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1965-03-26 第48回国会 衆議院 運輸委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十六日(金曜日)    午前十時十五分開議  出席委員    委員長 長谷川 峻君    理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 山田 彌一君    理事 久保 三郎君 理事 肥田 次郎君    理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       川野 芳滿君    佐々木義武君       田澤 吉郎君    西村 英一君       小川 三男君    勝澤 芳雄君       島上善五郎君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         警  視  監         (警察庁交通局         長事務代理)  鈴木 光一君         総理府事務官         (行政管理庁行         政管理局長)  井原 敏之君         防衛庁参事官         (人事局長)  堀田 政孝君         運輸事務官         (大臣官房長) 堀  武夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      佐藤 光夫君         運輸事務官         (自動車局長) 坪井 為次君  委員外出席者         運輸事務官         (自動車局業務         部長)     黒住 忠行君         日本国有鉄道常         務理事     豊原廉次郎君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本自動車ターミナル株式会社法案内閣提出  第八一号)  日本国有鉄道経営に関する件(御殿場線にお  ける踏切事故に関する問題)      ————◇—————
  2. 長谷川峻

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道経営に関する件について調査を進めます。  この際、一昨日の御殿場線踏切事故に関し、防衛庁人事局長から発言を求められておりますので、これを許します。堀田人事局長
  3. 堀田政孝

    堀田政府委員 人事局長でございます。  三月二十四日に御殿場線自衛隊トラック事故を起こしまして、国鉄にたいへん御迷惑をかけ、かつ、関係されました部落の皆様方にもたいへんな御迷惑をおかけいたしまして、まことに申しわけなく存じておりますが、昨日第一師団長東部方面幕僚長現地に参りまして、状況をつぶさに調べて、昨晩帰ってまいりました。その報告に基づきまして一応現況を御説明申し上げたいと存じます。  一昨日、三月二十四日の午後七時五十七分から五十八分ごろでございましたが、御殿場線富士岡−岩波間の警報機つき無人踏切で、ちょうどそのそばにございます駒門駐屯地に用務で行っておりました二・二分の一トンのトラックに乗っておりました十二名が、ちょうどこの踏切を横切ろうといたしまして、そこを通過をいたしました気動車に衝突をいたしまして事故を発生させたものでございます。  これは昨日の小委員会における国鉄側からの御説明で一応御承知かと思いますが、念のために被害状況を申し上げますと、自衛隊側死亡五名、重傷四名、軽傷三名、民間側被害は、国鉄二名、民間二名、ともに軽傷。なお、国鉄側車両につきましては、五車両が横転をいたしまして、二車両が脱線をするというたいへんな事故を起こしたわけでございます。なお、自衛隊側の機材の被害は二・二分の一トンのトラックが大破をいたしました。  この事故を起こしました十二名の自衛隊員は、所属は第一空挺団第一特科大隊第一中隊の隊員でございまして、鶴田と申します二曹を車長といたします十二名でございます。この部隊は全員で百二十名、車両十七両編成で、二十三日の未明に習志野を出発いたしました。二十三日の昼前に現地に到着をし、直ちに野営に入っておったものでございます。二十三日は演習の設営をいたしまして、そのままそこで野営をし、二十四日は携行をいたしておりましたキャリバー50——機関銃でございますが、機関銃射撃訓練を昼間いたしまして、どろだらけになりましたために、二十四日の晩にこの踏切そば駒門駐屯地に入浴並びに——野営地には水がございませんので、水をとりに行ったその帰りでございます。  なお、事故原因につきまして、昨日部隊側警察連絡の上で調べたところによりますと、踏切警報灯点滅並びに警報機の鐘は異常なく作動いたしておったもののようでございます。したがいまして、このトラック運転いたしておりました運転手踏切における運転の操作の不注意事故原因ではなかろうかと、かように判断されるわけでございます。ただ、乗っておりました十二名のうち、五名が死亡いたしておりますし、操縦席にすわっておりました運転手車長の二名とも即死をいたしておりますので、状況について若干つまびらかにできない点があるわけでございますが、まず私どもはなぜこの野営地に参りますのにこの道を通ったのかということを調べてみましたところが、野営地からこの駒門駐屯地まで道が三本ございます。当人どもがとりました道は、道路状況は一番よろしいのでございますが、一番遠い道でございます。そこで野営地からこの駐屯地に参りますときの道は、帰りの道でない道を通っております。ただその道が非常に悪いので、おそらく動揺がひどいというようなことから、少し遠くてもこの事故を起こしました道路を通ろうということで、通ったのではないだろうか、かように考えます。  なお、一昨日の夜は若干雨が降っておりました。ひどい霧ではないそうでございますが、多少霧がかかっておったという状況でございますが、点滅灯確認できぬほどの状況ではなかった。そこで点滅灯確認できない状況ではございません上に、国鉄機関士の言によりますと、車が踏切を通り過ぎるのを確認いたしておりますので、見通しができないという状況ではなかった。したがって、一時停止をして、安全運行確認をするということを運転手が怠ったということが原因ではないだろうか。この運転手について調べてみますと、この道と申しますよりも、この野営には、彼は初めてでございまして、この道路を通ったのは初めてである、したがって、地形が十分にわかっていなかったという点はございます。  ただ、ちょっとこの図で御説明申しますと、部隊の門から踏切までは約百五十メートルほどございますが、この道はややゆるい勾配で坂になっております。すなわち線路が少し高く浮き上がっている形になっております。警報機がこの道路踏切左側にございまして、踏切の手前の両側に民家がございます。そこで車がこの道路を走ってまいりますときに、操縦者は右側におって操縦をいたしております。車長の二曹は左側にすわっております。したがって、この家とそれから車長のからだで、運転手にはこの点滅灯確認が十分できなかったのではないだろうかという感じがいたしますが、警報機が鳴っておりますから、警報機が聞こえなかったということはあり得ないということでございます。また地形がわからないという点はございますけれども、しかし踏切であるということは一応わかるわけでございますから、やはり一時停止をしなかったということに原因があるのではないだろうかと考えられるわけでございます。  ただ、いま入院をいたしております隊員の全部に当時の状況を聞いてみますと、完全に逆のことを申しております。一人は徐行をしてきて急に走り出したところへがんとぶつかって、そのままわからなくなったということを申しておりますし、もう一人は急ブレーキをかけてとまったと思ったら、とたんにガンときて、あとはわからなくなった、このように申しております。しかしこれはとっさのことでございますので、気が転倒しておって、正確なことが言えなかったのであろうと思われますが、おそらく一時停止を怠った、安全の確認をすることを怠ったということが原因ではなかろうかとただいま判断をいたしております。  またこの場合に、演習でひどく疲れて、安全確認をする精神的な余裕がなかったのではないだろうかという点も調べさせたのでございますが、それほどのひどい演習ではなかったので、やはりこれは操縦者の不注意であったのであろうというふうに判断をせざるを得ないと思われるわけであります。  なお、本人運転経歴運転免許等について調べてみましたところが、本人は三十九年の三月に、公安委員会からの大型免許を取得いたしております。なお自衛隊では、公安委員会通常免許を取得いたしましてからあと、車の種類によりまして、車種別自衛隊免許をとらせる試験をいたします。大体基準としては七十五時間操縦訓練をいたさせまして、しかる後に試験をして自衛隊免許をとらしておりますが、この操縦者池上士長は、三十九年三月に公安委員会免許をとり、三十九年五月十二日に自衛隊免許をとっております。また運転経歴は約十カ月でございまして、走行キロ数は二月末で七千七百七十三キロというように記録されております。また現在までに本人事故を一回も起こしておりません。  また、完全に破壊されましたこの車両につきまして、車両故障があったのではないかという点も調査をいたさせましたが、完全に破壊をされておりますので、車両についての故障等があったかどらかはいまだに十分判明をいたしません。ただ、演習に出ます前に、二日間がかりで整備実施をいたしております。整備実施に当たりました担当者の意見によりますと、完全に整備が終わっておった、このように申しております。したがいましのて、やはり本人操縦をいたしておりましたそ瞬間に、安全運転を怠ったということが原因ではなかろうか、かように考えられるわけでございます。  部隊操縦教育に当たりました教官並びに助教等から、本人池上士長教育期間中の態度等を聞いてみますと、非常にまじめであった、決してずぼらな性格ではないので、教えたとおりにやってくれたであろうのに、どうしてそういうことになったのであろうかというふうに申しておりますので、おそらく本人がやはり一時的に何かの事情から安全運転を怠った、規則違反を犯したということではないだろうかと考えられるわけでございます。  なお、やはり部隊車両行動をいたします場合には、すでに御承知かと思われますが、必ず踏切で先頭の車両から車長がおりまして、そうして全部車両が通り過ぎ終わったのを確認いたしまして、自分がもとの車両に帰るという教育をいたしておるわけでございます。単車両の場合には、おりて車を通す、普通バスが通りますときにバスの車掌がやるようなふうには教育をいたしておりませんが、一車両行動をいたしておりましたので、やはり気がゆるんだというようなことがあって、一時停止をして、左右を見て安全確認をした上で渡るということを怠ったのではないだろうか。そこで教育上のゆるみと申しますか、訓練徹底が足らないのではないかということで、さっそくこの車両教育につきましては、これをいい先訓といたしまして、徹底をした教育をいたしていきたい、かように考えております。     —————————————
  4. 長谷川峻

