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1964-06-23 第46回国会 参議院 内閣委員会 第41号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十三日(火曜日)    午後零時七分開会     —————————————   委員異動  六月十七日   辞任      補欠選任    村山 道雄君  小沢久太郎君    山本伊三郎君  千葉千代世君  六月二十日   辞任      補欠選任    上林 忠次君  植木 光教君  六月二十三日   辞任      補欠選任    小沢久太郎君  村山 道雄君    千葉千代世君  山本伊三郎君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            伊藤 顕道君            鶴園 哲夫君    委員            植木 光教君            太田 正孝君            源田  実君            小西 英雄君            小柳 牧衞君            林田 正治君            村山 道雄君            千葉千代世君            千葉  信君            山本伊三郎君            鬼木 勝利君            田畑 金光君   衆議院議員    修正案提出者  山内  広君   国務大臣    大 蔵 大 臣 田中 角榮君    厚 生 大 臣 小林 武治君    農 林 大 臣 赤城 宗徳君    国 務 大 臣 大橋 武夫君   政府委員    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    総理府総務長官 野田 武夫君    内閣総理大臣    官房公務員制度    調査室長    岡田 勝二君    総理府恩給局長 増子 正宏君    大蔵省主計局給    与課長     平井 廸郎君    厚生大臣官房長 梅本 純正君    厚生大臣官房国    立公園部長   今村  譲君    厚生省環境衛生    局長      舘林 宣夫君    厚生省児童局長 黒木 利克君    厚生省保険局長 小山進次郎君    農林大臣官房長 中西 一郎君    農林省農政局長 昌谷  孝君    農林水産技術会    議事務局長   武田 誠三君    林野庁長官   田中 重五君    水産庁長官   庄野五一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    農林大臣官房参    事官      岡田 覚夫君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○恩給法の一部を改正する法律等の一  部を改正する法律案内閣提出、衆 議院送付) ○国家公務員共済組合法長期給付に  関する施行法等の一部を改正する法  律案内閣提出衆議院送付) ○国家公務員共済組合法等の一部を改  正する法律案内閣提出衆議院送  付) ○国家公務員に対する寒冷地手当、石  炭手当及び薪炭手当支給に関する  法律の一部を改正する法律案内閣  提出衆議院送付) ○厚生省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○農林省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付)     —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  六月十七日、山本伊三郎君、村山道雄君が委員辞任され、その補欠として千葉千代世君、小沢久太郎君が選任されました。二十日上林忠次君が委員辞任され、その補欠として植木光教君が選任されました。また、本日、小沢久太郎君が委員辞任され、その補欠として村山道雄君が選任されました。     —————————————
  3. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案、以上四案を便宜一括して議題といたします。  四案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入るのでありますが、国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案につきましては、衆議院において修正が加えられておりますので、右修正点について、まず、説明を聴取することにいたします。衆議院議員山内広君。
  4. 山内広

    衆議院議員山内広君) ただいま御紹介いただきました山内でございます。  ただいま議題となっております国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する衆議院において修正いたしましたその内容を御説明申し上げます。  今回の政府原案におきましては、従来の寒冷地手当相当のものは、定率額による寒冷地手当改正されているのでありますが、その最高支給率は百分の八十とされているだけで、実質的には現行と同じ率になっているのでございます。この点、最近における物価事情、また、寒冷地在勤職員の防寒、防雪等の諸経費の増加傾向にかんがみまして、この最高支給率を百分の五引き上げまして、百分の八十から百分の八十五に改め、したがって、各級地とも、この百分の五の増額をしていただこうと、こういうような趣旨修正いたした次第でございます。
  5. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) それでは四案を一括して、これより質疑に入ります。  なお、衆議院から、ただいま御説明を願いました山内広君、政府側から瀧本給与局長岡田公務員制度調査室長野田総務長官増子恩給局長田中大蔵大臣平井主計局給与課長が出席いたしております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 給与関係の四法はいま提案されたわけですが、順序としてまず恩給法の一部改正案について二、三質問をしたいと思います。ただいま時間の関係もございますから、答弁に当たられる政府方々には、ひとつ誠意をもって十分な信頼するに足る御答弁をいただきたいということを、まずもってお願いしておきたいと思います。  まず、問題はたくさんございますけれども、まずお伺いしたいのは、外国政府職員外国特殊法人職員であった公務員のうち、日満、このケースはある程度解決しておるわけですが、全く同じ事情にあった満日の場合はいまだにこの通算問題が解決していないわけであります。これはもうきわめて不合理きわまるものであって、公平の原則に反するものであろうと思いますので、この点については、政府はすみやかにこれを公平の原則にのっとって是正すべきである。かように考えるわけですが、この点どのようにお考えか、ひとつ所信のほどをお聞かせいただきたい。
