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1965-03-23 第48回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十三日(火曜日)    午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 大石 武一君    理事 島村 一郎君 理事 田中 榮一君    理事 田邉 國男君 理事 川崎 寛治君    理事 前田榮之助君       上村千一郎君    海部 俊樹君       川崎 秀二君    砂田 重民君       橋本龍太郎君    只松 祐治君       柳田 秀一君    中村 時雄君  出席国務大臣         国 務 大 臣 河野 一郎君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長     松永  勇君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君  委員外出席者         内閣審議官   金田 智成君     ————————————— 三月二十三日  委員下平正一辞任につき、その補欠として柳  田秀一君が議長の指名委員に選任された。 同日  委員柳田秀一君及び中村時雄辞任につき、そ  の補欠として下平正一君及び佐々木良作君が議  長の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  体育振興に関する件      ————◇—————
  2. 大石武一

    大石委員長 これより会議を開きます。  去る十八日、明治神宮外苑苑長伊達巽君より委員長あてに次の書面が届いておりますので、この際これを朗読いたします。   衆議院体育振興特別委員会    委員長 大石武一殿  拝啓 早春の候益々御清祥の御事とお慶び申上げます。   さて、去る三月十三日はわざわざ御来駕賜り神宮野球場使用に就いて格別の御高配を頂き深く感謝申上げます。  早速昨十七日野球場専門委員会を開き御趣旨に添うよう慎重審議の結果左記の通り決定致しましたので右取敢えず御報告申上げます。                   敬具     決定事項   (一)明治神宮野球場使用については学生野球の優先を再確認する。六大学野球連盟東都大学野球連盟覚書を交換しシーズン中国鉄球団試合する場合の試合要領書を作成し両大学野球連盟に支障を来たさないよう申合す。特に学生側試合終了時を両大学野球連盟申出(午後五時半)に応じ国鉄球団に申入れ決定するようにする。   (二)昭和四十年度プロ野球試合を可能なだけ減少するよう国鉄球団へ申入れた。国鉄より数試合を減ずるようにするが相手球団試合日時、球場等決定次第連絡発表すると返答があった。尚当委員会としては少くとも十試合程度の削減を希望する。   (三)東都大学野球連盟より申入れのあった通り野球場手入日を弾力的に運用することとし従前通り日程を組むことを了承した。以上でございます。  大体これで、所期とは申しがたいですが、ある程度の目的を達成できたと思います。  なお、この結果は間違いなくそのとおりまた神宮から返事がくると思いますので、その節御報告申し上げます。  また、あしたの午前十一時から学生野球連盟の幹部に来ていただきまして、委員会としてではなくて懇談会としてひとつこの覚書の結果を御連絡申し上げるよういたしますので、ぜひ御出席を願います。  以上でありますので、ひとつ御了承願います。      ————◇—————
  3. 大石武一

    大石委員長 体育振興に関する件について調査を行ないます。  本日は、理事会決定に基づき、河野国務大臣に対する質疑を行ないます。  発言の通告順にこれを許可いたします。  なお、出席者河野国務大臣内閣官房松永内閣審議室長並びに金田審議官文部省前田体育局長でございます。  では川崎君。
  4. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 衆議院委員会室には永年勤続議員として表彰された方の額がかかっておりますが、ふしぎなことに、隣の第七委員室が一番古い議員で、この第六委員室にかかっておるのはまだ生存者の方ばかりで、最近表彰された人であります。この前ここで会議を開いたときには三木武夫先生のまでで河野大臣のはなかったわけでございまして、本日は初めて掲額されたる河野大臣の額の下において大臣を前にして質問をする、さぞかし大臣には感慨無量のことと拝察をする次第であります。  先ほど大臣は、自分は属僚がいないで一人で答弁しなければならぬ、私もきょうは自分一人で原稿のメモだけつくりましたので筋はほとんどありません。ただスポーツ大衆化ということにつきましては年来の考え方もありますので、大臣も長い間の御経験もありますし、その点から種々質問をしてみたいと思うのであります。  何におきましても競技場国民大衆の手近にない、また利用ができない、プールにいたしましても、あるいはトラックにいたしましても、これを使っておる者は大体において学生選手であるというところにスポーツ大衆化というものが行き渡らない一番の原因があると思うのであります。アメリカは各山々に相当な設備の競技場プールあるいはバスケットボール場というようなものが整備されておるにもかかわらず、今世紀から来世紀へかけては、外交政策としては何としても平和を長く続けて、恒久平和体制に入らなければならぬ。さすれば、国内における国民の動向は、また青少年のエネルギーは、スポーツに集中するということを予見をして、ケネディ前大統領は、三年くらい前に二十一世紀、すなわち二〇〇〇年、これから三十五年の後には、必ず現在のレクリエーション施設あるいはスポーツ施設というものを、アメリカ全土に現在の三倍の計画をつくろう、それでなければ青少年スポーツ利用利用度に応ずることはできないし、アメリカを真に新しい近代国家として、世界に冠たるものに引き上げていくわけにはいかないというので、国務省に命じて、そういう計画を練ったということを聞いておりまするし、文書においても見ております。あのようにスポーツ大衆化し民衆化したるアメリカでもそうなのでありますから、いわんやわが国においては、もっと徹底したスポーツ大衆化計画というものが練られてしかるべきである。  わが国で一番おくれておるのが、衛生観念の徹底、つまり国土を美化し、町をきれいにするという点がおくれておるという一つの現象でございましょうが、こういう意味で、保健国家というものを十年後あるいは十五年後の一応の完成を目ざして、大きな計画を進めるためには、これは私の意見ではありますが、人口五万以上の都会には必ず四百メートルのトラックあるいは五十メートルの水泳場を持つ、それから人口五千ないし一万の小村部落でも、小さな競技場プールを持って、そうしてすべての国民スポーツに楽しみ得るというような環境を整備することが必要ではないか、こういうふうに考えるのであります。河野大臣がこの前にこの会で古井委員質問に答えられて言われたことの中には、その言われるところ非常に掬すべきものがございました。たとえば、現在世界一の総合的な屋内水泳場ができておる。しかし、ばかでかいものはつくってはおるけれども、地方へ行ってはほとんどそれが普及しておらぬ。この点が今日の日本スポーツ普及の弱点とも思うのでありますが、これらのことにつきまして、総合的な御見解をまず伺って、逐次他の質問に入っていきたいと思っておるのであります。
  5. 河野一郎

