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1965-03-04 第48回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会科学技術の基本問題に関する小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和四十年二月二十四日(水曜日) 委員会において設置することに決した。 二月二十四日  本小委員委員会において、次の通り選任され  た。       菅野和太郎君   小宮山重四郎君       佐々木義武君    中曽根康弘君       福井  勇君    前田 正男君       田中 武夫君    原   茂君       三木 喜夫君    内海  清君 二月二十四日  前田正男君が委員会において小委員長に選任さ  れた。 ————————————————————— 昭和四十年三月四日(木曜日)    午後二時三十九分開議  出席小委員    小委員長 前田 正男君       菅野和太郎君   小宮山重四郎君       中曽根康弘君    福井  勇君       田中 武夫君    原   茂君  出席政府委員         科学技術政務次         官       纐纈 彌三君         総理府事務官         (科学技術庁長         官官房長)   小林 貞雄君         総理府技官         (科学技術庁計         画局長)    梅澤 邦臣君  小委員外出席者         科学技術振興対         策特別委員長  岡  良一君         科学技術会議議         員       内海 清温君         科学技術会議議         員       梶井  剛君     ————————————— 本日の会議に付した案件  科学技術基本問題に関する件      ————◇—————
  2. 前田正男

    前田委員長 これより科学技術基本問題に関する小委員会を開会いたします。  科学技術基本問題に関する件について調査を進めます。  この際、科学技術会議及び科学技術庁当局より科学技術基本法及び科学技術振興長期計画等作成検討状況について経過概要説明を聴取することといたします。梶井科学技術会議議員
  3. 梶井剛

    梶井説明員 科学技術基本法のこれまでの経過について御説明をいたします。  科学技術会議といたしましては、昭和三十六年五月に総合部会基本法分科会を設置し、科学技術基本法について審議を行ない、さらに総合部会において検討を重ねてまいりましたが、部会における審議過程におきまして、科学技術基本法の重要な柱となる長期計画についてまず検討する方向で進むことになりました。この関係から、西欧諸国における科学技術振興長期計画策定及び実施の状況調査するために、昭和三十八年三月末に調査団をイギリス及びフランスに派遣いたしますとともに、関係方面、特に日本学術会議長期計画について懇談を続けてまいりました。その結果、学術会議科学研究といいますか、基礎的分野について長期計画策定されますので、科学技術会議といたしましては、学術会議長期計画をも取り入れた形で科学技術全般にわたる長期計画策定するということになりまして、目下本年末を目途長期計画に関する審議に取りかかっております。  また、基本法自体につきましても、日本学術会議から科学研究基本法制定に関する勧告が出ておりまして、これに関連いたしまして、基本法理念ないしはそのあり方、また人文科学の取り扱い方等につきまして日本学術会議懇談を続けてまいりました。その結果、最近に至りまして、研究基本法理念内容等をできるだけ科学技術基本法の中に取り入れよう、また、人文科学につきましては、科学研究分野では、自然科学振興にかかる問題は人文科学に共通する問題となる場合が多いので、自然科学を取り扱うことによって、人文科学についても内容でできるだけカバーできるように考えて検討を進めていきたいと考えております。  以上が、基本法に関しましての経過でありますが、今後科学技術会議といたしましては、科学技術基本法に関するワーキンググループを設けまして、そうして長期計画と並行して、基本法についても前述の基本的方向のもとに具体的に検討を進めていく考えでございます。  以上でございます。
  4. 前田正男

