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1965-04-22 第48回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十二日(木曜日)    午前十時四十一分開議  出席委員    委員長 楯 兼次郎君    理事 稻葉  修君 理事 小沢 辰男君    理事 田中 正巳君 理事 中山 榮一君    理事 稻村 隆一君 理事 山口丈太郎君       大竹 太郎君    小枝 一雄君       田澤 吉郎君    武市 恭信君       西岡 武夫君    八田 貞義君       細田 吉藏君    湊  徹郎君       森下 元晴君    岡本 隆一君       辻原 弘市君    西宮  弘君       武藤 山治君    森  義視君       八木 一男君    吉村 吉雄君       吉田 賢一君  出席政府委員         大蔵事務官         (主計局次長) 澄田  智君         文部事務官         (文化財保護委         員会事務局長) 宮地  茂君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      若松 栄一君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉篤君         農林政務次官  舘林三喜男君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      宮本  惇君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君  委員外出席者         大蔵事務官         (理財局地方資         金課長)    玉置 明男君         文 部 技 官         (管理局教育施         設部指導課長) 大串不二雄君         厚生技官         (環境衛生局水         道課長)    大橋 文雄君         厚生事務官         (医務局総務課         長)      渥美 節夫君         農林事務官         (大臣官房参事         官)      尾中  悟君         農林事務官         (農林経済局金         融課長)    今村 宣夫君         農林事務官         (農政局参事         官)      玉置 康雄君         農 林 技 官         (林野庁指導部         長)      福森 友久君         運 輸 技 官         (気象庁予報部         長)      今里  能君         労働事務官         (職業安定局失         業保険課長)  道正 邦彦君         建 設 技 官         (河川局防災課         長)      重兼 暢夫君         建 設 技 官         (道路局企画課         長)      豊田 栄一君         自治事務官         (財政局地方債         課長)     首藤  堯君         自治事務官         (税務局市町村         税課長)    平井  龍君         日本専売公社生         産部生産課長  難波 寛次君         日本国有鉄道参         与         (施設局長)  河合 秀夫君     ――――――――――――― 四月八日  委員中島茂喜君及び西宮弘辞任につき、その  補欠として吉川久衛君及び赤路友藏君が議長の  指名委員に選任された。 同月九日  委員吉川久衛君、二階堂進君、西岡武夫君、坂  本泰良君、泊谷裕夫君及び中村重光辞任につ  き、その補欠として小枝一雄君、前田正男君、  坊秀男君、辻原弘市君、森義視君及び八木一男  君が議長指名委員に選任された。 同月二十二日  委員小枝一雄君、坊秀男君、前田正男君、赤路  友藏君、辻原弘市君、森義視君及び八木一男君  辞任につき、その補欠として八田貞義君、西岡  武夫君、二階堂進君、西宮弘君、坂本泰良君、  泊谷裕夫君及び中村重光君が議長指名委員  に選任された。 同日  委員八田貞義辞任につき、その補欠として中  島茂喜君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 四月十二日  昭和四十年一月の北海道及び東北地方高潮災  害対策に関する陳情書  (第一  九九号)  は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十年三月の豪雪び森林火災に関する件  派遣委員からの報告聴取  災害対策に関する件(近畿地方における降雪及  び森林火災による災害対策並びに福島県及び新  潟県における降雪による災害対策)      ――――◇―――――
  2. 楯兼次郎

    楯委員長 これより会議を開きます。  災害対策に関する件について調査を進めます。   〔委員長退席小沢(辰)委員長代理着席
  3. 小沢辰男

    小沢(辰)委員長代理 まず、先般の近畿地方における降雪及び森林火災による被害状況調査のため現地に派遣されました委員諸君から報告を聴取することにいたします。楯兼次郎君。
  4. 楯兼次郎

    楯委員 私は、近畿地方降雪及び森林火災による被害状況調査のため派遣されました委員を代表して調査の概要を御報告申し上げます。  派遣委員は、小枝一雄君、赤路友藏君、大村邦夫君、稲富稜人君と私の五名でありますが、地元選出議員として辻原弘市君、森義視君、八木一男君、吉田賢一君及び田中織之進君が調査に御参加をいただき、四月九日から十二日までの間、奈良県、和歌山県及び大阪府管内の被害地を親しく調査してまいったのであります。本調査団現地において便宜上二班に分かれ、第一班は奈良県を主とし、第二班は和歌山県を主として調査し、大阪で合流したのであります。以上三府県のほか、雪害は近畿、中国各府県に及んでいたのでありますが、特に被害の大きい兵庫県及び岡山県につきましては、日時の関係もありまして現地に参ることができませんでしたので、大阪において関係者から詳細に実情を承ったのであります。  まず雪害状況について申し上げます。  雪害時の気象状況は、去る三月十六日大陸から張り出した寒冷前線が近畿、中国地方を通過して太平洋に抜けた際、奈良県を中心とした近畿地方中国山脈一帯上昇気流が起き、そのあとへ冷たい空気が流れ込み厚い層の積乱雲が発生し、これが冷却され豪雪となったのであります。  この積雪は、奈良県においては、山間部で五十センチ、平たん地においても三十センチの積雪を見たのであります。和歌山県においては、高野山で一メートル、平たん地かつらぎ町付近にて七十センチを記録しているのであります。大阪府においては、山間部は三十センチ、平たん地にても十五センチの積雪を見たのであります。  今回の降雪は、質的に北海道裏日本の雪質と異なり、湿度の高いボタ雪でありまして、粉雪は一坪立方が七百貫目程度であるに対し、ボタ雪は千五百貫目をこえる重量があるといわれているのであります。しかもこの湿雪が短時間に集中して降ったため、急速に重量がかかったわけであります。これがため、積雪量北海道裏日本積雪地帯のそれに比べますと少いのでありますが、積雪量に比較して重量が大きい積雪となったため、甚大な被害が発生したのであります。  今回の降雪里山林業に対する被害が大きく、全国に美林を誇っている吉野林業に大打撃を与えたのでありまして、その様相はまことにむざんで、折損、倒伏をほしいままにし、特に鋭利な刃物でけさ切りにしたような折損状況が随所に見られ、豪雪の悪戯のおそろしさを如実に物語っていたのであります。  林業被害特殊性といたしましては、被害時の損害額のみで判断ができないことであります。特に吉野林業といわれる銘木専門林業におきましては、改植してから早いもので十年、通常二十年以上を要するものであることは、皆さまも御存じのとおりであります。したがいまして、林業被害は、その復旧がその年度内において解決できるものでなく、長く将来にわたってその復旧の努力を要するものである点が他産業と大いに異なっております。また被災者の大半が零細林業者であり、営々として十数年の辛苦を経て商品化され、伐採、出荷、換金という時期に甚大な被害をこうむったところが多いのでありまして、被災者の落胆は想像に絶するものがあるのであります。被災者造林意欲を燃やし、再生産に励むようにするため、物質的、精神的両面から最善の援助を与えることが、国会及び政府関係者として最も重要なことであります。  私どもは、被災者に対しまして心から同情申し上げるとともに、被災者の意とするところを十分くみ取り、これが実現に官民一体となり最大の努力を尽くすことが肝要であると痛感してまいったのであります。  また、森林被害に次ぐものとしてビニールハウスが大きな被害を受けているのであります。農業経営近代化のため設置された鉄骨製ビニールハウス等は、容赦なくあめのように押しつぶされた残骸が各地で見られたのであります。これは解体する以外に方法はないのでありますが、作物が現在出荷時期にある関係上、当座の間に合わせとして多数の人力をもって屋根起こしをし、かろうじて作業を続けていたのであります。この地方の農家の大半は、多くの借金をかかえながら農業近代化につとめ、近代化が緒についたばかりであるだけに、農民の苦痛、落胆は察するに余りあるものがあったのであります。また、被害激甚地山林地帯であるだけに、唯一の連絡機関である有線放送施設の損害は相当の痛手のようであったのであります。さらに、この地方の主産物の果樹の損傷ははなはだしく、たとえ外見たいした被害と見られない果樹でありましても、その中には樹勢回復不能のものが三〇%にも及ぶといわれる損害が痛々しく見受けられたのであります。  これらの被害の額を各府県別に見ますと、奈良県は総額六十七億八千万円に達しており、そのおもなものは、森林被害六十四億六千万円、ビニールハウス等一億円、梅、かんきつ類等果樹及び野菜、イチゴ、花卉等被害が二億一千万円となっているのであります。  和歌山県は総額五十六億九千万円となっており、そのおもなものは、森林被害二十億円、ビニールハウス等施設一億九千万円、果樹ミカン類の減収二十億円、あとで申し上げます火災による森林被害十五億円等であります。  大阪府は総額三十三億円でありまして、そのおもなものは、森林被害十四億円、果樹十億円、ビニールハウス等施設に三億円及び野菜類五億円等となっているのであります。  兵庫県は総額三十四億円で、そのうち、森林二十二億円、果樹七億円、ビニールハウス等施設二億円、蔬菜二億円等となっているのであります。  岡山県は総額二十億円でありまして、そのうち、森林十六億円、果樹野菜おのおの一億円、ビニールハウス等施設二億円となっているのであります。  次に、和歌山県に発生した森林火災による被害状況について申し上げます。  今回の森林火災は、三月十二日から十六日までの間において通過した不連続線による落雷等により串本地区及び有田郡等県内数カ所において火災が発生し、当時は異常乾燥下であり、これに加えて北西の季節風にあおられ火勢はますます増大し、消防団、自衛隊、地元民の活発な消火作業にもかかわらず燃え広がり、おもな三カ所についての被害は延べ二千七百六十五ヘクタール、金額にして十五億円となっており、その中でも串本地区火災は特に大きく、二千ヘクタールで十二億円に達するものであります。この地域は昭和十八年に一万五千ヘクタール延焼する大火があったのでありますが、林業者の必死の努力により造林が進められ、今年ようやく十七、八年生となって製品価値を生むまでにこぎつけたやさきに、再びこのような大火災に見舞われたのでありまして、二、三の大規模経営者を除いては零細な林業者が多く、昭和十八年の火災被害を加え通算して四十年にも及ぶ無収入の山林となり、このような山林に対しては、林業を経営する意欲を失っているのが大部分であり、あと地の整地すら全然行なわれず放置したままになっていたのであります。われわれが現地に足を踏み入れてみますと、東西四キロ、南北三キロの山林は、黒い炭と化した立木、これにまじって所々に団地を形成して茶褐色に熱風のあおりで焦げた樹木群が点在し、幾重にも重なる山山は、見渡す限り不気味な姿をあらわしていたのであります。  本来ならば、日本本土の最南端に位置し、黒潮が岸を洗うまでに迫り、奇岩、奇石を随所に配し、豊富な森林資源に恵まれ緑におおわれた山が海岸に突出し、風光明媚、国立公園の中でも特に有名な景勝の地と称されているところであり、周囲が美林であるだけに、特に焼けあとは悲惨な姿をきわめているのであります。  以上が雪害及び火災の概要でありますが、調査の足取りを簡単に申し上げます。  第一班は、まず奈良県庁に参り、知事ほか関係者から被害の実情と要望について陳情を聴取し、直ちに現地に向かい、田原本町の農作物被害調査した後、大宇陀町、東吉野村、吉野町、下市町、五條市、西吉野村管内の林業被害並びに農作物被害調査を終えて大阪に参り、第二班の調査団と合流し、大阪府知事をはじめ、岡山県、兵庫県当局から被害の実情と陳情を聴取いたしました。  第二班は、串本町の森林火災現地調査した後、和歌山市からかつらぎ町を経て橋本市までの間における森林果樹及びビニールハウス被害調査を終えて大阪に参ったのであります。  次に、現地において聴取いたしました要望につき、調査団の意見を付して申し上げます。  融資関係等といたしましては、第一に、天災融資法早期適用特別被害者としての三分五厘資金貸し付けについて配慮されたいとのことであります。  今回の災害のおもなものは、林業という、その生産に長期間を要する産業という特殊性にかんがみまして、資金貸し付けにあたっては、貸し付け限度額償還期限の大幅な緩和を行なうよう特別の措置を考慮すべきであると思うのであります。なお、被害の激甚なるにかんがみ、激甚災害法の適用についても、特段の努力を払われたいとの強い要望がありました。  第二に、農林漁業金融公庫造林資金貸し付け条件を緩和されたいということであります。  林業被害中、倒木が十年生から三十年生のものが大半を占めている実情からして、倒木の雪起こし資産としての造林資金については、公庫の貸し付け対象の五年を、本災害臨時措置として三十年と大幅緩和を行ない、被害者の実情に沿うようにすべきであると思うのであります。一部には、二十年、三十年の林齢のものについては、折損あるいは倒伏したものは、雪起こしを行なっても、はたして、樹勢を回復するかどうか疑問もあるようでありますが、現地においては、三十年のものについても十分雪起こしの効果があることを力説しておりました。政府におきましては、今回の復旧対策においてこの点が重要な点でありますので、積極的に対処されんことを望むものであります。  第三に、自作農維持資金林業経営安定資金について早急に貸し付けられたいということであります。  第四に、農業近代化資金既貸し付けについての償還期限の延長と再貸し付け措置を講ぜられたいということであります。  今回の被害ビニールハウスが非常に多いのでありますが、このビニールハウス設置資金近代化資金から貸し付けを受けているのが多い現状からして、返済金の猶予、借りかえをはかるとともに、ビニールハウス等被害部分の取りかえ及び修理に必要な資金を確保するようにつとめるべきであると思うのであります。  次は造林の促進であります。  被害林業者の圧倒的多数は零細者であり、重なる被害のため造林意欲を失っている現状からして、被害者に負担をかけない造林の方法を考えるべきでありまして、その一つの方法として、被害者林地提供、県、市町村、公社、公団等の事業の実施、資金提供による分収造林を行なうことが適切であろうと思うのであります。この際においても、被害者の分収割合を有利にするため、国、府県、市町村等が高率の造林補助をするとともに、補助残融資についても特段の措置を講ずべきであると思うのであります。また、現行の造林補助は、再造林拡大造林と分かれておりますが、今回のような災害についての補助率は、期待利益が全然見込まれない事情からして、拡大造林補助を大幅に上回る補助をするよう、政府部内で早急に検討し、その実現を要望するものであります。  次に、国営森林保険に対する加入促進であります。  世界に類を見ない天災による保険制度が確立されているにかかわらず、この恩恵を受けることができない現状であります。森林所有者所有形態が複雑であることに基因し、容易でない点は認められますが、国の助成及び指導と相まって全員加入までの促進に努力すべきであると思うのであります。さらに、加入促進制度活用、運営の合理化等の点からして、必要があれば国営から民営に移すことについても検討することが望ましいと思うのであります。  次に、防災事業について申し上げます。  第一に、林道網の整備であります。  特に串本町の森林火災について見ますと、火災は、東は古座川で、西は林道にて消火しているのであります。この点、林道が防火に果たす役割の大きいことが立証されているのであります。したがって、今回の災害を契機に、熊野の南側の山林地帯のように異常乾燥地帯につきましては、防災を目的とした特殊林道の制度を確立し、高率補助による早急実施が望まれるのであります。また、奥地森林地帯に対しては防災用ため池等の設置を進め、防災作業能率化に備えるべきであると思うのであります。  第二に、緊急治山事業の実施であります。  台風時期を控えて、被害あとには緊急に治山施設を設置し、降雨に対する対策を立てないならば、一たん台風来襲した場合、下流の民家をはじめ諸施設は大きな損害をこうむることは必定と思われるのであります。この点、早急に計画し、事業に着手すべきであると思うのであります。  第三に、防火のため森林火災発生及び消火活動連絡長距離用無線機を設置するとともに、巡視員の増員、設置につき助成の道を開くべきであると思うのであります。  次に、森林火災防災基本対策の確立についてであります。  和歌山県の山林地帯は、二月から五、六月ころまでは異常乾燥が続き火災が頻発するのが例年のことであります。これによる損害はまことに甚大で、木材資源確保の上からもゆゆしき問題であるのであります。このような異常乾燥地帯が全国には岩手県ほか数カ所存在するわけでありますが、年間を通じて一定湿度を下回る期間が長期間続く地帯は、異常乾燥危険地帯として政府が指定し、この地帯については火災発生を防除するための近代的施設として監視員監視所等施設の設置を行なうとともに、近代的なパトロールを行なうように必要な措置を講ずるようにして、災害防止の実をあげるべきであると思うのでありまして、政府においては、モデル地区として今回の火災地帯を取り上げ、これが防災計画を樹立されるように要望するものであります。  次に、有線放送施設補助率引き上げについてであります。  有線放送施設は、共同利用施設として、その被害については、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助暫定措置法に基づき、二〇%の補助をすることになっておりますが、この補助率引き上げについて特段の考慮を払われたいと思うのであります。  以上のほか、森林労務者対策上、労務賃金の単価の引き上げ及び山間地における仮宿泊所の設置についての助成病虫害発生に対処するための防除器具、薬剤の購入助成林業所得について国税及び地方税減免措置被害林産物の搬出に対する助成、雪起こしに必要なウインチ等の機械及びなわ、針金等の資材に対する助成等についても積極的な措置を講ぜられたいという要望があったのであります。  以上、調査の概要について申し述べましたが、政府は、今回の災害特殊性からして、各要望事項について鋭意これが実現の方向で慎重に検討を加えるとともに、諸法規の弾力的運用を行ない、被災者の再生産意欲を盛り上げるとともに、大きく期待にこたえるべく善処されることを強く要望いたす次第であります。  なお、今回の森林被害は、林業基本法制定後、初の災害でありますが、政府といたしましても、この際、従来の例にとらわれることなく、林業基本法第十一条二項の宣言規定により、あとう限りの救済手段を講ずべきことを特に要望いたしまして報告を終わります。(拍手)
  5. 小沢辰男

    小沢(辰)委員長代理 これにて派遣委員報告聴取は終わりました。  派遣委員各位にはまことに御苦労さまでございました。      ————◇—————
  6. 小沢辰男

    小沢(辰)委員長代理 次に、近畿地方等における降雪による災害対策及び和歌山県下における森林火災による災害対策について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。八木一男君。   〔小沢(辰)委員長代理退席委員長着席
  7. 八木一男

    八木(一)委員 ただいまから、近畿地方及び中国地方の三月十六日、十七日の雪害並びに和歌山県下の火災の問題について御質問を申し上げたいと思います。  先ほど、団長である楯委員長から視察についての御報告がございました。私も地元議員の一員といたしましてその視察にお供をしたわけでございますが、団長はじめ各派遣委員、また随行者方々が非常に熱心に調査をせられたことにつきまして、心から感謝を申し上げておきたいと存じます。特に、これだけの調査をされたことについて、本委員会が適切な、明確な意思表示をされること、そしてまた、それに関して政府がこの報告書を実行せられ、また今後、決意をされ、あるいは委員会において意思表示をされたことを忠実に、十分に早急に実施していただくことを要望いたしたいと思うわけであります。  それに関して御質問を申し上げたいと存じますが、同僚各位の御質問の御予定がございますし、また、この問題について決議をなさる御予定もございますので、ごく時間を簡略にいたしまして、問題をしぼって御質問を申し上げたいと存ずます。  視察に同行いたしまして私つぶさに感じましたことは、この四月の一日と七日に本委員会で、この三月十六日、十七日の雪害並びに火災災害について御質問を申し上げたときも、相当私ども実情について認識を持っておったつもりでございますが、しかし、現地を見まして、想像いたしておりましたよりもはるかに大きな災害であるということをしみじみと痛感をいたしたわけであります。政務次官をはじめ政府委員方々もあれを見ていただきたいと思いますが、あそこにあります災害写真の中で、左側の一番上に、鉄塔が曲がった写真がございます。このくらいの積雪量であのような鉄塔あめのようにひん曲がったということは、非常に異常な災害であるということを示していると思います。私どもは、この写真で示しているよりもはるかに大きな災害であることを実際に見てまいったわけでございますが、いろいろこの問題について処理をせらるべき政府方々には、この写真状況よりもはるかに災害はひどいということをぜひ頭の中に入れていただいて、問題を十分に迅速に処理をしていただきたいと思うわけであります。鉄塔が曲がるくらいでございますから、たとえばコンクリートの柱、そういうものがぶっ倒れる、電線がちりちりと切れちぎれるというような状況は至るところにありました。これは私のおもに視察いたしました奈良県だけではなしに、大阪府においても、和歌山県においても、あるいはまた兵庫県においても、岡山県においてもあったようでございます。また、杉の木がほんとうになたでばさりばさりとけさがけに切られたような状態が至るところにございました。また、二十年、三十年の杉の木がまるであめのようにひん曲がった情景が至るところにあったわけでございます。そのようなことについて林業者はぼう然自失をいたしておりましたし、また、農業のほうでも、たとえば鉄あるいは軽金属の非常に堅牢な柱でつくったビニールハウスが、その柱があめのようにひん曲がってその施設がだめになってしまい、そして中の作物が一切だめになってしまって、ぼう然自失をしておる農家の方々が多かったわけであります。また、果樹につきましては、至るところでりっぱな果樹がぼきぼきと折れてしまいまして、そしてその折れた部分がだめになるだけではなしに、残った部分も全体の樹勢が非常に後退をいたしまして、二、三年は非常に収穫が減るというような状況が多分にあったわけでございます。いま質問を受けられる政府委員方々には、現地を見ておられない方でございますから、現地がこの写真で想像するよりもはるかにひどい、また、現地林業者、農業者が非常な被害のために非常に困難をきわめ、将来について暗たんたる気持ちでいる、また、府県その他市町村がそれについて非常に心配をしておるということをどうか十二分に御認識をいただきましてこの問題に対処していただきたいと思うわけでございます。まず、その点について舘林農林政務次官からひとつ御決意を聞かしていただきたいと思います。簡単でけっこうでございます。
  8. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 去る三月十六日、十七日の奈良和歌山を中心とする雪害は、何と申せ、いままであまり雪害のないところでございましたし、そんな意味で、地元の困窮というか苦痛というものは並みたいていでないことはもちろんでございます。ことに、いま八木委員がお話のしように、経験はない、しかも想像以上の雪害でございまして、そのために、ほんとうに地元といたしましても、また本省といたしましても、急速に特別の手を差し伸べなくちゃいけないということにつきましては、全く八木委員と同感でございます。
  9. 八木一男

