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1965-03-09 第48回国会 衆議院 決算委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月九日(火曜日)     午前十時四十五分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 田村  元君 理事 勝澤 芳雄君    理事 田原 春次君 理事 長谷川 保君       神近 市子君    堂森 芳夫君       高田 富之君    森本  靖君       山田 長司君    吉田 賢一君  出席政府委員         通商産業事務官         (公益事業局         長)      宮本  惇君  委員外出席者         検     事         (刑事局刑事課         長)      伊藤 栄樹君         会計検査院長  小峰 保榮君         会計検査院事務         官         (第五局長)  宇ノ沢智雄君         参  考  人         (電源開発株式         会社総裁)   吉田 確太君         参  考  人         (電源開発株式         会社総裁)  大堀  弘君         参  考  人         (電源開発株式         会社理事)   浅尾  格君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 三月九日  委員松原喜之次辞任につき、その補欠として  高田富之君が議長指名委員に選任された。 同日  委員高田富之辞任につき、その補欠として松  原喜之次君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月四日  昭和三十九年度一般会計国庫債務負担行為総調  書 は委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  国が資本金の二分の一以上を出資している法人  の会計に関する件(電源開発株式会社)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会談を開きます。  国が資本金の二分の一以上を出資している法人会計に関する件について調査を行ないます。  本日は、本件調査のため関係当局のほか、電源開発株式会社より総裁吉田確太君、副総裁大堀弘君、理事浅尾格君、以上三名の方に参考人として御出席を願っております。  参考人各位に申し上げます。発言をなされる場合には委員長許可を得て行なっていただきますようお願いいたします。  次に、委員各位に申し上げます。参考人よりの意見の聴取は委員質疑により行ないたいと存じますのでそのように御了承願います。  これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、これを順次許すことにいたします。田中彰治君。
  3. 田中彰治

    田中(彰)委員 副総裁にお尋ねいたしますが、あなた、この間上椎葉ダム不正工事について話したとき知らないとおっしゃいましたが、三十一年八月ころどこにおられましたか。
  4. 大堀弘

    大堀参考人 ちょっと突然のお尋ねでございますが、多分重工業局次長であったと記憶いたしております。
  5. 田中彰治

    田中(彰)委員 重工業局次長をやっておられたというと、当時重工業局はどんな仕事の監督をしておったのですか。
  6. 大堀弘

    大堀参考人 業種を担当いたしておりますが、鉄鋼関係機械関係等が主体でございます。
  7. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた、この間上椎葉ダムの問題を話したときに知らぬとおっしゃいましたが、少なくとも重工業局次長をしておれば、新聞等に、日刊紙ですか、福日にも出ておればここの新聞にも出ておるんだ。ここに、五十八億の工費の超過、不当支出の疑いで技術上の手落ちということで、こうやってどんどん新聞に出てやられたこのことをあなたはお知りにならない。これは、あなた、知っていて知らぬと言っているのでしょうが、上椎葉ダムの出力約十万キロワット、工事期間が四ヵ月おくれたために非常に経費がよけいかかった。ダムの本体にクラックつまりひびが問題となって、下流の住民が大騒ぎをした。九州電力の損害も約十億、土木機械の水浸もあり約三億円、道路に約二億、発電所が水浸しになったので電熱料金等全部入れて約十五億の損害である。こういうことが出て、そしてこういう問題になっておったわけです。これはあなた知らないとおっしゃる。  その次は、そこに続いて一ツ瀬ダム、工期が六ヵ月おくれて——これもみな鹿島建設ですよ。今度献金をもらって不正入札した鹿島建設ですよ。よく聞いていらっしゃい。あなたにはこういうものを突きつけないと、役人上がりのずるいやつというものは突きつけると初めて納得するのだ。一ツ瀬ダムの起工が六ヵ月おくれて突貫工事をやり、コンクリートを打ったのが、これがきかなかった。そして非常に注意を受けてここでも相当の損害で大問題になって、やっぱり新聞に出ている。  その次は山梨県の西山ダム野呂川発電所、これも鹿島建設がやったのだ。これがひびが入って非常に騒いだ。県会で問題になったので、そしてこの補修工事をやった鹿島建設が県議三十一名に完成記念として、ここに刑事課長もおられるが、金時計一個ずつ贈って買収をはかって事件となった。これは事件となって西川が処分された。これだけ——いままだ調べております。まだたくさんあります。こういうダムに対してこういう事件まで起こした、そうして新聞にこれだけこうたたかれている、こういうものをあなたはこの間知らないとおっしゃっておる。重工業局次長をしていらっしゃればこういうことをお知りにならなければならぬ。あなたにこれを見せてやりますから、めがねをかけてよくごらんなさい、近眼だったらめがねをとってよくごらんなさい。——どうして知らないのか、そういう過去に経歴があって、世界銀行から金を借りたやつを断わられて、そうして日本政府にたくさん迷惑をかけた、そういう経歴のある人に、こういう特殊なことをして工事をさせなければならぬというのはおかしいじゃないか、そこに総裁もおられるが、東京電力とも、鹿島ともずいぶんいろいろな仕事でもって問題を起こしている、いまこれも調べておる、おかしいじゃないか、刑事問題まで起こしているじゃないか、それをあなた知らなかったんですか。
  8. 大堀弘

    大堀参考人 不勉強にして存じませんでした。
  9. 田中彰治

    田中(彰)委員 通産省に持っていったら、通産省局長が、公益局長もみな答弁をしておる。そうして鹿島組にいろいろな意見書を提出させておる。それをどうしてあなたは知らぬのだ。そんな問題が起きたのを知らぬということはおかしいじゃないか。決算委員会の問題にもなった。そういうことさえも知らなかったり、忘れたりするような、そんな上等な頭を持っていてこんなことをやるのはおかしいじゃないか。鹿島にしか落ちないというような問題。今度は佐藤工業も調べるが、おかしいじゃないか、だれが聞いておられたって、新聞記者の諸君も聞いておられたって、おかしいじゃないか、まだここにこういう問題がある。これは普通の投書じゃない、名前を入れて投書をしておる。私をどうかこの証人に呼んでください。地元からこういう投書がくるというのはおかしいじゃないか。「去る本年二月三日福井県の県庁において、前通産大臣福田一氏福井電力特別委員長笠羽氏とが会見して、福田氏は「水利権許可」について笠羽氏の協力を願い出た。しかし笠羽氏は、地元和泉村の補償問題について、県当局並びに電源開発地元和泉村に対して、何ら解決していないため、簡単に水利権許可にならないだろう。むしろ、この入札白紙にしたらどうか、」「地元和泉村ではこの入札白紙に返すことを希望している」と述べている、福田氏の申し入れを拒絶した。しかし、福田氏は、「もしこの入札決定白紙にすれば、池田首相(前)と黒金泰美氏、(前)官房長官と私の三人立ち会いのもとに、さきに鹿島建設より多額の政治献金池田氏に渡されているので、これを鹿島建設に返還しなければならないと述べたため、両者はもの別れとなった。こうした事実を、決算委員会で取り上げて糾明してもらいたいと存じます、なお、証人として、福井県会議員笠羽電力特別委員長福田一氏黒金泰美氏、杉本和泉村村長らを召喚すれば、事実が明瞭になると思います。右の件について天地神明に誓って御報告申し上げます。」昭和四十年一月二十八日大野郡和泉尾崎一郎田中彰治先生としてある。どうです、普通の投書と違うじゃないか。こういうことまで引き起こしておって、そうしてそういうものを知らない、こういうものを等閑に付している。だれが考えたって、これというものは不正入札があるということは、刑事課長もいままでの体験からいって、公にはここでいろいろな告訴なんかのことがあるから申し上げられないが、個人としてはくさいと言われている。会計検査院長も初めいろいろなことを言われたが、研究した結果、これは随意契約のなれ合いだと言われている。そうしてこういう投書がある。まだここにも投書がある。いま刷って持ってくるが投書がある。あらゆる投書がある。正しいというものはあなた方そこにおる三人だけじゃないか。しかも総裁などはこういうことを言っている。この前の速記録に、勝澤委員質問に対して、総裁は二月二十五日の本委員会において答弁の中でこういうことを言っている。密封した目途額を二日間ばかり預かっていたのではないか、という勝澤委員質問に対して、あなたはさような事実はないと否定しているが、「金庫に入れたということはあとで聞きました」と発言している。あとで聞きましたと発言している。九月二十四日の密封した目途額をだれがどこへ保管したか知らないということになるとこれは全く重大だ。目途額金庫に入れたことを総裁が知らなかった、あとで聞いたと、この速記録にもちゃんとしてある。速記録でちゃんとここに言っている。速記録にうたっている。まるでこれはりっぱな国から保証されておる電源開発総裁とか副総裁とか技術部長たち常識の話ではなく、全く常識から除外したそういうことを言っている。あなたはそれを知らないと言った。その新聞をちゃんとみんなに見せてごらんなさい。通産省の、しかも幹部でおって、多少はいろいろなことでダムなんかにも関心のある課なんだ。新聞にもそれだけ出て、決算委員会で問題になって、また日刊新聞でも、こっちでも出た。けれども地元のがとってあったからそれを持ってきた。フクニチといえば、そんないいかげんな新聞ではない。それに堂堂と書いてある。公益局長答弁しておる。それをあなた知らないとおっしゃるのはどうなんですか。国民がこれを聞いてごらんなさい。税金を納められないで、どんどん中小企業は倒れていく、金融がつかないで倒れていく。あらゆるところで大きな事故を起こしておるのに、失業者を出して、自殺者を出して騒いでおるのに、電発のみが国民税金だからといって、しかも税金国民に保証をさして、そうして金を借りてきて一番最低の価格と一番上の価格と五億一千かも一方において違う、一方において三億三千万も違う、八億からの国民の金をむだ使いして、そうしてああでもない、こうでもないといって、ここで答弁されておるが、あなたほんとう国民なのか、一体日本国民なのですか。あなた税金というものはどうやって取り立てるのか、納めないときはどういうことになるのか。国民が保証して、もし払えぬときは政府が払うのではありませんよ。国民税金で払う金ですよ。何らの、申しわけないとかそういう観念がない。それが常識上通りますが、どうなんです。通るなら通るといってごらんなさい。
  10. 大堀弘

    大堀参考人 私ども担当仕事につきましては常時注意をしておりますが、すべてのことについて新聞を全部見ておるわけではございませんので、はなはだ不勉強と言われれば不勉強でございますが、このことは私は存じませんでした。
  11. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたはそういったこれだけの——西松建設は安くてだめだ、これだけのものをとっておる、これがりっぱな請負師だ、前田建設はだめだ、熊谷だめだ、間だめだ、奥村だめだ、大成もだめだ、こういうぐあいにこういう選定される人が、少なくともこういう重要な外国から金を借りて仕事をする、ダムをやるのに鹿島建設が今日までダムに対してどういう体験とどういう功績とどういう失敗があったかということをお調べにならないのですか。おかしいじゃないですか。刑務所で一人のどろぼうをつかまえてこれを起訴猶予にするような事件であっても、一応起訴猶予にする前にこの人間学校時代どうであったか、近所の評判がどうであったか、いままではどうであったか、どういうことをしたかということを調べた上でやっておるのじゃないですか。これだけのものが新聞に出ておって、これだけの失敗がある。まだ出てくる。その鹿島建設に、しかも安いからやらしたというなら済む。一番高くて、どこへも落ちないような方法で、いままでやったことのない方法でやって、しかも通産省入札をきめているそれを除外してやって、それを落とすのに、そういうダムに対する歴史、経験、実行力、そういう過去のものを調べぬでおやりになったのは、それはどういうわけなんです。
  12. 大堀弘