  5. 梅澤邦臣

    梅澤政府委員 科学技術会議基本法検討につきましては、これまでの経過につきまして、いま梶井先生からお話がございましたが、年次的経過をつけまして、若干詳しく御説明さしていただきたいと思います。  先生方も御承知のとおり、昭和三十五年の十月に、科学技術会議は、諮問第一号、十年後を目標とする科学技術振興総合的基本方策というものについての答申をいたしましたが、その答申の中で、特にわが国の経済発展国民生活向上の基盤として重要な役割りをになう科学技術を画期的に振興するためには、統一的指針が必要であるとされておりまして、科学技術会議においてさらに科学技術振興に関する基本法について検討していく必要があるということを指摘しております。その関係から、科学技術会議におきましては、ちょうど翌年の三十六年五月に、総合部会基本法分科会を設置いたしました。そこで基本法に関する審議を開始いたしまして、基本法分科会におきましては、数次にわたる審議の結果、昭和三十七年の四月でございますが、基本法基本的な考え方及び内容についての骨子案作成、これを総合部会に報告いたしました。  一方、その同月、衆議院科学技術振興対策特別委員会の諸先生方が御検討なされておられました科学技術基本法が、第一次試案としてまとまり、また五月には、日本学術会議から、科学研究基本法制定についての法案に盛り込むべき内容を付した勧告がなされました。  このようなことに基づきまして、科学技術会議におきましては、総合部会において、基本法基本的な考え方及び内容につきまして、これら諸案を参考に審議を重ねまして、昭和三十七年の十一月でございますが、総合部会長試案という基本法案要綱案ができました。それで、自来その要綱案に基づきまして、総合部会として審議検討を続けておりましたが、その審議過程におきまして、結局法本法をつくるにつきましては、科学技術長期計画あるいは基本計画ともいうべきものが重要な役割りを果たすということになりまして、それを討議するという方向に進むことになりました。  このような状況で、科学技術会議におきましては、関係方面、特に日本学術会議懇談をいたしまして、長期計画を中心に、基本法についても意見交換をしてまいり、長期計画につきましては、今年末を目途にその策定を急いでおるわけでございます。  基本法につきましては、人文科学のみにかかわるものを含んだ科学全般にわたる研究基本法とするか、または人文科学のみにかかわるものを除いた科学技術振興法的基本法とするかというようなことが主要な問題点でありますが、先般の二月十八日に科学技術会議では、衆議院科学技術振興対策特別委員会の諸先生方並びに日本学術会議の諸先生方のお集まりをいただきまして、基本法についてこれらの根本的な考え方につき御意見を拝聴したわけでございます。その後現在までの間に、日本学術会議との御相談によりまして、先ほど梶井先生のおっしゃいましたように、人文科学に関することも背景として考慮しつつ、自然科学と共通する面をできるだけ盛り込む方向で、基本法に関する具体的作業を一応進めていこうではないかということで、意見一致を見たわけでございます。  そこで、科学技術会議といたしましては、具体的にその検討に入るために、早急にワーキンググループをつくるということで、最近ワーキンググループの編成をすることになったわけでございます、  以上が経過的な説明であります。
  6. 前田正男

    前田委員長 以上で説明聴取は終わりました。     —————————————
  7. 前田正男

    前田委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。田中武夫君。
  8. 田中武夫

    田中(武)小委員 委員長、いまから私が申し上げることで、議事録にとどめないほうがいいという委員長の御判断があれば、削除してもらってけっこうです。
  9. 前田正男

    前田委員長 それはお話を聞いたあとで、ひとつ……。
  10. 田中武夫

    田中(武)小委員 実はざっくばらんに言って、先日の懇談会においても、私まだはっきり自分としてわからないのは、基本法案政府の手においてつくって内閣提出としてやるのか、それとも議員提出といいますか、もっと端的に言うなら、あらかじめここで話し合っておいて、そうして科学技術委員会委員長提出というか、あるいは委員会提出、こういうようなことでやっていくのか、この形式がまだはっきりしていないと思うのです。  いまの話を聞いておると、どうやら政府提出に持っていく、こういうことであるならば、はっきり申しまして、われわれは提出までのいろいろな過程において意見を述べたりあるいは意見を聞いたりすることは十分やる必要もあろうと思いますが、そこには野党としてのある程度の限界があります。  そこで、これが提出形式あるいはその時期、こういうことが明確になれば、その上に立って私いろいろと考えていることを申し上げたいと思います。この段階であるならば、腹を割ってまで話していいのかということについて、若干の疑問を私は持っております。したがって、まず時期と提出形式、こういうことについて科学技術会議ないし科学技術庁において十分腹をきめてもらってからやっていただきたい。  もし内閣提出とするならば、するような方向でやっていただきたい。あるいはそれがとうてい時期的にも間に合わぬ、ということは、この秋十月か九月に長期計画ができる予定ですから、それとあわせてということなら、今国会中にやはり提出をし、あるいは成立をせしめる必要があるのではなかろうか。それならば、そういう時期に内閣提出とすることには、なお疑問がある。したがって、与野党一致で、たとえば原子力基本法のように、十分話し合って、もう委員会に正式に出たときには各党間に十分な意見交換を終わっておる、こういうようなかっこうにするのかということがまだ明確でありません。したがって、それをきめていただかないと、どうもわれわれとしてはどこまで入っていっていいのか、ちょっと私自身としてまだ疑問に思う点があります。内閣提出なら内閣提出のように、ある程度意見を申し上げるが、それから先は政府の責任でおやりなさい、文句があればこちらが審議のときに申し上げましょう、こういうことになるだろうし、議員提出で、しかもそれが各党共同提案ということならば、立案過程において十分われわれの意見を述べ、その意見が条文の上にあらわれるようにしなくてはならない、こう思っておりますので、その点についていま明確な答弁ができなければけっこうです。しかし、そういうことの方針をまずきめていただきたい。こういうことを、希望といいますか、あるいは質問で答えられるなら答えていただいてもけっこうです。また、その答えが議事録に残ることがまずければ、私いま申しましたように、小委員長のほうで御配慮願ってけっこうです。
  11. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 ただいまの田中委員の御質疑は、この基本法政府提案にするかどうかということだったと思うのですが、一応科学技術庁といたしましては、政府提案に持っていきたいというつもりでございます。しかし、科学技術会議のほうのまとまりが、ただいま梶井さんから御報告がありましたが、大体のことでございまして、もう少し内容等につきましても検討する必要があると思いますが、一応方針はそういう方針で進んでおります。しかし、技術会議のほうのあれで急ぐということになれば、今回あるいは議員立法というようなことも考えられないことはないと思いますが、一応は内閣提案でもっていくということで、いまの段階では進めておる、こういうことでございます。
  12. 田中武夫

