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1965-02-25 第48回国会 衆議院 地方行政委員会 第10号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十年二月二十五日(木曜日) 午後一時五十三分
開議
出席委員
委員長
中馬
辰猪君
理事
亀山 孝一君
理事
久保田円次
君
理事
田川 誠一君
理事
藤田 義光君
理事
川村
継義
君
理事
佐野 憲治君
理事
安井
吉典
君 大石 八治君
奥野
誠亮
君 亀岡 高夫君 武市
恭信
君
登坂重次郎
君 森下
元晴
君
和爾俊二郎
君 秋山 徳雄君
華山
親義
君 細谷
治嘉
君 吉田 賢一君
出席国務大臣
自 治 大 臣
吉武
恵市君
出席政府委員
自治事務官
(
大臣官房長
) 松島 五郎君
自治事務官
(
財政局長
)
柴田
護君
委員外
の
出席者
自治事務官
(
財政局指導課
長) 林 忠雄君 専 門 員
越村安太郎
君
—————————————
二月二十四日
委員華山親義
君
辞任
につき、その
補欠
として岡
田春夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員岡田春夫
君
辞任
につき、その
補欠
として華
山親義
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。
—————————————
二月二十三日
石油ガス譲与税法案
(
内閣提出
第八二号)
道路交通法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
第一〇〇号)(予) 同月二十四日
地方公務員等共済組合法等
の一部を
改正
する法
律案
(
安井吉典
君外九名
提出
、
衆法
第五号)は 本
委員会
に付託された。
—————————————
本日の
会議
に付した案件 新
産業都市建設
及び
工業整備特別地域整備
のた めの国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律案
(内 閣
提出
第四五号)
地方財政
に関する件(
昭和
四十年度
地方財政計
画) ————◇—————
中馬辰猪
1
○
中馬委員長
これより
会議
を開きます。
地方財政
に関する件について
調査
を進めます。
昭和
四十年度
地方財政計画
について
吉武自治大臣
から
説明
を求めます。
吉武自治大臣
。
吉武恵市
2
○
吉武国務大臣
ただいま配付いたしました
昭和
四十年度
地方財政計画
につきましてその
概要
を御
説明
申し上げます。
昭和
四十年度の
地方財政計画
の
策定
にあたりましては、国と同一の
基調
に立脚し
経費
の
重点化効率化
をはかることにより
健全均衡財政
を堅持しつつ、
社会開発
を推進し、
地方行政水準
の一そうの
向上
をはかることを目標といたしました。 すなわち、
計画策定
の
具体的方針
といたしましては、第一に、
地方税負担
の
軽減
、
合理化
を推進しつつ
地方財源
を
充実
して
地方財政
の
健全化
と
地方行政水準
の
引き上げ
をはかるため、(1)
地方交付税
を〇・六%
引き上げ
て、二九・五%とし、(2)前年度に引き続き、
住民税負担
の
軽減
を行なうこととし、これによる
減収
については、
市町村民税臨時減税補てん債
により補てんし、(3)新たに、
石油ガス譲与税
を創設し、
自動車税
及び
軽自動車税
の
税率
を
改定
するとともに、
法人税
の
税率引き下げ
による
減収
を回避するため、
住民税法人税割
の
税率
について、
所要
の
調整
を行なうことといたしました。 第二に、
経済
の
高度成長
に伴って生じたひずみを
是正
し、
社会開発
を推進して、調和のとれた
社会
の発展を期するため、(1)
地域開発
を促進して
地域格差
の
是正
をはかるため、新
産業都市
の
建設等
の
事業
に対する国の
財政援助措置
を確立するとともに、(2)
住宅
、
上下水道等
の
生活基盤施設
の
整備
を促進するため必要な
地方債
を確保し、(3)過密化した大都市の
開発
を促進するため必要な
地方債資金
の
増額
をはかり、さらに(4)
地方交付税制度
を
改正
し、前年度に引き続き
財政力
の貧弱な
地方団体
の
財源
を
充実
することといたしました。 第三に、
地方公営企業等
の
健全化
に資するため、
地方債
の
充実等所要
の
措置
を講ずることといたしました。 以上の
方針
のもとに、
昭和
四十年度
地方財政計画
を
策定
いたしました結果、
歳入歳出規模
は、三兆六千百二十一億円となり、
昭和
三十九年度に比較して、四千七百四十億円の
増加
となります。 次に、
歳入
及び
歳出
のおもな
内容
について、御
説明
申し上げます。 第一に、
歳入
について申し上げます。 その一は、
地方税収入
であります。ただいま申し上げましたとおり、
地方税負担
の
軽減
、
合理化
をはかるため、前年度に引き続き
市町村民税
の
課税方式
を
本文方式
に統一するとともに、
準拠税率制度
を
標準税率制度
に改めることとし、
昭和
四十年度において、さらに百五十億円
程度
の
減税
を行なうことといたしました。また、
個人事業税
の
事業主控除
を
現行
二十二万円から二十四万円に
引き上げ
るとともに、
電気ガス税
の
免税点現行月額
三百円を
電気
について四百円、
ガス
について五百円にそれぞれ
引き上げ
、
中小所得者等
の
負担
の
軽減
をはかることといたしました。 さらに、
道路交通
の現状にかんがみ、
自家用乗用車
、
営業用普通乗用車
及び主として
観光貸し切り用
のバスにかかる
自動車税
の
税率
並びに四輪以上の
乗用軽自動車
にかかる
軽自動車税
の
税率
を
引き上げ
、
負担
の
合理化
をはかることといたしました。 なお、
法人税
の
税率引き下げ
に伴う
住民税
、
法人税割
の
減収
を回避するため、
所要
の
調整措置
を講じることといたしました。 この結果、
自然増収額
を含めて
地方税収入
は前年度に比し二千四十五億円の
増加
となり、
総額
は一兆四千九百四十八億円と見込まれるのであります。 その二は、
地方譲与税
であります。
昭和
四十年度から
自動車用石油液化ガス
に対して、
国税
として
石油ガス税
が課されることとなりましたが、その性格にかんがみ
収入額
の二分の一を
石油ガス譲与税
として
地方団体
に譲与することといたしました。 この結果、
自然増収額
を含めて
地方譲与税
は前年度に比し、七十六億円
増加
し、
総額
は五百二十八億円となります。 その三は、
地方交付税
であります。
明年度
の
地方財政
は、
経済
の動向から
地方税
をはじめとして、
地方歳入
の
伸び
が鈍化する反面、
給与費
、
公債費
、
社会保障費等
の
義務的経費
が増高するため、
地方交付税率
を〇・六%
引き上げ
て二九・五%とすることにより、
地方財源
の
充実
に資することといたしました。 この結果、
明年度
の
地方交付税
の
総額
は、七千百三十二億円となり、前年に比較して七百八十一億円の増となります。 その四は、
国庫支出金
であります。
国庫支出金
は、
義務教育職員給与費国庫負担金
二百九十七億円の増、その他の
普通補助負担金
四百四十五億円、
公共事業費補助負担金
五百六十億円の増、
失業対策事業費補助負担金
の増十四億円、
国有提供施設等所在市町村助成交付金
の増五千万円、
合計
千三百十六億円
増加
し、
総額
九千九百十億円となっております。なお、新
産業都市
の
建設事業等
のうち
市町村
が実施するものにつきましては、一定の基準により
国庫補助負担金
の
かさ上げ措置
を
昭和
四十年度から実施することといたしました。 その五は、
地方債
であります。
地方債
につきましては、すでに申し述べました
方針
に基づき
地方債計画
を
策定
いたしました。
昭和
四十年度における
地方債
の
発行予定額
は、四千八百四十九億円となり、前年度と比較して八百六十五億円の増となります。このうち
地方財政計画
に算入いたしますのは、
一般会計債
の千三百九十八億円、
特別地方債
のうちの
一般会計分
二百三十二億円、
合計
千六百三十億円であり、
昭和
三十九年度に比較して三百二十六億円の
増加
となっております。この中には、
市町村民税臨時減税補てん債
の増百十二億円及び道
府県
が行なう新
産業都市建設事業等
に対する
特別債
四十億円を含んでおります。 その六は、
使用料
、
手数料
・及び
雑収入
であります。
使用料
、
手数料
及び
雑収入
につきましては、
経済成長率等
を勘案して、
総額
を千九百七十三億円と前年度に比較して百九十六億円の
増加
を見込んでおります。 第二は、
歳出
であります。 その一は、
給与関係費
であります。
給与費
につきましては、(1)
給与改定
の平
年度化
に伴う
経費
、(2)
高等学校
の教
職員
及び
警察官
の
増員
並びに
制度改正等
に伴う
職員
の
増加
に要する
経費等
を見込み、
総額
一兆三千七十二億円、前年度に比し、千八百四十七億円の
増加
となっております。 その二は、
一般行政経費
であります。 この
一般行政経費
のうち(1)
国庫補助負担金
を伴う
経費
は、
総額
四千百三十五億円と見込まれ、前年度に比し、六百十六億円
増加
いたしましたが、これは
生活保護費
、
結核医療費
、
児童保護費
、
精神衛生費
、
農業構造改善事業費
、
中小企業近代化促進費等国庫予算
の
増加
に伴い
増加
を見たものであります。(2)
国庫補助負担金
を伴わない
経費
は、
一般行政事務
の
増加等
の
事情
を勘案して算定いたしました結果、前年度に比し三百六十億円
増加
し、
総額
三千二百八十六億円となっております。 その三は、
公債費
であります。
公債費
につきましては、
既発行
の
地方債
の
昭和
三十九年度末
現債額
及び
昭和
四十年度
新規発行予定額
を基礎として算定した結果、前年度に比し百九十二億円
増加
し、
総額
千三百三十五億円となっております。 その四は、
維持補修費
であります。
道路
、橋梁、校舎その他
公用公共用施設
の
維持補修費
につきましては、
単価
の上昇、
施設
の
増加等
の
事情
を考慮して算定いたしました結果、前年度に比し百十億円
増加
し、その
総額
は九百二億円となっております。 その五は、
投資的経費
についてであります。 (1)まず、国の
直轄事業
に伴う
地方公共団体
の
負担金
は、前年度に比し三十三億円
増加
し、五百三十九億円を計上いたしました。(2)次に、
国庫補助負担金
を伴うものにつきましては、
道路整備事業費
、
治山治水事業費
、
港湾整備事業費
、
住宅対策費
、
公立文教施設等
の
増加
により、前年度に比し八百九十八億円の
増加
となり、
総額
は七千五百九十四億円と見込まれます。(3)
国庫補助負担金
を伴わない
地方単独
の
事業費
につきましては、
産業経済
の発達と
国民生活水準
の
向上
に即応することができるよう
道路
、その他の
産業基盤施設
、
高等学校等
の
文教施設
、
住宅等
の
整備
に要する
経費
を
中心
として
増額
をはかりました結果、前年度に比し、六百六十五億円の
増加
となり、その
規模