    大堀参考人 五社を指名いたします場合には、五社の過去の実績等役員会で審議いたしておりますが、鹿島につきましては、ここにございます以降に、本社の奥只見工事をやっておりますし、柳瀬工事もやっておりますので、これは前藤井総裁が五社が適当であろうという御意見がございましたが、私ども専門意見も聞きまして、五社いずれも適格であるという判断をいたしまして、私も賛成いたした次第でございます。
  13. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたは何を言うのだね。この決算委員会をばかにしなさるな。初めは藤井総裁が、あなたやめるのだから、あなたはそういう五社の指名とかこれに関係するなと忠告したにもかかわらず、おれはやっていくのだ、いろいろこまかい進退まで影響するような議論をしたが、やっていくのだと言って、その意見参考としていれたと言う。何かといえば役員会役員会と言っておる。役員会責任総裁と副総裁が持つのじゃないか。それをそういう歴史を調べないで、ただ一つか二つやって、いいところだけ調べるのですか。ここに何か事件があった、その場合にその人間を処分したり、その人間を引き立てたり、許したりするときに、いいことだけを調べて悪いことを調べないのですか。そんなものは、だれでも知っておることじゃないですか、まだ出てくるのですよ。しかも刑事事件まで起こして処分されておる事件を知らないとは何ですか。新聞に出て騒いだ事件じゃないですか。ここでも取り上げた事件なんだ。私は海外に行かなければならぬのでやめた。それを知らぬでおる、そんなことであなた済むのですか、どうなんです。
  14. 大堀弘

    大堀参考人 役員会は、八月二十日には藤井総裁司会のもとに——私が副総裁でございますから、もちろん役員会できめたことにつきましては責任は回避いたしませんが、役員会の総意によって五社を案としてきめたわけでございます。九月三日に、ここにおられます吉田総裁のもとでさらに慎重に検討して、この五社が適当であるという判断をいたしまして決定いたした次第でございます。
  15. 田中彰治

    田中(彰)委員 五社をきめたって、五社にやらせる前に、五社のすべてのことを全部調べたのでしょう、あなたのほうは。聞くと、西松なんか何か出したときに、おまえのところの書類はちょっと足りないからと言ってけっちゃった。書類が足りなかったら、出してみろと言って出させたらいいじゃないですか。通産省村上政務次官も、西松でもできます、こっちは奥村でもできますと言っている。それを書類を出したら、ちょっと書類が足りないからと言ってけ飛ばしている。一方の鹿島には何十万立米というようなそういうものまできちっと合わして、そうして鹿島がちゃんと書いておる。数字を上と下に変えただけだ。そういうように親切に西松に指導してやったらいいじゃないか。それをすぐにけ飛ばしている。それだけあなた方がやるならば、なぜ鹿島建設にこれをやらせるのだ。間にやらしても、熊谷にやらしても、前田にやらしても、西松にやらしても、奥村にやらしても、佐藤にやらしても、どういうことをしたか、どのくらいのことをやったかということだ。特にロックフィルダムなんというものはなかなかむずかしいものだ。そういう点をあなたがやはり一応副総裁として——総裁藤井さんで古いならいい。新しく来られたのだから、あなたがそれを調べて、実は総裁鹿島はAの2になりましたが、ダムにはこういう欠陥、こういう刑事件も起こしている、こういう問題もある、世銀から金も断られておる、それだから、これに対してはどうなさいますかと、あなたがちゃんと報告書をつくるのがあたりまえでしょう。われわれのような小さい政治事務所でも、人を採用するのに、志願者があると、一応学校もいい、何もいい、会った感じもいい、しかしその次は、採用する前にどこにおって、どういうことをしておったかということを調べてからでなければ入れない。いやしくも何十億の仕事ですよ。しかも競争者がある。それを一つも考慮に入れないで、そうして私は自分のことだけの新聞しか見ておらない、ほかのことは知りません……。通産省関係のないことじゃない。公益事業局長大騒ぎをしておる。鹿島からもこれに対しての上申書が出ておる。そういうことをやっておる。あなたがそういうものを知らぬじゃ済まぬでしょう。勉強が足りません、よその新聞を見ません、そんなことであなたは電発の副総裁としてつとまるのですか。いっそあなたもりっぱな人なら、国民にこれだけ迷惑をかけたら、私はまことにすまなかったから辞職しますとか、私は国民にすまないからこういう解決をすると、責任をとりなさい。それならそれを知らぬで済む。これだけのことをやって、これだけの人が笑うような答弁をして、その新聞も知らない、通産省公益事業局長がいろいろなことを出している、それも知らない。そうして電発の副総裁になって、そういうことを調べぬで、鹿島に落とした。しかも五億一千万も高いもので落とした。入札方法も、いままでやったことのないような、やってもうまくいかなかったような方法をとった。世間に疑惑を招いておる。水利権をとってみればこのとおりだ。そこらじゅうから私のところに投書が来ておる。ここにも和泉村の村民代表で来ている。そういうようなことばかりだ。それであなたが知らぬ存ぜぬで済むか済まないかということだ。いま刷ってこれを渡すが、和泉村からもこうやって、とんでもないことだといってきている。私はあなた方がそういうことをやるから、世界銀行に全部この事情を書いてきょう発送する。これは田中彰治国会議員としてやるのだ。英語にちゃんと翻訳しておる。本文で書いておる。全部証拠をつけて出しておる。金を借りられたら借りてみたほうがいい。それでいかなければ、世界銀行へ行ってくる。何ということだ。知らぬであなた済まぬでしょう。申しわけないの  か、知らぬで済むのか、言ってごらんなさい。
  16. 大堀弘

    大堀参考人 存じないことは存じないと申し上げるほかはございません。私は責任は回避いたしません。ただし先生はいろいろおっしゃいますが、ここに吉田総裁もおられますが、今回の請負付託につきましては、われわれとしては絶対公正に実施ができたと確信いたしております。今日でも最善の方法をとったと確信いたしております。
  17. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたがその新聞も知らない、責任回避しないということは、どういうことを回避しないのか。あなたがりっぱなことをやったと言うなら、なぜこれがこれだけ問題になる。りっぱなことをやったと言うのは、そこの三人だけじゃないか。国民のだれが聞いておっても、だれが見ても、これだけ投書がたくさん来るのも、みんなこれが疑惑を持っているから、こうやってよこして騒ぐのじゃないですか。あなた一人だけがそこでがんばっているだけじゃないか。正しいと言うのはあなただけじゃないか。ほかの者はだれ一人あなたのやっていることを正しいなんて思っておりませんよ。あなたはその新聞なんか知らぬで、それを調べないで鹿島にやらしたということは、そういうことが当然なのか、手落ちだったのか、どうなんです。
  18. 大堀弘

    大堀参考人 電源開発会社といたしましても、奥只見工事はりっぱにやっておりますし、柳瀬工事もりっぱにやっておりますから、私はこの五社が今回の工事に適格であるという点については、私もその結論が妥当であると考えておりますし、現在でもそう思っております。
  19. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた、とんでもないことをおっしゃるな。それじゃ、西松前田熊谷も間も大成奥村も、これは全部不正工事ばかりやっているのですか。この人たち不正工事ばかりやっているのですか、どうなんです。答弁してごらんなさい。
  20. 大堀弘

    大堀参考人 過去の個々の件につきましては、私もよく存じておりません。
  21. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた何を言うんです。間も熊谷前田西松大成奥村も、たとえば佐藤でも、過去のことについては何をやったか存じておりません——存じておりませんと言って、こんな大きな請負指名ができるのですか、どうなんです。あなた、人に聞いてごらんなさい。ここに刑事課長もおいでになるが、もし犯人を調べて、現在はどろぼうしたけれども、あるいは殺人したけれども、現在は非常にいいと思った。いいところにつとめておるし、いま悪いことをしなかった。だから放した。しかし、過去にはこういう大きな前科があった、過去にはこういうことがあった、それを調べぬで処分したら、あなた、これはいいと思うのですか。これはたいへんな問題ですよ。あなたがこれだけの請負師指名して、これだけのものをやって、そうして鹿島の、しかも通産省が騒いで、国会の問題になって、世界銀行の借款まで断わられたような、この大きな問題を知らなかったで済みますか。それからまた、いま、ほかの請負者の過去にどんな仕事をしたかわからぬ。そんなことでどうして指名できるのです。いいかげんなことを言いなさんな。ここは国会決算委員会ですよ。田中彰治委員会じゃないんだ。委員長委員会でもない。これは国民委員会だ、血税の。あなた、それが国民に対する回答となるのですか。良心に恥じて、もう少しほんとうのことを言いなさい。
  22. 大堀弘

    大堀参考人 御指摘の点は私もよくわかりませんが、これは九月三日の役員会議事録にもつけてございますが、配りましてございますが、ここにございます五社は、それぞれ過去においてりっぱな工事をやっておって、今回の工事をやるにふさわしい能力を持っておるという判定をいたしました。こういうことでございます。
  23. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは、さっき、あなた、過去にこれらの請負者が何をやったか知らぬと言ったじゃないか。いま言われたら、ちゃんとりっぱな業者であるということを言っているじゃないか。あなたが一体やったことを——あなたが金を取ったとかもらったとか言っているんじゃない。あなたがやった今日のことを、あなたがみんなにこうやって迷惑をかけて、いろいろなことをやっていることについて何とも思っておらないのか。やはりそういうことは手落ちであった、いろいろ疑惑を持つようなことをやったことはやはり自分たち手落ちであったと思っておるのか。いや、そんなものは何でもないんだと思っておるのか。そんなことなら、総理大臣を呼び出して、総理とこの冨山県証人を全部呼んで、ここでただす。池田総理も呼ばぬければいけない。もちろん佐藤総理を呼ぶ。通産大臣もきょう呼んでおったのだが、来れないというので、いろいろなスケジュールを見せたので私のほうががまんした。これなら、私のほうも総理を呼んで、君はそれを知っておったのか、知らぬのか、君も証人に呼ぶ。そうして偽証しておれば、その場で偽証非で告発する。どうなんです。
  24. 大堀弘

    大堀参考人 私は五社の指名は妥当であったと考えております。
  25. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうじゃない。自分のやっていることはりっぱだと思っているのか。
  26. 大堀弘

    大堀参考人 五社の指名も適正であると考えておりますし、その後に行ないました手続は、私どもは公正を期する上に完ぺきを期してやったと確信いたしております。
  27. 田中彰治

