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1965-04-22 第48回国会 衆議院 災害対策特別委員会 第7号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
四十年四月二十二日(木曜日) 午前十時四十一分
開議
出席委員
委員長
楯 兼
次郎
君
理事
稻葉 修君
理事
小沢
辰男君
理事
田中 正巳君
理事
中山 榮一君
理事
稻村
隆一
君
理事
山口丈太郎
君 大竹
太郎
君
小枝
一雄
君 田澤 吉郎君 武市
恭信
君
西岡
武夫
君
八田
貞義
君 細田 吉藏君 湊 徹郎君 森下
元晴
君 岡本
隆一
君
辻原
弘市君
西宮
弘君 武藤 山治君 森
義視
君
八木
一男
君 吉村 吉雄君
吉田
賢一
君
出席政府委員
大蔵事務官
(
主計局次長
) 澄田 智君
文部事務官
(
文化財保護委
員会事務局長
) 宮地 茂君 厚 生 技 官 (
公衆衛生局
長) 若松
栄一
君 厚 生 技 官 (
医務局長
) 尾崎
嘉篤
君
農林政務次官
舘林三喜男
君
通商産業事務官
(
公益事業局
長) 宮本 惇君 建 設 技 官 (
河川局長
) 上田 稔君
委員外
の
出席者
大蔵事務官
(
理財局地方資
金課長
)
玉置
明男君 文 部 技 官 (
管理局教育施
設部指導課長
)
大串不二雄
君
厚生技官
(
環境衛生局水
道課長
) 大橋 文雄君
厚生事務官
(
医務局総務課
長) 渥美 節夫君
農林事務官
(
大臣官房参事
官) 尾中 悟君
農林事務官
(
農林経済局金
融課長
) 今村 宣夫君
農林事務官
(
農政局参事
官)
玉置
康雄君 農 林 技 官 (
林野庁指導部
長) 福森 友久君 運 輸 技 官 (
気象庁予報部
長) 今里 能君
労働事務官
(
職業安定局失
業保険課長
) 道正 邦彦君 建 設 技 官 (
河川局防災課
長) 重兼 暢夫君 建 設 技 官 (
道路局企画課
長) 豊田
栄一
君
自治事務官
(
財政局地方債
課長
) 首藤 堯君
自治事務官
(
税務局市町村
税課長
) 平井 龍君
日本専売公社生
産部生産課長
難波
寛次
君
日本国有鉄道参
与 (
施設局長
) 河合 秀夫君 ――
―――――――――――
四月八日
委員中島茂喜
君及び
西宮弘
君
辞任
につき、その
補欠
として
吉川久衛
君及び
赤路友藏
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月九日
委員吉川久衛
君、
二階堂進
君、
西岡武夫
君、坂 本
泰良
君、
泊谷裕夫
君及び
中村重光
君
辞任
につ き、その
補欠
として
小枝一雄
君、
前田正男
君、
坊秀男
君、
辻原弘
市君、
森義視
君及び
八木一男
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同月二十二日
委員小枝一雄
君、
坊秀男
君、
前田正男
君、
赤路
友藏
君、
辻原弘
市君、
森義視
君及び
八木一男
君
辞任
につき、その
補欠
として
八田貞義
君、
西岡
武夫
君、
二階堂進
君、
西宮弘
君、
坂本泰良
君、
泊谷裕夫
君及び
中村重光
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員八田貞義
君
辞任
につき、その
補欠
として中
島茂喜
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
四月十二日
昭和
四十年一月の
北海道
及び
東北地方
の
高潮災
害対策
に関する
陳情書
(第一 九九号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
昭和
四十年三月の
豪雪
及
び森林火災
に関する件
派遣委員
からの
報告聴取
災害対策
に関する件(
近畿地方
における
降雪及
び森林火災
による
災害対策並び
に福島県及び新 潟県における
降雪
による
災害対策
) ――――◇―――――
楯兼次郎
1
○
楯委員長
これより
会議
を開きます。
災害対策
に関する件について
調査
を進めます。 〔
委員長退席
、
小沢
(辰)
委員長代理着席
〕
小沢辰男
2
○
小沢
(辰)
委員長代理
まず、先般の
近畿地方
における
降雪及
び森林火災
による
被害状況調査
のため
現地
に派遣されました
委員諸君
から
報告
を聴取することにいたします。楯兼
次郎
君。
楯兼次郎
3
○
楯委員
私は、
近畿地方
の
降雪及
び森林火災
による
被害状況調査
のため派遣されました
委員
を代表して
調査
の概要を御報告申し上げます。
派遣委員
は、
小枝一雄
君、
赤路友藏
君、
大村邦夫
君、
稲富稜人君
と私の五名でありますが、
地元選出議員
として
辻原弘
市君、
森義視
君、
八木一男
君、
吉田賢一
君及び田中織之進君が
調査
に御参加をいただき、四月九日から十二日までの間、
奈良
県、
和歌山
県及び
大阪
府管内の
被害地
を親しく
調査
してまいったのであります。本
調査団
は
現地
において便宜上二班に分かれ、第一班は
奈良
県を主とし、第二班は
和歌山
県を主として
調査
し、
大阪
で合流したのであります。以上三府県のほか、雪害は近畿、中国各府県に及んでいたのでありますが、特に
被害
の大きい兵庫県及び岡山県につきましては、日時の関係もありまして
現地
に参ることができませんでしたので、
大阪
において
関係者
から詳細に実情を承ったのであります。 まず
雪害状況
について申し上げます。 雪害時の
気象状況
は、去る三月十六日大陸から張り出した寒冷前線が近畿、
中国地方
を通過して太平洋に抜けた際、
奈良
県を中心とした
近畿地方
、
中国山脈一帯
に
上昇気流
が起き、その
あと
へ冷たい空気が流れ込み厚い層の積乱雲が発生し、これが冷却され豪雪となったのであります。 この
積雪
は、
奈良
県においては、
山間部
で五十センチ、
平たん地
においても三十センチの
積雪
を見たのであります。
和歌山
県においては、高野山で一メートル、
平たん地
の
かつらぎ
町付近にて七十センチを記録しているのであります。
大阪
府においては、
山間部
は三十センチ、
平たん地
にても十五センチの
積雪
を見たのであります。 今回の
降雪
は、質的に
北海道
、
裏日本
の雪質と異なり、湿度の高い
ボタ雪
でありまして、粉雪は一坪立方が七百貫目程度であるに対し、
ボタ雪
は千五百貫目をこえる重量があるといわれているのであります。しかもこの湿雪が短時間に集中して降ったため、急速に重量がかかったわけであります。これがため、
積雪量
は
北海道
、
裏日本
の
積雪地帯
のそれに比べますと少いのでありますが、
積雪量
に比較して重量が大きい
積雪
となったため、甚大な
被害
が発生したのであります。 今回の
降雪
は
里山林業
に対する
被害
が大きく、全国に美林を誇っている
吉野林業
に大打撃を与えたのでありまして、その様相はまことにむざんで、折損、倒伏をほしいままにし、特に鋭利な刃物で
けさ切り
にしたような
折損状況
が随所に見られ、豪雪の悪戯のおそろしさを如実に物語っていたのであります。
林業被害
の
特殊性
といたしましては、
被害
時の
損害額
のみで判断ができないことであります。特に
吉野林業
といわれる
銘木専門林業
におきましては、改植してから早いもので十年、通常二十年以上を要するものであることは、皆さまも御存じのとおりであります。したがいまして、
林業
の
被害
は、その復旧がその年度内において解決できるものでなく、長く将来にわたってその復旧の努力を要するものである点が他産業と大いに異なっております。また
被災者
の大半が
零細林業者
であり、営々として十数年の辛苦を経て商品化され、伐採、出荷、換金という時期に甚大な
被害
をこうむったところが多いのでありまして、
被災者
の落胆は想像に絶するものがあるのであります。
被災者
が
造林意欲
を燃やし、再生産に励むようにするため、物質的、
精神的両面
から最善の援助を与えることが、国会及び
政府関係者
として最も重要なことであります。 私どもは、
被災者
に対しまして心から同情申し上げるとともに、
被災者
の意とするところを十分くみ取り、これが実現に
官民一体
となり最大の努力を尽くすことが肝要であると痛感してまいったのであります。 また、
森林被害
に次ぐものとして
ビニールハウス
が大きな
被害
を受けているのであります。
農業経営
の
近代化
のため設置された
鉄骨製
の
ビニールハウス等
は、容赦なくあめのように押しつぶされた残骸が各地で見られたのであります。これは解体する以外に方法はないのでありますが、作物が現在出荷時期にある関係上、当座の間に合わせとして多数の人力をもって屋根起こしをし、かろうじて作業を続けていたのであります。この
地方
の農家の大半は、多くの借金をかかえながら
農業近代化
につとめ、
近代化
が緒についたばかりであるだけに、農民の苦痛、落胆は察するに余りあるものがあったのであります。また、
被害激甚地
は
山林地帯
であるだけに、唯一の
連絡機関
である
有線放送施設
の損害は相当の痛手のようであったのであります。さらに、この
地方
の主産物の
果樹
の損傷ははなはだしく、たとえ外見たいした
被害
と見られない
果樹
でありましても、その中には樹勢回復不能のものが三〇%にも及ぶといわれる損害が痛々しく見受けられたのであります。 これらの
被害
の額を各
府県別
に見ますと、
奈良
県は総額六十七億八千万円に達しており、そのおもなものは、
森林被害
六十四億六千万円、
ビニールハウス等
一億円、梅、
かんきつ類等
の
果樹
及び野菜、イチゴ、
花卉等
の
被害
が二億一千万円となっているのであります。
和歌山
県は総額五十六億九千万円となっており、そのおもなものは、
森林被害
二十億円、
ビニールハウス等施設
一億九千万円、
果樹
は
ミカン類
の減収二十億円、
あと
で申し上げます
火災
による
森林被害
十五億円等であります。
大阪
府は総額三十三億円でありまして、そのおもなものは、
森林被害
十四億円、
果樹
十億円、
ビニールハウス等施設
に三億円及び
野菜類
五億円等となっているのであります。 兵庫県は総額三十四億円で、そのうち、
森林
二十二億円、
果樹
七億円、
ビニールハウス等施設
二億円、蔬菜二億円等となっているのであります。 岡山県は総額二十億円でありまして、そのうち、
森林
十六億円、
果樹
、
野菜おのおの
一億円、
ビニールハウス等施設
二億円となっているのであります。 次に、
和歌山
県に発生した
森林火災
による
被害状況
について申し上げます。 今回の
森林火災
は、三月十二日から十六日までの間において通過した不連続線による
落雷等
により
串本地区
及び有田郡
等県内数カ所
において
火災
が発生し、当時は
異常乾燥下
であり、これに加えて北西の季節風にあおられ火勢はますます増大し、
消防団
、自衛隊、地元民の活発な
消火作業
にもかかわらず燃え広がり、おもな三カ所についての
被害
は延べ二千七百六十五ヘクタール、金額にして十五億円となっており、その中でも
串本地区
の
火災
は特に大きく、二千ヘクタールで十二億円に達するものであります。この地域は昭和十八年に一万五千ヘクタール延焼する大火があったのでありますが、
林業者
の必死の努力により
造林
が進められ、今年ようやく十七、八年生となって
製品価値
を生むまでにこぎつけたやさきに、再びこのような大
火災
に見舞われたのでありまして、二、三の大
規模経営者
を除いては零細な
林業者
が多く、昭和十八年の
火災被害
を加え通算して四十年にも及ぶ無収入の山林となり、このような山林に対しては、
林業
を経営する意欲を失っているのが大部分であり、
あと地
の整地すら全然行なわれず放置したままになっていたのであります。われわれが
現地
に足を踏み入れてみますと、東西四キロ、南北三キロの山林は、黒い炭と化した立木、これにまじって所々に団地を形成して茶褐色に熱風のあおりで焦げた
樹木群
が点在し、幾重にも重なる山山は、見渡す限り不気味な姿をあらわしていたのであります。 本来ならば、
日本本土
の最南端に位置し、黒潮が岸を洗うまでに迫り、奇岩、奇石を随所に配し、豊富な
森林資源
に恵まれ緑におおわれた山が海岸に突出し、風光明媚、
国立公園
の中でも特に有名な景勝の地と称されているところであり、周囲が美林であるだけに、特に焼け
あと
は悲惨な姿をきわめているのであります。 以上が雪害及び
火災
の概要でありますが、
調査
の足取りを簡単に申し上げます。 第一班は、まず
奈良県庁
に参り、知事ほか
関係者
から
被害
の実情と要望について陳情を聴取し、直ちに
現地
に向かい、田原本町の
農作物被害
を
調査
した後、大宇陀町、東吉野村、吉野町、下市町、五條市、西吉野村管内の
林業被害
並びに
農作物被害
の
調査
を終えて
大阪
に参り、第二班の
調査団
と合流し、
大阪府知事
をはじめ、岡山県、兵庫県当局から
被害
の実情と陳情を聴取いたしました。 第二班は、串本町の
森林火災現地
を
調査
した後、
和歌山
市から
かつらぎ
町を経て橋本市までの間における
森林
、
果樹
及び
ビニールハウス
の
被害
の
調査
を終えて
大阪
に参ったのであります。 次に、
現地
において聴取いたしました要望につき、
調査団
の意見を付して申し上げます。
融資関係等
といたしましては、第一に、
天災融資法
の
早期適用
と
特別被害者
としての三分五厘
資金
の
貸し付け
について配慮されたいとのことであります。 今回の
災害
のおもなものは、
林業
という、その生産に長期間を要する産業という
特殊性
にかんがみまして、
資金
の
貸し付け
にあたっては、
貸し付け限度額
と
償還期限
の大幅な緩和を行なうよう特別の
措置
を考慮すべきであると思うのであります。なお、
被害
の激甚なるにかんがみ、
激甚災害法
の適用についても、特段の努力を払われたいとの強い要望がありました。 第二に、
農林漁業金融公庫
の
造林資金
の
貸し付け条件
を緩和されたいということであります。
林業被害
中、倒木が十年生から三十年生のものが大半を占めている実情からして、倒木の雪起こし資産としての
造林資金
については、公庫の
貸し付け対象
の五年を、本
災害
の
臨時措置
として三十年と
大幅緩和
を行ない、
被害者
の実情に沿うようにすべきであると思うのであります。一部には、二十年、三十年の林齢のものについては、折損あるいは倒伏したものは、雪起こしを行なっても、はたして、樹勢を回復するかどうか疑問もあるようでありますが、
現地
においては、三十年のものについても十分雪起こしの効果があることを力説しておりました。
政府
におきましては、今回の
復旧対策
においてこの点が重要な点でありますので、積極的に対処されんことを望むものであります。 第三に、
自作農維持資金
、
林業経営安定資金
について早急に
貸し付け
られたいということであります。 第四に、
農業近代化資金
の
既貸し付け
についての
償還期限
の延長と再
貸し付け
の
措置
を講ぜられたいということであります。 今回の
被害
は
ビニールハウス
が非常に多いのでありますが、この
ビニールハウス
の
設置資金
は
近代化資金
から
貸し付け
を受けているのが多い現状からして、
返済金
の猶予、借りかえをはかるとともに、
ビニールハウス等
の
被害部分
の取りかえ及び修理に必要な
資金
を確保するようにつとめるべきであると思うのであります。 次は
造林
の促進であります。
被害林業者
の圧倒的多数は
零細者
であり、重なる
被害
のため
造林意欲
を失っている現状からして、
被害者
に負担をかけない
造林
の方法を考えるべきでありまして、その一つの方法として、
被害者
の
林地提供
、県、
市町村
、公社、
公団等
の事業の実施、
資金提供
による分
収造林
を行なうことが適切であろうと思うのであります。この際においても、
被害者
の分
収割合
を有利にするため、国、府県、
市町村等
が高率の
造林補助
をするとともに、
補助残融資
についても特段の
措置
を講ずべきであると思うのであります。また、現行の
造林補助
は、再
造林
、
拡大造林
と分かれておりますが、今回のような
災害
についての
補助率
は、
期待利益
が全然見込まれない事情からして、
拡大造林補助
を大幅に上回る
補助
をするよう、
政府部
内で早急に検討し、その実現を要望するものであります。 次に、
国営森林保険
に対する
加入促進
であります。 世界に類を見ない天災による
保険制度
が確立されているにかかわらず、この恩恵を受けることができない現状であります。
森林所有者
の
所有形態
が複雑であることに基因し、容易でない点は認められますが、国の
助成
及び指導と相まって
全員加入
までの促進に努力すべきであると思うのであります。さらに、
加入促進
、
制度活用
、運営の
合理化等
の点からして、必要があれば国営から民営に移すことについても検討することが望ましいと思うのであります。 次に、
防災事業
について申し上げます。 第一に、
林道網
の整備であります。 特に串本町の
森林火災
について見ますと、
火災
は、東は古座川で、西は林道にて消火しているのであります。この点、林道が防火に果たす役割の大きいことが立証されているのであります。したがって、今回の
災害
を契機に、熊野の南側の
山林地帯
のように
異常乾燥地帯
につきましては、防災を目的とした
特殊林道
の制度を確立し、
高率補助
による
早急実施
が望まれるのであります。また、
奥地森林地帯
に対しては
防災用ため池等
の設置を進め、
防災作業
の
能率化
に備えるべきであると思うのであります。 第二に、
緊急治山事業
の実施であります。 台風時期を控えて、
被害あと
には緊急に
治山施設
を設置し、降雨に対する対策を立てないならば、一たん台風来襲した場合、下流の民家をはじめ諸
施設
は大きな損害をこうむることは必定と思われるのであります。この点、早急に計画し、事業に着手すべきであると思うのであります。 第三に、防火のため
森林火災発生
及び
消火活動
の
連絡長距離用無線機
を設置するとともに、
巡視員
の増員、設置につき
助成
の道を開くべきであると思うのであります。 次に、
森林火災
の
防災基本対策
の確立についてであります。
和歌山
県の
山林地帯
は、二月から五、六月ころまでは
異常乾燥
が続き
火災
が頻発するのが例年のことであります。これによる損害はまことに甚大で、
木材資源確保
の上からもゆゆしき問題であるのであります。このような
異常乾燥地帯
が全国には岩手県ほか数カ所存在するわけでありますが、年間を通じて
一定湿度
を下回る期間が長期間続く地帯は、
異常乾燥危険地帯
として
政府
が指定し、この地帯については
火災発生
を防除するための
近代的施設
として
監視員
、
監視所等
の
施設
の設置を行なうとともに、近代的なパトロールを行なうように必要な
措置
を講ずるようにして、
災害防止
の実をあげるべきであると思うのでありまして、
政府
においては、
モデル地区
として今回の
火災地帯
を取り上げ、これが
防災計画
を樹立されるように要望するものであります。 次に、
有線放送施設
の
補助率
の
引き上げ
についてであります。
有線放送施設
は、
共同利用施設
として、その
被害
については、
農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助
の
暫定措置法
に基づき、二〇%の
補助
をすることになっておりますが、この
補助率
の
引き上げ
について特段の考慮を払われたいと思うのであります。 以上のほか、
森林労務者対策
上、
労務賃金
の単価の
引き上げ
及び
山間地
における仮
宿泊所
の設置についての
助成
、
病虫害発生
に対処するための
防除器具
、薬剤の
購入助成
、
林業所得
について国税及び
地方税
の
減免措置
、
被害林産物
の搬出に対する
助成
、雪起こしに必要な
ウインチ等
の機械及びなわ、
針金等
の資材に対する
助成等
についても積極的な
措置
を講ぜられたいという要望があったのであります。 以上、
調査
の概要について申し述べましたが、
政府
は、今回の
災害
の
特殊性
からして、各
要望事項
について鋭意これが実現の方向で慎重に検討を加えるとともに、諸法規の
弾力的運用
を行ない、
被災者
の再
生産意欲
を盛り上げるとともに、大きく期待にこたえるべく善処されることを強く要望いたす次第であります。 なお、今回の
森林被害
は、
林業基本法制定
後、初の
災害
でありますが、
政府
といたしましても、この際、従来の例にとらわれることなく、
林業基本法
第十一条二項の
宣言規定
により、
あと
う限りの
救済手段
を講ずべきことを特に要望いたしまして報告を終わります。(拍手)
小沢辰男
4
○
小沢
(辰)
委員長代理
これにて
派遣委員
の
報告聴取
は終わりました。
派遣委員各位
にはまことに御苦労さまでございました。 ————◇—————
小沢辰男
5
○
小沢
(辰)
委員長代理
次に、
近畿地方等
における
降雪
による
災害対策
及び
和歌山
県下における
森林火災
による
災害対策
について
調査
を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。
八木一男
君。 〔
小沢
(辰)
委員長代理退席
、
委員長着席
〕
八木一男
6
○
八木
(一)
委員
ただいまから、
近畿地方
及び
中国地方
の三月十六日、十七日の
雪害
並びに
和歌山
県下の
火災
の問題について御
質問
を申し上げたいと思います。 先ほど、
団長
である
楯委員長
から
視察
についての御
報告
がございました。私も
地元
の
議員
の一員といたしましてその
視察
にお供をしたわけでございますが、
団長
はじめ各
派遣委員
、また
随行者
の
方々
が非常に熱心に
調査
をせられたことにつきまして、心から感謝を申し上げておきたいと存じます。特に、これだけの
調査
をされたことについて、本
委員会
が適切な、明確な
意思表示
をされること、そしてまた、それに関して
政府
がこの
報告書
を実行せられ、また今後、決意をされ、あるいは
委員会
において
意思表示
をされたことを忠実に、十分に早急に
実施
していただくことを
要望
いたしたいと思うわけであります。 それに関して御
質問
を申し上げたいと存じますが、
同僚各位
の御
質問
の御
予定
がございますし、また、この問題について決議をなさる御
予定
もございますので、ごく時間を簡略にいたしまして、問題をしぼって御
質問
を申し上げたいと存ずます。
視察
に同行いたしまして私つぶさに感じましたことは、この四月の一日と七日に本
委員会
で、この三月十六日、十七日の
雪害
並びに
火災
の
災害
について御
質問
を申し上げたときも、相当私
ども
も
実情
について認識を持っておったつもりでございますが、しかし、
現地
を見まして、想像いたしておりましたよりもはるかに大きな
災害
であるということをしみじみと痛感をいたしたわけであります。
政務次官
をはじめ
政府委員
の
方々
もあれを見ていただきたいと思いますが、あそこにあります
災害写真
の中で、左側の一番上に、
鉄塔
が曲がった
写真
がございます。このくらいの
積雪量
であのような
鉄塔
が
あめ
のようにひん曲がったということは、非常に異常な
災害
であるということを示していると思います。私
ども
は、この
写真
で示しているよりもはるかに大きな
災害
であることを実際に見てまいったわけでございますが、いろいろこの問題について
処理
をせらるべき
政府
の
方々
には、この
写真
の
状況
よりもはるかに
災害
はひどいということをぜひ頭の中に入れていただいて、問題を十分に迅速に
処理
をしていただきたいと思うわけであります。