は、四千八百四十四億円となったのであります。なお、
道路整備
五ヵ年
計画
をはじめとして、
治山治水
五ヵ年
計画
、
港湾整備
五ヵ年
計画
、
生活環境施設整備
五ヵ年
計画
において、
地方単独事業
は重要な役割をになうことになっておりますので、これらも勘案の上、
地方財政計画
上の
単独事業
を
行政目的別
に示すことにより、
地方団体
における
財政運営
の指針とすることといたしました。 これを要するに、
昭和
四十年度の
地方財政
は、その
環境
のきびしさをも反映して、特に慎重な
運営
が必要であると考えられます。
政府
といたしましては、
地方団体
においても、極力
財源
を確保し、
経費
の
重点化
、
効率化
を通じてその
財政
の
健全化
をはかりつつ、
必要行政水準
の
向上
、
社会開発
の推進に努力することを期待するとともに、その
指導
に遺憾のないよういたしてまいる所存であります。
中馬辰猪
3
○
中馬委員長
次に
補足説明
を求めます。
柴田財政局長
。
柴田護
4
○
柴田政府委員
お手元にございます「
昭和
四十年度
地方財政計画
の
説明
」という刷りものによりまして、簡単に
補足説明
をいたします。
最初
の
財政計画
全体につきましては、そこにございますように、四十年度の
財政規模
は三兆六千百二十一億円となり、全体の
伸び
は前年度に比べまして一五・一%でございます。三十九年度の
地方財政計画
を三十八年度と比較いたしますと一九・二%でございましたので、
伸び率
は相当落ちております。そのおもなる
原因
は、
国庫支出金
並びに
地方一般財源
の
伸び
の鈍化でございまして、
地方税
につきましては前年度三十八年度対三十九年度の
伸び率
は二一・九%でございましたが、四十年度におきましては、別途用意いたしておりまする
地方税制
の
改正等
によりまして
相当額
の
財源
の確保をはかっておりますけれども、なおかつ一五・八%の
伸び率
にとどまっております。
地方譲与税
につきましては前年度二六・四%の
伸び
が、一六・八%の
伸び
にとどまったのであります。
地方交付税
につきましては、前年度一五・四%の
伸び
でございましたが、
交付税率
を
引き上げ
ましてなおかつ一二・三%の
伸び率
にとどまります。これは
昭和
三十九年度の
地方交付税
につきましては前年度よりの
繰り越し
が百三十六億円ございましたが、それがなくなりましたことが大きな
原因
でございます。
国庫支出金
は、前年度一九・〇%の
伸び率
が一五・三%の
伸び率
にとどまりました。その結果全体としての
伸び
が非常に落ち、どちらかといいますと、
財政規模
を引き締め
基調
で
運営
するという形の
財政計画
と相なったわけでございます。
歳出
のほうは、これに反しまして
給与関係経費
の
伸び
が大幅に
増加
いたしました。これが大きい圧力となりまして、
投資的経費等
につきまして
圧縮
をするという形になったわけであります。
給与関係経費
の
伸び
は、前年度一四・三%のものが一六・五%になりました。これは若干の
規模是正
を含んでおりますけれども、主としては前年行なわれました
給与改定
の平
年度化
によるものでございます。 また
一般行政経費
につきましては、前年度二一・三%の
伸び率
が一五・一%の
伸び率
にとどまっております。この
原因
は
国庫補助負担金
を伴うもの並びに
国庫補助負担金
を伴わないもの、総体といたしまして
規模
がやや
圧縮調
になっておることに基因いたします。
公債費
につきましては、前年度九・五%の
伸び率
が一六・八%になっておりますが、これは
公債費
につきまして従来の
計算
を変えまして、従来
地方債計画
の外に置かれておりました
公債
にかかる
公債費
につきましても、今回はこの中に吸収することにいたしました。その結果
公債費
の
伸び
が大きくなっております。いわば
規模是正
に伴うものでございます。
投資的経費
につきましては、前年度の
伸び率
は二四・四%でございますが、これが一四%にとどまっております。その大きな
原因
は、
公共事業費
、
直轄事業負担金
ともに非常に
圧縮
されておりますが、これとの関連において、
単独事業
につきましてもその
規模
を
圧縮
いたしましたことに基因するものでございます。 第四ベージをごらん願いますと、
歳入歳出
の
構成比
が出ております。
歳入
におきましては、
地方債
が一%
伸び
まして、
昭和
三十九年度に比しますと、
地方債
の
伸び
が若干上がっておるということが
特色
でございますが、
歳出
におきましては
投資的経費
の
伸び
が減っておることが
特色
でございます。
歳入
で
地方税
がふえました
原因
は、主として
市町村民税
の
減税補てん債
の
増額
に基因するものでございます。
歳出関係
の
投資的経費
の比率の減は、先ほど来申し上げた理由に基づくものでございます。
歳入
の
状況
は、税につきましては五、六、七ページの三ページにわたりましてその
細目
があげられております。
現行法
によりますところの
地方税
の
自然増収
の
総計
は千九百六十四億七千八百万円でございますが、これに対して
地方税
の
改正
によりまして八十五億
税収入
が
増加
いたします。逆に、
国税
の
改正
によりまして、
総計
五億七千万円ばかりが
減収
になりました。
差し引き
七十九億の
増収
になるわけでございます。その結果、
改正法
によります
見込み額
は一兆四千九百四十八億円でございまして、前年度の当初に対しまして二千四十四億円の
増額
となるわけでございます。 税の
改正
のおもなるものにつきましては、五ページのところの
法人税割
、それから
自動車税
、それから六ページの
市町村
の
償却資産
、
軽自動車税
が主たる増の
原因
でございます。
法人税割
につきましては、
国税
の
法人税
の
減税
に伴います
税率調整
の結果でございます。
自動車税
及び
軽自動車税
につきましては、
税制改正
による
税率引き上げ
の結果でございます。また
償却資産税
につきましては、
償却資産
の
府県
への
吸収割合
を
税制改正
によりまして落としました結果ふえるものでございます。
減収
のおもなるものは、
個人事業税
の十三億、これは
事業主控除
の
改正
に基づくものでございます。それから
府県
の
固定資産税
の九億七百万、これは先ほど申し上げました
償却資産
の七億八千四百万円増に見合うものでございます。
市町村民税
の
所得割
の
改正
によりますものが八千万円の減、大体以上が
税制改正
に伴います
増減
でございます。
地方譲与税
につきましては八ページでございますが、五百二十八億円の
見込み額
のうちで、
道路譲与税
が四百八十五億、新設を予定いたしております
石油ガス譲与税
が四億でございます。特別とん
譲与税
が三十九億となっております。
地方交付税
につきましては、その八ページの表にございますように、
国税
三税が二兆四千百三十八億円、これに
税率
を乗じまして
精算分
を加算いたしますと七千百六十一億八千七百万円に相なるわけでございますが、昨年の
補正予算
で借りました百五十億円のうち五分の一の額三十億円を本年度返済いたしますので、それを
差し引き
いたしますと七千百三十一億円になります。しかしながら、三十九年度の当初
予算
には前年度からの
繰り越し金
が百三十六億円ございましたので、これとの
差し引き
をいたしますと、
財政計画
上の増として考えられますのは七百八十一億円に相なるわけでございます。
国庫支出金
につきましては九ページ以下に詳しい
内訳
が出てまいっております。
普通補助負担金
におきましては一六・七%の
伸び
でございますが、そのうちで、
義務教育職員給与費
が一四・六%、
社会保障関係
の
補助金
が大きく
伸び
ておりまして、
生活保護費
以下
精神衛生費負担金
までが主として
社会保障関係
のものでございますが、これが大きく
伸び
ております。その他のものにつきましては、
農業構造改善事業
の
補助金
、
中小企業近代化促進
の
補助金等
がおもなるものでございます。 それから
公共事業費
の
補助金
につきましては五百六十億円の
伸び
でございますけれども、前年度に比べまして先ほど申し上げましたように
伸び
は非常に縮まっております。 それから
地方債
でございますが、十ページをごらん願いますと
地方債
の大ざっぱな
内訳
が出ております。これは
地方財政計画
上に計上されます
地方債
でございます。全体の
地方債計画
のうちから、準
公営企業
、
公営企業
に属しまする
地方債額
を除きまして、
一般会計
に計上さるべきものをここに掲げております。昨年と比べまして非常に大きく
伸び
ておりますのは
市町村民税臨時減税補てん債
でございます。昨年百五十億円発行いたしましたものが三十億減りまして、それに新たに本
年度分
が加わりまして、
差し引き
百十二億円の増となるわけでございます。また新
産業都市建設事業債
といたしまして四十億円を用意いたしました。
辺地対策事業
につきましては、昨年と同額を計上いたしました。従来五ヵ年
計画
でもって処理を予定しておりました
辺地対策事業
の既存の
計画
を一年早めまして三十九年度で終了することにいたしております。また従来
一般会計債
に入れておりました
清掃事業
につきましては、
清掃事業
の
画期的進展
をはかりますために、これを
特別地方債
にワクを移しまして、四十四億の
増加
をはかったわけでございます。
歳出
のおもなる
増減要因
につきましては十三ページに
細目
を掲げております。簡単に御
説明
を申し上げます。
給与関係経費
で千八百四十七億円の増でございまして、これの
一般財源
に属する部分の
増加
が千五百五十億円であります。そのうちで
給与費
は千五百二十二億円、そのうちで
人事院勧告
に基づく
給与改定
の増が九百四十三億円であります。それから
昇給財源
といたしまして三百三十三億円を用意いたしております。
昇給率等
につきましては在来の
計算
をいたしております。それから
高等学校職員
及び
警察官等増員
に伴いますものが、八十八億円でございます。
高校職員
は五千七百五十人、
警察官
は三千五百人でございます。その
職員
の
増減状況
は十五ページの第九表に詳しく掲げられております。 第九表の一番最後に
地方公務員給与実態調査
による
職員
数
是正
というのがございます。これは過般実施いたしました
給与実態調査
の結果に基づきまして、
地方財政計画
上補整すべき人員でありまして、十一万八千五百人でございます。 それから
共済組合
の
負担金
(
短期長期
の
追加費用
及び
事務費
)の
引き上げ
による増が四十七億、
消防吏員
の
待遇改善
につきましては、休日給と
夜勤手当
の
制度
を設けることにいたしておりますが、これを合わせまして七億二千万、そのうち休日給が約四億であります。
社会福祉主事等
の
待遇改善
、これは従来五%の
手当
が出ておりましたが、これを二千五百円に
引き上げ
ました額であります。
補助金廃止
に伴う
一般財源
の
振り
かえ二十四億八千六百万円、この
振り
かえの中で
職員関係
のものは三千五百七十七人、教育庁の
補助金
がなくなりましたので、これを
一般財源
に
振り
かえております。その他が七十七億、これは各種の
是正
を
中心
にしたものでございます。
恩給費
が二十七億、
恩給費
につきましては、これは
文官恩給
の