    田中(彰)委員 これだけ迷惑をかけて、これだけのことが出て、人がそう思って——それさえ知らないだろう。あなた、ほんとうのでくの坊なのか、それとも、そういうものが免れぬのか、どうなのか。新聞を読めぬのか、そこで読んでごらんなさい。それを知らぬなんてこと、あなた言えないじゃないか。公益局長は何と言っているか、読んでごらんなさい。この世の中に、あなたぐらいずうずうしい、あなたぐらい国民をばかにした人間はございませんよ。それならそれでいい。総理大臣を呼んで、君の言うことが正しいのか、通産大臣総理大臣の前できめてやる。  それから、総裁にひとつお聞きしますが、このいまの鹿島ダム失敗は、非常に水が出たときに万全を期すことができなくて失敗した。そこで、あなたのほうは、鹿島がそこへ橋をかけてそういう土砂を運ぶという説明をしていますが、あなた、一体、この九頭竜の川の水というものは——私のほうは何年間において調べて、ここに持ってきておりますが、あなたのほうで、どういうときにはどれだけの水が出る、何立米出て、何千立米出るということをお調べになっておりますか。
  28. 吉田確太

    吉田参考人 浅尾理事からお答えさせます。
  29. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなた、知らないのですか。
  30. 吉田確太

    吉田参考人 詳細なことを私はわかっておりませんので、浅尾理事から詳しくお答えさせます。
  31. 浅尾格

    浅尾参考人 御説明申し上げます。  私のほうは長年の水文資料によって、この九頭直川の流れの形は存じております。大体昭和二十二年から三十一年の間の平均をとりますと、この資料におきまして、豊水量は三十三・八トン、平水量は十八トン、低水量は十一トン、渇水量は六トン。それから洪水量につきましても、従来の洪水記録によりましていろいろ調べてございます。ダムの設計に用います計画洪水量、これは二百年に一回の確率の洪水量——これはいまだかって出たことのない洪水ではございますが、こういうもので千五百六十トンというものを設計に用いております。
  32. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうしますと、そこに——これは三十四年からの話だが、十月、十一月、十二月、これは渇水期なんです。この渇水期にはどれだけの水、あなたのほうで見ていますか。
  33. 浅尾格

    浅尾参考人 本日手元に持ってきておりませんので、詳細の御説明ができません。
  34. 田中彰治

    田中(彰)委員 それでは、あなた、この次に持ってきなさい。  それでは、私のほうからあなたに教えてあげましょう。技術員の人もよく聞いておきなさい。  こういうことで橋がもてるかもてないか。十一月、十二月の渇水のときには六十四立米しかない。ところが、これが四月、七月、八月となって二千八百九十五立米、水がふえるわけです。これは私のほうで全部六年間を調べて、これだけ水がふえると、この鹿島の橋というものはもてるかもてないか、それから、工事がこれだけおくれると、これだけの水がふえるから、この水を受けて工事ができるかできないかということなんです。それで、こんな橋なんてだめなんです。私のほうで調べてきたが、だめなんだ。あなた、これだけ水がふえてもこの橋でもちますか、どうです。
  35. 浅尾格

    浅尾参考人 そこにございます流況表は下流地点の流域でございまして、この永荒ダムにおきましては百八十四平方キロでございますので、これの一五%くらいの流量になると思います。実はこれは下流の資料でございますので、この橋梁につきまして先生のおっしゃることごもっともだと思います。私もそういう点では非常に調べました。橋梁の構造につきましても、これは前回も一度申し上げたことがございますが、これの強度計算等も一応チェックいたしましたが、この構造は、I型鋼を十二本並べまして、その上に鉄筋コンクリートの床板を張って、それからピアーは中間に二本ございまして、これは鉄筋コンクリートで、しかもその基礎は、川床に堆積土砂が六、七メートルございますが、これをウエルを入れまして岩盤までくっつけてあります。これは橋台も同様でございます。大体そういう設計でございまして、洪水に対しましては、二年に一回というような確率の洪水に対しては、十分これはかぶることはない。本設備の国道とか県道とかにかけます橋は、絶対に洪水にかぶらないというような橋を設けるわけでございますが、こういう工事場の仮設備におきましては、ある程度の危険は覚悟して設計するものでございます。なお、大きな洪水、確率として二年に一回、それ以上の大きな洪水のときどうなるかということでございます。これはすでにそのときには九頭竜川の水は仮排水路トンネルを通って下流に流れておるわけでございまして、これが在来の自然河川のまま流れておりますと、非常に流速が早うございますが、仮排水路トンネルを通って流れますと、上流側の水位はずっと上がって水がたまるということで、流速はこの付近では相当おそくなるわけでございます。それで、万一これが水につかりましても、この構造であれば決壊をするようなことはないというふうに私は思います。
  36. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたはそんなうまいことをおっしゃいますが、水は毎年毎年ふえておるのです。三十三年には千五百立米だった。三十四年には二千、もっとふえる。そうしてこれがだんだんふえていくと、いまのあなたの言うような橋をかけると、橋をかけるだけで相当の年限がかかりますけれども、そんなこと、あなたが言われなくても、また来年は水がふえる。ふえれば、いまのこの鹿島がやっているところのこの橋、これは絶対にもたないということだけは、どんな専門家でも——五年間の水の長を毎日はかってきている。私のほうのは毎日だ。毎日の水の量をはかって、ちゃんと量を出して、毎日検査しておる。橋なんかもちませんよ。あなたの言うような橋をかけるなら、橋をかけるのに一年かかっちゃうじゃないか、どうなんだ。
  37. 浅尾格

    浅尾参考人 私の先ほど申しました確率、二年に一回というのは、相当長期にわたりました流量の調べによった数字でございます。それで、すべて発電計画に使いますのは、できるだけ長い期間の流量資料を使ってやっておりますし……。
  38. 田中彰治

    田中(彰)委員 私はそのことを言っているのじゃない。橋がもつかということを聞いているのだ。
  39. 浅尾格

    浅尾参考人 橋につきましては、先ほど申しましたように、大洪水が出ますと、これは冠水いたします。その場合でも、すでに水は、先ほど申しましたように、仮排水路トンネルを通って流れておる状況でございますので、トンネルの中を水が流れる。その関係で上流側の水位はずっと上がりまして、この橋梁のある付近までずっと水がたまる、こういう形におきまして、仮排水路のトンネルを通って水は下流に流れるわけでございます。それで上流側の水の流れる状態は、現在のダムの何にもない、締め切りもないというような形において流れます流速に比べまして、非常にゆるやかになるということでございます。そのために、この構造であれば、たとえ冠水してもこわれることはないというふうに私は思っております。
  40. 田中彰治

    田中(彰)委員 この橋をつくるのには期日は一体どれくらいかかる予定ですか。
  41. 浅尾格

    浅尾参考人 半年ぐらいかかる見通しでございます。
  42. 田中彰治

    田中(彰)委員 半年も橋をつくるだけにかかる。それからいまあなたは隧道を流れる、隧道を流れると言うが、それはでき上がってからであって、いまは水は普通に流れておるのでしょう。いまも隧道で水を流しておるのですか。隧道を掘ってあるのですか。
  43. 浅尾格

    浅尾参考人 御説明いたします。半年と申しますが、これは、そのときばほかの工事もすべて準備工事中でございまして、ダムはそのあとで盛り立てが開始されるわけでございます。いずれもそういうような工程になっております。また洪水はトンネルを流れるということでございますが、この橋梁ができましたときには、すでに仮排水路が通水しておる。それからダムはすでに締め切りができて、そして九頭竜川の水は仮排水路トンネルのほうを流れるというような形になっておりまして、現在の本流側を水は流れないという形で、この橋がつくられております。
  44. 田中彰治

    田中(彰)委員 それはあなたは橋が完成した後のことをおっしゃっておる。ところが水はだんだん洪水になって——洪水じゃないのだ。あなたは洪水とおっしゃるが、われわれは洪水ではない、水のふえておる量を言っておる。何も洪水じゃなないのですよ。洪水でもって二千八百ですか、三百ですか、そういうものが出るのじゃない。これは洪水じゃない。普通ただ毎年ふえていく水を言っておる。また渇水期だって、これは渇水期というものじゃない。この十月、十一月、十二月はこれだが、こうなってくると、四月から七月、八月までは二千八百九十五立米も水が出る。これは水資源のところで毎日調べておるのだ。だから橋をかけるときに、この水が出れば橋がかからぬ。またこれだけの水が出れば橋はもたない。あなたはいろいろなことを言って、隧道を通すとかなんとかおっしゃるけれども、それをやる前にこの水が期日にちゃんと出てくれば、橋はかからぬじゃないですか、どうなんですか。もしあなた、橋がとれたとしたら重大問題ですよ、あなた質問されて。
  45. 浅尾格

    浅尾参考人 この表でございますが、流量の豊水、平水、低水、渇水と書いてございます。これはいずれも一年間——何年間のおそらく平均だと思いますが、一年間で御説明申し上げますと、豊水と申しますのは、三百六十五日のうちに八十五日間これだけの水があるという水でございます。それから渇水というのは三百五十五日、それから低水というのは二百六十日ぐらいというようなきめ方できめられる流量でございまして、これは一年間の毎月の流量を示したものでございません。それから先ほどの説明で、トンネルに水を通すということで私の御説明が少し不十分であったかと思いますが、仮排水路トンネルというのは、ダムを構築する場合に、ダムの構築される場所は水をからっぽにしなければいけない、そのために工事用につくられるトンネルでございます。それでこの仮排水路トンネルを通して九頭龍川の水を流しながらダム工事をやるわけでございまして、これはまっ先にこのトンネルが掘られる。そしてダムの構築を始めるときには、水はすべてこのトンネルから流されるというふうなことになるわけでございます。
  46. 田中彰治

    田中(彰)委員 これは私のほうも調べさせに現場に行っておるから、これはこの次のときにやりましょう。ただだれが見ても、いまの鹿島のかける橋が、この水の時期にくればこれはもたないのだ、もつようにするには、橋は少なくとも一年かかる。一年かけなければこれはできない、もたないのだ、専門家がみんな材料を集めて、そう言っておる。これはあれしましょう。とにかくこれだけ水が出るのに、橋をわざわざ半年も——あなたの言うとおり信じても半年もかかって橋を、大きな金をかけて、決して安全とはいわれないものをかけてやらなければならないということは一体どういうわけなんですか。みんなが言うように、こっちから運んだらいいのじゃないですか。橋をかけなければならぬ。橋のためにやはり交通も、そこにトラックが行き違いをしたとかなんだとかいうことで、重量の制限だとかそういうものがあるから、非常に不便ですね。そういうものをあなたのほうで認めて、金はよけいかかる、期日は半年も、あなたの言うことを本気にすればかかる。ぼくらに言わせれば、少なくとも十ヵ月かかる。ちょっとおくれれば一年かかる。鹿島は、今日まで工事を正式に上げておりません。そこにお話しした三つでもずいぶんおくれて迷惑かけている。そういうことを知っていてあなたのほうではそれをお許しになっているですか。
  47. 浅尾格