    田中(武)小委員 小委員長前田さんをはじめ当委員会委員の皆さんも、これはもう四、五年にわたっていろいろ研究せられた問題である。ことに前田委員長は、大きな熱意をもってこれに当たられておるわけなんです。その点において、こういうことは私はいいと思うのですが、こういうやり方も今後一つの行き方だということならば了承できます。ならば、政府提出法案でも、政府提出する前に委員会等十分考え方を述べ、あるいはわれわれの意見も聞いて立案にかかるということも一つ方法だと思うのです。  しかし、いま、この基本法だけでこういう方法がとられておるということは、もし内閣提出とするならば、他の法案ではどうか、こういうような疑問も起こるので、これが新しい一つ——先ほど福井委員も言われたが、この科学技術特別委員会というのは比較的与野党の対決をするということの少ない場所だから、そういう委員会でこそ今後の国会の運営の一つの見本として、政府提出であろうが、一応委員会説明をし、野党意見も十分聞いて、そして立案し成文化する、こういう一つの行き方を示唆するためにこういう方法をやるのだということなら、これは私、一つのテストケースといいますか、そういうことで納得できるのです。この点がもうひとつ明確でないと、ならばほかの法案も全部やれ、こういうことが言いたくなってくるのですよ。  かってな法案をかってにつくって出しておいて、一つ違ったら単独で押し切るというようなことを一方でやりながら、一方においては、こういうように立案過程において十分話し合うという——この点については私は後者のほうがいいと思うのですよ。いいと思うのだが、現在の国会なり与野党あり方からいえば、私は若干の疑問が残る。そこでこういう意見を申し上げたのです。
  13. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 さっき多少ことばの足らない点があったと思いますが、科学技術会議のほうと、また小委員会も開かれており、そこで十分ひとつ検討していただきたい、こういうことをちょっと申し落としたわけであります。  何と申しましても、御無知のように、科学技術基本法というものは相当大事な問題でございますし、いま緒についてまだ日も浅いというときでありますから、あまりこれを早くつくることがいいことかどうかということも、私は多少個人として疑問を持っておるわけです。私は、むしろ長期計画をはっきり立てて、それの進行の程度につれて基本法をつくるということも一つ方法じゃないかと考えておりますが、要するに、小委員会を開かれて与野党とも論議をされることなんですから、そういう意味でそこで一致したものを政府提案として出すのだ、こういう意味のことを先ほど言いたかったわけでございますから、その点をひとつ御了承願いたいと思います。
  14. 田中武夫

    田中(武)小委員 議論じゃないのです。それは一つの行き方として私はいいと言うのですよ。しかし、現在すべてがそういうかっこうでないですからね。比較的対立の少ない問題から、そういったような政党政治として、提出前に十分話し合って成文化して、審議をやる、こういうことは、国会正常化という意味からも十分納得のいく行き方なんですよ。  しかし、現在の国会で見た場合、この基本法だけがこういうかっこうで、ほかは全部われわれはシャットアウトを食って、そうして成文化せられて出てきたときに初めて文章を見て、われわれがけちをつける。ところが、たいていのことならあまり聞かずに押し切ってくる、というのがいままでの行き方です。その点をはっきりしていただかないと、こういう形式の小委員会を持たれても、基本がはっきりしていないと、われわれはどこまで入り込んでいいのか、そういう点について若干疑問を持っておる。こういう点を申し上げておきます。
  15. 纐纈彌三

    纐纈政府委員 実は、小委員会をつくって、こういう新しい形式とおっしゃいますが、私の経験では、地方行政においては、やっぱり小委員会等をつくりまして、与野党ともにそこで意見のまとまったものを法文にするということは、特に交通取り締まりなんかにおきましてそういう形をとっておるのでございます。そういうことで、小委員会相当論議を尽くして、そうして与野党意見一致した原案のもとに政府提案にするということが一番理にかなっているのじゃないか、こういうふうに私は考えております。
  16. 田中武夫

    田中(武)小委員 それだから、その方法は悪いとは言っていない。できるだけそういうことの多くなるほうがいいと思うのです。  この程度でおいておきましょう。
  17. 前田正男

    前田委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることにいたします。  これにて散会いたします。    午後二時五十九分散会