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1964-12-02 第47回国会 衆議院 文教委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十九年十一月九日)(月曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 久野 忠治君    理事 上村千一郎君 理事 小澤佐重喜君    理事 坂田 道太君 理事 長谷川 峻君    理事 南  好雄君 理事 二宮 武夫君    理事 三木 喜夫君 理事 山中 吾郎君       大石 武一君    加藤 精三君       木村 武雄君    熊谷 義雄君       白浜 仁吉君    田川 誠一君       床次 徳二君    中村庸一郎君       西岡 武夫君    原田  憲君       松田竹千代君    松山千惠子君       森   清君    落合 寛茂君       川崎 寛治君    實川 清之君       長谷川正三君    前田榮之助君       和田 博雄君    鈴木  一君 ――――――――――――――――――――― 昭和三十九年十二月二日(水曜日)     午前十一時八分開議  出席委員    委員長 久野 忠治君    理事 小澤佐重喜君 理事 坂田 道太君    理事 長谷川 峻君 理事 南  好雄君    理事 三木 喜夫君 理事 山中 吾郎君       加藤 精三君    木村 武雄君       熊谷 義雄君    谷川 和穗君       床次 徳二君    中村庸一郎君       橋本龍太郎君    松山千惠子君       落合 寛茂君    川崎 寛治君       長谷川正三君    細谷 治嘉君       前田榮之助君    鈴木  一君  出席国務大臣         文 部 大 臣 愛知 揆一君  出席政府委員         文部政務次官  押谷 富三君         文部事務官         (大臣官房長) 西田  剛君         文部事務官         (初等中等教育         局長)     福田  繁君         文部事務官         (管理局長)  齋藤  正君  委員外出席者         文部事務官         (体育局長)  前田 充明君         専  門  員 田中  彰君     ――――――――――――― 十一月十三日  委員白浜仁吉辞任につき、その補欠として谷  川和穗君が議長指名委員に選任された。 同月十九日  委員前田榮之助君辞任につき、その補欠として  重盛寿治君が議長指名委員に選任された。 同日  委員盛寿治辞任につき、その補欠として前  田榮之助君が議長指名委員に選任された。 同月二十日  委員西岡武夫辞任につき、その補欠として橋  本龍太郎君が議長指名委員に選任された。 十二月二日  委員川崎寛治君及び和田博雄辞任につき、そ  の補欠として横路節雄君及び細谷治嘉君が議長  の指名委員に選任された。 同日  委員細谷治嘉辞任につき、その補欠として和  田博雄君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月九日  学校警備員設置に関する法律案三木喜夫君  外八名提出、第四十六回国会衆法第二二号)  学校給食法の一部を改正する法律案二宮武夫  君外二十名提出、第四十六回国会衆法第三三  号)  学校給食法の一部を改正する法律案小平忠君  外一名提出、第四十六回国会衆法第五一号) 同月二十六日  学校栄養士設置に関する請願藤枝泉介君紹  介)(第一〇号)  同(前田正男紹介)(第三三号)  同外一件(奥野誠亮紹介)(第八二号)  同(中村幸八君紹介)(第八三号)  同(松浦定義紹介)(第一一七号)  同(小渕恵三紹介)(第二八四号)  同外四件(阪上安太郎紹介)(第二八五号)  同外七件(武市恭信紹介)(第二八六号)  新潟大学に歯学部設置に関する請願田中彰治  君紹介)(第四八号)  公立義務教育学校教職員定数改正等に関す  る請願田中彰治紹介)(第四九号)  公立文教施設整備促進に関する請願森田重次  郎君外三名紹介)(第五三号)  公立小中学校児童生徒通学費国庫補助等  に関する請願田口誠治紹介)(第八四号)  僻地教育振興に関する請願木村武雄紹介)  (第一一六号)  義務教育費財源措置に関する請願井出一太  郎君紹介)(第一八七号)  同(小川平二紹介)(第一八八号)  同(吉川久衛紹介)(第一八九号)  同(倉石忠雄紹介)(第一九〇号)  同(小坂善太郎紹介)(第一九一号)  同(下平正一紹介)(第一九二号)  同(中澤茂一紹介)(第一九三号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第一九四号)  同(増田甲子七君紹介)(第一九五号)  同(松平忠久紹介)(第一九六号)  義務教育における特殊学級設置運営に対する  国庫補助金増額に関する請願井出一太郎君紹  介)(第一九七号)  同(小川平二紹介)(第一九八号)  同(吉川久衛紹介)(第一九九号)  同(倉石忠雄紹介)(第二〇〇号)  同(小坂善太郎紹介)(第二〇一号)  同(下平正一紹介)(第二〇二号)  同(中澤茂一紹介)(第二〇三号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第二〇四号)  同(増田甲子七君紹介)(第二〇五号)  同(松平忠久紹介)(第二〇六号)  学校図書館法の一部改正に関する請願外六件  (山中吾郎紹介)(第二八七号)  日本学校安全会事務費全額国庫補助に関する  請願前田正男紹介)(第二九九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月二十六日  学校体育における武道の指導強化に関する陳情  書(第一一〇号)  公立義務教育学校教職員給与費全額国庫負  担に関する陳情書  (第  一一一号)  福井大学に大学院設置に関する陳情書  (第一一二号)  広島大学に歯学部設置に関する陳情書  (第一一三号)  学校給食義務制確立等に関する陳情書  (第一一四号)  雇用難大学制度の調整に関する陳情書  (第一三七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  文教行政基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 久野忠治

    久野委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  一、文教行政基本施策に関する事項  二、学校教育に関する事項  三、社会教育に関する事項  四、体育に関する事項  五、学術研究及び宗教に関する事項  六、国際文化交流に関する事項  七、文化財保護に関する事項以上各事項について、その実情調査し、対策を樹立するため、小委員会設置関係各方面よりの説明聴取及び資料要求等方法により、本会期中国政に関する調査を行ないたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により議長承認を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 久野忠治

    久野委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたしました。      ————◇—————
  4. 久野忠治

    久野委員長 それでは文教行政基本施策に関する件について調査を進めます。質疑の通告がありますので、これを許します。山中君。
  5. 山中吾郎

    山中(吾)委員 石炭地区関係についての教育問題について大臣にお伺いいたしたいと思います。予算委員会総括質問があるので、三十分だけ大臣をこちらにお借りをしてきたようなかっこうですから、大臣に直接主としてお伺いいたしたいと思うわけでありますが、私自身は産炭地区の住民でないので、その地域の問題については直接的に実感をもって御質問するのではないのですが、いろいろの資料、その他を聞きますと、外からながめておるよりは教育の危機というふうなことばで表現してもしかるべきような状況にあるように見受けられるわけであります。そういうことを頭に置いてお聞き願いたいし、申し上げたいと思うのですが、この産炭地区というのは、これを見てみますと、九州、北海道その他十県くらいの地域にまたがっておるようであります。そこで根本的に私お聞きいたしたいのは、急激に人口が山の閉鎖によって減少しておるということ、そのことが同時に急激にその地域が貧乏になっておるということです。そういうことから親あたりは、子供教育などには関心を持てなくなっておるという関係から、家庭環境が非常に悪くなっている。それで不良少年が非常にふえておる。さらに生活保護世帯その他が、多いところは、ある学校を見てみますと半分くらいなんですね。二割、三割というのが普通になってきている。そういう状態の中で教育条件という点からいいますと、これは災害対策という考え方で処理しなければならぬような状況になっている、こういうふうに私は受け取っておるわけです。  そこで、石炭地区の問題については、単なる文教政策でなくて、国会全体の問題となって、そして最高の政治問題のようになって、調査団も派遣をしてその対策立てた過去の事実があるわけであります。昭和三十七年十一月、石炭鉱業調査団の答申というのがそのとき出ておるようでありますが、そういう関係において、教育関係においてもいままでに対策立ててこられておるはずであると思いますので、いままでどういう対策をお立てになっておるのか、それから大臣としては、教育的立場から、斜陽産業の中にある社会不安あるいは教育的な非常な欠陥が出ておる、その地域に対してどういう考えでいままでこられておったか、それをお聞きしておきたいと思います。
  6. 愛知揆一

