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1965-04-08 第48回国会 衆議院 決算委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年四月八日(木曜日)    午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 田中 影治君    理事 田村  元君 理事 福井  勇君    理事 勝澤 芳雄君 理事 田原 春次君       神近 市子君    栗原 俊夫君       堂森 芳夫君    森本  靖君       山田 長司君    吉田 賢一君  出席政府委員         農林政務次官  舘林三喜男君         農林事務官         (大臣官房長) 中西 一郎君         農林事務官         (経済局長)  久宗  高君         農林事務官         (農政局長)  昌谷  孝君         農林事務官         (蚕糸局長)  大口 駿一君         農林事務官         (園芸局長)  林田悠紀夫君         林野庁長官   田中 重五君         水産庁長官   松岡  亮君  委員外出席者         農 林 技 官         (農地局参事         官)      永田 正董君         農林事務官         (農地局管理部         長)      石田  朗君         農林事務官         (食糧庁総務部         長)      亀田喜美治君         農林事務官         (水産庁漁政部         長)      山中 義一君         会計検査院事務         官         (第四局長)  小沢 定司君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         農林漁業金融公         庫       清井  正君         専  門  員 池田 孝道君     ————————————— 四月八日  理事竹山祐太郎君同月六日委員辞任につき、そ  の補欠として瀬戸山三男君が理事に当選した。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十八年度政府関係機関決算書  昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書  昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書(  農林省所管農林省関係政府関係機関関係)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず、理事補欠選任に関する件についておはかりいたします。  すなわち、委員異動に伴いまして理事が一名欠員となっております。この補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。よって、理事瀬戸山三男君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 昭和三十八年度決算外三件を一括して議題といたします。  本日は、農林省所管決算について審査を行ないます。まず、農林政務次官より概要説明を求めます。舘林農林政務次官
  5. 舘林三喜男

    舘林政府委員 農林政務次官舘林でございます。きょうは赤城農林大臣が出席いたしまして、昭和三十八年度の農林省関係決算概要の御説明を申し上げるべきでございましたけれども、他の委員会に出席いたしておりますので、たいへん失礼でございますけれども、私代理させていただきたいと思います。  昭和三十八年度の農林省関係決算概要につきましては、皆さん方のお手元に印刷物をお配りいたしておりますので、それによって御承知おきを願いたいと存じます。  どうぞ慎重に御審議いただきまして、何とぞ御可決くださいますよう、よろしくお願いいたします。
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 委員各位のお手元に配付してあります昭和三十八年度決算説明書は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  次に、会計検査院当局より検査概要について説明を求めます。小沢会計検査院第四局長
  7. 小沢定司

    小沢会計検査院説明員 昭和三十八年度農林省所管決算検査報告概要につきまして、御説明申し上げます。  三十八年度決算について指摘いたしましたものは、工事が八件で一千四百万余円、物件が八件で一千七百万余円、役務が一件で百万余円、保険が十七件で八千八百万余円、補助金が二百五十九件で十一億五千七百万余円、計二百九十三件、十二億八千万余円となっておりまして、三十七年度の二百九十件、十三億六百万余円に比べまして、件数におきまして三件増加し、金額で二千五百万余円減少しておりまして、昨年と大差はございません。  ただいまから個別案件につきまして、検査報告に記載してございます順序に従いまして簡単に御説明申し上げます。  まず、工事について申し上げますが、二二五号から二二八号までの案件は、工事計画設計または工事費の積算にあたりまして、現地の実情とか使用いたします機械の性能などの調査検討が十分でなかったために、工事費が不経済となっているというものでございます。  次に、二二九号から二三二号までの案件は、工事施行にあたりまして、監督、検収が適切でなかったため、施行設計と相違しておりまして、設計に比べて工事の効果が低下していると認められるものでございます。  次に、物件について申し上げます。二三三号及び二三四号は、自作農創設特別措置特別会計に所属いたします土地の売り払いにあたりまして、売り渡し価格の評価が適切でなかったため、売り渡し価格低額となっていると認められるもの、二三五号は、同じく自作農創設特別措置特別会計に所属する財産管理が十分でないという指摘でございます。  二三六号から二四〇号までは、国有林野事業特別会計所属土地貸し付けにつきまして、その貸し付け料の算定が妥当を欠いているために、貸し付け料が著しく低額となっていると認められるものでございます。  次に役務でございますが、政府食糧倉庫に設置してあります低温装置の電気の供給契約が適切でなかったため、不経済となっているというものでございます。  次は保険でございますが、二四二号から二五一号までは、農業共済保険事業運営が適切でないという事態でございまして、先般本制度の改正のこともございましたので、事業の適正な運営につきまして一段とその努力を期待しているところでございます。  次に、二五二号から二五八号までは、漁船保険金支払いにあたりまして、組合損害調査が十分でなく、てん補額が過大に認定されているのをそのまま認めて、過大な支払いをいたしましたり、あるいは保険事故でないものに対してまで再保険金を支払ったという事態でございます。  次は補助金でございます。二五九号から四九一号までは、いずれも公共事業関係のものでありまして、工事施行が粗漏となっているもの、あるいは出来高が不足しているもの等の事態で、従来検査報告に掲記しているものと同様でございます。  それから四九二号は、昭和三十八年発生災害復旧工事査定を了したものに対します早期検査を行ないました結果のものでございまして、被災していないもの、または被害が軽微であったりしているのに災害復旧査定を受けて改良工事施行しようとしているものなどにつきまして、検査の結果を当局に注意いたしましたところ、本院の注意に基づきまして当局査定額を減額是正いたしたものでございます。  それから四九三号か五一六号までは、一般補助関係のものでございまして、農業構造改善事業あるいは農業委員会特別事業などにおきまして、補助対象とは認められない事業に対しまして補助金交付しているものなどでございます。  それから五一七号は、食糧庁全国販売農業協同組合連合会に対しまして交付いたしました大豆交付金の認否が十分でなかったために、交付対象としてはならないものに交付したり、あるいは生産者交付されていなかったという事態でございます。  次に、改善処置要求及び意見表示をいたしたものにつきまして申し上げます。  三十九年七月及び十一月に改善処置要求または改善意見を表示いたしましたものは三件でございまして、三十八年度決算検査報告の一一六ページ以下に掲記してございます。一一六ページの(3)号は、農業委員会特別事業に対します補助金等の経理について適正化の要があると認め、是正改善処置要求いたしましたもの、また一一九ページの(4)号は、二カ年度以上にわたり継続施行いたします国営土地改良工事につきまして、工事を的確かつ経済的に施行するため、その予算等措置について改善意見を表示いたしましたもの、次の一二一ページの(5)号は、北海道所在の営林局が行なっております林産物検査の取り扱いにつきまして、改善意見を表示いたしたものでございます。  以上簡単でございますが、三十八年度決算検査報告概要説明を終わらせていただきます。
  8. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、政府関係機関当局である農林漁業金融公庫よりの資金計画事業計画等につきましての説明は、便宜委員会議録に掲載いたしたいと存じますので、さよう御了承願います。  これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  9. 堀川恭平

    堀川委員長 これより質疑に入ります。質疑の通告がありますので、順次これを許します。壽原委員
  10. 壽原正一

    壽原委員 水産庁にちょっとお伺いいたします。   〔委員長退席福井委員長代理着席〕  これはスケソウダラの問題ですが、あなたのほうで今年度から、向こう三カ年、漁業大手三社と称されるものが、一年間十二万トンという大量なソ連産のスケソウダラの買い付けを行なうというような話がありますが、この問題について、北海道沿革漁民、底引き、刺し綱、いろいろな業者間で非常にうわさになっている。なぜうわさになっているかというと、こういう大手業者が十二万トンもの大量なスケソウダラを三年間にわたって買い入れるということは、沿岸漁業並びに北海道を中心とする各業種が全滅の危険性がある、こういうことで騒いでおるのですが、その件についてあなたのほうへそういう申請なりあるいは許可をしてくれというような話があったかどうか、これをお伺いいたします。
  11. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 西カムチャッカスケソウダラ原魚輸入したいという計画が、日本水産あるいは大洋漁業等大手筋にあることは、私ども承知いたしております。しかしながら、それを承認しているという事実はございません。特に今後三年間にわたりまして大量の原魚輸入してミールをつくるということに対して、まだ水産庁としては何らの意思表示をしていないのでございます。御承知のように北洋水産株式会社が、先般ソ連産のスケソウダラを買いまして、ミール工船ミールにして輸入したいという申請をしてまいりまして、それに対しましては、三万三千トン原魚につきまして輸入を認め、本年試験的に操業するということでの許可を与えたものでございます。これは、いままで許可を与えた唯一のものでございます。しかも、試験的にやらせるということでございます。
  12. 壽原正一

    壽原委員 試験的にやらしたということで、試験の結果はどうでありますか。
  13. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 つい最近帰ってまいりましたので、まだ詳細な報告に接しておりませんが、大体予定のとおりまいったようでございます。で、このスケソウダラソ連船がとっておる水域は、日本漁船が入っていない水域でございます。流氷などの多い危険な水域でございまして、日本漁船はいまのところ操業いたしておりません。したがいまして、日本漁船ソ連漁船との間の紛争というようなことはございません。ミールも大体予定どおりつくられたようでございますが、問題にしておりますタラ子につきましては、許可を与えます際に輸入を認めておりませんので、これは乗り組み員のおかず用にとられた程度で、通関も行なわれておりません。その量は〇・五トン程度でございます。したがって、これが輸入されて国内の市況に著しい影響を与えたというような事実は、全くございません。
  14. 壽原正一

    壽原委員 原点でもって輸入するということは禁止してあるのですね。そこで、ミールにすると輸入してもいいという。ところが、うわさに聞いておるところによると、スケソウの問題で世間からいろいろ苦情が出ておるので、そのために、あなたのほうから監督官を乗船させた、こういう事実はありませんか。
  15. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 ミール関係監督官を乗船させております。
  16. 壽原正一

    壽原委員 ミール関係監督官を乗船させたという話ですが、われわれは、監督官というと、全般的に監督をする監督官と思ったら、あなたのお答えはミールだけなんだ。ところが、うわさに聞いてみると、この船にはスケ子技術者を四人くらい乗せて、それから大量のスケソウダラを積んでいったやに私は道内で聞いている。これはうわさだけですから、ほんとうであるかどうかという問題は、あなたのほうに報告があり、またあなたのほうで調査をした結果でなければわからぬだろうと思うのですが、この点についてはどうですか。
  17. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 そういう事実はございません。乗船いたしましたのはすべてミール専門家でございます。私ども承知しておる範囲では、いまのお話のようなことはございません。
  18. 壽原正一

    壽原委員 それでは、監督官——あなたのほうでは、スケ子技術者を乗せた覚えはないとか、あるいはスケ子——一般タラ子といいますが、タラ子のたるを積んでいった事実がないという正式な報告がありましたか。
  19. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは北洋水産の当事者から、文書ではまだ出ていないかと思いますが、私のほうの事務当局報告はされております。
  20. 壽原正一

    壽原委員 そこで、現在東京卸市場一等、二等、三等、四等品までタラ子が販売されておりますね。ところが、われわれの関知している限りでは、一等級、二等級、三等級までは北海道でややとれるものというふうに解釈をしておる。ところが、四等級にたると、これはたぶんミール加工船鵬洋丸が積んできたものではないかというようなうわさをしておるが、あなた方はそういうような状態、これをうわさでも聞いたことがあるかどうか、あったとするならば、それを調査した事実があるかどうか、この点を伺います。
  21. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 東京市場にそういうものが入っておるということは、私どもまだ聞いておりませんが、そういう、北海道のほうで非常に心配されたということは聞いておるのでございます。それで、つい最近、北海道の業界の相当な方でありますが、その方からも、私、直接伺いましたが、自分自身で見てこられたようですが、どうもそういう事実がないということを聞いております。
  22. 壽原正一

