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1965-04-21 第48回国会 衆議院 決算委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月二十一日(水曜日)     午前十一時九分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 田村  元君 理事 福井  勇君    理事 勝澤 芳雄君 理事 田原 春次君       金子 岩三君    根本龍太郎君       神近 市子君    堂森 芳夫君       森本  靖君    山田 長司君  出席国務大臣         建 設 大 臣 小山 長規君  出席政府委員         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     多治見高雄君         建設事務官         (都市局長)  鮎川 幸雄君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君         建 設 技 官         (住宅局長)  尚   明君         自治事務官         (大臣官房参事         官)      宮澤  弘君  委員外出席者         大蔵事務官         (国有財産局国         有財産第一課         長)      塚本孝次郎君         建 設 技 官         (国土地理院         長)      金子 収事君         会計検査院事務         官         (第三局長)  小原  剛君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         日本国有鉄道参         与         (監察局長)  池田 正一君         住宅金融公庫総         裁       師岡健太郎君         住宅金融公庫理         事       中平 栄利君         住宅金融公庫監         事       中川  薫君         参  考  人         (日本住宅公団         総裁)     挾間  茂君         参  考  人         (日本住宅公団         理事)     潮   洸君         参  考  人         (日本道路公団         総裁)     上村健太郎君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     亀岡 康夫君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     美馬 郁夫君         参  考  人         (日本道路公団         監事)     安井 正巳君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月二十一日  委員小金義照君及び森本靖辞任につき、その  補欠として金子岩三君及び河野密君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員金子岩三君及び河野密辞任につき、その  補欠として小金義照君及び森本靖君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十八年度政府関係機関決算書  昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書  (建設省建設省関係政府関係機関関係)  国が資本金の二分の一以上を出資している法人  の会計に関する件  (日本住宅公団日本道路公団)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず、先般田中彰治委員から調査要求がありました件につきまして、御報告申し上げます。  会計検査院から、福田一氏に対する電源開発株式会社から金銭供与の事実調査につきまして、表記の件についての現在までの調査については、電源開発株式会社から福田一氏に対して金銭を支払った事実は認められなかったということであります。  それから電源開発株式会社から福田一氏に対する報酬支給についての福田一氏と当社との間に身分的関係はなく、したがって同氏に報酬を支給した覚えはございません。  以上であります。      ————◇—————
  3. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、昭和三十八年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は、建設省所管決算について審査を行ないます。  まず建設大臣から概要説明を求めます。小山建設大臣
  4. 小山長規

    小山国務大臣 昭和三十八年度決算概要につきましては、お手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知いただきたいと思います。  何とぞ御審議のほどをお願い申し上げます。
  5. 堀川恭平

    堀川委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十八年度決算説明書は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  次に、会計検査院当局から、検査概要について説明を求めます。小原会計検査院第三局長
  6. 小原剛

    小原会計検査院説明員 建設省所管事項につきまして御説明いたします。  三十八年度の検査報告に掲載いたしたものは、直轄工事にかかわるもの七件、物件の処分にかかわるもの一件、補助事業にかかわるもの四十六件、計五十四件でございます。  報告書の九五ページの五四六から五五0までの五件は、地方建設局施行いたしました道路改良または河川災害復旧工事におきまして監督及び検収が適正に行なわれなかったため、工事の効果が低下していると認めたものでございまして、個別の説明は省略させていただきます。  五五一及び五五二号は、道路改良工事計画実施にあたりまして工事実施部局で航空機による写真測量等を実施いたしておりますが、国土地理院において実施済み測量結果を利用すれば事業費を節減できたものであります。五五三号は物件売却に関する事業でございまして右軌条売却にあたって数量及び価格の評定が適正でなく、売却価格が低額と認めたものでございます。  次に、補助事業にかかわるものでありますが、五五四号は地盤沈下対策事業として堤防をかさ上げする工事を実施するにあたりまして、ここに使いますところの鋼矢板に高価な船底塗料等を塗ることにしてこの塗装費を含めた工事費に対して補助金を交付いたしておりますが、一般にこの種工事におきましては、鋼矢板塗料を全然塗らないものも多く、塗っても廉価なコールタールを塗ることにしているのが普通でございまして、本件におきましても他の同種工事と同程度の工法で実施いたしました場合の事業費対象として補助金を交付するのが相当ではないかというふうに認めたものであります。  五五五から五九八までの四十四件は地方公共団体が実施いたしました河川道路等補助工事におきまして工事施行が不良なもの、工事費積算が過大なものなどを指摘したものでございます。また五九九号は、三十九年発生災害復旧事業工事費査定額について検査いたしました結果、当局に注意し、補助対象工事費を減額是正したものでございます。  不当事項として掲記いたしましたものは以上でございますが、ほかに三十九年中に道路改良工事における機械経費等積算及びアスファルト舗装工事の設計並びに施行管理につきまして当局改善意見を表示したものがございます。その詳細は一二八ページ以下に改善意見の全文を掲載いたしておりますので、御説明を省略させていただきます。  以上でございます。
  7. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、宇ノ沢会計検査院第五局長
  8. 宇ノ沢智雄

    ○宇ノ沢会計検査院説明員 昭和三十八年度検査報告の一八六ページに掲げてございます首部高速道路公団の六一四号の金額が変わりましたので、一応御報告申し上げておきます。  本件批難金額の算出にあたりましては、公団当局の回答を検討いたしまして、これを基礎として検査報告にあるような金額を掲記いたしましたが、ごく最近に至りまして公団におかれまして部内の調査あるいは業者との折衝の結果、公団部内におきましても、当初把握していないような事態が明らかになりました。  本院におきましては、その報告を受理したので、これによりまして計算いたしますると、本件批難額が(2)の過大支払い額七百五十四万一千五百六十七円は七百七十万二千円となります。  それから(3)の過払い額が百四十九万八千九百八十円とありますのが、六十四万四千百四十円となるわけでございます。  以上の結果によりまして、本件工事におきまして、不当なりと認められる総額は、検査報告で約千五百九十万円とございますのが、千五百二十万円となるわけでございます。  以上、御報告申し上げます。     —————————————
  9. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、政府関係機関当局である住宅金融公庫からの資金計画事業計画等につきましての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  これにて説明聴取を終わります。      ————◇—————
  10. 堀川恭平

    堀川委員長 国が資本金の二分の一以上を出資している法人会計に関する件について調査を行ないます。  この際、おはかりいたします。  本件調査のため、本日住宅公団より総裁挾間茂君、理事潮洸君、日本道路公団より総裁上村健太郎君、理事亀岡康夫君、理事美馬郁夫君、監事安井正巳君、以上六名の諸君を参考人として本日その意見聴取いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  参考人からの意見聴取については、質疑応答の形で行ないたいと存じますので、御了承願います。  これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。勝澤委員
  12. 勝澤芳雄

    勝澤委員 まず最初大臣にお尋ねいたします。  最近各地建設大臣あるいは河野国務大臣等から、河川敷をレクリエーションの場に開放するということが発言をされまして、この問題について着々といろいろな計画を進められておるということを聞いております。しかし、最近各所で河川敷現況等ゴルフ場に使われておるとかあるいは自動車練習場に使われておるとかいうことで問題になっておりますし、またこの河川敷に対して補償金が何千万円支払われたということもいわれております。こういう現況を見ますと、河川管理状況というものについて、旧河川法の場合、新河川法の場合もありますけれども河川台帳整備なりあるいはまた河川監理員の配置の状態なり、こういうことを見ますと、相当問題としていま指摘をされておるようでありますが、この河川管理現況なりあるいは河川敷を開放する、こういう問題についてのお考えをまず最初にお聞かせを願いたいと思います。
  13. 小山長規

    小山国務大臣 最近各地におきまして河川敷国民広場体育向上のための広場に使ったらどうだろうという話が出ておりまして、具体的にどうするかということまでまだきめてありませんが、私どもとしましては、特に東京の近郊の河川敷はできるだけそういう方向に利用したいものだという考え方のもとに、さてしからば現在ある設備はどういうようにしたらよかろうかということをいま検討している最中であります。  なお河川管理状況その他については局長から答えさせます。
  14. 上田稔

    上田政府委員 お答え申し上げます。  河川管理につきましては、河川台帳を旧河川法においても整備をしておかなければいけないのでございますが、旧河川法におきますと非常に詳細な事項を記入するようになっておったわけでございます。したがいまして、戦争前はある程度整備をされておったのでございますが、戦争中に入りまして非常に人員が減ったりあるいはまた戦争河川台帳が焼けたりいたしまして疎開をいたしましたり、また非常に当時土木事務所の中が混乱をいたしましたりいたしまして、県において整備をいたしておりました河川台帳は非常に不備になってしまったわけでございます。また、一度焼けましたものは、これをつくるといいましてもなかなかできませんので、そういうことで河川台帳は非常に整備不十分に相なっておったわけでございます。それで今度の河川法におきましては、それほどの詳細なものではなくて河川台帳をつくろうじゃないかということで法案ができております。それで、それに基づいて河川台帳をつくるということになっておるわけでございます。さしあたりまして四十年度におきましては、利根川ほか十四河川、合計十五河川が一級河川一級水系に指定を受けたわけでございますが、これに対しましては、国において河川台帳をつくっていこう、こういうことで本年度計画をいたしております。二級河川につきましても、これを順次つくっていくように指導をしていくことで再三これを指導をいたしております。  それから河川敷地のために国が買収いたしました土地管理につきましては、これも戦争中あるいは戦後非常に乱れておりましたのでございますが、三十七年度からその川地の適正化につきまして地建局長を集め、また関係部課を集めまして会議を開き、その是正対策をやっております。三十八年、三十九年には引き続いてその買収をいたしました土地を府県に引き継ぐということを行なっておるわけでございます。それで三十八年から三十九年度までにおきましては引き継ぎ可能な面積の約五〇%程度のものを引き継ぎをいたす手続をいたしております。残りのものにつきましても、これを引き継ぐように目下整備調査を進めております。
  15. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで河川敷地河川管理現況というものはまだまだ不十分な点があるわけでありまして、その管理をどういうふうにしていくかという点については、また別の機会にこまかく聞くといたしまして、当面いま少し問題になっておりますこの河川敷道路公団なりこういうところで使う場合に補償をしたという点で、少し疑義が起きておるわけであります。そこで、具体的にいま河川敷状況がどうなっておるかという点で、私がいま建設省からいただいた資料によりますと、たとえば多摩川関係を見てみましても、ゴルフ場七つ自動車練習場が四つ、運動場が三十、あるいは公営運動場公園緑地、こういうものがあるわけであります。あるいは荒川関係を見てみましても、ゴルフ場七つ自動車練習場が五つ、運動場その他で十九、江戸川関係でもゴルフ場七つ利根川でもゴルフ場が六つもある。淀川でも二つあるということで、河川敷というのはゴルフ会社にばかり貸しておって、国民には何ら開放されていない。こういう現況というものが実は出ておるわけであります。そこで私はまず最初に、多摩川河川敷ゴルフ場をどういう会社に貸しておるのか、そしてそれはいつから、どれだけの面積坪単価幾らで、年間幾らで貸しておるのかという点を、まず多摩川関係だけ一あとはまだ荒川江戸川それから利根川とありますが、時間もありませんから、一応多摩川だけの点について、ゴルフ場をどこの会社に何坪、いつから、料金幾らで、そうして現在どうなっておるかという点をまず最初にお尋ねいたします。
  16. 上田稔

