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1965-05-11 第48回国会 衆議院 地方行政委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月十一日(火曜日)    午前十時五十一分開議  出席委員    委員長 中馬 辰猪君    理事 亀山 孝一君 理事 久保田円次君    理事 田川 誠一君 理事 中島 茂喜君    理事 藤田 義光君 理事 川村 継義君    理事 佐野 憲治君 理事 安井 吉典君       大石 八治君    奥野 誠亮君       亀岡 高夫君    武市 恭信君       登坂重次郎君    村山 達雄君       森田重次郎君    山崎  巖君       秋山 徳雄君    阪上安太郎君       重盛 寿治君    華山 親義君       細谷 治嘉君    門司  亮君       吉田 賢一君  出席国務大臣         自 治 大 臣 吉武 恵市君  出席政府委員         自治事務官         (行政局長)  佐久間 彊君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   平井 廸郎君         厚生事務官         (保険局企画課         長)      首尾木 一君         厚生事務官         (保険局保険課         長)      穴山 徳夫君         自治事務官         (行政局給与課         長)      胡子 英幸君         専  門  員 越村安太郎君     ————————————— 五月七日  地方財政の確立に関する請願(相川勝六君紹介)  (第三七二九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案内閣提出第一一三号)  地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法  律案安井吉典君外九名提出衆法第五号)      ————◇—————
  2. 中馬辰猪

    中馬委員長 これより会議を開きます。  内閣提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及び安井吉典君外九名の提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。  質疑の通告がありますので順次これを許します。秋山徳雄君。
  3. 秋山徳雄

    秋山委員 いま議題になりました共済関係は、国家公務員地方公務員、あるいは市町村公務員、いろいろありまして、しかも法律の面でいろいろ読んでみますと、わかったようでわからない、いわゆる非常にむずかしいと言わないわけにはまいりません。そこで、きょうは私は、関係方々によくわかるようにまず御説明をしていただきたいと思うわけであります。  端的に申し上げれば、概略的には、その中で特に短期給付の問題がいまいろいろ世間をにぎわしております。これらを振り返ってみますと、実際問題として第一に考えられることは、先般来、厚生大臣告示によりまして非常に問題が起こっております。その現実の問題として私たちが当面考えなければならぬことは、たとえば私なら私がお医者にかかりに行く、そうしますと、そこでもうすでに問題になろうかと思います。たとえばお医者さんのほうからいえば、今度新しくきめられた料金に基づいて初診料を払わなければ診療してくれない。そうかと思うと、今度は、実際に医療費支払い関係になってまいりますと、それぞれの組合で、旧料金に基づいての分は支払うけれども、新しい値段については払わない、こういうことが起こってくるのじゃないかという心持ちがしてくるわけであります。だからといって、今度は、実際に支払う側と支払ってもらうお医者さんのほうとの関係考えてみますと、これはどうなっているかということでありましょうけれども、これについても、片一方は払わないというし、片一方は払わなければ診療しないということになりますと、一般人たちは一体どうしたらいいのかということになろうかと思います。  その第一の問題としては、当初申し上げましたように、初診料にかかってくるのではないかと思います。組合側のほうで言っているように、旧料金によってやるのだからというふうに組合員に徹底してまいりますと、組合員方々、あるいは家族方々についても同様に、初診料についてもそこで問題が起こっている、こういうことではないかと思いますが、これらについて、まず第一に関係の方から御答弁をいただければ幸いだと思うわけであります。
  4. 首尾木一

    首尾木説明員 お話しのように、今回、厚生大臣医療費緊急是正に関する告示につきまして、東京地裁から、その効力停止決定がなされたわけでございます。これは、この申し立てをいたしました四組合との関係だけにおきましてそのような事態が生ずるわけでございまして、その他のものの関係におきましては、依然として現在の緊急是正告示が生きておりますので、これにつきましては当然、新告示によってやっていくということでございます。  御質問の趣旨は、そのように法律的にはなっていても、実際問題としてそういう支払いについてのトラブルが起こるのではないか、こういう御趣旨ではないかと思うのでございますが、現実の問題といたしまして、四組合以外の関係では、そのような問題は現在発生しておりません。
  5. 秋山徳雄

    秋山委員 そうすると、該当の四組合人たち家族の場合にはどうなってまいりますか。その点をひとつ……。
  6. 首尾木一

    首尾木説明員 四組合関係家族医療機関診療を受けます際には、その家族窓口支払い分につきまして、これは法律的に申しますと、現在の決定効力が及びますので、その点につきましては法律的に申しますと、これは旧点数によっての支払いをなせば足りるということになるわけでございます。実は若干その点につきまして窓口医療機関のほうでも、いろいろ繁雑な問題があるというようなことからいたしまして、窓口で一応新点数で支払ってもらうことを要求する、そうして新点数で支払わない場合には、一部において自由診療取り扱いをする、こういったような好ましくない問題が生じております。この問題につきましては私どもとしまして、そのような自由診療取り扱いをするというようなことは、これはやはりせっかく保険に入っておりながら保険診療を受けられないということになるわけでございますから、このようなことはないようにということで、強く関係方面に協力を依頼しておりまして、話し合いによりましてその間の円滑を期していきたい、かように考えております。
  7. 秋山徳雄

    秋山委員 この問題は、法律的にはいろいろ解釈のしかたもあると同時に、決定もあると思います。しかしながら、一般国民の立場から考えますと、法律についてはわりあいに不勉強だと思います。また、一般的に考えまして、新聞を読んでみますと、申し立て側意見が通ったんだということをうのみにしてしまうわけですね。そうすると、四団体訴訟を起こしたんだろうけれども、他の一般該当組合員あるいは家族、こうした方々は、四団体だけと思っていないわけですよ。全部がそうだと思っているわけですね。そうすると、前のとおりのようなつもりでいるわけだと思います。そうすると、そこで、お医者さんのところへ行って、話がだいぶ違ってくるわけですね。そこで疑問が起こってくる。いろいろ人によってはそこでもってある程度のいさかいがあるかもしれないわけです。そうした混乱があってはいけないと思うのです。これらに対して厚生者方々は、どういうふうにしたらばいいかということだろうと思うわけです。なるほど法律法律できまっているんだからといえば、これは四角四面で通るかもわかりません。しかしながら、法律外の問題として、感情的にといいましょうか、直観的といいましょうか、そういう受け取りがたい点が出てくるわけです。それでは私は法の精神が生きてこないのじゃないかと思うし、法律というものはまたそういうやかましくきめるだけが能ではないと思うわけです。ですから、もっとわかりよく説明するにはどうしたらいいか、こういうことだろうと思うのです。これは理屈をいえば、厚生大臣が職権で告示したということに基因するかもわかりませんけれども、しかしそれを議論する場ではないので、それは別においでおいで、いま言ったように通俗の問題として一般国民はどういうふうに理解をしたらいいのか、また理解すべきものかということだろうと思うのです。それについてもっと安易な心持ちでわかりよくお話を承ることができれば幸いだと思います。
  8. 首尾木一

    首尾木説明員 実は今回の決定が出ました際に、この問題につきまして行政事件訴訟法解釈問題とからみまして、主としてこれは支払い側意見でございましたが、当初はこの決定効力が他の組合にも及ぶ、他の保険にも及ぶというような解釈をした、誤解をした向きがあったわけでございます。そのようなところからおっしゃいましたような点が、あるいは全体として誤解を生じた原因ではなかったかというように考えますが、この点につきましては、判決自体でも明らかに四組合だけに限るということをいっておりますし、それから行政事件訴訟法解釈といたしましてもそのように解せられますので、その後、その点につきましては誤解のないように、私どもといたしましては地方に対しましていろいろ詳しくその点を話しまして、これと関係方々にもよく話をするようにというような指導をやっております。それからまた関係のところにも今回の決定趣旨というものをよく話しまして、その点につきましては、私ども、今日ではこの決定趣旨が、少なくとも保険者なりこれに関係をしておる者の間では、この点についての誤解はないのではなかろうかというように考えておるわけでございます。
  9. 秋山徳雄

    秋山委員 これは専門的にはそれでいいかもわかりませんけれども、それじゃ自分が属している団体が同時に訴え出たらよかったのじゃないかという素朴な声は確かにあると思うのです。そうすればやはり四団体と同じ扱いになったのではないか、こういう考え方が持てるわけですね。そうすると、今度組合員の側からいえば、幹部がぼやぼやしていたからということにもなりましょうし、基本的には、判決がどうありましょうとも、精神というものは、やはり訴え出た人たちがその利益を受けて、訴え出ない人は不利益をこうむるのだということに、なりますと、そこに大きな不公平が起こってくるわけです。これについてあなた方はどうお考えになっておるのか。私はそういうことでは行政の面がりっぱだと言うわけにはいかないと思うのです。そういうことではいけないのであって、そういう混乱が起こらないようにするのがまず行政官庁としての任務ではないかと思うのです。そうすると任務を怠ったように受け取られるかもわかりませんけれども、そうした非を訴えるのではなくて、結局行政官庁としてもう一ぺん考え直していただく必要があるのではないかという素朴な考え方が出てくるのは当然だろうと思うわけです。なぜこういうことをしなければならないのかというところに原因があるのじゃないかと思うわけです。だから、将来に向かってどうしたらいいのかということが考えられると思うわけです。なるほど理屈の上からいけば、諸物価は高騰し、すべての人たち賃金関係は上昇しているのですから、お医者さんも上げるのがあたりまえかもわかりません。だからといって、お医者にかかる人がいままで考えていることによれば、政府人たち宣伝があったり、あるいはいろいろ保険というもののあり方について日夜宣伝がされているわけですから、自分たち掛け金をかけていさえすれば、まあ無料あるいは大きな割引があって安易にお医者にかかれるのだ、こういうことが望ましいことでもあるし、またそれが精神だろうと思うわけです。それにもかかわらずこうしたことが起こってくるということになりますと、一般国民というものは非常に迷うわけで、それでは行政の妙味というものが、ほんとうにいいということじゃないだろうと思うし、そういうことについて、いつのときにかこれはうまい解決をしてもらって、将来そういうことが起こらないように、安んじて仕事ができるように、生きていけるようにしていかなければならないのじゃないかと思うわけです。そういうことについて、まずもう一ぺんあなたから御答弁をいただければ幸いだと思うわけです。したがってこの席では、あなた方から見れば専門知識のある人たちだけなんだからということで、専門的に御答弁をいただくのが普通かもわかりませんけれども、そういうことではなくして、全然関係のないといってはどうかと思うかもわかりませんけれども、無関係にひとしい人たちが聞いてもわかるようにひとつ教えていただければ幸いだと思います。
  10. 首尾木一