鉄塔
が曲がるくらいでございますから、たとえばコンクリートの柱、そういうものがぶっ倒れる、電線がちりちりと切れちぎれるというような
状況
は至るところにありました。これは私のおもに
視察
いたしました
奈良
県だけではなしに、
大阪
府においても、
和歌山
県においても、あるいはまた
兵庫
県においても、
岡山
県においてもあったようでございます。また、杉の木がほんとうになたでばさりばさりとけさがけに切られたような状態が至るところにございました。また、二十年、三十年の杉の木がまるで
あめ
のようにひん曲がった情景が至るところにあったわけでございます。そのようなことについて
林業者
はぼう然自失をいたしておりましたし、また、農業のほうでも、たとえば鉄あるいは軽金属の非常に堅牢な柱でつくった
ビニールハウス
が、その柱が
あめ
のようにひん曲がってその
施設
がだめになってしまい、そして中の作物が一切だめになってしまって、ぼう然自失をしておる農家の
方々
が多かったわけであります。また、
果樹
につきましては、至るところでりっぱな
果樹
がぼきぼきと折れてしまいまして、そしてその折れた
部分
がだめになるだけではなしに、残った
部分
も全体の樹勢が非常に後退をいたしまして、二、三年は非常に収穫が減るというような
状況
が多分にあったわけでございます。いま
質問
を受けられる
政府委員
の
方々
には、
現地
を見ておられない方でございますから、
現地
がこの
写真
で想像するよりもはるかにひどい、また、
現地
の
林業者
、農業者が非常な
被害
のために非常に困難をきわめ、将来について暗たんたる気持ちでいる、また、
府県
その他
市町村
がそれについて非常に心配をしておるということをどうか十二分に御認識をいただきましてこの問題に対処していただきたいと思うわけでございます。まず、その点について舘林
農林政務次官
からひとつ御決意を聞かしていただきたいと思います。簡単でけっこうでございます。
舘林三喜男
7
○舘林(三)
政府委員
去る三月十六日、十七日の
奈良
、
和歌山
を中心とする
雪害
は、何と申せ、いままであまり
雪害
のないところでございましたし、そんな意味で、
地元
の困窮というか苦痛というものは並みたいていでないことはもちろんでございます。ことに、いま
八木
委員
がお話のしように、経験はない、しかも想像以上の
雪害
でございまして、そのために、ほんとうに
地元
といたしましても、また本省といたしましても、急速に特別の手を差し伸べなくちゃいけないということにつきましては、全く
八木
委員
と同感でございます。
八木一男
8
○
八木
(一)
委員
農林政務次官
の御決意を聞かしていただきまして非常に力強く存じます。それにいたしましても、それについて
政府
の具体的な施策が急速に十分に進められる必要があると私
ども
は考えております。また、
地元
の
関係者
は熱望いたしておるわけでございます。楯
団長
の御
報告書
にあらゆる点について十分に論及されておりますが、その問題の中の柱の問題について、ぜひ農林省当局からひとつ具体的に明確に御決意あるいはまた施策の方向について伺っておきたいと思います。 まず、四月一日、七日の
委員会
でも、たとえば林野庁の長官、たとえば農林経済局長から決意を伺いましたし、また、四月の七日には
農林政務次官
から御決意をはっきりと明確にしていただいたわけでございます。
天災融資法
の
適用
については、これを必ず
適用
するということについて、
農林政務次官
から、この前、四月の七日に、農林省を代表いたしまして明確に御答弁がございました。その点につきましては、
関係者
各位を非常に元気づけたと私
ども
は確信をいたしているわけであります。しかし、まだ発動がいたしてございません。林野庁の長官の四月一日の御答弁では、四月の中旬ぐらいには発動するだけの準備ができるだろうというようなお話でございました。すでに四月の中旬を過ぎております。この
天災融資法
の発動をいつごろなさいますか、ひとつ明確にしていただきたいと思うわけであります。
舘林三喜男
9
○舘林(三)
政府委員
先般、
八木
委員
の御
質問
に対しまして、四月中にはすみやかに
天災融資法
を施行いたしたいと申し上げたのでございますが、いま統計
調査
部の
被害
調査
を急速に取りまとめ中でございまして、四月の終わりまでには大体
実施
できる、かように思っております。
八木一男
10
○
八木
(一)
委員
それでは、四月中に必ず
天災融資法
を発動していただけるお約束いただけたと理解をいたしたいと思いますが、よろしゅうございますか。
舘林三喜男
11
○舘林(三)
政府委員
けっこうでございます。
八木一男
12
○
八木
(一)
委員
そのように確認をいたしておきまして、次に、この
天災融資法
の発動について、経営
資金
の
貸し付け
をどんどん行なっていただくわけでございますが、その
貸し付け
にあたっては、三分五厘の
資金
の
貸し付け
ができるように特別な御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。
被害
特別地域の指定については、ぜひこの
関係
府県
が全部指定県と認められるように、そしてまた、各実際的な地域が特別
被害地
域としてたくさん指定されるように、また実際の
林業者
、農業者が特別
被害林業者
あるいは農業者として指定せられるように、急速に、特に広範にこの指定が行なわれるようにしていただきたいと思うわけでございますが、これについての
政府
の御答弁をひとつお願いいたしたいと思います。
舘林三喜男
13
○舘林(三)
政府委員
天災融資法
が
適用
されました場合に、特別
被害地
域の指定がさらに必要でございますが、大体いままでの実例等から考えますと、ほとんど特別
被害地
域の指定が多くて、実際は六分五厘よりも三分五厘の
適用
が多いわけでございます。今度も、
調査
の結果、はっきりは言えませんけれ
ども
、大体御
期待
に沿うように三分五厘という融資のほうが多くなるというふうに、私
ども
は経験から考えております。
八木一男
14
○
八木
(一)
委員
政務次官
の御答弁で
関係者
の
方々
は
期待
を持つと思いますが、特別にこのような甚大な予想外の
被害
でございますので、希望者が全部三分五厘の
適用
を受けられるように、ひとつ完全にそのようになるように
特段
の御配慮をお願いいたしたいと思うわけであります。 次に、激甚災の
適用
について、
政府
のほうでは、
農林政務次官
から、また総務長官から、また林野庁の長官からも、最善の
努力
をするという御意見を伺っているわけでございますが、これについてもさらに最善の
努力
をしていただきまして、急速に激甚災の
適用
を受けられるようにぜひ御
努力
を願いたいと思いますが、これについて
農林政務次官
からひとつ……。
舘林三喜男
15
○舘林(三)
政府委員
天災融資法
の
適用
は四月末までに必ずいたしたいと思っておりますが、
激甚災害法
につきましては、その
被害
の額が、いろいろな点からいっても、まだはっきりと、これを
適用
できるかどうかということにつきましては、こちらとしても確たる自信がありません。非常に私は困難な状態ではないかと思っておりますが、一応これから先の
被害
等を取りまとめましてから、最後的に公の決定をいたしたいと思います。
八木一男
16
○
八木
(一)
委員
いま困難じゃないかと言われたことを非常に私
ども
としては危惧いたしておるわけであります。先ほ
ども
申し上げましたように、この
写真
で幾ぶんでも類推されると思いますけれ
ども
、ほんとうに激甚な
災害
でございます。見ておられない方については実感が出てこられないわけでございますが、一緒に御同行願いましたたとえば農林省また林野庁
関係
の
方々
も、その
災害
のひどいことにびっくりしておられたわけでございます。たとえば
林業
というものをほんとうに育成する、この
災害
について対処をするということで治山治水の根本をどんどんと完全にしていく、このような中小
零細林業者
がほんとうの意味で立ち上がってそのような
事業
意欲
に燃えることができるように、また、
政府
の政策に従って選択的な作物について非常な
努力
をした農業者の
方々
が
意欲
を失わないために、非常な
災害
でございますから、激甚災の指定についていままでのワクにとらわれることなく、そのことについて御
努力
を願いたいと思うわけであります。いままでのケースについてということではなしに、その実態をぜひほんとうの意味で把握をされて、激甚災の指定について最大の御
努力
をされ、急速にその
措置
をしていただくことを強く
要望
いたしておきたいと思いますが、それについての
農林政務次官
の前向きの御答弁をひとつお願いいたしたいと思うわけであります。
舘林三喜男
17
○舘林(三)
政府委員
激甚災害法
の
適用
につきましては、これは内閣の中央
防災
会議
の意見も聞きまして決定すべきことでありまして、農林省一個としては、いまはっきりと、
八木
委員
の御
質問
に対して、けっこうだ、あるいはいけませんということを答えるわけにまいりません。ただ私、いままでのいろいろの中央
防災
会議
の決定等の例から考えまして、ここで確実にだいじょうぶだと言うこともできませんし、いましばらく研究さしていただきたいと思います。
八木一男
18
○
八木
(一)
委員
防災
会議
にかけなければならないことは私も存じ上げております。しかしながら、この
災害
は農林
災害
でございますから、農林省がそれに非常に
意欲
的に積極的に推進されることが、その問題のかぎであろうと思います。でございますから、ぜひ
農林政務次官
には、また農林大臣とともに、この問題の激甚災指定について積極的な推進力となっていただくよう、そのための最善の御
努力
を強くお願いをいたしておきたいと思うわけであります。どうかその点で最善の御
努力
について前向きの御答弁をいただければしあわせだと思うわけであります。
舘林三喜男
19
○舘林(三)
政府委員
八木
委員
の御希望の点はよく大臣にお伝えいたしまして、研究いたしたいと思います。
八木一男
20
○
八木
(一)
委員
次に、
農林漁業金融公庫
の
資金
の円滑な
貸し付け
を行なってほしいと思うわけでございますが、その中の特別な
部分
として、
林業
災害
の問題で、雪起こし
資金
貸し付け
、保育
資金
ということでありますが、それについて、
林齢
について一定の制限をつけて
実施
をしてこられたような
状況
がございます。しかしながら、私
ども
団長
と一緒に
視察
をしてまいりまして、雪起こしについては、たとえば二十五年生、三十年生のものを、すでに、交通の便利なところですぐ取りかかれる、労働者が集結のできるところでは、雪起こしをしているわけであります。三十年ぐらいのものをしているところがございます。また、そのことをすることによって
被害
を少なくすることができるというようなところがたくさんあるわけでございます。そのことについては、
現地
の
林業者
、また
市町村
関係者
、
市町村
議会の
関係者
、
府県
の
関係者
が、各地で、一番具体的な問題の
要望
の重点の一つとして私
ども
にいろいろと
陳情
をされました。私
ども
も、その実態から、二十年生、三十年生が実際に雪起こしをされている、労働者がいなくて、また交通が不便なので雪起こしをしていないところでも、雪起こしをすることによってその
被害
を少なく食いとめることができるというような状態をつぶさに見てまいりました。その意味で、どうか農林省、林野庁におきましては、この問題について、その雪起こしについて、従来の例にとらわれずに、二十年でも三十年でもそういう問題について融資の対象になるようにぜひお取り計らいを願いたいと思いますが、それについて当局の御答弁をお願いいたしたいと思います。
尾中悟
21
○尾中説明員 ただいまの
公庫
資金
の融資につきまして樹齢制限の問題でございますが、従来、原則といたしまして五年生未満ということで運用をいたしておるわけでございます。しかし、今回の
被害
の実態を見てまいりますと、御指摘のように、相当樹齢の高いものにつきましてもその必要性があるんじゃないかということをわれわれも十分認識しておりまして、今回の
措置
につきましては、五年未満という制限にかかわらず、実態に即しまして、十分
実情
に即するように円滑に
公庫
資金
の融資ができるように善処してまいりたい、こういうように考えております。
八木一男
22
○
八木
(一)
委員
ただいま前向きの御答弁をいただきまして、
現地
の方が非常に喜ばれると思います。 ただ、もう一回確認をしておきたいと思いますが、雪起こしをした分、また、することによってその木を助けられる分については、五年にとらわれぬとおっしゃいましたが、それが二十年であっても、二十五年であっても、たとえ三十二、三年であっても、そういうケースについては融資をするというような御趣旨だと理解をいたしたいと思いますが、それについてもう一回はっきりとひとつお答えをいただきたいと思います。
尾中悟
23
○尾中説明員 いま申し上げましたように、
実情
がやはり個々のケース・バイ・ケースでいろいろ違うわけでございます。したがって、実際に雪起こしをやりまして今後十分に生育していくというようなものにつきましては、いま申し上げましたように、実態に即しまして運用をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
八木一男
24
○
八木
(一)
委員
もう一回はっきりと申し上げますと、そういう実際に即して雪起こしをやった、その必要があるものというものであれば、極端に言えば、三十二年のものでもその対象として融資をされるということであろうと思いますが、それについて明確に前向きの御答弁をいただきたいと思いますし、また、この実際の認定については、十分にその
関係者
の意見を尊重して、その意見に従って御認定になるということにしていただく御意思であろうと思いますが、それについてひとつ御答弁をいただきたい。
尾中悟
25
○尾中説明員 いろいろ申し上げましたように、樹齢ということにあまり——何と申しますか、何年まではどうだこうだということではなくて、実態に即しまして必要性のあるものについては十分考慮してやってまいりたいと思っております。
八木一男
26
○
八木
(一)
委員
前向きの御答弁で非常に満足をいたしますが、私の
質問
申し上げたことに違うことばでおっしゃいましたので、理解が違っているといけませんので、私が一番最後に申し上げたことと同じ意味で御答弁になっていると理解したいと思いますが、それについてお聞きしたい。
尾中悟
27
○尾中説明員 実態に応じまして、いろいろ樹齢の点は違うわけでございますので、それを十分考えまして、必要なものは必ず出すということでやってまいりたいと思っております。
八木一男
28
○
八木
(一)
委員
どうも何回もしつこくなってあれですが、必要なものであれば、二十年でも、二十五年でも、三十年でも、たとえ三十三年でも、出していただけるということになるわけですね。それについてひとつ……。
尾中悟
29
○尾中説明員 さようなことになろうかと思っております。
八木一男
30
○
八木
(一)
委員
その次に、
自作農維持資金
及び
林業経営安定資金
というものをすみやかに
貸し付け
ていただいて、この財源を完全に確保していただく必要があろうと思うわけであります。その点について、
政務次官
なり、また
関係
の事務局の方なり、どちらでもけっこうですから、ひとつ御答弁願いたい。
尾中悟
31
○尾中説明員 自創
資金
なり
林業
経営維持
資金
につきましては、年度当初でもございますし、財源につきましては心配なく融資できるものと考えております。
八木一男
32
○
八木
(一)
委員
その次に、
農業近代化資金
等の償還について、
償還期限
の延長とか、そういうものをぜひ
実施
していただく必要がある。それから条件の変更ということについて、希望に従ってどんどんできるようにしていただく必要があろうと思います。それについて農林省当局としてはどのように対処されるような御準備でありますか。
尾中悟
33
○尾中説明員 いままで
貸し付け
を受けております
近代化資金
等の償還につきましては、
実情
に応じまして
貸し付け条件
の変更を行なうということで、すでに、四月六日付でございますか、各
地方
農政局を通じまして、末端に、そういうふうな運用をしろということで通達済みでございます。今後の問題といたしまして、
貸し付け条件
の問題についても、十分実態に応じまして
現地
で
処理
するようにということで現在
指導
中でございます。
八木一男
34
○
八木
(一)
委員
この際、これに関連して、この中に入るわけでございますが、先ほどの
ビニールハウス等
の農業
施設
でございます。共同
施設
はもちろん
貸し付け
の規定がございますが、個人のそのような農業
施設
についていままでは十分な規定がなかったように私伺って、非常に心配をしておったわけでございますが、今度の農業
施設
の
被害
復旧
について、個人の場合、それは十分な融資の対象になるように御準備をしていただいておると思いますけれ
ども
、それについてひとつ農林省当局から伺いたい。
尾中悟
35
○尾中説明員 従来、文面の上で必ずしも明確でなかったわけでございますが、例を申しますと、従来は温室というふうな表現をとっておりましたが、そういう表現でなくて、もっと広くそういう
施設
に対しまして貸し出しができるようにいま検討しておりますし、そういう方向で直ちにやるように
努力
をしているわけでございます。
八木一男
36
○
八木
(一)
委員
そうしますと、個人の
ビニールハウス
が
被害
をこうむったという場合にも融資していただけることになろうかと思います。実は私、
奈良
県の田原本町というところで農業
被害
を——日程がありますから全部は見られませんでしたけれ
ども
、一部、一番交通の便利なところを見ました。不便なところにはもっとひどいところがあるわけでございますが、そこで、さっき言ったように、金属の柱が
あめ
のように曲がってつぶれて、中の花卉の種が全部だめになってしまった。
施設
被害
が坪当たりで四千円、中のイリスという、花のあれですが、それが全部だめになった。作物の
被害
は坪当たり二千円、
施設
の
被害
が坪当たり四千円。その
施設
はできたばかりで、少なくとも十年以上持つといわれたものが、一年目にぐしゃっとつぶれて、これはつくり直さなければならぬということで、農林省の
指導
方針に従って
農業経営
の方針を切りかえて一生懸命やっていた農業者が、ほんとうにどうしたらいいかというような状態であります。そういうことについて、どんどんとスムーズに適切に、そういう
施設
被害
についても——作物の
被害
はもちろんでございますが、
施設
被害
についてそういう対処ができるようにしていただく必要があろうと思うわけであります。いまそのような御準備ができておるようでございますが、この農業
施設
の個人
施設
について、そのような対処ができる、十分な融資ができるという方向を即刻とっていただきたいと思います。いま準備中だと伺っておりますが、いつからそれがはっきり融資ができるようになるか、お答え願いたいと思います。
尾中悟
37
○尾中説明員 二十日に実は政令の改正をやっておりますので、すぐ通達を流しまして
実施
したいと思っております。
八木一男
38
○
八木
(一)
委員
それでは、ほかの同僚の
委員
の方がお待ちでございますから、
あと
一問だけで終わりにいたしたいと思います。
農林政務次官
に、いま問題点のうちの限られた
部分
についてのみ御
質問
申し上げまして、御
要望
申し上げました。大体において非常に前向きの御答弁で、非常に力強く存じておるわけでございますが、どうか
政務次官
には、この
災害
被害
は異常なものであって、
政府
が非常に一生懸命にやることによってこのような
関係者
の
生産意欲
をなくさないようにしていただく必要があろうということから、これから
同僚各位
が御
質問
になる
部分
、それでまた御
質問
が時間の
関係
で十分にいかなくても、先ほど
団長
の
楯委員長
から御
報告
になった詳細な
報告書
の
部分
を
政府
のほうで十分に——十分よりもさらに十二分に、この国会のいろいろな
要望
よりももっと
政府
のほうがやったというようなこと、そしてもっと迅速にやったというようなことをぜひやっていただきたいと思いまするし、先ほど一つだけまだ未定でございました激甚災の問題についても、ひとつ最大の御
努力
をお願い申し上げまして、私の
質問
を終わりたいと思うわけでございますが、総括的に、農林省として精力的にほんとうに取っ組んでいただく御決意をひとつ伺わしていただきたいと思います。
舘林三喜男
39
○舘林(三)
政府委員
八木
委員
から御
要望
のありました趣旨につきましては、農林省といたしましても、また
政府
といたしましても、全力をあげてすみやかにこれを
実現
いたしまして、一日も早く
被害
農家の
方々
あるいは
林業
家の
方々
が立ち上がっていただきますように希望いたしたい次第であります。
楯兼次郎
40
○
楯委員長
森義視
君。
森義視
41
○森(義)
委員
去る三月十六、七日の
近畿地方
の異常な
雪害
による
被害状況
につきましては、
災害対策
特別
委員会
から派遣されました
調査団
長の
楯委員長
から、先刻、詳しい
現地
の悲惨な
状況
について、さらには
現地
の
被災者
の救済についての
要望
等について御
報告
がありました。また、ただいま同僚
委員
の
八木
委員
から、特に
奈良
県の
実情
を
視察
した点についての概括的な被災
状況
の説明がございましたので、私は重複を避けまして、特に時間の制限がございますので、具体的な救済の内容についてお聞きしたいと思うわけです。 まず最初に、先ほど
政務次官
も言明されましたように、今月の末には
天災融資法
の発動がされる。
天災融資法
の発動によりましては、救済を受ける場合に、
特別被害者
にほとんどなるであろう、こういうことで三分五厘の
資金
の融資を受けられるわけですが、この点については
府県
が債務保証をいたしますので、案外、零細な
被災者
も融資を受けられると思います。ところが、
公庫
融資になりますと、なかなか零細な
被災者
は融資を受けにくいのが
実情
でございます。
公庫
の融資要綱によりますると、
貸し付け対象
になる
森林
を担保に抵当権を設定する、同時に、転貸の場合においては
森林
組合の
理事
が個人保証する、こういうふうになっております。そうなりますと、三十年という長期にわたる融資を受ける場合に、零細な
林業
家に対する
森林
組合
理事
の個人保証がなかなか得られないわけです。したがって、零細な
森林
家はこの融資を受けられない、こういう形になる場合が多いわけでございますが、そういう点について、特に今度の被災地は零細な
林業
家が多いわけでございますので、こういう
方々
がまんべんに融資が受けられるようなことについてお考え方をお聞かせ願いたいと思います。
今村宣夫
42
○今村説明員 ただいま御
質問
にございましたように、
公庫
資金
を
貸し付け
ますときには、原則として担保をいただく、それからあわせて
理事
の保証をいただくような取り扱いをいたしておるわけでございますが、担保につきましては、適正な担保を出していただくということは、金融というベースでものを考えますと、やむを得ないことではないかと思いますが、こういう
災害
の場合に
理事
の保証をしていただくということを原則的な取り扱いにいたすことは必ずしも適当ではないと考えられますので、こういう
災害
の場合におきましては、例外的
措置
として、
理事
の保証をとらないでも融資を行なうというふうな取り扱いの
指導
をいたしてまいりたい、かように考えております。
森義視
43
○森(義)
委員
災害