    八木(一)委員 農林政務次官の御決意を聞かしていただきまして非常に力強く存じます。それにいたしましても、それについて政府の具体的な施策が急速に十分に進められる必要があると私どもは考えております。また、地元関係者は熱望いたしておるわけでございます。楯団長の御報告書にあらゆる点について十分に論及されておりますが、その問題の中の柱の問題について、ぜひ農林省当局からひとつ具体的に明確に御決意あるいはまた施策の方向について伺っておきたいと思います。  まず、四月一日、七日の委員会でも、たとえば林野庁の長官、たとえば農林経済局長から決意を伺いましたし、また、四月の七日には農林政務次官から御決意をはっきりと明確にしていただいたわけでございます。天災融資法適用については、これを必ず適用するということについて、農林政務次官から、この前、四月の七日に、農林省を代表いたしまして明確に御答弁がございました。その点につきましては、関係者各位を非常に元気づけたと私どもは確信をいたしているわけであります。しかし、まだ発動がいたしてございません。林野庁の長官の四月一日の御答弁では、四月の中旬ぐらいには発動するだけの準備ができるだろうというようなお話でございました。すでに四月の中旬を過ぎております。この天災融資法の発動をいつごろなさいますか、ひとつ明確にしていただきたいと思うわけであります。
  10. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 先般、八木委員の御質問に対しまして、四月中にはすみやかに天災融資法を施行いたしたいと申し上げたのでございますが、いま統計調査部の被害調査を急速に取りまとめ中でございまして、四月の終わりまでには大体実施できる、かように思っております。
  11. 八木一男

    八木(一)委員 それでは、四月中に必ず天災融資法を発動していただけるお約束いただけたと理解をいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  12. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 けっこうでございます。
  13. 八木一男

    八木(一)委員 そのように確認をいたしておきまして、次に、この天災融資法の発動について、経営資金貸し付けをどんどん行なっていただくわけでございますが、その貸し付けにあたっては、三分五厘の資金貸し付けができるように特別な御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。被害特別地域の指定については、ぜひこの関係府県が全部指定県と認められるように、そしてまた、各実際的な地域が特別被害地域としてたくさん指定されるように、また実際の林業者、農業者が特別被害林業者あるいは農業者として指定せられるように、急速に、特に広範にこの指定が行なわれるようにしていただきたいと思うわけでございますが、これについての政府の御答弁をひとつお願いいたしたいと思います。
  14. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 天災融資法適用されました場合に、特別被害地域の指定がさらに必要でございますが、大体いままでの実例等から考えますと、ほとんど特別被害地域の指定が多くて、実際は六分五厘よりも三分五厘の適用が多いわけでございます。今度も、調査の結果、はっきりは言えませんけれども、大体御期待に沿うように三分五厘という融資のほうが多くなるというふうに、私どもは経験から考えております。
  15. 八木一男

    八木(一)委員 政務次官の御答弁で関係者方々期待を持つと思いますが、特別にこのような甚大な予想外の被害でございますので、希望者が全部三分五厘の適用を受けられるように、ひとつ完全にそのようになるように特段の御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。  次に、激甚災の適用について、政府のほうでは、農林政務次官から、また総務長官から、また林野庁の長官からも、最善の努力をするという御意見を伺っているわけでございますが、これについてもさらに最善の努力をしていただきまして、急速に激甚災の適用を受けられるようにぜひ御努力を願いたいと思いますが、これについて農林政務次官からひとつ……。
  16. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 天災融資法適用は四月末までに必ずいたしたいと思っておりますが、激甚災害法につきましては、その被害の額が、いろいろな点からいっても、まだはっきりと、これを適用できるかどうかということにつきましては、こちらとしても確たる自信がありません。非常に私は困難な状態ではないかと思っておりますが、一応これから先の被害等を取りまとめましてから、最後的に公の決定をいたしたいと思います。
  17. 八木一男

    八木(一)委員 いま困難じゃないかと言われたことを非常に私どもとしては危惧いたしておるわけであります。先ほども申し上げましたように、この写真で幾ぶんでも類推されると思いますけれども、ほんとうに激甚な災害でございます。見ておられない方については実感が出てこられないわけでございますが、一緒に御同行願いましたたとえば農林省また林野庁関係方々も、その災害のひどいことにびっくりしておられたわけでございます。たとえば林業というものをほんとうに育成する、この災害について対処をするということで治山治水の根本をどんどんと完全にしていく、このような中小零細林業者がほんとうの意味で立ち上がってそのような事業意欲に燃えることができるように、また、政府の政策に従って選択的な作物について非常な努力をした農業者の方々意欲を失わないために、非常な災害でございますから、激甚災の指定についていままでのワクにとらわれることなく、そのことについて御努力を願いたいと思うわけであります。いままでのケースについてということではなしに、その実態をぜひほんとうの意味で把握をされて、激甚災の指定について最大の御努力をされ、急速にその措置をしていただくことを強く要望いたしておきたいと思いますが、それについての農林政務次官の前向きの御答弁をひとつお願いいたしたいと思うわけであります。
  18. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 激甚災害法適用につきましては、これは内閣の中央防災会議の意見も聞きまして決定すべきことでありまして、農林省一個としては、いまはっきりと、八木委員の御質問に対して、けっこうだ、あるいはいけませんということを答えるわけにまいりません。ただ私、いままでのいろいろの中央防災会議の決定等の例から考えまして、ここで確実にだいじょうぶだと言うこともできませんし、いましばらく研究さしていただきたいと思います。
  19. 八木一男

    八木(一)委員 防災会議にかけなければならないことは私も存じ上げております。しかしながら、この災害は農林災害でございますから、農林省がそれに非常に意欲的に積極的に推進されることが、その問題のかぎであろうと思います。でございますから、ぜひ農林政務次官には、また農林大臣とともに、この問題の激甚災指定について積極的な推進力となっていただくよう、そのための最善の御努力を強くお願いをいたしておきたいと思うわけであります。どうかその点で最善の御努力について前向きの御答弁をいただければしあわせだと思うわけであります。
  20. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 八木委員の御希望の点はよく大臣にお伝えいたしまして、研究いたしたいと思います。
  21. 八木一男

    八木(一)委員 次に、農林漁業金融公庫資金の円滑な貸し付けを行なってほしいと思うわけでございますが、その中の特別な部分として、林業災害の問題で、雪起こし資金貸し付け、保育資金ということでありますが、それについて、林齢について一定の制限をつけて実施をしてこられたような状況がございます。しかしながら、私ども団長と一緒に視察をしてまいりまして、雪起こしについては、たとえば二十五年生、三十年生のものを、すでに、交通の便利なところですぐ取りかかれる、労働者が集結のできるところでは、雪起こしをしているわけであります。三十年ぐらいのものをしているところがございます。また、そのことをすることによって被害を少なくすることができるというようなところがたくさんあるわけでございます。そのことについては、現地林業者、また市町村関係者市町村議会の関係者府県関係者が、各地で、一番具体的な問題の要望の重点の一つとして私どもにいろいろと陳情をされました。私どもも、その実態から、二十年生、三十年生が実際に雪起こしをされている、労働者がいなくて、また交通が不便なので雪起こしをしていないところでも、雪起こしをすることによってその被害を少なく食いとめることができるというような状態をつぶさに見てまいりました。その意味で、どうか農林省、林野庁におきましては、この問題について、その雪起こしについて、従来の例にとらわれずに、二十年でも三十年でもそういう問題について融資の対象になるようにぜひお取り計らいを願いたいと思いますが、それについて当局の御答弁をお願いいたしたいと思います。
  22. 尾中悟

    ○尾中説明員 ただいまの公庫資金の融資につきまして樹齢制限の問題でございますが、従来、原則といたしまして五年生未満ということで運用をいたしておるわけでございます。しかし、今回の被害の実態を見てまいりますと、御指摘のように、相当樹齢の高いものにつきましてもその必要性があるんじゃないかということをわれわれも十分認識しておりまして、今回の措置につきましては、五年未満という制限にかかわらず、実態に即しまして、十分実情に即するように円滑に公庫資金の融資ができるように善処してまいりたい、こういうように考えております。
  23. 八木一男

    八木(一)委員 ただいま前向きの御答弁をいただきまして、現地の方が非常に喜ばれると思います。  ただ、もう一回確認をしておきたいと思いますが、雪起こしをした分、また、することによってその木を助けられる分については、五年にとらわれぬとおっしゃいましたが、それが二十年であっても、二十五年であっても、たとえ三十二、三年であっても、そういうケースについては融資をするというような御趣旨だと理解をいたしたいと思いますが、それについてもう一回はっきりとひとつお答えをいただきたいと思います。
  24. 尾中悟

    ○尾中説明員 いま申し上げましたように、実情がやはり個々のケース・バイ・ケースでいろいろ違うわけでございます。したがって、実際に雪起こしをやりまして今後十分に生育していくというようなものにつきましては、いま申し上げましたように、実態に即しまして運用をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  25. 八木一男

    八木(一)委員 もう一回はっきりと申し上げますと、そういう実際に即して雪起こしをやった、その必要があるものというものであれば、極端に言えば、三十二年のものでもその対象として融資をされるということであろうと思いますが、それについて明確に前向きの御答弁をいただきたいと思いますし、また、この実際の認定については、十分にその関係者の意見を尊重して、その意見に従って御認定になるということにしていただく御意思であろうと思いますが、それについてひとつ御答弁をいただきたい。
  26. 尾中悟

    ○尾中説明員 いろいろ申し上げましたように、樹齢ということにあまり——何と申しますか、何年まではどうだこうだということではなくて、実態に即しまして必要性のあるものについては十分考慮してやってまいりたいと思っております。
  27. 八木一男

    八木(一)委員 前向きの御答弁で非常に満足をいたしますが、私の質問申し上げたことに違うことばでおっしゃいましたので、理解が違っているといけませんので、私が一番最後に申し上げたことと同じ意味で御答弁になっていると理解したいと思いますが、それについてお聞きしたい。
  28. 尾中悟

    ○尾中説明員 実態に応じまして、いろいろ樹齢の点は違うわけでございますので、それを十分考えまして、必要なものは必ず出すということでやってまいりたいと思っております。
  29. 八木一男

    八木(一)委員 どうも何回もしつこくなってあれですが、必要なものであれば、二十年でも、二十五年でも、三十年でも、たとえ三十三年でも、出していただけるということになるわけですね。それについてひとつ……。
  30. 尾中悟

    ○尾中説明員 さようなことになろうかと思っております。
  31. 八木一男

    八木(一)委員 その次に、自作農維持資金及び林業経営安定資金というものをすみやかに貸し付けていただいて、この財源を完全に確保していただく必要があろうと思うわけであります。その点について、政務次官なり、また関係の事務局の方なり、どちらでもけっこうですから、ひとつ御答弁願いたい。
  32. 尾中悟

    ○尾中説明員 自創資金なり林業経営維持資金につきましては、年度当初でもございますし、財源につきましては心配なく融資できるものと考えております。
  33. 八木一男

    八木(一)委員 その次に、農業近代化資金等の償還について、償還期限の延長とか、そういうものをぜひ実施していただく必要がある。それから条件の変更ということについて、希望に従ってどんどんできるようにしていただく必要があろうと思います。それについて農林省当局としてはどのように対処されるような御準備でありますか。
  34. 尾中悟

    ○尾中説明員 いままで貸し付けを受けております近代化資金等の償還につきましては、実情に応じまして貸し付け条件の変更を行なうということで、すでに、四月六日付でございますか、各地方農政局を通じまして、末端に、そういうふうな運用をしろということで通達済みでございます。今後の問題といたしまして、貸し付け条件の問題についても、十分実態に応じまして現地処理するようにということで現在指導中でございます。
  35. 八木一男

    八木(一)委員 この際、これに関連して、この中に入るわけでございますが、先ほどのビニールハウス等の農業施設でございます。共同施設はもちろん貸し付けの規定がございますが、個人のそのような農業施設についていままでは十分な規定がなかったように私伺って、非常に心配をしておったわけでございますが、今度の農業施設被害復旧について、個人の場合、それは十分な融資の対象になるように御準備をしていただいておると思いますけれども、それについてひとつ農林省当局から伺いたい。
  36. 尾中悟

    ○尾中説明員 従来、文面の上で必ずしも明確でなかったわけでございますが、例を申しますと、従来は温室というふうな表現をとっておりましたが、そういう表現でなくて、もっと広くそういう施設に対しまして貸し出しができるようにいま検討しておりますし、そういう方向で直ちにやるように努力をしているわけでございます。
  37. 八木一男

    八木(一)委員 そうしますと、個人のビニールハウス被害をこうむったという場合にも融資していただけることになろうかと思います。実は私、奈良県の田原本町というところで農業被害を——日程がありますから全部は見られませんでしたけれども、一部、一番交通の便利なところを見ました。不便なところにはもっとひどいところがあるわけでございますが、そこで、さっき言ったように、金属の柱があめのように曲がってつぶれて、中の花卉の種が全部だめになってしまった。施設被害が坪当たりで四千円、中のイリスという、花のあれですが、それが全部だめになった。作物の被害は坪当たり二千円、施設被害が坪当たり四千円。その施設はできたばかりで、少なくとも十年以上持つといわれたものが、一年目にぐしゃっとつぶれて、これはつくり直さなければならぬということで、農林省の指導方針に従って農業経営の方針を切りかえて一生懸命やっていた農業者が、ほんとうにどうしたらいいかというような状態であります。そういうことについて、どんどんとスムーズに適切に、そういう施設被害についても——作物の被害はもちろんでございますが、施設被害についてそういう対処ができるようにしていただく必要があろうと思うわけであります。いまそのような御準備ができておるようでございますが、この農業施設の個人施設について、そのような対処ができる、十分な融資ができるという方向を即刻とっていただきたいと思います。いま準備中だと伺っておりますが、いつからそれがはっきり融資ができるようになるか、お答え願いたいと思います。
  38. 尾中悟

    ○尾中説明員 二十日に実は政令の改正をやっておりますので、すぐ通達を流しまして実施したいと思っております。
  39. 八木一男

    八木(一)委員 それでは、ほかの同僚の委員の方がお待ちでございますから、あと一問だけで終わりにいたしたいと思います。  農林政務次官に、いま問題点のうちの限られた部分についてのみ御質問申し上げまして、御要望申し上げました。大体において非常に前向きの御答弁で、非常に力強く存じておるわけでございますが、どうか政務次官には、この災害被害は異常なものであって、政府が非常に一生懸命にやることによってこのような関係者生産意欲をなくさないようにしていただく必要があろうということから、これから同僚各位が御質問になる部分、それでまた御質問が時間の関係で十分にいかなくても、先ほど団長楯委員長から御報告になった詳細な報告書部分政府のほうで十分に——十分よりもさらに十二分に、この国会のいろいろな要望よりももっと政府のほうがやったというようなこと、そしてもっと迅速にやったというようなことをぜひやっていただきたいと思いまするし、先ほど一つだけまだ未定でございました激甚災の問題についても、ひとつ最大の御努力をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思うわけでございますが、総括的に、農林省として精力的にほんとうに取っ組んでいただく御決意をひとつ伺わしていただきたいと思います。
  40. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 八木委員から御要望のありました趣旨につきましては、農林省といたしましても、また政府といたしましても、全力をあげてすみやかにこれを実現いたしまして、一日も早く被害農家の方々あるいは林業家の方々が立ち上がっていただきますように希望いたしたい次第であります。
  41. 楯兼次郎

  42. 森義視

    ○森(義)委員 去る三月十六、七日の近畿地方の異常な雪害による被害状況につきましては、災害対策特別委員会から派遣されました調査団長の楯委員長から、先刻、詳しい現地の悲惨な状況について、さらには現地被災者の救済についての要望等について御報告がありました。また、ただいま同僚委員八木委員から、特に奈良県の実情視察した点についての概括的な被災状況の説明がございましたので、私は重複を避けまして、特に時間の制限がございますので、具体的な救済の内容についてお聞きしたいと思うわけです。  まず最初に、先ほど政務次官も言明されましたように、今月の末には天災融資法の発動がされる。天災融資法の発動によりましては、救済を受ける場合に、特別被害者にほとんどなるであろう、こういうことで三分五厘の資金の融資を受けられるわけですが、この点については府県が債務保証をいたしますので、案外、零細な被災者も融資を受けられると思います。ところが、公庫融資になりますと、なかなか零細な被災者は融資を受けにくいのが実情でございます。公庫の融資要綱によりますると、貸し付け対象になる森林を担保に抵当権を設定する、同時に、転貸の場合においては森林組合の理事が個人保証する、こういうふうになっております。そうなりますと、三十年という長期にわたる融資を受ける場合に、零細な林業家に対する森林組合理事の個人保証がなかなか得られないわけです。したがって、零細な森林家はこの融資を受けられない、こういう形になる場合が多いわけでございますが、そういう点について、特に今度の被災地は零細な林業家が多いわけでございますので、こういう方々がまんべんに融資が受けられるようなことについてお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
  43. 今村宣夫

    ○今村説明員 ただいま御質問にございましたように、公庫資金貸し付けますときには、原則として担保をいただく、それからあわせて理事の保証をいただくような取り扱いをいたしておるわけでございますが、担保につきましては、適正な担保を出していただくということは、金融というベースでものを考えますと、やむを得ないことではないかと思いますが、こういう災害の場合に理事の保証をしていただくということを原則的な取り扱いにいたすことは必ずしも適当ではないと考えられますので、こういう災害の場合におきましては、例外的措置として、理事の保証をとらないでも融資を行なうというふうな取り扱いの指導をいたしてまいりたい、かように考えております。
  44. 森義視

    ○森(義)委員 災害の場合でございますので、いま御説明のありましたように、そういう点について特別な配慮を願いたいと思うのですが、実は公庫融資要綱には、「一件当りの貸付金額が少額の場合には、抵当権の設定を要しない。」こういうことが書かれておるわけです。「一件当りの貸付金額が少額の場合」というのは、大体どのくらいの金額を考えておられますか。
  45. 今村宣夫

    ○今村説明員 必ずしも一律的な基準があるわけではございませんが、大体十万円以下の程度というふうに考えております。
  46. 森義視

    ○森(義)委員 先ほど申しましたように、零細森林家の被災が多いわけでございます。そういう被災者に十分に公庫融資が受けられるように、各面から格段の御配慮をお願いしておきたいと思います。  次に、造林補助の問題でございますけれども、これは森林資源の確保という点からも、また、被災地の急速な復旧というような点からも、造林の問題はたいへん重要でございますが、再造林補助について、現在のところは実情に合わないように私は思うのです。この計数は、私どもの手元の資料にもあるわけでございますが、拡大造林と再造林の場合とは、かなり補助の基準になるあれが違うわけです。その点について、今度特に現地では、先ほど委員長報告にもありましたとおりに、拡大造林補助方式を適用してほしいという声が非常に強いわけでございますが、今度の被災地の造林補助についてどういうふうな方式をお考えになっておられるか、これは次官のほうから御答弁をいただきたい。
  47. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 この前の委員会八木委員からお尋ねになったと思っておりましたが、やはりいままでどおりに再造林拡大造林は取り扱いを異にしておりまして、拡大造林のほうが有利であることは申すまでもないのでありますが、この前八木委員も、これは同率に取り扱ったらいいじゃないかという御質問でございました。やはり再造林は再造林として別の取り扱いをするというたてまえで今日までやってきておりますので、再造林はそれ自体として特別な森林に有利な態度をとりたい、ただ、拡大造林と全く同じような取り扱いをするということについては、事務当局としてはいま難色があるようであります。
  48. 森義視