    愛知国務大臣 産炭地域における教育問題でございますが、この点については文部省といたしましても従来から非常に重大視して頭を痛めている問題でございます。最近におきましても二回にわたりまして調査団に同行いたしました調査員のほかに、文部省独自の立場からも、たとえば福岡県等には調査員を派遣いたしまして、実情の掌握につとめ、また対策について積極的な手をとるように考えておるわけでございます。ただいま御指摘もございましたが、政府全体としてはもちろん石炭問題については非常な重点施策として総合的な対策を講じておりますが、その一つとして教育問題も当然取り上げられつつあるわけでございます。いま御指摘もございましたが、たとえば三十九年度の主として教育上から申しましても一番問題が多いのは福岡県のように見受けられますので、福岡県に例をとって申しますと、要保護者の数が三十九年度においては一八・七%、準要保護者が九・二%、合計して三割近くになっております。合計いたしますと二七・九%でございますが、これを全国平均で申しますならば、要保護者が三%であり準要保護者が七%で、合計しても一〇%以内でございますから、ごく概括的に観察してみましても、いかに生活困窮程度がひどいかということが、この例によりましても福岡県の産炭地における状況がいかにはなはだしいかということは理解ができるわけでございます。したがいまして、たとえば特別交付税交付というようなことも、従来からも考えておられたわけでございますけれども、さらに積極的に、ちょうど今回も産炭地域振興に関する要望書政府としてもいただいておりますが、これに取り上げられておりまする各種の教育問題につきまして、できるだけ前向きな対策をとりたいと考えておるわけでございます。一例を申し上げまするならば、昭和四十年度の予算要求等につきましても、特定の補助率の引き上げということも考えておるわけでございまして、たとえば学校施設設備給食設備等に対する国庫補助が現行は二分の一から三分の一の補助率でありまして、これを引き上げてくれという御要望もございますが、これに対しましては、起債上その他において手心を加えたいと思っております。  それから要保護児童、準要保護児童の増加に伴って、就学対策のために市町村財政負担が膨張しておりますので、その国庫補助率は十分の八程度にはいたしたいということで、これは四十年度の予算概算要求にもすでに計上しておるというような対策を講じておるわけであります。
  7. 山中吾郎

    山中(吾)委員 一応対策をお考えになっておることは私もわかったわけですが、その程度対策ではどうにもならないんじゃないかというのが私の感想なんです。それでその点については各政府委員の方々から各論的にあとでお聞きしたいと思いますが、なお最近調査団福岡に派遣されたその報告はまだないと思いますが、その整理された報告に基づいてさらに対策をお立てになるお考えだろうと思います。いま報告大臣がされたのは、そのずっと前からの対策で、最近調査をされた結果に対しては、さらに前向きに対策立てられることになると思うのです。それは間違いございませんか。
  8. 愛知揆一

    愛知国務大臣 私どもといたしましては、文部省としての調査員の視察に基づく報告に基づいた対策考えておるわけでございますが、たまたまこれが産炭地域振興に関する要望書として関係市町村から出ておりますが、それと取り上げるべき問題は大体一致しておるように思います。ただしその内容につきまして、たとえば立法措置要望されておるというようなものについて、いや立法まではいかなくとも予算上の措置でいけるのではないかというような方法論に違いはございますけれども、大体取り上げられつつある問題は、文部省調査団報告とそれから現地側からの要望の中に取り上げられておるものと、項目は大体同じように私は見受けておりますが、なおこまかい点につきましては別に御説明いたしたいと思います。
  9. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣のお答えをさらに正確に受け取りたいので、お聞きしたいのですが、この地方から要望中身については、大体必要なものであるということは大臣は確認をされたのですが、しかし立法措置をするかという方法論については、これは行政措置だけでもできる場合にはそれでやるというお考えだと思うのですが、方法措置をしなければ大臣のお考え中身が実現できない場合には立法措置をおとりになるということに理解してよろしゅうございますね。
  10. 愛知揆一

    愛知国務大臣 ただいままでの研究では立法措置を必要としない。予算措置あるいは起債上の措置あるいは特別交付税交付のやり方というようなことで処理ができるのではなかろうかと私は考えておりますけれども、どうしてもそれができないという場合にはまた別に考えなければなるまいと思います。
  11. 山中吾郎

    山中(吾)委員 必要な場合は立法措置考える、これは大臣おっしゃったことを、私しっかり頭の中に入れておきますから、御検討願いたいと思います。  そこで、先ほど保護世帯さらに準保護世帯について、大体のその地域における激増した部分についての御報告があったのですが、私も調べたところそのとおりであります。このことを教育政策立場から文部大臣として分析していただきたいと私は思うのです。まず三割の準要保護子弟があるとすれば、一クラスにたとえば四十名、五十名おれば、十五、六名は困窮状態、いわゆる家庭崩壊状態になっておる子供ということになるので、これでは学校経営というのはたいへんな問題なんですね。それだけ人間形成一つの大きい欠陥を持った家庭、しかも急激に変更になったものですから、親はやけで酒を飲んで子供のことは考えない。それから共かせぎの状況にあるとか、そういう中で子供は不良化しておる。そしてその地域調査を見ますと、問題児の非行についての原因は貧困が一番大きくなっております。そうしますと学校経営というものは、単なる学校で教壇で子供を教えるということではできなくなって、学校先生及び学校全体が家庭教育役割りも半分くらい持ってやらなければならない。そして学校先生は同時に社会教育主事のようなかっこう子供社会から防衛してやるという仕事がふえてくる。そういうふうに保護世帯というのが三割近くなるということでは、生徒数が少なくなったからそれに応じて限度政令のように画一的に定員をきめるという政策というものは、こういう地域には成り立たない。そこで定員関係についてもそういう状態の中においては特別補導を担当する先生考えてやるとか、あるいはクラスの生徒児童が少なくなっても、個別指導というふうなところまで力を入れてやってやらなければならない地域的特殊教育だと私は思うのです。いま特殊教育という概念は人間的特殊教育で、不具者であるとかそういうものに対するそれでなく、地域特殊教育だと思うのです。そういう点からいって、特別の定員あと二年、三年くらいは、社会安定化をして、急激に貧困化して、急激に変わってきた状態バランスのとれるまでは、時限法的な思想においても、私は特別の先生定員、その他を考えてやらなければならぬと思うのです。そういうことが文部省保護世帯、その他の激増というものを調査されて、次に教育政策的に結論を出されるべき立場だと思うのです。大臣それは御理解願えると思うのですが、そうすると画一的な定員というふうなものではこれはいけないんだ、少なくとも三年くらいは何とかせねばならぬと私は思う。その点については私と同じ御意見だと思うのですがいかがでしょうか。
  12. 愛知揆一