  7. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 御指摘の点でございますが、この外国政府職員またはそれに準ずる者の通算の問題は、実はいろいろと複雑な問題がございまして、必ずしも関係者方々の御満足のいくようなものになっていないことは御承知のとおりでございます。ただし、御指摘の問題に関連しまして特に問題のありますのは、これらいわゆる恩給公務員以外の職員としての在職期間をどの程度に恩給のレールに乗せていくかということでございますが、従来のこの点に関する考え方といたしましては、この種恩給公務員以外の在職期間を特別な考慮をいたしました趣旨は、いわば職員としての人事管理上の要請に応ずるといいますか、主としてそうした趣旨において改正をしてまいったわけでございます。満日の場合につきましては、そのいわゆる満州時代における在職期間の取り入れ方、その点について御指摘の問題があると思うのでございますが、いま申しましたように、いわゆる人事管理上、すなわち相当の年齢になって退職するというような場合に、できるだけ恩給を受ける資格を得させる。そういう形でやっておりますので、満州における勤務期間といいますか、それらの勤務期間を全く公務員在職期間とすべて同様に扱うというところまではまいっていないわけでございまして、その点につきましていろいろと御意見や御希望、御不満のございます点は承知をいたしておるわけでございます。その他の改正等関係もにらみ合わせまして、現在といたしましては、それを直ちに御要望の、おそらくまあ、いまはお示しはなかったわけでございますけれども、御要望趣旨に直ちに沿うということは、現在のところでは考えていないわけでございますけれども、いずれにしましても、いろいろな相互の関係を考慮いたしまして、今後の問題としてはさらに検討をしたいというふうに考えておるところでございます。
  8. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私がお伺いしているのは、いま御答弁のようなことをお伺いしているのではなくして、外国政府職員なり外国特殊法人職員であった者については、これは実質的には日本の内地の公務員と全く同様であったという、そういうのは政府見解は明らかになっているわけです。これは一昨年の十月三十一日、昨年の六月二十日、当内閣委員会で当時の徳安総務長官、八巻恩給局長からそれぞれ私の質問に答えて、これは公務員と同様であったという見解に達しているわけです。これは恩給局長もよく御理解になろうと思う。  そこで、そういう前提に立って日本から満州に、そうして日本に帰ってきた、あるいは日本から満州終戦を迎えたと、こういう場合は、全期間通算対象になっているわけです。すでに解決しているわけです。ところが、逆に今度は、満日の場合だけが取り除かれているのは不公平ではないか、したがって、この場でそういたしますということは、なかなか困難であろうから、すみやかにこの点をひとつ十分検討して公平の原則にもとらぬよう誠意をもって善処すべきであろうと、こういうことを聞いているわけです。したがって、答弁としては、おことばはまことにごもっともであるので、すみやかにこの問題を解決すべく誠意をもって努力する、こういう意味の御答弁があってしかるべきだと思うのです。この点いかがですか。
  9. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) ただいま伊藤さんのお尋ね趣旨はよくわかりました。ただいま恩給局長からも御説明いたしましたとおり、いままではこれを取り上げないでおりましたが、今後はどうしてもこれは検討すべき問題であろう、そこでこれらのことを御審議願う。恩給局におきますところの審議室で当然検討対象になり、十分誠意を持って検討すべきものと思います。
  10. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ここに膨大な資料を用意しておりますから、必ず納得するであろうという、時間をかければ必ず納得される、この場でもそういたしますと断定を下せるほどの資料があるわけです。遺憾ながら時間が制約されておりますので、この点は至急にいま御答弁になったようにぜひ解決の方向に向かって最大限努力をしてもらいたいと思います。  それでは、この問題については一応打ち切って次にお伺いしたいのは、抑留期間ですね、それでは今度は抑留期間通算の問題についてお伺いしたいと思いますが、これもほかの事例ですね、たとえば朝鮮とか、樺太に在勤した日本公務員あるいは在満の軍人軍属、こういう方々については、その抑留期間在職期間として通算されているわけです。これは明確になっておるわけです。ところが、この旧満州国の場合については全然こういうことが考えられていない。これも必ず御理解いただくような資料があるわけですけれども、時間が制約されておりますから多くを言いませんが、ひとつこの問題についても十分検討して、公平の原則にもとらぬように善処してしかるべきだと思うのです。この点はいかがお考えですか。
  11. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) この問題も、御指摘のように、従来から懸案事項になっておるわけでございます。ただ、おことばにありました点で、いわゆる権衡といいますか、均衡といいますか、そういった関係は、これはどの範囲まで考慮するかということで非常にむずかしい問題でございます。そういう意味におきまして、今日まで、この問題については、いわば積極的な結論を得ていないわけでございますけれども、先ほど総務長官からお答え申し上げましたように、私ども、これらの問題は、恩給法上の問題としまして鋭意検討いたしておるところでございます。
  12. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これは、実際問題としては、満州国とか満鉄あるいは満州電電、こういう職員で、終戦時にソ連または中共に抑留された方は相当数おるわけです。それで、先ほども申し上げましたように、朝鮮とか樺太に在勤した日本公務員とか在満の軍人軍属、こういう方々抑留期間の全期間通算になっておる。こういうことからして、繰り返し申し上げる公平の原則に反するもはなはだしい、こういうたてまえから、これもひとつ緊急に問題解決に向かって最大限努力をしてもらいたいということを重ねて要求するわけであります。この点について、ひとつ総理府総務長官の責任ある御答弁をお伺いしておきたいと思います。
