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1965-02-01 第48回国会 衆議院 決算委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十九年十二月二十一日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の通りである。    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 田中 彰治君    理事 竹山祐太郎君 理事 中村 幸八君    理事 福井  勇君 理事 片島  港君    理事 勝澤 芳雄君 理事 山田 長司君       一萬田尚登君    金子 岩三君       中村 梅吉君    根本龍太郎君       原 健三郎君    湊  徹郎君       神近 市子君    栗原 俊夫君       田中織之進君    田原 春次君       松原喜之次君    森本  靖君       吉田 賢一君 ————————————————————— 昭和四十年二月一日(月曜日)    午後一時十五分開議  出席委員    委員長 堀川 恭平君    理事 壽原 正一君 理事 田村  元君    理事 竹山祐太郎君 理事 勝澤 芳雄君    理事 長谷川 保君       塚田  徹君    藤田 義光君       渡辺美智雄君    神近 市子君       栗原 俊夫君    堂森 芳夫君       山田 長司君    吉田 賢一君  出席政府委員         総理府事務官         (賞勲局長)  岩倉 規夫君         外務事務官         (大臣官房会計         課長)     谷  盛規君         大蔵政務次官  鍛冶 良作君         大蔵事務官         (主計局次長) 中尾 博之君         文部事務官         (大臣官房会計         課長)     岩間英太郎君         厚 生 技 官         (公衆衛生局         長)      若松 栄一君         厚 生 技 官         (医務局長)  尾崎 嘉篤君         労働事務官         (職業安定局         長)      有馬 元治君         建設事務官         (大臣官房会計         課長)     多治見高雄君  委員外出席者         外務事務官         (アジア局北東         アジア課長)  黒田 瑞夫君         文部事務官         (大学学術局審         議官)     岡野  澄君         農 林 技 官         (水産庁漁政部         長)      山中 義一君         建設事務官         (国土地理院総         務部長)    佐々木正人君         専  門  員 茨木 純一君     ————————————— 一月二十日  委員片島港君、田中織之進君及び山田長司君辞  任につき、その補欠として堂森芳夫君、山花秀  雄君及び長谷川保君が議長指名委員選任  された。 同月二十八日  委員湊徹郎辞任につき、その補欠として福永  健司君が議長指名委員選任された。 二月一日  委員萬田尚登君、中村幸八君、根本龍太郎  君、福永健司君及び堂森芳夫辞任につき、そ  の補欠として藤田義光君、田村元君、渡辺美智  雄君、塚田徹君及び山田長司君が議長指名で  委員選任された。 同日  委員塚田徹君、藤田義光君及び渡辺美智雄君辞  任につき、その補欠として福永健司君、一萬田  尚登君及び根本龍太郎君が議長指名委員に  選任された。 同日  理事片島港君及び山田長司君一月二十日委員辞  任につき、その補欠として田原春次君及び長谷  川保君が理事に当選した。 同日  理事中村幸八君同日委員辞任につき、その補欠  として田村元君が理事に当選した。     ————————————— 昭和三十九年十二月二十五日  昭和三十八年度一般会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十三条に基づく使用調書  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十四条に基づく使用調書(そ  の2)  昭和三十八年度特別会計予算総則 (承諾を求  第十五条に基づく使用調書   めるの件)  昭和三十八年度一般会計歳入歳出決算  昭和三十八年度特別会計歳入歳出決算  昭和三十八年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和三十八年度政府関係機関決算書  昭和三十八年度物品増減及び現在額総計算書 昭和四十年一月二十二日  昭和三十八年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和三十八年度国有財産無償貸付状況計算書 は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事補欠選任  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  昭和三十八年度一般会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予備費使  用総調書(その2)  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十三条に基づく使用調書  昭和三十八年度特別会計予算総則  第十四条に基づく使用調書(そ  の2)  昭和三十八年度特別会計予算総則 (承諾を求  第十五条に基づく使用調書   めるの件)      ————◇—————
  2. 堀川恭平

    堀川委員長 これより会議を開きます。  まず、理事補欠選任に関する件につきましておはかりいたします。  すなわち、理事中村幸八君、片島港君及び山田長司君が委員辞任されましたので、理事が三名欠員になっております。この補欠選任につきましては、先例により委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に       田村  元君    田原 春次君       長谷川 保君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  衆議院規則第九十四条の規定により、本会期中、本委員会といたしましては、先国会同様、決算の適正を期するため、  一、歳入歳出の実況に関する事項  二、国有財産増減及び現況に関する事項  三、政府関係機関経理に関する事項  四、公団等国資本金の二分の一以上を出資し   ている法人の会計に関する事項  五、国または公社が直接または間接に補助金、   奨励金助成金等を交付しまたは貸付金、損   失補償等財政援助を与えているものの会計   に関する事項以上の各項につきまして、議長に対し国政調査承認要求をいたしたいと存じますが、これに御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認めます。よって、さように決定いたしました。      ————◇—————
  6. 堀川恭平

    堀川委員長 次に、去る十二月二十五日本委員会に付託になりました昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条に基づく使用調書昭和三十八年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書(その2)、昭和三十八年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書、以上五件を一括して議題といたします。  各件について大蔵政務次官より説明を求められております。鍛冶大蔵政務次官
  7. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 ただいま議題となりました昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件につきまして、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十八年度一般会計予備費につきましては、その予算額は二百億円であり、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十八年五月十七日から同年十二月二十七日までの間において使用を決定いたしました百五十九億八千万円余につきましては、第四十六回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得たところでありますが、その後、昭和三十九年一月十日から同年三月二十七日までの間におきまして三十八億九千万円余の使用を決定いたしました。  その内訳は、災害対策として、河川等災害復旧専業等に必要な経費等の七件、その他の経費として、大学付属病院医療費に必要な経費等の二十七件であります。  次に、昭和三十八年度各特別会計予備費につきましては、その予算総額は千九百五十二億七千万円余であり、このうち、昭和三十八年七月八日から同年十二月二十日までの間において使用を決定いたしました五百三十一億八百万円余につきましては、第四十六回国会においてすでに御承諾を得たところでありますが、その後、昭和三十九年一月二十一日から同年三月二十七日までの間におきまして三百五十二億五千八百万円余の使用を決定いたしました。  その内訳は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における国内米の買い入れに必要な経費厚生保険特別会計健康勘定における健康保険給付費の不足を補うために必要な経費失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費労働者災害補償保険特別会計における保険給付等に必要な経費国有林事業特別会計国有林野事業勘定における仲裁裁定の実施に伴う職員俸給等に必要な経費等十五特別会計の二十二件であります。  次に、昭和三十八年度特別会計予算総則第十三条、第十四条及び第十五条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて、予算を超過して支出いたしましたものは、第四十六回国会においてすでに御承諾を得ましたものを除き、資金運用部国立病院郵政事業及び郵便貯金の四特別会計においてでありまして、その内訳は、資金運用部特別会計において支出いたしました預託金利子支払いに必要な経費三十五億七百万円余、国立病院特別会計における患者医療費増加に必要な経費八億百万円余、郵政事業特別会計における業績賞与に必要な経費四十三億二百万円余、業務量増加等に必要な経費百八十二億四千万円余、郵便貯金特別会計における支払い利子増加等に必要な経費七億千五百万円余、業績賞与支給に伴う必要な経費六億四千百万円余であります。  以上が昭和三十八年度一般会計予備費使用調書(その2)外四件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ、御審議の上すみやかに御承諾下さいますようお願い申し上げます。
  8. 堀川恭平

    堀川委員長 これにて説明聴取を終わります。     —————————————
  9. 堀川恭平

    堀川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の通告がありますので、順次これを許すことにいたします。長谷川保委員
  10. 長谷川保

    長谷川(保)委員 まず第一にお伺いしたいのは、外務省所管の、大韓民国コレラ対策に必要な経費二百七十七万六千円についてでありますが、この事情を詳しく伺いたい。
  11. 黒田瑞夫

    黒田説明員 御説明申し上げます。  昭和三十八年九月十七日ごろより大韓民国釜山市で疑似コレラ発生いたしまして、同九月二十一日真性コレラと判明いたしました。同日までに発生しました患者の総数は百二十六名でございまして、そのうち十三名が死亡したのでございます。  さらに二十三日にはソウル特別市その他の地域にも蔓延いたしたのでございます。しかるに、韓国側には当時保有していたコレラワクチンが少なく、このようなコレラ蔓延事態に対処するためには、大量のワクチンを緊急に外国から入手する必要がございましたので、九月二十二日大韓赤十字社は、これは韓国赤十字社でございますが、日赤をはじめ三カ国の赤十字に対し、これらのワクチン等の贈与につき緊急にアピールを発した次第でございます。  わが国といたしましては、韓国のこのような事態に対する人道的な考慮という面はもとよりでございますが、地理的にきわめて近接し、交通関係も密接でございます韓国コレラが蔓延いたしますことは、まことに重大な事態でございますので、実は当時、わが防疾当局国内発生に準ずる防疾体制をしいたのでございます。政府といたしましては、九月二十三日、日本赤十字社を通じ大韓赤十字社に対しましてワクチン五十万人分、五十万ミリリットルということでございますが、無償で供与することといたして、九月二十四日航空便で急送した次第でございます。  本件に関する費用は二百七十七万六千円でございましたけれども、これをいかなる費用から支出するかにつきまして関係各省間で協議をいたしました結果、予備費から支出することに相なりまして、一月二十四日の閣議でその旨決定された次第でございます。
  12. 長谷川保

    長谷川(保)委員 韓国のこの種疫病関係は、今日はどういうような事情になっているのか、つまりコレラが今日もあるとかないとか、その他伝染病関係はどういうような事情にあるのか、伺いたい。
  13. 黒田瑞夫

    黒田説明員 現在のところ、コレラはないと私ども了解いたしておりますけれども、その他の伝染病につきましては、ただいまのところちょっと数字を持っておりませんので、後ほどお調べいたしまして御報告申し上げます。
  14. 長谷川保

    長谷川(保)委員 この韓国コレラは、ほとんど毎年発生しているのであるかどうか。
  15. 黒田瑞夫

    黒田説明員 これはおととしでございます。ちょっと昨年のところは確かでございませんですけれども、それも後ほどお調べ申し上げまして、御報告申し上げます。
  16. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そうすると、外務省ではあまりよくおわかりにならないだろうと思いますが、あるいは厚生省のほうでもけっこうでありますけれども韓国のこういう予防関係医療の制度、こういうものは十分にできているのかどうか。つまり、もしこういうようなことが常に起こってき、また韓国のほうでそういう対策が十分にできておらないとすれば、当然、ただいまお話しのように、非常に近い日本といたしましては、それらに対する対策というものを毎年立てておくべきであるけれども韓国内の予防衛生行政というようなものはどういうようなことになっているのか。
  17. 若松栄一

    若松政府委員 公衆衛生局からお答え申し上げますが、韓国におけるコレラは、一昨年の大発生に引き続きまして、私どももかなり警戒をしておりましたけれども、昨年は、暮れころにごく少数の発生があったにとどまりまして、その後は発生がございません。したがって、毎年繰り返し大きな発生があるというふうなことは、現在のところ私どもは予想しなくてもいいのではないかと考えております。この点は、三年前台湾に起こりましたときも、その年だけで大体の発生が済みました。そういう事情でございます。  なお、韓国予防体制につきましては、韓国ではその後、一昨年の大流行後、韓国予防研究所ワクチンの製造をやっておりまして、昨年度は全部自国産のワクチンをもって十分まかなっております。したがって、今後におきましても、そのようなワクチンを緊急に他国に要請するというような事情はまず起こってこないだろうと存じます。なお、その他の一般防疫体制につきましては、公衆衛生関係防疫体制は、やはり日本と同じような保健所というものがございまして、そこで大体まかなっております。なお、理科系大学あるいは予防衛生研究所等もかなり充実してまいっておりますので、着々資質が向上しておるものと理解しております。
  18. 長谷川保

    長谷川(保)委員 コレラのほかに、たとえば天然痘などはどういうことになっておるか、事情がわかりましょうか。
  19. 若松栄一

    若松政府委員 現在のところ、アジアにおきましても、北部地域には天然痘は入っておりません。したがって、韓国にも当日本国にもまだ入っておりませんが、欧米にはすでに入っておりますので、飛行機の交通関係で、いつ入ってくるかということは保証しがたい状態でございます。
  20. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私は、最近韓国を実地視察してきたのでありますが、十分そういう方面までは見られませんでした。ただ、病院関係等を見ますと、非常にりっぱで、全く非常にハイレベルの病院ができておる。日本病院よりも、残念ながら向こうのほうがはるかに清潔であります。私が参りましたある保健所におきましては、二年前からできたのであるということでありましたが、医者もちゃんとおって、相当な対策をいろいろしておりました。また、予防衛生行政等もなかなかしっかりやっているようであります。こういうことがあれば、お互い隣国でありますから、大いに相互に援助することは賛成であります。何ぶんにも近いことでありますから、それはひとつ十分な対策を立てておかれるようにということを強く希望するわけであります。
  21. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 コレラの問題で関連してちょっとお尋ねいたしますが、日赤を通じて出しておるようですが、日赤に対しては、補助金なり、政府からどういうお金が出ておるのでしょうか。
  22. 中尾博之