    愛知国務大臣 この点につきましては一般論としても各府県実情に照らして、たとえば政令等実行にも遺憾なきを期してまいりたいというのが基本考え方でございます。いわんや産炭地等については十分配慮してまいらなければならない、こう考えております。現に標準法に基づく政令におきましても、私大体概数で記憶しておりますけれども、相当数は特殊の取り扱いをすでにやっておるはずであります。
  13. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私はどういうふうな措置をされておるか知らないのですが、少なくともそういう状態の中で学校教育家庭教育社会教育一つになって処理せなければならないような状態になっている地域については、私は時限法的な措置でもいいから、立法措置臨時特別措置法に基づいてやらなければ、限度政令を出した現在の形の行政のもとではできないと見ている。もしやらなければならぬときにはそこまでお考えになりますか。
  14. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その点につきましては現地からの要望も出ておりますが、私は必ずしも立法措置というようなことは、先ほど申しましたように要らないのではなかろうか、こういうふうに考えております。なお現在までに処理いたしました計数的な実情等初中局長も来ておりますから、こまかい点は説明をさせていただきたいと思います。
  15. 山中吾郎

    山中(吾)委員 初中局長から聞くと時間が惜しいからあとで聞きます。  そうすると、具体的にお聞きしますが、そういう地域については養護教諭は必ず置くという措置は現在の行政でできますか。
  16. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その点については正確を期しますために事務当局から簡単にお答えいたします。
  17. 山中吾郎

    山中(吾)委員 できるかできないかを簡単に言ってください。
  18. 福田繁

    福田政府委員 養護教諭の問題は、御承知のように生徒数に応じまして基準がございます。したがってその生徒数基準に該当する学校についてはそれぞれ置こうという立場になります。
  19. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣、だからできないんですよ、いまの話……。だから言っておるわけです。そういう特別の地域に非衛生的な境遇のものがあって、特別の僻地と同じような状況にあるんだから、生徒千名以上に一人とかそういうふうな基準以外の特別のワクにしてやらなければできないわけです。だから局長の言うことは、できない。大臣はその点立法措置でもして、できなければ立法措置をしてやるというお考えをお出しにならないと、私は現実にこの地域についての特殊性を見られて少なくとも三年くらいは混乱するのではないか。こういう急激な貧困化の中にどうにもならない状況が出るのですから、その点をお聞きしておる。必要な立法措置をされるかどうか。
  20. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その立法措置に行く前に、これはたとえば福岡県に例をとりますれば、福岡県内全体としては十分に措置ができると考えておったわけでございます。したがってこれらにつきましては、福岡県の教育委員会なり教育長を通じまして、十分御相談をいたしたいと思いますし、それからたとえば財源等の問題につきましては、特交交付であるとか、いろいろの措置が講じ得ると私考えております。
  21. 山中吾郎

    山中(吾)委員 その次お聞きします。  学級編制が大体来年度は四十八名でしたか、だんだん生徒数を減らしていくわけですが、この地区においては急激に子供が減っておるという状態であるので、特別に四十名になっても先生は減らさない。暫定的にその地区だけは、別な表現をすれば、一学級四十名を前提として先生配置考えてやる。そしてだんだんとその地域バランスがとれて、貧困になれて安定したというのはおかしいですが、急激に貧困化して、そして親の気持ち、子供関係その他がアンバランスの中で混乱をしておるので、三年、四年たてばあるいは貧困になれて安定化ということはことばが悪いかもしれないが、それが平常化する。それまでは四十名あるいは三十五名というところでも先生をそのままにして、そして個別指導とか家庭訪問その他を含んで、特別の家庭の機能というものを補ってやるところまで学校経営をやらすということが私は正しいと思うのですが、この点にはやはり現実に対処してやるならそれくらいしてやらなければならぬと思うのです。それはどうですか。
  22. 愛知揆一

    愛知国務大臣 この点もただいま申しましたように府県別考えておりますから、原則は標準学級編制基準に基づく定員というものが、府県単位といたしましてはきめられて私はしかるべきだと思います。たとえば福岡県の例で申しますならば、福岡県全体として見れば標準法範囲内で十分措置ができる、こういう状態に私は見ておるわけでございますから、県内において実情に応じたような教職員配置ができるということに、そのワク内で私はできると思っておりますので、これらの点についてはなお必要があれば福岡当局とも十分相談をいたしまして、その範囲内で実情に合った措置が私はできると信じております。
  23. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私福岡県と限定しておるわけではないのです。北海道その他日本産炭地区全体について、私は産炭地区人間でないので、全体の特別地域における特別教育措置の問題としてお伺いしておるわけなので、福岡県に限っておりません。そういう地域について少なくとも特別の一定の期間だけは、少なくとも先生現状維持で努力をさすという措置が何としてもとってやるべきである。特殊教育のことを考えると盲ろう学校でも十名に先生一人はあてがうという特別の個別指導定員制度があるわけで、そういうことをこの地域においては二年か三年はしてやらなければいかぬのじゃないかというのが私の思想なのです。そのときに各市町村ごと教育委員会があって、こちらの町村定員を減らしてこちらに渡すということは、行政上私はできぬと思うのです。各町村教育委員会は、その学校の中の定員を十分にして、もっと教育水準を上げたいというのは当然の教育行政担当者の責任ですから、産炭地区に私のほうを割愛してあげますなんということは実際上不可能でしょう。したがってその産炭地区には特別の配置をするということを前提として、府県全体の定員ワクをそれだけプラスしてやらなければ、私は現実問題としては不可能だから、そういう意味において与えられた範囲内で、そういう産炭地区のある府県に特別の定員配置をしないで中で調節して何とかできるというのでは私はうそじゃないかと思うのです。いまおっしゃったのはその意味でないのでしょうか。間違いないですか。
  24. 愛知揆一

    愛知国務大臣 この点は御承知のように教職員給与費国庫がどこまで見てやるかという財源の問題と関連してまいりますが、財源的には前々から申しておりまするように、全国的に各都道府県実情を見ましても、財源的には御心配をかけるようなことはない。そこであと実行上の問題としては各府県の内部で相当に調節が私はできる、こういうふうに思っておりますが、しかし問題は二つに分けて、一つ財源的に私は今度のたとえば限度政令にいたしましても、これを施行いたしましても、各府県に迷惑をかけることはなしでやっていける、そこまで確保されておりますれば、その範囲内で各県それぞれに県内の調節ということも御協力をいただきたいものである、こういうふうに考えておりますが、どうしてもそれができないというような特殊の事情があります場合には、何らかのまた特別の措置考えなければならない。考え方としてはそういうことで進みたいと思います。
  25. 山中吾郎

