運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1965-03-11 第48回国会 衆議院 体育振興に関する特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月十一日(木曜日)     午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 大石 武一君    理事 田中 榮一君 理事 田邉 國男君    理事 泊谷 裕夫君 理事 前田榮之助君       上村千一郎君    海部 俊樹君       川崎 秀二君    砂田 重民君       橋本龍太郎君    高橋 重信君       只松 祐治君    山中 吾郎君       中村 時雄君  出席政府委員         文部政務次官  押谷 富三君         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君  委員外出席者         文部事務官         (体育局体育課         長)      諸沢 正道君         参  考  人         (神宮外苑運営         委員)     島田 孝一君         参  考  人         (神宮外苑運営         委員日本学生         野球協会理事) 土肥 次郎君         参  考  人         (神宮外苑運営         委員・東京六大         学野球連盟理         事)      片桐 勝司君         参  考  人         (神宮外苑運営         委員東都大学         野球連盟会長) 加藤 一雄君     ————————————— 三月十一日  委員佐々木良作辞任につき、その補欠として  中村時雄君が議長指名委員に選任された。 同日  委員中村時雄辞任につき、その補欠として  佐々木良作君が議長指名委員に選任され  た。     ————————————— 本日の会議に付した案件  体育振興に関する件(明治神宮野球場に関する  問題)      ————◇—————
  2. 大石武一

    大石委員長 これより会議を開きます。  体育振興に関する件について調査を行ないます。  本日は、前回の委員会決定に基づき明治神宮外苑野球場に関する問題について調査を進めます。  さきに委員長に御一任を願いました参考人については、本日次の方々に御出席をわずらわしましたので、御了承願います。  明治神宮外苑運営委員島田孝一君、土肥次郎君、片桐勝司君、加藤一雄君、以上四名の方々でございます。  これより参考人から御意見を承ることにいたしますが、この際委員長より参考人の方に一言ごあいさつを申し上げます。  きょうはいろいろ御多用中のところをわざわざまげて御出席をいただきまして、われわれの調査に御協力賜わりますことを感謝いたします。  この委員会はだいぶ近ごろ世論を巻き起こしているのでございまして、いろいろな正しい理解、あるいは誤解する面もございます。これにつきましては、別にわれわれは他意はないのでございます。すでに片桐さんにはたびたびおいでをいただきまして内容御存じでございますが、この委員会目的は、別に明治神宮球場について小さな問題を取り上げまして云々するという小さな考え方ではございません。御承知のように、今回国会体育振興に関する特別委員会が設けられまして、これを中心として日本国民体育振興についてのいろいろな施策を打ち立てていこうということになっておるわけでございます。このようにして全国民スポーツをすすめて、全国民スポーツを楽しんでその体力を増進するという目的でございますが、このような大きな目的を達成するためには、まず何と申しましても当面必要なことは、やはり日本アマチュアスポーツ精神を確立するということが大事じゃなかろうかと思います。いま、とうとうとしてプロスポーツ、ことにプロ野球が盛んになりまして、国民の楽しむ娯楽にはなっておりますけれども、これだけでは決して国民全体のスポーツ振興と申しますか、スポーツを楽しむという原動力にはなかなかならないと思います。やはりここにははっきりした、スポーツというものは純粋なスポーツ精神にのっとってやるんだということが一番大事な問題じゃなかろうかと考えておる次第でございます。  そういう観点から申しまして、たまたま神宮野球場の問題が出てまいりました。この問題は御承知のように、一昨年衆議院の文教委員会においても取り上げられまして、プロ野球アマチュア学生野球との間にはどのようなけじめをつけるべきかということについていろいろと御協議が行なわれまして、神宮当局、あるいは学校側、あるいはその他においてお互い協議をいたしましてけじめをつけたはずでございます。ところが、その後その約束どおり事が運びませんで、だんだんプロ野球神宮球場に対する進出は数多くなりまして、ことにことしは国鉄神宮球場第一球場をフランチャイズ化するという傾向になってまいりまして、やはり世論が沸騰してまいったわけでございます。われわれはやはり学生野球というものはアマチュアである、やはりプロ野球とはけじめをつけなければならぬ、ことに、そういう意味におきまして神宮球場学化野球のメッカでございますから、この神宮野球場学生野球の根拠地として学生野球に優先させるという考え方を確立することが、ひいては日本アマチュアスポーツ精神を確立することを土台になると考えたわけでございます。そういう中でこの問題を委員会が取り上げましていろいろと論議を重ねてまいったわけでございます。そのような観点から、この神宮第一球場はどうあるべきか、あるいはどのようなプロ野球アマ野球との間のけじめをつけるかということについて、われわれも協力してまいりたいと思う次第でございます。  こういうことに関しまして御意見を承ることになるわけでございますが、まずこの際委員長からひとつお願いしたいことは、ここにきょうおいでいただきました運営委員どなたでもけっこうでございますが、明治神宮外苑運営に関しまして、その運営委員会性格であるとか、仕事内容であるとか、あるいはいままでのいろいろな経過につきまして、簡単でけっこうでございますから、委員にわかるようにひとつどなたかから御説明いただければありがたいと思います。どなたがよろしゅうございましょうか。——じゃ加藤参考人にお願いいたします。
  3. 加藤一雄

    加藤参考人 別に運営委員性格を深く掘り下げたわけではございませんが、いままで私が出ております範囲内では、神宮外苑の造成の本旨に基づいて、できるだけ国民一般の和楽の場所ということで、明治大帝の遺徳に基づいてつくられた外苑の姿をできるだけ一般大衆に味わわせる、そういう形でいろいろな設備をしていこうじゃないかというふうに私は考えてきて、それに応じて協力したつもりでおります。
  4. 大石武一

    大石委員長 それでは、加藤参考人からいま簡単に御説明がありましたが、それだけではおわかりにならない方もありましょうから、ひとつ委員のうちから質問していただいて適当に御返事いただくようにいたしたいと思います。  それでは前田榮之助君。
  5. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この問題、御質問申し上げる前に、これは当委員会決定事項というよりも、私の一つの考え方を誤解を解くために申し上げて、質問に入りたいと思います。  私らがこの問題を取り上げるのは、新しい憲法下における国会の重大な任務になるのかどうか、こういうこと、並びに公益法人としての宗教団体、これに対して政治的圧力というようなことになるのかならぬのか、こういうこと等についても、非常に慎重に研究し、考慮いたしまして、そういうことにならない範囲内において、しかも、いま委員長が申された、青少年の重要なアマチュアスポーツについての振興ということに貢献しなければならぬ当委員会任務とあわせて考えなければならぬ、こういうことでありましたので、われわれがこうやってやることが明治神宮自体運営について何らかの支障を来たすようなことがあったら、これは困ったことになる、こう私は反省をいたしながら臨んでいるわけでございます。したがいまして、いまプロ野球をやればたいへんもうかるのだ、プロ野球はもうける仕事をする、野球を通じてもうける。したがって最近における選手の選定等につきましても何千万円という金をただ一人の投手なりあるいは強打者につぎ込むことを平気でどんどんやっておる。これは世論の中にはひんしゅくしておる人もありますけれども、事業団体の性質としてそこへ当然きておるわけでありますが、そういうことがいいとか悪いとかいうことよりも、そこまで神宮のほうでやられておるということから考えますと、あるいはわれわれがアマチェアアマチュアと言っておる間にその収益にたいへん甚大な影響を与えるということになって、神社の疲弊ということになるのじゃないか。そうするとやはり憲法上にもいろいろな問題も起こってくる、そういうときにはどうしたらいいかということ等も同志ともいろいろと相談をいたしまして、何千万円かの金が要るぞというときには、私ら自身やあるいは国家から出すわけにはいかないにしても、そのくめんくらいはするような腹ごしらえができないでこの問題には取り組まれぬぞ、こういう決意もして、いろいろな内輪話のような相談もしてみたりいろいろなことをやっておるわけなんです。でありますから、われわれがいまから御質問申し上げること等についても、憲法上の問題や神社を圧迫する問題、宗教上の問題等についても虚心たんかいに、われわれが思っておることを御理解の上で、ひとつ御答弁を願いたいと思うのであります。  そこで第一にお尋ね申し上げたいのはこの運営委員会の問題でありますが、これは大蔵省が無償有償まぜて明治神宮へ国有というあの設備のあるままのものを払い下げされた。払い下げの気持ちや条件等については制限は加えておらないようでありますが、当時の文部大臣が参画をいたしましてそこに誓約が行なわれておるようであります。このことについては他の委員から質問があろうと思いますから、私からはその問題を申し上げませんが、ただその問題から発展をいたしまして、大体あそこの運営について委員をつくって、その委員によって神社——神社と申し上げましても、われわれが神社というのは、明治神宮と他の日枝神社とかあるいはその他の神社とは、国民的な立場で非常に性格の違った内容を持っておると思うのであります。そういう意味明治神宮という従来からあった、歴史を持ったあの外苑運営はいかにあるべきかということについて文部大臣を加えての誓約が行なわれまして、その誓約の中で運営委員会が設けられた。その運営委員会運営について本日おいでいただいた参考人方々の中にはプロ野球を導入するということについて参画し御協議なさった方もおそらくいらっしゃるのじゃないかと思うのですが、そのプロ野球を導入する決意をされた当時の話し合い内容等について、これは加藤さんか島田さんが御存じじゃないかと思うのですが、どなたでもいいですから、その点の経過をもう少し聞かせていただきたいと思います。
  6. 島田孝一