    中尾政府委員 突然の御質問で、まことに恐縮でありますが、手元資料がございませんが、日赤そのものに対しましては、これを維持運営するという意味一般的な補助金のようなものは出しておりません。しかし、こういうような場合でございますと、あるいは内地の災害出動というようなものに備えまして、設備あるいは資材の類を備えておく、あるいは備蓄いたしておくというような措置をお願いしておりますので、そういうような場合の経費、あるいは引き揚げ関係等で御協力を願いますそういうような経費、いずれも事業委託的な意味におきまして国費が流れておるという例がございますが、具体的なものにつきましては、後刻資料をもって提出いたします。
  23. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この場合に対しては、あれですか、政府が行なうのを、外交上の立場から一応日赤という名前全額韓国に送った、こういう形式がとられておるんでしょうね。その点どうなんでしょう。この場合の援助のしかたですね。
  24. 中尾博之

    中尾政府委員 手続の点は外務省のほうからお答えいたします。
  25. 黒田瑞夫

    黒田説明員 御説明申し上げます。  韓国がまず日本側に頼んでまいりましたのは、大韓赤十字社日赤ワクチン入手方を要請し来たったのでございます。そこで、日赤が窓口になってやるようになったのでございます。
  26. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この経費内訳を見ますと、医療費が何ぼ、梱包費幾ら輸送費幾ら通関手数料幾らということになっておって、金額そのものの全部の費用で、日赤事務を代行した、こういうことなんですね。
  27. 谷盛規

    谷政府委員 そのとおりでございまして、総額二百七十七万六千円の内訳医薬費梱包費輸送費通関手数料だけでございまして、つまり、送りつけ委託したというかっこうで、事務費その他は固有赤十字予算でやっておられる、委託を受けて通り抜けでこの仕事をやっていただいた、こういうかっこうになっております。
  28. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 日赤が独自の立場で、あるいは政府から補助をいただいてやったというふうには見れないわけですね、現実的には中身は。
  29. 谷盛規

    谷政府委員 いわゆる補助団体という意味ではございません。つまり、先ほど中尾次長からお話がございましたように、事業委託という意味におきましての補助金の形をとっておりますが、赤十字本社固有業務というようなことではございません。
  30. 中尾博之

    中尾政府委員 補足して申し上げます。  こういう国際的な人道的な立場からいたしまするところの援助業務でありまするから、赤十字の本来の業務には属するわけであります。しかしながら、赤十字と申しましても、もっぱら通常の業務をやっておって、それで活動いたしておるわけでございまするが、こういう国外の特別な事件が起きた、これに対して特に援助をいたしますという特別な計画でございますので、それに対する経費につきまして補助を国から行なった。しかしながら、国といたしましても、ただいま外務省からお話がございましたように、国の政策といたしましてもそれに乗る仕事でございます。期せずして両者が重なるような姿になりました。予算上の措置といたしましては、先ほど私が委託的な補助金であるとこう申し上げましたが、委託的と申しましたのは、委託費ではございません。いわゆる業者等委託をしてそれでその事務を執行させる、その委託費用を払うという趣旨ではございませんので、あくまでその業務の本質は赤十字仕事でございます。それに対しまして補助をするというたてまえであります。ただ、事柄事柄でございまするので、国の関心の程度その他にかんがみまして、直接費用全額補助をいたしております。ただ、これにつきましては、日赤でも各部門の方その他の事務もございましょうし、いろいろな仕事もございましょう。それらの間接的な経費等は見ておりません。そういうようなところで処理いたしたのでございます。
  31. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 私、いま、日赤がこのコレラ対策の救援を出したというふうに思っておったのですけれども予算的に見ますと、全額政府が出している。こういうことなどから、名前だけは日赤になっておる、中身全額政府だ。日赤自体として、コレラのこの問題について支出した金額はあるのですか、ないのですか。
  32. 中尾博之

    中尾政府委員 金額につきましては、直接経費といたしまして、日赤そのもの固有の財源をもって負担いたしました分はございません。ただし、ここにございますように、医薬品でございますとか梱包代でございますとか、いわば日赤から通り抜けて払われる経費補助いたしております。間接的な経費としまして、日赤でも何がしかの事務はつかさどっておりますが、これは本来日赤がそういう機関でございますので、本来の機関におきまして、人件費、その他若干事務費、そういうようなものを使っていると思います。その辺は、一般経費の中に入っております既定の日赤経費でまかなっておる、こういう姿でございます。
  33. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 また別の機会に、血液銀行の問題も起きているようですから、日赤経理につきましてはまたお聞きすることにいたします。関連ですから、これでやめます。
  34. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 関連してちょっと資料要求しておきたいのですが、過去三年間に政府から日赤に対して交付いたしました金額、使途、それをひとつ資料として本委員会に提出願いたい。
  35. 長谷川保

    長谷川(保)委員 日赤関係につきましては、ただいまお話のありましたように、別にまたもう一度伺いたいと思うのでありますが、次に文部省の関係大学病院の問題でございますが、大学付属病院医療費の動向を私の手元にある資料で見ておりますと、最近、三十六年、三十七年、三十八年、あるいは三十九年度の予算、四十年度の予算等々——四十年度は概算要求のものでありますが、それを見ますと、非常に急速に大学病院収支ともにふえております。このふえてまいっておりまする動き、これを私は一般の、今日非常に大きな問題になっておりまする医療費動きとどういう関係に立つかを伺いたいのであります。それらのことが、この予備費関係とも深い関係がありますから……。  まず、私の手元にありまする資料が正しいか正くないか存じませんが、最近の五年間の大学付属病院収支状況はどういうようになっているのか伺いたい。
  36. 岩間英太郎

    岩間政府委員 最近五年間におきます収支につきましては、まず三十六年度につきまして、収入が百四億、支出が約百三十億、三十七年度につきまして、収入が百二十七億、支出が百五十四億、三十八年度につきましては、収入が百四十五億、支出が百八十五億、三十九年度につきましては、収入が百七十四億、支出が二百十五億、四十年度の予算要求につきまして、収入が二百十七億、支出が二百五十七億という数字になっています。
  37. 長谷川保

    長谷川(保)委員 この五年間に、収入におきましてはほぼ二倍の余、支出におきましてはこれまた二倍の余という非常に大きな傾向になるわけであります。これは三十六年度と四十年度の予算を比較しているわけでありますけれども、こういうようになりました原因はどこにあるのか。たとえば大学病院がふえたとか、ふえないならばどこにその原因があるのか。これほどはなはだしく増高してまいりますその原因を伺いたいのであります。
  38. 岩間英太郎

    岩間政府委員 大学病院は、ただいま御指摘ございましたように、収入支出ともに伸びが非常に大きいのでございますが、その原因につきましては、御指摘ございましたように、医療費の値上がり、あるいは新薬の採用というふうな面ももちろん大きな要素になっています。しかしながら大学におきましては、毎年科学技術の進展等に伴いまして、大学病院の診療料の新設、あるいはベッド数の増加というふうなことをやっております。また保険診療の普及に伴いまして患者数が増加するというようなこともございまして、そういうものが合わさりまして、このような大きな伸びを示しているのではないかというふうに推察いたしております。
  39. 長谷川保

    長谷川(保)委員 ベッド数は、全体のパーセンテージとして、どれくらいふえておりますか。
  40. 岩間英太郎

    岩間政府委員 詳細な資料をいま持ち合わせておりませんが、ただいまのところベッド数は約一万六千ございますけれども、来年度の予算要求におきましては、六百五十近くのベッド数の増加がはかられています。
  41. 長谷川保

    長谷川(保)委員 きょうは急なことでありましたから、資料の御準備がないようで、必ずしも専門的ではないわけですけれども、来年度において六百近くふえる。従来この五年間にどれくらいふえておるか、おおよそのことはわかりませんか。あまりに収支増加が激しいですからね。
  42. 岩間英太郎

    岩間政府委員 昨年は五百ベットぐらいふえております。したがいまして、大体本年度に近いようなベッド数の増加があったものと考えております。
  43. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そうすると、まず支出の中で、たとえば医薬品費とかあるいは設備費とか、あるいは人件費等々のパーセンテージがわかりますか。
  44. 岩間英太郎

    岩間政府委員 三十八年度につきまして申し上げますと、人件費が約三七%を占めておりまして、七十二億六千万ぐらいになっております。それから物件費が六二・九%程度占めておりまして、金額が百五億程度でございます。その中身でございますが、そのうち大体医療費が六十億見当でございまして、残りの四十億が設備費、研究費、給食費その他でございます。
  45. 長谷川保

    長谷川(保)委員 この医療費という中の中身はわかりませんか。その中に薬品費あるいはその薬品にふさわしいような包帯とか材料費ですね。
  46. 岩間英太郎

    岩間政府委員 ただいまの医療費の中で約六十億でございますが、その中で薬品費が五十億、それからその他の材料費、これは検査、レントゲン、手術その他の関係が入っておりますけれども、材料費が十一億程度でございます。それからなお研究医療費といたしまして、全体の一%の六千万程度が見込まれております。
  47. 長谷川保

    長谷川(保)委員 この収支のアンバランスがずいぶん大きく出てきているわけでありまして、しかも最近、三十八年度、三十九年度、四十年度と見ますと、だんだんそれが大きくなるという傾向がございます。三十六年度と比べますと三十八年度はやや減っておりますけれども、しかし傾向を見ますと、だんだんふえていくという傾向にあるのではないかと思うのでありますが、こういう傾向は文部省としてはどういうふうに考えていますか。
  48. 岩間英太郎

    岩間政府委員 御承知のように、大学病院は診療機関でございますと同時に研究の機関でございます。そういう意味で、この中に研究費がかなり入っております。たとえば学用患者医療費等は研究費と見て差しつかえないわけでございますけれども、そういうふうなものも入っておりますし、それから新しい医学の趨勢に対処いたしますために、ほかの病院では見られません新しい施設等も行ない、あるいは新しい設備も購入いたしております。そういう関係で、医療費収入に比べましてかなり支出が多くなっておるわけでございます。
  49. 長谷川保

    長谷川(保)委員 いまのお話の学用患者というのは、先ほどお話しの研究費一%という中へ入るのか、それともまたそうではなくて、医療費のほうへ入ってしまっているのか、そこはどうなんですか。
  50. 岩間英太郎

    岩間政府委員 学用患者費は病院費用の中には入っておりますけれども一般医療費とは別にいたしておりまして、これは大体内科、婦人科が一診療科当たり六名、その他が三名程度の学用患者が必要であるということで人数をはじきまして、それに対しまして一般患者医療費と同じような単価を用いまして、学用患者費を計算いたします。
  51. 長谷川保

    長谷川(保)委員 いまの収支が実質的に非常に増高しているわけでありますけれども、その増高していっておりまするのをただいま伺いますと、ベッド数がふえておるのは知れたものです。たいしたことではありません。一万六千ベッドあるのでありますから、その中で四百、五百ふえようと、たいしたことではありません。だから、五年間に二倍にもなってまいっておりまするのは、特別な理由がなければならぬと思います。私ども、もちろん大学というものが、単に治療をしているというだけではなくて、むしろ研究ということに非常に大きななすべき任務があることも承知しておるのでありますけれども、あまりにも大きく増高してまいりますから、そこにどういう原因があるのか、正確につかむ必要がある。必要なものはもちろん幾らでも出すべきでありますけれども、どうしてこう増高していっているのか、その点が、あまりにも大きく増高いたしますから、私どもには理由がわからないのであります。国の施設でありますから、最も合理的に行なわれておると思います。大学病院としての機能を果たすための合理的な運営がなされておると思うのでありますけれども、五年間に二倍にもなるのでありますから、その内容を十分に承って、予備費の問題を考えたいと思うわけであります。こんなに大きく増高してまいりまする原因も、いまのベッド数の増加あるいは新薬を取り入れるということだけではありますまい。何らか別の理由があると思いますけれども、当局はどういうふうにお考えになっておりますか、どういうふうにつかんでおりますか、承りたい。
  52. 岩間英太郎

    岩間政府委員 ただいま御指摘のございました新薬六百六十品目の適用によりまして、大体歳入といたしましては十億程度の増加があるというふうに見込まれておったわけでございまして、そういうふうな関係から新薬の使用、あるいはこのたびの医療費の改定によりまして九・五%の伸びがあるというふうなこともございまして、そういう関係の伸びも無視できないものがあろうかと思います。そのほかに、先ほど申し上げましたように、大学の診療科あるいはベッドというものがかなり増加をいたしておりまして、そういう意味で外来患者、入院患者増加しておるというふうな実情もあろうかと思います。それからさらに、最近比較的大学の研究に対します予算増加をいたしておりまして、国立学校の経費も全般に毎年二割あるいは四割というふうに大幅に伸びておりますので、それに対応いたしまして、病院関係の施設設備、そういうものの充実もはかられておる。そういうものが総合的に働きをいたしまして、御指摘のように、五年間に二倍になったというふうな事実じゃないかと思います。  なお詳細につきましては、手元資料がございませんので、必要がございましたら、資料を作成いたしましてお届けいたすようにいたしたいと思います。
  53. 長谷川保

    長谷川(保)委員 資料をいただきたいと思います。ただいまお話しのような、どうしてこう増高してきておるのでありますか、その資料をいただきたいのであります。  そこで、お手元でこのことがわかりましょうか。たとえば昭和三十八年度において新しく大学に施設をふやした、つまり研究あるいは治療用の医療器械等、その設備費が一体幾らあるのかわかりましょうか。
  54. 岩間英太郎

