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片桐参考人 私は六大学代表で
専門委員になっております。それでちょっといまそのことを
お答えする前に、
神宮側の答弁のうち違っておることを二、三指摘しないと、六大学側のどういう考えになったかということがおわかりにならないと思いますので、ちょっと御
説明したいと思います。よろしゅうございますか。
——先ほど九千万円の支払いのうち、七千万円を六大学に寄付を求めたということの
神宮側の答弁のときに、
相談してやったと言いますが、これは
神宮が大蔵省に申請した事後であります。そのときに、寄付する人間の意向を無視して払い下げの申請をするものがあるかというような、六大学のうちから一部そういう
意見がありましたけれ
ども、何しろ自分のグラウンドと考えている
神宮球場のことですから、事後でもこれを承諾します。
それからもう一つ、東芝照明問題のときに、
伊丹さんの
お答えの中に
——これは六大学は
理事会は各校五人であります。マネージャー、キャプテンが入っております。そこで、これは
専門委員会、
運営委員会が全部賛成したことを、七千万円を寄付する六大学の意向を聞かなければならないだろうということで突如上程されたのでありますが、これに対しては反対でありました。そのときの
意見は、これが
考え方として重要だと思って申し上げるのですが、プロに貸すのではないか、
学生野球にはナイターの設備が要らないということ、それから
神宮球場には、いな
神宮には広告はないと思っておりました。そのときに東芝が一億でもって寄付するのだから広告は当然であるということで、これもそれが六大学にげたを預けられるということは、
神宮外苑はわれわれは
国民のものだと思っておる。したがって六大学の
理事会がオーケーすれば東芝の広告がなるということは、六大学はそれほど越権的な行為は考えておりませんので、広告をするということで反対です。
それからまた、東芝が八十周年記念ということでありましたけれ
ども、そのときの反対
意見は、ちょうど日立が五十周年記念だそうであります、それで六大学は、一社に独占するというようなことはいけないというのです。
新聞社の場合でも何でも大体そういうことをしていないのであります。それがさつき
神宮側の答弁で私がちょっと気づいたことであります。
それから三十八年に、
神宮と産経側の国鉄専用
球場をつくるという契約が五月十一日か十二日かに発表になったんですが、それに対してどういう態度をとるべきかということも六大学では実は問題になったのであります。われわれは第一
球場だけ優先のお墨付けをもらって、われ関せずえんで第一
球場にとどまっておればいいんじゃないかという
意見もありました。しかしながら
神宮に対して文句を言えるのは、おそらく九千万円のうち七千万円引き受けて、実際には二千九百万円しか払わなかったのですが、われわれしかないのじゃないか。しかし六大学でものをいうよりも、これは
神宮外苑のいきさつからいって、広告もこれは建設に協力しておるということでもって
学生野球協会がその反対の急先鋒に立ったのであります。
協会は当時は一銭も金がなくて、おそらく
協会はその寄付はしていなかったと思いますが、六大学は全部引き受けたと思います。
そうしているうちに、きょうの
神宮側の答弁で訂正されたんですが、われわれは文教委のところに要請に行ってもなかなか
運営委員になれなかったのですが、そうわからずも言わずにということで
学生側の
委員が四名、
公益代表といいますか、
東京都の副知事、
前田局長が
運営委員になったんです。それでその八月の第一回の
運営委員会に十三対四で、これは建設、例の十億の計画で国鉄専用
球場をつくるということが
運営委員会で可決され、すぐ
東京都のほうに申請が出されたのであります。
体育局長と副知事は棄権されました。それで、われわれはだんだん消防庁あるいは建設局に反対
運動をしたわけです。いろいろ陳情してやった結果、
東京都の建築局の公聴会も開かれました。ところが反対する
意見の方よりも、しゃべる人のほうに賛成する
意見も非常に多かったのであります。それで結局、一万七千人と覚えておりますが、一万七千人の国鉄専用
球場ならばできる。結局われわれの反対
運動は負けたんだというような事態に立ち至ったのであります。そのときに
神宮のほうから、さっき砂田先生が言われたように、第二
球場のプロ専用
球場を
学生専用にする。そのかわり、国鉄が第一
球場でやることを認めてくれないか、こういう話がありました。これは
協会から六大学に要請されたのですが、六大学の
理事会としましては、全部が
協会の役員になっておるわけではありませんし、一体どうすべきか。われわれはそんなことにかかわりなく、あのお黒付きでもって第一
球場でやっておれば、プロとのあれもなくてできるんじゃないかという
意見もありました。しかしながら、第二
球場に国鉄専用
球場ができた場合、これは六大学が、さっき申しましたように、一社と独占的な契約を結ぶということは、六大学自体もしないし、
神宮外苑が
国民全体のものだと思っておるだけに、国鉄側と
神宮が独占契約というものを結ぶことは、
国民感情として許せないということで反対したわけであります。それがいよいよ小さいながらもでき上がるといったときに、これを