    壽原委員 なお、この点については、北海道漁業界で非常に問題にしておりますから、この点精密な調査の上、当委員会報告をしていただきたい。  そこで、現在問題になっておりますのは、北洋日水大洋大手三社が、十二万トンのミール加工船として、向こう三年間スケソウミール加工のために乗り出すという計画認可申請を出しておるというふうに聞いておるんだが、申請は出ておりますか。
  23. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 提出されておりません。
  24. 壽原正一

    壽原委員 これだけのうわさになってくれば、あなた方もそのうわさは十分聞いているでしょうが、そういう認可願いを出した場合、これを許可しなければならないというように考えるかどうか、これをお聞かせ願いたいと思います。
  25. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 私ども申請の内容をまだ見てないわけでございますから、いまからとやかく申し上げるのは適当でないかと思いますが、私どもとしては慎重な態度で臨みたいと考えます。現在国内における畜産が非常に伸びてまいりまして、ミールに対する需要が非常に伸びておる。これを輸入ミールで、製品の形で現在相当量輸入しておりますので、むしろ原魚で買ってミールにするというような考え方もむろん成り立ち得ると思うのでございますが、二面、製品による輸入にしましても、国内沿岸業者にも影響がございますが、原魚で買い付けましてもそういった問題も生じますので、その辺は十分慎重に考慮をいたしまして、特に大量にそれをやるというようなことについては、いまのところ全く考えていないと申し上げていいかと思います。
  26. 壽原正一

    壽原委員 こういう問題は、わが国の場合、特に北海道の場合非常に影響が大きい。あなた、いま、原魚で買い入れてこっちへ持ってきて加工すると言うておるが、原魚でこっちへ持ってくると、日本の場合、そのままタラ子をとらぬでミールにするというようには考えられない問題だ。そこで、タラ子をとるという場合になってくると、東北以北北海道にかけてのこのタラ子の問題について大きな影響がある、こういう点は、タラ子というのは、スケソウダラ製品の中で最も重要視されておるものでございますから、そのタラ子に重大な影響があるというこの膨大な輸入計画に対しては、相当慎重な態度でこれを行なってもらわなければならぬと同時に、これをやる場合、なまでもって輸入するということはとうてい考えられない問題だろうと私は考えるのですが、その点はどうですか。
  27. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 特にタラ子を入れるということについては、私ども最も消極的でございます。そういう方向にならないようにいたしたいと考えております。  それからやはり先般の北洋水産の場合と同じように、できるだけ工船原魚で買い付けまして船内ミールにするという方法でやるのが適当ではないか、こう考えます。
  28. 壽原正一

    壽原委員 長官考え方は、タラ子に対する国内影響が大きいから、そういう問題は将来とも慎重にやらなければならない。そこで、今年度やった鵬洋丸が行なった船内でのミール加工がいい姿である、こう解釈していいのですね。そこで、そういうふうなことで将来ともいければいい。もしあなた方の考えが変わって、なまで輸入されるなんというようなことになったならば、東北以北北海道にかけての沿岸漁業、底びき漁業というものは全滅してしまう。この北海道漁業のうちでスケソウダラ依存度が一番大きいはずなんです。スケソウダラ漁獲について、ソ連が毎年毎年そういうふうなことでた壁のスケソウ日本に売り渡さんがために漁獲をするということになると、この資源がだんだんなくなって、日本漁民がとるスケソウがなくなるのじゃないかという心配も漁民の間で現在しておるような結果になっておる。そういう見通しの点はどうですか。
  29. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 私ども鵬洋丸について試験的に許可いたしました際にも一番考えましたことは、タラ子輸入にならない、それからカムチャッカ当該水域におきまして資源的に日本漁船競合を起こさないということでございます。これは今後とも同様の考慮を払わなければならない、こう考えておるのでございますが、現在のところ鵬洋丸が買い付けました原魚は、日本漁船とは全然競合しない水域でございます。その点についての問題は起きておりませんが、しかし将来ともその点につきましては十分配慮する必要があるのじゃないか、こう考えます。
  30. 壽原正一

    壽原委員 あなたのお考えはよくわかりました。  そこでこういうスケソウダラ紛争というか、漁場の競合というような問題は、将来とも起こさぬような厳重な処置もとってもらいたいと同時に、そういう大手三社と称される大手が、工船によってミール加工のためにそれを買い付けするなんというようなことは、最初はそうであっても、最後はだんだんタラ子製造も行なうというような意向だということを聞いておる。大王三社が話し合いの中で、将来はタラ子製造にも乗り出すのだ。そうすると、一年間で十二万トンのスケソウ輸入するということになると、大体六千トンから八千トンくらいのタラ子がてきるわけです。現在北海道で最高できた年でも一万五千トンです。平均ならすと八千トンから一万トンくらいのタラ子しかできておらぬ。そのタラ子によってようやく沿岸漁業者あるいは底びき漁業書というものが細々ながら生活をしておるという現状ですから、この点はとくとあなたも御研究になっているだろうけれども、私は念には念を入れて、この問題をあなたによく言うておきますが、こういう沿岸漁業がもう死んでしまわなければならぬというような打撃を与えないような処置だけは十分とってもらいたい。  それから、この問題はこれであなたのお考えもわかりましたからなんですが、私が、昨年の十二月あなた方にわが党の水産部会において、北海道の底びき漁業者のいわゆる禁止区域拡大問題をお話ししたことがある。そのときに、それは存じておるという返事で、それから、それに関連してエビけたの問題の話を私が出したところが、その点はよく調査する、こういうような御返事であったように私は聞いておる。そこで、現存底びき漁業者沿岸漁業書とえらい争いをしておる禁止区域拡大問題、この話し合いは現在どこまでいっておりますか。
  31. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 当時から私どもとしましては、この底びき禁止区域の問題、エビげたの問題は慎重な態度をとっておるということを申し上げておるのでございますか、目下のところは、道庁が両者の言い分を聞きまして、その調整をやっておる段階でございます。私どもとしましては、道庁の正式の話が出ましてからそれに対する態度を決定いたしたい、こう考えております。いずれにしましても、底びき禁止区域の問題にしましても、私どもとしては非常に慎重ならざるを得ない、こう考えております。
  32. 壽原正一

    壽原委員 慎重ならざるを得ない、あまり慎重でさっぱりものが進まぬようだが、北海道庁でやっておることは事実です。事実ではあるのだが、沿岸漁業者と底びき漁業者との間の話し合いというものは、一体どの辺まできておるかということを私は聞いておるのです。あなたのほうの慎重な態度はよくわかる。北海道庁でそれをきめるとしても、最終的にあなたのほうへこういうふうにきめますからということを言ってくるはずです。その点一体現在の状態はどうなっておるかということを私は聞いておる。
  33. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 私も詳細まだ聞いておりませんが、いま問題になっておりますのは、北海道の北のほうの禁止区域の線の引き方で、沿岸漁業と底びき漁業者との間で話がなかなか折り合わない状況であるということを聞いております。
  34. 壽原正一

    壽原委員 これは漁のしかたでもって違う業者ですから、目的は同じであっても、その操業状態が違うのだから、相反することは当然の話です。それを指導し、また行政的に見てこれを改革するというのがあなた方の立場でなければならない。それを北海道庁にまかせてあるものだから、おれのほうはそれの決定を見るまでは何にもしないというあり方では、ちょっと沿岸漁業者並びに底びき漁業者に対しての誠意がなさ過ぎるのではないですか、前からの問題であるから。私はどちらにもひいきするわけじゃないのです。底びき漁業者の言うことを聞くともっともだとうなずける点もあるし、また沿岸漁業者の話を聞くともっともだというようにうなずける点もあるのです。あるのですけれども、どちらの言い分も、これは五分五分に、足して二で割るというような式でなくても、この辺で折り合いつけないかというような行政指導の必要があると私は現在のところ考えておる。のみならず底びき業者が全部こまかい魚までとってしまって、これは魚が枯渇するというような問題にからんでおるようであるが、それならばなぜエビけたなんというものを許可しておるかと言いたい。あなた方、エビけたの操業というものを見たことがありますか。その点どうです。
  35. 山中義一

    山中説明員 エビけたは北海道における小さい型の底びきというようにも考えられるのでありますけれども、その主たるねらいははえなわのえさにするようなエビ目的としているというたてまえになっております。中にはその点で分量的に若干よけいにとっておるというような向きもあるいはあるかもしれませんし、魚が枯渇されるという向きもあるかもしれませんですが、主たるねらいはえさを目的としている小さい底びきでございます。
  36. 壽原正一

    壽原委員 小さい底びきであろうとも何であろうとも、主たる目的は、エビけたというからにはエビをつけてやるにきまっておるのですよ。きまっておるんだが、はたしてあなた方が許可した条件に伴ってそれを行なっておるかどうかという操業を見たことがあるかと聞いておる。
  37. 山中義一

    山中説明員 漁政部長であります私はまだ見たことはありません。昔、見たことがあります。
  38. 壽原正一

    壽原委員 あなたが見て、そうしてそれが底びき類似行為ということがはっきりわかりますね。
  39. 山中義一

    山中説明員 底びきの一種であります。
  40. 壽原正一

    壽原委員 その点について、それはそのまま放任しておいて、そうして底びきだけの禁止区域を拡大しようというのは、一体どういうことなんですか。
  41. 山中義一

    山中説明員 その点は水産庁許可をあれしておるわけではございませんです。水産庁許可しておりますのは沖合い底びきでございます。あれは沿岸性のもので知事許可でございます。
  42. 壽原正一

    壽原委員 知事が許可しておろうともあなた方が許可しておろうとも底びきの類似行為、底びきと同じ操業をしているのですよ、あれは。あなた方は、昨年調査に行くと私に言うたでしょう。あれが底びきと同じ操業をしておって、それをそのままに放任しておいて、底びきだけを特に禁止区域を拡大しなければならぬという理屈は私は成り立たぬと思うのです。しかし、これも沿岸漁業との話し合いですから、その話し合いさえつけばそれはよろしいであろうが、そのエビけたは知事の許可だからどんな操業をしてもいいんだ。それであなた方の監督官としての立場が成り立つのですか。
  43. 山中義一

    山中説明員 まだことばが足りませんでしたが、あれは小型の一種ではございますけれども、現在の農林大臣が許可ワクの承認をしております小型底びきとはみなされない。えさをとるための底びきであるということで制限というか、禁止になっておりません。
  44. 壽原正一

    壽原委員 私はこう言うのですよ。底びきと同じことをやっているのですよ。一つも変わっておらないのですよ。あなたは見ないからまだわからぬでしょう。一ぺん見ていらっしゃい。見てくればよくわかるんだから。見てくればよくわかるのに、見ないで、ただ農林大臣の許可のワクじゃない、知事の許可のワクであるからそういうものは私の知ったことでないという行政のあり方はどうかと思う。これがはたして妥当であるかどうかということを聞いておる。
  45. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 もちろん知事限りの措置につきましても、漁業に関しましては一般的に農林大臣が指導してまいりますから、エビけた漁業の問題につきましてもいろいろ問題はあるということは私ども承知をいたしております。ただこれを一般の底びき禁止区域の拡大の問題とからみ合わせて問題にするということは、ちょっと問題の本筋から離れるという感じもいたしますので、私どもとしては先ほど来、北海道内で話がつかないものを水産庁がほっておいてはいかぬじゃないかという御趣旨のおことばがありましたけれども、やはりこれはまず第一義的には北海道の水産行政の問題でございますので、何といっても北海道の水産行政の立場から円満に話し合いがつくことが望ましい、その上で必要があれば許可もいたしますし、あるいは承認もするという態度をとっておるのでございます。まだ十分にその機が熟していませんのに水産庁が乗り出しまして現地の話し合いに加わってどっちかの方向へ持っていくというのは少し尚早ではないか、こういう感じを持っておるのでございます。
  46. 壽原正一