    長谷川委員長 質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
  5. 肥田次郎

    肥田委員 この御殿場線富士岡駅付近に起こった踏切事故につきましては、昨日国鉄のほうから資料をもらいましたので、大体の概要はわかりました。それからただいま防衛庁のほうから事故についての説明が若干ありましたので、省略をして問題点だけ聞いておきたいと思うのです。  いまのお話ですと、この事故については、大体自動車に乗務しておった者の不注意による事故であるという性格がはっきりしたようでありますが、ただここで問題になるのは、地形未知であるというようなことは、これは条件にならないと思う。地形未知というのは運転未熟ということと同じ条件なので、地形が十分わからなかったから、事故が起こるというふうなことはあり得べきことじゃない。それから、信号の不確認というような点もありますけれども、この信号の不確認ということもすべて未熟から起こることなんで、自衛隊演習場演習をする場合と同じような気持ちで、いわゆる演習場外に出た場合との区別がつかない。こういうところに原因があることは私は疑う余地はないと思う。もし演習場とそれから演習場以外の一般行動においてこういう事故が起こった場合のことを、あるいは事故でなしに、部隊の移動あるいは演習にあらざるところのいわゆる行進のようなものとの区別教育上はっきりしておれば、こういうことはなかったであろうと思う。  それからもう一つは、この運転者がこういうことになっておるということですが、あなたのほうで考えておられる運転免許というもののいわゆる熟練度というものは、まことに機械的に考えておられる。たとえば、いま言われたように七百時間乗っておるといわれるんですか、これは飛行機ならたいへんな時間だということが言えます。けれども自動車の場合に七千七百キロということになると、この人が免許を取ったのは三十九年三月で、今は四十年の三月の終わりですから約三百七十日。この三百七十日の間に七千七百キロという走行キロ運転経験というものは一日二十キロくらいのものだ。実に未熟なということが原因をしておる。しかし、根本的な原因というものは、やはり演習場における行動と、一般人々が通行するいわゆる道との区別というものが失われておる。ですから、ここで問題になるのはいろいろとあると思いますが、これはあなたのほうで当然処置されると思います。いわゆる演習揚以外の地域においては、相当な注意が払われておるようだけれども、なおかつこれらも習慣からくるところの問題もあるだろうし、教育だけでは容易に解決できない問題があると思うので、これはあなたのほうで十分対処されるだろうと思うのですが、当面私がお伺いしたいのは、この踏切道は、図で見ると廠舎の入り口百五十メートルですか、そうすると、この踏切はかっこうの上では専用踏切のような——この道はいつもあまり通らないのですか。部隊ですから、その道——演習廠舎というものは固定されておっても、廠舎にやってくる自衛隊の諸君は、おそらく各地域から集まってくるのですから、みんなしろうとだ。未知なのはあたりまえのことだ。だから、もしそういう際のおそれがあるのなら、あなたのほうで何らかのもっと適切な処置をとらなければならぬし、必要なら国鉄に対して、チンチンではなしに、これは経費の面の折衝というものはどうなるかわかりませんが、有番踏切にして、自衛隊の車といえども通さない、こういう処置を講じなければならぬと思うのですが、この点については、あなたのほうでは、ただ教育だけで事足りるというふうにお考えになっておるのですか。
  6. 堀田政孝

    堀田政府委員 先ほどもちょっと申し上げたつもりでございますが、先生御指摘のように、地形に熟していなかったからやむを得なかったというふうには私は申し上げなかったつもりでございまして、本人はこの地形には明らかでなかった、けれども原因はやはり本人運転上の不注意であるというふうに考えておりますことをまずお答え申し上げたいと思います。  それから、この踏切の件でございますが、これも先ほどちょっと申し上げましたように、一番遠い道でございます。普通野営をいたします野営地から、この駒門駐屯地に来る道はほかに二本ございます。そこで、この二本ございます近い道をなぜ通らないで来たのだろうかということを私どももふしぎに思いまして、調べさしたのでございますが、その途中が痛んでおって、道路が非常に悪かったというふうなことが原因であったように思われますので、今後の指導といたしましては、踏切を通るというようなことはなるべくしないで、野営地から部隊へ行くにはもっと近い道があるんだし、その道路は、若干痛んでおりますところは直して、ほかに御迷惑のかからないような運行をするように、今後は一応指導してまいりたい。ここは無人踏切でございますから、そういった車両等が通るというようなことは適当でないというように私ども考えております。したがって、野営地部隊との間では、ほかのもっと近い道路をまず使わせるというふうに今後はいたしたいと考えております。
  7. 肥田次郎

    肥田委員 当日の事故は、国鉄当局の発表によると十九時五十八分ですから、ラッシュはわずかにはずれておる。このラッシュをわずかにはずれておったということで、この事故人的被害、犠牲というものが最小限にとどまったというふうに思うのです。これがもしラッシュ時における事故であったとするならば、あなたの示されているその図面でもわかるように、これはもう三河島あるいは鶴見以上の大惨事になっておると思う。あの中に満員の人が乗っておったとすれば、入両の列車ですから、これはたいへんな事故になったと思う。しかし、これはまことに不幸中の幸いであったと思います。問題点は、やはりいま交通事故というものは日本のすみずみに至るまで、交通戦争といわれるほどの表現でもって、全く天下の大問題になっています。そういうときに、こういう事故が起こるということについては、これはよほどその原因をよくきわめて、そして今後の対策を講じてもらわなければいかぬと思うのです。われわれがよく耳にすることばは、ダンプカー暴走、これはこういうふうに一般ではいわれておるのです。ダンプカーというものは、少々よその車と衝突しようと、電車と衝突しようと、相手のほうが被害が大きくて、ダンプの運転手はほとんど死んだためしがない。自分がんじょうなものに乗っておるから、戦車と同じような気持ち運転しているから、暴走がそこから起こってくる、こういうふうにいわれておるのです。かつては、アメリカの進駐軍の車が山陽線機関車にぶち当たって、そうして機関車のほうがひっくり返って、アメリカ軍自動車のほうには損害がなかった、こういうこともいわれている。それから占領当時には、アメリカは、日本電車に横からぶつかる、そして電車をひっくり返して喜んでおるというようなこともあった。今日そういうことは、われわれは考えもしないし、ないと思いますけれども、しかし、たとえ演習帰りであろうとも、とにかくそこに十何名の人が乗っておって、そうして添乗しておった人もある。にもかかわらず、この信号確認をしなかったということは、これはいうところの一般における道路交通取り締まり規則というものに対する順法精神が失なわれてというよりも、忘れられておったんではないか、こういうことが大きな原因だろうと思うのです。ですから、ここで私がお伺いしたいのは、この教育というものは、あなたのほうで当然、これだけの事故を起こしたのですから、責任を持ってやられるだろうと思うのですが、まず警察のほうにお伺いしますが、警察のほうでは、こういう自衛隊のような特殊なものについての道路交通法というものに対しては、どのような対策を立てておられるか。本日は緊急質問ということでわずかな時間しかいただいておらないので、ひとつ簡単に答えてもらいたいと思います。
  8. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 自衛隊につきまして私どものほうで格別な措置と申しましても、格別に取り立てて申し上げることもございませんが、自衛隊では例の指定自動車教習所がありまして、それに相当するものは、自衛隊自身で持っておられる。そこで訓練をされまして、その上で試験を受けるということになっております。  それから自衛隊におきましては、先ほど人事局長から御説明がありましたように、自衛隊内部で非常な訓練を施されておるということでございますが、私どものほうで、今回道交法の一部改正におきまして、自家用の自動車を数台使用している者につきましては、安全運転管理者という制度を置きたいということを今国会にも上程しておるのでありますが、これは自衛隊につきましても例外ではございませんで、自衛隊におきましても安全運転管理者制度を置いて、そして隊員の中の運転者につきまして、安全運転について十分責任を持ってこれを指導してもらうという体制をとっておるのでございます。
  9. 肥田次郎

    肥田委員 われわれが常識的に想像するのは、自衛隊演習する場合には、これは事前連絡があって、隊としての規則正しい行動がとられる、こう思います。これはそう信じます。それから、それでない場合に、ただ単に単車で移動するとか、あるいは数車両のものが何かの関係演習以外の行動をやるとか、こういうふうな場合には、これは当然道路交通法に基づくところの取り締まり対象になる、こういうことですね。これらについては、もう自衛隊にまかし切りですか、いまおっしゃったような点については。
  10. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 自衛隊自動車が集団的に移動するという場合には、あらかじめ警察連絡がございまして、その点に関連いたしましてのわれわれの指導あるいは取り締まり体制を、あるいは誘導の体制というものをとってございます。しかし個別的に活動する場合には、別に連絡もございません。したがって、警察の立場といたしましては、通常人と同じ考え方で指導取り締まりをやる、その中に入ってくるということになるかと思います。
  11. 肥田次郎

    肥田委員 当然そうだろうと思うのです。これはわれわれ目撃したことはありませんが、警察用自動車でもスピード違反をやれば、これは白バイが追っかけて、そしてちゃんと取り締まっておる。自衛隊の車のそういうのはあまり見かけたことはありません。しかしあるとかないとかということじゃないのですよ。当然スピード違反あるいは一たん停止義務違反あるいはセンターラインのオーバー、こういうふうなものがあるとするならば、これは当然取り締まり対象になる。ですから、その点については、当然こういうことが行なわれるのだということにならないと、そういう確認自衛隊のほうにもないと、私は故意に、これを順法精神がないというのじゃなしに、演習という一つの特定な地域行動しておる人々ですから、いわゆる一般社会というものに対する理解がだんだん薄れていくということは、当然あり得ることですから、警察のほうでも、その点については十分の手配をされる、自衛隊のほうもそういうことについて絶えず厳格な教育をされる、こういうことが必要であろうと思います。  われわれが一番信頼しておるのは、自衛隊のようなこういろ機構の中におられる人は、きわめて順法精神の強い人々であって、少なくともそういう事故が起こるはずがないと思っているのです。けれども実際にこの事故原因をいろいろと、最終的なものはわからないけれども、想像してみると、やはりいわゆる対社会的な習慣というものが自衛隊という特殊な環境の中にあると忘れられておる、こういうことが一たん外に出るとこういうことになりがちだ、こういうところに一つ原因があるというふうに思います。ですから十分注意していただかなければなりませんので、特に要望しておきます。  それから国鉄当局に、これは余分なことのように思いますが、若干質問しておきたいのは、国鉄当局として、この事故は復旧に相当時間がかかっておりますが、これはいわゆる国鉄当局損害数字について、もう計算はできておりますか。
  12. 豊原廉次郎