    上田政府委員 多摩川ゴルフ場の明細につきましては、現在、資料をちょっとここに持ってきておりませんので、いますぐ持ってこさせます。——それでは、多摩川河川敷ゴルフ場関係につきまして、その占用者と当初の許可の年月日について申し上げます。  まず第一に、東京急行電鉄株式会社に対しましては三十二年五月十六日でございます。それから玉川ゴルフコースでございますが、これに対しましては三十二年七月十九日、東京急行電鉄株式会社、これは練習場でございますが、これも三十一年七月十七日。失礼いたしました。一番最初東京急行電鉄株式会社と申し上げましたのは三十二年五月十六日のものは練習場でございます。それから大田区役所、これは六郷ゴルフ倶楽部でござまいすが、これが三十年十一月二十二日。それから新川崎ゴルフ倶楽部が二十九年五月四日。玉川ゴルフが三十一年十月二十日。それから東京多摩川ゴルフ練習場、これが三十年四月六日でございます。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから坪数年間料金はどうなっていますか。
  18. 上田稔

    上田政府委員 その面積は、一番最初申し上げました東京急行電鉄につきましては、自動車練習場とそのほかの運動場というものを含んでおりますので、ちょっとゴルフ場だけのものはこれに出ておりませんが、そういうものを全部合わせまして約二十二万三千平米くらいでございます。それから玉川ゴルフコースというのは三十万九千平米くらいでございます。それからその次の東京急行電鉄株式会社練習場でございますが、これも運動場が横についておりまして、それを合わせますので、ゴルフ練習場としての坪数が出ておりませんが、合わせて四千平米でございます。それから大田役所が三十九万平米でございます。それから新川崎ゴルフ倶楽部が三十六万一千平米くらい。それから多摩川ゴルフ場が九万平米くらい。それから東京多摩川ゴルフ練習場が二万三千平米くらいでございます。  料金は、年間東京急行自動車練習場運動場を含みまして六十七万円くらい、それから玉川コースが九十三万円ばかり、それから東京急行練習場運動場合わせまして十四万円ばかり、大田区役所が百三十万円ばかり、それから新川崎が百十万ばかり、それから多摩川が二十七万くらい、東京多摩川ゴルフ練習場が八万くらいでございます。
  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員 結局簡単にいいますと平米単価年三円でしょう。もっと簡単にいえば坪九円で貸している、局長、こういうことなんですね。
  20. 上田稔

    上田政府委員 そのとおりでございます。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、多摩川河川敷だけでも、多摩川ゴルフ場——大田区役所に貸しててあるのは、これは区役所六郷ゴルフ場に委託をしている。ですから多摩川ゴルフ場大田区役所に貸しておるのが六郷ゴルフ場、それから新川崎ゴルフ場、それからもう一つ玉川ゴル場ゴルフ場ばかりに貸しておるわけです。  そこで、私は次にお尋ねしたいのは、このゴルフ場道路公団なり国鉄も新幹線通過でここに補償をいたしておるわけでございます。大蔵省にお尋ねいたしたいのですが、河川敷というのは、これは国有財産法による国有財産ですかどうですか。
  22. 塚本孝次郎

    塚本説明員 国有財産法上は行政財産に属します。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると国有財産のうちの行政財産だ、行政財産大蔵省所管に属する。行政財産貸し付け許可を取り消した場合の補償取り扱いはどういうようにやっておりますか。
  24. 塚本孝次郎

    塚本説明員 国有財産のうちには普通財産行政財産がございまして、貸し付けというのは普通財産の場合に起こる問題でございまして、行政財産の場合には貸し付けはできないことになっております。したがいまして、あるものに使わせる場合には、使用許可ということになります。
  25. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その使用許可の場合の補償は、許可を取り消した場合、あるいは許可期限が切れた場合、こういう場合の補償はどういうようになっておりますか。
  26. 塚本孝次郎

    塚本説明員 国有財産法の二十四条をごらんになっていただきますと、二十四条の二項でございすが、これは普通財産貸し付けをした場合の補償の問題が規定されております。この二十四条が行政財産使用許可の場合にも準用になっておりますから、それを申し上げますと、「契約を解除した場合においては、借受人は、これに因って生じた損失につき当該財産を所管する各省各庁の長に対し、その補償を求めることができる。」ということになっております。現在庁舎等、たとえば役所の中に食堂があったりというような例がございます。これはいわゆる庁舎行政財産でございまして、行政財産のうちで公用財産になっておる。この庁舎貸し付ける場合には、貸し付け条件の中で詳細にその点を規定をいたしておりまして、契約満期になって返還を受けるとにきおいては借り受け人が原状を回復して国に返すということになっておりまして、この場合には補償しないような取り扱いになっております。ただ、いま申し上げました二十四条と同じような規定河川法の中にございまして、公共用財産につきましても同じような補償規定は入っております。
  27. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、国有財産の中の行政財蔵である。行政財産については、貸し付けはできない、だから使用許可だというのですね。それから使用許可をして、満期になった、あるいは使用許可中にそれを取り消すという場合の補償を、もうちょっと詳しく御説明願いたい。具体的にどういうことですか。
  28. 塚本孝次郎

    塚本説明員 二十四条は、途中で契約を解除した場合においては補償をするということになっておりまして、満期の場合においては規定はございません。
  29. 勝澤芳雄

    勝澤委員 途中で取りやめる場合には、当然それは許可したわけですから補償せにゃならぬと思います。しかし、契約が終わった場合においては、補償するということが法律明文でない場合においては、私は補償することは間違いだと思うのです。これは、あとでまたその問題について解明をいたします。  そこで玉川ゴルフ場に使用さした河川敷が三十一万千九百二十七平米、そこで日本道路公団が使用したのは三千三百二十三平米、ほんの一割にしかすぎないわけでございますが、この三千三百三十三平米について、玉川ゴルフ場に対して日本道路公団はいかなる理由によって三千四百二万四千円の補償をしたのでしょう。
  30. 上村健太郎

    上村参考人 私ども河川管理者と協議をいたしまして、通常受くべき損失について補償するということに承知をいたしておりますので、補償するということになりますると、直接かかります三千三百二十三平米ばかりでありませんので、そこのかかることによりまして受ける損失、つまりそこの設備を改造する必要がありまするとか、あるいは営業損失を受けるような額とか、そういうものを合わせまして三千四百万の補償金額を決定したわけでございます。
  31. 勝澤芳雄

    勝澤委員 補償する根拠はどういうことですか。もうちょっと明確にしていただきたいと思います。
  32. 上村健太郎

    上村参考人 あそこの占用許可を得ました時分は、現在の河川法が改正前でございますが、しかし、新しい河川法の第七十五条の規定によりまして、占用許可の取り消しかあるいは工作物改築等を命ぜられた場合には、その法律の七十六条の規定によりまして、損失を受けたものに対して通常生ずべき損失補償しなければならないということになっております。旧河川法には、このような補償規定明文としてなかったわけでございますが、しかし、その考え方におきましては、現行法と同じように補償してきてまいっております。
  33. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その補償する根拠は、私よくわからないのですが、道路公団総裁よくお聞き願いたいと思うのですが、三千三百二十三平米ですね、これに対してあなたのほうの補償したのは、三千三百二十三平米をあなたのほうで使うからといって補償したのが、二千八百四十一万円ですね。これは、ここにゴルフ場ができているから、このゴルフ場を取り上げてこっちにゴルフ場を変えるからという改造です。それから、営業補償が五百六十一万四千円を補償している。営業補償は、こっちをつぶしてこっちができ上がるまでの補償と、こう言う。もしこの論理でいくと、これはたいへんなことになる。一平米当たり補償金というものは一万二百三十八円になる。これをこのまま引き延ばすことがいいか悪いかは別問題として、あなたのところで補償したのは、一平米当たり一万二百三十八円を補償した。一平米当たりといいますと、先ほど言いましたように、一年に三円占用料を取っているだけです。許可をもらって一年に三円占用料を払っておって、それを取り上げるときには一万二百三十八円払わなければ取り上げることができないということがここで明確になっているわけです。結論的にいえば。そうすると、一年に三円、坪九円ですね。そうすると、あなたのところで払ったやつは、三千四百十三年間貸さなければ元が取れぬということになる。だから、河川敷を貸したために利権として三千四百十三年の使用料を取った分を補償しなければ取り上げることができない、結果論としてこうなったわけであります。ですから、この計画を、あと残っておる玉川ゴルフ場をかりに廃止させる。いま河野さんが言っているように国民広場に開放する。そのゴルフ場を返すということになったら、三十一万一千九百二十七平米に一平米当たり一万二百三十八円を掛けました三十一億九千三百五十万八千六百二十六円を、あの七つある中のたった一つの玉川ゴルフ場国民に開放するためにとにかく補償しなければ国民のものにならないということなんです。ですから、私は道路公団が払ったのは、いかなる理由で払ったのか、払った理由がはっきりしないわけです。もし、あなたのところでそういうのを払ったために、今度は国民広場でもってあの河川敷を開放するときになったら、何千億国の金があっても開放するのは不可能なんです。その点どうでしょうか。
  34. 上村健太郎

    上村参考人 あそこのゴルフ場は、私どものほうの橋がちょうどまん中を切っておりまして、使います面積は三千三百平米程度でありますけれども、あそこのゴルフ場を継続して事業をやってまいりますためには、どうしてもあとのコースまで改造しなければ継続使用ができないことになるわけでございます。あのゴルフコースを全部ほかへ移すということになりますれば、これまた別問題でございましょうが、河川敷の占用を受けておるゴルフ場として経営していくためには、他のコースまで改造しなければならないということになりますので、その改造費というものは通常受くべき損失だと認めまして支払ったわけでございます。
  35. 勝澤芳雄

    勝澤委員 一年ごとの占用許可なんです。一年ごとの占用許可にかかわらず、−先ほど私が大蔵省の見解を聞きましたように、別にいま使用中のものでなくて、あるいは一年の期限が切れて占用許可が切れるわけであります。そういうのをわざわざ補償しておる。建設省の見解をまずお尋ねしたい。いかがです、いまのやり方でよろしいんでしょうか。
  36. 小山長規