    岩間政府委員 ちょっと急に手元にございませんので、もうしばらくお時間をおかしいただきたいと思います。
  55. 長谷川保

    長谷川(保)委員 委員長、それらの資料をまたいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。  それから次に、厚生省の国立療養所の問題を、同じような問題が関連してまいりますから、伺いたいと思います。  国立療養所の問題を承りますについて、第一に伺いたいのは、これも、私の手元にある資料がはたして正確であるかどうかということについて伺いたいのでありますが、三十八年度に結核の実態調査をなさいましたね。その三十八年度結核の実態調査で、要入院の患者が四十六万人あるというふうに伺っておるのでありますが、四十六万人あるでありましょうか。
  56. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 お話しのとおり、三十八年度結核実態調査の全国推計によりますと、要入院患者四十六万人という推計になっております。これは実態調査で四十六万人の患者をつかんだというのではなく、抜き取り調査でありまして、それで全国推計をしたという数でございます。
  57. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そのときに国立の結核療養所のベッド数は、三十八年度幾らでありますか。
  58. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 国立療養所の結核のベッド数は、三十八年におきましては、六万二千三十床が定床でございます。
  59. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そのときに国立療養所に入っておりました患者の数は、一日当たり幾らですか。
  60. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 五万四百三十七人が一日平均の患者数になっております。
  61. 長谷川保

    長谷川(保)委員 三十八年度の全国の結核の病床数は幾らですか、その入院数もお知らせ願いたい。
  62. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 三十八年の全国の年末現在の結核病床数は二十三万五千床、入院患者は一日平均十九万人でございます。
  63. 長谷川保

    長谷川(保)委員 国立療養所の一日当たりの患者数が五万、それもいまの全国の中に入っているわけですね。十九万というのは。
  64. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 さようでございます。
  65. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そうしますと、この四十六万人の要入院と十九万の入院患者数との間にはあまりにも大きな開きがある。しかも結核の病床数は全国で二十三万五千、国立療養所のベッド数は六万二千、一日当たりの患者数は五万、どうもそこに割り切れないものが出てくるわけであります。なぜ四十六万人も全国に要入院の人があるのに、入院患者が十九万、ベッド数は二十三万、国立療養所を見ましても、ベッド数は六万二千、入院患者は五万、こういうような形になっているのでしょうか。その理由を伺いたい。
  66. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 全国の要入院患者四十六万という数字は、ただいま申し上げましたように、抜き取り調査によりまして、全国について推定する数でございまして、現実に四十六万の方が、全部が、自分で結核である、要入院であるということを知っているわけではないのであります。その中には、自分が結核であるということに気がつかないでおられる方がかなりある。これをできるだけ発見するように、検診その他をやっていく必要があるのでございますが、さらに自分が結核であるということを知っておりましても、家庭の事情その他で、病院、療養所に入らない方も中にはある。こういうようなことで、四十六万と十九万という数字の差が出てくるのだと思います。
  67. 長谷川保

    長谷川(保)委員 それにしてはあまりに数字が違い過ぎる。だから推定数が四十六万、その推定数の四十六万のうちで、一体どれくらいが自分で自覚をしておらぬのか、したがって、病気であると思っていないのか、どれくらいが家庭の事情等で入れないのか、その他どういうような理由で——一体要入院ということでありますから、これは当然開放性の結核患者をさしているのでありましょうが、その開放性の結核患者が、こういうような形になるのか、その厚生省の推定の種類と数を教えてもらいたい。
  68. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 ただいまここにその数字を持ち合わせておりませんが、実態調査の際に、自分で自覚しておったかどうか、またその方が検診によって発見せられたのか、また自覚症状によって受診したのか、というような数字があるはずでありますから、あとで御提出いたしたいと思います。
  69. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私がこれらのことについてよく伺いたいと思うのは、国立結核療養所に重症であるために入れないという事実がある、そういうことがあってはならぬと私は思うのであります。これはいろいろな理由があると思います。たとえば看護婦が足りないとか、いろいろなことがあるでありましょう。しかし、私が別の委員会で伺ったところでは、国立療養所の看護婦というのは足らぬことはないのであります。ずいぶん充足されている数字が出ている。そうすると、われわれが国の経費を使いまして国立療養所を経営しておる、ベッド数は明らかにあいておる、にもかかわらず、不幸な重症の開放性の結核患者が入れられないという事態が起こってはならぬ。私は先年ハワイの結核関係を調べたことがあります。現地に行って調べてみますと、結核のツベルクリンの反応が陽性になったという人が一人でもあれば、その周辺に結核患者がいるに違いないというので全部調べ上げまして、それを強制入院させるのであります。そうして結核がどんどんなくなっていっているのであります。しかし、日本の今日の事情というものはそうではなくて、しばしば重症患者があって、開放性の患者があっても、しかも国立療養所は、あいているにかかわらず、これを入れぬという事実があるのであります。そういうような国費の使い方をしてはならぬと私は思うのであります。でありますから、この点を詳しく伺いたいのであります。どうかそういうことについても、国立療養所は一体そういうような重症患者があって、開放性の患者があって、申し込んだとき、それを入れないというようなことであっていいのかどうか、この点を私は十分伺いたいのであります。あるいは、重症のベッドがあいていないからというようなことになるかもしれぬ。重症のベッドがあいていなければ、軽症のベッドをそっちに回したらいい。そうして経症の人は入れぬでも重症の人をまず入れる。ハワイの結核予防会がやっているように、一人でもツベルクリンの陽性の患者が出てくれば、その感染源であるもとをつぶしてしまうというだけの行き方をすべきでありますのに、どうもそれらの点について厚生省というか、国立療養所というか、その運営に適正ならざるものがあると私は思うのであります。ことに、そういうような不幸な人々を考えますと、これは国費の使用について十分に考え直しをしてもらわなければならぬということを考えておるわけであります。  それと同様に、先ほども大学病院のほうに伺いましたように、最近の国立療養所におきまする収支ともに非常に増高してきている。しかも私の手元にある資料によりますれば、三十八年度の決算におきましては、収支の間に四〇%も開きが出てきている。三十六年、三十七年、三十八年、三年だけを見ましても、決算額におきまして大きな開きが出てきております。この医療費の増高というのは一体どこに原因があるのか、厚生省はどういうようにこれをつかんでおられるのか、伺いたいのであります。
  70. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 まず重症患者を国立療養所に入れる問題でございますが、これはお説のとおりの方向で進みたいと思っております。ただ、国立療養所だけでなく、ほかの結核施設も同じことでございますが、できるだけ開放性の患者を優先的に入れねばならないと思っております。ただ、お話しのように、施設によりますと入院患者がかなり多くて、また中で、看護力等を重症病床、軽症病床というふうに区分して使っておりますところで、一部軽症病床があいておりましても入れないというような場合が、ときに聞かされますが、私たちも先生のお話しのような線で軽症病床のほうを減らしても重症者を収容するように努力をしていきたい、こういうふうな線で指導しておるわけであります。  なお、医療費決算額におきまして、医療費使用が急増しておるという点、お話しのとおりでございますが、これは結核につきまして、化学療法がいろいろ発展をしてまいりまして、新しい薬もでき、高価な薬の使用が多くなる。また、いろいろな薬の併用療法と申しますか、二種類、三種類の薬を使っていくという方法がどんどん進展しつつある。さらに結核薬剤に対して耐性を持っておる患者につきましては、別な、効果の強い、したがってそれだけ高い薬を使うというふうな方法が広がってきておりまして、そういうふうなところもございまして、薬品費の使用が急増しておるわけかと思います。  なお、一般的に申しまして、いろいろ先ほど文部省のほうからもお話がございましたように、医療技術の進展、有効な新薬の発見というようなことがございまして、医療費全体の増高、特に薬品費の増高が著しいのでございますが、この点、結核療養所にも多少影響を持っております。  それから収支率の問題でございますが、これは国立療養所につきまして、御承知のように二割引きをやっておる、また基準加算をやっていないというふうなところがございまして、六割から六割七分というふうな収支率になっておるのでございます。
  71. 長谷川保

    長谷川(保)委員 おそらく国立結核療養所はベッド数は順次減らしていると思うのであります。三十四年度から三十八年度にかけての五年間を見まして、大体収支ともに五割ぐらいずつふえているのでありますけれども、しかし実際においては、ベッド数は減っているのであります。その反面、国立精神療養所のほうにつきましては、これはベッド数がふえている関係もありましょう、五年間に非常な増高、ほとんど二倍以上の増高になっておるわけであります。だから、国立結核療養所のほうは、おそらくベッド数が減って、なおこの程度の増高をしているということになろうと思うのです。いま国立療養所で人件費及び材料費、設備費等々のパーセンテージは、三十八年にしてどのくらいの割合になっておりますか。また材料費のうち薬品費とその他の材料費はどういうようになっておるか、パーセンテージを承りたい。
  72. 尾崎嘉篤

    ○尾崎政府委員 ここに人件費等の率を計算したものがございませんので、あとで数字を提出いたしたいと思いますが、国立病院におきましては、人件費率が、前は五七、八%だったのが、いま五三、四%におりてきておると思います。それに対応いたしまして、薬品費の伸び率が多くなっておる、こういうような状態でございます。
  73. 長谷川保

    長谷川(保)委員 さらに、今日一般医療費の問題等も関係しまして、私は、国でやっておる仕事は一番合理的にやっていると思いますから、その点をしっかり見きわめていって、追求していって、そうして、今日の一般医療費の増高というものが合理的なのか、それとも合理的でないのか、つまり、営利的なものが多分に入ってきておるのか、それらの点を見きわめる必要がある。そうして、もし合理的なものとしてどうしてもそういうことになっているとすれば、これはやはり、国が十分にこの問題を取り上げて対処するという形をとりませんと、ただ、今回伝えられておるがごとくに健康保険法の改正その他がなされて、国民にだけ負担がいくとすれば、せっかく受診率が相当に上がってきて、早期受診、早期治療が行なわれてきている出ばなをたたくという形になって、また、これだけ経済発展をしてまいりました国家といたしましても、実に好ましからざることになると思うのであります。でありますから、こういうような関係を、国の関係においてもし合理的にやっているとするならば、その十分な資料をわれわれに提供すべきである。また合理的に行なわれておらぬ、何らか不当な支出が行なわれているとすれば、われわれ決算委員としてはこれをチェックしなければならぬという形になるわけであります。したがって、ただいま申しましたような事柄について資料を提供していただきたいと思うのであります。  それからもう一つ、大学病院のことで伺いたいことがあります。これは実は先ほど伺いましたが、大学病院におきましては、大きな収支のアンバランスができて、国がその予備費までも追加して出さなければならぬというような事情になってきておるのでありますけれども、ここに実に気の毒な例があります。これは昨日訴えられた例でありまして、名古屋大学関係でありますが、豊田キヨカという人であります。いまは浜松市元魚町というところに住んでおる。広島の原爆投下のときに広島におりまして、六キロということでありますから、特別原爆症の関係にはならぬと思いますが、この人が広島で焼けましたために、戦後浜松市に引っ越してきたのであります。不幸なことに、三十五年の五月に、直腸ガンで直腸の切断手術を行なって、人工肛門をつくってどうやら生きているという形で、実に気の毒な力です。白血球の減少症、高血圧等の治療をし、その痩孔の手術等をしたようであります。三十八年十月十日に入院をしておる。こういう人でありますから、生活はできなくて、月に四千円くらい生活保護を受けておるようであります。ところが、この人に対しまして、名古屋大学のほうでは毎月のように二人ずつ金を取りに来る。ここにいま私の持っている受け取りは、三十九年十月六日付の領収証でありますけれども、二千円取っている。毎月二人でやってきてやかましく言うから、どうにもしようがない、払っているというのです。こういう国がやっておりまする大学病院のようなところで、生活保護を受けておる人からこうやって——なお前に二十万円くらい、入院して治療した借金があるのだそうでありますが、それを毎月取りに来て、まるで高利貸しの取り立てのようなふうに取っていくということは、われわれとしては許しがたいと思う。一方的な情報でありますから、事実がさようであるかどうかは両方聞いてみなければわかりませんけれども、少なくともこの人は請願書を書いて国会に出したいと言うから、それはどうも国会に請願する筋のものではないから、私がその話は事情を伺ってみましょう、こういうことで、昨日預かってきたのでありますけれども、こういう事実があるのかないのか調べていただきたい。そして、こういうような事実があるとすれば、国がこれだけ大きな金をかけて経営をしておる大学病院でありますから、こういう不合理なことはあり得ないと思うのでありますけれども、生活保護をとっている者のところへ二人ずつ大学のほうから毎月押しかけていって金を取るということはあり得ないと思うのです。もしそういうことがあるならば、文部省当局としてはすみやかに処置をしてもらいたい。気の毒な、原爆を受けて、しかもそういうような直腸ガンの手術をして、そして人工肛門をつくって生きているというような、こういう婦人から、しかも生活保護を受けている婦人から、なお金々取り上げるという筋のものではないと思う。決算委員会でありますから、こういうような例がたまたま入ってまいりましたので、私はどうか文部省当局がこういう事実を調べてほしいということをお願いをしておきたいのであります。  原爆症の関係でありますけれども、聞くところによると毎年予備費として出しておるということでありますが、これはどういうことでありましょうか。もし毎年こういうように予備費支出によってまかなうとするならば、予見しがたいものとは考えられないというように当然考えるべきであります。予備費使用においてこの原爆障害者の医療費の不足を毎年補っておるというのはどういう理由でありましょうか。当然、もし毎年出ておるとするならば、そういうことでなしに、一般予算として予算請求をなさるべきであると思いますが、聞くところによると、毎年予備費としてこれが出ておるのだそうでありますが、どういうわけでありましょうか。
  74. 若松栄一

