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栃内政府委員 私も、
飛行機の騒音につきましては、非常に御迷惑をかけておるという点は率直に認めております。ただ、いま引用されました
横田基地の問題と民間
飛行場というものとは若干違うのではないか。と申しますのは、民間の
飛行機が騒音を出さないという
意味ではございません。その出し方におきまして格段の相違があるということを特に申し上げておきたいわけでございます。と申しますのは、軍用機は御
承知のように戦闘目的に使用いたしますので、騒音なりそういうものに神経を使うよりも、むしろ戦闘上の性能というものに重点を置くのは当然でございますが、民間機におきましては、もちろんいろいろな経済性の問題その他はございますが、騒音という問題には軍用機に比較して格段の配慮を払っておるということが
一つあげられます。たとえばいろいろな消音の装置を、もちろん軍用機にはつけられないようなものもつけておるわけでございますが、また軍用機につきましては、いわゆる離陸時にアフターバーナーというものを使用しまして、非常な音がする。それから、先ほどガラスが割れたというお話がございますが、これは、おそらくいわゆる音速で飛ぶときに起こる衝撃波ではないかと想像いたします。現在の民間機につきましては音速以上のものはございませんので、そういう被害は全くございません。ただ、今後入ってまいりますSSTは超音波の旅客機でございますので、
飛行機自体としましては、衝撃波を出す可能性を持っておるわけでございますが、これはいろいろな
機会に申し上げておりますように、
日本の場合でございますれば、早く海上に出まして、海上で一定の高度をとってから超音速に移るというようなことで、衝撃波の問題は
日本におきましては民間機に関する限り全然心配がないというふうに
考えられます。
それからもう
一つ、この騒音の問題は、
アメリカにおきましても御
承知のように非常に大きな問題でございます。特にSSTを開発するという
責任を持っております
アメリカの連邦航空庁の性能要求によりますと、やはり騒音の問題に非常に気を使っておりまして、衝撃波の問題は別としまして、騒音自体については現在のジェット機と同じ程度になるようにくふうをすることという条項が出ております。私はこの条項をそのまま信用するものではありませんが、それだけの努力をしてやるという場合には、やはりある程度そういう中におさまるのではないか、あるいは不幸にしてそこにおさまらないという場合におきましても、それほど大きな音にならないようなくふうがされる。そして繰り返すようでございますが、
日本は幸いに海に囲まれておりますので、米国の大
陸上の飛行と違いまして、衝撃波の影響が皆無であるということ。ただ、現在のジェット機でも、民間のジェット機でもやかましいではないか、羽田においてもよく問題になるではないか、また大阪でも最近非常に問題になっているではないか、この点は私は率直に認めます。これにつきまして、羽田におきましては、先ほど御説明しましたように、深夜における離発着の制限というものをいたしておる。それから大阪につきましては現在
調査を行なっておるということ。
それから、今後、じゃ、どういうことが
考えられるかといいますと、やはり滑走路というものをかなり余裕を持ってとるということがまず必要であろうと思います。そのほか滑走路の方向あるいは配置というものを
考える場合に、できるだけ市街地のほうに行くことを避ける、あるいはこれはワシントンのダレス
空港でやっておりますように、周囲に植林をするというようなこと、いろいろな
方法がございます。それから先ほど
横田基地について、
飛行機が整備中にエンジンをふかす音が非常にやかましい、これは飛んでおるときではない、整備中にエンジンをふかす音が非常にやかましいということをお述べになりましたが、それは確かにそういうことはございます。そこで、これにつきましては、
地上でございますので、サイレンサーというような設備がございまして、これを十分活用することによって、整備中の音の減少ということは十分にできるのではないかというふうに
考えます。そのほかいろいろの問題がございますが、これは具体的な
場所がきまりまして、そして周囲の
状況がどうであるかというようなこととからみ合わせていろいろくふうをして、できるだけ周囲の方に御迷惑のかからないようにするということでございまして、何ぶんにもまだ
場所の
決定を見ない現
段階において、具体的にどうするかという点は、ちょっといま申しかねるわけでございます。