    首尾木説明員 おっしゃいますように、今度の決定によりまして、四組合とそれからその他のものとの間に取り扱いの差が生じておるということは、たいへん遺憾な事実であろうと考えます。私どもは、そんなような意味も含めまして、およそ国民一般に適用されるべきこの種の告示が、一部のものとの関係だけで効力を停止されるというような状態というものは非常におかしい。そもそもこういったような本来立法行為に属するものを一部の人との関係だけにおいて効力を停止するというような形の処分をしたことに、むしろ問題があるのではないかというように考えておるわけでございます。それは裁判によりましていずれにしましても結論の出ることでございますが、いずれにいたしましても今回の処分というのは、これは本案に対する処分ではありませんで、まあ四組合の主張いたしております損害を回復しがたいという主張を認めまして、いわばその仮処分としてやったことでございまして、私ども本案訴訟段階を通じまして、そのような、まず基本的には私どものとりました、先般とられました緊急告示というものが適法であるということと、同時に、おっしゃいましたような一部のものと他のものとが区別されるような状態というものはどうしても排除していかなければならない、かように考えておるわけであります
  11. 秋山徳雄

    秋山委員 自治省の方にお尋ねを申し上げたいと思います。  結局、いままで組合員人たちはわりあいに給料も低い方々が多いのであって、したがって、いままでは掛け金もそう高くはなかったわけです。それが今度の改正に基づいて掛け金はかなり高くなってきていると思います。特に最近の状態からいえば、各市町村共済関係職員については掛け金も千分の五十をこえているところがかなり多く出てきていると思いますが、これについて自治省の調査によりますとどういうことになっておりますか。千分の五十をこえている組合がどのくらいの数になっておりますか。これもひとつ、調べができていればお答えをいただければ幸いだと思います。
  12. 佐久間彊

    佐久間政府委員 昭和三十九年十月一日現在で申し上げますと、市町村職員共済組合におきまして掛け金が五十になっておりますものは大分でございます。そのほかのものはいずれも五十未満でございます。ただ御指摘のございましたように、今回の医療費是正によりますると、相当財源率も上回ることが予想されまするので、掛け金率も五十をこえますところが若干増加することが予想をされております。
  13. 秋山徳雄

    秋山委員 市町村共済は大体五十をこしているところが多くなってきたということですが、他の組合はそうでもないということになりますと、ここにもまた問題が起こってくるのじゃないかと思うわけですが、しからば基本的な考え方として掛け金は一体どの程度あるいは何%程度が妥当なものかということが一応頭に浮かんでくる問題だろうと思います。これらもいろいろ考えてみなければならぬ面としては国家公務員関係地方公務員関係、あるいは市町村関係、いろいろ段階があるようですけれども、これがみんなまちまちであっては不公平がより以上増してくるのではないかという考え方ができるだろうと思うわけです。公務員ということになればやはり同じような待遇を受け、同じような権利を獲得していく、こういうことが基本的な問題でなければならないのではないかと思うわけであります。都合のいいときになれば国家公務員並みにものを考えなさい、国家公務員に準じていきなさい、こういうふうな指導をしていきながら、こうした掛け金の問題になりますと、それはほおかぶりをしてしまって、高くなっても、これは財政的な問題だからということでこれを放任されていく、こういうことでは私はいいことじゃないと思うのですが、これらについてのお考え方は那辺にありますか、お答えをいただければ幸いと思います。
  14. 佐久間彊

    佐久間政府委員 御指摘のように同じ共済組合におきましても、国家公務員共済組合地方公務員共済組合、また国家公務員共済組合の中におきましても各省によりまして相当財源率、したがってまた掛け金率も幅がございます。地方公務員共済組合の中におきましても地方職員共済組合、あるいは公立学校、警察、東京都、指定都市、その他の都市市町村それぞれ組合が異なっておりまするが、それに従いまして掛け金率もかなり違っております。さらに同じ市町村共済組合でございましても府県によりまして高低がございます。ただ全般的に見てまいりますと、地方公務員共済組合の中で特に市町村共済組合が全般的に他よりも掛け金率が高くなっておるということは事実でございます。これをどうするかということにつきましてのお尋ねでございますが、私ども掛け金率が五十をこえる、全体の財源率が百をこえていくということになりますと、これは相当な職員にとりまして負担になっておるというふうに考えておるわけでございます。そのような大きい負担をどういうふうにして軽減していったらよろしいかということにつきましては、自治省といたしましても種々検討をいたしておるのでございますが、この掛け金率の問題につきましては、一つには先ほどお話のございました今回医療費改定内容がどういうようになりますか、現在まだ社会保険審議会等答申も出ておらない段階におきまして未確定の要素が非常に多いので、私どもとしましても、この市町村職員共済組合がどのように四十年度に最終的になるものかということがまだ計算いたしかねておる状況でございます。これをかりに医療費改定内容がきまりまして、その結果計算をいたしましても、なお他の共済組合に比べて、市町村共済組合が相当掛け金率が高くなる。しかもそれが組合員負担能力から見て過重ではないかというような状態が出てまいりました暁におきましては、この点につきましてどうしたらいいか、慎重に検討をいたさなければならないものと考えておるわけでございます。現在までのところ、いろいろ検討はいたしておりますけれども、何ぶんにもただいま申し上げましたような、医療費内容が未確定でございますし、それからまた他の共済組合と共通の問題もございますので、具体的にどのような方策でもってこの問題を解決するかということを、まだはっきりとつかむ段階には至っていない状況でございます。
  15. 秋山徳雄

    秋山委員 これの計画というのは、毎年二月に年度計画を立てることになっていると思いますが、ことしはこの点はどういうことになっておりますか。
  16. 佐久間彊

    佐久間政府委員 医療費改定内容先ほどお話に出ておりますように未確定状況にございますので、一応各共済組合といたしましては暫定予算を組んで、それらの成り行きを見てはっきりした予算を組むという状況で現在あるわけでございます。
  17. 秋山徳雄

    秋山委員 二月にやるべきものが、いろいろ混乱が起こっておりますので、計画が出てこないということでございますね。そうなると、そのしわ寄せを一体どこに最終的に持っていくかということになってくると思います。先ほどの御答弁によれば、短期給付の分が千分の五十をこえることは望ましくないということであります。同時にまた、長、短合わせて千分の百をこえることは望ましくないのだということになってまいりますと、今度は最終的な問題としてそれで赤字が出る見通しが出てきたり、あるいは財政的な窮屈さがより増してくるということになった場合におきましては、その赤字の補てんなり、あるいはまた赤字解消の目途といいますか、こうしたものはどういうことでお立てになる意思があるのか、それもあわせてお尋ね申し上げたい。
  18. 佐久間彊

    佐久間政府委員 長期と短期と含めてのお話がございましたが、一応分けて考えてみますと、短期の場合におきましては使用者職員とが折半負担ということが原則になっておるわけでございます。この折半負担原則につきましては、社会保障制度審議会答申など見ましても、やはりこれは基本的には維持すべきものだというふうな考え方が示されておりますし、私どもも現在のところやはりこれは維持していくべきではなかろうか、かように考えておるわけでございまするが、その結果、組合員掛け金負担が非常に過重になるということになりまするというと、この折半負担原則をくずしません限りはそれが救済できない、かようなことにもなろうかと思うのでございます。しかしながら、この折半負担をくずすということになりますと、これは地方公務員共済組合だけではございません。国家公務員共済組合、あるいは公共企業体共済組合、その他社会保険全般を通ずる基本的な大問題になりますので、これらは社会保障制度審議会等、全般的にものをごらんになって御検討いただく機関で、よく御検討をしていただくべきことであろう。そういう基本的な問題を除きましていろいろ考えてみますというと、あるいは先ほどちょっとおことばにもあったかと思いますが、市町村共済組合の場合におきまして、各県ごとではなくて、全体としてプール制検討するということも一つ方策ではないかというような御意見も伺っておるわけでございます。そのほかに、組合事務費等について、財源計算自治省で増加をしていくというようなこともいろいろ検討はいたしておりまするが、先ほど来申しておりますように、現在までのところこれでいったならばいいのだという解決策を、まだ申し上げる段階に至ってない状況でございます。
  19. 秋山徳雄

    秋山委員 結局は大きい団体と小さい団体と、財政的な規模も違い、あるいはまた人員構成も違ってくるわけでして、したがって、財政がふくらんでくれば操作もやりよくなってくるのはあたりまえの考え方だと思うわけです。そこでいろいろ考えられることで、健保のほうになってまいりますと大体千分の三十五で押えているわけですが、地方公務員にしても、市町村共済にしても、やはり健保と同じように千分の三十五くらいで掛け金は押えていったらば、理想的な形が生まれてくるのじゃないかという心持ちがするわけです。そうすればいま御答弁の中にもありましたように、あるいはまた関係団体に属する人たち考えているように、公平にもなってくるし、当然そうあるべきだという考えが持てると思いますが、そういうふうにあなた方のほうでコントロールできないものでしょうか、その点をお答え願えれば幸いですが……。
  20. 佐久間彊

    佐久間政府委員 主として市町村共済組合についてのお尋ねでございまするので、市町村職員共済組合状況を申し上げてみますと、先ほど昭和三十九年十月一日現在で掛け金率が五十になっておるのが大分ということを申し上げましたが、そのときに二十四とか二十五とか、その大分の半分程度の県も何県かあるわけでございます。したがいまして一がいに市町村共済の全部が、非常な大きな掛け金率になってきているというわけではないわけでございます。こういう状況のもとで、一律に千分の三十五以上は、何らか別な方途を講ずるのだということにいたしますことは、やはりこれは考え方といたしまして少し荒っぽ過ぎるのじゃないか。やはりこれらの側々の事情も検討いたしまして、全体としてもう少し合理的な解決ができるという方法を検討すべきではないか。一つには先ほどちょっと申し上げましたような、高いところと低いところをある程度プールして考えるというようなこともできないものだろうかというような御意見も伺っており、検討もいたしておるわけでございます。いずれにいたしましても折半負担という原則の上で何とか事を処理できぬものだろうかということで、ただいま検討をいたしておる次第でございます。お話のようなことで折半負担そのものもくずしていくというようなことになりますと、先ほど申し上げましたような非常に基本的な問題にもなりますので、これらについては一そう慎重に研究もしてまいりたい、かように存じておる次第でございます。
  21. 秋山徳雄