の場合でございますので、いま御説明のありましたように、そういう点について特別な配慮を願いたいと思うのですが、実は
公庫
融資要綱には、「一件当りの貸付金額が少額の場合には、抵当権の設定を要しない。」こういうことが書かれておるわけです。「一件当りの貸付金額が少額の場合」というのは、大体どのくらいの金額を考えておられますか。
今村宣夫
44
○今村説明員 必ずしも一律的な基準があるわけではございませんが、大体十万円以下の程度というふうに考えております。
森義視
45
○森(義)
委員
先ほど申しましたように、零細
森林
家の被災が多いわけでございます。そういう
被災者
に十分に
公庫
融資が受けられるように、各面から格段の御配慮をお願いしておきたいと思います。 次に、
造林
の
補助
の問題でございますけれ
ども
、これは
森林資源
の確保という点からも、また、被災地の急速な
復旧
というような点からも、
造林
の問題はたいへん重要でございますが、再
造林
の
補助
について、現在のところは
実情
に合わないように私は思うのです。この計数は、私
ども
の手元の資料にもあるわけでございますが、
拡大造林
と再
造林
の場合とは、かなり
補助
の基準になるあれが違うわけです。その点について、今度特に
現地
では、先ほど
委員長
の
報告
にもありましたとおりに、
拡大造林
の
補助
方式を
適用
してほしいという声が非常に強いわけでございますが、今度の被災地の
造林補助
についてどういうふうな方式をお考えになっておられるか、これは次官のほうから御答弁をいただきたい。
舘林三喜男
46
○舘林(三)
政府委員
この前の
委員会
で
八木
委員
からお尋ねになったと思っておりましたが、やはりいままでどおりに再
造林
と
拡大造林
は取り扱いを異にしておりまして、
拡大造林
のほうが有利であることは申すまでもないのでありますが、この前
八木
委員
も、これは同率に取り扱ったらいいじゃないかという御
質問
でございました。やはり再
造林
は再
造林
として別の取り扱いをするというたてまえで今日までやってきておりますので、再
造林
はそれ自体として特別な
森林
に有利な態度をとりたい、ただ、
拡大造林
と全く同じような取り扱いをするということについては、事務当局としてはいま難色があるようであります。
森義視
47
○森(義)
委員
この際、
造林補助
について、その積算の基礎になる人夫賃その他について根本的に検討し直してほしい、私はこういうように思うわけです。そこで、詳細についてお尋ねをいたしたいわけでございますが、
造林補助
の対象になる
造林
事業
費の積算基礎である人夫賃、これは五百円という計算をされております。今日
実情
は、被災地の雪起こしは、私
ども
の
地元
の
奈良
県におきましては、大体千五百円、こういうことになっております。このような五百円の雪起こしの人夫賃、しかも苗木代にしましても、計数は四円八十銭、
現地
では大体六円二十銭から七円についております。植えつけ本数も、特に
政府
の積算基礎になる基準は、一ヘクタール当たり三千三百本。ところが、今度の被災地、特に
奈良
県は密植
地帯
でございますので、大体九千本から一万二千本植えておる。こういうところの積算基礎ではじかれた
補助
単価は全く
実情
に合わないと私は思うわけです。そういう点について、この際、特に人夫賃五百円というような計数をもう少し
引き上げ
て、
実情
に合うような
補助
をやってもらわないと、なかなか
災害
地の
あと地
再
造林
は進行しないと思うわけでございますが、その点について何かお考えがあればお聞かせ願いたいと思います。
福森友久
48
○福森説明員 お説のとおり、
造林
の予算単価と実勢単価につきましては若干相違がございまして、従来ともこの差を是正するように
努力
いたしておるのでございますが、今後とも極力
努力
を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
森義視
49
○森(義)
委員
そういう
努力
をしていただくことはもちろん大切でございますけれ
ども
、実際にこういう問題は、何回となく
災害
のたびに
要望
されておる事項だと思うわけです。そのつどいまのような答弁をしておられるのじゃないかと思う。 私
ども
の
奈良
県地域におきましては、大体一ヘクタール当たりの再
造林
費が十二万から十五万かかる。ところが、この再
造林補助
の
補助
基準を見ますと、大体再
造林
に対しては二万七千が基準になる。それから
拡大造林
の場合は六万七千。実際の再
造林
の場合の約五分の一なんですね。それに対して国庫
補助
が十分の三、県費が十分の一。こうなりますと、一ヘクタール当たりの
補助
は、再
造林
の場合においては一万八百円、それから
拡大造林
の場合においては二万六千八百円、全く
実情
に合わないわけです。こういうことでは、
災害
を受けた
現地
の
森林
家の再
造林
をする
意欲
が非常に減殺すると思うわけです。そういう点について前向きの姿勢で
努力
をしたい、こういう御答弁では、実際にわれわれが
期待
しておるような形にはなかなかならないと思うわけです。さらにその点について、特に今度の場合におきましては、密植
地帯
における
あと地
片づけがたいへんなんです。それから
和歌山
のような
火災地帯
においては、林力の減退防止のための整備とか、あるいは雪起こしだとか、いろいろな経費がかかるわけです。いわゆる
拡大造林
と同じような経費がかかるわけです。そういう問題について、先ほどの次官の答弁では、
拡大造林
の
適用
はなかなかできない、しかし、それができないけれ
ども
、いままでの再
造林
費を若干上回った額を考えよう、こういう程度の御答弁でございますけれ
ども
、それもあわせて御検討願いたいと思うわけです。過去の例で、再
造林
の場合、標準単価にかける査定係数が六五%のものを一〇〇に引ぎ上げた例があるわけです。これは
東北地方
の例だったと思うわけです。北陸ですか、そういう例があったと思う。そういうことを今度も考えておられるのが大体次官の答弁じゃないかと思う。しかし、六五%の査定係数を一〇〇に上げたのは、常時
積雪地帯
で、そういうことを考慮している地域でございます。今度の場合においては、そういう
積雪
を全然考えていない、文字どおりの
天災
地域でございます。こういう地域における今度の再
造林
、しかも密植地域にはよけいに
造林
費がかかる。そういう地域における
造林
計画は、私は
拡大造林
を上回っていいじゃないかと思う。こういう考え方をしておるのですが、先ほどの次官の答弁では、
拡大造林
の
補助率
までいかない、こういうふうな御答弁であったと思う。特にその点について格段の配慮を願うため、さらにお考えをお聞かせ願いたい。
福森友久
50
○福森説明員 再
造林
といたしまして、特殊な有利な条件を今回のような
災害
につきましては採用いたしたいと考えておりまして、
関係
方面と目下折衝中ではございますが、しかし、特に
奈良
、
大阪
、今回の
災害
を受けた
地方
等は、
造林
の経費も他の
地方
に比較いたしまして非常にかかりますので、特殊な個所につきまして、実勢を勘案いたしまして、基準よりも若干高い経費を計上して処置いたしたい、このように考えております。
森義視
51
○森(義)
委員
ここでは、その問題をさらに討議をしておりますと長くかかりますので、次に進みたいと思いますが、
公庫
融資によりますと
事業
費の大体八割を
貸し付け
るわけですね。
造林
の場合に
補助
を受けた場合、その
補助
金額を除いての八割なのか、
補助
金額を含んでの八割なのか、どちらなのか、御答弁を願いたい。
福森友久
52
○福森説明員
補助
金を除きましての
補助
残につきましての八〇%でございます。
森義視
53
○森(義)
委員
そこで、
補助
を受けた場合における
あと
の自己
資金
の融資の問題でございますが、
補助
を受けた場合においては金利が六分五厘、
補助
を受けなかった場合においては四分五厘ですね。この場合、
補助
を受けなかったときの金利で考えるということはできませんか。
福森友久
54
○福森説明員 現在ではその点までは考慮いたしておりません。
森義視
55
○森(義)
委員
それでは、平素
積雪
を予想しない、ほんとうに
天災
といわれる異常
災害
に対して、特別な
造林
に対する配慮を考えておられないように思うわけです。いまの御答弁ですと、従来の
積雪
予想
地帯
における
災害
に対する
適用
基準よりも若干上回って考えておられる、大体その程度のことは考えよう、こういうようなお考えだと思うのです。これはほんとに数時間にわたって降った雪ですね。しかもわずか三時間の間です。鉄道が通れぬような異常な
災害
、しかも平素から
積雪
、
雪害
を予想しない特殊
地帯
、文字どおり
天災
といわれる地域における再
造林
に対する
補助
としては特別な配慮を考えておられないように思うわけですが、特に文字どおりの
天災
であるこういう地域における再
造林
の問題については、従来の
雪害
地域における再
造林
を上回ったことを考えてもらいたい。このことをぜひ
要望
しておきたいと思います。 次に、
森林
国営
保険の問題についてお尋ねしたいのでございますが、去る三十六年に気象災を含んで
森林
国営
保険制度
が拡大された、これはまことにけっこうなことだと思うのでございますが、今回の被災地の
森林
国営
保険に入っておる面積は非常に少ないわけです。契約面積は被災地で大体何%くらいあるのか、
調査
の結果わかっておればお聞きしたいと思うのであります。 それから、なぜ
森林
国営
保険にこのように加入者が少ないのか、原因がどこにあるとお考えになっておられるのか、このこともあわせてお尋ねしたいと思います。
福森友久
56
○福森説明員 現在被災地の
森林
保険に加入している面積について、現在手持ちがございませんので、後ほど
調査
をいたしましてお知らせ申し上げたいと存じます。 ただ、加入の非常に少ないのは、比較的危険性の多い幼齢
造林
地の加入につきましては非常に高度な加入率がございます。しかし、従来
被害
の少なかった高齢のものにつきましては、現在のところ加入率は非常に低い状態になっているのでございます。
森義視
57
○森(義)
委員
なぜ
森林
国営
保険に加入が少ないのか、それをどういうふうにお考えになっているのか、それをお尋ねしているわけです。
福森友久
58
○福森説明員 当初、
火災
保険のみの時代におきましては、幼齢
造林
地におきまして加入率が非常に高かったのでございますが、気象災を含みました現在におきまして、十分国のPRも行き届いていないという面もあろうか、こう考えますので、今後はPRを十分徹底いたしまして加入の
促進
をはかりたいというように考えております。
森義視
59
○森(義)
委員
現地
で
被災者
に、なぜ
国営森林保険
に入らないのか、こういうふうに聞きますと、保険料が非常に高い、手続が非常に複雑だ、そしてそのわりに、
災害
を受けた場合の
損害
のてん補が少ない、したがって、入ってもたいした効果はない、こういうように言っているわけなんです。このことは、農業や漁業に比較いたしまして
森林
災害
というのは少ない、そのために、かけてもかけ捨てになる、こういう心理的な問題もあろうかと思うわけでございますが、私は、根本的には、
国営
保険であるにかかわらず、国庫の
補助
が全然ない、したがって、自分たちの保険金によって保険をまかなっておる。これは営利本位の民営保険と何ら変わるところがない、国の保険としての妙味が全然得られない、そういうところに、
森林
保険がかなり宣伝されておりながら、加入しない原因があると思うわけです。そういうようにお考えになりませんか。
福森友久
60
○福森説明員 掛け金率が高いという点につきましては、国といたしましても、この点十分検討いたしまして、今後それらの引き下げに極力改善をはかるべく検討をいたしたい、こう考えております。また、事務の煩瑣の点につきましても、極力これを簡素化するような
努力
をいたしたい、こう考えております。
森義視
61
○森(義)
委員
三十六年に気象災を含んで現在の
国営森林保険
法が改正になりました当時、私は当時の
会議
録を見てみますと、従来は
火災
保険だけであった、今度は気象災を含んだ、この成り行きによって、当時の次官が、これは国の保険である以上は、事務費なり運営費なりについては国庫が負担をする、あるいは掛け金についてもできるだけ安くするようにしたい、こういうことを言明しておられるわけです。ところが、いまお聞きしますと、その後三年を経過しておるわけですが、その
指導
によりまして、この
国営
保険が十分妙味を発揮するための事務費、
事業
費を国庫が負担する、こういうことができる段階にきているんじゃないか、あるいは掛け金を下げる、こういうこともこの際ぜひ考えていいのじゃないか、こういうように思うわけです。農業、漁業の場合のように、農業、漁業共済
制度
のようには直ちにいきにくい点もあろうかと思います。しかし、同じ農林省の行政下にある農業、漁業
災害
とこの
森林
災害
とはあまりにも差別がひど過ぎるのじゃないか、農業、漁業
災害
の場合においては、これは全く共済
制度
でずいぶんと手厚い保護を受けられておるわけでありますが、
森林
の場合においては、
国営
保険とうたいながら、国が全然事務費も見ておらない、掛け金についても全然負担をしておらない、こういうところに、冒頭に申し上げましたように、いわゆる
国営
保険としての妙味がない、こういうことが、
現地
の
森林
家の方がこの保険に加入しない最大の原因になっているのじゃないか、私はこう思うわけです。したがって、この際根本的にこの
国営森林保険
について考え直していただきたい、こういうふうに思うわけです。特に最近の傾向を見てみますと、保険金額と
事業
費が五対五になっております。この
事業
費、事務費を国庫で負担されるとなれば、掛け金が半分になる。しかもその掛け金の一部を国が
補助
することになれば、四分の一くらいの掛け金になる。こういうようになりますと、かなり保険としての妙味が出てくる。これは公共的な立場から、ぜひとも日本の
森林資源
を保護し、しかも
災害
を受けた者がそれを直ちに
復旧
し、そして経営
意欲
を燃え上がらす、このことは、国の経済的な見地からいっても、公共的な見地からいっても、たいへん大切なことだと思うわけです。農業、漁業のように、
災害
を受ければあすから生活に困るという状態ではありません。確かに
森林
は財産的な意義を多く持っておるものであります。したがって、そのとおりにいかないといたしましても、これは公共的な見地あるいは国家全体の経済の問題から考えまして、
森林
災害
に対して、早急にその
あと地
の
復旧
をやる、さらに経営
意欲
を燃え上がらすためにぜひこの
森林
保険に全部加入できるような
方法
、そのために、
森林
国営
保険の妙味を発揮できるような、
事業
費を国庫で負担する、あるいは掛け金を一部
補助
する、こういう形のものをこの機会に考えていただきたいと思うわけです。その点についてそういう考え方があるかどうか、お尋ねしたいと思う。
福森友久
62
○福森説明員 この点につきましては、従来、
火災
保険のみの時代におきまして相当経営も良好な状態でございました。民間にも同様な
森林火災
保険がございます。そういった関連もありまして、
国営
としてやる意義の問題はございます。完全にペイするものにつきまして民営に移管してはという意見もありましたが、当時、世界でも初めて気象
災害
を加えることによって、新種の保険を加えることによりまして
国営
として経営するという形でまいったのでございます。その結果、
昭和
三十六年度におきましては、支払い保険が約八千三百万円、三十七年度におきましては一億四千三百万円、三十八年度では二億八千九百万円、また三十九年度におきましては約一億六千万円程度の支払い保険金が
予定
されておるのでございますが、収支
関係
を見ますと、三十六年度では約七千万円の利益があがっております。三十七年度では三千九百万円の利益、三十八年度では約九千八百万円の赤字になりました。また三十九年度では、現在見込みではございますが、約四千三百万円の黒字の
予定
でございます。このように、非常に新しい保険で、世界にも類のない保険でございます。現在のところ、民営に移すという先ほどのお話につきましては、まだその時期ではなかろうと考えております。また、掛け金につきましても検討はいたしておるのでございますが、気象
災害
が始まりましてまだ歴史も浅いのでございまして、われわれといたしましては、でき得る限り料率を下げたいと思いますが、それに至る十分なる資料が得られないという
現状
でございますので、将来とも引き下げる方向にわれわれといたしましても検討いたしたい、こういうふうに考えております。
森義視
63
○森(義)
委員
ちょっと答弁と
質問
とが食い違っておる。私は民営に移せと言っておるのではない。
国営
保険の妙味を発揮するために国庫負担をしろと言っておるわけです。いまのように掛け金だけで保険全体がまかなわれておるなら、民営と何ら変わるところはないわけです。少なくとも国がやる保険と、営利本位の民営の保険と何ら変わらない、妙味がない、こういうことでは困るじゃないか、こういうように言っておるわけです。もちろん、いまおっしゃられましたように、民営保険のほうは
火災
しかやっておりません。気象災をやったことは大きな進歩だと思うわけです。しかし、それにしましても、掛け金で全部まかなっておるわけですね。そういうことでは
国営
保険の妙味がないと思うわけです。しかも、この
国営
保険に対して国が
補助
金を出すということになれば、いまやっている民営の保険を圧迫する、こういうような考え方もあるやに聞いておりますけれ
ども
、民営保険は
火災
保険だけですね。この
国営
保険は気象災を含んでいるわけです。しかも、今日の
災害
の
実情
は、気象災がうんとふえているわけです。こういう
実情
から見まして、むしろ民営保険よりも
国営
保険一本でやっていく、こういう方向のほうが、いまの趨勢から考えますと、正しいのじゃないか。したがって、
国営
を民営に移すのじゃなくて、むしろ民営を
国営
一木にしてしまう、そういう考え方に立って、同じ農林省の管轄下にある漁民や農民の
被害
と
森林
の
被害
とにあまり大きな格差ができないような行政的配慮は考えられないだろうか、こういうふうに言っておるわけです。だから、そういういまの御答弁は、私が
質問
しておる内容とは逆な御答弁になると思うのでございますが、この際ぜひともそういう点について根本的に考え直す意思があるかないか、もう一回お尋ねしたい。
福森友久
64
○福森説明員 民営を
国営
に移すというふうなことまでは現在考えておりません。 なお、一般会計からの導入によりまして掛け金率の引き下げをやって
零細者
が加入しやすいようにするということにつきましては、先ほどお話の中にもありました民営保険との関連もございますし、また
制度
の性格等の点もございまして、この点は多くの問題がございますので、なおその点につきまして十分内部において検討さしていただきたいと思います。
森義視
65
○森(義)
委員
この点につきましては、いずれまた私は農水でさらに詳しく御
質問
申し上げたいと思いますので、一応いまの御意見だけを承っておきたいと思います。 次に、去る四月一日の
委員会
でも御
質問
がありましたけれ
ども
、
現地
の
山林
労働者の問題でございます。今度の被災によりまして地域的にやはり失業者が生まれてくる、こういう問題について失業保険の取り扱いについて、これは昨年成立いたしました
林業基本法
でも、
現地
の労働者の問題について根本的に考え直さなければならないということを柱にしておるわけでございますが、その点について
現状
を申し上げて、全体の取り扱いについて格段の配慮と
指導
を願いたいと思うわけです。 実は私は
奈良
県でございますが、
奈良
県におきましては、日雇い失業保険法の特例
適用
をほとんど受けております。ところが、
全国
的に失業保険の問題については、住民と直接接触をしておる
市町村
はかなり前向きの姿勢で考えておりますけれ
ども
、県段階の
指導
が非常に弱いためにほとんどこれを
適用
されておらない、こういうふうに承っておりますが、その点についてどういうふうにお考えなのか、労働省保険
課長
にお伺いしたいと思います。
道正邦彦
66
○道正説明員 農林水
産業
等、季節的あるいは瞬間的に失業を繰り返す
事業
に対します失業保険の
適用
に関しまして、保険の立場から問題があることは、御承知のとおりでございまして、そういう基本的な問題については目下検討をいたしておりますが、ただいま御指摘の日雇い失業者に対しまする特例
適用
の点につきまして、御指摘のように各県間に
適用
状況
にアンバランスが出ておることは、そのとおりでございます。
奈良
県につきましては非常に
適用
が普及いたしておりますが、ほかの県につきましては必ずしも進んでおりません。その理由といたしましては、失業というのは、申すまでもなく雇用
関係
の終了でございますので、使用者あるいは労働者というのが確定されないと始まらないわけでございます。この点が、
林業
労働者につきましては、雇用
関係
の特殊な事情から非常に複雑でございまして、県によりましては使用者のほうが確定できないという点がございます。この点は、たとえば労働
災害
保険等の場合でございますると、元請一本で
適用
が可能でございますから、比較的問題がないわけでございますが、失業保険のほうはやはり具体的な個別雇用
関係
というものを確定する必要がございます。この点につきまして、
関係
の県におきましては、
関係
労働者の皆さんといろいろの機会に御懇談を申し上げていろいろ御相談もいたしておるわけでございますが、なかなか確定しにくいのが
実情
でございます。しかしながら、そういう点につきまして、
関係
労働者の保護の観点から、なお一段と都道
府県
を督励いたしまして、可能な限り
適用
が受けられるように
指導
を加えてまいりたいと思います。
森義視
67
○森(義)
委員
それから失業保険の場合に、四百八十円未満の場合は二百四十円、それ以上は三百三十円という額になっておりますね。これは先ほど
造林
費の人夫賃五百円、これは考え方が全く
実情
に合っていないわけです。
政府
は一貫して、
山林
労務者の問題については五百円ぐらいの日当でいろいろな積算の基礎においているわけです。これは先ほどの農林労働の人夫賃と同じように、四百八十円未満の場合は二百四十円、それ以上は三百三十円、こういう金額では全く
実情
に合わないと思うわけですね。しかも、
現地
の失業者が安短所の窓口までもらいに行かなければいかぬ。こういうささいな金額では、途中の旅費に要ってしまうわけですね。これをもう少し
実情
に合った金額に上げる、こういうことについて格段の配慮をしていただかなければ、実際問題としては、そんなわずかな保険金を車賃を払って一日を費してもらいに行っていられるかということも、保険に加入しない大きな原因になっていはしないか、私はそう思うわけです。だから、
実情
に合った保険金が受領できるような、そういうことを考えてもらいたい。特に
山林
の場合におきましては、冬季の雪の時節はどうしても失業するわけです。雨が降っても失業する。こういうことがはっきりしているわけです。したがって、この失業保険がほんとうに価値ある失業保険になれば、当然みな加入すると思うわけです。ところが、
現状
があまりにも零細であり、保険金受領に非常に遠隔地まで行かなければならない、そういうことから入らない。したがって、そこを根本的に考えなければ、失業保険の徹底というものはできないと思うわけです。その点についてどうお考えになっておりますか。
道正邦彦
68