単価
の
引き上げ
とも見合いまして、
地方公務員
につきましても、同じ歩幅で
単価
の
引き上げ
を考慮いたしております。大体四十年の十月から五%
程度
の増を予定いたしております。
一般行政費
五百四十八億円のうちで、
国庫補助負担金
を伴うものが
一般財源
で百八十八億円、
補助
を伴わないものが三百六十億でございます。
公債費
が百七十億円、これは先ほど申し上げましたとおりでございます。
維持補修費
百十億円。これは
砂利単価
の
引き上げ
と、
一般
の
維持補修費
の
単価
の
引き上げ
でございます。その中身は
砂利単価
を従来九百円で算定いたしましたものを千円に
引き上げ
ております。この
関係
で四十五億円、残りは
統一単価
、すなわち
坪単価
の
改定
によりますもので、従来の六百五十円を七百円にかえております。これは国の
国庫予算
の
単価
と合わしておるわけでございますが、この両者で
合計
百十億円になるわけでございます。
投資的経費
は
総額
で千六百十五億増でありまして、
一般財源
で一千四十一億円の増であります。そのうち
直轄事業関係
が三十二億、
普通建設事業
が三百十三億、
単独事業
が六百八十四億円でございます。
国庫補助
を伴います
事業
、いわゆる
普通建設事業
で
公共事業
といわれるものにつきましては、二十一ページの十二表以下に
細目
が出ております。十二表をごらん願いますと、
直轄事業
につきましては、
治水関係
では
改正河川法
の
関係等
もございまして、
地方団体
の
負担金
は減っております。
道路
と
港湾
が非常に大きくふえておりまして、
直轄事業負担金
では
道路
、
港湾
、
農業基盤整備
、この三つの
事業
が非常に大きく
伸び
ております。 また
公共事業
につきましては二十二ページに詳しく掲げてありますが、その
伸び
の大きなものは
治山治水
の三十三億、
道路整備
、それから漁港、
港湾
、空港、それから
文教施設
、
厚生施設
、
公営住宅
がおもなものでございます。
災害復旧
はたいしたことはございませんが、中で
文教施設
が一番大きいのでございます。 それから
補助負担金
を伴わないものにつきましては、いわゆる
単独事業
でございますが、
道路整備
につきましては、
道路整備
五ヵ年
計画
に基づきまして
所要額
を計上いたしました。 その他のものにつきましては、二十三ページの第十五表をごらん願いますと、その
内訳
を書いておりますが、
単独事業
の
内訳
を
事業別
、
種目別
に分割いたしまして、
地方団体
の
計画
的な
財政運営
に資することといたしました。これは
地方団体
でそれぞれ予定いたしております
事業
を精査いたしまして、それの約八〇%の額を掲げたのでございます。 以上、
地方財政計画
の
内容
の
概要
でございます。
中馬辰猪
5
○
中馬委員長
以上で
説明
は終わりました。 ————◇—————
中馬辰猪
6
○
中馬委員長
次に、新
産業都市建設
及び
工業整備特別地域整備
のための国の
財政
上の
特別措置
に関する
法律案
を
議題
とし、
質疑
に入ります。
質疑
の通告がありますので、これを許します。
奥野誠亮
君。
奥野誠亮
7
○
奥野委員
ただいまの
議題
につきまして、数点簡単に御質問を申し上げたいと思います。御答弁も端的にお答えいただいてけっこうでございます。
最初
に、新産、工特に関します
特別立法
に対しまして、
財政援助
の方途が確立しておりませんために、画竜点睛を欠くうらみがあったわけでありましたが、諸種の困難を排して
財政援助
立法をつくり上げていただきました御努力に対しまして、深く感謝を申し上げるものでございます。 日本の
市町村
の発展を眺めてまいりました場合、全く発展の間に間に無
計画
にできてきておる。その結果はみにくい姿になっておるんだというような指摘が、先進諸国から批判されてまいったわけでございまして、私はやはり地域に即した総合
開発
を
計画
的に進めていくということが、住民の将来にわたる福祉を確保していくためにきわめて必要なことだと、かように考えておるわけでございます。そういう意味において、新産、工特の立法だけじゃなしに、いろいろな地域立法が進められてまいってきておるわけでございます。たとえば首都圏
整備
法でありますとか近畿圏
整備
法とかいったような法律もできておるわけでございまして、あるいは近郊
整備
区域について
整備
計画
を立てていくとか、あるいは都市
開発
区域について
開発
計画
を立てていくとかいうようなことが、法律にうたわれておるわけでございます。したがいまして、そういうような
計画
の進むに従いまして、やはりこれらの地域につきましても、その
計画
を容易ならしめるための
財政援助
立法が必要ではなかろうか、かように考えておるわけでございますけれども、これらの点につきましての御所見をお伺いしておきたいと思います。
吉武恵市
8
○
吉武国務大臣
ただいま
奥野
さんの御質問の点、ごもっともでございまして、私どもも、いままでの
市町村
と申しまするか、地方の姿というものが、ただありのままであったのでありますが、これを
計画
的に進める必要があろうと存じます。 その一つの点として、新産都市及び工特地域の促進の法律が制定され、
財政援助
の道も講ずるべくただいま御審議を願っておるところでございます。私どもとしてはできるだけそうした
計画
的な
開発
に今後とも努力を続けていくつもりでございます。
奥野誠亮
9
○
奥野委員
従来わが国の施策が、産業あるいは
経済
中心
に進められてきたということは、いなめない事実だと思うのであります。たとえば
地域開発
の問題にしましても、このほかに低
開発
地域工業促進法でありますとか、あるいは産炭地域の振興法でありますとか、もろもろのそういう立法が行なわれ、またそれなりにいろいろの援助
措置
もとられてきておるわけでございます。幸いにして
経済
が非常に発展してきた結果もあるわけでございますけれども、それらの施策について一つの反省の時期を迎えてきている。それがいわゆる
社会開発
ということばで呼ばれてきていると思うのでございます。
経済
開発
、
経済
発展の効果を
社会
生活に反映させていくということ、むしろこれが究極の目的でなければならないのじゃないか、かように考えるわけでございます。こういう意味におきましては、戦後間もなしに、国際観光文化都市建設法というような法律がたしか八都市でございましたでしょうか、奈良でありますとか、鎌倉とか松江とか京都とかそういう地域について行なわれておるわけでございます。私はやはりこういう地域の建設もすみやかならしめなければならない、かように考えるものでございます。いつか亀山
委員
が、日本の都市を歩くと——外国の都市を歩いた場合には非常にきれいでさっぱりしておるけれども、日本に帰ってきて日本の町を歩いてみると、アジアの体臭がぷんぷんと鼻につく、こういう表現をされておりまして、私は言い得て妙なりという感じを抱いたことがあるわけでございます。これらの国際観光文化都市につきましては、下水道の問題にいたしましてもあるいは街路の問題にいたしましても、他の地域に先がけて
整備
を要するのじゃないか、かように考えるわけであります。こういう法律がつくられたまま、多年にわたって放置されておるということは、穏当を欠くように思うわけでございます。せっかく反省が今日行なわれておる際に、
社会開発
というような面からも、重点的に
財政援助措置
が確立されるべきである、かように考えておるわけでございますけれども、これについての御所見をお伺いしたいと思います。
吉武恵市
10
○
吉武国務大臣
私は実は勉強が足りませんで、よく存じませんでしたが、ただいま御指摘になりましたように国際観光都市の
整備
に関する法律ができておるそうでございますが、聞いてみますると、これに対する
財政援助
的なものは、まだないそうでございまするけれども、御承知のように
経済
の
開発
ももちろん必要なことではございまするけれども、
経済
の
開発
に伴って
社会開発
の必要なことは特に現内閣も強調しているところでございますし、また観光都市としての優秀性を持っておる日本のことでございますから、そういう点に対しましても私は
財政援助
的な
措置
を講ぜらるべきものである、かように存じておる次第でございます。
奥野誠亮
11
○
奥野委員
第三点として、新産都市の建設
計画
についてはすでに内閣総理大臣の承認が行なわれているというように承知いたしております。工特地域については、まだこれから行なわれるのだということのようでございます。
昭和
五十年度までの総体
計画
が承認されただけで、はたしてそれがそのときになって完全に実現できるかどうか保証がない、私は心配するものでございます。奄美の
開発
計画
につきましては、総体
計画
のほかに年次
計画
もつくられておるわけでございますので、その
計画
を確実ならしめる意味において、私は年次
計画
をつくり、そして年度
計画
との反省がそこに行なわれていかなければ、
計画
が達成されるという保証がないのじゃなかろうか、かように考えているものでございます。自治大臣には
財政援助
立法について非常に骨を折っていただいたわけでございますけれども、さらにその建設
計画
を実効あるものにいたしますために、いま申し上げましたような年次
計画
をつくり、年度ごとの反省をそこに繰り返しながら、全体
計画
が達成される見通しを確実にしていくという面についてお骨折りをわずらわしたいものだ、かように考えるわけでございます。もとよりそのためには特定の地域に相当
事業
分量を傾斜的に集中していかなければならないというようなことになると考えるわけでございますけれども、私は実効をあげる意味においては特定期間、特定の地域に
事業
分量が集中されることは、国民全体あるいは国民
経済
全体から考えました場合には必要なことではなかろうか、かようにも考えているわけでございますので、この問題についての御決意のほどを承らせていただきたいと思います。
吉武恵市
12
○
吉武国務大臣
ごもっともでございまして、一応先般の本
会議
でも企画庁長官からも御答弁申し上げましたように、全体の
計画
として新産都市は四兆三千億で工特地域については二兆円、こういうことでございまするけれども、まだ年次
計画
は実はできていないようでございます。その際の
質疑
の間ではございましたが、三十九年度から四十五年度にわたっては、新産としては二兆三千億余りの何か考え方もあったようでございまするけれども、しかし年次
計画
につきましてはまだはっきりしたものがございません。これは企画庁におきましてそれぞれ各地域についての
計画
はいずれ速急に立てられると思います。また立てられませんというと、
地方財政
の面から見ましても相当の
負担
もあることでございます。これらにつきましては、私どもとしては
財政援助
の道を講じて
地方財源
の中でまかない得るようには考えておりますけれども、とかくこれがおくれますと水島のように先行投資が、先へいきましてあとで非常に困るということもございまするから、御指摘のとおりこれは速急に年次
計画
を立てるべきだ、かように存じておる次第でございます。
奥野誠亮
13
○
奥野委員
第四点といたしまして、
市町村
の
事業
に対しましては
補助
率かさ上げの
制度
がとられながら、
府県
につきましては単に起債の充当率を高め、利子補給をするということだけにとどまっているようでございます。おそらく
府県
につきましては後進