    秋山委員 そのものずばりで申し上げてみたいのでありますが、かりに市町村にしても府県にしても、あるいはそれに伴う教職員にいたしましても、少なくとも地方公務員に匹敵するものだと思うのであります。これらについて、できるだけ早い期間にこれを全部一つにしていったらどうかという端的な考えが持てるわけですけれども、少なくとも地方公務員関係は全部一つ団体にしてしまって、そしてすべての運営を行なっていく、こういうことになりますならば、すべての人たちが同じ扱いを受け、同じ権利を有し、同じ掛け金でいくことになろうかと思うのですが、そういう考えは持てませんかどうか、自治省のお考えを聞きたい。かりにも自治省となれば、地方関係のことについてはこれを最も理解し、いいように、最も公平に、公務員人たちが多くの利益が得られるように指導していく立場にあろうかと思いますので、そういう点につきましてお考えがありましたならばお答えをいただきたいと思います。
  22. 佐久間彊

    佐久間政府委員 短期給付につきまして、プール制を導入をしていくというお考えでございまするが、この点につきましては昭和三十七年に社会保障制度審議会から出ました社会保障制度の総合調整に関する答申の中にも触れられておる点でございまして、これらの点につきましては将来の問題といたしまして十分検討すべきものであるというふうに考えておるわけでございます。
  23. 華山親義

    ○華山委員 関連して市町村職員掛け金率が高いという原因はどこにありますか。
  24. 佐久間彊

    佐久間政府委員 これは各県、県によりまして、かなり地域的な事情もあるようでございます。一般的に見てみますと、市町村職員の給与が、府県や都市に比べて若干低いというようなことも一つ原因になっておろうかと思います。それからまた、ところによりましては医療の——乱診乱療というと、ことばが少し行き過ぎるかと存じまするが、医療につきまして濃厚診療ということばが当たるのでございましょうか、そういう点につきましてかなり締めておりますところと、それほどでないところと、そういうふうなことも一つ原因にもなっておろうかと思いまするし、そのほか地域的に見まして、いろいろの条件が同じような県で、どうしてこんなに掛け金率が違ってきているのかということで、私どもといたしましても理解がはっきりいたしてないような事情もございます。
  25. 華山親義

    ○華山委員 私は、各市町村につきまして事情があるかと思いますけれども、一番問題は、やはり給料が違っているという点が一番大きい原因じゃないかと思うわけです。それで、給料が低くて、そして出す金が多いということは、二重に負担になるわけでございまして、私は、それはやはりどうしても同じようにならすということが必要じゃないか、こんなふうに考えるわけでございます。  なお、教員組合といいますか、教員のほうと市町村職員あるいは府県の職員について、率が教員のほうが相当低いようでございますが、これはどういうところに原因がありますか。
  26. 佐久間彊

    佐久間政府委員 前段の市町村共済につきましての原因といたしまして、町村の給与が低いことが大きな原因でないかという御指摘でございました。私も先ほどその点を第一に申し上げたわけでございまして、そこに相当大きな原因もあろうかと思います。この点につきましては、私どもといたしましても、町村給与の改善につきましては従来とも努力をいたしておりますが、今後引き続き努力をしてまいりたいと思います。  それから公立学校組合と比べてみまして、市町村共済組合が高くなっておるというのも、これはただいまお話しの給与の点も一つ原因であろうかと思いますが、そのほかの点につきましては、私も必ずしも自信を持ってこういう点にあるということをお答えできる材料も持っていない次第でございます。
  27. 華山親義

    ○華山委員 私の経験によりますと、学校の先生方のほうが低いというのは、夫婦共かせぎが多いからなんです。学校の先生には夫婦共かせぎが多いから率が低くて間に合う、こういうことになっているように思われるわけです。そういうふうなことで、どうしても給料の低い、家計の乏しいほうが掛け金が率として高いということは、私は矛盾だと思いますので、どういうふうにしたらいいかということは研究する問題が多いと思いますが、十分に御研究を願いたいと思います。
  28. 秋山徳雄

    秋山委員 それではもう一つ、二つお尋ねしたいと思いますが、地共済のほうで考えますと、大体昭和三十九年度でも八億幾らという赤字が出るようなことでもありますし、公立学校共済になりますと、二十八、九億円程度赤字が出てまいるような気もするわけですが、市町村共済にあっても同じように二億か三億ぐらいの赤字になってくるのではないか、こういう気がするわけですが、もしそうだといたしますと、これらの赤字を解消するためにはどうしたらいいのか、あるいはまたどういうお考えを持ってこれらを処理いたしますか、この点につきましてお答えをいただければ幸いだと思います。
  29. 佐久間彊

    佐久間政府委員 御指摘の数字につきましては、あるいは若干私どもの調べと違う点があるかとも思いますが、いずれにいたしましても赤字が出ておる次第でございまして、これを何らか処理をいたさなければならぬと思っておるわけでございます。ただ、最終的に、四十年度におきましてどの程度赤字になるかということにつきましては、先ほども申し上げましたように、医療費改定内容がはっきりいたしませんと算定ができませんので、その点は、その推移も見ました上で、対策につきましては慎重に検討をしてまいりたいと思います。
  30. 秋山徳雄

    秋山委員 それでは、次にお尋ね申し上げたいことは、今度ベース改定になりまして、長期給付になりますと二万円ベースがたしか三万五千円ぐらいに上がると思いますが、これに伴って多少の変動が起こってくる面があろうと思います。大体二割見当の引き上げになるわけですが、これらに伴って、組合員国家公務員共済組合法の適用内において常勤的あるいは非常勤職員としての在職した期間があるわけですね、これの関係が出てくると思いますが、これを通算するにはどうしたらよろしいのかということが考えられると思います。これらについて自治省のほうではどういうふうなお考えを持っているか、これは全然対象外としていくのか、あるいはこれを何とか救済する方法としてお考えがあるかどうかということであります。
  31. 佐久間彊

    佐久間政府委員 いわゆる常勤職員の問題でございまするが、これはその職務の内容、勤務の実態が常勤的な職務に関するものであるというふうに認められる者につきましては、従来から年金の対象といたしております。したがいまして、今回二万円ベースが二割アップになるわけでございますが、そのこととかかわりなく、従来からそのような扱いをいたしております。
  32. 秋山徳雄

    秋山委員 質問のしかたが悪いのですが、結局この法律ができたときから——昭和二十五年ですか、できて、三十何年かに変わっていますね、それについて職員市町村へ戻ったり、あるいはそのまま一貫していく人もありますね、こうした人たちについての点数計算なんか出てきますね、それについてはどうなりますかということであります。
  33. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この点につきましては、公務員といたしまして、その公務員が府県の公務員でありましても、市町村公務員でありましても、さらにまた国の公務員でありましても、全部通算をするということに、地方公務員共済組合法が成立をいたしました結果になっておりまするので、その法律のできる前の勤務につきましても通算になるわけでございます。
  34. 秋山徳雄

    秋山委員 最後に一つ聞いておきたいことは、今度の所得税法の改正によりましての関係なんですが、従来は、各府県などに多くありますけれども、互助会というのがあるわけです。この互助会についていろいろ考えが及んでくるわけですけれども、いままでは府県の条例などによって、互助会ができている。この互助会の性質は、御存じのように、医療給付の不足分あるいはその他弔慰金や出産費も入りますし、あるいはまた生活貸し付け金、退職の関係ども加味がされているのですけれども、多くの府県などの例を見ますと、大体において医療補助に対する金が多く使われているわけです。これが各府県にほとんどできていると思います。たとえば、県庁職員の互助会であるとか、教職員互助組合であるとか、市町村互助組合であるとか、いろいろ互助会ができているわけです。これらの掛け金などにつきましては、所得税法によって免税されていたわけですけれども、今度はその処置がなくなってくるわけですね。これができるときに、おそらく大蔵省から自治省の方方に、公式にか暗にかわかりませんけれどもお話があったかと思うわけでありますが、これについて自治省は大蔵省にどういう御回答をなさっておったのか。あるいはまた自治省が、そうした既得権ですからこれを守っていこうという主張をなさったにもかかわらず、大蔵省がこれをだめだということで言われたのか、その点はっきりしませんけれども、これらについて何かの形で大蔵省からお話があったのではないかと思いますが、そのときに自治省の方はどういう御回答をなさったのか、お聞かせをいただければ幸いだと思います。
  35. 胡子英幸

    胡子説明員 ただいまの互助会の掛け金に関連をいたしまして、社会保険料控除の対象に従来なっておったものを今度の法律改正でできなくなったがこの経緯はどうか、こういうお尋ねだと存じます。この点につきましては、実は所得税法の規定におきましては、条例による退職年金または一時金制度についてはこれを社会保険料控除の対象にすることができる、こういう規定になっておったわけでございます。ところが、現在の地方公務員の新共済年金制度ができましてからは、条例の規定による退職年金または一時金制度というものがなくなりまして、すべて根拠は地方公務員共済組合法に基づいて措置されておるわけでございます。その意味におきましては、新法制定当時、すでにこの所得税法の規定の存在意義自体が実は問題になったようでございます。しかしながら、一部の税務署におきましては、従来の経緯がございますので、ある程度黙認をするというような形で推移してきたというふうに聞いておるわけでございます。ところが、現在の段階におきましては、いま申し上げましたように、地方公務員共済組合法の法律に基づく年金または一時金制度のみでございますので、この法律上の規定を残す意義がなくなってまいりましたので、これを整備いたしたいという意味での話があったわけでございます。この点は法律的には大蔵省の主張されるのが正論でございまして、私どもとしてはそれに法律的に反対する理由はございませんので、この点はやむを得ないという判断をいたしたわけでございます。ただ、従来新法が制定されましてからも、互助会の掛け金につきましては、税務署の配慮によりまして事実上社会保険料控除の対象とする措置がとられてきたという事実も一部にございますので、そういった慣行というものを守っていただけるのであるならばこれは非常にけっこうなことだということで、事実上そういった措置がとられるものなら、従来どおりとっていただくようお願いはいたしておりますけれども法律としてはそういった規定を整備するということはやむを得ない、こういう判断をいたしたわけでございます。
  36. 秋山徳雄