○道正説明員 日雇い失業保険の給付額に二段階あることは御承知のとおりでございます。その額が必ずしも高くないということも御指摘のとおりかと思いますが、これはそれぞれ五百五十円の賃金に対しまする三百三十円、四百円に対しまする二百四十円ということでございまして、賃金と見合ってきめておるわけでございます。この点、現在のところ、一級、二級の受給者の割合は、おおむね半々、相半ばいたしておりますが、傾向といたしましては、日雇い労働灘の賃金も上昇傾向にございます。したがいまして、今後私
ども
といたしましては、もちろん、そういう賃金の上昇傾向と均衡のとれた保険金日額をきめる必要があるわけでございますので、十分検討をいたしてまいりたいと思います。 なお、毎日このぐらいの低い保険金をもらいに安定所に行けるか、こういうお話でございますが、日雇い失業保険の特例につきましては、給付につきましても特例規定がございまして、遠隔の地で安定所まで来るために非常に交通費用を要するという場合には、認定回数を減らす、つまり、毎日来るというようなことでなくて、一週間に一ぺんあるいはそれ以上の場合も法令上認められております。そういう点につきましては、
関係者
は知っておると思いますけれ
ども
、なおPR等が不足しておれば、そういう点については、明らかに
制度
についての誤解と申しますか、認識が徹底していないわけでございますから、そういう点につきましてはなおPRに万全を期して、そういう
制度
を知らないための保険の
適用
漏れということは防ぐように、ただいま御指摘がございましたので、
府県
等に指示をいたしたいと考えております。
森義視
69
○森(義)
委員
山林
労働者の都市流出というのが、いま日本の
林業
問題の非常に重要な問題点になっておるわけです。日本の
林業
が経済的な機能を発揮するためには、
生産
基盤を拡充しても、整備しても、それに稼働する労働力が都市へ流出していくならば、これはとうてい日本の
林業
経営は成り立たないわけであります。そういう点において、
山林
労働者についての、全体の社会保険の問題について都市労働者との格差をなくするために、農林省はもちろん、労働省も全力をあげて取り組んでいただかなければ、せっかく
生産
基盤に対して力を入れても、ほんとうに日本の
林業
が経済的な価値や意義を発揮するにはなかなか道遠いと感ずるわけです。この点について格段の配慮を願いたいと思います。 それから、時間がありませんので、最後に一つ、被災地の分
収造林
の問題でございますが、被災が大きくなりますと、特に
山林
土地所有者が、再度
造林
するということについては、いろいろ経費がかかって、
意欲
がなかなか進まない、そこで、分
収造林
の希望を申し出る、こういう場合が多々あると思うのです。そこで、
公社
や公団に分
収造林
を、この際、
あと地
の早急な再
造林
というたてまえから、
促進
する、これは日本の
森林資源
を確保するという見地からたいへん重要なことだと思うのですが、そういう点について特別な配慮を願いたいと思うのです。その点についての分
収造林
に対する
造林
融資の確保についても格段の
努力
をしていただきたいと思うわけでございますが、その点についてどういうふうにお考えになっておられるか、お尋ねしたいと思います。
福森友久
70
○福森説明員 被災地の
造林
につきまして、自己能力で
造林
できないものにつきましては、お説のとおり、分
収造林
を
促進
することが最も妥当であろうかと考えております。したがいまして、国といたしましては、
森林
開発公団なりあるいは
造林
公社
等によりまして極力それらの分
収造林
の
促進
をいたしまして
努力
してまいりたい、こう考えております。
森義視
71
○森(義)
委員
今度の被災地で、土地所有者にして分
収造林
の希望者が県に必ず登録されておりますか。
福森友久
72
○福森説明員 現在のところ登録されておりません。
森義視
73
○森(義)
委員
そういうことならば、よけい公団あるいは
公社
の分
収造林
の
造林
者と土地所有者との契約を進めるように当局から格段の配慮と御
指導
を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。 いろいろと細部にわたって
質問
したいことはありますが、時間の
関係
がございますのでこれで終わりまして、
あと
は農水の場合でさらに突っ込んだ細部にわたる
質問
をしたいと思います。 要は、
現地
の被災地の状態については、これは当局からも
調査団
について行かれましたので、
実情
はよくおわかりだと思います。
天災融資法
の発動にいたしましても、
公庫
の融資にいたしましても、問題はやはり早急に援助をしていただきたい。このことが非常に大切だと思うわけです。その点について、先ほど次官からも決意のほどをお聞かせ願いましたが、ぜひそれを事務当局でさらに
促進
していただくようにお願いしておきたいと思います。 それから、もう一つ忘れていましたが、
現地
で
森林
国営
保険に入っておるもので、幼齢林の場合においては雪起こしをすればもとに戻る、こういう場合にはてん補の対象にならない、こういうことについて
陳情
があったわけです。これは
森林
国営
保険法の
損害
填補要領ですか、これによると、生立不能になったものがその保険目的になる、こういうふうに定義されているわけです。そうすると、これは生理的、経済的な問題で、枯れてしまうとか、あるいはそれが価値がなくなってしまうとか、こういう場合を生立不能といっているわけですが、幼齢林の場合においては、雪起こしをすればもとへ返るわけですね。そういう場合においてはこれはてん補の対象にならない。しかし、雪起こしをするのに
現地
で幼齢林で一本大体二十五円ぐらいかかるわけです。これは普通の状態だったらそういう費用は要らないわけですね。これはやはり一つの
損害
なんです。そういう問題に対して
森林
国営
保険ではてん補の対象にしておらないけれ
ども
、これは今度はぜひとも雪起こし費用を
森林
国営
保険で払えるような
方法
はできないものだろうか、こういう点についてお考えをお聞かせ願いたいと思う。
福森友久
74
○福森説明員 現在、生立不能、いわゆる枯損したものに限っててん補の対象といたしておりまして、成長阻害でありますとか、そういったものについてはてん補の対象にいたしておりません。それらにつきましては、別途の
措置
において国においてこれを
助成
するという形が妥当であるという見解に立っております。
森義視
75
○森(義)
委員
別途の
措置
として考えておられるのは、雪起こしの
公庫
融資でしょう。私は保険のてん補を言っているわけです。だから、一本について大体二十五円ぐらい雪起こし費がかかるわけですね。これは実際問題として、保険に入っておりながら、そういう保険のてん補の対象にならないということになれば、これからのいろいろな
災害
の場合、幼齢林の場合において——もちろん、凍害とか、なだれとか、そういう場合においては幼齢林が一番
被害
が大きいものだから、これはてん補の対象になって、非常に保険に人っている価値が出るわけですけれ
ども
、こういう雪起こしで、ほんとに倒れているだけで、起こしたらいいという問題についても、やはりてん補の対象になるような配慮をぜひ考慮していただきたい。その場合においては雪起こし費用の半分でもこのてん補の対象にする、こういうことになれば、非常に保険に入っている意義があって、
現地
の保険に入っている人たちが、入ってよかった、こういうことになるのじゃないか。保険に入っても、あんなのあきまへんで、こういう話です。だから、保険はあきへんわ、こういう話になりますし、保険を徹底される意味においても、たとえばそういう場合においては半分を負担するとか、そういうことをぜひ考慮していただきたい、こういうことを重ねてお願いをしておきまして、
質問
を終わります。 ————◇—————
楯兼次郎
76
○
楯委員長
この際、自由民主党、日本社会党及び民主社会党の三派共同をもって、
昭和
四十年三月の
豪雪
及
び森林火災
に関する件について本
委員会
において決議いたしたいとの動議が提出されております。
楯兼次郎
77
○
楯委員長
提出者より趣旨の説明を求めます。
小沢
辰男君。
小沢辰男
78
○
小沢
(辰)
委員
私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党三党を代表いたしまして、
昭和
四十年三月の
豪雪
及
び森林火災
に関する件についての決議案を提出いたしたいと思います。 すでに当
委員会
より
委員長
を
団長
といたしました
災害
地の
視察
派遣団を派遣いたしまして、先ほど
団長
から詳細な御
報告
がございました。その
報告書
にもありますように、去る三月中旬の
奈良
県、
和歌山
県、
大阪
府、
兵庫
県及び
岡山
県等の各地に発生いたしました
豪雪
、あるいは
和歌山
県下
串本地区
ほか数カ所に
落雷等
によって発生した
山林
火災
は、
森林
及び農作物等に対しまして百数十億円に達する
損害
を与え、
被害
農林漁業者の生活と経営に対しまして深刻な影響をもたらしているのでございます。 そこで、当
委員会
といたしましては、お手元に配付をいたしましたようなそれぞれの項目につきまして、
政府
にこの際救済の根本策について思い切った手段
方法
をとっていただくとともに、適切にして迅速な
措置
を講じていただきまして一日も早く
被災者
の救援をやっていただきますと同時に、わが国の重要な
森林資源
につきましての
被害
が中心でございますので、これの
復旧
について国家的見地からも大いに
政府
の
努力
をお願いいたしたいと思うわけでございます。 すでに数回にわたりまして当
委員会
において各同僚
委員
から積極的な発言、
要望
あるいは質疑応答が重ねられてまいりました。また、すでに
委員長
の
報告
にありましたように、早急にいろいろな
対策
を
実施
していただきませんと、
森林
の
復旧
は非常に長期を要する件でもございますので、
政府
はわれわれの決議の趣旨を十分体していただいて、これらの項目についての具体的な
対策
、
措置
を迅速にとっていただきたいと思います。 決議案の内容につきまして朗読をいたしたいのでございますが、非常に時間もございませんし、すでに詳細にわたりましてプリントいたしまして各
委員
のお手花に配付済みでございますので、朗読は省略さしていただきますが、本件につきましては各党全員一致の
要望
でございます。したがいまして、この決議案を全員の御賛成をいただきまして本
委員会
の決議としていただき、その当
委員会
の決議に基づきまして
政府
が早速適切な
措置
を講じていただきますことを、被災地各県の当局者はもちろんでございますが、
被害
農林漁業者一同にかわりまして強く
要望
いたしまして、私の提案の趣旨弁明といたします。(拍手)
楯兼次郎
79
○
楯委員長
他に御発言はないようでありますので、直ちに採決いたします。 お手元に配付の案文のとおり本
委員会
の決議とするに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
楯兼次郎
80
○
楯委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。 この際、ただいまの決議につきまして舘林
農林政務次官
から発言を求められておりますので、これを許します。舘林
農林政務次官
。
舘林三喜男
81
○舘林(三)
政府委員
昭和
四十年三月の
豪雪
及
び森林火災
に関する、ただいま全会一致で御可決いただきました御決議の趣旨に対しましては、
政府
はもちろん、農林省といたしましても、十分に御決議の趣旨を体しまして、迅速かつ適切に御
期待
に沿いたいと思います。どうぞ今後ともよろしく御
指導
を願います。
楯兼次郎
82
○
楯委員長
おはかりいたします。 ただいまの決議を
関係
政府
当局に送付いたしますが、その手続等につきましては
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
楯兼次郎
83
○
楯委員長
御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————◇————— 〔
委員長退席
、
小沢
(辰)
委員長代理着席
〕
小沢辰男
84
○
小沢
(辰)
委員長代理
この際、木曾川の
災害
復旧
状況
その他について質疑の申し出がありますので、これを許します。楯兼
次郎
君。
楯兼次郎
85
○
楯委員
いま
委員長
が申されましたように、国立療養所の問題、それから木曾川の問題について、厚生省並びに建設省に簡単に御
質問
をいたしたいと思います。 最初に、厚生省からひとつ御
質問
いたしたいと思います。 最近、国立療養所の話を聞きますると、
火災
が非常に多い。最近におきまして宮城、
岡山
等で
火災
があった。この間は、岐阜の恵那市にありまする療養所が、あっという間に燃えてしまっておるわけです。私は
現地
もよく知っておりますが、まあ火がついたらこれはもう一時間足らずで全焼になるであろう、結果ではありますが、いま思い出しますると、こういう感じがしておったわけであります。 岐阜療養所の場合を例にとりますると、
防火
施設
が悪いというので、再三消防署から
防火
施設
に対しまする勧告を受けておるようであります。それから、療養所の担当者に聞きますると、応急
防災
措置
の予算要求をしても、なかなか厚生省は——これはわれわれにはざっくばらんに言うのでありますが、くれない、こういうことを聞いておるわけであります。まあ総括論的に言うと、国立療養所というのは、戦争前のバラックで、少し乾燥すれば、火がつけば、あっという間に燃えてしまう、しかも中におるのは、身動きもできないような重病患者ばかりである、看護婦は足りない、全く悪条件がそろっておるような感じがするわけでありますが、こういう点、どうお考えになりますか。
尾崎嘉篤
86
○尾崎
政府委員
国立療養所の建物は大
部分
が木造でございまして、楯先生からお話がございましたように、戦後につくりましたものも一部ございますが、戦争中に急造したものが中にかなりございまして、老朽化しておるというふうな状態は、お話のとおりでございます。われわれも、できるだけこれを近代的な建物につくりかえていくというふうにして、いま
努力
をしておるわけでありますが、病院側に比べまして療養所のほうが整備がだいぶおくれてきておる、こういうような点で、さらに一そう
努力
をしていかなければならないものだと思っております。 お話しの、そういうふうな木造の老朽した建物で患者さんを預かっておるのでございますから、その
施設
に働いております院長はじめ職員の
方々
にいろいろまことに御心配を願い、また御
努力
を願っておるわけです。
防火
施設
につきましては、三十二、三年ごろからこの
対策
を力を入れて始めておりまして、消火器等の
設置
、また避難階段というふうなものはかなり整備ができておるように私は考えておるものでありますが、いまお話しの、岐阜療養所からの要求があまりいれられてないというお話は、帰りまして十分取り調べてみたいと思います。 あそこの建物につきまして私が
報告
を受けておりますところでは、消防庁のほうでも、建物は木造だが、消火器とか
防火
用水というようなものの設備等もかなり整備をしておったというふうに認めてもらっておるということも私は
報告
を受けておるのでございます。ちなみに申し上げますと、焼けました建物におきましても、第五病棟の屋外の東寄りに十平方メートルぐらいの
防火
水槽が設けてございます。中央に消火せんもある。それから一階、二階おのおのに泡沫によります消火器が二単位ずつ備えてあり、またダウ・ケミカル五単位のものが二本、その上にドラムカンの水槽が二百リットルぐらい入るものが二本、こういうふうに一階、二階ともに置いてある。またさらに、電気
関係
の配線等につきましても、定期的に抵抗試験等によりまして、危険がないかというようなことも調べておる、また避難階段も両側についておる、こういうようなことで、消火
関係
の設備は、不十分かもしれませんが、一応整って
実施
しておった、また、それに対しましてのいろいろ訓練も定期的にやっておった、こういうふうに私は
報告
を受けておるのでございますが、あるいはこれが先生のお調べでだいぶ
報告
が甘いということでございますれば、さらに調べてみたいと思います。
楯兼次郎
87
○
楯委員
いま局長からの答弁は、あなたのほうはそう答弁せざるを得ないと思うのですが、
実情
は全く答弁と反対です。たとえば、訓練をやっておるとおっしゃいますが、実際患者等に聞きますると、そういうものはやったことはない。それから、たとえばあなたは消火栓が備わっておるとおっしゃいますが、建物にくっついていますから、あっという間に焼けるので、消防に行ったって、熱くて消火栓をひねりに寄れぬというのが、これは
全国
そうだと思うのですが、
実情
なんです。水等は、たしか七、八年前に私も記憶がありますが、なかなか費用が要るので、飲料水といいますか、用水が足らぬ、そのポンプをつくるのにだいぶ金が要る、厚生省はその必要な日常の用水の吸い上げのポンプすら渋っておって、私もたしか、早くつくってもらわなければ、東京都じゃありませんが、飲み水がなくなってしまうということで
陳情
したことがあります。そういう状態ですから、あなたとここで押し問答をしてもしかたがありませんが、あなた方の系統から
報告
を受けておられるのと
現状
はまさに雲泥の相違である。特に火については、これはもう話にならぬほど無防備であり、弱い、こういうことが総括的に言えるのじゃないかと思いますので、この点は、
全国
の療養所の
防火
施設
については今後格段の御配慮をいただきたい、こう
要望
を申し上げておきます。 それから看護体制が非常に不備だという点が指摘できるのではないかと思います。岐阜療養所の場合を例に申し上げますと、被災病棟は三棟あったのです。大体三つ被災を受けたわけですが、その中に収容されておった患者は百十八名。その三棟に対して三名の看護婦が配置をされておる。そこで、カリエスで動けない患者がその三棟のうちに二十名おるわけですね。はっきりとカリエスで動けないという患者が二十名おる。その他重病患者が多数いた。カリエスで動けない二十名をどうして三名の看護婦が手ぎわよく出せるか。こういう点を考えますと、予算等の
関係
もあるでしょうけれ
ども
、あまりにも看護婦が足らぬといいますか、これは医者も足らぬのでしょうけれ
ども
、看護体制というものがなっておらぬ、こういうことが言えるのじゃないかと思うのです。この点はいまここで過去のことをくどくど言ってもしかたがありません。予算等の
関係
もあるでしょうけれ
ども
、佐藤内閣になりましてから人命尊重を表看板にしておりますが、この一つの例を見ても、いまの
政府
の方針がだいぶ手落ちになっておるのじゃないか、この一点を追及されても言いわけはできないというふうに私は考えますので、ひとつ腹をきめて、看護体制の完備をしていただきたい、こう思います。 そこで、
地元
で聞きますると、焼けたを幸いに——これは言い方が悪いかもしれませんが、焼けたを幸いに廃止統合、いろいろな議論があるので、縮小してしまおう、こういう考えが厚生省に強い、こういうことを聞いております。しかし、
地元
の市はもちろんでありますが、その
関係
の
地方
の町村においては特に私のところもよく言ってくるのでありますが、いま設備が悪い点その他で入院患者が少ないのであるけれ
ども
、もっと建物をよくし、設備をよくしてもらえば、入院患者もふえるし、特にこの機会に廃止をする、統合をするというようなことは困る、こういう強い
陳情
があるわけです。
医務局長
さんも
陳情
団に会われたかどうか知りませんが、再三連中が来ておるのですが、どうも
医務局長
さんには行き違いになって少しも会えぬというので、私がかわって
陳情
団を代表してここで質疑応答をやるわけですが、将来の計画はどうなっていますか。
尾崎嘉篤
88
○尾崎
政府委員
まず、看護
関係
の問題でありますが、この岐阜療養所は、定床六百としておりますのに、結核患者が
全国
的に減っております
関係
から、当時三百八十六名入院しておりまして、お話しの第五病棟、これは一階、二階ございますが、及び第七病棟には、九十八名入院しておったのであります。そこにおきます看護力につきましては、平日におきましては十四名、一日三交代でやっております。助手四名、保清婦一名、合計十九名の看護力が、その病棟に九十八名の患者さんをお世話いたしますためにおるわけでございますが、これが
火災
の当日は、三交代という問題もございますし、減っておりますが、そのときに病棟で看護婦が三名と助手、保清婦が二名、合計五名がおったというような状態になっております。特に日曜と普通の日と区別をして、あまり日曜に看護力を落としてはいかぬということを平生から言っておるのでございますが、この日は日曜というので看護力が少し手薄になったようなきらいがございますが、三名というのは三交代で、助手、保清婦二名、合計五名ということでございます。この看護の
関係
につきましては、ほかの結核の国立療養所と比べまして、そう看護力が悪いというふうな状態ではないと思っております。この病院でも、定員が八十四名のところに七十八名入って、充足率は九三、四くらいの充足をしておる状態でございます。しかし、お話しのように、看護
関係
はできるだけ多いほうがいいし、また、特にこういうような犠牲者を出したりいたしました点、われわれといたしましても、いろいろ反省を要する点があると思って、いろいろ検討しておるところでございます。 それから病院を廃止するとか統合するという問題でございますが、この病院につきましては、いま特にこの火事があったからといってすぐどうしようという考え方は持っていないのであります。国立療養所全体につきまして、将来の結核の動向にかんがみまして、結核の追撃戦、掃討戦をやるのに、やはりその基地としての国立療養所をどう体制を整えていくかという立場でいろいろ検討はしておりますが、岐阜療養所を、今度火事があったからという意味で、それとひっかけてどうこうという気持ちは持っておりません。
現地
の恵那市及びその周辺地区の結核の動向というようなものを考え、またその他の医療機関の状態も考えまして、
現地
の方の御意見もいろいろ承りまして、われわれとしてはこの整備等を考えていきたいと思っております。 なお、面会の問題でございますが、職員の方、患者さんがおいでになりまして、私お目にかかると申し上げておったのでありますが、この点、ほかの方が少しなだれ込んでこられたので、ちょっと行き違いが起こったという状態でございます。
楯兼次郎
89
○
楯委員
局長さんの答弁は、看護体制について定員のことを言っておられるのかどうか知りませんが、とにかく、
火災
の当時は看護婦さんは三名しかおらなかったということは現実なんです。数字の上では何名おったか知りませんけれ
ども
、現実に実動稼働は看護婦さん三名、その他どういう人か知らぬが二名、プラス五名おったということで、九十八名のうち二十名も動けない患者の入っておった処置にしてはちょっと不手ぎわだと私は思います。今後どうするかという問題については、むずかしいとは思いますが、そういう地域の熱情もありますので、病院らしい設備といいますか装置にしていただくように、私からお願いをしておきたいと思います。 それから、これはなかなかむずかしい問題でありますが、被災患者に対する援護
措置
であります。われわれ社会党は、
災害
は個人を対象にせよということを言いまして、国会のつど——最近ではちょっと出しておりませんが、罹災者に対する個人援護という法案を提出しておったのですが、まだその機に達しないようでありますが、しかし、この療養所の
被災者
は非常に気の毒です。年をとって重病の方が二人死んでおられますね。いまの看護体制か、設備が整っておらぬか、どういう原因か知りませんが、とにかく二人が焼け死んでおる。それから被災した九十六名の人はみな着のみ着のままといいますか、普通の着物じゃない、まあ寝巻きくらいだろうと思うんですが、それで
あと
は全部ゼロになっておるわけです。これに対して援護
措置
というものは全然ないわけなんです。ほんとうにこれは文字どおり素っ裸になっておる人たちに対して、何にも援護