    浅尾参考人 材料の運搬道路につきましては前前回ですか、一度御説明を申し上げました左岸と申しますか、橋をかけない左岸側に沿って登る案、それから鹿島建設の出した橋を設けまして右岸側をずっと通って登っていく案、この二つの案があった。私のほうでも、この両案につきましていろいろ検討いたしました。これを簡単に申しますと、一長一短でございます。確かに左岸を登っていきますと、これは橋がないという利点はございますが、仮排水路トンネル、先ほど申しました工事用の排水トンネルですが、この取水口がそこにありまして、その辺で非常にむずかしくなる。  それから地形が、左岸のほうが急峻でございます。  それから右岸のほうを行きますと、これは橋の問題は残るが、それから先は地形がゆるい。道路の建設費といたしますと、橋を含めまして両方大体似たような数字でございます。それから運搬の距離でございますが、運搬の距離は橋のないほう、左岸のほうを進みましたほうが短い。右岸のほうが長うございます。しかし、これはダムをめがけましてどんどん道路は登っていくわけございます。それで上り坂があまり急になりますと三十トンダンプというようなダンプトラックは非常に登りにくくなる。要するにこの二つは、採取場からダムまでの道路の平均勾配というものが非常にものをいうわけでございまして、道路の長さというものは勾配のほうで打ち消しまして、いずれを行っても運搬時間は変わらないというような結果が出ております。  以上でございます。
  48. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたのほうでこの前の請負者のA級とかB級とかおきめになるときに、いまのあなたの説明と違った説明をしておられますね。橋はとにかく非常に——これに対する一つの見解を示してもらわなければ困る。それから、いまの右岸、左岸のことについても、やはりいまあなたがおっしゃったと違った説明を——私のほうで書類を持っておるんだから、違った説明をされておる。それは一体どういうわけですか。
  49. 浅尾格

    浅尾参考人 御説明申し上げます。  いまは両方の道路の概括を申し上げただけでございます。おっしゃられるように、橋梁の渡る場所において運搬量の制約を受ける懸念がございます。これははっきり技術審査に書いてございます。この点につきましては、橋の両側の取りつけ部付近において、よく詳細の構造を考えなけばならないというふうな意味でございます。
  50. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうも私はおかしいと思うんだ。私らに言われるとあなたはお逃げになるが、逃げても——あなただってそうなんだ。電源開発だからダムに関心を持っているわけだ。そういう新聞をあなたが知らぬということはない。まだ鹿島のやったことで二つばかり溺れているのがある。いま調べに行っている。そういうものがあるのにこういう入札された——これがりっぱにいって、国民がものを言わぬならいいですよ。ところが、予算委員会でも問題になり、国民の間で問題になり、こうやって山ほど投書はくる、どこへ行っても、あれは何かやっている、何かあったということはみんな言っている、会計検査院長だってこの入札がいいとは言っておらない。随契の話し合いだと言っておられる。刑事課長だって、これは私は、公にはここでいろいろと争奪戦のあれがあるから言えないけれども、こういうものをやった体験上これはくさいと言っておられる。これをあなた方が良心に恥じないで、これをあたりまえだなんといって、そこにおる副総裁のような、この人は国賊です。国民泣かせの国賊、税金ろぼうというんだ、これは。あなた方はそういうことを言っておられても、これではやっぱりこの橋の非常に影響があるいろいろなものをあなたのほうでこれにけちつけておる。そうして、これは結局鹿島にきまった。これから、佐藤工業あとでやるんだ。忘れておるんじゃありません。先にこっちをやってから佐藤工業をやるのだから。こういうような疑惑を持っていろいろな投書もき、いろいろなことをやっているのに、あなた方がまだ自分たちのやったことがいいのだ、入札だってもしもう少しこれが進んでくると、電話でもっておまえのところでは幾らで入れたかと聞かれるところもある。目途額が幾らだということを暗示しているところもある。そういうものが出てくるのです。きょうは金の問題が出てきた。さっき読み上げましたように普通のこれは投書ではございません。証人に呼び出してもらいたい、書いた人も私も呼び出してもらいたいと言っているのだ。おそらく、総理が来てごらんなさい、通産大臣がここに来てごらんなさい、あなた方のような無責任な、あなた方のような白々しい、良心を知らない、恥じない答弁はしません。何と言われたって、この橋に危険があり、この水があればできない、またダムもそうなのだ、鹿島ダムをやった失敗は雨が降ったときに丸太がひっかかっていためてからやった。そういうことのないように注意をし、そういうことのないようにするということでダムがじょうずかへたかということがわかる。今度は、この高いダムをやるときに、もしこの工事がおくれて、そして二千八百九十五立米もあるような水がきたときにはこのダムはできない、また期日がおくれる、おくれればまた問題になる、橋が落ちても問題になる、工事がおくれても問題になる。そういうものを予想しないでされる答弁、われわれも国会議員をこれでやめるのではないのだ。そしてこれだけ国民疑惑を持つ。私なんかときどき蒸しぶろへ行くのだが、このごろ恥ずかしくてふろにも行けない。一体あれはどうなのだ、もっとやってくれ、なぜあれはふん縛らないのだ、まるで私を刑事か警察庁と間違えて国民が私に言う。そういう問題まで起きているのに——あなた方おわかりになっているのだ。それゆえにおれたちのやったことは正しいのだ、何ともないのだ、おかしいじゃないですか。いまの橋の問題、水の問題、道路の問題は、技術的に私のほうもちゃんと調べてくるからこの次にもう一回やることにいたしましょう。  そこで私は総裁にちょとお聞きしておくのですが、あなたはどうして資料を出さないのです、委員長のほうにも申し上げたはずなのですがね。委員長、ちょっと聞いておいてもらいたい。大堀総裁と石田理事の出張の日程及び旅費の額を出してくれと言っているのだ。目途額の精算の根拠を出してもらいたいと言っているのだ。各社の技術審査の成績を出してもらいたいと言っているのだ。この資料がきておりません。この前も申し込んだ、君——ひとつ書いて取りなさいよ、大事な資料を取らないでおかしいじゃないですか、電発に買収されているのか。  そこで総裁、あなたにひとつお尋ねしますが、あなたのほうで融資を受ける、これは写しですね。この写しは間違いありませんか。
  51. 吉田確太

    吉田参考人 間違いございません。
  52. 田中彰治

    田中(彰)委員 それじゃお尋ねしますが、ここにこういうものがうたってありますね。第二百五項、「借入人は、引き出された貸付金元本額残高について年五五%の率の利息を支払うものとする。」五五%というのはたいへんな利息だが、これはどうなのです。
  53. 吉田確太

    吉田参考人 年利率五・五%であります。
  54. 田中彰治

    田中(彰)委員 五五%と書いてある、これはどういうわけですか。
  55. 吉田確太

    吉田参考人 ミスプリントでございます。
  56. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたは間違いないと言われたが、間違っているじゃないか。しかも利子だ、五・五%と五五%とは大きな間違いじゃないか。間違いないと言うが、間違っておるじゃないですか、どうなんだ、ごらんに入れますか。   〔田中(彰)委員参考人書類を示す〕
  57. 吉田確太

    吉田参考人 五・五%です。
  58. 田中彰治

    田中(彰)委員 それをここに五五%と書いてある。いまごらんになったでしょう。これはたいへんな違いですよ。国会に出す写しはやはりもう少し慎重に、われわれのやっていることに間違いがないと言われるなら——五・五%と五五%じゃ違うじゃないですか、しかも印刷したちゃんと国会に出す書類なんです。利息の点はたいへんですよ。間違いであればこれはいいです。  そこで、この貸し付けの契約は英文と和文があるが、ともに総裁はサインをしておられるかどうか。
  59. 吉田確太

    吉田参考人 サインをいたしております。それは英文でサインいたしております。
  60. 田中彰治

    田中(彰)委員 そのサインしたとき、まさかこれは五五%の利息を支払うなんというサインはしていないでしょうね。
  61. 吉田確太

    吉田参考人 絶対に間違いはありません。今度こちらへ出したのに五五と、まん中に点を打つのが抜けておりました。(笑声)
  62. 田中彰治

    田中(彰)委員 国会に出すようなこういう重要書類については、もう少しやはり点を忘れたなんておっしゃらないように、たいへんなことですから、知らない者が見ればこれはほんとうに思いますから、注意してもらいたいと思います。  そこで、貸し付け契約の第五百一項によると、電発は世銀に対して、事業の計画書、仕様書及び工事工程表を提出するとともに事業の施工については、勤勉かつ能率的にかつ健全な技術士及び財務上の慣行に則して遂行せねばならぬ、そういう義務を負っておる。すなわち工事の工程表が提出されて、工期が期日どおりに、ほんとうにあなたがそれをうたっておられるように、おくれないでこれはできると自信を持っておられますか。
  63. 吉田確太

    吉田参考人 この契約は私が調印してまいりまして、いまの御質問の、調印したところに、五八年でございましたから、先方の五八年、こちらの四十三年の半ばにこれが完成する予定である、このことを確約いたしております。
  64. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうするとわれわれに示しておられるのは、この四十三年にできる、あなたは世銀には五十八年ということを言っておられるのですか。
  65. 吉田確太

    吉田参考人 いま申し上げました五八年は英文でございますので、一九五八年の意味でございます。日本側でこれを四十三年の半ばに工事を完成する予定である、これが相互に調印されております。  先ほど私の申し上げたのは間違えておりまして、一九六八年でございます。五八年が六八年で、こちら例で言うと四十三年の半ばということでございます。
  66. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたもだいぶお年になっていらっしゃいますから、そのくらいの間違いはあまり責めぬことにいたしましょう。  それでもしあなたがそういうぐあいに調印していらっしゃるならば、前回問題となった、保安林についても水没する越戸峠、繁倉、小谷堂は農林省において調査したところによると、国有林であって水源涵養林であって、知事の許可のみではこれは自由にならない。農林大臣の許可を要して、従来の例によると農林省が現地調査等で許可には少なくとも二百日を要する、また暮地の移転についても、改葬するのには少なくとも三ヵ月を要する、その他諸学校の移転、新築については文部省及び教育委員会等の手続は、決して短期間では完了しない。さらに宗教法人である多数の神社あるいは寺院あるいは一般民有の建物、民有林、鉱山関係の諸権利等、いずれもいままで何らの手配もしていない。場合によれば民間側は所有権の侵害で工事停止の仮処分を申請する、こういうことも一部では言っている。これでは電源開発が計画しているように、渇水期に本流の、つまりせき止めがはたしてできるかできないか、こういうことをお尋ねするのですが、いやそんなことはあってもできるという確信を持ってお答えになりますか、これについてはどういうお考えを持っていらっしゃいますか。
  67. 吉田確太

