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1965-05-31 第48回国会 衆議院 建設委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年五月三十一日(月曜日)    午前十時三十八分開議  出席委員    委員長 森山 欽司君    理事 正示啓次郎君 理事 廣瀬 正雄君    理事 福永 一臣君 理事 三池  信君    理事 井谷 正吉君 理事 岡本 隆一君    理事 西宮  弘君       逢澤  寛君    天野 光晴君      稻村左近四郎君    木部 佳昭君       木村 武雄君    佐藤 孝行君       砂原  格君    丹羽喬四郎君       細田 吉藏君    堀内 一雄君       山本 幸雄君    渡辺 栄一君       金丸 徳重君    實川 清之君       山崎 始男君    山中日露史君       稲富 稜人君    内海  清君  出席国務大臣         建 設 大 臣 小山 長規君  出席政府委員         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君  委員外出席者         議     員 逢澤  寛君         専  門  員 熊本 政晴君     ————————————— 五月三十一日  委長大野明君、中嶋英夫君及び玉置一徳辞任  につき、その補欠として細田吉藏君、山崎始男  君及び内海清君が議長指名委員に選任され  た。 同日  委員細田吉藏君、山崎始男君及び内海清辞任  につき、その補欠として大野明君、中嶋英夫君  及び玉置一徳君が議長指名委員に選任され  た。     ————————————— 五月二十九日  中国横断自動車道建設法案野田武夫君外四十  一名提出衆法第四五号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  中国横断自動車道建設法案野田武夫君外四十  一名提出衆法第四五号)      ————◇—————
  2. 森山欽司

    森山委員長 これより会議を開きます。  中国横断自動車道建設法案議題といたします。
  3. 森山欽司

    森山委員長 まず、提案者から提案理由説明を聴取いたします。逢澤寛君。
  4. 逢澤寛

    逢澤議員 ただいま議題となりました中国横断自動車道建設法案につきまして、私は、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、その提案理由並びに要旨を御説明申し上げます。  現下われわれの当面する最も緊要な政治的課題は、経済高度成長、社会諸情勢の急進展に伴って醸成せられた地域格差を是正し、経済のひずみを解消して、広域的見地に立った国土の均衡ある発展を期するにあることは申すまでもありません。これがためには、まず、特に地方における交通体系の確立、なかんずく、今後の新しい時代趨勢たる幹線高速道路網建設が最も喫緊の基本的命題であると思うのであります。  ひるがえっておもんみるに、中国地方は、さきに中国地方開発促進法に基づく開発計画がようやくその緒につかんとし、かつまた、いわゆる新産、工特両法の実施に伴い、瀬戸内沿岸地域中核的産業拠点が設定せられ、それぞれの建設計画が進められているのでありますが、本地方全般について見れば、なおいまだ全国的水準を下回っており、特に山陰地方はいまなお低位後進性を脱却し得ず、現に山陽地方との格差は依然として顕著なものがあります。  したがって、この際、中国地方全域にわたる総合一体的開発の実をあげるためには、比較的先進性を持つ瀬戸内ベルト地帯と、裏日本的宿命にあえぐ山陰地方とが、中国山脈によってさえぎられた相互間の距離的、時間的断層を除去して、有機的に相つながることが先決の要諦であります。これがため、現行道路整備五ヵ年計画における陰陽連絡一般国道整備促進を期することはもとよりでありますが、他面、あたかも本年度より中国縦貫高速自動車道着工を契機として、竿頭さらに一歩を進め、陰陽枢要地域を結ぶ肋骨的高速自動車道建設し、両々相まって、幹線高速道路としての機能を十全せしむることが必然の要請であり、長期的展望に立った本地方開発のビジョンを実現するゆえんであると思うのであります。しかも本地方は、延々六百キロに及び長大な地域を擁する形状等にかんがみ、道路交通体系上、それぞれの拠点地域を結ぶ複数路線の設定が必要不可欠であります。  すなわち、本法案においては、新産業都市工業整備特別地域その他工業地帯周辺に擁して、特にわが国屈指重化学工業地帯としての夢を将来に託する瀬戸内ベルト地帯日本海への門口を挺する山陰拠点とを結ぶ二路線建設せんとするものであります。これら横断自動車道建設の暁においては、縦貫自動車道経緯相結び、本地方総合開発幹線的大動脈を形成するのみならず、隣接する阪神、瀬戸内、北九州との交流を円滑迅速化して西日本広域経済圏の重要な一翼をになうこととなり、かつまた、日本海を隔てて一衣帯水の間にある大陸との交易においても、その地位的優位と役割りは、将来に多大の期待を嘱し得ること必定でありまして、広くわが国経済伸長発展と民生の安定向上に寄与するところきわめて大なるものがあると思うのであります。  如上の観点に立って、地元関係住民の間には、多年の懸案たりし縦貫道着工とともに、本横断道建設要望がほうはいとして高まってまいりました。われわれは、このような地域的住民年来の宿願にこたえ、盛り上がる世論の趨向と本地方発展的将来に対処して、これが実現をはかるため、特に本法案提出することといたしたのであります。  以上が本法案提出の趣旨でありますが、次に本法案要旨について若干の御説明を申し上げます。  第一は、本法案の目的についてでありますが、山陽地方山陰地方との交通迅速化をはかり、相互間の産業経済等関係を一そう緊密にし、かつ、国土開発縦貫自動車道たる中国自動車道と相まって、中国地方の総合的な開発をさらに強力に推進するため、全国的な自動車交通網枢要部分を構成するものとして、緊急に中国地方横断する自動車高速交通の用に供する幹線たる自動車道建設し、もって産業基盤の強化に資するとともに、国民経済発展に寄与せんとするものであります。  第二は、本自動車道予定路線についてでありますが、本路線は、起点岡山付近及び終点を境港市とし、主たる経過地岡山県真庭郡落合町付近とする路線、並びに起点を広島市及び終点を浜田市とする二路線でありまして、この基準に基づき、政府は別に法律を作成し、すみやかに国会に提出しなければならないことといたしております。  なお、本路線の指定については、国土開発縦貫道の方式に準じてこれを行なうことといたしまして、内閣総理大臣は、国土開発縦貫自動車道審議会の議を経て、予定路線決定することと相なっております。  第三は、本路線建設に関する基本計画についてでありますが、これが決定にあたっても内閣総理大臣は、前述の予定路線同様の手続きを経て、これを行なうことといたして、さらにこの基本計画立案等のための基礎調査についても所要規定を設けております。  第四は、現行高速自動車道法の一部改正を行ないまして、同法に準拠する本自動車道整備計画を作成する等、所要規定を設けることといたしております。  以上が本法案提案理由並びにその要旨でありますが、こいねがわくば慎重御審議の上、すみやかに御議決賜わらんことを切に御願いする次第であります。(拍手)
  5. 森山欽司