    ○森(義)委員 この際、造林補助について、その積算の基礎になる人夫賃その他について根本的に検討し直してほしい、私はこういうように思うわけです。そこで、詳細についてお尋ねをいたしたいわけでございますが、造林補助の対象になる造林事業費の積算基礎である人夫賃、これは五百円という計算をされております。今日実情は、被災地の雪起こしは、私ども地元奈良県におきましては、大体千五百円、こういうことになっております。このような五百円の雪起こしの人夫賃、しかも苗木代にしましても、計数は四円八十銭、現地では大体六円二十銭から七円についております。植えつけ本数も、特に政府の積算基礎になる基準は、一ヘクタール当たり三千三百本。ところが、今度の被災地、特に奈良県は密植地帯でございますので、大体九千本から一万二千本植えておる。こういうところの積算基礎ではじかれた補助単価は全く実情に合わないと私は思うわけです。そういう点について、この際、特に人夫賃五百円というような計数をもう少し引き上げて、実情に合うような補助をやってもらわないと、なかなか災害地のあと地造林は進行しないと思うわけでございますが、その点について何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
  49. 福森友久

    ○福森説明員 お説のとおり、造林の予算単価と実勢単価につきましては若干相違がございまして、従来ともこの差を是正するように努力いたしておるのでございますが、今後とも極力努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
  50. 森義視

    ○森(義)委員 そういう努力をしていただくことはもちろん大切でございますけれども、実際にこういう問題は、何回となく災害のたびに要望されておる事項だと思うわけです。そのつどいまのような答弁をしておられるのじゃないかと思う。  私ども奈良県地域におきましては、大体一ヘクタール当たりの再造林費が十二万から十五万かかる。ところが、この再造林補助補助基準を見ますと、大体再造林に対しては二万七千が基準になる。それから拡大造林の場合は六万七千。実際の再造林の場合の約五分の一なんですね。それに対して国庫補助が十分の三、県費が十分の一。こうなりますと、一ヘクタール当たりの補助は、再造林の場合においては一万八百円、それから拡大造林の場合においては二万六千八百円、全く実情に合わないわけです。こういうことでは、災害を受けた現地森林家の再造林をする意欲が非常に減殺すると思うわけです。そういう点について前向きの姿勢で努力をしたい、こういう御答弁では、実際にわれわれが期待しておるような形にはなかなかならないと思うわけです。さらにその点について、特に今度の場合におきましては、密植地帯におけるあと地片づけがたいへんなんです。それから和歌山のような火災地帯においては、林力の減退防止のための整備とか、あるいは雪起こしだとか、いろいろな経費がかかるわけです。いわゆる拡大造林と同じような経費がかかるわけです。そういう問題について、先ほどの次官の答弁では、拡大造林適用はなかなかできない、しかし、それができないけれども、いままでの再造林費を若干上回った額を考えよう、こういう程度の御答弁でございますけれども、それもあわせて御検討願いたいと思うわけです。過去の例で、再造林の場合、標準単価にかける査定係数が六五%のものを一〇〇に引ぎ上げた例があるわけです。これは東北地方の例だったと思うわけです。北陸ですか、そういう例があったと思う。そういうことを今度も考えておられるのが大体次官の答弁じゃないかと思う。しかし、六五%の査定係数を一〇〇に上げたのは、常時積雪地帯で、そういうことを考慮している地域でございます。今度の場合においては、そういう積雪を全然考えていない、文字どおりの天災地域でございます。こういう地域における今度の再造林、しかも密植地域にはよけいに造林費がかかる。そういう地域における造林計画は、私は拡大造林を上回っていいじゃないかと思う。こういう考え方をしておるのですが、先ほどの次官の答弁では、拡大造林補助率までいかない、こういうふうな御答弁であったと思う。特にその点について格段の配慮を願うため、さらにお考えをお聞かせ願いたい。
  51. 福森友久

    ○福森説明員 再造林といたしまして、特殊な有利な条件を今回のような災害につきましては採用いたしたいと考えておりまして、関係方面と目下折衝中ではございますが、しかし、特に奈良大阪、今回の災害を受けた地方等は、造林の経費も他の地方に比較いたしまして非常にかかりますので、特殊な個所につきまして、実勢を勘案いたしまして、基準よりも若干高い経費を計上して処置いたしたい、このように考えております。
  52. 森義視

    ○森(義)委員 ここでは、その問題をさらに討議をしておりますと長くかかりますので、次に進みたいと思いますが、公庫融資によりますと事業費の大体八割を貸し付けるわけですね。造林の場合に補助を受けた場合、その補助金額を除いての八割なのか、補助金額を含んでの八割なのか、どちらなのか、御答弁を願いたい。
  53. 福森友久

    ○福森説明員 補助金を除きましての補助残につきましての八〇%でございます。
  54. 森義視

    ○森(義)委員 そこで、補助を受けた場合におけるあとの自己資金の融資の問題でございますが、補助を受けた場合においては金利が六分五厘、補助を受けなかった場合においては四分五厘ですね。この場合、補助を受けなかったときの金利で考えるということはできませんか。
  55. 福森友久

    ○福森説明員 現在ではその点までは考慮いたしておりません。
  56. 森義視

    ○森(義)委員 それでは、平素積雪を予想しない、ほんとうに天災といわれる異常災害に対して、特別な造林に対する配慮を考えておられないように思うわけです。いまの御答弁ですと、従来の積雪予想地帯における災害に対する適用基準よりも若干上回って考えておられる、大体その程度のことは考えよう、こういうようなお考えだと思うのです。これはほんとに数時間にわたって降った雪ですね。しかもわずか三時間の間です。鉄道が通れぬような異常な災害、しかも平素から積雪雪害を予想しない特殊地帯、文字どおり天災といわれる地域における再造林に対する補助としては特別な配慮を考えておられないように思うわけですが、特に文字どおりの天災であるこういう地域における再造林の問題については、従来の雪害地域における再造林を上回ったことを考えてもらいたい。このことをぜひ要望しておきたいと思います。  次に、森林国営保険の問題についてお尋ねしたいのでございますが、去る三十六年に気象災を含んで森林国営保険制度が拡大された、これはまことにけっこうなことだと思うのでございますが、今回の被災地の森林国営保険に入っておる面積は非常に少ないわけです。契約面積は被災地で大体何%くらいあるのか、調査の結果わかっておればお聞きしたいと思うのであります。  それから、なぜ森林国営保険にこのように加入者が少ないのか、原因がどこにあるとお考えになっておられるのか、このこともあわせてお尋ねしたいと思います。
  57. 福森友久

    ○福森説明員 現在被災地の森林保険に加入している面積について、現在手持ちがございませんので、後ほど調査をいたしましてお知らせ申し上げたいと存じます。  ただ、加入の非常に少ないのは、比較的危険性の多い幼齢造林地の加入につきましては非常に高度な加入率がございます。しかし、従来被害の少なかった高齢のものにつきましては、現在のところ加入率は非常に低い状態になっているのでございます。
  58. 森義視

    ○森(義)委員 なぜ森林国営保険に加入が少ないのか、それをどういうふうにお考えになっているのか、それをお尋ねしているわけです。
  59. 福森友久

    ○福森説明員 当初、火災保険のみの時代におきましては、幼齢造林地におきまして加入率が非常に高かったのでございますが、気象災を含みました現在におきまして、十分国のPRも行き届いていないという面もあろうか、こう考えますので、今後はPRを十分徹底いたしまして加入の促進をはかりたいというように考えております。
  60. 森義視

    ○森(義)委員 現地被災者に、なぜ国営森林保険に入らないのか、こういうふうに聞きますと、保険料が非常に高い、手続が非常に複雑だ、そしてそのわりに、災害を受けた場合の損害のてん補が少ない、したがって、入ってもたいした効果はない、こういうように言っているわけなんです。このことは、農業や漁業に比較いたしまして森林災害というのは少ない、そのために、かけてもかけ捨てになる、こういう心理的な問題もあろうかと思うわけでございますが、私は、根本的には、国営保険であるにかかわらず、国庫の補助が全然ない、したがって、自分たちの保険金によって保険をまかなっておる。これは営利本位の民営保険と何ら変わるところがない、国の保険としての妙味が全然得られない、そういうところに、森林保険がかなり宣伝されておりながら、加入しない原因があると思うわけです。そういうようにお考えになりませんか。
  61. 福森友久

    ○福森説明員 掛け金率が高いという点につきましては、国といたしましても、この点十分検討いたしまして、今後それらの引き下げに極力改善をはかるべく検討をいたしたい、こう考えております。また、事務の煩瑣の点につきましても、極力これを簡素化するような努力をいたしたい、こう考えております。
  62. 森義視

    ○森(義)委員 三十六年に気象災を含んで現在の国営森林保険法が改正になりました当時、私は当時の会議録を見てみますと、従来は火災保険だけであった、今度は気象災を含んだ、この成り行きによって、当時の次官が、これは国の保険である以上は、事務費なり運営費なりについては国庫が負担をする、あるいは掛け金についてもできるだけ安くするようにしたい、こういうことを言明しておられるわけです。ところが、いまお聞きしますと、その後三年を経過しておるわけですが、その指導によりまして、この国営保険が十分妙味を発揮するための事務費、事業費を国庫が負担する、こういうことができる段階にきているんじゃないか、あるいは掛け金を下げる、こういうこともこの際ぜひ考えていいのじゃないか、こういうように思うわけです。農業、漁業の場合のように、農業、漁業共済制度のようには直ちにいきにくい点もあろうかと思います。しかし、同じ農林省の行政下にある農業、漁業災害とこの森林災害とはあまりにも差別がひど過ぎるのじゃないか、農業、漁業災害の場合においては、これは全く共済制度でずいぶんと手厚い保護を受けられておるわけでありますが、森林の場合においては、国営保険とうたいながら、国が全然事務費も見ておらない、掛け金についても全然負担をしておらない、こういうところに、冒頭に申し上げましたように、いわゆる国営保険としての妙味がない、こういうことが、現地森林家の方がこの保険に加入しない最大の原因になっているのじゃないか、私はこう思うわけです。したがって、この際根本的にこの国営森林保険について考え直していただきたい、こういうふうに思うわけです。特に最近の傾向を見てみますと、保険金額と事業費が五対五になっております。この事業費、事務費を国庫で負担されるとなれば、掛け金が半分になる。しかもその掛け金の一部を国が補助することになれば、四分の一くらいの掛け金になる。こういうようになりますと、かなり保険としての妙味が出てくる。これは公共的な立場から、ぜひとも日本の森林資源を保護し、しかも災害を受けた者がそれを直ちに復旧し、そして経営意欲を燃え上がらす、このことは、国の経済的な見地からいっても、公共的な見地からいっても、たいへん大切なことだと思うわけです。農業、漁業のように、災害を受ければあすから生活に困るという状態ではありません。確かに森林は財産的な意義を多く持っておるものであります。したがって、そのとおりにいかないといたしましても、これは公共的な見地あるいは国家全体の経済の問題から考えまして、森林災害に対して、早急にそのあと地復旧をやる、さらに経営意欲を燃え上がらすためにぜひこの森林保険に全部加入できるような方法、そのために、森林国営保険の妙味を発揮できるような、事業費を国庫で負担する、あるいは掛け金を一部補助する、こういう形のものをこの機会に考えていただきたいと思うわけです。その点についてそういう考え方があるかどうか、お尋ねしたいと思う。
  63. 福森友久

    ○福森説明員 この点につきましては、従来、火災保険のみの時代におきまして相当経営も良好な状態でございました。民間にも同様な森林火災保険がございます。そういった関連もありまして、国営としてやる意義の問題はございます。完全にペイするものにつきまして民営に移管してはという意見もありましたが、当時、世界でも初めて気象災害を加えることによって、新種の保険を加えることによりまして国営として経営するという形でまいったのでございます。その結果、昭和三十六年度におきましては、支払い保険が約八千三百万円、三十七年度におきましては一億四千三百万円、三十八年度では二億八千九百万円、また三十九年度におきましては約一億六千万円程度の支払い保険金が予定されておるのでございますが、収支関係を見ますと、三十六年度では約七千万円の利益があがっております。三十七年度では三千九百万円の利益、三十八年度では約九千八百万円の赤字になりました。また三十九年度では、現在見込みではございますが、約四千三百万円の黒字の予定でございます。このように、非常に新しい保険で、世界にも類のない保険でございます。現在のところ、民営に移すという先ほどのお話につきましては、まだその時期ではなかろうと考えております。また、掛け金につきましても検討はいたしておるのでございますが、気象災害が始まりましてまだ歴史も浅いのでございまして、われわれといたしましては、でき得る限り料率を下げたいと思いますが、それに至る十分なる資料が得られないという現状でございますので、将来とも引き下げる方向にわれわれといたしましても検討いたしたい、こういうふうに考えております。
  64. 森義視

    ○森(義)委員 ちょっと答弁と質問とが食い違っておる。私は民営に移せと言っておるのではない。国営保険の妙味を発揮するために国庫負担をしろと言っておるわけです。いまのように掛け金だけで保険全体がまかなわれておるなら、民営と何ら変わるところはないわけです。少なくとも国がやる保険と、営利本位の民営の保険と何ら変わらない、妙味がない、こういうことでは困るじゃないか、こういうように言っておるわけです。もちろん、いまおっしゃられましたように、民営保険のほうは火災しかやっておりません。気象災をやったことは大きな進歩だと思うわけです。しかし、それにしましても、掛け金で全部まかなっておるわけですね。そういうことでは国営保険の妙味がないと思うわけです。しかも、この国営保険に対して国が補助金を出すということになれば、いまやっている民営の保険を圧迫する、こういうような考え方もあるやに聞いておりますけれども、民営保険は火災保険だけですね。この国営保険は気象災を含んでいるわけです。しかも、今日の災害実情は、気象災がうんとふえているわけです。こういう実情から見まして、むしろ民営保険よりも国営保険一本でやっていく、こういう方向のほうが、いまの趨勢から考えますと、正しいのじゃないか。したがって、国営を民営に移すのじゃなくて、むしろ民営を国営一木にしてしまう、そういう考え方に立って、同じ農林省の管轄下にある漁民や農民の被害森林被害とにあまり大きな格差ができないような行政的配慮は考えられないだろうか、こういうふうに言っておるわけです。だから、そういういまの御答弁は、私が質問しておる内容とは逆な御答弁になると思うのでございますが、この際ぜひともそういう点について根本的に考え直す意思があるかないか、もう一回お尋ねしたい。
  65. 福森友久

    ○福森説明員 民営を国営に移すというふうなことまでは現在考えておりません。  なお、一般会計からの導入によりまして掛け金率の引き下げをやって零細者が加入しやすいようにするということにつきましては、先ほどお話の中にもありました民営保険との関連もございますし、また制度の性格等の点もございまして、この点は多くの問題がございますので、なおその点につきまして十分内部において検討さしていただきたいと思います。
  66. 森義視

    ○森(義)委員 この点につきましては、いずれまた私は農水でさらに詳しく御質問申し上げたいと思いますので、一応いまの御意見だけを承っておきたいと思います。  次に、去る四月一日の委員会でも御質問がありましたけれども現地山林労働者の問題でございます。今度の被災によりまして地域的にやはり失業者が生まれてくる、こういう問題について失業保険の取り扱いについて、これは昨年成立いたしました林業基本法でも、現地の労働者の問題について根本的に考え直さなければならないということを柱にしておるわけでございますが、その点について現状を申し上げて、全体の取り扱いについて格段の配慮と指導を願いたいと思うわけです。  実は私は奈良県でございますが、奈良県におきましては、日雇い失業保険法の特例適用をほとんど受けております。ところが、全国的に失業保険の問題については、住民と直接接触をしておる市町村はかなり前向きの姿勢で考えておりますけれども、県段階の指導が非常に弱いためにほとんどこれを適用されておらない、こういうふうに承っておりますが、その点についてどういうふうにお考えなのか、労働省保険課長にお伺いしたいと思います。
  67. 道正邦彦

    ○道正説明員 農林水産業等、季節的あるいは瞬間的に失業を繰り返す事業に対します失業保険の適用に関しまして、保険の立場から問題があることは、御承知のとおりでございまして、そういう基本的な問題については目下検討をいたしておりますが、ただいま御指摘の日雇い失業者に対しまする特例適用の点につきまして、御指摘のように各県間に適用状況にアンバランスが出ておることは、そのとおりでございます。奈良県につきましては非常に適用が普及いたしておりますが、ほかの県につきましては必ずしも進んでおりません。その理由といたしましては、失業というのは、申すまでもなく雇用関係の終了でございますので、使用者あるいは労働者というのが確定されないと始まらないわけでございます。この点が、林業労働者につきましては、雇用関係の特殊な事情から非常に複雑でございまして、県によりましては使用者のほうが確定できないという点がございます。この点は、たとえば労働災害保険等の場合でございますると、元請一本で適用が可能でございますから、比較的問題がないわけでございますが、失業保険のほうはやはり具体的な個別雇用関係というものを確定する必要がございます。この点につきまして、関係の県におきましては、関係労働者の皆さんといろいろの機会に御懇談を申し上げていろいろ御相談もいたしておるわけでございますが、なかなか確定しにくいのが実情でございます。しかしながら、そういう点につきまして、関係労働者の保護の観点から、なお一段と都道府県を督励いたしまして、可能な限り適用が受けられるように指導を加えてまいりたいと思います。
  68. 森義視

    ○森(義)委員 それから失業保険の場合に、四百八十円未満の場合は二百四十円、それ以上は三百三十円という額になっておりますね。これは先ほど造林費の人夫賃五百円、これは考え方が全く実情に合っていないわけです。政府は一貫して、山林労務者の問題については五百円ぐらいの日当でいろいろな積算の基礎においているわけです。これは先ほどの農林労働の人夫賃と同じように、四百八十円未満の場合は二百四十円、それ以上は三百三十円、こういう金額では全く実情に合わないと思うわけですね。しかも、現地の失業者が安短所の窓口までもらいに行かなければいかぬ。こういうささいな金額では、途中の旅費に要ってしまうわけですね。これをもう少し実情に合った金額に上げる、こういうことについて格段の配慮をしていただかなければ、実際問題としては、そんなわずかな保険金を車賃を払って一日を費してもらいに行っていられるかということも、保険に加入しない大きな原因になっていはしないか、私はそう思うわけです。だから、実情に合った保険金が受領できるような、そういうことを考えてもらいたい。特に山林の場合におきましては、冬季の雪の時節はどうしても失業するわけです。雨が降っても失業する。こういうことがはっきりしているわけです。したがって、この失業保険がほんとうに価値ある失業保険になれば、当然みな加入すると思うわけです。ところが、現状があまりにも零細であり、保険金受領に非常に遠隔地まで行かなければならない、そういうことから入らない。したがって、そこを根本的に考えなければ、失業保険の徹底というものはできないと思うわけです。その点についてどうお考えになっておりますか。
  69. 道正邦彦

    ○道正説明員 日雇い失業保険の給付額に二段階あることは御承知のとおりでございます。その額が必ずしも高くないということも御指摘のとおりかと思いますが、これはそれぞれ五百五十円の賃金に対しまする三百三十円、四百円に対しまする二百四十円ということでございまして、賃金と見合ってきめておるわけでございます。この点、現在のところ、一級、二級の受給者の割合は、おおむね半々、相半ばいたしておりますが、傾向といたしましては、日雇い労働灘の賃金も上昇傾向にございます。したがいまして、今後私どもといたしましては、もちろん、そういう賃金の上昇傾向と均衡のとれた保険金日額をきめる必要があるわけでございますので、十分検討をいたしてまいりたいと思います。  なお、毎日このぐらいの低い保険金をもらいに安定所に行けるか、こういうお話でございますが、日雇い失業保険の特例につきましては、給付につきましても特例規定がございまして、遠隔の地で安定所まで来るために非常に交通費用を要するという場合には、認定回数を減らす、つまり、毎日来るというようなことでなくて、一週間に一ぺんあるいはそれ以上の場合も法令上認められております。そういう点につきましては、関係者は知っておると思いますけれども、なおPR等が不足しておれば、そういう点については、明らかに制度についての誤解と申しますか、認識が徹底していないわけでございますから、そういう点につきましてはなおPRに万全を期して、そういう制度を知らないための保険の適用漏れということは防ぐように、ただいま御指摘がございましたので、府県等に指示をいたしたいと考えております。
  70. 森義視