    豊原説明員 損害の額につきましては、いまから車両をよく点検いたしまして、その後でないと明確な数字はわかりかねるのでございますが、非常に大ざっぱな概算を立てますと、車両関係で約三千万円程度ではないか、あと線路のほうに数十万円から百万円程度損害があるのではないか、これは非常に概算でございまして、正確な数字はわかりかねますけれども、そういうふうに評価をいたしております。
  13. 肥田次郎

    肥田委員 この図面や新聞で見ると、これは一車両数千万円もするのに、たいへんな損害であろうと思っておったのですが、それほどでもないようでして、これも不幸中の幸いだと思います。賠償だとかその他の問題はあなたのほうと自衛隊のほうで折衝になるものでしょうから、これは私のほうは問題にいたしませんが、これは再度、警察のほうにも、私は、とにかく習慣的になりやすいものについては、あなたのほうも自衛隊にまかし切りだというのではなしに、絶えずいろいろな方法があるでしょうから、一般の通行の場合の注意を喚起するような、そういう事前の打ち合わせというものも必要だろうと思いますし、それから繰り返しますが、自衛隊のほうも、こういう事故は国民の信頼を裏切ることになりますから、この事故が幸いにして人的被害が少なくて済んだということについて、これはもう全く天佑であったとさえ思います。自後こういう事故が起こうないように、演習場以外の行進については最善の注意を払っていただきたい、このことを申し添えて、私の質問を終わります。
  14. 堀田政孝

    堀田政府委員 私どもがいくらがんばりましても、こういう事故一つございますと、ただいま御指摘のように何にもならないことになります上に、また自衛官に対する評価にもかかわる問題でございますので、再びこういう事故が起こらないようにという決意で、安全運転についての教育訓練、くふうをいたしていきたいと思います。
  15. 長谷川峻

    長谷川委員長 防衛庁説明に用いました図面を、参照として、委員会会議録に掲載いたしたいと存じますので、御了承願います。   〔本号末尾に掲載〕      ————◇—————
  16. 長谷川峻

    長谷川委員長 次に、日本自動車ターミナル株式会社法案を議題として、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。勝澤君。
  17. 勝澤芳雄

    勝澤委員 法案に入る前に、特に交通安全の立場から少し警察庁のほうに御質問いたしたいと存じます。  最近関東を中心に、砂利トラックに三割積みを警察が黙認をしておるということで、各所に批判が起きておるわけであります。砂利トラックに三割積みを黙認しておる今日の経過について、まず最初に御説明を賜わりたい、こう思います。
  18. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 砂利トラの問題につきましてはいろいろな問題がございまして、特に砂利トラの無謀運転の問題につきましては、一時大きな世論の批判となったわけでございます。私どものほうでも、この無謀運転、すなわち非常に無理な追い越しとか、あるいは割り込みとか、スピード違反とか、一時停止の義務違反とかいうことで、非常に一般の他の運転者の妨害にもなりますし、また沿道の方々の迷惑にもなるということで取り締まりを厳重にいたしまして、自来今日に至っておるわけです。まだそういう問題があとを断ちませんので、十分取り締まりを続行してまいりたいと存じておるわけでありますが、そういう世論とそれから警察の強い態度によりまして、この砂利トラの業界の中に非常に反省の、何とかして現状を打破しなければいかぬということで、安全運転ということを標傍いたしまして業者の協会がつくられまして、そうしてわれわれに御相談があったわけでございますが、われわれはその趣旨を了としたわけでございます。  その場合に無謀運転に関連いたしまして、従来の砂利トラの状況を見ますると積載制限量の十割以上も積んで突っ走る、あるいはいわゆるトンボ返り運転と称しまして、おろしてすぐまたとりにいくというような状況がありまして、それがまた原因になっていろいろな無謀運転を起こすという状態がございまして、したがって業者の間でもその問題に対する対策ということでわれわれに相談があったわけです。  その際に積載重量制限の問題につきましては、従来からも、ほかの交通の取り締まりの問題もそうでございますが、四角四面な取り締まりをやって経済活動を阻害するようなことまではやらないということで、ある程度の積載超過につきましては、注意、警告程度ということで、全部が全部違反として事件を送致するということにせず、そのかわり安全運転ということにつきまして十分気をつけてもらいたいというような話し合いをしたことはございます。
  19. 勝澤芳雄

    勝澤委員 答弁がよくわからないのですが、安全運転をするならば三割超過で走らせてもよろしい、こういうことなんですか。
  20. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 よろしいということで、内部的にわれわれの警察取り締まりの態度といたしまして、若干の重量超過につきましては事件を送致するというところまではやらないというわれわれの内部方針でございます。
  21. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると積載量というものがちゃんときまっておるけれども、砂利トラの場合は三割までは取り締まり対象としない、こういうことなんですか。
  22. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 取り締まる対象と申しましても、取り締まりの問題につきましては、直ちに事件を送致することの以前にやはり注意、警告をするという段階があるのでございまして、それらと関連しての方針でございます。
  23. 勝澤芳雄

    勝澤委員 安全運転をすれば積載量を三割まで超過してもまあよろしい、こういうことは、私は警察としておかしな取り扱いだと思うのですよ。じゃ安全運転をすれば、どの程度まで警察としては取り締まりを認めるのですか。一応警察としては、一定の限界が法律にきまっているのですから、道交法なり何なり、積載はきまっておるのですから、その法律の上に少しくらいのものは、それは四角四面に取り扱わないというのは、それは筋だと思うのです。それを、三割積載量超過してよろしいということを認めるその前提は、あなたが先ほど言いました、いままでは十割も積載をしておった、それからトンボ返り運転をしておった、無謀運転をしておったから、まあまあとにかく三割くらいまで認めるから、おまえらは安全運転をしろ、こういう警察と業者のなれ合いの協定だといわれてもしかたがないと私は思うのです。それについて、業界からも、あるいは交通安全協会の人たちも、あるいは砂利トラ以外のトラック協会の人たちも、それならおれたちも安全を守るから積載量は三割増しに認めてくれということが起きてくるのは必然じゃありませんか、そこを私はきっちりしていただきたいと思うのです。その点いかがですか。
  24. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 三割超過の問題につきましては、業者との間でそういう協定を結んだということではございませんので、ただわれわれの内部的な基準といたしまして、事件を送致するという一つの目安でございます。
  25. 勝澤芳雄

    勝澤委員 業者との協定ではないけれども、県警本部から各警察署に対してその方針を通達はしておるのでしょう。
  26. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 内部的な方針といたしまして、関東一円におきましては、そういう方針を各警察署に知らしてございます。
  27. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そのことは、道交法違反をやっても、三割まではとにかくこの程度の量刑でよろしい、こういうことなのですか。
  28. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 三割程度までは、注意、警告はとどめておきなさい、——承知のように最近の交通情勢からいたしまして、警察指導取り締まりの面が非常に広範にわたりまして、あらゆる事案を厳重に取り締まるということになりますと、なかなか人手も不足等の状況もございまして、交通安全に関連するような事案を重点的に取り締まろうということでございます。したがって、そういう若干の注意、警告にとどめるという裁量の余地を認めたのでございます。
  29. 勝澤芳雄

    勝澤委員 三割までは注意、警告程度の車は、それじゃ関東骨材輸送安全協力会の表示板をつければ黙認をする、こういうことを行なっておるわけですね。
  30. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 その表示板につきましては、全く協会の自主的なものでございまして、われわれがそれによって黙認をするということではございません。
  31. 勝澤芳雄

    勝澤委員 黙認をするということではないけれども、この組合が自主的に申し合わせをして、三割までは警察と話し合いがついているのだということで、これは話し合いのついている車ですよ、三割までは積載超過してもとにかくいま言ったように注意、警告程度ですよ。そしてあなたのほうはそれに基づいて各警察署にこうこうこういう車はこういうように取り締まれ、こういうことになっていることは明らかに業者があなたのほうと話し合いをして、とにかく三割超過を認めておる。道交法違反をあなたのほうがやらしていることじゃございませんか。
  32. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 これはあくまでわれわれの内部的な問題でございまして、たまたま業者がそういうことをいかにも認められたというふうに言われるのは心外でございますが、あくまでわれわれの現在の警察力からいたしますところの、それから世人に納得のいく、四角四面な取り締まりを行なわないという一つの内部的な基準でございまして、業者との関連でこれを明確に相談をしたというものではございません。
  33. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうするとトラックの積載量というものは、トラックの構造からいって三割までは余裕があるのだということになるわけですね。積載量の表示というものは一体何ですか、あれはどういう基準なのですか。
  34. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 積載量の表示につきましては、運輸省で定める保安基準に相当するものがございますが、私ども聞くところによりますと、保安基準で一応最大積載量ということをきめてございますが、若干の余裕があるということでございまして、その余裕の範囲内において安全の範囲内ということで、一つの目安を立てておるわけでございます。
  35. 勝澤芳雄

    勝澤委員 運輸省のほうにお尋ねしたいのですが、いま保安基準だ、三割までは安全だと、こういうのですが、その点ちょっと解明をしていただきたい。
  36. 坪井為次

    ○坪井政府委員 乗車定員または最大積載量は、理論的には道路交通法五十七条第一項の制限の基準を示す一般的な許容限度と、それから同法同条第三項の規定による警察署長の許可の限界を示す危険限度、こういったものが考えられるわけでありますが、後者の警察署長の許可の限界といいますのはなかなかいろいろの要件によりまして変動するものですから、安定性を欠いておりますので、実際上はその算出はきわめて困難であるということから、前者の数値のみを最大積載量として認めるというふうに規定しておるわけでございます。  いま申し上げましたように、道交法のほうで、ある場合にはこれを超過しても許可を得れば行ない得るというたてまえになっておるわけであります。
  37. 勝澤芳雄