    小山国務大臣 勝澤さんのこのお話がいつか新聞に出まして、私も同じような疑問を抱いたわけなんです。いろいろ河川法関係その他を調べてみました。ところが、現在の河川法では、先ほど道路公団あるいは大蔵省から申し上げましたように、使用の許可をいたしますとそこに財産権が設定されるという前提になっているわけです。したがって、その財用権を期限前に解消する場合には(勝澤委員「期限前でなくて、期限後にしましょうよ」と呼ぶ)それでは申し上げます。一年で切れるという点が、私はその契約というものは一年、一年じゃないかと思ったものですから。ところが法制局その他を呼んでいろいろ聞いてみますと、契約は、たとえばゴルフ場を経営するのにまあ通常考えられる期限というものが、それが何年であるかは具体的にはわからないわけですが、少なくとも一年ではない。十年か二十年というものが想定されてそういう財産権がそこに設定され、それで一年、一年の契約というものは料金改訂のための例文だ、こういうふうに法制局は見ておるわけです。そういう前提でまた裁判も行なわれたことがあるそうです。その前提で今度の河川法七十六条もできておりまして、したがって、財産権が存続しておるのであるから、それを取りのけるためには、その使用許可を変更するためには、通常生ずべき損失補償しなければならぬという七十六条の規定になったんだ、こういうことなんであります。  そこで、いまお話がありましたように、たとえば今度国民広場にそれをやろうというときに、いまおっしゃったようなそういうばく大な補償を一体しなければならぬのかどうかという疑問が起こってまいります。そこで、今後こういう契約を更新する場合には、これはよほど契約条件を変えなければいかぬと考えまして、いま検討を命じておるわけですが、結論がまだ出ておりませんけれども、たとえば道路とか公園とか、あるいは河川の改修とかいうような公共目的のために必要とされる場合には、その使用の許可を取り消されても損失補償はするに及ばないのだというような契約条件の変更が必要である、こう考えるわけであります。  そこで、そういう契約条件を変更する場合に、さて、いままでの既得権に対して補償する必要があるのかどうかという点がまだ疑問が残りますので、この点法制局を交えてひとつ研究してもらいたいということをいま命じておる段階なのであります。
  37. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それは大臣、あなたも法制局を調べたでしょうけれども、私もあなたのほうの見解を聞きました。私が言うのは、大体は役人のやっておることでそう法律に間違っておることはない、法律上はけっこうだと思います。この間ここで問題になりました、当時の平田国税庁長官が、自分のところに納められた物納財産を自分が借りて、その後十年年賦で払い払げてもらった。法律上は全く間違いございません。いまこの河川敷の問題についても、あなたが言う法律解釈もありますから、それは間違いないだろう。私はあなたと法律論争をやっても、法律は役人にまかしておけばいいのですから、政治家がそういう論争の中に巻き込まれる必要はない。しかし、いま起きた河川敷の問題は、あなたの考えているように、私の言ったように、玉川ゴルフ場一つ取り上げるだけでも三十何億かかる。それがただ一年占用させただけだ。そしてあなたが言うように、それは財産権だ。そしてその財産権という権利の補償をしなければならぬ。これはたいへんな問題だと思う。むしろそれを占用許可させた人を、国損を与えた者として、国民の名において処罰すべきだと思うのです。もしあなたが言うように、あるいは法律解釈どおりにするならば、河川敷ゴルフ場許可した人は、その人が許可を与えたために何十億何百億という国損を与えたのだ。これは汚職以上です。  そこで私は、次に、この玉川ゴルフ場になぜ私は補償したのだろうとまだ疑問が残ります。玉川ゴルフ場ができたときに、これは形式的には、五島昇さんが申請をして、そして神奈川県が一年間の占用許可をしたのでありましょう。その許可をしたゴルフ場の開幕式というのですか、落成式というのですか、これに当時の建設省の事務次官以下、局長さん連中が行って盛大な開幕式が行なわれたということが伝えられておりますが、大臣、これはどう思いますか。河川敷管理している建設省が、神奈川県を通じてここにゴルフ場をつくらして、そしてそれに建設省の次官以下局長さん連中がみな行って、ここでお祝いをした。自分が管理しているものを局間会社に貸し与えておいて、そこがお祝いするときに行って、それを今日取り上げるので三十億の利権を与えた。大臣どうお考えになりますか。これはあなたが大臣でなかったときのことですから、遠慮なくお話し願いたい。
  38. 小山長規

    小山国務大臣 大体河川敷を何に使用させるか、これはほったらかしておいてもいいわけでありますけれども、それをたとえば運動場とかあるいはテニスコートとかいうことのために借り受けたいという希望がある場合に、河川の使用目的からいって、つまり、洪水の場合に支障がないようなものであるならば貸していいという判断をしたことは間違いないと思うのであります。その当時は、おそらくここに橋がかかるとか道路ができるとかいうようなことは、当然想定しなかったのであろうと思いますが、そういうような貸し力というものは、いまでこそ東京周辺で問題になっておりますが、これは茨城県に行ってもどこに行っても、河川敷を使わしてくれと言った場合に、断わることもできますが、また貸しちゃいかぬということもないわけでありますから、そこで当時の判断に従って、それはひとつ貸してもよかろうということで貸す場合はあったろうと思うのであります。ところが、いま考えてみますと、おっしゃるように、河川敷をいよいよ使おうとすれば、財産権だ、それは補償しなければならぬという法律があるので、こういう事態が起こってみればいかにもおかしなことに考えられるわけなんです。私はそこで、そんな補償をしなければならないくらいなら、なぜもっと高い使用料をとらなかったのだという議論もしてみたわけなんです。ところが、これは考えてみると、少し無理な点がありますのは、河川敷でありますから、洪水が出ますとその土地が荒らされます。荒らされた土地は、河川敷を使用している人たちが自分の費用で直さなければならぬわけですから、それの修繕費まで含めていきますから、勢い安い賃料でもしょうがない、こういうことになるわけでありましょうけれども、本来そんな高いものを払わなければならぬというような前提であるなら、それ相応に高い使用料をとったらよかったではないかということも考えられるわけですけれども、それは過去の問題としまして、問題は今後の問題でありますから、今後の問題として一体どう処理をするのかということをわれわれは政治家として考えなければならぬ。そこで先ほど申し上げましたように、将来公園とかそういうものにある程度政府が計画を持っておるという前提のもとにものを考えますと、これはそう永久に貸すものではありませんよという前提のもとに貸すという制度をつくりあげなければ、また同じような問題が起こる。そこで先ほども申し上げましたように、国民広場として使いたいという政府の考えがあるわけですから、そこで国民広場、その他公共の目的に合致すると考えられるものを事例的にあげまして、こういう目的のために今後貸さないとか、あるいは途中で使用を取り消しますよという場合には補償しないという契約書をつくる必要があるのじゃないか、こう私は考えたわけなんです。その契約書をつくるについて、その相手方が異議がある場合に、一体補償の必要があるのかないのかという点が、まだ疑問が残りますので、その点をいま検討しろ、こういうことを言っておるわけです。
  39. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大臣、この玉川ゴルフ場資本金というのは、払い込み資本が一億一千二百五十万です。そこでさっきの計算補償するといたしますと、まあ三十一億の補償をしなければならぬわけです。そうすると、一億一千万円の資本金ゴルフ場が、いま財産権として補償しなければならぬという前提に立つならば、一億一千万かけて三十一億もうかる、結局二十八・四倍の補償を払わなければならぬ、あなたの言うように、財産権として認めたら。私は認めません。これは幾ら法律がそうなっておっても、何がなっておっても、もしそれを認めるのだったら、河川敷を貸した人についてやはりこれを補償してもらわなければいけませんよ。もしそういうことになったら、大問題です。ましてやこのゴルフ場を一つ取り上げただけでも——ゴルフ場関係だけでも五島昇さんに六十万平米ですよ。自動車練習場を入れたら八十五万平米、八十五億ですよ。八十五億の利権を与えたということになるのじゃありませんか。利権を与えたということですよ。そこでこれが財産権で補償しなければならぬ、すべきかどうかという点については、あと——あなたのように補償しなければならぬと法制局が言っておるという解釈ならたいへんなことですよ。建設省は、河川敷として五島昇さんに八十五億を利権として差し上げた、その差し上げた人の責任はどうなるのですか。ましてやこの玉川ゴルフ場の落成式に次官以下——建設大臣が行ったかどうか知りませんけれども、お祝いに行ったということはあなたは御存じですか。いかがですか。
  40. 小山長規

    小山国務大臣 これは少し前提が飛躍し過ぎておると思います。と申しますのは、先ほど道路公団のほうの総裁が言いましたように——あなたは単純にそのつぶれた土地とそれから補償された金額とを比べて、それを平米当たりで割っておられますけれども、先ほど道路公団総裁が言いましたように、補償したのはそのつぶれた土地の代価を補償しておるわけじゃないのであります。それはそのつぶれた土地のためにゴルフ場のコースを改造しなければならぬ。それは相当たくさんの改造をしたろうと思うのでありますが、その改造に要する費用、それが妥当であるかどうかということは、十分に検討されておると思うのであります。その改造に要する費用、それから改造期間中に生じたところの損失、入場料が普通の平均よりもそれだけ減っておったというおそらくそういう根拠があってしたと思いますが、その根拠については、あとで御質問があれば答えさせますけれども、そういう根拠のもとに出した数字でありますから、いまの千何百平方メートルのそのものに対して三千何百万払ったわけではない。ですから、いまあなたの御立論のように、その割合で六十万平方メートルを補償する、そんなことはありっこないわけなんです。そうでなくして、かりにこの問題を解決する場合に補償するとするならば、一体投下された費用に対してやるのか、あるいは資本金に対してやるのかというような程度が問題になるかもしれませんが、いまおっしゃったような、そういうものさしで何十億というものになるなどということはとうてい考えられません。
  41. 勝澤芳雄

    勝澤委員 落成式の話をしてくださいよ、大臣。さっきからそればかり逃げている。大臣がしなければ私がしますよ。
  42. 小山長規

    小山国務大臣 落成式の話は、私は行ったかどうか知りませんが、これは政治の問題ではないから御判断にまかせます。
  43. 勝澤芳雄

    勝澤委員 政治家だから私は言うのです、役人はそういうことは言えませんよ。私が言っているでしょう。玉川ゴルフ場を神奈川県知事が貸したかもしれませんけれども建設省も承知をしているのですから、そのゴルフ場の落成式に河川局長が行ったりあるいは官房長が行ったり次官が行ったりしたらどうなるのですか。そうして坪九円で貸したものが利権として一万円にもなっている。あなたは補償金の問題については枝葉末節的なことで私の意見と食い違っていますけれども営業補償というものをかりに全部廃止させるということで考えたら一体何年分を補償するか、これは大問題ですよ。ですから、私のような計算にはならないかもしれない。一平米一万円にはならないかもしれないけれども、しかしその半分や八割くらいになることは確実ですよ。もしならないとするならば、あなたのほうはそういう計算を出してもらいたい。  そこで大臣、これはあなたの時代ではございませんけれども、この玉川ゴルフ場は今日建設省ゴルフ場だといわれているのですよ。大臣、これは御存じですか、どうでしょう、返事を聞きましょう。
  44. 小山長規