    秋山委員 判断はいろいろしかたがありますが、現在でも府県の数からいけば二十八、九の府県で条例をもって設けているわけです。しかも、一番ウエートの強いものは何かということになりますると、これは医療に関する補助でありまして、入院をしたりなどいたしますと家族負担がかなり大きいものになります。それを補うために補助をするというふうなものであります。これは、医療関係の費用からいけばいろいろ理屈はありましょうけれども、すでに確保しておった既得権益なのであって、やはり自治省ともあろうものが、あっさりかんとそうですかということでは私はどうかと思う点があるわけです。こういうものをやはりある程度守っていただいて、もっとより以上保険行政が完備をしてきたときには考えられるかもわかりませんけれども、現段階においてはどうしてもこういったものは必要ではないかと思うわけであります。そういうことを自治省考えてくれないということになりますと、自治省信頼するに足らずというような声も出てこない限りではありません。そういうこともやっぱり考慮をしていただいて、できるだけ既得権益は守っていただくのが常識ではなかろうかとも思います。もう一たびこうしたものを考えていただいて、大蔵省にも強く進言をしていただき、もう何年かはこれを残していただくほうがよろしいのではないかと思いますが、これらについてどういうお考えがありますか、もう一たび御回答いただければ幸いだと思います。
  37. 胡子英幸

    胡子説明員 この点は、先ほども申し上げましたように、私どもとしても、そういった規定が当然削除されてしかるべきで、過去のいわばお尋ねにありますような特別の措置というものが削られてしかるべきだという判断をいたしたわけではございません。先ほど申し上げますように、法律的にはやむを得ないものと判断をいたしたわけでありますが、ただ、実際の運営にあたりまして、従来そういった措置が認められてきたという事実はございますので、今後そういったことがなお続いて認め得るのであるならば、税務署の判断としてそういったことが認められるように配意してもらいたいという要請はいたしてございます。ただ、大蔵省側の説明によりますと、他の民間の制度あたりとの均衡を考慮した場合、公務員にのみこういった特権的な制度をこのまま存置することは均衡上問題があるので、なかなか簡単に自治省の要望する線に沿って措置するとは返事しがたいということで、私たちの要望は要望として聞きおくということでございまして、今後具体的な、どのような措置になりますか、まだその点は私どものほうでは詳細承知いたしておりません。
  38. 秋山徳雄

    秋山委員 この問題について、ちょうど大蔵省からもお見えになっておりますので、大蔵省の考え方を聞かしてもらいたいと思います。
  39. 平井廸郎

    ○平井説明員 率直に申し上げまして、この問題は私この席で初めて拝聴する次第でございまして、主税局並びに国税庁と自治省との話し合いの結果であろうと思います。したがいまして、私ども個人的な判断をここで申し上げることは適当でないと思いますので御遠慮申し上げたいと思います。
  40. 秋山徳雄

    秋山委員 この問題は、いろいろ考え方がございますので、あとでまた善処をしていただければ幸いだと思いますけれども、最後に、せっかく自治大臣もお見えになっておりますので、お尋ね申し上げておきたいと思います。  先ほど来の質疑を通じていろいろお教えをいただいたわけでありますけれども地方公務員関係、これは範囲はかなり広くなるかもしれませんが、府県、市町村、教職員、警察職員などで、法が一応別々になっておって、したがって掛け金もだいぶ差があるでしょうし、各団体財政問題もありましょうが、望ましいこととしては、やはりこれを一つにまとめ上げて、できれば健保並みに、掛け金短期の場合には千分の三十五ぐらいで押えていただくのが幸いではないかと思いますが、とりもなおさずこうしたものが一つのものにできないかどうか。これに対して大臣に積極的にやってみようというお考えを持っていただければ幸いだと思います。その問題が一つ。  もう一つは、先ほどお話がありましたように、三十九年度でも各団体それぞれかなりの赤字が出るだろうと思います。これは自治省でも数字は多少違ってもある程度確認をしている事態でありますが、これらに対しまして赤字解消の方途をどうするかということにつきましての御意見を承りたいと思います。  最後に、もう一つは、いまいろいろ私のほうから申しましたように、互助会に対しまして、もうしばらくの間、保険問題がより以上りっぱなものになるまでの間、税対象からいままでどおり除外をしてもらえないか、こういうことにつきましての大臣の御所見を承ることができれば幸いだと思います。  以上、三点を大臣から御答弁をいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  41. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 お尋ねの第一点でございますが、私もできれば一元化したほうがよくはないか、かように存じております。しかし、こういう問題はなかなか、いままでの沿革等もございまして、非常にむずかしい問題ではございます。しかし、むずかしいからといって、一体このままでいいかどうかという点は、私も相当考えなきゃならぬと思う。この点は実はこの共済組合の制度ばかりでなしに、現在のいわゆる健康保険関係にいたしましても、それぞれ分かれてきた沿革はございますけれども、今日すべて皆保険の制度になりますと、やはりこれは大きい観点からひとつ考える時期に来ておるのではないかという感じを私はいたしております。しかし、こういう問題はなかなかそう簡単に自分の、ただ望ましいとかなんとかで解決する問題じゃございません。要は社会保障制度審議会でもこういう問題が議論をされておったように存じますので、やはりそういういわゆる専門的なところで検討されていくべきものではなかろうか、かように存ずるわけでございます。  それから第二の赤字対策の問題でございますが、これは実は共済組合ばかりでなしに、今日健康保険組合の問題でもございますし、また国保の問題でもあるのでございます。私は基本的にはよく申し上げておりますが、現在制度としてあります以上は、その制度の中でそれぞれこれを解消をしていくという道をとるべきではないか。しかし、それが基本的に考えて無理であれば制度を改めていくという方法をとりませんと、ただ赤字ができたから、その赤字は国が見たらどうかという御議論になりやすいのでありますけれども、臨時的なものであれば、これはその場限りで処置する方法はございますけれども、やはりこういう問題は基本的にそれぞれの制度でございますから、特に保険的な制度でございますので、その制度のそれぞれの受け持ちの分野において健全化していくという道をたどっていくべきではないか、かように存ずるわけでございます。  それから、第三の点は、先ほど来聞いておりまして、私もこれは初めてでございますが、いままで免税の処置がとられたのがどうして急にもがれたのかという感じがいたしますが、これは私、また大蔵当局とも話してみたい、かように存じておるわけであります。
  42. 川村継義

    ○川村委員 ただいま秋山委員から共済関係についていろいろ御質疑がありましたが、私、この際一言関連をして政府当局の考え方をお聞きしておきたいと思います。  申し上げるまでもなく、昭和三十六年、通算年金通則法が制定をされたときに国家公務員法の改正が行なわれた。そのときにいわゆる退職一時金について、一部の条件についてはその選択権が認められたのは御存じのとおりであります。つまり、国家公務員共済組合法の附則二十一条ですか、これによりまして、「明治四十四年四月一日以前に生まれた者」「施行日から三年以内に退職する男子」それから「五年以内に退職する女子」、これにはその選択権が認められましたけれども、それ以外の者についてはその選択権が凍結をされている。このことは毎年組合員関係で問題になって、この凍結を緩和する必要があるのではないかという要求が出ておりました。そこで私たちもとりあえず社会党として今度の国会に、少なくとも男子の分を——男子は昨年の十月ですでにそれがなくなっておりますから、四十一年の十月、女子が選択権がなくなるまでくらいは認めてやるべきではないか、こう考えて改正案を実は提案をしたわけであります。ところが、この問題については御承知のとおり厚生年金法の中に同様の趣旨が織り込まれて政府提案として提案をされました。先般厚年法が通過をいたしましたので、私たちがかねて問題にしておったものは一応解消をした、こう見ているわけです。ところが、今度の厚年法の成立にあたって、女子の分についてはさらに六年間その選択権が延長される修正がなされた。男子は来年の十月までということになってくる。そうすると問題は、また一つそこに心配の種が出てきたわけであります。  そこでお聞きしたい第一は、これは厚生省、大蔵省、自治省関係のほうでおわかりでございますならば、それぞれお答えいただきたい。ということは、現在この選択権が認められないとなると、一体地方公務員においてどれくらいの該当者があるのか、国家公務員においてどれくらいの該当者があるのか、そのほか公企体等の関係においてどれくらいの該当者があるのか、これがお聞きしておきたい第一点であります。ということは、あれだけ公務員関係からこの凍結の緩和を要望しておるということは、やはり相当の該当者があるだろうと考えておるからお聞きをするわけです。それをまずお聞かせいただきたい。
  43. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お尋ね該当者の数でございますが、これは本人の希望によって選択をさせるわけでございますので、私どもといたしまして、どの程度該当者があるかということは正確にはつかんでおらない状況でございますので、御了承いただきます。
  44. 川村継義

    ○川村委員 私がお尋ねをすることばが不十分だったと思うのですが、おっしゃるとおり、これは本人の意思になると思うのですが、かりにいま退職をする、こう言うた場合に、二十年未満の諸君がどれくらいの該当員数になるだろうか。これは非常に大ざっぱなお尋ねですが、何かその辺の、公務員の何%くらいがそういう二十年未満の該当身分であるか、こういうようなかっこうでもけっこうです。
  45. 佐久間彊

    佐久間政府委員 お尋ねの点につきましても、ちょっと推測いたしかねる状況でございます。
  46. 川村継義

    ○川村委員 それではよろしゅうございます。私もこういう選択権を永久に認めていくということがはたしていいのかどうか疑問に思っておるのですが、それはそれとしておきます。  そこで第二の点は、女子が六年間さらに延長されるということになりますと、男子は一体どう考えていったらいいか、自治省あるいは厚生省関係においては、これは男子もやはりこれを配慮して、次の機会にこれを延長する必要がある、そういうお考えをお持ちであるかどうか、これをひとつお聞きしておきたい。
  47. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この点につきましては、国家公務員共済組合、あるいは公共企業体共済組合とも共通の問題でございますので、まだそれぞれ関係のところと打ち合わせをいたしていない次第でございます。ただ私といたしますと、先般御修正になられました国会の御意思もそんたくをいたしまして、この点につきましては、関係者との間で慎重に検討してまいるべきものと、かように考えております。
  48. 川村継義

    ○川村委員 大蔵省関係でも同様の御見解をお持ちだと承ってよろしゅうございますか。
  49. 平井廸郎

    ○平井説明員 この問題は実は給与課長所管で、制度問題でございますから、私のほうとしても、ちょっと自信のある回答をすることができないわけでございますが、確かに昨年の改正案におきまして、女子と一応年限を合わせたことは事実でございます。したがって、今回厚年法の改正によりまして女子をさらに六年間延長を認めたという前提の上におきまして、あらためてこの問題を検討する必要があるというふうに考えております。
  50. 川村継義