学生専用にしてくれる。そのかわり国鉄が第一
球場でやることを認めてくれないかという申し出があったわけです。それで第二
球場が
学生専用になるということになれば、非常に
東京の大学、高校は潤うわけです。そこで、六大学としてはそんなお墨付きということよりも、やはりあのグラウンド自体が、われわれが優先
使用ができるということだけで、独占ではないんだ。したがって、少しくらいのがまんをすることでもって、国鉄専用
球場がとりやめになるならば、これはもう
国民的見地から考えても、けっこうなことじゃないかということで、六大学は
神宮の申し出に賛成したのでございます。これは第二次要請書にも書いてありますように、もう夜間照明しちゃって、
学生には要らない夜間照明をしてあるんだから、ということなのであります。それが国鉄をシーズン中にやることを認めた一番大きな
原因なんです。したがいまして、われわれに全然
相談なしにやった東映は、絶対にわれわれのシーズン中にはやることを認めません。シーズン外に
神宮がどこに貸そうが、これは六大学の知ったことではないというのが、六大学の態度であります。
それから、さっきちょっと申し忘れましたが、われわれが反対するときに、
神宮が三億ぐらいのことでナイター設備をしたのです。その後
スケート場をやはり三億ぐらいかけてつくったのであります。われわれが反対する一つの言い分としては、
神宮は今後十年間に五億の
外苑整備費が要る。したがって、年々五千万円の
利益があがらなくちゃいけないということを言って、国鉄と契約をしたわけであります、ところが、七億のオリンピック道路の補償費が入っているわけなんです。七億の金が入ったために、ナイター照明もしたのですが、七億あれば利付債券を買っても、七分三厘に回るんじゃないか。そうすれば五千万円は浮くということを盛んに言って主張したのですが、すでに国鉄と契約した
あとなんです。ですから、まあ結論は
神宮が既成事実をつくって、それを認めざるを得なかったという節はあると思うのですが、ただわれわれが自分たちの
利益だけを主張して、第一
球場に安住するということは、はたして
国民全体から見て許されることかどうかということを考えまして、ナイター一試合ならば認めようということになったのであります。
実は、昨年そのときの国鉄の第一
球場進出に対して、なくなった
球場長の源川さんから、私が
専門委員でありますから、こういう
相談を受けたのです。当時セントラル・リーグは土曜日一試合、日曜日二試合です。それを使わしてくれないかという話が私のところにあったのであります。しかしながら
学生優先の線をわれわれは守るんだ、日曜日二試合ということになりますと、われわれは八時ごろからやらなくちゃならない。そんなことは全然六大学の
理事会には上程できないということで、昨年の春、これは三週だったと思いますが、一試合ナイターに限り、これは認めたのであります。それで本年度は八週の申し込みのうち、五週それがある。これはシングル・ゲームでありますから、まあ圧迫されることは圧迫されるのですが、要するに何といいますか、六大学とすれば、いままでも二つ試合をするときには、第一ゲームは九回でもってさらに延長しないで、そこで引き分けをやったのであります。そうすると、それを認めるとなると、第二試合の延長もおそらくできないと思うのです。九回でもって打ち切る。九回までは絶対にやるけれ
ども、要するに延長戦をいままでプロさえ来なければできたものができなくなる。第二試合に限って、そこで打ち切るというだけの犠牲でもって第二
球場のプロ専用だいう問題、これはおそらく全国でそういうものはないと思うのですが、そういう問題をたたきつぶしたという犠牲は、六大学でもって背負わなくちゃならないだろうということできめたその瞬間に、もうある人は弱腰と言われるかもしれないが、われわれは六大学の犠牲において、あの天下をわかした問題を解決したんだ、ある程度はやむを得ないんだというふうに考えております。
それで今回の場合には、そういう申し入れがありまして、六大学の
理事会は、五週シングルならば認めよう。ただし、日程表が苦しくなりますから、いままで六大学の
理事会の決議としましては、土曜日の前の二日は試合をしない。これはもう土曜日に一番いいコンディションに持っていくんだから、そういう決議をしておるのですが、たくさん入ってきたために、土曜日の前の一日だけ試合をしないということに訂正したのであります。それが木曜日まで使わしてくれという
専門委員会に対する六大学側の要望となったわけであります。
そういうことでもって、だんだん考えてきたのですが、いま砂田先生のおっしゃったのは、ちょっと前のことを言ったので少しあいまいになりましたが、そういう
意味で私は六大学の代表として
専門委員会に出てまいりまして、そうして五週は認められた。これは私の権限なんであります。六大学は常にシーズン中のことは問題にしますが、シーズン外のことは一応問題外なんです。ですからそれを問題にするなら、東映のときに反対ののろしを上げなくてはいけないのですが、一応独占とは考えておりませんし、
使用時のシーズン中の優先ということを考えておるので、したがって何といいますか、試合数は比較的問題にならなかったのであります。
また砂田先生の御質問があれば
お答えいたします。