  13. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) ただいまの御意見でございますが、従来のお話の在満の公務員その他についての加算問題と大体本質的には同様に考えるべきでございますが、恩給法適用範囲から申しますと、いまのお示しの点につきましては、いわゆる取り扱い上多少の相違がございます。そこで、これはいまお話のとおり、公平の原則というおことばがございましたが、もちろん恩給法適用いたします場合、公平の原則というのは一番大事なことでございまして、いまの御意見を拝聴いたしましたにつきまして、恩給局長も十分従来から検討を重ねておるということを言っております。これも今回審議室において研究題目重要事項として真剣に検討することをこの際はっきり申し上げておきます。
  14. 下村定

    下村定君 恩給法の一部改正についてお伺いいたします。これにつきましてはたくさんの問題が残っておりますので、昨年の通常国会の本委員会におきまして、総ざらいの意味附帯決議をつけてございます。時間の関係がありますので、個々の質問はやめまして、その昨年つけました附帯決議基礎にしてただいまからお伺いしたいと思います。簡単でございますから、一応昨年の附帯決議を読み上げます。これは昨年の六月二十日本委員会でつけられたものであります。これが昨年の本委員会でつけられた附帯決議であります。この各項目につきまして、大体でけっこうでありますから、ひとつ総務長官並びに関係政府委員の方から、現況と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。  まず、総務長官にお伺いいたします。私はかねがね政府はかくのごとき各種の懸案をまとめて、総合的の見地から、その重要度に応じて、一貫した計画のもとに解決すべきことを要望いたしておりました。当局もこれに御同意になっておられると信じております。ただいま読み上げました附帯決議中で最も重要、緊急と考えられますものは恩給年金現職公務員給与とのスライド制であることは明らかであります。総務長官は、本年六月四日、衆議院内閣委員会でこれを認められております。なお、同委員会長官は、本年度解決したいと思っていたが、実態の調査が困難であったので、調査を今年じゅうにやろうということでやむを得ず一年延ばした、こういう御答弁があっております。また同じ日に、恩給年金増額は本年度じゅうにぜひ目鼻をつけたいということも御答弁になっております。ここで、本委員会をしましていま一度たったいま申しました総務長官の御答弁の御確認をいただきたいと存じます。
  15. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) ただいまのお尋ねでございますが、恩給公務員給与とスライドしてというお話ですが、私は現在の恩給額が、いろいろな御説明を待つまでもなく満足することはできない。当然これは増額すべきだという立場に立ってこの前もお答え申し上げたのでありますが、そこで、これがスライド制を用いるかどうかということでございますが、これは先般の衆議院委員会でもお答えいたしましたが、考え方としては、そうスライド制が実現できますれば、恩給問題を担当いたしております者としてはまことにけっこうだとは思いますが、御承知のとおり、恩給公務員の退職当時における俸給基礎として給付されるのでございます。したがって、現在の、いわゆる現在の公務員給与が行なわれる場合に恩給額も一々これに見直していくということが、ただいま申したとおり望ましいこととは思いますが、在職公務員給与は現に職務に従事しているということを前提といたしております。人事管理上の要請もこれに加味して考慮されることになっておりまするので、現在職務に従事していない者、それから従事している者という、そこに実態的な相違がございます。したがって、現在職務に従事していない者に給付される恩給を単純に現職公務員給与改定に準じてスライドするということは、そこに相当困難な点があるのでございます。したがって望ましいことではございますが、スライド制をこれに適用するということは、そこにいま申しましたような理由で多少困難な点があるのでございます。しかし、原則的には、私は少なくとも来年度におきましては恩給増額を実施すべきだという、その心がまえでもって今日皆さん方にお願いいたしますところの恩給局審議室設置ということは、いろいろな調査ももちろん顧慮いたしますが、その目標の一番大きな問題は恩給増額ということを目標として今後の審議室の運営をいたしたい、こう考えております。その点は特に御了承願いたいと思っております。
  16. 下村定

    下村定君 ただいまの御答弁でございますが、昨年前総務長官並びに本年の衆議院における御答弁に比較をしますと、何だか少しもの足りないような気がいたします。と申しますのは、むろん私は公務員給与が上がったからそれと同じように上げろというふうなことは申しておりません。そこに若干の差異のあることはいまお述べになったとおりであります。そのほかに昨年の附帯決議にもついておりますとおり、物価水準、その他経済状態の進展ということがございます。ひとしく国家に功労があって恩給を受けておる者がこれから見落とされるということは、これは私は捨ておけないと思う。そういう見地からも、この際ぜひともいま一度積極的にこのスライド制ということについて政府当局のお考えをきめていただきたいと思う。今度恩給局に設置されました審議室、あの任務の一つにも私はそれがあるように拝聴いたしております。どうかひとつこの点は、いま私の申しましたように、単に公務員給与にスライドするということではなく、その他の経済状態、特に物価上昇等に伴いまして恩給受給者が見落とされないようにお願いいたしたい。ただいま経済成長に伴いまして各方面において所得の格差ということが強い問題になっております。私は現在のところでは、この恩給受給者はその格差の中で、最も日の当たらない状態にあるものと見ておるのであります。そういう点から申しましても、いま一度長官の御意見をお伺いしたいと思います。
  17. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) いま下村委員の御意見でございますが、その御意見には全く同感でございます。下村委員も御指摘のとおり、いわゆる公務員給与上昇にスライドするということは、多少そこに困難があるだろうということをお認め願いました、ということは、私どもは決して恩給増額をいろんな法律を設けて押えようという考えではございません。ただスライド制を実施いたしますということを申し上げるに至らない、これは先ほど御説明したとおり、いろいろな事情がございまして、望ましいことではございますが、はっきりここで政府恩給額増額にあたっては、公務員給与にスライドするということを明言できないということをむしろ遺憾に思っております。しかし、この御審議を願っております恩給局審議室は、その審議目標で一番大きく取り上げております問題は、いま御指摘のとおり、今日の恩給額が、いわゆる現在の生活水準上昇、それから物価の問題、その他社会情勢の変動に伴いまして、現在の恩給額では、これはどうしても額が少な過ぎる、何とかこれらを勘案して恩給増額しなければいかぬと、こういう強い決意を持っておることは、私はしばしば申し上げておるのでございまして、いま御要望のとおり、審議室で、これを一番大きな題目として審議に入りたいと思いますから、その点御了承願いたいと思います。