    若松政府委員 三十六年以降、毎年予備費あるいは補正予算で若干の更正をお願いしておることは事実でございます。特にこの補正あるいは予備費支出をお願いするようになりましたのは、三十六年以降でございまして、御承知のように、三十五年に原爆医療法の一部改正をやりまして、特別被爆者のための一般医療の制度が定められたわけでございまして、この一般医療医療費がなかなか予見し得ないような事情が多々ございまして、結果において予算内で処置ができなかったことは、私ども行政当局としては自戒をいたしておるところでございます。  しかし、なぜそのように足らなくなったかということを検討いたしますと、種々の要因がございまして、医療費でございますから、当然件数と単価の総積が医療費になるわけでございます。その件数は、特別被爆者の人数と、その特別被爆者一人が年間で受ける件数が要因になってまいります。その人数につきましても、三十五年に制度がしかれまして以来、年々新たな登録が出てまいりまして、私ども予想しないような増がございました。私ども、当初三十五年に制度を始めましたときに、そのときに登録した数が、そうは動かないであろうと思っておりましたのが、そのときに登録せずに、病気になってからあわてて登録するというような方があるとみえまして、人数がふえております。そのほかに被爆者の一人当たりの年間の治療件数が最近また増加いたしております。これも私ども予想外のところでございまして、ある意味では、被爆者が年々高齢化してくるというようなことが、かなり大きな要因ではないかと思っております。  なお、そのほかに、単価につきましても、先ほど来文部省あるいは厚生省のほうでの医療費の内容でお話がありましたように、医療費自体の単価増が最近ございましたが、これは全般的な傾向でございまして、原爆医療に特にということではなくて、予想外の伸びがあったというようなことで、年々若干ずつの補正あるいは予備費をお願いしたという結果になったような次第でございます。
  75. 長谷川保

    長谷川(保)委員 原爆被爆者の数は以前に調査したことがあるわけでありますが、いま、厚生省は何人とこれを大体つかんでおりますか。
  76. 若松栄一

    若松政府委員 私ども把握しております三十九年三月末現在で三十六万八千人でございます。
  77. 長谷川保

    長谷川(保)委員 原爆の被爆者については実に気の毒なことが多いのであります。私は、ほんとうに戦争の犠牲者の最初にあげられるべきものは、この原爆の被爆者であると思います。したがいまして、他のいかなる補償をするよりも、先にまずこの原爆の最も悲惨な被害を肉体の中に持っておられまする方々に対する国の補償というものをすべきであると強く痛感をしておるのであります。しかし、最近ことに気の毒にたえないと思いますのは、みずからが原爆の被爆者であるということを、できるだけ隠すという傾向が出てきていることであります。それは、もし原爆の被爆者であるということになりますと、息子や娘に至りますまで結婚ができない。ちょうど昔、らいが出たというおたくでは、もはや結婚が不可能になるというようなことがありました。同じように、いま妙齢の娘さんたち、息子さんたちを持ちまする親たちは、みずからが原爆の被爆者であるということを隠すという実に気の毒なことになっておるのであります。したがいまして、私はこれらの気の毒な原爆の被爆者に対しまして、国は十分な措置を講ずる。この人数もはたして正確にとらえておるかどうかにつきましては、最近のそういう情勢を思いますと、はたしてこれが正確であるかどうか、あるいはもっと多いのではないか。したがいまして、この原爆障害者の予算というものも、今日、政府が考えておるよりももっと十分にとって、そして毎年毎年足らなくなって予備費を使うというような行き方ではなく、もっと親切に、あたたかい血の通った行き方で、この戦争の大きな犠牲者を国全体でかかえていくという態度をしなければならぬと思うのでありますけれども、こういうような予備費で毎年やっていくというようなことでよろしいのでありますか。本年の予算については、私はまだ見ておりませんけれども、十分にある、できるという確信を持っておるのかどうか、当局の御意見を承りたい。
  78. 若松栄一

    若松政府委員 毎年不足いたしておったことはまことに申しわけありませんが、来年度あたりはできるだけこれを予算内でまかなえるというように、単価その他についても、従来よりも相当の配慮をいたしておりますので、できるだけそういうことのないようにと考えております。
  79. 長谷川保

    長谷川(保)委員 どうかそういう点でもっと原爆の被爆者に対する十分な援護の手を差し伸べるような、そういう姿勢でもってぜひ対処してもらいたいと思うのであります。私の質問のほうでは、厚生省及び文部省のほうは一応それできょうのところはありません。  なお、次に伺いたいのは拿捕漁船の乗り組み員の救済に必要な経費についてであります。  この拿捕漁船の問題は最近どういうような事情にあるか、日韓会談がだいぶ進んでおりますような事情でありますから——新聞報道ではあまりないように伺っておりますが、最近の情勢を伺いたい。今日まだ拿捕されているものが何人あるか、その留守家族なるものがどのくらいあるのか伺いたいのであります。
  80. 山中義一

    ○山中説明員 拿捕船員の問題につきまして、ただいまの御質問にお答え申し上げます。  拿捕漁船は三十九年度ございましたのでありますけれども、十一日末に日韓会談がまた再開されるようになりまして、一隻だけを除きまして全部帰してよこしまして、抑留されておる漁夫も一名もございません。そのような状況になっております。
  81. 長谷川保

    長谷川(保)委員 拿捕が行なわれるという問題でありますが、実際において日本の漁船は韓国の沿岸どれくらいまで行って魚をとっているのであるか。実は先般韓国の李孝祥国会議長にお目にかかりましたときに、李孝祥国会議長が私に申しました。私はこの間釜山に行ったら、私が見ておったすぐ目の前で日本の漁船が魚をとっていった、こういうようなことはしないでもらいたい、日本国民に伝えてもらいたいというようなお話がありました。私は実情をつまびらかにいたしませんけれども、そんなに韓国の海岸近くまで入っていって魚をとっているとは実は知らなっかたのであります。はたして事実がどうであるかは存じませんけれども、非常に人格者であります韓国国会議長お話でありますから、そのお話は間違いないと思うのであります。また韓国のいわば裏長屋のかみさんたち、あるいはまた韓国の婦人だけの唯一の総合大学でありまする梨花大学の金総長、婦人の方でありますが、この方も強くそういう点を指摘されました。あるいはまた、非常にまじめな方でありましたけれども韓国の高等法院の判事さんの奥さん方もそういう点を強く言われまして、そういうようなことが日韓両国の国民の感情に及ぼす影響というものがどんなに大きいものであるかを日本の国民はひとつ十分に考えてもらいたい。これらの人々の言う言い方は、なぜ日本の船は韓国の領海に来て韓国の魚を盗んでいくのか、そのためにアジ一匹がついに五十ホワンになった。日本から見れば五十ホワンは六十円ぐらいのことでありますから、日本でいまわれわれが買うよりは安いようでありますけれども、そういう非常に強いおしかりを受けたのであります。したがいまして、これらのことについて、もしあの復興に悩み抜いております韓国の国民の皆さんが、そういうようなことで非常に苦しんでおるということであれば、われわれの国はすでにずいぶん大きく復興しておるわけでありますから、十分寛容な態度をもって、韓国の国民の困っておるところを助けるべきだと思うのであります。したがいまして、一体どういうような情勢で拿捕されておるのか、そうしてそれらの人々のために予備費を出さなければならぬのか。いま実際に韓国の近くにおいてどういうような形で拿捕されておるのか、承りたいのであります。  聞くところによりますと、朝鮮総督府時代に、魚族によって違いはあったが、すでに韓国の漁民を保護するためにいろいろな保護水域があったということを聞いております。われわれの国におきましても、今日トロール船というものの非常な活躍からいたしまして、沿岸漁業というものはほとんど全滅に帰しておるのであります。したがいまして、韓国の沿岸におきましても、めちゃくちゃなトロール漁業をせられますれば、これは向こうとしても非常に困るというのはよくわかるのであります。日本はすでに大国というのでありますから、したがいまして、それらについては堂々たる態度をもって臨むべきでありまして、はたしてどういうような形で拿捕されているのか、その実情を承りたいのであります。
  82. 山中義一

    ○山中説明員 ただいまの韓国の高官の方々がお話しになっていらっしゃるという事柄につきましては、水産庁といたしましては、韓国方面に出漁いたします漁船に対しましては、領海を厳重に守るように、これは三海里でございますけれども、そういうような注意もいたしておりますし、それからまた、取り締まり船も、水産庁の取り締まり船が二隻、海上保安庁は六隻ないし七隻常時出ておりまして、侵犯等のことがないようにということにいたしております。しかしながら、いまの御指摘の李ラインは相当沖のほうにございますので、その中へは入っておる。それからなおごく近くという点はたぶん夜間のことではないか、いままでつかまった例は、ほとんどが夜間でございます。夜間もしくはごく払暁、夜があけるかどうかというときでございます。夜間の場合はあかりをつけてこちらはとっております。実は拿捕されました例はほとんどが八月以降でございまして、これはお手元であるいは図面をさっきお開きになっていらっしゃいましたが、済州島の東北の漁場がアジ、サバが秋にはたいへんよくなりますので、その付近へ出て、その場合は、場合によりますと済州島と朝鮮半島の本土の中間と申しますか、そのあたりに入る場合もございます。非常にいい漁場でございます。それであかりを夜つけますと非常に近く見えるということで、あるいはごく近くでというような印象があったのかもしれませんけれども、水産庁といたしましては、領海侵犯のないようにということは厳重に指示しております。  それから、いろいろ保護のラインということについてお話がございましたけれども、これは日本が統治いたしておりましたころは、ただいまお話がありましたが、機船底びき網漁業と機船トロール漁業の禁止区域というものは総督府が設けてはおりましたけれども、それと李ラインとは別段の関連はないというふうに考えております。
  83. 長谷川保

    長谷川(保)委員 いまお話しの済州島の東北のところは、私の資料としていただきました図面では、総督府時代に魚族の保護水域になっておったようであります。底びき禁止線ですか、になっておったようでありますが、そこへやはり今日入っていってとっているのでありますか。
  84. 山中義一

    ○山中説明員 入っていってとっております。それは底びきではない漁法でございます。それから、底びきでも行くこともあると思いますが、別段現在の日本の漁船はそのような制約は受けておらぬというふうに考えております。
  85. 長谷川保

    長谷川(保)委員 韓国の皆さんに言わせますと、総督府時代に日本自身が、みずからそういうふうにやっておったじゃないか、しかるに今日、日本は復興した、韓国はいまほんとうに困っているというときになって、日本ほどの大きな、復興した国が、その、かつて総督府がやっておった保護水域を無視して入ってくるというのは変ではないか、みずからかつてそういう線をつくっておいて韓国の漁民を保護しておきながら、今日韓国が独立したからといって、その韓国の要請というものを無視して入ってくるのはひどいではないかというのが向こうさまのいう道理であります。私もなるほどと思うのであります。これらについては、いまお話しのように李ラインとは関係がないということでございますけれども日本としましては、単に領海三海里というような形式論ではなくて、かつて日本が統治しておったときにそういうことにしておったということであれば、これらについてはやはり十分に配意をすべきではないかと私は思うのであります。日本が、あの昭和二十一、二年のころの食糧のないときならともかくとしまして、そういう点については水産庁は、漁業に対しては何らの指導をしておらぬのでありますか。どこでもかまわぬから、領海三海里の外ならどこでとったってかまわぬという態度でありましょうか。そういう態度でおりますと、私は、韓国の諸君が怒るのも当然のようにも思うのであります。日本は、日本立場もありますけれども、同時にまた、飛行機であれば、東京から京城までわずか二時間十分しかかかりません。その近い隣国の繁栄と平和なくしてはやはり日本の繁栄も平和も独立もあり得ないと思うのであります。でありますから、そこらについて、やはり大国は大国並みの配慮というものをすべきだと存じますが、そういう指導は一切しておらぬのでしょうか。
  86. 山中義一

    ○山中説明員 ただいまの御指摘の点につきましては、領海三海里ということは申しております。それからなお、一昨年の、現在の大臣とそれから向こうの漁業関係の大臣との話し合いのおりに、基本的にいろいろ意見がととのったというような点にのっとりまして、だいたい現在の指導といたしましては、専管水域をある程度設けるということは考えられるから、その幅員は国際関係の先例に従いまして十二海里くらいになるのではないか、漁業者はその中へはもう入らないようにしたほうがよいというような指導はいたしております。ただし、その場合の基線から十二海里あるいは海岸線から十二海里、その基線の引き方その他につきましてはまだ双方の意見が一致しておらないというふうに聞いております。
  87. 長谷川保

    長谷川(保)委員 いま拿捕される乗組員がほとんどない、いまは一隻だけしかないというようなことを先ほど伺ったわけでありますけれども、いま日韓会談の進行中だから韓国側としても非常に慎重にしていらっしゃるようにもとれるのであります。いま日韓会談進行中のことでありますから、当局としましてはあまり立ち入った御発言はできなかろうと思うのでありますが、これらのことについてやはり日本側としましてはこういう不幸な事件が起こらないように、大国の襟度を示していく必要があるのではないか、こう思うのであります。  ここにいただいた図面でありますが、トロール禁止水域ですか、これはずいぶん広くできているように思うのであります。韓国側の皆さんの御意見でございますと、この平和ラインというものは日本へだけいっているのではないんだ、万国に向かって宣言をしてあるのだということでありますが、さようでありますか。
  88. 山中義一

    ○山中説明員 韓国がそのようにいっているということは承知しておりますが、日本としてはわがほうの立場上そういうものは認められない、こういうふうに考えております。また、そのようにも指導しております。
  89. 長谷川保

    長谷川(保)委員 実際において拿捕されてまいりましたのは、このかつて総督府が引いておりましたトロール禁止水域の中が多いのですか。外でも相当拿捕されておるのですか。
  90. 山中義一