    小山国務大臣 私は別に建設省ゴルフ場とは知りません。  それからもう一つは、お尋ねがあるから申し上げますが、おそらくこれは神奈川県が管理しているから、神奈川県が玉川ゴルフ場に貸して、そして使用料を取っているわけです。それがおそらくその当時神奈川県なら神奈川県からあるいはゴルフ場を経営する人から招待状がきた場合に、行っても行かなくてもこれはいいわけです。ですからたまたま行ったから建設省がどうだとか行かなかったからどうだということは私はおかしいと思うのであって、その当時はおそらく儀礼として行ったのでありましょう、交際の範囲内でおそらく行ったのでありましょうが、そのこととこれとはそんなに結びつきはないのではないかというふうにお答えを申し上げたわけです。
  45. 勝澤芳雄

    勝澤委員 建設直の幹部がこのゴルフ場の会員になっているというのは、あなた御存じですか。
  46. 小山長規

    小山国務大臣 入っているかもしれませんが、私は別に承知しておりません。
  47. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は、ゴルフ場の会員になっているというのを実は聞いているわけです。ゴルフ場の会員にかつての建設省の人が入っているか入っていないか、御存じの建設省の官房長官でも局長でもけっこうですから、どうでしょう。現役の方でなくてもいいです。私はまず入っているという前提で・・。
  48. 小山長規

    小山国務大臣 入っているという前提でお答えします。  入っているかもしれませんが、それは正当な会員の入会金を払って入っているのでしょうから、別に政治上の問題にはならぬと思います。
  49. 勝澤芳雄

    勝澤委員 正当な会費を払ってお入りになっているでしょう。しかし一億程度でつくった資本金会社ですね。そしていま道路公団補償金を払ったために財産権として認められたということになれば、それはこのゴルフ場の価値はうんと上がるわけです、会費のプレミアムとか——私はゴルフをやったことがないからよく知りませんけれども、株主を見てみなさい。政治家が株主に入っているじゃないですか。名前を申し上げる必要がありませんから申し上げませんけれども、株主に入っている。それから会員に建設省の役人がかりに入っているということになると、補償金を払わせることによってその会員権に対するプレミアムというものはますます大きくなるじゃありませんか。その会員にはだれが入っておるかと私が聞きますと、当時の次官の石破さんが入っておった、あるいは官房長の柴田さんが入っておった、あるいは河川局長の山本さんも入っておった、いまの現役の幹部でも入っておるといううわさがありますよ。これは政治を正す意味において、綱紀を粛正する意味において、あなたのようなものの考え方では通らないと思うのです。どうでしょう、法律上間違いがない、個人で入会したのだからそれはいい、あなたがいつまでもそう言っておられるなら、それでけっこうですから、私はもっと新しい事実について質問したいと思いますが、いかがですか。
  50. 小山長規

    小山国務大臣 これはゴルフを好む人がどのゴルフ場の会員になろうと、そういうことは差しつかえないと思いますが、いまあなたの立論の前には、そういう者が入っておることによって補償金額が高くなったり、あるいはたとえば、これを解散する場合に、その補償幾らかでもつり上がるのではないかというふうな前提があるように、私は邪推かもしれませんけれども、そういうふうなお話のけぶりが見えるのでありますが、先ほどから私が申し上げておるように、たとえば新しい契約をつくるということになれば、その問題は当然消えてくるわけでありまして、その場合の補償が一体妥当であるかどうかということは、最後は裁判所の解決すべき問題なんであって、建設省がかってにその会員に利益を与えるようなことをたくらむはずはない、これだけは御信用願いたいと思います。
  51. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会員に入っておることはどうですか、大臣
  52. 小山長規

    小山国務大臣 それはいいじゃありませんか。
  53. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは資料の要求を出しておきます。  この河川敷多摩川ゴルフ場の会員の中に、かつて建設省の役人であった人たち、いま役人である人たちは、だれとだれが入っておるのかということをお調べになって、資料として出していただきたい、いかがですか。
  54. 小山長規

    小山国務大臣 出すのはちっとも差しつかえありません。
  55. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは出してください。  そこで次に、補償金の中の営業補償考え方道路公団でも建設省でもけっこうですが、営業補償考え方は休業期間中の補償として五百六十一万をお支払いになったわけでありますが、かりに占用許可を取り消して、そしてそのゴルフ場をやめさせるということになったら、今度の営業補償との関連においてどういうふうにお考えになりますか。
  56. 小山長規

    小山国務大臣 それは私がお答えいたしますが、今度の補償ゴルフ場が継続されるという前提で、そのためのコースの改造費あるいは休場中の入場料のとれなかったものと、あるいはそれに要する経費を差し引いた残りだと思いますが、そういうものを払っておるのであって、今後たとえばそういうゴルフ場をなくしてしまおうというときには、これは新たなる別の観点からその補償の問題が、かりに補償しなければならぬとするならば、するといたしましても、それは新たなる条件のもとに算定すべきであって、この問題にからませて、このときにこうであったから全部やめるときにはこうでなければならぬという立論は成り立たぬ、私はこう思っております。
  57. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国鉄にお尋ねいたしますが、国鉄もこの多摩川鉄橋の建設工事にあたりまして、河川敷についての補償金を払っているわけでありますが、この経過と内容についてまず御説明願います。
  58. 池田正一

    池田説明員 お答えいたします。  実は東海道新幹線の建設にあたりまして、多摩川の鉄道橋をどうしてもつくらなければならぬということで、河川敷を使用するということについて、神奈川県と設計協議をいたしました。その際に、現に当該河川敷を使用してゴルフリンクを設けて営業を行なっている東京急行電鉄株式会社の同意書を徴することを求められました。そこで東京急行電鉄株式会社と協議いたしました結果、補償金の支払いを条件として同会社の同窓を得るということで、三十六年の話でございますけれども設備移転の補償金といたしまして百五十三万七千四百九十七円、営業補償金といたしまして、六十四万三千二百九十六円、合計いたしまして三百十八万七百九十三円を支払っております。
  59. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それからもう一つ、道路公団ですか、東名高速道路関係自動車練習場補償金を払ったということですが、この経過はどうなっておりますか。
  60. 美馬郁夫

    美馬参考人 趣旨は先ほどの玉川ゴルフ場に対すると同じでございますが、東名高速道路建設につきまして多摩川河川敷で、株式会社トヨタ教育センターというのがございまして、そこが自動車練習場をやっております。それを一部東名の橋がつぶすことになりますのでそれに対して、やはり内容はつぶれたところの施設の移転費と、工事中あるいはその建物を相手が復旧する間の営業補償、こういう金を合計いたしまして千二百万出しております。
  61. 勝澤芳雄

    勝澤委員 補償金の明細をもうちょっと説明してください。
  62. 美馬郁夫

    美馬参考人 少し詳しく申し上げますと、神奈川県に対して占用許可申請を出したのが三十九年一月二十日、許可になりましたのが三十九年十一月二十五日、そういうことで補償契約をやっております。  内容といたしましては、代替駐車場の工事費が五百二十七万九千円。これは橋の下に駐車場が埋もれますのでそれを他の場所に移転する工事費でございます。それから駐車場の配線関係工事費が八十九万八千五百三十円。それから子供用の自動車施設がございまして、ゴーカートと申しますが、ゴーカート・コースの仮移設工事費として四十五万六千五百七円。それから橋がかかるために正式にゴーカートのコースを移転しなければなりませんから、その最終的に移転する本移設工事費として二百五十二万七千七百七十五円、これは施設の移設費でございまして、そのほかに通計六ヵ月休業いたしますからその休業補償費として三百六万六千六百四十二円、これを合計いたしまして先ほど申しました千二百七十六万八千四百五十四円支払っております。
  63. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この補償金を支払うにあたって、むろん建設省とは事務打ち合わせをしておやりになったのでしょうね。
  64. 美馬郁夫

    美馬参考人 建設省とは直接やっておりませんが、河川管理者東京都でございますから東京都とは何回にもわたりまして折衝いたしております。先ほど国鉄のほうからお話がありましたように、私どものほうで占用許可申請書を三十九年の一月に出しておりますが、そのときに相手方と話をつけて同意書を持ってきなさい、こういう河川管理者の話でございますので、そこで同意書をとるために補償の折衝をして、話がついて同意書を出して正式の許可を得た、こういう形になっております。
  65. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この河川管理者である知事は、道路公団が施工する道路工事は公共目的に沿ったものであって、これは新法の七十五条二項五号の「公益上やむを得ない必要があるとき。」には取り消し、変更の処分ができる規定があるのにかかわらず、道路公団は単なる私的企業と同一の取り扱いをして両者で同意書を持ってこい、こういう行き方なのですね。そこで河川管理者として公益上やむを得ないものであるという取り消し、変更をなぜ要求しなかったのですか。そのことは、道路公団というものは土地収用法の適用までできるところなのでしょう。それがお互い私企業同士で話し合いをしてこいという補償のさせ方というかされ方というか、その点の可否はどうお考えになりますか。
  66. 美馬郁夫

    美馬参考人 その点につきましては、河川管理者の扱いが、新しい河川法のたてまえでは河川管理者が取り消し処分をして、そして河川管理者がその相手の会社に金を払って、それを道路公団に請求するという法律のたてまえにはなっておりますが、実際はそういう扱いにしておりませんで、お互いに補償の話をしなさいという慣例になっております。そのときにお尋ねの一年の期限であるから取り消しを待てばいいのではないかということだろうと思いますが、やはり河川法の解釈が、河川管理者も一年で取り消す気持ちは持っていないようであります。そういうことからただいまのようなことになったのでございます。
  67. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それは先ほど大臣説明の中でも財産権というものの見方をされているということですから、占用期間が切れようが継続されていようが同じ考え方だろうと思います。  そこで私は考えるのですが、東京都あるいは建設省あるいは神奈川県がこれを取り上げる場合にはどういう取り扱い方になるのかという点について疑問を持つわけです。道路公団なり国鉄の場合はわかりました、当事者同士で協議をしてこい、これは建設省なりあるいは国が直接の場合はどうなるか、建設省、この御見解はどうですか。
  68. 上田稔

    上田政府委員 河川関係工事をやります場合におきましては、これは新法に書いてございますが、七十六条には通常受けるべき損害に対しては、期町中に取りやめる場合には、補償の支払いをするということになるわけでございますが、ただし、河川工事をやるというのは大体全体計画がきまっておりますようなところにつきましては、これは計画が大体何年後ぐらいにはできるであろうということをきめておりますので、きめておると言うとおかしいですが、はっきりした年次はわかりませんが、たとえば五年先ぐらいにはここのところはどうしても護岸をやらなくてはいけないからつぶれますよ、あるいはまたそのほかの工作物をつくるのでつぶれますよということは大体言っておりますので、それを向こうのほうもお考えになって占用をおやりになっておる。したがいまして占用料補償ということをほとんどやらずにいっている例が多いのでございます。
  69. 勝澤芳雄