    島田参考人 ただいまの前田委員の御質問でございますが、もともと明治神宮外苑野球場というものが学生のみの使用であれば、あるいはこの委員会としてはたいへんけっこうだとお考えになっていらっしゃるだろうと思います。またわれわれとしましても、できますならばそれはたいへんけっこうなことだ、その点についていささかも違った考えを持っていないはずでございます。ただ、すでに開かれました何回かのこの委員会委員の各位が十分御存じになっていらっしゃると思うのでありますが、野球場そのものを非常にいいコンディションに持ってまいりますためには、相当の維持管理運営という面についての経済的の基盤がある程度まで確立しておりませんと、あれだけの大きな施設を常に完全な状態に持ちこたえるということが非常に困難な状態になっておるということも御了解いただけるように思われるのであります。  先ほどの御質問内容でございますが、私は、いずれかと申しますと、運営委員会そのもの関係いたしましたことが、ここにおいでになる加藤先生よりもあとでございまして、はたして私がどれほど詳しくただいまの御質問に対してお答え申し上げることができるか、この点はいささか私自身としても疑問に感じておりますけれども、おそらく三十八年前後であったと思いますが、いま申しましたような経済的な自立性ということを神宮当局もある程度まで考えられまして、学生優先という基本的原則はあくまで維持しながら、ある程度までプロ野球の場として、もしそこに余裕がございますならばこれを開放するという方針外苑運営委員会そのもの決意をした、これは確かな事実だと私は思うのでございます。現在におきましても、少なくとも昭利四十年度の問題といたしましても試合教がかなり多いじゃないか、つまりプロ関係野球そのもの試合教が比較的多くなっているじゃないかというお話であろうと思うのでありますが、しかし、私自身といたしまして、ことにまた立場をかえまして外苑野球専門委員会関係者の一人としてもし発言を許していただくことができるといたしますならば、私は、全体から見て、試合回教であり日教であれを十分目を通していただくならば、そこにやはりあくまで学生優先の線が維持されておるということだけは皆さまにもお認めいただいてけっこうであるのじゃないか、かく考えておるわけでございます。この線は将来とてもわれわれ自身としてもくずそうという考えはございません。ただ、ごらんのように、プロ野球といいあるいは学生野球といい、全国的に非常にたくさんの野球試合というものが行なわれる時代を今日迎えております。本来ならば、プロプロ専用野球場を持つべし、学生学生としての専用野球場を常にまた確保しながら、お互いにはっきりした線がその間に敷かれまして、それぞれの球場を使いながら、完全に全試合が消化されるということでございますれば、これはもう問題はございますまいし、非常に私は理想の状態であるということを申し上げることができると思うのでありますが、悲しいことには、なかなかそれだけの余裕施設的に今日の時代においてあらわれておらないと思うのであります。したがいまして、原則的な考え方は現在でも変えないつもりでありますが、もしその間にお互いがある程度の譲り合いを行ないまして融通し合うということができますならば、これは学生野球も、あるいはプロ野球も、ある施設を共通的にある程度まで使うということは、必ずしもこれを妨げるものでないという考えは同時にあることだけは確かな事実だと私は申し上げることができるように思うのでございます。  そういうようなわけ合いでございまして、ここには野球専門家参考人として今日出ておるのでございまから、もしさらに具体的な御質問でございますならば、また私以外の参考人の方からなお具体的なお答えを申し上げることができるかと思いますが、総論的に私が申し上げるとただいま述べましたようなわけ合いで、できますことならば、やはりもうシーズンも迫っておることですので、今日の場合すでに球場専門委員会決定をいたしましたような線で本年度進んでいきたい、こういう考えは私として持っておるということをこの際申し添えまして御参考に供するわけでございます。
  7. 前田榮之助

    前田(榮)委員 ありがとうございました。だがこの際重ねてお尋ねしておきたいのは、運営委員会にはかり、あるいは専門委員会にも御相談なさったのだろうと思うのですが、その決議をされるために委員会の招集を受けて会議に参画しょう、こう思って行かれた人の大部分か一部の人か知りませんが、すでにプロ野球国鉄側と内交渉がずっと進んでおって——どのくらいまで進んでおったか、私は相当進んだように聞いておるのですが、したがって委員会にかけたときにはもう反対も何もできないようなことになっておって、中には知らずにずいぶん理屈を言われた人もあるそうでありますが、きまっておるものなら最初から言えばいいのにというような不平も出たというようなことも聞いております。純粋に運営委員会協議をされたということよりも、事務局案といいますか、そういうものががっちり組まれて、そして会社側といいますか、国鉄側ともう抜き差しならぬところまで話を進めておいて、そしてかけられた、こういうように聞いておるのですが、その点はいかがなんでしょうか。お聞かせ願いたいと思います。
  8. 片桐勝司

    片桐参考人 いま前田先生お話はどこからのお話が伝わったかちょっとわかりませんけれども、そういうことはないのであります。私、六大学の代表でもって運営委員あるいは専門委員になっておりますが、神宮側から六大学のほうに春のシーズンについて、十九日ですか、何日と何日のシングルゲームだからこれをやることを認めてくれないかという連絡があったわけです。それでこの前の第三回目の当委員会に私呼ばれましたときに申し上げましたように、昨年度は、なくなった源川君から、昨シーズンはセントラルは土曜一試合、日曜二試合の三連戦というので、それを使わしてくれないかというのは、この前申し上げたようにそんなものは六大学に出したって絶対に通らないよということで、ことしは何かずっとシングルゲームになったというので、ナイター試合だから認めてくれないかというのが六大学のほうに参ったのです。それで六大学理事会を開きまして、昨年度の決定した方針に従いまして、よろしいだろうということをきめて、そのかわり木曜日まで使わしてくれ、そういう決議で、その決議を持って私は第一回からの専門委員会に出ているわけです。ですから、六大学に関する限り、国鉄の七十試合とかなんとかいう問題は全然論議の対象にならないのです。  それからもう一つ申し添えますと、この表が二十三日に初めて出てきたのです。第一回、第二回のときにはこの表が出てこないのです。二月二十三日の専門委員会のときに初めて出てきたのです。これは申し込みのあったのをそのままなんです。ですから極端なことを申しますと、第二球場に関しては東都大学高校とはダブっておりますし、一連盟のほうは大学全国大会が開かれる最中にまだ春のリーグ戦をやっておるというような形のものがそのまま出てきたのです。それで私は、六大学決議に従いまして認めてあるので、プロが何試合しなければいけないというようなことは六大学とすれば一応問題になっておりませんので、どこを削るべきかというようなことは八週のうち五週認めておることを認めただけで、シーズン外のことは認めていない。それから、このことをなぜ六大学が認めたかということの御理解を願わなければいけないと思うのですが、こういうふうに神宮がいろいろいわれ、それから学生側もいろいろいわれておるこの問題は、三十八年の五月に、その時分われわれ学生側運営委員になってないときに、神宮産経との間に契約調印して、いまの第二球場のところに国鉄専用球場をつくる、この問題を抜きにしては、われわれがなぜ国鉄試合ナイター試合であっても認めたのかということがおわかりにならないのではないかと思うのですが、神宮側でかってにきめてしまった。それで六大学側にすれば、この前申し上げたように第一球場に関するのだから自分たちはあそこでやっておればいいのだ、こうやって済まされるかもしれないのですが、元相撲場、それが高校専用野球場になり、それがまた今度プロ専用。われわれの考え方は常に、外苑神宮そのもの国民全体のものであるという考え方に立っておるときに、例が当たるかどうかわかりませんが、あそこにレストランをつくる、そのときに帝国ホテルもあれば精養軒もある、そんなときに帝国ホテルなら帝国ホテル一社にそのレストランをまかせるということがはたして国民感情として許されるかどうかというような見地に立って、われわれは国鉄専用球場をつくることに反対したのであります。それがやむを得ず建築許可になるといったときに、これを学生専用球場にするという第二球場のことがこの席上であまり出てこないのですが、第二球場学生専用にするということと第一球場とのかね合いを考えないと、われれがとった態度もおわかりにならないのではないかと思うのです。  ついでに申し上げますと、第二球場は、この前伊丹さんが御説明したように、前は狭かったのです。それで今度ブロの国鉄専用球場そのままのスケールでもってやって、これが昨年の七月にでき上がったのですが、ここにちようど、ひっくるめてですが、いままで使った例がありますから申し上げます。いわゆる大学高校が使った合計です。三十六年度四十七日、三十七年度五十五、三十八年度三十八、三十九年度四十六、四十年度、ことしわれわれがきめた日数は百六十三。そうしますと、雨でつぶれるのは三分の一ありませんが、もしかりに三分の一あるとしても、百十試合ぐらいになるのです。そうしますと、いままで高校大学が第二球場で使った数字の平均が五十くらいとしますと、倍以上の試合ができるわけなんです。それが三十八年の五月に神宮産経が発表したように、 これは国鉄専用球場にする。それで、あいているときには学生にも開放するのだといったことがもし実現したとするならば、これはもうプロ球団ですから、グランドが悪くなるといって使うことを許さないかもしれないし、国鉄とすれば、十億とか十二億使う予定であったグランドをそうむざむざと学生には使わせないだろうし、またプロのほうがやる場合には、貸してくれるにしても、午前中しか貸してくれない。そういう事態、極端な話、あそこでもって、第一球場では今度東映とどこかでやる。神宮の二つの球場プロが興行しているというような事態と今日の事態とを考えますという、われわれは、これは六大学ですが、国民的な考え方でもって、第二球場学生専用球場になる、われわれの犠牲において高校大学野球ができるならば、少しくらいのことはがまんしてもいいんじゃないかという決定を、三十八年の暮れだったですが、神宮側申し入れに従ってやったということは、正しかったと確信している次第であります。
  9. 前田榮之助