  18. 下村定

    下村定君 いま御答弁のとおり、この上とも積極的にこの点について御尽力をお願いいたしたいと存じます。  次は、先ほど読み上げました附帯決議、昨年の附帯決議の中にいろいろな項目がございますが、この進度がどうなっておりますか。これは恩給局長にお伺いしたい。
  19. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) ただいまお尋ねの点でございますが、附帯決議の中にいろいろと掲げられております事項のうち、沖縄に関する戦地加算の問題、それから元満州開拓指導員等恩給法適用、さらに昭和二十年十月四日付占領軍命令による一斉罷免者の救済、それから傷病年金における家族加給の問題、これは妻の加給といたしておりますが、そういう形におきまして、今回御審議いただいております改正法案の中で措置をいたしておるわけでございます。その他の事項につきましては、今回の改正案までには結論を得ていないのでございますが、残された問題のうち、いろいろと緊急の問題等もございます。それらの問題につきましては、ただいま総務長官から申し上げましたように、今年度から恩給局専門調査審議をしたします審議室等を設けまして、現在鋭意調査検討中でございます。なかんずく、ただいまも問題とされました恩給年額増額の問題、あるいは加算年の問題、そういった問題につきましては、できるだけ早く結論を得て、できれば明年度でもこれの具体的な措置を進めるということにいたしたいということで現在やっておるわけでございます。
  20. 下村定

    下村定君 未解決の問題については大体わかりましたが、念のためにいま一つ伺いたい。抑留加算の制定、それから特例扶助料支給範囲の拡大、それから恩給受給者間における不均衡是正、引き下げられた旧軍人仮定俸給号俸是正、旧海軍特務士官仮定俸給基準是正傷病恩給における間差裁定基準是正、最後に先ほど伊藤議員から質問のありました外国政府及び外国特殊法人職員恩給最短年限を越える在職年並び抑留期間及び留用期間通算等、これらの問題が残っておるように思うのでありますが、それに対する御意見、ただし伊藤委員の御質問に対してお答えになったことはよろしゅうございますから、ほかの点についてお答え願いたいと思います。
  21. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) ただいまおあげになりました問題は先ほど申し上げましたとおり、今後の措置として残されているわけであります。従来からも申し上げたところでございますが、いろいろと困難な問題も含んでおるわけでございます。したがいまして、これらを具体的に直ちにどうするという結論は申し上げかねますけれども、さらに引き続き検討いたしております。今後もできるだけ早い機会に結論を得たいということでございます。
  22. 下村定

    下村定君 時間がありませんからこまかいことは申しませんが、従来毎年八月ごろに予算概算を各省庁から出されるときに、恩給問題はすでにもう前の年に法律にきまっていることだけが計上されまして今年度新たにこれをやろうという問題が残されておる。したがって、年末になりまして初めてそれが織り込まれて、非常に折衝に困難をするわけであります。これはぜひ早く案を立てられまして、少なくも八月ごろにはそれが具体的になって出るということは、私はきわめて緊要ではないか、それをひとつお伺いしたい。
  23. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 翌年度予算の編成につきましては、ただいま御指摘のように従来行なわれておるわけでございますが、これはもちろん理想と言いますか、原則としましては御指摘のように、概算要求の際に具体的な要求内容を明確にすべきであろうと存じます。従来はいろいろな事情によりましてその内容等の決定をすみやかに行なうことができない状況にございましたために、御指摘のようなことになっておるわけでございます。原則的な形をとるように私ども今後できるだけ努力をいたしたいと存じます。
  24. 下村定

    下村定君 ぜひそういうふうにやっていただきたいと思います。  それから総務長官にお伺いしますが、内閣恩給局に設けられました審議室とともに、昨年末から設けられております公務員年金制度連絡協議会、あれの現況を簡単に報告をお願いします。これで私の質問は最後です。
  25. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) 恩給局に設けました審議室恩給に関する事項調査を主としてやっております。いまお尋ねの協議会はおそらく公務員年金制度の連絡協議会と存じますが、これは御承知のとおり、恩給公務員の年金制度というものは一連の関係がございまして、裏から申しますれば、恩給を上げる場合にはやはり公務員年金問題も関連して考えていかなければならない。したがって、設けております公務員年金制度の連絡協議会は、退職または死亡いたしました公務員及びその遺族の処遇につきましてこれを律する年金制度が非常に多岐でございます。かつ、その責任官庁も区々になっております現状でございますから、この退職公務員の、特にいま恩給額のときにも申し上げましたとおり、現在の経済事情の変遷によりまして、当然年金支給額の改定ということは、これは各官庁におきまして共通の問題でございます。そこで、この責任官庁がこの際一そう緊密な連絡調整をはかる必要があるのでございます。いま申しましたような事項につきまして、公務員の年金制度連絡協議会を設置いたしまして、いま申し述べました趣旨に基づきまして調査をいたしている次第でございます。
  26. 下村定

    下村定君 いまの恩給局に設けられました審議室並びに公務員年金制度連絡協議会、これらは私どもが一昨年来要望いたしております恩給受給者に対する常時の調査という点から申しますと、はなはだ規模も小さく、まだ目的に沿うことはなはだ遠いように思う。その重要性にかんがみまして今後これを十二分に活用していただき、さらに最後の目標である常時調査ということが完全に行なわれますように御要望申し上げておきます。  質問はまだほかにもありますが、時間の関係上打ち切ります。