    ○川村委員 くどくお尋ねをいたしませんが、やはり公務員が退職の場合に、不利な条件で一時金を受け取るということにならないように、いま佐久間局長から答弁をいただきましたように、関係の皆さん方で十分検討していただいて、次の機会に早急に——やはり男子と女子と同一に見るか見ないか、はなはだむずかしいところがありますけれども、やはりある程度歩調をそろえて考えてやる、こういうふうにひとつ検討していただきたい、これだけ要望いたしておきます。
  51. 中馬辰猪

    中馬委員長 門司亮委員。
  52. 門司亮

    ○門司委員 時間もございませんので、ごく簡単に二、三の問題だけお聞きしておきたいと思います。  その前に、法律の条文について、ここだけではございませんで、この法律にはところどころに出てくる字句でありますが、たとえば四十一条の一番最後のところに、「より少ないときは、当分の問、その額を当該遺族年金の額とする。」ということで「当分の間、」ということが書いてありますが、この法律にはこれがところどころに、実は附則のほうにもあります。私は法律を審議する場合に、こういう字句で一体当分の間というのはだれが査定をするのかという問題が出てまいります。おそらく法律でありますから、自治大臣がこれをやるのだということで、必要なときに打ち切るとかなんとかいうことになろうかと思いますが、法律でこういうあいまいな字句を使うことは実際はどうかと思うのですが、こういう問題は、年限は政令に譲るとかなんとかいうことで明確にできませんか。
  53. 佐久間彊

    佐久間政府委員 この地方公務員共済組合法の長期給付等に関する施行法は、御承知のように経過規定を定めておるものでございまするので、実はこれを立案いたします際に、参考といたしました国家公務員共済組合法の施行法におきましても、「当分の間、」ということで経過的な措置を定めております例にならいまして、四十一条もさような規定をいたしたわけでございますが、別段何年問くらいでこの措置を打ち切るというようなことをただいまのところ考えておるわけではございません。
  54. 門司亮

    ○門司委員 それはそういうことだと思うのです。だからこういうことが書いてある。施行規則の中にもこういう字句がところどころに見えますよ。だから私の聞いておりますのは、こういうあいまいな字句を法律に織り込むことがよろしいかどうか、この期間は政令に譲るとかなんとかいうことになっておればいいと思うのですが、法律に書いてしまうと、その字句を一体だれがどういう観点から——「当分の間、」という字句がなくなるときはいつかということをだれが責任を持ってやるかということになれば、法律のたてまえだから、大臣だ、あるいは内閣だということに理屈においてはなろうかと思います。しかし法律の法文としては、きわめてあいまいな字句である。親切にやるなら、こういうところはやはり政令か何かに譲ったほうがやりよいのではないか、法律用語としての使い方と、それから問題は、きわめてあいまいなうちに法律がきめられておるというところに問題がありはしないか。法律ですから、やはりきちんとしたものにして、そうして法律で書けないものは政令に譲るとかなんとかいうことにして、明確にしたほうがいいのではないか、そういう意味で私は聞いているのです。
  55. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先生の御指摘、まことにごもっともな御指摘と存じます。立法の態度といたしましては、「当分の間、」というあいまいなことではなしに、できるだけ明確にすべきものと存じます。御指摘になりましたような場合に、政府限りにおきましてかってに「当分の間、」の字句をきめるということではございませんで、やはり法律改正をお願いをいたしまして、この措置を廃止する場合には御審議をいただかなければならぬ、かように考えておりますので、その点は政府間でかってにするというつもりはございません。
  56. 門司亮

    ○門司委員 そう押し問答していると長くなりますから、厚生省の諸君が見えておるようでありますから聞いておきたいと思いますことは、国家公務員もそうですが、現在地方公務員共済組合法を審議しているわけでありますが、この中で民間団体の健康保険組合と、この共済組合法によるものとの間には、給与その他で私はかなり差額がありはしないかというように考えます。それから掛け金等についても、むろんかなりの——私は健康保険組合のほうがいろいろな事業主がどれだけ持つとか、片一方がどれだけ持つというような問題が実際上はいろいろあります。したがって療養の給付、あるいは掛け金の問題等について、もしごく簡単に比較のできるような表があれば、ひとつ出してもらいたいと思うのです。何かございますか。
  57. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 ただいまここに資料は用意してございません。
  58. 門司亮

    ○門司委員 そうだといたしますと、この法律案はきょうの一時ごろまでに通してくれということでありますから、あとその資料を要求しても、この審議には間に合わないと思いますから、後日でもよろしゅうございますが、一応こういう法律審議をする場合には、同じような労働者として、多少違う面があるかもしれませんが、この中に含まれるものとして、民間の産業、工場と同じような仕事をしている諸君がかなりいるわけでありますから、できるだけこういう制度は、働く者の制度としては、やはり同じような処遇をされることが望ましい。そういうことがまた保険の統一にもかなり大きな前進にもなると思いますから、それらの参考資料として出しておいてもらいたいと思います。そう急がなくてもよろしいと思います。この会期中くらいに出しておいてもらいたいと思います。  それから、その次に聞いておきたいと思いますことは、この制度の改正が大体いつごろから行なわれるかという問題が一つあろうかと私は思います。改正法には十月一日と書いておるようでありますが、実際上の問題として、改正法のほんとうに動き出す時期が、法律に書いてある時期で完全に実施できるかどうかということについて、私は多少の疑問を実は持っておるわけなんです。これは疑問ございませんか。その理由を詳しく話していると長くなりますから……。
  59. 佐久間彊

    佐久間政府委員 私どもといたしましては、御提案申し上げる際にいろいろ検討いたしましたが、十月一日から施行ということで支障ないものと考えております。
  60. 門司亮

    ○門司委員 そのことは、私が懸念いたしますのは、こういう制度が変わるときには十分の期間とそれからもう一つ公務員自身に十分に徹底する期間がかなり必要だと私は思うのです。それが、この法律が通って十月一日からだということで、一体間に合うかどうかということ、これはたいした改正じゃありませんから、条文自身についてはこれだけの改正でありますから、そうむずかしい問題ではない。だから法律自体の性質からいえばところてんみたいなもので、片方が変わったからこっちも変えなければならぬということで、たいした問題の起こるものではないと思う。しかしこの種の法律は、個人個人にとりましては実は直接関係がある問題であります。したがって、その趣旨が個人個人の利害にかなり関係を持っておるだけに、十分行き渡って間違いのないように行なっていかないと、往々にして、どうもそういうことを知らなかったというような連中が出てくる危険性が、今日までのこの種の法律の改正にはつきものです。したがって、いま念のために、十月一日とこれに書いてあるがそれでよろしいのかと聞いたわけでありますが、それが完全にできるという見通しがあれば、私ができないと言ってもそれは議論の余地がなかなか尽きないと思います。  その次に聞いておきたいと思いますことは、今日の一番大きな問題になってまいりますのはやはり何と言っても長期給付の問題と、これにからんだ健康保険の所在といいますか、これがかなり大きな問題になろうかと私は思う。しかしそれについては、先ほど資料をお願いしてそのことで考えてみるほかございませんので、端的に聞いておきたいと思いますが、現在のこの制度による、いままでいろいろ議論をされておりますものの中からわれわれが考えなければならないのは、この制度が赤字が非常にあって、そうして運営に非常に困るというふうなときの責任の所在です。これは民間の組合であるなら、足りない金は何も事業主が出しさえすればよろしいということで、これは協約の中でできると私は思う。しかし共済組合法にはそんなものは実際は書いてない。組合決定によって、より以上の負担がかさんだ場台には事業主が支払えということはここにはちょっとも書いてない。そうなってまいりますと、それが組合赤字になって、先ほどから議論になりますように、国がどうするかという問題が当然出てくる。したがって、この赤字の所在をどう解消するかということについてはある程度明確にする必要がありはしないかということ。それは現在あります民間の保険組合の中にも、そういい組合ばかりは実はございません、悪いものもあります。たとえば政府が直接管掌いたしております、というよりも準国家公務員として取り扱っておる駐留軍の労働者の健康保険組合赤字でどうにもならない。そうしてその責任の所在が一体どこにあるかということになると、なかなか大蔵省もやかましいことを言って、ことしの予算ではかろうじて六千万円だけを出しておる。そうして、保険組合はそれだけもらったところでこれはどうにもならない。これは政府管掌にしてみたところで、結局足りないものは足りない。それでかりに政府管掌にしてみたところで、やはり赤字の問題は処理しなければならない。したがって、この種の問題の赤字の処置というものは、私は非常にめんどうな問題が起こると思うのだが、これは自治大臣にはっきり聞いておきたいと思いますが、こういう赤字の処置は、一体どこに責任の所在があるかということ。私どもは、法律のたてまえからいけば当然その赤字は、不当なものじゃない限りにおいては国がやはり始末していくべきものだ、こう考えるのですが、この点はどうですか。
  61. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 これは先ほどもちょっと申し上げたのでございますが、保険制度となりますと、その制度は、いわゆるそれぞれの負担区分において制度ができておるわけでございますから、赤字ができますればその負担区分に従って解消していく、これはあたりまえのことを言っているにすぎないのでありますけれども、やはりそのたてまえをとらざるを得ないのじゃないか。ただそれが一時的なものであるとかどうとかいうことになりますれば、それは一時的な救済の処置というようなこともあろうかと思いますけれども、やはり赤字原因というものは相当制度的なものの中で出てくるものではないかと思いますので、したがってれそぞれの負担区分でやる。たとえば医療費が上れがば、上がるものは負担区分において、使用者側の区分は使用者側が持つ。それから組合側負担する部分はそのほうの負担で見ていくというふうなたてまえをとらざるを得ぬじゃないかという、これは原則論でございますけれども、感じを持っておるわけでございます。
  62. 門司亮