    森山委員長 以上で提案理由説明は終わりました。     —————————————
  6. 森山欽司

    森山委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。岡本隆一君。
  7. 岡本隆一

    岡本委員 せっかく非常ににりっぱな計画ができまして、まことにけっこうであると思うのでありますが、これにつきまして、二、三、道路行政上の問題についてお尋ねしておきたいと思うのであります。  現在までに、関越自動車道路あるいは中部横断自動車道路九州横断というふうに、だんだんと国土縦貫自動車道以外の高速自動車道計画法律規定されてまいりました。しかしながら、これらはいずれも、日本縦貫自動車道肋骨に当たる路線であると思うのでございます。したがって、とにかく国土縦貫自動車道を早く建設し、その計画に見合ってこれをつくっていく、こういうことになると思うのでございますが、これは大臣にお尋ねするのでございますが、政府のほうでは、この縦貫自動車道をいつごろまでに完成させるおつもりなのか。さらにまた、このただいま議題となっております中国横断自動車道につきましては、中国縦貫自動車道との関連が非常に密接でございますが、その中国縦貫道はどういうふうな建設目標を持っておられるのか。あらかじめこの機会に、私は明らかにしておいていただきたいと思うのでございます。
  8. 小山長規

    小山国務大臣 御承知のように、今年度の予算には、二十億円をもちまして、五つ路線について着工するという予算決定を見たわけであります。そこで、とりあえずわれわれの当面の目標は、この五つ路線についてこれを早く完成したい、これを一応の目標にしておるわけであります。したがって、稚内から鹿児島に至る全部の路線をいつまでに完成するかということは、相当先の問題になりますし、そして相当な財源を必要とするわけでありますから、そこまでまだ申し上げる段階には参っておりません。とりあえず私どもの今年度から着工しようとする縦貫道路につきましては、一応こういうふうに考えておりますので、述べさせていただきたいと思います。  それは、御承知のように、四十三年度までの五ヵ年計画というものがあるわけであります。その五ヵ年計画に合わせていかなければならぬわけでありますが、その五ヵ年計画は、しかしながら四十三年度でおしまいになるのではなくして、四十三年度以降さらに次の五ヵ年計画、さらにはまた四十八年度からさらに次の五ヵ年計画と、こういうふうに連続していくものとわれわれは了解しておるわけであります。そこで、とりあえず四十三年度までにはどういうふうな考え方でいくかと申しますと、いま五ヵ年計画高速自動車道路用に使い得ると考えられる数字はおよそ七百七、八十億円八百億円内外、こう見ておるわけでありますけれども、それをまず基本にいたしまして、用地買収をやりたい。そして四十三年度までに大体どの程度の用地買収ができるかと申しますと、おそらく一千キロくらいはできるんじゃないかというふうに私は見ておるわけであります。それを基準にいたしまして、さらにその後の建設にかかっていきたい。私どもの希望としましては、四十八年度までにこの一千キロを完成したい、こういうふうな考え方で進めておるわけであります。
  9. 岡本隆一

    岡本委員 そうしますと、具体的に、四十三年までに一千キロの用地買収を行ない、四十八年までにその買収済みの一千キロについて工事を完成したい、こういうことでございますが、その一千キロの配分はどのようになるのでしょうか。たとえば東名はその間に完成するんじゃないかと思いますが、中央道はどうなるか。それからまた、その他中国九州というふうなところにある程度工事が進んでいくのではないかと思いますが、それについての計画は現在立っておるのでしょうか、あるいはそれについてはこれから話し合いということでございますか。
  10. 小山長規

