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1965-02-18 第48回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月十八日(木曜日)    午前十時四十分開議  出席委員    委員長 加藤 高藏君    理事 藏内 修治君 理事 壽原 正一君    理事 中川 俊思君 理事 中村 寅太君    理事 多賀谷真稔君 理事 滝井 義高君    理事 細谷 治嘉君       田中 六助君    中村 幸八君       西岡 武夫君    野見山清造君       廣瀬 正雄君    三原 朝雄君       井手 以誠君    中村 重光君       松井 政吉君    伊藤卯四郎君  出席国務大臣         文 部 大 臣 愛知 揆一君         通商産業大臣  櫻内 義雄君  出席政府委員         文部事務官         (大学学術局         長)      杉江  清君         通商産業事務官         (石炭局長)  井上  亮君         通商産業事務官         (鉱山保安局         長)      川原 英之君     —————————————  本日の会議に付した案件  石炭対策基本施策  日本炭砿高松鉱業所施業案等に関する問題及  び産炭地域振興問題      ————◇—————
  2. 加藤高藏

    加藤委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  石炭対策基本施策について質疑の通告がありますので、これを許します。多賀谷真稔君。
  3. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 基本政策の細部については、各法案が出ておりますから、その法案審議の際に質問をいたしたいと思いますが、有沢第二次石炭鉱業調査団答申の柱である炭価値上げ一体この問題はどういうようにやっているのか。本来有沢調査団は、最初総論にも書いてありますように、重油消費税によってその価格差補給金ともいうべきものを支出して炭鉱再建をはかる、このことは欧州等においても行なわれておることである、しかし現下の情勢でいろいろ問題があるからこれは検討事項にする、こういうことで、とりあえず炭価値上げ利子補給の柱によって再建をしよう、こう言っておるわけですが、その炭価値上げの問題はどういうようになっておるのか。これが基本ですから、幾ら法案を出されても基本政策ができないと、われわれはその基本が固まらないのに法案審議をするわけにいかない。そこで、大臣は、いま一体どういう状態になっておるのか、お聞かせ願いたい。
  4. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 答申にもございますように、負担増対策としては原重油関税特別還付制度を延長する、それによって実質的にはどの程度になるかということを大蔵省当局との間でずっと詰めてまいっておるのであります。ところが、通産省側算定大蔵省側算定とがまだだいぶ食い違いがございまして、いまお話のあるように石炭対策の重要な柱でございますので、私どもとしてはできるだけ早く結論を得たいということで、数次にわたって折衝もいたし、またときに大臣レベルまで上げての話し合いもしてみましたが、何ぶんにもこれはこまかい算定方式の問題になりますので、政治的にあと五億出してくれるかとかどうとかいうことになってまいりませんので、せっかく大臣レベル話し合いもいたしましたが、さらにもう一応どの程度のはじき出しができるかというようなことで、再びいま事務折衝へ戻っておる、こういう段階でございます。
  5. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 この調査団の最も大きな柱は、炭価値上げ利子補給に置いているわけですね。ところが、この基本的な問題が解決を見ずして幾ら法案を出されても、炭価への再建はできないわけですよ。ですから、少なくとも法案を国会で審議をされる前の段階においてはその問題は解決しておかなければならない当然の問題です。幾ら小さい問題をわれわれがいじりましても、基本的に法律事項でない問題が一番大きい問題ですよ。ですから、そのことの解決を見ずしてこの法案審議をわれわれに求められても、非常に困るわけです。いま事務的に非常にむずかしいとおっしゃいますけれども、これは大体制度上なかなかむずかしくなっているわけです。しかし、優秀な役人が日本におるわけですから、できないことはない。あと問題は、政治ベースでどうやるかということでしょう。事務的な問題じゃないですよ。それは優秀な大蔵省の官僚と通産省で、公益事業局あるいは石炭局でおやりになれば、たちどころに解決するのですよ、事務的には。ただそれを政治的にどういうようにのますかどうかということでしょう。ですから、私は、これがいままでどうしてこんなに遅延しておるのかわからない。これが解決しなければ、もう一度石炭法案というものは全部やり直さなければならぬ。少なくとも合理化法、あるいはその次に出るであろう石炭共同販売会社構想というものは全部やり直さなければならぬ問題ですね。ですから、その基本がどうしていままで遷延しておるのか、これをお聞かせ願いたい。
  6. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 一般炭トン当たり三百円、原料炭についてトン当たり二百円の価格引き上げということについては、答申のとおり私どもは推進していきたい。そういたしますと、これに伴う電力鉄鋼等負担増をどうするか、こういう問題でございます。その負担増に対してはいまの関税還付で補いをつけていこう、その方針は変わらないのであります。ただ、その場合に幾ら算定できるかというところに問題があろうかと思います。ですから、石炭対策のほうからいえば、通産省としては炭価引き上げ方針どおり。しかし、影響を受けるほうにできるだけ影響の少ないようにしたい。これは十分御承知であろうと思いますが、関税一二%のうち、四%、六%というものははっきりしておるわけであります。しかし、もう二%ある。暫定税率をいじってその二%も負担増のほうに持っていきたいというようなことも考えたのでありますが、それは断念をいたしまして四%、六%ということ、その中で六%の計算方法について現在いろいろ折衝しておる、こういうことなのであります。ですから、お考えようによっては基本の方向というものはそこではっきり出ておる、かようにおとり願っていいのではないか。
  7. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 通産大臣は、石炭だけでなく電力その他の公益事業あるいは重工業の担当でもあるわけです。そういたしますと、一般炭についての三百円、原料炭についての二百円の引き上げというのは、通産省としては確立しておる、こう考えてよろしいですか。
  8. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 そのとおりでございます。
  9. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 そういたしますと、それはいつまでに話し合いがつき、いつから実施をする予定であるか、お聞かせ願いたい。
  10. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 現行制度特別還付関係は延長ということになりますから、現にこれは行なわれておる、こう申し上げていいのであります。ただその場合、基準量をどこに置くとか、こまかくキロリットル当たり幾らまで見れるのかということが問題になっておるのでございます。
  11. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 ですから、炭価値上げ還付の問題は関連があるわけです。しからば、政府としては、いつまでに折衝を終わって、一般炭トン当たり三百円、原料炭トン当たり二百円の価格引き上げというのはいつの時期から実施をされるのか、これを御答弁願いたい。
  12. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 炭価引き上げについては四月一日から、こういうふうに考えております。
  13. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 特別還付の実態ですね。と申しますのは、従来特別還付につきましては、いわば電力引き取り増加を要請した、このときから始まっておるわけですが、一体引き取り量が最初予定しておったときよりも増加分が著しく少ないわけです。そこで、おそらく従来予定しておった還付額ほど出していないというのが実績ではないか、こういうように思うのですが、それらをひとつ詳細にお聞かせ願いたい。
  14. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 多賀谷委員の御指摘のような状況にございます。局長から詳しく申し述べさせます。
  15. 井上亮