    勝澤委員 かりに建設省が直接いまの日本道路公団の行なっている工事を行なったとしたならば、玉川ゴルフ場についての補償はどういうふうな見解になりますか。
  70. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 多摩川のようにすでにゴルフ場等に占用されている場合に、建設省が直接、橋をかけるという事例が実はございませんので、お答えになりませんが、ただいまお話しのような従来の河川法あるいは新河川法のものの考え方によって扱うことになるのではないかと推定いたします。
  71. 勝澤芳雄

    勝澤委員 具体的にはどういうことですか。道路公団と同じことだということですか。
  72. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 おそらくそういうような形になるというふうに申し上げたわけでございます。
  73. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この問題は国民の利害にたいへん重大な問題です。一係が占用許可をしたために何千万、何億という国民の血税が支払われなければなりません。  そこで私はひとつ委員長に要望いたしておきますが、東京都、神奈川県関係者、それから玉川ゴルフ場の五島昇さん、関係者、この関係をもう少し詳細に調査しまして、そしてほんとうのあり力というものを明確にさしたいと思うのです。そうしないとこれはたいへんな問題です。幾ら河野さんが力があるからといって、国民の血税をこういうことによって損失するということは許しておくわけにまいりませんから、ひとつあとで理市会でおはかりいたしますが、そういう関係者を呼んでいただきまして、ほんとうの河川敷管理のあり力、補償のあり方——むろん会計検査院の見解なりあるいは大蔵省の見解なり明確にしたいと思うのです。そしてこれによっては占用の許可取り扱いをどういうようにするのか、あるいはまた補償取り扱いをどういうようにするのかという点について明確にいたしたいと思いますので、この問題は次にそういう参考人を呼んでいただいてもう少し調査を進めるということで、私は次の問題に移りたいと思うのです。  神近先生が関連がありますので・・。
  74. 神近市子

    ○神近委員 多摩川ゴルフ場の問題は、ずっと私は近いところに住んでいるので、大体の場所も知っているわけですけれども、私の子供たちは会員になっていないものですから、入場料がたいへん高いということをしょっちゅう言っていたのです。それで伺いたいのですが、これを経営する人たちの収益は一体どのくらい、人数——玉川ゴルフ場というと、ときどき役人方もあるいは大臣方もおいでになるようですけれども、一体どれくらいあるものか、それから会員の会員権というものは株と同じようなものなのか、そしてどのくらいの会員費というようなものを出しているのか。   〔委員長退席、壽原委員長代理着席〕 ちょっとそれがおわかりになればこの問題の処理についていろいろ参考になると思います。その月々の収益が平均どのくらいになるか、それから会員がどのくらいいられて、どのくらいの金が払い込まれているのか。
  75. 上田稔

    上田政府委員 玉川ゴルフ場につきましては私も全然承知いたしておりません。したがいまして、いまの会員数もわかりませんし、どのくらいの会費をお取りになっておるものか、あるいはまたそういうビジターというものに対してどのくらいお取りになっておるのか、それも全然わかりません。後日調査をいたしまして提出をいたします。
  76. 神近市子

    ○神近委員 いまいろいろ伺うと、それに補償ということになれば、一つの営業として見ているわけでしょう。そうすれば、収益の問題が二度も出なかったけれども、たいへん大事なことだと思う。それで私はそれを調べていただきたい。一体利益金というようなものは、それにはどのくらいかけてあるのか。そういうことも伺いたい。
  77. 美馬郁夫

    美馬参考人 私どものほうの多摩川のゴルフの場合の営業補償は、要するに資料を出させまして、月に村名来るかということを計算しまして、その人が大体工事中二割来ないだろうということで二割の収人減、普通、二割来れば、当然これだけの収入があったということを、二割来ないためにそれだけ収入が減少になっております。それともう一つは、工事中で非常に不便を感ずるので、皆さんの料金を百円とか二百円安くしております。そういう料金を割り引いたことに対して会社損失しますから、その損失工事中の三カ月間補償するというようなことで、直接利益に対して幾ら出すとかいうことでなくして、実際、入場者減とか、あるいは料金を安くしたことによって普通、当然来る人がどれだけ来なかったから減少したかという計算で出しております。
  78. 神近市子

    ○神近委員 その二割減で幾らという割り当てが出たならば、それを倍にすれば大体の見込みは立つわけでしょう。平均、大体どのくらいの人数が入っていて、それにはどのくらいの収入があったかということは、ここで言えるはずじゃありませんか。
  79. 美馬郁夫

    美馬参考人 それではゴルフ場の損夫補償の基準になっておる、営業補償の基準になっております数字をあとで提出いたします。
  80. 神近市子

    ○神近委員 そんなに営業としてはやっておれば、相当もうかるからこんなにはやっておるのでしょう。だから、それがどの程度もうかっておるかということをお伺いしたいのです。
  81. 美馬郁夫

    美馬参考人 私のほうの計算を出しましたのは、必要があれば資料を出しますが、収支とかそういう計算でなくして、入場者が減少するためにどれだけ入場料が減ったかということで減った人員を出させまして、それを根拠に金を払っております。入場者減による補償をやっております。これを営業補償としております。
  82. 神近市子

    ○神近委員 減がわかって、大体二割でこのくらいの金だということがわかっていれば、それを還元すれば全員の数がわかるはずじゃありませんか。
  83. 美馬郁夫

    美馬参考人 ですから、入場料の関係でありますれば、これがすぐわかります。これを0・二で割ればけっこうでございますから。ただ、会社全体の収益とか、そういうものは私どものほうでは基礎にしておりませんから。
  84. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの補償の問題ですが、私も、さっき町間がなくてやめておいたのですけれども、これはやはり玉川ゴルフの全体的な営業収支の状態を調べなければいかぬのですが、全体的な営業収支の中で今度の問題がどうなるか。あなたのほうの補償のしかたは、とにかく来場者減、及び割り引き料金による損失が四百二十四万円だ。それから食堂その他の損失が百三十六万だということで、食堂のほうは食堂から売店からたばこから、何かこまかい計算をずっとやってあるわけですね。それで補償金計算をいたしておりますけれども、私らからいうならば、全体的な、一体この玉川ゴルフ場というものは年間どういう収支になっているんだろう、それで毎年どうなっているんだろう、その中で一体これだけの損失が正しいかどうかということが明確にならなければこの補償金計算のやり方がどうか——補償金そのものの考え方がまず第一の問題ですよ。補償金をかりに出すといった場合においてはこういうあなたのようなやり方でいいのか悪いのかという点があると思うのです。ですから、そういう意味で神近先生は言っているわけでありますから、ひとつこのゴルフ場の収支の状態、こういう点をひとつお調べになって資料として出していただきたいと思います。よろしゅうございますか。
  85. 美馬郁夫

    美馬参考人 承知いたしました。
  86. 神近市子

    ○神近委員 これは大臣に伺いますが、あそこは私どもよく子どもが小さいときにしょっちゅう遊びに行って、あの子どもたちの遊び場だったんですよね。それがいまゴルフ場になったということで、一時的にこれを営業化したということですけれども、今度河川敷国民の公園にするということになればもとに返るだけではありませんか。そんなにひどくあなたのようにこだわることはないと思うので、もともと国民が使っていたこれを、一時的に、勝澤委員のお話によればだれか局長許可したということがはさまるだけで、もともと国民に返るのだから、そんなにひどく——これが非常な損失をして国民にサービスしたという事実があれば別ですよ。その間に相当もうけていい思いをした人もあったということになれば、これはほんとうは無償で返すのがあたりまえだと思うのですよ。ですからあなたみたいにひどくこだわる必要はない。もともとあれは市民のものだった、都民のものだったということをお考えになって処理さるべきだと思うのですけれども、これはどうお考えになりますか。
  87. 小山長規

    小山国務大臣 私は神近さんの御意見のとおりなんでして、勝津さんが何十億もかかるじゃないかとおっしゃられますから、そんなにかかりっこありませんよと——それは投下資本だとか、そういうものに対しては場合によっては補償しなければなりませんけれども、一平米当たりが一万何千円だからそれの何万倍だ、そんなべらぼうな計算方法は、そういうものはありっこないんだという話をさっきしたのでありまして、ただ問題は、これは裁判上の問題で最後は解決しなければならぬ問題だと思いますけれども、一体、その一たん許したものに対して、それを今後禁止するという場合に、補償をしなければならぬのかどうかという点が一つ。補償するとする場合に一体どんな補償のしかたをするのか、この二つはやはり法治国でありますから残りますので、この点は十分に検討していく必要がある。だからそれを検討しておくようにということをいま事務当局に命じておるということを先ほど申し上げたわけなんです。
  88. 神近市子

    ○神近委員 一年ごとに契約が更新されているということがわかっていますね。そうすれば、ある予告の年限をつけて、その間に、営業者だから知恵も経営の才能もあるでしょうから、徐々に、たとえば三年とかあるいは五年とかという年限を切って、その間に彼らが損失がないようにやれということであれば、私はそんなに補償なんかは問題にならないと思うのですけれどもいかがですか。
  89. 小山長規

    小山国務大臣 私も実はそれをいま考えておるところなんです。そういう方法もあるんじゃなかろうかということも考えておるわけなんです。
  90. 神近市子

    ○神近委員 ひとつぜひその緑でやって、無償で取り返すことのできるようにお願いします。
  91. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に、あす東名高速道路の起工式もあるようでありますが、東名高速道路の大体の計画といいますか、全体的な計画、そして部分的に開通する面、あるいは予算的な面、こういう点はどういうふうになっておりますか。まず大まかな現状について御説明を願いたいと思います。
  92. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 私のほうから大まかなことを申し上げまして、詳細は道路公団のほうから御説明願います。  東名高速道路はすでに着工いたしてただいま工事中でございますが、ことにもっぱら用地の買収並びに特に架橋地点とかあるいは由比の地すべり地点とかいうような、工事を先に着手すべき点につきましては着工いたしております。完成の目標は、施工命令が昭和四十三年において供用開始という目標を置いておりますが、それに支障のないようなふうに予算措置をいたしております。詳細は道路公団のほうから御説明願います。
  93. 上村健太郎