  27. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 簡単に。これは衆議院の大蔵委員会で問題になっている満州国の林産公社の問題でありますが、これは私衆議院の大蔵委員会の議事録を見まして、相当長い時間をかけて論議が行なわれているように思うんですが、結論だけについてお尋ねをしたいんですけれども、これは満州国恩給適用されている人たちであったわけですが、その人たちが再び農林省に復帰をして、その通算をどうするかという問題ですね。これは結論を見てみますというと、来年度予算編成までに結論を出す、こういう形になっているんですが、これはそういうことで来年の予算編成までに結論をお出しになるということで了解してよろしゅうございますか。
  28. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) ただいまおあげになりました元林産公社の問題でございますが、いわゆる特殊機関とするか、しないかという問題に帰結はなろうかと存じます。今回の法律が成立いたしますと、いわゆる外国政府、または外国特殊法人に準ずべき機関としまして、政令で定めることになっておりますが、その政令でどれを指定するかということの問題でございます。私ども従来までで予定いたしておりますのは、御承知満州国協和会でございますとか、開拓青年義勇隊の訓練機関の職員でございますとか、旧上海共同和界工部局の職員、こういったものを予定いたしているわけでございますが、さらにそのほかにどれどれをつけ加えるかという問題でございます。具体的には林産公社の問題が出ているのでございますけれども、この林産公社の性格あるいは業務内容等につきまして、従前におきまして、私ども必ずしも十分な調査を遂げておりません。なお、さらにこれに類した満州国における各種の機関がございます。全般的な考え方といたしまして、この種の特別機関というものを問題にいたしますときには、いろいろな角度から同種のものを相当検討してみないといけないことになるわけでございます。さらには、いわゆる内地における統制機関的なもの、これも当然問題になってこようかと思うのでございます。  それから、いわゆる国策会社的なもので、各種の特殊な法人その他の機関がございますが、一般的な考え方といたしましては、御承知のように、この恩給通算の問題は恩給制度の本体からいいますれば、これはきわめて特殊な例外措置でございます。したがいまして、この例外措置を無限大に拡張していくということはやはり問題であろうということで考えておるわけでございます。その辺の問題としましておあげになりました林産公社その他があるわけでございまして、私どもこれらの問題の研究をなおざりにする考えはございません。できるだけ早い機会に結論を得たいということでございまして、もちろん具体的な決定は政令の問題になろうと存じますので、これらにつきましては実行の上では予算の問題があるわけでございます。したがいまして、衆議院における大蔵委員会審議等におきましては、そういう意味で来年度予算との関連におきまして結論を出すようにいたしたい。これはなお共済組合との関係もございますので、大蔵省と共同でこの点は決定しなければならないと考えておるわけでございます。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この林産公社が問題になっておるわけですが、この林産公社の人たちというのが満州国政府恩給を受けておったということははっきりしておるわけでしょう。それがはっきりしておるということであれば、これは局長がどうこうというお話に至らないでも解決する問題じゃないですか。満州国政府恩給を受けていなかったというお話ですか。
  30. 増子正宏

    政府委員増子正宏君) 実はこの通算問題は、満州国から恩給を受けていたかいなかということを直接の要件といたしておりません。したがいまして、その機関の性格あるいは満州国政府との人事関係の実態、そういったものを私どもとしては十分検討して結論を出さなければならないと思っているだけでございます。なお、私ども承知しておるところでは、満州国政府恩給を受けていたということにつきましては、実は満州国恩給はいわゆる年金ではなくて一時金だけであったというふうに承知いたしております。
  31. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは時間の問題もありますから、私のほうからも一つ要望いたしまして終わりたいと思います。
  32. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 恩給についてもいろいろ問題がありますけれども、時間の関係で、次に共済二法について質疑いたしたいと思います。  まずお伺いしたいのは、昭和三十四年の新法が成立いたしました際に、当内閣委員会ではこういう附帯決議がなされたわけです。「本共済組合の管理機構の運営……を適正にし、」「国家公務員共済組合連合会評議員会の運営については、……必要な配意を加えること。」、こういう附帯決議がなされたわけです。その後この共済組合の連合会においては執行機関及び諮問機関についての民主化のための配慮は何らなされていないわけなんです。せっかくかような附帯決議がなされておるのに、一体附帯決議は尊重しておるのか、どうなのか。尊重しておるという前提に立てばこのようなことは早急に実現されてしかるべきだ。いまだにこれが実現を見ていない、こういうことについてひとつ大蔵省から……。
  33. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) ただいまの附帯決議趣旨につきましては、連合会の運営等にあたりましてできるだけ尊重するような配慮のもとにまいったつもりでございます。たとえば本年最も大きな問題になっております財源率の再検討にあたりましては、財源率再検討委員会というようなものを設けることにいたしておりますが、この構成にあたりましても、労働組合の中からも参加を求めるというようなやり方をいたしておりまして、重大事項をきめるにあたりましては、十分組合員の意見を尊重するようにいたしたいと考えておるわけであります。また、連合会の組織の運営にあたりまして最も大きな仕事であります各年度の事業計画の策定にあたりましても、あらかじめ試案を各省の運営審議会に付議いたしまして、それぞれ労働組合等の御意見もその場で十分拝聴するというようなやり方をいたしておりますし、また、評議員会等につきましても傍聴してその成果を確認していただくというような措置をとっておるわけでございます。まあ今後ともさらに不徹底等の点がございますれば、さらに民主化について努力をいたしたいと考えておるわけでございます。     —————————————
  34. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 質疑の途中でございますが、ただいま委員異動がございましたので御報告いたします。  千葉千代世君が委員辞任され、その補欠として山本伊三郎君が選任されました。     —————————————