    井上政府委員 負担増対策につきましては、先ほど大臣からお答えいたしましたように、現在原重油関税還付制度でやっておるわけであります。今回価格値上げに伴いまして、さらにその負担増対策を従来よりも手厚くするようにというような答申が出てまいったわけでございますが、従来の制度におきましては、御承知のように原重油ともにでございますが、関税は一二%かかっておるわけでございます。そのうち、まず原油につきましては、一二%のうち四%分は一般還付という形で、これは従来の制度還付されるわけであります。これは御承知電力業界鉄鋼業界が、長期引き取り契約に伴いまして従来の引き取りベース引き上げていただいたときに、その点に関連いたしまして、一般還付制度電力鉄鋼業界にとったわけでございます。しかし、その後さらに増加引き取りというような問題が引き続いて起こりまして、これはこの前の第一次調査団あとのことでございますが、その際、一〇%のうち四%は一般還付、それから残りの八%のうち六%は特別還付制度というような制度運用してまいったわけでございます。特別還付制度といいますのは、たとえば電力を例にとってみますと、電力は年間千九百万トン、千九百万トンまでは一般還付の四%の還付がございますが、六%の還付は千九百万トン以下の場合にはなくて、それから増加引き取り、たとえば二百万トンなら二百万トンありました場合に、その増加引き取り分についての重油との値開き、重油のほうが安いですから、その値差についての、つまり負担増、それ相当額関税還付によってお返ししていくというような仕組みになっておるわけでございます。鉄鋼についても同様な基準引き取り量というものがありまして、それから上回った量についての負担増について同様に還付するというのが六%の特別還付制度になっております。重油につきましては二%だけをいま還付しておって、根っこの一〇%は還付しないというような制度になっております。  というようなことで運用しておるわけでありますが、今回一般炭について三百円値上げする、原料炭について二百円ということに伴いまして さらに従来の増加引き取りにプラスする負担増があるわけでありますが、これにつきましては、私ども負担増の金額を還付するというつもりはないわけでございます。しかしながら、できるだけ両方の負担を軽減するというような見地で負担増対策を現在やっておるわけでございまして、大臣にも大臣折衝をお願いいたして、やっていただいておるわけでございます。ただ、実情を申し上げますと、この六%の特別還付では、従来の運用ではなかなか炭の供給力が足りませんので、電力業界が恩恵を受けないというようなことで、関税還付制度でやるわけでありますが、少しその制度運用方式を改めまして、これが十分に還付額がふえるような制度をいま研究中なわけでございます。現在問題になっております六%の還付というようなことで、従来通産省におきましては、増加引き取り量の基準量を引き下げるというようなことでいきますと、電力について二十五億円程度還付が可能ではないか、鉄鋼につきましては七億程度還付が可能ではないかというような構想を立てまして、大蔵省折衝いたしましたわけでございますが、電力鉄鋼業界とも、この程度負担増対策ではなかなか納得しがたいというような御意見もありまして、先ほど大臣お話しのような大臣折衝にまでなって今日に至ったわけであります。  なお、ちなみにこの電力業界鉄鋼業界負担増額を試算いたしてみますると、九電力関係では、三百円値上げいたしますと約五十七億の負担増になります。それから電発火力とか共同火力、これにつきましても、やはり炭価値上げをお願いしなければならないわけでございます。これを三百円というふうにかりに試算をいたしますと九億円ということになりますので、合わせまして電力業界負担は全体で、これは最高と見ていいわけでございますが、六十六億円程度になります。それから、鉄鋼につきましては二十一億円程度負担増になるというような実情でございます。
  16. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 引き取り量が石炭供給減から意外に伸びないということで、基準量の引き下げという問題が起こっておるのですが、この基準量を引き下げましても、九州並び北海道のように重油との差がない、あるいは逆に重油が高い、こういうところにはこの還付金というものはないわけですね。そこで、いま聞くところによると、むしろ九北の電力会社は、立地条件関係もあり、経営は苦しい状態になっておる。これを一体どう調整をするか。これは炭価値上げ特別還付制度で補てんをしよう、調整をしようとしても、九北の電力にはその財源がない。これを大臣一体どういうふうに解決されるつもりであるか、伺いたい。
  17. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 今回提案法案の中に、石炭共同販売株式会社、これは従来の電力用炭代金精算株式会社を改組してやろうというものでございますが、この石炭共同販売株式会社において石炭引き取りを一手にやり、また引き渡しを一手にやる、こういうふうにいたしまして、そこのプール計算解決をしていこう、かような方針でおります。
  18. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 九州並び北海道については炭鉱から買い上げて、さらにそれに若干のマージンを入れた価格よりも安く払い渡す、こういう形になるわけですか。
  19. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 九電力全体をプール計算する考えでございます。
  20. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 そういたしますと、その考え方は、私たちが従来主張しておりました線にかなり近づくわけですけれども、それは一体電力会社としては納得しておるわけですか。
  21. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 私の承知しておる範囲では、九電力首脳部承知しておると思います。実質上は揚げ地が高くなり、産炭地は安くなる、かようなことになると思います。
  22. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 そういたしますと、いわば共販体制というものは、単なる共販ではなくて、いわばそれだけのプール計算をする政策面をにのうて出発する、こういうことになるわけですね。
  23. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 そのとおりでございます。
  24. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 いろいろ質問をしたいわけですけれども法案の際に質問をいたしたい。  ただ一つ、これは労働並びに厚生関係ですが、通産大臣としてはどういうようにお考えであるのか、お聞かせを願いたいのは、労務者関係は今度全然法案として出てこない。要するに離職対策は従前どおりやるわけですけれども労務者確保政策というのは、今度の予算にも、さらに法案としても全然出てこないわけですね。これは一体労務面からいま石炭政策は崩壊をしつつあるといわれておるのに、この点は全然政策として頭を出していないというのはどういうわけであるか、ひとつ御所見を承りたい。
  25. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 御指摘の点は、答申に基づきますと各論の中の労務者対策生活環境改善事項がそれに核当すると思うのであります。この答申をずっと検討いたまして、これらの要望事項というものは、通産省所管でやる事項ではなくして、生活環境改善をごらんいただきますとおわかりのように、(1)、(2)、(3)ともこれは労働省、建設省、厚生省等関係でございます。したがって、答申を具体化するという際の閣議の席におきまして、私から各省の協力をお願いしている、こういうことでございます。
  26. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 当石炭対策特別委員会は、石炭に関する労働関係あるいは厚生関係、全部本委員会所管をしておるわけです。ですから、炭鉱離職者臨時措置法等も本委員会提案をされる仕組みになっておるわけです。そこで、私はいまお話しの問題は当然労働大臣所管ではあることは承知しておるわけですが、労務者不足しておるということは、炭鉱の生産の基本的な問題ですね。ですから、この点は非常に要望されておるので、いわば一番困るのは、労働省よりも石炭のほうの通産省がお困りになるのですよ。労働省は、何も石炭に充足しなくても、ほかのほうの産業労働者を充足して、要するに労働者生活が充実していけばいいわけですね。ですから、むしろ通産大臣がこれは積極的におやりにならないと、労働者炭鉱に集まらぬということになるのですよ。労働大臣としては、何も労働者がどこの産業に行こうと、とにかく幸福にいけば労働行政としてはいいわけですから。ですから、これは積極的に通産大臣のほうからお話しにならないと、こういう政策はできないのですよ。  そこで、一体今度の予算並びに政府法案を見ると、答申が予定しております労務者対策というものは全然姿を出してない。これは一体どういうことであるか、またどういうようにお考えであるか、これをお聞かせ願いたい。
  27. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 いま手元に資料はございませんので、各省予算措置状況を申し上げかねるのでございますが、これは後刻取りまとめて、お話のように労務者対策、その労務者不足通産関係が一番関係が深いということは当然でございますので、多少の分でございましても一応取りまとめたものは後刻提出させていただきたいと思います。  なお、お気づきのように、予算措置以外に行政的に相当やり得る面もございます。ただ、その中で一つ新しい制度として要望せられました炭鉱労働者に対する特別の年金制度というようなものにつきましては、具体化しなかったということは、私としてまことに残念でございました。
  28. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 残念ながら、私の承知しておるところでは、ここに書いてある大部分のものが、予算化されあるいは法律になるという状態になっていない。まあ健康保険組合補助金の配分が若干ふえたかもしれませんけれども、その他はほとんど、労務者対策として指摘している面が政策に乗っていない。労働省のほうはなるほどこれは出たけれども、まだ離職者対策段階だ。そういっても、離職者対策もやり、それから労働者確保もできないんだ、率直にいうとこういう気持ちですよ。また、離職者対策をやっているのに一方労働者確保なんておかしいじゃないか、こういう気持ちが抜けないと私は思うのですね。労働者の足りないのは何も炭鉱だけではない、ですから労働者については確保できるような体制にむしろ炭鉱側はすべきじゃないか、こういう気持ちだろうと思うのです。そこで、これらの制度は、いわば所管労働省ですけれども、実質的には通産省でおやりにならないと実を結ばないのです。  ことに、いま御指摘のありました特別年金の問題であるとか、あるいは石炭鉱業退職基金制度の問題というのは、もうすでに小委員会等を設けられて検討をされる段階に入っておるのじゃないかと思うのですね。ところが、それが全然なされてない、放置されている。これはどういうことであるのか。幾らいい政策を立てられても、労働者が来ないようでは根本的にくずれるわけですから。これをひとつお聞かせ願いたいと思います。
  29. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 この答申を受けまして、そして予算化する時期、その期間というものはきわめて短期間であったということは、多賀谷委員も御承知のとおりであります。その短期間予算を要求するだけの裏づけとなるべき法案とか制度とかいうものについての準備ができかねたということは、これは御理解していただけるのじゃないかと思うのです。  そこで、いまこの答申を受けての私ども考え方は、石炭鉱業審議会のほうでこの答申に基づく新しい制度などにつきましてはすみやかに立案をしてもらうように現に指導しておる、こういうことでございます。答申は十二月十六日で、予算のいわば最終段階にこの答申を受けて立った、こういうようなことで、実際通産省に計上した今回の予算範囲確保するだけでも相当の苦労が要ったわけであります。われわれとしてはできるだけのことをいたしたいと思いましたが、制度等が確立されてないものを漫然と予算をつけてもらう、あるいは各省に特にそういうことを無理をお願いするというわけにもいかなかった、こういう実情でございます。
  30. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 時間的な実情はよく承知をしておるのですが、今度当委員会労働省から説明をされました予算でも、炭鉱離職者援護業務実施炭鉱離職者緊急就労事業実施炭鉱離職者職業訓練実施就職指導実施移転就職者用宿舎の建設、みな離職者対策です。これはけっこうなんです。私は、いま労務者不足をしておるからといって離職者が置き去りになるということは非常に困るというので、非常にけっこうですけれども労働者充足方法が全然欠けておる。幾ら建物を建てても入る人はいないのです。ですから、そういう状態にある、一番労働者不足であるからというので、炭鉱側はやんや騒いでおる。労働組合も、いまや労働組合職業安定所のように、小さい組合に行きますと、組合幹部労働者を募集して歩いておる、こういう状態になっておる。ですから、これらの問題についても、これはよその省であるからということではなくて、通産大臣、積極的におやりにならないと実を結ばない、かように考えるわけです。決意をお願いして、質問を終わりたいと思います。
  31. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 確かに御指摘のように、答申後時間がなかった関係もございまして、いま御指摘の諸施策に欠けておる点があろうかと思います。先ほども申し上げましたように、一応各省のどういう予算措置になっておるか、これらを取りまとめたり、あるいは行政的にはどうであるか、たとえば炭住政策のごときについては厚生年金住宅公庫から優先的にこれを出してもらうというような話し合いもできておりますので、それらを取りまとめて御参考に供し、もちろん御指摘のような不足しておる面が多々あろうかと思いますので、これは今後私が誠心誠意努力をいたしまして、またすみやかに実現するように万全の対策を講じていきたい、かように考えます。
  32. 多賀谷真稔