    ○森(義)委員 山林労働者の都市流出というのが、いま日本の林業問題の非常に重要な問題点になっておるわけです。日本の林業が経済的な機能を発揮するためには、生産基盤を拡充しても、整備しても、それに稼働する労働力が都市へ流出していくならば、これはとうてい日本の林業経営は成り立たないわけであります。そういう点において、山林労働者についての、全体の社会保険の問題について都市労働者との格差をなくするために、農林省はもちろん、労働省も全力をあげて取り組んでいただかなければ、せっかく生産基盤に対して力を入れても、ほんとうに日本の林業が経済的な価値や意義を発揮するにはなかなか道遠いと感ずるわけです。この点について格段の配慮を願いたいと思います。  それから、時間がありませんので、最後に一つ、被災地の分収造林の問題でございますが、被災が大きくなりますと、特に山林土地所有者が、再度造林するということについては、いろいろ経費がかかって、意欲がなかなか進まない、そこで、分収造林の希望を申し出る、こういう場合が多々あると思うのです。そこで、公社や公団に分収造林を、この際、あと地の早急な再造林というたてまえから、促進する、これは日本の森林資源を確保するという見地からたいへん重要なことだと思うのですが、そういう点について特別な配慮を願いたいと思うのです。その点についての分収造林に対する造林融資の確保についても格段の努力をしていただきたいと思うわけでございますが、その点についてどういうふうにお考えになっておられるか、お尋ねしたいと思います。
  71. 福森友久

    ○福森説明員 被災地の造林につきまして、自己能力で造林できないものにつきましては、お説のとおり、分収造林促進することが最も妥当であろうかと考えております。したがいまして、国といたしましては、森林開発公団なりあるいは造林公社等によりまして極力それらの分収造林促進をいたしまして努力してまいりたい、こう考えております。
  72. 森義視

    ○森(義)委員 今度の被災地で、土地所有者にして分収造林の希望者が県に必ず登録されておりますか。
  73. 福森友久

    ○福森説明員 現在のところ登録されておりません。
  74. 森義視

    ○森(義)委員 そういうことならば、よけい公団あるいは公社の分収造林造林者と土地所有者との契約を進めるように当局から格段の配慮と御指導を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。  いろいろと細部にわたって質問したいことはありますが、時間の関係がございますのでこれで終わりまして、あとは農水の場合でさらに突っ込んだ細部にわたる質問をしたいと思います。  要は、現地の被災地の状態については、これは当局からも調査団について行かれましたので、実情はよくおわかりだと思います。天災融資法の発動にいたしましても、公庫の融資にいたしましても、問題はやはり早急に援助をしていただきたい。このことが非常に大切だと思うわけです。その点について、先ほど次官からも決意のほどをお聞かせ願いましたが、ぜひそれを事務当局でさらに促進していただくようにお願いしておきたいと思います。  それから、もう一つ忘れていましたが、現地森林国営保険に入っておるもので、幼齢林の場合においては雪起こしをすればもとに戻る、こういう場合にはてん補の対象にならない、こういうことについて陳情があったわけです。これは森林国営保険法の損害填補要領ですか、これによると、生立不能になったものがその保険目的になる、こういうふうに定義されているわけです。そうすると、これは生理的、経済的な問題で、枯れてしまうとか、あるいはそれが価値がなくなってしまうとか、こういう場合を生立不能といっているわけですが、幼齢林の場合においては、雪起こしをすればもとへ返るわけですね。そういう場合においてはこれはてん補の対象にならない。しかし、雪起こしをするのに現地で幼齢林で一本大体二十五円ぐらいかかるわけです。これは普通の状態だったらそういう費用は要らないわけですね。これはやはり一つの損害なんです。そういう問題に対して森林国営保険ではてん補の対象にしておらないけれども、これは今度はぜひとも雪起こし費用を森林国営保険で払えるような方法はできないものだろうか、こういう点についてお考えをお聞かせ願いたいと思う。
  75. 福森友久

    ○福森説明員 現在、生立不能、いわゆる枯損したものに限っててん補の対象といたしておりまして、成長阻害でありますとか、そういったものについてはてん補の対象にいたしておりません。それらにつきましては、別途の措置において国においてこれを助成するという形が妥当であるという見解に立っております。
  76. 森義視

    ○森(義)委員 別途の措置として考えておられるのは、雪起こしの公庫融資でしょう。私は保険のてん補を言っているわけです。だから、一本について大体二十五円ぐらい雪起こし費がかかるわけですね。これは実際問題として、保険に入っておりながら、そういう保険のてん補の対象にならないということになれば、これからのいろいろな災害の場合、幼齢林の場合において——もちろん、凍害とか、なだれとか、そういう場合においては幼齢林が一番被害が大きいものだから、これはてん補の対象になって、非常に保険に人っている価値が出るわけですけれども、こういう雪起こしで、ほんとに倒れているだけで、起こしたらいいという問題についても、やはりてん補の対象になるような配慮をぜひ考慮していただきたい。その場合においては雪起こし費用の半分でもこのてん補の対象にする、こういうことになれば、非常に保険に入っている意義があって、現地の保険に入っている人たちが、入ってよかった、こういうことになるのじゃないか。保険に入っても、あんなのあきまへんで、こういう話です。だから、保険はあきへんわ、こういう話になりますし、保険を徹底される意味においても、たとえばそういう場合においては半分を負担するとか、そういうことをぜひ考慮していただきたい、こういうことを重ねてお願いをしておきまして、質問を終わります。      ————◇—————
  77. 楯兼次郎

    楯委員長 この際、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同をもって、昭和四十年三月の豪雪び森林火災に関する件について本委員会において決議いたしたいとの動議が提出されております。
  78. 楯兼次郎

    楯委員長 提出者より趣旨の説明を求めます。小沢辰男君。
  79. 小沢辰男

    小沢(辰)委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党を代表いたしまして、昭和四十年三月の豪雪び森林火災に関する件についての決議案を提出いたしたいと思います。  すでに当委員会より委員長団長といたしました災害地の視察派遣団を派遣いたしまして、先ほど団長から詳細な御報告がございました。その報告書にもありますように、去る三月中旬の奈良県、和歌山県、大阪府、兵庫県及び岡山県等の各地に発生いたしました豪雪、あるいは和歌山県下串本地区ほか数カ所に落雷等によって発生した山林火災は、森林及び農作物等に対しまして百数十億円に達する損害を与え、被害農林漁業者の生活と経営に対しまして深刻な影響をもたらしているのでございます。  そこで、当委員会といたしましては、お手元に配付をいたしましたようなそれぞれの項目につきまして、政府にこの際救済の根本策について思い切った手段方法をとっていただくとともに、適切にして迅速な措置を講じていただきまして一日も早く被災者の救援をやっていただきますと同時に、わが国の重要な森林資源につきましての被害が中心でございますので、これの復旧について国家的見地からも大いに政府努力をお願いいたしたいと思うわけでございます。  すでに数回にわたりまして当委員会において各同僚委員から積極的な発言、要望あるいは質疑応答が重ねられてまいりました。また、すでに委員長報告にありましたように、早急にいろいろな対策実施していただきませんと、森林復旧は非常に長期を要する件でもございますので、政府はわれわれの決議の趣旨を十分体していただいて、これらの項目についての具体的な対策措置を迅速にとっていただきたいと思います。  決議案の内容につきまして朗読をいたしたいのでございますが、非常に時間もございませんし、すでに詳細にわたりましてプリントいたしまして各委員のお手花に配付済みでございますので、朗読は省略さしていただきますが、本件につきましては各党全員一致の要望でございます。したがいまして、この決議案を全員の御賛成をいただきまして本委員会の決議としていただき、その当委員会の決議に基づきまして政府が早速適切な措置を講じていただきますことを、被災地各県の当局者はもちろんでございますが、被害農林漁業者一同にかわりまして強く要望いたしまして、私の提案の趣旨弁明といたします。(拍手)
  80. 楯兼次郎

    楯委員長 他に御発言はないようでありますので、直ちに採決いたします。  お手元に配付の案文のとおり本委員会の決議とするに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 楯兼次郎

    楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  この際、ただいまの決議につきまして舘林農林政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。舘林農林政務次官
  82. 舘林三喜男

    ○舘林(三)政府委員 昭和四十年三月の豪雪び森林火災に関する、ただいま全会一致で御可決いただきました御決議の趣旨に対しましては、政府はもちろん、農林省といたしましても、十分に御決議の趣旨を体しまして、迅速かつ適切に御期待に沿いたいと思います。どうぞ今後ともよろしく御指導を願います。
  83. 楯兼次郎

    楯委員長 おはかりいたします。  ただいまの決議を関係政府当局に送付いたしますが、その手続等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 楯兼次郎

    楯委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ————◇—————   〔委員長退席小沢(辰)委員長代理着席
  85. 小沢辰男

    小沢(辰)委員長代理 この際、木曾川の災害復旧状況その他について質疑の申し出がありますので、これを許します。楯兼次郎君。
  86. 楯兼次郎

    楯委員 いま委員長が申されましたように、国立療養所の問題、それから木曾川の問題について、厚生省並びに建設省に簡単に御質問をいたしたいと思います。  最初に、厚生省からひとつ御質問いたしたいと思います。  最近、国立療養所の話を聞きますると、火災が非常に多い。最近におきまして宮城、岡山等で火災があった。この間は、岐阜の恵那市にありまする療養所が、あっという間に燃えてしまっておるわけです。私は現地もよく知っておりますが、まあ火がついたらこれはもう一時間足らずで全焼になるであろう、結果ではありますが、いま思い出しますると、こういう感じがしておったわけであります。  岐阜療養所の場合を例にとりますると、防火施設が悪いというので、再三消防署から防火施設に対しまする勧告を受けておるようであります。それから、療養所の担当者に聞きますると、応急防災措置の予算要求をしても、なかなか厚生省は——これはわれわれにはざっくばらんに言うのでありますが、くれない、こういうことを聞いておるわけであります。まあ総括論的に言うと、国立療養所というのは、戦争前のバラックで、少し乾燥すれば、火がつけば、あっという間に燃えてしまう、しかも中におるのは、身動きもできないような重病患者ばかりである、看護婦は足りない、全く悪条件がそろっておるような感じがするわけでありますが、こういう点、どうお考えになりますか。
  87. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 国立療養所の建物は大部分が木造でございまして、楯先生からお話がございましたように、戦後につくりましたものも一部ございますが、戦争中に急造したものが中にかなりございまして、老朽化しておるというふうな状態は、お話のとおりでございます。われわれも、できるだけこれを近代的な建物につくりかえていくというふうにして、いま努力をしておるわけでありますが、病院側に比べまして療養所のほうが整備がだいぶおくれてきておる、こういうような点で、さらに一そう努力をしていかなければならないものだと思っております。  お話しの、そういうふうな木造の老朽した建物で患者さんを預かっておるのでございますから、その施設に働いております院長はじめ職員の方々にいろいろまことに御心配を願い、また御努力を願っておるわけです。防火施設につきましては、三十二、三年ごろからこの対策を力を入れて始めておりまして、消火器等の設置、また避難階段というふうなものはかなり整備ができておるように私は考えておるものでありますが、いまお話しの、岐阜療養所からの要求があまりいれられてないというお話は、帰りまして十分取り調べてみたいと思います。  あそこの建物につきまして私が報告を受けておりますところでは、消防庁のほうでも、建物は木造だが、消火器とか防火用水というようなものの設備等もかなり整備をしておったというふうに認めてもらっておるということも私は報告を受けておるのでございます。ちなみに申し上げますと、焼けました建物におきましても、第五病棟の屋外の東寄りに十平方メートルぐらいの防火水槽が設けてございます。中央に消火せんもある。それから一階、二階おのおのに泡沫によります消火器が二単位ずつ備えてあり、またダウ・ケミカル五単位のものが二本、その上にドラムカンの水槽が二百リットルぐらい入るものが二本、こういうふうに一階、二階ともに置いてある。またさらに、電気関係の配線等につきましても、定期的に抵抗試験等によりまして、危険がないかというようなことも調べておる、また避難階段も両側についておる、こういうようなことで、消火関係の設備は、不十分かもしれませんが、一応整って実施しておった、また、それに対しましてのいろいろ訓練も定期的にやっておった、こういうふうに私は報告を受けておるのでございますが、あるいはこれが先生のお調べでだいぶ報告が甘いということでございますれば、さらに調べてみたいと思います。
  88. 楯兼次郎

    楯委員 いま局長からの答弁は、あなたのほうはそう答弁せざるを得ないと思うのですが、実情は全く答弁と反対です。たとえば、訓練をやっておるとおっしゃいますが、実際患者等に聞きますると、そういうものはやったことはない。それから、たとえばあなたは消火栓が備わっておるとおっしゃいますが、建物にくっついていますから、あっという間に焼けるので、消防に行ったって、熱くて消火栓をひねりに寄れぬというのが、これは全国そうだと思うのですが、実情なんです。水等は、たしか七、八年前に私も記憶がありますが、なかなか費用が要るので、飲料水といいますか、用水が足らぬ、そのポンプをつくるのにだいぶ金が要る、厚生省はその必要な日常の用水の吸い上げのポンプすら渋っておって、私もたしか、早くつくってもらわなければ、東京都じゃありませんが、飲み水がなくなってしまうということで陳情したことがあります。そういう状態ですから、あなたとここで押し問答をしてもしかたがありませんが、あなた方の系統から報告を受けておられるのと現状はまさに雲泥の相違である。特に火については、これはもう話にならぬほど無防備であり、弱い、こういうことが総括的に言えるのじゃないかと思いますので、この点は、全国の療養所の防火施設については今後格段の御配慮をいただきたい、こう要望を申し上げておきます。  それから看護体制が非常に不備だという点が指摘できるのではないかと思います。岐阜療養所の場合を例に申し上げますと、被災病棟は三棟あったのです。大体三つ被災を受けたわけですが、その中に収容されておった患者は百十八名。その三棟に対して三名の看護婦が配置をされておる。そこで、カリエスで動けない患者がその三棟のうちに二十名おるわけですね。はっきりとカリエスで動けないという患者が二十名おる。その他重病患者が多数いた。カリエスで動けない二十名をどうして三名の看護婦が手ぎわよく出せるか。こういう点を考えますと、予算等の関係もあるでしょうけれども、あまりにも看護婦が足らぬといいますか、これは医者も足らぬのでしょうけれども、看護体制というものがなっておらぬ、こういうことが言えるのじゃないかと思うのです。この点はいまここで過去のことをくどくど言ってもしかたがありません。予算等の関係もあるでしょうけれども、佐藤内閣になりましてから人命尊重を表看板にしておりますが、この一つの例を見ても、いまの政府の方針がだいぶ手落ちになっておるのじゃないか、この一点を追及されても言いわけはできないというふうに私は考えますので、ひとつ腹をきめて、看護体制の完備をしていただきたい、こう思います。  そこで、地元で聞きますると、焼けたを幸いに——これは言い方が悪いかもしれませんが、焼けたを幸いに廃止統合、いろいろな議論があるので、縮小してしまおう、こういう考えが厚生省に強い、こういうことを聞いております。しかし、地元の市はもちろんでありますが、その関係地方の町村においては特に私のところもよく言ってくるのでありますが、いま設備が悪い点その他で入院患者が少ないのであるけれども、もっと建物をよくし、設備をよくしてもらえば、入院患者もふえるし、特にこの機会に廃止をする、統合をするというようなことは困る、こういう強い陳情があるわけです。医務局長さんも陳情団に会われたかどうか知りませんが、再三連中が来ておるのですが、どうも医務局長さんには行き違いになって少しも会えぬというので、私がかわって陳情団を代表してここで質疑応答をやるわけですが、将来の計画はどうなっていますか。
  89. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 まず、看護関係の問題でありますが、この岐阜療養所は、定床六百としておりますのに、結核患者が全国的に減っております関係から、当時三百八十六名入院しておりまして、お話しの第五病棟、これは一階、二階ございますが、及び第七病棟には、九十八名入院しておったのであります。そこにおきます看護力につきましては、平日におきましては十四名、一日三交代でやっております。助手四名、保清婦一名、合計十九名の看護力が、その病棟に九十八名の患者さんをお世話いたしますためにおるわけでございますが、これが火災の当日は、三交代という問題もございますし、減っておりますが、そのときに病棟で看護婦が三名と助手、保清婦が二名、合計五名がおったというような状態になっております。特に日曜と普通の日と区別をして、あまり日曜に看護力を落としてはいかぬということを平生から言っておるのでございますが、この日は日曜というので看護力が少し手薄になったようなきらいがございますが、三名というのは三交代で、助手、保清婦二名、合計五名ということでございます。この看護の関係につきましては、ほかの結核の国立療養所と比べまして、そう看護力が悪いというふうな状態ではないと思っております。この病院でも、定員が八十四名のところに七十八名入って、充足率は九三、四くらいの充足をしておる状態でございます。しかし、お話しのように、看護関係はできるだけ多いほうがいいし、また、特にこういうような犠牲者を出したりいたしました点、われわれといたしましても、いろいろ反省を要する点があると思って、いろいろ検討しておるところでございます。  それから病院を廃止するとか統合するという問題でございますが、この病院につきましては、いま特にこの火事があったからといってすぐどうしようという考え方は持っていないのであります。国立療養所全体につきまして、将来の結核の動向にかんがみまして、結核の追撃戦、掃討戦をやるのに、やはりその基地としての国立療養所をどう体制を整えていくかという立場でいろいろ検討はしておりますが、岐阜療養所を、今度火事があったからという意味で、それとひっかけてどうこうという気持ちは持っておりません。現地の恵那市及びその周辺地区の結核の動向というようなものを考え、またその他の医療機関の状態も考えまして、現地の方の御意見もいろいろ承りまして、われわれとしてはこの整備等を考えていきたいと思っております。  なお、面会の問題でございますが、職員の方、患者さんがおいでになりまして、私お目にかかると申し上げておったのでありますが、この点、ほかの方が少しなだれ込んでこられたので、ちょっと行き違いが起こったという状態でございます。
  90. 楯兼次郎

    楯委員 局長さんの答弁は、看護体制について定員のことを言っておられるのかどうか知りませんが、とにかく、火災の当時は看護婦さんは三名しかおらなかったということは現実なんです。数字の上では何名おったか知りませんけれども、現実に実動稼働は看護婦さん三名、その他どういう人か知らぬが二名、プラス五名おったということで、九十八名のうち二十名も動けない患者の入っておった処置にしてはちょっと不手ぎわだと私は思います。今後どうするかという問題については、むずかしいとは思いますが、そういう地域の熱情もありますので、病院らしい設備といいますか装置にしていただくように、私からお願いをしておきたいと思います。  それから、これはなかなかむずかしい問題でありますが、被災患者に対する援護措置であります。われわれ社会党は、災害は個人を対象にせよということを言いまして、国会のつど——最近ではちょっと出しておりませんが、罹災者に対する個人援護という法案を提出しておったのですが、まだその機に達しないようでありますが、しかし、この療養所の被災者は非常に気の毒です。年をとって重病の方が二人死んでおられますね。いまの看護体制か、設備が整っておらぬか、どういう原因か知りませんが、とにかく二人が焼け死んでおる。それから被災した九十六名の人はみな着のみ着のままといいますか、普通の着物じゃない、まあ寝巻きくらいだろうと思うんですが、それであとは全部ゼロになっておるわけです。これに対して援護措置というものは全然ないわけなんです。ほんとうにこれは文字どおり素っ裸になっておる人たちに対して、何にも援護措置がとられておらぬように私は考えられるわけです。療養所の職員の話を聞きますと、しかたがないので、給料の五%をみんなが拠出をして、日用品を被災者に対して、さしあたってまあ石けんとか歯ブラシ等だと思うんですが、二、三十万円つくって救済をしておる程度だ、こういう状態です。援護法というものはないかもしれませんけれども、私はあまりにもこれはかわいそうだという気がするのです。むずかしい法解釈は別として、焼け死んだ二人の方に対する措置、それからすっからかんになった、素っ裸になった九十六名の人たちに対する援護措置、また将来これをどうやろうとするのか、どういう考えを持っておるのかという点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
  91. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 九十八名のこの火災にあわれました方、特にお二人のなくなられました方々に対しては、われわれまことに申しわけなく、またお気の毒に思っておりまして、なくなられました方には丁重に死後の措置を行ないまして、二十三日の午前十時半に所内で所葬を行ないまして、また、とりあえず弔慰金を出した、こういうようなことをやっておりますが、焼け出されました方々に対しまして、さしあたり、まず寝具類につきましては、付近の愛知、大府、梅森、天竜というふうなほかの療養所から寝具を緊急輸送をやらせまして、また、はだ着等は療養所で購入いたしまして患者さんに貸与する、こういうふうにいたしまして、一応生活ができますような緊急の措置をとりました。こういうふうなことをやりますのに、現地だけではと思いまして、厚生省からも療養所課長を派遣して指揮をとらせたわけであります。御承知のとおり、こういうような問題につきまして、患者さんの方に特にお見舞い等を出すという問題、いつも問題になるのでございますが、火災関係につきましては、出火の場合には、そこに重大な過失というようなものが証明せられませんと、損害賠償というふうなことができない法文がありますために、公式にこの病院側から患者さんにいろいろお金として賠償するというふうなことができにくい問題がございますので、いまのように、必要なものはこちらで買って貸与するという形をとり、それ以外にまたいろいろ問題もあると思いますので、見舞い金を方々で集める、施設だけでなく、周囲の国立関係の病院、療養所というふうなところからも集め、その他われわれも実は出しておるのでございますが、そのほか地元からのお見舞い金もいろいろいただいたものもありましたので、そういうものも集めまして約百万ぐらいになっておりますが、これをお見舞い金として出そうというふうに考えております。しかし、まだ十分でないので、いろいろ患者さんのほうと施設側とで相談をしてやっておる、こういうふうな状態でございます。
  92. 楯兼次郎

