○奥野委員 ただいま
議題となりました自民、社会、民社三党の共同提案にかかる
地方公務員等共済組合法等の一部を改正する
法律案に対する修正案について、その提案理由及び
内容の概要を御
説明いたします。
御承知のとおり、現在
地方公共
団体の議会の議員に対する退職給付としては、
地方公務員等
共済組合法に基づく
地方議
会議員共済会による給付が行なわれておりますが、これは多年にわたり
地方公共
団体において議会活動に従事した議員に対し老後の生活を保障し、あるいはその遺族の生活の安定をはかるという互助年金制度の
趣旨を受け継いで、公務傷病年金の場合を除き、議員としての在職期間十二年以上を要件とする年金給付であります。
しかしながら、
地方公共
団体の議会の
任務の重要性にかんがみ、これを組織する議員及びその遺族の生活の安定に資するという見地からすれば、このような共済会の給付はいまだ不十分であります。たとえば現在給付の原資は、議員の互助の
精神に基づき、報酬から拠出する
掛け金にこれを仰いでいるのでありますが、退職年金支給の実績を顧みますと、
地方議
会議員の約六割が在職十二年未満で退職するため、この制度の恩恵に浴さず、
掛け金がいわゆる掛け捨てとなっているのが現状であります。また同じく本
共済組合法の適用下にある
地方公共
団体の長等について、年金受給資格に達しない者に対する一時金支給の制度が設けられておることと対比すると、退職給付制度上の均衡を失しているといわざるを得ません。都道府県、市及び町村の各議長会から、
掛け金率の引き上げを前提とする一時金支給制度の創設に対する強い要望が再々なされているのも無理からぬことと存ずるのであります。
以上のような事由によって、この際、
地方議会の議員について、退職一時金等の支給を行なうための修正案を
提出することとした次第であります。
次に、修正案のおもな
内容について御
説明いたします。
まず節一は、退職一時金等の支給に関してであります。議員が在職三年以上十二年未満で退職し、または死亡した場合、共済会は退職一時金または遺族一時金を支給するものとし、その額は在職期間の区分に応じて在職期間にかかる
掛け金総額の七割ないし九割とするものと定めました。
第二は、退職一時金の支給を受けた再就職者の退職年金等に関する調整についてであります。すなわち、退職一時金の支給を受けた後、再び
地方議会の議員となって退職年金を受けることとなった場合の年金額は、一時金の基礎となった在職年数に応じて一定の金額を控除することとするほか、同様な場合の公務傷病年金または遺族年金についても所要の調整を加えることといたしました。
第三は、
掛け金についてであります。退職一時金または遺族一時金の給付に要する費用をまかなうための所要額を
保険数理に基づいて算定し、これに見合うものとして
掛け金の率を標準報酬月額の現行百分の五から百分の七に引き上げることとしております。
なお、この
掛け金率の引き上げは、一時金の給付に要する費用に充てるためになされるものであり、将来このため
地方公共
団体の
負担が加重されるおそれが生じた場合においては、
掛け金率等につき必要に応じて
検討がなされるべき旨を附則において定めております。
第四は、在職期間として引き続く場合においてであります。議員が任期満了、または解散による選挙、あるいは
市町村の廃置分合等に伴う選挙によって再び議員となった場合等には、前後の在職期間は引き続いたものとみなし、当該退職にかかる給付は支給しないこととしております。
第五は、経過措置等についてであります。以上の措置は
昭和四十年六月一日から施行するものとするほか、
昭和二十二年四月末以降施行日の前日までの在職期間は一時金の支給資格の基礎となる在職期間に算入すること、施行日前の在職期間にかかる
掛け金の額は、一時金支給額の算定の基礎に算入しないこと等を定めております。
以上がこの修正案の提案の理由及びその
内容の概要であります。
何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げます。