    山中(吾)委員 少しも明確に私にはとれないのですが、財源的に措置ができるということは、いわゆる一応標準定員以上に特殊的な措置として教員を採用しても財源措置はできる、こういう意味ならばわかるのです。限度政令関係してこざるを得なくなるのですが、各県ごとに定員を定められた、それ以上はみ出たものは国庫負担を適用しないというのは限度政令でしょう。したがって産炭地区に特別の定員を配して、たとえば五十名とか百名とか、そういうふうなはみ出る分はやはり財源措置はできないでしょう。できると言うなら私はこれ以上大臣にお聞きする必要はない、その意味においてできるというのですか。
  26. 愛知揆一

    愛知国務大臣 これは実情を検討いたしますと、幸いにして産炭地域で非常にお困りになっておるところの所在の府県におきましては、少なくとも全体として見れば限度政令等によってはみ出る定員はない。したがって現状に変更を加えないでやっていける、実情から申しますとこういうことが言えると思います。
  27. 山中吾郎

    山中(吾)委員 全然答弁は私の質問と違うのです。福岡またはどこかが、現状の教員が限度政令以上にはみ出るものがないから心配ない、それは産炭地関係ないことですよ。そうでなくて、はみ出た分は限度政令だから削るということが今度文部省の問題になるので、はみ出ていなければもちろんそのとおりですよ。しかし産炭地区に特別の定員配置してやるという分は、その定員のほかにワクとしてやはり考えてやらなければ特別措置をしたということにならないから、その特別措置福岡県なら福岡県がしたときに、文部省においてはその財源措置については心配はないというお答えでないと私の質問に対する答えにならないということなのです。
  28. 愛知揆一

    愛知国務大臣 その点を私お答えしているつもりなのでありますが、ただいま産炭地域ということを特定の問題としてここに議論をしておるわけでございますが、この産炭地域を持っておりますところの府県におきましては、現状におきましても何ら御心配はない、やっていける、こういうように考えております。したがって特にそのために産炭地域定員について特例の法令を出すような必要はない、私としてはこういう結論になるわけでございます。
  29. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そうすると、児童生徒がある程度減っても、いままで置いておった定員はそのままにしても心配はない、そう考えてよろしいですね。  そこでついでにお聞きしておきますが、限度政令を出されたときに一番疑問のあるのは、十数年地方の実績に基づいて二分の一を負担してやるから大いに努力せよという法律があった。そして十数年努力をして、僻地に、普通ならば置けないところに養護教諭を置いてやった。そうすると、その置いた定員は、法律の精神に基づいて最も忠実に地方行政が努力をして獲得した既得権だと思うのです。実員じゃなく定員です。少なくとも限度政令を置くならば、定員を下回る限度政令を置いて削れ——限度政令というものは法律の精神に最も忠実な地方行政を処罰することになる。少なくとも現在地方で努力をした定員を上回る定員を定める限度政令でなければならないと私は思うのです。今度の出している限度政令はそうでない、努力したその分だけは削れという限度政令。しかしいままでの十数年の地方行政の精神は、実績に応じてやるから努力しなさいという精神で努力したのですから、削れという限度政令は既得権を侵すばかりでなく、法の精神を無視しているのです。そういうことを私はいつも考えるのです。そういうことだから、産炭地区においても、急激に人口が減った場合においても当分の間前の定員どおりにして、その間の欠陥を補うように努力をさすというふうな臨時措置というのは当然すべきである。各県ごとの特殊事情に基づいて政令を定めるという、各県の特殊事情なんというものは、そういう場合だって考えるのがほんとうの精神であるのに、そういう考え一つもない。ただ県内で調節しろということでは、私はあまりにも血の通わない文教政策だと思うので申し上げておるわけなんです。ことに、富裕県は四十五名などにだんだんしていくから最も恩恵を受けて少しもマイナスはないが、貧乏県ほど削られていくという現実があるので、その点については産炭地区という具体的な事例の中で、私はもっと血の通った御処置を願わなければならぬと思うのです。いま大臣が抽象的に——あとで速記録を見てください。私はそのまますなおに受け取って、通常国会までに定員問題についても特別の措置をされるということの見込みがあり希望が持てると思って、質問は次に移りたいと思うのです。  その次に、要望を見ますと就学助成費とか教材費の関係とか設備施設については、全体の要望思想というものは、その自治体というものは急激に貧困になったので、現行の各種の補助率を十分の八あるいは十分の九、できれば全部、当分の間二、三年あるいは三年か四年くらいの間だけは全額国の負担で処理してもらえないかという切実な要望なんです。永久にしろというのでしたら、これは私も国全体の制度の問題ですから、大臣要望したり質問いたしません。しかし向こう三年くらい、二分の一の補助を十分の八にしてくれ、十分の九にしろ、あるいは学校給食などは、父兄が三割も保護世帯なんですから、当分の間、向こう三年くらいは全額国で出してくれというのは、もっともな要望じゃないですか。私はもっともな要望だと思うので、自分の地域関係ないけれども、こういうときにこそ文教政策の妙味を出すべきときだと思うのでもっともだと思って大臣に質問するのですが、こういう補助率の引き上げを三年くらい限定してやってやっていいと思うのですが、大臣どうですか。
  30. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御趣旨は、先ほど申しましたように全く私御同感なんでございます。そこで、特に産炭地市町村の財政状況が非常に窮迫しておりますから、そのほうから申しましても国の補助を引き上げなければならない。この点については全く御同感でございます。したがって、先ほども申しましたが、要保護児童、準要保護児童等の就学の援助費、給食費、医療費、これらに対する補助につきましては、現に大蔵省に対しまして予算の要求をいたしておりますが、これは十分の八に国庫補助率を引き上げたいということで、四十年度にはぜひこれを実現いたしたいと考えまして、所要の予算を計上しておるわけでございます。ただ、これも議論になりますけれども、三年間の時限立法までいま考える必要があるか。四十年度で具体的にこういう措置が実現できますれば、必要に応じて四十一年度、四十二年度あるいは四十三年度につきましても、一つこういう前例をここに開きますと、補助率引き上げで予算措置を講ずれば十分の効果があがるのではなかろうか、かように考えておるわけでございます。
  31. 山中吾郎

    山中(吾)委員 予算措置で十分の八、十分の九と出していただければ、あえて立法措置は要らないと思うのです。必要ならば立法措置までしてやらないと、おそらくうかうかしたら行政措置だけではできないと私は思うのですが、できますか。——これはあと局長にお聞きしますけれども、なお学校給食の施設設備についても、いま補助は二分の一ですね。そういうのも、ことに貧困家庭だから学校給食はしてやらなければいかぬと思うのですが、そういうのもほとんど全額国が設備をしてやるということが当然常識として出てくると思うのですが、この点はいかがですか。   〔委員長退席、長谷川(峻)委員長代理着席〕
  32. 愛知揆一

    愛知国務大臣 この給食それ自体に対する補助につきましては、実は四十年度についてまだ要求漏れでございましたから、これはさらに善処いたしたいと考えております。  それから給食施設設備等につきましては、産炭地とは限りませんけれども、四十年度におきましては基準も引き上げたいと思いますし、単価も引き上げたいと思います。これは四十年度にすでに予算の要求をいたしております。
  33. 山中吾郎

