○高山恒雄君 供給と需要面に対するアンバランスもあった、こういう大臣のお説でありますけれ
ども、商社在庫その他から見て、私はそのバランスの点はなかったのではないかと思うのです。
政府だけが在庫が足らなかったのではないかと思うんです。
政府は三十三年にはこれは九万二千六百五十四持っておったわけですね。三十四年には二万八千七百十九俵、これだけ、それから三十五年には百二十俵、三十六年、七年は
一つもないわけです、在庫が。だから供給面と需要面のあるいは輸出も含めて、アンバランスのために、そういう現象が起こったとは私は言えないと思うんです。だから輸出が伸びて、それでいわゆる需要がふえてきたために、そうして
政府にはそれの安定をとる手持ち在庫が
一つもなかった、打つ手もなかった、そのために、こうした事態が私は起こったのだと思うんです。したがって、三十三年から四年の
日本の蚕糸業というものは、桑園の植えつけが変わったわけでもない。多少の繭の収穫は悪かったという点は、これは認めざるを得ないでしょうけれ
ども、極端な例ではないわけですね。要するに、伸びる過程にあった、伸びる過程にあったものを、商社まかせにしておって、
政府はそれに対する
一つの在庫もなくして、何ら打つ手はなくて見ておったという形になるわけですよ。これではやはり
行政上の私は大きな誤りだと、供給、需要の欠陥から出ているのじゃないか。伸びようとする貿易に対して、
政府がやはり当然手持ちを持って、そういう場合には調整をとる、こういう
方法が私はなされるのが至当じゃないか、こういうふうに
考えるわけです。その点はやはり需要と供給の面のバランスに起こったとお
考えになるのか。私が言っているように、そうじゃない。そういう場合は、伸びようとする五年間の経過を経てきたこの事態から見て、少なくともこれはやはり
政府が手持ちを持って当然その安定をはかるべきであった、このことに私は間違いないと思うんですが、大臣はどうお
考えですか。