措置
がとられておらぬように私は考えられるわけです。療養所の職員の話を聞きますと、しかたがないので、給料の五%をみんなが拠出をして、日用品を
被災者
に対して、さしあたってまあ石けんとか歯ブラシ等だと思うんですが、二、三十万円つくって救済をしておる程度だ、こういう状態です。援護法というものはないかもしれませんけれ
ども
、私はあまりにもこれはかわいそうだという気がするのです。むずかしい法解釈は別として、焼け死んだ二人の方に対する
措置
、それからすっからかんになった、素っ裸になった九十六名の人たちに対する援護
措置
、また将来これをどうやろうとするのか、どういう考えを持っておるのかという点をひとつお聞かせ願いたいと思います。
尾崎嘉篤
90
○尾崎
政府委員
九十八名のこの
火災
にあわれました方、特にお二人のなくなられました
方々
に対しては、われわれまことに申しわけなく、またお気の毒に思っておりまして、なくなられました方には丁重に死後の
措置
を行ないまして、二十三日の午前十時半に所内で所葬を行ないまして、また、とりあえず弔慰金を出した、こういうようなことをやっておりますが、焼け出されました
方々
に対しまして、さしあたり、まず寝具類につきましては、付近の愛知、大府、梅森、天竜というふうなほかの療養所から寝具を緊急輸送をやらせまして、また、はだ着等は療養所で購入いたしまして患者さんに貸与する、こういうふうにいたしまして、一応生活ができますような緊急の
措置
をとりました。こういうふうなことをやりますのに、
現地
だけではと思いまして、厚生省からも療養所
課長
を派遣して指揮をとらせたわけであります。御承知のとおり、こういうような問題につきまして、患者さんの方に特にお見舞い等を出すという問題、いつも問題になるのでございますが、
火災
の
関係
につきましては、出火の場合には、そこに重大な過失というようなものが証明せられませんと、
損害
賠償というふうなことができない法文がありますために、公式にこの病院側から患者さんにいろいろお金として賠償するというふうなことができにくい問題がございますので、いまのように、必要なものはこちらで買って貸与するという形をとり、それ以外にまたいろいろ問題もあると思いますので、見舞い金を
方々
で集める、
施設
だけでなく、周囲の国立
関係
の病院、療養所というふうなところからも集め、その他われわれも実は出しておるのでございますが、そのほか
地元
からのお見舞い金もいろいろいただいたものもありましたので、そういうものも集めまして約百万ぐらいになっておりますが、これをお見舞い金として出そうというふうに考えております。しかし、まだ十分でないので、いろいろ患者さんのほうと
施設
側とで相談をしてやっておる、こういうふうな状態でございます。
楯兼次郎
91
○
楯委員
私より十分あなたのほうが知っておられると思いますので、これ以上私は議論しませんが、手は何かあると思うんですよ。特別の場合ですから、何とかひとつ法の弾力的解釈によって、たいした数ではありませんので、厚生省の中で、拡大解釈といいますか、弾力
適用
といいますか、何かでき得る
措置
が私はあるんじゃないかと思いますので、今後こういう気の毒な人に対して、十分とは言えませんでしょうけれ
ども
、
措置
をとっていただくということと、それから将来こういう人たちに対しては何らかの無理のない救済
方法
を厚生省としても考えなければいかぬ、こう私
ども
は思いますので、この点をひとつ検討していただきたいと思います。長くお待たせしてすみませんが、あなたのほうがよく知って見えますから、私はこのぐらいにしておきます。またあらためてわが党の社会労働あたりでやるだろうと思いますので、きょうはこのくらいにしておきます。 それから、今度は建設省の方に御
質問
申し上げます。 これも
委員会
でやるほどの大きい問題ではないかと思いますが、一向に解決をしない、特に零細な人たちが将来どうするかというので非常に困窮をして見えますので、あえて私はここで
質問
を申し上げるわけです。 といいますのは、昨年の九月二十五日に台風二十号がございました。よそもそうでありましょうが、特に木曾川水系が平水の約十倍の水が出ておるわけです。水が出まして、耕地あるいは家屋が広い地域にわたって、少数ではありますが浸水をしております。ところが、ことしになって、もうこれから水が出るという時期になっても、防水といいますか、川でいえば堰堤、堤防というところでしょうけれ
ども
、そういう
措置
がとられておらないわけです。
被災者
に開きますと、木曾の入口でありまするから、耕地といったって零細なものですね。だから、砂を出して、またことし冠水をすれば、またもとのもくあみである。したがって、建設省
関係
当局の意向によっては離農せざるを得ない。あるいは、また家屋に浸水をする、ところが、新築をして引っ越すということになると大仕事になるわけですが、このまま放置されていたのでは、これは新築して移らざるを得ない、一体どういうふうであろうかというので、疑心暗鬼でおるわけです。事情を聞いてみますと、何か県のほうでは、いや、これは五キロおきくらいに木曾川水系にはダムがあるわけですが、それが豪雨になると一斉に水門をあけて放水する。水だけならまだいいのですが、たまっておるどろから砂利から、一挙に鉄砲水になってくる。そういう水の調節によって起きたのだろう。あるいは、ダムができてから非常な河床が上がっておるわけです。したがって、ひどいところになりますと、道路あるいは土地とすれすれに河床が上がっておるところもあるわけです。それで、県では、いや発電所が悪いんだ、いや建設省がやってくれぬのだということで、半年にわたって責任のなすり合いといいますか、お互いにぶっつけ合っておって、
現地
は一向に
措置
されぬ、これでは困る。私が
質問
しようというのは、結論から言うとこういうことなんです。二十号台風に対する木曾川水系の
復旧
といいますか、防水といいますか、そういう
措置
についてはどういうふうにお考えになっておるのですか、お聞きしたいと思います。
上田稔
92
○上田
政府委員
お答え申し上げます。 昨年の二十号台風によりまして、木曾川の上流、特に岐阜県と長野県の境付近でございますが、この付近には非常に出水が多うございまして、この地域におきましては、木曾川の計画高水、量に大体近いような、あるいはそれを上回るような水が出たわけでございます。それで、いま先生がおっしゃいましたような、所々に浸水を起こしておりまして、家のほうも床下浸水をした、あるいはそれ以上のものがあったりいたしたわけでありますが、この地域は河川の
施設
がいままでもございませんし、ありましても、いたんでおりませんので、
災害
復旧
というわけにはいかないわけでございます。したがいまして、これをどういうふうに処置するかということにつきましては、結局は河川改修をやるか、何かそういうことをしなければできないのではないかというふうに考えられます。しかし、先ほどから先生がおっしゃっておりますように、ちょうどこの地域は電力のダムが五キロおきくらいにずっとあるわけでございますが、その影響がありはしないかということが考えられるわけでございます。それで、場所によりましてはそういうようなものも考えられるわけでございまして、こういうものにつきましては、電力会社が県といろいろ相談をいたしまして、そして
現地
の
方々
にお当たりいたしまして、そして県としては、ダムによる
被害
であるのかどうかというようなこともいろいろ
調査
をいたしたりしておるわけでございます。そういうことで、つかりました家の、明らかにダムによるものであるということがわかるようなものにつきましては、
地元
の
被害者
の
方々
と電力会社のほうで話し合いまして交渉が成立をいたしておるところもございます。それから、全般に木曾谷は非常に土砂が出ておりますので、ダムと
関係
なく河床が上がっておるように見受けられるところもあるわけでございます。この点がダムとどういう
関係
があるかということにつきましては、やはり縦横断測をとりまして流量計算をしなければなかなかわかりませんので、県のほうでもそういう点についていろいろ
調査
をいたしておるわけでございます。
現状
はそういうような
状況
でございます。 それで、それじゃもしダムに基因するものでなくて河床が上がった、したがって家がつかるという場合には、河川改修をすぐにやってくれるのかということが出るわけでございますが、この点につきましては、
全国
的に非常にそういう地域が多うございまして、私
ども
建設省といたしまして川を担当しておる者といたしましては、早く
対策
を立てなくちゃいけないんじゃないかということでやっておりますのですが、とりあえず長期計画として、大体三十町歩以上くらい想定浸水はんらん面積がありますところについて計画をいたしまして
全国
的にやってみますと、大体十兆近くの工事費の予算が要るわけであります。しかし、その点をいまの国の予算と比べましてもなかなか早急にというわけにもいきませんので、これは少なくとも日本の国では十五年から二十年くらいはかかるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。それのまず第一回の五カ年計画といたしまして、四十年度を初年度とする一兆一千億の予算を今度の国会で認めていただいたということでございます。
楯兼次郎
93
○
楯委員
局長さん、私はその木曾川の付近で生まれたのでよくわかるのですが、大体十キロおきぐらいにダムがあるでしょう。そうすると、水の落ち口のすぐ下から十メートル以上全部河床が上がっておるのです。だから、平水の十倍水が出たって、ダムがなければ他に
被害
はないのです、ほとんどが千仭の谷ですからね。ないわけでありますが、原因ははっきりしておるのです。河床が上がったから、昔と同じ水量が出れば外へあふれるという原因ははっきりしておる。ところが、河床が上がったのは、単にダムができたからではない、建設省の治山
事業
といいますか、治山計画が悪いから、発電所のほうでは、おれたちの責任ばかりじゃない、こういうところに問題の解決しない争点があると思うのです。ところが、それはお役所の責任転嫁といいますか、なすり合いといいますか、議論であって、罹災者はたまらないということです。だから、一兆一千億の治山計画もあるでしょうけれ
ども
、ケース・バイ・ケースで、何とかこういう気の毒な人に対しては、おくれておるものも
引き上げ
て堰堤を築く等
措置
をしてやれないのかというのが私の言いたいところなんです。原因ははっきりしておる。ところが、その原因は、電力会社の話を聞けば、こんなに砂が流れてくるのは、そういう流れるようにしておく建設省が悪いのじゃないかという。河床が上がって、水があふれて罹災するということははっきりしておるわけです。だから、いまここで、さっきと同じように、あなたと議論をして、どこに責任があるかということを言っておってもしかたがありませんが、とにかく罹災者は困っておる。これまた、あなたのほうで、たいしたことじゃないから——いま橋の名称は忘れましたが、橋の一部が流れても渡れるから、ほうってあるのですよ。そういうのを取り上げれば、いまあなたの答弁されたことをまるのみするわけにもいかぬのですけれ
ども
、そういう点を考えて何とか
措置
をしてやっていただきたい、こう思います。だから、あなたは、もう少し、県のほうへ行って
実情
を調べて、そうしてでき得る限りの罹災者に対する
措置
をしてやれ、こういうようにひとつ話を進めていただきたいと思います。 一時にほかに
会議
があるそうですから、もうやめます。長時間待たしてまことに申しわけなかったのですが、ひとつお願いいたします。
宮本惇
94
○宮本
政府委員
われわれの
関係
では、落合発電所の
関係
があるかと思いますが、御指摘のように、二十号台風で、耕地が約一万四千坪、それから住家の床下浸水ということで、これはダムの操作に間違いがあったのじゃないかという、抗議とともに補償の要求がございましたけれ
ども
、関西電力といたしましては、ダム操作上の間違いはないが、しかし、それはそれとして、お見舞い金を出す——現実に出したようでございます。この辺は、
地元
との話し合いの上で、もし
被害
が発生した場合にはさらにそのつど協議をするという方針で一応おさまっております。ただ、しかし、大正十五年にできましたダムでございますので、確かに御指摘のように砂が非常にたまっておるということで、場合によりましては、いつも浸水するようなところに関しましては、何か地上権を設定するとか、移転のための費用を負担するとか、そういうことは、今後われわれとしても行政
指導
でやっていきたい、こう思います。
小沢辰男
95
○
小沢
(辰)
委員長代理
本
会議
散会後再開することとし、この際、休憩いたします。 午後一時三分休憩 ————◇————— 午後三時二十六分
開議
楯兼次郎
96
○
楯委員長
休憩前に引き続き
会議
を開きます。 福島県下及び新潟県下における
降雪
による
災害対策
について
調査
を進めます。 まず、
被害状況
等につきまして
政府
当局から説明を聴取いたしたいと存じます。農林省尾中参事官。
尾中悟
97
○尾中説明員
東北地方
の
豪雪
につきまして、現在わかっております概況を申し上げたいと思います。
関係
県といたしましては、福島県の南会津
地方
、秋田県の南部の三郡、それから新潟県の魚沼三郡、その他福島県寄りの
地帯
、それから山形県の最上、西村山、西置賜
地方
、それから岩手県の奥羽山脈寄り
地帯
、さらに青森県におきましても上北
地方
等におきまして現在なお相当な
積雪
が残っておるような
状況
でございます。 この冬の
降雪
の
状況
でございますが、
地帯
によってもちろん違いますけれ
ども
、昨年十二月の根雪が例年より早かったということが第一点でございます。第二点は、例年でございますと一月ないし二月に雪がたくさん降るわけでございますけれ
ども
、今年の実態は時期がずれておりまして、二月の下旬から三月、さらに四月の上旬にかけまして断続的に
降雪
を見ておる。現在なお先ほど申しましたような
地帯
で相当量の
積雪
が残っておりまして、解けていないという
状況
でございます。したがって、根雪が早かったということと、時期がずれて
降雪
があって、現在なお解けていないということでございますので、
積雪
の期間が非常に長期にわたっておるということが特徴かと思うのでございます。 農作物に対します
被害
の点でございますが、まず第一点は、麦、菜種、
野菜
あるいは飼料作物等、いわゆる冬季の裏作物につきましては、現在なお雪の下にございまして、
被害
の
状況
は必ずしも明確ではございません。しかし、相当長期間にわたって雪の下にある
実情
でございますので、相当の
被害
があるのではなかろうかというふうに考えております。それから
果樹
等の枝折れ、あるいはたなであるとか支柱であるとか、そういうものの
施設
に対する
被害
も出ております。なお
積雪
がまだございますので、その実態が必ずしも明確ではございません。なお、今後融雪時期に入るわけでございますが、融雪時期になりますと、さらに
果樹
の枝折れ等の
被害
が出てくるのではないかということが懸念されております。それから、食糧のないせいか、野鼠が非常に出ておりまして、これが若い
果樹
であるとかあるいは桑の木の根をかじっておるというようなことで、野鼠による
被害
も
報告
されております。 それから、これは今後の問題でございますが、融雪時期が今月下旬から来月上中旬になろうかと思いますが、その際に、出水による農地、農業用
施設
等に対する
被害
が出るのではないかということが懸念されております。そこで農林省といたしましては、そういうふうに雪解けが非常におくれておりますので、例年ですと、もう苗しろをつくりましてどんどんやっておるわけでございますが、そういうことに非常な支障が出ているということで、現在苗しろ
対策
を中心にいたしまして、共同苗しろ、あるいは委託苗しろ等の
方法
によって適期に苗しろづくりをし、本田の植えつけがおくれないように、現在県とも連絡をとりまして、各
市町村等
も、あるいは
関係
団体も全力をあげてその
対策
に当たっておるというような
状況
でございます。また、飼料作物等、家畜の飼料がおくれるとか、あるいは雪の下で相当
被害
があるということも考えられておりますので、家畜に対するえさ
対策
等につきましても支障のないように万全の
措置
をとっておるというような
実情
でございます。なお、いま申し上げましたようなまだ雪があるというような異例な状態でございますので、
被害
額等は今後できるだけすみやかに
調査
のできる段階でつかんで、
対策
に抜かりのないように全力をあげてまいりたいというふうに考えております。 以上簡単でごさいますが……。
楯兼次郎
98
○
楯委員長
次に、国鉄河合
施設局長
。
河合秀夫
99
○河合説明員 国鉄の
施設局長
であります。会津川口−只見間の
雪害
の
状況
について極況を御
報告
申し上げたいと思います。 会津線の川口から只見まで二十七キロ五百ほどのところでございますが、たまたま今年二十六年ぶりの大雪ということで、二月三日に汽車をとめまして以来ただいままで八十日ほど不通のままになっております。この間、
降雪
は最大百十センチ、
積雪
にいたしまして三メートル四十センチという量でありまして、とめます二月三日までも五十数回にわたってなだれあるいは列車をとめるというようなことを繰り返しています。二月三日八時についに列車をとめなければならない状態になりました。その後、キマロキ編成と申しましてロータリーを入れました。そして一応二月十八日に線路は一時あいたのでございますけれ
ども
、非常になだれの来るおそれがありましたので運転を見合わせておりまして、三月二日を一応目標に進めましたけれ
ども
、ついにこれもむなしくなりました。二月二十五日には塩沢−蒲生の間でラッセル車がとりこになったというような
状況
になりました。三月下旬目標で開通させようと
努力
いたしましたが、ついに四月下旬まで、なだれのために動かすことができないでいままでに及んだわけでございます。現在大体平均一メートル五十センチぐらい
積雪
がございますが、最大のところでは、二カ所ほど、四百メートルにわたって二メートル以上の個所もございます。それで、いま申しましたなだれが、いままで延べ百一件起こっております。それで、今後予想されますなだれの
状況
といたしましては、三カ所ばかり危険なところが予想されますが、一応これをしまして、昨日から除雪
対策
の最後のスタートを切りまして、本日は川口までモーターロータリーを送り込んでおります。これから仕事にかかるわけでございますが、ただいまの予想では、
努力
いたしまして五月一日には何とか開通したいということを考えております。 ただいままでに人力を投入いたしました数量が、除雪人夫五千四百六十五人、職員が六百七十六人入っております。今後なお四百五十人の人夫と九十四人の職員とによって、五月一日開通を目標にこれから戦っていくという
状況
でございます。 簡単でございますが、
状況
を御
報告
申し上げます。
楯兼次郎
100
○
楯委員長
これより質疑を許します。
八田貞義
君。
八田貞義
101
○
八田
委員
このたび福島県の会津地区を主として襲いました
降雪
の
被害
につきましては、ただいま農林並びに国鉄
関係
から御
報告
があったのでありますが、福島県庁で四月一日現在で
降雪
被害
の見込み額というものを発表しておりますが、それによりますと、土木
関係
が九億八千一百万円というふうになっております。また、農作物
関係
におきましては一億四千二百二十二万四千円、農地、
林業
、治山
関係
におきましては一億一千万円、商工業
関係
におきましては九千七百九十九万円、教育
関係
におきましては五百八万円、公衆衛生
関係
におきましては二百二十万円、合計して十三億三千八百四十九万四千円というふうになっておるのでございます。 これらの事項につきまして、応急
対策
の面についてこれから
質問
いたしたいと思いますが、まず第一に、先ほど農林省から御
報告
のありましたように、本年は三月下旬に記録的な
積雪
になりました。その後も四月上旬まで多量の
降雪
が続きました。平年ではすでに消雪期に入っておりますのに、会津地区におきましては、現在——と申しますのは四月八日現在でございますが、百五十から二百四十センチ、あるいは二百五十センチから二百八十センチの雪が残っているような状態にあります。このために、麦類とか菜種とか
野菜
、飼料作物などの越冬作物に相当の
被害
が出ているということが予想されます。さらに、苗しろづくりの時期になっておりますのに、雪のために種まきがおくれまして、田植えの適期をはずすというようなことからいたしましても、稲作でも大きな
被害
が出るというような見込みが立てられておるわけであります。 ところで、
昭和
四十年、本年の会津
豪雪
地域における水稲田植え予想時期と平年における田植え時期の比較をとってみますると、本年における自然融雪時期を、四月九日現在で、今後雪が降らないものと見込み、かつ折衷苗しろ標準で算出いたしてみますると、田植え時期というものが十六日から二十三日間くらいおくれる。しかも本年は、長期気象予報によりますと、暖候期における異常天候な
ども
予想されますので、全くの不安定な稲作になるということが考えられるわけであります。したがいまして、応急
対策
といたしましては、水稲の健苗緊急確保
対策
という
事業
を進めていかなければならぬわけであります。と申しますのは、現在の
豪雪
の
状況
と、気象台発表の暖候期における異常天候予想などからいたしまして、樹立
対策
といたしましては、その基本となる早期健苗の確保をはかるということが一番緊急、緊要な問題でございます。したがいまして、
対策
といたしまして、
豪雪
地域に対しましては全面的に畑苗しろによるところの育苗とするための大型機械、たとえばクローラートラクターなどによるところの除雪を
実施
していかなければならない。一方、比較的
積雪量
が少なくて、融雪が
促進
されると予想される地域に対しましては、消防ポンプとかあるいは消雪資材によりまして融雪
促進
をはかって、保温折衷苗しろによるところの育苗というものをやっていかなければならぬわけであります。これとともに、一方において、本田の融雪
促進
につきましても、積極的に消雪資材並びに水田かんがい法等を
実施
いたしまして、農
作業
の
促進
と、田植え期におけるところの冷水排除をはかっていくということが大切な問題になるわけでございます。これとともに、融雪後の農
作業
促進
対策
事業
というものを進めていかなければなりません。融雪後の農
作業
が急激に繁忙を加えてまいるということは申し上げるまでもありません。ところが、現存の農業労働力の少ないという点から考えまして、融雪後の農
作業
促進
対策
というものを推進していく体制を整える必要があるわけであります。このためには、大型農業機械、たとえばホイールトラクターなどによりまして集団耕地等の管理
作業
というものを
実施
していかなければならぬと思います。さらにもう一つは、
豪雪
地帯
の水田のうち、特に
積雪
多量で田植え期
促進
対策
を
実施
しなければならない水田面積分の育苗を、全面的に畑苗しろとする健苗育成圃というものを
設置
して稲作安定をはかっていかなければならぬわけであります。こういった水稲健苗緊急
促進
対策
事業
に対しまして、
地方
といたしましては非常な負担がかかってまいります。こういった点に対しまして
助成
を強く
要望
いたしておるのでありますが、この点に対する
助成
方法
につきまして御答弁をお願いいたしたいと思います。
尾中悟
102
○尾中説明員 ただいま御指摘のございましたように、本年度の気候は必ずしも順調ではないということが気象台等から指摘されておりますので、実は四月の六日付で次官通達を
全国
に流しまして、ただいま御指摘がございました機械化の
促進
、健苗育成、病虫害防除あるいは集団栽培方式の推進であるとか、肥料、水管理の問題、あらゆる問題につきまして