    河野国務大臣 御指摘の点私も全く同感でございますが、従来スポーツを扱うものは、学校スポーツといいますか、文部省所管で主としてやっておる。むしろ私は重点は、この時限に参りましたならば、文部省よりも厚生省のほうにウエートを置いて、そして厚生省予算を組んで、そうしてそれを、いまお話のように、市町村がそういうもの施設いたします場合にも、それを文部省が使う考えだということに私は変わらないのじゃないだろうか。いま御指摘のように、学校中心競技施設は徐々にできておる。しかもそれが、決して分不相応とは申しません。一カ所に重点的にできまして、普遍的にできてない。この点は私は学校スポーツ弊害じゃないかと思います。したがって、これは、今日まで参ります過程におきましては、必要の最小限度学生にやらせる、生徒にやらせるということでよかったと思います。しかしもうその段階じゃないというふうに思いますのが一点。  したがって、これから、考えとしては、厚生省にもう少し積極的に全体の国民健康を対象にしたスポーツというものを取り扱わせるということにしていかなければならないだろう。すでに相当の施設文部省関係にあるわけですから、この文部省関係にあるスポーツ施設大衆使用方向に持っていくということにさしあたり利用度を高めるということが必要だろう。この点は文部厚生両省の間でしかるべき御協議をいただきまして、そしてこれを利用度を高める方向に、何らかの必要な施設考えなければならぬのではないか。  第二番目には、従来厚生省もの考えます場合に、たとえば、国立公園をつくりましても、国立公園には、宿屋をつくるとか、積極的に国民の健康ということを、むろん考えておったことと思いますけれども、しかしそこにはそういうものがない。特に私は、この際皆さんのお知恵を拝借しなければならぬと思いますことは、スキーに行き、スケートに行きます。これらでも、予備知識の少ない者がもののはやりもののようにみな専門家と同じような方向で、急に大きなことを考えてやり過ぎるから、冬山の遭難というようなものが起きる。むしろ私は、体育普及大衆化をはかりますには、先般もちょっとそんなことを申したことがあるのでございますが、とにかく農林省の持っております国有林日本の場合は国有林は非常に広うございます。大きな山の上は全部国有林でございます。こういうふうなものをどういうふうに開放するか。これらを開放してそこに国民広場というものをどういうふうにつくるか。広場をつくることによって、そこはすべて大衆が行って自由に利用できるというようなことをしたらどうか。たとえば、一つ国有林利用——いま国有林利用といえば、ほとんど農村関係においてこれを利用しておりますが、これを国民健康の面において開放するということはほとんどございません。これをいま申し上げるように、ここにわずかの施設をすれば、十分に利用ができる。また大きな山まで行かなくても、大衆が高いところで自由に健康を増進することに利用できるものが非常に多いと思うのですが、ほとんどいままでそういうものが見られていない。国立公園施設をする場合には、そこに必ず体育に必要な施設をするというようなことを考えていくことが一番必要です。たださえレジャーの方向——国立公園の場合には、ただそこに遊覧バスで乗り込んで、そうしてそこに一晩泊まってくる、そこで遊んでくるということで、何らの配意がないということも、私は一つの欠点じゃないかと思うのであります。あらゆる面において行政上今後国民体位向上というようなことを考慮して、そうして持っていくことが必要だ。これはいままで全然そういう点が考慮されておりませんから、一つ一つ考えてみまして、ちょっと注意すればみなできるものが非常に多い。効果はすぐ私はあがってくるというふうに思います。  こういうところでそういうことを申してははなはだ恐縮でございますが、たとえば、先般のオリンピック記録映画にいたしましても、芸術的であるからいいじゃないかということで、これは真のスポーツの面から考えて発言されていない。私がひそかにおそれるのはこの点でございます。青少年をはじめとして、それが必ずしも勝ったとか負けたとか、記録がいいとか悪いとかいうようなことが第二義的になって、そうしてそれがオリンピック映画です。したがって、そこにはやはりスポーツというものが強く考えられなければならぬ。芸術が強く考えられるよりも、もっとそこにスポーツというものを、記録というものをもっと強く打ち出してもらうのでなければなるまいと思うのです。ところが一般の世論、批評を聞いてみましても、それは全く第二義的に考えられている。芸術的に非常に価値のあるものだからいいじゃないか。——それは悪いとは私は申しません。悪いとは申しませんが、オリンピック記録映画という点を第一義的にもの考えて扱ってもらわなければ困る。それが非常に払拭されて、そうして芸術的価値があるからこれでいいんだということになる。そういうふうに、スポーツとか国民体位向上とか健康とかいうようなものは、常に第二義的にもの考えられている点は、お互いにひとつ大いに反省もし、強くその点を打ち出していくのでなければ、効果があがらないというような気持ちがいたすわけであります。この点は特にひとつ川崎さんあたりから、鼓を鳴らして強調していただかなければならぬだろうと思います。
  6. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 いまの御答弁の中で二つ注目すべき御意見が出ましたので、私の所見をつけ加えてさらにお尋ねをしてみたいと思うのであります。  それは、大臣がいま非常に新しい意見、つまり大衆運動広場として国有林利用というもの考えてみたらどうか、それから厚生省のやる社会体育の面、学校体育でなしに社会体育の面を広げていく必要がある、予算もいままでは文部省中心であったが、できるだけそのほうにも盛るということが、いま出ました意見の中で大きく取り上げて推進しなければならぬところと思います。そのうち厚生省社会体育の問題は、大臣からそういう話があればまた一般も前々から希望しておったことであり、勤労者体育あるいは社会人体育必要性というものはいま一番痛感し、実行されなければならぬ部面でありますので、これは対応策がすぐあると思います。国有林の問題は、大臣答弁がありましたので、私もこれは非常に新しい意見のようにも思い、これをぜひ内閣で大きく取り上げていただきたいと思うのです。西ドイツへ行きますると、森林の中に大きな競技場ができている。大きいといっても、これは四百メートルなどというものでない。二百メートル、三百メートルの小さな競技場があって、そこで青少年が喜々としてスポーツを楽しんでおります。どうも日本のいままでのスポーツということばが、何か競技するというふうにいわれておりまするけれども、イギリスなどで「スポーツ」という雑誌がある。そのスポーツというのは非常に広範囲な考え方で、キャンピングもスポーツであれば、野外活動ということが一番の重点のように、太陽を浴びて裸で運動するということをスポーツといって、競技意味の、日本でいうスポーツはときにはアスレチックスという陣上競技に近いことばを使っております。そういう意味で、国有林利用によって休日ごとにそこまで青少年が行って一日を楽しく過ごすということになりますれば、これはもう身近の自分の住んでおる村あるいは町における体育施設の完備とともに完全なものになってきますので、ぜひともそれを進めていただきたいと私思うのであります。  そこで、これに関連して、とりあえずは学校の持っておる競技施設あるいは体育施設というもの利用しなければいかぬ、こうただいま言われておりますが、学校体育施設利用するといっても、昼間は生徒がやっておるわけですから、どうしても夕方から夜間になると思うのです。この利用については文部省当局にもいろいろ考えてもらわなければならぬし、また実際にかりに開放しても、夜などは夜間照明などというものも十分ではありませんし、管理の状況も十分ではありませんが、これらについて何か大臣考えになっておりましたら、ぜひ御答弁いただきたいと思います。
  7. 河野一郎

