○二宮
委員 荒木
文部大臣から灘尾さんにかわりまして、やや話がわかるという状況になりました後に、非常に賢明な
愛知文部大臣が就任なされましたので、私
どもとしては非常に明るい将来の展望を持っておるわけなんですけれ
ども、問題は、私はいままで実は
文部大臣と会っていないのです。会わない原因というものをここではっきり申し上げますと、
文部大臣は就任当初の
委員会においてうそをついておる。これはたいへん失礼な
ことばですけれ
ども、一番初めの
委員会で、初めて
愛知文部大臣が就任をされるのだからしかるべきごあいさつがあるだろうということで私
どもは期待をかけて実は出席した。ところが、本日は閣議でもって出席ができない、したがって、この
委員会は一応あいさつすることを省略させてくれという話であった。私は単純に、率直に、そのまますなおに受け入れて、その
委員会は散会したわけです。ところが、次の日の公報を見てみますと、閣議によって
委員会に出席をしなかったのは椎名外務
大臣と
愛知文部大臣の二人であります。これは昨年のことですから、いまの西田官房長そのほかの方は御存じないと思うのです。したがって、真実というものを中心にして
考える
文教行政の当初の
委員会において、かくのごとき背信行為と言ってはおかしいけれ
ども、私
どもにとっては信用のできないような
態度をとるという
愛知文部大臣が、私はどうも信頼が置けないという
気持ちを実は持っております。
文部大臣自身は、それは良識もあり、行政手腕もあり、答弁もなかなかいんぎん
——無礼とは言いませんけれ
ども、たいへんりっぱな答弁をなさっておりますけれ
ども、やはり
一つの行動でそういうものをはっきり出してくるという
状態では、なかなか信頼は置けない。同時に、
愛知文部大臣を補佐しておる政務次官とはあまり顔見知りではございませんけれ
ども、福田さんのジュネーブの
ILOの本部におけるいろいろの御説明というものも、実は印刷物で拝見をいたしました。それから今村という財務課長が某雑誌にいろいろ書いた
日教組に対する
文部省としての
態度というものを表明しておるものも、私はよく読んでみました。それから、
先ほど来、
鈴木委員から申されましたようなことについては、相互に信頼をして、そういういろいろの問題、
学校給食であるとか
教育予算とかいうものについては進んで会えるのだ、こういう話をしておるけれ
ども、実はそういう補佐をしている方々の中に、ほんとうは
愛知文部大臣を前向きのりっぱな
教育行政をやるという方向に持っていけないような人々がいるのではないかということを実は私は心配しておるわけです。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)事実があるのです。
教育予算の獲得、限度政令の問題等で、定数が減るのでないかと心配して全国から集まった人々が、実は先般私もあっせん役を買って、ひとつお会いしたらどうかということで西田官房長とお会いしたのですが、その日になって聞きますと、
文部省の玄関には五十数名の警察官が動員をされておる。そして、それはだれから動員の要請があったのだということを聞いてみたら、これは、当然管理の責任のある会計課長から、その会合の前日の五時三十分に、文書をもって、あすは
日教組並びに父兄の連中が
文部省に来る、それが中に入っては混乱を来たす、それを寄せつけてはいかぬというので、その出動要請があったということを所轄の警察署のほうでは認めておるわけです。いろいろと
ことばではきれいなことを言われますけれ
ども、現実にとっておる行動そのものがそれを裏づけるようなものじゃないと、やはり信頼というものは持てるものじゃないと私は思う。
先ほど鈴木君からの質問に対して、
日教組寄りの質問であるとか、とやかく言いますけれ
ども、私もこれは公正な
立場に立って
考えるとして、
ILO特別
委員会なりあるいは自民党の、
政府の部内あるいは治安の対策の人々あるいは文教グループの人々、そういう方々がこういう
ILO等の問題についてはいろいろと検討されておると思うのですが、ただ、私がここで御要望申し上げておきたいことは、やはり
愛知文部大臣は、ひとつ勇気を出して、そういう人々の言うなりになるということではなくて、民主
教育であり民主政治である以上、たくさんの人々の声を聞くということも大事なことなのですから、そこに
一つのワクをつくって、そのとりでの中に立てこもりて、古い頭の感覚を持った人々から守られるという姿では、これは
国際信用やそのほかの問題は
解決はできぬと思うのです。私はこうしてここで
愛知文部大臣に初めて質問をするわけなんですけれ
ども、質問していけば自然私の
気持ちもほぐれると思って私は
考えておるわけなんですが、やはり当初に
一つの先入観というものを持ってしまうと、人間の性格というのは非常に弱いと実は思うのです、したがって、それらを打破していくには
相当な勇気が要るというように私自身は反省をしておるわけですが、今後の
文教行政の政治の姿勢というものはそういう点からひとつ是正をしていく必要があるのじゃないか。そしてまた、あなたがひとつ中心になって、こういう問題については、ただ単に皆さんの
意見に従って行動するというのではなくて、
文部大臣自身が中心になって能動的に、積極的に働いていく。こういう
かっこうで、
ILO批准の以前の問題、
法律以前の問題として、そうした
一つのものを醸成していく母体というものをつくっていく必要があるのじゃないかというように私は
考えるのです。私がいま
指摘をしました問題の中で、これは
大臣としては自分の威信にかかわる問題だから、この際、この点はひとつ是正をしておく必要があるというような問題があったら、そこでひとつ是正をしてください。私はかように
考えておったのですが、私の誤解の面もあろうと思うので、この辺で区切りを一応つけますから、
大臣の答弁をひとつ。