    ○山中説明員 いまの御質問の点で、長谷川先生にひとつ御承知おきいただきたいのは、私申し上げておりますように、最近つかまっておる例で多いのは、そのトロール船とか底びき船でない船でございます。まき網という漁法の船でございます。底びき船はもう昨年の夏以前つかまった例がありますだけで、ございません。それから、最近は漁場の関係であまりそばへ寄りませんから、それでつかまることもございません。ただし、春になりますと、これはあるいは魚の関係で比較的近くへ寄ることがあるので、その場合にあるかもしれません。去年の例ではつかまった例はたいがいラインの中であります。
  91. 長谷川保

    長谷川(保)委員 そのラインというのは、いまの総督府がしいておったというトロール禁止水域の中で、トロール船ではないがつかまった、こういう意味ですか。それともトロール禁止水域の外側の平和ラインの中で捕えられたということが多いのでしょうか。事美はどういうような実態になっておりましょうか。
  92. 山中義一

    ○山中説明員 現在はそのトロール禁止ラインなるもので、水産庁は別段の判断をしておりませんので、いまちょっとその点の、中であったか外であったかつまびらかにいたしませんが、もし御必要でありますならばまた調べて御報告申し上げます。
  93. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私がかく申しますのは、確かに日本が統治時代にそういうような水域を定めておったとするならば、いま韓国が非常に困っておるときに、その中のものは韓国にとらしてほしいというのは当然ではないか、日本側がとってもらっては困るというのは当然ではないかという韓国側の主張ということも確かに一理あると思うのです。したがいまして、いまのお話ですと、総督府時代に設定してありましたトロール禁止水域の中で捕えられたか外で捕えられたかということにつきましては、資料をいただきたいと思います。これは日本側としましてやはり考慮しなければならぬ問題ではないか、向こうの言い分にも確かに一理あると思うので、ごめんどうでも資料を後にいただきたいと思うのであります。拿捕漁船の問題は一応それだけにしておきます。  それから国土地理院の関係、これは建設省ですね、地図の調製印刷に必要な経費予備費から四百三十五万円支出されておりますけれども、これはどういうたぐいの地図をつくったのでありましょうか、そして予算が不足したのでありましょうか。
  94. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 お答えいたします。おもに五万分の一の地図でございます。保有の地図の用紙が漸減いたしております上に刊行地図、ことに五万分の一の地図の需要が増加しまして、三十八年度におきましてはそのために使用量が予想以上に上回ったというような事情で、手持ちの用紙では不足を来たしたというために必要になったのでございます。
  95. 長谷川保

    長谷川(保)委員 最近ちょっと新聞で見たのでありますけれども、それによりますと地図の販売値段が上がったということで、教科書等に使っておりますところでは非常に困るというような意見もあるようでありますが、最近値上げの問題があったのですか。
  96. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 お答えいたします。値上がりをいたしております。値上げは、定価をきめます場合に原価計算をやっておるわけでございますが、原価の中で人件費をはじめといたしまして、光熱水料あるいは償却費、修理費、そういった直接あるいは間接の諸経費の増大を来たしまして、そのために定価の改正ということが必要になったわけでございます。
  97. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私、決算委員になったばかりで調べていないので恐縮でありますけれども、一体この地理院の地図の調製及び印刷並びに販売、この会計はどういう会計になっていますか、赤字か黒字か、どういうふうになっていますか。
  98. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 一般会計でございまして、独立採算制度はとっておりません。
  99. 長谷川保

    長谷川(保)委員 独立採算制度はとっておらぬにしても、実際においてはどういう関係になりますかわかりませんか。実際においては一体赤字になっておるのか黒字になっておるのかわかりませんか。そうすると値上げをしなければならぬというて、値上げをしたということはどういうところから値上げしたのですか。それはだれがきめて、どうやって値上げをしていったのですか。教科書等が値上げになって因るということをいわれておりますから、値上げはどこできめて、どういう理由から値上げをしたか聞きたいわけです。
  100. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 お答えいたします。原価計算をやる場合に印刷にかかります人件費から以降をはじいておるわけです。したがって測量の最初から計算をはじきますと、まあ値上げをしましても現在の段階でも赤字になります。いま申し上げたように印刷にかかるところから計算をいたしまして——これは昔からそういう計算方式をとっておりますので、従前の方式によりまして計算をいたしまして、値上げをしませんと赤字になりますので値上げをしたということでございます。
  101. 長谷川保

    長谷川(保)委員 私が伺いたいのは、これは国でつくるものでありますから、かなり採算が合わなくてもいいわけで、むしろ合わないのがあたりまえ、採算が合うくらいのものなら何も国でつくらなくても一般の私企業としてやればいいわけでありますが、正確を期するということと、また同時に国がそれについて国民のために、あるいは国の行政のために、その他あらゆる万般の目的のために国がわざわざつくるのでありますから、したがって私は必ずしも黒字にならなくてもいいと思うのです。ただ問題は、これはどこで値上げをすることをきめるのですか、そうして今度値上げをしたのですか、相当に非難もあるかと思いますので、ひとつ……。
  102. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 建設大臣の承認を得まして値上げをしました。
  103. 長谷川保

    長谷川(保)委員 それから一般会計であって独立採算でないというお話も先ほどあったわけでありますけれども、したがってその幾ら上げるかということをきめてまいりますについては何らかの基礎がなければならぬ。どうして上げたのか、計算の基礎というものがなければならぬ。その計算の基礎は一体どういうような計算の基礎でやったのか、そういう資料があったら承りたい。それはすでに新聞でもだいぶ大きく取り上げられておりましたように、やはりこの問題につきましては相当に問題があろうかと思うのです。ことにこういう印刷物でありますから、数がたくさん出れば安くできるわけであります。数が少なければおのずから高くなる。こういうのはまあ当然常識で考えられるわけですが、いま非常にたくさん、思ったよりもよけい出ていったからそのために費用がよけい要るんだ、それで予備費要求なさる、そういうことであればまたおのずから——計算の基礎というものはいろいろあろうと思うのですが、これは地理院だけでなくて建設省から伺えればけっこうでありますが、どういう資料のもとにその値下げをしたのか、世間で問題にいたしますから、それをわかればお示しを願いたい。
  104. 多治見高雄

    ○多治見政府委員 先ほど国土地理院の総務部長からお答えいたしましたように、印刷以後の原価計算ということでコスト計算をして定価をきめております。ただいま資料をちょっと持っておりませんので、詳細な数字はお答えできませんので、後ほど資料を整えてお答えいたします。
  105. 長谷川保

    長谷川(保)委員 それが何枚出て、何枚販売して、これこれの印刷費がかかっていく、したがってこれこれだというのがあるのでしょうから、そういう資料を教えてもらいたい。そうしてその予想と現在実際に一年間に売られる数とが合っておるのかどうか、そこらについても資料を……。私は決算委員としては国民からそういう問題を聞かれたときに、当然それらについて説明をしなければならない場合も出てくるわけであります。世間の問題になっておりますので伺いたいと思うのであります。  まだ伺いたいことがありますが、自分のほうの調査が足りませんから次の機会に譲りまして、私のきょうの質問を一応これで終わります。
  106. 堀川恭平

  107. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 文部省の関係でお尋ねいたします。  南極地域観測を再開するための予備費支出がされているようでありますが、南極地域観測の状態なり、今日までの費用、そういうような問題、概括的に御説明願いたいわけです。
  108. 岡野澄

    ○岡野説明員 日本の南極観測事業は国際地球観測年というような世界的な学術協力事業の一環として昭和三十一年に始まったわけであります。国際地球観測年に参加しました国は世界の文明国約六十四カ国でございましたが、その場合に南極の観測が特に学問上意義が深いということで、南極地域が特にその行事の重要な地帯として選ばれたわけでございます。わが国もこれに参加いたしまして、前後六回にわたって観測隊を派遣したわけでございますが、何ぶんにも臨時応急的な体制でその行事に間に合わせるということでスタートをいたしましたので、その後中絶のやむなきに至ったわけでございます。それで、その再開につきましては、学者の側はもとより、国会の科学技術振興対策特別委員会等からも御決議をいただきました。学術会議では昭和三十七年、政府は恒久的な体制でもって南極観測事業を再開するようにという要望がございまして、文部省に置かれております南極地域統合推進本部では、再開について種々検討を重ねまして、三十八年八月二十日の閣議におきまして、南極観測を再開するということに決定いたしまして、自後準備を進めて今日に至っておるという状況でございます。
  109. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、三十七年度までに大体この南極地域観測事業としてはどのくらい経費が使われておるのですか。それから、今後再開のためには大体どの程度の予算というものが必要になってくるのですか。その点を……。
  110. 岡野澄

    ○岡野説明員 三十一年度から開始しまして六次隊が三十七年の秋に帰っております。便宜上分けて御説明申し上げますと、予算措置としては三十年度から準備が始まっておりまして、三十七年度六次隊の帰還まで、総計約三十二億ほどの予算支出いたしました。再開にあたりましては、三十八年度予算が五億六千九百万円、三十九年度が二十億七千四百万円、四十年度の予算要求は二十一億六千百万円という数字でございます。
  111. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 それで、四十一年度以降の見通しはどういうことになりますか。再開後、総額大体どれくらいというような見通しが立つのですか、予算的には。
  112. 岡野澄

    ○岡野説明員 四十一年度以降の計画につきましては具体的な数字となっておりません。しかしながら新しく船舶が建造され航空機が新しくなりましたので、臨時的な支出は少なくなるということは当然予想されまして、船あるいは航空機等を除きますと、経常的経費としては約二億円程度であればよろしいわけでございます。ただし日本の観測計画は今後昭和基地ばかりでなくて、さらに内陸に前進基地を設けて、でき得れば極点まで観測をしたいという計画もございますので、それらを考えますと、やはり相当の手当てが将来必要になるのではないかというふうに考えます。
  113. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 そこで、第六次までですか、三十二億、これからの計画も相当大きな数になってくると思うのですが、その問題はともかくといたしまして、南極観測で寄付金が集まって、それもこの中で消化されておるのですが、それはどういう取り扱いになっておりますか。
  114. 岡野澄

    ○岡野説明員 六次隊までの観測につきましては、広く国民各層から寄付の申し出がございました。概略申し上げますと、朝日新聞社がこのために一億円を寄付されました。国民各層から約八千万円の浄財が集まりました。これの取り扱いにつきましては、財団法人日本学術振興会という財団がございます。これは昭和七年に陛下の御下賜金をもって設立された財団法人でございまして、広く学界並びに産業界の方が役員でございます。そこにおきまして、この基金の取り扱いのために特別の委員会を組織いたしまして、特別会計として処理をいたしまして、一応収支決算をきちっといたしまして御報告申し上げたということになっております。
  115. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 その一般から寄付をされたものと政府から出しているのとがどういう関連で支出されるのですか。
  116. 岡野澄

    ○岡野説明員 特に当初三十一年、三十二年あたりが一番募金も多かったわけでございます。年を重ねるたびに、ほとんど民間の手をわずらわさなくても、国で大体支出するということになって、最後の年あたりはおそらく三百万円ぐらいの募金で済んだわけでございますが、その使途につきましては、観測隊側と振興会側と打ち合わせまして、一々の品目について打ち合わせて支出をしたわけでございますが、特に当初におきましては、いろいろな点で国の予算だけではまかなえないような性質のものが実はあるわけで、たとえば隊員等が船あるいは基地等において長い間生活するための娯楽設備というような、そういう問題もございましたし、特に当初におきましては、極地における建物について十分調査するというわけにまいりませんで、それらの研究費にもこの寄付金を利用いたしました。さらに訓練の経費のためにも一部充当いたしました。そういう次第でございまして、三十一年、三十二年ごろが比較的多かったのであります。
  117. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 この観測船の建造、航空機の購入というのは、これは具体的には建造はいつ完成されて使うようになるか、あるいは飛行機はどういうことになるのですか。
  118. 岡野澄

    ○岡野説明員 日本の南極観測が中絶せざるを得なかった最大の理由の一つは、かつて使いました宗谷が老朽化しておったことが第一点、さらに航空機の要員について非常に不足を来たしたということでございました。したがって、再開にあたりましては、新しい砕氷船をつくって恒久的な体制で開始をしたいというのでございまして、その船の費用が船体だけで約十九億かかっております。それから新しい船で、電気推進機という新しい装置を船につけるというようなこと等があるわけでございまして、そういう船並びに航空機の費用が今日まで主として支出されたわけでございます。
  119. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 予備費支出しなければならない理由というのは、どういう点にあったのですか。
  120. 岡野澄

    ○岡野説明員 昭和三十八年度の補正予算二号におきまして、当面緊急を要する新観測船電気推進機及び航空機二機の建造製作に必要な国庫債務負担行為額十七億円を計上したわけでございます。その代金の支払い方法等につきましては、三十八年度内に一部の金額の支払いが必要かどうか、実際の契約条件によって判断しなければ判明しない状況にあったわけでございます。で、補正計上にあたりましては、とりあえず、国庫債務負担行為を計上しするにとどめたものでございますが、その後契約にあたって、代金の一部の支払いを必要とするに至ったために、予備費支出が行なわれたということでございます。
  121. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 いいです。
  122. 堀川恭平