    壽原委員 長官の話では、まだわれわれの出る段階でないというように私は承っておるが、私はどちらにもくみしているのじゃないのですよ。わずかな漁場で相争いながら行なわなければならぬという操業が、今度膨大なスケソウ輸入という問題にからんで、この問題も重大な問題になってくるのではないか、こういうように考えるわけです。そこで底びきあるいは沿岸漁業者が大きく相対立している姿は最も望ましくない姿であるから、その姿を一日も早くあなた方が事情を聴取の上、妥協点まで持っていってやらなければ、漁場の紛争というものは、ほんとうに血の雨が降るような漁場の紛争になってくる憂いが十分あるわけです。過去においてもあったのです。将来こういう問題がたびたび起こるであろうと私は思う。そのときにあなた方が道の許可であるから、地方の許可であるからわれわれは知らぬというような、そういう無責任きわまる態度であってはまことに情けない水産庁考え方ではないかと思うのです。将来こういう問題が起こった場合、また現在起こっている問題について積極的に調停方あるいはこれに対する方針をあなたのほうから示す用意を現在持っておりますか。
  47. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 こういった種類の問題はやはり直接監督の任に当たっております知事の見解が重要でございます。私どもとしましては道庁から正式に見解を求められますならば、事情を十分聴取いたしまして水産庁態度を明らかにしたいと思うのでございます。ただ、いまのところそういったことがないわけでございまして、私どもも十分な知事の見解の表明を待たないで軽々な判断を下すということはいたしかねる、こういうことでございます。ごく大ざっぱに申しますならば、北海道はすでに数次にわたって底びき禁止区域を拡大してまいっております。そのためとは必ずしも言いませんが、そういう関係もあって内地から北海道のほうへ出漁している底びき船は漸次撤収してきて北海道の底びき船が、主としていい漁場でございますけれども、あそこで漁をしておる、こういう状況でございまして、それ以上にさらにまた底びき禁止区域を広げる必要があるのかないのか、ということにつきましては、道のほうから相当の実情説明なり意見の表明があって後に初めて水産庁としてはきめるべき筋合いのもの、こう考えております。
  48. 壽原正一

    壽原委員 筋合いはよくわかって、その本質もよく私は承知はしておりますけれども、現在行なっておる一番影響力のあるのは小樽の底びき業者というふうに私は聞いておる。ところが、北海道の小樽というところは、あなた方も御案内のとおり非常に衰微した都市になってきている。あそこの都市をささえておるのは一体何かというと、いわゆる底びき業者のとった魚、これに関連するあらゆる産業が、その禁止区域拡大のもとにこれが全滅してしまわなければならぬというような、非常な危険な状態にあるということも考慮の中に入れて、そうしてこの禁止区域拡大という問題に対しては慎重な態度をとってほしい。私は沿岸業者のほうからも禁止区域拡大はぜひ必要であるからやってほしいという陳情も受けております。それから底びき業者のほうからは禁止区域拡大は当を得ない話であるというような反対の陳情も受けております。われわれ議員としてどちらをとるかといわれた場合、私らじゃ返事ができないのです、実際問題として専門家じゃないから。あなた方はそれを専門に行政をやっておるんだから、一番いい行政指導のもとに紛争を起こさないように、その紛争話し合いの中で解決のできる方向に指導していただくということの信念になっていただいてこの解決に全力を尽くしてもらいたい。これを要望しておきたい。  それからいま一つ。今回公害防止事業団法案というものが国会に提出されておりますね、これはおもに汚水の問題だろうと思う。その汚水の問題について被害を受けるのが一番大きいのは私は漁業家でないかと思う。その漁業家であるものがこの被害を受けておるのにもかかわらず、この事業団の中には通産大臣と厚生大臣が入っておりますね。なぜ農林大臣がこれに入らなかったのか、その意味をちょっと聞かしてもらいたい。
  49. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 公害防止事業団法案がただいま提案になっておるのでございますが、その仕事の目的は、広く行なわれます場合は当然漁業関係に最も直接的な関係を持ってまいるのでございます。しかしながら、さしあたり通産省、厚生省として考えておりますのは、大都市あるいは非常に工業的に発展した、しかも工場などの集中した地域のばい煙あるいは汚水等の被害を防止することを主眼として仕事をやる、したがって一般の漁業に関係するような広い範囲での仕事をさしあたり考えてないというようなことでございますので、直接法律の中で主管大臣として農林大臣が入っておりません。しかしながら、もちろんそういう場合におきましても漁業にも若干の影響があることでございますので、事業団のいろいろな事業計画などの作成にあたりましては、農林大臣に通産大臣及び厚生大臣から協議をしてもらうという申し合わせをしておるわけでございます。
  50. 壽原正一

    壽原委員 いまのところは規模が小さいから農林大臣が入る必要がないというように私はいま受け取ったのですが、この問題は一番被害のあるのはやはり漁業家ですよ。たとえば北海道の石狩の汚水問題。あなたは聞いておるでしょう。あそこは昔サケの大群が押し寄せたところですよ。ところが、あの上流に国策パルプだとかあるいはいろいろな工場ができて汚水がどんどん流れたために、サケが五%もとれない。一番困っているのは沿岸漁業者です。そういうような現状を見て、あなたのいまお答えになった、まだ規模が小さいから、あるいはばい煙等の問題が大きいからというようなことで農林大臣が入らぬということは、私はちょっとおかしいと思う。あなたのほうからまっ先に、わが省も必ず入れなければおかしいじゃないかということを言わなければならぬ立場じゃないですか、水産庁の立場としては。それをいまそういうようなお答えをされて、そうして将来あるいは入るようになるかもしらぬという、そういう手ぬるいことではいかぬですよ。あなたのほうから積極的に農林大臣も——通産なんというのは汚水を出すほうでしょう。被害を受けるのはあなた方のほうでしょう。なぜあなた方が積極的にそういう問題に取り組まないか。将来これは取り組む意思があるのですか、ないのですか。
  51. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 もちろん、公害防止事業団法案を閣議に出す前に、各者協議したわけでございます。水産庁としましては主管大臣として農林大臣を加えるべきであるという立場をとったわけでございます。しかしながら先ほども申し上げましたように、さしあたり考えておりますのはきわめて限られた地区だけでございまして、将来石狩川とか、あるいはその他の、たとえばアユがたくさん放流される水域などに関係してまいります場合、当然私どもとしては農林大臣を主管に加えてもらうという考えでございます。そのためにそういう際には再検討するという約束をしておるのでございます。
  52. 壽原正一

    壽原委員 それでは、将来はこういう問題が大きくなると農林大臣も入るということのお約束は、結局できるわけですね。
  53. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 そういった場合には今後主管大臣を再検討するという約束をいたしております。
  54. 壽原正一

    壽原委員 それからあなたにちょっと伺っておきたいのだが、現在北海道で篠津開発というものをやっておる。あそこは、あの原野をずっとかんがいを掘っておる。そうすると、あそこの泥炭地から出る水というものは非常な汚水ですよ。何といっても汚水です。あの汚水というものは、こういう公害の問題に入るか、入らぬのか。この汚水のために沿岸漁業が非常に困っておるということを私は聞いたのだが、それはあなた方の省内での問題である。ところが、その汚水が、こういう公害防止事業団の法案が通ったとなったならば、この問題にかかるか、かからぬか、これをお聞かせ願いたい。
  55. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 公害防止事業団はさしあたりそういう問題を対象にはしないのでございますが、将来、泥炭地から出る水が汚水である、少なくとも水産資源を保護するという面からいいますと、水質が非常に汚濁されるというふうに考えざるを得ないわけですが、それはそれなりにやはり別途の解決を考える問題である、こう考えますが、いずれ公害防止事業団がもっと事業分野を広げてまいります際には、そういった問題も検討する必要があると思います。
  56. 壽原正一

    壽原委員 それはよくわかりました。それではこの問題については、将来ともやはり漁業者を守る立場にあるあなたが責任を持って、こういう問題が起きたときには大臣に御出席をいただいて、この中に加わって、そうして真剣にそういう問題を解決していただくということのお約束をしておきたいと思います。  そこで水産物の輸入の問題ですが、今回日韓会談が妥結になり、あるいは調印されるというような状態になり、もうきまっておることですが、ノリだとかするめだとか鮮魚、この輸入がどんどん増大されてきますね。またソ連からの水産物も輸入増大という点も考えられる。これは制限をして輸入するのですか、それとも制限をしないで輸入するのですか。
  57. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 日韓会談で話し合いがつきましたのは、あまり具体的な内容を持っておりません。私どもとしては、御承知のごとく水産物の輸入は大部分自由化されておりますけれども、いま残っておりますノリでありますとか、あるいはアジ、サバでありますとか、そういった魚種は沿岸漁業に非常に影響の大きなものでございますので、輸入制限は当分続けなければいけないだろうというように考えておるのでございます。これは対韓国関係におきましても同様に考えておる次第でございます。
  58. 壽原正一

    壽原委員 輸入制限を当然続けなければならぬというふうに考えているという基本の考え方は、私は賛成しますが、あなた方だけでその制限が将来ともずっと続けていけるのか、あるいは政府内部によく近ごろ審議会だとか、あるいは何だとかいうものがたくさんできておる、そういう水産物の輸入審議会なんてものをつくるような考え方はありますかどうか。
  59. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 輸入制限の最近の実施にあたりましては、従来は外貨の割り当て制度をとっておりまして、閣僚審議会というものにかけて輸入計画を定めておったわけでございますが、現在はそういった制度がなくなりまして、むしろ行政庁限りで毎年の計画を立てて実施するという状況でございます。私どもとしては、さしあたりそういった問題について審議会などをつくるという必要性はあまりないのではないかと考えております。
  60. 壽原正一

    壽原委員 それでは外貨の割り当てがあるためにそういうものをつくる必要は現在のところない、こういうお考えですね。  それから念を押しておきますが、先ほど私が言うたソ連から三年間三十六万トンの輸入問題については、現在のところはまだ申請はないが、申請のあった場合には慎重な態度をもってこれに臨むということは、あなたがさっきお答えになったとおりです。そこで、ちまたにうわさされております。将来はタラ子製造もその中でやるんだというような考えがあるやに私は聞いておる。そういうような場合には、これも慎重な態度をもって臨むというお答えだけですか、それとも将来ともわが国の水産業界がほんとうに因っていく姿であるというようなことを考えて、そうしてこれを将来ともやらせる意思はないと現在のあなたはお考えかどうか、この点最後に伺っておきたい。
  61. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 タラ子輸入は今後も制限してまいりたい、こう考えておることは先ほど申し上げたとおりでございます。ただいま具体的なお話がありました、今後のソ連からのミール原魚輸入に関連いたしましては、もちろん慎重な考え方でこれにあたりたいと思いますが、タラ子の問題も、タラ子輸入制限問題の一環としまして国内へ悪影響のないようにいたしてまいりたいと考えておる次第であります。
  62. 壽原正一

    壽原委員 それではそのお考えは将来とも変わらぬと解釈していいわけですね。そこできょうは時間もないので、あまり詳しい状態の問題を聞くわけにいきませんけれども、わが国の沿津漁業並びに底びきの漁業、これらの問題についてはあなた方の指導よろしきを得て将来とも発展策を講ずるようにしていただきたい。  それから最後に、ちょっと念のために聞いておきますが、あなたのほうで昭和三十七年であったろうか八年であったろうか、北海道の乙部、熊石という地区で土砂がくずれて、そうして浅海業者が非常に困っておるという話を聞きませんでしたか。
  63. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 いま詳しいことをちょっとお答えいたしかねますが、そういうことがあった模様でございます。それで現在は漁民の住宅を建てたり、あるいは海岸保全事業をやったりしておるというように聞いております。
  64. 壽原正一

    壽原委員 あなたよく知らぬでしょうが、これはこういうことです。建設省が北海道開発庁に命じてあそこに国道をつけた、ところが国道をつけたためにそこの山がくずれて、そうして海岸にその土砂が流れ落ちた。流れ落ちただけならばいいのですよ、ところが流れ落ちたのに加えて、道路を早く建設せんがために、その余った土砂をまた海岸に人手によって投げた、その被害というものは浅海業者に全部行き渡って、その被害総額は六百万というております。これらの問題について、北海道開発庁にも水産部にも、あるいはあらゆる個所にその陳情を行なっておるわけです。ところがこの問題について、政府が弁償する義務ありやいなやというのが現存問題になっておるわけですが、もしそういう浅海業者が被害を受けたということになったならば、あなたのほうでそれを調査して、そうして建設省と話し合う用意あるかどうか。
  65. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 ただいますぐお答えもいたしかねますけれども、事実をよく調査してみる必要があると考えます。
  66. 壽原正一