    勝澤委員 いまの砂利トラの三割というのは、警察のほうでは道交法でその許可を与えておるのですか。
  38. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 許可という問題でございませんで、最大積載量の基準ということになっておりますが、先ほど申し上げましたように、厳格に申し上げますとやはり違反になるわけでございます。しかし違反になるということで直ちにそれを検挙して刑罰に付すという問題と、それ以前に注意警告をしてとどめるという段階がございますので、その辺の問題と関連してくることだと存ずるわけでございます。
  39. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、三割超過というのは道交法違反をしておるわけですね。
  40. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 厳格に申し上げますと違反しております。
  41. 勝澤芳雄

    勝澤委員 厳格に言わなくても違反をしているのでしょう、どうなんですか。厳格に言うと違反だけれども、何だかというと違反じゃない。ことばじりをとらえるわけじゃないけれども、ある程度その場その場で、取り締まりをしておって、その場その場の融通というのは私はいいと思うのです。それは当然だと思うのです。しかし一つの基準を示して三割まではいいのだというのを警察が黙認をしておる、あなたは許可をしておるのじゃないと言うけれども、先ほど、あなたのことばの中でも各警署長にそう言っている、あなたも認めておるとおり、極秘で通達が流れておるわけですから、これは認めておるということです。業界は何と言っておるかというと、この表示板がついておるトラック取り締まりをしたら警察に抗議をする、われわれは警察と話し合いをして、そうして骨材自主規制車という表示板までつくって各県のナンバーまでつくってトラックに張りつけて、このトラック取り締まりをしたら警察に抗議をする、こう業界は言っておるわけです。これは明らかに警察と業界と話し合いによって行なわれている。それならばなぜ一体砂利トラックだけこれをやらせるのか、ほかの運送業者にもやらせたらどうですか。逆に言いますと、とにかく保安基準に違反をして、道交法に違反をして三割まで認めなければならぬ理由が警察にあるのですか。
  42. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 積載量の超過につきましては、砂利トラの問題につきまして特に問題が起きましたので、安全運転に関連しての取り締まりの方針につきまして、若干のわれわれの内部基準といたしまして心がまえがきまってございますけれども、これは協会員のみならず、アウトサイダーの砂利トラ業者につきましても、やはり裁量の基準は同じでございます。
  43. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうするとほかの業界でもこういう表示板をつけて走らせれば三割超過を認めるということですか、トラック協会で……。
  44. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 ほかの業界につきましては、問題点が起きますので、いま直ちに三割まではよろしいということは明言できません。これは結局砂利トラのいわゆる無謀な運転に関連しての問題と、それからわれわれの取り締まり体制との関連において、それを比較勘案して、われわれの内部基準として考えられたごとでございまして、これを全般に押し進めるということではございません。
  45. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこが重大ですよ。一般の人なら刀を持っていると取り締まりをするけれども、ぐれん隊なら刀まではいい、ピストルなら取り締まりをする、これと同じじゃありませんか。砂利トラだけは無謀運転をやっておって、その無謀運転をやっておるのを取り締まらなければならぬが、取り締まる力がないから、安全運転をさせるという条件で三割までとにかく超過を認める。ほかの業界は別に問題がないから保安基準の積載量だからそのままやれ、それじゃ砂利トラだけ余分に認めていることじゃございませんか。一体なぜ砂利トラだけ認めなければならぬのか。あなたは安全運転をさせるためだと言うが、安全運転はあたりまえのことでしょう。警察として安全運転をさせるということはあたりまえのことです。しかし三割ぐらいの超過までは注意警告程度でよろしいといろあなたのほうの内部的な問題は、それはそれでいいと思う。しかしそれを業界にこういう表示板までつくらせて、業界がその表示板をトラック業者に一生懸命売って、そうしておれは警察で認められておるのだから、おれたちのことに文句を言うなといって、地域の住民におれたちはもう警察から黙認をされておる安全運転の車なんだといって暴走されたら、これはたいへんなことですよ。だから、おかしいじゃないか、あの車に対する警察取り締まりはなまぬるいじゃないか、警察もぐるになっておるのではないか、一体なぜ砂利トラだけ認めるのかという問題が起きてくるのです。だからあなたがさっき言ったように、十割超過の積載をやったり、あるいはトンボ返り運転をやって無謀な運転をやっておるのは、どこに問題があるかというと、やはり砂利の値段、輸送費に問題があるのですから、そこを運輸省とよく打ち合わせをして、業界がダンピングをしないように、過当競争をしないように、業界の調整をさせるのがあなたのほうのやるべき任務であって、三割まで認めてやる、五割まで認めてやる、そのことによっていままで十割だったやつが三割だけ安全運転になるのだという言い方は、ちょっと解せない。これはだれも納得できないのですよ。とにかく警察が三割超過を認めておる。そうして業界は警察から認められたために、こういう鑑札みたいな表示板までつくって、それを千円で売ってトラックに張りつけておる。そのトラックについてはまさに取り締まりがゼロだということになると、これはたいへんなことです。これは私は早急にやめるべきだと思うのです。やめられない理由が私にはわからないのです。業界も自主的に検討して規制をして、やはり砂利の値段を適正なものにしなければならぬ、砂利トラの運転者の労働条件についてもある程度調整しなければいかぬ、こう言っておるのですから、そちらのほうに向けるのが主であって、やはりきめられた基準を上げるということは私は間違いだと思うのです。その点いかがですか。
  46. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 われわれの取り締まりの内部基準の問題につきましては、先ほど申し上げましたとおり、私ども一つの目安でございまして、それ以外に砂利トラ業者自身といたしまして、御指摘のような採算の問題とか、いろいろ問題があると思います。その問題はその問題として別に解決されることをわれわれは希望するわけでございますが、その問題と直接この裁量の問題と結びつけてわれわれがこういう措置をいたしたわけではございません。われわれのほうといたしましては、あくまで四角四面な取り締まりを実施しないということで、一つの内部的な目安として、若干の重量オーバーというものは、それは注意警告程度にとどめようという方針でやっておることでございます。
  47. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あなた、内部だ内部的だと言ったって、片っ方、業界のほうでは警察から認められたと、こう言っている。それからトラック協会でもこう言っていますよ。車の積載量の規定は最大に見込んである。これを三〇%もオーバーするとエンジンの力やブレーキなど、車の性能からいってとても不可能で危険なことだ。平常な形の運転じゃないわけですから。坂があるわけですから。静岡県のあの日坂なんというところを、とにかく三割も超過をしたやりがずっと走っていくわけですよ。そういう点からいったら、これは内部的なものだ、内部的なものだと言っても、正式にこうやって、何かあなたのほうと打ち合わせをして、骨材の自主規制車なんという看板までつけて、それからナンバー以外に別の標示までつけて、これはもう警察から確認をされた車なんだということでやられておったら、これはたまったものじゃありませんよ。ましてやそれが道交法に違反をしている。ですから違反をしている状態で、それをあなたのほうが三割の基準を置いて、それは注意警告程度でやっているということならそれはいいと思うのですよ。しかし、明らかに道交法で違反をしているということをあなたのほうが黙認をして、それがまかり通っておるということだったら、これは、私は重大な問題だと思うのですよ。これはやはり即時やめてもらいたいのです。いかがですか。
  48. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 最近自動車の標示に、安全運転車だとか、いろいろな標示をみずから自主的に掲げている事例が非常に多いのでございますが、この場合の自主規制車というのはあくまで業界が、われわれは自主的に安全運転をするんだという意味の標示でございまして、われわれが、そういうものをつけて、それは見のがすということでつけさしたものではございません。
  49. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それじゃこの三割超過というものは道交法に違反だけれども、いまのままやっていく、これは別にやめる気はない、こういうことですね。はっきり確認しておきたいと思います。
  50. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 われわれの内部的な基準といたしまして、その程度までは注意警告にとどめるという方針でございます。
  51. 勝澤芳雄

    勝澤委員 三割までは注意警告にとどめるということはよくわかりますよ。しかし、三割超過積載をして運んでよろしいというのは、あなたのほうが許可を与えているというのはどういうことですか。あなたは許可でない、こう言っている。内部的なことだ、こう言っている。内部的なことだと言っていながら、あなたのほうは各署に通達をしているじゃありませんか。それで住民がみんな迷惑をしているじゃありませんか。警察道交法違反を見のがしている。ですからあなたのほうの取り締まりの裁量として三割というものを基準に置いているということは、私は了解しますよ。しかし、業界と話し合いもして、こういうことをやっているということは、警察として許すべきことじゃないじゃないですか。じゃ、どろぼうでもどの程度までどろぼうしてよろしいということと同じじゃありませんか。百円ならよろしい、しかし、千円じゃいかぬ。ひとつそういう基準も私はしっかりしておいてもらいたいのです。スピード違反も何キロまでよろしい、何割までよろしいという基準をはっきりしておいてもらいたいのです。そして国民に平等にそれは周知徹底さしておいてもらいたいのです。砂利トラは三割よろしいのだ、ほかの運搬業者も三割までよろしいのだと周知徹底しておいてもらいたいのですよ。どうでしょうか。砂利トラ以外も三割まではとにかくまあ注意警告ですということをひとつ明確にしてもらいたいと思うのです。警察庁の取り締まり方針としていかがですか。
  52. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 ただいまスピード違反の問題も出ましたけれども、スピードにつきましても若干のわれわれの内部的な基準といたしまして、これ以上超過すれば事件として送致するという基準はございます。しかし、いまの重量の問題もそれと同様でございまして、われわれの内部でそういうことを一つの目安として各県と歩調を大体合わしているということはございますけれども、これは厳格に申し上げますとあくまで違反でございますから、公表すべき問題ではないと思います。もしそうだとすれば、法律を改正して最高速度を上げるとか、制限重量をもっと上げるとかいう問題に帰着すると思います。
  53. 勝澤芳雄