    ○門司委員 いまの保険制度の原則論からいえばそういうことだと思います。しかしこの制度は、保険制度の原則論だけで論じられる現在の社会の状態ではないと思います。これは少なくとも社会保障制度の一環として見ることのほうが、今日の状態ではよろしいのではないか。それを単に社会政策的の見地からだけ見ていけば、いまの大臣のような御意見が出てくると思う。これは社会政策として見るべきものでない、やはり社会保障として見るべきじゃないかというように私には考えられます。そうすると制度自身というものは、やはり国の責任において行なうという形をとるべきではないか。いわゆる保険制度自身というものが、社会政策的に一つ保険制度があるのだという範囲をこえているのではないかというように考えるので、いまお聞きしておるのであります。  同時に、この地方公務員共済組合赤字の問題の一つ原因としてあるのは、何といっても自治体の合併その他による職員の減員その他がこれに大きな作用をしているのではないかということが一部考えられるのではないかということが実はあるのであります。それはどういうことかといいますと、結局町村合併その他によって、それから職員を減らすというたてまえが出てまいりますと、結局法のたてまえから、法律の文面からいけば、五十五条の規定になろうかと思いますが、結局は組合員でなくなって、掛け金をかける必要はないが、療養の給付を受ける資格を持っている人がだんだん出てきやせぬか。これはやはり町村合併に伴う一つの現象であって、何も公務員諸君のせいでは決してない。こういう形が出てまいりますと、結局その負担だけはやはり組合がしなければならぬということにならざるを得ないと思うのです。そういう問題は組合員自身のせいではない、地方公共団体のあり方の一つの責任であるということになってまいりますと、これを被保険者だけに負担させることは困難である。だから国が負担するか、あるいは地方の公共団体がその分を出してくるかということが当然考えられなければならぬ。そういう点等について、この法律で国の責任と、その次に出てくる被保険者との関係は、やはり地方の公共団体ということになろうかと私は思います。その辺はどうなりますか。いまの大臣のお話では、国のほうでは負担区分で何とかやっていくべきであるという、何かめんどうを見るような見ないような御答弁をされておりますけれども、それからもう一つ下の直接関係のある地方公共団体が足りない分を一般会計から出していくということにしないと、いつまでたってもこの赤字の解消はできない、その所在は国がやるべきか、いま申しましたように地方の公共団体がやるのか、どっちかがやらなければ、赤字ができて、そうしてこの給付内容が悪くなるというようなことになれば、結局被保険者がそれだけ損をする。損をするということばはどうかと思いますが、不遇になるということにならざるを得ないと思います。その辺はどうなりますか。
  63. 佐久間彊

    佐久間政府委員 先生の御指摘になられました、町村合併の結果退職をいたしました職員について、発表後五年間というものはさらに町村が給付をすることになっております。そういうことが赤字一つの大きな原因でないか、かようなお尋ねであったかと存じますが、私どもの観察によりますると、その影響は全然ないというわけじゃございませんけれども、別段さほど大きなものというふうには考えておりません。  それから、次にお尋ねのございました、赤字が出た場合に国が見るのかあるいは地方公共団体が見るのかというお尋ねでございまするが、国の点につきましては、先ほど大臣がお答えになられたところでございます。地方公共団体の場合におきましても、問題は、現在法律のたてまえといたしておりまする地方公共団体職員とが折半で負担をするというこの原則をどう考えるかということでございまして、この原則を貫いてまいりますならば、掛け金をそれだけ増して赤字を補てんする、かようなことになるわけでございます。この点につきましては、先ほど大臣のお答えにもございましたように、一時的なものではなくて、恒久的に非常に過重な負担になる、赤字になるということになりますれば、制度的に検討もいたしていかなければならない、かように存じておるわけでございます。ただ、問題は地方公務員だけでございませんで、国家公務員公共企業体、あるいは健康保険全部を通ずる問題でございますので、十分慎重な研究を要する問題であろう、かように存じておる次第でございます。
  64. 門司亮

    ○門司委員 そうしますと、最近のように医療費が上がってくる、薬代が非常に上がってくる、医療の施設が非常に改善化されてきて、結局従来の掛け金だけでは満足なことができない。そこでやむを得ず、協議の結果、上げるということにならざるを得ないと私は思う。しかし、負担をする被保険者の側から見ますると、おおよそこれらの問題についての負担の限度というものが実はあるわけであります。これは給与生活をしておる限りにおいては、限度というものがなければならぬはずであります。したがって、その限度の範囲を一体どこに置くかということで問題になってまいりますのは、結局掛け金の対象になっておりまする給与の額、いわゆる所得というものについての割合を、どういうふうにそれをまかなっていくかということを、大体保険制度である限りにおいては、やはり考えざるを得ない。その辺についての、標準月額というような形で、現在一般の健康保険であるならば頭をちょん切っておりますので、負担区分の問題等についても、議論をすればいろいろあろうかと思いますが、とにかく一面においては、使用者側のほうである程度負担をしていくということで今日まかなわれておりますが、共済組合関係においては、私は現在においてはそういうことは困難だと思う。そうなってまいりますと、結局どこまでいっても、医療の今日の改善されておる、医薬の非常に高くなっておるということ等から考えて、勢い、大臣のおことばをそのまま使ってまいりますと、結局掛け金を高くしなければならない。高くしようとすれば、そこには給与生活者である限りにおいては、やはり限度というものを考えないわけにはいかない。ただ無制限に、それを高くなったから上げるというわけには、私はなかなかいかないと思う。その辺の線を一体どの辺までに引くつもりなのであるか。赤字の問題がたびたび問題になってまいりますから、私は申し上げておきたいのはそのことである。掛け金の限度というものは、現在の掛け金の限度でよろしいとお考えになっておるのか、あるいはこれのパーセンテージをふやさなければならぬ。基本的にはふやすのです。何もスライドするというのじゃなくて、基本的にふやさなければならぬというお考えであるのか。その辺もしお考えがあるならば、お聞かせ願っておきたいと思います。
  65. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 この点は御指摘のとおりではございますが、しかし基本的な大事な問題でございまして、先ほど私が原則論的に申し上げましたように、この種の制度は制度として立っていくべきものでございますので、たとえば、医療費が上がれば、上がった分について折半負担であれば折半負担において改定をせざるを得ぬじゃないか、かように存じます。しかし、それには大体の限界があるのじゃないか、幾らでも上げれば上げられる性質ではないのじゃないかということもごもっともでございます。しかし、それはいわゆる給与の中においてそれがどのくらいの部分を占めるべきかという問題にも関連してくる問題でございます。したがいまして、またこの種の問題は、ただこの共済制度だけの問題でなくて、一般にこれに類似した各種の保険制度にも関係する問題でございます。したがいまして、私が先ほど申しましたように、こういう基本的な問題は、社会保障制度審議等において基本的に考えていくべきものであろう。しかしそれが改定のない間は、やはりその原則論に従って、それぞれの分野においてこれを解決をしていくということ以外にないのじゃないかという感じを私はしておるわけであります。しかし、折半が永久的なものであると言っておるわけではございませんけれども、この種の制度というものは、やはり基本的な制度として成り立っておるのでありまするから、そう簡単に赤字が出たからすぐどういうふうに変えるというわけのものでもないじゃないか。基本的に考えていく必要があるということで、社会保障制度審議会等でこれは考えられるべき問題であり、同時にまた考えられておるところだ、かように存じております。
  66. 門司亮

    ○門司委員 そうすると、こう解釈していいのですか。制度の改正等については審議会の答申を待ってというようなことで、それがいつでも当局の逃げることばでありますから、ここで聞いておきますが、もう一つの問題は、これらの内容のものについては、いわゆる都道府県や市町村共済組合に関する一つの条例である程度解決ができる。考えようによってはできないわけではございません。何も法律で折半、折半と言わなくても、私は条例である程度やればやれると思います。それは必ずしも法律違反にはならないと思いますが、そういう考え方はどうですか。そういう考え方でやれるということになりますか。
  67. 佐久間彊

    佐久間政府委員 地方公共団体が条例で法律のたてまえを変更できるかというお尋ねでございまするが、その点は、現在の法律のたてまえからいたしますると、できないという解釈をいたしております。
  68. 門司亮

    ○門司委員 問題は、したがってあとに戻るわけでありますが、地方公共団体が、共済組合に対する一つの条例で掛け金の問題をああする、こうする、あるいは療養の給付の範囲をこうするというようなことが、かりにいまのお話のように、私は必ずしも法律違反であるかどうかということについては一この問題については実際は異論があると思うのです、それから、法律にはそれらの具体的な問題を現実に示しておりません。ところが実際の問題としては、そのときそのときに、医療費が上がった、あるいは医療のいろいろな関係で、結局被保険者のためには、こうすることがよろしいのだということが考えられないわけではございません。したがって、現在ではそういうことはほとんどないと私は思いますけれども、あるいは地方によってはあるかもしれない。いわゆるいまの医療範囲をこえた物理療法その他という問題がやはり出てくる。それらの問題は、どう考えても現在きめられておる範囲よりも、そういう物理療法というようなもののほうがいいのじゃないかというようなことが一応考えられて、それを取り入れていくことができるかどうかという問題、これらの問題については、一般の普通の会社や工場の健康保険組合でありまするならば、組合の決議によって容易にこういうことはなし得る性質を持っております。しかし共済組合という、国家公務員法、あるいは地方公務員法に基づくこの種の問題については、そういうことが許されるかどうかということ、どこまでもきめられた範囲だけしかやれないのだということ、幅がちっともないのじゃないかということになると、私はある程度の幅がなければほんとうの療養の完全性というものをなし得ないのじゃないかというように考えられる。これは物理的の療法については、実際は医学上認められておるとか、認められてないとか、疑問があろうと私は思う。だから療法の範囲をふやしていこうとすれば、そういう問題が現実的に残っておる。たとえば外傷の後遺症をどういうふうに治療していくかというような問題、あるいは神経系統の病気をどういうふうに治療するかというような問題、これらの問題については、そういう物理的の療法等が必ずしも悪いものではないのじゃないかという気が私はする。それを被保険者が要求する場合には、いや法律がこうなっているのだから、そんなものは一切がっさいだめだということになると、被保険者に対してはきわめて気の毒だ。しかしそうすることによって、それが被保険者のためになるなら、法律の範囲と言っておりますけれども掛け金の問題はなるほど法律負担区分を明確にしているかもしれない、しかし療養の範囲については私は法律で必ずしも明確になっていないように大体法律自体を見るのですが、その辺はどうなりますか。
  69. 佐久間彊

    佐久間政府委員 共済組合におきまする地方公共団体組合員との負担割合は、法律に明定されておりますので、これを変更いたしますことはできないのでございます。それから給付につきましては、法律できめてありますもののほか、いわゆる付加給付と申しておりますが、若干のものを給付の内容として付加することは可能でございます。ただ先生の御指摘になりましたような医療費内容につきましては、これは保険について厚生省が告示をいたしましたものを共済組合におきましても用いるたてまえになっておりますので、その点は幅はないのではなかろうかと存じます。
  70. 門司亮

    ○門司委員 いま最後のところ、ちょっとあいまいでしたが、厚生省はどう考えておりますか。
  71. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 いま共済組合につきまして御説明がありましたように、健康保険診療方針なり診療報酬なりが定められております。それを現在共済組合その他が準用しているということでございますので、この点については差はないというように私どもも解しております。
  72. 門司亮