    楯委員 私より十分あなたのほうが知っておられると思いますので、これ以上私は議論しませんが、手は何かあると思うんですよ。特別の場合ですから、何とかひとつ法の弾力的解釈によって、たいした数ではありませんので、厚生省の中で、拡大解釈といいますか、弾力適用といいますか、何かでき得る措置が私はあるんじゃないかと思いますので、今後こういう気の毒な人に対して、十分とは言えませんでしょうけれども措置をとっていただくということと、それから将来こういう人たちに対しては何らかの無理のない救済方法を厚生省としても考えなければいかぬ、こう私どもは思いますので、この点をひとつ検討していただきたいと思います。長くお待たせしてすみませんが、あなたのほうがよく知って見えますから、私はこのぐらいにしておきます。またあらためてわが党の社会労働あたりでやるだろうと思いますので、きょうはこのくらいにしておきます。  それから、今度は建設省の方に御質問申し上げます。  これも委員会でやるほどの大きい問題ではないかと思いますが、一向に解決をしない、特に零細な人たちが将来どうするかというので非常に困窮をして見えますので、あえて私はここで質問を申し上げるわけです。  といいますのは、昨年の九月二十五日に台風二十号がございました。よそもそうでありましょうが、特に木曾川水系が平水の約十倍の水が出ておるわけです。水が出まして、耕地あるいは家屋が広い地域にわたって、少数ではありますが浸水をしております。ところが、ことしになって、もうこれから水が出るという時期になっても、防水といいますか、川でいえば堰堤、堤防というところでしょうけれども、そういう措置がとられておらないわけです。被災者に開きますと、木曾の入口でありまするから、耕地といったって零細なものですね。だから、砂を出して、またことし冠水をすれば、またもとのもくあみである。したがって、建設省関係当局の意向によっては離農せざるを得ない。あるいは、また家屋に浸水をする、ところが、新築をして引っ越すということになると大仕事になるわけですが、このまま放置されていたのでは、これは新築して移らざるを得ない、一体どういうふうであろうかというので、疑心暗鬼でおるわけです。事情を聞いてみますと、何か県のほうでは、いや、これは五キロおきくらいに木曾川水系にはダムがあるわけですが、それが豪雨になると一斉に水門をあけて放水する。水だけならまだいいのですが、たまっておるどろから砂利から、一挙に鉄砲水になってくる。そういう水の調節によって起きたのだろう。あるいは、ダムができてから非常な河床が上がっておるわけです。したがって、ひどいところになりますと、道路あるいは土地とすれすれに河床が上がっておるところもあるわけです。それで、県では、いや発電所が悪いんだ、いや建設省がやってくれぬのだということで、半年にわたって責任のなすり合いといいますか、お互いにぶっつけ合っておって、現地は一向に措置されぬ、これでは困る。私が質問しようというのは、結論から言うとこういうことなんです。二十号台風に対する木曾川水系の復旧といいますか、防水といいますか、そういう措置についてはどういうふうにお考えになっておるのですか、お聞きしたいと思います。
  93. 上田稔

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  昨年の二十号台風によりまして、木曾川の上流、特に岐阜県と長野県の境付近でございますが、この付近には非常に出水が多うございまして、この地域におきましては、木曾川の計画高水、量に大体近いような、あるいはそれを上回るような水が出たわけでございます。それで、いま先生がおっしゃいましたような、所々に浸水を起こしておりまして、家のほうも床下浸水をした、あるいはそれ以上のものがあったりいたしたわけでありますが、この地域は河川の施設がいままでもございませんし、ありましても、いたんでおりませんので、災害復旧というわけにはいかないわけでございます。したがいまして、これをどういうふうに処置するかということにつきましては、結局は河川改修をやるか、何かそういうことをしなければできないのではないかというふうに考えられます。しかし、先ほどから先生がおっしゃっておりますように、ちょうどこの地域は電力のダムが五キロおきくらいにずっとあるわけでございますが、その影響がありはしないかということが考えられるわけでございます。それで、場所によりましてはそういうようなものも考えられるわけでございまして、こういうものにつきましては、電力会社が県といろいろ相談をいたしまして、そして現地方々にお当たりいたしまして、そして県としては、ダムによる被害であるのかどうかというようなこともいろいろ調査をいたしたりしておるわけでございます。そういうことで、つかりました家の、明らかにダムによるものであるということがわかるようなものにつきましては、地元被害者方々と電力会社のほうで話し合いまして交渉が成立をいたしておるところもございます。それから、全般に木曾谷は非常に土砂が出ておりますので、ダムと関係なく河床が上がっておるように見受けられるところもあるわけでございます。この点がダムとどういう関係があるかということにつきましては、やはり縦横断測をとりまして流量計算をしなければなかなかわかりませんので、県のほうでもそういう点についていろいろ調査をいたしておるわけでございます。現状はそういうような状況でございます。  それで、それじゃもしダムに基因するものでなくて河床が上がった、したがって家がつかるという場合には、河川改修をすぐにやってくれるのかということが出るわけでございますが、この点につきましては、全国的に非常にそういう地域が多うございまして、私ども建設省といたしまして川を担当しておる者といたしましては、早く対策を立てなくちゃいけないんじゃないかということでやっておりますのですが、とりあえず長期計画として、大体三十町歩以上くらい想定浸水はんらん面積がありますところについて計画をいたしまして全国的にやってみますと、大体十兆近くの工事費の予算が要るわけであります。しかし、その点をいまの国の予算と比べましてもなかなか早急にというわけにもいきませんので、これは少なくとも日本の国では十五年から二十年くらいはかかるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それのまず第一回の五カ年計画といたしまして、四十年度を初年度とする一兆一千億の予算を今度の国会で認めていただいたということでございます。
  94. 楯兼次郎

    楯委員 局長さん、私はその木曾川の付近で生まれたのでよくわかるのですが、大体十キロおきぐらいにダムがあるでしょう。そうすると、水の落ち口のすぐ下から十メートル以上全部河床が上がっておるのです。だから、平水の十倍水が出たって、ダムがなければ他に被害はないのです、ほとんどが千仭の谷ですからね。ないわけでありますが、原因ははっきりしておるのです。河床が上がったから、昔と同じ水量が出れば外へあふれるという原因ははっきりしておる。ところが、河床が上がったのは、単にダムができたからではない、建設省の治山事業といいますか、治山計画が悪いから、発電所のほうでは、おれたちの責任ばかりじゃない、こういうところに問題の解決しない争点があると思うのです。ところが、それはお役所の責任転嫁といいますか、なすり合いといいますか、議論であって、罹災者はたまらないということです。だから、一兆一千億の治山計画もあるでしょうけれども、ケース・バイ・ケースで、何とかこういう気の毒な人に対しては、おくれておるものも引き上げて堰堤を築く等措置をしてやれないのかというのが私の言いたいところなんです。原因ははっきりしておる。ところが、その原因は、電力会社の話を聞けば、こんなに砂が流れてくるのは、そういう流れるようにしておく建設省が悪いのじゃないかという。河床が上がって、水があふれて罹災するということははっきりしておるわけです。だから、いまここで、さっきと同じように、あなたと議論をして、どこに責任があるかということを言っておってもしかたがありませんが、とにかく罹災者は困っておる。これまた、あなたのほうで、たいしたことじゃないから——いま橋の名称は忘れましたが、橋の一部が流れても渡れるから、ほうってあるのですよ。そういうのを取り上げれば、いまあなたの答弁されたことをまるのみするわけにもいかぬのですけれども、そういう点を考えて何とか措置をしてやっていただきたい、こう思います。だから、あなたは、もう少し、県のほうへ行って実情を調べて、そうしてでき得る限りの罹災者に対する措置をしてやれ、こういうようにひとつ話を進めていただきたいと思います。  一時にほかに会議があるそうですから、もうやめます。長時間待たしてまことに申しわけなかったのですが、ひとつお願いいたします。
  95. 宮本惇

    ○宮本政府委員 われわれの関係では、落合発電所の関係があるかと思いますが、御指摘のように、二十号台風で、耕地が約一万四千坪、それから住家の床下浸水ということで、これはダムの操作に間違いがあったのじゃないかという、抗議とともに補償の要求がございましたけれども、関西電力といたしましては、ダム操作上の間違いはないが、しかし、それはそれとして、お見舞い金を出す——現実に出したようでございます。この辺は、地元との話し合いの上で、もし被害が発生した場合にはさらにそのつど協議をするという方針で一応おさまっております。ただ、しかし、大正十五年にできましたダムでございますので、確かに御指摘のように砂が非常にたまっておるということで、場合によりましては、いつも浸水するようなところに関しましては、何か地上権を設定するとか、移転のための費用を負担するとか、そういうことは、今後われわれとしても行政指導でやっていきたい、こう思います。
  96. 小沢辰男

    小沢(辰)委員長代理 本会議散会後再開することとし、この際、休憩いたします。    午後一時三分休憩      ————◇—————    午後三時二十六分開議
  97. 楯兼次郎

    楯委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  福島県下及び新潟県下における降雪による災害対策について調査を進めます。  まず、被害状況等につきまして政府当局から説明を聴取いたしたいと存じます。農林省尾中参事官。
  98. 尾中悟

    ○尾中説明員 東北地方豪雪につきまして、現在わかっております概況を申し上げたいと思います。  関係県といたしましては、福島県の南会津地方、秋田県の南部の三郡、それから新潟県の魚沼三郡、その他福島県寄りの地帯、それから山形県の最上、西村山、西置賜地方、それから岩手県の奥羽山脈寄り地帯、さらに青森県におきましても上北地方等におきまして現在なお相当な積雪が残っておるような状況でございます。  この冬の降雪状況でございますが、地帯によってもちろん違いますけれども、昨年十二月の根雪が例年より早かったということが第一点でございます。第二点は、例年でございますと一月ないし二月に雪がたくさん降るわけでございますけれども、今年の実態は時期がずれておりまして、二月の下旬から三月、さらに四月の上旬にかけまして断続的に降雪を見ておる。現在なお先ほど申しましたような地帯で相当量の積雪が残っておりまして、解けていないという状況でございます。したがって、根雪が早かったということと、時期がずれて降雪があって、現在なお解けていないということでございますので、積雪の期間が非常に長期にわたっておるということが特徴かと思うのでございます。  農作物に対します被害の点でございますが、まず第一点は、麦、菜種、野菜あるいは飼料作物等、いわゆる冬季の裏作物につきましては、現在なお雪の下にございまして、被害状況は必ずしも明確ではございません。しかし、相当長期間にわたって雪の下にある実情でございますので、相当の被害があるのではなかろうかというふうに考えております。それから果樹等の枝折れ、あるいはたなであるとか支柱であるとか、そういうものの施設に対する被害も出ております。なお積雪がまだございますので、その実態が必ずしも明確ではございません。なお、今後融雪時期に入るわけでございますが、融雪時期になりますと、さらに果樹の枝折れ等の被害が出てくるのではないかということが懸念されております。それから、食糧のないせいか、野鼠が非常に出ておりまして、これが若い果樹であるとかあるいは桑の木の根をかじっておるというようなことで、野鼠による被害報告されております。  それから、これは今後の問題でございますが、融雪時期が今月下旬から来月上中旬になろうかと思いますが、その際に、出水による農地、農業用施設等に対する被害が出るのではないかということが懸念されております。そこで農林省といたしましては、そういうふうに雪解けが非常におくれておりますので、例年ですと、もう苗しろをつくりましてどんどんやっておるわけでございますが、そういうことに非常な支障が出ているということで、現在苗しろ対策を中心にいたしまして、共同苗しろ、あるいは委託苗しろ等の方法によって適期に苗しろづくりをし、本田の植えつけがおくれないように、現在県とも連絡をとりまして、各市町村等も、あるいは関係団体も全力をあげてその対策に当たっておるというような状況でございます。また、飼料作物等、家畜の飼料がおくれるとか、あるいは雪の下で相当被害があるということも考えられておりますので、家畜に対するえさ対策等につきましても支障のないように万全の措置をとっておるというような実情でございます。なお、いま申し上げましたようなまだ雪があるというような異例な状態でございますので、被害額等は今後できるだけすみやかに調査のできる段階でつかんで、対策に抜かりのないように全力をあげてまいりたいというふうに考えております。  以上簡単でごさいますが……。
  99. 楯兼次郎

    楯委員長 次に、国鉄河合施設局長
  100. 河合秀夫

    ○河合説明員 国鉄の施設局長であります。会津川口−只見間の雪害状況について極況を御報告申し上げたいと思います。  会津線の川口から只見まで二十七キロ五百ほどのところでございますが、たまたま今年二十六年ぶりの大雪ということで、二月三日に汽車をとめまして以来ただいままで八十日ほど不通のままになっております。この間、降雪は最大百十センチ、積雪にいたしまして三メートル四十センチという量でありまして、とめます二月三日までも五十数回にわたってなだれあるいは列車をとめるというようなことを繰り返しています。二月三日八時についに列車をとめなければならない状態になりました。その後、キマロキ編成と申しましてロータリーを入れました。そして一応二月十八日に線路は一時あいたのでございますけれども、非常になだれの来るおそれがありましたので運転を見合わせておりまして、三月二日を一応目標に進めましたけれども、ついにこれもむなしくなりました。二月二十五日には塩沢−蒲生の間でラッセル車がとりこになったというような状況になりました。三月下旬目標で開通させようと努力いたしましたが、ついに四月下旬まで、なだれのために動かすことができないでいままでに及んだわけでございます。現在大体平均一メートル五十センチぐらい積雪がございますが、最大のところでは、二カ所ほど、四百メートルにわたって二メートル以上の個所もございます。それで、いま申しましたなだれが、いままで延べ百一件起こっております。それで、今後予想されますなだれの状況といたしましては、三カ所ばかり危険なところが予想されますが、一応これをしまして、昨日から除雪対策の最後のスタートを切りまして、本日は川口までモーターロータリーを送り込んでおります。これから仕事にかかるわけでございますが、ただいまの予想では、努力いたしまして五月一日には何とか開通したいということを考えております。  ただいままでに人力を投入いたしました数量が、除雪人夫五千四百六十五人、職員が六百七十六人入っております。今後なお四百五十人の人夫と九十四人の職員とによって、五月一日開通を目標にこれから戦っていくという状況でございます。  簡単でございますが、状況を御報告申し上げます。
  101. 楯兼次郎

    楯委員長 これより質疑を許します。八田貞義君。
  102. 八田貞義

    八田委員 このたび福島県の会津地区を主として襲いました降雪被害につきましては、ただいま農林並びに国鉄関係から御報告があったのでありますが、福島県庁で四月一日現在で降雪被害の見込み額というものを発表しておりますが、それによりますと、土木関係が九億八千一百万円というふうになっております。また、農作物関係におきましては一億四千二百二十二万四千円、農地、林業、治山関係におきましては一億一千万円、商工業関係におきましては九千七百九十九万円、教育関係におきましては五百八万円、公衆衛生関係におきましては二百二十万円、合計して十三億三千八百四十九万四千円というふうになっておるのでございます。  これらの事項につきまして、応急対策の面についてこれから質問いたしたいと思いますが、まず第一に、先ほど農林省から御報告のありましたように、本年は三月下旬に記録的な積雪になりました。その後も四月上旬まで多量の降雪が続きました。平年ではすでに消雪期に入っておりますのに、会津地区におきましては、現在——と申しますのは四月八日現在でございますが、百五十から二百四十センチ、あるいは二百五十センチから二百八十センチの雪が残っているような状態にあります。このために、麦類とか菜種とか野菜、飼料作物などの越冬作物に相当の被害が出ているということが予想されます。さらに、苗しろづくりの時期になっておりますのに、雪のために種まきがおくれまして、田植えの適期をはずすというようなことからいたしましても、稲作でも大きな被害が出るというような見込みが立てられておるわけであります。  ところで、昭和四十年、本年の会津豪雪地域における水稲田植え予想時期と平年における田植え時期の比較をとってみますると、本年における自然融雪時期を、四月九日現在で、今後雪が降らないものと見込み、かつ折衷苗しろ標準で算出いたしてみますると、田植え時期というものが十六日から二十三日間くらいおくれる。しかも本年は、長期気象予報によりますと、暖候期における異常天候なども予想されますので、全くの不安定な稲作になるということが考えられるわけであります。したがいまして、応急対策といたしましては、水稲の健苗緊急確保対策という事業を進めていかなければならぬわけであります。と申しますのは、現在の豪雪状況と、気象台発表の暖候期における異常天候予想などからいたしまして、樹立対策といたしましては、その基本となる早期健苗の確保をはかるということが一番緊急、緊要な問題でございます。したがいまして、対策といたしまして、豪雪地域に対しましては全面的に畑苗しろによるところの育苗とするための大型機械、たとえばクローラートラクターなどによるところの除雪を実施していかなければならない。一方、比較的積雪量が少なくて、融雪が促進されると予想される地域に対しましては、消防ポンプとかあるいは消雪資材によりまして融雪促進をはかって、保温折衷苗しろによるところの育苗というものをやっていかなければならぬわけであります。これとともに、一方において、本田の融雪促進につきましても、積極的に消雪資材並びに水田かんがい法等を実施いたしまして、農作業促進と、田植え期におけるところの冷水排除をはかっていくということが大切な問題になるわけでございます。これとともに、融雪後の農作業促進対策事業というものを進めていかなければなりません。融雪後の農作業が急激に繁忙を加えてまいるということは申し上げるまでもありません。ところが、現存の農業労働力の少ないという点から考えまして、融雪後の農作業促進対策というものを推進していく体制を整える必要があるわけであります。このためには、大型農業機械、たとえばホイールトラクターなどによりまして集団耕地等の管理作業というものを実施していかなければならぬと思います。さらにもう一つは、豪雪地帯の水田のうち、特に積雪多量で田植え期促進対策実施しなければならない水田面積分の育苗を、全面的に畑苗しろとする健苗育成圃というものを設置して稲作安定をはかっていかなければならぬわけであります。こういった水稲健苗緊急促進対策事業に対しまして、地方といたしましては非常な負担がかかってまいります。こういった点に対しまして助成を強く要望いたしておるのでありますが、この点に対する助成方法につきまして御答弁をお願いいたしたいと思います。
  103. 尾中悟

    ○尾中説明員 ただいま御指摘のございましたように、本年度の気候は必ずしも順調ではないということが気象台等から指摘されておりますので、実は四月の六日付で次官通達を全国に流しまして、ただいま御指摘がございました機械化の促進、健苗育成、病虫害防除あるいは集団栽培方式の推進であるとか、肥料、水管理の問題、あらゆる問題につきまして全国的に指導を進めておる最中でございます。特に福島等東北におきまして現在融雪期が非常に遅延しておるということから、今後の稲作に対して相当影響が出てくるであろうということはわれわれも十分懸念をしておるわけでございまして、そういうことのないように、先ほど申しましたような、まず苗しろづくりを早期に、時期を失しないようにやってまいる必要があるということで、共同苗しろあるいは委託苗しろにつきまして積極的に地元県、農林省も加わりまして鋭意やっておる最中でございます。この苗しろに対する助成措置につきましては、実は二年前新潟等の豪雪につきましてとりました助成措置があるわけでございますし、これは共同苗しろなり委託苗しろにつきまして施設費であるとか、それから委託苗しろにつきましては、あたたかいところで苗をつくりまして、それを運搬するということが必要になってまいりますので、運搬代等につきまして当時半額助成をやっておるわけでございます。今回の福島等東北の問題につきましても、現在内部で鋭意検討中でございますけれども、三十八年の例もございますので、十分検討いたしまして、それらの措置について実施できるような方向で現在検討を続け、関係方面とも話し合いをしておるという段階でございます。
  104. 八田貞義

