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穗積委員 私は、実はその点がちょっと、次の機会にいたしたいと思いますが、大事な認識の違いが、同じ国会の中の議員同士でありますけれども、悲しいかな認識が違うわけです。私は、
ポンドの切り下げを契機にして、これから
自由主義諸国におきましては、貿易は、関税の問題と、
国際通貨の価値のいわば平価切り下げ、
国際通貨切り下げ競争、そういう安易な道を歩んで貿易の拡大をはかる段階が、ことしから来年にかけて表面化してくる危険があると判断をいたします。ということは、
わが国においては、中小企業並びに労働問題というものを本質的に解決すべきものを、それを避けて、しかも、
世界的に異常な過剰設備投資をいたしました独占資本、これが、中小企業どころか、独占資本自身が持ち切れなくなってきている、そういう中で緊縮
政策をとると、階級的に自民党の
背景とするその
政治的な基礎がくずれる、そういうことで、階級的な立場に立って実は
インフレ政策をとりつつあるというふうにわれわれは非常に不安に見ております。それでいけるのならばいいけれども、とどのつまりは、今の路線を発展せしむるならば、満州事変直前の
国際的な
資本主義経済の矛盾と危機が表面化してくるのではないか。そのことを中心にもう少し伺わないと、
佐藤内閣の第一の
外交の柱である
国連中心外交というものが何であるのか、実体がさっぱりわからない。
外交においても
経済政策においても、そういうせっかくの曲がりかどの機会ですからお尋ねしたわけです。ところが、
委員長からの突然の御指示もありまして、帆足委員も続いてあなたに
質問をしたいということですから、きょうはこれで保留いたしまして、次のあなたの御都合のよい時間に私もできるだけ協力して合わせます。しかし、これはむしろ
大臣が国会の都合、ペースに合わせるべきです。あなた方は国会から選ばれてできた執行部ですよ。このごろは、何だか
大臣の都合に国が合わせて、議員どもはそれに手待ちをしていなければならぬ。
大臣はきょう一時間しかないから、おまえは三十分だ四十分だという、ばかばかしい、そういうみずからの民主主義を封殺するようなそういう審議の状態というものは、私は絶対に賛成できない。したがって、こういう真剣な問題でありますから、ぜひ、あなたの都合によって、夜でもけっこうですし、早朝からでもけっこうです、私はいといませんから、あなたもそのつもりでひとつ用意をしてきて
答弁をしていただきたい。この次私がお尋ねすることをあらかじめ申し上げておきますから、中山さん、あなたはそこへメモしておいて、外務省はどうだこうだ、大蔵省に聞いてくれなんて
答弁しないように。
答弁ができなければ大蔵省を連れてきてください。ぼくは外務省に敬意を表してきょうは通産と大蔵は呼ばなかったのだ。
経済局というものがあるのですから、おかしな
答弁はやめても
らいたいのですよ。
それで、あと、
経済社会理事会を中心とする今後の
わが国の
国連外交の中で、いまの
国際通貨の問題が一点と、それから、もう
一つは、やがて
国際的に出てくる関税引き下げの問題、これは
自由化の中で重要な問題であると思います。それに対して一体どういう態度を当面とられるか。当面の二つのトピックでありますから、それに対するお尋ねをいたしますので、
政府の
方針をまとめてきてください。それから、次にお尋ねしたいのは、安全保障
理事会の
増員が今度の
改正案の中に出てまいりました。これについては
拒否権の問題を中心にしてお尋ねをいたしたいと思っております。それで、これについて一体どういうお
考えを持っておられるか。そのときに私は、これは藤山さんが
大臣当時、
条約局長はいまユーゴに行っておられる高橋さん時代であったと思いますが、
国連の
政治機構を、安全保障
理事会の数を
増員するというようなこそくなことではなくて、
拒否権を削除し、そうして、同時に
根本的な改革をやって、
国連の
政治機構というものを、執行部とそれから
総会、すなわち、
政府と議会に分けるように分離すべきではないかといって、この世論は、学者、評論家の間に出ておるだけではなくて、すでに各国の国
会議員を中心とするいろいろな集まりにおいてこの問題が提起されていることは、外務省当局は御承知のとおりだと思う。この問題と
関連をいたしまして私は具体的にお尋ねをいたしたいと思います。これは今度の
改正案の中に間に合うものではありません。しかしながら、あなた方が
安保理事会に出ていって、
拒否権の問題と、それか
らいまの
総会の
意思は一体何を
背景とするものであるかということを議論をして、
国連外交というものを強化していただかなければ、
国連外交なんというものは、各国その国のエゴイズムによって、やったりやめたり、無力になったり、場合によれば無力ではなくてマイナスのじゃまになったりする。いまの
ベトナム事件で証明されている。したがって、
安保理事会に
増員することはわれわれは賛成いたします。その
改正案に賛成いたしますが、この中心である大国の
拒否権の問題とそれから
国連の
政治構造を執行部と
総会に分離する提案については、外務省は一体どういう
展望、
方針を持って臨まれるか。それから、それに
関連いたしまして、五十一条の削除の問題をどう
考えておられるか。それから、その次に、十二章並びに十三章の、たとえば七十三条、あるいは七十七条、七十八条等の信託統治制度というものは、これは
国連憲章の中から削除すべき段階に来ているというふうに私は
考えて、この問題については外務省はどういう用意を持って
国連外交に臨まれようとしているか。それから、その次には
改正手続です。今度の
改正でもそうですよ。これは安保
常任理事国一国の
拒否権があればできない。世論でできないのですよ。
総会でできない。こんなばかな、非民主的な、独裁的な、権力主義的な誤まった機構がありましょうか。
国連憲章の五十一条とこの
改正手続規定というものは、
国連の
精神に
根本的に矛盾する不名誉な規定でございます。これは当然
総会によって決定されるべきものに
改正さるべきだと思う。
以上につきまして、私は具体的に内容にわたって
質問をしたい。それで、
委員長もお聞きのとおりであります。そのほか、この
改正案の具体的な条項の解釈それから、それが提案されているように、はたして
アジア地区の
諸国が五だけの数字が確保されるかどうか、これも問題でしょう。それは事務当局にお尋ねいたします。しかし、以上申しました五つの点につきましては、
国連外交の
政策に関すること、
外交の路線に関することでございますから、ぜひとも
大臣と私の都合の合いますときに十分の時間をいただいて、
政策に関する問題をこの際お尋ねをして、わが
佐藤内閣の
国連外交の具体的な内容を明らかにしていただきたい、かように思っておりますから、外務省ではわからぬから大蔵省に聞けの、あるいはきょうは
国連局長がおらぬからわからぬとか、つまらぬ御
答弁で問題を回避されないように、あらかじめ用意してきて、われわれに満足を与える御
答弁を賜わりたいということを要望いたしまして、きょうは
委員長のせっかくの御提案で、不当な提案だと思いますけれども、事情を伺いましてわかりましたので、これで私は割愛をいたしまして、途中で帆足さんにやっていただくようにいたします。