    ○門司委員 私の聞いていますのは、その辺については差はないですよ。きめられた範囲については差があるはずがない。ただこれを、付加給付といえば付加給付といえるかもしれないが、たとえばさっき私がちょっと申し上げましたような、新しい物理療法その他がきめられた範囲から出ている、それがかりに議論になって、そういう後遺症その他については、そういう療法がいいのじゃないかという問題が出てくる。しかしこれはいまの医学の上からいって、それが認められるかどうかということについては多少の疑問がある。しかしそのことが被保険者のためいいとするならば、そういう問題も条例によって必ずしも法律違反という厳密な解釈をとらなくても、多少付加給付その他の形があるのですから、ないわけじゃないのだから、私は条例でやれるのじゃないかというような気がするのでありますが、やはり厚生省としてもそれは条例でも何でもやれないのだ、きめられただけしかやれないのだ、こういうことですか。
  73. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 ただいまの付加給付の私ども考え方は、結局現在認められております給付に付加して支給をするというのが付加給付のたてまえであるというように考えておりますので、付加給付として何でもできるというようなことは、私どものほうとしても取り扱い上認めてないわけでございます。
  74. 門司亮

    ○門司委員 一向話がわからぬようでありますが、私が聞いておりますのは、病気の実態と現在の医療の制度とのずれ、ということばを使えば悪いかもしれませんが、実際法律できめられておる範囲というものが——医術というものはほんとうに進歩をしておりまして、手の届かないところが、——いわゆる法律できめてしまいますと、どうしてもその法律が改正されるまでは一年でも二年でも、あるいは長ければ五年でも十年でもそのままになっている。しかし医学のほうは毎日進んでいっている。毎年学会等の発表を見ておりますと、新しい診療法、新しい薬というものが出てきている。したがって、被保険者のほうからいいますと、やはりそういう新しい治療法、新しい薬を使いたいというのは当然ではないかと思う。その場合に、法律のワクできまっている、これは法律を改正しなければどうにもならないのだということになると、きわめて不便であって、これは被保険者のためには必ずしもいいとは思わない。したがって、そういうことが市町村あるいは都道府県の条例の中で多少やれる範囲があってもしかるべきだと私は思う。またそうでなければならないと思う。何でもかんでも法律で縛った範囲だけだということになると、毎年法律の改正をするということにならなければ、結局療養の給付の範囲だとか、あるいはその他の給付の範囲というものがめんどうになってしまう、——めんどうというよりも、実際にそぐわない面がありはしないか、こういう意見で終始して私は聞いておるのでありますから、できなければできないでよろしゅうございますよ。できなければできないで、結局被保険者はそれだけ不幸だということに落ちつく以外にない。しかし私としては、何とかそういうものができるようにどこかで処置をしておきたい。それにはかりに条例できめることができるというならば、個々の保険組合が条例でこれを直していくということで私はよろしいと思う。しかし、これがいまお話のように、法律に違反するから条例ができないのだということになると、これ以上聞く必要はないと思うが、その辺はどうですか。どうしてもずれが出てくるんですよ。これにはあまり法律だけで縛られておりますと、さっきから私も申し上げてくどいようでありますけれども、毎年、毎年、あるいは毎日進んでいる医術の状態と、療養の範囲というものとの間に、どうしてもずれが出てくる。したがって、そのずれをなくすることがやはり被保険者のためだ、こう私は考える。したがって、費用の問題もありますし、いろいろの問題もありましょうが、それをやることが法律でなければ絶対にできないということになると、結局被保険者は新しい治療というものは受けられない、こういう形にならざるを得ない。そうなってまいりますと、この法律自身というもののたてまえが、被保険者をあまりにも拘束し過ぎる、こういうことになりますので、お聞きしておるのでありますが、もう一応はっきり、そういうことは絶対にできないのならできないのだ、やれるならこういう方法で多少やれるのだ、その辺を明らかにしておいていただきたいと思います。
  75. 穴山徳夫

    ○穴山説明員 その給付の内容につきましては、一々法律に書いてあるわけではございませんで、結局診療方針あるいは診療報酬の内容の問題になってくるわけでございます。したがって、確かに医学、医術というものは日進月歩の状態でございますから、それはやはり被保険者のためにどしどし取り入れていかなければいけない。ですから、その解決の方法というのは、むしろ私ども診療方針なり診療報酬の内容にそういったようなものをどんどん取り入れまして、それで結局いわゆる医療保険の制度全体がと申しますか、すべての被保険者が、あるいは共済組合組合員が、同じように日進月歩の医療を受けられるというように措置すべきだと思うわけでありまして、個々の組合の条例で措置するというよりは、むしろこれは私どもの態度として、日進月歩のそういったようなものをどしどし取り入れて、内容を改善していくという方向で解決すべきであるし、またそうすることによって一部の方だけではなくて、全部の被保険者なり組合員というものが、ひとしくすぐれた医療内容を受けられるということになると思いますので、私どもはそういったような方向で解決していきたいと思っているわけであります。
  76. 門司亮

    ○門司委員 これだけで私はやめますけれども、いまのお考えはきわめて官僚式のものの考え方ですね。あなた方がやらなければ日本全体の人が不幸な場合どうしますか。あなたのほうがやらなければ、みんな不幸でよろしい、裏からひっくり返して言いますと、こういう議論になります。あなた方がお釈迦さまや聖徳太子みたいな、きわめて明敏な人であればけっこうですけれども、どうも必ずしも聖徳太子のようなわけには私はいかないと思う。そこで、おれのほうできめてあげるから、それにみな従えということよりも、やはり地方の公共団体に自主的に幅を持たしていただく。なるほど厚生省という高いところから見れば、Aの組合はよくて、Bの組合は悪いから、これは政府として平らにしたいという官僚の意識だと思います。また一つのものの考え方だとも考える。それではさっきから申し上げておりますように、法律が変わるまで、考え方の変わるまで、現状維持でなければならないかというところに、今日の保険の運営の中に非常に問題を蔵しているであろうと私は考える。こういうことをしてもらいたいと言っても、どうもきめられた療養の範囲を越えておる、あるいはいろいろな問題が出てきて、これがやはり議論の種になる。この種の問題は、何といっても被保険者が中心であって、人間の健康体を守るという一つの大きな仕事でありますから、やはりできるだけ幅を持たせて、地方の自治体で、ある程度そういう問題が組合の合議の中でそしゃくされていくようにすることのほうが望ましいのではないか、またそういう性質のものではないかというように考えて私はお聞きしておるのでありますから、あなたの御答弁のようなことなら被保険者はきわめて不幸だと思う。そこで、一切がっさいが政府の指示に従えということになって、実際の組合の運営というものはしゃくし定木になって、妙味ということばを使えばいかがかと思いますが、運営にちっとも味がない医療行政になる。これではほんとうの医療保険というものについての効果がある程度そがれるという気がするから、実は聞いておるのでありますが、自治大臣はどうなんですか。私はどう考えてもやはりある程度地方に幅を持たしてもらわなければうまくいかないんじゃないかと思うのです。それから他の組合と多少違っておっても、ちっとも差しつかえない性質のものだと私は思います。これは被保険者の要求にこたえてやる一つの新しい制度であってみれば、私は、必ずしも一律一体で、役所の命令どおりに動かなければならぬ筋合いのものでないと思いますから、そのくらいの幅は今日の自治体に持たせてもよろしいんじゃないか、こう考えるのですが、自治省考え方としてはどうなのですか。
  77. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 門司さんの御意見も私は一つ考え方でございますと思いますが、しかし今日は皆保険状態でございまするし、いま御指摘になりましたようなことは、ほかにもやはり考えなければならない問題でありますので、厚生当局が考えましたように、そういう点は刻々に改善をして、できるところはやるということでなしに、全般的に考えていくべきじゃなかろうか、かように存ずるわけでございます。
  78. 中馬辰猪

    中馬委員長 、安井委員。
  79. 安井吉典

    安井委員 地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に関し、なお問題点はあると思うのでありますが、二点について自治大臣から率直な御答弁をいただきたいと思います。なお退職年金のスライド制の問題その他についてもお尋ねいたしたいのでありますが、時間の関係もございますし、先ほど来の各委員の御質問の中で相当明らかにされておりますので、その点には融れないことにいたします。  私のお尋ねいたしたい第一点は、最近の地方公務員共済組合短期給付の現況を見ますと、医療費の増加に伴い財政悪化が進み、かつ組合員負担が漸次増加する現状であり、その上に医療費緊急是正の問題が生じ、財政悪化と負担増加の傾向は一そう大きな問題となってきております。しかるに、今回の政府提案におきましては、短期給付の問題点には何ら触れられておりませんことは遺憾であります。そこで、わが党は、議員提案をもって、政府提案とは別に二〇%国庫負担制度の創設等を内容とする地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案提出したわけでありますが、残念ながら今国会での成立の見通しは薄くなっておりますが、もし成立する見通しがない場合は、当然継続審査とすることに御了承を得ているところであります。しかしながら、これらの問題は、わが国の医療保険制度がきわめて複雑で、社会保障の名に値しないとさえ申したいくらいで、その内蔵するさまざまな矛盾を根本的に検討し、解決するのでなければならないと思うわけであります。それはそれとしても、共済組合短期給付についても、どうしても国庫負担制度をこの際検討すべき段階にきていると思うわけでありますが、いかがでしょうか。
  80. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 これは先ほど来いろいろと問題になっている点でございまして、私どもも今日の共済組合短期給付については、医療費の問題等に関して相当苦しい状態であることは存じております。したがいまして、これにすぐ国庫負担をするということはなかなかむずかしい問題と思いますけれども、しかし先ほど来申し上げまするように、この問題は他の保険との関係もございまするし、また基本的に社会保障制度審議会等におきましても論議される問題と思いますので、私どもといたしましてもこれに反対ということではなくて、努力はいたしますけれども、いまここで明確に負担をいたしますということは申し上げにくいと思います。しかし、十分この点は私ども検討していくつもりでございます。
  81. 安井吉典

    安井委員 前向きに検討されるものと解してよろしゅうございますか。
  82. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 もちろん、検討するということは、そういう趣旨考えておるわけでございます。
  83. 安井吉典