    河野国務大臣 いろいろ先般来民間の関係の方の御意見を承りますと、学校広場利用するということをすみやかに実行せいということの御要望が非常に強かったのであります。これは御承知のように、たとえば東京、大阪にしましても過密化しておって、町自身空地がございません。日比谷公園を見ましても芝公園を見ましても、昔は相当広かったと思いますが、だんだん狭くなってきております。広いところがない。広場があるとすれば学校関係以外にはほとんどございません。そこで、私は、学校広場学校体育館というようなものをどういうふうに大衆的に利用できるかということを考えなければならぬ、これはすみやかにそれを手初めにやる必要があるだろうと思います。この点はわれわれ不案内にして、学校がどういうふうにこれを管理し、どういうふうに経営しておるかということについて詳細を存じておりませんから、十分研究いたさなければならぬ点もあるかもしれませんが、それはそれとして、いまお話しのようにどういう施設をする必要があるか、いま学校だけが使うに必要な施設になっておりますから、これをさらに一般大衆利用する場合にさらに進んでどういう施設が入り用かということを第一に検討する必要がある。その施設はどういうふうにしてする必要があるか、これを民間の資金で施設したらいいだろうということでは、プロ野球などはともかくとしてとうてい不可能であります。したがって、これらに夜間照明をいたします費用、そういうものをしかるべく政府において助成して実行するのでなければなるまい。私は、こういうことは明年度予算を待たないで、いま御審議願っておる予算の中にはございませんから、これをひとつ案ができ次第予備費から金を出してやるぐらいでいかなければだめだろうというふうに考えます。皆さん方からもそういう御要望がございますれば、政府の内部におきましては文部省のほう、もしくは自治省のほうにいたしますか、そこらのところはよく検討いたしまして、いずれにしてもある程度予備費をくずして、これらの夜間照明もしくは必要な施設というようなもの補助、助成の予算をとって、そうして少数であってもまずすぐ始めるということからいきたいと思いますので、どの程度補助をしたらいいものか、全額政府でやれといっても、それは全額やりますと利用度が少なくなります。やはり地元でもってある程度負担して、完全に利用することにならなければ、ただつくるだけつくってもあとは使わないというのじゃしかたがありませんから、そういう意味において地元要望があり、要請がございますれば、ひとつ政府においてもすみやかにこれに対応するというところまでいくべきだと思うのであります。  話はわきにそれますが、いまお話しになりますとおりに、どうもやる場合に完備したもの、完成したもの日本では考えて、それでないとみな利用をしないという癖がありますから、これはやはり欧米諸国のようにどういうところでも運動をするという気持ちになる、だから学校広場があいておれば、あいておるところでもいいというふうにして、そういう癖をつけませんといかぬ。私は先年オランダに参りましたときに、ある小さなレストランで昼めしを食べておった、そして昼めしが済んで裏のほうの広場へちょっと行ってみると、いままでコックしておった人たちが出てきて、そこでバレーボールの練習をしておる。そういうことを向こうの人はめし食ってすぐやる。日本ならば一服ひなたぼっこをしながらということになりますけれども、そうでなしに、すぐ若い人がボール一つ持ってきて、その裏庭でまり投げをやっておる。こういったようなかっこうにまで徹底するようにならなければいかぬのじゃなかろうか。そうして夜はみんな集まって学校運動場でやろうじゃないかということになる、そういうことになるべきものだと思うのでありまして、できればそこまでひとつそういうムードを盛り上げていくということにいたしたい、こう思うわけであります。
  8. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 そこで、確かにいまのお話オランダの例を待つまでもなく、各国では町あるいは村におきまする近隣でのアスレチッククラブというか、スポーツクラブというものが非常に盛んで、それが主体で、ことにヨーロッパは学校よりもベルリーナ・アスレチッククラブあるいはロスアンゼルス・アスレチッククラブ、こういうもの主体競技もし、楽しみもしておるというようなことを思いますると、ここに一つの問題が起こってまいると思うのです。そういうことが本質的であろうと思うのですが、これはこの前大臣がどこかの、隆運の会長になられたときか何かのときに、国会でなしにお話しになったことで、わが国社会人スポーツというもの普及が十分でない、しかもその社会人体育というものはプロ化して会社利用されておるということを言われて、アマチュア選手所属団体はできるなら町の名前あるいは何かにちなんだ名前を使うべきで、たとえばリッカーミシン八幡製鉄住友化学というような会社に属しておる会社の広告みたいなものに最近の社会人スポーツがなっておるということを指摘されたのは同感でありまして、これは将来アマチュアスポーツ団体は、でき得る限り会社名を使わずに、都市とかあるいは何かの合宿の名前にちなんだものに変えていくような方向に導いたほうがよくはないかということを私も感ずるのであります。これはただ新聞で拝見しましたので、一応大臣見解を承っておきます。
  9. 河野一郎

    河野国務大臣 実は陸連会長に就任いたしました際にそういうことを申しましたが、わが国スポーツが発展してまいりました経緯から、学校スポーツが次に社会人になります場合に、会社クラブになる経緯を見てみますと、やはり体育奨励政府考え方が従来ゼロだった。そのために金のあるもの、出し得るもの以外はこれに関係できなかった。川崎さんも御承知のようにお互い陸連関係しておりますが、陸連にいたしましても収入は全然ない。一年の予算はわずかに千何百万円、それで日本の全体の陣上競技、大きくいえばオリンピック競技中心になってあの競技会をやった。ところがその金はどこから出るかというと所属団体から会費を取る。所属団体といいましても会費を出す力がないということで、勢いいま言うような会社的な背景を持ったものから金を出してもらうということになる。そういたしますと会社のほうでは、初めのうちはいろいろなことを考えたかもしれませんが、そこに出てきたものは何かというとノンプロというものが出てきた。野球の場合にはノンプロというような名前を使いますけれども、それはひとり野球だけではない。ほかの場合でも常に会社宣伝用と併用してこれが行なわれるということになりますので、大学選手の引き抜きをやって、そうしてそれを一つのチームにして会社宣伝をするというようなことが非常に強く出てきておる。そのためにいまの段階弊害があるとは私は決して申しませんけれども、この傾向が将来強くなりますと何か大きな弊得が起こってくるのではないか。国際的にもフロとアマの関係がどうなるかということが問題になるのではないか。また、日本青年自身にしましても、自分が就職するときに、大学卒業ということで会社に入るのではなくて、何の選手であるということが売りものになって会社に就職する。選手が弱くなってしまうと会社の中でぶらぶらしてしまうというようなことになる。こういう傾向は非常に遺憾なことでございまして、たとえばよく世間でいわれますように、プロ野球選手に優秀な体格を持った素質のある者はみな高校時代に引き抜いてしまう。そこにいくことがまた高校時代一つのはやりものじゃないでしょうけれども、何かおかしなムードが生まれてくるというようなことでは、この程度以上にスポーツは発達しないんじゃないか。これは私の考えておりまする国民健康の面とは多少迷うかもしれませんが、たとえばオリンピックで勝つとか勝たぬとかいいます場合にも、そういったようなほかの要因でほかの方向選手がいく。それはそれだけならまだよろしいが、選手目標はしからば何だといいますと、純真な世界記録に挑戦するというような考えじゃありませんで、プロ野球に幾らで買われていくかというようなことが、もし間違って青年のこれが一つ目標になるというようなことになりましたら、これは私は非常に遺憾なことだと患われるのでございます。したがって、いま申しましたように、つじつまが合わぬようなことになりますけれども、どうかひとつもう少し純真なスポーツということになりますためには、いま言うように、会社とか宣伝、広告とかいうものとはなるべく切り離すように、また、会社を経営していらっしゃる人もそういう点に深く御理解を願って、そういうものスポーツ利用するということはやめてもらう。ほかのもので芸人でも使って宣伝するなら、たくさん宣伝の要因があるわけでありますから、スポーツを使ってやることはやめてもらいたい、こういう発言をしたのでありますが、これはいま申しますようにその基本は何か。われわれが考えて、ひとつ手を打たなければならぬものは、体育団体、たとえばいまのアスレチックの各種のクラブにしましても、たとえば道具を一つ買う、設備をするといいましても、なかなか設備費用まで出し合ってやるということはむずかしい。しからばそういうものを出し得るものは何かということになりますと会社になる。それはしかも有力な会社になるということになりますから、私はこれらのものについても何らかの方法で奨励費を出してやる、設備をしてやるというようなことをしてやったらどうか。一例を申しますれば、運動器具、用具については税の点についてどういうふうなことを考慮するとか、そういう団体がこれを使用する場合には総括的に公共団体がこれを持っておりまして、これらのものには無料で貸し付けるとかいうようなところまでいくことができますれば非常にけっこうだ。ことにいま体協関係のたくさんの団体がありますけれども、これらといえどもいま金が中心になっている。金を出せるものというようなのがリーダーシップをとっておるというようなことでは、私はいかぬのではないか。そうではなしに、何らかの資金関係は別に見てやるということにいたしませんと、どうもいまの程度以上に伸びていかないのではないか。これは欧米各国の例に比べまして、その点が非常に違う。日本の場合にはまだその点は何といっても後進国で、スポーツの指導もしくはこれらについて有力な発言をするのは何かといえば、常にそこに金がついて回る。金が力だということになっておっては必ずしも将来の発展の上によくない。何らかの方法でこれらのスポーツ団体の運営については特別な方法を講じて、常時しかるべき財源がこれに与えられて、そしてそれが中心になってものが回っていくということまで考える必要があるのではないかと思っておるわけであります。
  10. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 だんだんにお話を承りましたが、確かに陸連をはじめ各種のスポーツ団体が今後の運営に困難を感じておることは御指摘のとおりでありまして、私どもも非常に心配しておるわけでございます。ことに東京オリンピック大会までは、選手強化費に年々何億という援助費が国費またはオリンピック資金財団、体協の財務委員会、それぞれの機関で調達をされまして、かなりの効果をあげたわけでございますが、本年度からは、東京オリンピックではありませんから、したがって、選手強化費を国費をもって若干でも援助するということは打ち切られた形であります。そこで、これらの今後の選手強化費の調達についてはそれぞれの団体が非常に苦労しておることと思うのでありますが、やはりこのスポーツ振興資金財団の金なり、あるいは公営競技といいますか、自転車振興、ああいうものの費用はもとより地方財政の強化、さらには養老施設などに多く向けられておるのですが、その幅をなるべくスポーツ振興というものに主力を置くように振りかえていく必要があるのではないかというふうに感ずるのですが、これらの点についてはいかがでしょう。
  11. 河野一郎