全国
的に
指導
を進めておる最中でございます。特に福島等東北におきまして現在融雪期が非常に遅延しておるということから、今後の稲作に対して相当影響が出てくるであろうということはわれわれも十分懸念をしておるわけでございまして、そういうことのないように、先ほど申しましたような、まず苗しろづくりを早期に、時期を失しないようにやってまいる必要があるということで、共同苗しろあるいは委託苗しろにつきまして積極的に
地元
県、農林省も加わりまして鋭意やっておる最中でございます。この苗しろに対する
助成
措置
につきましては、実は二年前新潟等の
豪雪
につきましてとりました
助成
措置
があるわけでございますし、これは共同苗しろなり委託苗しろにつきまして
施設
費であるとか、それから委託苗しろにつきましては、あたたかいところで苗をつくりまして、それを運搬するということが必要になってまいりますので、運搬代等につきまして当時半額
助成
をやっておるわけでございます。今回の福島等東北の問題につきましても、現在内部で鋭意検討中でございますけれ
ども
、三十八年の例もございますので、十分検討いたしまして、それらの
措置
について
実施
できるような方向で現在検討を続け、
関係
方面とも話し合いをしておるという段階でございます。
八田貞義
103
○
八田
委員
ただいま国からの
助成
方法
については
関係
当局と互いに折衝中であるというような御答弁がありましたが、この際、時間もありませんから簡単に申し上げますが、
豪雪
による
被害
農家に対しまして
天災融資法
を発動しまして、そうして経営
資金
の融資
措置
を講じてまいる、そうしてできるならば特別
被害地
域に指定してもらうというようなことにつきましては、御
調査
の点から考えてどのようにお考えになるか、お答え願いたいと思います。
尾中悟
104
○尾中説明員
天災
法の発動等につきましては、現在雪がなお相当積もっておるという
状況
でございまして、雪の下にある農作物の
被害
であるとか、あるいは
果樹
等の技折れの問題、そういうものもまだ的確な数字をつかんでいないのが
現状
でございます。なお、融雪期になってまいりますと、農地、農業用
施設
等に対して
被害
が出ることも懸念されますし、技折れ等の問題も出てまいるかと思いますし、また野鼠等による
被害
も、雪があるものでございますから現在
調査
がなかなかできないというのが率直なところでございます。したがいまして、第一次の
調査
としましては、この四月二十日現在で
現地
の統計事務所がやっておりますけれ
ども
、これも雪のためにそう的確な資料はまだ出ないのじゃないかということでございますので、今後
状況
を見ながらなるべく早く
被害
額をつかみまして、その上で
天災
法の発動等について十分検討してまいりたいというように考えております。
八田貞義
105
○
八田
委員
こういった緊急の
措置
としての集団保温苗しろを
設置
するための
助成
方法
につきましては、ただいま御検討中ということでございますから、ただ申し上げたいことは、農業改良
資金
の増ワクについてです。
積雪地帯
におけるところの畑苗しろの
設置
に伴うところの資材購入に要する農業改良
資金
を増ワクしてまいるということにつきましては、はっきりと御答弁願えると思いますが、さらにまた、農業技術
指導
員の
助成
ですね、たとえば改良普及員とか蚕業技術
指導
員の特別
指導
というものが必要になってまいりますから、こういった要員に対する旅費とか手当の増額を考えてまいるということにつきましてはいかがでございましょうか。
尾中悟
106
○尾中説明員 まず最初に、畑苗しろの導入等に対しまして改良
資金
の増ワクの問題でございますが、畑苗しろにつきまして改良
資金
を使うということは、当然現在
指導
しておるところでございまして、そのワク等につきましては、
現地
の
要望
等もよく伺いまして、お困りにならないように万全の
措置
を講じてまいりたいというふうに考えております。 それから、改良普及員等の問題につきましては、まだ県のほうから具体的な問題としてあがっておりませんので、今後県当局とも十分連絡いたしまして、
指導
に遺漏のないように善処してまいりたいというふうに考えております。
八田貞義
107
○
八田
委員
農林
関係
もいろいろあるのでありますが、時間がありませんので、次に国鉄
関係
について
質問
いたしたいと思います。 先ほど国鉄のほうから御
報告
がありましたように、なだれとか
積雪
なんかの
関係
で運行停止が非常に多くなっているわけでありますが、なだれ防止の設備ですね。これも、毎回われわれが、こういう事態がくるかもしれぬから、ぜひとも防雪あるいはなだれ防護体制をつくってほしいということを絶えず訴えてまいったわけでありますが、それが今日までほとんどなされていない。しかも、今日まで八十日間も列車が運行停止というふうな状態になっておるということにつきましては、どうしてもなだれ防護設備を早急に
実施
していかなければならぬ、そういった緊急の事態に入っているわけであります。国鉄当局といたしまして、こういったなだれ防護設備に対しましてどのような計画を持たれて早期に完成されるか、その見通し、御計画について御答弁願いたいと思います。
河合秀夫
108
○河合説明員 ただいま、なだれの
関係
につきまして国鉄の計画ということでございますけれ
ども
、川口から先は、御承知のように、初めは電源開発でやりました線を、三十七年三月に鉄道審議会で着工線にしていただきまして、その後十月から着工いたしまして、大体総工事費八億七千万、こういう金をかけてやっております。そのうち賠償金が三億六千万ですが、
あと
は
施設
で、この中にいまの防雪費も含めているわけでございます。三十八年にこれに該当するものが大体三千万くらいはかかったのでございますが、三十九年度には二千五百万、四十年、ことしの予算としては三千万つけております。
防災
関係
だけで一億五千万の予算が認可されております。それで、この中身でございますが、たまたまことし
災害
を受けまして、なだれの危険な個所が十六カ所、それに今後あぶないと思われるところが三カ所、十九カ所ほど現在わかっております。いままでの計画で進んでまいりますと、大体この十九カ所が網羅されておりまして、たまたま昨年防護をしたところはことしはやられてないというような
実情
も見えておりますので、今後もこれを進めてまいりたい、こういうふうに考えております。 この中身といたしましては、なだれおおいを六カ所、なだれどめさくを十一カ所、なだれどめの階段工、これは用地買収を伴うものを含めた個所が十一カ所、防雪林が四十三万一千平米で十カ所、擁壁が一カ所、合計三十九カ所の
施設
をやる、これが総計で一億五千万。そのほかに、ことしからモーターカーのロータリーを一両ここに配属するという計画もいま立てております。
八田貞義
109
○
八田
委員
ただいま二億五千万円かの
事業
費を見込んでいるんだというような御答弁がありましたが、過去の予算のつけ方から考えますと、非常な時間がかかります。これでは、また来年
豪雪
に見舞われると、これまた列車が運行を停止しなければならぬということになってくると思うのでありますが、早急に予算をたくさんつけていただくというふうな、もう少し積極的な
努力
というものはできないものでしょうか。
河合秀夫
110
○河合説明員 確かに、いまの説明で、いままで金のつけ方が少なかったのじゃないかと私も思っておりますけれ
ども
、買収いたしました時代にわれわれが計画をしておりました
施設
というものをほとんど全面的にいま洗い直しているような状態でございまして、初めのうち、御承知のように材料を運んだ線だものでございますから、なだれ防止さくとかその他防雪設備以前の問題が相当ありまして、そちらに追われたり、それから、簡易駅をつくったりするほうに追われていまして、こちらの
調査
が、申しわけないのですけれ
ども
、おくれているという
関係
もございまして、いままでは予算がいささか少なかったと思います。これからはわれわれとして
努力
いたしたい、こういうふうに思っております。
八田貞義
111
○
八田
委員
まだ十分満足が得られませんけれ
ども
、時間がございませんから、次の問題に移らしていただきますが、公衆衛生
関係
の問題につきまして、先ほど、水道
施設
の
被害
額だけでも二百二十万円ぐらいになっておるわけです。これは保健所
関係
で見てまいりますと、田島保健所
関係
では三カ所、それから会津坂下保健所
関係
では二カ所の水道
施設
の
被害
を受けまして、総計で二百二十万円というふうになっておるのであります。これは主として簡易水道でありますが、こういった簡易水道に対する
被害
に対しまして、厚生省といたされまして、こういった場合には何か特別な処置を講ぜられてもいいと思うのでありますが、この点についてひとつお伺いいたしたいのであります。 それとともに、また融雪期におけるところのなだれあるいは洪水等によって
被害
の発生が予想されますので、こういった
被害
の発生時の
復旧
について特別の
助成
の道を講じておく必要がある、こういうふうに考えますが、いかがですか。
大橋文雄
112
○大橋説明員 お答え申し上げます。 今回の会津
地方
の
豪雪
によりまして簡易水道に
被害
があったということ、だだいま先生の御指摘のとおりでございまして、たとえば簡易水道につきましても若干の
被害
を生じておるわけでございます。幸いに、現在までのところ、この
復旧
につきましては完了して、給水に支障を来たさない
状況
になっておるわけでございます。こういうものにつきましての財源
措置
でございますが、
災害
の指定がございますと、従来、こういう
豪雪
、融雪というものにつきましては、
災害
として取り扱って財源
措置
をしておるわけでございます。今後融雪期におきましてやはり水道
施設
の
被害
が予想されるわけでございますが、これにつきましては、県といたしましては、融雪期に対処いたしまして、資材、人員の確保、それから国といたしましては、
現地
との連絡を密にいたしまして
状況
の把握ということ、なお、この財源
措置
につきましては、
災害
の指定がございますと、
関係
省と協議いたしましてその
対策
に万全を期したいというふうに考えております。
八田貞義
113
○
八田
委員
いま
災害
に対して
対策
を講じていきたいというような御返答がございましたが、こういった簡易水道の
被害
ですね、二百二十万くらいのものに対してどのような
助成
対策
を考えておられるか、その点を具体的にひとつ御答弁を願いたいと思います。
大橋文雄
114
○大橋説明員 お答え申し上げます。 まだ
被害
額その他しっかり
調査
が済んでおりませんが、従来、国の
災害
指定の場合ですと、国が二分の一の
補助率
をもちまして、財政援助しておるという
状況
であります。
八田貞義
115
○
八田
委員
私はいまのお話を聞いて非常に残念に思うのは、この水道普及率は、
報告
によりまけと、大体六〇%くらいになっておりますが、しかし、これは上水道のことであって、簡易水道はそこまでいっていないわけです。ですから、日本農民の三分の二はまだ水に悩んでおるというような状態にあるわけですね。しかも簡易水道を引っぱっていく場合には、四分の一の国庫
補助
、起債充当率が七五%、それから受益者負担というのがあります。受益者負担は三万から四万くらいになりましょうかね。それくらいの受益者負担というのがある。ところが、上水道の場合には受益者負担というものはないんですね。こういった点から考えてまいりますと、なお簡易水道というものを準公営企業として町村がやっているわけですが、こういったものに対して、しかも水道料金なんかを考えてみますと、東京都のように水道料金の値上げ反対をいたしたのでありますけれ
ども
、この場合は大体十トン当たり百四十円というふうに聞いておりますが、ほかの市などでは、たとえば千葉県の成田市とか銚子市なんかは二百円から二百五十円ですね。それを東京都の一般家庭用の水道を二百円にしようとしてあの騒ぎを起こした。ところが、簡易水道の場合には、先ほど申し上げましたようにこれが平均して四百円、しかも私設水道を引っぱっていく場合には受益者負担というものがある。非常な格差がついておるわけです。ですから、こういった簡易水道の
豪雪
被害
、当然融雪のときに考えられるところの
被害
から考えまして、ただいまの御答弁のような状態では、防疫面から考えてみても非常に大きな問題を起こしてくるわけなんです。ですから、この簡易水道に対しては特別な考えをもってやっていかなければならぬと思うのでありますが、これを特別交付税で見るとか、あるいは起債を認めるとか、あるいは
補助
卒をアップするとかいうような点は一体どのように考えておられますか、御答弁を願います。
大橋文雄
116
○大橋説明員 お答え申し上げます。 現在の水道の場合、水道料金は、一般論として申し上げますと、大都市が安く、中小規模、特に小さくなるほど水道料金が高いという傾向は、御指摘のとおりでございます。したがいまして、一般の上水道を拡張改良してまいります場合には、起債を主たる財源としてやっておるわけでございますが、簡易水道の場合には
補助
金が出ている。その
補助率
は、先ほど申されましたように四分の一でございまして、残りの金額に対して起債が平均七五%くらい、その残額は
地元
が負担しているというのが
実情
でございます。しかし、
地元
が持ち出すということ、及び水道料金が非常に高くなるということで——ある意味においては、
地元
の持ち出しが多くなるという意味で、水道の普及がだんだん曲がりかどにきているという現実は確かにあります。しかし、本省といたしましては、たとえば
補助率
をアップする、あるいは財源の裏づけ起債を厚く充当するということにつきましては、これは非常に
関係
する省がありまして、そちらの方面との話し合いをしてまいりませんと、いかんともすることができないというのが
現状
でございますが、これにつきましては、今後もいろいろ検討を進めてまいりたい所存でございます。 なお、これと今回の
災害
というものとを直ちに結びつけることが必ずしもいいかどうかはわかりませんが、しかし、
災害
という指定がなされました場合には、先ほど申しましたように、
補助率
二分の一で、
あと
の二分の一につきましてはまたある程度の起債の充当も考えるという
措置
は従来なされております。
八田貞義
117
○
八田
委員
自治当局並びに大蔵当局に答弁を願いたいのですが、先ほど水
道課長
からお話がありましたように、簡易水道と上水道との間には非常な差があるのです。ですから、起債条件を
緩和
してもらいたい。七五%というような充当率では今後簡易水道は伸びてまいりません。農民の三分の二は水に悩んでおるのですから、こういった観点から考えてみましても、しかも、受益者負担が上水道の場合はないのに、簡易水道の場合にはある、こういうことになっておるのですけれ
ども
、この際、起債条件を
緩和
するとか、あるいは
補助
対象の拡大について理解ある態度を示していくとか、そういった点について自治当局並びに大蔵当局から御答弁願いたいと思います。
首藤堯
118
○首藤説明員 ただいまの御
質問
にお答え申し上げます。 簡易水道の起債でございますが、ただいま厚生省のほうから御答弁がございましたとおり、通常の場合は四分の一の
補助
金、それから残りの負担に対しまして七五%というのが標準的な起債のつけ方の考え方でございます。ただ、
補助
対象
事業
のほかに、単独
事業
がございましたり、あるいは、たとえば炭鉱
地帯
におきます特殊な簡易水道でございますとか、そういう特別の財政上の問題がございましたときには、この充当率には若干弾力性を持たせて
措置
をしておるわけでございます。御説のように、簡易水道地域ではかなり料金もかさむようなケースもございますので、なるだけ充当率を高めてまいりたい、こう思って
努力
をしておるところでございますが、なお今後とも
努力
は続けてまいりたい、このように考えております。
玉置明男
119
○
玉置
(明)説明員 お答えいたします。 ただいま厚生省並びに自治省からお話がありましたように、料金の点につきましては、簡易水道と上水道にはかなり差があるように思います。しかしながら、そういった面を考慮いたしまして簡易水道には
補助
金
制度
がとられております。また、充当率におきましては、なるほど七五%でございますが、上水道のほうも必ずしも
事業
費全額起債ということにはなっておりませんで、起債対象外のものもございます。そういった面を考えますと、現在の起債のやり方が必ずしも簡易水道だけに酷になっておるというふうには考えないわけであります。ただ、七五%の点につきましては、御指摘のようなこともございますので、できるだけ
資金
事情の許す限り、今後検討して有利なような扱いを考えてまいりたいと思います。
八田貞義
120
○
八田
委員
ただいま大蔵並びに自治当局から、起債充当率を上げていきたい、
努力
をするというふうな御答弁がありました。私としては、起債充当率も上水道並みに九〇%ぐらいにしてほしいということ、もう一つは、
補助
対象を広げてほしい——ということは、百人以下の給水人口に対しまして
補助
ということでありますが、五十人ぐらいの部落に対しましても五割か六割ぐらいの国庫
補助
をやっていって、無水部落を解消してほしい。と申しまするのは、電気
事業
の場合には一戸当たり六万円ぐらいの
補助
が与えられておって、しかも六戸以上が
補助
対象になっておるのですね。農村の生活においては、電気と簡易水道というのは車の両輪のようなもので、ぜひともなくちゃならぬものなんです。ところが、電気の場合には六戸以上を
補助
対象にしておる。簡易水道の場合にはそうでない。ですから、五千人ぐらいの部落に対しても五割か六割以上ぐらいの国庫
補助
をして無水部落を解消するというようなことについて、水
道課長
並びに自治、大蔵当局に
努力
を
要望
いたします。 それからもう一つは、融雪期を迎えますと、いろいろな破損個所が出てまいって、そうして伝染病の発生な
ども
十分に考えられてまいります。ところが、今日簡易水道の維持管理については技術者が足りない、こういう状態になっておるわけですが、これに対して、やはりこういった
災害
が予想されて伝染病の発生が考えられるのですから、この際、簡易水道の技術者養成に関しまして、自動車でいうところの乙種免許状のような
制度
をつくってはどうか。現在の
制度
では免許状がとれないので、ほとんどの簡易水道の技術者は無免許で、しかも危険な状態に置かれておるんですね。ですから、現実に即した養成なり
指導
というものをぜひとも考えて早急に
実現
するように持っていってもらいたい。この点は水
道課長
としていかがでありますか。
大橋文雄
121
○大橋説明員 お答え申し上げます。 現在、百人以下のものは、水道法でいう水道としておりません。したがいまして、簡易水道として
補助
金を出しておりますのは、百人以上五千人という幅でございます。しかし、百人以下の小さな水道に準ずるようなもの、これは飲料水供給
施設
と申しておりますが、百人以下五十人という幅のものに対しまして、
補助
金をもって
助成
をいたしております。
補助率
は四〇%で、簡易水道より厚い
補助率
をもって
実施
しておりますので、先生の御指摘になりました小さな部落というものがこれに該当するというふうに考えております。 なお、簡易水道及び小規模水道につきまする維持管理は非常に重要なことでございますので、この管理者の養成ということについても今後十分検討いたしまして、維持管理に間違いがないようにということについて
努力
を払ってまいりたいというふうに考えております。
八田貞義
122
○
八田
委員
文教
関係
について、お伺いしたいのですが、
豪雪
地帯
の指定文化財に対しまして
高率
の
補助
というものについてお考え願いたいと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
宮地茂
123
○宮地
政府委員
雪が降りまして、文化財、特に建造物
関係
がいろいろ
被害
を受けるという事例は、平常の場合にもあるわけでございますが、特にそれが
豪雪
でいわゆる
災害
と目されるような場合、私
ども
のほうといたしましては、こういう修理費の
補助率
が定率になっておりませんので、できる限り
高率
の
補助率
で修理をするというふうな方針でまいっております。
八田貞義
124
○
八田
委員
それから
豪雪
地帯
の指定文化財につきましては、保存保護
事業
とか、あるいは管理費ですね、たとえば除雪費、こういったものについても国庫
補助
というのですか、そういったことがございますか。あればその例をちょっとお知らせ願いたいと思います。
宮地茂
125
○宮地
政府委員
いまおっしゃいますような、雪が屋根に積もった、いわゆる雪かきですか、管理費的なそういう
補助
金というのは、従来から考えておりません。
八田貞義
126
○
八田
委員
そうすると、管理費とか保存保護
事業
なんかはいまのところ考えておられない、こういうことなんですが、
豪雪
地帯
では、除雪費というのは相当たくさんにあがってくるのです。しかも木造建築なんですから、こういった点につきまして、指定文化財に対しては
高率
の
補助
の規定をつくられるということが必要なんじゃないでしょうか、この点ひとつ御答弁願います。
宮地茂
127
○宮地
政府委員
雪が建物の屋根の上に積もる、したがって、その建物にいろいろ
被害
を及ぼす、そういうことから考えますと、私
ども
のほうで、従来、
火災
で建物が焼けるとか、あるいは盗難にあうといったようなことから、
防災
予算というのを組んでおりますが、ただこれは、いま先生のおっしゃいますようなことでまいりますと、いわゆる何年に一回かの
豪雪
ということではなく、東北、
北海道
、この地区は毎年雪が降るのであろうと思います。したがいまして、毎年継続的にその雪かき費用ということになりますと、
防災
というよりも、いわゆる管理費的な面が強くなってまいりますし、私
ども
のほうといたしましては、修理費、
防災
費、これは重点的にいたしておりますが、いわゆる社寺等の維持管理に非常に似てきます。そういう管理費というのは、絶対にやってやれないことはないのかもしれませんが、修理費なり
防災
費に重点を置いておるたてまえからいきますと、非常にむずかしい問題だと思います。せっかく御指摘の点もございますし、全然考える余地のないものではないと思いますので、将来の問題として検討さしていただきたいと思います。
八田貞義
128
○
八田
委員
豪雪
地帯
の場合は毎年起こるからたいへんな負担だというようなお考えでなくて、重要文化財の指定でありますから、そういったものの保存保護
事業
あるいは除雪費のいわゆる管理費、そういったものはぜひとも
制度
として打ち立てていただくようにお願いいたします。
努力
されんことを
要望
いたしまして、終わります。
楯兼次郎
129
○
楯委員長
小沢
(辰)男君。
小沢辰男
130
○
小沢
(辰)
委員
ただいま
八田
委員
から、三、四月の会津
地方
の
豪雪
問題を取り上げられまして、
災害対策
のいろいろな
要望
、
質問
をされたわけでございますが、福島県同様に、新潟県の山岳
地帯
につきましては、今年異常な
豪雪
に見舞われております。おそらく、
地元
の
方々
のお話を聞いてみますと、
昭和
九年のあの未曾有の大飢謹を現出いたしました
豪雪
状態と同じようなものだというような
状況
で、いま春うららかなひよりを迎えている東京では想像もできないような、四月一日現在で二百六十センチもまだ雪が残っているというような状態で、住民は不安と焦燥にかられておるわけでございます。いろいろ実は
質問
申し上げたい、たとえば除雪問題、あるいはその他の農林
関係
、建設
関係
、自治省あるいは文部省等について
質問
がございますけれ
ども
、この山岳
地帯
から代表で出られておりますわが党の
委員
あるいは同僚の稻村
委員