地域開発
のための
公共事業費
の国庫
負担
特例に関する法律に基づきまして、最高二割五分までのかさ上げが行なわれるからそれにゆだねるというお考えだと思うのでございます。しかしながら新産あるいは工特
関係
の
財政援助
立法というものは、
財政力
の低い団体について援助をするということじゃなしに、
事業
が集中する地域について援助するということが眼目だ、かように考えているわけでございます。そうしますと後進地域かさ上げの法律が
府県
についてあるのだから、かさ上げ
補助
は要らないのだというわけにはいかないのじゃないか。やはりその法律を使う場合であっても、むしろそこに
事業
分量がふえてくればかさ上げの
程度
を上げるのだというような考え方が加えられなければならないのじゃないだろうか、かように考えるものでございますが、この点についての御所見を承っておきたいと思います。
吉武恵市
14
○
吉武国務大臣
ごもっともでございまして、
奥野
さんも御承知のように、大蔵省との
予算
の折衝の過程におきましては、私どもも
府県
と
市町村
におきましては、そうした集中的な
計画
でありまするから、これに対する国の援助をしよう、こういうことでやりましたが、まあ正直にいいまして国の
財政
にも限度があるということでございますので、いま御指摘になりましたように、後進地域の援助の法律もあることだから、そのほうである
程度
の補いはつくじゃないかということで、それじゃまあ
府県
のほうはしようがない、しかし
市町村
のほうも起債その他についてただ利子を見るというだけではこれはとうていいけないからということで、これは皆さんの御援助もいただきまして、
市町村
については私どもの意見が通って、こういうふうになったわけでございます。まあこれが今後完成していきまする間においてはいろいろの問題もあろうかと思いますけれども、目下のところは
府県
においては起債の上積み、同時に利子補給、
市町村
は
補助
ということで、これがどのくらいになりますか、初年度は四十億の起債と、それから
市町村
は精算
補助
で四十一年度に掲げるわけでありますけれども、私は、これらの各地域の
事業
が軌道に乗っていきますると、これは相当大きなものになるのではないか、かように考えております。
亀山孝一
15
○亀山
委員
途中ではなはだ恐縮でありますけれども、先ほど
奥野委員
の述べられたことに関連して、ちょっと質問申し上げたいと思います。 観光都市、現在八ヵ所の問題についての
財政
の裏づけがないということ、これはまことにごもっともの御質問だと思いますし、それに関連して
奥野委員
も述べられ、また一昨日の本
会議
において田川
委員
が質問されましたいわゆる史跡、名勝、天然記念物、こういうものに対する保護に関しての
財政
的援助というものが非常に弱いというか、現在文部省の持っております文化財保護の
関係
の
経費
ではとてもまかなえないことは、いまさら申し上げるまでもないことだと思います。先般鎌倉あるいは奈良、京都その他においてこういうような問題が大きく取り上げられたことは、もう大臣御承知のとおりです。 そこで、これに特別の
補助
という問題もありますけれども、こういう史跡、名勝、天然記念物というものを保護するために、
府県
、
市町村
がこれをやるという場合も、
地方債
というものを認めてやることがいいのではないか。私の郷里等につきましても、最近新幹線あるいは中部縦貫
道路
というもので、せっかくの保存すべき文化財がむざんにも破壊されていくということをまことに遺憾に考えていたところでありますが、ことに田川
委員
なり
奥野委員
が指摘されました日光、鎌倉あるいは京都、奈良あるいは長崎、こういうところの文化財、史跡、名勝ひいては天然記念物というものに関しての保存、保護のための
財政
的援助の問題は、大臣は考慮されると言われましたけれども、
財政局長
にひとつお伺いしたいのですが、こういうものに対する
地方債
というものを特別に考えてやるという御意思がありますかどうか、これをお伺いしたいと思います。
柴田護
16
○
柴田政府委員
いままでの例で、たしかごく例外的に扱っていたものがあるように記憶いたします。しかしお話しのように、現在ではあまり積極的には扱っておりません。なお将来の問題といたしまして、よく検討いたしたいと思います。
亀山孝一
17
○亀山
委員
先ほど来
吉武
大臣は、
奥野委員
の御質問にはごもっとも、ごもっともの連発でありましたが、ただいまの
財政局長
の御答弁は、ごもっともというにはちょっともの足らぬ気がするのですが、大臣からもう一度はっきりと、やる意思があるというようなごもっとも説をひとつ出していただきたい。
吉武恵市
18
○
吉武国務大臣
実は先週の閣議におきましてもこの話が出まして、今日史跡、名勝あるいは天然記念物等の保護に関するたくさんな法律がある。しかし法律はあるけれども、法律が実際はあまり実効をあげていないということではございませんでしたけれども、欠くるところがある。鎌倉等の事例も指摘されまして、やはりこれらにつきましては法律のいろいろな制限だけでは保存ができない、やはり国の
財政力
をもって買い上げるなり何かして保存するという道を講ずべきじゃないかということで、閣議におきましても皆さんごもっともだなということにもなっておるようなわけでございます。いま
奥野
さんからも御指摘がございましたときに私が申しましたのは、そういう点もございまして、これはやはり考えるべきものじゃないか、ただ一片の法律だけで制限しては保存できませんから、
財政
的な裏づけが必要じゃないか、今度の
予算
にはございませんけれども、これは私将来必要な問題だと思います。 それから
地方債
の件でございますが、これは私もあまりいままでの例を存じませんけれども、もし可能であれば何も窮屈にする必要は一向ないのじゃないか。どうせ必要なものでございまするから、今後の問題といたしまして私といたしましても検討していきたい、かように存じます。
亀山孝一
19
○亀山
委員
ありがとうございました。 そこで、先ほど
柴田財政局長
は、いままでも例外的に認めたことがある、こういうお話でしたが、現在ではあるいは例外的かもしれませんけれども、こういう場合には例外的に今後も認めておいきになる御意思がありますかどうか、最後にこれを伺って私の
質疑
を終わります。
柴田護
20
○
柴田政府委員
私が歯切れのいい答弁をいたしませんのは、実はその史跡、名勝、天然記念物の保護の
事業
内容
が問題になりますので、
事業
によっては
地方債
をつけようにもつけることが適当でないものがありますし、
事業
によってはつけることが適当なものもある、こういう意味で申し上げたのであります。ただ答弁が若干舌足らずで適当でございませんでしたけれども、適当なものであれば別に拒否するつもりはございません。
奥野誠亮
21
○
奥野委員
第五点としてお尋ねしたいのでございますが、今度の法律の援助対象から
公営企業
を除外しているわけでございます。おそらく
公営企業
は独立採算のたてまえだからという意味ではずしておられるのではなかろうか、かように推測をいたすものでございます。しかしながらこれから新産都市を建設していくのだ、工特地域を
整備
していくのだという場合の地域におけるこれらの仕事は、
一般
の
公営企業
とは私は性格を異にすると考えるものでございます。ある意味においては、荒野に都市をつくっていくというような見地で、それぞれの
公営企業
的なものも検討していかなければならないのじゃなかろうか、かように考えるものでございまして、水道の布設されないような地域に
住宅
を建てて人が住まうのだろうか、バスの通わないようなところへ学校を建てて不満を誘発しないのだろうか、かように私は指摘をいたしたいのであります。これからの人間の生活というものは、ただそこで命を長らえられればいいんだというわけのものではなくて、私は文化的なもろもろの
施設
を
整備
して、初めてそこに人が住まい、
事業
が発展をしていくというようなことになっていくものだ、かように考えておるものでございます。したがいまして、
一般
の
公営企業
と、これから新産都市として
整備
し、工特地域として
整備
していく地域における水道
事業
なりバス
事業
というものは、私は性格を異にするものだ、かように考えているものでございます。もともと採算のとれる水道やバス
事業
についてまで援助すべきだとは申し上げません。しかしながら、先ほども申し上げましたように、荒野に新しい都市をつくっていくのだという覚悟でやるべき地域につきましては、バス
事業
でありましょうと水道
事業
でありましょうと、積極的に援助の対象にしていかなければならないのじゃないか、そういう覚悟で初めて理想的な新産都市、あるいは工特地域の
整備
というものができるのではなかろうか、かような考え方を持っておるものでございます。したがいまして、
一般
の
公営企業
とは全然別個な考え方にお立ちになりませんとこの問題の解決はできないのじゃないか、かような考え方を持っておるものでございまして、御所見を伺いたいと思います。
吉武恵市
22
○
吉武国務大臣
ごもっともな御意見でございますが、実は水道は確かに新産都市としては欠くることのできない問題でございまして、あわせ考えなければなりませんが、ただ今度の
財政援助
の中に織り込んでおりませんのは、御承知のように水道はとにかく住民の飲料水としてもきわめて重要な問題でございまして、ただいま東京都の値上げ問題等に関連いたしましても、これを何とか
政府
でひとつ
財政援助
をしたらどうだという意見もあるところでございますけれども、私どもとしては水を利用をする者が
負担
をするという独立採算のたてまえをとってきておりますので、新産都市であるからといって、新産都市だけにこれを援助するということはちょっとこれはやはりむずかしいんじゃないか。水道布設についての起債についてのめんどうを見るとか、あわせ
政府
としては考慮してまいりますけれども、
財政援助
はやはり独立採算のたてまえでこれを償還をしていく。ただ従来のように短期の
地方債
で、そして高い利子でということになりますと、
地方財政
負担
がかさんでまいりますので、やはりこれは都市の水道とあわせ考えなければならぬ問題でございますが、今後はやはり水道につきましては、長期の安い金利を
政府
があっせんすることによって、それがいわゆる援助になるというような方向をとるべきじゃないか。目下
公営企業
制度
調査
会におきましても、この問題は検討中でございますので、これらの御意見をも聞いた上で考えていきたいと思います。
奥野誠亮
23
○
奥野委員
再質問はしないつもりでおったのですけれども、どうもこの点について自治大臣と私とは所見を異にしておるようでございますので、重ねてお尋ねをさしていただきます。
一般
の
公営企業
制度
調査
会の検討問題とは全然別個の性格のものだ、かような認識に私は立っているのです。さらに申し上げたいことは新産都市工業用水道を布設する。その場合に、その工業用水が採算に乗らない場合には私は設備に対して
国庫補助
が多額になされる、かように考えておるわけでございます。工業用水について積極的に国が援助をしなければならない。ところが上水道についてはその必要がない。これが私はわからないのでございます。同時にまたこれから都市をつくっていこうというんじゃないか、たとえば五万の人口が住んでおる。それをいろいろな工場を設けたりする結果、十万になり二十万になる。十一万になり二十万になる都市を予定して上水道も私は布設されるべきであると思う。現在のところは五万を基礎にして細い管を布設しておくのだ。人口がだんだん十万になり十五万になるたびにパイプを変えていくのだ。そんな不
