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佐野委員 いろいろまた各
委員から別の機会に
質疑されると思いますのでやめますけれ
ども、しかしながら、他の場合におきましてはそれぞれ
財政援助の対象になって、水の場合に、しかも先行投資として五年後にはこうだ、十年後にはこうなんだという皆さんが承認を与えられた
計画の中でそのことをやっていく場合において、しかも
財政的に非常に大きな影響を
地方財政にもたらす問題を、工業用水の場合にはそういう
措置がとられていくという不
均衡がある。同じ水でありながら、特定行政にだけそういう
措置をとっておるけれ
ども、
人口の集中を排除して
分散させ、適地の立地条件を
整備し、しかも
地域格差の解消をはかるという大きな任務を持つ国家的な仕事であるだけに、当然そういう点が考慮されるべきじゃないか。私はこういう意味からイギリスの工場適正配置法をまねるわけではないのでありますが、もっと国は環境
整備なり立地条件の
整備に対して全面的に
財政的な投資をすべきじゃないか、こういう
地方自治体に責任を転嫁するような
考え方に対してはやはり考慮されなければならない、かようにも
考えるわけです。しかも逼迫した
地方財政の中において、これだけの事業をやっていこうとする場合に、一体どうなってくるか。そこで
経済企画庁なり
大蔵省の方に、実際問題として特例的な
財政措置は出ておりますが、具体的に
一つの地区なら地区で試算をやってみたら一体どういうことになってくるか、こういうことを
計算されたことがありますか。大体十年か、あるいは十五年で終わるかもわからない、あるいは二十年で終わるかもわからない、あるいは途中でやめるかもわからない。これは
地方自治体のある
程度の意思だ。皆さんの希望によって私
たちはやるのだ。だから、希望によってやられる分については、いろいろの御忠告もし、助言もしますけれ
どもというようなことがさつきから出てくるわけですけれ
ども、しかし
国会に
提案されたときにおいては、国としていわゆる現在における過度集中による混乱を防ぎ、
分散並びに適地に工場配置をする、しかも
地域格差の解消、それは
所得倍増計画の中でできたひずみ、この欠陥を是正をするのだという国の責任、このことも加わって、謙虚な形で
国会に
提案されてまいったわけでありますけれ
ども、実際やっているのを見ますと、国は許可権限、あるいはまた助言をするので、実際皆さんがお好みによって、希望によってやられるというような
考え方は改めなければならないのじゃないか。もし試みに
経済企画庁なりあるいは
大蔵省において試算をやってまいられたら、これだけの事業を実際にやっていくために、四十五年度あるいは五十年度、この中で一体どういう影響が出てくるか、どういう実態が出てくるか、試算をしてみられるならば、たとえばいま
提案になっておるところの
財政援助法というものは、全く焼け石に水で、ある
程度の力、誘い水にはなりますけれ
ども、
地方財政に及ぼす深刻な影響というものは——ちっとも解決になってこないじゃないかということが数字的に明らかになってくるのじゃないか。こういう点は、いずれ各
委員の方からも
質問がされるだろうと思いますけれ
ども、そういう点で、ひとつ皆さんのほうでも一度試算をやってもらいたい。具体的に
一つの地区を取り上げて、ここで一体これだけの
計画を実施していく中で、
地方財政にどういう影響がやってくるかということ、それから特例法によってどの
程度のものが一体救済されてくるか。驚くべき数字がここに出てくるのではないか。だから、年次
計画も立てない、事業主体別も立てない、皆さんの希望によってやっていくのだからこれから調整していきますということを言われるわけなんだろうと思いますけれ
ども、具体的にこれを当てはめていきますと、とんでもないことになってくるのじゃないか。そういう意味において、もう少し立法の最初の趣旨にのっとって、
所得倍増計画の欠陥として起こってきた地域の荒廃、これをやはり地域
開発という形において大きな主任務を持つ、同時に、今日の集中されておる中からくる弊害を救済して
分散させるのだという国家目的、その国家目的を遂行することが、
地方の希望によってやるのだという形に今日すりかえられてしまいますと、これは大きな問題を将来に残すのじゃないか。いま皆さんの言う、この工業
開発によって波及
効果を
考える、あるいは工業
開発と農業の近代化を一体化する、そこに社会
開発を含めていくのだ、本来の地域
開発の方向を持とうというようなことがいわれているときに、もしこのままこのような形で
財政援助、国がもっと
財政的に投資する、こういうことを避けて、
地方自治
団体の責任と能力においてこれを解決していこうとするならば、これはたいへんなことになって、逆に
地方財政の逼迫の結果として、農業の荒廃、あるいは工業
開発の基盤は
整備されたけれ
ども実は工場がやってこないとか、あるいは工場はできたけれ
ども付近の農業その他は荒廃して、ますます
格差を拡大するという姿をあらわしてまいる。公害の問題にしましても、企業そのものに
規制するという
考え方がとられなくて、単なる
財政投融資による援助なりその他のような形をもってくるならば、私はここにやはり公害問題も大きな問題として出てきて、皆さんの
考えられる地域
開発というものは、単なる工業
開発のための道具、
所得倍増計画の
一つのしりぬぐいとしてやったけれ
ども客観情勢の変化によってやむを得なかったのだという形において、
地方住民に対する大きな問題が出てくるのじゃないか。これだけのものをやっていくために、
地方財政の中から、無理をして、一般の行政水準を引き下げて、引き下げる中でやっていかなくちゃならないという危険のあることも、試算をやってみますと、出てくるだろうと思います。そういう点も十分ひとつ御
検討していただくことにいたしまして、具体的な問題にあたりましては、
大臣もきょう出ておられませんし、もっと突っ込んで
財政上の
特別措置に対する具体的な点について、後日
質問いたすことにいたしまして、一応きょうは終わらしていただきたいと思います。