    壽原委員 次に篠津開発の問題についてちょっとお伺いするんだが、現在昭和三十年以降行なっておる篠津開発の問題、これは総額百七十億というふうに聞いておるが、これで間違いないか。
  67. 永田正董

    ○永田説明員 総額についてはちょっといまつまびらかでございませんから、後ほど報告させていただきます。
  68. 壽原正一

    壽原委員 篠津開発は大体百七十億、そこで、現在まで事業費を投じたものが百三十億です。そこで、この結果を見てどうかというふうに私は見ておるのですが、客土を行なっておる。その客土というのは、上の盛り方が非常に薄いのですね。そのために泥炭というものは——あなたはよく御研究になったかどうかわからぬが、泥炭はただ水の上に浮いておるというように解釈していいだろうと思う。それで、土に客土をしても、だんだんそれが下に下がって、そうして、その客土がわずか六ミリぐらいしか入っておらぬものだから、低いところへ全部流れていって、高いところは泥炭そのものがそのままむき出しになっておるという現状をあなたは見たことがありますか。
  69. 永田正董

    ○永田説明員 これはだいぶ前の話ですが、泥炭地で見たことがございます。そのときには非常に不整だとか薄過ぎるとか、極端に効果が薄いとか、そういう話はなかったのであります。最近そういう話が出ておるということは聞いております。
  70. 壽原正一

    壽原委員 そういう話を開いておって、それはそのままにしておくのですか。それを改良する意思があるのですか、どうですか。
  71. 永田正董

    ○永田説明員 泥炭地の改善は、客土を盛るということは不可欠の要件だと考えております。この地区につきましては、大体五千二百町歩余りについて客土を行なってきたわけであります。この客土を行なった地区の一部で収量が十分でないという事態が生じております。そういうことを聞いておりますので、これは正確に把握しなければなりませんが、ただいま聞いておりますところでは、五千数百町歩のうち、千三百町歩程度が、そういうことが起こっておるのではないか。これはこういう泥炭地帯でございますので、この実態の把握に多少時間を要しますがいずれにいたしましても、開発局で十分調査していただいた上で措置を講じたい、措置を講ずる態度考えております。
  72. 壽原正一

    壽原委員 きょうはあまり時間がないから、そう詳しくは聞きません。この次にもう一ぺんやるそうですから、今度は詳しく聞きましょう。  そこで、現在これらの篠津開発に入っておる農家が大体五百三十戸ですね。これらの農家は二戸当たり大体二百万以上の借金をしておる。政府が客土を行なって、そうして土地改良をして、それで田畑にして、これが用がなくなったから、今度はおまえらであとをやれというのか、それともこの手直しの問題については、政府は責任を持ってやろうというのか、その辺を承っておきたい。
  73. 永田正董

    ○永田説明員 この開拓地は、平均の反当負担額が、四町五反配分のものと九町配分のものとあるのでございまして、反当の負担額につきましても、町当たりでいいますと八万七千円から十一万程度に分かれております。したがいまして、償還能力につきましても一律には論ぜられないので、多少そこに差があります。年償還額等もはじいておりますが、いま話題に上がっておる、その困っておる農家の実態を把握してみた上で、生産額あるいは所得から見て償還が可能かどうかということを検討の上で、償還が不能なようなことにはするべきではない、将来償還が可能な限度まではぜひとも持っていきたい、こういう線で検討したいと存じております。
  74. 壽原正一

    壽原委員 きょうは時間がないので私もこれでやめておきますが、この次の委員会でこの問題について詳しくわかるようにしておいていただきたいということと、それからてん菜糖の問題をこの次に聞きますから、てん菜糖の問題について資料を十分用意しておいていただきたい。これだけ要求しておいてきょうの私の質問は終わります。
  75. 福井勇

    福井委員長代理 勝澤芳雄君。
  76. 勝澤芳雄

    勝澤委員 最初に食糧庁にお尋ねします。  前回、会計検査院から消費者米価の改定の場合における価格差益の問題について指摘をされまして、それについて本委員会でもいろいろ論議をいたしました結果、食糧庁といたしまして、価格差益の徴収について懸案であった問題に取り組みまして、これについて、今回の消費者米価の改定にあたって、その方針によって、どういう方法によって行ない、その結果どういうふうになっているかという点について、経過並びに結果を御報告願いたいと思います。
  77. 亀田喜美治

    ○亀田説明員 米穀の売り渡し価格ないし消費者価格を改定した際に、米穀の販売業者手元にありました在庫について、価格改定の差額だけの差益が発生いたしますが、この差益の処置について、前年の六月に本委員会委員長からも適切な処置が要望されたわけです。食糧庁といたしましては、その後これをどう扱うべきか検討を続けておりまして、ことしの一月一日で消費者価格を改定した際の差益につきましては、卸業者と契約を結びまして、差益の一部を国に納付させるということにいたしまして、その結果、額といたしまして一億五百六十八万ばかり、これはすでに納付済みになっております。このように卸業者と契約という形で納付させることにいたしましたのは、この米穀の販売業者に発生しました差益をどう処理するか、特に国に納付ないし徴収ということの際には、一応法律で強権的に徴収するということも考えられないわけではないのでございますが、一般的に統制思想が支配的であり、あるいは経済統制ということが一般的に行なわれておった時代にはそう問題はないかと思うのでありますが、最近のように、統制経済という思想も消え、また統制法令もきわめてわずかの例外を残してほとんどなくなっている今日では、法律で強権的に徴収するということにはかなり問題があろうかと考えたのが、契約による道を選んだ一点でございます。  それで、今度はこの契約の中身でございますが、卸業者話し合いをいたしまして、在庫量については、通常の操作を続けていく上に、一応円滑なる販売を続けていく上に当然なければならないと思われる程度の在庫量というものについては、一般的にもこれは必要ではなかろうか、こういうことを考えまして、値上げ等の行なわれない通常の場合における平均的な在庫量、これを一年間で見ますと、大体三日分になっております。それで三日分程度については一応必要なる在庫量ということで、この点についての差益については免除してはどうか、こう考えておったわけであります。なお三日分についての免除ということにつきましては、一月一日に消費者価格を改定したのですが、その際に価格が上がったために金利の増というものが加わります。それから一月一日にマージンを上げてほしいという要望がかなり強かったのですが、これを四月一日にずらしたということ、それから四月一日でマージンの改定が行なわれることを予定しておったのですが、これについてマージンを上げますと、その際に今度は逆に差損が生じます。この点をも考慮しまして、通常の在庫量と思われる三日分、それと三日分を越えたものについての四分の一というものをそれぞれの損失増を考慮しまして免除することにしまして、結果においては三日分を越える部分の四分の三の数量に相当する差益を国に納めるというような処置をとったわけであります。その結果、先ほど申し上げましたような国に納付した差益額というものは一億五百六十八万になったわけであります。  なお小売りについても同じような問題がございましたが、一つには国と小売り業者とは直接契約関係がございませんのと、何せ五万六、七千に及ぶ小売り者を一々相手にするということも技術的にも非常にむずかしい面がありますし、それぞれの価格改定における在庫の確認にも困難な面がありましたので、卸からは差益を納付させ、小売りから納付させないという不均衡の問題が残ったのでございますが、なお今後検討することにして、今回は納付させないことにいたしたのであります。  以上でございます。
  78. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会計検査院にお願いいたしておきますが、この問題は特に検査院から指摘をされまして、当委員会でも取り上げられました。取り上げられた経過の中で、特に検査院においても、当時の物価統制令からなぜはずしたかという経過については、具体的な資料も相当古い関係で不明確であったというような点などありまして、いま説明のあった内容については先般決算委員会理事会でそういう御報告がありました。その報告に基づいて行なわれた結果だと思いますが、その内容について検査院としても御相談はあったかと存じますけれども、勧告をした結果として行なわれた実情等についてよく検討していただきまして、いまの説明では、今後もこの問題については検討いたしてまいりたい、こうお話がありましたので、連絡をとって、あの是正意見に対しての処置が十分行なわれるように特に要望しておきたいと存じます。いかがでしょうか。
  79. 小沢定司

    小沢会計検査院説明員 ただいま勝澤先生からお話がございました点でございますが、この差益の処理の問題につきまして私どものほうで正式に文書をいただきました段階では、現在検討中であるということでございましたが、ただいま部長からお話しになった内容につきまして口頭で十二月に私のほうにも連絡を受けております。今後のことにつきましては、本年の検査を通じまして十分に検証していきたい、こういうふうに考えております。
  80. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは次の問題に移ります。次は自作農創設の関係でありますが、国有財産管理、特に自作農創設特別措置特別会計について、毎年指摘をされておるわけでありますが、行管からもこの問題について指摘をされておりますが、具体的には管理体制をどう強化されておられるかという点について、まず最初御説明を賜わりたいと存じます。
  81. 石田朗

    ○石田説明員 まず、いま御質問がございました自作農特別会計の管理体制につきまして、従来とも会計検査院等から種々御指摘がございまして、私どもこれが改善につきまして種々努力をいたしておるわけでございますが、残念ながら、若干ずつ減少はいたしておりますが、まだ会計検査院の御指摘を受ける部分があるということにつきましては、われわれも非常に遺憾に存じておりまして、この点今後とも改善に十分に努力をいたしてまいりたいと思います。  それで、管理の体制といたしましては、いろいろ御指摘もございましたので、各地方農政局に直作農の財産管理官というものを置きまして、なお管理職員につきましても増員を行ない、これによって管理体制を十分に行なわせるようにいたしておるわけでございます。かつまた、都道府県におきましても、従来から既墾地、未墾地の補助職員がございましたが、この配置につきまして、特に財産管理に重点を置いて配置をさせ、そうしてこれを十分に行なってまいるということにいたしてまいりたいということで、努力を進めておるわけでございます。  それから実際の事務といたしましては、従来損害賠償金を徴収していない、無断使用等をしているというものにつきましては、厳に損害賠償金の徴収を行ないまして、原状回復等も場合によっては行なわせておるということでいたしておるわけでございます。そのように、実際の管理体制の面につきまして逐次改善を加え、何とか各面からの御批判にこたえ得るようにいたしてまいりたいというふうに考えております。
  82. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それで、具体的には、いまこの国有財産の現況というものは全部終わったのですか。まだ相当未調査といいますか、そういう状態はどうなっておりますか。——この自作農創設特別措置特別会計財産管理の全容は、全体についてはもう詳細な調査を終わったのですか、こういうことなんです。
  83. 石田朗

    ○石田説明員 もちろん、この自作農措置特別会計の実態につきましては、全体につき台帳もあることでございますし、はっきり申し上げて、われわれのほうとしては全体の調査がある意味からいえばできておると申し上げるのがお答えだと思いますが、おっしゃいます意味は、従来とも、にもかかわらず無断使用等があったという点について十分把握しておるかということかとも思いますが、その点につきましては会計検査院等が指摘いたしましたものについて訂正いたしますだけでなしに、なお先ほど申しましたような管理体制を十分にいたしまして、現状把握において不十分であるということがないように進めているということでございます。
  84. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会計検査院のほうにお尋ねしたいのですが、これを毎年見ておると、やはり検査院から指摘されるのを待っておるような節が実は見えてしかたがないのですが、積極的な解決策というのがあまりなされていない。ようやくこのごろちょっとやり出したわけですけれども、突き詰めていくと、いま国会に出されておるこの特別会計というのは相当、いま現在は正しいかもしれぬけれども、調べれば調べるほど増減が出てくる。現況が正しく把握されていない。極端に言うとこの会計自体正しいものじゃないじゃないか、こう極端な言い方を実はしたくないわけです。それは、毎年会計検査院が指摘をすれば指摘をするほど増減が出てくるわけです、帳簿に載っていたのがあったとかなかったとか。会計検査院としてはもう大体終わったのですか、まだ相当残っておるのですか。どの程度調査が完了しているのですか。
  85. 小沢定司