  35. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いま給与課長から答弁ございましたけれども、これは全然当たっていないと思うのです。この附帯決議がなされたのは昭和三十四年です。現在は三十九年で五カ年間の猶予期間があったわけです。にもかかわらず、五カ年間も空費されておって、この間に附帯決議趣旨は何ら実現せられていない。もし当局にこれを実施しよう、附帯決議を尊重してその趣旨に沿うよう努力する誠意があるならば、一片の誠意があるならば簡単に実現できる問題なんです。別にたいした予算を伴うことでもなく、誠意がこれを解決する、そういう問題だ。にもかかわらず、五カ年を経過して、いまだに実現せられていないじゃないですか。ということは、附帯決議を無視したというそしりは免れないと思う、この点どうですか。
  36. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 附帯決議の文言等から拝見いたしまして、私どもはその運営の民主的な確保をはかるという趣旨に理解いたしておるわけでございまして、法律上の制度として改定をするという考え方は、基本的には現在の公務員共済組合の性格から見て改める必要はないのではないか、ないというふうに見ておるわけでございます。そこで、運営問題でございますが、先ほど来御答弁申し上げておりますように、重要な問題についてはできるだけ事前に組合員の諸君にも申し上げ、かつまた、できるだけ自主的に御参加をいただくという形をとっておるわけでありまして、ただ法律上の制度として、たとえば各省代表の評議員が共済組合の担当課長をもって充てられておるとかあるいは理事が各省の担当課長の中から選任されてなっておられる方がある、こういう形は現在の制度としてはやむを得ないのではないかというふうに考えておるわけであります。
  37. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 執行機関である理事及び監事ですね、これについては地方職員共済組合、あるいは公立学校共済組合ではすでに労働組合の代表またはその推薦者を入れてきわめて民主的な運営がなされておる。したがって、ここで労働代表を非常勤の理事に任命することによって問題を解決する、そのためには法改正が必要である、そういうことになろうと思う。だからいま給与課長答弁されたように、現行法そのままではこれは解決しないと思う。だから附帯決議趣旨を尊重するなら、その趣旨に沿うよう、いわゆる必要な法改正が行なわれてしかるべきだと思う。そこでお伺いするのは、当局に法改正をして附帯決議趣旨に沿うよう努力しようとする誠意があるのかないのか、このことをお伺いしておるわけです。
  38. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 共済制度全般を通じまして、先生御指摘のようにいろいろなやり方があるわけでございますが、現在の国家公務員共済組合法考え方は、これがある程度恩給法を引き継いだというような傾向がございまして、公務員制度としての一面を残しておるわけでございます。したがいまして、その執行機関である共済組合連合会の各省担当理事というものを一応それぞれ加入組合の事務を行なう組合員の中から選任するというたてまえをとっておるわけでございまして、その場合に、先生のおっしゃるように、非常勤の形でそういった職員代表の理事を参加させるのがいいのか、あるいは現実の運営の面において自主的にいろいろな意見を拝聴するという形がいいのか、いろいろ考え方の差もあろうかと思いますが、私たちといたしましては、現在のやり方でも必ずしも不当とは考えておりませんけれども、先生の御趣旨もございますので、今後の検討問題として検討いたしてみたいと思います。
  39. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの給与課長答弁ですけれども、連合会の運営につきまして、単位共済の代表というようなことで、担当課長である厚生課長が出るわけですね、一人出るわけです。まあ従来厚生課長が単位共済についていろいろ詳しい、したがって、彼が単位共済を代表して連合会に出て評議員になる、ということについてはそう無理のない点もあったと思うのです。しかしながら、だんだん共済組合の運営が重要視されるようになりまして、また、意見の対立も出るようになって、とても今日共済組合の、単位共済の代表として厚生課長を認めることができないようなそうした空気が強くなっているわけです。そうしますと、単位共済の代表ということで厚生課長が出るということは一考を要する、検討を要するという状態になっていると私ども思っているわけなんです。そういう意味で、これはいまの答弁ですけれども、これは根本的に再検討の価値を持っている。従来は、いまのようなお話でもいいですけれども、これは意思決定、意思形成に参加したいという、そういう強い意向が出てきているわけです。どうしてもいまの状態では厚生課長が代表であると認めるわけにはいかない、こういう空気ですよ。再検討の余地あり、したがって、すみやかにこれは法の検討を要すると私は思っております。
  40. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 確かに、最近におきましては、共済組合の運営問題というのは、職員としても非常に重要な関心事となってまいりました。その限りにおいて、各省代表の評議員の使命というものはますます重くかつ重大になってきたということは私どもも認めているのでございます。ただ、御承知のように、まあ評議員というのは、各省を代表いたしまして議決権を行使する立場になるわけでございまして、その立場におきまして、まあ一つのお考え方としては、あるいは組合員代表という形で入ってもいいではないかという御意見もあろうかと思いますが、まあ私どもとしては、各省の共済組合の運営の衝に当たる責任者として、やはり担当課長というものが本来的に評議員としてふさわしいのではないか、こういう考え方を持っています。したがいまして、先生の御意見は、まあ評議員会の考え方を、各省一票ごと行使するという形ではなくて、違った形で考えるという問題でございますれば、あるいはそういう問題として検討してみる必要は十分にあると思います。
