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最高裁判所長官代理者(寺田治郎君) この問題は、
最高裁判所の
司法行政の問題でございますので、私
どものほうからお答えさせていただきたいと思いますが、
裁判官の定員というものが何といいましても限られておりますし、また、この、充員というものがなかなかむずかしい
状況でございます。そういう
関係で、定員の伸びというものにもいわば限界がございまして、結局、現在の定員なり実員をもって
裁判事務を
処理していかなければならないと、かような
状況になっておるわけでございますので、私
どものほうといたしましても、
裁判官を
全国にどういうふうに
配置するかということが一番むずかしい、また、大事な問題であると
考えておるわけでございます。
で従来から定員の
配置は大体二年ないし三年ぐらいことに新受件数を見まして、新受件数の多くなりましたところへ
裁判官を増員すると、かような方法をとってまいったわけでございますが、三、四年前にいわゆる実態
調査というものをいたしまして、それで各
職員——裁判官を含めましてこれの実際の
事務量というものを検討いたしたわけでございます。そういうような
資料にも基づきまして現在
配置をきめておるわけでございますが、いま
委員長からお話しございましたまず大都会にはできる限り多くの
裁判官を置くという問題につきましては、最近の定員の
配置の
改正におきましても、東京や大阪には相当な増員をいたしたわけでございます。
それから
簡易裁判所なりあるいは乙号支部等の小さなところの
裁判官をどうするかという問題でございますが、これは実は
事務量で申しますと、
裁判官の一人当たりの一割にも当たらないという
簡易裁判所もないではないわけでございます。そういうところへ一人置きますと、九割分の仕事量はむだになる、こういう貴重な
裁判官のいわゆるエネルギーをむだにしないようにということを常々
考えるわけでございますが、しかしながら、これまたたとえば
北海道の僻地のような場合でございますと、そこに
裁判官を一人置きませんことには、ほかから参りますとかえって
交通その他でエネルギーのロスを生ずるということもあるわけでございます。そこで、まあできる限り
事務量の小さいところは二つの庁に一人の
簡易裁判所の
裁判官を置く、かけ持ちでやってもらうというようなこともやっております。場合によっては三つの庁にかけ持ちでやってもらうというようなこともやっております。それからまた、支部等につきましては、支部に必要な人員を本庁のほうに置きまして、本庁からいわば巡回
裁判的に参るという方法
もとっておるわけでございます。それからこれは常時行なうことではございませんが、先年一度行ないましたのは、東京に非常に未済
事件がたまりました際に、ほかの比較的手のすいておる
裁判所の
裁判官から暫定的に東京に応援に来てもらったという方法
もとったわけでございます。
委員長からお話のありましたたとえば
最高裁判所にある程度のプールの人員を持って、それを常時各地に派遣するということも、確かに
一つの方法と
考えられるわけでございますが、まだ実はそこまでのいわば余裕がないということでありまして、ともかく何とかしてそれぞれの土地の
事件を早くやっていただくという
意味で一応各現地に出ていただいておる、そうしてまあできる限りその間のやりくりで迅速にやるようにしていただくと、こういうふうな方法をとっておるわけでございます。