    小沢会計検査院説明員 自作農の財産管理の問題につきましては、三十三年に一度検査をいたしまして、その後また三十六年から検査をやっております。それで、最初のころに比べますと、最近は非常に全体的な把握といいますかそういう方面では進んできている。と申しまするのは、私のほうで実際に実地検査に参ります際に、各農政局につきまして実地検査調書というものを提出させております。その実地検査調書を提出させます際に、一応の分類というものを出してもらっております。その関係で非常に大ざっぱなと申しまするか、数字につきましては、現在全体の中でたとえば既墾地といいますと七千八百二十八町でございますけれども、七千八百二十八町のうち貸し付け地のものが何町であるか、あるいは貸し付けていないものが何町であるか、あるいはそのうちで無断転用のものがどのくらいあるかという大ざっぱな数字は現在つかまえております。ただ、私どものほうでさらに実地検査に行きまして、現場に参って調べますと、まだ、必ずしも全体的に把握された数字と現地が一致しないというような面もございまして、検査報告に掲げておりますものは、したがいまして調書で出していただきました全体のうちで現実に本院で調査いたしましたものを指摘して出しておる次第でございます。したがいまして、先ほどから申し上げておりますように、全般的に申し上げますと、農林省当局のほうの御調査も最初のころに比べますと綿密になってまいりまして、大ざっぱな数字ではいま申し上げましたようにどの程度の無断転用があるか、あるいは境界不明のものがどの程度あるかというようなことは把握されていると思います。
  86. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは具体的な問題でちょっとお尋ねしますが、最近新聞にも報道されておりますが、東京都内の江戸川区の堀江町の地所でありますが、坪三十円だということで話題を呼んでおりますが、この土地の経過については最初にお尋ねいたします。
  87. 石田朗

    ○石田説明員 お答え申し上げます。最近読売新聞でございましたか出ておりました江戸川区の国有農地の売り渡しの問題であろうと存じます。いまお話のございましたこの農地は、実は戦時中高射砲陣地として借り上げられておったのでございます。それ以後、終戦とともに所有者に返還されまして再び耕作され、農地改革の実施の際に約六町歩が国に買収され国有農地になっておったわけでございます。買収後売り渡しが直ちに行なわれませんでしたのは、終戦後の食糧難でいわゆる農業としての耕作適格者でない方が多かったということ。いま一つは、境界等の画定調査を了しておらなかったというようなことで売り渡しが行なわれておらなかった。ところが最近におきまして一応適格者と考えられる方からいまの売り渡しの申し出があった。と申しますのは、この間に耕作者の移動がございまして、適格者が出てまいりました。こういうことで都におきましてはこの買い受け申し込みがございましたので検討をいたしておった。この土地は、この付近にかなり集団的に農地がございます。かつまた都市計画上緑地地域になっておる。それからなお低湿地で必ずしも宅地に向かないのではないかというようなことから、これは売り渡しをしたほうがよろしいのではないかという判断に一応東京都としては立つに至ったようでございます。その後、各方面の批判等もございまして、都といたしましても、なおこの地域及び周辺、それから買い受け者等につきまして再度十分なる調査を行なって再検討をいたしておる段階にあるということに承知いたしております。
  88. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この払い下げは、国有農地ですが最終的には東京都が払い下げをきめるのですか、これはどういうやり方になりますか。
  89. 石田朗

    ○石田説明員 これは知事がきめることになるわけでございます。
  90. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その場合、売り払い代金というものは、坪三十円というのは安い値段なのですか、どういうのですか。
  91. 石田朗

    ○石田説明員 価格につきましては現在いわゆる統制小作料の十一倍ということに相なっておりますので、大体坪にいたしますとそのくらいの見当になるかと思います。
  92. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その坪三十円というのは適正なものなのですか。法律的には適法だとかりにしても、一般社会通念として、それは適正なものなのですか。
  93. 石田朗

    ○石田説明員 いまの御質問は結局これが自作農創設の意味で買い上げました農地を自作適格者に売り渡すという場合の価格としてこれは適正である。農地としてそういう自作農創設の意味で売り渡すときにこれが適正であるというふうに考えているわけであります。
  94. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それは法律的にはどの法律に当てはまるのですか。
  95. 石田朗

    ○石田説明員 これは農地法及びその施行令、施行規則に明らかになっております。
  96. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこでこの払い下げの中には三人の不動産屋が入っておるということが報ぜられておりますが、これはどうでしょう。
  97. 石田朗

    ○石田説明員 私どもの調べましたところではそういうことは聞いておりませんが、しかしその点につきましては、先ほど申し上げましたように、相手方につきましてもさらに都のほうで再調査をいたしております。その結果、もしそういうことがあれば明らかになってこようかと思います。
  98. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この問題の土地は低生産農地である、現在も都の農業試験場で詳しい土壌検査を進めている、十人の農民のうち三人は地元の某不動産屋の使用人であり、いずれも都に登録済み、専業農家であるとは言えないということが、東京都の農林部長の答弁で明らかになったというように言われておりますが、法律的にはあなたの言うように、何か坪三十円になるそうですけれども、その辺がばかに——こういう合場には法律ばかりの解釈をしているのですが、ほかの場合には法律をひん曲げていろいろ解釈しているのですが、私は農林省でやる問題を見てみますと、ときどきそういう問題が出てくるわけです。いつかも埋め立ての問題が出てまいりまして、この委員会でいろいろ土地改良法ですか法律改正をしたけれども、しかしそれも本質的な解決はできないような法改正だと私は思ったのですが、もう少し世間の常識に合ったような法律改正というのはできないでしょうか、その点いかがですか。
  99. 石田朗

    ○石田説明員 いまお話がございましたが、私どもいまのお話の中で感じますことは、この土地がかりに不動産屋が買う、それによって土地の登記をやるというようなことは、本来の自創法の精神に反するわけでありまして、そういうことにならないように十分調査をして払い下げをしなければならぬと思います。それからかりに農民でございましても、これが直ちに転用になるというおそれが非常に強い場合にいかにすべきか、これはやはり一つの問題であろうかと思います。先ほど申し上げましたように、あくまで農地法の国有農地の耕作者への売り渡しは、自作農創設という目的に沿って全体系ができております。したがって先ほどお話がありましたが、これが農業に精進するといえない方に渡るとか、あるいはそれが自主的に土地登記の材料になるということは本来の趣旨でございません。そういうふうにならないように運用すべきことは当然だと思います。
  100. 勝澤芳雄

    勝澤委員 自作農創設の土地の払い下げられた土地がそのまま農地になっているかどうかという点について、私はたいへん疑問があると思うのです。それは最近の国の財産の問題でもときどき大蔵省財産で問題になるわけでありますけれども、結局用途指定がなくて転売されたという、最近新聞で報道されてこの委員会で取り上げられた東洋プライウッドの例なんかも一週間で転売されておるわけですが、法律的には抑えようがない、しかし行政的な措置としていろいろな処罰、取り扱いをして差額を徴収したり、あるいは法律改正をして用途指定の政令改正をやったのにさかのぼって、行政的な指導で話し合いをして徴収をしたという例もあるわけです。そういう点から考えてみますと、岡山の埋め立ての問題を見てみましても、何も徴収せずにやりっぱなしだ、そういうことがあるからといって法律改正をしても、その法律改正というのは今日の社会常識に合わない法律改正をやっている、これなんかでも私はそういうものだと思うのです。ですからそういう点を考えて、払い下げる場合に、転売されるおそれがあるかどうかということは社会的に見ればわかるわけですが、それをあなたのほうはただ上から行政的に見ているから、いやないのだというようなことを言うけれども土地配分の通知書で売買されているというような例なんかも出てきておるのです。そういう点は、これからもあなたのほうでは積極的に解決しようとして売り払い計画が立っておるわけでありますから、その売り払い目的に沿った処理をしていただかなければならないと思うのです。売り払い目的に沿った処置ができないとするならば、やはりもっと公な使用目的に変えなければいかぬと思うのです。そういうように私はこの法律ももう一回読み直す、農地法そのものをもう一回読み直す必要があるのではないかと思います。これからまたあなたのほうが進めていこうとすれば、これから幾らでも出てくると思いますがいかがですか。
  101. 石田朗

    ○石田説明員 先生のおっしゃることはそれなりにわかるわけでございます。そのことと農地法の目的自体とは私必ずしも矛盾しないと思うわけでございまして、農地法の目的は将来農業に精進する方に自作農としての土地を与えて差し上げる、こういうことでございます。ですから転用されるということは、それは本来の趣旨ではないわけでございます。言われますように、転用の危険がきわめて大であるとかあるいはその人が農業に精進する見込みがないというような場合には、その本来の考え方といたしましても、それはその際その売り渡しについてはいろいろ考慮をいたさなければならぬということは一つあると思います。したがいまして、私どもはもちろん法律にのっとってまいります。法律にのっとってやることがまたその目的にも沿うのではないかというふうに考えておるわけでございます。
  102. 勝澤芳雄

    勝澤委員 農業用に供するための貸し付けを行なっているもののうちで、他の用途に転用されているものがあるということがよく指摘をされるわけですが、こういう場合に、他の用途に転用されているものを農業用に供するために返させることはできるわけですね。こういう場合はどういう手続をとっておりますか。
  103. 石田朗

    ○石田説明員 この場合には、これを農業用として貸し付けておりましたものが他用途に使われておるという場合には、これを返していただきまして、旧所有者に返すのが普通の場合の措置であります。
  104. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その場合は、無条件で取り上げて農業川の貸し付けに変えるのですか、あるいはまた取り上げるについての罰金なりあるいは逆にいうと補償なり、こういうものはどういう取り扱いになっておりますか。
  105. 石田朗

    ○石田説明員 その場合には無断で使用しておりました賠償金は取るわけでございます。
  106. 勝澤芳雄

    勝澤委員 無断でなくて許可しておったのはどうなるのですか。
  107. 石田朗

    ○石田説明員 許可しておる場合には、当然使用料は取るということでございます。
  108. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしてそれを今度は農業用に転用するときにはどうするのですか。
  109. 石田朗

    ○石田説明員 原状回復を命ずる場合もございますが、周囲が宅地化しておって、農地にすることは意味がないという場合には、それは再び農地に戻すということはしない場合がございます。
  110. 勝澤芳雄

    勝澤委員 わかりにくい質問をしておるのですけれども承知で私しておるのでありますけれども水産庁いらっしゃいますか。——漁業権の補償というのがありますが、あの漁業権というのは、あれはある一定の期間を限って、そこで漁業することを許可するわけですね。その漁業権がある程度の期間をきめたその期間が切れたときに漁業権を取り上げるときに、いま漁業権の補償というのが行なわれているわけですね。その経過についてちょっと法律的な関係を御説明願いたいと思うのです。
  111. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 漁業権の補償はこれはずっと以前のことでございますが、漁業制度改革をやりましたときに行なわれたことがございます。これは国の証券を交付して補償したという形になっておるわけですけれども、最近におきましては漁業法が変わりまして、漁業権の免許あるいは許可というものは一定期間を限って与える。したがいまして、一斉にそれが消滅し、更新されるという時期がくるわけでございます。その際は別に補償ということは起きないようになっておるわけであります。
  112. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、漁業権は一定の期間をきめて、その期間の切れたやつを消滅さして取り上げるときには補償しなくてもよろしい、こういうふうな取り扱いをなされておるのですか、いま現に。
  113. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 法律の制度として、五年なら五年間を限って漁業権が設定されるわけであります。その期間が過ぎますと、法律の観念として権利が消滅するわけでございますから、これはもう制度上そういう制度でございますから、国が将来永久にわたって与えた権利ではないので、補償という観念が生じてこないと解釈いたしております。もっとも、私手元に資料を持っておりませんので正確なことを必ずしも申し上げられませんけれども、一般観念としてそういうことになるのではないかと思います。ただし漁業法におきましては、それでは長い期間にわたっての企業なり経営の安定ということがむずかしいから、あらためて権利が更新されるときは現在やっている人に対してできるだけ再び与えるように制度が仕組まれている、こういうことでございます。
  114. 勝澤芳雄