    小山国務大臣 いま申し上げました一千キロの用地買収の中には、東名及び東京富士吉田間は含まれていないわけであります。含まれていない残りの中央道、たとえば名古屋から富士吉田まで、それから北陸、東北中国九州、こういうものを含めて一千キロ、こう申し上げたわけであります。  それで、これから私が申し上げることは一つ構想でありますから、そのおつもりでお聞き願いたいと思うのでありますが、この一千キロは、大体五本の路線に割ってみますと、一本当たり二百キロ見当、こういうふうにお考え願いたいわけであります。これはむろん、必ずしも二百キロずばりというわけではありませんが、大ざっぱにいえば、一本当たり二百キロくらいであろうというふうにお考え願いたい。そしてその二百キロは一体どのような考え方で進むかといいますと、従来は、高速自動車道路建設というものは、収益性を重んじまして、その地方における自動車台数あるいは高速自動車道完成後における自動車交通量、これを主として考えておりましたので、勢い都会地周辺といいますか、交通の多いところから着工するという考え方であったのでありますが、私はそういう考え方はとりたくない。そこで、むろん収益性というものを考えないで自動車道路有料道路をつくるわけにはいかないのでありますから、これはむろん考えなければいけませんけれども、たとえば同じ中国なら中国の中でも、建設の暁には直ちに収益が出て、わりあいに短い期間で償還ができるであろうと思われる地点、それから、そうでないけれども、どうしても地域開発関係上、その地方産業開発のために政治的に考えても必要ではないかという地点があると思うのであります。そういうものもあわせて建設していきたい。つまり開発性考え建設してまいりたい。しかしながら同時に中国自動車道路については、収益の上がる区間と、なかなか収益は上がらぬが開発上重要だと思われる区間とあわせて建設した場合に、両方あわせて、中国自動車道としては、少なくとも五十年以内には償還ができるようなめどが立つ地点幾ら何でも、五十年をこす有料道路というのはちょっと常識的でありませんので一応五十年間には、あるいは四十年になるかもわかりませんが、四十年ないし五十年の間には償還ができるというめどを立てないと、有料自動車道つまり自動車道路からの収入で償還するということは不可能になるので、四十年ないし五十年の間に償還ができるということをまず第一のめどにしましてもその償還ができるのには、いま申し上げたような、ただ単にいわゆる収益性のある地点だけに限らないで、将来の産業開発のために必要な地点というものもあわせて考えてみたらどうであろう、こういうふうな考え方のもとに、いま事務当局に命じて、そういうふうな試案をつくらしている段階であります。
  11. 岡本隆一

    岡本委員 いまお話の中に出ましたが、縦貫道をつくられる場合に、たとえば東名東名名神名神、また中国ができましたときには中国、それぞれ独立採算制で、別々にその償還考えられておられますか。あるいは北海道から九州南端に至るまでの路線を一本と考えて、それを全部償還するまで、たとえば名神は一番早くできましただけに、同時にまたその間の利用度も高い。東名にしても同様のことが言えると思うのでございますが、そういうふうな地域と、それから東北北海道縦貫ができましても、それはなかなか利用度が低いし、償還はおくれると思います。そういうふうな地域だけを、例を北海道にとりましたが、北海道縦貫道ができましたときに、それを独立して償還考えた場合には、いまお話しの、とても五十年で償還できるかどうかということは疑問であると思うのであります。しかしながらそれをプールしてやれば、償還は非常に早いと思う。そういう点について、国土縦貫自動車道の将来計画としては、どういう構想をお持ちになっておるのか。それぞれの単位ごとの、各区ごとに分けられる建設計画で、独立した形で償還考えられ、名神名神区間だけ償還すれば無料開放され、同時に、東名東名が終われば開放する。そういたしますと、北海道あるいは東北というようなところの償還は、名神の五倍かかるか十倍かかるか、これは私はわからないと思うのでございますが、そういう点についての基本的なお考えはどこにあるか、この機会に明確にしておいていただきたいと思うのでございます。
  12. 小山長規

    小山国務大臣 これは、将来の問題としましては、全部プールしなければいけないと考えております。ただ当面の問題としましては、世銀借款関係がありまして、東名東名として世銀借款対象になっておりますし、名神名神対象になっております。この問題が一つありますのと、それからとりあえずやりましても、必ずしも全部つながらないわけですね。ですから全体をプールするということが困難な面が出てまいります。そこでいま考えております五本の道路につきましては東北東北で、先ほど申し上げたような原則のもとに、四十年ないし五十年の間に償還ができるような地点はないか、中国はどうだ、こういうふうに考えて七とりあえずの問題としましては、一本一本ごと独立採算制というとちょっと語弊がありますが、そういったような考え方建設してみよう。しかし将来たとえば北海道とか、非常に採算制の悪い——北海道も必ずしも採算制が悪いとは限りませんが、採算性の悪いところで、たとえば四十八年以降五十三年までの間にさらに建設しなければならぬというような場合が出てきましたときに、世銀借款との関係はどうなるかというふうなことを考えて、その有利な、つまり道路建設が可能な方向に持っていきたい。むろんいま岡本さんが御心配されたように、東名なら東名だけが償還が終わったら、まず先に無料開放する、そういう考え方のもとには進んでいないということだけ申し上げておきたいと思います。
  13. 岡本隆一

    岡本委員 いまのお話を承っておりますと、もう一つ国方針が明確でないように思うのです。たとえていえば、いまおっしゃいました東北などは、五十年で償還できると思われるようなところからやっていきたい、そういたしますと、東北縦貫自動車道のうち、ある利用度の高そうな有望な地域だけは比較的早く建設されるが、それから先はもういつになるか見通しがつかない。そうすると、国土縦貫自動車道というものは、国土縦貫して国土開発をやっていこうというところの構想から生まれておる法律であるにかかわらず、こま切れに、利用度の高いところだけぼつんぽつんと、鉄道のあの地図にかくような、黒と白とのまんだらですね、ああいうような形で、ぽつぽつと飛び飛びに高速自動車道ができていく、こういうことになってまいりますと、国土縦貫自動車道建設という最初の大きな、雄大な構想国土開発という雄大な構想からもずれてまいりまして、また同時に、そういうふうな建設方針でありますと、またその利用という面におきましても、結局はたとえば青森東京間をさっと早く来られるところに、縦貫自動車道の値打ちがあるのであって、その間、福島と東京の間はできた、また青森と仙台の間はできた、その途中の間は抜けておる、こういうふうなことでありますと、何のための縦貫道かわからないということになってまいります。だからそういう区間につきましては、やはりある程度先行投資的な意義の非常に高いものであって、これは開発計画でございますから、したがって採算を無視して、ある程度計画を立てていただかなければならぬと思うのでございますが、いまの大臣お話を聞いておりますと、とにかく採算性ばかりが——先ほどお話に、収益性開発性とを一緒に考えていくのだという中に、やはり五十年で償還できるところという制約がありますと、ある区間、特に建設困難な、しかも経費も高くつけば、同時にまた利用度の低い、というようなところが途中の区間にあると、前後の連絡が非常に悪いということになるのでございます。もう一つ、ただいまのお話では、政府方針がきちんと固まっておらないように思えるのでございますが、この際、やはりそういう点につきましては、国土縦貫自動車道という最初構想を強く認識していただいて、そういうようなこま切れ建設はやらないようにしていただきたいと思うのでございますが、いかがでしょう。
  14. 小山長規