    堀川委員長 それでは吉田委員
  123. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 長時間お待たせしましたけれども、なるべく時間を簡単に済ませますから……。  総理府本府にお尋ねしたいのですが、褒賞品の製造経費の問題についてでありますが、これは勲章などであると思うのでございますが、これにつきまして、大体三十八年度にはどのような構想で、どのような予算を組んでおられたのか、それをまず伺っておきたいと思います。
  124. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 昭和三十八年度の当初の予算におきましては、その当時はまだいわゆる生存者に対する叙勲が開始されておりませんで、功労のあった死没者に対する叙勲と、それから紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、あるいは藍綬褒章、それから紺綬褒章、六種類の褒章の運用がされておりました。したがいまして、その死没者に対する勲章と、褒章を製造する経費、並びに勲章に伴う勲記、勲章の箱とかあるいは褒章の章記とか、そういうものを三千五百八十一万円を当初予算で認めていただいておったわけございます。
  125. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 きょうは決算予備費のことでありますから、基本的な問題についてはあまり触れないで終わっておきたいと思うのでありますが、その後構想が相当発展して変わってきておるように思いますが、その関係をひとつ御説明願いたいと思います。
  126. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 三十八年七月十二日にいわゆる生存者に関する叙勲の再開の閣議決定がございました。それと、昭和三十八年中に当初褒章約三千個を予定しておりましたのが、いわゆる公益のために私財を御寄付になった方の紺綬褒章、これを中心に、三十八年に非常に褒章が伸びまして、その年度、約倍数の六千個に近い褒章を出さなければならぬことに相なりました。そこで、その褒章の不足分と生存者の叙勲再会に伴う勲章の不足分とを、予備費一千百万円でもって製造させていただいたわけでございます。
  127. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この問題につきましては、旧勅令の関係もあり、それから政令によって行なわれているようでもあり、開議決定で行なわれるようにも思われるのですが、憲法上の問題もどうもあるように思うのですけれども、その辺は将来すっきりして、法律によってこれは明らかにして、その上で生存者にも死没者にもそれ相当の褒章等を交付する、こういうふうなところに持っていこうという、そういうかまえはいまのところまだできておらぬのですか。可能な範囲でよろしゅうございますが……。
  128. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 昨年の通常国会におきまして、三十八年七月十二日に閣議決定が、従来の勅令、太政官布告等を根拠法令といたします勲章の再開を決定いたされましたことにつきまして、当時いろいろ憲法上の問題等に関する御質問があったわけでございますが、そのとき政府側といたしましては、たとえば文化勲章に関する根拠法規は昭和十二年の勅令でございますけれども、これを戦後運用いたしまして文化勲章を授与せられておるわけでございまして、昭和二十一年五月に閣議決定で生存者に関する叙勲を停止いたしましたけれども、その後諸般の状況にかんがみまして、一昨年の七月十二日に閣議決定をもって再開をきめ、今後もその方針でもって生存者並びに死没者の叙勲を行なっていくという趣旨の御答弁をしておられるわけであります。
  129. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 あなたに御質問するのは少し御無理であって、一つの大きな高度の政治方針に属すると思いますけれども、最近政令が、元来は法律を施行する上におきましてその補助的な役割りにすぎない。法律はもっぱら国会においてこれは成立をせしめねばならない。これは憲法の大きな筋であろうと思います。ところが、ともしますると政令に委任するという傾向が助長されてまいりました。こういうことになってまいりますると、めんどうくさいものは全部政令に委任する、政令に委任するということは、反面行政府に過大の責任を負担せしめて、直接国民の代表が審議せずして、行政府が自己の権限で決定をしている、こういうことになりまするので、これはやはり根本的に筋を誤ってしまう危険があります。こういう観点から一つの例といたしまして、政令で重要なことがきめられていくということは、これはよほど慎しんでいかぬと、この例をだんだん開いていきましたならば、とんでもないことになって、しまいに議会の否定になります。こういうことも考えます。そこで、国民の権利義務に直接の関係のないような勲章、褒賞だからこういう議論もあると思いますが、まあそういう理由もあるいは成り立つと思いますけれども、とかく最近政令に逃げていく傾向が強いのです。これは各委員会、おそらく問題になって、終戦間もないころから重要な問題がしばしば起こったことがあると私の記憶で知るのであります。そういうようなことで、ちょっと一言申し上げておきたいのです。しかし、きょうはあなたと論戦をするつもりはありませんので、これらについてすっきりした上で——せっかくの勲章なり、褒賞なりをもらえるようになるということはたいへんよかったけれども、死没者にいたしましても、国民の代表が堂々と十分に審議した上でということにならなかったことは実に遺憾である、こういうことも実は考えるのです。そこで、そういうことを一応の前置きとして、私の見解として申し上げておくにきょうはとどめておきます。  具体的に予定されておりました予算が、たとえば勲章の例をとってみますると、資料によれば個数は千三百十八を予定いたしておったようです。これに対して三十八年に実施いたしましたのは、千九百五十増の三千二百六十八、非常な増であります。これは少し見当が違っちゃったんじゃないだろうか、言いかえると前提の調査が粗漏であったのじゃないだろうか、一体予備費といったようなものは、やはり十分に調査し、前提がしっかりいたしておりまして、なおやむを得ざりしときに認めるべきだ、こういうふうなこと、これが私は財政の秩序だと思います。この辺についてどうしてこう違ったのであろうか。それからなお進んで、どういうようなものが予算の角度から見た予定の基準なり内容になっておるのだろうか、こういう大まかにいって二つの面から御説明を願いたいと思います。
  130. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 この予算の上にあらわれております勲章の個数と申しますのは、実は賞勲局は戦前からずっと続いた役所でございまして、勲章それ自身も相当の在庫品を持っておるわけでございます。ものによりましては、六十何万個というような勲章を現在保有いたしております。したがいまして、そういうたくさんの勲章のあります部分は、つくらなくてもよろしいわけでございます。したがって、そういう勲章の在庫を差し引きいたしまして要求をいたしたわけでございますが、やはり中には上級の勲章は、当初予定いたしました数は、従来の死没者を対象にした平均的な数で要求いたしておりますが、これが生存者に及んでまいりますと、ある程度の在庫をよけいつくっておかなければならぬというようなことで、その実行とそれから当初の計画とが若干そこに数字的にそごを来たしました。その足りない部分を予備費をもって使わしていただいた、そのようになっております。  それから勲章をどういうふうな基準で出しておるかというお尋ねでございますが、これは戦前は役人、軍人中心のような叙勲といわれておりましたけれども、戦後は、これは死没者に関しましても、終戦後は各界各層の功労者に広く叙勲をされるというたてまえから実施されておりまして、これは年々の死没者を中心にした実績等を見ますと、やはり上級勲章は数が少なく、中級勲章のほうにピラミッド型の構成をおのずからとっておる次第でございます。しかし戦前と異なりまして、民間のほうの功労者の表彰ということが中心に相なって運用されておるように考えております。
  131. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 褒賞品の種類というものは、大体どういうものがあるのですか。
  132. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 勲章と申しましても、勲章に関連いたしまして、そのリボンとか箱、そういうものも褒章品になっております。それから勲章と別に勲記という、これは紙でございますけれども、それが勲章系のものであります。そのほかに、褒章と申しまして、紅綬褒章、緑綬褒章、黄綬褒章、紫綬褒章、藍綬褒章、紺綬褒章というようなメダル並びに箱、それから章記、またそれを納めます筒でありますとか、そういうものがやはり褒章になっております。そのほかには、いわゆる銀杯、木杯というような杯がございますが、こういった勲章、褒賞、章記、勲記、それから賜杯といったようなものが褒償物品というふうになっております。
  133. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 昨年度からは、さっき御説明のとおりに生存者叙勲ということが復活実施されておるようでありまするが、この内容もよほど違ってきておると思います。大体三十八年度ごろのそれと、三十九年度から現在行なっておりますものは、製造費というものは原価大体どれほどにつくのでございましょうか。
  134. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 勲章の製造の単価でございますが、これは勲章の種類によりまして金額は一定いたしておりませんけれども昭和三十八年度の、たとえば最高勲章であります大勲位菊花章頸飾という勲章は、当時五十万円いたしておりました。それが、本年度の単価は六十五万円というふうに増高に相なっております。これは最高の勲章でございますが、その他たとえば瑞宝章のほうになりますと、瑞宝の六等の勲章で、三十八年度当時は三千七千円いたしましたのが、現在は四千三百円というふうな単価に相なっております。
  135. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうすると、一番安いのは三百ですか。ちょっと聞きそこなったかもしれませんが……。
  136. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 勲章は八等まで分かれておりまして、勲八等の瑞宝章で三十八年ごろは千四百二十円、現在は千四百五十円というふうになっております。ただ、この単価のほうは、従来御本人にとっては千金にかえがたいものであるということで、あまり千円とか三千円とかいうことは外部には申しておらないのであります。
  137. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 きょうは予算経理の審査の場でございますから、どれほどの価格でどういうふうに使われておるのか、こういうことを聞く趣旨で伺っておるわけですが、大勲位菊花章頸飾というのはこれは六十一万円……
  138. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 六十五万円です。
  139. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これはやはり直接大蔵省造幣局で製造しておるのですか。
  140. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 戦前一時民間で製造しておった時代もあったと聞いておりますが、昭和の初めから造幣局に製造を一任いたしております。
  141. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 結局勲章並びに褒章は、いまの見通しとしてはどのくらいの人数に交付される見通しでもあるのでしょうか。
  142. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 昨年度の昭和三十九年度の実績を見ますと、死没なさいました方に贈られました勲章の数が大体三千近くに相なっております。それからいわゆる生存者に対しましては、昨年の四月と十一月の二回実施されておりまして、四月のときは二百一人、それから十一月には五百三十四名の方に勲章賜杯が出ております。昨年の秋からこれの実施に先立ちまして、各界を代表せられます学識経験者にお集まりをいただきまして、そこにおはかりをいたしまして、各界の実施の大まかな人数というものを含めまして御相談をしておるわけでございますが、本年の春の叙勲につきましては大体一千名程度というふうにきまっております。したがいまして、死没者が今年はやはり三千人くらいの数が出ようかと思いますので、ことしの四月が一千名、秋の十一月が——これはまだきまっておりませんけれども、おそらくそれに近い数だということになりますと、本年は勲章をお出しする数が生存、死没を合わせまして五千人近くになるのではあるまいかというように考えられます。
  143. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 そうしますと、各界その他民間の有識者が集まって意見をまとめて、これを参考にして内閣が適当に交付する、こういう筋になるわけですね。
  144. 岩倉規夫

    ○岩倉政府委員 大体の授与者の数と、それから現在のところは、開始いたしましてから、やはり戦後十八年間ストップされておりましたものですから、これをどのように功労者がたくさんいらっしゃいます中から逐次やっていくかということで、年齢という要素を一つ立てております。第一回が七十五歳以上、地方の方では八十歳くらいの方。第一回のときには現役を退いた方というようなことで、二百名近い方が叙勲されまして、昨年の第二回の十一月のときには七十五歳以上ということで、約六百人くらいという目途でありましたのが、五百三十四名ということでありました。今度春の場合には七十歳以上一千名というような大きいワク、その中には各界各個の功労者を広くということで、いわゆる有名人に偏せずに、実際に日の当たらないような分野で終生お働きになったというような方々にまで広く及ぶようにという趣旨でもって、各省大臣から候補者を御推薦いただきまして、それを内閣の責任におきまして閣議で勲等を決定いたしまして、そういう方々に、これは憲法七条によりまして天皇が授与するということに相なっておりますので、陛下の裁可を経まして発令されるという順序に相なります。
  145. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 やはりいまのような経過をたどっていきますと、もともと政府は行政府として、また公務員は国民全体に奉仕するという憲法上の立場もございますが、その国民に向かって、非常にありがたい栄与として感激を持って受ける多数の人々に陛下の名によって勲章等を授与する、こういう経緯をたどることは、よほど厳正な立場をとりませんと、いろいろな好悪偏倚というようなことになれば、これは実に有害なことになる危険があるだろう、私はこういうふうに思われます。極端な例を申しますと、政府の施政に反対するような傾向があれば、これはやはりほんとうの叙勲に値しないというような判断が出てくれば、たいへんなことでありますから、そういう辺が、何かまだ一まつ、少なくとも筋において、手順において、どこか欠けたところがあって選考しているような感じが、どうもせぬではないのであります。しかし、この問答はきょうの終局の目的ではありませんから、ただ申し上げるだけにとどめておきます。これであなたのほうはよろしゅうございます。  それから文部省の方、ちょっと長谷川委員の御質問に対する私の関連になるのでありますが、病院経費につきまして、特に医薬品の使用量が非常に増加いたしておる。これは先刻の厚生省医務局長の御説明によっても、高価な薬品の使用量が増加しておる、こういうようなことの御説明があったようでありますが、最近たとえばわれわれがテレビを見ましても、新聞の大きな広告を見ましても、あるいは列車、車などで旅行いたしましても、一番目立つものは何かというと、やはりこの薬の広告のような感じがどうもいたします。そういたしますと、かなりいろいろな新薬、新製剤というような面で、特効薬も発明せられて、優秀な薬品がふえてきたかと思いますが、それらが相当規制でもされないといかぬところまでいっておるのじゃないかとさえ、これは資料に基づかぬ、憶測が入りますが、少し薬がはんらんの状態になってきているのじゃないかと思ってみたりするのです。外国からも薬品の輸入は相当あるというふうに、ちょっといまここに資料を持っておりませんけれども、そんな統計も見たことがあります。その辺について何か御説明いただく面がございませんですか。
  146. 岩間英太郎

