたいなことを繰り返し言ってもしようがありませんけれども、さらにこういう点についてひとつ御考慮をいただきたいと思っております。  そこで、いま次官が言われましたように、肝に銘じてわかりましたということならば、肝に銘じてすぐひとつお考えをいただきたいと思いますが、これだけごうごうたる非難が上がっておれば、先ほどから言いますように、転居先はさがし方によってはいろいろあると思うのですよ。たとえば、一例をあげれば、住宅公団がたくさん家を建てております。大蔵省の力をもってすれば幾らだってほかに方法があります。したがって、いわゆる転居先を早急にさがす意思があるかないか、このことをまずお尋ねしておきたいと思います。これはどなたでも、次官からでもあるいは次長からでもけっこうです。
  120. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 私は直ちに他をさがしますという責任は持てませんが、いまあなたのおっしゃったように、事務の者もよく、それこそ耳にたこができるほど聞いたことと存じます。私も責任を持って大臣にこのことを伝えまして、もう一ぺん研究してもらい、なるべくあなた方の御意思に沿うように、できるだけの努力をする考えでありますことをお答え申し上げます。
  121. 只松祐治

    ○只松委員 次長どうです。
  122. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 もちろん先ほど申しましたように、現在のワシントンハイツが国税庁宿舎として、世間でも評判になっておるということから見て、適当であるとは考えておりません。もちろんほかにどこかいいところができればそこに移り、なるべく早く明け渡したい、こういうことに努力することについては、変わりございません。
  123. 只松祐治

    ○只松委員 おおよそ何カ月か、あるいは一年なり二年なり——さっきから言うように、絶大なる力をもってすれば、私はすぐできると思うのです。そういう常識的な判断からいって、どの程度のめどを持ってさがす、あるいは立ちのく、こういうふうにお考えでございますか。
  124. 江守堅太郎

    江守政府委員 いま政務次官からほかのうちをさがすというように仰せられましたが、さしあたり千二百人の者を収容できる宿舎はほかにありません。したがいまして、これから建てるよりほかないわけでございます。建てることでございますので、四十一年度以降の予算できめていく問題でございますから、その予算でどのくらいのうちが建つのかということは、とうてい私がいま申し上げることのできる問題ではございません。したがって、一年でどくか二年でどくかということは、私として申し上げる権限を越えておることでございますので、申し上げかねますが、まあ最初からこの問題は当分の間、なるべく早くということでございますので、その線に沿って大いに努力をいたしたいと思います。
  125. 只松祐治

    ○只松委員 こういうふうに具体的な話になりますと、いま政務次官なんか肝に銘じましたというような答弁をされましても、具体的にそれは何年かとなると、私は権限はありません、こういうふうに逃げる。したがって、いかに肝に銘じておっても、耳のほうは馬耳東風ということになるのです。それならば次長、ひとつこの次まででもよろしゅうございますが、国税庁の職員の宿舎状況あるいは全国の公務員の宿舎状況、特に東京における宿舎状況、そういう一覧表でもつくっていただいて、どこの庁が一番宿舎が完備しておるか、しておらないか、あるいは緊急を要するか要しないか、そういう問題をもやはり論議していかないと、先ほどから言われておるように、国税庁、いわゆる大蔵省当局内のお手盛りだ、こういうことになってくる。そういう中からでも、やはり国税庁が一番緊急の要があるということになれば、それならそれなりの理由が立つと思いますけれども、そういう理論的な根拠はないわけです。ここであなたたちがずばり答え切れれば、各省庁との比較をしてお答えいただきたいと思いますが、できますか。できなければ、公務員の宿舎の一覧表をいただいて、次回にまたそれを参考にして論議をしたいと思いますが、出していただけますか。
  126. 江守堅太郎

    江守政府委員 できるだけ御理解いただけるような書面を提出いたします。
  127. 只松祐治

    ○只松委員 できるだけということは、全部の一覧表をつくるということですか、国税庁だけということですか。
  128. 江守堅太郎

    江守政府委員 ほかの省との関係もわかるようにいたしたいと思います。
  129. 只松祐治

    ○只松委員 それから資料のついでに、体育局長処理状況ということをさっきお願いいたしましたけれども、先ほど来聞きますと、処理状況だけではなくて、やはり近代美術館ですか、オリンピック施設をめぐってそういうものの要望がたくさん出てきておると思うのです。したがって、ある程度わかりますれば、そういう要望が出ていることに対して、いわばあなたのほうからすれば方針と申しますか、どういうところに払い下げるとか、どういうふうにしたいというふうな方針があれば、処理状況だけではなくて、今後の方針、特にそういう払い下げについて強い要望等がありましたら、参考のためにそういうものをひとつお出しいただきたい。
  130. 前田充明