経済
なことが許されようか、私はこういう考え方を持つわけでございまして、国も
計画
を承認するのでございます。当該自治体だけの
計画
にゆだねるわけじゃございませんし、私は新産都市の建設なりあるいは工特地域なりの設備というものは、当該地域住民のことだけで事をかまえていくのではなくて、ある意味においては国土の再編成であります。国と当該自治体とが一緒になって
計画
を進めていく場合におきましては、ある場合においては五万の人口の都市が十万になり二十万になることを想定をして、いろいろな
施設
をしていかなければならないのであります。当然不採算を承知の上で水道の
計画
を行ない、あるいは交通
事業
の
計画
を行なっていくべきでありまして、そうであるならば、一定期間はそれが可能なようなことにしませんと工場もできませんし、学校も建ちません。
住宅
も建たない。したがってまた内閣総理大臣が承認した
計画
というものは、画餅に帰してしまうということになるんじゃなかろうか、かように考えるわけでございまして、私はなぜ工業用水道に積極的な援助が行なわれるのに、上水道について、こういう性格の上水道についてまで独立採算だから援助する必要はないのだ、こうおっしゃるのか、私には理解できないので、もう一ぺんお尋ねを申し上げたいのでございます。
吉武恵市
24
○
吉武国務大臣
お聞きしますればごもっともな点でございまして、新
産業都市
というのは将来を見込んで急激に発展するであろうために
計画
的に建設をするのでありますから、御指摘のように将来に向かって大きいパイプを通しませんとすぐまたやり変える、そういうむだなことはできませんので、その点はこれは何とかすべきではなかろうかという感じがいたしますけれども、水道の問題はなかなか
関係
するところが大きい問題でありまして、いまここで直ちにどうというわけにはまいりませんが、将来の問題といたしまして検討することにいたします。
中馬辰猪
25
○
中馬委員長
次に細谷
委員
、お願いいたします。
細谷治嘉
26
○細谷
委員
まず、冒頭お尋ねしたい点は、
地方財政計画
についてせんだって与党の田川
委員
から本
会議
で質問があったのでありますが、私は田川
委員
の本
会議
における質問の趣旨については非常に共鳴する点が多々ございました。そういうことでありますから、ひとつ私の質問に対しても、大体同じ立場の意見になると思いますので、ひとつ明瞭にお答えをいただきたい、こう思うのです。 まず第一にお尋ねいたしたい点は、自治省では今度特例の新
産業都市
に対する起債の
引き上げ
なりあるいは
補助
率の
引き上げ
をやるわけでありますが、もともと
事業
課のない自治省で
事業
に対するかさ上げ的な
補助金
、そういうものは、どういうものに対して自治省所管でやっておるのか、これをお尋ねします。たとえば
事業
を主管している課のない自治省で、どういう
事業
に対して
補助金
を握っているか。これをまずお尋ねします。
柴田護
27
○
柴田政府委員
自治省といたしましては、行政局及び消防庁系統の仕事に若干
補助金
を出している例がございます。新
産業都市
関係
の、今回
補助金
のかさ上げを可能といたすものにつきましては、
補助金
を出しておりません。
細谷治嘉
28
○細谷
委員
たとえば昨年から始められた奄美群島の振興
計画
、これも一種の
補助
的な性格を持っていると思うのですが、あるいはまあ今回のこの問題とはずいぶん違いますけれども、基地交付金あるいは低
開発
関係
について持っておると思うのですけれども、今回の
事業
に対する
補助金
引き上げ
というものとはずいぶん性格が違っておるように思うので、今回のやつは自治省自体が
事業
に対する
補助金
を持つ、こういう性格を非常に濃くしているのですが、この点はいかがですか。
柴田護
29
○
柴田政府委員
新荒業都市の今度の
補助金
のかさ上げの問題につきましては、後進地域と同じようなやり方をする。したがって私どものほうでは幾ら地方
負担
が出てまいって幾ら
補助
率をかさ上げをするようになるかという
計算
をするわけでございますけれども、現実の
補助金
は
関係
各省から出るわけであります。
細谷治嘉
30
○細谷
委員
いわゆる
事業
に対する
補助
的なものではないんだということでありますが、さらにお尋ねしたい点は、全く同じ
内容
の
法律案
が今度石炭特別
委員会
に産炭地振興という形で出ておる。
内容
は全く同じなんです。これもそういうことになりますと、片や通産省片や自治省というのは、これは官庁の縄張り行政のティピカルなものだと思うのですが、この辺はどうお考えになりますか。
柴田護
31
○
柴田政府委員
産炭地域の問題につきましては、
一般
の産炭地域振興行政と密接にかかり合っており、地域も非常に局限されておりますし、その中からさらに局限されるということに同じくなるだろうと思います。したがって法律では、この法律を準用するという形になっているだろうと私は記憶いたしております。この法律につきましては、全国十九地域にわたっておりますし、現模といたしましては全国的なものでございます。それからかさ上げ方式といたしましては、この種のものにつきましては
一般
的なものだと考えるわけでございます。そのものにつきましては、私のほうで法案を準備しておるわけでございます。趣旨からいいますならば、産炭地域の問題も
一般
の
財政援助
の一環なのであるから、これと性格は同じものでございます。ただ地域が非常に限定されておりますし、また一方産炭地域振興
事業
というものと密接に結びついておる
関係
もございますし、これにつきましては通産省でやる、こういうような形になっておる次第でございます。
細谷治嘉
32
○細谷
委員
どうも納得できないのです。この法律を準用するということは、この法律にも書いてありません。全く同じ
内容
が産炭地域振興臨時
措置
法の一部を
改正
する
法律案
という形で出ておるわけであって、準用なんということばは一つも使ってないのです。法律の
内容
は全く同様なんです。まあずばり申し上げれば、自治省が方式も教えてやって、これは何もかもつくってやって通産省が出してやると考えてもいいような
内容
なんですよ。一分一厘違わない。しかも産炭地振興
計画
というものは、確かに北海道と常磐とそれから山口地区と九州の北部地区ですから、これは三百五十くらいの
市町村
にわたる十九地域とは違います。違いますけれども、その
事業
たるややはり各省にあるのです。建設省の
道路
もあります。水道の問題もあります。工業用水の問題もあります。そういうものに対して標準
負担
額をこえたものについては、ひとつ
補助
率を
引き上げ
ましょう、
府県
に対しては、ある限度をこした部分についてはひとつ起債の充当率を
引き上げ
ましょう、その利子補給については八分を限度として三分五厘をこえたものについては補給してあげましょうといっているのですよ。あとでまたお尋ねしますけれども、
予算
措置
も全く同じなんです。ですから準用とかなんとかではなくて、そういうことであるならば、私は先ほど
財政局長
がおっしゃったような
内容
とするならば、これまで
財政
上の問題点については自治省がこの法律を主管するのであるということならば、産炭地の問題についても
内容
を教えてやったでしょう。原案をつくってやったでしょう。なぜ自治省がまとめて——この
地域開発
の問題と産炭地振興の問題とは性格が違います。これは有沢
調査
団がきちんと答申に書いてあるように、性格は違います。違いますけれども、なぜこれをまとめて自治省が扱ってやらなかったのか、私は、ふしぎでならない。準用ではないですよ。別の法律なんです。お尋ねします。
柴田護
33
○
柴田政府委員
私が準用と申し上げましたのは、
最初
の原案と思っておりまして、間違っておりましたので訂正いたします。これは法制局のほうで全部この法律と同じ条文を入れてしまったようでございます。経緯からいいますと、新産都市の建設法が、この
財政援助
に関しまする促進法の話がついてでき上がりましたところに、それじゃ産炭地もという話になったのでございます。私どもも相談を受けましたが、法律的な問題といたしましては、産炭地振興
事業
というものの一環として取り上げるという形で法案をまとめたわけでございます。ただ、おっしゃるように実務上の問題といたしましては、標準
負担
額にいたしましても、起債の問題にしても、どちらにいたしましても、私どもはここでいろいろ作業をしてまいらなければならない。法案はあっちを向いてもこっちを向いても、実体は、結局
計算
の実務その他につきましては、私のほうで統一的に見ていくことになるわけでございますから、
政府
全体といたしましては、産炭地の振興に関します
財政援助
につきましても、この法律による
財政援助
についても、同じところで総合的に見ていくということになろうかと思います。
細谷治嘉
34
○細谷
委員
実質的にはそうなるだろうと思いますが、あとでひょろひょろと産炭地が出てきた、こういうことのようです。もっと
内容
を言うと、ここには大蔵省はおりませんから、自治省だから申し上げますが、大蔵折衝の戦術的な問題として、おれのほうは先頭で攻撃するからついてこいとか、おまえのほうが先にやれ、おれがあとからついていくとか、手をつなぎ合って、ふところは同じで回転しておるような気がする。ですから資料も自治省から出たものでなければいけないと思います。そこで私は、たとえば三分の二の
補助
というものを、この地域のこの
事業
については重点的にやらなければいけないから五分の四にしよう、こういう
補助
率の特例の問題ならばともかくとして、局長のおっしゃるような性格の問題であって、いや自治省は
補助
事業
を握って、自分の力を強めて
市町村
を支配しようという考えではないのだ、
財政
面から何とか
事業
がスムーズにいくようにしてやろうということだから、性格が違うということならば、産炭地も同様ですから、どうして自治省はこの問題を一本にまとめて産炭地振興の問題もやれなかったのか。産炭地域振興臨時
措置
法の一部を
改正
する
法律案
という形ではなくてこれはやれたはずだと思います。これは私はやはり官庁のなわ張りが代表的に出た例だと思うのでありますが、この問題については、この前大臣に質問しそこねましたから、どうなんですか大臣。
吉武恵市
35
○
吉武国務大臣
産炭地振興に関して
財政援助
の方法が講ぜられたのは、私どもも
最初
は
事情
を存じませんでした。私どもが苦心をして、やっとこういう
財政援助
の道をつくりましたところが、たまたまそれと同じような構想で、産炭地の
財政援助
の方法が講ぜられておるわけでありますが、実を申しますと、御承知のように石炭
合理化
が行なわれ、その結果として
合理化
された地域がさびれていくので、これを何とか振興しなければならないということで通産省が産炭地振興法をつくり、それぞれ
事業
が進められておるわけであります。これに関連してなおかつ
財政援助
の方法をとろうということで、あのような方法が講ぜられたのでありますから、発展の経路といいますか、仕事の進め方から言うと、やはりもとは石炭
合理化