    山中(吾)委員 学校給食についての予算要求は漏れておる、しかし善処すると大臣が言われたのですから、再検討してその補助率を多くするという予算要求をさらにしてくれるというようにお聞きして、非常に希望を持っておりますから、ひとつ善処していただきたいと思います。局長大臣の趣旨に沿って努力してくれなければだめです。  次に、理科教育振興法、産業教育振興法についての設備についても、現在は二分の一ないし三分の一だが、こういう点についても国の負担率を多くしてやってくれという、これももっともな要望だと私は思いますが、これはどうなっておりますか。
  34. 愛知揆一

    愛知国務大臣 いまお尋ねの点については、現在においてはそのままで別に新しい措置考えておりません。
  35. 山中吾郎

    山中(吾)委員 この点については、私は特別にこの地域については財源の許す限り努力をしていただきたい項目だと思いますので要望しておきたいと思います。  それから教材費はどうなっておりますか。局長、いかがですか。
  36. 福田繁

    福田政府委員 義務教育費国庫負担法に基づく教材費につきましては、これは補助率は二分の一でございまして、ほかの地域と同じでございます。
  37. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大臣、教材費が二分の一というのは、これはその地域が非常に急激に貧困化した場合には特別の措置をしてやるべき課題だと私は常識的にすなおに思うのです。いま局長は、特別の措置をしないでそのまま現行法の二分の一で要求をしておるということですが、学校給食と就学奨励の関係と教材費の関係あたりは補助率を引き上げて向こう三年くらいはずっとしてやるということくらいは、これだけ国会で大問題になった産炭地区対策の中ですから、最小限これだけはしてやるべきだと思いますが、その点大臣はどうでしょうか。ひとつ努力してください。
  38. 愛知揆一

    愛知国務大臣 御意見、御趣旨の点は十分承って研究いたしたいと思います。
  39. 山中吾郎

    山中(吾)委員 大体大臣の御答弁によって、産炭地区の人々も希望を持って期待をして教育にも努力できるだろうし、自治体も努力するでしょうと私は思いますが、大臣予算委員会に行かなければならないので、細部についてはあと他の人に聞いて終わりたいと思いますが、現在の産炭地区状況資料をずっと見てみますと、やはり貧困というのが一番問題になるのは、家庭がめちゃめちゃになるために、学校教育に想像以上の影響があるということです。したがって、一種の災害復旧のようなつもりで補助率その他特別の措置をしてやるというようなことを私は常識的に文教政策考えるようになってほしい。将来のこの問題ばかりではなしに、そういうことを思って申し上げておるので、与野党全部がこの点については確認をした問題ですから、この機会をむしろ善用するような意味で特別の教育措置というものがこういうときに行なわれるのは常識であるという慣例をつくるつもりで、ひとつ努力していただきたい、そういうふうに思うわけであります。  初中局長にお聞きしたいのですが、その地域定員措置というのを大体しておると事務当局が言うのですが、具体的にどういう内容なんですか。
  40. 福田繁

    福田政府委員 先ほど大臣からお答えのありました中に、福岡県などにつきましては定数の問題についても特別に本年度配慮したということをおっしゃったわけでございます。このことにつきましてはあるいは御承知かと思いますが、従来から福岡県は非常に過員をかかえております。特にこの過員は産炭地において大きいわけでございます。そういった点から県当局も非常に整理には困っておったわけでございます。したがって私どもとしてはできる限り県財政に協力するというたてまえから、現行法のもとにおきましてできます最大限の特別措置考えたわけでございます。したがって約六百人というものを特別措置によって上積みを国庫負担の対象にしたわけでございます。それによって県教育委員会はその中の相当数産炭地にさきまして、したがってその中ではあるいは養護教員も見ておるかもわかりませんが、生徒指導のための教員その他各学校基準定数以上に多く配置しまして生徒の指導あるいは教育に当たらせておるというのが現状でございます。したがって先ほど山中委員から御指摘のありました学級編制等の問題も、私も再々産炭地域学校を見ておりますが、現実は小学校におきまして福岡県などでは現在もう平均は四十人を割っております。それから中学におきましても四十四人程度になっております。それぞれの学校を見ますと、あるいはそれ以下に学級が編制されておる、実態は非常に進んでおるということを申し上げておきたいのでございますが、そういうぐあいにこの特別措置によって負担の対象にしました——六百人ばかりでございますが、そういうものによってかなり教育上は各学校に支障のないように県教育委員会においても配慮しているというのが実情でございます。
  41. 山中吾郎

    山中(吾)委員 いま言われた六百人というのは、産炭地区の特別の事情に基づいて増配したものですか。福岡県だけの問題じゃありません、産炭地区の全体の文教政策の問題としてぼくは聞いておる。一つの事例としていま福岡県が出されたと思うのですが、六百何名かを産炭地区の特別教育の必要に基づいて増配した、こういうことですか。
  42. 福田繁

    福田政府委員 その六百人というものは、従来の過員が約三百人くらいでございます。それから三十九年度に生徒の急減によって定数の落ちる分が約三百人、合わせて六百人でございます。福岡県は、大体産炭地域に該当する部分が三分の一くらいございます。したがってその計算から申しますと、六百人の中で三分の一以上が産炭地域に配当されているというような勘定になるわけでございます。したがっていま申しましたように、各学校には、かなり基準を上回って定数は配置されているというような状況でございます。
  43. 山中吾郎

    山中(吾)委員 産炭地区があるからある程度県全体の配慮をした、そういうことで産炭地区対策として特別にお考えになった措置は少しもない。局長の答弁では受け取られません。産炭地区対策が何もないじゃないですか。
  44. 福田繁

    福田政府委員 県の教育委員会としては、産炭地域教育問題があるので、そういう特殊と申しますか、特別の配慮をしてもらいたいという要望であったのであります。したがっていまの六百名の中で全部が産炭地域に回ってはおりませんけれども、相当数産炭地域学校配置されておるわけであります。したがって産炭地域学校ではかなりの定員超過の教職員定数を持っているというような実情でございます。
  45. 山中吾郎

    山中(吾)委員 その局長思想を変えてもらいたいと思うのです。産炭地区があるから県の教育委員会が配慮してくれと言ったから配慮した、そこで産炭地区のほうは反射的に少し定員が豊かになってやっていっているということ、そんな思想を私は切りかえてほしいのです。急激に貧困化していった地域だから、やはり特殊教育的な立場に立って、その地域に対する独自の文教対策というものを文部省考えるべきではないかということで私は話をしている。そこで局長、出身は福岡じゃなかったですか。わりに実感がないですね。ぼくは岩手で石炭山は一つもない県であるのに、一生懸命にこうしなければいかぬと思っているのに、福岡でその三分の一も石炭山を持っておるところの出身の局長がわりに実感がないのですね。ぼくはこういうように思うのです、この資料を読んでみたときにも、とにかく急激に三割も保護世帯が出たら学校はたいへんです。たとえば岩手の場合においても、戦後樺太あたりから引き揚げた引き揚げ者だけ寄った学校があるのです。保護世帯が三割以上なんです。そうするとそこの学校経営はもう特殊教育と同じなのです。家庭関係家庭訪問の問題だとか、それから特殊児童が出て個別指導をしなければならないし、私はそういう産炭地区などの人口、それから経済関係の激変というのは、教育制度のあり方が質的に変化すると思うのです。したがってそれに向かった具体的な特別措置というものが必要だ、そういう思想文部省が、局長が切りかえられていないとどうにもならない。いま間接的に利益が産炭地区定員にいっているということがあなたの答弁の中に入っているだけの話だと思うのです。われわれはそれじゃいかぬのじゃないかということを申し上げているのです。そうじゃないですか。
  46. 福田繁