    勝澤委員 東京湾の埋め立てなんかの漁業補償なんかがあるんですが、あれはどういうことになるのですか、法律的には。
  115. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これは特別の場合でございます。つまり、現に漁業権を持っている漁場につきまして埋め立てなどが行なわれて漁業ができなくなるということによって漁業権を行使できなくなる。またその家業なり営業もできなくなるということに対する補償を行なう——これは埋め立てをする人が行なうので、必ずしも国が行なうわけではない。国が埋め立てをする場合には国が補償するということになりますが、そういう観念になります。
  116. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると漁業権というものはおおむねどれくらいの年数ですか。
  117. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 十年の場合、五年の場合がございます。
  118. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、たとえば五年切れるのを待っていて工事をする場合には何も補償しなくてもよろしい。あるいは五年のやつが三年たった、あと二年だというときには二年分だけの補償をすればよろしい、こういうことになるのです
  119. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 これはさっき申し上げましたように、現に平穏無事に漁業権を持って漁業をやっている人に対しては、次にあらためて一斉に設定する場合に、その人に再び与えられる——漁業計画なり何なりに変更がない、あるいは変更があっても当然の変更であるというような場合には当然与えられる制作になっておりますから、それを取り上げてしまう何らかの、たとえば埋め立てなり、そういう肝臓で取り上げてしまうというならば、やはり一般の埋め立てなどの場合と同じように補償という問題が出てくるわけでございます。
  120. 勝澤芳雄

    勝澤委員 道路公団だとか、あるいは各所で漁業補償という問題が起きているわけでありますけれども許可した漁業権が消滅しておる、あるいは限定漁業権だ、港湾を建設するときにはそれは消滅するのは取り上げるんだ、こういうことが明確になっておってもそれを補償しておるようでありますが、これは法律的には根拠があるのですか。
  121. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 当然権利そのものに——これは社会的に値打ちがあるということは別といたしまして、当然に権利は永久にあるというものではございませんけれども、それが行使できなくなる、あるいは実際上生活に差しつかえる、あるいは企業として成り立たなくなるという事態が起こり逃すので補償が行なわれる、こういうことでございます。
  122. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、五年の期間を区切った漁業権が五年で切れた。切れたときに、たとえば港湾の建設をする。そういうときでも補償するのですか。
  123. 松岡亮

    松岡(亮)政府委員 消滅してしまった場合には補償という問題は起きないわけでございます。しかし、通常の場合は制度上再び漁業権を設定される、まあ期待権みたいなものがございますから、あるいはそのまま漁業を継続することができるわけでございますから、それに対しての補償が起きる、こういうことでございます。
  124. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は、わざわざ国なり県なりがそういう漁業権という免許を与えたために、取り上げるときに何億、何十億という補償を出しているという点についてひとつ疑問があるわけです。五年でよろしい、十年でよろしい、それを途中で取り上げるときには、あとの残り分についてある程度やらねばならぬと思うが、しかし五年で期限が切れたものについて、あなたのほうの補償の要求を見てみれば十年、十五年先のことまで計算して補償が行なわれておる。その一つの例として、いま河川敷の問題が、これは建設省の関係ですけれども、問題になっております。河川敷をゴルフ場に貸した。そして一年契約だった。それをこの間道路公団が工事をするときに必要だといったら、取り上げるわけにいかないで三千三百万も補償したという事件がある、いま河川敷の問題でたいへん問題になっております。佐藤さん、りっぱなことを言っておりますけれども、いつの間にかどこかに貸し付けられて、それを取り上げること自体が何百億何千億という補償金を出さなければ、取り上げられないというような現状になっておるわけです。しかし、契約上はみな一年ごとで、それでゴルフ場になっているという例があるわけでありますが、私はこういうことを考えてみると、やはり貸すときによっぽど何かやっておかないと、これはたいへんなことになる。貸すことによって国損が生じておる、私はこういう現象が起きているのじゃないかと思う。ですから、これからは、何か使えそうなところを無理無体に借りて、あるいは不法占拠して立ちのき料をとっておれば百万長者になれる。へたにサラリーマンをやっているよりもそういうことばかりやっているほうがいいような人があるのが、まぼろし部隊とか電源開発地帯のあれですが、りこうな者が遊んでいて金をもうけるように、どうもいまの自民党内閣はやっている。自民党内閣というよりも、政治全体がそうなっているのかもしれませんけれども、私はそこは検討する必要があると思う。  水産庁の問題はまたいずれ私は私なりに意見を持っておりますからもう少し聞くことにいたしまして、次に、今度は土地貸し付けの問題について林野庁にお伺いしたいと思います。  これも実は毎年貸し付け料が安いということで指摘されておるわけでありますが、営林署自体、林野庁自体何かこれも積極的に取り上げて改善をしているような形勢が実は見えないわけであります。やはり林野庁、営林署自体から貸し付け料を値上げするということはなかなか言いにくいので、会計検査院から指摘されたのを契機に、その分だけ取り上げてこう直しているというふうに実は見えてしょうがないのですが、これは林野庁としてもやはりある程度方針を持ってやられておるのですか。これはどんな形でやられておりますか。
  125. 田中重五

    田中(重)政府委員 国有林野の貸付料につきましては、会計検査院からの御指摘も受け、また国会での指摘も受けておりますので、林野庁といたしましては、積極的にこれが改善措置を講ずるために次のような方法を講じております。それで、まず貸付料のもとになります貸付される土地の、特価等の適正な評価、さらに貸付料算定の適正を期しますために営林局に国有林野評価官を、また、林野庁には管理担当の調査官、それから国有林野評価審布官をそれぞれ設置をいたしまして、なお、管理、処分に関する処理の要領等について、そのそれぞれの担当者に研修等を行なうことによって評価能力の充実、改善をはかることにまず努力をしておるということでございますし、それからさらに各営林局ごとに国有林野管理審議会、これを新しく設置をいたしまして、そうして国有林野の貸付に限らず、売り払い、売り渡しあるいは交換、譲与その他農業構造改善卒業への活用等、そういうことについて民間の学識経験者あるいは公共団体等の参加を得まして、国有林野の管理について適正な批判、意見を受けて、その管理事務に適正を期するという体制をとっているわけでございます。それで会計検査院等からの御指摘にございました三十八年度の指摘事項二十五件につきましては、それぞれ低廉に過ぎたものについての是正を行なったわけでございます。そこで、この評価をする場合におきましては、評価の基準をそれぞれ林野庁としてきめまして、そうしてまず貸付される土地の算定評価額等につきましては、その付近の相続税課税標準額なり、あるいは固定資産税課税標準額なり、あるいはその近郊の売買実例なり、そういうものを参酌すると同時に、また不動産研究所あるいは銀行その他の第三者の土地の鑑定価格そういうものを参照して一定の式を設けまして、そうしてその適正な算定評価額を出して、そうしてその上で、先生は御承知であろうと思いますが、帆足によります百分の四をかけまして、年の貸付料をきめるということにいたしておるわけでございます。それで、すでに御指摘のありました契約中のものにつきましては、それぞれ契約としては有効に成立をしておったわけでございますから、低廉に過ぎたと考えられるにいたしましても、その追徴は困難でございますので、それぞれ契約の更改にあたりまして適正価格に是正するということで、その改善を進めている次第でございます。
  126. 勝澤芳雄

    勝澤委員 何ですか、国有林野評価審査官という方があるようでありますが、この貸し付け料の算定というのは、算定基準というのはいつごろおきめになったのですか。
  127. 田中重五

    田中(重)政府委員 いま申し上げました貸付の事務についての改善をきめて、通達をいたしましたのは昭和三十八年でございます。
  128. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この貸し付け料の問題については、三十六年あるいは三十七年会計検査検査報告にも出ているわけでありますが、そうすると三十六年、三十七年検査報告が出ておった当時はどういう算定方法であったのですか。
  129. 田中重五

    田中(重)政府委員 その当時におきましてもただいま申し上げました内容で、営林局署指導をしていたわけでございますけれども、さらにそれを明確化をいたしまして、そうしてまたその算定のもとになる調査の価格等についてのさらに的確な価格を把握するように指導をする体制を強化をしたわけでございます。
  130. 勝澤芳雄

    勝澤委員 会計検査院にお尋ねしたいのですが、これは会計検査院の評価とそれから林野庁の評価との相違点はどこにあるのですか。三十六年からずっとこういう結果が報告されているのですが、その時分から今日までの状態はいかがですか。
  131. 小沢定司

    小沢会計検査院説明員 国有財産貸し付け料の算定につきまして、私どものほうで持っております独特のものさしというものはございませんので、やはり一般に使われておりまするものさしに従って私のほうでもやっておるわけでございます。たとえばことしの二三八号、熊本営林局管内の問題につきまして申し上げますと、その一般的なものさしが使われておらない。これは、たとえばあそこの問題で申し上げますと、民地と国有地と両方とっておるわけでございます。その民地のほうを買収している価額と、それと国有林野のほうで貸し付けております価額というものが非常に違っておる。民地のほうは非常に高く買っておって、国有林野のほうはそういう売買実例というものを全然しんしゃくしておらぬというようなことで一つ一つ、まあ大体そういうような傾向がございまするけれども、いま長官からお話がございましたような、一般に示されておりまする評価基準に忠実に従って評価されておらないということで指摘しておるものでございます。
  132. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いま指摘された福岡県の福高観光開発株式会社の、これはゴルフ場ですが、三十八年の四月に貸したばかりで、これは坪二円ですね。その次の唐津の唐津観光ホテルに貸したのが坪、年六十六円、それから二四〇号の村崎さんに貸しておるのが坪十三円、私はまことに林野庁というのには驚いたわけでございますが、別にものさしが会計検査院でやるものさしと、あなたのほうでやるものさしとの違いはないと言うのですが、違いがないものさしでやって、三十八年四月、一番新しいのでも、これは三倍余の貸し付け料の違いがあるわけですが、これはどういうわけでしょう。
  133. 田中重五

    田中(重)政府委員 その点につきましては、会計検査院のものさし、あるいは林野庁のものさしについて違いがあるということはないわけでございます。いま御指摘の福高観光でございますとか、あるいは唐津観光、これにつきましての貸付料については、御指摘に従いましてそれぞれ貸付料の是正をはかって措置をいたしたわけでございます。
  134. 勝澤芳雄

    勝澤委員 なぜそういう違いがあったのですか。
  135. 田中重五

    田中(重)政府委員 それはその土地の評価について、評価の方法は会計検査院のお考えと同じであるにいたしましても、その価格の把握のしかたにおいてやはりそれぞれ見方に相違があったかと思いますが、特にこの福高観光のほうは、その当時の土地として山林としての評価をしておるというような点に違いがあったのではなかろうかというふうに考えております。
  136. 勝澤芳雄

    勝澤委員 ゴルフ場で一年の使用料が五十二万、会計検査院で計算したのは百七十七万、三倍の違いがあるわけですね。そしていまあなたがおっしゃるように、評価の基準というのは林野庁でも持っておる。結局百二十五万もこのゴルフ場貸し付けについて国損を生じたわけですね。生じたけれども、それは計算上の違いであって直させた、これだけでよろしいのですか。私はどうもその辺納得できないのですよ。一体なぜこういう違いがあるのか、なぜ坪二円で貸さなければならなかったのか、坪二円で貸さなければならない理由が福岡営林署にあったのかという点について、どうでしょう。
  137. 田中重五