    前田(榮)委員 私の質問のしかたが悪かったのか、私は、いまの学生側がこうだったとかどうだったとか今度どういうようになったとかということを聞いておるのじゃなくて、運営委員会が発足して以来の運営のしかたの問題を聞いておるのであります。運営委員会は、あの外苑使用について、その運営決定権を持って決定されて、その決定された方向に従って神宮則運営せなければならぬ、こういうことになっておるはずだと思うのです。それが、運営委員の一人であったか二人であったか知りませんが、行ってみるともう、これは去年、おととしよりずっと前から、プロ野球最初決定するとき、何回とかかんとかいうのじゃない、最初決定するときに、すでに国鉄とは話し合いができておって、運営委員の人にはただそういうことになったことを承認してくれ、こういうことにならなければ神宮側も経営の関係から経済上の問題もあって、立っていかぬのだからというようなことできめられた、こういうように聞いておるのですが、その点はどうか、こういうことのお尋ねなんです。
  10. 加藤一雄

    加藤参考人 先ほど島田さんからお話がありましたように、その問題が出ましたとき、これは従来そうでありますが、原案は大体神宮外苑側から出まして、それを委員がイエスかノーかの判定をするというのが会議の姿になっております。それで、そのときの状況は、外苑の姿をできるだけよりよいものにしたい。そのためには、いろいろ先ほどからもお話しのように金がない。それで水泳場も開かなければならぬ、野球場も修理しなければならぬ。それからまた外苑が荒れておるから色壇もつくって、そうしてみんながあすこを歩くときに気持ちよく歩けるというようなものにしたいということで、花壇の設備その他やりたいけれども金がないから、こういうふうな申し入れがあるからしたらどうかということでありましたし、同時に、私は東都関係しておりますが、東都側からいたしますと、どうも学生としては、野球をする者は一ぺん神宮でやりたい、そういうこれはもう学生野球に関する選手みんなの共通の考えでありますが、それに私のほうでは、二十四の大学を持っておりますが、それがほとんどできませんものですから、第二球場ができれば非常にいいことだ、そういうふうに考えて、土曜、日曜も使えるというようなことで、東都関係者としては、夜国鉄が使って、土曜、日曜は野球に使えるというようなこと、なお、あいているときには使えるということでありますから、そういう意味合いで私は賛成したのであります。
  11. 前田榮之助

    前田(榮)委員 次に、関連して御質問申し上げたいのは、その当時運営委員に文部省から出ておった人がおると思うのです。ところが、その文部省は、その問題を協議するときには出席しなかったと思うのです。私は、文部省の何ゆえ出席しなかったかというようなことについては、もうきまったことをしておられるので、委員であっても——委員最初集めて、外苑の経営はこういう状態で、将来こういうことをしなければならぬのだが、それの経費も出ないし困るんだが、何とかいい方法を考えてくれぬかという運営委員会に対する相談ではなくて、もうそういう相談はとっくに済んだような形で会議にかけられて、運営委員を招集されたんじゃ、文部省としては出席しにくい。文部省がそこで反対して、そういう不都合なことがあるかというけんかを文部省ができるわけでもない。そうかというて、そこで学生野球が少しでもプロに侵害されるということを賛成するということには文部省としてもやりにくい。こういうことでおそらく私は出席しなかったんだと思うのです。しかしながら、われわれ国会側から申し上げますと、文部省は、そういうときにこそ出て、青少年教育の一端であるべき学生野球等についてはかくあるべしと明確な、採決で負けても、はっきりとした態度をとるべきじゃなかったかと私は思うのです。そういうことについては、当時の情勢から現実にはそこまでやれなかった事情があるようでありますから、われわれはそこを追及しようとも何とも思っていませんけれども、そういうことがあったと思うのですが、その点、御記憶がございましたら、それに違いないかどうか、それだけをお聞かせ願いたいと思うのです。
  12. 加藤一雄

    加藤参考人 私の記憶が間違っていなければ、最初の案の出たときはまだ文部省は関係されていないような気がいたします。たしかこの七月六日の文教委員懇談会の申し出がありまして、新しいメンバーができまして、最後の決定はしたでありましょうが、最初の案のときは、まだ文部省の方は入っておられなかったのではないかと思いますが、これはどうでしょうか。
  13. 前田充明

    前田政府委員 ちょうど私に関連がございますので、時の問題について申し上げますが、私のほうの記録によりますと——私も日ははっきり覚えておりませんが、記録によりますと、昭和三十八年八月二十四日神宮外苑運営委員会委員を推薦してと書いてございますので、この八月二十四日以後において私が委員になったものと思いますし、それから昭和三十八年八月二十九日新委員を加えた第一回運営委員会が開催されたと書いて、そのときに賛成十二、反対四、棄権二で第二球場の改築が決定した、こういう実は私どもの記録がございますが、これによりますと私はやはり八月二十九日に初めて委員会へ出たのじゃないかと思っております。そして、その際に、賛成十二、反対四がたしか片桐さんなんかの反対四で、棄権二とございますのが鈴木副知事と私であったような、そういう記憶でございます。
  14. 前田榮之助

    前田(榮)委員 この問題についてまだ納得がいかぬ点があるのですが、同僚からこの問題について質問されることになっておりますから、私はこの程度にいたしておきたいと思うのであります。  次にお尋ね申し上げたいのは、実は一昨日、評論家、作家やその他新聞関係も来てもらって、参考人意見を聞いたわけなんですが、そのときの意見の一つに、あの歴史ある学生野球のメッカともいうべきところに、いわば商売人といいますか、そういうプロ野球を入れること等について、相当強い意見を吐かれました。その意見の中に、大体アマチュア精神といいますか、そういうものが、学校側としては教育と何ら関係のないもののような感じを持っておられる人が多いのではないか。これは近代的な風潮からいって、不都合千万な話のようなことを声を大にして言われた方があります。そういう結果、ほかのほうから金を求めることはやめて——プロ野球という、金というものについて非常な経済力を持っておるものを引き込むような結果になると一面考えられる点があるわけであります。ことに、こうしてわれわれが審議を進めてまいりますると、一番最初参考人に来てもらったとき等については、学校側学生側を代表しておる参考人の中にも、非常に残念であるけれども、こういうようにならざるを得ないことになっておるので、私はしたがないものだと思います、こういうようなあきらめのことばがイの一番に出ておるのです。何としてもこうなることは残念でなりませんということを最初から言うぐらいの、学生野球に対する強い熱意というものがなければならぬと思っておりましたが、そうでなくて、案外——神宮側立場を十分考慮されたのだと思いますが、考慮されるとしても、あれほど全国の国民が監視しておる問題、ことに東都大学にしても六大学にいたしましても、あの線を守る以外に、いま野球場を急速につくるといったって、つくりようがないときでありますから、全力をあげて、この理事会運営委員等へ出ておるばかりでなしに、各大学、慶応も早稲田も明治も、大学総長ががそろって協議して、決議するというくらいな熱意があったら、おそらくまた変わった様相が出ておるのじゃないかと思うのです。案外そういうことについて、われわれ自身でも参考人を呼んでおるときでも、最後にいろいろ問いただしてみると、いや、残念でならぬけれども、しかたがなかったのだという衷情を披瀝されましたが、最初はそうでなかった。これはあなた方にこういうことを申し上げるとまことに申しわけないのですが、私は、私のおやじからよく聞いておるのですが、けつなしのけつを押すなということを聞かされておるのです。腰のない人間の腰を押してもだめなんだ、こういうことなんです。われわれがこうしてプロ野球よりも、まず今日の日本としてはアマチュアというものを尊重して、ここをうんと押さなければならぬと思っても、腰のない人間の腰を押してもだめだ、こういうような感じがするのです。その点、本日おいでになった方はみな学生野球に最も理解ある方々ばかりでありますが、そういう感じがわれわれしてならぬのです。これに対して何か御意見等があったらひとつ聞かしてもらいたいと思うのです。
  15. 土肥次郎

    土肥参考人 私、この委員会には初めて出ましたのですけれども、ただいま前田先生がおっしゃったことに対して率直にお答え申し上げます。  実は、私は慶応関係で、学生代表ということで運営委員の席をいただいておりますが、前田先生がおっしゃったように、私は腰のない者ではございませんで、もしそういうことが可能なれば、皆さんがプッシュしてくださるならば、前田先生がおっしゃったような線で当然神宮外苑というものはやらなければならぬものと思います。ただあれが現在宗教法人の管轄下にある間は、ちょっと前田先生のおっしゃるようなことはなかなかできないのじゃないかと思います。  その第一番の原因は、この運営委員会というものは、先ほど前田局長からお話があったように、決をとりますと、十三対四でございます。棄権が二つございます。ですから、われわれがあそこで、前田先生がさっきおっしゃいました払い下げのときのいろいろないきさつ、これは昭和二十七年の九月二十九日に文部大臣のお名前とそれから明治神官の宮司と関係三団体の代表者で覚え書きをつくっておりますけれども、この覚え書きの趣旨でやろうと思っても、十二対四ではわれわれ何ともいたし方ないのです。ですから、前田先生がおっしゃったようにやるのなれば、あの運営委員会というものを徹底的に改めていただいて、宗教法人明治神宮の所有財産から切り離すということは急にはできないと思いますが、かりにあのままの形態で置くとすれば、委員会委員の任命の方法、たとえば一つの例ですけれども、三分の一は神官側の代表、三分の一は学生側の代表、残りの三分の一は、双方が同意したような人でもって委員会をつくりまして、そこで予算と決算を十分に審議するということになれば、前田先生がおっしゃるような線にいくと思います。かりに、絶対にプロを締め出すということは不可能かもしれませんけれども、少なくとも昭和二十七年に文部大臣の名前を入れてつくった覚え書きの趣旨によって運営することが可能であると思いますが、私たちは非常に残念ながら、決してあきらめてはおりませんけれども、この運営委員会性格というものを根本的に改めない限りは、始終十二対四で否決でありますから、そうすれば予算の審議、決算の審議はとうていわれわれはできません。そうすればやはり神宮のそろばんではじいたスケジュールを承認せざるを得ない。まして四億の借金を背負っておりますから、少なくともあれだけは早く返したいということを常に考える次第であります。
  16. 前田榮之助