から発生しておる問題でございますから、その主管庁が責任を持っていくということのほうがいいのじゃないかというふうに考えます。構想は、いまのお話によると全く同じような構想でありますけれども、それはやり方が似ておるのでありまして、やることはやはり石炭に関連しての問題でございますから、通産省石炭局がこの問題を責任を持って遂行されることが望ましいのじゃないか、私は私のほうでこれを引き取ってやるということもよいのじゃないかという感じがいたしております。
細谷治嘉
36
○細谷
委員
いまの大臣のおことばでも私は納得できないのです。引き取るとかそういうお考えであれば、当然自治省がこの問題もまとめて、この法律を主管すべきではなかったかと思うのです。ところが新産都市の問題にしても、基本
計画
を決定する場合、工特法はまだ閣議決定になっておりませんけれども、これもやはりまとめ役は
経済
企画庁だった。しかし
地方財政
の問題として、自治省が熱意をもってこれに取り組もうとしておる。そういうことでありますから、産炭地の問題等もやはりもっと親切味を持って、しかもそういう性格であるならば、基本的に自治省が
地方財政
の問題としてこれに取り組むべきじゃなかったか。遺憾ながら、あったかもしれませんけれども、それができなかったのは、やはり中央官庁のなわ張りが根本的な
原因
じゃないかと思っているのです。これはなわ張り争いのことじゃなくて、そういうものだと私は思うので、あえて申し上げたいのです。 次にお尋ねしたい点は、先ほどもちょっと御質問があったのですが、法律は出ましたけれども県に対する起債のかさ上げの利子補給の問題については、八千万の
予算
がつけられているのです。産炭地の場合は一千万円です。はしたがありますけれどもこれは
事務費
です。そして聞いてみますと、半年分でございますと言うのです。なぜ半年分の
予算
を組んだかというと、大体起債の認証を得て支払う時期になると年度後半になるから半年分でいいのだ、こういうことであります。しかし、一体そういう
予算
の組み方というものが、不法だとは申しませんけれども、正常な姿だろうかと私は思うのです。 〔
委員長
退席、藤田(義)
委員長
代理着席〕 もう一つ、今度は
市町村
のほうにいきますと、産炭地の場合も同様でありまして、今度の場合も、いやそれは精算
補助
でありますから、今年は一文も組まぬで来年度にその
精算分
を計上いたしますときているわけです。ところで、私もこの点まだ研究していないのですけれども、
地方財政
法の十九条を見ますと、「国の支出金は、その支出金を
財源
とする
経費
の支出時期に遅れないように、これを支出しなければならない。」と書いてあるのです。ところが今度の
予算
案を見ますと、支出時期は四十年度でございます、精算をいたしますから、一文も払いませんで来年度精算いたします——精算というのは、これはいろんなことにございます。たとえば国民健康保険にいたしましても、精算金というのは翌年度に入ってきますけれども、大部分の金は概算払いとし払われてくるわけです。それは精算はしなければいけませんが、しかし十九条の精神にのっとって、支出時期におくれないようにという形で概算支出がここからなされております。こういう
地方財政
法十九条の原則を踏みにじっているのじゃないか。踏みにじるということばがおかしいとするなら、少なくともこれが正姿勢なのに正しい姿勢ではない、こういうことが言えるのじゃないかと私は思うのです。 もう一つ、自治省はすぐ何かというと地方自治法のたてまえからいってということをおっしゃるわけですが、その地方自治法というのを聞いてみますと、地方に対してはこういうことを
指導
しているわけです。
指導
どころじゃなくて、これはがんじがらめに縛りつけてあります。二百二十二条に「
予算
を伴う条例、規則等についての制限)」という条項がありまして、「普通
地方公共団体
の長は、条例その他議会の議決を要すべき案件があらたに
予算
を伴うこととなるものであるときは、必要な
予算
上の
措置
が適確に講ぜられる見込みが得られるまでの間は、これを議会に
提出
してはならない。」そして行政実例としては「
予算
上の
措置
が適確に講ぜられる見込み」というのはどういうことかというと、「「
予算
上の
措置
が適確に講ぜられる見込」とは、
関係
予算
案が議会に
提出
されたときをいう。」というので、がんじがらめなんです。この次の議会で出しますということは許されないのです。こういうことを地方自治体に押しつけておいて、きわめて厳格に
指導
しておる自治省が、精算払いでございます、ことしは一文も払いません、来年度に
予算
を計上します、そういう精算払いが日本語としてあるのか。特に自治体に、
地方財政
の
健全化
ということから強烈に
指導
しておる自治省が、こういう
予算
案を大蔵に押しつけられてのんできたということは、けしからぬことだと思うのですが、いかがですか。
柴田護
37
○
柴田政府委員
産炭地との
関係
でなわ張りなりあるいは作戦なりというお話がございましたが、これはもう細谷先生おわかりだと思いますが、さようなことは全然ございません。先後からいいますならば、私どもの法律ができて、そしてどっちかといえばそのひさしに入ってきたというようなかっこうであります。したがって産炭地の問題は、私どもといたしましては産炭地の振興については一つの考え方を持っておるわけでございますけれども、しかし産炭地の中で新
産業都市
と同じような扱いを
財政
的にしてよろしいというものがあることも否定するものではないわけでございます。その部分について借用したいという話がありまして、借用はけっこうだ、私どももそのものにつきましては必要を認めておるわけでございますから、実務上の援助はともかくといたしまして、形の上で振興
事業
の一環として取り上げることにつきましてはいいだろう、こういうような経緯でございます。 それから精算払いの問題でございますけれども、これは現在後進地域の問題でも精算払いがとられております。この新
産業都市建設
についての
特別措置
をとろうといたしましたときの主たるねらいというものは、どちらかといいますと、
市町村
というものを私どは頭に置いておるわけであります。県につきましては、どうせ後進地域のかさ上げ立法その他の問題がありますので、これで
差し引き
勘定——かりにこれによって特別の援助
措置
を講じましても、後進地域による
増加
分というものは
差し引き
計算
になるわけでございますので、県につきましては実際の援助額としてはたいした額にならぬ、その分はむしろ長期融資に切りかえたということになるわけでございます。 精算払いの問題につきまして、
財政
法の規定を踏みにじったというおしかりでございますけれども、これは後進地域振興のかさ上げ立法以来一つの形になっておりまして、いわば
地方財政
法の特別規定というふうな読み方を実はいたしてまいっております。したがいまして、その部分につきまして特別法律的に問題があるとも私どもは考えませんし、それでやっていけるのではなかろうかと思っている次第でございます。
細谷治嘉
38
○細谷
委員
もう触れたくなかったのですけれども、局長わざわざおっしゃいますから、またちょっと申し上げておかなければならないのですが、産炭地は、法律の形はそうでしょう。ひさしを貸しておいたらそこに入り込んだんだという局長の表現ですけれども、法律の規定はそうでしょう。そうですけれども、そういう考えで自治省があられるのはたいへんなことだと思うのです。産炭地というのは第二次答申に書いてあるとおりに、
政府
の石炭政策という形から出た
社会
的な陥没なんです。新産都市は前向きなんです。大地に足を踏まえてこれから飛躍しようという姿勢なんです。産炭地は奈落の底に落ちようとしているのです。そういうことが有沢
調査
団の第二次答申の中にもきちんと書いてある。したがって、これはおもや、ひさしということばは適切ではありませんが、これはやはりそういう
内容
は違ったものだというお考えをきちんと自治省は持っていただきませんと、産炭地の実情は浮かばれないものがあるのではないか、私はこう思うのです。この
予算
措置
の問題については、その特例というのは
地方財政
法のどこに書いてあるのですか。
柴田護
39
○
柴田政府委員
特例であるということを別に書いてあるわけではございません。つまり、
一般
法として
地方財政
法があって、そして個々の法律で精算払いの規定を書いているわけでございますので、その部分が
一般
法に対する特別規定になっている、こういうことでございます。
細谷治嘉
40
○細谷
委員
私も
法律案
をよく読んでおりませんので、この
地方財政
法の
一般
に対する特例の精算
補助
だということなんで、これ以上この問題については申しませんけれども、少なくとも、大臣、今年度はいろいろな経過があったにいたしましても、精算
補助
でございますという形で、それでなくてもどうにもならぬ、後ほどそういう問題についてもさらに突っ込んで質問をしたいのですけれども、税金の一年分以上の赤字をかかえている、そしてその基本
計画
にのっとって
計画
を進めようという団体に、前の年の
事業
に対して精算
補助
でございますと言って、年度の違ったものを、おそらく過年度収入みたいになるのでしょう、そういう形で国がやるというのは、模範を示すべき国の態度としては、あるいは自治省の態度としては、私はあまり正しい姿勢ではないのではないか、こういう気がいたします。これはぜひ補正段階なり、あるいは来年度等には、やはりその年に出すべきものは概算として
予算
に組んでいただいて処置していただかなければ、これはもう利子がつくのですから、たいへんなことなんです。やりくりの一時借入金等の利子というものはばく大なものになるわけですから、またたてまえもやはりそうあるべきではないかと私は思うのです。これはひとつぜひお願いしたいのですが、大臣、いかがでしょうか。
吉武恵市
41
○
吉武国務大臣
お話はごもっともでございますが、
地方財政
法を御引用になりましたが、確かにそれは原則でございますけれども、国も当てにならぬことを言っているわけではなくて、先ほど
財政局長
からも一言いましたように、特別法で精算払いで国が払うぞ、こういうことを言っておりまするから、的確なる
予算
的な
措置
というところまではいきませんが、適格なものでありまするから、私はその精神にはそう反していないと思います。まあ新産都市の問題にしましても、工特法の問題にしましても、あらかじめきちっと
事業
計画
できまっておって、それを年次的にやっていくということであれば、
最初
から
補助
をつけるということはこれはまああたりまえのことだと思いますけれども、御承知のようにまだ新産都市でも年次
計画
もできていない、工特法でもまだ
事業
承認ができていないような
状況
でございまするから、毎年どの
程度
のどういう仕事が出てくるか、まだ
最初
はあんまりはっきりいたしませんので、それで実際やった仕事に対して精算払いをしよう、こういう形になっておるのでございまするから、いまの産炭地のほうはどういうふうか、私通産省のほうのことでございまするから存じませんけれども、おそらく同様のような考え方で、あとで国が必ず精算で
補助
をいたします、こういうことになっておるので、多少収入の時期がおくれまするけれども、そう不確定で仕事をするわけではございませんのでやむを得ないのではないか、かように存じております。
柴田護
42
○
柴田政府委員
ちょっと補足して申し上げますけれども、その年の標準
負担
額を出して、その年の
事業
量を算出して、そうして
計算