    田中(重)政府委員 この場所につきましては、会計検査院の御意見によりますと、宅地としての評価がされておったのじゃなかろうかというふうに考えられますし、それから営林署のほうの評価としては山林原野と見たというところに差があったのではなかろうか、こういうふうに考えられます。
  138. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私はもうちょっと評価の中身の問題を詳しく説明してもらいたいと思うのですよ、三倍の違いですから。私はなぜ言うかといいますと、営林署も私二、三カ所見ましたけれども、林野庁の長官というのはなぜ参議院の全国区に出て当選するのだろうかと思って調べてみたのです。営林署が百七十万もするような土地を五十万で貸しておる、あと百二十万も国損をしておる、こういうことが参議院選挙で当選する理由じゃないだろうかと思うのですよ。これは政務次官もよくお聞き願いたいと思うのですが、これはまことにたいへんなことだと私は思うのですよ。これが毎年毎年ある。三十六年度からずっとあって、いまの林野庁長官のような、あったのではなかろうかというような御答弁なんです。私はこういう取り扱いというのははなはだけしからぬと思うのですよ。  じゃ、このゴルフ場の経営者というのはどういう人たちがやっておるのですか。あるいは経営規模、あるいは入会者、こういうものがわかりますか。
  139. 田中重五

    田中(重)政府委員 この場所につきましては、玄海国定公園として、県がその管理運営をはかることにして、その公園事業執行者としてこの会社を選んで、これに事業をさせるということになったと聞いております。  会社の規模、経営の状態等についてはいま手元に資料がございませんので、急速に提出をいたしたいと思います。
  140. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは、二三八、二三九、二四〇、この三つの問題については、私は詳細な説明資料を出していただきたいと思うのです。それは、あなたのほうで貸し付け料計算をした計算の数字と会計検査院で計算をした数字はどこに違いがあるのか、一体その違った原因は何なのかということを明確にしていただく。それからこの福高観光開発株式会社の内容、役員、それから唐津観光ホテル、それから村崎某、これの内容について、われわれが見てわかるような資料を、これはできるだけ詳細に調べて委員会に出していただきたいのですが、よろしゅうございますか。
  141. 田中重五

    田中(重)政府委員 いま御要求の資料につきましては、できるだけ早く提出をいたしたいと思います。
  142. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それが出てから質問をすることにいたしまして、次の問題に移ります。  次は、農業共済保険事業の問題でありますが、実はこれも毎年同じようなことが出ているわけであります。御説明によりますと、この法改正が行なわれたということでありますが、これは今後はこういうことが法改正によって起きないことになったのですか、どういうふうになりましたか。
  143. 久宗高

    ○久宗政府委員 農業共済保険制度につきまして、毎回単位組合の問題で御指摘を受けて、私どももこれの改善に苦慮してまいったわけでございます。三十八年度は旧制度の一番最後の年でございまして、三十九年度に新しい改正が行なわれたわけでございます。主として御指摘を受けておりますのは、共済金の支払い方法が適正を欠いた点であります。従来の制度で申しますと、単位組合が全体の仕組みの中で一割の責任を持っておりますが、全体の構造が上のほうに重点が置かれておりまして、単位組合の責任が比較的軽くなっておりますために、組合運営といたしまして、全体の機構の一部という感じを免れなかったわけでございます。さような点から末端におきまして、支払い共済金の適正を欠く事例が非常に多かったわけでありますが、新制度になりましてから、御承知のとおり、この制度を本来の農民の地盤の中に据えようという考え方から、単位組合の手持ち保険料を非常に重くいたしまして、単位組合の仕事が実質的にも基礎になりまして、全体の機構を組み立てる、つまり末端に非常に重点を置いた形に切りかえました結果、改正の結果によりますと、単位組合におきましても、従来非常に熱心でないと申しますか、あまり興味をお感じにならないという点で空転しておりましたような事例があったわけでございますが、共済金額の選択におきましても相当高い金額を選ばれるといったような傾向がこの一年の過程ではっきり出てまいりまして、末端の組合が本気で仕事におかかりになるという改正の形になったわけでございます。さような点で、従来とかく空転をしておりましたような組合が、本式に保険事業に取り組むという傾向が出てきておりますので、私どもといたしましては、現在の三十八年度までに指摘されましたような、いわば空転しておりますような事例というものは、必ず少なくなり得るものというふうに考えておるわけでございます。
  144. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これも実は毎年出てまいりまして、中身を見ますと、まさにこの保険制度の問題で私は不愉快な点が多々あるわけであります。結局ここに出ているようなことで、この保険金をもらって物見遊山に行ったというようなところまで出ているような状態があるわけですから、しかも調査を五十一カ所やって二十カ所もこういう問題が出てくる。まさに半分程度はこういうことが行なわれているのかなあと実は私も驚くわけであります。地方行って聞いてみますと、まさにここに書いてあるような状況らしいわけであります。まああなたのほうとしても法改正もやられたということで、何か少しは少なくなるだろうと言われておりますが、私はひとつもうちょっと法改正後の状態を見て、もう一回指摘をしたいと思いますけれども、あまりこれはひど過ぎると思うんですよ。特に最近、この補助金関係で、補助金の合理化審議会からも出されておりますけれども、そういう点から考えてみて、こういうもの、あるいは農業関係の補助金についての考え方、あるいは農業団体のものの考え方というものについては、やはりいいものはいい、悪いものは悪いで、私はきっちりすべきじゃないだろうかと思うんです。そういう点で、ぜひこれからも十分御注意を願いたいと思います。  それから次に、是正意見で出されております問題ですが、これは国有土地の改良事業に関する予算の問題であります。これはどういうわけで単年度工事で行なわれてきたのでしょうか。
  145. 永田正董

    ○永田説明員 一連の工事で二年以上にわたる仕事、そういうものは債務負担行為等によってやるのが本筋であったのでありますけれども、国営工事が始まったのは昭和の二十年ごろからでありまして、その前は特定の一、二のものがあったにすぎません。数多く行なわれてきたのは戦後でございます。当時全体計画の確定というようなことに多少自信の持てない点等が、国会に提出してそういう契約を結ぶという段階に至らないままに今日に至ったものではなかろうか、こういうぐあいに考えて、現在反省をしておるわけでございます。
  146. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私も知らなかったのですが、こういうふうに指摘されてみると、これはたいへんおもしろい、おもしろいというか、こういうやり方がいいだろうかと思うんですよ。いまあなたも、前からやってきたんだけれども、これを指摘されて反省していると言うのですけれども、私はその反省のしかたというものもなまぬるいと思うんですよ。また検査院もいまごろになってこういう指摘のしかたもおもしろいと思うのです。一体いままで何をやっていたのだろうか、もっと早くこういうものは是正させるべきではなかろうか、こう思うのですが、大体いままでもこういう問題は相当検査院で問題になったと思うのですが、検査院いかがですか。
  147. 小沢定司

    小沢会計検査院説明員 単年度工事でやっておりますために不経済になった事態につきましては、三十六年度の決算検査報告で一件指摘をいたしております。その後各農政局ごとについていろいろ調査いたしました結果、このような改善意見を出すほうがよかろうという結論に達しまして、出した次第であります。
  148. 勝澤芳雄

    勝澤委員 私は、検査院としてはもう少し早くこういう意見というものは出すべきだと思うですよ。それは入札の方法としても不明朗ですよ。初年度には指名競争でやって、あとは随契になるわけでありますから、こういう点が従来からいいましてもたくさんあったでしょうし、三十八年度においても百二十七件、八十二億、全体の見積もりが二百荘十五億、こういわれておるわけでありますから、こういう点から考えてみるとやはり農林省としてもそうですし、検査院としてもこういうことについては早く指摘をして是正さすべきだと思うのです。そういう点でなかなか検査院も、いままでは二年、三年、二回、三回、四回やったあとで意見というものは出してきましたけれども、やはりそういう積み重ねでなくてもこういうような問題については、特に予算上の問題として当然もっと早く指摘をして是正させるべきだと思うんです。われわれもまた、実は一つの件名として出てきますと、全体的把握ができませんから、それ一つだけかなと実は錯覚におちいって、いままで放任をしておったわけであります。そこで三十八年度、百二十七件、八十二億、全体見積もりが二百三十五億となっておりますが、三十九年度、四十年度はどういう流れになりますか。
  149. 永田正董

    ○永田説明員 その数字を持ち合わせておりませんけれども、大体予算総額が一割ないし二割の範囲で年々ふえております。ですから大体そういう比率でふえておると考えます。
  150. 勝澤芳雄

    勝澤委員 二年度以上にわたる継続施行のこういうような工事というのは、検査院から指摘をされた以後、これは債務負担行為で必ずやっておりますか、そういう予算の積算にしましたか。
  151. 永田正董

    ○永田説明員 会計検査院の改善意見、それから他省のやっております実情等を検討いたしました結果、四十年度の予算から工事の性質上単年度施行が無理であると思われるもの、たとえば、ダム、頭首工等不可分工事で相当規模の大きいもの、これを原則として国庫債務負担行為を計上することにしたわけでありますけれども、大蔵省との折衝で四十年度予算に計上いたしましたものは、全部で九件、三十三億円程度を見込んでおります。なお私のほうとしましては、四十一年度以降なるべくこの該当件数をふやす方向で考えていきたいと考えておるわけであります。
  152. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それではこの会計検査院から指摘をされているような二年度以上にわたり継続施行する国営改良工事というのは、たとえば四十年度で何件あって予算はどれだけか、これはおわかりになりますか。
  153. 永田正董

    ○永田説明員 結論から申しますと、数字は持ち合わせないのでございますけれども、二年以上にまたがる仕事というものを、区分けすることが少しむずかしいのでございまして、切ってやってもできるではないか。たとえば道路、水路、そういう長ものでありますと、これは切って単年度予算でやることができる。ところが隧道のようなものになりますと、相当仮設をしてやらなければならないということになりますので、これは二年度以上にまたがるものはこういう債務負担行為等によるものがいいのではないか。それからダムとか橋梁とか頭首工、そういうようなものはこれはちょっと切るわけにはいかない。切ることができるかできないかという判定が、いろいろ検討のしようがございます。したがいまして、いまそれを正確につかんでおるわけではございませんが、私のほうで大蔵省なり建設省なりといろいろ思想の統一をはかって、そういうものを現在よりは拡大していく方向で考えておるということでございます。
  154. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その場合、当初の工事というのは、これで見てみましても、指名競争でやっているのですが、引き続きの工事というのはその業者に随契でやる、こういうやり方がおおむねなされているわけですね。ですから、そうしてみますと、やはりそれは全体的な工事としての見方をしてやらないと、どうしても国損が生ずるということが起きてくるじゃありませんか。ですから、そういう意味で、工事を一つの件名としてやれないなら、やはり切るなら切るで、ここからここまでやる、そのあとの工事はあとの、工事としてまた競争入札なら競争入札をさせる、あるいは競争入札をさせるのを条件として、たとえばいままでやった工事の人にやらせる場合には、これだけここで工事経費が節約できる、新しくやる場合においてはこれだけ余分な設備を新しくいろいろしなければなりませんから、これだけ工事費がよけい要る——それは積算の計算の中において、入札の予定価格をきめるときの問題として考えて、やはり入札の点ともあわせて債務負担行為をつけるならつける、つけないたらつけないできっちりして、次の工事をやるときの計算方法というのは新しい角度で入札させる、こういう方法でやらなければおかしいと思のですが、そういう点どうなんです。
  155. 永田正董