    前田(榮)委員 たぶん皆さんもその点では非常に御苦労、御心配をなされたことと私も信じます。ただわれわれが参考人として呼んだときくらいはもっと熱意を込めてお話があるのじゃないかと、私はいままであまり質問もせずにずっと見ておったわけであります。  そこで最後に、この問題がここまでまいりまして、片をつける方法といたしましては、まさか国有であったものを無償で、あるいは有償で払い下げたものを引き戻すわけにはいまの法律制度の上からはできないことでありますし、一昨日も新聞関係その他の参考人から、アマチュア優先の共同でやるよりほかにしかたがないのじゃないかというお話でありますので、私らも今日ここまできて、まさか政治革命をやるようなぐあいにいくわけのものではないわけですから、その点たとえば七十回というのを五十回にしてもらいたいとかいうように漸次改善をしていく、こういう方向にいかなけばならぬと思うのであります。これはいまのところ私個人の意見で、この委員会決定事項ではありませんから、そのおつもりで聞いてもらいたいと思うのでありますが、そういうようなことの状態に追い込まれておる今日といたしまして、学生野球側のほうで、いまの国鉄七十回、東映十回、合計八十回ということは、おそらく六大学にいたしましても東都大学にいたしましても、従来どおりにはできないと思うのであります。そこで学生側立場に立ってどの程度までやったらいいか、これは言いにくければ、あとで委員長に耳打ちくらいしてもらってもいいですから、そういうことの参考になることがあれば聞かしてもらいたいと思います。  ちょっと質問がぼけたようなことになりましたが、つまり私個人として考え立場で、いまの国鉄七十回、東映十回、合計八十回が表面上出ておりますが、これではいかぬ。これではいまの東都野球にしても六大学野球にしても試合ができないことになる。その点どの程度まで——程度がはっきりわからなければ、何かこのままではいかぬというような御意見を聞かしてもらいたい。  それとあわせてもう一つ。これは文部省と関係のあることでありますから、文部省のことはわれわれまた別にあなた方がいらっしゃらないときに文部省に注文をつけるつもりでありますが、いまのプロ野球が七十回も八十回もあるということになりますと、アマが夕方になるし、学生野球を昼やられたのでは反対にプロ野球に差しつかえがある、そういうことで勢い十一時ごろから学生野球の準備をしながら試合に入る、こういうことにならなければならないようであります。それは学生として午前中の学校の授業に一大支障があるのではないかと思います。そういうことは忍ばれる問題でございましょうか、この点もお聞かせ願いたいと思います。
  17. 片桐勝司

    片桐参考人 前田先生のおっしゃる神官の言ったことですが、国鉄七十試合、東映十試合ということを神宮が言っておりますが、われわれ今度専門委員が出たときには東映は申し込んでないのです。それは全然ありません。われわれがきめるときに、われわれが関知しないところはブランクにしておいて、これは神官の一存にまかせるということなんです。そういう方式でもっぱらわれわれのシーズン関係することをウの目タカの目でもってそれは困ると言っておるわけなんで、これはその後いろいろ問題になったので、その後伊丹さんと何かほかの用事で会ったときに、国鉄もロードといいますか、どこか地方で試合をすることがあるので、そういう交渉をするとかいうようなことを伊丹さんが言っておりました。われわれもやはり漸減の方向に向かわなければならないということは当然考えておりますし、それからまた、プロ球団である以上は、アメリカのように自分のところの本拠地を当然持つべきである。これはすぐとは言えないでしょうが、近い将来は国鉄にしても東映にしてもそういうものを持つことは当然考えておるわけでありまして、漸減の方向に向かえばそれにこしたことはないというふうに考えております。
  18. 加藤一雄

    加藤参考人 運営委員といたしましては、大体この前の文教委員懇談会の申し入れ専門委員決定をそのまま認めるという方向にきておるわけであります。今度のことについてもその方向でいくのじゃないかと思います。  それから東都といたしましてば、大体神宮側立場もあるであろうから昨年どおりにできるようにしてもらいたいという希望があると思います。その程度で専門委員のほうで承知してもらえれば東都のほうは差しつかえなかろうと考えております。
  19. 大石武一

    大石委員長 田邉國男君。
  20. 田邉國男

    ○田邉委員 私、お伺いしたいことは、運営委員会専門委員会の違いでございますが、ただいま前田委員から質問をされておりました経過を伺っておりますと、私ども、運営委員会専門委員会の区別と申しますか、その点がどうもはっきりしない点があるんではないかと思います。と申しますのは、専門委員会で突然スケジュールが出てきた、このスケジュールについては神官側も経営上やむを得ない、こういうようなことでございますが、運営委員会で、専門委員会に出してくるそのスケジュールの問題につきましては、事前に十分この問題がスケジュールの内容まで明示されて検討をされておるものでございましょうか。その点を伺いたいと思います。
  21. 加藤一雄

    加藤参考人 運営委員のほうは、そのスケジュールの問題については専門委員の意向に全幅的にまかしてある形になっておりますので、運営委員で原案をつくって、そして専門委員にかけるということにはなっておりません。ですから、いままでは専門委員は諮問機関のような形だったのですが、先般の文教委員申し入れによりまして、「審議決定する」というようになっておりますから、専門委員のほうが大きなウエートが出てまいっております。したがって、専門委員会でスケジュールは決定されるだろう、さように私は解釈いたしております。
  22. 田邉國男

    ○田邉委員 私は、専門委員会でその具体的なスケジュールの内容が出てくる根本は、やはりプロ野球球場使用させるということでございますから、当然運営委員会の議題といたしまして、その全貌を明らかにして議論さるべきものだと思うわけでございます。と申しますのは、この運営規約の第三条の権限という中に、はっきりいろいろの内容が、たとえば、管理運営に関する予算及び決算、それからその他外苑施設の管理運営について、こういう問題、それから外苑の諸施設使用計画に関すること、こういうようなことがこの運営委員会の事項として書いてあるわけでございます。ですから運営委員会がこのスケジュールの内容のいかんを検討するということは問題といたしましても、少なくも運営委員会にこういうスケジュールの内容専門委員会に出すのだという意思表示があるはずだと私は思うのでございますが、その点はいかがでございましょう。
  23. 土肥次郎

    土肥参考人 先ほどちょっと私申し上げましたように、運営委員会性格なんですね。学生側が幾らふんばっても、残念ながら十二対四ですから、神宮側が出してくる原案で異議なし、賛成というようなことでございます。そして先ほどちょっと話題になりました三十八年八月二十九日の会議にはかなりの委員の方が出席されましたけれども、それ以後は運営委員会を開きましても、まあ決をとれば神官側が可決されるだけの方を委任状なりあるいは出席でやっているという状態で、これはプロに貸すとかなんとかいう大きな計画のようなものは運営委員会で審議されますが、何回ぐらい使わすかというようなことは一向議題になりませんで、大体国鉄に貸すということがきまれば、あとは神宮の原案が出まして、それに基づいてスケジュールをきめるということが専門委員のほうへ移されるわけです。そこまでこまかくはやっておりません。私はそういうことを希望するのですけれども、そういうことは現状ではやっておりません。
  24. 田邉國男

    ○田邉委員 そうしますと、運営委員会では当然議論さるべき議題も、ただプロ野球球場を貸すか貸さないかという基本的な問題だけを運営委員会にのせておる、まことに残念ではあるけれども、多数決の原則に従って思うような発言もできない、こういう意味でございますか。
  25. 土肥次郎

    土肥参考人 はあ、私はそう思います。ただ、異議があるかもしれませんけれども、われわれはそう考えております。
  26. 片桐勝司

    片桐参考人 つけ加えて申し上げますと、四十年度、ことしの計画それ自体のための運営委員会は開かれておりません。先日のこの委員会に出された神宮の三十九年度の予算、それから四十年度の予算と、普通からいえば、予算でもって、どのくらいプロ野球をやって、平均収入が幾らだ、したがってこの程度をしなくちゃいけないということの了解を運営委員会で求めて、それで七十試合では足らないから八十試合をどうしてもやるように認めてくれというのが本筋かと思いますが、全然その神宮の希望なり何なりというものも、そのための運営委員会も開かれてないのです。ですから、その点言われますと、私も三十八年の八月から運営委員になって、非常に職責怠慢でありますけれども、土肥さんのおっしゃるように、もっとこまかい計数、あの決算の内容についても実際は審議しておりません。プロ野球の八千万円、それから球場費五千万円、これについても、どうして五千万円要るか、われわれとしても非常にふしぎなんですが、そういうことの審議の場が全然持たれておりません。非常に怠慢のことは申しわけなく思っておりますが、それが現状です。
  27. 田邉國男

    ○田邉委員 そうしますと、運営委員会の権限と申しますか、第三条のこの事項というものは非常に形式的に運営をされておって、実質的な内容に入っておらないというような感じを私は受けましたのですが、これについて二十七年の文部大臣とのお話で覚え書きをかわしておる。それから三十八年の七月でございますか、やはり衆議院の文教常任委員会の床次委員長から、この運営委員会を完全に運営するようにということの申し入れ神宮側にしてあるわけでございますが、その点について、この運営委員会が完全に運営されておるかどうかということについては、文部省としてはどういう見解をとっておられますか。
  28. 前田充明