    勝澤委員 違反であるから公表すべきでないと言っているんですけれども、これは公表されているじゃありませんか。法的には確かにいけないことだ。ただ本件だけの問題ではなく、この種のことは警察庁が取り上ぐべきことだ、こうなっておる。法的には確かにいけない、違反だ、こう言っておる。違反だけれども警察庁がこれを統一的にこうやられておるのだから、ということは、砂利トラだけは三割警察庁は認めておるのだということが公表されているじゃありませんか。そこが問題なんですよ。内部的に取り締まりをやっている分には私は差しつかえないと思うのですよ。そういう方針をお立てになることについては私はけっこうだと思うんですよ。しかし、このことが公に業界とあなたのほうと話し合って、こういう黙認板までつけてとにかく売られて行なわれているということは、これはたいへんなことですよ。ですから、それだったらあなたのほうはひとつどうですか、この委員会を通じてとにかくトラックは三割までの積載超過は注意警告程度でありますから、どうぞ皆さん御自由に三割までは積載をやってください、これを告示してくださいよ。当然じゃありませんか。それをなぜ砂利トラだけをやらねばいかぬのですか。砂利トラだけじゃなく。当然じゃありませんか。一体、保安基準とか積載量というものは何のために設けてあるのですか。ですから、あなたのほうがそれの量刑を判断するのは私はいいというのですよ、しかし、こうやって堂々と東海道をまかり通っている、関東一円をまかり通っている砂利トラの現状からいって、これはやはり何とか考えなければならぬじゃないですか。  運輸大臣、お尋ねしますが、結局この問題はどこから出てきているかといいますと、十割もいままでとにかく積んでおった、あるいは無謀運転をしておった、何とかひとつせなければならぬから、三割ぐらいまではいいだろう、それで三割ぐらいまで落とすことによって、まあ採算のことも考えたり、あるいは安全な運転を約束するならば三割の法律違反をしてもよろしいと、こう逆なんですわね。ですから、こういう点からいって、本質的な問題は砂利トラの運転手なりあるいは砂利の価格なり、そういうところに問題があるわけです。運輸省としての考え方をお聞きしたいと思うのです。いかがですか。
  54. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 先ほど来、質問応答の内容をいろいろ聞いてみておりますと、両方にやはり御意見があるように思います。そこで、おっしゃるように、やるんならば一台一台看貫にかけて、それでこの積載量をこえたものは全部砂利をおろすということが、ちょうど鉄道でやっておる台車を斤量にかけると同じような制度が行なわれるならば、それは私は行なえると思うのですが、そういうことが多数のトラックに行なえないものでございますから、まあ内部規定として三割程度までは大目に見ようというのがあなたの忌諱に触れておるところのように思うのでございます。それで私は両方の意見を聞きまして、さらに今後十分検討して、行政の妙味を発揮させたいと思っております。
  55. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは警察にもお尋ねいたしますが、じゃ、このままでまだ続けていくのですね。いま大臣は何か行政の妙といって妙な話をしておりましたけれども警察のほうはこのままでやっていくのですか。このままでやっていくのならやっていくで、私は次にひとつ質問したいと思うのですが、いかがですか。
  56. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 先ほどから私が申し上げておりますように、いわゆる内部的な裁量の基準という方針は、今後その方針でやっていくつもりでございます。
  57. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その内部的な裁量の基準について私は文句を言っているのじゃないのです。じゃ、内部的な基準として、トラックは三割超過をこれからはとにかく注意、警告で扱うからよろしい。ほかの業界でもこういう申し出があったら、とにかく当然これと同じ取り扱いになるということですね。
  58. 鈴木光一

    鈴木(光)政府委員 先ほど来から、私どものほうは内部的な基準だ、それは業者との相談の上でまかり通っているのだというお話でございますが、業者のほうではそれをいかにも、自主規制車というものがあれば警察ではこれは絶対取り締まらないのだという宣伝をされていると思いますけれども、われわれのほうはそういう問題でございませんので、内部的な基準として一つ取り締まりの目安というものをわれわれが持っておるということでございまして、業者のほうは自主的にそれを規制する、業者同士でやろうじゃないか、あまりたくさんのものを積まないで安全運転しようじゃないかということでございまして、その間に警察と業者が明確に協定をして、そういう自主規制車というものがまかり通っているということではございません。
  59. 勝澤芳雄

    勝澤委員 交通の安全のためには、特にこのごろPTAなんかでも、学童の通学には割り当てで家庭の主婦がみなつじつじに立って旗を振っているわけです。そしてこの交通安全という問題、子供を交通禍から守るといろ問題については、親は真剣になっているわけです。そういうときに、とにかく三割積みを警察が黙認をして砂利トラを走らせているということについては、警察についての不信の声というものは実に大きいわけです。それを無視して、あなたがあくまでも三割は内部の基準です、業界と話し合ったものではない、こう言うならけっこうですよ。次の機会に私はもう少し明確にしたいと思います。きょうはこれを質問するのが目的じゃございませんから。ただ、道交法違反だということを承知しながら、あなたのほうがとにかくトラック業界だけ認めておるということについては大きな不満があるわけです。警察に協力しようという国民は、一体警察は何をやっているんだ——それはあなたは警察としての内部的な問題としての、とにかく一つの基準だと言われておるけれども、こうしてトラックというものだけが抜き出されて問題になっておるということは、たいへん私は警察として考えなければならぬ問題だと思うのです。まあいずれ、あなたじゃなく長官に来てもらって、私はこの点はもう少し、役人でない、政治家としてものを考えていただきたい。国民に交通に協力せよ、安全に協力せよと片方で言っていながら、片方でやはり道交法の違反を許している。道交法の適用のある程度の常識的な拡大をするという問題と、それからそれを黙認しているという問題とは、国民の感情からいって違うわけですから、それはぜひひとつ長官によく話しておいてください。  じゃ次に、自動車ターミナルの問題について、私はこのターミナル会社法ができる前提で公団の方式とそれから株式会社の方式というものがあったというようなお話を聞いておりますが、この公団の方式と株式会社方式というのはどういう違いがあるのですか。あるいは当初の考え方というものはどういう考え方だったのですか、その点まずお伺いいたします。
  60. 坪井為次

    ○坪井政府委員 当初この大都会のターミナルにつきましては、建設資金が非常にかかる、あるいは膨大な用地を必要とするということで、しかも都市交通の緩和あるいは都市改造というような面も持っておりまして、そういった意味からわれわれとしては、これは非常に公共性の強い事業として国なりあるいは公共団体、そういったものが施設をしていくべきではないかという考え方から公団方式というものを考えたわけでありますが、これはトラックにつきましては、トラック事業者が相当これを利用することになると思いますから、そういった意味でトラック事業者の協力も得るという意味合いから、今回特殊会社としてこの法案を提出した、そういう事情でございます。
  61. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この日本自動車ターミナル株式会社に政府が出資をしなければならない、この理由はどういうことですか。
  62. 坪井為次

    ○坪井政府委員 ただいま申し上げましたように、この計画は東京を例にとりますと、東京の交通混雑の緩和あるいは大きく輸送の合理化というような面から、相当積極的に都市計画上・都心から離れたところにトラックのターミナルを施設しまして、いわば都市改造的な役割りも果たす、そういったことから民間だけではそういった先行投資あるいは膨大な資金を要するこれらの事業を遂行することば非常に困難である、そういったことから政府もこれに出資して協力していく、そういうことでございます。
  63. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この公団とかあるいは事業団とか株式会社、こういう特殊法人について、今度の臨時行政調査会におきましてもだいぶ批判的な意見が出されておりますね。たとえばこの運輸委員会で問題になりました鉄道建設公団にいたしましても、臨時行政調査会からいうならば、これは整理の対象になっている、こういう臨時行政調査会としては意見を持っているわけです。私たち社会党も、たとえば鉄道建設公団にいたしましても、一体公団をつくらなければ新線建設がやっていけないのだろうか、国鉄でそれだけの金を入れればできるんじゃないだろうかという点で、私たち社会党の場合は国鉄がそれを行なうべきであって、建設公団というようなものはつくるべきではない、こういう意見を申し上げておったわけであります。たまたま臨時行政調査会もわれわれと同じ意見を出されておるわけであります。そしてまたこの答申に対しては、行管もあるいは佐藤総理もこの意見は尊重いたします、こう言われているわけです。尊重しますと言われながら、片方では、今度の国会ではだいぶまた公団とかあるいは株式会社とか、こういうものがたくさん出ているわけであります。これは臨時行政調査会の答申の意見を尊重するという政府の立場からいうならば、まさに私は逆行していると思うのです。いま一番問題になっているのは、たとえば首都高速道路公団とか、こういうものがいま御案内のようにストライキをやっております。ストライキをやっておって、給与の問題を取り上げてみましても、道路公団の総裁あるいは理事長、当事者能力がないわけであります。国鉄の公団と何も変わりはないわけであります。あらゆるものが一々建設大臣あるいは大蔵大臣と協議をしなければできない。事業の運営だけは行なわれて、その事業に付属している一番大事な労働問題といいますか、こういうものは何も解決していないわけです。ですから、事業の妙味を見るためにこの公団とか株式会社とかを片一方でつくりながら、何も妙味が行なわれていないわけです。働いてもらう人について、人をどういうふうに有機的に働かせるかということは何も行なわれていない。ですから、そういう観点から私は臨時行政調査会ではそういうものをつくるなら、そういうものに自主的な活動を与えなければおかしいじゃないか、自主的な活動のないこういうものは有名無実だという点で、だいぶ廃止をすべき方向のものをたくさん掲げておると思うのです。そういうたてまえからいくと、私はこの日本自動車ターミナル株式会社というのは、一体こういうものが政府が出資をして必要だろうかどうだろうか、実は疑問を持つわけです。行管としての、これはむろんこの法案提出までにいろいろとあると思うのです。この辺のことについてのお考えを御説明願いたいと思います。
  64. 井原敏之