  41. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 その点、私は少しばかり論議をしてみたいという気持ちがあるのですけれども、時間がないのですけれども、大蔵大臣どうですか、これは根本的に考えなければならぬ時期にきていると思うのですがね。だから、せっかく相互扶助で共済組合という法人機関ができているのだが——政府機関ではない、これは法人です。単位共済から連合会の運営について非常に問題があるわけです。だから今日、単位共済の代表として厚生課長を認める、そういう状態にはいかなくなっている。いまお話のように、形式的に何か事務を担当しているということでは、共済組合員が意思形成に対して非常に疑問を持っている。これではにっちもさっちもいかなくなると思うのです。ですから、私は共済組合の連合会の運営について法的にやはり検討する必要がある、こう思っておるわけなんです。
  42. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 共済組合及び連合会の運営の民主化ということで、われわれはいまの法制のもとでも十分組合員の意思を反映できる、こういう考え方で現行法のもとで運営をいたしておるわけでありますが、御指摘のように、新しい事態——組合員自体が意思決定に参加をしたいという現状もわかりますし、また、これを取り入れる場合には、これは法制上どうしなければならぬかという新しい観点に立った検討点であります。外国の制度も検討しなければなりませんし、また、これをやる場合に、連合会でありますが、連合会に一人出ないで複数でもって出るのか。そうではなく、法制上審議機関をつくってその委員として出て、意思決定機関は現在のままであっても、意思を決定する場合には審議会の議を経るということにして、その審議会の中に組合員を入れるのか。まあ考え方はいろいろあると思いますから、新しいテーマとして勉強いたします。
  43. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私がお伺いしているのは、先ほどもお尋ねしたように、地方職員共済組合や、あるいはまた、公立学校の共済組合、これはもういち早くこの附帯決議趣旨を尊重して、当初から民主的な役員構成で出発して運営を進めておるわけです。ところが、この地方職員、あるいは公立学校の共済組合でできることがなぜ国公の共済でできないのか。しかも附帯決議は五年前になされている。ずいぶん検討々々でやってきたでありましょうけれども、五年の間にまだ成果がないということは、誠意がないと見ざるを得ないわけです。ひとつこの場でどうということじゃありませんけれども、やはり早急に再検討して、ひとつこの附帯決議趣旨に沿うよう具体的に善処してしかるべきだと思うのですが、この点いかがですか。
  44. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) いま鶴園さんに申し上げたとおり、共済組合法のたてまえとして、現行の制度のままでいいという考え方で今日まできたわけであります。また、実際の機構運営の中において、国会の附帯決議が十分生かされるというような方法を講ずればいいという考えできました。きましたが、いま御指摘もございましたように、まあ新しい事態——組合員自体が議決に参加するとか、もっと発言の機会を必要とするというような新しいテーマが出ましたから、そういうことになれば、外国の例とか、外国の例でなくても、日本の実態に合うことを実現するにはどうするかという新しいテーマに対しては検討いたしますということでございます。もちろん五年間何にもやっていないということではございません。現行の制度のままで、法制上こういうことになっておりますので、この中で、国会の附帯決議、すなわち民主的な運営ということの実をどうしてあげるかということで努力はしたわけでありますから、そういう意味で御理解をいただきたいと思います。
  45. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いままでお伺いしたのは、理事とか、監事の執行機関についてお伺いしたわけです。さらにお伺いしたいのは、諮問機関である評議員会の構成についても同様な考え方を私どもは基本的に持っておるわけです。これも当然附帯決議趣旨に沿うよう法改正によって早急に改めるべきであろう、そういうふうに考えるわけです。この連合会の評議員会は大体議決機関であるべきはずだと思うのです、本来は。ところが、現在の共済組合の組織論から一歩譲ってこれを諮問機関としても、その構成については、いわゆる各省担当課長を現在は評議員として任命しておるわけです。そこで、これを民主的に改めようとするならば、法改正によってひとつ労働者側の代表も一名入れる、そういうことにならざるを得ないわけです。この点の誠意はあるのか、ないのかということをお伺いしたいわけなんです。
  46. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 御承知のいまの国家公務員共済組合法の第三十五条の二項「評議員会は、連合会加入組合を代表する組合員である評議員各一人をもって組織する。」、こう規定してあるわけでございます。まあ二名にしたほうがいいと、二名にすれば一名は管理職、一名は組合員ということを御指摘になっているのだと思いますが、その場合、議決方法を一体どうするのかという問題が必然的に出てまいります。また、全然別の角度で、左に列挙する各事項に対しては評議員会の議を経なければならないというような法制になりますか、こういう問題はいろいろやり方があるわけでありますから、先ほどから申し上げておりますように、いままでのこの現行法だけでいいということよりも、新しい角度から実情に沿い、より民主的にという方向で当然検討するということに対しては、私のほうでも異議はありませんということを先ほどから申し上げておるわけであります。
  47. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) ただいま大臣から御答弁申し上げましたとおりでございますが、ちょっと補足さしていただきますと、まあ評議員の立場というのは、一応各省を代表いたしまして連合会の評議員会において意見を申し述べるという立場をとっておりますので、各省を代表する立場が二つに分かれるということはなかなか問題もあるだろうと思います。したがいまして、組合員の意見を取り入れるといたしましても、そういう形で各省代表評議員という形で繰り入れたほうがいいのかどうか、このところはかなり議論もあるところでございますので、今後そういうところを十分検討してみたいと思っております。
  48. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま伊藤委員が私学共済あるいは地方公務員共済についての話を出しましたが、三公社、五現業の共済組合については、御承知のように連合体がないわけですね。ところが、国家公務員の非現業共済組合には連合会があるわけです。その連合会の運営が非常にいま問題になっておる。ですから三公社、五現業の共済組合の問題もお考えになっていただきたい。地方公務員共済の問題もあるし、私学共済の問題もある。抜けておるのは非現業の国家公務員共済が問題になっている。そういうふうにひとつ念を押しておきます。