    前田政府委員 いまお話しのように、オリンピック施設の私のほうの文部省に関する限りの処理状況処理方針と申しますか、検討中のものは方針はきまらないわけですが、そういうものを区別してお出しいたします。
  131. 渡海元三郎

  132. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大蔵省、それから建設省の方々にどうしても聞いておいていただきたいと思います。  きょうの読売新聞の社説の中で、「オリンピックを記念しての「青少年総合センター」に充当することに決まっていた東京代々木の女子選手村跡が一部、税務職員のアパートに転用されていることがわかった。ツンボさじきにおかれている国民にとっては〃寝耳に水〃のおどろきだが、すでに二百人が住みこみ今月中には、千二百人が入居するという。」こういう書き出しで国民の批判が出ておるのですが、いま二百人入っておって、三月中に千二百人が入居することになっている、これは大蔵省事実ですか。
  133. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 現在入っておりますのが百七、八十だと思います。それから先ほど申しました今年度税務大学校の卒業生が近く入ります。さらに四月になりますと研修所の研修生が入る、こういうことになっております。
  134. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そう考えますと、大体千二百人の者が入り、洗たくものが窓にへんぽんとしてひるがえるというような状況青少年総合センターの構内に出ることは不適当——不適当ではなくて、青少年総合センターはやらないほうがよくなるのじゃないか。この青少年総合センターの性格は一番最初の環境によって決定されるとぼくは見ておるのです。もし税務官吏のほうでそういう宿舎にすれば、千二百名というと相当の数ですから、これは窓から何から雑然たるものになる。その中で一方で青少年の研修を始めるということはやらないほうがいい。私も、千二百名ということを想像しますと、青少年総合センターの開設は一年ぐらい待ったほうがいいと思うのです。だから、はなはだしく不適当ではなくて、これは間違いである、やめたほうがいい、こう思っておるのです。大蔵省の財政的立場だけで、どこにもないからという考え方は明らかに誤りである。たった二十名、三十名ならわかる。そういうことをひとつ頭に置いて、この法案については皆さんも考え直して協力すべきである。これは大蔵大臣によく頭に入れておいてもらいたい。それから文部省は、私は実に定見がないと思うのです。役人が千二百人入ったらどうなるかわかりますか。それは独身ばかりですか、世帯も入るのですか。
  135. 喜田村健三

    ○喜田村説明員 本年度新規卒業生及び研修生は独身でございます。ただ、独身が何百人も入るということになりますと、寮の管理という面から若干の世帯が、一棟につき三世帯くらいずつ入るわけであります。それ以外は全部独身でございます。
  136. 山中吾郎

    山中(吾)委員 おそらく窓からおしめその他の洗たくものが出てくると思うのです。その認識を皆さんしなければならないので、それだけに私はここで申し上げておきたいと思うのです。この問題はそう単純に、おかしな事務処理的に考えることはいけない。そこで、一方、建設省、森林公園というものは、公共の建物も建てないで、図書館だとか公民館だとかを建てないで、ほんとうの森林をそのまま残すので森林公園といっているわけです。ところが、一方次官のほうは、文部省立場で国立美術館をあそこに移すことを希望しておる。これも実に定見がないということですね。大蔵省からそういう要求があったときに腰くだけで、逆に今度は森林公園にみずから国立美術館の設置希望するという定見は、一体どこから出てくるのか。そこに考え方が根本的に誤りがあるので、振り出しに戻ってこの法案をお互いに真剣に考えるべき問題がある。この点は、いままでのようなムードだけで、これで時間が長く延びて終わりだ、適当に法案を通してもらえばあとはいいという考えは強く捨ててもらうことを私は要望しておきます。現在、文部省のほうで、使い方については、たとえば上野の図書館その他についても、高等学校、大学の受験準備のいわゆる書斎がない、うちではラジオ、テレビが聞こえる。住宅難の問題から図書館というものは大体青少年の読書室になっている。その図書館の書物を借りるために一列行列で行っているのじゃない。そのときにあの大蔵省の持っていった六棟を開放してやったらいいじゃないですか。そうして政府の住宅政策の貧困を、そこに読書室を提供して救ってやるというような、そういう考え方を持っていけば、こういうことで変な妥協とかやみ取り引きというものはできるはずがない。愛知大臣が来たらもう一度私は詰問したいと思うのですが、合同審査の中で、ものの考え方というものは、いまのベースのままで時間をかけるだけで終わるということではいけないし、そういうムードが見えるので、これだけ私は申し上げておきます。答弁は要りません。
  137. 渡海元三郎

    渡海委員長 この際暫時休憩いたします。    午後一時二十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