    八田委員 ただいま国からの助成方法については関係当局と互いに折衝中であるというような御答弁がありましたが、この際、時間もありませんから簡単に申し上げますが、豪雪による被害農家に対しまして天災融資法を発動しまして、そうして経営資金の融資措置を講じてまいる、そうしてできるならば特別被害地域に指定してもらうというようなことにつきましては、御調査の点から考えてどのようにお考えになるか、お答え願いたいと思います。
  105. 尾中悟

    ○尾中説明員 天災法の発動等につきましては、現在雪がなお相当積もっておるという状況でございまして、雪の下にある農作物の被害であるとか、あるいは果樹等の技折れの問題、そういうものもまだ的確な数字をつかんでいないのが現状でございます。なお、融雪期になってまいりますと、農地、農業用施設等に対して被害が出ることも懸念されますし、技折れ等の問題も出てまいるかと思いますし、また野鼠等による被害も、雪があるものでございますから現在調査がなかなかできないというのが率直なところでございます。したがいまして、第一次の調査としましては、この四月二十日現在で現地の統計事務所がやっておりますけれども、これも雪のためにそう的確な資料はまだ出ないのじゃないかということでございますので、今後状況を見ながらなるべく早く被害額をつかみまして、その上で天災法の発動等について十分検討してまいりたいというように考えております。
  106. 八田貞義

    八田委員 こういった緊急の措置としての集団保温苗しろを設置するための助成方法につきましては、ただいま御検討中ということでございますから、ただ申し上げたいことは、農業改良資金の増ワクについてです。積雪地帯におけるところの畑苗しろの設置に伴うところの資材購入に要する農業改良資金を増ワクしてまいるということにつきましては、はっきりと御答弁願えると思いますが、さらにまた、農業技術指導員の助成ですね、たとえば改良普及員とか蚕業技術指導員の特別指導というものが必要になってまいりますから、こういった要員に対する旅費とか手当の増額を考えてまいるということにつきましてはいかがでございましょうか。
  107. 尾中悟

    ○尾中説明員 まず最初に、畑苗しろの導入等に対しまして改良資金の増ワクの問題でございますが、畑苗しろにつきまして改良資金を使うということは、当然現在指導しておるところでございまして、そのワク等につきましては、現地要望等もよく伺いまして、お困りにならないように万全の措置を講じてまいりたいというふうに考えております。  それから、改良普及員等の問題につきましては、まだ県のほうから具体的な問題としてあがっておりませんので、今後県当局とも十分連絡いたしまして、指導に遺漏のないように善処してまいりたいというふうに考えております。
  108. 八田貞義

    八田委員 農林関係もいろいろあるのでありますが、時間がありませんので、次に国鉄関係について質問いたしたいと思います。  先ほど国鉄のほうから御報告がありましたように、なだれとか積雪なんかの関係で運行停止が非常に多くなっているわけでありますが、なだれ防止の設備ですね。これも、毎回われわれが、こういう事態がくるかもしれぬから、ぜひとも防雪あるいはなだれ防護体制をつくってほしいということを絶えず訴えてまいったわけでありますが、それが今日までほとんどなされていない。しかも、今日まで八十日間も列車が運行停止というふうな状態になっておるということにつきましては、どうしてもなだれ防護設備を早急に実施していかなければならぬ、そういった緊急の事態に入っているわけであります。国鉄当局といたしまして、こういったなだれ防護設備に対しましてどのような計画を持たれて早期に完成されるか、その見通し、御計画について御答弁願いたいと思います。
  109. 河合秀夫

    ○河合説明員 ただいま、なだれの関係につきまして国鉄の計画ということでございますけれども、川口から先は、御承知のように、初めは電源開発でやりました線を、三十七年三月に鉄道審議会で着工線にしていただきまして、その後十月から着工いたしまして、大体総工事費八億七千万、こういう金をかけてやっております。そのうち賠償金が三億六千万ですが、あと施設で、この中にいまの防雪費も含めているわけでございます。三十八年にこれに該当するものが大体三千万くらいはかかったのでございますが、三十九年度には二千五百万、四十年、ことしの予算としては三千万つけております。防災関係だけで一億五千万の予算が認可されております。それで、この中身でございますが、たまたまことし災害を受けまして、なだれの危険な個所が十六カ所、それに今後あぶないと思われるところが三カ所、十九カ所ほど現在わかっております。いままでの計画で進んでまいりますと、大体この十九カ所が網羅されておりまして、たまたま昨年防護をしたところはことしはやられてないというような実情も見えておりますので、今後もこれを進めてまいりたい、こういうふうに考えております。  この中身といたしましては、なだれおおいを六カ所、なだれどめさくを十一カ所、なだれどめの階段工、これは用地買収を伴うものを含めた個所が十一カ所、防雪林が四十三万一千平米で十カ所、擁壁が一カ所、合計三十九カ所の施設をやる、これが総計で一億五千万。そのほかに、ことしからモーターカーのロータリーを一両ここに配属するという計画もいま立てております。
  110. 八田貞義

    八田委員 ただいま二億五千万円かの事業費を見込んでいるんだというような御答弁がありましたが、過去の予算のつけ方から考えますと、非常な時間がかかります。これでは、また来年豪雪に見舞われると、これまた列車が運行を停止しなければならぬということになってくると思うのでありますが、早急に予算をたくさんつけていただくというふうな、もう少し積極的な努力というものはできないものでしょうか。
  111. 河合秀夫

    ○河合説明員 確かに、いまの説明で、いままで金のつけ方が少なかったのじゃないかと私も思っておりますけれども、買収いたしました時代にわれわれが計画をしておりました施設というものをほとんど全面的にいま洗い直しているような状態でございまして、初めのうち、御承知のように材料を運んだ線だものでございますから、なだれ防止さくとかその他防雪設備以前の問題が相当ありまして、そちらに追われたり、それから、簡易駅をつくったりするほうに追われていまして、こちらの調査が、申しわけないのですけれども、おくれているという関係もございまして、いままでは予算がいささか少なかったと思います。これからはわれわれとして努力いたしたい、こういうふうに思っております。
  112. 八田貞義

    八田委員 まだ十分満足が得られませんけれども、時間がございませんから、次の問題に移らしていただきますが、公衆衛生関係の問題につきまして、先ほど、水道施設被害額だけでも二百二十万円ぐらいになっておるわけです。これは保健所関係で見てまいりますと、田島保健所関係では三カ所、それから会津坂下保健所関係では二カ所の水道施設被害を受けまして、総計で二百二十万円というふうになっておるのであります。これは主として簡易水道でありますが、こういった簡易水道に対する被害に対しまして、厚生省といたされまして、こういった場合には何か特別な処置を講ぜられてもいいと思うのでありますが、この点についてひとつお伺いいたしたいのであります。  それとともに、また融雪期におけるところのなだれあるいは洪水等によって被害の発生が予想されますので、こういった被害の発生時の復旧について特別の助成の道を講じておく必要がある、こういうふうに考えますが、いかがですか。
  113. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  今回の会津地方豪雪によりまして簡易水道に被害があったということ、だだいま先生の御指摘のとおりでございまして、たとえば簡易水道につきましても若干の被害を生じておるわけでございます。幸いに、現在までのところ、この復旧につきましては完了して、給水に支障を来たさない状況になっておるわけでございます。こういうものにつきましての財源措置でございますが、災害の指定がございますと、従来、こういう豪雪、融雪というものにつきましては、災害として取り扱って財源措置をしておるわけでございます。今後融雪期におきましてやはり水道施設被害が予想されるわけでございますが、これにつきましては、県といたしましては、融雪期に対処いたしまして、資材、人員の確保、それから国といたしましては、現地との連絡を密にいたしまして状況の把握ということ、なお、この財源措置につきましては、災害の指定がございますと、関係省と協議いたしましてその対策に万全を期したいというふうに考えております。
  114. 八田貞義

    八田委員 いま災害に対して対策を講じていきたいというような御返答がございましたが、こういった簡易水道の被害ですね、二百二十万くらいのものに対してどのような助成対策を考えておられるか、その点を具体的にひとつ御答弁を願いたいと思います。
  115. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  まだ被害額その他しっかり調査が済んでおりませんが、従来、国の災害指定の場合ですと、国が二分の一の補助率をもちまして、財政援助しておるという状況であります。
  116. 八田貞義

    八田委員 私はいまのお話を聞いて非常に残念に思うのは、この水道普及率は、報告によりまけと、大体六〇%くらいになっておりますが、しかし、これは上水道のことであって、簡易水道はそこまでいっていないわけです。ですから、日本農民の三分の二はまだ水に悩んでおるというような状態にあるわけですね。しかも簡易水道を引っぱっていく場合には、四分の一の国庫補助、起債充当率が七五%、それから受益者負担というのがあります。受益者負担は三万から四万くらいになりましょうかね。それくらいの受益者負担というのがある。ところが、上水道の場合には受益者負担というものはないんですね。こういった点から考えてまいりますと、なお簡易水道というものを準公営企業として町村がやっているわけですが、こういったものに対して、しかも水道料金なんかを考えてみますと、東京都のように水道料金の値上げ反対をいたしたのでありますけれども、この場合は大体十トン当たり百四十円というふうに聞いておりますが、ほかの市などでは、たとえば千葉県の成田市とか銚子市なんかは二百円から二百五十円ですね。それを東京都の一般家庭用の水道を二百円にしようとしてあの騒ぎを起こした。ところが、簡易水道の場合には、先ほど申し上げましたようにこれが平均して四百円、しかも私設水道を引っぱっていく場合には受益者負担というものがある。非常な格差がついておるわけです。ですから、こういった簡易水道の豪雪被害、当然融雪のときに考えられるところの被害から考えまして、ただいまの御答弁のような状態では、防疫面から考えてみても非常に大きな問題を起こしてくるわけなんです。ですから、この簡易水道に対しては特別な考えをもってやっていかなければならぬと思うのでありますが、これを特別交付税で見るとか、あるいは起債を認めるとか、あるいは補助卒をアップするとかいうような点は一体どのように考えておられますか、御答弁を願います。
  117. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  現在の水道の場合、水道料金は、一般論として申し上げますと、大都市が安く、中小規模、特に小さくなるほど水道料金が高いという傾向は、御指摘のとおりでございます。したがいまして、一般の上水道を拡張改良してまいります場合には、起債を主たる財源としてやっておるわけでございますが、簡易水道の場合には補助金が出ている。その補助率は、先ほど申されましたように四分の一でございまして、残りの金額に対して起債が平均七五%くらい、その残額は地元が負担しているというのが実情でございます。しかし、地元が持ち出すということ、及び水道料金が非常に高くなるということで——ある意味においては、地元の持ち出しが多くなるという意味で、水道の普及がだんだん曲がりかどにきているという現実は確かにあります。しかし、本省といたしましては、たとえば補助率をアップする、あるいは財源の裏づけ起債を厚く充当するということにつきましては、これは非常に関係する省がありまして、そちらの方面との話し合いをしてまいりませんと、いかんともすることができないというのが現状でございますが、これにつきましては、今後もいろいろ検討を進めてまいりたい所存でございます。  なお、これと今回の災害というものとを直ちに結びつけることが必ずしもいいかどうかはわかりませんが、しかし、災害という指定がなされました場合には、先ほど申しましたように、補助率二分の一で、あとの二分の一につきましてはまたある程度の起債の充当も考えるという措置は従来なされております。
  118. 八田貞義

    八田委員 自治当局並びに大蔵当局に答弁を願いたいのですが、先ほど水道課長からお話がありましたように、簡易水道と上水道との間には非常な差があるのです。ですから、起債条件を緩和してもらいたい。七五%というような充当率では今後簡易水道は伸びてまいりません。農民の三分の二は水に悩んでおるのですから、こういった観点から考えてみましても、しかも、受益者負担が上水道の場合はないのに、簡易水道の場合にはある、こういうことになっておるのですけれども、この際、起債条件を緩和するとか、あるいは補助対象の拡大について理解ある態度を示していくとか、そういった点について自治当局並びに大蔵当局から御答弁願いたいと思います。
  119. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。  簡易水道の起債でございますが、ただいま厚生省のほうから御答弁がございましたとおり、通常の場合は四分の一の補助金、それから残りの負担に対しまして七五%というのが標準的な起債のつけ方の考え方でございます。ただ、補助対象事業のほかに、単独事業がございましたり、あるいは、たとえば炭鉱地帯におきます特殊な簡易水道でございますとか、そういう特別の財政上の問題がございましたときには、この充当率には若干弾力性を持たせて措置をしておるわけでございます。御説のように、簡易水道地域ではかなり料金もかさむようなケースもございますので、なるだけ充当率を高めてまいりたい、こう思って努力をしておるところでございますが、なお今後とも努力は続けてまいりたい、このように考えております。
  120. 玉置明男

    玉置(明)説明員 お答えいたします。  ただいま厚生省並びに自治省からお話がありましたように、料金の点につきましては、簡易水道と上水道にはかなり差があるように思います。しかしながら、そういった面を考慮いたしまして簡易水道には補助制度がとられております。また、充当率におきましては、なるほど七五%でございますが、上水道のほうも必ずしも事業費全額起債ということにはなっておりませんで、起債対象外のものもございます。そういった面を考えますと、現在の起債のやり方が必ずしも簡易水道だけに酷になっておるというふうには考えないわけであります。ただ、七五%の点につきましては、御指摘のようなこともございますので、できるだけ資金事情の許す限り、今後検討して有利なような扱いを考えてまいりたいと思います。
  121. 八田貞義

    八田委員 ただいま大蔵並びに自治当局から、起債充当率を上げていきたい、努力をするというふうな御答弁がありました。私としては、起債充当率も上水道並みに九〇%ぐらいにしてほしいということ、もう一つは、補助対象を広げてほしい——ということは、百人以下の給水人口に対しまして補助ということでありますが、五十人ぐらいの部落に対しましても五割か六割ぐらいの国庫補助をやっていって、無水部落を解消してほしい。と申しまするのは、電気事業の場合には一戸当たり六万円ぐらいの補助が与えられておって、しかも六戸以上が補助対象になっておるのですね。農村の生活においては、電気と簡易水道というのは車の両輪のようなもので、ぜひともなくちゃならぬものなんです。ところが、電気の場合には六戸以上を補助対象にしておる。簡易水道の場合にはそうでない。ですから、五千人ぐらいの部落に対しても五割か六割以上ぐらいの国庫補助をして無水部落を解消するというようなことについて、水道課長並びに自治、大蔵当局に努力要望いたします。  それからもう一つは、融雪期を迎えますと、いろいろな破損個所が出てまいって、そうして伝染病の発生なども十分に考えられてまいります。ところが、今日簡易水道の維持管理については技術者が足りない、こういう状態になっておるわけですが、これに対して、やはりこういった災害が予想されて伝染病の発生が考えられるのですから、この際、簡易水道の技術者養成に関しまして、自動車でいうところの乙種免許状のような制度をつくってはどうか。現在の制度では免許状がとれないので、ほとんどの簡易水道の技術者は無免許で、しかも危険な状態に置かれておるんですね。ですから、現実に即した養成なり指導というものをぜひとも考えて早急に実現するように持っていってもらいたい。この点は水道課長としていかがでありますか。
  122. 大橋文雄

    ○大橋説明員 お答え申し上げます。  現在、百人以下のものは、水道法でいう水道としておりません。したがいまして、簡易水道として補助金を出しておりますのは、百人以上五千人という幅でございます。しかし、百人以下の小さな水道に準ずるようなもの、これは飲料水供給施設と申しておりますが、百人以下五十人という幅のものに対しまして、補助金をもって助成をいたしております。補助率は四〇%で、簡易水道より厚い補助率をもって実施しておりますので、先生の御指摘になりました小さな部落というものがこれに該当するというふうに考えております。  なお、簡易水道及び小規模水道につきまする維持管理は非常に重要なことでございますので、この管理者の養成ということについても今後十分検討いたしまして、維持管理に間違いがないようにということについて努力を払ってまいりたいというふうに考えております。
  123. 八田貞義

    八田委員 文教関係について、お伺いしたいのですが、豪雪地帯の指定文化財に対しまして高率補助というものについてお考え願いたいと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
  124. 宮地茂

    ○宮地政府委員 雪が降りまして、文化財、特に建造物関係がいろいろ被害を受けるという事例は、平常の場合にもあるわけでございますが、特にそれが豪雪でいわゆる災害と目されるような場合、私どものほうといたしましては、こういう修理費の補助率が定率になっておりませんので、できる限り高率補助率で修理をするというふうな方針でまいっております。
  125. 八田貞義

    八田委員 それから豪雪地帯の指定文化財につきましては、保存保護事業とか、あるいは管理費ですね、たとえば除雪費、こういったものについても国庫補助というのですか、そういったことがございますか。あればその例をちょっとお知らせ願いたいと思います。
  126. 宮地茂

    ○宮地政府委員 いまおっしゃいますような、雪が屋根に積もった、いわゆる雪かきですか、管理費的なそういう補助金というのは、従来から考えておりません。
  127. 八田貞義

    八田委員 そうすると、管理費とか保存保護事業なんかはいまのところ考えておられない、こういうことなんですが、豪雪地帯では、除雪費というのは相当たくさんにあがってくるのです。しかも木造建築なんですから、こういった点につきまして、指定文化財に対しては高率補助の規定をつくられるということが必要なんじゃないでしょうか、この点ひとつ御答弁願います。
  128. 宮地茂

    ○宮地政府委員 雪が建物の屋根の上に積もる、したがって、その建物にいろいろ被害を及ぼす、そういうことから考えますと、私どものほうで、従来、火災で建物が焼けるとか、あるいは盗難にあうといったようなことから、防災予算というのを組んでおりますが、ただこれは、いま先生のおっしゃいますようなことでまいりますと、いわゆる何年に一回かの豪雪ということではなく、東北、北海道、この地区は毎年雪が降るのであろうと思います。したがいまして、毎年継続的にその雪かき費用ということになりますと、防災というよりも、いわゆる管理費的な面が強くなってまいりますし、私どものほうといたしましては、修理費、防災費、これは重点的にいたしておりますが、いわゆる社寺等の維持管理に非常に似てきます。そういう管理費というのは、絶対にやってやれないことはないのかもしれませんが、修理費なり防災費に重点を置いておるたてまえからいきますと、非常にむずかしい問題だと思います。せっかく御指摘の点もございますし、全然考える余地のないものではないと思いますので、将来の問題として検討さしていただきたいと思います。
  129. 八田貞義

    八田委員 豪雪地帯の場合は毎年起こるからたいへんな負担だというようなお考えでなくて、重要文化財の指定でありますから、そういったものの保存保護事業あるいは除雪費のいわゆる管理費、そういったものはぜひとも制度として打ち立てていただくようにお願いいたします。努力されんことを要望いたしまして、終わります。
  130. 楯兼次郎

    楯委員長 小沢(辰)男君。
  131. 小沢辰男

    小沢(辰)委員 ただいま八田委員から、三、四月の会津地方豪雪問題を取り上げられまして、災害対策のいろいろな要望質問をされたわけでございますが、福島県同様に、新潟県の山岳地帯につきましては、今年異常な豪雪に見舞われております。おそらく、地元方々のお話を聞いてみますと、昭和九年のあの未曾有の大飢謹を現出いたしました豪雪状態と同じようなものだというような状況で、いま春うららかなひよりを迎えている東京では想像もできないような、四月一日現在で二百六十センチもまだ雪が残っているというような状態で、住民は不安と焦燥にかられておるわけでございます。いろいろ実は質問申し上げたい、たとえば除雪問題、あるいはその他の農林関係、建設関係、自治省あるいは文部省等について質問がございますけれども、この山岳地帯から代表で出られておりますわが党の委員あるいは同僚の稻村委員もおられますので、いろいろな詳しい応急対策についての質問は、稻村先生並びに大竹先生にお譲りを申し上げることにしまして、私は三点について申し上げたいと思うのです。  まず第一点は、新潟地震なりあるいは二十号台風なり、そういうような大災害の場合には、政府は、直ちに現地に行きましていろいろと災害状況視察し、あるいはまた、この対策について県や市町村と相談をされ、また、帰ってくると、災害対策本部を開いて真剣にこの対策に取り組まれる。ところが、こういうような地域的に限られた災害については、ほとんどそういうような態度をおとりにならない。災害対策特別委員会で、衆議院はいまいよいよ会期末を迎えて忙しいときに、各党の委員がこうやっていろいろな質問をしたり要望をしたりしない限りは、ほとんどどうも積極的に動かれないというところに、私は非常に問題があると思うのです。たとえ大災害であろうと小災害であろうと、その地域、その被害をこうむった人からいうと、全く同じことなんです。したがって、私は、こういうような事態があったときには、必ずそれぞれの主管の官庁で直ちに実態調査に出向く、そしてその結果、それぞれ各省が相談をして対策をする、応急対策なりあるいは地元の人々に対する指導よろしきを得るというようなことをやらなければいかぬと思うのです。この点は常に——今回の例だけではございません。したがって、私ども委員会では、国会会期末で非常に忙しい間にもかかわらず、過般の和歌山大阪あるいは奈良県の森林火災あるいは積雪被害等を調査に行きまして、本日も決議をしたようなわけでございます。ですから、この会津地方並びに新潟県の山間地帯における非常に異常な豪雪被害について、直ちに政府では調査団を派遣して、そして適切な指導をやっていくということをやっていただきたいと思いますが、特にほとんどが山村といいますか、農林業を中心にした地帯でございますから、農林省においては、わかりました、早急にひとつやってみましょう、そして適切な処置をとるようにいたしましょうということを——きょうは一番最高の親玉がいないのだけれども、あなたがひとつ代表で、そういうことをお伝えになると同時に、善処するかどうか、この点をまず伺っておきます。
  132. 尾中悟