    小山国務大臣 大体、こま切れ建設にはならないと思っております。と申しますのは、いま有料自動車道路は、償還をするということが前提になっておる。一方においてガソリン税でもって国道をつくっておるわけでありますが、そのガソリン税でつくる国道と、今度つくります高速自動車道路を結びつけていきますと、ある区間だけが有料道路で、それ以外は、今度は国道だ、こうなると思いますけれども、これはその交通状況によっては、そこにバイパスをつくるとか、いろんな方法がありまして、交通そのものには支障を来たさないような方法考えられると思います。ただ、これをもっと早く建設すべきじゃないかという御議論だとも思いますが、これはいまのような国家資金といいますか、国の資金預金部資金等財源を仰いでおるわけでございますけれども預金部資金や外債に仰いでおる現在のこの原資の状況からいいますと、私の申し上げておることが現実の問題であろう、こういうふうに思います。ただ、将来の問題として、もっと早くやるべきじゃないかといえば、当然今度は財源の問題について、もっと根本的な問題を考えてやるべき時期が早晩は来ると思いますけれども幾ら何でも、十五年も二十年も先の話をしますと、夢物語になりますので、一応四十八年くらいまでの現実的な政策のものの考え方はこうだ、ということを申し上げたのであります。
  15. 岡本隆一

    岡本委員 この中国横断自動車道も、中国縦貫道に対するところの肋骨ですね。そういたしますと、これは至るところで、こういう計画がこれから先もどんどん出てくると思います。今度は、九州横断中国横断の呼び水になりました。こうなってまいりますと、今度はやはり近畿地方にも近畿横断というような構想が出てまいります。さらにまた、東北東北で、これは二本も三本も横断が必要だと思うのです。そういうことになってまいりますと、おそらくこれから後、これが誘い水になって、議員立法でどんどん出てくることになると思うのでございますが、しかしながらこういうようなものがどんどん出てくれば、そこにやはり有機的な連絡がなくてはならない。そこで、建設省のほうで、こういうような法案議員立法で出てくる前に、日本高速自動車道路網というふうなものの建設計画をこの際樹立し、よそがああいうふうにできてくるから、おれのところもおくれてはいかぬから早くというようなことで、議員立法として出てまいりますけれども、むしろこういうような形は国の計画全体の中で、とにかく一般道路としての国道のほかに、高速自動車道というものはこういう形で将来建設計画を立てます、そうしてそれの年次計画はこのようにしてやります、財源はどのようにします、こういうふうな計画をこの際もう立てるべきである。一般道路というものは、今日ではせっかくつくりましても、すぐ工場であるとか人家がそれにひっつきまして、長距離輸送の役には立たない。だから長距離輸送はもう当然自動車専用道路によってこれから行なわれるのが、今後の時代の流れであると思うのでございます。したがって、高速自動車道についての国の計画というようなものを、これだけどんどん議員の間から議員立法として強い要望が出てまいりました限り、国としてそういう計画をお立てになるべき段階が来ているのではないかと思うのでございますが大臣の御見解を承りたいと思います。
  16. 小山長規

    小山国務大臣 私も同じような考えであります。当然、このような議員立法が出てくるということは、それだけの要望があるわけでありますから、政府自体が国としての高速自動車道計画を持つべき時期に来ておる、このように思います。ただ今度の議員立法にあたりましても、そのように考えたわけでございますが、全体としての案がまだまとまっていませんでしたために、そこまでいかなかったのでありますが、すでに出てまいりました九州横断にしましても、あるいは今度出ます中国横断自動車道にしましても、政府考えるとしてもこれは必要であろう、こう考えておりましたので、この案にも御賛成申し上げるわけでございますけれども、おっしゃるように、将来の問題といたしましては、国自体がその路線考え、それに対する財源はどうするかというところまで真剣に考えていくべきときにすでに来ている、こういうふうに思います。
  17. 岡本隆一