    ○井原政府委員 臨時行政調査会の答申、なかんずく公社、公団、事業団、特殊法人関係についていろいろ指摘をされておるわけでございます。それにつきましては、ただいまお話しのように、政府はあの勧告の趣旨を尊重するということで、ただいま行政管理庁におきまして臨調の指摘しました十八の公団、さらにこれ以外にも若干、臨調の触れておらぬ法人につきましても、特殊法人の範疇に入るものについて調査を進めております。いずれその結果が出ると思いますが、臨時行政調査会はかなり歯切れのいいものの言い方をされておるわけであります。これを具体化する段階で、むろん尊重の趣旨にございますけれども調査の必ずしも十分でなかった、実地調査等について十分でなかったものもありますので、そういうものをいまやっておる最中でございます。それらにつきましてはいずれ結論が出ると思いますが、方向としましては指摘の方向で処理を進めていくということで、せっかく行政改革本部が、庶務を担当をしております行政管理庁といたしまして調査を進めておる段階でございます。  それから、ただいま御指摘の本題、いま議題になっておりますターミナル会社のことでありますが、これを含めて乱設の傾向があるのに、またそういうことを指摘されておりながら、新たに実は七つ新設を認められておるわけであります。そういうことは、臨調趣旨尊重の逆行ではないかというおことばでございますが、臨調は、むろん一般考え方として、乱設防止、統合、廃止というかなりはっきりしたことを言っておるわけでありますが、現実の行政の責任を持っております政府として、一切認めないということもなかなかできがたいことでありまして、私ども行政管理庁だけのたてまえといたしましては、臨調の意見が出た直後のことでもありますので、非常にシビアーな態度で実はこの意見に臨んだわけであります。しかし、それは事務の私どものたてまえであったわけでありますが、政府全体といたしましては、重要施策の遂行上、責任を持っておられる運輸当局としても、これはこの際ぜひつくりたいというそういう政策上の点もあると思います。その中身の検討につきましては、私どもも十分に審査をいたしたわけであります。この段階で必要であろうという結論に達しまして承認をした、こういういきさつでございます。
  65. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あなたから必要でないという答弁を求めるのは無理なことだし、あなたがそういうことも言えない立場にありますけれども、とにかく臨時行政調査会の意見書が出て、尊重するというたてまえでありながら、こういうことが行なわれているというのは、あなたの立場からいえば、どらも残念だと思っていると思うのです、なかなか言えないだけで。片っ方で整理しなければならぬ段階に、ふやしていかなければならぬのです。またあとから出てくる空港公団でも同じことだと思う。航空局でやれるわけです。やはり公団をつくらないと、運輸大臣にまかしておいてはまずいので、公団をつくればほかの大臣もものを言えるから、公団をつくるのでしょう。ですから、大臣、これはやはり少し考えるべきだと思うのです。  そこで、もう少しおってもらいたいのですが、この東京トラックターミナル株式会社と日本自動車ターミナル株式会社、この関連が、自動車局長、いままでの質疑の中でまだはっきりしていないわけです。まだ疑問を持たれているわけです。それで、あなたの御答弁を見ますと、東京トラックターミナル株式会社というのはこの日本自動車ターミナル株式会社とは関係ないんだ、この法律がかりにないとしても、東京トラックターミナル株式会社というのはできるんだ、こういう御答弁をされているのですが、そうですね。
  66. 坪井為次

    ○坪井政府委員 私の申したかったことは、東京トラックターミナル株式会社というものは、商法の手続によりまして、成規の手続を経て昨年設立されまして、その限りで、これはいわば法人格を取得しているという意味で、一つの独立した人格を持っておるという意味で申し上げたのでありまして、この法案との関連ということになりますと、当然この特殊会社がこの東京トラックターミナル株式会社というものを吸収する前提でございますので、そういった意味では当然関連があるわけでございます。ただ、一応商法上一つの独立した会社として生まれたという意味合いのことを申しただけで、そらした意味合いでややことばが足りないと思うのでございますが、われわれとしては、これはまだいまのところは一個の人格として、商法上の株式会社である。しかし、当然これは特殊会社が、この法案で予定しているように吸収することを予定しておりますし、またその東京トラックターミナル株式会社も、この特殊会社に吸収されることを望んでおりますので、そういった意味では、当然両者相関連しているというふうに考えております。
  67. 勝澤芳雄

    勝澤委員 法律の上で関連をしていることはよくわかります。ただ、この特殊会社の日本自動車ターミナル株式会社と、それからいま別個に進んでいる東京トラックターミナル株式会社——東京トラックターミナル株式会社というのは別個の計画で進んでおった、こういうことはそのとおりですね。
  68. 坪井為次

    ○坪井政府委員 別個ではございませんので、この法律そのものがそれを吸収するという予定でつくられておりますから、そういった意味では別個ではないと思います。
  69. 勝澤芳雄

    勝澤委員 三月十六日の肥田委員の質問で、こう言われているわけですよ。「東京トラックターミナル株式会社というものは、そうすると、との法案にあるところの日本自動車ターミナルをつくるために必要な措置として急造した、こういうことですね。」と肥田委員が質問しているわけです。そうすると、あなたは「そうではなくて、われわれが予算要求しましたのは夏でございますけれども、」とこう言って、別個のものでこれは進んできて、開銀融資も手配しておったのだと、こう言っているわけです。今度は肥田委員が、「そうすると、この特殊会社はかりにできない場合でも、東京トラックターミナル株式会社というものはできるわけですね。」こういう質問について、あなたは、「そうです。」と答弁しているわけです。そうすると、私は、この日本自動車ターミナル株式会社法というものがかりに成立をしなくても、東京トラックターミナル株式会社というものができるから、この本来の目的は達せられる、こう思うのですよ、この質疑の中で。その点どうなんですか。
  70. 坪井為次

    ○坪井政府委員 この東京トラックターミナル株式会社ができましたのは、この法律がつくったわけではございませんので、いわゆる商法上の手続で生まれたものであるという意味合いで申し上げたわけであります。実体的には当然にこの法律の前身をなすものである、そういうふうに考えております。
  71. 勝澤芳雄

    勝澤委員 あなたがいま言っているようなことを肥田さんが質問しているのですよ。あなたは、そうじゃないと言っているわけですよ。この三月十六日の会議録を見るとそうなっている。そうすると、ああ、この法律ができない場合でも、この会社ができない場合でも、東京トラックターミナル株式会社ができれば用を足せる、こう思わざるを得ないわけです。ですからその点が、この二回の委員会の質問の中で、東京トラックターミナル株式会社と日本自動車ターミナル株式会社というものと一体どう関連があるのか、東京トラックターミナル株式会社では仕事が無理だから、ここで日本自動車ターミナル株式会社をつくって入れるのだ、こういうことですと、なるほどそうかと思うのですけれども、その法律では——商法上は別個ですよ。そうすると私は、日本自動車ターミナル株式会社という法律をつくった意義が実はよくわからないわけです。あとのことのためにつくったというのならわかる。これはこれでもうちょっと今度の国会は勉強して、東京トラックターミナルができて民間でやったのを見てみようじゃないか、民間でやらしてみた結果、民間だけではどうもまずい、国が何とか入れたらどうだ、こういうことなら話がわかるわけですが、その辺がよくわからないのです。ですから行管から見ると、これから見ると、日本自動車ターミナル株式会社というものは民間ベースでできるじゃないか、民間ベースでできるものをなぜ一体特殊会社をつくるのか、行管はそれをどういう立場で——民間ベースでできるというのは自動車局長が言っているんですよ。だから私は、この特殊法人をつくらねばならぬという理由がちょっとおかしいと思うのです。
  72. 井原敏之

    ○井原政府委員 私ども運輸当局からいろいろ御説明を聞いておるわけであります。それによりますと、既存のものでは十分に目的を達し得ない、施設あるいは土地の買収、経路においても十分目的を達せられないという説明を承っております。そういうことはしかもなかなか採算ベースに乗りにくいというような要素もあり、どうしても公共的なものをつくる必要がある、こういう説明を受けておりまして、私どもはそれはそういうことかということで了承しておるわけであります。
  73. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは行管にお尋ねしたいのですが、いまあなたが言われたような提案になっているように思うのですが、ただ、そうすると、東京トラックターミナル株式会社というものが、いまあなたが言ったように採算ベースに乗らないものだという、その点の検討はあなたのほうでされたのですか。
  74. 井原敏之

    ○井原政府委員 私ども、新設法人の審査をいたすときは、これはむろんまだ具体的に動いておるものでないわけでありますので、大体この権限が行管に参りまして二年になるわけでありますが、実地についてそういうこさいにわたる調査までは実はしてないわけでございます。したがって、運輸当局の説明をそのまま前提として事を考える、こういうことで、これはあるいは非常に不十分な審査だという御批判もあり得るかと思います。私は率直に申して、特殊法人の審査をやっておる現在の行管の段階は、権限をいただいてから間がないし、また必ずしも十全とは思っておりません。そういろ意味であくまで強弁するつもりはないのでありますけれども、本件の段階では、私ども大体運輸省の説明を了承したわけでございます。
  75. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、この日本自動車ターミナル株式会社というものは東京トラックターミナル株式会社を吸収していくものだという点についての審議はしてないのですか。  それともう一つは、東京トラックターミナル株式会社というのは審議をしたのですか。
  76. 井原敏之

    ○井原政府委員 その点は、私どもに法案を持ち込まれたとき説明を受けております。他に吸収するという説明であったように思います。いま御指摘のような実地調査をやっていないということは、ある意味では不十分であるというおしかりはあろうと思います。
  77. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この東京トラックターミナル株式会社の事業計画なり収支なり、そういうものについての審査は行なわなかったのか。この東京トラックターミナル株式会社の審査をすれば、やはり特殊法人をつくるべきだということになるわけですね。それはおやりになったのですか。
  78. 井原敏之

    ○井原政府委員 それも具体的に既存の会社の会計経理の審査まではいたしておりません。これは運輸省の説明を前提として検討いたしました。
  79. 勝澤芳雄

    勝澤委員 その東京トラックターミナル株式会社というのは、設立認可を与えられただけなんで、まだ実在していないわけですが、そういうことも御存じなかったのですか。
  80. 井原敏之