    多賀谷委員 そこで、一言だけ。  例の特別年金ですね、あるいは退職基金制度というのは、もう各省間で審議会か何かつくって検討されないと、私は次の四十一年度からも出発ができないと思うのです。われわれは少なくとも、この四十年度の四月一日からでなくても、下半期の十月一日くらいからは出発させたかったと思うのですけれども、いまのような役所のテンポでいくと置き忘れられる可能性がある。一体大臣並びに局長は、この各省間の調整をいつから機関を設けて始められるのか、これをお聞かせ願いたい。
  33. 井上亮

    井上政府委員 ただいま厚生年金制度改正問題等につきまして御質問がありましたが、この点につきましては、通産省におきましても、有沢第二次調査団答申を受けまして以来、関係各省間でしばしば連絡打ち合わせ会議を開いておるわけでございまして、すでに厚生省労働省等におきましても、これについての今後とるべき構想を事務的には検討に着手いたしておるわけでございます。実は一週間ほど前に本年度初めての石炭鉱業審議会総会を開いたのでございますが、この席でも、労働組合の代表の方々等から、特にさっき多賀谷先生が御指摘になりました厚生年金制度改正の問題とか、退職金の問題とかというようなことについての今後の進め方について、御質問なり希望意見を出されたわけでございます。審議会としても、これについて相当な論議を行ないまして、遠からざる機会にしっかりした関係各省協議機関をつくって、そしてそこを推進母体にしてこの研究を積極的にやっていこうというような話し合い審議会総会の席で行なわれたような事情でございまして、私どもも、答申にもそういった趣旨がうたわれておるわけでございますので、鋭意努力してまいりたいというふうに考えております。
  34. 野見山清造

    野見山委員 ちょっと一分間だけ。実は炭価の問題が出ましたので……。  現在、中小炭鉱大手と比較いたしましてたしか二百円から二百五十円、多いところは三百円くらい炭価が違うわけです。特に電力会社に出しておる炭価は違うわけです。これをずっとながめるとそういうふうになっておりますが、中小炭鉱というのは、御承知のように鉱区大手の払い下げみたいな鉱区を使っておるし、資金の面も非常に脆弱でありますし、事実あらゆる面で中小炭鉱というのは非常な圧迫を受けておるのです。しかも、その販売炭価が二百円ないし最大三百円も違うということでは、現在の炭鉱経営はやっていけないと思うのです。どんどん倒産していく、閉山になっていくと思うのです。それが今度の答申によってどういうふうになって、大手と同じような形になるのか、これが一点。  それから、共販会社ができますね。共販会社ができますと、共販会社を通じて販売される石炭はあるいは大手と同じような炭価になるかもわかりませんけれども、直接販売するやつが相当あると思うのです。大多数は直接だろうと思うのですが、そういう場合における炭価というのはやはり二百円から三百円違ってくると思うのです。こういう場合を、今度の答申によってどういうふうに結論づけていかれるか。これは私は重要な問題だと思いますが、この問題で中小炭鉱は非常に悩んでおります。  補給金の問題が今度答申に出ておりますね。利子補給なんですが、この問題も、これはいま直感なんですが、大手の場合は、大部分が開発銀行とか国の機関の大きな銀行から融資を受けておる。ところが、中小の場合は地場銀行になっておる。たとえば九州の場合は大部分は福岡銀行とか大分銀行とか、地場銀行から融資を受けておるのです。国の資金もかなり受けておると思うのですが、同時に地場銀行の融資を受けておる。こういう場合の利子補給との関係がどういうふうになっているか。  この二点をひとつお聞かせ願いたい。
  35. 井上亮

    井上政府委員 ただいま中小炭鉱の問題につきまして、炭価値上げとの関係等についての御質問があったわけでございます。  まず最初の御質問の、中小炭鉱につきまして、今度一般炭について三百円の値上げ原料炭二百円の値上げ、それに伴いまして従来の値差がどうなるかというような御質問でございますが、これにつきましては、従来大手炭鉱中小炭鉱との間には、同じ炭を電力会社に売る場合には百五十円から二百円程度値差があるということは、私どもも前から存じておるわけでございます。これにつきまして、私どもも従来、値差があるのはおかしいじゃないかということで、ずいぶん大手部門とも話し合いをいたしたこともございますし、中小炭鉱の方々ともいろいろ懇談したことがございます。しかし、この値差につきましては、これはやはりいままで長年にわたる何か商習慣的になっている面もあるのでございまして、中小炭鉱の方とされても、値差があるということを希望されていた面も従来あるわけです。といいますのは、やはり値段が同じなら電力会社大手から買い取ります。いまは炭は御承知のように需給がやや逼迫いたしておりますので、そういうことは少なくなっておりますが、一、二年前のように炭が余ってそれぞれ売り込みに狂奔しているというような事態におきましては、むしろ値差がないと売れない。したがって、値差中小炭鉱のほうがむしろ逆に心ならずも——これは心ならずもだろうと思いますが、希望される場合もあったわけです。というようなこともありまして、今日までこういう実態が残されておるわけでございます。私どもといたしましては、今度共販会社をつくりますに際しまして、少なくとも電力用炭につきましては、できるだけそういう値差を解消するような方向で考えていきたいと考えております。  それから、利子補給の問題につきましては、これは基本考え方といたしましては、大手と中小との区別はいたしておりません。区別は全然ございませんが、ただ、対象といたしますものを政府関係金融機関からの既往債務、融資残高、それに対しまして利子補給をするというような考え方をとっておりまして、開発銀行あるいは事業団あるいは中小企業金融公庫からの融資について利子補給するというふうな考え方をとっておるわけでございまして、ほんとうは現在の中小炭鉱の窮状からしますれば、市中からの融資残高につきましても何らかの措置が必要な面もあると思いますけれども、市中まで利子補給をするということは、現在の私企業体制の生産体制のもとにおいて、はたしてどうかというような意見もありまして、現在の私どものとりました政策は、政府関係金融機関に限定して一応利子補給するというような考え方にいたしたわけでございます。
  36. 野見山清造

    野見山委員 それでは今度はそれを石炭共販会社ですか、全部それを通じてやるわけなんですね。それならいいんですが、自由販売といいますか、この会社を通ぜずに直接販売する場合の炭価調整はどういうことになりますか。
  37. 井上亮

    井上政府委員 電力用炭につきましては、ただいま政府部内で共販会社構想検討中でありまして、近日中に国会に上程されるだろうと思いますけれども、この構想が一応国会で御承認いただけますれば、電力用炭については値差解消の問題はでき得るだろうと思います。  ただ、その他の一般産業向けにつきましては、これは単に中小炭鉱だけではなしに大手炭鉱も同じでございますが、政府方針としましては、電力用炭ではなくて一般炭については三百円値上げするという方針でございますが、しかし、実際問題としては、これは共販機関を通しませんので自由販売ということになるわけでございますので、需要部門の協力を得つつ値上げ実施していくということになろうかと思いますので、その点はぴしゃっと確保されるということも、これはなかなか保しがたい面もございます。しかし、現在の需給状況からしますれば、私は相当改善が期待されるというふうな見通しでございます。
  38. 加藤高藏

    加藤委員長 滝井義高君。
  39. 滝井義高

    ○滝井委員 三つばかり問題を尋ねたいのです。一つ石炭の需給の状態、それから一つは合理化整備の状態、それからいまの利子補給の問題、この三つを少しお尋ねしたいと思います。  まず第一に、現在昭和三十九年度が進行中なんですが、この三十九年度における石炭の需要と供給の状態を少し明白に把握しておきたいと思うのです。  昭和四十年度の予算政策的に見ても、今後利子補給とか共販会社の出資金をふやすとか、あるいは新鉱開発の出資金をふやしていくとか、銀行の補助率を引き上げるとか、いろいろおやりになっておりますけれども、何といっても今年の実績の上に立って四十年の歴史が始まることになるわけです。そこで、昭和三十九年における石炭の供給計画と需要計画というものが、一体実績においてどういうような食い違いを現段階では見せつつあるかということです。
  40. 井上亮

    井上政府委員 三十九年度の需給計画の問題でございますが、三十九年度につきましては、当初は一応全体として生産計画を五千四百万トンと想定いたしておったわけでございますが、その後いろいろ、先ほど来御指摘のような石炭産業の経理面の悪化とか、あるいは若手労務者確保が困難であるというような事情がありまして、実績見通しといたしましては五千二百万トンを少し割るというような事情に相なっております。まだ三十九年度は終わっておりませんけれども、大体二百十四、五万トン程度の計画の食い違いが出るのではないかという見通しをいたしております。調査団答申におきましても、少なくとも五千二百万トン程度の出炭は今後とも維持したいというような希望を述べておりますが、そのような事情にあります。  需要の点につきましては、御承知のように電力業界鉄鋼業界、ガス業界ともに当初の計画を今後とも守っていくというような方針でございますので、需要は、もし五千四百万トンの出炭ができますれば、五千四百万トンの充足は可能であるという状況であります。
  41. 滝井義高