    上村参考人 いま道路局長からお答えがありましたとおり、四十三年度中に供用を開始するという目途でやっておりますけれども、静岡と豊川の間は施工命令が私どもにきましたのがおくれておりますので、これは四十三年中になりますが、その他の地域、たとえば豊川から小牧までの間、特に岡崎から小牧までの間、あるいは清水−静岡、あの辺の非常に交通ひんぱんなところ、それと東京−厚木、そういうようなところにつきましては一日も早く完成をいたしいた。したがいまして、この区間につきましては半年以上繰り上げて開通するようにしたいという考えで動いております。工事の施工につきましては用地がだいぶ難航いたしましたので、用地の片づいているものから順に発注をいたしております。
  94. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは私も地元でよくわかるのですけれども、汽車が一時間二時間おくれたりとまったりする。これはマスコミの中でも大問題になるわけです。しかし、国道が詰まったというのはあまり問題にならないですけれども、現実には私はこれも大問題だと思う。私がいま住んでいる興津の町なんか国道が一本しかなわいけです。この間国道沿いに火事がありましたら、大体それが全面的に自動車が動き始めるまでに三時間から半日かかっているわけです。国道が麻痺してしまっている。あそこの警察官が、これは線路のない列車が走っているんだ——ですから山側から海側へ渡るのにおそろしくて渡れないような状態です。ですからしょうがないから地元で金を出し合ってひとつ道路を渡る橋をつくろうか、警察では金がないというようなことで、いま実におそろしいような交通心情なんです。ですから、そういう意味からいいまして、由比の地すべりを中心として工事がだいぶ進んでおりますけれども、私はやはり交通の砧まっているところは部分的に相当完成を何とか急がないと、これはたいへんなことになると思う。先般もあの洪水の時期には東海道の本線がとまった。国鉄がとまって、国鉄と並行している道路もだめになった。結局、道路と国鉄が動けないから、東海道がまさに麻痺したという状態が出たわけでありまして、そういう点からいいましても、私はやはりこの建設は大いにやっていただきたいと思う。特に道路公団総裁なり建設大臣に要望いたしたいと思います。
  95. 壽原正一

    壽原委員長代理 勝澤委員に申し上げますが、大臣はちょっと所用のために退席いたしたいということでございますが、よろしゅうございますか。
  96. 勝澤芳雄

    勝澤委員 けっこうです。  それでは次に、名神高速道路の状態でありますけれども、最近、名神高速道路をつくったときの計画によりますと、小型乗用車あるいは軽乗用車の計画は八・五%に対して実績は五〇%になっている。それから普通乗用車が六・五%に対して三・三%になっておる。小型貨物と軽貨物自動車が一一・二%に対して二七・九%になっている。普通貨物、それから小型貨物、普通貨物、トレーラーが六八・八%の計画に対して一一・七%になっている。バス、マイクロバスが四・七%に対して五・六%になっている。こういう計画で、最初は貨物自動車計画が六八・八%の交通量の予想をしておったようでありますが、実績はその六分の一の一一・七%の交通量しかないというふうに報告されておりますが、その反対に小型乗用車が実績では五〇%になっている。ですから、名神高速をつくって、この道路目的は産業振興というふうにつくられたわけでありますが、最初のこの交通緩和の計画からいきますと、少し変わった形の自動車の流れになっているようでありますが、この原因は一体どこにあるのでしょうか。
  97. 上村健太郎

    上村参考人 御指摘のとおりでございまして、当初予想いたしましたよりもトラック、特に大型のトラックが非常に少ないということになっております。これは名古屋の入口が一ノ宮になっております関係もあるわけでありますが、いろいろ関係のトラック業者その他に聞いてみますと、まだ、名古屋から大阪まで大型のトラックを走らせることにつきまして一便倹約するわけにいかない。つまり名神を通りましても、結局車も同じだし、運転手も同じ数だけ要る。それはどこかと申しますと、やはり一ノ宮から入るということが原因だ、こういうことを関係実業界の方々は言っておられます。私どもとしましては、一日も早く岡崎まで延長いたしまして——そういたしますと、相当なトラックが乗ってくるのではないかというふうに考えております。現在は御指摘のとおりであります。
  98. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、名神高速の現在の収支の状況はどういうふうになりますか。
  99. 亀岡康夫

    ○亀岡参考人 昭和三十八年度の決算によりますと、金利負担を含めまして約十億の赤字でございます。それから三十九年度は、目下概算しかできておりませんが、それによりますと、金利負担を含めて二十三億、この道路公団事業は御承知のように借り入れ金によって運営しておりますので、金利負担の負担が大幅になりまして、この金利を除きますと大体収支償っているというのが現状でございます。
  100. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで次に、路線別の採算の現状と、それから赤字路線の対策についてお尋ねしたいのですが、現在公団営業中の路線が四十七、建設中で未使用のものが二十三、この状態を見てみますと、いろいろ問題があるようでありまして、現況は、二十九路線が黒字で、残りの十八路線が赤字、その十八路線の料金徴収期限の三十年あるいは、五十年が到達して無料開放する時点において、赤字の累積見込み額は百十三億、その他末使用の二十三路線は同じく赤字累積は三百五十四億、合計四百六十七億となるようでありますが、公団では右のような将来の赤字を補てんするため、毎年各路線から一二%の損失補償引き当て金を計上して資金を留保しているようでありますが、この赤字路線の問題と、それから損失補てん引き当て金の問題、あるいは最近料金のプール制というような問題がいわれておりますが、これらについてはどういうふうにお考えになりますか。
  101. 亀岡康夫

    ○亀岡参考人 お答え申し上げます。一般有料道路の損益状況につきましては、勝洋委員のお話のとおりでありまして、一方におきまして黒字道路がございますが、他方においては赤字道路がある。その赤字がいま仰せのとおり、現在供用中の道路については約百十億、今後供用する見込みのものについて約三百五十億、こういうものの赤字をどうするかという問題がございますので、三十九年度決算からでございますが、全道路料金に関して一二%の損失補てん引き当て金という制度をとりまして、これを赤字補てんに充当するという考え方で、この率でありますれば全道償還期限までに赤字が補てんできるという計算になっております。  最後にお尋ねのプール制の問題につきましては、これは建設省ないし政府の御方針によってわれわれ事業をやっておりますので、私のほうからは答弁は差し控えたいと思います。
  102. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 有料道路のプール制の問題でございますが、これは一般有料道路につきましては、ただいまの制度は個別採算制度になっております。いまお話がございましたように、その中には成績のいいものと悪いものがございますが、ただいまは損失補てん埋め立て金という制度で全体が、赤字の道路についても始末できるように措置してあるわけでございます。しかしただいまお話ございましたように、一二%の損失補てん埋め立て金をしておりますが、本質的にはもう少し考え方を変えまして、これら個別採算のものを全体として経理する方法はなかろうかということで、昨年来いろいろ制度的に検討してまいったのでございますが、いわゆるプール制の問題につきましては、有料道路全体につきまして根本的な問題がございます。またいろいろなプールのしかたもございますので、現在の段階におきましては、そういう公共道路の有料制というものにつきまして、根本的に考え方を変えないである程度プールの運用ができないかということで、政令を中心にして若干の改正の案を検討しております。それは料金を徴収する期間につきまして若干のゆとりを持たせるということと、ただいますでにやっております損失補てん金埋め立て金の制度もあわせて生かす、こういうことでただいま検討いたしておりますので、なお近い機会にこれができますればもう少し詳細に御説明できますが、ただいま数字等につきましては関係の他の省とも相談中でございますので、そういう段階であるということを御報告さしていただきます。
  103. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それじゃ次に、この赤字補てんは、最初損失引き当て金は五%でしたが、三十五年一〇%、三十九年度一二%、こういう引き上げになっておりますが、いまのプール制度の関連で、この問題は、今後率が上がっていくのか、あるいはプール制になるのか、こういうことによって変わっていく、こういうことになるのですか。そういう点どうなんです。
  104. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 ただいま検討しております。政令の改正によりまして、この率は若干変わってくると思います。
  105. 勝澤芳雄

    勝澤委員 変わってくるということは、上がるということですか。
  106. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 下がる方向に変わると思います。
  107. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それから次に、国土測量の基本長期計画の実施状況についてお尋ねしたいと思うのです。国土の測量測量法によって行なわれているようでありますが、この計画を見てまいりますと、第一次基本長期計画、第二次基本測量長期計画ということで行なわれているようでありますが、第一次計画が、三十八年から三十七年にわたって十カ年計画をされたわけであります。その計画の実績をみてみますと、計画のほんの半分以下だというような状態で、たいへん残念だと思うわけでありますが一体国土測量というものがおくれているようでありますが、これはなぜおくれているのかということと、一体どこに原因があるのか、そして最終的にはいつまでにこういうものを完成するのかという点などについて、大まかな御説明を願いたいと思います。
  108. 金子収事

    金子説明員 お答えいたします。  いま勝澤委員のお話しのとおり、二十八年から始めて三十八年に第一次基本計画が終わったわけでありますが、当初の計画に対しまして、内容的に申し上げますと約半分ぐらいしかできておらないわけですが、おくれました理由といたしましては、予算、人員その他もございますが、特に測量技術につきましては、測量技術者というのは特殊な技能でございまして、短年度に一度にやれない面もございます。したがいまして、長期計画を立てたのでございますが、当初の長期計画そのものに多少無理な点があった、そういう点がございまして、第一次長期計画は実績が半分ぐらいしか上がっておらないわけでございます。そこで、この点を修正するために第二次の長期計画を考えておるわけでございますが、これは三十九年度を初年度といたしまして十年間の計画でございますが、新しく起こりました国土開発の問題とか国土保全の問題に関しましては、さらに、従来やっておりました基本図のほかに大きな縮尺の地図をつくりまして、そういった面の整備をはからなければなりませんので、そういう面も含めまして、新しい観点から第二次の長期計画を立てておるわけでございます。過去十年の経験によりまして、測量技術者も相当ふえてまいりました。また、従来は直営を主として、国土地理院みずからやっている面が多かったわけでございますが、だんだん測量技術も進歩してまいりましたし、また器械なども新しい器械が発案されまして、この測量方法なども改良が加えられてまいりましたので、新しい長期計画は、それらの能力ともあわせまして、十カ年で、大体従来考えております縮尺の小さい五万ないしは二万五千分の一の縮尺の図面、それから縮尺の大きい国土の開発の計画あるいは国土の保全の計画を立てる場合に必要な五千分の一あるいは二千五百分の一というような縮尺の大きい図面を対象に考えておるわけでございます。そういった整備を今後十ヵ年のうちに完成してまいりたいということで第二次長期計画をつくっておるわけでございます。三十九年度がその初年度にあたりまして、四十年度がその二年度に当たるわけでございます。   〔壽原委員長代理退席、委員長着席〕 大体三十九年度、四十年度の予算からまいりますと、現在の状況から見ましても、十カ年のうちには大体整備ができるんではないかという見込みを立てておるわけでございます。
  109. 勝澤芳雄