    岡本委員 いまこの肋骨道路ができてまいりました。そういたしますと、国土縦貫自動車道中央にできて、それに対して何本かの肋骨ができます。そういたしますと、キの字を連ねたような形になっていくわけでありますが、そのまた端と端との連絡道路というものがまた必要になってくる。それがなければ非常に迂回しなければならないいうふうなことになってくるわけでございまして、勢い網の目のような道路網というものを立てていただく必要があるのではないか。そこで財源の問題になってくるわけです。これはいままでは、高速自動車道預金部資金であるとかあるいは外債であるとか、そういうふうなものにたよっております。同時にまた、その償還有料道路の料金徴収によってしているわけです。その料金に対する、使用料に対する考え方の問題であると思うのです。一般道路ガソリン税で、また有料道路については料金でもって回収していくのだ、こういう考え方でございますが、これも一種の利用税であると思うのです。同時にまた、いろいろな自動車の経費節約になる分だけ徴収する、こういうふうな意味で、料金徴収の基準がきまっておるようでございますが、建設費に対する償還が終わって、無料開放する時期が、かりに名神にやってまいりましても、東名にやってまいりましても、全国的な道路網の見地からいきますなれば、これは引き続きある程度のパーセンテージにおいて——全額であるということは少し高過ぎると思うのです。名神だって貨物の利用が非常に少ないのですね。トラックの利用が少ない。だから、町の交通に対して、交通禍の問題に非常に大きな役割りを果たしておるトラックの利用が少ないのでは困ると思うのです。やはりトラックがどんどん利用するような料金にまで、引き下げるべきではないか。また、今日使用料の基準が、ガソリンの節約、車の消耗の節約、そういうふうなものから計算して、これだけ得になるからこの程度でいいではないかというふうなきめ方では、どうもトラックの利用が少ない。だからそれよりもむしろさらにもう少し下げても、もっと利用度を高めることによって、同じ期間に償却できるのではないか、私はこう思います。だから、名神なんか、もう少し料金を下げるべきではないか、私はこのように思っていますが、それについてのお考えを承りたいことと、もう一つは、償還が終わりましたら、今度は従来の料金の半額くらいを引き続き取っていきまして、それによって将来計画への建設資金に充てていく。そうして、それを全国的なプール制の中へ持ち込んでいって、償還度の非常におそいところに対する穴埋めにしていく。そして全国的にそういうような道路網ができましたなれば、そういう時期になれば、無料開放するということが、あるいは維持費とその他でもって国の財政では困難かもしれない、そういうときには、利用税というような形で料金は少しは取ってもいいのではないか。道路は無料でなにされるべきである、これは原則でございますけれども、しかしながら国の財政上、目的税として、ある場合、必要な場合には徴収していってもいいのではないか。だから目的税としての道路利用税というような考え方に立てば、ある程度の料金は徴収されてもやむを得ないのではないか。ことに道路開発、こういう公共投資の非常におくれておる日本といたしましては、そういう考え方が出てきても差しつかえないのではないか。そしてまた、道路公団なんかで行なっておる今日の料金徴収という考え方は、こういう制度ができる過渡的な姿の構想であって、こういう道路投資の要望が、非常に高度になり強い場合には、考え方を変えていってもいいのではないかと思うのでございますが、いかがでしょう。
  18. 小山長規

    小山国務大臣 この国土縦貫自動車道路の場合は、究極的には全部プールすべきものであると思うのであります。したがって、東名なら東名償還が終わったら、これを無料開放するのだという考え方は、国土縦貫自動車道法律の精神からは出てこないのではないかと思うわけであります。しかし一部の路線について、いまの料金のきめ方がはたして妥当であるかどうか、償還を早めるゆえんになるかどうかという点は、私自身も考えておるのでありますが、ただ料金の算定は運輸省との共管事項になっておりまして、ほかとのつり合いを考えておるようでありますから、建設省だけでどうというわけにいきませんが、たとえば割引制度などというような方法もあるわけでありますので、そういう方法でもっと利用を広めて、しかも償還を早める方法はないかということは始終検討させておるわけであります。そういうわけで、全体直ちに無料開放ということにはならないだろう。それからまた、全部が完成しました暁には、たとえば鉄道のキロ制みたいな方法もとらなければならないかもしれない。これは将来のことでありますから、いまここでどうと断定できませんけれども、そういったような、全体としてものを考えていくのだという考え方で、法の精神は貫かれているようでありますから、したがって一料金の問題も、そのような精神のもとに考えるべきであろう、というふうに考えます。
  19. 岡本隆一

    岡本委員 国土縦貫自動車道構想が出ましてから、いま肋骨路線について、次から次へと計画が出てきておる。したがって、もう日本も、これから後は、本格的な高速自動車道路網計画建設という段階に入っていかなければならないと思うのでございますから、したがってそれの財源の生み方、維持のしかたの姿、いろいろな点について、もう一度われわれは振り出しに戻って検討すべき段階ではないか、同時にまた、それらの建設が早急に従来よりも早いピッチで進むように、われわれはいろいろ知恵をお互いにしぼり合って考えていくべき段階が来たのではないか、このように思いますので、せっかく建設省におかれましても、そういう点についてもう一度再検討をしていただくようにお願いいたします。本法律案に関連して、道路建設についての基本的な点についてお尋ねいたしたのでございますが、せっかく御努力をお願いいたしたいと思います。  私の質問はこれで終わります。
  20. 天野光晴

    ○天野(光)委員 関連して。簡単に二、三お尋ねしておきたいと思います。三党提案ですから、この委員会、満場一致で通過すると思いますので、通過した後における施行当局の心がまえを聞いておきたいと思います。  いまの岡本委員からの質問で大体尽きていると思うのですが、縦貫自動車道路というものを着工して、いまだ全国の計画からいえば一〇%もいっていないというような状態じゃないかと思うのです。そこで、この横断道路に関する問題は、これできょう議決されますと、四本議決されることになります。きょうは二本ですから五本になりますか、関越、九州、中部それと中国が二本。そうして当初からやろうとかかっておる縦貫高速自動車道路の問題は、先ほど来話を聞けば、この五ヵ年計画では、残った四本半ということばを使っておりますが、四本半——いわゆる五本で七百八十億程度きり予算がない。これは一千キロの土地を買収する費用きりないので、とりあえず当初の予算規模の中では一千キロだけ買収しておいて、次の五ヵ年計画でその買収した一千キロを仕上げるのだという答弁をいま聞いたわけでありますが、陸続として横断道路が議決されました場合、施行当局の扱い方は、一体縦貫道路を先にやるのか、これがあとになるのか、一緒にやるのか、その点まず第一点、お聞きしておきたいと思います。
  21. 小山長規

    小山国務大臣 これは、いま第四次五ヵ年計画の実施の段階にある現在では、先ほど申し上げた程度しか申し上げられないわけですが、第五次の五ヵ年計画を早晩つくらなければならぬと思うのであります。その際に、今度決議された道路については、一体どのような計画、どのような織り込み方をするかということは、当然その中に出てくるものと、こういうふうに思っております。
  22. 天野光晴

    ○天野(光)委員 その中に出てくることは当然だと思うのですが、施行当局としての考え方を一応——出てくる問題でなしに、具体的にいえば、いま三つについて申し上げたわけですが、縦貫を先か、横断を先か、縦貫横断を一緒にやるのかという問題なんですが、執行される建設省当局としてはどのように考えておられるか、一応現段階においての考え方をお聞きしたい。
  23. 小山長規