    吉田参考人 お答えいたします。  先生のいろいろな御質問の中で、直接工事に必要なダムサイトの用地につきましては、これは三十九年の九月に許可済みになっておりまして、水没地域につきましては、つけかえ国道が完成するまで雪どけの危険がありますので、申請を保留する、県からもすすめがありましたので、前回も申し上げたとおり保留中でございます。先ほどいろいろの御質問の中の問題は、工事を四十三年の半ばに完成する予定で進めてまいりたい、かようなつもりでおりますので、それにはやはり先ほどから御指摘の道路、左側をいくか、右側をいくか、そうして橋をかけると平たんである、こういうこととあわせ考えまして、必要に応じて今後ダムをつくり、それに水をためる。ためるまでに移転をするように地元とよく話し合って、知事もよくそういう点で協力するからあなたのほうで円満裏に、しかもこれが世間で見て公正な話し合いで進めるようにという御注意もございました。私のほうも地元仕事をする以上は、残っておる問題については誠意を持ってどんどん解決するつもりでございます。
  68. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたなかなかうまいことをおっしゃいますが、鉱業権もだいぶあるし、こういう問題があるのですから、ダムをつくってそうして水をためるまでにはそういうことを解決すると言いますが、もし相手方が、これは解決つかぬ、水をためられたらだめだ、因るということになれば、やはり工事中止の仮処分もできれば、あるいはその他、裁判は公正ですから電源開発のいうことだからそれを聞いて、民間の私有財産の侵害までしませんからね。そういう問題がいままででもときどきほかのダムに起こってきている。そういうものをあなたはこれはダムをやっているうちにみんなこれを埋めたり、買収したりしてしまうとおっしゃるけれども、私はそう簡単にいかないとと思う。鉱業権一つにがんばられて、ここに水をためられたらおれの鉱業権はだめになる、それじゃ仮処分だといって、仮処分されたら工事はやはり一時中止をしなければならない。それからまた世界銀行にあなたのほうでこういう問題が残っているのだ、これは水をためるまでには解決する、そんなこと正直におっしゃっても世界銀行は金を貸しませんよ。正直におっしゃるならば、向こうだっていろいろな法律はやはり研究していますから、その点についてあなたはえらい簡単に考えておられるけれども、私はこれは問題だと思います。どうして問題だとなると、ここに投書がきています。和泉村の村長がこう、ってちゃんと投書をよこしておる。断じて工事に対しては反対する。これはいま刷ってきまして、全委員に渡しますがね。そう簡単にはいきませんよ。それに対してどういう見解を持っておられます。
  69. 吉田確太

    吉田参考人 われわれとしましては、村の人たちとよく話し合って、理解を求めて、しかもこの工事福井県並びに地方で早期開発をしてくれというお話もございました工事だということが、私は会社へ入ってわかりましたので、やはりわれわれが誠意を持って当たり、また村でもあの地域に早期開発してくれ、こういう趣旨をよく話し合って、逐次解決したい。そうして四十三年の半ばごろにこれを完成する覚悟を持っていま進めておるところでございます。
  70. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたが、私はそういうぐあいに考えて解決する覚悟を持ってやっておると言っても、相手方がこうやって反対してきている。絶対にやらせない、仮処分をする。また保安林だって、墓地のことだって、いやだと言われればしかたがありませんよ.私は別府に約一万坪ほど土地を持っておるが、そんなのはたった二十坪です。私が登記するまではそんな二十坪の墓地なんて知らない。登記しようとしてみたら二十坪ある。墓もだれの墓だかわからない。そこでよく墓のところを磨いてみると、墓の主がわかった。さあ、こういうわけだから、それをひとつ登記するのだから売ってくれないか。いや、それは祖先の重大な墓だからと、いままで十年間も二十年間も墓参りもしないでいて、これは重大な墓だから売れないと言う。そこで今度は、それじゃその墓の移転料からお寺の墓地を買うお金をみんな出しましょう、いやあのお寺じゃだめだ、この場所じゃだめだ、しまいににお寺と場所のいいところを見たら方角がだめだと、こう言う。とうとういまその土地は登記できぬでやっておる。わずかそんな土地でも、相手方が困って、金も好きなほど出しましょう、好きなこといたしましょうと言ったって、やはりがんばられれば、その墓のあるところにものを建てたり、ものを植えたりするわけにいかない。これだけの大ぜいのものでしょう。これをあなたのほうで、世銀にこういうものとこういうものが解決されておらないのだが、四十三年の水をためるまでに、こういう問題とこういう問題が法律的にあるけれども解決できると思うというようなことを書いて今度やられるのですか。いや、水利権もらったから、村との解決は円満にやるつもりだとやられるのですか、それはどうなんです。
  71. 吉田確太

    吉田参考人 私は、契約を締結するにあたって、この契約はここに書いてある契約書の中のわれわれが責任を持って処理すべき事項、こういうことに対して契約が結ばれておりまして、先般も申し上げましたように、この契約が有効に効力を発生するというのは、弁護士側の意見を先方が聞いておやりになる、そういうふうに考えておりますので、私のほうとしては、これ以上のことは現投降におきましては、何か御質問でもあればお答えしますが、必要がないものと解釈しております。
  72. 田中彰治

    田中(彰)委員 あなたこの前水利権をもらうときに、国際信義に反するからたいへんだというようなことをおっしゃたが、水利権許可になったが、相手方にそういう重大な難問題がたくさん付帯条件としてある。そういうものがあるということを含んである。それからそういうもののこまかい報告をしないで、弁護士の報告にまかせるのだとおっしゃるのだが、もし相手方がそういう条件を知って隠しておいた、そういうところへは金は貸せられないというようなことを言ってきたときに、この工事に対する資金面についてどういうお考えですか。
  73. 吉田確太

    吉田参考人 仮定のお話でございますが、私としては、この契約は弁護士の意見書が出まして、契約が有効に成立するということを向こうが確認して了承が得られる、かように思っておりますので、仮定のいろいろのお話に対して、私としては何ともお答えできないところであります。
  74. 田中彰治

    田中(彰)委員 そうすると、あなたも言うとおり、あなたは了承を得られるという確信を持っておられる。われわれはこの借款はだめになる、こう考えておるのだが、もしだめになったときに——あなたのとおりならけっこうです。これは金融にかけては名総裁としてわれわれはひとつ尊敬しましょう。しかしだめになったらその責任はとられますか。
  75. 吉田確太

    吉田参考人 お答えいたします。仮定の問題でございますが、私はそういう問題が起きたときに、総裁として十分考えたいと思います。
  76. 田中彰治

    田中(彰)委員 十分考えたいということは、そうやってくれば何らかの責任をおとりになるということですか。しかたがなかったなと言ってすこかぶりをされるのですか、どうですか。
  77. 吉田確太

    吉田参考人 私は、その責任について十分考えていきたい、かように考えております。
  78. 田中彰治

    田中(彰)委員 そこでこの第三工区にわたるのですが、佐藤工業に対する入札をもこういうぐあいにやられたのだから、大成熊谷前田奥村も、これはとれない。これも二十五億四千四百万円に対して、一番下の額よりもとにかく三億三千万円多い。一側以上これは多いのですが、そこで今度佐藤工業のやるところと鹿島のやるところとこういうぐあいに工区を分けて、仕事を分けられたのですが、万一このロックフィルダムをつくる採石も土砂もやはり佐藤工業が隧道坑を掘っていくところからおとりになって埋めることを予定されておるのですか。そこで鹿島建設が全部であるとか佐藤工業が全部であれば、これは問題ないと思うし、また問題があっても方法が立ちますが、もし佐藤工業との間に事故が起きて、あるいはまたいろいろな手おくれで佐藤工業が隧道から掘る土砂が間に合わぬとかいう場合には、どういうぐあいに考えておりますか。そういう事故が起きた最悪の場合は、どういう手段を考えておられますか。
  79. 浅尾格

    浅尾参考人 ロックフィルダムにおきましては、このダムに適当いたします材料は、ほかの工事で出されたズリにおきましても利用するというような考え方で、極力工事費の節減をはかるわけでございますが、二工区の地下発電所とかあるいは排水路というようなトンネルのズリも利用いたします。しかしながら、全体のダムの体積からいきますと非常にわずかなものでございまして、大部分はロック採取場とそれから洪水吐きのズリが利用されるということになっております。
  80. 田中彰治

    田中(彰)委員 佐藤工業は、いままで二十五億四千万というような大きな仕事をした例があるのですか。
  81. 浅尾格

    浅尾参考人 お答えいたします。御母衣発電所工事を行ないました。
  82. 田中彰治

    田中(彰)委員 そればどのくらいの金額ですか。
  83. 浅尾格

    浅尾参考人 当初契約は二十三億であったと思います。
  84. 田中彰治

    田中(彰)委員 その当時の工事の契約の内容、それから総額、それから工事の期日等をひとつこちらへ。それから、あなたのほうで佐藤工業にさせた仕事はそれ一つですか。まだたくさんさせたことがありますか、そういうものもひとつ出してください。
  85. 浅尾格

    浅尾参考人 後日出します。
  86. 堀川恭平

  87. 壽原正一

    壽原委員 副総裁にちょっとお尋ねしますけれども、先日以来、入札問題について田中委員からいろいろお話しございますけれども、われわれが見ても何かおかしいというような感をいだかざるを得ないような状態に見える。そこで、先ほどから田中委員が、何べんもあなたに対して、これは国民に対して相済まぬじゃないかということばを出しておるのだが、あなたがその答えに何か歯に衣を着せたようなお答えをしておるように、私は聞いておる。率直に、これは国民に対して、こういう疑惑を持たれるようなことをしたということ自体、あなたが改心の色がないというふうに、田中委員は立腹されておるように私は感じておる。あなたのことばを聞いておるというと、自分のやったことは必ずしも曲がっておらぬという信念、まことにけっこうな話ではあるが、ここは、少なくとも国会の決算をやる場であって、国民の血税を、そういうような疑惑を持たれながら使ったというような感をいだかした行為に対して改心の色がないというふうに田中委員は立腹をされておる。また、われわれも同様なんです。検査院長の答え、あるいは建設当局の答え、これらを勘案してみて、必ずしもこれは妥当のようではあるけれども妥当ではないというふうに考えられる節も多々あるのですから、あなたは率直に、やはりみんながそういう疑惑の目をもって見るのであったらば、これは自分の非は非として認めてもらわなければ、この問題の決着はいかぬじゃないか。あなたは、先ほど以来、自分の考えは必ずしも間違っておらぬ。不正事実がないんだ。これは不正事実があるかないかという問題は、われわれは考えてはおりませんけれども、ただ、そういうようなことで、これを見て、五社ともりっぱな建設会社であり、最下位にある西松建設でもこの問題は三十九億七千八百万でもって必ずやれるというておるでしょう。やれるという目標のもとにこういう入札をし、またあなた方も、日本の一流の会社であるから、必ずこの会社なら間違いなくやれる、こう思うて入札さしておったのならば、わざわざそういう制限価格の線なんか、鹿島に落ちなければならぬように見える線を引くということ自体が、われわれ、与えてみてもおかしいと思っておる、実際問題として。ところが、田中委員の言うておることは、国の金をそれだけむだ使いしたことは、国民に対してわびなさいということを言うておるのです。あなたは役人上がりだから、答弁はうまいように聞こえるけれども、全く、本問題については無責任きわまるような態度より見えないということは、われわれ、この決算委員会として、まことに遺憾にたえないと思います。もう少し率直に、やはり国民に対して、こういう疑惑の目を持って見られるということ自体が、あなたはいいか、悪いかというお答えを願いたい。
  88. 大堀弘

    大堀参考人 御質問の点に直接お答え申し上げない点はお許しいただきたいと思いますが、今回の私どもがとりました措置は、私は、公正を期する上に、念には念を入れて公正を貫徹し得たと確信いたしておりますから、そのことを申し上げた次第でございまして、私、こういう御批判を受けるような点がございますれば、私は私としての責任は感じておりますので、その件につきましては、私として十分慎重に考慮いたしたいと考えます。
  89. 壽原正一