    ○滝井委員 五千四百万トンの供給計画に見合う需要の計画は一体幾らだったかというのです。
  42. 井上亮

    井上政府委員 五千四百万トンの出炭計画は三十九年度の当初計画としてあったわけでございますが、もちろん出炭計画を立てますときには、その需要は確保されるという見通しのもとにつくったものでございます。この需要の大宗は、電力鉄鋼、ガス等でありますので、需給はマッチするという関係でございます。その後も需要の点については変化がございませんので、供給力は約二百万トン程度落ちましたけれども、需要については、もし供給力が充足されるならば需要はあるという現状であります。
  43. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、五千四百万トンの供給に対して需要が五千四百万トンあるという見通しだったということですが、現実に電力は二千五十万トンを引き取ることになっておったわけですね。現実には現在までに幾ら程度引き取っておりますか。
  44. 井上亮

    井上政府委員 当初の計画におきましては御指摘のように電力用炭を二千五十万トン引き取るというような計画であったわけでありますが、先ほど来のような事情で出炭量が減少いたしましたので、現実には千八百五十七万トン程度引き取りになるのではないかというふうに、これは見通しでございますが、想定いたしております。
  45. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、鉄鋼とかガスとかいう関係はどういうことになりますか。
  46. 井上亮

    井上政府委員 鉄鋼につきましては、電力一般炭需要と違いまして、当初の計画よりもむしろ出炭もふえ需要もふえているというような現状でございます。鉄につきましては、原料炭につきまして当初計画は八百十四万トンであったわけでございますが、今日の見通しでは八百二十万トン程度の生産になると思いますので、この生産は全額鉄鋼業界が引き取ってくれるという見通しでございます。  ガスにつきましては、当初の計画は大体二百六、七十万トンの計画であったわけでございますが、これは二百五十万トン台とやや落ちております。しかし、これは御承知のように、鉄鋼業界が本来必要とするコークスにつきまして、ガス業界が委託してやるというような関係もありまして、そういう委託関係や何かでちょっとこの数字このままでは言えないわけでございますが、大体横ばい、ガスは少し下がっておるというような実情でございます。
  47. 滝井義高

    ○滝井委員 そうすると、ガスとか鉄鋼とかというのは、現実に国内炭の出炭だけではその需要に見合うことができないので、当然輸入しなければならぬわけですね。この分は、三十九年度の実績としてどのくらいあるのですか。
  48. 井上亮

    井上政府委員 いま手元に正確な資料はありませんが、最近の国内炭、輸入炭の、いわゆる内外比と申しておりますが、内外比の割合は、これはもっとも強粘を含めておりますが、国内のほうが減りまして大体六〇対四〇、国内は四〇よりちょっと上でございますが、そういうような姿になっております。前には四五対五五くらいの割合であったわけでございますが、輸入のウエートが最近はふえておるというような実情でございます。
  49. 滝井義高

    ○滝井委員 トン数はどのくらいですか。
  50. 井上亮

    井上政府委員 詳細な数字は、ただいま資料を持ってきておりませんので、後刻御報告申し上げます。
  51. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、当初は電力に二千五十万トン程度計画しておった。それが千八百五十七万トンになる。鉄鋼、ガスの部面については大体需要どおりにいっておる。しかし、これはなお相当の輸入をしなければならぬということです。  まず第一の、電力のほうの還付との関係です。二千五十万トン程度のものを考えておったのが、出炭が少なかったために電力の需要に十分応ずることができずして千八百五十七万トン程度にとどまった。有沢第二次調査団答申を見ても、まず五千二百万トン、あなたもそういう御答弁をされたわけです。そうしますと、還付金の問題は、五千二百万トンというものを頭に描きながら、三十九年度を基礎にするとまずまず二千万トンそこそこしか電力には炭がいかぬということが常識になってくる。そうしますと、さいぜん多賀谷君の質問に答えておりましたが、基準量を引き下げて電力が二十五億、鉄鋼七億だ。ところが、実際に三百円、二百円の炭価引き上げをやると、負担増電力だけで六十六億、鉄鋼が二十一億です。佐藤総理は、私が十二月に質問したときには、なるべく電力等についてはそう金は出さずに御協力願うつもりだ、いろいろ電力鉄鋼には国も関係があることだしするから、そう金をよけいに出すということでなくて御協力を願いたいと言っておったのだが、しかしこの実態を見ると、実際はそうはいかぬですね。  そこで、石炭の生産量は少ない。そして長期引き取りの約束をしたとおりの供給体制ができない、需要は幾らでもあるんだ、こういう食い違った中でこの炭価の問題を解決しなければならぬことになるわけですね。そうすると、石炭政策以外でこの特別還付の問題があるんだが、これ以外に何かやる政策があるのですか。
  52. 井上亮

    井上政府委員 還付制度の問題につきましては、先ほどお話しいたしましたように、電力向けの供給力が減り、電力引き取り量が千八百五十七万トンというような——これは本年度の見通しでございまして、来年度は少し変わるかと思いますが、しかし、来年度におきましても、今日の見通しではこれを相当大幅に上回ることはなかなか困難な実情にございます。そういうことになりますと、先ほど申しましたような六%の特別還付制度という制度はあるわけでございますけれども、この制度はあっても電力業界は恩典を受けないということになりますので、基準量の引き下げとかその他の方策を講ずることによりまして、できるだけ負担増に対処することができるようにする。方法といたしましては、先ほど冒頭に大臣から御答弁されましたように、還付制度を通じてやるという方法考えていく構想でいまおるわけでございます。
  53. 滝井義高

    ○滝井委員 そうすると、結局政府としては還付制度一本でいく以外にない。すなわち還付制度をある程度弾力的に運用して、そしてできるだけ電力なり鉄鋼の需要側の満足を得させるようにしたい、この政策以外にない、こう考えていいですか
  54. 井上亮

    井上政府委員 負担増対策ということは、何も関税還付に限らなければならぬということは基本的には私はないと思います。しかし、少なくとも具体的にどの程度の金額をということになれば、この関税還付制度をやはり主体的に考えていく以外にいい方法はないのではないか。現在の段階におきましては、大臣折衝ということになっておりますから、私ども具体的にどういう手がある、こういう手があるということは申しかねますけれども、ただしかし、電力業界鉄鋼業界に対しての国の配慮というような面では、単に金銭的な問題だけでない、いろいろな政策、他の問題もありましょうし、全体としてお考えいただく考え方もあろうかと思います。
  55. 滝井義高

    ○滝井委員 負担増対策というのは、特別還付制度を主体的に考える。もちろん他にいろいろ方法はあるだろう。  そうしますと、具体的にお尋ねしておきたいのは、政府はこの特別還付引き取り量その他に弾力を持たしてやろうとする場合に、法律改正でやる意思があるかどうか。私は問題はここにあると思う。こういう問題をどこか雲の上でこそこそと話し合ってやるのではなくて、やはり石炭政策というものはガラス張りの中でやらなければならぬと思う。したがって、私は当然これは法律改正でやるべきだと思うのです。もし大臣との間の折衝通産省が苦難になる、大蔵省に圧力をかけられてどうにもならぬというなら、私は法律でここでやっていいと思う。場合によっては議員立法で今度出てくるやつをやりたいと思うのです。私は、こういう問題は、それくらいのことをしないと、どこかわからぬところで政治的な取引をするということはいかぬと思う。だから、政令なんかでやってはいかぬです。こういう大きな石炭政策の根本をゆるがすような問題を、あなた方はおそらく政令か何かでやろうと思っている。私は政令ではいかぬと思うのです。あなた方はおそらく法律を主張しておられるのではないかと思う。ところが、大蔵省が、これは関税審議会その他にかけなければならぬ。田中大蔵大臣が言っておるように、一〇%もらうときでもわれわれは頭を下げてもらっておるんだ、それで、二%やるときも、これっきりでございます、もう二年間だけでこれ以上ふやしませんと言っているんだから。それ以上できないんだ、こう言っておる。そうしますと、何かどこか陰のほうで小手先だけで、政令か何かでやるということはいかぬと思うのです。もしそれが必要ならば、これは堂々と法律でやるという方向に進むべきだと私は思うのです。われわれはそういう方向でものを運びたいと思うのです。  そうして、これは少なくとも時限立法で二年なら二年延長したら、二年間は固定したものとしてやらないと、石炭政策は絶えずぐらぐらするということで、需要側の電力鉄鋼その他が不信感を持つ。いままででさえ、率直にいって、石炭業者はいつも、だいじょうぶだ、われわれは君らの言うような需要だけは必ず置いてあるんだと言うけれども、いつも石炭業者は置いてくれぬじゃないかというのが、当委員会等に来て言う電力業界のことばなんです。電力業界石炭業界に対してそういう不信感がある。この不信感があるところを、いまあなた方は苦心惨たんして橋渡しをしておると思うのです。やはりその不信感を除いて、ほんとうに安心をして引き取らさしていくためには、また安心をして出炭計画を立てさせるためには、私は、政令じゃなくて、固定化した法律でもってきちっとやっておく必要があると思うのです。国会がきちっと承認した形でやっておく必要があると思うのです。そういう点で、これは政令でやるべきでないと思うが、大臣の所見はいかがですか。
  56. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 ただいま局長からもお答えいたしましたように、負担増対策は、ただ特別還付関係だけではない、他にもいろいろ方法があろうかと思います。この特別還付の問題だけを考えますときに、滝井委員の御指摘のように、だれが見てもこれはもう法律によるべきだ、たとえば一二%の関税のうちのあと残っておる二%に財源を求める、これはもう当然法律になっていくと思うのです。しかし、そうでない、キロリットル当たりの計算の上で結論を得る、それはきわめてわずかなものであろうと思うのです。その範囲のことが、どうしてキロリットル当たりの計算というものが三円とか五円とか違うんだ、これは筋が通っておるならば法律によらなくてもいいと私は思うのであります。また、基準量をどうきめるか、これについても私は法律によらなくてもいい、かように考えております。
  57. 滝井義高

