○
八木(一)
委員 いまの問題に関連して大蔵
大臣に御
質問を申し上げたいと思います。
大蔵省としても、
社会保障の進展のために努力をされたというようなことをかなり宣伝をされたようであります。
社会保障制度というものは現在の時点でどんどん伸びなければならない。特に日本の場合にどんどん伸ばさなければならないという要件があるので、伸びるのは当然の政治の姿勢である。その伸びる勢いを大蔵省のいまの努力の足らなさのために鈍らしているというような
状況だろうと思う。少しずつ伸びているのはわかっているけれ
ども、そのようなもっと伸びなければならないのをあなた方の努力が足りなくておくらしておるということを十分に反省をしていただきたい。全体に伸びていることについて誇るよりも、反有をして国政を前進させるようにしていただかなければならない。
次に、大蔵
大臣も十分御
研究だと思いますが、われわれの
研究についてひとつよく理解をされて、非常にいい点を含んでおりますから、
社会保障制度を前進させるためにそれを考えに入れていただきたい。
まず第一に、いま、国庫
負担の問題については、やはり
保険料負担じゃなくても国民の税金の
負担だということを言われました。それは一般的に
政府に協力をしてくれる学者がほうぼうで宣伝をしているところであります。社会党はばかの
一つ覚えのように国庫
負担を言うけれ
ども、そういうものではないというようなことを言っている方が多いようでございますけれ
ども、そういう方々は
ほんとうに
社会保障を前進させる気持ちを持っておられないように私は思っております。いまの日本においては、もちろん国民の
負担になりますけれ
ども、国庫食掛でこれを前進をさしていけば累進課税の
制度が——これも
政府がもっとしっかりしなければなりませんけれ
ども、直接累進課税という
制度があれば、非常に
負担能力の多い人が
負担をして、それが国庫に入ってそれによって
社会保障が前進をするという非常に有効な作用を示すものだ。
保険料負担ということであれば、
物価高や低
賃金で
負担にたえられない者がその
負担をしなければならないという点で、歴然として、国庫
負担のほうが純粋に
社会保障を伸ばす点において必要であるということであります。だからそういう方向で進まなければ
ほんとうに熱心に
政府が取っ組んだ、財政当局が取っ組んだとは言えない。だから、
社会保障のことを
ほんとうに考えない
政府のごますりをするような意見には耳をかさずに、
ほんとうに
社会保障を心配している
日本社会党なりあるいは与党の中で
社会保障について熱心な方々の意見をいれて、国庫
負担を増大することを本筋として
社会保障を伸ばすという
考え方に立っていただかなければいけないと思う。
社会保障については、医療
保障について今度非常に問題がありまして、
神田厚生大臣に徹底的にそのいろいろな間違いを指摘されておりますけれ
ども、その
責任の一半はあなたにもあると思う。あなたに一半以上あると思う。それも十分反省しなければなりません。
神田さんは徹底的に追及をされたけれ
ども、
田中さんはこれからの機会でわれわれは
神田さんと同様に追及をしなければならない。そのことも十分反省をされて、国庫
負担で物事を前進させるという方向を進めていただかなければならない。
次に、それについても、国庫
負担のいまの少ないのを五倍か十倍にしなければならないけれ
ども、それも限度があるという話を、財政を預かっている人は言われると思います。そこで、考えを入れることは、医療
保障については短期
給付でありますから、即刻、すぐ入れなければならないということが非常に大きな要件になる。所得
保障については、いまの
給付、たとえば
厚生年金のことし払う分についてもいまの国庫
負担、これは賦課方式ですからそれをどんどん入れなければならないけれ
ども、全般的に賦課方式という方式をとって、後代の
負担にゆだねるという方向をとれば、これは直接の国庫
負担はできるだけ入れるとともに、その方式を併用すれば、一万円
年金というようなけちな
年金ではなしに、少なくとも一万六千円
年金くらいにはすぐいけるわけであります。そういうことも考えに入れて物事を処理をされる必要があろうと思う。もちろん、いま直接
厚生年金は支払われておりますから、それが国庫
負担が一五では少ない。少なくとも三〇%に即時されなければいけませんけれ
ども、そのほかに、たとえば一万円
年金でもあなた方は少し苦心をされたようだ。当然国民の要望である一万六千円平均の
年金にするためには、さらにの国庫
負担をするとともに、いろいろなことを考えなければいけない。
保険料負担が増大するとすれば、一番低
賃金に悩み、
物価高に悩む
労働者の
負担を軽減して、使用者と
労働者の
負担区分を変える。使用主は七割にし、
労働者は二割にするというようなことも考えに入れる。次に、それでもまかなえない分は、いまの修正
積み立て金方式を——
政府自体が
積み立て金方式を修正して
部分的に賦課方式をとっておられます。それをもっと大幅に賦課方式をとることによって、経済が
成長し、分配が
ほんとうに公平に行なわれる時代にこの
負担をゆだねるという方式によって、一万六千円
年金は、さらにの国庫
負担とともにすぐにできることであります。このようなことも考えて、もちろんこれは
厚生大臣がぼやぼやしないで大蔵
大臣と相談をしなければならないけれ
ども、
厚生大臣が、この間十分にわれわれの意見を言って、そのとおりでございますと言った。ただし、いまの段階においてはというようなことをしばしば言っておる。この段階というのは、
田中さんがすぐ首を縦に振らないおそれがあるということがこの半分であろうと思う。ですから、
厚生大臣が、いままでの怠慢を改めて、社会党の案のようなものを出すと言ったときには、大蔵
大臣は、直ちにそうやろう、
厚生大臣はまだ少ないではないか、さらに、三割五分出そう、賦課方式をもっと取り入れるぞ、七、三の区分は八、二くらいにしたほうがいいと思うというくらいの勢いでそういう問題を進めることの決意を持たれなければ、社会開発を看板にしている佐藤
内閣、その中の中枢の
社会保障を
ほんとうに進めなければならない
責任を持っている佐藤
内閣の有力な閣僚であり、その財政面を担当している
田中大蔵
大臣としては
責任を果たせないことになる。このような方向で熱心に、一応不乱に国民のために
社会保障を伸ばす努力をされる決意があるかどうか、はっきり伺っておきたいと思います。