    ○尾中説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、農林省といたしましては、三月ごろから秋田の雪の問題について連絡を受けておったわけでございますが、四月に入りまして、福島、岩手、新潟あるいは山形等についてもまだ雪が消えてないというような報告に接したわけでございます。そこで、四月の上旬になりまして、本省からも秋田、山形に稲作関係の専門家を派遣いたしまして、また、四月の七日から九日にかけまして、仙台にあります地方農政局から関係の部長あるいは課長をそれぞれ福島県、それから山形県、秋田県、岩手県等に派遣いたしまして、県並びに関係市町村とも十分連絡をとりまして、被害状況なり、今後の稲作の対策等につきまして、緊密な連絡をとりながら対策を進めておるような次第でございます。また、地方農政局は、各県の試験場であるとかあるいは関係課長等も随時仙台に招集いたしまして、その対策については万全を期してまいりたいというふうに考えております。本省におきましても、関係の局の会合等も何回か持ちまして、今後さらに予想される被害もあるかと思いますが、随時、時期を失しないように現地調査なり何なりを的確迅速にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
  133. 小沢辰男

    小沢(辰)委員 私は、地方農政局が管内視察をおやりになる、あるいは仙台の農政局から出られるということは、たいへんけっこうだと思います。しかし、どうしても全国的な対策ということについていろいろな問題点が国会その他で起こりますから、本省のほうでもどなたかひとつよく現地を見て、農政局のほうとよく相談をしていただきたいと思います。  第二点は、積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法という法律が昭和二十六年にでき上がっております。御承知のとおり、農林省には、こういうような特殊の立法が、たとえば海岸砂地地帯の農業振興臨時措置法だとか、あるいはまた、湿田単作地域の農業改良促進法とか、たしか五つあったと思います。それぞれ審議会を持って、そういう特殊地帯の農業の振興についていろいろやっておられるわけでございますが、時限立法で、御承知のとおり来年の三月三十一日にこれが切れることになっておる。そこで、この前、私も砂地地帯なりあるいは湿田単作地帯の審議会の委員をやっておるわけでございますが、これらの特殊地帯の農業振興の特殊立法をこういう形で継続するか、あるいは全部まとめて何らか別の形でこれはさらに継続するか、その必要性はわかるのだから、どういうような法律の構成でやるかということを議論したはずでございますが、その結果、それぞれの審議会の会長が集まって相談をして農林省とそれぞれ打ち合わせの上決定するということで、その後委員のわれわれには何らの通知がない。いま豪雪を迎えたこの山岳地帯の各町村、住民、そういう方々が非常に心配をしているのは、積雪寒冷単作地帯の振興臨時措置法が今年度一ぱいでなくなるのだから、これはぜひ延長してもらわなければいかぬ、また、その内容について、いままでそれぞれやってみた結果の欠陥があるのだから、欠陥も検討して、抜本的な改正法を制定してもらいたいという強い要望があるわけでございますが、これらの法律の取り扱いについてどう考えておられるか、ここで承りたいと思います。
  134. 玉置康雄

    玉置(康)説明員 ただいまお話しのとおり、積寒地帯をはじめといたしまして、急傾斜地帯、湿田単作地帯、海岸砂地、畑地、五つの法律が来年の三月三十一日で限期が切れるわけでございまして、それをどう取り扱うかにつきまして、先月各審議会の会長さん方の懇談会を開いていただいたのでございますが、そのときの空気といたしましては、これを抜本的に検討する必要もあるので、とりあえず一年だけ延長しておいて、その問にまた根本的な対策を検討したらどうかという御意見が非常に多かったわけでございます。会長さん方の懇談会でございますので、別に決議をされたわけでもございませんけれども、そういう御意見が多かったということでございます。元来この法律が議員立法でつくられたものでございますから、もし審議会のほうの御意向が非常にそういう御意向でございましたならば、私どももそれに従ってまいろうかと思っている次第でございます。
  135. 小沢辰男

    小沢(辰)委員 先ほど言いましたように、私も実は二つの審議会の委員なんですが、その審議会をやりましたのは、たしか昨年の秋だったと思います。しかるに、いま聞きますと、会長さんが集まって相談されたのがつい一カ月くらい前だというのでは、これはえらくマンマンデーだと思うので、やはりそういうところの審議会の会長さんの懇談よりも、農林省自体が、こういうような特殊地域についての農業の振興についてどうしたらいいのだということで積極的にもっと出ていかなければならぬと思いますので、この点は、時間もありませんから、長く議論いたしませんが、ぜひひとつ積雪寒冷地帯の——特にこういうような災害にぶつかりますと非常に強く要望しておりますことを念頭におかれまして、早急に農林省自体の考え方をまとめていただきたいし、また、必要とあれば、議員立法でございますから、これは国会で相談をしまして、延長なり改正なりを考えていきたいと思いますが、いずれにしても、政府とよく相談しなければならぬことでありますから、この点、特に、帰られたら、幹部の方ともその促進方について十分協議をして進めていただきたいということを要望いたしておきます。  それから第三番目でありますが、こういうような積雪地帯、特に私どもの県のいま被害の多いところを見ますと、皆さんも考えておわかりだと思いますが、大体半年以上は、歌の文句にありますように、雪に埋もれている。ことしのようなこういう状況になりますと、それが十カ月以上にもなろうとするというようなことで、そうすると、ここでは一体何で暮らしを立てるか。ほとんど半年は野菜がとれない、何もできないわけでありますから、雪解け後の田植えをやり、そして米の収入ということだけで生きていかざるを得ないだろう。ところが、この豪雪に見舞われて、ことしは一体うまくいくだろうかというような、いろいろな不安がある。個々の問題については、おそらく稻村先生、大竹先生からお話があると思いますが、そこで、一番私どもとして寒心にたえないのは、昨年の十二月二十七日の深夜、正確に言えば二十八日の午前でしょうが、予算編成大綱を政府が決定いたしました。そのときの閣議了解として、ことしは米の時期別格差の——あなたは食糧庁でないのであれだろうと思いますが、帰ったら伝えていただきたい。こういうところの住民はほとんど農民でございますから、そこで、不作になるということを当然覚悟しなければいかぬのに、しかも昨年六百円の時期別格差のついておるものが、閣議了解でもって、ことしからは四百円にするのだというようなことをきめておられる。そうすると、たとえことし米価が若干上がりましても、当然減収を覚悟しなければいかぬ。減収といいますか、ふところぐあいの収入が減る。そこで、この時期刑格差の問題については非常に関心を持っておられる。わが党といたしましても、北陸四県の代議士がいま農林大臣あるいは食糧庁長官とやっておりますけれども、この点が特に異常豪雪を迎えました農民の最大の関心の一つであるということをよくひとつお伝え願いまして、本年は前年の六百円、四百円、二百円を特に減らすようなことのないように、しかも豪雪地帯のみならず、私は新潟県でも大都会の新潟市におるわけですが、四月の早々まで、帰るたびにときどき吹雪があるという状況ですから、ことしは、東北地方を含めた北陸四県の稲作というものは非常に心配なんです。一方、中共から米を無理してでも買わなければいかぬような最近の情勢を考えますと、ことしの食糧の確保、特に早場米の確保ということは、これは国家的に大問題だと思います。そういうような時期でもありますから、こういう時期に、特に政府は、むしろ引き上げこそすれ、引き下げなんということは、政策としても私はよくないだろうと思います。そういう点を、豪雪地帯方々のけさの陳情にもありましたものですから、特にきょうは取り上げて、それを農林省に強く要望しておきたいと思う。この三点を私が担当いたしまして強く要望して、私の質問を終わります。次にバトンを移したいと思います。
  136. 楯兼次郎

    楯委員長 稻村隆一君。
  137. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 今回の雪害の問題に対しまして八田委員から詳細にわたってお尋ねがありました。また、いま小沢委員から重要な三つの点についてお尋ねがあったわけでありますが、あるいは重複するところがあるかもしれませんけれども、私のあとに大竹委員から建設省関係、自治省関係、文部省関係とお尋ねがあるはずでございますので、私は農林省関係だけ簡単にお尋ねしたいと思っております。  今回の雪の最も大きな特徴は、融雪期に豪雪がやってきたということであります。これが一番重要な問題だと思います。農家としては、六月中に田植えをしてしまわなければ、これはたいへんな問題になるわけです。これからの問題なんです。いままでの損害というものももちろんでありますけれども、これからどうなるかという重大な問題に直面しているわけです。そこで、一番重要な問題は、当面の、どうして除雪をするか、どうして消雪をやるか、こういうことが一番重要な問題であると思います。その点だけにしぼりまして当局に対して簡単にお尋ねしたいと思っております。  第一は、四月に入っても二メートル以上の積雪がまだあるわけであります。このため、苗しろ用地の確保としては除雪以外に方法手段はないと思われます。この除雪費に対する助成をどう考えておられるか、農林省にお尋ねしたいと思います。
  138. 尾中悟

    ○尾中説明員 先ほどもお答えいたしましたように、現在稲作の問題といたしまして、早急に、時期を失しないように苗しろづくりをやりまして、植えつけに間に合うように措置することだと思っておるわけでございますが、やり方といたしましては、現地で、苗しろをつくるところだけ雪をのけまして、共同苗しろをつくるという方法が一つあるわけでございます。それからもう一つは、どうしても現地でそういう措置がとれないという場合には、多少離れたところで雪のないところに委託で苗しろをつくりまして、そしてできたものを本田に運搬する、こういうことで措置しなければならぬというふうに考えておるわけでございます。そこで、雪のあるところを除雪いたしまして共同苗しろをするわけでございますが、その場合に、カーボンブラック等の薬剤を使うというようなこともあり得るかと思っております。そういう資料費等につきましては、三十八年の例もございますので、それに準じて、先ほどもお答えしましたように、大体同じような措置を考えたいということで、現在関係方面と検討しておるという段階でございます。
  139. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 第二番目は、越冬用の野菜でございますが、越冬用の野菜が、降雪期が長引いたために、ほとんど費消されてしまったのです。例年なら、四月に入れば、春野菜を確保するための除雪をして、越冬野菜の収穫と春野菜のまきつけが必要なんですが、これに対して除雪費の助成ができるかどうか、お尋ねしたい。
  140. 尾中悟

    ○尾中説明員 現在考えておりますのは、苗しろの措置について考えておるわけでございまして、野菜の問題につきましては、現在まだ、そういう措置をとるかどうか、もちろんきまってもおりませんし、また措置自体につきましても今後検討したいというふうに考えております。
  141. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 ちょっと関連して一問だけお尋ねしますが、新潟、秋田、山形、福島といえば、私の住んでおる兵庫県と比べますと、規模からいっても、農業の上では、寒冷地帯といいますか、非常に早く秋がやってくる。そこで早場米を生産する地域ということになっておるのですけれども、いま苗しろに非常に力を入れておるとおっしゃるが、私も農民でありますから、この月曜日に来る前、先週の日曜日にはすでにもう苗しろをつくりまして、種落としをしてこちらに来たわけです。この地帯の苗しろの播種状況をどの程度掌握されておるか。これは私は、秋の早冷を考えますと、少なくともいま時分は、播種を終わっておるだけではなくて、相当発芽しておらなければならぬと思うのです。そういう時期にあると思う。そのときに、まだ、急ぎやっておるというのでは、これまた秋の冷害等を招くおそれが多分にある。したがって、そういうゆうちょうなことを言うておるときではないと思うのですけれども、どのくらい苗しろの進捗状況を把握しておられるのか。また、秋の早冷えを勘案して、農林省は現地に対して、どういう品種をどういうように播種するかという指導をされておるのか。不安でありますから、掌握しておられるならば、ひとつ詳細に御説明願いたい。また、その方針があるならば、その方針をお聞かせ願いたい。
  142. 尾中悟

    ○尾中説明員 実は農政局のほうで所管しておるわけでございますが、私かわりまして、知っておる限りお答えしたいと思います。  いま問題になっております地帯は、地帯によって若干違いますけれども、例年であれば、苗しろづくりは四月の中旬ごろというふうに聞いております。下旬になるところもあるようでございますが、大体中下旬というふうに聞いております。現在まだ雪があるということで、四月の初めごろに問題になりまして、これは何とか早くしないと、例年どおり平年並みの苗しろづくりができないということから、われわれといたしましても、さっそく現地と連絡もし、調査もし、現在鋭意、おくれないように、委託苗しろあるいは共同苗しろを現地で大わらわになってやっておるというのが現状でございます。どの程度の進捗状態かということにつきましては、現在数字を持っておりませんので、お答えできないわけでございますが、平年ですと中下旬ということでございますので、それにおくれないように、現在馬力をかけてやっておるというのが現状でございます。  それから品種の問題につきましては、御指摘のように、本年度の気象は必ずしも順調でないということは、気象台等でも発表されております。したがって、四月の上旬に次官通達を出しまして、なるべく早い品種のものをやるべきであるというような指導全国的にもやっております。
  143. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 適切な指導のようでありますが、とにかく作付する品種、私はこういう点が一番重要だと思うのです。栽培品種の選択指導を十分にやらないと、必ず秋の早冷えのために冷害を受けるおそれがある。したがって、それをぜひやってもらいたい。  それから、各委員から言われましたように、除雪の費用というものが一番苦痛の種なんです。外面から見れば、除雪費用というのは何でもないように見えるのでありますけれども、実際には除雪費用というものは非常に大きなものであります。したがって、除雪に対する何らかの補助措置をしてやらないと、今日のように農村労力の減少しておるときにはさらに困難が伴ってくる。したがって、除雪費用に対する補助または助成措置をぜひとも講ずべきであると思うのですけれども、これについて農林省はどういうふうに処置しておられるのですか。
  144. 尾中悟

    ○尾中説明員 苗しろ予定地につきましてカーボンブラックを使って除雪する場合の資材費については、この前の豪雪の際にも補助の対象にしておりますけれども、労力費等につきましては実際問題として把握が非常に困難であるということもございますし、いろいろ会計上の問題もございまして、最近は助成対象とは考えていないわけでございます。したがって、今回の場合も、おおむね資材費を中心にいたしまして、二年前の例にならって措置をしたらどんなものだろうかというふうな線で現在部内で検討中でございます。
  145. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そこで念を押しておきますが、それでは、資材というのは、機械除雪をやった場合の燃料その他もこの中に含まれておるわけですか。
  146. 尾中悟

    ○尾中説明員 資材と申しますのは、苗しろをつくる場合に、油紙だとかビニールだとかいうほかは、除雪に関連しましては、カーボンブラック等のいわゆる薬剤関係ということでございます。
  147. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 次に、苗しろを含む耕地全体の消雪促進策として散土消雪等が必要だと思うのです。この消雪手段に対して助成促進をどう考えておられるか、お聞きしたいのです。  なお、消雪促進について科学的な試験研究をぜひとも農林省から実施指導していただきたいと思うのですが、この二点についてお尋ねしたいと思います。
  148. 尾中悟

    ○尾中説明員 消雪のやり方といたしまして、土をまいて行なうということもあるわけでございますが、この前の新潟等の場合には、先ほど申しましたようなカーボンブラック等を使用した場合のみ助成対象に考えているわけでございます。今回の場合も、現在のところ、おおむね前の新潟等の豪雪措置にならって考えたいということで現在検討中でございます。  それから消雪の技術研究の問題でございますが、これは三年ほど前に、北陸の試験場で、約百万ばかりの予算をもちまして、ヘリコプター等を利用いたしまして、融雪促進に関する相当規模の大きい実用化試験をやってみたわけでございます。ところが、その結果は必ずしも芳しくないということで、いろいろいままでやってまいっておりますけれども、ほんとうに有効適切な、しかも経済ベースに引き合うようなと申しますか、比較的安価に能率をあげるような有効な方法がまだ必ずしも発見されていないというのが現状でございます。
  149. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 人工消雪方法として、豪雪地においては、散土、カーボン散布、流雪溝、地下水利用、パイプ消雪等、民間においていろいろ研究しております。国の施策として積極的に取り組んで豪積雪とならないような手段を講ずべきであると思うのですが、その点につきまして農林省はどういうことをやっておられるか、お尋ねしたいと思います。
  150. 尾中悟

    ○尾中説明員 御指摘のいろいろな方法が考えられると思うのでございますが、先ほども申し上げましたように、試験場等でやった結果を見てまいりますと、なかなか有効適切なと申しますか、効果のあがるような方法が現在まだ発見されていないというのが現状でございます。今後の問題もございますので、さらに、どういう方法をとれば最も効果的に目的を達し得るかというようなことを含めまして十分研究をしてまいりたいと考えております。
  151. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 民間で消雪のいろいろなことをやっておりますが、それに対して助成をするようなことを考えておりますか。
  152. 尾中悟

    ○尾中説明員 私、ちょっとその方の専門でございませんので、的確な御答弁にはならないと思いますが、現状では、いろいろやってみたけれども、なかなか思わしい結果が出ないということでございますので、有効適切な方法が民間等で行なわれておるということでございますれば、今後さらによく調査いたしまして検討してみたいと考えております。
  153. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 民間で必要のためにいろいろやっておりますから、なかなかいい研究もあると思うのです。ですから、その点を御調査になって、そしてそれが有効なものであるならば、積極的に助成の道を講ずるようにしていただきたいことを要望しておきます。  それから、水稲減産防止のため適期共同苗しろ及び委託苗しろ設置に対する助成はどうなっておりますか、それをお尋ねしたいと思います。
  154. 尾中悟

    ○尾中説明員 先ほど申し上げましたように、過去の前例もございますので、そういった助成措置を講ずるように、十分部内で関係機関等とも連絡いたしまして至急に研究をしたいというふうに思っております。
  155. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 次に、豪雪のためたばこの仮植えが必要だと思うのです。この仮植え床の除雪費の補助措置はどうなっておりましょうか、お尋ねしたい。
  156. 尾中悟

    ○尾中説明員 たばこにつきましては、生産から技術指導までずっと専売公社が一括いたしまして、災害対策等も含めて公社のほうでやっておりますので、私、詳細について存じておりません。
  157. 楯兼次郎

    楯委員長 まだ委員会を続けなければいかぬと思うのです。だから、次会に保留しておいていただきたいと思います。
  158. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 まだいろいろ御質問したいことがありますけれども、時間もだいぶ経過しておりますので、これぐらいにしておきますが、最後に、厚生省に一点だけ御質問したいのです。  豪雪のためお医者さんに行かれないで困っている地方が多いのですが、これに対する対策はどうなっておりますか、お尋ねしたいと思う。
  159. 渥美節夫

    ○渥美説明員 厚生省におきましては、昭和三十一年から無医地区対策実施しておりまして、特に医師の確保が困難であります市町村の区域につきましては、僻地医療対策実施しております。しかしながら、非常に医師の確保が困難であるというふうなことで、困難をきわめておりますが、第一次の僻地医療対策昭和三十七年に終わりまして、現在、第二次の僻地医療対策昭和三十八年から昭和四十三年までの五年計画で実施をしております。内容は、そういった無医地区につきまして診療所をつくるとか、あるいは、診療所をつくりましてもなかなか経営が困難であるという地域につきましては、近隣のお医者さんのところに患者を運ぶ患者輸送車を設置いたしまして、僻地の無医地区の解消につとめております。
  160. 八田貞義

    八田委員 建設関係でお尋ねしたいのですが、積雪寒冷特別地域における道路交通確保の特別措置法施行令による指定地を緩和しまして、市町村道も含めるように措置するお考えかどうか、ちょっと建設省にお伺いしたい。
  161. 豊田栄一