    河野国務大臣 私も全く同感でございまして、従来そういうことに法律はなっておりますけれども、配意が足りなかった。ことにオリンピックというもの中心にしてこれらの金を相当に出す、使うということになっておりますが、これをこの際に、特に私は年々競馬益金、それから自転車振興資金というようなものから、いまお話しのように、一定の予算のワクをとりましてそのほうに回してもらうということには、ぜひこれをしてもらいたいと思うのであります。ことに、ひとつこの際委員皆さんから——私もまあこれは打ち明けた話、一生懸命努力しますから、幸い体育デーをつくって大いにやろう、十月十円を体育振興の日にしようということもいわれておるわけでありますから、競輪なり競馬なりはその日に実施したものの益金はこちらに、体育振興に回したらどうかというようなことを、ひとつ強く皆さんからも御要望を願い、私もできるだけ努力したい。そうして、その間に生まれてきた一定の益金は国民体育振興に使うというようなことにしてまいりますれば固定した資金が出てくるわけでございますから、まあ、金の話をあまり体育振興でどうかと思いますけれども、やはり先立つものは金で、金がある程度ついていきませんとどうもいかぬ。金の出場所が一はなはだ遺憾に思いますことは、つい最近どうもおもしろくないと思いましたことは、御承知のように、ボストンマラソンというものがあります。ボストンマラソンに選手の派遣が多過ぎるのじゃないかと言いましたらば、いや、それは、費用は会社がみんな持つのですからと言うのです。だから、会社が費用を持ってくれる選手は行けるけれども、会社の裏づけのない者はだめだということになってしまう。勢い、いい会社にいい選手がいくということになるということで、私は、こういうことははなはだよくないと思うわけです。むやみやたらに、ボストンマラソンに五人も六人も選手をやる。どこの国でも、選手を五人も六人もマラソンにやりゃしません。ほんとうに強い人、アベベが一人行けば足りる。そういうものを一人か二人やったらいい。それでほかの競技にも出してやったらいいと思うのです。いまお話ししましたが、ボストンマラソンに五人も六人も、会社が金を出してくれる人だけ出す、こういうもの考え方は、私は非常によくないと思うのでございますけれども、これもあれも、先ほど来申しましたように、金というものは常にそういうふうに変なものがつきまとう。それが会社宣伝広告について回るというようなことになるので、まあ、こういう点、こまかなことから一つ一つ直していかなければならぬ、こう思うわけです。
  12. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 奨励すべきものは奨励し、チェックすべきものはチェックしなければならぬので、いまのように六人も七人も選手が行って、まさにお話のとおりだと思うのです。  そこで、いま一つ違う問題で御所見を承り、私どもの意見も述べてみたいのは、いま中産階級以上といいますか、各会社の部課長というものは、三十、四十になるとゴルフに熱中するわけです。ゴルフもりっぱなスポーツだと思いますけれども、今日過剰なものはゴルフ場だというふうにさえ私どもは思っております。国会のスポーツ議員連盟の中にもゴルフ部というものがあって、小坂善太郎君がゴルフの会長をしておって、私にゴルフをやれやれ一あれはまだ庶民のものでないということを私どもは言うているわけですが、ゴルフ場が各県に、多い県は二十五か三十、少ない県でも十から十五くらいあるというこの現象は、はたして健全なものであるかどうか。最近ではゴルフ場もだんだん採算がとれなくなってきて、廃止または閉鎖をするものも各県にぼつぼつ出ております。これは明らかに日本のアンバランスの現象があらわれてきておるので、おとながこれだけの広大な地域を占領して、小中学生やあるいは青壮年が健全にスポーツする場所がない。ゴルフ場で閉鎖したものは大体野外運動場として利用するように今後政府で御指導いただきたいというふうに私は思うのであります。  それから、先ほどの国有林の払い下げ、活用問題は私たいへん賛成いたしますが、同時に、この国有地の払い下げ問題については、政府はもっと配慮をいたしませんと、何でも神奈川県では大きい問題が起こっているように聞いております。国有地として払い下げたものが、県立公園という条件で払い下げたものが何か一つ会社のサイエンスランドというような企画に、この企図は必ずしも悪くないと思うけれども、とにかく趣旨とは違ったものがあらわれてきているのであります。どうかゴルフ場の閉鎖後の処置の問題、国有地の払い下げの問題については、なるべく趣旨に沿うたものにしなければならぬ。その際にスポーツというものを大きく取り入れていただいたらいかがでありましょうか。この点伺っておきたいと思うのであります。
  13. 河野一郎