    ○滝井委員 それじゃ、ちょっとお尋ねしますが、四%の場合の電力鉄鋼のキロ当たりの価格幾らになりますか。それから、六%にした場合のキロリットル当たりの価格はどうなるか。
  58. 井上亮

    井上政府委員 ただいまの数字につきましては、後刻調べまして御報告申し上げます。
  59. 滝井義高

    ○滝井委員 そこらが議論の焦点になるわけです。そうしますと、キロリットル当たりの鉄鋼電力価格基準量につれて動かしてもらうという形で、二百円なら二百円を二百三十円とか四十円にするとかいう形になってくると私は思うのです。  ところが、もともと私たちがあなた方からお聞きしたのは、ことしの電力引き取りは二千五十万トンとりますよ。こういうことを一応聞いて、それを基礎にして還付の問題を考えてきておったわけです。ところが、その基礎の数字が全部くずれてしまっておるわけです。くずれてしまって、還付制度はあるけれども、いまの還付制度では政策的にもはや電力業界を救うことはできない。炭価値上げはしたけれども、救うことができないという事態が起こってきておるのです。根本がくずれて事態が新しくなったときに、そのくずれたままの政策を、今度は小手先だけでいじってやるということはいかぬという意味なんです。それならば、そのもとがこういうように全部変わってきましたから、こういうような政策を新しく立てなければだめだ、ということにならぬといかぬというのです。そうしないと、政治的に、これは足して二で割るようなことになってしまうのです。そういう足して二で割るような大野伴睦式の政治というのは、もういまの日本では通らなくなった。それが通らなくなった証拠に、ガソリン税の問題だって何だって、予算委員会でもめている。医療費の問題だって科学的になってきた。もはや足して二で割ったってだめなんです。そういう政策は通らない。こういうものは、法治国家なんだから、官僚政治を廃止して政治的にきちっとやる以上は、国会が法律できめるべきだと思うのです。そうすれば電力業界石炭業界も安心するのです。こそこそっと小手先でやると、来年もまた同じようなことが起こってくるのです。  だから、私は、もしあなた方が政令でやったら、修正案を出して、法律で書かせますよ。こういうことは法律でやるのが当然だと思うのです。無理なことのようだけれども、これは一番大事なことです。炭価を二百円、三百円上げるということは、多賀谷君が言うように石炭政策のかなめなんです。それならば、そういう要求をしておきます。  そうしますと、百何十円か知らないけれども、キロリットル当たりの炭価の操作でおやりになるにしても、これは九電力の各社によってまた違うわけです。この関係一体どういうことになるのかということです。総ワクとしては二千五十万トンとるようになったものが、千八百万トンかそこらになってしまった。そうすると、各社の引き取り量が違ってくるわけです。この関係をあなた方は一体どういうように調整していくことになるかということです。
  60. 井上亮

    井上政府委員 負担増対策の問題がいま議論されておるわけでございますが、石炭鉱業調査団といたしましても、あるいは私石炭局長といたしましても、今回の石炭炭価値上げにつきましては、極端な議論をいたしますれば、そういうことなしに考えまして、石炭サイドの事情から考えますと、従来、石炭につきましては千二百円引きを逐年励行いたしてまいりましたし、石炭産業を私企業として維持存続さしていきますためには、現在の窮状を救うものとして、やはりコストの点を相当尊重せざるを得ないわけでございます。そういった点から考えまして、需要部門には非常に御迷惑をかけることになりますけれども、過去の物価騰貴の時代に引き下げてきたというような努力の点もありますし、今日のコストの現状から見まして、私企業として今後存続するために少なくともこの程度値上げは必要であるというような認識のもとに調査団答申も出されておるわけでございます。したがいまして、これにつきましては関係需要部門の御協力をお願いしたいという立場でございます。  ただし、そうは申しますものの、電力業界鉄鋼業界等におきましては、長期引き取りをやるとか、あるいは石炭を引き取るための火力発電所を建設するとか、いろいろな面で経済性をある程度外視してまでも協力していただいておるわけでございますので、そういった政策的な趣旨から、できるだけの負担増対策政府としても極力考慮すべきだというような観点に立って、いま負担増対策に努力をいたしておるわけでございますので、基本的にはそういう立場でございます。  ただいま御質問の、電力会社によりまして、たとえば産炭地におきましては、重油を使っていない発電所もありますし、あるいは重油を少ししか使っていない発電所もありますし、いろいろ事情はありますけれども、先ほど大臣からお話ししましたように、炭価値上げにつきましては、負担増対策とぴしゃっと見合うかどうかはわかりませんけれども、いずれにいたしましても、全体としてプールして、各電力会社相互間で御納得のいただく線で、しかも、石炭産業としては平均三百円の値上げ確保できるような方策でプールして調整していくというような考え方でおるわけでございます。
  61. 滝井義高

    ○滝井委員 石炭の生産性が違ったために、石炭の需要量が違ってくる。需要量が違ったということは、各社の需要が違ってくることになるわけです。したがって、各社の需要が違うことは、各社にいく還付金が違ってくることになるわけです。全部変更しなければならないことになるわけです。  そこで、この問題はなおもう少しわれわれもはっきりさしたいと思いますから、昭和三十七年、三十八年、三十九年、その還付ができた実績と各社の引き取り量を一ぺん資料として出してもらいたいと思うのですが、これはできるでしょうね。そして、どの程度の金を九電なら九電にやっておった、どの程度引き取りをしたのだということを一覧表にして一ぺん出していただきたいと思います。  そこはそのくらいにします。もう一ぺん資料が出てからあれします。  三十九年度の需要と供給の状態は、大まかにわかりました。  そうすると、四十年度のあなた方の需給計画というのは、一体どういうようになっているのか。そうして、同時に電力鉄鋼等の長期引き取り分の計画というのがどうなっているのか。これをひとつ御説明願っておきたいと思います。
  62. 井上亮

    井上政府委員 四十年度の石炭の生産計画並びにそれに伴う需給計画につきましては、現在策定中でございまして、四月の初旬に石炭鉱業審議会の需給部会を開きまして、御承知のように、この需給部会には、学識経験者のほかに需要部門、石炭の生産者、労働組合等入っておるわけでございますが、そこで慎重に審議をして確定いたしたいというふうに考えておりますので、現在のところ確定したものはございません。  しかし、私どもといたしましては、一応四十二年度までの生産の見通しというような計画はいま検討中でございます。概括的に申しまして、大体来年度につきましては、本年の横ばい程度になるのではないかというふうに想定いたしております。
  63. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、五千二百万トン程度。需要はむしろ強気であって、生産を上回る傾向さえ出てきているというお話だったのですが、何かそこらあたりの数字を、もうちょっとはっきりしてもらわないと、なかなか予算審議ができ得ぬことになるわけです。実際予算委員会じゃないからあれだけれども予算委員会でいまのような答弁をしたら審議に入れぬということになるのじゃないですか。四十年度の石炭の生産計画、需要計画が立たずして予算というものは動かぬわけですよ、実際問題として。そのために予算を動かすわけですから。だから、これもひとつ次会までに、あなたのほうの事務局案でけっこうですから、出してもらいたいと思います。  それから、四月の初めに石炭鉱業審議会の需給部会におかけになるというこですが、やはりこういうものは予算が通る前までにつくっておくのがほんとうじゃないかという感じがするのです。というのは、御存じのとおり、中期経済計画の中のエネルギーの部会がございますね。そこでは大体いろいろなことを御検討になっておつくりになっておるわけでしょう。だから、当然やはり予算前にこれをおつくりにならないと、地方財政計画その他と同じで、だんだん国家も、社会党のような計画経済にいかなくたって、経済計画は立てておるわけですから、その経済計画の一番重要な基礎部門のエネルギーが予算をつくる段階で、四十年度にどのくらいの需給があるか、しかも電力にどのくらいたかせ、鉄鋼にどのくらいたかせるかというきちっとした見通しくらいは持って、法案審議なり予算審議に臨まなければ、話にならぬ。きょうはやかましく言いませんけれども、次会までにはつくってもらわないと、これは分科会にいって質問したら、予算はストップですよ。前もって言っておきます。
  64. 井上亮

    井上政府委員 四十年度の需給計画いかんという御質問でございましたので、四十年度の需給計画は四月初めに予定しております石炭鉱業審議会需給部会で御審議いただいて決定するという今後の方針を申し上げたわけでございます。  ただしかし、先ほども申しましたように、私の手元に四十年度の私どもなりに考えております見通しがないわけではございません。御承知のように、第二次調査団におきましても、四十二、三年程度までの今後の生産見通し、あるいはそれと相対応いたします需要の見通しというようなものは相当検討いたしておりますので、その意味ではあるわけでございます。ただ、確定した政府の計画としては、先ほど申しましたように四月になるということであります。
  65. 滝井義高