    前田政府委員 外苑運営委員には私がなっております。それはただいまお話がございましたように、文教委員懇談会の床次先生から勧告と申しますかそういうものがあって、それで私なったわけでございますが、先ほども申しましたが三十八年のたしか九月ごろに私は運営委員になりました。ちゃうどそのころ第二球場をどうするかという問題で委員会が開かれたわけでございまして、そのときの結論は先ほど申しましたような結果でございました。その後については、大体床次先生の勧告に従って運営されておるものと考え、またその問題自身は、結局野球場を幾日使うかという問題になるわけでございまして、ただいま土肥先生からの御意見もございましたが、専門委員会には現在におきましても学生野球方々が相当多く入っておられるわけでございます。そういう意味で、専門委員のほうに審議決定権を移したほうが学生意見が十分に入れられるというような考え方であったかと思うのですが、再門委員会がスケジュールを審議決定するようにということを床次先生からも言われておって、そういうように規定が改正になり、専門委員会には学生野球方々が相当多く入っておって、学生野球の主張を十分申し上げてそこで決定すれば最も穏便にごたごたせずに済むのではないかということで、そういうように結果としてなったわけでございます。その後、昨年度はオリンピックがあったものですからいささか特例的な結果になっておると思うのでございますが、四十年度は本格的に専門委員会学生野球方々が御納得のいった線にいけば運営としてはスムーズにいくのじゃないか、かように考えてまいったわけでございまして、今日こういうふうに問題が大きくなりましたのははなはだ恐縮に存じますが、しかし私どもとしては学生野球方々の御意見が十分入ったものと考えてまいっているわけでございます。
  29. 田邉國男

    ○田邉委員 私はきゃうは運営委員会の皆さんに質問するつもりでおるのですが、前田局長に伺いますが一体あなたは運営委員会専門委員会のどちらに出席なさっておりますか。
  30. 前田充明

    前田政府委員 床次先生からの御勧告があったときに、「専門委員会専門委員に文部省、日本学生野球協会及び関係団体の各関係者を加えること」とございまして、私は一応運営委員に推薦をされてなったわですが、そのときの話は専門委員には体育課長がなる、こういうことで一応話があったわけでございます。そこで、私の推薦が神宮から参りました当時、いま課長はかわりましたがその当時の課長の話によりますと、私は気がつかないでいたのでございますが当時の課長がすぐ神宮に、専門委員の推薦がないのだがどうだ、ということを聞いたそうでございます。そうしましたら、ちゃうどそのときにはスケジュールをきめるような問題がないから、またそういう問題になりましたら御推薦を申し上げます、こういう御返事だったということでございます。これは非常に専門的な考え方で専門的な問題をやるわけでございまので、そのときはそうかということであったのです。前回にもお答えいたしましたが、ちゃうど三十九年度はオリンピックという特別の行事で、神宮外苑もオリンピックのために非常に御協力いただくような関係で、野球は二の次のようなかっこうでございましたので、去年は問題もございませんでずるずるときて、その後私のほうとしては体育課長を入れればよかったかと思うのでありますが、それがずるずるできておったというのが現実であります。  ただ先ほども申しましたように、専門委員会は非常に専門的な事項、いつどういう野球をやるということをきめる委員会でございますし、そもそもこのことが問題になりましたのは、学生野球プロ野球に圧迫されて困るという問題がございまして、学生野球側の意見がなかなか通らないということに基本があったわけでございます。したがって学生野球方々意見が十分通る——専門委員会に多人数が十分お入りになっているわけでございますので、学生側意見が十分通れば問題はそう紛糾するようなことはないのではないかというような感じがいたしておるわけですが、そういう意味で、私どもとしてはこの専門委員会委員を出していなかったことはたいへん恐縮に存ずるわけでございますが、そういう事情でございます。
  31. 田邉國男

    ○田邉委員 まことにわかったようなわからぬようなお話でございますが、やはりこの点については文部省としてももっとしっかり運営委員会専門委員会と両方に入って、そして神宮運営専門委員会運営のしかたについて文部省としての考え方を率直に述べる必要があったのではないか、かつ今後もあるのではないか、かように考えるわけでございます。  なお、私が非常にふしぎに思いますことは、聞いておりますと、運営委員会専門委員会というものをはっきり性格を切っておるのでございますが、どこの会社であっても一つの事業をする場合には役員会で十分に検討して、それが部課長会議におろされてくるわけであって、運営委員会というのはいわば会社の役員会のようなものだと私は思います。たとえばプロ野球球場としてこれをやるのだというときには、一体どの程度のスケジュールを織り込んで、それによってどれだけのバランスをとるのだ、こういう問題が当然議論さるべきだと思います。先ほどから伺っておりますと、運営委員方々は出された資料だけで議論をなさるということですが、私は、神宮球場運営についての予算、決算というものがあるわけでございまして、なぜ四億何千万の赤字が第二球場整備のために生まれたか、それについて、その経営をカバーするためには、どうしても第一球場プロに貸さなければならぬということについて、もっと掘り下げた検討が運営委員会でなされるべきだし、また当然これをやるのが運営委員会仕事だと思います。そういう点について特に文教委員会委員長からも要請があって、そして文部当局も入ったわけなんですから、こういう問題についてはやはり国会の意思を尊重して慎重に推し進めていただきたい。なお、この運営委員会の議事録というものはあるのでございますか。
  32. 土肥次郎

    土肥参考人 いま田遇先生が先のほうでおっしゃいましたこと、たいへんわれわれを鼓舞激励してくださるおことば、ありがたいと思います。確かにわれわれは、何といっても十二対四で押されるものですから、思うとおり活躍しておりません。その点は怠慢だと言われるかもしれませんが一つの例を申し上げますれば、私が運営委員に、なったときに、たとえ宗教法人であろうと、まあ経理の上においてやましいことはないと思うのですが、外部監査の制度でも取り入れたらどうか、こういう提案をしたがったのですが、かりに私が提案しましても必らず十二対四で否決されるにきまっておりますから、現在あるいは監査を受けているかもしれませんが、決算報告のときにこういう人たちの監査を受けたという報告は一言もございません。ですから、私はそういう監査はないものだと思っております。あるいは神宮当局に聞けば、受けているんだとおっしゃるかもしれませんが、少なくとも決算の席上でそういう発言はございませんでした。したがって、私はそういう提案をしたかったのですが、しないで今日に至っております。ですから、いま田邉先生のおっしゃるようなことばに力を得て、われわれも今後そういう点に力を注ぎたいと思います。  それから、内幕を暴露して恐縮ですが、文部省関係とか都関係の方はお忙しくて欠席が多いのですね。去年は特にオリンピックの関係もあったのでしょうが、こういう場合、やはり代理出席でもいいからだれか出ていただくという制度を認めればかなりよくなるのではないかと思います。
  33. 田邉國男

    ○田邉委員 いま土肥参考人からいろいろ伺いまして、私どもも教えられた面が非常に多うございます。  そういたしますと、やはり今後の運営委員会の構成というものを相当是正すべきではないか。それからもう一つは、運営委員会において神宮外苑の経理の問題をもう少し運営委員の全員に公表して、そして経理内容を明確にしておいて、こういう経理の実態であるからやむを得ないというように、運営委員会全部が納得する資料を出すようなことを当然やるべきだと思います。そういう意味においては、きょうは文部政務次官がお見えになっておりますが、この運営委員会の今後の構成についてはいかがお考えでありますか。その点を伺っておきます。
  34. 押谷富三

    ○押谷政府委員 慎重に考慮いたしたいと思います。
  35. 田邉國男

    ○田邉委員 運営委員会専門委員会内容がおよそわかったような気がいたしますが、この問題につきまして、先ほど片桐参考人からもお話がございました、スケジュールをすでに出されてしまって、これを議論するということもたいへんなことなんだ、こういうスケジュールを事前に、早目に出して、そして相談をするということでなくて、すでに結論が出ているものをのんでくれという専門委員会の実態ということになるとまことに困るんだ、こういうことでございますが、私どももそのとおりでございまして、この問題についてはやはり運営委員会が事前に十分協議して、そして、プロ野球を相当導入するということでございますから、この点については、ひとつ専門委員が十分発言をし、そして弾力性のある運営ができるよらな時間を与えてやるべきだ、かように私は考えるわけでございます。  なお私伺いたいことは、今回のプロ野球の入ることによりまして学生野球が午前中からスケジュールを組まなければならぬ、こういう問題があるわけでございます。この点について前田委員からも質問をいたしました。私は重ねて伺うわけでございますが、午前中、十時ごろから学生野球をやらなくてはならぬということで、現在のプロ野球学生野球のスケジュールを圧迫しておらないとお考えになっておるのでございますか。この点島田参考人から……。
  36. 島田孝一

    島田参考人 私は今度は大学関係者立場としてお答え申し上げたいと思うのですが、本来学業とスポーツというものを両立させるためには、おっしゃるように午前中から野球試合をやるなんということは確かに好ましくないことは私もよく承知しているはずでございます。しかしごらんのように、かりに土曜日の午後を使いましても、現在の大学の学科配当をごらんいただきますと、やはりそこには相当の授業の配当が現実に行なわれておるというようなことは、多くの大学においてわれわれがが見るところでございます。したがいまして、ほんとうに学業とスポーツを両立させる、お互いに相おかさないということを、非常に厳格な意味でこれを実施に移すということになってまいりますならば、野球につきましても日曜あるいは祭日、さらにまた夏休みの間であるとか、特殊の時期にゲームを行なう以外にやり方がないだろうと思うのでございますが、これはまた理想ではあるかも存じませんけれども、現実の問題としてこれを実行いたしますことが非常にむずかしいと思うのでございます。したがいまして、ウイークデーの午後も野球のためにときには使われておるということは皆さんごらんのとおりでございます。したがいまして、ただいま田邉委員から御指摘ございましたように、午前の十時から始めるとかあるいは十時半なり十一時なり、少なくともお昼前から始めるというようなことはでき得る限り避けていくべき問題である。これは私もまさにそう考えているのでございまして、したがいまして四十年度の問題といたしましても、将来こういうことは私は考えてもいいのじゃないかと思っておりますが、それは、プロ野球ナイターとしてあとに控えておりますが、その開始時間をできる限りあとのほうに譲っていただいて、ことにまたゲームそのものの前にやや時間をとる、たとえば練習であるというような、その時間もできるだけこれを従来よりは短くしていただくというようなことも、今後の施策として当然本年度から考えていいのではないだろうかと私は思っております。したがいまして、そうすることによりまして三十分であれ一時間であれ、あるいは一時半であれ、朝のほうの時間をだんだんあとのほうに持っていくように極力われわれも努力をいたしまして、開始時間のごときもあとのほうにずらしていく。しかもナイターにおさまるような時間をいかにきめるかということは、やはりわれわれが今後といえども検討を加えるべき性格を持った問題であるように私は考えるのでありまして、これがどういうふうな実態になって近い将来あらわれてまいりますか、極力その点われわれも努力したい、こういう決心をしておるわけでございます。
  37. 片桐勝司