    壽原委員 御批判を受ける点があればというおことばですが、批判を受けておればこそこれだけの大問題になった。この大問題に対して、あなたが責任をとるとらぬという問題は、これは別な問題です。国民というものは、先ほど田中委員が言っておったように、現在生活状態あるいは経済状態もこういう時代であるから非常に苦労しておる。その苦労の中からの血税を五億何千万もむだに使ったということを指摘しておる。しかも、それがうわさによると政治献金云々ということばも出ておるようですが、そういうところへ金をやって、鹿島建設にこれを落札させなきゃならぬということは、国民ほんとう疑惑の目をもって見ておるということを、われわれもそう感じ、また、先ほど以来橋の問題、いろいろの問題で、そこの何とかいう村長が手紙をよこしたのもございますけれども、こういう問題もあとから出てきて、いろいろな問題で、この九頭竜川に対するダムの問題は相当これから発展していく問題じゃないかと私も考えておるのですが、あなたがほんとう国民にわびるというような気持ちが出ないうちは、この問題は解決せぬだろうと思う。そういう気持ちになっていただき、また国民の血税を疑惑の目をもって見られるというような使い方をするということ自体、将来とも十分気をつけてもらわなきゃならぬ問題であり、電源開発には、特に国民というものは重視しておるということもよくお考えおき願いたい。しかも、現在は鹿島建設なるものは、相当工事の遅延あるいは失敗その他が繰り返されておって、それをあなたがお調べにならぬで鹿島に最終的にこの問題が決着したということは、だれが見ても、これは疑惑の目をもってみるのは当然のことだろうと思う。それに対するあなた方の幹部諸公の答えが、その田中委員の的確なポイントに入っておらぬからこういう問題に発展しなければならぬ。改心の色がないというのは当然のことだろうと思う。いま少し謙虚な考えになって——これから佐藤工業の問題もいろいろお調べになっていくそうですが、そういう疑惑の目を持たれるこの二つの問題に対しては、われわれもこれから深く研究して皆さんの反省を促したいと思っておりますから、その点十分留意の上、将来こういうあやまちを起こさぬ——あなた方のやったことは必ずしも私は不正だとは言っておるんじゃないのですよ。国民疑惑を持って見ておる。見られるような仕事をしてはいけないということを注意しておるのです。国民に対するあなたの態度そのものがまことに遺憾千万だということを私は申し上げておるだけのことで、私はこの問題の本人じゃございませんから、はたで聞いておって、この委員会自体としてあなたの態度に対する御批判を申し上げて、きょうは御注意だけ申し上げて終わらしていただきますけれども、十分こういう問題に対しては、国民監視の中にあるこういう重要問題に対しては、将来もあることだからお気をつけてやっていただきたい、これをお願いして、質問は終わります。
  90. 堀川恭平

  91. 高田富之

    高田委員 一、二点お伺いいたしますが、このロワー・リミットを引く引き方ですが、そこにありますように九一%から九三%までの間たくさんつくられまして、そのうちから五本のくじをつくって、一本を引いて、四本を焼却した。こういう御報告になっておるのですが、それはどうしてそういうことをおやりになるのですか。
  92. 吉田確太

    吉田参考人 お答えいたします。  この前申し上げたように、最低額が九%、これはこの前大堀から説明しておりますから省略いたしますが、七と九との間で、これは何の他意もございません。秘密を守ろうという意味でやったことを御報告申し上げます。
  93. 高田富之

    高田委員 私は全くこういうことはしろうとで、常識ではよくわからないので聞くのですが、ロワー・リミットは、それより低ければ、低過ぎることによって安心して工事をゆだねられないというところへ検討の結果引かれる線だろうと思うのですが、そういう線がかりに九%から七%までの間どれでもいいというふうに出るとすれば、どれでも可能だと出るとすれば、そのうちで一番安いものがロワー・リミットでなければならないというのが私どもの常識なんですが、それはどういうことですか。そこがよくわからぬのですが。
  94. 吉田確太

    吉田参考人 おっしゃることはごもっともでございますが、私はこの工事の経済性と安全性と両方を考えて、この前も御説明をさせたように、利潤も捨てるとかいうような考え方、それから本社の一般管理費も半分捨てていくとか、また現場の工事監督の管理費についても二%引くとか、これらが約八・七幾らになりますが、これをもう少しゆるめて考えても九という数字は工事をやる業者側としてはもうすべてを捨てた、いわゆるダンピンクと考えて——そうじゃなくて、やはり安全性を尊重してこれに重点を置くならば、ある程度の利潤、私のほうの統計で調べてみますと、四・幾らでございましたが、それに対して二%くらいという意味を含めて、ほんとうはこれは秘密が漏洩するのをおそれたばかりにその間を抽せんで、しかも役員の皆の前で、私がこれを引けというので、引いてサインして封印させた、こういうことでございます。
  95. 高田富之

    高田委員 ですから、そうしますと、要するに九一%と九三%との間に二%の開きがありますから、そうすると、九一がかりに抽せんで当たったのと、九三が当たったのでは一億四千万も違っちゃうのですね。ですから、当然可能性があるものならば、一番引きやすいものでいいですから、九一%の線がロワー・リミットであるべきだというふうにとうしても考えるわけです。ところがいまおっしゃるのは、秘密の漏洩と言われるが、秘密が漏れるから、くじでやった、こう言うのですが、それほどこういうものは漏れるものなのかというのが第一ですね。そうすると、一つだけパーセントをきめると、そのパーセントが漏れちまうというふうにあなたの説明では受け取れますね。だから、ほんとうならば九一%にするのが理論的に正しいんだ。だれが聞いても九一%が最低のリミットの線なんだ。けれども、九一ときめると漏れる心配がある。そんなにこういもうのが漏れる心配があるほどあぶなっかしいものならば、見積もり額だって当然漏れるでしょう。そうでしょう。見積もり額だって当然漏れますよ。そうなる。それは理屈にならないです。見積もり額も十もこさえてくじを引いたらいいでしょう。これはどうなんですか。
  96. 吉田確太

    吉田参考人 お答えいたします。そのために、別のところへ高村考査役と他の井上と、二名を連れて、監督さして、目途額の作成に出たっては秘密の漏洩を防止する、その点を苦心したつもりでございます。
  97. 高田富之

    高田委員 そうすると、目途額のほうは絶対漏れないように苦心してないしょでやっておいて、ロワー・リミットのほうは漏れてもいいようなルーズなやり方をしておいて、くじだからどれが当たったかわからないようにする、こういうことなんですか。
  98. 吉田確太

    吉田参考人 お答えしますが、目途額も、かつまたロワー・リミットと、七%との間、これも別途にして、両方とも秘密裏に、しかも公正にやろう、こういう意図でございます。
  99. 高田富之

    高田委員 両方とも同じように秘密裏にやるのだったら、ロワー・リミットも一つでいいじゃないですか。一つ一つで秘密にしたらいいじゃないですか。どうしてそんなにたくさんつくってくじを引くのですか。どうもまだわからないですよ。
  100. 吉田確太

    吉田参考人 私はそれが一番いいと信じてやらしたわけでございます。
  101. 高田富之

    高田委員 私はしろうとだから、しろうとにわかるように説明してもらいたいのです。副総裁でもいいですから。これは、そういうふうに秘密にしておいてくじを引かせれば、どれが当たったかわからないから、確かに秘密を守るにはいいと思うのですよ。しかし、その結果はちっとも合理性がないわけですね。たまたまくじで当たった、鹿島が受け取って当たったのだ、全くの偶然だということになる。それなら、偶然によってきめるなら、何も初めから入札などしないで、五人の指名業者にくじを引かせたらいいですよ。それでは合理性がないというきめ方になっちゃうでしょう。だから、私のようなしろうとにはどうしてもわからない。それをひとつ聞かせてください。
  102. 大堀弘

    大堀参考人 総裁の御説明を補足して申し上げますと、先般来の御疑念の中にも、特定の人のところを考えて下限を引いたんじゃないかという疑惑をお持ちになったと思うのでございます。特定の人を、値段を予想して下限を引くというようなことが行なわれてはいかぬ、これはある意味では、秘密ということと、同時に、公正を期するということ、二つの要素があったと思いますが、私どもとしては、二つの点でロワー・リミットの扱いを変えたわけでございます。これは、一つは、従来は開札直前にロワー・リミットをきめておった。入札から開札までの間に数日ございます。業者の請負価格が、見積り価格が提出されてから数日ございます。この間に、かりにそういう値段がどこかから耳にでも入ってきて、だれかが故意に、特定の人のために線を引くというようなことがあってはいかぬという意味で、それを私どもは二十四日の当日にきめてしまったのでごごいます。これが一つでございます。それからもう一つ、幅を持たせましたが、この幅の根拠につきましては前回申し上げましたが、それは、九%のほうがより正しいという御意見は私もわかります。私どもとして企業努力をしました結果、ぎりぎりの利潤が出る線が七である。この間であればまずわれわれとしては妥当ではないかと考えまして、その間に抽せんを行ないましたということは、私どもが結局恣意を避ける、私どもが変な作為をするということを避ける意味において総裁が御指示になったわけでございます。それで御了解いただけないかと思います。
  103. 高田富之

    高田委員 あなたの説明は幾らか具体的になりました。そうすると、入札した価格を知っている重役なり何なりがたくさんいた場合に、入札価格に合わせるようなふうにリミットを引いては困るから、幾つも引いておいてくじでやった、こういうことでしょう。そうなりますと、大体入札価格を知っているということがこれは前提になっているわけだな。そうでしょう。そうすると、入札したあとでロワー・リミットをつくることも、入札したあと目途額をつくることも、みなこれは怪しいですよ。全部あぶないですよ。そういうことを前提として考えなければならないのだったならばね。いまあなたがおっしゃるようなことだったら、それはくじを引くのとちっとも変わらない。そんなことば何の合理性もない。それじゃ、集めておいて五人の業者にくじを引かせるのとちっとも違わないです。ですから、それはなるべく合理性のある一番安いところへ入れるというのが入札の目的でしょう、われわれしろうとが考えても。合理的なものの最低の安いところへ入れるための入札でしょう。秘密を守るほうが絶対であって、そのほうが上にいっちゃって、そのためには高かろうが、何であろうが、何しようがかまわないというような、そんなばかげたことをやるなら、初めから抽せんできめたほうがいい。そういうのがどうも納得できないです、そこまででは。どうですか、もう少しわかりよい説明、ありますか。なければいいです。その辺で。
  104. 吉田確太

    吉田参考人 このお答えになりませんが、この機会に、私が会社に入った当時の心境と決意を申し上げたいと思います。  それは八月の二十八日辞令をいただきましたが、たしか午後三時だったと思いますが、会社の役員と本社の従業員と、しかも放送網を通して全国の従業員に、私は二つのことを強調しております。と申しますのは、この会社は国の資金を使うのだから、世の批判を浴びるようなことがあっちゃ困るじゃないか、これを強く要請いたしました。もう一つは、事業の性格上綱紀粛正を守れ、この二つを私は強く従業員全員を午後三時に地下室に集めて訓辞をしておりまして、私としては、何事も公正に、しかも世の批判を浴びることのないようにというつもりで、会社に入ってきて、いろいろと今度の処理につきましても苦心惨たんして、いろいろと御意見が出るかと思いますが、目途額の作成についても、全然人を避けてそこでやらせるとか、またいま御指摘の抽せんというような方法、九%も合理的に出せ、こういうことでその二つの組み合わせによって、公正であり、そして世の批判を浴びぬような方法をとってくれ、これを全役員に言いましてやらせたような次第で、私はその当時の心境を申し上げるわけであります。
  105. 高田富之