    ○滝井委員 やはり予算が国会を通る前までにはある程度確定したものを出してもらわぬと、法案審議をやるのに、四月になって確定したものが出たって、四月は参議院選挙で国会はもうみんないないわけです。いないうちに役所できめるから国会から文句が出ることになる。だから、これは大臣にお願いをしておくわけですが、非常に重要な基礎産業の需給計画ですから、やはり省議くらいは開いて、そしてきめておいてもらわぬことには、私は困ると思うのですよ。きめられない隘路なんかありはしない、予算がきまったんだから。これは次会までにひとつ一覧表で、いつも出してくるのですから、出していただきたいと思うのです。それを出せるでしょうね。
  66. 井上亮

    井上政府委員 確定したものは先ほどのような方針でおりますので出ませんけれども、一応調査団段階におきまして想定いたしました見通しを御提出いたしたいと思います。
  67. 滝井義高

    ○滝井委員 ぜひひとつ出していただきたいと思います。  それから、そのように需要と供給の関係をきちっとしてもらいますと、今度は閉山のほうの問題です。一体三十九年度の実績というものはどういうように進行しておるのか。当初の計画はこうであった、そして実績はこういうように進行しました、こういうようにわかりやすく説明してみてください。
  68. 井上亮

    井上政府委員 三十九年度の閉山の実績の見通しでございますが、実施計画としましては三百八十六万トンでございます。これに対しまして、御承知のように大正炭鉱の閉山等、当初におきまして予期しなかった事情も加わりましたので、実績の見通しといたしましては——閉山の実績として、買い上げ数量とは少し違うかもしれませんが、見通しとしましては、四百四十万トン程度になろうかと考えております。
  69. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、三百八十六万トンに対して、大正鉱業等が加わって四百四十万トンになったということですね。  これで一体、事務的に処理の完了したものは幾らあるのですか。
  70. 井上亮

    井上政府委員 お答え申し上げます。  先ほど申しましたような閉山の見通しでございますが、このほとんど大部分につきまして、事務的手続といたしましては、ほとんど進行いたしております。  ただ、滝井先生も御承知の大正炭鉱につきましては、昨年の末に閉山を余儀なくされました。これにつきましては、今日まだ撤収作業を続けておるというような状況で、交付金の交付というような段階にはまだなっておりませんけれども、大多数の炭鉱につきましては、事務手続は相当進捗しておる。ただ、この実績の四百四十七万トンに対しまして、来年度の年度初めに金を支払うであろうと想定されますものは、大体二百万トン相当ぐらいございます。
  71. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、大体四百四十万トン程度は事務的にずっと進捗をして、交付金を払うところまではいっていないけれども、大体全部年度内には完了する見込みですか。
  72. 井上亮

    井上政府委員 三十九年度内に完了することはむずかしいと思います。たとえば大正炭鉱につきましても、これはいま鋭意急がしておりますが、おそらくこれは四月一ぱいかかるんじゃないかというふうに存じますので、来年度当初に入るものもあると思います。
  73. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、念のために聞いておきますが、四百四十万トンで来年度初めに完了するとすれば、その労務者総数はどのくらいになりますか。
  74. 井上亮

    井上政府委員 御承知のように、閉山並びに合理化に伴って離職を余儀なくされる労務者につきましては、石炭鉱業審議会において一応の計画を立てて実施いたしておるわけでございますが、私ども、その後の推移がございますので、三十九年の十一月に調査をいたしたわけでございますが、これによりますと、炭鉱の整理に伴いまして——ただいま資料を至急調べましてお答えいたします。
  75. 滝井義高

    ○滝井委員 最近は御存じのように、石炭の需要が非常に強くなってきているわけですね。したがって、合理化事業団に、私の山はもう買い取ってくださいと申請をした。しかし石炭の需要が強気になったために、最近御存じのとおり、ボタ山をまた水選炭をするのがぼつぼつ出てき始めているわけですね。したがって、そういう傾向は何を意味するかというと、私の山をつぶしてくださいと言っておった鉱業権者が、いや、もうつぶすのをやめた、しばらく山をやろう、こういう形のものですね。いわゆる撤回が相当あるはずだと思うのです。これはどのくらいありますか。いまあなた方は、三百八十六万トン三十九年に計画をした。大正炭鉱等が入って四百四十万トンになった。計画を上回る閉山が出てきたわけです。しかし、閉山はそのように出てきたけれども、申し込みはまだたくさんあったわけですから、そのうち相当撤回したものがあるはずだと思うのです。これはどの程度ありますか。
  76. 井上亮

    井上政府委員 ただいまの御質問の前に、留保しました閉山に伴いまして離職されました、あるいはされる見込みの労務者数についてお答え申し上げます。  これは大体昨年の十一月に推移を調べたものでありますが、閉山に伴います三十九年度の離職者は一万四百人、このうち八千二百人程度中小炭鉱労務者の方でございます。大多数、八割が中小炭鉱の方という実情でございます。  なお、離職者数全体としましては、これは滝井先生御承知のように、単に閉山に伴って離職される方以外に、合理化解雇とか、あるいは自己都合とか、死亡その他の方がおられるわけでございますが、閉山に伴いましては先ほど申しましたように一万四百人程度の方でございます。  それからさらに、ただいま御質問のありました実施計画と閉山の実績の見通しは食い違いがあるわけでございます。増加いたしておるわけでございますが、お説のように、申し込みにつきましてはもう少し多かったと思いますけれども、撤回につきましては、後刻資料で御提出さしていただきたいと思います。
  77. 滝井義高

    ○滝井委員 これは相当あると思うのです。これは御存じのとおり、私はもう死にますといってまた生きますというわけですから、ここらあたりが石炭の需要の見通しに相当影響を及ぼしてくるわけです。それで、当初のものから見ると、これは六十一炭鉱、三百万トンぐらいの撤回がちょっと見たところではあるわけです。それは一体三十九年度にどういう形になっているかよくわからないのです。だから、六十一炭鉱もが撤回するということは、死ぬつもりのものがまた生きるということなんですから、しかもその数が累積すると三百万トンにもなるということは、たいへんなことなんですね。一体三十九年度はどういう実態なのかわからないのですが、前からの実態はそういうことなんです。そうすると、生産計画が二百万トンぐらい違いましたといったって、このものが生き返ってくると、そのぐらいはすぐ充足することができるということなんですね。だからそこらの統計をもう少しちっとわれわれにも知らしておいてもらわぬと、たいへんな議論の間違いをやることになる。百万トン、二百トンの石炭というものはいまの日本にとってたいへんなものですからね。だから、そこらをもう少し正確にしておいていただきたいと思います。  それから、さいぜんのことで確認しておきたいのは、三十九年度における合理化の人数、いわゆる合理化事業団に関係のある人数だけが一万四百人であって、そのうち八千二百人が中小炭鉱、約八割を占めている。その合理化のほかにプラスアルファとして、合理化なり自己都合退職というのがある、こういうことなんですね。そこで、その合理化なり自己都合退職によってやめた者、ちょっとわかっておれば教えておいていただきたいし、わからなければあとでけっこうです。
  78. 井上亮

    井上政府委員 お答え申し上げます。  私ども炭鉱の整備計画、合理化計画、それから離職者計画をつくり、再就職計画をつくりますときに、一応労務者の減少要員といたしましては、閉山で何名——閉山につきましては先ほどお答えしたとおりでございます。——合理化で何名、それから自己都合、その他というふうにいたしておりますが、合理化によりましては、大手におきまして三十九年度の見通しは二千三百名でございます。それから自己都合で退職しました方が大手が五千三百名、それから中小は二千四百名の見通しでございます。その他といたしましては三千名程度の離職、これは定年その他いろいろございますけれども、そういう内訳に相なっております。
  79. 滝井義高

    ○滝井委員 そうすると、それは三十九年ですね。合理化で大手が三十九年二千三百人、それから自己都合が大手が五千三百人、中小が自己都合が二千四百人、その他が三千人。  そうしますと、結局三十九年度においては、合理化事業団の買い上げ関係で一万四百人と、そのほかの合理化、自己都合等の退職者が一万三千人程度おることになるわけですね。だから二万三千人程度、こう見ていいですか。
  80. 井上亮

    井上政府委員 ほかに死亡、結婚等がありますので、全体といたしましては二万四千名程度というふうに御記憶いただきたいと思います。
  81. 滝井義高

    ○滝井委員 それだけしておいていただけば、これはあと労働省にお聞きいたしますから。  次は、利子補給の問題です。まだ四十年度の閉山があるけれども、これはいいでしょう、合理化のときにまた質問いたしましょう。利子補給の問題だけちょっとお尋ねしておきます。  それで、この九億五千万円の利子補給を今年四十年度にすることになったわけですね。そうしますと、現在までの既往融資、開発銀行、合理化事業団、中小企業金融公庫、この政府関係機関から融資を受けて、そしてその残高のあるものについて利子補給をすることになるわけですね。この既往融資残高がそれぞれの三つの機関でどういう状態で残っておるのかをまず御説明願いたいと思います。
  82. 井上亮