もおられますので、いろいろな詳しい応急
対策
についての
質問
は、稻村先生並びに大竹先生にお譲りを申し上げることにしまして、私は三点について申し上げたいと思うのです。 まず第一点は、新潟地震なりあるいは二十号台風なり、そういうような大
災害
の場合には、
政府
は、直ちに
現地
に行きましていろいろと
災害
状況
を
視察
し、あるいはまた、この
対策
について県や
市町村
と相談をされ、また、帰ってくると、
災害対策
本部を開いて真剣にこの
対策
に取り組まれる。ところが、こういうような地域的に限られた
災害
については、ほとんどそういうような態度をおとりにならない。
災害対策
特別
委員会
で、衆議院はいまいよいよ会期末を迎えて忙しいときに、各党の
委員
がこうやっていろいろな
質問
をしたり
要望
をしたりしない限りは、ほとんどどうも積極的に動かれないというところに、私は非常に問題があると思うのです。たとえ大
災害
であろうと小
災害
であろうと、その地域、その
被害
をこうむった人からいうと、全く同じことなんです。したがって、私は、こういうような事態があったときには、必ずそれぞれの主管の官庁で直ちに実態
調査
に出向く、そしてその結果、それぞれ各省が相談をして
対策
をする、応急
対策
なりあるいは
地元
の人々に対する
指導
よろしきを得るというようなことをやらなければいかぬと思うのです。この点は常に——今回の例だけではございません。したがって、私
ども
当
委員会
では、国会会期末で非常に忙しい間にもかかわらず、過般の
和歌山
、
大阪
あるいは
奈良
県の
森林火災
あるいは
積雪
の
被害
等を
調査
に行きまして、本日も決議をしたようなわけでございます。ですから、この会津
地方
並びに新潟県の
山間地
帯における非常に異常な
豪雪
被害
について、直ちに
政府
では
調査団
を派遣して、そして適切な
指導
をやっていくということをやっていただきたいと思いますが、特にほとんどが山村といいますか、農
林業
を中心にした
地帯
でございますから、農林省においては、わかりました、早急にひとつやってみましょう、そして適切な処置をとるようにいたしましょうということを——きょうは一番最高の親玉がいないのだけれ
ども
、あなたがひとつ代表で、そういうことをお伝えになると同時に、善処するかどうか、この点をまず伺っておきます。
尾中悟
131
○尾中説明員 ただいまの御指摘の点でございますが、農林省といたしましては、三月ごろから秋田の雪の問題について連絡を受けておったわけでございますが、四月に入りまして、福島、岩手、新潟あるいは山形等についてもまだ雪が消えてないというような
報告
に接したわけでございます。そこで、四月の上旬になりまして、本省からも秋田、山形に稲作
関係
の専門家を派遣いたしまして、また、四月の七日から九日にかけまして、仙台にあります
地方
農政局から
関係
の部長あるいは
課長
をそれぞれ福島県、それから山形県、秋田県、岩手県等に派遣いたしまして、県並びに
関係
市町村
とも十分連絡をとりまして、
被害
の
状況
なり、今後の稲作の
対策
等につきまして、緊密な連絡をとりながら
対策
を進めておるような次第でございます。また、
地方
農政局は、各県の試験場であるとかあるいは
関係
の
課長
等も随時仙台に招集いたしまして、その
対策
については万全を期してまいりたいというふうに考えております。本省におきましても、
関係
の局の会合等も何回か持ちまして、今後さらに予想される
被害
もあるかと思いますが、随時、時期を失しないように
現地
調査
なり何なりを的確迅速にやってまいりたい、こういうふうに考えております。
小沢辰男
132
○
小沢
(辰)
委員
私は、
地方
農政局が
管内
の
視察
をおやりになる、あるいは仙台の農政局から出られるということは、たいへんけっこうだと思います。しかし、どうしても
全国
的な
対策
ということについていろいろな問題点が国会その他で起こりますから、本省のほうでもどなたかひとつよく
現地
を見て、農政局のほうとよく相談をしていただきたいと思います。 第二点は、
積雪
寒冷単作
地帯
振興
臨時措置
法という法律が
昭和
二十六年にでき上がっております。御承知のとおり、農林省には、こういうような特殊の立法が、たとえば海岸砂地
地帯
の農業振興
臨時措置
法だとか、あるいはまた、湿田単作地域の農業改良
促進
法とか、たしか五つあったと思います。それぞれ審議会を持って、そういう特殊
地帯
の農業の振興についていろいろやっておられるわけでございますが、時限立法で、御承知のとおり来年の三月三十一日にこれが切れることになっておる。そこで、この前、私も砂地
地帯
なりあるいは湿田単作
地帯
の審議会の
委員
をやっておるわけでございますが、これらの特殊
地帯
の農業振興の特殊立法をこういう形で継続するか、あるいは全部まとめて何らか別の形でこれはさらに継続するか、その必要性はわかるのだから、どういうような法律の構成でやるかということを議論したはずでございますが、その結果、それぞれの審議会の会長が集まって相談をして農林省とそれぞれ打ち合わせの上決定するということで、その後
委員
のわれわれには何らの通知がない。いま
豪雪
を迎えたこの山岳
地帯
の各町村、住民、そういう
方々
が非常に心配をしているのは、
積雪
寒冷単作
地帯
の振興
臨時措置
法が今年度一ぱいでなくなるのだから、これはぜひ延長してもらわなければいかぬ、また、その内容について、いままでそれぞれやってみた結果の欠陥があるのだから、欠陥も検討して、抜本的な改正法を制定してもらいたいという強い
要望
があるわけでございますが、これらの法律の取り扱いについてどう考えておられるか、ここで承りたいと思います。
玉置康雄
133
○
玉置
(康)説明員 ただいまお話しのとおり、積寒
地帯
をはじめといたしまして、急傾斜
地帯
、湿田単作
地帯
、海岸砂地、畑地、五つの法律が来年の三月三十一日で限期が切れるわけでございまして、それをどう取り扱うかにつきまして、先月各審議会の会長さん方の懇談会を開いていただいたのでございますが、そのときの空気といたしましては、これを抜本的に検討する必要もあるので、とりあえず一年だけ延長しておいて、その問にまた根本的な
対策
を検討したらどうかという御意見が非常に多かったわけでございます。会長さん方の懇談会でございますので、別に決議をされたわけでもございませんけれ
ども
、そういう御意見が多かったということでございます。元来この法律が
議員
立法でつくられたものでございますから、もし審議会のほうの御意向が非常にそういう御意向でございましたならば、私
ども
もそれに従ってまいろうかと思っている次第でございます。
小沢辰男
134
○
小沢
(辰)
委員
先ほど言いましたように、私も実は二つの審議会の
委員
なんですが、その審議会をやりましたのは、たしか昨年の秋だったと思います。しかるに、いま聞きますと、会長さんが集まって相談されたのがつい一カ月くらい前だというのでは、これはえらくマンマンデーだと思うので、やはりそういうところの審議会の会長さんの懇談よりも、農林省自体が、こういうような特殊地域についての農業の振興についてどうしたらいいのだということで積極的にもっと出ていかなければならぬと思いますので、この点は、時間もありませんから、長く議論いたしませんが、ぜひひとつ
積雪
寒冷
地帯
の——特にこういうような
災害
にぶつかりますと非常に強く
要望
しておりますことを念頭におかれまして、早急に農林省自体の考え方をまとめていただきたいし、また、必要とあれば、
議員
立法でございますから、これは国会で相談をしまして、延長なり改正なりを考えていきたいと思いますが、いずれにしても、
政府
とよく相談しなければならぬことでありますから、この点、特に、帰られたら、幹部の方ともその
促進
方について十分協議をして進めていただきたいということを
要望
いたしておきます。 それから第三番目でありますが、こういうような
積雪地帯
、特に私
ども
の県のいま
被害
の多いところを見ますと、皆さんも考えておわかりだと思いますが、大体半年以上は、歌の文句にありますように、雪に埋もれている。ことしのようなこういう
状況
になりますと、それが十カ月以上にもなろうとするというようなことで、そうすると、ここでは一体何で暮らしを立てるか。ほとんど半年は
野菜
がとれない、何もできないわけでありますから、雪解け後の田植えをやり、そして米の収入ということだけで生きていかざるを得ないだろう。ところが、この
豪雪
に見舞われて、ことしは一体うまくいくだろうかというような、いろいろな不安がある。個々の問題については、おそらく稻村先生、大竹先生からお話があると思いますが、そこで、一番私
ども
として寒心にたえないのは、昨年の十二月二十七日の深夜、正確に言えば二十八日の午前でしょうが、予算編成大綱を
政府
が決定いたしました。そのときの閣議了解として、ことしは米の時期別格差の——あなたは食糧庁でないのであれだろうと思いますが、帰ったら伝えていただきたい。こういうところの住民はほとんど農民でございますから、そこで、不作になるということを当然覚悟しなければいかぬのに、しかも昨年六百円の時期別格差のついておるものが、閣議了解でもって、ことしからは四百円にするのだというようなことをきめておられる。そうすると、たとえことし米価が若干上がりましても、当然減収を覚悟しなければいかぬ。減収といいますか、ふところぐあいの収入が減る。そこで、この時期刑格差の問題については非常に関心を持っておられる。わが党といたしましても、北陸四県の代議士がいま農林大臣あるいは食糧庁長官とやっておりますけれ
ども
、この点が特に異常
豪雪
を迎えました農民の最大の関心の一つであるということをよくひとつお伝え願いまして、本年は前年の六百円、四百円、二百円を特に減らすようなことのないように、しかも
豪雪
地帯
のみならず、私は新潟県でも大都会の新潟市におるわけですが、四月の早々まで、帰るたびにときどき吹雪があるという
状況
ですから、ことしは、
東北地方
を含めた北陸四県の稲作というものは非常に心配なんです。一方、中共から米を無理してでも買わなければいかぬような最近の情勢を考えますと、ことしの食糧の確保、特に早場米の確保ということは、これは国家的に大問題だと思います。そういうような時期でもありますから、こういう時期に、特に
政府
は、むしろ
引き上げ
こそすれ、引き下げなんということは、政策としても私はよくないだろうと思います。そういう点を、
豪雪
地帯
の
方々
のけさの
陳情
にもありましたものですから、特にきょうは取り上げて、それを農林省に強く
要望
しておきたいと思う。この三点を私が担当いたしまして強く
要望
して、私の
質問
を終わります。次にバトンを移したいと思います。
楯兼次郎
135
○
楯委員長
稻村
隆一
君。
稻村隆一
136
○稻村(隆)
委員
今回の
雪害
の問題に対しまして
八田
委員
から詳細にわたってお尋ねがありました。また、いま
小沢
委員
から重要な三つの点についてお尋ねがあったわけでありますが、あるいは重複するところがあるかもしれませんけれ
ども
、私の
あと
に大竹
委員
から建設省
関係
、自治省
関係
、文部省
関係
とお尋ねがあるはずでございますので、私は農林省
関係
だけ簡単にお尋ねしたいと思っております。 今回の雪の最も大きな特徴は、融雪期に
豪雪
がやってきたということであります。これが一番重要な問題だと思います。農家としては、六月中に田植えをしてしまわなければ、これはたいへんな問題になるわけです。これからの問題なんです。いままでの
損害
というものももちろんでありますけれ
ども
、これからどうなるかという重大な問題に直面しているわけです。そこで、一番重要な問題は、当面の、どうして除雪をするか、どうして消雪をやるか、こういうことが一番重要な問題であると思います。その点だけにしぼりまして当局に対して簡単にお尋ねしたいと思っております。 第一は、四月に入っても二メートル以上の
積雪
がまだあるわけであります。このため、苗しろ用地の確保としては除雪以外に
方法
手段はないと思われます。この除雪費に対する
助成
をどう考えておられるか、農林省にお尋ねしたいと思います。
尾中悟
137
○尾中説明員 先ほ
ども
お答えいたしましたように、現在稲作の問題といたしまして、早急に、時期を失しないように苗しろづくりをやりまして、植えつけに間に合うように
措置
することだと思っておるわけでございますが、やり方といたしましては、
現地
で、苗しろをつくるところだけ雪をのけまして、共同苗しろをつくるという
方法
が一つあるわけでございます。それからもう一つは、どうしても
現地
でそういう
措置
がとれないという場合には、多少離れたところで雪のないところに委託で苗しろをつくりまして、そしてできたものを本田に運搬する、こういうことで
措置
しなければならぬというふうに考えておるわけでございます。そこで、雪のあるところを除雪いたしまして共同苗しろをするわけでございますが、その場合に、カーボンブラック等の薬剤を使うというようなこともあり得るかと思っております。そういう資料費等につきましては、三十八年の例もございますので、それに準じて、先ほ
ども
お答えしましたように、大体同じような
措置
を考えたいということで、現在
関係
方面と検討しておるという段階でございます。
稻村隆一
138
○稻村(隆)
委員
第二番目は、越冬用の
野菜
でございますが、越冬用の
野菜
が、
降雪
期が長引いたために、ほとんど費消されてしまったのです。例年なら、四月に入れば、春
野菜
を確保するための除雪をして、越冬
野菜
の収穫と春
野菜
のまきつけが必要なんですが、これに対して除雪費の
助成
ができるかどうか、お尋ねしたい。
尾中悟
139
○尾中説明員 現在考えておりますのは、苗しろの
措置
について考えておるわけでございまして、
野菜
の問題につきましては、現在まだ、そういう
措置
をとるかどうか、もちろんきまってもおりませんし、また
措置
自体につきましても今後検討したいというふうに考えております。
山口丈太郎
140
○山口(丈)
委員
ちょっと関連して一問だけお尋ねしますが、新潟、秋田、山形、福島といえば、私の住んでおる
兵庫
県と比べますと、規模からいっても、農業の上では、寒冷
地帯
といいますか、非常に早く秋がやってくる。そこで早場米を
生産
する地域ということになっておるのですけれ
ども
、いま苗しろに非常に力を入れておるとおっしゃるが、私も農民でありますから、この月曜日に来る前、先週の日曜日にはすでにもう苗しろをつくりまして、種落としをしてこちらに来たわけです。この
地帯
の苗しろの播種
状況
をどの程度掌握されておるか。これは私は、秋の早冷を考えますと、少なくともいま時分は、播種を終わっておるだけではなくて、相当発芽しておらなければならぬと思うのです。そういう時期にあると思う。そのときに、まだ、急ぎやっておるというのでは、これまた秋の冷害等を招くおそれが多分にある。したがって、そういうゆうちょうなことを言うておるときではないと思うのですけれ
ども
、どのくらい苗しろの進捗
状況
を把握しておられるのか。また、秋の早冷えを勘案して、農林省は
現地
に対して、どういう品種をどういうように播種するかという
指導
をされておるのか。不安でありますから、掌握しておられるならば、ひとつ詳細に御説明願いたい。また、その方針があるならば、その方針をお聞かせ願いたい。
尾中悟
141
○尾中説明員 実は農政局のほうで所管しておるわけでございますが、私かわりまして、知っておる限りお答えしたいと思います。 いま問題になっております
地帯
は、
地帯
によって若干違いますけれ
ども
、例年であれば、苗しろづくりは四月の中旬ごろというふうに聞いております。下旬になるところもあるようでございますが、大体中下旬というふうに聞いております。現在まだ雪があるということで、四月の初めごろに問題になりまして、これは何とか早くしないと、例年どおり平年並みの苗しろづくりができないということから、われわれといたしましても、さっそく
現地
と連絡もし、
調査
もし、現在鋭意、おくれないように、委託苗しろあるいは共同苗しろを
現地
で大わらわになってやっておるというのが
現状
でございます。どの程度の進捗状態かということにつきましては、現在数字を持っておりませんので、お答えできないわけでございますが、平年ですと中下旬ということでございますので、それにおくれないように、現在馬力をかけてやっておるというのが
現状
でございます。 それから品種の問題につきましては、御指摘のように、本年度の気象は必ずしも順調でないということは、気象台等でも発表されております。したがって、四月の上旬に次官通達を出しまして、なるべく早い品種のものをやるべきであるというような
指導
を
全国
的にもやっております。
山口丈太郎
142
○山口(丈)
委員
適切な
指導
のようでありますが、とにかく作付する品種、私はこういう点が一番重要だと思うのです。栽培品種の選択
指導
を十分にやらないと、必ず秋の早冷えのために冷害を受けるおそれがある。したがって、それをぜひやってもらいたい。 それから、各
委員
から言われましたように、除雪の費用というものが一番苦痛の種なんです。外面から見れば、除雪費用というのは何でもないように見えるのでありますけれ
ども
、実際には除雪費用というものは非常に大きなものであります。したがって、除雪に対する何らかの
補助
措置
をしてやらないと、今日のように農村労力の減少しておるときにはさらに困難が伴ってくる。したがって、除雪費用に対する
補助
または
助成
の
措置
をぜひとも講ずべきであると思うのですけれ
ども
、これについて農林省はどういうふうに処置しておられるのですか。
尾中悟
143
○尾中説明員 苗しろ
予定
地につきましてカーボンブラックを使って除雪する場合の資材費については、この前の
豪雪
の際にも
補助
の対象にしておりますけれ
ども
、労力費等につきましては実際問題として把握が非常に困難であるということもございますし、いろいろ会計上の問題もございまして、最近は
助成
対象とは考えていないわけでございます。したがって、今回の場合も、おおむね資材費を中心にいたしまして、二年前の例にならって
措置
をしたらどんなものだろうかというふうな線で現在部内で検討中でございます。
山口丈太郎
144
○山口(丈)
委員
そこで念を押しておきますが、それでは、資材というのは、機械除雪をやった場合の燃料その他もこの中に含まれておるわけですか。
尾中悟
145
○尾中説明員 資材と申しますのは、苗しろをつくる場合に、油紙だとかビニールだとかいうほかは、除雪に関連しましては、カーボンブラック等のいわゆる薬剤
関係
ということでございます。
稻村隆一
146
○稻村(隆)
委員
次に、苗しろを含む耕地全体の消雪
促進
策として散土消雪等が必要だと思うのです。この消雪手段に対して
助成
促進
をどう考えておられるか、お聞きしたいのです。 なお、消雪
促進
について科学的な試験研究をぜひとも農林省から
実施
指導
していただきたいと思うのですが、この二点についてお尋ねしたいと思います。
尾中悟
147
○尾中説明員 消雪のやり方といたしまして、土をまいて行なうということもあるわけでございますが、この前の新潟等の場合には、先ほど申しましたようなカーボンブラック等を使用した場合のみ
助成
対象に考えているわけでございます。今回の場合も、現在のところ、おおむね前の新潟等の
豪雪
の
措置
にならって考えたいということで現在検討中でございます。 それから消雪の技術研究の問題でございますが、これは三年ほど前に、北陸の試験場で、約百万ばかりの予算をもちまして、ヘリコプター等を利用いたしまして、融雪
促進
に関する相当規模の大きい実用化試験をやってみたわけでございます。ところが、その結果は必ずしも芳しくないということで、いろいろいままでやってまいっておりますけれ
ども
、ほんとうに有効適切な、しかも経済ベースに引き合うようなと申しますか、比較的安価に能率をあげるような有効な
方法
がまだ必ずしも発見されていないというのが
現状
でございます。
稻村隆一
148
○稻村(隆)
委員
人工消雪
方法
として、
豪雪
地においては、散土、カーボン散布、流雪溝、地下水利用、パイプ消雪等、民間においていろいろ研究しております。国の施策として積極的に取り組んで豪
積雪
とならないような手段を講ずべきであると思うのですが、その点につきまして農林省はどういうことをやっておられるか、お尋ねしたいと思います。
尾中悟
149
○尾中説明員 御指摘のいろいろな
方法
が考えられると思うのでございますが、先ほ
ども
申し上げましたように、試験場等でやった結果を見てまいりますと、なかなか有効適切なと申しますか、効果のあがるような
方法
が現在まだ発見されていないというのが
現状
でございます。今後の問題もございますので、さらに、どういう
方法
をとれば最も効果的に目的を達し得るかというようなことを含めまして十分研究をしてまいりたいと考えております。
稻村隆一
150
○稻村(隆)
委員
民間で消雪のいろいろなことをやっておりますが、それに対して
助成
をするようなことを考えておりますか。
尾中悟
151
○尾中説明員 私、ちょっとその方の専門でございませんので、的確な御答弁にはならないと思いますが、
現状
では、いろいろやってみたけれ
ども
、なかなか思わしい結果が出ないということでございますので、有効適切な
方法
が民間等で行なわれておるということでございますれば、今後さらによく
調査
いたしまして検討してみたいと考えております。
稻村隆一
152
○稻村(隆)
委員
民間で必要のためにいろいろやっておりますから、なかなかいい研究もあると思うのです。ですから、その点を御
調査
になって、そしてそれが有効なものであるならば、積極的に
助成
の道を講ずるようにしていただきたいことを
要望
しておきます。 それから、水稲減産防止のため適期共同苗しろ及び委託苗しろ
設置
に対する
助成
はどうなっておりますか、それをお尋ねしたいと思います。
尾中悟
153
○尾中説明員 先ほど申し上げましたように、過去の前例もございますので、そういった
助成
措置
を講ずるように、十分部内で
関係
機関等とも連絡いたしまして至急に研究をしたいというふうに思っております。
稻村隆一
154
○稻村(隆)
委員
次に、
豪雪
のためたばこの仮植えが必要だと思うのです。この仮植え床の除雪費の
補助
措置
はどうなっておりましょうか、お尋ねしたい。
尾中悟
155
○尾中説明員 たばこにつきましては、
生産
から技術
指導
までずっと専売
公社
が一括いたしまして、
災害対策
等も含めて
公社
のほうでやっておりますので、私、詳細について存じておりません。
楯兼次郎
156
○
楯委員長
まだ
委員会
を続けなければいかぬと思うのです。だから、次会に保留しておいていただきたいと思います。
稻村隆一
157
○稻村(隆)
委員
まだいろいろ御
質問
したいことがありますけれ
ども
、時間もだいぶ経過しておりますので、これぐらいにしておきますが、最後に、厚生省に一点だけ御
質問
したいのです。
豪雪
のためお医者さんに行かれないで困っている
地方
が多いのですが、これに対する
対策
はどうなっておりますか、お尋ねしたいと思う。
渥美節夫
158
○渥美説明員 厚生省におきましては、
昭和
三十一年から無医地区
対策
を
実施
しておりまして、特に医師の確保が困難であります
市町村
の区域につきましては、僻地医療
対策
を
実施
しております。しかしながら、非常に医師の確保が困難であるというふうなことで、困難をきわめておりますが、第一次の僻地医療
対策
を
昭和
三十七年に終わりまして、現在、第二次の僻地医療
対策
を
昭和
三十八年から
昭和
四十三年までの五年計画で
実施
をしております。内容は、そういった無医地区につきまして診療所をつくるとか、あるいは、診療所をつくりましてもなかなか経営が困難であるという地域につきましては、近隣のお医者さんのところに患者を運ぶ患者輸送車を