    片桐参考人 田邉先生の御質問に関連しましてお答え申し上げます。  六大学は四月の十七の土曜日が、夜国鉄がやる予定になっておりますが、これはまだ開始時間は六大学理事会できめておりませんが、土曜日はたぶん十二時からやることになると思います。それからあとのウイークデーは一時あるいは一時半から開始になるのではないか。これはまだ理事会にかかっておりませんからわかりませんが、それで一応午前中からやるというような事態にはならないと確信しております。
  38. 田邉國男

    ○田邉委員 私はちょっと伺いますが、そうしますと、先ほど島田参考人から伺いました四十年度のスケジュール、これは学生野球を確保しておるという見方をなさっておられるのですが、この点については、今後もこういうスケジュールで国鉄フランチャイズと申しますか、いわゆるプロ野球球場として使っていっても、現在程度のスケジュールであれば、学生野球のスケジュールというものは、一応確保なさっておると解釈されておられるのですか。この点を伺っておきたい。
  39. 島田孝一

    島田参考人 少なくとも今年の問題といたしましては、それ以外にやりようはないと私は思っております。しかもそれはフランチャイズということばを多くの力がしばしばお使いになるのでありますが、私の解するところろでは、本拠をプロがある球場に持つと申しますことは、まず最初プロのスケジュールがきまりまして、そして全部それを本位としてその他のゲームはその間にはさみ込んでいくということでありますれば、いわゆるフランチャイズということが成立すると思うのでございますが、ただいまの場合は必ずしも私はそう考えておりません。むしろ学生野球というものを本体にいたしまして、それから逆にプロがどの程度この中に食い込むことを認めるべきかという見方を決してくずしておると私は考えておらないのでございまして、なお、先ほど私が申し上げましたように、できますことならば、これはプロ球場とアマの球場とを全然分離いたしまして、個々何ら相抵触することのないようなゲームが行なわれる時代の一日も早くくることを私は望むのでございますが、現状において、これがまことに理想ではございますけれども、実行には多くの困難が伴なわれておるこの状態のもとにおきましては、今年専門委員会で御決定願いましたような行き方が、まず妥当なところであるのではないか。しかも、そのことは必ずしも学生野球を著しく圧迫するという結果を、幸いにして持っていないのではないか、かく考えているわけでございます。
  40. 田邉國男

    ○田邉委員 他の参考人の皆さんの御意見をあわせて伺いたいと思います。
  41. 加藤一雄

    加藤参考人 先ほどから繰り返しますように、大体新しい専門委員のメンバーも明確になってまいりましたから、専門委員の趣旨をわれわれは有効に生かしてやっていきたい、このように考えておりますから、専門委員の方の決定事項については、現状としてはいま片桐さんから報告がありましたように、差しつかえないのじゃないか、かように考えております。
  42. 土肥次郎

    土肥参考人 私はこう考えます。現在の収入が神官へいって、そしてその金をうまく使うことに、もっとじょうずなことを考えれば、プロの回数が多少減っても四億余も返せるし、外苑全部の運営に差しつかえなくやれるということもちょっと考えるのです。ですから、やはりそういう収入と支出の面を両方あわせ検討すれば、ことしのとおりでなければならぬということもありませんし、先ほど片桐参考人から発言がありました、将来漸減の方向に持っていくということができるのじゃないか、こう私は思うのでございます。
  43. 田邉國男

    ○田邉委員 私は、いま運営委員の皆んのお話さを伺っておりますと、少し私どもの考え方は違うような気がするのでございます。それは、この前片桐参考人からもお話がございましたように、プロのスケジュールというものはもう二月二十三日にすでに組まれておる。そしてこれに基づいて学生野球というものをどういうようにスケジュールを組むかというような問題になります。ですからダブルヘッダーのときにはどうしても午前中から野球をやらざるを得ない。こういうような御意見のように私は承っておりました。私どものいままで聞いておる範囲では、これで学生野球が優先をして、そして余りをプロ野球に使っておる、それを八十試合使用しておると私どもは解釈をしておりません。順次このプロ野球の回数というものはふえてくる可能性がある。最初に第二球場プロ野球に貸そうとしたけれども、いろいろの経過の結果できない、それではやむを得ないということで、第一球場プロ野球球場として使おうという考え方方針を変えて、そしてプロ野球のスケジュールを第一球場へ入れてきた、私どもはそういうように判断をいたしております。ところが、いま島田先生それから加藤先生お話を伺いますと、現在でも要するに学生野球を優先をしてその残りへプロ野球が入っておったので、まず学生野球は確保しておるのだ、こういう判断のように受け取られますが、私はその点は非常に違うのではないか。なお国民一般世論といたしましても、あの神宮外苑アマチュアだけにして、プロ野球をできるならばほかのところでやってもらいたいというのが、私は一般の世論だと考えておるわけでございます。この点につきましては、やはり順次プロ野球の進出が多くなりますと、勢い学生野球が午前中からやらざるを得ないという事態に追い込められる、それはすなわち学業放棄ということになるわけでございますので、学生の本来の本分からはずれることにもなる。その点をわれわれは非常に危惧しておるわけでございまして、この点につきまして、専門委員会がスケジュールを決定するから、だから専門委員会へすべてをまかせて、そしてプロ、アマの野球の配分をやるのだということでございますが、私はもっと根本の、その配分のしかたということよりも、プロ野球をこの神宮球場に入れていくという問題をさらに検討をしていただいて、そして、先ほど土肥参考人からお話がございましたように、要するに経理の問題が、神宮側は経営を順調に運営するためにはどうしてもプロ野球を導入しなければならぬ、その点にさらに運営委員会としてはメスをと入れになって、そうしてアマチュアスポーツ神宮球場を十二分の活用ができるように、ひとつその点を、経理の面及びあらゆる運営の面において十分御検討をしていただきたい。私ども国会におきましても、できるだけ運営委員会が活発な発言ができて、そしてだれ人も公平な運営をしておると認識されるような運営委員会をつくっていただきたい、またわれわれも努力しなければならぬ、かように考えるわけでございます。  次の委員質問がございますので、以上をお願い申し上げまして私の質問を終わりたいと思いますが……。
  44. 片桐勝司

    片桐参考人 田邉先生のお話で、やはり第一球場が問題になっている、六大学国鉄に夜使うことを認めたということが今日の事態を出たしたような、何かその点についてはおしかりを受けているような感じがするのでありますが、これは三十八年の五月に神宮産経ですか、契約した、その契約それ自体は変わってないのです。  それで先ほどから話になります八月二十九日の運営委員会で十二対四で敗れた、これはその契約それ自体をどうするという問題ではなくて、東京都に建設申請書というのですか、それを出すか出さないかという問題の委員会であったと思っております。  それで先ほどからしばしば言うように、六大学が相変わらず貸さないと言ったとすれば本日の事態が起きなかったと思うのですが、六大学は、ちょっと口はばったいようですが、そういうような国民的な見地に立ってよろしいという、そのかわりプロ専用球場でなくて、学生専用球場にするということでやったために今日第一球場が問題になっているのですが、われわれはそういう気持ちでもって神宮側申し入れをいれてしまったわけです。その点をひとつ御了解願いたいと思います。
  45. 田邉國男

    ○田邉委員 いま運営委員会が東京都の建設局へ建設の申請をするかしないかということでいろいろ検討したというお話でございますが、その日時はいつでございますか。
  46. 片桐勝司

    片桐参考人 三十八年の八月二十九日です。それで国鉄との契約を破棄するかどうかということは問題でなくて、もうオリンピックが迫った、それで下水道やなにかを直さなくちゃならない。青年館の裏のほうに下水を持っていくのだそうです。そういうような関係でもって早く建築許可を申請しなくちゃならない、こういうようなことで神官側は非常に急いでおりまして、二十九日にはわれわれは相当強硬な反対をしたのですが、時日が間に合わないといって、これは十一時過ぎと思いましたけれども、ついに委員長である甘露寺さんの採決ということでもって多数決で建築許可申請を出すことになったのです。
  47. 田邉國男

    ○田邉委員 八月二十九日にこういう問題が起きたという点については、文部省は聞いておられるのですか。
  48. 前田充明

    前田政府委員 八月二十九日のいま片桐さんからお話のありました賛成十二、反対四、棄権二というときには、私は棄権の中に入っておるわけですから、出ておったはずで、承知しておるわけであります。
  49. 田邉國男

    ○田邉委員 そうすると文部省はその内容については承知しておるわけですね。
  50. 前田充明

    前田政府委員 承知いたしております。
  51. 田邉國男

    ○田邉委員 この問題は八月二十九日の運営委員会できまったのですが、今度は専門委員会にはこれはいつかかったのでございますか。
  52. 片桐勝司

    片桐参考人 それは、あれをこわしましてでき上がりましたのが昨年の七月だと思います。それで高校に間に合うようにということで、昨年の七月に専門委員会が開かれまして、新しくできた第二球場だけについて日程を決定しました。  それから四十年度の専門委員会は、第一回が一月の二十二日であります。一月二十二日にありました専門委員会では、神宮の、いままでアンラッキーネットといいますか、九十メートルにするために網を張ったポールがある、これを固定するかどうかという問題で、それだけでもっていままで反対していた六大学承知して、それで終わりました。その次に開かれましたのが二月三日で、こめときは例の伊丹さんが発表されたときですが、このときは学生側の日程の問題で長時間とりましたために、何事も決定に至らずに、金曜日を手入れ日にするということだけをきめて、あとは、学生側のことがまとまりませんので散会になっております。それから、二月二十三日に最後のこの表が出てきてスケジュールをきめたわけであります。それだけ開かれております。
  53. 大石武一

