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石野委員 私は、あくまで炉の
保全という
観点からいろいろな問題を討議していかなければならぬと思っております。再処理工場の問題について、
東海村を含めて立地条件の検討をしておるというが、もうすでに三年前に準備をし、土地まで買って、あるいはタンクをいけるのにここも掘っておるのだということを見せられておりますと、これは再検討もくそもないので、実は既成事実をそこにつくっていくという形が出ているやに見受けられるわけです。これは私はどうも
承知ができないのです。こういうことを原燃が前提としてやはり工事をしていることであるとするならば、私はこれはやはり明確にそういう工事は一時とめるべきだと思います。私は将来、たとえば原燃の中でそういう
処置をすることがいいという判定がつくかどうか、それについても私はわかりませんけれ
ども、できる限りやはり使用済み燃料の再処理工場というものはなるべく別のところでつくったほうがいいのじゃないかというふうな
考え方を持っております。
これはまた
あとで論議をするといたしまして、この際私はお聞きしておきたいのですけれ
ども、もしあそこで再処理工場をつくるとしました場合に、おそらくやはり使用済み燃料は
東海村発電所だけの問題ではなかろうと思うのです。その他の民間会社で出てきたところの使用済みの燃料をあそこへ持ってきて処理することになるかと思います。どのくらいの規模のものにするかどうかも私はわかっておりませんけれ
ども、おそらくやはり数カ所のところから輸送されてきたものを再処理することになろうか、こう思うのでございます。そういうことでありますると、やはり再処理工場はどこの地点に設けましても、距離的な問題ではもう同じことになってくるように思われます。そこで、
東海村を限定的に、あそこを
対象にするということの必要もなくなってくるわけです。ただ問題になるのは、原燃公社が仕事がしやすいかどうかという問題と、それからそれがコストにどういうふうに影響するかという問題であろうと思います。ここでは大事なことは、やはり
安全性の問題とコストの問題とのかね合いになってきているのだ、こういうふうに私は思いまするので、この点について私は、この再処理工場設置については、企業として産業を育成し発展させるためにコストを
考えることは当然必要なことだと思います。しかし、そのコストを
考えるにあたって、あそこが固定的に最良の地位にあるという条件にはならないだろうと思いますから、この点はひとつ十二分に配慮してもらいたいと思います。
私の
考え方からすれば、むしろ何カ所からか持ってくるところの、使用済み燃料が発生する個所の一番中間点というのは一番コストが安いわけですよ。そういうことになると思います。これは非常に機械的に私は申しておりますけれ
ども、そういうところというのは、この狭い
日本の国ではなかなか
考え得られませんから、当然——そしてまた
周辺地においてこれを拒否するというような場合も出てくる情勢も多分に
考えなくてはなりませんので、私の
考え方からすれば、むしろこれこそ離島等において処理場をつくって、そのかわりそれに作業する人なり、あるいは経営する人々がコストを安くするような方法を別途
考えるべきだ。むしろ大胆に、土地の買い上げとかなんとかやるかわりに、飛行場の一つくらいはその
周辺地につくって、飛行機の一台か二台を持って、そして研究員あるいは作業員はいつでもただでその所有の飛行機で行ったり来たりするということをすれば、私はむしろ離島等のほうがかえってコストが安くなるのじゃなかろうかというふうにも
考えまするので、この点については、もう固定的な
考え方で原燃公社をあそこの敷地というように
考えることはやめていただきたい、私はそういうふうに思います。
そういう点については他日
大臣から詳しい御
所見も承りたいと思いますけれ
ども、きょうはひとつ、この
東海村の燃料再処理工場の設置という問題が固定的なものではないのだ、むしろそれを前提としているのだということだけはやめてもらおうということをはっきり
大臣から承っておきたいと私は思う。ひとつ
大臣の御
所見を承りたい。