    岩間政府委員 先ほども説明申し上げましたように、三十八年度の予備金の使用につきましては、六百六十品目ばかり新しく薬価基準が改定されまして、使用する薬がふえたわけであります。そのほかに、これも先ほど御説明申し上げましたが、使用量の一%程度は研究用のために用意がしてございます。その範囲でもって、大学のほうは研究という点がございますので、その範囲で新しい薬を使うというふうなことをやっております。しかしながら病院におきましては、いま申しましたように、薬価基準によりまして、厚生省等でお示しいただきました基準の範囲内で治療するというのが原則でございます。
  147. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 その点を私は聞こうとしておるのではないのであります。それなら伺いますが、最近日本に薬品の輸入というのが相当激増しておると思うのですが、これは総計について何か資料でもありませんか。
  148. 岩間英太郎

    岩間政府委員 文部省におきましては、そういう資料はございません。
  149. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 文部省には資料がないけれども、しかし国立病院を管理しておられる、また医薬品の使用量がふえて予算予備費を特別に使用なさるという、そういうお立場にあれば、薬品の価格、薬品の——たとえば国産品か輸入品か、またそれはどの程度にきくものであるか、あるいは国立もしくはきょう当委員会にかかっておるものも国立療養所並びに文部省の大学付属病院予備費使用が医薬品の使用量増ということになっておりますから、その辺は基本的に背景として相当把握すべきじゃないかと私は思うのです。もし同じ価値があるものならば国産品を選ぶべきか、あるいは輸入品を選ぶべきか、あるいはなぜ一体公立と国立のほうへ患者がこんなに殺到するのであるかという辺も選ぶべきではないだろうか。これはやはり高価品を多く使うからではないだろうか。たとえば町の開業医へ行けば、高価品がなかなか使えない、使ってくれない。けれども国立あるいは大学の付属病院へ行ったら使ってくれる。こういうようなこともあるのではないだろうかということも配慮しながらやることが、私は予算使用管理者の立場として当然であろうと思います。それでお伺いしておったのです。
  150. 岩間英太郎

    岩間政府委員 御指摘の点はよく理解できるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、大学におきましては、特別の研究あるいは実験と申し上げてはちょっと語弊がありますが、まあそういうふうな新しい試みをするというふうなことで、大学病院は人気があるというふうな御指摘でございましたが、まことにそのとおりだと思います。そこで予算上も、一段の医療費のほかにそういうような特別な研究のための医療費あるいは学用患者のための経費というものも計上いたしておるのでございます。ただいまの先生の御質問にはお答えにはならないのでございますが、どういうふうな薬品がどういうふうに使われておりますか、私どもも十分把握いたしておりませんけれども、今後それにつきまして把握をいたしていきたいというふうに考えております。
  151. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 この報告によりましても、医療費が七億六千八百万円です。おっしゃる研究費というものは、おそらく学用患者費というのに相当するかと思いますが、これは七分の一以下なんです。それほど違うのです。だから医療費がおもだと思うんです。だから医療費の観点に立ってこの問題は検討すべきではないか、私こう思うのです。いま町におきましては、いわゆる高価品か何か知りませんけれども、ともかく薬のはんらんで生活は参っておるのです。そういうこともやはり率直に私らは考えていきたいと思うのです。なぜ一体薬品、薬品で——これによりますと八億七千八百万円ですよ、さらに三十九年度はもっとふえているだろうと思う、四十年はもっとふえるだろうと思うんです。それでふえていって、そうして大部分は薬品に食われていく、こういうことになっておるのではないだろうかと思いますので、いまのようなことを実はお伺いしておったわけです。もっとも、これはきょうのあなたへの——あなたというよりも大学付属病院の経営に関する予算執行上の主たる問題ではありませんが、たまたま出ております点、見のがしがたい点だと思いますので、伺った次第なんです。一応これについて何か補足してもらうものがあれば伺っておいて、問題は後日に残しておきたいと思います。
  152. 岩間英太郎

    岩間政府委員 先ほども申し上げましたように、医療費につきまして予備費使用をいたしておりますのは、これは三十七年度暮れあるいは三十八年に薬価基準の改定が行なわれたためでありまして、そういうことで医療費と学用患者費につきましても、予備費使用をお願いしたような次第でございます。先ほど御指摘のございました研究のための医療費は、この学用患者費用の中に一番多く含まれておるわけでございますが、そのほかにも医療費の一%は、これは特別の研究費ということでこの中に含まれておるわけでございます。
  153. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 文部省、よろしゅうございます。それから建設省国土地理院。——本日の予備費使用調書上の問題は、これは刊行する地図の製作上の経費のようでございますが、根本的な問題をひとつ伺っておきたいと思うのです。国土地理院におきましては、日本の精密もしくは正確な地国をつくるという用意があるのでしょうか。
  154. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 昭和三十九年度を第一年度といたしまして、十カ年計画を持っております。
  155. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三十九年度から十カ年で、それでどの程度の正確さの地図ができるのですか。
  156. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 戦前の古い五万分の一の地図がございますが、これを新しいものにかえるということでございます。それから一方二万五千分の一、これは空中写真からつくりますけれども、それから……。
  157. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 実は私らも職業柄、正確な地図がないために非常に不便を感ずることがしばしばあるわけなんです。たとえば山の形が地図とそれから空中撮影とはよほど違っておる。あるいはまた境界がわかれておる。あるいは自然のあれもそうだが、あるいは山林とか宅地とか工作物とか道路とかいったようなものも正確なものをつかむのに実に困るのです。よりどころがないのですね。そういったことでありますので、国土地理院のこれは大きな仕事だろうと思うのですが、一体どういうふうにしてこれは最後に一番最も正確なものをつくり上げるんだろうかということも、われわれ自身もほんとうに作業の計画の内容などを聞いてみたいと思ったりしていたんですけれども日本全体の地図、地理といったようなものを明らかにするということは容易じゃないだろうと思います。たとえば農林省におきましても、北海道における農林省の国有林野の面積は一体何ぼあるかということは、ほんとうを申せば、林野庁は知らないだろうと思うのです。といいますのは実測したことがないからなんですね。そうすると全体として国の財産が幾らあるかわからぬ。国有財産の法律はありますけれども、またいろいろな統計は出てきますけれども、だれも実際それを実測、体験して、正確に把握している人はないだろうと私は思います。というようなことを思いますと、やはり地図の作製とかあるいは刊行する市販の地図のみならず、どこかに保存するものもしくはこれを取りかえる作業といったようなものは、国民の権利、義務、生活、利害等におきましても非常に重大なことなんですね。重大なことなんだけれども、一向はかばかしく進んでおらないというのが、どうも現状のようであります。たとえば法務局に備えでおるものは正確かというとそうではない。たとえば市役所、町役場に備えておるものは正確かというとそうではない。それは絵をかいたようなものが多いというような現状ですし、駅で売っておるような地図はどうだろうかということになりましても、これもはっきりしない。一体日本のどこに行ったら一番正確な地図があるんだろうかということになりましたら、昔の参謀本部の地図でも持ってきて、そんなものでもよりどころにするかということになったり、最近は空中撮影も相当できておりますから、それぞれ、ある程度のものは持っておりますけれども、これとても非常に精密なものだというふうになっておりません。こんなことを思いまするというと、やはり国土地理院が主管庁かと思いますが、正確な地図を作成するという作業も容易ならぬけれども、これは早急にやらなくちゃならぬじゃないか。また国民に地図に対する知識を普及するという仕事も、これまた重要なことでありますので、これはやはり、何らかもっと積極的な手を打って、そういうことに対する知識を一般的に普及するということも重要でないだろうか、そんなことさえ考えます。先般も、こういう種類の問題についての日本の権威者はだれだろうなんて私も尋ねたことがあります。法務省でも聞いてみたりしたことがあるんですが、なかなか適当な人が見つからなんだというような経験も持っておりますが、国民に地図に対するもっと正確な科学的知識を普及するということも積極的にやる必要があろうと思いますが、どうですか。
  158. 佐々木正人

    ○佐々木説明員 いま御指摘のように、ことに戦前足で歩きましてつくりました地図につきましては、ことに山岳地帯、これはある程度想像によってかいたものもございまして、不正確なものがあったと思うのでございますが、最近は航空写真から図解いたしましてつくるというような手法が進んでまいっております。先ほど申し上げました第二次の日本測量長期計画、十カ年計画でございますが、これがだんだん軌道に乗ってまいりますと、御指摘の山岳地帯につきましても、航空写真から図解いたしてまいるというようなことで正確な地図ができてまいると思います。したがって、そんなことでだんだん御指摘のような不正確のものがなくなってりっぱな地図ができてまいるというようなことになろうかと思います。何分五万分の一で日本の全国をおおいますのに千二百五十八面ございまして、戦前、旧陸軍の力をもっていたしましても、約七十年間かかりましてできたような次第でございますので、非常にむずかしい事業ではございますが、先生方の御支援によりまして、できるだけ早く正確な、りっぱな地図をつくりたい、かように存じております。
  159. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 ひとつ新しい戦後の伊能忠敬でも出るくらいな覚悟を持って、この問題はほんとうに抜本的に、すみやかに科学的に解決をしてほしいと思います。建設省、よろしうございます。  それから最後に、私は労働省の失業保険につきまして伺ってみたいと思うんであります。失業保険給付増加に伴って保険金が不足したということが主たる理由になっておりますが、この失業保険の給付の増加というのは、大体どういうことがおもな事情になっておるでしょうか。最近におきましては、一般的にごく素朴な社会常識といたしましては、人手が足りないというときに、失業保険給付増加ということが出てくるというのは、これまたどうしたものか、一応はそういうような事実と常識的想像とは食い違っていくんですが、おもな事情は何でありますか。
  160. 有馬元治

    ○有馬政府委員 三十八年度についてみますと、ちょうどたまたま石炭の合理化計画が進んでおった時代でございますので、石炭の離職者も相当ふえてまいってきておりますが、最も大きな増加原因は、いわゆる季節労働者と、それから女子の失業保険の受給者がわれわれの予想以上に増加をした、この二点が大きな増加原因でございます。
  161. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 季節労務者というのはおもに農村かと思いますのですが、農村とするならば地域はどうなんであろうか、また農村としましたら農業の現在における社会、経済、産業上の農業所得格差という重大な問題がありますので、そういう関連においてこれはつかめるのじゃないかと思いますが、その辺はどういうふうに御説明願えましょうか。
  162. 有馬元治

    ○有馬政府委員 季節労働者あるいは出かせぎ労働者といわれておりますが、これらの定義は非常にむずかしいわけでございまして、農林省が調査しておるところによりますと、二十九万何がし、約三十万という推定をいたしております。しかし、これは六カ月以内の出かせぎ労働者を調査の対象といたしておりますので、いまや六カ月をこえる長期にわたる出かせぎ者も相当出てきております。それから、いわゆる農業以外からも相当出てきておりますので、私どもが保険の立場で推定をいたしますと、やはり六十万は下回らぬじゃないかという想定をいたしております。  それから、地域的に見ますと、やはり北海道はじめ積雪寒冷地帯が多いわけでございますが、最近は南九州あるいは四国の南部、山陰地方、こういったところにも、いわゆる季節労働者というものの数が相当広がってきておる状態でございます。
  163. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 三十八年ごろは、季節労働者はどのくらいあったのでしょうか。これに対する保険給付とその後の情勢の推移はどういうふうになっておりますか。
  164. 有馬元治

    ○有馬政府委員 三十八年度につきまして申し上げますと、五十一万八千人、約五十二万人と推定をいたしております。
  165. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これに対する失業保険の給付の総額とその後の季節労働者の推移、それはどうでございましょう。
  166. 有馬元治

    ○有馬政府委員 三十八年の五十二万人に対しまして、保険金の支給額が二百四十億でございます。今年度の推定は、この一−三月の実績を見てみませんとはっきりした数字が出ないわけでございますが、過去のふえ方を御参考までに申し上げますと、二十八年当時には十一万人にすぎなかったものが年々ふえまして、三十五年には二十七万人、三十六年には三十四万人、三十七年には四十二万人、三十八年は、先ほどの五十一万八千人、約八万から十万人近く毎年増加をしております。これがことしの三十九年の実績にどういうふうにあらわれるか、これは一−三月のいわゆる季節労働者のシーズンの実績を確実につかまないとわかりませんが、そのうちに実績が出次第御報告申し上げたいと思います。
  167. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 一体なぜこの季節労働者はそういうふうに漸増の傾向をたどるのでしょうか。
  168. 有馬元治

    ○有馬政府委員 これは非常にむずかしい農業問題でございますが、本来季節専業の労働者というものも、農業と関係なしに実はあったわけでございます。それはやはり二十八年、三十年ころまでにあらわれた数字が、そのいわゆる専業的な季節労働者といわれた層ではないかと思います。これはその時代には十五、六万という数字であったわけですが、いわゆる農業と他産業との所得格差が広がってきた三十五、六年ころから、非常に季節労働者というものがふえてまいりまして、先ほど申しましたように三十六年は三十四万人、昨年は五十二万人、こういうふうにふえてまいってきておるのを見ますと、やはり農業だけでは所得が足りないというふうなことで、農業をやりながら季節的に工業、建設業その他の産業に出かせぎに出ていく。こういった層が非常にふえてきたんじゃないか、かように推定をいたしております。
  169. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 これは例の農業生産法人ですか、そういったものが東北、北海道に相当できておるとかいうふうに聞いておりますが、そんなものは大きな比率を占めるんじゃないのでございますか。一般的な、自由といいますか、そのような法人に属しない人が大部分なんでしょうか。その組合、法人のほうが多いのか。どういう趨勢でその両者がふえていくのでしょうか、その辺は御説明できますか。
  170. 有馬元治