    大石委員長 砂田重民君。
  54. 砂田重民

    ○砂田委員 私は島田先生にちょっとお尋ねしたいことがございます。  実は、前々回の委員会で私は伊達さんと伊丹さんにお尋ねをいたしました。今日の、特にこの四十年度の学生野球のスケジュールの中にプロ野球のスケジュールがだいぶ入り込んできまてしまった。そういうふうに専門委員会でも二十三日に最終的におきめにならざるを得なかった。その原因を専門委員会方々もその委員会を終えられましたあとで、あげて神宮側の財政的に困難な事情ということを言っておられる。私、手元に二月二十四日の朝日新聞を持っておりますが、金子さんも藤田さんも、神宮側の財政事情があるからしかたがなかったということを言っておられる。その神宮側の財政事情ということについて実は伊丹さん、伊達さんにお伺いをいたしまして、六大学側あるいは学生側の反対を押し切って神宮側が強行なさった照明灯の設置の問題、それの維持費、あるいはまたプロ野球の球団の専門球場といいますか、フランチャイズ化された球場として第二球場の御計画を神宮側がなさって、その計画が収容能力の点でうまくいかなかった。大学側の反対もございましたでしょうし、また消防庁の規定もありましたでしょう、あるいは東京都の公園、緑地化の公園内における建物の建蔽率とか、そういった事情もあって、神宮の当初の計画がたいへんずさんなものであって、そのために当初のプロ野球専門球場として第二球場をやることができなかった。そういったことを原因として今日の外苑の財政事情の困難を来たしたんだというようにわれわれは伊達さん、伊丹さんのお話を承りつつ、またその間片桐さんの御意見も承って、実はただいま判断しているのでございますが、島田先生はこの点についてどういうふうにお考えになっておられますか。
  55. 島田孝一

    島田参考人 御指摘のとおり、いまのプロ野球神宮進出という問題の一番根底になっておりますのは、先ほどもちょっと触れましたように、おそらく外苑野球場維持管理の財源をどこに求めるかということが大きな問題の一つだろうと思います。そればただいま砂田委員より非常に詳しくお話ございましたように、確かに四億五千万円というものの償還をいかなる財源に求めていくかというところは、このスケジュール問題にもかなりの深い関係があるということは隠れもない事実だと私は思っております。しかしこれだけであるかどうかはまた別問題でございまして、場合によりましては戦争の当時第一球場のスタンドの下がいろいろな物資の貯蔵に使われるというような事情もございまして、これがまた球場状態を非常に悪化させた一つの原因でもあったろうと思います。ですからこれにもまた、将来を考えてまいりますと、相当の支出を神宮としてはこうむらなくてはならないということもございましょう。あわせまして必ずしも四億五千万円という金が全部であるとも思われないのでございまして、おそらくそれよりはプラス何ものかが加わりました金額というものを、神宮側がこの野球場施設についてどういうふうに切り開いていくかというのが与えられた一つの条件であるような感じが深いのであります。そこで、好むところではないのでございますが、実情からわれわれが判断いたしますところでは、やはり学生野球のほうの入場料というものからその一部を神宮に払っていただく。これだけではたしていま申し上げたようなかなり膨大な額に達します支出というものをまかなうことができるかできないか、おそらくこれは非常に困難であるのではないか。そこで問題がプロの進出という問題に確かに一派の関連があらわれてきていると思います。もしそういうことがないといたしますならば、おそらくたくさんの時間をかけましてこの問題をお互い論議をいたします必要もなかったろうと思いますが、現実の問題といたしましては、確かにこの財政的な理由からいたしまして、まことに残念ではございますが、いまの場合多少お互いが譲り合いまして、学生野球をまず優先ということだけの原則はあくまでくずさないように、しかし同時に神宮の将来の維持管理に関連する資金をどこに求めていくかということの一助といたしまして、プロのある程度までの進出を認めざるを得ないというのが、私個人として考えております、あるいは見ておりますところのまず姿であるのではないだろうか、こういうふうな感じを私としては持っております。
  56. 砂田重民

    ○砂田委員 神宮外苑の今日の経営の財政的な困難さというものは、先生おっしゃるとおりに終戦当時からのいろな問題が積み重なってきていると思うのです。ただ今日私たちが問題にしておりますプロ野球進出の直接の原因といいますか、こういったものは、やはりそういう時期から考えましても、先ほど私が申し上げましたようなまことに残念なことではあるけれども、神宮側の経営の計画のずさんだったこと、そういったところに直接の原因がある、こういうふうに島田先生も私はお存えになっておられるとただいまの御答弁の中かり推察をいたしますが、そういう事情を御存じの上で先般の二十三日の御決定をなさったのでございますか。その点と、もう一点島田先生にお伺いしたいと思いますのは、やはり学生の学業放棄の問題に関連してでございます。先ほどから先輩委員お二人からもこの点の質問がございましたが、これも二月二十四日の朝日新聞によりますと、二十三日の会議が終わりましたあとで島田先生は、「アマ、プロ互いに譲り合うという精神からなごやかな空気のうちに話し合いは終った。」こういうふうなお話を発表しておられる、あるいは新聞記者に答えておられたと思うのです。しかし何といいましても、先ほど田邉委員への先生のお話の中に、学生を優先して、スケジュールの組み方も学生にこれだけの試合がとってあるんだ、そういうお話がありましたが、私は実はその日その日のスケジュールはそうではないと思っているのです。プロ野球か七時から始めなければならない。そうなると開門の五時から逆算していくと、学生が二試合やられる、特に東都リーグで一日二試合消化をしなければならない、それには第一試合は十一時から始めざるを得ない。ナイターも、プロ野球の時間をおきめになって、それから逆算をして学生試合開始の時間をおきめになっておるのが私は事実だろうと思います。そういうことから、十一時から融合をするとなりますと、相当早い時間から学生もあるいは応援の学生たちも神宮球場に学業を放棄して行かなければならぬはずである。その学生学生スポーツと学業の並立としうことはたいへんむずかしいことであります。私も学生時代経験がございますので、たいへんむずかしい困難なことだと思いますが、何と申しましてもはっきりそういうスケジュールを神宮側といいますか専門委員会側で打ち出してしまわれる、その打ち出され方ですが、なごやかな空気のうちに学生が学業を放業して試合をしなければならぬということを御決定になったとするならば、私はたいへん残念なことだと思うのです。島田先生が新聞記者の方々に話されたように、なごやかな空気のうちにこの決定を見たんだというおことばを私はちょっと承服しがたいような気持ちがいたすのであります。明治神宮側の財政事情その他の事情によってまことに残念だ、遺憾ではあるけれどもこういうふうにきめなければならなかったのだという御説明であるならばまだ納得もする点があるのですが、なごやかな空気のうちに、和気あいあいたるうちに学業放棄のスケジュールをきめたんだ、よかったんだというお気持ちであるとするならば、これは島田先生の本意じゃないのじゃないか、私はそういう気持ちがするのでございますが、こういったスケジュールをおきめにならなくてはならなかった先生は、やはりこの学業放棄のスケジュールをきめざるを得なかったということは遺憾だ、残念だとお考えでございますね。
  57. 島田孝一

    島田参考人 なごやかというその意味でございますが、きん然として皆さんが何らの問題なしにきめたというふうにおとりになることはいささか筋が違っておるかもしれないような気がいたします。私がそういう感じを受けましたのは、どなたもおそらく、学生側の諸君はでございますよ、私は一々伺ったわけではございませんけれども、おそらくはやむを得ずしてそこまでいったんだ、しかし一たんきまった場合においては、非常に論戦が行なわれるとか暴言を吐くとか、そういうことは全然あの席上においてはございませんでした、そういう意味においてそのなごやかさでございまして、何もきん然として、これはむしろ非常に理想に一歩近づいたという感じは私自身も持っておりませんし、あそこにお出になった多数の委員方々がおそらくそういう感じを持っておいでにならなかったろうと私は思います。少なくとも昭和四十年度のスケジュールといたしまして、こうやることがいま与えられた条件のもとにおいて考えられるところではまず妥当の線ではなかろうか、これがきまりました際に憤然として席をお立ちになった方もございませんし、一応これでひとつ本年度はいこうじゃないかというのがあの場合におけるところの球場専門委員会の空気でございましたので、そのことを私はあらわすつもりだったのでございますが、あるいはことばが必ずしも私の考えておりますところをそのまま伝えることができませんでそういう文章となってあらわれたのかも存じませんが、以上申し上げたような空気でございますことだけはひとつ御認め願いたい、こう考えております。
  58. 砂田重民

    ○砂田委員 島田先生、たいへん私しつこいようでございますが、会の空気はよくわかりました。私も会の運営その他のことは後ほど触れますが、会の空気は十分わかりました。ただ結果的に学生に授業を放棄させなければならないスケジュールをきめざるを得なかったことは遺憾だった、この点は残念だ、そういうふうに先生が確かに考えておられると私は思われるのですが、それをひとつ承らしていただきたいわけです。
  59. 大石武一

    大石委員長 島田さん、簡単にひとついまのことを……。
  60. 島田孝一

    島田参考人 これはできますならばなるべくあとのほうに時間をずらしていく、そうして学業との並立もあまり御迷惑をかけないようにということを考えておりますが、これはもう関係者全部の考え方だと思います。ただそれを無限にあとのほうに延ばしまして午後のいい時間だけを学生のほうがとることは現状においては非常に無理であるのではないか。したがいまして、いま十一時という時間の御指定がございますが、これはなお今後多少まだあとのほうにずらすことが可能であるのじゃないかということを考えております。でき得る限り今後もこの点については六大学の諸君、東都大学の諸君、その他の諸君のお考えもよく伺いまして、できたならばなるべく迷惑を学生諸君の学業にかけないという方向に少しでも近づけるように努力していきたい、この考え方は私としてもやはり持っておるわけであります。
  61. 砂田重民