    ○井原政府委員 そういう事情は存じております。それは十分に説明を受けておりました。
  81. 勝澤芳雄

    勝澤委員 東京トラックターミナル株式会社は特殊法人にしなければ無理だという根拠がまだ行管のほらでしっかり把握されていない。何か押し切られてしまった。どうしても原局の運輸省やよその省はみなつくりたいわけです。しかしそのつくりたいのをチェックするために行管はあるんですよ。ですからそれをチェックすることができない行管だったら、行管なんてないほうがいいわけです。ほかのほうに吸収したほうがいいわけです。そのためにあなた方がいらっしゃるのですから、やはりあなた方のところで、臨時行政調査会の方針に従ってある程度のチェックをしていかなければならないと思う。そのチェックが不十分だと思う。いまあなたのほうもあまり十分に資料を見なかったといろからこれ以上は言いませんが、日本自動車ターミナル株式会社とこれとの関係はどういう関係か、明確にしてもらいたい。法案審議の上で了解がむずかしいわけです。どうしても必要性があるという点をもっと解明していただきたいと思います。
  82. 坪井為次

    ○坪井政府委員 この東京トラックターミナルは、東京都内におけるトラックターミナルの建設の必要から、運輸省も指導していろいろ努力の結果、昭和三十九年十二月十人目に会社の登記を行なって設立され、現在は、板橋流通センターの一環として、住宅公団、倉庫、問屋、市場等と共同して、地主代表と用地買収の交渉を行なっておるわけであります。しかし、ばく大な建設資金を必要とする事業の性格上、民間資金のみでは所期の目的を遂行することが困難であるといったことから、政府及び地方公共団体の出資する特殊会社である日本自動車ターミナル株式会社を設立して、東京トラックターミナルは営業の全部をこれに出資しよう、こういうことでございます。五万坪の用地が都市計画上、われわれの観点からぜひ必要であるように思われるのでありますが、このためには、総額約三十九億円の資金を要するわけでありまして、そういった板橋ターミナルの建設をはじめとして、そのほかさらに東京地区には、京浜二区あるいは調布、足立、葛西等のターミナルの建設もしなければならぬ、こういったことから資金総額が二百億円をこえるような実情でございますので、どうしても民間資金だけではやっていかれないというのがこの特殊会社を設立する趣旨でございます。
  83. 勝澤芳雄

    勝澤委員 これは肥田さんとあなたとの質疑の中をもう一回言うわけではございませんけれども、結局東京トラックターミナル株式会社というのを行政指導でやってきた。公団か株式会社方式でやろうとしたけれども、それができなかったので行政指導でやってきた。やってきたけれども、やってきている間に株式会社というものが今度できることになったので、それに吸収するのだ、こういうことなんですね。そこがいろいろ食い違っておるわけです。
  84. 坪井為次

    ○坪井政府委員 運輸省としましては、これは都市計画上どうしても必要なものである、交通混雑の緩和その他から考えても、東京の周辺にこういったターミナル施設を整備することは必要であるという見地からこの建設を考えたわけでありまして、そのために最初公団方式を考えたわけでありますが、経過を言いますと、運輸省としてはどうしても必要であるということから早く手がけなければならぬ。その意味で民間の協力も得て特殊会社として発足したい、そういう考え方でありまして、そのため、特殊会社のためもありますが、とにかく民間の協力も得なければならぬということから、この東京トラックターミナル株式会社に対して行政指導も行なった、そういうことでございます。
  85. 勝澤芳雄

    勝澤委員 どうも局長まだよくわからないですよ。それじゃもうちょっと話を進めます。東京トラックターミナル株式会社の事業計画、これはおおむねのものは出ていますね。設立の認可をしたわけですね。設立の認可をしたのですから、設立認可をするには、収支の状態、そういうものも出ておると私は思うんですが、東京トラックターミナル株式会社のこれを見ると概況だけで、貸借対照表、損益計算書、この程度しか出てないわけです。設立認可にあたってはもっと私は資料が出ていると思うのです。それを見れば、私はこの事業計画の一番中心になるのは収支の問題があると思うのです。東京トラックターミナルの収支はどういうふうに出ていますか。どういう全体的な事業計画になっておりますか。
  86. 坪井為次

    ○坪井政府委員 東京ターミナル株式会社は現在登記が済んでいる段階でありまして、いまターミナルの免許申請が行なわれている。その意味では事業内容その他が出ているのでありますけれども、これについてはまだいま審森しておる……
  87. 長谷川峻

    長谷川委員長 勝澤君、あなたの御質問は前会肥田委員がよく質問したとおりなんです。そして最後に、私の了承するところによると、運輸大臣がそれを全体的に責任を持った答弁をしていますから、あらためて運輸大臣にひとつ御答弁願いたいと思います。
  88. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 もう少し私の答弁のできる聞き方をしてくれなければぐあいが悪い……。
  89. 勝澤芳雄

    勝澤委員 問題になるのは、東京トラックターミナル株式会社とそれから今度できる特殊会社との関連で、くっつきがよくわからないわけです。そして理論的にはこういうことだろうと私は思うのです。東京トラックターミナル株式会社というものを、特殊法人もできないし、公団もできないから、行政指導としてやってきた。開銀融資も準備をした。やってきたけれども、今度は特殊会社といろのが認められて、運輸省の監督下にできるということになったらこれを吸収をしようということに変わってきた。こうだと思うのです。こうだとすると、それじゃ東京トラックターミナル株式会社では、こういう小さいもので、運輸省が当初考えた案よりも——これじゃとにかく運輸省の目的に沿わない、あるいはいまの都市交通の緩和からいって、これじゃ因るから、もっとこうしなければならぬ、だから今度はこれを吸収合併して大きなものにするのです、これがなければならぬと思う。そうすると、一体どこがわかるかというと、東京トラックターミナル株式会社の事業計画なり収支の全体的なものを見て、今度の日本自動車ターミナル株式会社と合わしてみると、ああこれはいままでの民間だけでは不可能だから、これに入るんだということがわかる。それを私はきょうの質問が重複しないように実はこの会議録を見たところが、東京トラックターミナルと日本自動車ターミナルとは違うのです。別個です。かりにこの特殊会社ができなくても、東京トラックターミナル株式会社はできるのです、この実は会議録になっているので、それならこの法律が別にできなくても、まだ二、三年勉強する間が与えられておるのだ、こう思った。しかし聞いておると、どうもそうじゃないようだ。どうしてもこの法律をつくらなければいかぬらしいので、つくらなければいかぬのなら、もう一回戻って、この前の自動車局長の答弁は別問題としても、もうちょっと東京トラックターミナル株式会社というものとこれとの解明をしてもらわなければ困る。それで大臣何かいい資料がありますか。よく説明してください。
  90. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 先ほど来からの質疑応答及び従来の会議録に残っておる状況から見て、いままでの答弁は、いま御説のように、収支計算、そういうものから見て、認可申請をしておるから、これに対する免許を与えてから吸収合併するというような答弁をされておると思っておりました。ところがおっしゃるように、彼が出してきたこの内容を見れば、われわれの計画しておる、いま局長が申しましたさらに四地区、京浜二地区、調布、足立、葛西等も入れて、板橋と五地区をやると二百億も要るという大きな計画から見た現在の東京トラックターミナルの内容というものは実に小さいものなんです。そういうものにいま免許を与えてそれを合併するよりも、いっそ早くこれを審議してもらって、早く会社をつくって、そしてそれが性格を持っているんだから吸収してしまったらいいじゃないかというのがわれわれの考えでございます。いままでの局長が答弁してきたことと、きょうの私の答弁と、ちょっと違いますけれども、しかしその点は、いままでは免許を与えてから吸収するということだったけれども、申請してきたものを見れば小さなものですから、これはいっそ、今度の法案を出しておりますところの日本自動車ターミナル株式会社というものを設立して、それは性格がそれらのものを持っておりますから、それでいま土地の買収やその他を交渉しており、やっておるものを吸収してしまう。その場合には、評価については、御心配の要らないような十分公平厳正な評価をいたしまして吸収いたしたい、こういうように思っております。いままで言ってきたことと違う点は、前回までの免許を与えてから吸収すると言ったことを、もう免許を与える必要はないんじゃないか、それよりも、この法案を早く通してもらって、会社をつくって、それを吸収したほうがいいじゃないか、こういう考え方になったわけであります。
  91. 勝澤芳雄

    勝澤委員 大臣、それでもちょっと疑問が残るんです。小さなものだから吸収合併して大きくしたほうがいいということはわかるんです。ただ、いまできているのは東京ターミナル株式会社というのは一つの板橋というものをやっているでしょう。ここでやっているでしょう。ですから、これだけの部分については、今度できる特殊法人とは規模が違うのか違わないのかという点も実はまだはっきりしないわけです。だから、たとえば板橋にできるこの部分だけは東京ターミナル株式会社だkwにやらして、あとに予定しているのを日本自動車ターミナル株式会社がやればいいじゃないかという議論も成り立つわけです。その点が板橋にできるやつと計画というものが、運輸省が自動車ターミナルというのを全体的に見た場合とどう違うのか、規模なりあるいは中身なり、あるいは民間ベースでできない、なぜできないのか、こういう点が実はまだ解明されないんですよ。どうでしょうか、解明できますか。
  92. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 その点は、これは大体大筋においては、今後、板橋もそれから第二京浜も調布も足立も同じような一つの大きい線の中に入っていくんですが、板橋だけでも四十億も実は金がかかるわけです。けれども、そういうものは全部包含していくわれわれの考え方と、彼は小さい四十億の範囲の線を持っておるけれども、われわれの大きな考え方の線にバックボーンは変わらない。それで同じような方向で小さいやつをやっているんです。それをわれわれは五つ吸収していこう、こういうことですから、別に変わった線はないと思っております。
  93. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると具体的には、板橋においては、東京自動車ターミナルでも日本自動車ターミナルでも板橋という地域だけをやれば同じだということですね。そうですね。
  94. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 他の地区も同様に東京自動車ターミナル株式会社が吸収して、今度はもうできますから、初めからそれが実行に入っていけると思っております。しかし、従来の関係者は協力を願わなければならぬと思っております。
  95. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、やはりさっきの答弁のように、板橋だけ部分的なものを切り離してみたら、それは東京ターミナルでも日本自動車ターミナルでも同じだということになるわけですね。これはやはり違うんだということにならぬと私はおかしいと思うのです、同じだというレベルだと。どうなんでしょう。
  96. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 それは板橋ならば板橋をやれば同じだから、板橋は吸収しなくてもいいんじゃないかというのはおかしいんです。それは全部一つに包含してしまって、それで都市交通というものを、日本橋まで持ってこなくても全部卸問屋というものはその地方に行って東京都内へ運ぶ、消費するものだけを持ってくるのと、全部日本橋まで持ってきてからいままでのように散布しておるのとは大いなる相違がありますから、その点は同じ考え方で全部進めることはできると思っております、都市交通との問題なんです。
  97. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それでは一応大臣の言うことをわかったような顔をして次に進みましょう。  日本自動車ターミナル株式会社の事業計画、資金計画、四十年度、四十一年度については、これは確定しているんですか。
  98. 坪井為次