するということになりますと、ちゃんとしたかさ上げをやりますためには一年かかる。事実上なかなかむずかしいのであります。それで後進地域のかさ上げ立法のときには技術的な問題もございまして精算払いにせざるを得なかったわけでございますが、県でもそうでございます。
市町村
になりますと、なおむずかしくなります。しかし、おっしゃるとおり概算払いができるじゃないかというお気持ちはよくわかるのでありまして、実は私どもも
最初
考えたときには概算払いの規定を持っておったわけでございます。ところが、それじゃなぜそれをあっさりとおりたのかというこれはおしかりになるだろうと思いますけれども、これは、その年度の国家
財政
の問題、
事業
の中身の問題、現在どのくらいの
事業
量があるのかかいもくわからぬわけでございます。そういうような問題がございますので、一応はこの際は精算払いに
最初
から踏み切って、概算払いの規定はあきらめたのであります。具体的に
事業
を進めてまいりますと、毎年だんだんと進んでまいりますので、
最初
の年は資金繰りに多少苦しい。しかし翌年からは一年ずれの形になる。そういうものもあるわけですが
市町村
によりましてはそうはいかぬ場合があるかもしれません。したがいまして、それは、もう少し
事業
を実際にやってみまして、その結果非常にふぐあいがあるということであれば、お説のような問題も十分検討してまいりたい。この際は、そういうような交渉の経緯を経まして実はこういう形でまとまったわけでございますので、ひとつ御了承いただきたいと思います。
細谷治嘉
43
○細谷
委員
自治省のほんとうの腹はやはり概算払いにあったのだということをお聞きしたので、私は冒頭、田川
委員
の本
会議
における趣旨に賛成だから、ひとつずばり自治省の考えを言うてくれというのは、そういうことから言っているのですから、あんまり表立ったこと、きれいごとばかり言っていただくと困りますから……。引き続いて御質問します。 この問題に関して、自治省はかねてから、端的に申し上げますと第四十六国会ごろから、やはり何らかの
財政
措置
を講じてやらなければならぬ、こういう熱意で努力されておったのですが、頑強な大蔵の反対にあって日の目を見なかったということを仄聞いたしております。 そこで私がお尋ねいたしたい点は、今度はまあ、やいのやいの言って、八千万円というものだけが
予算
面にあらわれたとにかく数字なんですが、自治省は、基本
計画
は当時まだきまっておらなかったのでありますけれども、予想される基本
計画
を国と
地方団体
とが一丸となって推進していくためには、どの
程度
の
財政
措置
を国のほうで見てやらなければいかぬというものがあったと思うのです。大蔵との折衝の結果こうなったのだということは、それはもう結果が出ておりますからお尋ねしません。自治省のいわゆる当初案ですね。ある雑誌にこの問題が出ておりました。うそかほんとか知りませんけれども、こう書いてあるのです。自治省の当初案による国の
財政援助
額は、
昭和
三十九年度において六十億円、四十年度以降は百億ないし百五十億円
程度
の
財政
措置
をせぬと、新産都市——当時まだ工特法はできておらなかったのですから、新産都市の建設は
市町村
としてはできないのだ、こういうようなお見込みを立ててやったのでありますが、それが今度あらわれた結果でございます。それに対して、雑誌はこう書いております。空中分解せずに——この基本
計画
の実施がですよ。空中分解せずに前進できる見通しが完全にくずれた、こうある
経済
雑誌に書いてあります。 〔藤田(義)
委員長
代理退席、
委員長
着席〕 そこでお尋ねしたいのは、自治省の当初
計画
はこの雑誌に書いておるような
内容
であったかどうか、ずばりひとつお聞かせいただきたい。
柴田護
44
○
柴田政府委員
確かにそういう時代がございました。なぜそういう時代があったかといいますと、私ども実は七年
計画
で全部新産都市基本
計画
を達成をする、もう一つは、そのときには実際問題として国の
補助
事業
だと申しましても、
補助
事業
にもいろいろございますが、それに関連する
事業
というのがたくさんあるだろう、つまり、
補助
関連の
単独事業
と申しますか、
補助
事業
に誘発される
単独事業
というものがあるだろう。このものも
市町村
に参りますと相当な額になるだろう。ここには継ぎ足し単独の問題も起こってまいりましょうし、いろいろ問題があるだろうから、そういうものも一応心の中に入れてまいらなければ
市町村
が困るだろうということで、
単独事業
も含めて実は
計算
をしております。ところが折衝の過程におきまして、
単独事業
の問題は、かさ上げということになりますと、
単独事業
の問題にはずれてくるわけでございますので、あとの部分が落ちてしまう。一番
最初
は
単独事業
も全部何もかも一切がっさい入れまして総合的な
補助金
、総合的な
財政援助
金を出す、こういう構想でありましたので、途中で構想が変わってきた。変わってきて
補助
率のかさ上げということになりますと、
単独事業
というものがそもそも
補助金
がないんですから、落ちざるを得ない、こういうことになって、だいぶしぼんだというのが姿でございます。
細谷治嘉
45
○細谷
委員
話を進める前提でありますから、洗いざらいお聞きしたいのですが、他の
公共事業
との
関係
で、いまのおことばですと、いかにも合理的にしぼられた、こういうお話に誤解される向きがあるわけです。新産都地区の
計画
に対して、自治省は三十九年から四十五年までの前半において、おおむね公共投資が二兆六千五百七十三億円
程度
になるだろう。その場合の県と
市町村
の
負担
額というのは一兆七百十六億円ぐらいになって、したがって
地方団体
の
負担
額が四〇・四%になるというのが当初見込みなんです。ところが、あとで詳しくまたこの辺をお聞きしたいんですけれども、
経済
企画庁の三十九年度の
事業
実績というものを見てみますと、これが今後の基本
計画
の
負担
の基礎になっているわけです。その場合の県の
負担
は二〇%です。
市町村
の
負担
は一九%、
合計
して三九%であります。四〇・四%と三九%とあまり変わりません。ですから自治省が当初考えられた案というものは、具体的の基本
計画
の
内容
に変更なしに、ただ単に大蔵との折衝で
圧縮
された、いまの数字から考えますと、こういうこと以外にないと思うのです。ですから、それはもう折衝の結果こうなったんだ、当初
計画
とは大きく違っているんだ、これは現実にあり得るんですから、私も認めて言っているんです。自治省のこの問題推進に対する基本的態度というものに関連するからお尋ねしているわけです。仕事の種類が変わったとか、構造が違ったとか、
圧縮
したとかいう問題ではなくて、基本
計画
と同じ構造で議論されておって、百ないし百五十億円
程度
の助成をしなければできないと自治省が見積もっておったのが十分の一
程度
になった。これはあとでお聞きしますけれども、この法律の
措置
は大体十五億円
程度
だろう、そういうふうに言われておりますから、十分の一になったということですね。たいへんな狂いがあるわけですから、その辺の経緯をお聞きしているわけです。
柴田護
46
○
柴田政府委員
お話しの私どもの
計算
いたしました
最初
の案のときは、公共投資が七年間で二兆九千億であったと思います。二兆九千億の七分の一、つまり均等にやられるということで、七分の一の
計算
をして、そして
経費
概算を出して、
負担
の概算を出した、こういう経緯がございます。その後基本
計画策定
の段階において、
経済
企画庁の手元で
調整
されました結果、七年
計画
が五十年まで延びた、
昭和
四十五年までの七年間の目標が二兆三千億に減った、こういうことが一つ。 もう一つは、先ほど申し上げましたように、
単独事業
が落ちてしまっておる。これは私どもの持っておりました構想と大蔵省が持っておりました構想と、いろいろ話し合いをして、結局妥協したのでございますけれども、私どもは当初の構想を一応捨てたわけであります。したがって後進地域方式に切りかえた。大蔵省も起債だけのものを利子補給に切りかえた。そして妥協の産物として、お手元で御審議願っておりますような法案にまとめた、詳細な経緯はそのようであります。十五億と申しますのは、幾ら少なくても十五億だ、と申しますのは
事業
がどれだけつくかわからない。
事業
のつき方と、つく団体の
財政力
とによって左右されるわけであります。そこでほんとうからいいますならば、先に
事業
計画
がきまって
負担
額が出て、それに対する
財政力
の
計算
があって、それから援助方式というものが出てくるというのが本筋でございます。しかしこの場合は、これだけの
事業
をやるのに、
地方団体
の
負担
が持たぬということはわかり切っておるのじゃないか、とにかく
計画
を立てるのにも、どういうことになるのかわけのわからぬようなことでは
計画
が立ちようがない。そこで先にそういった援助ルートというものをしがなければ、
計画
の立てようがないのじゃないかということで、先に援助ルートをしこうとしたものですから、具体的に幾ら
補助
率がかさ上げになるか、幾ら
補助金
がふえるかという
計算
があとになってしまった。現在のところでは、全く
市町村
のかさ上げ額というものは見当がつかない。しかし過去の実績等から推算をすれば、幾ら少なくても十五億くらいだ、
事業費
がもっとつけばもっとふえる、こういうことになるわけでございます。はなはだ不安定な話でございますけれども、そういう経緯から出たのでありますので、現在のところの積算ではそういうことにならざるを得ない、こういうことでございます。
細谷治嘉
47
○細谷
委員
十五億云々の問題については、また後ほどさらに御質問しなければならぬわけです。 次に御質問いたしたい点は、先ほど申し上げたのですが、四兆三千億という十三の地区の新産都市
計画
、それから六つの工特地域の基本
計画
二兆円、
合計
六兆三千億という基本
計画
でございます。
昭和
五十年まででございます。ところが
計画
は三十九年から五十年までの十二年間だといまだに言っておりますけれども、現実は三十九年というものは済んでもう四十年、十一ヵ年ということになると思うのですが、そういたしますと事実上は十年と見ていいと思うのです。それではその六兆三千億の
負担
区分というものはどうなるかということについて、自治省はどう見ていらっしゃるのか。先ほど四〇・四%ということを私引き合いに出したのでありますが、
計画
全体を突っ込んで、どういう
負担
区分になるとお見越しになっておるか、お尋ねいたします。
柴田護
48
○
柴田政府委員
全体として幾ら地方
負担
になるかという問題は、実は
経済
企画庁の
計算
からはわかりません。ただ私どもは、各地元でそれぞれこの基本
計画
に基づいて
事業
を予定しておりますものから推算をしたものがございます。それでまいりますと、三十九年度から四十五年度までの
事業
でいいますならば、新
産業都市
の建設
事業費
が二兆三千四百十六億、そのうちで国庫
負担金
が五千八百三十億、それを除きました地方
負担
の
総額
が九千五十億ということになります。これを
地方債
と
一般財源
とでやるわけであります。県と
市町村
の
事業
の比率は大体半々ぐらいじゃないかというように推定いたしております。また、工業
整備
特別地域の
整備
事業
につきましては、まだこの辺のところは固まっておりませんので推算がついておりません。
細谷治嘉
49
○細谷
委員
まだ基本
計画
に対する
負担
区分はわからないということでありますけれども、実は
委員長
にお願いしたいのですが、次会にはこの基本