    高田委員 その心境は心境でお伺いしておきますが、それからもう一点、いまのあれですが、抽せんでロワー・リミットをきめるということは今回初めてですか。いままでやっておられるロワー・リミットは、全部そういう抽せんでやっているのですか。
  106. 大堀弘

    大堀参考人 抽せんをとりましたのは、今回初めてのようでございます。過去にないと思います。
  107. 高田富之

    高田委員 ですから、今回が初めてだというのですから、いよいよどうもおかしい。そうすると、今回の場合は入札した価格が事前に漏れているだろう、事前にだれか知っているだろう、そういうことを前提にして、その疑いがあるのでそういう方法をとったというのだから、どうもそういう理屈に合わない方法を今回初めてとったというところにも、今回のこのきめる過程において何かふに落ちないものがあります。  それからもう一つ。これは別のことで承りたいのですが、これも、私しろうとですからわかるように説明してもらいたいのですが、目途額というのをきめますときに、こちらの御提出いただきました資料によりますと、三十九年九月十四日より十五日と二日間あるんですが、「両日にわたって水力建設部関係者による会社目途額作成班は、理事室において、会社工事施行計画の検討を実施しました。」こうあるのですが、この二日間に、つまり山に入る前ですね、立てこもる前に、すでにこういう目途額作成班というのができて、理事室でいろいろおやりになっておるようですが、それをおやりになった人たちは、すでに山に入る前にある程度の、最終決定ではないにしても、おおよそどのくらいのものが出てくるという目途額についての目安がこの二日間で大体出るわけですね。
  108. 浅尾格

    浅尾参考人 お答えいたします。  作業班が山に出ます前に打ち合わせましたことは、工事の施工計画でございまして、これは工事の手順とか、工程とか、仮設備の配置とか、そういうものの大まかなものにつきまして、会社としてこの目途額を作成する場合には、こういう方針で工事をやるということにして作成しようじゃないかという打ち合わせが行なわれたわけでございまして、その工事のやり方に応じて金がきまっていくわけでございます。金額はすべて現地でございます。
  109. 高田富之

    高田委員 ですから私のお聞きするのは、そういうこまかいことはあるいはきまらないかもしれませんが、しかしここにありますようなことが二日間にわたって相談されれば、その場ですぐ金額というわけにはいかないまでも、それに参加した人たちが家へ帰って、それに金額を入れてみればそれでいいわけだから、おおむね今度の工事はどれくらいの目途額になるのかということはわかるでしょうね。
  110. 浅尾格

    浅尾参考人 工事費のことば全然わかりません、そこでは。どういうような道路をつくってどういうふうに運搬して、どういうふうにダムを盛り立てるかという工事のやり方だけをそこで検討をしたわけでございまして、全然工事費については何も打ち合わせしておりません。それでこの膨大な工事の金がそこでどのくらいであろうかということは、全然これは予想もつかないことであります。
  111. 高田富之

    高田委員 しろうとですから、そうですかと言うよりしようがないのですが、ただ十七日から山に入っていますね。そうすると、十四、十五、二日間やって、その間に一日まだ間がありますから、しろうとじゃないのだから、それらの人たちは、大体大まかな計画ができますと、おおむね金額を入れてみれば、ある程度の金額というものはわかると思うのですよ。ちょっと私があぶないなと思いましたのは、これを見まして、この会議に参加した人たちは、自分で一日の間にあっさり計算してみて、今度はおおむねこのくらいだということは、外部に知らそうと思えば幾らでも知らせられるのじゃないですか、多少の狂いはあっても。実はこういう心配をして聞いたのですが、そういうことはないとあなたはおっしゃるから…。
  112. 浅尾格

    浅尾参考人 全然そうではございません。
  113. 高田富之

    高田委員 そうですか。  今度は、じゃ十七日に作業に入りますね。入りまして、作業のいろいろの部門ごとにずっとやるのでしょうから、それも自分の部門については——ほかの部門のものがどうなっておるかわからないが、全部集めなければ総額が出てこないということになるのですが、それは部門ごとの計数というものを出して、最後に集計する前に出てくる部門というのは、どういう部門の計算なんですか。
  114. 浅尾格

    浅尾参考人 目途額につきましては、すべてが技術的な根拠を持ったものからの積み上げで計算されます。これは常にそういうふうにやっております。それで作業班といたしましては、大まかに分けまして、ダムのほうと発電所のほうというふうに分かれて作業し、その下に数名ずつの者が補助として配置されている。そしてそれらの者が寄り集まりまして、だんだんだんだんと工事費が固まっていくわけでございます。そうして直接工事、仮設備工事というものがそろってきますと、それから初めて間接費が積算され、できるという形になるわけでございます。総額がまとまりましたのは前々回ですか申し上げましたが、見積もり提出日の午後でございます。大体正確な数字が出たのは、午後一時四十分でございます。それから清書しまして、ちょうど見積もり提出の二時ちょっと過ぎに仕上がったわけであります。
  115. 高田富之

    高田委員 そうしますと、最終的に各部門ごとの計算を全部集めて総合計するときに立ち会っておって、その総合計金額を知っているのはだれだれですか。
  116. 浅尾格

    浅尾参考人 この場合は、私は総監督でございますからここに立ち会いました。それから水力建設部長が立ち会いました。それから計算は、ここにおります工事課長が立ち会っておりました、最後に。それから一人清書をするために青島君が残りました。
  117. 高田富之

    高田委員 そうすると、最終的に合算された金額というものを知っておりますのは、いまおっしゃった数名の方だけですね。
  118. 浅尾格

    浅尾参考人 そうでございます。
  119. 高田富之

    高田委員 それで浅尾理事は、そこへ関係しておるのですか。
  120. 浅尾格

    浅尾参考人 従来工事における請負の場合は一応かん詰め作業は済んだところで建設部長がこれを見まして、それから担当理事のところに持ってきまして、そしてこれでいいという承認をとって契約担当であります資材部のほうに提出しておったわけであります。そういたしますと、目途額は見積もり提出の時間とおくれるということになります。私が東京におりますと、私のところに持ってくるまでは承認が得られないということになりますので、この見積もり提出時間より絶対おくれない、とにかくできるだけ同時刻に仕上げるということを目的とするためには私は現地に行かざるを得なかったわけでございます。そういう意味におきまして、私は現地の作業の最後のところだけ立ち会ったわけでございます。
  121. 高田富之

    高田委員 それからもう一つお伺いしたいのですが、この御提出いただきました資料の見積もりの内容を見ますと、会社目途額と各入札いたしました建設会社との入札の内容を見ますと、著しく違っておるのは間接費が一番違っておって、その次に仮設備費がやや違っておって、直接工事費はあまり違わないのですね。こういうことになって出ておるわけであります。ですからこれは資料要求が出ておるそうでありますから、さらにその仮設備費の内容、間接費の内容についても資料の御提出があるものと思いますが、そうですね。——あるそうですが、ここではそれが出ておりませんのであれですけれども、ちょっとしろうと目に見まして、間接費か一番大きく違っているなということがばっと出てくる、これは倍も違うのですから。直接工事費がほとんど変わらないのに間接費でもって倍も違ってくるというのはどういうわけなんでございますか。
  122. 浅尾格

    浅尾参考人 私のほうの会社において目途額を作成いたします場合、間接費につきましても従来の工事においてとられた一つ方法がございます。それによりまして計算いたしたわけでございます。今回特に新しい方法を組み入れたというようなことばございません。
  123. 高田富之

    高田委員 この前村上さんから自分の業者としての経験からのお話がございまして、大体この種の会社の見積もり額なんというものは、専門の業者が見て見当違いというのはそう大きくないんだ、何十億程度のものならば一千万円か二千万円くらいずつの違いがおのおの出るということは常識でわかるけれども、そんな大きな差が出るということはまずないのだ、こんなことを断言しておられた。なるほどこれを見ますと、直接工事費はほとんど同じで、二九、二九、二九、三〇、三一ですね。もし専門家が見れば同じに出るので、こちらは、会社側は三〇ですから、直接工事費についてはほとんど同じなんです。ところが間接費になってくると、実に三五が七一、三二が七一、四六が七一、四五が七一、開きがばかに大き過ぎるのですね。これは普通の業界の常識から見ると、私の想像ではこの間接費というものは法外に大き過ぎる。常識で考えられないほど大きな間接費がついているというふうにほかの会社は見るのじゃないかと私は思うのですがね。
  124. 浅尾格

    浅尾参考人 この会社目途額請負者の見積もり額を比較いたしますと、確かに先生のおっしゃるような感じを受けます。しかしその間接費の占める率というものはどの程度であろうかということは、これは電源開発のみならず、ほかの建設省の工事とかそれからまた水公団の工事とかそういうところの例がございますので、それと御比較されて御判定をいただきたい、こう思っております。
  125. 勝澤芳雄

    勝澤委員 関連して。浅尾さん、この前私が質問したと思うけれども、間接費が勝負をきめたわけですね。ですから間接費を会社目途額と各入札会社ごとの中身を出してくると、どこを切ってたたき合いの競争になったかというのが出てくるわけです。ですからそういうものが出ていないと、全体的に見ると、間接費が二九・六%ですから、あなたのほうからいえば間接費の盛り方は正しいのだ、こう言いますけれども、しろうとなりわれわれが数字を見てみると、間接費か二億五千万から三億くらい水増しじゃないだろうか、ここが勝負のきめどころだった、こう見るわけですから、やはりそれはあなたのほうが積極的に、そうではないのだ、間接費をあなたの見積もりとこの各会社ごとの入札を合わせてみると、結局本支店勘定とか利潤とか金利を切ったのだ、切った数字がこれになるという証拠、数字を出してもらわないと疑いが残るわけです。ですから、そういう意味で、いまのあなたのことばだけではわれわれは納得できないわけですから、やはり数字をきっちり出してもらって、間接費が鹿島はどういう構成だった、間はどういう構成だった、会社目途額がどうだった、そうすればそれを突き合わしてみれば、どこへ落ちたかということがわかる。この中に膨大な金が入っておると言う人もおりますけれども、それは数字を突き合わせてみればわかるわけです。その出た書類がインチキに出れば、鹿島、間は、おれはそんな書類を出したことはない、こうなりますから——あなたのほうは出ているわけです。そういうものを出して、間接費の不審をもう少し数字で示していただきたいと思いますが、それはいかがでしょう。
  126. 浅尾格