    ○豊田説明員 お答えいたします。  市町村道の除雪に関して、これはたてまえといたしましては、除雪の中で一番費用のかかります機械の補助を現在やっております。除雪そのものにつきましては、管理者の関係もございまして、一応単独事業でやっているというのが現状でございます。
  162. 八田貞義

    八田委員 市町村道の除雪についてはいま措置する気はないというようなお考えです。ところが、除雪機械については補助をしているというお話がございましたけれども市町村の整備する除雪機械について補助されておりますか。その補助率を教えてください。
  163. 豊田栄一

    ○豊田説明員 これは三十二年から雪寒法が施行されまして、市町村段階の補助は三十八年から施行されましたので、まだ台数としてはそう伸びておりませんけれども、現在、三十九年から四十三年の五カ年計画では、全国で三百台ぐらいの補助ができるようになっております。
  164. 楯兼次郎

    楯委員長 大竹太郎君。
  165. 大竹太郎

    ○大竹委員 いま市町村道の話が八田先生のほうからありましたから、私からもちょっとお聞きしておきたいのでありますが、御承知のように、最近、国道、県道に対する除雪は非常に機械化もされましたし、相当うまくいっていると思うのでありますが、残念ながら、市町村道のほうはなかなかうまくいかぬのでありまして、特に申し上げたいのは、現在問題になっておりまするような山間は、国道とか県道とかいうものはあまりないところでありまして、当然市町村道が主となっておるのであります。そういう非常に力の弱いところ、この機械の補助につきましても、たしか三分の二だったかと思うのでありますが、五百万も六百万もするような機械をなかなか全部が全部買ってもらえるわけではない。やはり市町村費もつけ足さなければならぬようになりまして、市町村の貧弱な財政ではなかなかそこまでうまくいかぬわけであります。やはり除雪の面においても国がある程度めんどうを見てやらなければうまくいかぬのではないかというふうに考えるわけであります。ことに申し上げたいのは、市町村道の除雪というようなものは、先ほど来、非常に必要だと言っておられるのでありますけれども、いま申し上げましたように、市町村なんかは金がないのでありますので、結局、市町村の各部落民が、必要に応じて無料奉仕でみんな除雪をしておるということ等も考え合わせますと、やはり国からも幾らか金がくる、市町村もそれで金を出しやすくして、無料奉仕でない——何も仕事のない農村も、ある意味においては救農事業というようなことにもなるわけでありますので、そういう点についてもう一度考えていただきたいと思うのでありますが、その点いかがでございましょう。
  166. 豊田栄一

    ○豊田説明員 お答えいたします。  お尋ねの点につきましては、先ほども御説明したとおりでございますが、いま除雪で一番お金がかかりますのはやはり機械でございます。そういう点で、機械の台数、それから機械は、これを受け取ってもやはり管理能力の問題がございまして、その辺もかね合わせまして逐次拡大して、先ほども申し上げました五カ年計画では、全体で大体三百台くらいを考えて市町村補助するようにしようということでいま臨んでおります。  その他の、市町村としての財政処置の問題につきましては、これは私のほうでなく、むしろ自治省の問題でありますので、またそのほうから御説明があるのではないかと思っておりますが、一応われわれとしては現在できる範囲での最善の措置をとっておる、こういうふうに考えております。
  167. 大竹太郎

    ○大竹委員 次に、雪寒地帯でやっております建設工事についてでございますが、これは東京あたりで見ておりますと、ことに冬の間なんかは非常に東京あたりは雨が少ないものでありますので、雨の降った日は外の仕事をやらないというような実情のように見受けるわけでありますが、この積雪寒冷地帯におきましては、十月、十一月ごろから天気の日なんかほとんどないのでありまして、みぞれの中で仕事をやるか、雪の中で仕事をやるかしなければ、仕事が全然できない。ことに、春になりまして、年度末になって早く仕事を仕上げなければならぬというときにおいて、ことしのような雪になりますと、なかなか繰り越すというわけにもまいらぬ場合もございますし、これは非常に困るのでありまして、相当、ブルドーザーによる除雪とかその他をやって工事を進めているようでございますが、こういうような面からいたしまして、特にこういうような雪のあるときはもちろんでございますし、また、そうでないときにおきましても、雪とか、みぞれとか雨とかいうことで建設工事の面でも非常におくれるし、普通の南国地帯における工事と違ってその面の金もかかると思うのでありますが、そういう面について建設省では何とかめんどうを見る、工事費の面においてある程度加減をするというようなことはお考えになっておらないかどうか、その点を……。
  168. 豊田栄一

    ○豊田説明員 これは私の所管ばかりではないので、所管を中心にしてお話いたします。  ただいまの除雪費の計上の問題がございます。これは実施設計の問題でございまして、一応、年度当初の設計でもって施行期間が積雪地帯積雪期間にかかる場合の問題と、それから、それを扱う標準的な問題と二つあると思いますが、いずれにいたしましても、建設、ことに道路、河川の場合ですと、ほとんどが実施設計によって施行されます。そういう点で、その中では、当然その時期になりますと設計変更という問題もございます。そういう点で十分いまの先生の御質問のお答えになるのじゃなかろうか、われわれのほうはそういうように感じております。
  169. 大竹太郎

    ○大竹委員 いまのお答えで大体納得はいたしましたが、特にことしのような雪中にある期間が長いというようなときには、いまお話のありましたような設計変更というようなものを十分お認めをいただいて対処していただきたいということを特に要望を申し上げます。  いま一つ建設省関係でお聞きしたいのでありますが、先ほど来除雪の問題を出しましたが、半年という長い問、雪の下に、たとえば道路といたしますとあるわけでありますので、一体道路はどうなっているかというようなことはなかなかわからぬわけでありまして、相当雪が降りますと、石積みのあるような道路の決壊とか、あるいはなだれとともに落ちてきます土砂くずれとかいうようなことで、雪がやれやれ消えたということで喜んだところが、道路は通れないというようなことは、山間地帯においてはしばしばあることであり、非常に困るわけでございますが、そういうようなときには特に急いで災害の緊急査定もしていただかなければ、ますます山間のあらゆる産業その他の面でおくれるとかいうことになるわけでございますが、こういうような緊急査定その他については十分お考えになり、お手配をしてあると思うのでありますが、その点についてひとつ……。
  170. 重兼暢夫

    ○重兼説明員 現在のところ、融雪災害につきましては、二、三の県から災害報告は一応電話でありましたが、まだ本格的な災害報告はございません。しかし、その中で一、二問題のところがありますので、現在成功認定で現地に行っておる者に工法協議をさす、こういうことでやっております。いまお話のございました災害緊急査定につきましては、ある程度まとまりましたならば、県の準備ができ次第、災害査定をいたしたいと思います。それで、非常に少ない場合には、一応工法協議その他のことで早急に仕事ができるようにしていきたいと思います。
  171. 大竹太郎

    ○大竹委員 それでは、建設関係の点はその程度にいたしまして、時間がございませんので、自治省関係と大蔵省関係あわせて二、三お聞きいたしたいと思うのであります。  先ほども申し上げましたように、市町村道の除雪、それから先ほど稻村先生からお話のありましたような農地の消雪の問題その他で、市町村としては相当の金額——新潟県の私の関係のある市町村その他では、ごく貧弱な市町村でも四、五百万円の債務負担行為を市町村議会で議決をいたしまして、道路の除雪あるいは耕地の消雪というようなことをやっておるわけでございます。もちろん、自治省におきまして、特別交付税というようなものにおいてこれらの点を御考慮いただけるものだというふうに考えるわけでありますが、これらの点いかがなものでしょう。
  172. 首藤堯

    ○首藤説明員 ただいまの御質問にお答え申し上げます。  御説のように、積雪寒冷地帯におきます道路の除雪なり、あるいは建物の除雪なり、こういったたぐいの諸経費ないしは積雪寒冷地帯におきまする工事費の増高等にからみます市町村あるいは都道府県の経費は大きな額になるわけであります。基本的には、このような積雪寒冷地帯のための特別の財政需要を、普通交付税の基準財政需要額におきまして、例の積雪寒冷補正係数で扱いまして財源措置をしております。この額は、昭和三十九年度では総額で二百十二、三億になっておると思います。これは三十八年度よりずっと増額をいたしております。基本的にはこのような措置で一般的なものはできるわけでございます。ただいま御指摘のように、特にひどい異例の積雪等がございますと、この経費だけでもまかなえない事態も起こりますから、このような場合には特別交付税をもって事情に即応いたしましたような措置をとりたい、こう考えております。
  173. 大竹太郎

    ○大竹委員 時間もありませんので、簡単にいたしたいと思います。  その他の税の減免措置でありますが、これは、積雪の審議会でございますか、それらで答申その他も出ておりますが、この際ちょっとお考えをお聞きしておきたいのでございます。この間も寒冷地手当の問題でいろいろ問題になったのでありますが、やはり暖房費でありますとか、あるいは家の除雪費であるとか、あるいは雪かきの費用だとかいうようなものを考えて寒冷地手当が等級をきめられて出されておる。これは私は非常にけっこうなことだと思いますし、そうでなければそういうところに行く役人の人はないわけでありますので、そうなければならぬと思うわけであります。私は、基本的には、一般の人に積寒地帯に対する積寒控除というようなものを所得税の範囲において認めるべきものだということを、私、この間寒冷地手当の問題を審議しているときに強く感じたわけでありまして、もちろん、この審議会のほうからもそういう意見が出ているようでございますが、こういう機会に、これは大蔵省になるわけでありますから、ひとつ御意見をお聞きしておきたいと思います。
  174. 平井龍

    ○平井説明員 ただいまのお尋ねは、農業所得に対する国の特別の控除制度を設けることができないかというような御指摘かと思いますが……。
  175. 大竹太郎

    ○大竹委員 農業所得ばかりではございません。
  176. 平井龍

    ○平井説明員 全般のお話でございますと、国の所得税の関係でございますので、私どものほうの所管でございませんから、お答えしにくいわけでございますが、ただ、今日の住民税は、おおむね国税と同じようなベースで所得を算定いたしまして、それに対して課税をするという仕組みになっておるわけであります。その限りにおいて申し上げられますことは、現在の住民税におきましても、基礎控除、扶養控除、その他各種の控除におきましては、ある程度そういったものが、お尋ねの点が理屈の上では反映されておるということでございます。一般的にそのような地域的なものを反映したものを各種控除の中に設けるというのは、現在の税制の体系から見まして、また水平的な負担の公平を確保するという点から見ましても、なかなか困難ではないかと思うのであります。ただ、農業所得の標準事務につきましては、最近国税から漸次地方税のほうにその作業が移されつつあるわけであります。したがいまして、実際の農業所得標準を作成する段階におきまして、各地域ごとに協議会をつくりまして、国税と地方税と農業団体と三者間で、その地域に適切な所得標準率をつくるような方向に向かっておるわけでございます。すでに相当なブロックにおきましてこれの所得標準率ができつつあるわけでございます。それをつくる過程におきまして、ただいまお話のような農業所得あるいは林業所得等におきます地域差というものが可及的にその地域の実態に即応するようにつくられるべきではないかということにつきまして、私どもも行政指導におきまして、その地域に合うような所得標準率をつくるような方向で指導をしてまいっておるわけであります。
  177. 大竹太郎

    ○大竹委員 いまの問題はなかなかむずかしい問題でもございますので、まだ引き続いて委員会でおやりになるそうでありますから、そのうちまた大蔵省のほうからお聞きしたいと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いしておきます。  次に、時間がございませんので、文部省の関係をお聞きいたして終わりたいと思うわけでございますが、御承知のように、ことしは雪解けが非常におそうございまして、積雪地帯におきます冬季分校は、普通はこの三月末で閉じることになるそうでありますが、ことしはこの期間も延長しなければならぬということになっておるわけでありますが、市町村のこの方面の負担というものも相当にのぼるわけでありまして、これらについて国のほうでめんどうを見てもらえるかどうかということをまずお聞きしておきたいと思います。
  178. 大串不二雄

    ○大串説明員 ただいまの御質問にお答えいたします。  冬季分校は、これは雪の多い地方におきましては、それぞれ冬季間児童生徒の通学を容易にいたしますために設置されます制度でございますが、これは、その雪の多い少ないによりまして、開設される期間も長い地方と短い地方があるわけでございます。この設置に関しましては、これは市町村において置設をするわけでございますが、学級編成の関係がございまして、都道府県が学級編成等を認めましてそうして教職員の配当をするわけでございます。この教職員の配当につきましては、それぞれ都道府県、それから国庫補助がありまして、給与については措置されておるわけでございますので、その冬季分校は、開設の時期が長い短いにかかわらず、開設されております期間の教職員の給与につきましては当然措置されるわけでございます。  それから、その開設に伴ないます事業費と申しますか、学校経営をしていきますための事業費につきましては、これは特別交付税によりまして交付されておりますので、このほうも、その開設の時期が長い短いによりましてそれに応じて交付されるわけでございます。  以上のような次第でございます。
  179. 大竹太郎

    ○大竹委員 ちょっと新潟県の事情を申し上げたいと思いますが、これは私いま県の方にちょっとお聞きしたので、あるいは数字が多少間違っているかもしれないけれども、その点はお許しいただきたいと思いますが、新潟県は雪中分校は百五十一校あるそうでありまして、その教員を調べてみますと、有資格者がたった七名しかなくて、無資格者が百七十七名もあるという報告を受けておるわけでありますが、雪のあるところはへんぴなところでもあるし、また都市から遠い山間にあるということでもあると思いまして、有資格者の教員はそういうところへはなかなか行きたくない、こう思うのは当然だと思うのでありますが、私いまこの数字をお聞きして実に驚いておるわけでありまして、こういう点について、これは第一の責任者はもちろん県でありましょうけれども、国として一体こういうあり方でいいのかどうか、国の文教施策としてこれで満足できるかどうか、国としてこういうことに対してどうお考えになっておるかということをお聞きしておきたいと思います。
  180. 大串不二雄

    ○大串説明員 実は、この問題は初等中等教育局の所管でございますので、所管が違いますので、十分なお答えはいたしかねるかもしれませんけれども、この僻地教員になるべく優秀な教員に行ってもらえるようにということにつきましては、かねて問題になっておる点もございますし、文部省でも何とかこれについて措置をしなければならないということを考えておりまして、それで僻地教員につきまして四十年度から特別昇給の制度を設けまして、なるべく僻地にも優秀な教員が行きやすいようにいたしたいというふうに考えているわけでございます。
  181. 大竹太郎

    ○大竹委員 それから、たしかこの四十年度の予算からできたと思いまするが、通学補助であります。あれを見ますと、中学が六キロ、それから小学校は四キロですか、補助基準がたしかそうなっていると思うのでありますが、特に山間あるいは豪雪地帯というようなものについては、六キロ、四キロでは少し遠過ぎるとでも申しますか、さように思うのでございまして、この標準をやはり少し下げるべきじゃないかというふうに考えられるので、この点についてお伺いいたします。
  182. 大串不二雄

    ○大串説明員 これらの問題につきましても所管が違いますので、あるいは十分なお答えがいたしかねるかもしれませんけれども、この通学補助につきましては、ただいま御指摘のようなことによりまして通学補助をいたすことは四十年度から措置することにいたしておるわけでございます。それで、一応これは児童生徒の通学にそうひどく困難を来たさないという範囲で、中学校は六キロ、小学校は四キロというふうにいたしておるようなわけでございますので、これにつきましては、先生御指摘のようにこれを変えるということは、ちょっといま直ちに変えることは困難と思いますけれども実施をいたしました上で、もしこれが妥当ではないというふうなことがわかりますれば、将来訂正をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  183. 大竹太郎

    ○大竹委員 最後にお聞きしたいのでありますが、先ほど文化財について八田先生からお聞きいたしたのと同じ趣旨でありますが、学校あるいは教室あるいは屋内体操場等の除雪費でありますが、これも非常に山間としては労力を要するわけでありまして、これらも中学校あたりは生徒にやらせるところもあるようでありますし、また住民がいわゆる奉仕をしてやるというようなところもあるわけでございますが、なかなかこれは雪の降らぬところの人にはわからぬ問題でございまして、ことに最近は山間地におきましては、若い者はみんな冬季間には出かせぎに出てしまって、御承知のように、女と年寄りだけしか残らぬというような実情もございます。そういうようなことで、ときによっては一晩に二メートルも降るというようなところもあるわけでありまして、非常に緊急を要するということと、それから人手もないし、これをやるということになれば、勢い昔と違いまして相当金がかかるということになるわけでございます。そういうような面から、この学校等の一もちろん、これはそのほかの公共建物についても言えるわけでありますけれども、相当この除雪費を見ていただかなければ、特にこういう豪雪の年においては、市町村の財政的な負担その他から見まして、とても持たないという事情にあるわけでありますが、これらの点について文部省としてどうお考えになりますか。
  184. 大串不二雄

    ○大串説明員 ただいまの件につきましては、御承知のように、公共施設の除雪事業に対しまして補助する法律が公布されております。これに基づきまして政令をつくりまして実施に移さなければならない次第でございます。けれども、この政令をつくりますことにつきまして、これはもう各省にまたがる問題でございますので、文部省からお答えいたしますのもどうかと思いますが、しかし、この対象となります公共施設の中では学校その他文教施設が非常に大きな比重を占めておりますので、補助対象事業の判定の基準につきまして文部省で案をつくるということになっておりまして、これにつきまして何ぶんこの補助対象の実態が不明確でございますので、昨年、全国豪雪地帯府県にはかりまして、大体全部で七百七十五市町村にわたりまして約一万五千校につきまして除雪事業の実態を調査したわけでございます。何ぶん、この法律は、非常な豪雪の時期における財政措置となっておりますので、過去数カ年にわたりまして平年の除雪事業の実態、それから異常な豪雪のときの除雪事業の実態を把握しなければなりませんので、それにつきまして調査をいたしたわけでございますけれども、何ぶん過去数カ年にわたりましての調査でございますから、市町村でも把握がなかなか困難だったと見えましてその報告がなかなか集まりませんで、ようやくことしの一月から二月に入りかけて報告が出てまいりましたような次第でございます。それで、これをさらに分析いたしてみますと、除雪事業の実態が非常に複雑でございまして、詳しく申し上げる時間がございませんけれども、同じ一回除雪したと申しましても、その除雪のしかたがいろいろな内容を含んでおります。非常に複雑でございますので、さらにこれは一々につきまして実際に調査いたしませんと実態が把握できませんので、さらに係官を各地に派遣いたしまして、その調査とあわせまして実態を調べたわけでございます。その結果いろいろなことがわかってまいりまして、ただいまその調査の分析をいたしておるわけでございますけれども、これも大体終了に近づきましたので、これに基づきまして関係地方庁と早急に連絡をとりまして、政令の原案作成を急ぎたいと思っておる次第でございます。
  185. 大竹太郎

    ○大竹委員 申し上げるまでもなく、山間の市町村での公共建物といえば、まあ学校が一番群を抜いて除雪面積の多い建物なわけでありまして、したがって、この公共建物の除雪に関しては文部省が主として立案される、これは非常に当を得た考え方だと私は思うわけであります。ことに最近人手がなくなりまして金もかかるというような面から、市町村としては非常に頭を悩ましている大きな問題でございますので、文部省としても積極的に取り組んでいただきたいということを最後にお願いいたしておきます。  委員長、いろいろまだこまかくお聞きしたい点がありますけれども、また近いうちにおやりになるそうでありますので、きょうはこの程度にいたしておきます。
  186. 楯兼次郎

    楯委員長 稻村隆一君、専売公社が見えました。
  187. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 専売公社にお尋ねいたしますが、豪雪のため、たばこの仮植えが必要なわけですね。この仮植え床の除雪費の補助措置はどうなっておるか、お尋ねしたいと思います。
  188. 難波寛次

    ○難波説明員 私どものほうでは、今度の雪によって作業が若干おくれたようには聞いておりますけれども、まだ何ぶん実情について詳細な報告が入っておりませんので、これから調査するところでございます。
  189. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 それで、被害がひどくて、そういう助成をしなければならぬような状況であれば、やはり助成するんでしょう。
  190. 難波寛次

    ○難波説明員 私どものほうで除雪その他災害復旧等で直接耕作者のほうに補助をするということはほとんどないわけなんですが、何ぶん、今度の場合まだ実情の程度がわかりませんものですから、十分調査した上で検討いたしたいと思います。
  191. 稻村隆一

    ○稻村(隆)委員 そういう仮植え床の除雪費に対しての助成の例はないのですか。
  192. 難波寛次

    ○難波説明員 ございません。
  193. 楯兼次郎

    楯委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。    午後五時四十三分散会