    安井委員 お尋ねしたい第二点は、地方会議員の退職一時金の問題であります。この件につきましては、各地方会議員の皆さんから創設についての強い陳情があり、そこでわが党も自民、民社両党とともにいわゆる三党共同提案の形で後ほど修正案を提出する運びにいたしているところでございますが、現行の地方会議員年金制度は、一時金的な支払い部分をもあげて年金給付に充てるということで成り立っているわけであります。したがって、一時金制度を新設するには、当然掛け金率の引き上げが必要となり、増加した掛け金で一時金給付をまかなうという形をとらざるを得ません。そこで、われわれは一時金制度を含め、将来共済給付額が増大し、地方公共団体負担を過重にするおそれのあるときは、当然掛け金率改定等の措置を講ずべきものといたしたいわけでありますが、政府のお考えはいかがですか。
  84. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 お説のとおりだと思います。そういうふうになってくるかと思います。
  85. 安井吉典

    安井委員 なお、都道府県、それから市、及び町村の各議会の議員の在職期間の通算の問題があります。現実にはいろいろめんどうな問題もあろうかと思うのでありますが、これについても自治省として検討をしていただくべきだと思いますが、いかがですか。
  86. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 私も、御趣旨はごもっともだと思うのでありますが、実際上の面になってくると、非常にむずかしい問題だと思います。しかし、この点もあわせて検討はいたしてみたい、かように存じております。
  87. 安井吉典

    安井委員 最後に、つけ加えてもう一点だけ確かめたいわけでありますけれども、以上申し上げましたような点は、政府において早急に適切な措置を講じていただくべきだと思うのであります。当面、明四十一年度において、相当部分の解決をしていただかなければならないと私は考えるわけでありますが、いかがですか。
  88. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 こういう問題は、そういつまでも、ゆっくりというわけのものじゃありませんから、もちろん急ぎ検討いたしますけれども、しかし四十一年度にどれだけやるという約束はなかなかできにくいことでございます。しかし検討は、私ども前向きにできるだけ早く実現したいという努力をいたすつもりでございます。
  89. 中馬辰猪

    中馬委員長 ただいま一括議題としております両案中、内閣提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案についての質疑は、これにて終了いたしました。     —————————————
  90. 中馬辰猪

    中馬委員長 この際、奥野誠亮君、安井吉典君、門司亮君から、三派共同をもって内閣提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対し修正案が提出されております。
  91. 中馬辰猪

    中馬委員長 提出者から趣旨説明を聴取いたします。奥野誠亮君。
  92. 奥野誠亮

    ○奥野委員 ただいま議題となりました自民、社会、民社三党の共同提案にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。  御承知のとおり、現在地方公共団体の議会の議員に対する退職給付としては、地方公務員共済組合法に基づく地方会議員共済会による給付が行なわれておりますが、これは多年にわたり地方公共団体において議会活動に従事した議員に対し老後の生活を保障し、あるいはその遺族の生活の安定をはかるという互助年金制度の趣旨を受け継いで、公務傷病年金の場合を除き、議員としての在職期間十二年以上を要件とする年金給付であります。  しかしながら、地方公共団体の議会の任務の重要性にかんがみ、これを組織する議員及びその遺族の生活の安定に資するという見地からすれば、このような共済会の給付はいまだ不十分であります。たとえば現在給付の原資は、議員の互助の精神に基づき、報酬から拠出する掛け金にこれを仰いでいるのでありますが、退職年金支給の実績を顧みますと、地方会議員の約六割が在職十二年未満で退職するため、この制度の恩恵に浴さず、掛け金がいわゆる掛け捨てとなっているのが現状であります。また同じく本共済組合法の適用下にある地方公共団体の長等について、年金受給資格に達しない者に対する一時金支給の制度が設けられておることと対比すると、退職給付制度上の均衡を失しているといわざるを得ません。都道府県、市及び町村の各議長会から、掛け金率の引き上げを前提とする一時金支給制度の創設に対する強い要望が再々なされているのも無理からぬことと存ずるのであります。  以上のような事由によって、この際、地方議会の議員について、退職一時金等の支給を行なうための修正案を提出することとした次第であります。  次に、修正案のおもな内容について御説明いたします。  まず節一は、退職一時金等の支給に関してであります。議員が在職三年以上十二年未満で退職し、または死亡した場合、共済会は退職一時金または遺族一時金を支給するものとし、その額は在職期間の区分に応じて在職期間にかかる掛け金総額の七割ないし九割とするものと定めました。  第二は、退職一時金の支給を受けた再就職者の退職年金等に関する調整についてであります。すなわち、退職一時金の支給を受けた後、再び地方議会の議員となって退職年金を受けることとなった場合の年金額は、一時金の基礎となった在職年数に応じて一定の金額を控除することとするほか、同様な場合の公務傷病年金または遺族年金についても所要の調整を加えることといたしました。  第三は、掛け金についてであります。退職一時金または遺族一時金の給付に要する費用をまかなうための所要額を保険数理に基づいて算定し、これに見合うものとして掛け金の率を標準報酬月額の現行百分の五から百分の七に引き上げることとしております。  なお、この掛け金率の引き上げは、一時金の給付に要する費用に充てるためになされるものであり、将来このため地方公共団体負担が加重されるおそれが生じた場合においては、掛け金率等につき必要に応じて検討がなされるべき旨を附則において定めております。  第四は、在職期間として引き続く場合においてであります。議員が任期満了、または解散による選挙、あるいは市町村の廃置分合等に伴う選挙によって再び議員となった場合等には、前後の在職期間は引き続いたものとみなし、当該退職にかかる給付は支給しないこととしております。  第五は、経過措置等についてであります。以上の措置は昭和四十年六月一日から施行するものとするほか、昭和二十二年四月末以降施行日の前日までの在職期間は一時金の支給資格の基礎となる在職期間に算入すること、施行日前の在職期間にかかる掛け金の額は、一時金支給額の算定の基礎に算入しないこと等を定めております。  以上がこの修正案の提案の理由及びその内容の概要であります。  何とぞ全会一致御賛同あらんことをお願い申し上げます。
  93. 中馬辰猪

    中馬委員長 以上で修正案の趣旨説明は終わりました。     —————————————
  94. 中馬辰猪

    中馬委員長 これより内閣提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案を一括して討論に付するのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。  まず、本案に対する奥野誠亮君外二名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  95. 中馬辰猪

    中馬委員長 起立総員。よって、奥野誠亮君外二名提出の修正案は可決されました。  次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  96. 中馬辰猪

    中馬委員長 起立総員。よって、内閣提出にかかる地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案は、奥野誠亮君外二名の修正案どおり修正議決すべきものと決しました。     —————————————
  97. 中馬辰猪

    中馬委員長 この際、田川誠一君、川村継義君及び門司亮君から三派共同をもって、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  この際、本動議を議題とし、その趣旨説明を求めます。田川誠一君。
  98. 田川誠一

    ○田川委員 ただいま議題となりました地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案について、自民、社会、民社の三党を代表してその提案の趣旨を御説明申し上げます。  まず、附帯決議の案文を朗読いたします。     地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、左の諸点について特段の考慮を払い、早急に適切な措置を講ずべきである。  一、生活水準の向上、物価の上昇並びに現職公務員の給与に即応して、年金を引き上げ得るよう措置すること。  二、恩給制度の改正に伴う年金の増額措置については、改正の趣旨を一層効果あらしめるため、三年度にわたる段階的実施を短縮するよう速やかに措置すること。  三、地方公務員共済組合短期給付については、医療費の増加に伴う財政悪化及び組合員負担増加の現状にかんがみ、これが健全化及び組合員負担の緩和をはかるため、国庫負担制度について検討すること。  四、地方会議員の在職期間については、都道府県、市及び町村相互に通算できるよう検討すること。    右決議する。  このたび、恩給法の改正による恩給年額の改定に伴い、地方公務員の退職年金制度についても同様の措置が講ぜられることとなりましたが、御承知のとおり、恩給年額は昭和三十七年十月以後今回の改正まで据え置かれていたものであります。この間、国民生活水準のかなりの向上が見られる一方、物価の大幅な上昇があり、このため現職公務員については毎年給与の改定がなされてまいったのでありますが、恩給年額が据え置かれたことにより、地方公務員退職者を含めて、いわゆる恩給生活者に重大な脅威を与える場合も少なくなかったのであります。この際、恩給及び各種年金制度全体を通じて、いわゆるスライド方式を確立し、今後再びこのようなことを繰り返さないようすみやかに措置する必要があると考えられます。  さらに、このたびの恩給制度の改正に伴う年金の増額措置は、受給者の年齢が七十歳未満の場合は、五年ごとの年齢区分等によって四段階に分け、三年度にわたって段階的に逐次実施するという年次計画になっており、これらの段階区分に該当する受給者にとっては、増額措置がそれぞれ一定期間延期されることになるのであります。ただいま述べましたように、このたびの増額改正自体がむしろおそきに失しているとさえ感ぜられるとき、その実質的な実現をさらに引き延ばすことは、財政上やむを得ない理由によるものとはいえ、改正の趣旨に一致しないものでありますので、この段階的実施を可及的に短縮するためのすみやかな措置が望まれるのであります。  次に、最近における医療費の急激な増加は、地方公務員共済組合についても、その財政収支を悪化させ、組合員に過重な掛け金負担を余儀なくさせており、このまま放置するならば、短期給付制度は崩壊の危機に追い込まれるのであります。この際、国は社会保障の立場から国庫負担の導入による強力な財政措置を講ずる必要があると存じます。  最後に、ただいま地方議会の議員に対する退職給付として一時金支給の制度を設けることについての修正が加えられ、これによって地方議員に対する退職給付制度は大幅な充実を見たのでありますが、ただこれらの制度は、議員が同一の地方議会または合併等により同一性の認められる地方議会に在職する場合に適用のあるものであります。しかしながら、現実には相当数の地方議員について、たとえば市会または町村会の議員を退職後、都道府県会の議員となるといった事例が見られるのであり、このような場合に、それぞれの在職期間が通算されるならば、地方議員に対する退職給付制度は一そう改善されるものと考え、この通算についての検討を要望したいと存ずるのであります。  以上が提案の理由であります。  何とぞ御賛同くださるようお願いいたします。
  99. 中馬辰猪

    中馬委員長 本動議について採決いたします。  本動議のとうり決するに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  100. 中馬辰猪

    中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、本案は田川誠一君外二名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。  この際、吉武自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。  吉武自治大臣。
  101. 吉武恵市

    ○吉武国務大臣 ただいま御決定になりました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重して検討していくつもりでございます。     —————————————
  102. 中馬辰猪

    中馬委員長 おはかりいたします。ただいま修正議決されました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  103. 中馬辰猪

    中馬委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。   〔報告書は附録に掲載〕
  104. 中馬辰猪

    中馬委員長 次会は公報をもってお知らせする  こととし、本日はこれにて散会いたします。    午後一時六分散会