設置
いたしまして、僻地の無医地区の解消につとめております。
八田貞義
159
○
八田
委員
建設
関係
でお尋ねしたいのですが、
積雪
寒冷特別地域における道路交通確保の特別
措置
法施行令による指定地を
緩和
しまして、
市町村
道も含めるように
措置
するお考えかどうか、ちょっと建設省にお伺いしたい。
豊田栄一
160
○豊田説明員 お答えいたします。
市町村
道の除雪に関して、これはたてまえといたしましては、除雪の中で一番費用のかかります機械の
補助
を現在やっております。除雪そのものにつきましては、管理者の
関係
もございまして、一応単独
事業
でやっているというのが
現状
でございます。
八田貞義
161
○
八田
委員
市町村
道の除雪についてはいま
措置
する気はないというようなお考えです。ところが、除雪機械については
補助
をしているというお話がございましたけれ
ども
、
市町村
の整備する除雪機械について
補助
されておりますか。その
補助率
を教えてください。
豊田栄一
162
○豊田説明員 これは三十二年から雪寒法が施行されまして、
市町村
段階の
補助
は三十八年から施行されましたので、まだ台数としてはそう伸びておりませんけれ
ども
、現在、三十九年から四十三年の五カ年計画では、
全国
で三百台ぐらいの
補助
ができるようになっております。
楯兼次郎
163
○
楯委員長
大竹
太郎
君。
大竹太郎
164
○大竹
委員
いま
市町村
道の話が
八田
先生のほうからありましたから、私からもちょっとお聞きしておきたいのでありますが、御承知のように、最近、国道、県道に対する除雪は非常に機械化もされましたし、相当うまくいっていると思うのでありますが、残念ながら、
市町村
道のほうはなかなかうまくいかぬのでありまして、特に申し上げたいのは、現在問題になっておりまするような山間は、国道とか県道とかいうものはあまりないところでありまして、当然
市町村
道が主となっておるのであります。そういう非常に力の弱いところ、この機械の
補助
につきましても、たしか三分の二だったかと思うのでありますが、五百万も六百万もするような機械をなかなか全部が全部買ってもらえるわけではない。やはり
市町村
費もつけ足さなければならぬようになりまして、
市町村
の貧弱な財政ではなかなかそこまでうまくいかぬわけであります。やはり除雪の面においても国がある程度めんどうを見てやらなければうまくいかぬのではないかというふうに考えるわけであります。ことに申し上げたいのは、
市町村
道の除雪というようなものは、先ほど来、非常に必要だと言っておられるのでありますけれ
ども
、いま申し上げましたように、
市町村
なんかは金がないのでありますので、結局、
市町村
の各部落民が、必要に応じて無料奉仕でみんな除雪をしておるということ等も考え合わせますと、やはり国からも幾らか金がくる、
市町村
もそれで金を出しやすくして、無料奉仕でない——何も仕事のない農村も、ある意味においては救農
事業
というようなことにもなるわけでありますので、そういう点についてもう一度考えていただきたいと思うのでありますが、その点いかがでございましょう。
豊田栄一
165
○豊田説明員 お答えいたします。 お尋ねの点につきましては、先ほ
ども
御説明したとおりでございますが、いま除雪で一番お金がかかりますのはやはり機械でございます。そういう点で、機械の台数、それから機械は、これを受け取ってもやはり管理能力の問題がございまして、その辺もかね合わせまして逐次拡大して、先ほ
ども
申し上げました五カ年計画では、全体で大体三百台くらいを考えて
市町村
に
補助
するようにしようということでいま臨んでおります。 その他の、
市町村
としての財政処置の問題につきましては、これは私のほうでなく、むしろ自治省の問題でありますので、またそのほうから御説明があるのではないかと思っておりますが、一応われわれとしては現在できる範囲での最善の
措置
をとっておる、こういうふうに考えております。
大竹太郎
166
○大竹
委員
次に、雪寒
地帯
でやっております建設工事についてでございますが、これは東京あたりで見ておりますと、ことに冬の間なんかは非常に東京あたりは雨が少ないものでありますので、雨の降った日は外の仕事をやらないというような
実情
のように見受けるわけでありますが、この
積雪
寒冷
地帯
におきましては、十月、十一月ごろから天気の日なんかほとんどないのでありまして、みぞれの中で仕事をやるか、雪の中で仕事をやるかしなければ、仕事が全然できない。ことに、春になりまして、年度末になって早く仕事を仕上げなければならぬというときにおいて、ことしのような雪になりますと、なかなか繰り越すというわけにもまいらぬ場合もございますし、これは非常に困るのでありまして、相当、ブルドーザーによる除雪とかその他をやって工事を進めているようでございますが、こういうような面からいたしまして、特にこういうような雪のあるときはもちろんでございますし、また、そうでないときにおきましても、雪とか、みぞれとか雨とかいうことで建設工事の面でも非常におくれるし、普通の南国
地帯
における工事と違ってその面の金もかかると思うのでありますが、そういう面について建設省では何とかめんどうを見る、工事費の面においてある程度加減をするというようなことはお考えになっておらないかどうか、その点を……。
豊田栄一
167
○豊田説明員 これは私の所管ばかりではないので、所管を中心にしてお話いたします。 ただいまの除雪費の計上の問題がございます。これは実
施設
計の問題でございまして、一応、年度当初の設計でもって施行期間が
積雪地帯
の
積雪
期間にかかる場合の問題と、それから、それを扱う標準的な問題と二つあると思いますが、いずれにいたしましても、建設、ことに道路、河川の場合ですと、ほとんどが実
施設
計によって施行されます。そういう点で、その中では、当然その時期になりますと設計変更という問題もございます。そういう点で十分いまの先生の御
質問
のお答えになるのじゃなかろうか、われわれのほうはそういうように感じております。
大竹太郎
168
○大竹
委員
いまのお答えで大体納得はいたしましたが、特にことしのような雪中にある期間が長いというようなときには、いまお話のありましたような設計変更というようなものを十分お認めをいただいて対処していただきたいということを特に
要望
を申し上げます。 いま一つ建設省
関係
でお聞きしたいのでありますが、先ほど来除雪の問題を出しましたが、半年という長い問、雪の下に、たとえば道路といたしますとあるわけでありますので、一体道路はどうなっているかというようなことはなかなかわからぬわけでありまして、相当雪が降りますと、石積みのあるような道路の決壊とか、あるいはなだれとともに落ちてきます土砂くずれとかいうようなことで、雪がやれやれ消えたということで喜んだところが、道路は通れないというようなことは、
山間地
帯においてはしばしばあることであり、非常に困るわけでございますが、そういうようなときには特に急いで
災害
の緊急査定もしていただかなければ、ますます山間のあらゆる
産業
その他の面でおくれるとかいうことになるわけでございますが、こういうような緊急査定その他については十分お考えになり、お手配をしてあると思うのでありますが、その点についてひとつ……。
重兼暢夫
169
○重兼説明員 現在のところ、融雪
災害
につきましては、二、三の県から
災害
報告
は一応電話でありましたが、まだ本格的な
災害
の
報告
はございません。しかし、その中で一、二問題のところがありますので、現在成功認定で
現地
に行っておる者に工法協議をさす、こういうことでやっております。いまお話のございました
災害
緊急査定につきましては、ある程度まとまりましたならば、県の準備ができ次第、
災害
査定をいたしたいと思います。それで、非常に少ない場合には、一応工法協議その他のことで早急に仕事ができるようにしていきたいと思います。
大竹太郎
170
○大竹
委員
それでは、建設
関係
の点はその程度にいたしまして、時間がございませんので、自治省
関係
と大蔵省
関係
あわせて二、三お聞きいたしたいと思うのであります。 先ほ
ども
申し上げましたように、
市町村
道の除雪、それから先ほど稻村先生からお話のありましたような農地の消雪の問題その他で、
市町村
としては相当の金額——新潟県の私の
関係
のある
市町村
その他では、ごく貧弱な
市町村
でも四、五百万円の債務負担行為を
市町村
議会で議決をいたしまして、道路の除雪あるいは耕地の消雪というようなことをやっておるわけでございます。もちろん、自治省におきまして、特別交付税というようなものにおいてこれらの点を御考慮いただけるものだというふうに考えるわけでありますが、これらの点いかがなものでしょう。
首藤堯
171
○首藤説明員 ただいまの御
質問
にお答え申し上げます。 御説のように、
積雪
寒冷
地帯
におきます道路の除雪なり、あるいは建物の除雪なり、こういったたぐいの諸経費ないしは
積雪
寒冷
地帯
におきまする工事費の増高等にからみます
市町村
あるいは都道
府県
の経費は大きな額になるわけであります。基本的には、このような
積雪
寒冷
地帯
のための特別の財政需要を、普通交付税の基準財政需要額におきまして、例の
積雪
寒冷補正係数で扱いまして財源
措置
をしております。この額は、
昭和
三十九年度では
総額
で二百十二、三億になっておると思います。これは三十八年度よりずっと増額をいたしております。基本的にはこのような
措置
で一般的なものはできるわけでございます。ただいま御指摘のように、特にひどい異例の
積雪
等がございますと、この経費だけでもまかなえない事態も起こりますから、このような場合には特別交付税をもって事情に即応いたしましたような
措置
をとりたい、こう考えております。
大竹太郎
172
○大竹
委員
時間もありませんので、簡単にいたしたいと思います。 その他の税の
減免措置
でありますが、これは、
積雪
の審議会でございますか、それらで答申その他も出ておりますが、この際ちょっとお考えをお聞きしておきたいのでございます。この間も寒冷地手当の問題でいろいろ問題になったのでありますが、やはり暖房費でありますとか、あるいは家の除雪費であるとか、あるいは雪かきの費用だとかいうようなものを考えて寒冷地手当が等級をきめられて出されておる。これは私は非常にけっこうなことだと思いますし、そうでなければそういうところに行く役人の人はないわけでありますので、そうなければならぬと思うわけであります。私は、基本的には、一般の人に積寒
地帯
に対する積寒控除というようなものを所得税の範囲において認めるべきものだということを、私、この間寒冷地手当の問題を審議しているときに強く感じたわけでありまして、もちろん、この審議会のほうからもそういう意見が出ているようでございますが、こういう機会に、これは大蔵省になるわけでありますから、ひとつ御意見をお聞きしておきたいと思います。
平井龍
173
○平井説明員 ただいまのお尋ねは、農業所得に対する国の特別の控除
制度
を設けることができないかというような御指摘かと思いますが……。
大竹太郎
174
○大竹
委員
農業所得ばかりではございません。
平井龍
175
○平井説明員 全般のお話でございますと、国の所得税の
関係
でございますので、私
ども
のほうの所管でございませんから、お答えしにくいわけでございますが、ただ、今日の住民税は、おおむね国税と同じようなベースで所得を算定いたしまして、それに対して課税をするという仕組みになっておるわけであります。その限りにおいて申し上げられますことは、現在の住民税におきましても、基礎控除、扶養控除、その他各種の控除におきましては、ある程度そういったものが、お尋ねの点が理屈の上では反映されておるということでございます。一般的にそのような地域的なものを反映したものを各種控除の中に設けるというのは、現在の税制の体系から見まして、また水平的な負担の公平を確保するという点から見ましても、なかなか困難ではないかと思うのであります。ただ、農業所得の標準事務につきましては、最近国税から漸次
地方税
のほうにその
作業
が移されつつあるわけであります。したがいまして、実際の農業所得標準を作成する段階におきまして、各地域ごとに協議会をつくりまして、国税と
地方税
と農業団体と三者間で、その地域に適切な所得標準率をつくるような方向に向かっておるわけでございます。すでに相当なブロックにおきましてこれの所得標準率ができつつあるわけでございます。それをつくる過程におきまして、ただいまお話のような農業所得あるいは
林業所得
等におきます地域差というものが可及的にその地域の実態に即応するようにつくられるべきではないかということにつきまして、私
ども
も行政
指導
におきまして、その地域に合うような所得標準率をつくるような方向で
指導
をしてまいっておるわけであります。
大竹太郎
176
○大竹
委員
いまの問題はなかなかむずかしい問題でもございますので、まだ引き続いて
委員会
でおやりになるそうでありますから、そのうちまた大蔵省のほうからお聞きしたいと思いますので、よろしくお取り計らいをお願いしておきます。 次に、時間がございませんので、文部省の
関係
をお聞きいたして終わりたいと思うわけでございますが、御承知のように、ことしは雪解けが非常におそうございまして、
積雪地帯
におきます冬季分校は、普通はこの三月末で閉じることになるそうでありますが、ことしはこの期間も延長しなければならぬということになっておるわけでありますが、
市町村
のこの方面の負担というものも相当にのぼるわけでありまして、これらについて国のほうでめんどうを見てもらえるかどうかということをまずお聞きしておきたいと思います。
大串不二雄
177
○大串説明員 ただいまの御
質問
にお答えいたします。 冬季分校は、これは雪の多い
地方
におきましては、それぞれ冬季間児童生徒の通学を容易にいたしますために
設置
されます
制度
でございますが、これは、その雪の多い少ないによりまして、開設される期間も長い
地方
と短い
地方
があるわけでございます。この
設置
に関しましては、これは
市町村
において置設をするわけでございますが、学級編成の
関係
がございまして、都道
府県
が学級編成等を認めましてそうして教職員の配当をするわけでございます。この教職員の配当につきましては、それぞれ都道
府県
、それから国庫
補助
がありまして、給与については
措置
されておるわけでございますので、その冬季分校は、開設の時期が長い短いにかかわらず、開設されております期間の教職員の給与につきましては当然
措置
されるわけでございます。 それから、その開設に伴ないます
事業
費と申しますか、学校経営をしていきますための
事業
費につきましては、これは特別交付税によりまして交付されておりますので、このほうも、その開設の時期が長い短いによりましてそれに応じて交付されるわけでございます。 以上のような次第でございます。
大竹太郎
178
○大竹
委員
ちょっと新潟県の事情を申し上げたいと思いますが、これは私いま県の方にちょっとお聞きしたので、あるいは数字が多少間違っているかもしれないけれ
ども
、その点はお許しいただきたいと思いますが、新潟県は雪中分校は百五十一校あるそうでありまして、その教員を調べてみますと、有資格者がたった七名しかなくて、無資格者が百七十七名もあるという
報告
を受けておるわけでありますが、雪のあるところはへんぴなところでもあるし、また都市から遠い山間にあるということでもあると思いまして、有資格者の教員はそういうところへはなかなか行きたくない、こう思うのは当然だと思うのでありますが、私いまこの数字をお聞きして実に驚いておるわけでありまして、こういう点について、これは第一の責任者はもちろん県でありましょうけれ
ども
、国として一体こういうあり方でいいのかどうか、国の文教施策としてこれで満足できるかどうか、国としてこういうことに対してどうお考えになっておるかということをお聞きしておきたいと思います。
大串不二雄
179
○大串説明員 実は、この問題は初等中等教育局の所管でございますので、所管が違いますので、十分なお答えはいたしかねるかもしれませんけれ
ども
、この僻地教員になるべく優秀な教員に行ってもらえるようにということにつきましては、かねて問題になっておる点もございますし、文部省でも何とかこれについて
措置
をしなければならないということを考えておりまして、それで僻地教員につきまして四十年度から特別昇給の
制度
を設けまして、なるべく僻地にも優秀な教員が行きやすいようにいたしたいというふうに考えているわけでございます。
大竹太郎
180
○大竹
委員
それから、たしかこの四十年度の予算からできたと思いまするが、通学
補助
であります。あれを見ますと、中学が六キロ、それから小学校は四キロですか、
補助
基準がたしかそうなっていると思うのでありますが、特に山間あるいは
豪雪
地帯
というようなものについては、六キロ、四キロでは少し遠過ぎるとでも申しますか、さように思うのでございまして、この標準をやはり少し下げるべきじゃないかというふうに考えられるので、この点についてお伺いいたします。
大串不二雄
181
○大串説明員 これらの問題につきましても所管が違いますので、あるいは十分なお答えがいたしかねるかもしれませんけれ
ども
、この通学
補助
につきましては、ただいま御指摘のようなことによりまして通学
補助
をいたすことは四十年度から
措置
することにいたしておるわけでございます。それで、一応これは児童生徒の通学にそうひどく困難を来たさないという範囲で、中学校は六キロ、小学校は四キロというふうにいたしておるようなわけでございますので、これにつきましては、先生御指摘のようにこれを変えるということは、ちょっといま直ちに変えることは困難と思いますけれ
ども
、
実施
をいたしました上で、もしこれが妥当ではないというふうなことがわかりますれば、将来訂正をいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
大竹太郎
182
○大竹
委員
最後にお聞きしたいのでありますが、先ほど文化財について
八田
先生からお聞きいたしたのと同じ趣旨でありますが、学校あるいは教室あるいは屋内体操場等の除雪費でありますが、これも非常に山間としては労力を要するわけでありまして、これらも中学校あたりは生徒にやらせるところもあるようでありますし、また住民がいわゆる奉仕をしてやるというようなところもあるわけでございますが、なかなかこれは雪の降らぬところの人にはわからぬ問題でございまして、ことに最近は
山間地
におきましては、若い者はみんな冬季間には出かせぎに出てしまって、御承知のように、女と年寄りだけしか残らぬというような
実情
もございます。そういうようなことで、ときによっては一晩に二メートルも降るというようなところもあるわけでありまして、非常に緊急を要するということと、それから人手もないし、これをやるということになれば、勢い昔と違いまして相当金がかかるということになるわけでございます。そういうような面から、この学校等の一もちろん、これはそのほかの公共建物についても言えるわけでありますけれ
ども
、相当この除雪費を見ていただかなければ、特にこういう
豪雪
の年においては、
市町村
の財政的な負担その他から見まして、とても持たないという事情にあるわけでありますが、これらの点について文部省としてどうお考えになりますか。
大串不二雄
183
○大串説明員 ただいまの件につきましては、御承知のように、公共
施設
の除雪
事業
に対しまして
補助
する法律が公布されております。これに基づきまして政令をつくりまして
実施
に移さなければならない次第でございます。けれ
ども
、この政令をつくりますことにつきまして、これはもう各省にまたがる問題でございますので、文部省からお答えいたしますのもどうかと思いますが、しかし、この対象となります公共
施設
の中では学校その他文教
施設
が非常に大きな比重を占めておりますので、
補助
対象
事業
の判定の基準につきまして文部省で案をつくるということになっておりまして、これにつきまして何ぶんこの
補助
対象の実態が不明確でございますので、昨年、
全国
豪雪
地帯
の
府県
にはかりまして、大体全部で七百七十五
市町村
にわたりまして約一万五千校につきまして除雪
事業
の実態を
調査
したわけでございます。何ぶん、この法律は、非常な
豪雪
の時期における財政
措置
となっておりますので、過去数カ年にわたりまして平年の除雪
事業
の実態、それから異常な
豪雪
のときの除雪
事業
の実態を把握しなければなりませんので、それにつきまして
調査
をいたしたわけでございますけれ
ども
、何ぶん過去数カ年にわたりましての
調査
でございますから、
市町村
でも把握がなかなか困難だったと見えましてその
報告
がなかなか集まりませんで、ようやくことしの一月から二月に入りかけて
報告
が出てまいりましたような次第でございます。それで、これをさらに分析いたしてみますと、除雪
事業
の実態が非常に複雑でございまして、詳しく申し上げる時間がございませんけれ
ども
、同じ一回除雪したと申しましても、その除雪のしかたがいろいろな内容を含んでおります。非常に複雑でございますので、さらにこれは一々につきまして実際に
調査
いたしませんと実態が把握できませんので、さらに係官を各地に派遣いたしまして、その
調査
とあわせまして実態を調べたわけでございます。その結果いろいろなことがわかってまいりまして、ただいまその
調査
の分析をいたしておるわけでございますけれ
ども
、これも大体終了に近づきましたので、これに基づきまして
関係
地方
庁と早急に連絡をとりまして、政令の原案作成を急ぎたいと思っておる次第でございます。
大竹太郎
184
○大竹
委員
申し上げるまでもなく、山間の
市町村
での公共建物といえば、まあ学校が一番群を抜いて除雪面積の多い建物なわけでありまして、したがって、この公共建物の除雪に関しては文部省が主として立案される、これは非常に当を得た考え方だと私は思うわけであります。ことに最近人手がなくなりまして金もかかるというような面から、
市町村
としては非常に頭を悩ましている大きな問題でございますので、文部省としても積極的に取り組んでいただきたいということを最後にお願いいたしておきます。
委員長
、いろいろまだこまかくお聞きしたい点がありますけれ
ども
、また近いうちにおやりになるそうでありますので、きょうはこの程度にいたしておきます。
楯兼次郎
185
○
楯委員長
稻村
隆一
君、専売
公社
が見えました。
稻村隆一
186
○稻村(隆)
委員
専売
公社
にお尋ねいたしますが、
豪雪
のため、たばこの仮植えが必要なわけですね。この仮植え床の除雪費の
補助
措置
はどうなっておるか、お尋ねしたいと思います。
難波寛次
187
○難波説明員 私
ども
のほうでは、今度の雪によって
作業
が若干おくれたようには聞いておりますけれ
ども
、まだ何ぶん
実情
について詳細な
報告
が入っておりませんので、これから
調査
するところでございます。
稻村隆一
188
○稻村(隆)
委員
それで、
被害
がひどくて、そういう
助成
をしなければならぬような
状況
であれば、やはり
助成
するんでしょう。
難波寛次
189
○難波説明員 私
ども
のほうで除雪その他
災害
の
復旧
等で直接耕作者のほうに
補助
をするということはほとんどないわけなんですが、何ぶん、今度の場合まだ
実情
の程度がわかりませんものですから、十分
調査
した上で検討いたしたいと思います。
稻村隆一
190
○稻村(隆)
委員
そういう仮植え床の除雪費に対しての
助成
の例はないのですか。
難波寛次
191
○難波説明員 ございません。
楯兼次郎
192
○
楯委員長
本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後五時四十三分散会