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受田委員 私は、この間労働大臣にもこの片りんを
指摘しておいたのでございますが、かつて西独の石炭危機に際して、労働者はストライキをもって大量首切りに対抗しよう、また経営者は人員
整理をやって人件費等の節約によって危機を乗り切ろうとする、こういう段階で、そこに労使が相通じて、労使一体となって
生産の増強へ転換しよう、経営の中に労働者も参加しよう、経営参加をやってその危機を乗り切っていくという
態度に出た。そこで
政府が、この石炭危機を救うためには、まずアメリカなどから輸入しておった石炭の輸入を防ぐこと、石油に対する高い関税によって石油と石炭の
価格の調整をはかることなど、
政府と労使一体となって石炭危機を乗り切ったという事例もあるわけなんです。
わが国は、大体民族という一民族で占められておるのですけれ
ども、私は、アメリカの国、これはいろいろの点で批判をされておりまするが、あの雑多な人種を持っている。しかし、いざ国内のいろいろな廃業危機というようなことになると、
ばかなストライキもやっておりません。労使一体となって
生産性
向上につとめるという、プロダクテイブポリシイの意気も非常に伸びておる。こういう状態を見たときに、あの雑多な
国民、雑多な人種のアメリカが、いざというときにはこういうふうにして
生産の増強につとめて
経済危機を救うという熱情を持っているのに、
日本のこの単一の民族の大和民族で、総評は春闘と称して毎年のごとく猛烈な闘争を展開して、ゼネストも辞せずという事態もときどき起こる。経営者は経営者で、いかに労働者を弾圧するかの政策を
重点に考える。労働省や経営企画庁は手をまねいて傍観しておる。こういう姿を見たときに、やはりわれわれは、
欧米の
先進国のこのすばらしい、労使一体となって
人間的融和によって
生産を高める、しかも
政府自身がこれとタイアップしてりっぱな政策をとるというこの姿は、大いに学ぶべきことだと私は思うのです。大和民族という単一民族であるだけに、
日本の労働事情などにもっともっと
政府が高い
観点で、しかも所得政策などにおいても、資金と
物価の
関係をどうするかというような問題においても高い
観点で
政府が
施策を用意されて、労働者にも理解をこい、経営者にも協力を求めて、そこで労使一体となって、斜陽産業などにも救済の手を差し伸べ、もし
物価が一部に
上昇するものがあったならば、今度OECDのほうにも一人ほどあなたのほうの職員を派遣されましたが、ああいうところによって、国際交流によって特定国の
物価上昇を防止するとか、こういうようないろいろな貿易上の
施策も加味して、高い
観点で、単一民族
日本のあらゆる
国民生活の
消費水準というものを高め、その
生活を潤していくという、こういうお手だてをされる必要はないか。
経済企画庁という役所はあるけれ
ども、机上の空論だけを弄する役所で一向実績があがらぬというものであるならば、これは総理府の外局として
国務大臣を当てる役所としては、無用の長物であると思うのです。各省間の
経済閣僚
会議などにおいても、ひとつ長官みずからが商い指導性を持って、これが実効性を持つような
施策を用意されて、そして一たび立てられた
施策は途中でしばしば変更されるようなずさんな机上図案ではなくして、もっと実効を伴う高い
観点で、国際情勢、国内情勢というものをすべてにらみ合わした、総知をすぐったりっぱなプランをお立てになって実行に移す、こういうふうにお願いしたいと思うのです。御所見を伺いたいです。