    河野国務大臣 お話の点、私も同感でございます。とにかく政府配意がこれまで足りませんで、スポーツの振興に関する施設予算というものは、先ほども申し上げましたように文部省関係だけにありまして、厚生省関係にその点が非常に薄かった。一般大衆スポーツの場というものについての施設予算というものが非常に薄かったということにある。この点は、特に皆さんの御意見を承った上で考えたいと思いますことは、たとえて申しますと、国体をやるということで各県が非常に競争をしております。これは私けっこうだと思います。けっこうだと思いますけれども、その会場がやってしまってからあとは一体どうなっているか。国体をやりますために一カ所に重点的に集中して施設をするということは一体どんなものか。小さな県で非常に無理をして国体をやる。そのために全国から人を集めるような施設をする。そうして、施設をしたらそれを利用するだけのものが県内にあるかというと、これはない。そういうように、一カ所に重点的にやりますから遊休施設のようなものになってしまうということも考えなければならぬ。いまのゴルフ場のお話もごもっともでございますが、こういう点も、せっかく東京にこれだけりっぱなオリンピックのあとがあるのですから、これをもう少し活用する方法として、やはり二年に一ぺんか三年に一ぺんは東京で国体をやって、そうして、全国の青少年に、この国体の非常にりっぱな施設競技をさせるということは、私は必ずしも全国青少年——少なくとも川崎君、お互いに若いときに神宮競技場ができた。あの神宮競技場で一ぺん走ってみたいということは、若い者の夢である。ところが、いませっかくそれ以上にこれだけりっぱなものができておる。スタンドも国体をやらぬ限り一ぱいにはならぬだろうといわれております。そういうものを、少なくとも二年に一ぺんか、中央でこのオリンピック施設を使った国体を開くということにさせる。そうして、いま各県各県でやることをできればやめて、九州でやる場合には福岡の施設を使うとか、九州大会とか近畿大会とか、国体も県ごとの大会はやめて、地方大会にお直しになったらどうか。これはどこかの次元で、ひとつ皆さん方の御発案できめていきませんと、いまのように体協にまかしておいて、そうして府県の競争の場にして、三年先にはどこだ、いまから準備するんだといって、県がただでさえ赤字の地方財政のところへああいうふうなものを持ち込むというようなことは、必ずしもそれを全国の青少年が期待しているかどうかということになりましたら、むしろ東京に行って、大阪に行って競技をやるということを非常に望みますが、いなかのほうまで連れていかれて一体大会をやることはどうか。それらも今後の課題として御検討いただく必要があるのじゃないかという気がいたします。
  14. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 国体の開催地の問題も一つの問題だと思っております。  先ほど私、質問をいたしませんでしたが、オリンピック映画の問題については当委員会では、実はあの最中に神宮球場の使用の問題について結末がつきそうな——結末がついたのですが、そのちょうど盛りであったものですから、オリンピック映画の問題は委員会としてはあまり論及せず、ことにオリンピック組織委員会が二十四日か、あしたか、いよいよ最後の結論を出される。これを静かに見守るとともに、議員連盟のほうで大体の意見を取りまとめまして、あれを二部作にしろということを言うたわけでございます。しかし河野大臣オリンピック担当大臣としてのあと始末といたしまして、これは関連があるわけですから、御発言があったのは当然だと思うのです。私ども六十人ほどの御意見を、国会のスポーツ議員関係の方々から伺ったところが、大体のところは記録映画をもう一本つくれということのほうが多数でありました。もとより今度の市川崑氏がつくった芸術映画芸術作品として相当高く評価されていいんじゃないか、人間性の尊重とかあるいは平和と人類というような点に視点を置き、オリンピックを高い目で見た場合にはああいう考え方も出てくるものだというので、相当に評価された議員もあったのでありますが、何にいたしましても、オリンピック憲章というものにやや背反しておる。各競技の種目の決勝などというものは全然出ておりませんし、現にボートのエイトの決勝などは芸術的にも相当高く評価されてよい場面があったそうですが、それもほとんどオールが波をけっているだけの写真であって何のことやらわからぬということで、海外へ出した場合でも相当に問題になるのじゃないかとさえいわれておるのですが、この段階大臣はやはりもう一本記録映画をつくったほうがよいとお考えいただいておりますか、ひとつ決定的にお話をいただきたいと思いす。
  15. 河野一郎

    河野国務大臣 これはだれが考えても同じことで、問題はスポーツを愛好する度合いによってその批評が変わってくると思います。したがってそれは、いまお話しのとおり組織委員会の有力なメンバーの諸君に私はお目にかかりました。結局記録映画をもう一本つくろうということでございますから、私はこれはこれなりで、記録映画をつくればよろしいと思います。それでおそらくおつくりになることだと思います。ただ、あの映画そのものを私は別にいいの悪いの批判しようとは思わぬ。あれが一体オリンピック記録映画かどうかということを言っているのであって、あれをオリンピック記録映画と銘を打っては困る。ちっとも記録映画じゃないのです。だから、やはりオリンピック記録映画というもの記録としてちゃんとしたものをつくってもらわなければ困るということを私は申し上げたい。そして、一般映画を見る人があの映画をどういう意味でごらんになろうとそれは御自由ですから、一向差しつかえない。ただああいうものを扱いますときに、最初からこれは記録映画をつくって後世に残すのだということにもう少し配意がほしかったという気がするのです。いまもお話しのとおり、せっかく日本であれだけのりっぱな施設をした。ところがこの施設というものについては全然記録がない。これは私はそう申しても過言でないと思うのです。たとえばあれだけりっぱなヨットハーバーをつくった。ヨットハーバーがどこにあったか、ない。カヌーにしてもそうです。あれだけもみ合って相模湖にカヌー競技場をつくっても、全然ない。ボートにしてもそうです。あそこにボート施設をした、それも記録に残らない。どこで何をやったということが全然わからない。水泳場にしてもあれだけりっぱな建築、この建築は相当高く芸術的にも評価されておると思います。しかしそういうものは何にもないということで、競技ももちろんですが、そういう基本の、どこで何をやったかということが全然記録に残っていない。これでは話にならぬ。大体オリンピック記録映画といえば、どこでやったか、何をしたかというのがなしに、記録映画ということは言えないと思うのです。芸術的判断はそれはまた別の話であって、これはオリンピックであろうが何であろうが、芸術的価値は別のものです。ことにあれだけりっぱな素材を写真にとれば、それはあとから見た人は感激をするでしょう、感激をするものを写真にとったのですから。それは芸術的感激じゃないのです。それを混淆して、世間の人があの映画をごらんになること、それはたいへんにけっこうです。それは御自由です。しかしそれはスポーツ振興の意味において、あの映画オリンピック映画だと言われては困ると私は申し上げたい。したがって、あれはあれ、いまお話のように二部作、たいへんにけっこうであり、私はあの映画についてとやかく申すのではございませんが、あれがオリンピック記録映画とされることは困るということを私は言うておるのでございまして、十八日に一ぺん映画関係委員会をやりまして、そこで記録映画をすみやかにつくりかえる。ただそういう配意をせずに、いつから見せるのだ、外国にはいつやるのだというて、そういう面があまり——オリンピックをもう一ぺんやることはめったにないでしょうからいいようなものの、今後やります場合に、そういう商売気のたっぷりした先物取引が先行してしまって、そしてどんどんどんどんいって、しまいにはどうにも手がつけられないことになっている。それに引きずられていくということははなはだ遺憾だと思う。とにかくあとに残すものはりっぱなものを残してもらいたい。一あたり見たらあの映画あれでおしまいだと思います。しかし体育振興という意味において、各競技団体なり今後次にきたる青少年に常に競技の参考にする映画というものはなくちゃいかぬというふうに考えて、二本立てでやることになっておるそうでございますから、それはそれでいいのではないか、こういうように考えております。
  16. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 スポーツ大衆普及ということ、国民普及という面では二つばかり建設的な意見で、大臣がどういうふうにお考えになるか伺っておきたいのですが、だれにでもできるということだと、先般古井君とのお話にあったような健康体操といいますか、子供も年寄りもできるような健康体操、それから私は年来その普及に多少の努力をいたしているのですが、早く歩く運動、これは競歩でなしに速歩運動といって、普通歩くよりも一倍半あるいは二倍早く歩く、それが非常に健康にいいというので、アメリカあたりでは例の大統領を一度したことがあるトルーマン、この間映画に出てきたら、まだ五十代にしか見えない非常な若さですが、毎日四キロから五キロぐらいスピードウォークというのをやって、全米の会長をしておるそうです。ケネディ元大統領もその愛好家であったし、ロバート・ケネディもボストンからバルチモアまで歩いたというようなことをいわれておりまして、全米には相当普及していますし、日本でも戦前から戦時中歩け運動というのがあったわけです。ところがこのごろ都会では歩いたら自動車にひき殺されるほど交通が煩瑣な上に舗道がほとんどなくなってまいりました。高速道路はこれは歩く道路でなしに自動車が走る道路であることは私は認識していますけれども、都会の小さな道道がほとんど舗道がつぶされておる。これは非常に残念なことでありまして、建設行政の上からもひとつ大きく変えていただいて、舗道を楽しんで歩く、スピードウォークをやる。このスピードウォークというもの国民の健康維持発展には非常な効果のあるものであるということを国民一般に知らせる必要があるのではないか。これには明年度あたりからは政府も相当力を入れて予算化すべきもの予算化していただきたい、さように思っておるのですが、これらの問題についてどうお考えになりますか、ぜひ伺っておきたい。
  17. 河野一郎