    ○砂田委員 そういう考えをお持ちいただくのはたいへんありがたいと思うのです。ただ私がしつこくお尋ねをしておりますのは、島田先生の委員長としての談話が新聞に出ております。この記事を大ぜいの国民が読んでおります。学生たちも読んでおるのです。この談話の中から感じられますことについて、学業放棄の点に一切触れておいでにならない。そういった学業放棄をせざるを得ないスケジュールを組まざるを得なかった事情の御説明も私は承りました。ただ学業放棄をせざるを得ない結論を出さなければならなかったことについて、一体先生は、残念なことだったと感じますかとお尋ねしておりますのですが、その点についてはお答えがいただけませんでしょうか。
  62. 島田孝一

    島田参考人 できますならば、それは全く午後のいい時間から始めて、かりに夕刻おそくなりましても試合が継続できるような状態になってまいりますならば、これにこした喜びはないと私は思います。ただ、現状において、そこまで非常に理想的にあくまで学生専用球場として、いずれの日にもこれを保証するということまでできないことは、まさしくおっしゃるように多少遺憾の点があるということは考えざるを得ないと思います。
  63. 砂田重民

    ○砂田委員 やはり島田先生も多少とおっしゃいましたが、遺憾な点があったようにお答えをいただきました。私は学生諸君のためにたいへんありがたいお答えをいただいたと思います。  なお、学業放棄の問題につきましては、われわれ委員会委員会としての態度を決定せざるを得ない、こういうふうに考えます。委員同士で懇談をいたすことになると思いますが、この点につきましては、こういう形のスケジュールによって、学業放棄を学生選手並びにそれを応援に行く学生諸君がしなければならないということは許すべきでないというふうな結論が、あるいはわれわれの委員会で出るかもわかりません。その点については、また文部省御当局との問題でもありますので、きょうは時間がありませんから、あらためて文部大臣なり政務次官、担当局長にお越しをいただきまして、委員会としての結論を——これは文部省と議論をしてみたい、かように考えます。  それから先ほど土肥さん、片桐さんのお話から、私にも運営委員会専門委員会というものの運営のあり方の実情がよくわかりました。これは前回私がお尋ねいたしましたことについて片桐さんから御答弁をいただきました点でも、神官側が既成事実をつくってそれを認めざるを得ないような形に持っていっているのだという御答弁をいただきました。今日の土肥さん、片桐さんのお話の中から、十分私にはその委員会運営のしかた、あり方を把握することができたと思います。実は前回、先ほど前田先生お話の中にもございましたが、学生野球関係者がみずからなぜもっと学生野球を守ろうとしないのかという気持ちを私ども持っておりました。私どももたいへんそれを不満に思いましたので、前回の委員会で、片桐さんたちの学生時代の選手生活というものはもっと根性をたたき込まれてこられたはずだ、そういう皆さんがなぜそんなに腰が弱いのかということを、たいへん失礼だったのですが片桐さんにも申し上げたのですが、幾らやってみても運営委員会では十二対四で負けてしまうのだというような、土肥さんのたいへん残念そうなくやしそうなお答えをいただきまして、委員会のあり方というものが大体私たちにもわかるようになりました。  それで一度確認をしておきたいと思うのですが、土肥さんは、この昭和二十七年九月二十九日の「明治神宮外苑競技場施設についての覚書」の趣旨に沿ってただいまの運営委員会運営されているとお思いですか。それともこの運営委員会は覚え書きの趣旨にも反しているとお思いですか。
  64. 土肥次郎

    土肥参考人 そういう端的な御返事は非常に困ると思うのですが、私は十分生かされていないと思います。
  65. 砂田重民

    ○砂田委員 運営委員会がこの覚え書きを十分に生かされずに運営しておる、かように運営委員としての土肥さんは考えておられると解釈させていただきます。  それから片桐さんも運営委員専門委員と両方兼ねてやっておられますが、専門委員のことにつきましても、実は前回の委員会で伊丹さんに川崎さんから提案がありました。三つの項目特にプロ野球を導入しなければしかたがないと皆さんが言われる財政的な事情についての御相談も実は川崎委員から伊丹さんに提案があって、その提案のあったその日の夕方専門委員会をおやりになって、われわれの意図しておるところと全く正反対の結論を出してしまわれたのでありますが、この川崎さんの提案の財政的な事情の打開についても、われわれも相談に乗りたい、われわれもひとつ努力をしょうではないかという提案があったはずです。それで私は、その専門委員会の冒頭に伊丹さんそういう話がありましたかということを前回御質問をいたしました。片桐さんは横で聞いておられたと思いますが、その点について私の聞いておりますところでは、決定をされたあとで、川崎さんからこういう話もあったというふうな座談的な話があったというふうに聞いておりまして、その点はまた聞きでありますから、それ以上強く私は伊丹さんにお聞きしなかったのでありますが、この前の委員会おいでをいただきましたスポーツの評論家あるいは朝日新聞の運動部次長、こういう方々お話を承りましても、私がお聞きしました話と同じように、国鉄の七十試合全部を受け入れるということを専門委員会決定したあとで、川崎委員の提案をただ座談的に表明された。こういうことでスポーツ評論家あるいは朝日新聞の運動部次長というような方々からもそういう話を聞かされてわれわれはあ然としたのでありますが、専門委員会においてもそういうふうな既成事実を押しつけてこられる、そういう運営のしかたをしておられるのじゃないかというふうに私は感ずるのであります。たとえば一体そのスケジュールはいつおきめになったかということを聞きましたら、伊丹さんは二月三日にきまっておったことだと言うし、片桐さんは二月三日にはきまっておらないと言われる。そういう食い違いがあったのでありますが、専門委員会におきましても、運営委員会と同様に決して民主的な運営はされておらないというふうな感じを片桐さんはお持ちでありましょうか、この点をひとつ伺っておきたいと思います。
  66. 片桐勝司

    片桐参考人 これは決して民主的とは言えません。これは事実です。われわれはあれが国民のもの国のものと考えておるときに、神宮に職を奉ずる人が私物視しておる。登記簿上に甘露寺管長あるいは総代会が載っておる。もうこれで極端に言えば私物視しておると感じております。したがって、その運営やなにかというものは運営委員会無視あるいは専門委員会無視という事実になってあらわれてきておると思います。  それから砂田先生のおっしゃる川崎会長さんのお話というものは冒頭ではなかったことは事実です。ということは当日はやはりいろいろと学生同士の問題で私も激論しておりましてかっかしておりましたので、実はそっちのほうが重点にあったのです。それで座談的にといいますか、雑談の中にそういう話があったことは確かであります。そのお話は聞きましたけれども、ことしのことにならないのじゃないかというのがやはり全般的な空気でありました。それで川崎先生がそういうふうにおっしゃってくだされば、来年からはもっと神宮も楽になるし非常にありがたいことだということを私個人では感じました。  それからまた、私は比較的事情に詳しいせいですか、ほかの委員の方もあるいは感じていると思うのですが、十億とか十二億の借金というのが、おおむね十年、四億五千万円になった。そうすると一年に四千五百万円。それから、われわれがどうしても使わなくちゃならないと言っている第一球場、これが古くなりまして、私は大体五年ぐらいで改築しなければならない時期がくるんだと思うのですが、神宮側では大体十年と見て二億五千万円と言っている。そうすると、一応両方とも十年としますと、四億五千万円とその二億五千万円で、大体一年に七千万円が野球場だけに関して要るということはわかるのです。この間ここに出した表の償却費七千九百万円の内訳がそうなっているかどうかはわかりません。そういうものの要るということは、自分たち球場を守るために、その償却、それから借金の返済、これはわかるのですけれども、ほんとうに具体的なことはわれわれにはわかっておりませんので、そういう面からももっとわれわれがよくわかって、その立場でもって神宮側を突っ込むように今後はしていきたいと思っております。
  67. 砂田重民

    ○砂田委員 それぞれ非常に重要なおことばをいただきました。参考人の皆さま方のお話で、運営委員会あるいは専門委員会、それぞれの委員会運営のしかたというものの実態を大体私たちは今日把握できたと思います。きょうは参考人の皆さん方から議員の私たちへのお話じゃない、国民委員会のあり方というものの実態を十分御説明をいただけた、たいへんありがたいことだと思います。それだけに私はやはり運営委員の一人であります前田局長に、昨年はオリンピックがあって忙しかったからといえばそれまででありますが、どうかこれからは運営委員会に御欠席なさらずに出ていただきたい。前田さんがお忙しいときには代理の方でもいいのじゃないかと思いますから、できるだけ御欠席なさらずに出て、文部省の立場からりっぱな運営委員会をなさるようにひとつ御努力を願いたいことを御要望いたしまして、私の質問を終わります。
  68. 大石武一

    大石委員長 委員会はこの際休憩することとして、本会議散会後懇談会を委員長控室で開催して、そのあとで文部大臣の御出席をいただいて委員会を再開し、文部省に対する質疑を行ないたいと存じます。御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  69. 大石武一

    大石委員長 御異議なしと認め、そのようにいたします。  この際、参考人方々にごあいさつ申し上げます。  きょうはお忙しいところわざわざおいでを賜わりまして、いろいろと貴重な御意見を賜りましたことを感謝いたします。おかげさまで本委員会神宮球場問題に関する調査につきまして一歩前進することができたと思います。きょうはまことにありがとうございました。  これで休憩いたします。    午後零時五十三分休憩      ————◇—————   〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