    小山国務大臣 これは常識的には、縦貫道路がある程度できないと、横断道路の役目は果たせないと思うのです。そういう意味で、縦貫道路をできるだけ早くつくりあげていきたい、しかしあわせて財源措置を講じて、横断道路もまた、縦貫道路に役立つような路線を選定していきたい、まあ現段階ではその程度しか申し上げられません。
  24. 天野光晴

    ○天野(光)委員 はっきりした答弁ができかねているようですが、一応縦貫高速道路を仕上げてからというふうな、常識的な考え方であるというふうに了承して差しつかえございませんか。
  25. 小山長規

    小山国務大臣 これはいずれにしても五年か七年先の話でありますから、縦貫道路ができもしないうちに横断道路ということは、ちょっと利用価値からいってどうであろうか、そこで縦貫道路はある程度の完成をしたいのであります。しかしあわせて、その当時の策定の段階において、横断道路もまた早急に仕上げなければならぬじゃないかというふうな、経済的な要請あるいは政治的な要請というものもあるはずでありますから、第五次の五ヵ年計画の際に、そういうものをあわせて検討したらどうであろうか、こういうふうに思うわけであります。
  26. 天野光晴

    ○天野(光)委員 実はこの問題に関連しまして、この前、道路局長にもいろいろ意見を申し上げたんですが、ただいま岡本さんからお話のあったように、これほど一般国民から世論が高まって、議員提案横断道路の議案が出てくる。出てくるたびに、建設省当局はあまりけっこうでないような顔つきをしておられる。しかし、言うならば、少なくともこれだけ世論が高まってやりたいという気持ちになっておるのに、先ほど岡本委員がお尋ねいたしましたが、いわゆる道路網の計画がまだできていないということは了承できかねる問題だということを、私はこの前申し上げたんですが、少なくとももうこれで五本も横断道路が出てくるのに、いまだ建設省当局に、縦貫道路に対して一体どの程度の横断道路をつくろうかという計画がないというようなことでは困ると思うのです。そういう点で、いまだ計画がはっきりしていないようでありますが、その計画を仕上げておる最中だと、この前道路局長から聞いておりますので、いつごろまでにこの道路網の、いわゆる建設省案というものが策定できるか、それを一応お聞かせ願いたいと思います。
  27. 小山長規

    小山国務大臣 われわれのほうとしましても、高速の横断道路の計画をつくりたいという希望は持っておるわけであります。ただそれを常識的に言えば、あとは今度は東北横断道路が一本か二本残るわけですが、それと四国が残るかと思います。そういうものを一体どのような考え方でやればいいかという事務的な検討はやっておるのであります。それがいつまでにということになりますと、ちょっと私も事務の進み方はまだ知りませんので、申し上げかねますが、早晩そういうものを——政府としての案はこうでありますということを申し上げる時期は早晩来ると思います。
  28. 天野光晴

    ○天野(光)委員 その話はわからないわけではないのですが、いわゆる中国が出れば、今度東北でも二木ぐらいやろうというようなことになって、どうもハチの巣を突っついたように、その法律案が出てきまして、これが議決された場合における建設省当局の仕事が非常にやりにくくなると思うのです。そういう点で、たとえば今度の場合二本出てきておるのですが、本来なら一本でいいのではないかと思うのに、二本出てきておるようであります。そういう点で、その地域その地域の適当な考え方で、いわゆる議員立法で議決されたとしても、これは議決機関の議決ですから尊重しなければいけないし、やらなければいけないと思うのです。そういう場合における扱い方等が非常に混乱をするのではないか。これは黙っていれば、優先的に、先にやった方が先着順だということでやられたんじゃたいへんだというので、おくれているところもどんどんやろうじゃないかというようなことになることを私は非常に懸念、顧慮するものでありますから、そういう点で、大体において、それほどむずかしいことではないのですから、予算はともかくも、十五年あとのことだというふうに私たちは承知しているのですが、そういう点で、一応道路網の計画だけはやはり国土計画にのっとって立てるべきであって、議員提出で議決されて、それを押しつけられて、いやおうなしにやらなければならないというかっこうは、施行当局としてもあまりみっともいいことじゃありませんから、そういう点で、その策定を至急急がせてやってもらいたい。大体のめどを、これからどのくらいでできそうだというぐらいのことは、見通しがあると思いますから、大体の見通しを、ひとつ、そうしまっておかないで、出していただきたいと思います。
  29. 小山長規

    小山国務大臣 まだ年月を限って、たとえば今年中とか来年早々とかいうようなことを申し上げる段階ではありませんが、いずれにいたしましても、責任ある政府がやろうとするのには、やはり相当な手続も要りますので、その点はしばらく時間をかしていただきたい、こう思います。
  30. 天野光晴

    ○天野(光)委員 道路局長に、ちょっと数字のことをお伺いしますが、現在決定されておる東北中国九州、北陸、それに中央道富士吉田−名古屋間の総キロ数はどのくらいですか。
  31. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 五本で約二千三百キロでございます。
  32. 天野光晴

    ○天野(光)委員 それと今度予定しておる四国と北海道縦貫道路のキロ数を入れますと、それはどのくらいになりますか。
  33. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 北海道と四国と合わせまして、約千百三十キロでございます。でありますから、合わせますと三千五百キロぐらいになります。
  34. 天野光晴