    河野国務大臣 いまのお話たいへんけっこうなお話と思います。実は御承知のように明後日スポーツ関係の人、もしくは国民健康の関係の人をなるべく大ぜいお集まりいただきまして、実際やっておられる人にお集まりいただきまして、これはいまお話のようないいことはたくさんありますけれども、これが普及徹底していない。そしてだれかがリーダーになって普及徹底するということが必要だという意味合いから、まずどういう問題から取り上げていくかということをいろいろな意味合いからひとつ御発言を願って、そしてそれに政府でやるべきことは政府はひとつ遅滞なく御協力を申し上げるということをやりたいと思いまして、相当広範な方々にお集り願うことになっておるわけであります。皆さんのほうにも御案内がいっておりますかどうか心得ませんが、しかしなるべく御参加いただきまして、そうして各方面の御意見もいただいて、またそういう場を御利用になって御発言をいただきたい。これは私は一回の会合でなしにその会合を契機にして、それぞれの部入会を設け、それぞれの部会に活発に活動してもらうということでいきたい、所要の予算考えるということに思っておりますので、いまのようなお話でもひとつなるべく大ぜいの人に御理解願う、そういたしますればむろん政府としても取り上げてこれに御協力申し上げることは当然でございますから、そういう機会になるべく大ぜいの人にお話を願うということにしていただいたらけっこうだ、こう思います。
  18. 川崎秀二

    川崎(秀)委員 私の質問はこれで最後にいたしたいと思うのですが、これは二つ一緒に質問をいたします。  一つはちょっとけしからぬことで、各議員が非常に憤慨しておることが一つあるのです。これはたぶん河野大臣は御承知ないと思うのです。それは先般のオリンピックを記念して代々木の選手村は将来東京都の管理で森林公園にする。しかしあそこへ残った鉄筋コンクリートの建物十六棟、これは青少年センターにするということで法律案も出ているわけです。ところが、実際にはどういう経過であったか知りません。まあ党の内部のことにつきましていろいろせんさくしてもかえって御迷惑な点もあるかと思いますが、大蔵省との関係で一部財務関係、税務官吏の養成所みたいものに使おうとしておるというので、先日あれはけしからぬから党内の有志代議士会を開いてやめさせろということの投書を私どものところへ送ってくる者もあるし、電話をしてくる者もある。これはことし一年くらいはかりにやむを得なくても、四十五年には全部返してもらうつもりだから、なるべく早いところ青少年記念センターにつくっておいて、大蔵省の新人官吏の養成所に一部は使うなんということは全く国有財産を乱用しておるというように思うのです。これはいかがでしょう。きょうはこれで終わりますが、正午に大臣が帰られるそうで、ほかの質問もありますから私は打ち切ります。
  19. 河野一郎

    河野国務大臣 いまのお話は私も当時承りましてはなはだ不本意に思いました。不本意に思いましたが、ざっくばらんに申しますと、これはやはり、ここに体育局長がおるけれども、文部省もよくない。私たちの知らぬ間に文部省と大蔵省でやみ取引したのです。文部省自分のところでこれをほしいあまり正しいルートに乗せて、正しく判断をして——これは文部省所管でなければならぬこともないのです。青少年であるからには厚生省文部省共管でもいいと私は思ったのです。ところが話がまとまったからといいますから、まとまったものを私が横合いからくちばしを出してこわすのもどうかと思いましたから黙っておりましたが、これは御指摘のとおりこういうものを大蔵官僚が出てきて税務何とかの教習所にするというのはもってのほかだと思います。しかしここへ来てぶちこわすのは相すまないことと思いますから、なるべくすみやかに是正するということにいたしたいと思います。
  20. 大石武一

  21. 柳田秀一

    柳田委員 大臣時間がないようですから簡単にオリンピック担当大臣として一つ質問しておきます。  問題は戸田のボートコースのあと始末でございます。御存じのように戸田のボートコースは皇紀二千六百年、一九四〇年の流れた東京オリンピックのために、当時これを浄財を出す、あるいは浄財に対して浄力と申しますか、労力奉仕までして、もっこをかついで土地を掘って、世界で初めてオリンピックのボートとしては清水で掘ったところでやることにして掘ったのが、戦争で流れたわけです。したがって戦争で流れてから今回まで約二十数年の間に川幅は多少狭くなるわ下は浅くなるわというようなことで、さらにスポーツ会の発展に伴って、従来掘ったままでは新しいオリンピックには国際競艇協会のほうでも少し不十分というので、多額の国費をかけて拡幅し、さらに掘り、そしてオリンピックをやったわけであります。それで御承知のようにローマのオリンピックは湖でやりました。国内でもあるいは芦ノ湖であるいは河口湖で、いや最も有力には相模湖でというふうにやったわけでありますが、とにもかくにも多額の国費をかけて戸田のボートコースでやったわけです。問題はそのときに——ここへ体育局長が来ておりますが、いつの間にそこでいわゆるきょう艇といいますかけい艇といいますか、競輪と言うからけい艇と言うほうがいいんですか、モーターボートレースというんですか、それを開催しておりましたが、聞くところによると埼玉県当局と競艇協会との間にかなりの交渉があったそうです。それは私は知らぬことでありますが、文部省としてはこの三月三十一日までは管轄しておられるがそれからまた県に返すんだとか、こういうような話です。  問題は、私の言うのはあすこに再び競艇が復活するのかどうか。私たちの理解では、国立の競技場もできた、国立の水泳場もできた、あるいはスポーツ議員連盟等には今度は国立のウインタースポーツの場所もつくりたいという意向もみな表明せられており、ボートのごときは、いまオリンピック種目がだんだん、先ほどの国務大臣お話のようにプロ化される中で、スポーツの中で純真にいまアマチュアリズムを守っておるスポーツといえば、ラグビー、さらにボートというようなものは、その尤たるものだと私は思う。これはどちらも、言うなれば多少ジョンブル思想があるかもしれません。あるいは、そのこと自体をとやかく言いませんが、少なくともオリンピック種目の中で非常にもうプロ化あるいはプロの温床のごとくなっておる種目があります。率直に言うならば、サッカーのごときはそうなんです。ボクシングもそうなんだ。その中で、しかしほんとうにアマチュアスポーツとしての伝統を守っておる——ラグビーはオリンピック種目ではありませんが、ラグビーにしてもボートにしても、こういうよさは残しておきたい。そのアマチュアスポーツを守る意味において、一つくらいは、先ほどのお話のように、東京の近くに国立の漕艇場があってもいい。そのためには、歴史から見ても、私は戸田の漕艇場のごときはそれに該当するものでなかろうかと思う。ことに東京では、年々隅田川が、ボートに対する利用度が減ってまいりまして、昔はオアマン、ボートマンのメッカといわれた隅田川がいまではもう対抗試合も何もできなくなった。こういうような状況では、特に戸田に対する利用というものはより一そう盛んになってくる。このときに、かりに一月のうちに二十日間もモーターレースが権利をとるようなことでは、戸田に何のために国費をかけたか一その国費から見るならば、全然かけていない神宮球場でも、神宮球場の歴史からいってあそこをプロ化するのはけしからぬという説が圧倒的なんですね。ところが戸田のほうは三億何千万円の国費をかけて、しかもプロ野球はまだスポーツの形態のうちにどうにかとどまっております。とどまっているという程度でしょう。スポーツかどうかはっきりわかりませんが、プロ野球というものは、しかしスポーツの形態にだいぶとどまっておる。ところが競艇に至っては、これはスポーツとはもう全然縁が遠い、ギャンブルだと思うのですね。そういうものに戸田のコースのあとを使わすというのは私はけしからぬと思うのですね。この点は私は大臣もその間の経緯はお聞きになっておると思うのですが、率直にどういうふうにあとの利用に対して、特に競艇がからんできておりますが、お考えになっておりますか。
  22. 河野一郎