    福田政府委員 私は相当実感を持っているつもりでございます。再々あの地域学校は見ております。したがって個々の学校の事情につきましてもかなり知っていると自分で考えておりますが、そういう地域の特殊な問題がございますから、定数におきましてもできる限りの配慮をしたつもりでございます。またそのほかに、いわゆる生徒の指導担当のカウンセラーというものにつきましても、三十九年度は特交などによってかなり県の希望を入れたわけでございます。昨年から自治省などと相談いたしまして、カウンセラー約五十人増配をしたようなかっこうになっております。これももちろんそういう特殊性がある地域でなければとうてい考えられない措置だと思います。そういうことを自治省等と相談をいたしましてやったのでございます。
  47. 山中吾郎

    山中(吾)委員 自民党の劔木参議院議員も、この間視察に行かれたそうですが、その地域についてもっと対策立てなければならぬということを党派を越えて、一つのヒューマニズムの問題と教育対策として、みなまじめに考えておるわけですから、もっと真剣に、ひとつ心を新たにして取り組んでもらいたいと思うのです。僻地学校というのも、貧困による僻地というのは、都市のまん中にもあるわけですね。盛岡の場合でも、引き揚げ者の地区につくった学区なんというのは、一部屋に六人も住んでおるというわけで、学校にふろをつくって、家庭子供をふろに入れる余力がないから、学校でふろに入れて、そうして家庭欠陥を補うという、そういう学校経営までしたのですよ。そこで私は、文教政策の質を変えた問題として考えなければならぬのだ、こういう意味において申し上げている。大臣は私の質問について、大体そういう感じはお持ちになったと思うのですが、少なくとももう少し特殊の政策として考えるべきだという考えで、特殊教育地域というような考えで努力をしていただきたいと思うのです。  それから体育局長にお聞きしますが、学校給食のほうは、大臣も、施設の補助率その他についても国がほとんど考えなければならぬというような思想でお答え願っておるわけですが、いまの答え、それ、局長異議はないでしょうね。
  48. 前田充明

    前田政府委員 産炭地については、給食につきましては、準要保護児童の問題としては、来年度、四十年度、十分の八を要求いたしております。もちろん私のほうの考え方は、完全給食へ全体を移行させる、そういうことでもって年次計画的に考えていくわけでございます。したがいまして、日本全体の学校の中で、全部いくという年次計画で進めるものですから、現状として、産炭地が常時給食をやらなくてはならぬ、そういう問題はあるわけでございます。したがって、そこのところは、何といいますか、こぶが出たようなかっこうと申しますか、そういうふうで現状進みつつありますし、進めつつありますので、産炭地のそういう早く進めなくてはならぬという御要望には沿うことはできるのではないかというふうに考えております。
  49. 山中吾郎

    山中(吾)委員 そういう画一的にまた原則があってある程度考えなければならぬというのではなしに、その地域だけは国の力で完全給食を優先的に実施する、こういう方針をお立てになるべきじゃないのですかね。これは私は僻地もそうすべきだと思うのです。そういう地域はやはり僻地の一種なんで、交通困難型の僻地と経済的貧困型の僻地と文化的立ちおくれの僻地と、特徴があると思うのです。そういう分類をすると、いまのように急激に斜陽産業の中で貧困化したというのは僻地ですよ。そういう特殊な僻地教育地帯の場合に一番大事なことは、貧困からくる青少年の衛生あるいは体位というようなことを考えなければならぬから、即時に完全給食をやらすというようなことが、これは文部省行政じゃないか。そういうことをやらなければ、文部省というのは、特別に各地域地域に即した措置というふうなものを考えない、ただ事務的に処理しておるという考えしかない省になってしまうと思うのですが、いまの局長の話は、文部省としては漸進的に、年次計画的にだんだんと給食を義務制にするとか、完全給食に持っていく計画であるから、その地域地域に対しては特にそれだけを取り上げるということは原則としてはできない。しかしある程度というような御意見のようですが、それはそうですが。
  50. 前田充明

    前田政府委員 学校給食の開設は、学校の希望によって私のほうとしては計画いたしていくわけでございますので、現状から考えますれば、そういう希望を満たすことはほとんどできるのではないかという想像をいたしておりまして、無理に国としてやらせるというふうな考え方は、現状としては持っておらないわけでございます。もちろんその産炭地域における学校学校がやろうというような場合には、これは大体いまの私の見通しだけでございますが、もうできると思っております。そういう意味で申し上げたので、ただ自然の流れの中で、まあある程度やるという程度意味ではなくて、もっと強い意味で申し上げておるわけでございます。学校の御要求がないのに無理にやるということは、これは現状としては考えていないわけであります。
  51. 三木喜夫

    三木(喜)委員 関連してお聞きしたいのですが、産炭地教育が非常に荒廃してきたということから山中さんの質問があり、文部省としてもそれについて施策をしていこう、こういう配慮がうかがわれるわけです。これはけっこうなことですが、私は項目別にひとつ聞いてみたいと思うのです。  きょう大臣が答弁された、あるいは初中局長の答弁の中で大体明らかになっておることは、学校保健の経費の国の補助を十分の八とする、これは大体間違いありませんか。  それから安全会の徴収しない額の国の補助を十分の八とする、これはどうか。  それから給食費の国の補助を、いま体育局長の話では十分の八にする、これは間違いないようです。  それから通学用品及び同購入費を加え、学用品及びその費用、修学旅行費の国庫負担額を十分の八とする。  それから教材費の国庫負担を十分の八とする。  一、二、三、四、五、五項目にわたって確認したのですが、それはだいじょうぶですか。
  52. 福田繁

    福田政府委員 私の関係のことを先申し上げますが、就学奨励金につきましては、四十年度予算として十分の八の補助率に引き上げる予算を要求いたしております。  それから教材費の問題でございますが、これにつきましては私どもは負担率は引き上げないで、単価増をやりたいという要求をいたしております。
  53. 前田充明

    前田政府委員 私のほうの関係を申し上げますと、準要保護につきましては、学校給食費それから医療費、それから学校安全会、これを十分の八要求をいたしております。
  54. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それについて大体四十年度予算でとれる確信がございますか。そういう覚悟でやっていただきたと思いますが、これは要望しておきます。  それから次に、いま非常に問題になっておるのは、事務的な言い方で失礼なんですが、私たちは昨年度産炭地教育振興に関するところの一策として、「産炭地域における公立の小学校及び中学校学級編制及び教職員設置に関する特別措置等に関する法律案」、これを出したわけです。その中で、学級編制の特例を設けて、小中とも一学級四十人以内とする、それから生活指導に専任教諭を置く、養護教員、事務職員を必置する、これを要望しておるわけなんですが、いまの話ではこの点がなかなか難航をきわめておるようです。いまの答弁の中にでもそれがうかがえるのですが、そのうちで特にいま初中局長の話では、生活指導の補導専科教育扶助事務などの仕事をしておる教師ですね。これは置いておる。これはわかるのですけれども、現実に各学校の様子を見てみますと置いてないところもある。定員そのままというようなところもあるんじゃないですか。その点ひとつ聞いておきたい。
  55. 福田繁