    勝澤委員 国土地理院の地図の値上げの問題について、この委員会に質問が出たわけでありますが、しかし、結論的に値上げはされたようですけれども、問題はやはり正確なものを早く整備してもらいたいという国民の期待もあるわけであります。料金は高くなったけれども、まだ依然として同じだということでは残念だと思います。そういう意味におきまして、最初の第一次十カ年計画では、その予算との関係があったでしょうが、実績というものははなはだ寒心にたえないわけであります。ですから、第二次十カ年計画において、私は、期待にこたえた方法で、予算を獲得をして、そうしてぜひ整備していただきたい、特にこれは要望いたしておきます。  次に、道路公団の問題でもう一つお尋ねいたします。  公団の用地を取得をして買収した残地や、あるいは工事川の建設プラントの敷地として買収した土地、あるいは土砂の採取の運搬道路として新設または拡張した土地、こういうものの土地管理がどうも不十分だという状態でありますが、この土地管理現況はどういうようにいまなっておりますか。
  110. 上村健太郎

    上村参考人 高速道路をつくります場合に、工事道路をつくりましたり、あるいは用地の所有者が残地はもう使えないということで買収を求められてあるのが、現在残地として相当残っております。これらの残地につきましては、不法占拠というようなことが起こっては困りますので、防護さくを設けましたり、あるいは管理について人を監視に回らしたりして、十分万全を期しておるつもりでございます。  なお、この残地は不用処分をしなければなりませんので、できるだけ早く適正な入札その他の方法によって払い下げをいたしたいというふうに考えまして、いま調査を急いでいる次第であります。
  111. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この残地処理の状態を見てみますと、ほんのわずかな人数でやっているようでありますね。それから、予算も一千万円だと言われておるのですが、残地処理のおくれることは、逆にいうと固定資産税、あるいはまたその処理のおくれている場所の管理要員というものをいつまでも置かなければならぬ、こういうことになるんじゃないかと思うのです。特に大蔵省の管財なんかに言うのですが、まだ国の財産があちらこちらにある。払い下げを申請してもなかなか払い下げしない。このことは管財の人間を減らさないためにそうやっているんじゃないか。だから、払い下げるものはどんどん払い下げちゃう。そういうものは過渡的なものなんですからという話はよくするんですけれども、しかし、道路公団は、過渡的なものはこれからも幾らでも出る問題ですから、やはりこの体制というものはこの際きっちりしておかなければならぬだろう、こう思うのですが、そういう点はどうなんでしょうか。
  112. 亀岡康夫

    ○亀岡参考人 ただいま御指摘ありました御趣旨まことにごもっともでございまして、昭和四十年度からこの管理ないし用地の処分につきましては、本格的にやっていきたいということで、建設省大蔵省にもお願いしまして、必要な経費の予算化、また事務手続の整備並びに処分方針の確立ということを事務的にほぼ仕上げまして、近くこれを実行段階に移したい、こういう体制にしております。
  113. 勝澤芳雄

    勝澤委員 道路公団を終わります。  次に、住宅公団についてお尋ねいたします。  最近、新聞の報道によりますと、公団住宅の建設について反対だということが、千葉、あるいは埼玉、神奈川県、こういうような受け入れの児で表明されておりますが、まあこれはいろいろ問題があると思うのです。これに対処するためにはどうしたらいいかという点で、住宅公団だけでこの問題は解決しようとしても困難だとは存じますけれども公団側として、あるいは建設省として、総合的にこの問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
  114. 挾間茂

    挾間参考人 ただいま勝澤委員からお述べになりましたとおり、住宅公団の受け入け事業施行しておりますところ、地域的に申しますと、主として東京周辺の県、千葉県、あるいは神奈川県、埼玉県等において、大団地の建設について、いろいろ要望等もございますし、またそのほかいろいろな御意見がございます。実はこの点につきまして、一番問題になりますのは、現在地価の高騰に伴いまして、たとえば東京都内において土地を取得いたしますことは、できないこともないわけでございますが、しかし、相当地価が上がっておるということは、いわゆる低家賃政策の上から申しまして、大量の土地を取得することが困難な状況です。その結果といたしまして、あるいは千葉県、埼玉県、神奈川県等に土地を求めるということに相ならざるを得ない状態でございます。それは、いずれも地元の市町村が財政的に相当予裕のないところでございますから、関連公共施設をつくる場合、たとえば街路の問題とか、あるいは学校の建設、保育所の建設、終末処理場の建設、下水道の問題とか、いろいろございまして、まあ、これをかいつまんで申しますと、結局地方団体の財政に非常に影響を与えるということが一つでございます。  もう一つ、いろいろニュアンスの違う点がございますが、神奈川県あたりでは交通の関係が非常にラッシュになる、こういうような御意見もございます。いろいろそういうような点につきまして、総合的に、私どもといたしましても、でき得る限りの方法を講じまして、地元県、あるいは市町村等と話し合いをいたしまして、財政的に援助する、援助の方法はいろいろございます。あるいは街路で申しますならば補助費につきまして、地元の公共団体と公団が両方で負担をする。あるいは学校の建設につきましては、公団で学校の建設をいたします。御存じのとおり、小中学校は地元公共団体の経営になるわけでございますから、これを有償譲渡をいたします。有償譲渡をいたします場合における譲渡の期間の延伸をはかりますとか、あるいはこれは関係各省とも御了解を得なければならぬことでございますが、起債の償還期限の延伸、据え置き期間の延長というような方法によって、結局は、長い目で見ますれば、その土地、地元市町村自身の発展にもなり、あるいは税収もふえ、町の発展になるわけでありますが、急場の場合、その当座の問題といたしましては、相当の財政負担がかかりますので、公団といたしましても、それをでき得る限り自己負担の部分を多くし、あるいはいま申し上げましたような起債の延伸というような方法をとりまして、地元の公共団体とよく連絡し、打ち合わせをいたしまして進める方法で、ただいま、千葉、神奈川、埼玉の県当局、また市町村当局とも累次打ち合わせをいたしまして、建設に着手している、こういう状況であります。
  115. 尚明

    ○尚政府委員 公団の団地に関連する公共施設その他の整備に関する問題は、ただいま公団総裁から御答弁申し上げましたとおりでございますが、これは事業を実施します日本住宅公団のみでは解決できない問題が多々あるわけでございます。そこで、一つの例を申し上げますと、たまたま小中学校の建設につきましては、建設省、自治省、大蔵省、文部省で、次官同士で申し合わせの文書をつくってございまして、とりあえずの建設費は日本住宅公団が立てかえて建て、これに三年以内に文部省が補助金をつけ、かつ自治省が起債をつけて、これを公団から買い取るというシステムで円滑にやっているわけでございます。このようにルールーがはっきりできまして、地元の公共団体に御迷惑をかけないようになっておりますのは、いまのところははっきり制度的にできておりますのは学校だけなんでございます。これでは、いろいろ最近に起こりました下水道の問題、あるいは道路、あるいは街路、そういう種類の問題にこたえることができないわけでございまして、これはどうしても建設省といたしまして関係各省との間に打ち合わせをし、また同じ建設省内としましても、街路、道路等につきましては都市同等と打ち合わせまして、事業をいたします公団がどの程度負担し、そうして地元の公共団体に補助で行なうものは、たとえば街路等の補助を都市計画の予算のほうからどの程度出すことにし、あるいはそれにつけます起債を自治省からいかに出していただくかというふうにいたします。それから、そういうふうに補助事業でやらなくても、長期の起債を用意しておけば片づく問題、先ほど申し上げましたように、将来は税収等が上がって、一応長い目で見ればペイする問題、これは長期の起債を認めればいいわけでございます。これらの問題につきまして、関連の公共施設をいろいろ分析いたしまして、そうして関係の省あるいは財政の当局とお話し合いを始めるべく、いま各種のデータをつくりまして、逐次、あるいは急いで、来年度の予算等にもできるだけ盛り込むようにいたしまして、できるだけ多くの種目についてルール化をいたしたいというふうに考えてせっかく勉強いたしておるところでございます。
  116. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの問題に対して自治省のほうはどういうふうにお考えになって、どんなふうにおやりになっておるのですか。最近の状態に対する見解と対策ですね。
  117. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 実は本日のお呼び出しが固定資産税の軽減のことだと思いまして、私、税のほうを担当いたしておりますので、ただいまの御質問、専門的な事項でございますと他日また関係局長をお呼び出しをいただきたいと思います。  一般的に申しますと、先ほども御指摘のように、各府県公団住宅返上の議論もあるわけであります。これは先ほど来いろいろ御議論がございますが、主として財政問題であろうと思います。これにつきましては、ただいま公団総裁住宅局長から御答弁を申し上げたとおりでございますが、やはり財政問題を解決しなければ国全般としての住宅政策を完遂いたしますにあたりまして、自治体としてもなかなか受け入れ体制ができてまいりませんので、関係省と連絡をとって、この辺についてせっかく努力をしていきたいと思います。  なお、財政問題のほかに多少行政問題もございます。と申しますのは、御承知のように最近、住宅公団の団地が都市近郊のいわば比較的農村地帯にできるわけでございます。そういたしますと、いままでの農村の地域社会と新しく団地ができました住民の階層というものが多少階層として違ってまいります。そういう点におきまして、新しく団地ができました場合に、財政問題も財政問題でございますけれども、同町にやはり一つの地域社会が形成できるような異質なものが入ってきたということでなくして、そういう市町村の住民の感情の融和というような面も今後検討をし、考えていかなければならないことではなかろうか、こういうふうに考えております。
  118. 勝澤芳雄

    勝澤委員 税の問題はあとで質問することにいたしまして、いま道路とかあるいは公園、下水道、上水道、学校あるいは市の出張所、交番、水道の出張所、公営診療所、保育所、終末処理施設というような問題で、本来国あるいは地元の公共団体が負担しなければならない問題があると私は思うのですが、公団が行なっているわけでございまして、結局こういう公団の公共関係の支出といいますか、こういうものが最近どのぐらいになっておるのですか。
  119. 挾間茂