    井上政府委員 利子補給に際しましては、私どもは開発銀行、それから合理化事業団の融資、中小公庫からの融資につきまして利子補給をするというふうに考えておりまして、これにつきましては、一応融資残高につきまして利子補給をするという考え方をとっておるわけです。  ただいま、これは見通しになりますけれども、ことしの三月末のこの三つの政府関係金融機関の残高を調べてみますと、開発銀行におきましては四百二十六億程度、それから合理化事業団が二百七十二億、中小公庫が、これはまだちょっと明確を欠きますけれども、八億ないし九億程度ではないかというふうに想定いたしております。
  83. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、三%以上の利子補給をすることになりますが、開発銀行で三%分と、それから一番ぎりぎりのところは六分五厘全部やりますね。あれは段階が二つになるのですか、三つになるのですか。三%と、それから六・五%と、もう一つ中間か何かをつくるのですか。そこらあたりはどういうことになるのですか。  それで、開発銀行の四百二十六億のうちにもし段階があるなら、三%分がどの程度、六分五厘がどの程度。事業団、中小企業金融公庫も同じように御説明願いたいと思います。
  84. 井上亮

    井上政府委員 利子補給のしかたでございますが、しかたにつきましては、これは昨年来調査団の内部でも検討いたしましたし、その後予算要求に際しまして大蔵当局とも打ち合わせして今日に至っておるわけでございますが、概括的に申し上げまして、非常に利益率の高い企業がもしあれば、そういった企業には利子補給はしないということ。それから特に経理状態が悪い、しかも当該企業の石炭鉱業としての資源政策上の見地等から見まして重大な——重大なと申しますより、資源政策上の見地から今後ともやはり石炭の供給に寄与してくれるということが見込まれるような山であって、しかも現在の経理状態が非常に苦しいというような山につきましては全額利子補給をする。それ以外は三%の利子補給をする、というような方針でおるわけでございます。  ですから、利子補給としましては、しない分もあるかもしれませんが、一般的には三%の利子補給、それから特に資源を持ちながら、そして開発の可能性を秘めながら、なお今日経理的に苦しいというところについては、全額利子補給をするというような仕組みでございます。  それにつきまして一体どの程度の金額の割合になるのかというような御質問がありましたが、これにつきましては、私ども考えとしましては、利子補給をいたしますのは大体四十年度の上期の決算を見ましてそういった判定をいたしたいというふうに考えておりますので、いま直ちにこのうちのどの程度が三%に該当し、どの程度が全額に該当するということは申せないわけでございます。しかし、私どもの想像では、大手炭鉱について考えてみますと、大手炭鉱が十七社あるわけでございますが、一、二社、あるいは二、三社になるかもわかりませんが、まあ一、二社は利子補給に該当することがやはり問題になるのではないか。それから、経理状態の悪い五社程度が全額出すかどうかという対象になるのではないか、というふうに考えております。
  85. 滝井義高

    ○滝井委員 そうしますと、十七社のうち一、二社あるいは三社くらいは全然利子補給をしない、こういうことなんですね。そうして五社くらいは非常に悪いので全額になる。  私たちが聞きたいのは、四百二十六億のうち三%に該当するものがどの程度で、六・五全額はどの程度かということを知りたいのですが、それは決算を見てからということになりますと、馬の鼻先の前にニンジンを置いたようなことで、なかなかこれはわからぬことになる。そうすると、努力したら利子補給をもらえぬぞということで、努力をしないことになるおそれもあるわけです。やはりこれは何ぞ決算を待たんやで、いまからもうきめてやっておくほうがいいのではないかという感じもするのです。馬の前にニンジンを下げることもいいのだけれども、これは金をやるほうだもんだから、ニンジンを下げても、前に進まずに、あとずさりします。だから、こういう点はもう少し検討してもらう必要があると思うのです。  そうしますと、これは結局上期の決算を見るというのだから、九月の決算を見るわけですか。
  86. 井上亮

    井上政府委員 決算は大体九月期が大部分だと思いますが、ただ私、最近聞いておりますと、住友石炭あたりは六月という例もあるようでございますから、いずれにしましても、上期の決算を見てまずきめる。今度の来年度予算につきましては、上期分について予算計上しております。下期については、三月決算期のものにつきましてはその次の年度に支払うということになります。そういうことでございます。  それから、一言先ほどの御質問あるいは御意見に対しまして申し上げてみたいと思いますが、利子補給制度につきましては、なまけ者に出す意思はございません。やはりその山相応の努力をしているというような実績がない企業に対しましては出さない。ですから、よく働いている山がばかを見るということのないような配慮をいたしたいというふうに考えております。
  87. 滝井義高

    ○滝井委員 当然です。ところが、石炭産業全体が悪いということになれば、なまけ者も勤勉の者も区別がつかなくなってしまうのです。だから、ここらあたりはあと詰めなければならぬところですが、きょう時間がありませんから……。  そうすると、いまのところでことしの九億五千万円というのはいまのように九月決算期を見る、四月から九月分だけですね。そうして三月決算期を見て来年渡します。したがって、ことしの九億五千万円というのは、これは半年分の利子補給。そうすると、来年からこれは一年分の利子補給を計上することになる、平年度化することになる。そういう理解でいいですか。
  88. 井上亮

    井上政府委員 来年度、四十年度におきましては上期決算分だけを一応計上いたしております。四十一年度の予算につきましては、したがいまして四十年三月決算期のもの、前年の下期の分と、四十一年の上期の分ということに相なります。
  89. 滝井義高

    ○滝井委員 わかりました。そうすると、九億五千万円というのは半年分である、これだけわかったらけっこうです。  きょうはこれでやめておきます。
  90. 加藤高藏

  91. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 ごく簡単なことですから、実は資料の要求をしたいと思っております。  それは、いま滝井委員の質問によってかなり明らかになってまいりましたからその点を省くことにいたしますが、開発銀行、それから中小企業金融公庫、いわゆる政府の金融機関、それから炭鉱が借りている総額、それから利子の総額、それから市中銀行から炭鉱が借りておる総額、これはちょっとわかりにくい点があるかと思いますが、大体においてわかるだろうと思います。この利子の総額というもの、これをひとつ資料で至急出してもらいたいと思います。それから政府出先機関と市中銀行との利子の差額、そういう点などもひとつ明らかにしたものを出していただきたいと思います。  それから質問になりますが、二点質問したいと思っております。  その一点は、さっき局長が滝井委員に答弁をされましたなまけ者には利子補給をしないのだということです。そのなまけ者というものの判断のしかたですが、たとえば近代化をどれだけやっておるか、あるいは合理化をどれだけやっておるか、あるいは労使がよく協力体制ができて生産性をどう上げておるか、こういう点が私は判断をする一番重要な点になるだろう、こう思います。  いま一つは、ビルド炭鉱であるけれども、隣近所がみなやめてしまったために、そのやめた炭鉱の古洞の水がどんどん入り込んでくる。そのために、その水を揚げるために電力料その他の経費が非常に高くなってくる。こういうものなどはある意味において坑内の鉱害ともいえるわけです。そういうことが現にあるわけです。ですから、こういうところ等も含んだ意味における利子補給というものを考えられているのかどうか。  それから、先ほど私が言ったような、生産性と取り組んでおる、そういう指導のしかたと、近代化、合理化、生産性と取り組む、そういうことについての指導のしかたというものを、実は通産省石炭局では、これはうるさいものにはさわらぬほうがいいというので指導されておりません。指導されておらないでそういう判断のしかたをされるということは私はなかなか困難だと思いますが、しかし、これはここでいま答弁を求めてもなかなか答弁されにくい点もあろうかと思いますから、そういう点についてひとつ、大体こういう基準をもってやる、それについてはこういう指導性をもってやるというような点に対する方針をお出しにならぬと、なかなか納得しがたい問題が起こってくる。こう思いますから、これは御注意を申し上げ、さらにそういう場合にわれわれが質問を求めた場合に、答弁のできるような確信をひとつお持ちになっておいてもらわないと、これはいつも問題になると思いますから、十分ひとつお考えになっておいてもらいたい。  それから、政府機関のものから借りた金には利子補給をするが、市中銀行から借りたものには、利子補給の問題についてさっき野見山委員から質問しましたについて、どうもきわめてはっきりしませんでした。もちろんこの点も、局長にはっきりしろということは無理なことで、これは大臣の問題だと思いますけれども、おそらく私は政府機関から借りておる額より市中銀行から借りておる額のほうがはるかに多いのじゃなかろうかという、これは具体的な資料を私はいまここに持っておりませんから、これもお出しを願った上のことになりますが、多いだろう、さらに市中銀行から借りておる金利のほうがぐっと高いだろう、私はこう思うのです。しかるに、やはり炭鉱が立ち行くようにしなければならぬという点から利子の補給の問題をお考えになり、炭価問題をお考えになるのに、政府機関のほうは利子補給をする、市中銀行のほうは利子補給のことを考えないということは、私はどうも非常に片手落ちだと思います。もちろんこの利子補給のしかたについていろいろ厳格にしなければならぬ点等も、当然これは考えられなければならぬ点であるわけです。こういう点についても当然これはお考えになるべきことだというふうに私は思いますが、通産大臣、こういう点についてどのようにお考えになり、今後の対策等をお持ちになって、あるいは大蔵大臣なり、あるいは閣議等において、当然のことであるとしてこういう点についての扱い方をどのようにお考えになっておられるか、この点をひとつお聞かせ願いたい。
  92. 井上亮