    ○天野(光)委員 四国と九州はまだ議決されておりませんが、おそらく——四国と北海道がやっていませんか、合わせて三千五百キロになりますが、あとの五ヵ年計画で千キロきり仕上がらないという現在の構想をお伺いしたのですが、それではとても国民の要望にこたえる何ものもないんじゃないか。ともかく、これから八年か九年間かかって四分の一もできないというような状態で、どんどんこの横断道路が出てきた場合、容易でないので、私は、手ぬるいことを抜きにしまして、現在のこの五ヵ年計画というものを、途中においてある程度改正をして、そして新たな財源を確保して、この縦貫道路を推進する大きな役割りを果たすべきだと考えておりますが、そういう点で、現在の建設省当局は、現在の五ヵ年計画を年度中において改正をするという意思があるかどうかをひとつお尋ねいたしておきます。
  35. 小山長規

    小山国務大臣 いままだ五ヵ年計画の第二年度目なのでありますが、幾らなんでも、二年度目、三年度目で改正するということは、従来の政治常識からいって、ちょっとあり得ないと思いますけれども、四年度目になれば、当然考えていかなければならぬ時期に来るというふうに見ているわけであります。
  36. 天野光晴

    ○天野(光)委員 四年度目というと、三年を施行してからというふうに聞こえるわけでありますが、三年を終わったあたりに、一応四年度目の予算編成をやるときに、地域要望時代の趨勢等を考えて、政府当局は改定をするように努力するというのですか。やるという意思があると了承して差しつかえございませんか。
  37. 小山長規

    小山国務大臣 大体そのような考え方で進めたいと思っております。
  38. 森山欽司

    森山委員長 金丸徳重君。
  39. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 一、二点お伺いさせていただきますが、私は、建設大臣の熱情ますます上がりまして、道路政策がいろいろな角度から推進されるような事態になりましたことをお喜び申し上げます。まさに、この法案をわれわれ提出いたす立場に立って見ますると、百花一斉に開く観がある。私は、さらにいま伺いますと、そのほかにもたくさんのつぼみが待っているようでありますが、すみやかに花を咲かしてもらいたいのでありますが、国民が心配いにしますのは、花が咲くけれども実がいつになったらなるであろうかということでありましょう。その実のほうをむしろ心配するから、いまのようなお尋ねもあったことと思います。ことにすでに着工し、推進されておりまするところの中央道にいたしましても、あるいは名神道路にいたしましても、その他重要な道路が、もしこういう計画によっておくれるようなことがあっては困るということでありますが、いまお尋ねによりまして、そうではなくて、私の理解するところによりますれば、こういう花が咲くことによりまして、すでに実を結ばんとするほうのものは一そう刺激されて、推進されるというふうに考えたいのでありまするが、それはそう理解してよろしゅうございますか。
  40. 小山長規

    小山国務大臣 おっしゃるとおり、いままで計画したものはできるだけ早くこれを推進していきたい。あわせて、さらに未着手のものも進めていきたい、こう申し上げたわけであります。
  41. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 ぜひそうありたいと念願しておりまするし、大臣の御努力をお願いするのでありますが、それにつきまして、特にこの際お伺いいたしたいのは中央道でありますが、中央道はもうすでに着工いたしております。さらに富士吉田以西につきましては、本年度はもう調査費が盛られております。調査計画が進み、実施計画に入ると思うのでありますが、そのほうはどの程度に進んでおられましょうか。この際、ひとつ特にその刺激されるという立場から、お漏らしを願いたいのであります。
  42. 小山長規

    小山国務大臣 先ほど岡本さんに申し上げましたように、今年度二十億の予算着工します分には、中央道は入るわけであります。そこで、まだ残念ながら、具体的にどこどこと言うわけにいきませんけれども、ものの考え方としては、先ほど申し上げましたように、収益性開発性をあわせ考え、そして中央道——中央道の場合は名神と一体となって計算できると思いますが、そういったある年限内には償還もできるというめどをつけて、そして着手をしたい、こう考えているわけであります。
  43. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 中央道富士吉田以西の調査計画につきましては、実は今春の審議会の席上、すみやかに大体の計画でもお漏らしおきいただくことが、地方のほうといたしましてはたいへん大切である、こういうお願いをいたしておきました。それから半年になるのでありますが、どの程度に進捗されておりますか、お伺いをいたします。
  44. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 中央道の調査費は今年度三千万円でやっておりますが、御承知のように、経過地を諏訪に変えました関係で、主として富士吉田−諏訪−飯田間の路線をきめることを重点に調査させております。そこで特に富士吉田あるいは大月辺から甲府方面にどういうふうに行くかという点につきまして、いろいろな意見がございますので、特にその辺を重点的にただいま調べさせておりますが、まだ結論を得ておりません。あと、やはり半年から一年ぐらいかかるのではないかと思いますが、なるべく早くきめたいと思います。なぜそういう点がむずかしいかといいますと、御承知のように、あの富士吉田、大月辺の高台から甲府盆地におりますのに、どうしてもトンネルが要るわけであります。このトンネルの候補地点が三点ぐらいありますけれども、いずれもそれぞれ問題がございまして、これの優劣をきめるのに、技術的にいろいろ検討しなければならぬということでございますので、それがきまり次第、なるべく早く路線をきめたい、かように考えております。
  45. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 その点につきまして、大体トンネルの候補地が三ヵ所ぐらいあるというお話でありますが、そのうちの重要な一ヵ所、あのことしの審議会でお示しになりました図面によりますと、富士吉田から御坂、大体その辺を通って西に行くようになっておりますが、その御坂につきましては、県営で有料のトンネルをつくることにして、すでに起工式が済んでおります。これは建設大臣も御承知になっておられることと思います。そういうことで、大事な中央道路線決定といいますか、通過地点決定前に、すでにそういうふうにもう別の計画が進んでおります。それからもう一つは、これは建設大臣のお耳に入っておりますかどうですか、あるいはもうお耳に入っておると思うのでありますが、いま国道二十号線がすでに交通量が多くなりまして、いまの状態をもってしましては、もう一両年で行き詰まるということから、バイパスをつくってもらわなければならないということで、地元のほうでは盛んにお願いをいたしておるのであります。もしバイパスをつくるということになりますと、これまたそういうことでもって、中央道路線からはずれるのではないか、ということは、ダブルからそういうような心配を持つ者もございます。すでに片や着工しておる、また片やバイパスの要求が非常に強いということになりますと、一体この中央道は、残る一つ路線にきまったのか、それともバイパスとあわせて何か別な考えがあるのか、たいへん心配をいたしております。この中央道路線は、当初は南にまっすぐに行くというのを、途中で変更いたした。今国会において路線を変更いたしたという経緯もありまして、あらかじめ通過地点と予想されておる地元の人々としましては、この案の最終決定に利害関係もあるわけでありまして、非常に関心を持っておりまして、およその方針だけでもすみやかにお示しが願いたい。そのことは、後日たいへんな問題を起こさないという意味におきましても、すみやかに大体の方針をお示し願わなければならない。そうしますれば、いまのバイパスの問題にいたしましても、その他のことにつきましても、私は非常に処置がしやすいと思うのであります。こういう点については、私は調査計画をすみやかに推進して、はっきりすべきであるということを申したのでありますが、いま聞きますと、これからまだ半年か一年かかるということであります。あるいはもっとかかるというような口裏さえも見えるのでありますが、これはこのような案によって刺激されておるところの縦貫自動車道からしますると、たいへん相矛盾するような感じを受けるのでありますが、どうでありましょうか。調査計画を、いままでの御計画であれば、あるいは半年か一年かかるかもしらぬけれども、そういう事情も勘案し、さらに本法案などによって刺激されたという立場において、これすみやかに日を早めてもらう、それで、すみやかにこれを地元のほうにお示しなさるというお考えがあられるか、これはお願いをかねてのお尋ねであります。
  46. 小山長規