    挾間参考人 正確な数字はここに持ち合わせておりませんが、もし必要でございますればまとめたものをごらんいただきたいと思いますが、いまお話しになりました点につきまして、三十九年度と四十年度を比較した二、三を申し上げてみたいと思います。  街路の問題につきましては、大体二十一地区三十四本の事業費九億三千七百二十万円を計上することになりまして、三十九年度の二億三千九百十万円と比べますと約四倍の公共事業費を計上することが認められたわけでございます。この団地の関連公共施設の整備の上にはよほど右利になってきたと思います。  それから公共用下水道の問題でございますが、排水施設でございます。これが四十年度におきましては、八地区八件でございますが、これに対する事業費といたしまして五億八千七百万円を計上いたしました。三十九年度に比べますと、三十九年度は一億二千五百万円でございますので約三倍半、四倍近くのことになっております。都市の下水道につきましては六地区、七件でございます。これが一億八千九百万円を計上いたしました。三十九年度の一億三千六百万円に比べまして五千数百万円の増加となっております。かような状態で、三十九年度に比べまして、四十年度におきましては、公団として行ないます事業量の金額を相当増額することができたわけでございます。関連公共施設全体を考えますと、四十年度におきましては、十七億五千百万円でございます。三十九年度の八億六千八百万円に比べまして、約八億数千万円の事業費を増額することができたわけでございます。  それから学校の問題でございますが、学校の問題につきましては、予算も四十年度は相当増額せられますし、また公団自体の内部的のやりくりによりまして、御存じのとおり公団に入居しております年齢層が低いものでございますから、漸次小学児童等が多くなってまいります。したがいまして、それらの増築等につきましても、でき得る限り公団において建てかえ建設をいたしまして、公団から譲渡いたしましたものについての償還の年限を延伸するという方法をその町村の財政事情を勘案しまして考慮を払っておるようなわけでございます。先ほど自治省からもお話がございましたが、財政負担の面につきましては、文部省の補助基準あるいは起債の据え置き期間、償還期限の延伸というようなことも、ぜひ私どもといたしましては考えていただきたい。たとえば新産都市の問題について特別の措置が講ぜられますように、この問題も考慮していただき、地元公共団体の負担をなるべく緩和して、将来りっぱな町づくりをするという方針で進んでおります。  なお保育所、幼稚園等につきましては、公営でやられる場合がございますし、また公益法人でやられる場合もございます。その土地につきましては、私のほうで大体の見当をつけまして、あらかじめ用地の用意をいたしまして、それを譲渡する場合もありますし、また貸し付けにする場合もあります。建造物につきましては、当方で建築をいたしまして、それを賃貸することもございますし、あるいは分譲することもございます。この分譲は年六分五厘で二十年年賦ということで分譲することもございます。  それから私設の団体にも土地を用意いたしまして、それを貸し付けして、みずからが建てられることもありますし、私のほうで建てまして、それを賃貸するという方式もとっております。希望があるところにつきましては、大体その希望に応ずるように、現在においては進めておるような状態であります。
  120. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あとの詳細についてはいずれまた別の機会にしまして、とにもかくにも住宅難のおりからこういう公団住宅を建設することについて反対だ、地元負担が多過ぎる、それについても、もろもろの問題を早急に解決してくれなければ困る、そういう点はもっともだと私は思うわけであります。これはそのしわを公団に寄せることについては少し問題がある。これは国全体で地元と協力しながら、利害を調整しながら、ほかのものと同じようなものの考え方でやらなければならぬ、こういうふうに思うわけでありまして、こういう点についてもいませっかく御相談なさっているようでありますから、やはり国民の期待にこたえて、不足している住宅をつくってくれという要望が実現されるように、ひとつぜひこの問題については特段の私は配慮をしていただきたいと思います。その点を要望いたしまして、この問題は終わります。  次に、公営住宅の固定資産税、都市計画税の滞納処分の状態についてお尋ねいたしますが、公団住宅の固定資産税の賦課問題は、公団発足以来たびたび問題になっておるようでありまして、従来自治省が、新築後三年間は五割の軽減、三年以降は四割軽減するように知事あて通達を出して協力を依頼しているようでありますが、この通達についてもいろいろ問題があって、たびたび課税問題が起こってくるのでありますが、最近では法的措置も講じているようでありますが、この過去の通達の経緯並びに法的措置の概要について御見解を賜わりたいと存じます。  それから、公団が差し押え徴収を受けたものが九千万円余、それから納付を告知されているものが数千万円あるといわれておりますが、現在までの措置、今後の課税問題について、公団はどういうふうにお考えになっているかという点などについてお尋ねをいたします。
  121. 挾間茂

    挾間参考人 課税自体の問題につきましては、自治省からのお答があると存じますが、ただいま勝澤委員からのお尋ねがございました具体的の数字についてまずお答え申し上げたいと思います。  現在住宅公団でいわゆる団地を経営しております市町村の数は、全国で六十四市町村ございます。このうちで、自治省からの通達がありますけれども、御存じのとおり、市町村はいわゆる完全自治体でございまして、市町村議会の議決を経てやることになっておりますので、この通達どおりに行なわれておりませんもの、すなわち当初三年間は半減、四年目以降は四割ということがそのとおり実行されていないのが六十四のうち二十五ございまして、強制徴収を受けております金額は、三十五年以降今日に至りますまでで三億十三万円程度になっております。これも公団といたしましては、自治省からの通達もあることでございますので、ぜひ軽減の実施をお願いしたいということを極力お願いをしておるような状況でございます。なお、現在の法制のもとにおきましては、昨年地方税法の改正に伴いまして、四階までの建築物につきましては五年間半額、五年以後は全額ということになっております。五階以上の建築物につきましては、十年間が五割軽減、以後はその措置をとらない、こういうことになっておりますので、その法律に従って、三十九年度以降に建設されるものにつきましては、固定資産税を家賃の中に、その程度におきまして軽減されたものを計上しておるわけであります。なお、住宅公団が発足いたしまして建設されました、すなわち昭和三十一年以降のものにつきましては、かつて自治省からの通達もございまして、三年間は五割軽減、その後は四割軽減ということになっております。昨年の地方税法改正に伴いまして、自治省からの通達がございまして、建設後三年間は五割、その後通計いたしまして十年間は四割軽減という通達が出されておりまして、相当の町村はそれに従っていただいております。なお、その財政措置といたしましては、御存じのとおり、地方交付税特別交付金を、かりに不交付団体であっても、特別交付税を交付するという自治省の御方針で進んでおりますので、そういう状況である公団住宅の公共性ということを考えていただいて、ぜひその御趣旨に従っていただきたいということを極力公団側といたしましては、関係市町村にお願いしておるようなわけであります。
  122. 宮澤弘

    ○宮澤政府委員 ただいまの総裁の御答弁を多少補足して申し上げますと、この経緯は勝澤委員、十分御承知のとおりであろうと思うのでございますが、全国的に住宅不足を解消するというようなことから、一般住宅、特に公団住宅につきまして、やはりその建設が促進されるような措置を税制面としても協力をしていくべきではないか、こういうことで起こったわけでございます。先ほど来御指摘のように、従来は行政指導と申しますか、おのおのの自治団体が、その判断に従って条例で減免をするわけでございますが、自治省といたしましても、公団住宅の性格にかんがみて、なるべくそういう方向で処置をしてもらいたい、こういうことで通達指導をいたしてきたわけでございます。その結果の数字は、先ほど公団総裁から申し上げたような数字でございます。しかしなかなか、通達ということになりますと、やはり自治団体の自主性と申しますか、判断によりまして区々にわたるおそれがありますので、昨年法律を改正いたしまして、これも先ほど総裁から御説明がございましたが、一般の住宅につきましては、三年間二分の一軽減をいたすわけでございますが、それに加えまして、特に中高層の建設を促進する、土地利用の高度化というような見地から中高層の住宅建設を促進をするということで、三階、四階、つまり四階までのものにつきましては、五年間二分の一、それから五階以上の高層建築につきましては、十年間二分の一、こういう法律の特例措置を講じたわけであります。したがいまして、財政上の問題といたしますと、御承知のように交付税をもらっております団体におきましては、財政需要と財政収入、その差を交付税で埋める、こういうことになっておりますが、法律上の制度ができましたので、公団住宅の税収が入ってきません分、特例措置によりまして減税が行なわれております部分は、この団体の基準財政収入額の減になってまいりますから、自動的に交付税で措置をされる。一応そういう制度的な保障が得られているわけでございます。したがいまして、法律改正以後につきましては、先ほど来いろいろ出ておりますような財政上の問題点は別にいたしまして、税制上の問題点といたしましては、従前のようなことはなかろうと思うのでございます。したがいまして問題は、先ほども御指摘になりましたような従前通達措置で指導しておりました当時のものについての税負担の問題があるわけでございまして、これはやる市町村とやらない市町村と区々でございます。私どもとしてはなるべく国の方針に沿ってやってもらいたいとは思っているのでございますが、またやらない理由といたしましても、財政上の問題が主でございますけれども、ことに比較的規模の小さい市町村で大きい団地ができますと、そこから上がります税収入というものはかなりなウエートを占めるわけでございまして、財政上の問題が主でございますが、やはり従といたしまして、その市町村にとりますと、公団住宅に入っております階層は、一般の人に比べますと何と言っても所得水準も高い、こういう印象を一般の公団住宅住民以外の市町村の住民が持つわけでございます。そういう住民感情からも、市町村としてはなかなかその公団住宅について特例措置を設けることがやりにくい、こういう理由もあったようでございます。単に財政上の問題ばかりでなくして、そういう市町村の住民感情からいって、公団住宅だけ特別措置をするということにあきたらない面がある、そういう点もあったようであります。根本はやはり従前通達指導でございまして、市町村の自主性というものも尊重されなければならないわけでございまして、と申しましてこれについてトラブルが起こって、それが拡大するというようなことも私どもとしていかがかと思われるわけでございますので、財政的には先ほど申しましたように特別交付税でその間の間隙を相当程度埋めていくというような配慮をいたしまして、従前のものもなるべくこの措置が円滑にまいりますように考えているわけでございます。
  123. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この減免をした場合の見返りの財源措置というものは、やはり自治省としては考えているようですけれども、これは先ほどの公団住宅建設の返上などというものとあわせてやはり十分私は考えるべきじゃないか。  それからこの公団側で考えなければならぬことは、公租や公課が平均家賃の九・四%だと言われておるわけでありますが、これは固定資産税の通達どおり減免された場合、あるいは全然減免されない場合、家賃として影響してくるわけでありますね。一応いまの家賃が二DKで七千円から八千円、あるいは三DKが一万円から一万五千円、民間と比較すれば安いと言われておりますけれども、やはり勤労者が入居する立場から考えればそう安い負担ではないので、そういう点からやはり公租公課の問題というものも、家賃を計算する場合にたいへん問題になると思うのですが、こういう点などについても十分お考えいただきたいと思います。
  124. 挾間茂

    挾間参考人 公団住宅の家賃の構成は、ただいまお述べになりました公祖公課、それから保険料の引き当て金、管理上の事務費、修繕費、地代相当額、それと元利の償却費というもので構成いたしております。ただいま御指摘になりました点につきましても私どもいろいろ考えておりますが、家賃といたしましては、お述べになりましたとおり、一般の民間の借家と比べますと非常に低廉でございます。なお、それに加えまして、公団の立場といたしまして、建築生産と申しますか、建築技術の量産化、近代化を十分研究をいたしまして、工期の短縮または建設費のコストダウンということにでき得る限り努力いたしておりまして、一昨年から量産試験場を設けまして、そこで生産技術の革新についての各面にわたる調査研究をし、試作をいたしておりまして、確信のついたものから順次実行に移すようにして、でき得る限り低廉なる家賃で、一般庶民の住まわれる住宅を供給するように努力いたしたいと思っております。
  125. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あとまだ質問がありますが、時間がありませんので、きょうはこれで終わります。いずれまたあらためて、公団土地造成の関係については資料を要求いたしますから、協力願いたいと思います。      ————◇—————
  126. 堀川恭平

    堀川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。すなわち、国有財産の増減及び現況に関する件調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  127. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人の出頭日時及び人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせします。  本日はこれにて散会いたします。    午後一時三十六分散会