    福田政府委員 御指摘のようにいわゆるカウンセラーの設置はまだ全部の学校にこれを設置するというところまでいっておりません。また一面そういう容易に採用できるような適格者というものをなかなか見つけにくいだろうと思います。文部省では別途この養成をいま急いでおりますけれども、しかしこれもまだ始めたばかりでございますから、適当な人がそんなにたくさん現在いるわけではございません。したがって置けるところから置いていくというような考え方ですけれども、ことし三十九年度に初めて全国的に約百人の定数がとれたわけであります。来年はこれをさらに拡充してまいりたいと考えておりますが、こういった場合にこれを別途に産炭地等の特殊な地帯に重点的に配置していくということは、これは私どもはやりたいと考えております。そういう方向でこれを進めてまいりたいと考えております。
  56. 三木喜夫

    三木(喜)委員 養護教員、事務職員はこれは必置する。これは、私は現場におりました者としてぜひこういう荒廃したところでは置かなきゃならぬ、こういうように思うのです。これについての配慮もどうかということと、学級編制の特例を設けて一学級四十人以内とする、この辺に対するところの覚悟はできませんか。関連ですから長く聞けませんけれども、その覚悟のほどを言ってみてください。
  57. 福田繁

    福田政府委員 御期待に反してまことに恐縮でございますが、非常に困難でございます。特にこの養護教員は、三木委員承知のようにこれは計画的に養成していかなきゃなりません。そういう要員の養成から始めなきゃならぬという状態でございますので、これを普及して全般的に設置するということは相当の長年月を要することだと思います。できる限り私どもも努力してまいりたいと思いますが、そういう現状でございます。
  58. 三木喜夫

    三木(喜)委員 産炭地において少なくとも事務職員、養護教員の置いてあるところは、減らすということはやってないでしょうね、いまから養成することは困難ですけれども。それが一つと、そのほかの四十人以内にするというようなことに対する覚悟はできていないということですか。
  59. 福田繁

    福田政府委員 そのとおりでございます。
  60. 三木喜夫

    三木(喜)委員 そこで最後に申し上げたいと思うのですが、文部省でいま、さっき申しました五項目の点については大体その覚悟はできておる、やっていただけるような方向をとっておるようですけれども、いま申しました養護教員とか、生活指導の専任教諭を置くとか、学級編制を四十名以内にするとかいうことがまだ覚悟ができていないということですが、私これの一番隘路になっておる根源は、文部省として有沢調査団の結論、答申をする場合に、事実聴取を文部省としては押えておるといううわさがあるわけなんです。文部省はなぜこんなことを押えるのですか。この押えるというところに——いま言うように私たちは産炭地教育振興さすためのいろいろな施策を望んでおるわけですが、それがある程度阻害されている。そういううわさを聞くのですが、その点はどうですか。事実とすればなぜ押えるのですか。そういうことがなければないとひとつ言ってください。
  61. 福田繁

    福田政府委員 有沢調査団は独自に御判断をされて結論を出されるはずでございますから、文部省として押えるということはないと思います。ただ私どもの係の者も調査団に随行して参っております。そういう関係からいろいろ意見を聴取されたことはあると思います。
  62. 三木喜夫

    三木(喜)委員 その意見を言ったということが、事実調査を聴取するということについて押えた、こういうことはありませんかというのです。
  63. 福田繁

    福田政府委員 私はそういうことは聞いておりません。
  64. 三木喜夫

    三木(喜)委員 それなら私は結論的に申し上げますが、文部省にそういう認識がもう少しないと、あるいはそういう事実聴取を押えたというようなことがありとすれば——ないといまおっしゃいますが、ありとすればこれはゆゆしい問題ですし、ここに産炭地教育振興するというもう一つ積極的な意欲がわかぬ原因があると私は思いますので、われわれ国会議員もこの問題については十分関心を持たなければなりませんから、有沢調査団に出られた有沢さんとか高橋さんとか、教育に熱心な人にここに来てもらって、もう少し産炭地状況というもの、特に教育に限ってわれわれは聴取する必要があろうと思う。あなたのほうで押えておられないということなら、われわれとしてはそういうことをひとつ考えたいと思う。そういうことが原因でないかと私たちは疑っておったわけなんですけれども、それを聞いて安心したのです。そういうことでこの委員会として来ていただくということになれば、文部省としては異議ないですか。この点はどうです。
  65. 福田繁

    福田政府委員 文部省は意見を申し上げる立場にはございません。
  66. 細谷治嘉

    細谷委員 関連して御質問したいのですが、先ほど大臣から産炭地教育問題についてのお答えを聞いたのですけれども、私は産炭地教育の現状というものについて、文部省としては少し認識が足らぬのではないかという気がいたします。限度政令範囲内でやれるのだ。もしやれない場合は善処するということばでございますけれども、昨年六百名程度、そのうちの相当部分が産炭地配置されておるのだ、こういうことでございますけれども、せんだって参議院の文教委員会の劔木さんを団長にして行ったわけですが、教育の土台がくずれた。思い切った処方箋をしなければならぬと朝日新聞等に書いてございます。教育は陥没しておるのですから、何とか教育を守らなければならない、こういうことになりますと、現在の措置ではもうだめなんだ、こういうことではないかと思うのです。現実に、たとえば三十二年ごろの筑豊のある学校の成績ですが、学力を見ますと、五点というのが一四%であった。一点というのが四%だったのです。ところが三十八年になりますと五点というのが五%になっておる。一点というのが二一%になっておる、こういう事態から見ますと、文字どおりやはり教育は陥没しておる、こういう実態なんです。したがって現在のような措置ではやはりだめなんだ、こういうことが言えると思うのですけれども、この点についてどういう認識をなさっておるのか重ねてお尋ねしたいと思うのです。
  67. 福田繁

    福田政府委員 御指摘のように産炭地にはいろいろな問題があることは、私も承知いたしております。特に教育上憂慮すべきいろいろの傾向も出ております。しかしながら、私どもが実施いたしました学力調査などの結果から見まして、やや安心をいたしておりますのは、福岡県全般から比較いたしまして、産炭地のみがそれほど低くない。むしろ学力調査などにおきましては、実施した学校産炭地学校も、県下全般の他の学校と同じ、あるいはそれ以上の水準にあるということを私どもは確信をいたしております。しかしながらそれはそれとして、いろいろ生徒の非行あるいは準要保護児童などの生活保護等の家庭が増加しますにつれてのいろいろな教育上の問題がたくさん出てまいっておることは、承知いたしております。そういう問題について、私どもはできる限りの対策立てていきたいというような観点から、従来からも就学奨励を強化したり、学校給食等を充実していくというようなやり方をとってまいったわけでございますが、根本はやはり教育上の対策だけで片づく問題ではないと思います。それはやはりその地域の産業なりあるいは他の根本的な問題を解決することによって、いま出ております教育上の現象というものも、ある程度これが消えていくというようなものであろうかと思います。しかしながらそうは言っても、現実の問題はいろいろな問題が起こっておりますから、それに対する対策というものは、私どもはできる限りこれをやってまいりたいと考えておるわけでございます。
  68. 細谷治嘉