    小山国務大臣 いま具体的にお話が出ました富士吉田以西の問題は、道路局長から申し上げましたような技術的な問題なんであります。政治的にどうという問題じゃなくして、技術的な問題でありますので、技術的な調査結果を待って判断をしたい、こういうふうに考えております。
  47. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 その調査結果を待ってと言われますが、私は、調査がどの程度に進行しておるのか、それさえも実は心配であります。予算はすでに決定されておる。しかもこの路線決定に伴って、北回りにするということについて、ずいぶんこれは長い間の懸案であってきまったわけであります。そのきめるまでにつきましては、すでに技術上の諸問題は一応検討済みの上で路線の変更があったものと、地元の者も解釈いたしており、考えておりますから、いまさら技術的にさらに検討して云々ということは、ちょっと理解いたしかねるのでありますが、いかがでありますか。これは道路局長から、技術的にでもいいから、お答えを願います。
  48. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 技術的にと申しますのは、通れる通れないという問題じゃございません。比較論として、どこが一番経済的であるかという点においての、路線の最適位置をきめておるということでございます。そのためには、航空写真をやりまして、地図をつくり、いろいろ土工量等を調べ、あるいはまた必要な地質調査をやりまして、トンネルの地質のぐあいを調べるということが行なわれておるわけであります。通過するということについては、何も異論はございません。ただ、どの地点が一番いいかということを検討しておるという意味でございます。  それから、先ほど先生からお話がございました、御坂のトンネルあるいは勝沼付近のバイパスの問題、これは私ども現在の国道二十号線あるいは二級国道富士吉田−甲府線、それぞれの当面のバイパス計画、二次改良計画として必要な措置と考えております。したがいまして、中央道の経過位置がそれによってどうこうする、非常にむずかしくなるとか、容易になるとかという問題とは一応別の問題だ、かように判断いたしております。
  49. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 これで終わりますが、私も、いまの技術的に非常に慎重に丁寧を期するということにつきましては、本道路が重要なものであるだけに、それはそう願わなければなりません。ただ、それによってあまりに時間がかかってしまいますと、いまのような問題とからんで、地元のほうでは非常な揣摩憶測をいたします。そういうことで、促進方をお願いしておるのでありますが、それでは、いまの二十号線が交通ふくそうで行き詰まるということにつきましての打開策は、バイパスなりその他の方法によって別途考えていく、こう理解してよろしゅうございますか。
  50. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 まあ例を申し上げたわけですが、二十号線ではすでに韮崎のバイパスをやっております。それから甲府のバイパスをことしからやることになっております。それと同様な考え方におきまして、東のほうへやはりやらなければいかぬだろう、こういうふうに考えております。したがいまして、中央道ができるからそういうものは要らない、こういう種類の問題ではない、こういうふうに私ども考えておるわけであります。
  51. 金丸徳重

    ○金丸(徳)委員 じゃ、さよう理解して、お願いいたします。
  52. 森山欽司

    森山委員長 他に質疑の通告はございませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  53. 森山欽司

    森山委員長 これより本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに本案について採決いたします。  中国自動車道建設法案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  54. 森山欽司

    森山委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  おはかりいたします。ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  55. 森山欽司

    森山委員長 御異議なしと認め、さように決定いたしました。   〔報告書は附録に掲載〕
  56. 森山欽司

    森山委員長 この際、念のためお知らせいたします。  閉会中第一回の本委員会は、来たる六月二日水曜日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会いたしますから、委員各位の御出席をお願いいたします。  今第四十八回国会会期中における建設委員会は、本日をもって終了いたします。  本国会における当委員会に付託になりました全法律案六件は、本日をもって議了し、また国政調査案件につきましても御熱心に御討議いただき、特に今会期におきましては、立法府独自の立場より、委員会の運営に御理解ある御協力を賜わり、建設行政の姿勢を正すことに大いに寄与し得ましたことを、深く感謝しておる次第であります。  簡単でございますが、一言、与野党理事及び委員各位、小山建設大臣をはじめ政府及び国会関係者各位にごあいさつを申し上げます。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時四十七分散会