    井上政府委員 最初に事務的な問題につきましてのお答えをさせていただきたいと思います。先ほどなまけ者のお話をいたしました。これは滝井先生が少しなまけ者が有利になるような話をされましたものですから、ついそういう表現を使ったわけでございまして、その点につきまして、もう少しく正確なお答えをさせていただきたいと思います。  利子補給につきましては、私ども基本的な態度といたしましては、先ほど一、二の炭鉱は現在の状態では利子補給の対象にならぬかもしれぬというお話もしましたし、あるいは数企業につきましては全額というお話も申し上げましたが、これらの点も今後の決算の状況あるいは炭鉱経理の全体の状況を見ないと、いまにわかに議論ができないわけでございます。ただ、私ども基本的な考え方としましては、できるだけ現在の炭鉱につきましては——なるほど現在は一部高い収益をあげているというふうに見える企業もありますが、これは他産業と比べますと決して高い収益をあげているような企業は一つもございません。それどころか、私どもの今日の見通しでは、二、三年たった後に、現在は一応利益をあげているように見える会社におきましても、今後の見通しは必ずしも楽観を許さないというような状況判断をいたしておりますので、できるだけ多数の炭鉱企業に利子補給の恩典が受け得られるようにというような努力をしてまいりたいというふうに考えております。  それからさらに、先ほどのなまけ者議論に関連いたしますが、私どもはこの利子補給をいたしますときに、やはり山別と申しますか、あるいは会社別に内容を検討していろいろきめていきたいというふうに考えております。そのきめ方といたしましては、単に通産省だけの判断というのではなしに、石炭鉱業審議会の経理審査会——経理審査会は、一週間ほど前に開きました石炭鉱業審議会総会におきまして、今度改組拡大をいたしまして、合理化部会長とか、あるいは需給部会長とか、資金経理の関係の中立の委員のほかに、そういった方々も加わっていただくというような方式をとったわけでございまして、この経理審査会に個別企業の経理内容をはかりまして、利子補給をきめていきたい。その際、やはり当該企業の経営の今後の改善計画、この経営改善計画の中には今後の投資計画もありましょうし、あるいは合理化計画もありましょうし、あるいは非常に会社経理の苦しい企業におきましては再建計画もありましょうし、そういった総合的な会社の今後の計画を御提出いただきまして、こういった点ももちろん、いままでの過去のそういった歩みも参考にいたしまして、こういった中からどの企業は全額出すのが妥当だ、どの企業は三%程度でいいじゃないかというようなことも、個別的にこの経理審査会で御検討いただきましておきめいただくというような方式をとってまいりたい。したがいまして、経営改善計画なんかを提出していただきまして検討するわけでございますので、特に何と申しますか、経営者の努力が足りないというようなことでございますとか、あるいは社内の統制もとれない、そのために非常に膨大な赤字を出すというような場合、これは経営者側の努力が足らぬわけでございます。そうかと思うと、経営者も非常な努力をしてきたし、労使も一生懸命働いた、にもかかわらず経営がはかばかしくないというような点につきましては、やはり特段の配慮をしてあげなければいかぬだろうというような配慮が、おそらくこの経理審査会の検討の過程で加わるんじゃないかというふうに考えております。  ただ、私ども全体の基本的姿勢といたしましては、当初申し上げましたように、今日石炭産業、どの企業を見ましても、他産業に比べましてこれでだいじょうぶという企業は一つもございません。なお私ども努力をして、経営の安定をはかるように進めていかなければいかぬ企業ばかりだと思っておりますので、できるだけ全体がこの利子補給の恩典を期せられるようにというのが基本的姿勢ではございますけれども、そういった討論の過程からそういった議論が生まれるのではないかというふうに考えた次第でございます。
  93. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 大臣に御答弁願う前にちょっと。  私がさっき局長にお尋ねしました中に、ビルド山として相当炭量がある、しかるにあたり近所が廃山になってしまっておるので、その古洞の水が非常に押し込んでくる。したがって、そのために水を揚げるために電力料その他の経費が非常によけいかかる。経営者も労働者も一生懸命やっているけれども、その影響のために経営が苦しくなってきた。こういうものもその中に入るということになりますか、どうですか。
  94. 井上亮

    井上政府委員 水の問題につきましては、単にこれは利子補給の問題じゃなしに、そのものとして私は、同情すべきと申しますか、一つの問題点だと思います。たとえば、筑豊においてもこういう例はございます。あるいは常磐炭鉱においてもございますが、周辺の山が閉山したために、ビルド山に全部その水が流れてきて、揚水のための電力料金等が非常に膨大になり、巨額になり、そのために経営が悪化するというような問題があるわけでございまして、この点につきましては私どもも第二次調査団の過程におきましても、こういった場合に、やはり一種の鉱害に近いような姿でもありますので、何らか国が鉱害に準ずるような助成策といいますか、それがないかということでいろいろ検討したわけでございまして、今日でもこれは検討問題ということで、私ども今後取り組まなければいけない問題だと思っております。しかし、こういう事情があるから利子補給というふうに、直ちに結びつくことにはならぬかと思います。ただ、そのために電力料金が非常にかさむ、そのために経理状態が苦しいというような場合には、当然先ほど申しましたような、やはり何といいますか、利子補給の三%あるいは全額かどうかというような仕分けをいたしますときの一つの参考資料にはなろうかと思います。ただしかし、これは当該企業個別に当たりませんと、何ともただいまの状況では、これがきめ手の要因になるということもちょっと言いかねるのではないか。ただこれは利子補給以外の一つ政策問題として検討を加えていかなければならない問題ではないかというふうに考えております。
  95. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 伊藤委員のお尋ねでございました利子補給施策を民間金融機関からの借り入れ金に及ぼすかどうか、この問題でございます。  今回とりました石炭に対する諸施策は、言うまでもなく昨年十二月十六日の第二次調査団答申に基づいている次第でございまして、この利子補給施策につきましては、ただいま局長からるるいろいろ申し上げましたが、それらはすべて答申に基因しているわけでございます。これは十分御承知であろうと思います。この答申の中では、収支改善をはかるために利子負担を軽減する必要があるとまず指摘をいたしましたが、この際最も有効かつ適切な施策としては、これまでの合理化整備を推進する過程において増加の顕著なこれこれの、すなわち先ほどから申し上げる政府の三機関の借り入れ金について、これを対象として三%の利子補給をすべきである、こう指摘をしているのであります。また、その利子補給、その支給のしかたについては、これも局長が申し上げましたとおりに、石炭鉱業審議会の経理審査会の審議を経て適用するように、また特に、経理は悪化しているが再建整備に熱心である、そういう見通しのあるもの、こういうものについては特段の利子補給をすべきである、すなわちそういうものには全額をしようかというようなことで、要するに一言で申し上げますならば、この答申に全く基づいての措置を今回とった、こういうことに御了承いただきたいと思います。
  96. 伊藤卯四郎

    ○伊藤(卯)委員 いまちょっとだけ関連して。  答申に基づいて政府石炭施策をお考えになることは、私当然だと思います。しかし、さっき私が申し上げましたように、現実問題として政府機関から借り入れておるより市中銀行から借り入れておる金額のほうが多くて、そしてその利子も高くて、そのために経営難におちいっておる。さっき局長も言われておったように、また私どもの調べによりますと、一応黒字の山というのは大体三つ四つしかないのじゃないか、あとはほとんど赤字の山ではないか。しかし、それが今度の炭価の措置あるいは利子補給の措置とで立て直り得るかどうかは、これは今後見てみなければわからぬわけでありますが、しかし、そういう苦しい状態を、石炭の重要性にかんがみて、何とかつぶしてはならぬというところから、炭価問題、政府機関利子補給の問題をお考えになっておるわけであります。答申に出ておろうと出ておるまいと、実際問題を解決するためには、政府は、答申ということより、もっと日本産業、経済全体を政治されるところの最高の責任機関であるということは言うまでもないのであります。そういう見地に立って、しかも通産大臣はその主管最高責任者であるから、したがって、いま私が申し上げておるこの問題はぜひお考えにならないと、やはり後日必ず不公平じゃないかという問題が起こってくることは当然でございます。でありますから、単に答申だけで政府が動くというなら、私は政府の権威はないと思うのです。また、通産大臣石炭調査のその調査団答申だけに基づいているというのはあまりにも機械的ではないかという気がいたします。現実にその市中銀行等の問題もあるわけでありますから、この点はひとつ現実に即応して、かくせなければ炭鉱再建はできないという全体の見地に立ってお考えになるという必要は当然あってしかるべし、こう考えまするので、この点について、いま御答弁になった程度のものになるのか、なるほど考えなければならない問題であるということでお考えになっておられるか。その点について、再度、信念というか、それは当然のことだとお考えになっておられるか、お聞かせ願いたい。
  97. 櫻内義雄

    櫻内国務大臣 伊藤委員のおっしゃっておることは私もよくわかります。今後十分検討さしていただきたいと思います。  ただ、先ほどおっしゃっておる中に、政府がただもう答申だけで事足れりとしておる、これはちょっと違うのであります。今回の場合は、予算編成のぎりぎりのところで答申が出されております。また、この調査団には、御承知のように政府機関は全部協力をして調査をしておりましたので、それで四十年度の予算措置の場合には、各機関がみなこの調査団に加わっておったわけでございますから、四十年度はまずこの範囲——こういうふうに答申書を受けるとともに、われわれがこの調査団に協力をしておったということが会計にあるということを御了承いただきまして、伊藤委員のおっしゃることは今後よく検討していきたいと思います。
  98. 加藤高藏

    加藤委員長 これより日本炭鉱高松鉱業所の施業案等に関する問題及び産炭地域振興問題について懇談に入ります。      ————◇————— 〔午後零時四十六分懇談会に入る〕〔午後二時十分懇談会を終って散会〕