    ○有馬政府委員 いわゆる農事生産法人の設立の傾向と失業保険の適用の関係でございますが、これは昨年の三月現在で、東北を中心といたしまして、農林省の調査によりますと、六百六件のいわゆる農業生産法人というものの設立があったわけでございます。と同時に、私どものほうに対しましては、農業は失業保険制度からいいますと任意加入制度になっておりますので、加入の認可申請手続をする動きが出てきたのでございます。私どもといたしましては、今日設立を見つつございまする農業生産法人に、いわゆる事業の継続性という問題をどういうふうに考えたらいいか。またその法人と、法人の組合員でありまする農家との関係、それがまた同時に、現実に雇用関係にあるのかどうか、こういった実態関係、貸金の支払いの実態がどうなっておるのか、こういった問題がございまして、私どもとしては、この結成されつつある農業法人に、申請が出たからといって、すぐ認可をするというわけにはまいらない、実情をよく調べようということで現在まで至っておるわけでございます。そういう関係で今日まで認可を渋っておるのでございますが、その後の設立状況を見ますと、昨年の十一月六日現在で六百六十五組合に、大体五十九組合ふえております。これらの傾向を見ますと、どうも失業保険適用が目当てで結成されておるのではないかというふうな節もございますので、いましばらくこれらの動きについては、われわれの立場からしますと静観をして、実態を究明をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  171. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 全国に千三百万近い農業従事者が現在あるかと思いまするが、一方また農業が低生産性であり、低所得であり、所得格差は一向に是正されずというのが現状である。そしてまた最近というよりも、今国会におきましても、特別に農業の事業団ですか、新しい制度ができるようでございますし、こういう傾向から見ますると、単独農業というよりもやはり共同農業あるいは法人化あるいはもっと単位農協を拡大するという傾向、これが次第に増大していく。そうしますと失業保険制度の角度から見ると、何らか相当大きな見通しを持ってこれを全面的に、格別な例外はともかくといたしまして、これを認めていくという傾向に進んでいくとなれば、相当失業保険制度自体もほんとうは考えていかないと、制度と財政的基盤の関係はどうなるのであろうか。結局そういうことが最終的にはアブハチとらずで、もとも子もなくなるという心配はないであろうか。しかし農業問題の重要性上、必然の傾向をたどりつつあるやにも考えておる。この問題は労働省だけのことではなしに、農林省との関係もございましょうし、また日本の農業政策そのものにも発することでありますので、広い視野に立っていろいろな要素を検討しながら結論づけていかなければならぬ問題が含まれておるようにどうも思われます。ただ、あるがままになしているということだけでは、少し無策のような感じもあります。傾向としては漸増であるし、また積み立て金なんかも千二、三百億円いまあるのですか、しかし黒字の率はだんだん減っておるようですね。三十八年度には、統計で見ましたが、五十億円くらいの黒字であったようであります。こういうものを見ていきますと、やがてゼロになり、赤字化するということになると、保険制度自体も根本的に検討せぬといかぬのではないだろうかというようなことも考えるのです。といいますのは、やはり保険制度ですから、すべての労働者ないしは従業者、他の産業にも当然利益を均てんしなければいかぬ。制度の性格上、農業問題にあたふたしてしまって、これではどうにもならぬということになっても困るのじゃないかという面から、きょうの段階でしゃんとした基本的な姿勢を正しておかなければいかぬのではないだろうかというふうにも思うのですが、これは私こまかい資料を十分に持った上での質問じゃありませんから、ばく然とした素朴な質問に終わりますけれども、そのように考えるのですが、どうでございましょうね。
  172. 有馬元治

    ○有馬政府委員 吉田先生御指摘のとおり、根本問題がそこにあるわけでございます。千二百万の農業従事者がかりに一割百二十万、こういう形で失業保険に加入すると仮定しますならば、大体こういった被保険者は農閑期に失業をするという計算ができますので、毎年一回失業者が出るというかっこうになります。そうしますと六カ月納めて九十日の保険ということになりますので、保険料としては六カ月納めても大体四、五日分にしか充当しない、そういうお客さんがふえますということは、保険財政、保険制度を危殆におとしいれる。そもそもこういった毎年繰り返すといいますか、予見された保険事故というものを失業保険でカバーするということに問題がある、いろいろ根本問題がございまして、この農業法人の適用の問題は、そういう観点から農業政策との調和、農林省との提携というふうな形で、この問題を解決をしていきたい。保険の観点だけから割り切るというわけにもいきませんので、農業問題の根本に触れる問題として慎重に扱ってまいりたいと思いますが、吉田先生のただいま御指摘のような根本問題をわれわれも認識をし、いかにしてこの根本問題を解決していくかということを十分検討しておる段階でございます。
  173. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 それから失業保険制度の問題を強制加入の対象として五人以下の事業所に拡大するという問題は、なかなかこれもむずかしいかと思いますけれども、いろいろと副作用もあるかと思いますけれども、これも何とからちをあけなければならぬ問題としてあるのじゃないだろうか。だから現場もしくは社会の現実の事業所におきましては、常にこの点は各種事業組合等において論議しておりますので、この辺について積極的な見通しもしくは対策あるいは改正の方向、こういったものはないのでございましょうか。
  174. 有馬元治

    ○有馬政府委員 五人未満の当然適用の問題は、当初四十一年から踏み切ろうということで計画をしてまいったのでございますが、いま申しましたような季節労働者の問題それから農業法人の問題というような根本問題が出てまいりまして、この問題を解決せずに五人未満に拡大適用するということは保険の破綻を意味しますので、私どもとしましては五人未満に拡大適用するにあたりましては、やはり大企業と比較して失業率が小企業の場合には高いわけでございますから、ある程度の持ち出しは当然覚悟をしてかかっておるわけでございますが、一方でいま申しましたような農業との関係における根本問題が出てまいりましたので、その根本問題を解決しながら五人未満の拡大適用に踏み切りたい、かように考えておるわけでございます。
  175. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 私は最後に潜在失業について少し伺ってみたい、こう思うのでございます。この失業問題というのは考えれば考えるほどどうもわからなくなってしまいまして、実態は何ぞやということになると、何が失業だろうということに実はなるのでございますが、一体日本は、たとえば英、米、独あたりと比較いたしまして潜在失業は大体において率は低いのですか。ドイツなんかはずいぶんと低いようでございまして、一%に満たぬとかというふうに聞いておるのでございますが、その辺はどうなんでございますか。
  176. 有馬元治

    ○有馬政府委員 御承知のように、完全失業者の数と率は非常にここ数年来減ってまいりまして、現在四十万を翻る数字になっております。したがって失業率としましては〇・八とか〇・九というふうな一%を割り込むような失業率になっておりますので、この点からだけ形式的に見ますと、日本の雇用、失業問題はもう解決をしたというふうに表面上見られるわけでございますが、問題はいわゆるこの統計に上がってくる完全失業者の問題ではなくて、その背後にある不完全就業者の問題がもう一つあるわけでございます。これも三年おきに総理府で調査をいたしておりますが、最近の三十七年七月の統計によりますと二百一万というふうに、三十一年当時から比べますと七十七万ほど潜在失業者の数も減っております。私どもは完全失業者の数のみならず、不完全就業君の数の推移等もあわせ考えて、雇用、失業の状態を判断をしておる状況でございます。
  177. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 週に一時間しか労働しない者をもって失業の対象のような、そういうつかみ方もなさっておるやにも聞いておるのですが、今日のような賃金格差のなお激しく、統計ではだんだんと中小企業と大企業との格差等が縮まってきたとはいっておりますけれども、事実上は相当大きな格差があるわけなんです。このように時間に比較いたしましていわば不当に低い賃金、そして四十八時間働いて適当の賃金を受ける者と比較いたしますると賃金格差の非常に低い面にありまする労働者は、ほんとうは雇用だけの関係ではなしに、その企業自体の、その業種自体の経済的、社会的地位、いわば二重構造の底のような地位それ自体の問題と思いますけれども、こういうような立場にある労働者というものは、一極の半失業の状態と見ていいのではないかと思うのです。失業じゃない、働いておるのだけれども、正当な賃金はもらっておらない。働いて、時間の拘束はあるけれども、報酬はない、こういうようなものは一体失業であるのか失業でないのか。そういうふうなことを考えますと、雇用問題を解決した、完全就業何とかいいましても、ほんとうはそこまで掘り下げていかぬと未解決の問題ではないだろうか。結局潜在失業の問題というものは、もっと学問的に科学的にほんとうに掘り下げて正確につかんで、失業保険制度というものをその辺まで広げるのがいいとか悪いとかの問題ではなしに、観念も整理して、事実も整理いたしまして、立て直して、そしてその対象をはっきりするということで、まあ失業と労災との関係なんかも非常に緊密のようでありますが、その辺も根本的に整備していくような段階がきておるのではないだろうか、こういうふうに思われるのです。ことに潜在失業が何かということを考えますと、考えるほどわからなくなる。農業あたりでも同様でございますが、そういうふうに思いますので、これは制度的に失業保険制度そのものをこのようないろいろな角度から再検討する段階がきておるのではないかというふうに思われるのですが、それはどんなものでございましょうか。
  178. 有馬元治

    ○有馬政府委員 御指摘のように、所得の非常に低い者の、所得面から見た潜在失業層があるわけでございます。これは議論になりますので詳細申し上げませんが、そういった階層の生活対策といいますか、こういうことも考えなければならぬじゃないか、こういうふうな御指摘でございますが、私どもはできるだけ中小企業の体質を強化して、より商い賃金が払えるように指導してまいりたい。そういうことによって低所得層の問題は解決をしてまいりたいと考えております。それでもなおかつ失業した場合には、もちろん五人未満の当然適用に踏み切って、失業保険で生活の保障をするという考え方につなげたいと思っております。
  179. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 質問はこれで終わりまして、私一つ資料要求をいたしておきたいと思います。  さきに医薬品につきまして、ちょっと厚生省当局に御質疑しておりましたが、ことに新薬、新製剤につきまして種類あるいは品名ないしは過去三年間の需給状況とか国産と輸入との比率、金額、国別、こういうようなものをひとつとってもらいたい。それからただいまの失業問題につきまして、広く失業問題に関しまして雇用ないしは予算執行、その辺まで含めましてひとつ資料として出しておいていただきたい、こういうふうに思いますが、お願いいたします。
  180. 勝澤芳雄

    ○勝澤委員 資料を少し要求いたしたいと存じます。  まず臨時行政調査会の答申に対する行政管理庁の取り扱い方針とその経過、次に臨時行政調査会の予算会計の改革に関する意見の専門部会の報告書、次に補助金等合理化審議会の答申に対する大蔵省と行政管理庁の取り扱い方針と経過、それから補助金、負担金、委託費等について各省庁機関別に三十八年度末現在の整理、統合、廃止すべきと認められる項目。二番目が、三十九年度以降新規支出の決定した項目と金頭、三十九年度以降整理、統合、廃止した項目、これを大蔵省のほうからお願いいたします。  それから次に大蔵省に、税務の委託費支出状況、それと日本税務協会の事業計画、財務諸表等関係資料、三十七、三十八、三十九年度のもの。  それからもう一つ大蔵省ですが、世田谷区玉川用賀町所在の旧陸軍衛生材料廠及び港区麻布飯倉町所在の旧東京天文台あとの国有財産の処分について、その内容の一は、審議会の開催状況、開催の年月日、委員及び委員の出欠状況、代理出席の場合はそれを。二番目が審議会の会議録、三番目が処分の具体的理由及び相手方、数量、価格、契約年月日等、四番目が相手方の申請理由及び利用計画等の申請書類の写し、五番目が大蔵省の相続税、固定資産税、売買実例から見た評価価格及び民間精通者の鑑定価格と支払った鑑定料を会社別に。六番目が適用法令、七番目が法務局に提出した嘱託移転登記申請書、八番目が所有権移転登記謄本、これを資料として早急に出していただくように委員長において御努力願いたいと思います。
  181. 堀川恭平

    堀川委員長 わかりました。
  182. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 資料をなお追加してお願いしたいと思います。ちょうど鍛冶次官が見えておりますので、大蔵省が主となるかと思いますが、予算作成についての積算の原価、いわゆる予算単価を三十八、九、できれば四十年、大蔵省は査定の基準として四十年を持っておりますから、工事等の建設費、それから給与等の人件費、物の代価、そういったような分類で、ひとつ予算単価の各省の分を資料としてお出し願いたいと思うのです。大蔵省だけに申し上げるとたいへんお手数が煩瑣になりますから、ひとつ委員長におかれまして各省へ分けていただきまして、大蔵省は大蔵省で可能な範囲で、予算査定の際のものさしとしてお持ちになっておりますから、三十八、九、四十年の分をひとつお出し願いたいと思います。  会計検査院も、もしありましたら同種の予算単価表をひとつ出すように言っていただきたい。
  183. 鍛冶良作

    鍛冶政府委員 全部というたらたいへんなものだが、典型的なものを各省のもので出すのならばよろしいです。
  184. 吉田賢一

    吉田(賢)委員 典型的でけっこうです。      ————◇—————
  185. 堀川恭平

    堀川委員長 この際、参考人出頭要求の件についておはかりいたします。  すなわち、国が資本金の二分の一以上を出資している法人の会計に関する件の中で、首都高速道路公団関係調査のため、本委員会に参考人として関係者の出頭を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  186. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人の出頭の日時及び人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  187. 堀川恭平

    堀川委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  次会は公報をもってお知らせいたします。本日はこれにて散会いたします。    午後四時二十六分散会