計画
等についてさらに突っ込んだ質問もいたしたいと思いますので、ひとつ
経済
企画庁の責任ある人にもおいでいただきたい、こう思っております。 これは実は
経済
企画庁からいただいた資料でございますが、
経済
企画庁はこう言うんです。この六兆三千億というものは、おおむね三十九年度の
負担
区分というベースでいくだろう、そういうふうに想定をいたしております。こういうことであります。それによりますと、三十九年度の
事業
実績の
経費
負担
別はこういう形になっております。国庫
負担
が二一%、県
負担
が二〇%、それから
市町村
負担
が一九%、
地方公共団体
関係
公社、
事業
団
負担
が二%、国鉄、電電公社その他の
負担
が三八%、こういう数字になっております。そこで、県と
市町村
の
負担
は、二〇%と一九%でありますから先ほど申し上げましたように三九%という数字になるわけでございます。そのうち、この
計画
の中で県と
市町村
に対しましては大体
地方債
が許可されますから、その
地方債
が約五一%を占めております。
市町村
の
負担
が三千三百八十二億円、これは新産都
関係
だけでありますが、それに対して五一%の起債が認められております。私は全部について
計算
したわけでありませんけれども、個々の地域について二、三試算をしてみますと、一九%というのはやはりこれでは足らないで、最低二五%くらいになるというのが私の
計算
であります。これに、せんだって田川
委員
が本
会議
で主張されました超過
負担
——現実に建設省がこの基本
計画
にのっとって
道路整備
計画
というものを出しております。その
道路整備
計画
の中に、一割ないし一割五分は
単独事業
ですとこう書いてあるのですから、建設省の意図は全部が
公共事業
ではありませんぞともうはっきり言っているのです。一割ないし一割五分はこれは
単独事業
でございますと言っておる。これは一〇〇%手持ちの資金です。そうなってまいりますと、私がいま申し上げたように、やはり一九%ということはこれは
経済
企画庁のデスク上の数字にすぎないのであって、実質はやはり最低二五%になるのではないかと見通しております。この点自治省はどういうお見通しに立っているのか。この
経済
企画庁の数字を是認されるか。私の見通しというのが誤りでなと言いえるのか。さらにもう一つ、五〇%
程度
、半分
程度
が
地方債
ということになっておるわけでありますが、この
地方債
というのに対しては今度提案されておる法律、いわゆる通常の
負担
額というワク内なのかワク外なのか。この辺は予備知識として伺っておきたい。
柴田護
50
○
柴田政府委員
非常にむずかしい御質問でございますが、
経済
企画庁のおっしゃる数字とは、若干私どもは上回った推算を立てておるわけでございます。それがお話しのように二五%になるものやら二三%にとまりますものやら、それはちょっといまのところ、初年度を経過してみませんと傾向線がつかめませんので何とも言えませんけれども、いまおっしゃいました
経済
企画庁の推算よりはおそらくふえるだうろというように、私ども過去の経験から見ましてさように考えます。 それから起債の問題につきましては、この四十億の別ワクを用意しておりますけれども、これもこの
計画
の
地方債
の中には含まれておるわけでございます。通常の
地方債
の充当率だけをやっておったのでは
地方財政
がもたぬだろう。そこで、
事業
を促進するという意味の
事業
が多いわけでございますから、いわゆる先行投資的な
事業
が多いわけでございますから、その分につきましてはその意味も含めまして
地方債
の割り増しをする、それが四十億近いものが出る、こういうことでございます。しかしこの四十億で足るか足りませんかは実際に
計画
がきまってまいりませんと、具体的な
事業
が個々の
府県
、
市町村
ごとざにきまってまいりませんと見当がつかないわけでございます。四十億で足りません場合におきましては別の
措置
を考えてまいらなければなりません。四十億で余ります場合はそれでいいですが、足らぬ場合は足らぬ場合で
措置
をしてまいらなければならぬということになってくるかと考えます。
細谷治嘉
51
○細谷
委員
ちょっとこまかいことでありますが、具体的にお聞きしたいのですが、新産都市債として四十億という
予算
措置
がございます。
経済
企画庁の数字によりますと、三十九年度の実績としては、三百七十三億円というのが県の
負担
で、そのうち二百四億円というのが
地方債
として許可されておる、こういう形になっております。私がお聞きしたいのは、先ほど
奥野委員
からもあったのですけれども、なぜ県と市の区別をしたのか、差別待遇をしたのかという問題が議論としてあるわけですけれども、
市町村
の
負担
というものは標準
負担
額というのがありますね。その標準
負担
額というのをきめる際に、三百三十八億円の地方
負担
分、三十九年はこのうち百七十二億円という約半分に相当する起債が認承されている。この起債は、具体的にいうと起債も含めた地方
負担
分三百三十八億というのが標準
負担
額の
計算
になるのか、起債を引いたものが標準
負担
額の分子になるのかということをお聞きしているのです。
柴田護
52
○
柴田政府委員
その場合は三百三十八億が分子になるわけでございます。
細谷治嘉
53
○細谷
委員
起債も含めて、要するに地方
負担
額総ワクというのが、起債があろうとなかろうとそれは分子であるということで、
市町村
の分についてはわかりました。 そこで、これは話をわかりやすくするために、六兆三千億のうちかりに二〇%——企画庁は一九%、私は最低二五%と言っているのですけれども、かりに二〇%といたしましても、年間千二百億円
程度
の
市町村
の
負担
が基本
計画
を実施するためには起こってまいります。ところが私が三十八年度について
関係
市町村
の税収
総額
を調べてみますと、千二百七十億円しかありません。税を全部つぎ込むと、ようやく基本
計画
の二割ということになり、
関係
の
市町村
は全部の
職員
の首を切っちゃって、一切の事務はやらぬ、一切の修繕もやらぬ、入ってきたものは全部この六兆三千億円の基本
計画
につぎ込むと
事業
ができるという、ごく荒っぱい
計算
になりますが、そういうことに確認されますか。
柴田護
54
○
柴田政府委員
いまの
計算
は、千二百億という
計算
、確かにそういうふうになるわけでございますが、これは
事業
がどういうテンポで行なわれていくか、四十年以降十一年間でございますか、その間どういうテンポで
事業
が行なわれていくか。ものごとは一挙に飛躍するわけにもいかないわけでございますから、おそらくはある
程度
のカーブを描いていくだろう。そこで、この千二百億とおっしゃいました地方
負担
額というものも、カーブを持って、
最初
はゆるやかに最後は非常にきつく、あるいは
最初
はゆるやかに中途に非常にきつく最後はゆるやかになるかもしれませんけれども、一つの波は描いていくであろう。同じように
税収入
のほうもこれはやはり波を打っていくわけでございます。したがって、その間、長期のものでございますから、相互の進捗度合いというものを考えてまいらなければならぬのはないかというように思うわけでございます。またしかし、それにいたしましても、相当の
負担
がくることはこれは間違いない。それだから
補助
率のかさ上げもやる、
地方債
の
引き上げ
もやる、こういうことを考えたわけでございます。
細谷治嘉
55
○細谷
委員
放物線ということで、きょう私は資料をいただいたのですが、四日市、倉敷、いずれも
税収入
は放物線で上がっていくだろう、指数函数的に上がっていくだろう。こういう予想で、
開発
会社みたいなものをつくって、そしてやみ起債をやって、そして十億以上の
予算
に載らない借金をつくったのが倉敷市の例ですよ。四日市もそうです。やみ起債です。
開発
会社ということばは使いませんが、学校を建てるには全部PTAに、そうして最後に
負担
は全部市で保証するという形でできた借金が、税収二十三億の市に十七、八億のやみ起債が起こっておる。報告があって、自治省もお調べになったのでしょう。放物線に狂いがあったら、放物線のペースにちょっと狂いがあったら、これはたいへんなことになる。ですから私は、この間総理にも質問したのですけれども、五十年までということでこの基本
計画
をやれるのだ、やるのだ、可能なんだ、私は不可能じゃないかと言ったのですが、可能なんだとおっしゃっておるのです。不可能だということがもうはっきりしておりますよ。五十年までに六兆三千億というこの
事業
を消化することは、今日の国の
財政
においても不可能だろう、
市町村
の
財政
においても不可能でしょう。ちょっとした何億という仕事ですらも十ヵ年
計画
を立てて そしてもうことし四十年度から九年目を迎えるのにまだ五〇%にいっておらぬという
計画
、きょうもいろいろ
予算
委員会
分科会で議論されたが、中期
経済
計画
とその前の
計画
とは一体違うのか違わないのかというと、同じものです。数字は違っております。そういうことになってまいりますと、これはできない。もっと大きな放物線のペースが先行するというならば別にしても、進行しそうもないようなそういう中において、この
計画
は現実にやりおおせないのじゃないか、不可能ではないか。端的に申し上げますと、この法律に書かれている指定された
事業
以外のものは、
補助
率の
引き上げ
も、起債の
引き上げ
も行なわれないのです。そうしますと、
市町村
でやめるのはまず
単独事業
をやめる、その次に
補助
率の
引き上げ
が起こらないような
補助
事業
はやめて、基本
計画
にのっとったような仕事をやっていく。そういうことになると、どうもこの結果は、一切の
単独事業
をストップして、この法律に書いてないような仕事は全部ストップして、そして全部の
職員
を首切って、税収の一切を投げ出さなければできないのが基本
計画
の実態なんだ。二割と見積もっての話ですよ、そう私は思います。たいへん重要な問題で、もっと掘り下げて質問をしたいのですが、これについてひとつ自治大臣の率直な御意見をお聞かせいただくと同時に、この問題については
委員長
、やはり
経済
企画庁等にも掘り下げて質問をいたさなければ全貌がわかりかねますので、次会にはそういうお取り計らいをいただきたいと思います。
吉武恵市
56
○
吉武国務大臣
細谷先生の御心配の点ごもっともで 私も実は内心心配もしておるわけでございます。それは水島等々を考えましも、従来の
計画
から見て、ほっておくと無
計画
に大きく先行投資が行なわれていって、
財政
に欠陥が出てくるということで、したがいまして、これは十年間のいわゆる四兆三千億の
計画
をまずつくり、その年次
計画
をつくり、その年次
計画
をこまかく掘り下げて、一つ一つについて検討しながら実行を進めていかないと、ただばく然たる
事業
量でやりますると、細谷先生の心配のようなことになりがちだと私も思います。これは基本的には企画庁が考えておることでございまするけれども、企画庁の年次
計画
がきまりますれば、私のほうといたしましてもそれにのっとりまして、具体的な
指導
といいますか、
財政
的な
措置
を考えていかなければならぬと思っております。この点は十分注意をしながら遺憾なきを期したい所存でございます。
中馬辰猪
57
○
中馬委員長
次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。 午後三時五十七分散会