    細谷委員 参議院の石炭特別委員会現地調査した際に、新聞に書いてありますが、ある校長はこう言っておるのです。余ったと言われる先生がいてくれたおかげで産炭地教育がやっと守られているんだ、補導にも授業にもこんなに手のかかるところでは、一人でも多く教師がほしい、こういうふうに言っております。局長さんは筑豊の生まれでございますけれども、筑豊のことばで、いまテレビ屋ということばがあるのです。東京の方はあるいは御存じないかもしれません。とにかく十円でテレビを見に行く。それが高じてやはり不良化の原因になっておる。上級生、中学生が小学生をいじめて十円持ってこい、こういうことが起こっておる特殊な地域、文字どおり、私は筑豊ということばで言っておりますけれども特殊学級、全体が特殊学級的な性格、先ほど二七%くらいの準要保護児童あるいは要保護児童の率だということでありましたが、それは平均の問題でありまして、ある町に行きますと、とにかく県全体では二七・七%ではありますけれども、田川郡の平均をとりますと、三八%くらいになっております。ある学校をとりますと、五五%くらいになっておる。こういう実態なんです。そういうことでございまして、現実にはやはり不良化がどんどん進んでおる、学力がどんどん落ちていく、こういうことでございますから、これはやはりずいぶん難色を示されておりますけれども、事務もふえてきており、あるいは学校先生社会教育もやらなければいかぬ、家庭教育もやらなければいかぬ、そうして学校教育もやらなければいかぬ、こういうことでございますから、私はやはり産炭地区に対しては特別の措置、それも予算上の措置ではなくて、やはり安定した一むろん時限立法ということになるかもしれません。安定するまではやはり立法措置を講じていくのが教育を守るゆえんではないか、陥没しておる教育を起こすゆえんではないか、こういうふうに思っておるのですけれども、先ほど大臣立法措置より予算措置だ、行政措置だ、こういうおことばでございますが、政務次官さんもいらっしゃるので、もっと実態をひとつ——陥没して、教育の現状を守っておられないじゃないですか、御再考をいただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがでございましょう。
  69. 押谷富三

    ○押谷政府委員 先刻大臣より産炭地区教育関係につきまして根本的な文部省考え方はお話を申し上げたとおりでありますが、重ねてのお尋ねであります。産炭地区におきまして、特に福岡県において教育関係が非常に憂慮すべき状態にあるということは調査の結果文部省承知をいたしておりまして、これに対して重点的に考慮を払っていることも間違いありません。いまお話の中にありましたように、産炭地区学校には定員を過剰した人がおる、それで校長さんはやっと助かっているんだと言われておりますが、全くそのとおりでありまして、定員以上に五名とか六名とかの過剰の人もいらっしゃいますし、また福岡県全体から言えば、局長からお答え申し上げましたように、標準法からいきますと、定数からさらに六百人ばかりの上積みがされているのでありますから、県当局におかれて、教育委員会におかれても、特に産炭地区における学校教職員の配分について格別の配慮をいたされるということが望ましいことでありまして、そうすることによって教職員の陣容の充実ということは一応かなえ得るものと考えております。また学級に対する生徒の実員数は非常に少なくなっておるということもすでにお答えをいたしておるのでありますから、文部省としてはでき得るだけの努力を払っておる、配慮もいたしております。ただ福岡県における産炭地区教育に憂慮すべき事態があらわれているのは、単に学校教育ということだけでは救われない、これはもう御承知のように、石炭産業の衰微、あるいは関連産業のさらに非常に衰微をいたしておること、離職者が多い、あるいは鉱害のために農業生産が減退をしているとかいうような、いろいろな事情が錯綜いたしまして、そうして今日の事態を引き起こしているのでありますから、これに対しては国の政治全体が協力をせなければ、いま憂慮していらっしゃるこの問題の完全な施策にはなりませんが、文部省文部省の与えられたる権限内におきましては最高最大の配慮をいたしております。今後もそれを続けていきたいと存じておる次第であります。
  70. 細谷治嘉

    細谷委員 もうこの問題についてあまりくどくどしく申し上げませんけれども、先ほど三木委員からの質問がございましたように、就学奨励関係については、文部省としてかなり前進した予算要求をされておるようでございますけれども、ただ教育の陥没をどうしても救うかという、そういうたとえば事務職員なりあるいは先生の定数なり、あるいは養護教諭なり、そういう面についての対策が少し軽視されておると私は思っております。いま政務次官からもお答えありましたが、ひとつ十分に産炭地教育を、とたかく落ちているのを起こしてやる、こういうかまえでやっていただきたいと思います。  最後に一つお聞きしたいのですけれども、やはり生徒の不良化を防止する一つの有力なものとして、私は給食問題というのがあるかと思います。たとえば私はせんだって筑豊で聞いたのでありますけれども、カキがなると集団でそれを取りにいく。生徒児童が集団でそれをどろぼうしにいく、こういうことになっております。朝めしを食べてこない生徒もおる。ですから、やはり小学校は九四・五%くらいの給食をやっておるようでありますが、中学になりますと微々たるものでございます。これに関連して、産炭地市町村の財政事情というのはきわめて貧弱でどうにもならない。文部省のほうが就学奨励費で、たとえばこれだけやるといっても、地元が手出しする金がない、こういうようなのが現況でございます。そこで、たとえば教室は余ってきております。そういうものを改造して、たとえば中学なら中学の給食施設をつくろうとしても、これについては補助が見られない。かりに補助を見られても、半分というのが二〇%程度しか実績はなっておらぬ。新営改築でなければ補助をしない。こういうところに、やはり給食推進上大きな問題点が、産炭地の財政事情と関連してあると思うのですが、そういう点から新営改築じゃなくても、そういう改造ということについても、国として補助助成をするというお考えはないかどうか、これをひとつお尋ねしたいと思います。
  71. 前田充明

    前田説明員 現状といたしましては、私ども、全国的に申しまして新設ということでできるだけ早く完全給食がいくというたてまえを考えましてやっておるわけでございますが、いまおっしゃるような具体的な問題が私ちょっとまだよくわかっておらないのでございます。したがいまして、そういう点については研究をさせていただきたいと思っております。
  72. 三木喜夫

    三木(喜)委員 関連。いま文部省に聞きましたことですが、文部省は私たちの関する範囲でないと言われる。もちろんそうですが、石炭調査団の高橋さんと有澤さんのお二人にこの臨時国会ないしは通常国会中に来てもらって、産炭地教育問題について視察団としての意見を聞くということについて、ひとつ理事会ではかってもらいたい。このことを委員長要望しておきます。
  73. 長谷川峻

    長谷川(峻)委員長代理 次会は来たる四日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時三十三分散会