    浅尾参考人 これは後刻数字で提出いたして解明をいたしたいと思います。
  127. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それからもう一つ、先ほど高田委員質問の中で、十四日から十五日、二日本社で打ち合わせして、一日休んで十七日から山へ行って積算をやったというのですね。これはまたわれわれが考えてみると、大体二日も下打ち合わせをすれば、十六日に積算なんかできるのではないか、こういうこともいえるわけですから、この辺、十四日、十五日とやって、十七日から二十四日までやったのだ、幾人でやって、大体どういう作業になっておるか、あなたはこれを持ってくればいい、これだけの書類をここへ持ってきて、これだけかかるのです、この一枚の計算でもこうなんです、何人分かかるのですということを、この際しっかりわれわれに知らせてもらいたい。そうしないと、一体いついつの時点でどういう技術的な数字を持った人ならば目算ができるかということがわからないわけですから、十四、十五日の時点でわかるのか、それが二十四日にならなければわからないのか、そういう点でその実際の作業の経過としてあなたのほうが説明しないと、いつまでも疑点が残る。二日間持ち歩いた、一体だれが持ち歩いたら目途額がわかるのかという疑問がまだ残っているわけでありますから、その疑問については積極的にあなたのほうから解消してもらわなければいかぬと思う。私は会計検査院のほうから聞いてみますと、いや、こんなのでたいへんなことだという、そうかなと思うのですけれども、それももうちょっと奥深く説明してもらえば、一体見積もりというものは一週間もかかるのかというふうな点も解明できるわけです。この間首都高速の三宅坂のやつで一週間で計算できますかと言ったら、いや、一カ月かかります、あれはコンサルタントでやりまして、そこでやったのですから膨大な資料です、私のほうでとにかく一カ月間五人もかかって、もう一回再計算ができて、鉄鋼の計算ができるのです、こう言われて、そんなものかな、半分くらいうそでも、十五日間はかかるかなと私は思ったのですけれども、そういう点わからないわけですから、もう少しあなたのほうが積極的に説明しないと、いつまでもいつまでも疑惑が残るわけです。そういう点はひとつどういう作業をやったのだ、その作業は大体どういうふうにかかるのだ、人夫はと、そしてその順々追っていくと、大体どうならなければわかないなということが、あなたは技術屋だから、自分と同じようにわれわれも知っておると思われては困るわけですから、そういう点きっちり説明してもらいたいと思う。私たちは数字で、それを証拠としてきっちり合わせますから、その点もう少し詳しくひとつ資料を出していただきたいと思います。
  128. 田中彰治

    田中(彰)委員 総裁にちょっとお尋ねしますが、あなたこの前勝澤委員のあれに対して、金庫に入れたということはあとで聞いたという発言をしていらっしゃる。実際あとでお聞きになったのですか。
  129. 吉田確太

    吉田参考人 実際にあとで聞きました。
  130. 田中彰治

    田中(彰)委員 しかしこれだけの重要なものを金庫にしまうのに、こういうものができましたが、これは密封して金庫にしまいましたと一応あなたに言わなければならぬのだが、金庫に持ってきて入れたやつをあなたが知らぬでおって、あと金庫に入れたと聞いて、そうかというのはちょっとおかしいじゃないですか、どうなんです。
  131. 吉田確太

    吉田参考人 記録にもはっきり書いてあると思いますが、浅尾、高村両氏がこれを密封したものを持ってきて、山洋資材部長から金庫の担当者に渡して、金庫はかぎを持っておる責任者がおります、その人に渡しておるということをあとで聞きまして、私が金庫をそういうふうに一々どうこうするということはいたしません。
  132. 田中彰治

    田中(彰)委員 どうも地方のところまで行って、一週間もかかって、勝澤委員がいま言われたようにいろいろなことでやられて、目途額をきめてきて、それを密封したものを金庫にしまう。しかしそれは金庫係がおって、ほかの者がしまって、全責任を負わなければならぬあなたに、あれは金庫に入れておきましたよ、これはちょっとおかしいじゃないですか。私のうちあたりで、やはりいろいろなことがありますが、重要なものを持ってきたときに、ここへ持ってまいりましたが、これを金庫に入れますとか、どこに保管しますとか、そういってやるのがあたりまえで、金庫に入れちゃって、それをあなたはお知りにならぬで、あとで、金庫に入れておきましたから、ああそうか——これはちょっと無責任じゃないですか、どうお考えになるのです。
  133. 吉田確太

    吉田参考人 会社は組織で動いておりますので、組織のおのおのの責任者がおりまして、それぞれに責任を持たしてやっておりますので、私は一々いろんな書類金庫へしまう、または外部へ払う、そういうものに対して、みな権限を付与しておりますので、その規定を順守させるようにということで、公正を期したい、こういうふうに規定を順守してやらしておりますので、一々いろんな書類を全部金庫へしまう場合に、総裁は立ち会うというようなことはいたしておりません。
  134. 田中彰治

    田中(彰)委員 私は普通の書類のことを言っているのじゃありませんよ。この目途額というものは大事なものであって、とにかく地下室でもってそういう打ち合わせをしても、そこできめられないで、温泉場の人のおらぬところに行って一週間もかかってやってくる、そうしてきめた目途額です。こういう、会社に対しては、最も重要な書類、しかもあなたがこれをきめられているのは、くじを引くのは、あなたの前で引かせられた。それの基礎となすこの書類を、普通の受け取りや普通のものじゃありませんよ、その書類を、しかもだれにも知らせないで密封して金庫へ入れるのに、あなたには何も言わぬで金庫に入れた。そんなにほかの人におまかせになるのなら、なぜくじをぼくの前で引けとか、山へなんか行かぬでいいじゃないですか。これは、あなたがやはりそれだけ重要視される一番基礎のものでしょう。この基礎の重要な書類だから、密封してそうして金庫へ入れるのだから、あなたに、密封して持ってまいりました、何々の金庫へ保管させますからということを言うことは常識じゃないですか。普通の書類じゃありませんよ。私は、金銭伝票や普通のことを、あなたに対してそれまで監督しろと言っているのじゃない。これは何十億世界銀行まで行って金を借りてこなければならぬ、その金も国民に保証させなければならぬ、保証さした、重要なものをきめる、何十億というものをきめる、重要なものであって、一週間も山の中に行って持ってきた書類だから、目の前で、総裁、実はこれはできてまいりましたが、密封してあります、これを何何金庫へだれの責任で保管しますというのはあたりまえじゃないか。それをあなたがお聞きにならない、あとで聞いた。そんなに簡単な問題なら、何もくじをきめるのに公平にやれなんといって、あなたの前でくじを引かせるなんというのはおかしいじゃないですか、矛盾しているじゃないですか。どう考えられますか。常識論ですよ。あなたが規則とか何か——規則なんかこんなものできまるものじゃないじゃないですか。目途額のきまったやつは総裁に言わぬでいいから、金庫へ入れて、あとで報告せいなんてなってないでしょう。重要な書類だから、それをあなたがあとで聞いたと言われるから、総裁として無責任じゃないかということを聞いているのですよ。どうなんです。
  135. 吉田確太

    吉田参考人 私のとった処置は、私は正しいと思っております。
  136. 高田富之

    高田委員 関連。いまの比率の問題について、ついでですからもう一ぺん聞いておきたいのですが、さっきの御答弁でちょっとおかしいと思ったのは、ロワー・リミットを入札価格に合わせられちゃ困るという心配で幾つもこしらえてくじを引いた、こうおっしゃるのですね。そうすると、ロワー・リミットをつくるときに立ち会っておる人の中に、場合によってはその入札価格を知っている者があり得るという前提の上に立っておる。そうすると入札価格を知っただけではだめなんで、やはり会社目途額も知っておる。そうして会社目途額に何%でいくとあの入札価格に引っかかるということのわかっておる者があり得るという前提の上に立って幾本もこしらえてくじを引いた、こういう不合理なことをあえてやった。どこへぶつかるかわからないようなことにして引いておいて、あとは燃してしまう。どれが引かれたかわからぬようにしたということは、二つの前提があるわけでしょう。入札した価格を知っておるということ、会社目途額を知っておるということ。だからこれはパーセンテージを自分で一番下に合わせる。だれかのあれに合わせたパーセントをつくろうじゃないかという使嗾をされるという心配があるわけです。そうなると、もう秘密も何も全然あったものじゃないということなんです。あなたが、そういう前提を持って疑って、くじをこしらえて引くというところまでいくとすれば、われわれもまた同じような疑いを持つわけです。それくらいわかっておるから、これは一番上に入札させるか、一番下に入札させておけば、あと目途額を動かすなり何なりすれば、一番上だけが入るようになる、あるいは全部抜けて一番下に落ちるようになる。まん中はちょっとむずかしいが、どっちかになる、だから、一番上に持っていくか、一番下に持っていって入れさせておきさえすれば、あとは自由にできるんだということになる。そうでしょう。そういう疑いを私も当然持ちますよ。そうじゃないですか。
  137. 大堀弘

    大堀参考人 私は、先生が非常にわかりにくいと申し上げたので、わかりいい意味で申し上げたのでございますが、私どもは役員がそういうことを知っておるとは信じておりません。ただ、念には念を入れて、今回はそういう処置をとった、こういうことでございます。そういうことも、あとになって結果を見て、いろいろ御批判があるわけでございますが、いやしくもそういうことを言われないようにするということから、念には念を入れたつもりで、こういう措置をとった次第でございます。
  138. 高田富之

    高田委員 技術的なことはこっちが知りませんからどうしようもないけれども、ただ非常にふしぎだということをいま申し上げたのです。先ほど来田中委員が強く指摘されておりますように、各方面からいざとなれば証人にお呼びしてもいいような方がたくさん現在出ておる事は非常に大きな問題でありまして前の総理大臣池田さんのほうからそういう必要に迫られて無理な政治的圧力でやったものだというようなことを、自民党の当時の大臣クラスの方が言っておる。それを田中委員もさっき指摘しておるわけで、そこまで、事がいって、そういうところからして無理だということになれば、これはあなた方を責めるのはむしろほんとうは酷なんです。あなたのやったことがいいとは決して申しません、大いにこれは責められるべきことでありましょうけれども、根はもっともっと大きいということです。もっと大きな圧力です。皆さんがここでほんとうのことが言えないほど、事態は大きい問題なんです。そう私どもは見ております。あなた方を責めるのが問題じゃない。あなた方をしてそういうことをやらした大きな政治力というものが実際は問題なんです。ですから、そういう点で、何でもあなた方の御存じのことを全部おっしゃっていただいていいのです。われわれはほんとうはあなた方を責めているのじゃない、その背後を責めているのです。背後を明るみに出そうとしておるのですから、どうぞ今後とも、まだ真相は完全には究明されておりませんから、積極的な御協力を願いたいと思います。
  139. 田中彰治

    田中(彰)委員 この投書は、私もいままでずいぶん投書を受けておるけれども、自分の名前を書いて、それから証人に呼び出してくれと書いてあるのですから、今後の委員会福井県の県会議員笠羽電力特別委員長、それから杉本和泉村村長、これを証人に召喚してもらいたい。 これは、私は、自由民主党の前総裁の名誉のためにも、あるいはまた自由民主党の名誉のためにも、またここに立ち会ったといわれる黒金君前官房長官、こういう人たちの名誉のためにも、呼び出して、これを明らかにする必要があると思う。これをひとつ証人に呼び出してください。これは重要な投書ですから、あなたは軽率にごらんになっているけれども、自由民主党の名誉を守るためにも、これは証人に呼び出して黒白をはっきりしてもらいたい。
  140. 堀川恭平

    堀川委員長 理事会でまた……。  参考人各位には、委員会調査に御協力くださいましてありがとうございました。     —————————————
  141. 堀川恭平

    堀川委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人会計に関する件中、電源開発株式会社関係調査のため、本委員会参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、参考人の出頭の日時及び人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  次会は公報をもってお知らせいたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十一分散会