    ○永田説明員 二年以上にまたがる工事が途中で切れないというものは、すべて国庫債務負担行為に持っていくつもりでやっております。四十年度予算では、全部がそうはいきかねて、これは大蔵省等の意見もありまして、要求が全編通ったわけではございません。しかし、今後はそういうものは全部債務負担行為でやっていきたい、こういうことを考えておるわけでございます。したがいまして、最初の年は競争入札であったけれども、二年度はそのものと随意契約をやるというものはなくしていきたい、全部競争入札でいきたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。
  156. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、よくわからないのですが、それじゃ四十年度でこれに該当する検査院から指摘された「二年度以上にわたり継続施行する国営土地改良工事」だということであなたのほうで予算を要求をいたしまして、大蔵省で債務負担行為に該当しないから切ったというものもあるようですから、ひとつその現況について、工事件名、それから予算、債務負担行為、あなたのほうの債務負担行為の考え方、大蔵省の考え方、これを資料として出していただきたいと思う。やはりこれは会計検査院としての意見から出されたことで、新しいものの考え方として、検査院として予算の効率的な運営という問題について、ある程度示唆している新しい問題なんです。予算の組み方というのは、いままで予算についての批判というのはないのですから、会計検査院というのは予算批判というのはいたしておりません。しかし、これはある程度考え方によっては予算批判というものにもなるわけでありますから、やはり原局のやりいい方法にものを考えるのがいいのか、あるいは大蔵省の言っているのが正しいのか、よくわかりませんが、私たちとしてもう少し研究したいと思いますので、四十年度であなたのほうがこれに指摘されて、どういう形の要求をしているのか、そしてそれは入札を含め、どういうふうに考えているのかという点を、詳細な資料として出していただいて、次のときにまた意見を聞かしていただきたいと思いますが、それはよろしゅうございますか。
  157. 永田正董

    ○永田説明員 資料はさっそく提出できるようにいたします。
  158. 勝澤芳雄

    勝澤委員 農林漁業金融公庫の総裁が来ておりますから、ここで承っておかないともう一回来てもらわなければなりませんから、忙しい人をあまりそう二回も三回も来ていただくわけにいきませんから、一応簡単にお尋ねしておきますが、このあなたのほうの報告によりますと、年度末貸し付け残高はいまどれくらいあって、大体それを用途別におおむね出している金額がどれくらいということがわかりますか。
  159. 清井正

    ○清井説明員 三十八年度末残高でございますが、三十八年度末の残高は、総残高が三千二百七十七億円余でございまして、そのおもなものといたしましては、土地改良の貸し付け残高が千百二十二億ばかりでございまして、全体の三四%を占めているわけでございます。その次に大きいものを占めておりますのは自作農維持創設資金でございまして、七百四十二億ばかりでございまして、割合といたしましては二二・七%ということでございまして、この土地改良資金と自作農維持創設資金が私ども貸し付けをいたしておりますもののうちの一番大きなものの二つでございます。その他の林業、漁業、共同利用施設等いろいろございまするけれども、いずれも一〇%以内の数字でございまして、大宗といたしましてはただいまの二つが一番大きな比率を占めているということでございまして、総残高は、ただいま申し上げたとおり三千二百七十七億円余ということになっているわけでございます。
  160. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、これは延滞金というのですか、少しあるようでありますが、この辺は、六カ月以上延滞、あるいは一年以上延滞のもの、こういう状態が三十八年度出ておりますけれども、最近の状態はどうなんですか。
  161. 清井正

    ○清井説明員 延滞金でございますが、三十八年度末については、ただいま先生のお話しのとおりのような状況でございまして、全体の割合といたしましては、延滞金が一・〇五%余でございますが、三十九年の適中の状況でございますると、それよりも下がって、約〇・八%余になっております。さかのぼり三して、三十七年度末はすでに御承知かと思いますが、一・一〇、三十六年度末は一・三四、三十五年度末は二・五四ということでございますので、年度を経るに従いまして、全体の残品のうちに占める延滞金の割合というものは減ってきている、こういう状況でございます。三十五年度末の一・五四が、ただいまは〇・八ということでございます。今後私どもといたしましてはできるだけ努力をいたしまして、延滞金の整理を進めてまいりたいと思っているわけでございます。
  162. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あまり延滞金に触れると片方のほうでおこられますから私は言いませんけれども、それは、種別はおもにどういうところなんでしょう。
  163. 清井正

    ○清井説明員 金額といたしましては、貸し付け残高の多いものがわりあいに多いということはあたりまえなんでございますが、私どもが一番心配いたしておりますものといたしましては、まだそこまで具体的にはいっておりませんけれども、自作農維持資金、特に開拓者に対する自作農維持資金というものがわりあいに延滞が多いわけでございます。これは御承知のとおりのような貸し付け者の実態でございますから、政府金融機関としてあまり無理をいたすわけにはいかないと思いますけれども、一方また政府の資金を貸し付けいたしておりますので、私どもといたしましては、この延滞等について非常に苦慮しております。もっとも、政府側もこれに対しましては非常に努力いたしておりまして、最近開拓者に対する措置をいろいろ講じておりまして、私どもそれに即応いたしまして条件緩和等の措置をただいま講じておる最中でございますが、やはり一番大きいものは自作農維持資金、その中で特に開拓者に対する資金ということになっております。  その他のものといたしましては、土地改良は金額が多うございますから、延滞額もわりあいに多いのでございますが、あとは林業なり漁業なりそれぞれ特殊な形態として残っておるものもございます。以上の状況でございます。
  164. 勝澤芳雄

    勝澤委員 次に今度臨時行政調査会の関係で、公社や公団等の改革に関する意見の中で特に改組、再編成すべきものであるという例示が出されておりまして、その中に特に農林省関係の個所がたくさんあるわけであります。たとえば魚価安定基金あるいは日本蚕繭事業団あるいは愛知用水公団あるいは森林開発公団、日本てん菜振興会あるいは畜産振興専業団、農地開発機械公団あるいは中央競馬会、地方競馬全国協会というようなものが出ているわけであります。私も最近の公団あるいは事業団、特殊会社等の乱設の状態を見てみますと、その目的に沿った運営がなされていないという点が多々あると思うのでございますが、これらについて農林省としては、まず総括的にどういうふうにお取り扱いをいたしておりますが、最初にお尋ねいたしたいと思います。
  165. 中西一郎

    ○中西政府委員 十八件の御指摘の中で、農林省関係が八件ございます。それらにつきましてそれぞれ目的があるのですが、ものを考えます場合の前提となる政策的な立場等において、やや農林省と見解を異にする点がございます。たとえて申しますと、魚価安定基金あるいは蚕繭事業団、畜産振興事業団等に関連しまして、総合的な価格統制機構を将来考えたらどうかというような御指摘もあるわけです。しかし現在の価格政策あるいは所得政策というようなことについての検討段階あるいは農林省全体の進みぐあいから言いまして、いきなりそこまではとてもいかない。また価格の総合調整ということだけでなしに、これからの問題としては所得政策に相当ウエートを置いた政策転換も必要ではないかというふうにも考えられますし、臨調で御指摘になっておる価格調整の総合的機構というふうに割り切るのは、現段階では非常にむずかしいというふうな問題がございます。一つの例示でございますけれども、そこでそれらの指摘を受けております事業団などの中で、個別の問題としましては組織なり運営改善を要するというようなものもあろうかと思います。そういう点については前向きで十分検討してまいる。一般的に申しますと、以上のような態度でそれぞれ善処してまいりたい、かように考えております。
  166. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの国会で、これに類するようなものは農林省としてはやはりつくる法律を出しておるのですか。どういうものが出ておりますか。
  167. 中西一郎

    ○中西政府委員 この国会で新たに提案して御審議を願っておりますものは、事業団で二つございます。農地管理事業団と八郎潟新農村建設事業団、この二つでございます。さらに前国会から継続審議で参議院で御審議を願っておりますものに食料品総合小売り市場管理会というものがございます。そのほか農地開発機械公団等について若干の手直しをするというものも、この国会で御審議願っておるわけでございます。
  168. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この臨調の意見というものは、ある程度こういうものを整理統廃合していけというのが臨調の方針なんですね。それから見ると、いまのお話は、この臨調の整理統廃合ということを全面的に否定して、まだまだつくっていくという方針なのですか。この食い違いは農林省ではどういうふうにお考えになっておりますか。
  169. 中西一郎

    ○中西政府委員 統廃合の問題につきましては、臨調自身が触れておられますが、一つは設立当初の目的を果たして、いわば任務は完了したというようなものは廃止しようというのが第一点でございます。  それから第二点では、同種の業務を行なうものがあるときはこれを統合しろという御指摘でございます。  で、先ほど触れたのでございますが、価格の総合調整機構ということで、魚価安定基金あるいは蚕繭事業団、畜産振興事業団などを一本にまとめるようなことは考えられないかというような御指摘がこれに関連したものであると思うわけでございますが、その点につきましては、価格政策だけではいけないので、もっと広い児地からの将来の検討を必要とするということと、さらにいまの魚価安定基金、蚕繭事業団、畜産振興事業団等につきましては、それぞれの運営なり、今後の実施面で改善すべき点は改善しなければならないとは思いますけれども、この統合という御指摘に関連して、統合をしなければならないというふうには、現段階では考えていないわけでございます。  そのほか大きな御指摘としましては、経営の問題、あるいは財務的な問題で、自立的な運営能力がないような公団、公社、事業団、そういうものは本省の付属機関あるいは地方の公共団体に移せというような御指摘がございます。これらに該当するものは、農林省の指摘がありました八つの中にはないというふうに考えております。公団、公社、事業団全般を通じまして、現在の監督規定が非常に精細にわたっておって、技術的な運営を阻害している面があるというような御指摘も別途ございますが、その点につきましては、農林省に限らず、全省庁を通じまして、公団、事業団あるいは公社の監督規定を将来どうするかということが当然問題になろうかと思いますが、その時点において、農林省も一括してその問題を処理する、そういう考えでおるわけでございます。
  170. 勝澤芳雄

    勝澤委員 官房長に政策的なことなど聞いて、統廃合についてどうするなんていうことの答弁を求めるのは無理なのでいたしませんが、その問題はまた別な機会に大臣に聞くことにいたしまして、今度新設されている八郎潟開拓なんとかという事業団ですが、これは当初の計画では農林省としては農地開発機械公団にやらせるという案があったとかなかったとか、あるいはここで十分じゃないだろうかというような意見が出ているというお話ですが、それはどうなっていますか。
  171. 永田正董

    ○永田説明員 農林省といたしましては、ただいまお話しのような機械公団にやらして十分であるというような案を立てたことはございません。当初からやはり新しい事業団にやらせることが適当であろう、こういう方針で進んだわけでございます。
  172. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それはいま新設されているこの事業団等ではできないのですか。どういう点が新しいものをつくらなければできないのですか。
  173. 永田正董

    ○永田説明員 八郎潟の中央干拓は、御存じのように新しい村を一つ独立してつくった。去年の十月ですか、誕生したわけでございます。こういう大規模な、これは一万五千数百町歩、農地で一万三千町歩ばかりという大きなものでございまして、一つの行政単位がそこに新しく生まれるといたしますと、公共的な施設が非常にたくさん要るわけでございます。普通小規模な干拓では農業面だけで大体農林行政としては事足りるのでございますけれども、新しい村ができるとなりますと、農林行政以外の面が相当に入ってくる。そういうものを総合的にやっていくためにはどうしても新しい公団をつくったほうがいい、こういう考え方でございます。
  174. 勝澤芳雄

    勝澤委員 臨時行政調査会から指摘されている一つ一つの中身につきまして、私ももっと質問をいたしたいと存じますが、時間がありませんので次の機会に一つ一つ御説明をお聞きしたいと存じます。やはり長い間かかってつくられたこの民間の人たちの大事な意見でありますから、これについてある程度農林省としても必要性があるのだということをやはり社会的にも納得させるようなものにしていただきたいと思う。いまの官房長の御説明ですと、魚価安定基金につきましてもあるいは数々の問題につきましても、農林省としての意見はお持ちのようでありますけれども、一応こういう角度から臨調が出されているというたてまえから言うならば、内閣自体も臨調の意見を尊重していくのだ、尊重していくということはやはりある程度これに沿って改革をしていくことではなかろうかと思うのです。ですからそういう点で、次の機会にはもう少し具体的に一つ一つの問題についてお聞きいたしますので、ぜひ私の質問から農林省として必要性というものについてある程度の納得のいけるような答弁の御用意をしておいていただきたいと思う。あとは次の機会に譲ります。
  175. 福井勇

    福井委員長代理 なお、勝澤委員から資料の提出を求められたものはなるべく早急に当委員会に提出願いたいと思います。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時二十三分散会