    ○坪井政府委員 四十一年度はわれわれの計画でございます。まだ確定しておりません。
  99. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうしますと、ほかの地域の計画はどういうふうにお考えになっておるのですか。
  100. 坪井為次

    ○坪井政府委員 四十一年度以降につきまして、他の地区との関連につきましては一応の年次計画はつくっておりますけれども、いままだ土地その他の事情もございまして、具体化しておりませんので、具体的な計画まではできておりません。
  101. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そうすると、その年次計画が出てこないと、日本自動車ターミナルと東京自動車ターミナルというものは同じものになるのですか。いまの四十、四十一年度の計画ですと、この計画の中の違いは何かというと、政府出資と違うわけですね。東京都の出資はできるかどうか知りませんけれども民間でやれば、開銀と市中銀行の協調融資を運輸省で指示してやれば、あとは出資だけの問題で特殊法人がつくられることになる。ですから出資を仰ぐことが、即開銀や市中銀行融資が促進されるということ、それはわかります。しかし、日本自動車ターミナル株式会社というものを将来計画として、四十、四十一年度にこうなるんだ、あるいは四十二、四十三年度にこうなるんだ、あるいはあとはこうなるんだという資金的な形から全体計画を立てないと、日本自動車ターミナル株式会社というものは、東京のいままでできておるものを合併するためにできたターミナル会社だということに実はならざるを得ない。同じものですから。そこで、この必要性があるかないかという議論がどうしても出てくるわけです。その辺をもうちょっと解明していただきたいと思うのです。
  102. 坪井為次

    ○坪井政府委員 板橋地区だけでも、この東京ターミナル株式会社では資金の量、あるいは採算性その他からいきまして、民間ベースでは維持が困難である、また設立も非常に小規模のものに縮小しなければならぬというようなことでありまして、われわれの庶幾しておるような東京の交通混雑の緩和なりあるいは輸送の合理化というような面から計画しておる五万坪のターミナルの建設は不可能である、また採算性も非常に乏しいということで、どうしても特殊会社によってこれを吸収してやらなければならぬ、そういうことでございます。  それから年次計画につきましては、当然われわれとしては四十九年度あたりまでの目安はつくっておりますけれども、資金総額としては二百二十八億くらいを予定しております。
  103. 勝澤芳雄

    勝澤委員 それではそこまで出てきたのですから、ある程度——この資金計画は東京の板橋だけの計画しか出てないわけですね。これはあとの、将来計画があるのだという点をもうちょっと具体的に説明してくれませんか。
  104. 黒住忠行

    ○黒住説明員 数字でございますから、私からお答えいたします。  四十年度、四十一年度、板橋の建設計画をつくっておりますが、これが総計三十八億八千三百万円で、うち建設費三十四億円でございます。四十一年度と二年度につきましては、京浜地区の建設予定でございまして、これが約五十五億一千五百万円であります。四十二年度と四十三年度に萬西地区を計画しておりまして、これが二十一億六千三百万円。四十四年度と四十五年度で調布地区、これは現在の計画では十万坪を計画しておりますので、資金も八十二億一千万円ということになっております。それから四十六年度と四十七年度で足立地区に建設を計画しておる、これが合計いたしまして三十六億五百万円ということで、ただいま局長から申し上げましたように総計二百二十八億九千三百万円というような一応の計画であります。
  105. 勝澤芳雄

    勝澤委員 この地域をきめてやっていくというのは、この会社とそれから運輸省と首都圏なり、全体的なそういう政策の中で合わせながら場所がきまっていく、こういうふうに取り扱うのですか。
  106. 黒住忠行

    ○黒住説明員 ターミナルは申すまでもなくおもなる街道の入り口におきまして設置するのが最も効果的でございまして、そういう意味におきまして中仙道、陸羽街道あるいは東海道、甲州街道というふうな方面に設置するということでございます。したがって、設置場所が東京ターミナル会社におきましても応そう予定しておりますが、われわれもそれを継承いたしまして、日本自動車ターミナル株式会社においてもそういう場所につくりたいというふうなことで、これは首都圏の計画等とも言うまでもなく関係がございますから、首都圏の委員会の事務局等とは逐次相談をし、また東京都とも非常に関係がございますから相談をして、いまのような案をつくった次第であります。
  107. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで土地の取得というのはなかなかたいへんなことだと思うのですよ。しかし、こういう計画というのはよほど早く、そしてどしどしやっていかないと、どんどん土地が上がってしまうということですよ。最近たとえば地下鉄の駅がどこへできるのかということによって、その近所がたいへんなことになるらしいということです。私、あまり知りませんでしたけれども、ですから、たとえばこのターミナルができる土地というものは、相当大きなものを予定しているのでありますから、これはやはりもしおやりになるのでしたら、土地の先行投資というものは、もっとテンポを早めて土地だけはやっていかないと、現実にはにっちもさっちもいかない、計画倒れで、実は板橋を買収するためのターミナル株式会社だったということになりはせぬだろうかと心配するわけです。こういう、構想としてはいいと思うのですけれども、しかし、初めの目的がそういう全体的なもののためにこれをつくるのですから、部分的なもののために、板橋を買収するためにつくるわけではないのですから、その目的に沿うためには、土地その他についてもやはり相当思い切った手を早い時期に打たなければ、この地図を見ただけでも、とたんに土地代が相当上がっちまうと思うんですよ。東京都というところはそういうところなんですから。そういう点はどういうふうにお考えになっていますか。
  108. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 お説ごもっともでありまして、そういう意味から見ても公団なり特殊会社なりをつくって、これが設立されましたならば、一時的にでも市中銀行なりその他融資機関から金を借りて、——それでこういうふうに審議されて、どこに幾ら使う、どこに幾ら使う、こう言ってしまって新聞に出れば、すぐ地価は上がっちまうのです。ですからこうなってくれば一日も早くつくって、その地方の大体の重点だけは押えないといけないということは、これは重大問題だと私は思っておりますから、なるたけ早く審議していただきまして、この会社を設立して、そしてその活動に入らなければいかぬ、こういうふうに思っております。
  109. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そこで、次に問題になるのは、この事業の範囲の問題で、トラックターミナル事業とこれに付帯する事業というのを一体どういうふうに解釈するかということなんですね。たとえば一つの例ですけれども、下田の伊豆急が——大体鉄道を引くと、私はしろうとでよくわかりませんけれども、十年でペイをするということです。ところが伊豆急では、十年でペイするというのがあそこは三年ぐらいでペイしているわけですね。なぜそうかと聞いてみると、やはりほかの投資をやりながらしわ寄せをずっとやってきているのですね。ですから、自分のところで土地をたんと買って、それを分譲しているわけですね。それからあらゆる鉄道に沿ったいろいろなものを自分の会社でやっているわけですね。やはりそろいう点をやっていかないと、ただ土地だけを確保していって、それはターミナル事業だけだ、それに付帯する事業だけだということになると、やはり投資の率が相当上がると思うのですよ。ですからそういう点は、これをかりにやるとするならば相当考えなければいかぬと思うのです。たとえば五万坪要るならば、十万坪買っておいて五万坪売れば、五万坪はただということになる状態なんですから、まあそういうことをやれとは言いませんよ、かりにこういう株式会社をつくって事業をやるとするならば、そういうふうなものの考え方も相当しないと、土地というものが十分確保できないと思います。あるいは、この会社は幾らたっても赤字で、この会社のまわりはもうかって、もうほくほくだという結果になるので、そういう点は大臣よくお考えにならなければいかぬと思うのですが、どうでしょう。
  110. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 たいへん積極的な激励をいただきまして感謝いたしますが、実はそういう思惑をしてはいかぬと社会党さんからしかられると思っておりましたけれども、むしろ思惑をやって、もとのやつをただにしろという激励のことばでございますから、まあそこまではいかなくても、そういう御理解のあるお考えで見ていただきますならば、それぞれ担当者にひとついろいろ注意を与えまして、行き過ぎのない程度において御期待に沿うように努力したいと思います。
  111. 勝澤芳雄

    勝澤委員 そう激励もしているわけじゃないのです。かりに株式会社というものをつくるたてまえからいくならば——いままで質問しましたけれども、東京ターミナル、それからこの日本自動車ターミナルとの関連というものについて、いままでの与えられた説明、資料の中では、ちょっとまだ不十分の点があると思います。大臣はわかっているようですが、私はどうもその点が一まあ時点のズレでしょうから。公団、株式会社の一番最初からできれば、こういうやり方ではなかったのでしょうけれども、それができなくて、先行きこうやっておって、そしてそれを吸収合併しなければならぬ。しかし、それも一つの株式会社なり公団ができたときの用意のために業界がこうやってきたのでしょうから、そういうふうに解釈するとわからないわけではないわけです。まあもう少しありますけれどもあとまだ質問者があるようでありますから、一応このくらいで私はきょうは終わっておきます。
  112. 長谷川峻

    長谷川委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は来たる三十日午前十時定刻より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時十八分散会