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井上政府委員 最初に事務的な問題につきましてのお答えをさせていただきたいと思います。先ほどなまけ者の
お話をいたしました。これは滝井先生が少しなまけ者が有利になるような話をされましたものですから、ついそういう表現を使ったわけでございまして、その点につきまして、もう少しく正確なお答えをさせていただきたいと思います。
利子補給につきましては、私
どもの
基本的な態度といたしましては、先ほど一、二の
炭鉱は現在の
状態では
利子補給の対象にならぬかもしれぬという
お話もしましたし、あるいは数企業につきましては全額という
お話も申し上げましたが、これらの点も今後の決算の
状況あるいは
炭鉱経理の全体の
状況を見ないと、いまにわかに議論ができないわけでございます。ただ、私
どもの
基本的な
考え方としましては、できるだけ現在の
炭鉱につきましては——なるほど現在は一部高い収益をあげているというふうに見える企業もありますが、これは他
産業と比べますと決して高い収益をあげているような企業は
一つもございません。それどころか、私
どもの今日の見通しでは、二、三年たった後に、現在は一応利益をあげているように見える会社におきましても、今後の見通しは必ずしも楽観を許さないというような
状況判断をいたしておりますので、できるだけ多数の
炭鉱企業に
利子補給の恩典が受け得られるようにというような努力をしてまいりたいというふうに
考えております。
それからさらに、先ほどのなまけ者議論に関連いたしますが、私
どもはこの
利子補給をいたしますときに、やはり山別と申しますか、あるいは会社別に内容を
検討していろいろきめていきたいというふうに
考えております。そのきめ方といたしましては、単に
通産省だけの判断というのではなしに、
石炭鉱業審議会の経理審査会——経理審査会は、一週間ほど前に開きました
石炭鉱業審議会の
総会におきまして、今度改組拡大をいたしまして、合理化部会長とか、あるいは需給部会長とか、資金経理の
関係の中立の委員のほかに、そういった方々も加わっていただくというような方式をとったわけでございまして、この経理審査会に個別企業の経理内容をはかりまして、
利子補給をきめていきたい。その際、やはり当該企業の
経営の今後の
改善計画、この
経営改善計画の中には今後の投資計画もありましょうし、あるいは合理化計画もありましょうし、あるいは非常に会社経理の苦しい企業におきましては
再建計画もありましょうし、そういった総合的な会社の今後の計画を御提出いただきまして、こういった点ももちろん、いままでの過去のそういった歩みも参考にいたしまして、こういった中からどの企業は全額出すのが妥当だ、どの企業は三%
程度でいいじゃないかというようなことも、個別的にこの経理審査会で御
検討いただきましておきめいただくというような方式をとってまいりたい。したがいまして、
経営改善計画なんかを提出していただきまして
検討するわけでございますので、特に何と申しますか、
経営者の努力が足りないというようなことでございますとか、あるいは社内の統制もとれない、そのために非常に膨大な赤字を出すというような場合、これは
経営者側の努力が足らぬわけでございます。そうかと思うと、
経営者も非常な努力をしてきたし、労使も一生懸命働いた、にもかかわらず
経営がはかばかしくないというような点につきましては、やはり特段の配慮をしてあげなければいかぬだろうというような配慮が、おそらくこの経理審査会の
検討の過程で加わるんじゃないかというふうに
考えております。
ただ、私
ども全体の
基本的姿勢といたしましては、当初申し上げましたように、今日
石炭産業、どの企業を見ましても、他
産業に比べましてこれでだいじょうぶという企業は
一つもございません。なお私
ども努力をして、
経営の安定をはかるように進めていかなければいかぬ企業ばかりだと思っておりますので、できるだけ全体がこの
利子補給の恩典を期せられるようにというのが
基本的姿勢ではございますけれ
ども、そういった討論の過程からそういった議論が生まれるのではないかというふうに
考えた次第でございます。