    河野国務大臣 私も全く同感でございます。ただこれをオリンピックのコースにきめましたときに、埼玉県との間の約束、埼玉県といまの競艇の組合、協会ですか、それとの間の約束というようなものがなかなか裏にあるようでございます。したがって、そういう約束をいまここですぐにどういうふうにしていまのお話のようなことに持っていくかということになかなかめんどうがあるようであります。ところが時日は三月三十一日で迫っておるということでございますから、また私が出てこれを云々するのは少し早いんじゃないか、そこまでまだ事務当局の話も私は煮詰まっていないというふうに思いますので、体育局長のほうに、ひとつすみやかに埼玉県との間の話を煮詰めてくれ、そして大方の諸君の意図されるところを十分体して埼玉県との間に交渉したまえ、その交渉の結果、あるところが煮詰まったら私も出てこれに発言しよう、いまの三月三十一日という問題がありますから、少なくともこれを六カ月くらい延ばして、そしてその間に結論を出すということにしたらどうかということで、もう三カ月、六カ月延ばすように手続はすぐやるようにということを言っておるわけであります。
  23. 柳田秀一

    柳田委員 どうせこの問題は同僚の川崎委員やら、それから委員長とも相談しておるんですが、これは埼玉県側からも、それから競艇側からも、文部省側からも、あるいはオリンピックの組織委員会のほうからも、漕艇協会のほうからも、いろいろ参考の方を呼んで尋ねようと思うのです。肝心かなめの、中でこの折衝をやっておるのは体育局なんですね。まあ大臣もそう言われているんですが、体育局というのは、大臣から見られても、何と言われるか、もうひとつしゃんとしてくれればいいと思われるような役所だと思うのです。私もそう思うのです。いまも川崎委員指摘された選手村の例の鉄筋の利用でもそうです。大蔵省からちょっと横やりを入れられるとふにゃふにゃと腰が砕けるようなありさまです。先ほどお話が出ておりました今日のスポーツというものは、文部省所管学校教育としてのスポーツから国民全体に及ぶスポーツになっているのですね。そのことはしかし体育振興法をつくったときからわかっていると思うのです。局長がいるから言いにくいのですけれども、体育というのは文部省の所管なんだ、この役人の、文部省所管だという、この根性というのですか、そういうものは、先ほども大臣厚生省にも非常に関係があると言われたが、私は厚生省だけでなく、労働省にもこれは関係があると思うのです。これは通産省にも関係があると思う。いろいろのところに関係があると思う。これは国民全体のものなんですね。文部省一省だけで国民体育というものは済ませられない。それに対して、文部省体育局としては、積極的にこの体育国民全体のものにするにはどういうふうにするかという経綸を示したことがない。全く役人というものはどういうのですか、そういう意味では理屈はなかなかこねますが、経綸というものはなかなか示さない。戸田の問題にしても文部省体育局にまかせておけば、私は抜本的なすぱっとした解決はようしないと思うのです。私はこういう意味において、この問題はひとり文部省体育局にまかすというのではなしに、むしろいま直接には国務大臣あるいは御所管ではないかもしれませんけれども、非常に関連も深いことですから、ある意味において六カ月程度延ばしていただいて、悔いのないような解決策を政府としてもお立て願いたい。きょうはそういう意味大臣にこれ以上この問題でお尋ねをしたり、私の意見を言うということはまだ少し早計だと思う。またこの委員会としても各界の意見を聞いていきたいと思っておりますので、どうぞいまおっしゃったような意味でひとつ悔いのないように——率直に結論から言わしていただくならば、いろいろ条件がありましょう。ありましょうが、ひとつ戸田からは競艇は円満にお引き願って、あそこではアマチュアスポーツの、特に今日非常に伝統を守っているボートに対しては、これが学生ボートであろうが、社会人ボートであろうが、そういうことの一つのメッカにしていただくような方途をとっていただきたい。結論を先に言うとはなはだ悪いのですけれども、そういう意味で御質問を申し上げているのですから、そういうふうにひとつ解決の方向で御折衝願いたい。これだけにとどめておきます。
  24. 河野一郎

    河野国務大臣 実は私は総理からオリンピック関係のあと始末をすみやかにつけるようにということを要請されております。そういう意味でこの問題に実は積極的に発言しようという気持ちでいるわけであります。しかし何にいたしましても、まだ従来の経緯がすっかり煮詰まっていないということで先ほど申し上げたのですが、いまお話しのとおり、この委員会等に関係者をお越し願って、十分、双方かってかってなことを言っているのではなしに、一つところへ詰めていただくと私はたいへんけっこうだと思います。そうして世論の正しい批判を承って、正しい結論に到達するということにいたしたい、こう考えておりますから、せっかく御協力を願います。
  25. 大石武一

    大石委員長 前田榮之助君。
  26. 前田榮之助

    前田(榮)委員 時間があまりないようでありますから、簡単に御質問申し上げますが、大体川崎委員からもいろいろな角度から御質問なさったので、私の考えていることも相当入っておりますから、重複しない点だけをお尋ね申し上げておきたいと思うのであります。  河野国務大臣は、いまお話の中にありました国民体位向上というようなところにたいへんに力を入れられまして、今度国民会議と称されるものを発足さして、全国民に対してその力を加えようとされておる、私は非常に敬意を表するものであります。ただ、ここでそのやり方等については国民会議の中でお話が進むと思いますからきょうは避けますが、私が非常に心配をするのは、これらの運動日本の官僚、役人、こういうもの中心を置いてやったら、これはもうもぬけのからになって、ほんとうに国民に足のついた実質的な運動にはならぬと私は思う。そういう点では、いまの閣僚の中でも河野国務大臣は最適任者であったとその点はたいへん喜んでおるわけであります。そういう点で、ひとつ官僚まかせの国民体力づくりではない運動方向、これらに対する大臣の御所見をこの際聞かしていただきたいと思います。
  27. 河野一郎

    河野国務大臣 先ほどからお話のありましたように、これまでは文部省所管学校体育ということが政治の上に強く浮かび上がっていたのでございますが、柳田君からもお話のありましたように、これは、中小企業で働いておられる人、農村で働いておられる人、さらに労働大臣所管の労働関係の諸君というようなすべての人のそれぞれの職場においてみな御協力申し上げなければいかぬという問題になる。したがって、私はこの問題を内閣に取り上げて、そして各省の関係者に集まってもらっていま準備をしておるということでございます。  そこで、いまお話のように官僚中心でやっちゃいかぬ、これは私はそのとおりと思います。ここに体育局長おられるところではなはだ恐縮ですが、私は先日——いま川崎さんがおられますが、陳述の総会へ行って驚いた。あれだけ全国から少なくとも数百人のスポーツ関係名が集まっておる年次総会に体育局長が出ていない。これは役所としては珍しいことです。それぞれの役所が、それぞれの行政範囲内のそういった協会、組合の年次総会には、みな関係判、局長なり大きなもの大臣なりが出かけていって、そして行政と民間の団体との間の連絡を緊密にして目的を達成するということは、私も他の団体にいろいろ関係しておりますが、みなそういうことになっておる。ところが、いま申し上げるように、体育団体には出てこない。そして文部省文部省学校体育をやっている。そしていま言うとおりに、これは私はおそらく陸連だけじゃないと思う、陸連は全国団体で一番大きな団体ですが、水連でもどこでもそうだろうと思う。そういう民間団体の会合でどういう意見が出るか、どういうことを要望しているかということについては文部省体育局長は関心を持たれない、そういうところに私は問題があるのだと思う。したがって、いまお話のとおり、民間の動きと行政との間に非常に大きな差がある。そして文部省は府県の役人を指導している。そして府県の体育、府県はまたさらに学校体育というようなことで一方に流れているだけであって、民間の団体との間に非常につながりが薄い。また民間を十分に利用しようという角度が従来薄かった。これは学校体育関係からそうなっているのじゃないかと思うのです。いまお話の点は私もそういう点深く遺憾に思っておりますことでございますから、今回お集まりを願ってそこまで皆さんに御協力願えればたいへんけっこうだと思っております。国民全体の体育会議というようなものにはもちろん民間の方を会長にもお願いし、それぞれの専門委員会等も民間の方々を中心にして、準備なり御協力なりということは政府のほうが下積みになってやっていくということでいくべきだ。ことにそういう場合に、いつも政府予算を握っております関係から強く発言するということがございますが、その予算はそれぞれの省のものを一応内閣のほうでとりまとめして、この機関との関係内閣のほうで御協力申し上げるということにしていきたいというふうに考えて、出発が肝心でございますから、そういう際にひとつ十分に御意見を御発表いただきまして、そしてこれはひとり官僚だけでやっちゃいかぬという前田さんのお話を、ひとつ民間の方がイニシアチブをとってどんどん進んでいく、引っぱっていただくということにお願いすれば、これは政府のほうもむろんそういうことで指弾するつもりで私はおりますので、どうかよろしく御協力いただきたいと思います。
  28. 前田榮之助

    前田(榮)委員 その次に私は実は古井君とともどもに満四年をこえて体操をやってきておるのですが、ラジオ体操などもだんだん変わりまして、今日の体操では、水泳の選手やあるいは野球選手や、すべての選手の強化運動に主として使われるトレーニング、この運動がもうわれわれの運動に進歩発展して、間もなく七十四歳に私はなるのですが、この七十四歳の老骨も、これらの選手のトレーニングと同じ体操を一だんだんじょうずになればなるほど強力にからだを鍛えるという体操が今日日本にできてきておる。この運動は全国民に発展しなければならぬのです。スウェーデン、ノルウェーあるいはチェコスロバキア等々の、御承知のように非常に国民の中に浸透いたしておる体操も、十分われわれのグループで研究いたしておりますが、ただ、日本の国とそれら世界各国とは、国土の広さあるいは山岳の状態、天候等から、ことに体操のやり方響に非常な違いがあると思う。これらの違い等を十分に科学的に検討しなければならぬ。一面、今日日本に非常に発達いたしました治療医学というものは、予防医学となり健康医学となり無病医学となるというような医学の飛躍がなければならぬと思う。それを国民体力と相呼応して発達せしめるというところにいかなければならぬと思うのであります。これらはもっといろいろな場合において御相談申し上げたいと思うのですが、ただ今日、われわれがこの運動を古井君と一緒にやっておりまして、全国にこれを普及しなければならぬ、国民運動にしなければならぬというのでありますが、われわれが手をつけようといたします各府県の実情というものは、なるほどこのごろ体育体育といって、各府県庁の所在地には体育館等々のりっぱなものができますが、ここで体操をやれるかどうかというと、体操がやれない。そうしていろんなショーや各種の催しものはやれるというようなことであってはならぬと思うのであります。雨の多い日本でありますから、雨天体操場的なものを各都市につくられて、だれでもすぐそこへ行って、それから健康医学のほうの医者にも、どういうところに力を入れたらいいかということがすぐ相談ができる。それらのデータ等が常に国民に発表されてこういうふうにやるべきだということが行なわれるということにならなければならぬ。まだたくさんの条件がありますが、そういうことになるといたしますと、各府県、中央に一つのセンター的なものがあって、それが国民運動の中に指導者をどんどん送り込んでやるくらいなことになって、各府県の現在の体育館が雨天体操場的なもの使用できるような状態にしなければならばならぬ。こうなりますと、大臣が盛んに力説された金の問題にまたここでもぶつかることになろうと思う。こういうことについて国民運動を起こすときに一そう力を入れていただきたい。これについて御意見、御抱負がございましたら、簡単でいいですから聞かしてもらって、私の意のあるところを御理解くださいましてお力添えを願いたいと思います。
  29. 河野一郎

    河野国務大臣 ただいまお話を承りまして、私は全く全面的に、ぜひそうすることにお手伝いをさしていただきたいと考えます。お話は、私は初めからしまいまで全部賛成です。そういう方向でいくべきものだ。国民全体の代表者の会議をやったら、府県にまたその会議を演繹してまいる、そういう際にはひとつ前田さんあたりにもお出かけいただいて、できるだけ各府県にくまなくやる。国民的にそういうムードを起こして、一方には施設に対する手段も考える。一方では利用する熱意も国民の間から起こってくる。それには私も昔多少経験したものでございますから、やはりやりやすいもの、だれでもできるものということになってくる。そうなると体操だと思います。体操をやっておればそこから一般スポーツにも興味を持ってくる。それが日本の場合にはあまり先に競争に行き過ぎてしまいまして、自分が競争適格、体育適格の持ち主かどうか、それはおれにできるかどうかというようなことで初めから見物に回る人は見物だけに回って、自分自身それに興味を持つことがない、結果について見物するということだけに走ってしまっておるということのために今日のようなことになっておると思うのでありまして、もう一ぺん初めから出直してみんなが体操をやり、そしてみんなが健康に興味を持つということから出発して、それがだんだん専門化されて最終的なものに興味を持つということに一ぺん積み返しをしていかなければならぬと思います。私はそういう基礎的な基本的なお話の線に全面的に賛成でございます。ぜひそうありたいと思っております。私もできるだけ努力いたしたいと思いますから、この上とも御協力いただきたいと存じます。
  30. 大石武一

    大石委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせいたします。  なお、明日午後一時から、かねて御相談申し上げておりました河川敷の視察に参りますから、できるだけ多数の方の御参加を希望いたします。  これにて散会いたします。    午後零時三分散会