  49. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) まあ三公社、五現業の場合でございますが、これは御承知のように、それぞれ単一の省なり公社なりが共済組合をつくっている場合でございまして、その場合と匹敵いたしますのは各省単位の共済組合というふうに私ども考えておるわけでございます。連合会の組織体である各省単位の共済組合につきましては、御承知のように、運営審議会という制度を設けております。まあ三公社の共済組合なりあるいは現業の郵政あるいは印刷、専売、林野等の共済組合におきましても、やはり運営審議会という形で現在組合員の御意見を拝聴するという形にいたしております。そこに連合体となります場合に若干の組織の変化がある、こういうふうに理解しております。もちろんその構成等につきましては先ほど来御意見等ございましたとおり、今後どういう形でやったほうがいいか、これはさらに検討してみたいと考えております。
  50. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それでは時間がありませんから、あと付加給付について一点だけお伺いして私の質問終わりますが、今般の新潟地震によって多大の損害を受けたわけです。そこでお伺いしたいのは、新潟地方の共済組合員の適用者に対しては共済組合法による災害見舞金として、この問題については直ちに付加給付によって措置することがきわめて緊急な問題であろうかと思うのですが、そのお考えはどうか。
  51. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 御承知のように、大災害が発生いたしました場合におきましては、災害の付加給付という制度によりましてできるだけ共済組合としての給付を行なうことにいたしておるわけでございます。今回の新潟地震につきましてもさっそく私どものほうから各省に照会をいたしておりまして、その被害の程度等判明いたしまして、過去の事例とバランスをとって措置すべきであるということになりますれば、当然各省の共通の通達を出しまして、それぞれ各省において定款を改正し、それによって措置いたすということにいたしたいと思っております。
  52. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 なお、この災害見舞金については、どうも従来、現在のようではなかなか金額も少ないのであまり役にも立たぬということから、これはひとつ十分検討していただいて、引き上げようとするお考えがないかどうか。国家公務員について、あるいは三公社はそれぞれどういうふうに考えておられるのか。この点を明らかにしていただきたい。
  53. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) まあ見舞金という制度は完全な損害の補てんではございませんので、まあどの程度にしたらいいかということについてはかなり意見も分かれるところでございます。ただ現実の問題といたしましては、給与に対する何カ月分というような形でやりますと、自主的にはベースアップがございますれば金額等もふえてまいるわけでございますが、この制度自体の運用問題について過去において若干スムーズにいかなかった面もございますので、一昨年来、実は共済組合制度審議会に諮問いたしてございます。ところが、なかなかまとまった案ができませんので、現在のところはいまの制度でやむを得ない。将来に向かってはさらにこれを改正する必要があるということを私ども認めておりまして、先生の御指摘も含めまして、今後制度改正について検討いたしてみたいと考えております。
  54. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは特に農林省の問題なんですが、これは衆議院の大蔵委員会で論議になった問題でありますが、長々やる時間ございませんから、簡単に要点をお尋ねをして結論を求めたいと思っております。これは衆議院でだいぶ論議になりましたから大蔵省の方も御存じでしょうし、関係者も御存じだろうと思いますから、ですから簡単にやりますけれども、昭和二十八年の十月に農林省の厚生課長の名前で通達みたいなのが出ているのですね。それによるというと、月に二十二日以上勤務した月が六カ月以上ある者、これは組合員にしていいという大蔵省の方針が示されたが、しかしながら、農林省は常勤職員に限る、大蔵省のこの通達は出たけれども、それは認めない、そういうふうにはやらない。認めないのじゃなくて、通達は出たけれども、そういうふうにやらないという通知をこの昭和二十八年に出しておるわけですね。これは大蔵省の主計局から出たこの通達というのを見ますと、一括全部だめだというような言い方をしてないのですね。「妥当でないと認められるものは、組合員にしないことができる。」という言い方なんですよ。ところが、一括全部だめだということで全部切り捨てちゃったのですね。そういうような措置をしたのが、いまになってはっきりしていることは、どうも農林省が中心のようであって、そのほかの省ではそうではないようだ。さらに続いて同じ二十八年に、大蔵省がもう一つ通達を出している。これはいま農林省が切り捨てたようなそういう常勤的非常勤というものはこれは常勤職員給与に切りかえるのだ、組みかえるということが出ているわけですね。ところが、そのときも農林省としては組みかえなかったようですね。若干のものは、ごく限られた少数のものは組みかえたようですけれども、このときもどうも農林省は大蔵省の通達に対して常勤給与に切りかえなかったのですね。ですから非常勤として残るということになったわけですね。さらにこの昭和三十一年の五月に人事院総裁の判定が出ていますね、常勤的非常勤職員について。この人事院総裁の三十一年の判定は明らかにこれは常勤的非常勤というのはこれは常勤職員に該当しているという判定が出ている。しかしながら、依然として、それらについての措置が行なわれない。昭和三十三年に政令で三百三十一号が出ておる。これも常勤的非常勤として一年以上勤め引き続いて勤務を予定している者は組合員とするということになっているのですけれども、この際にもどうも措置が行なわれなかった。今日、約八千名の人たちが残っておる。組合員にならないで残ってしまっておる。こういうことですね。私はこの詳細について一つ一つについて農林省当局見解を確かめたいという気持ちも強いのでありますけれども、時間の関係から伺いませんが、しかし、この四回にわたるこういう処置というのはよかったのか悪かったのかという点については、言うまでもなく、農林省としてはいま実態調査に入るということなんですね。農林省としてはこれはどうなさるおつもりでおられるのか。調査をされておるのだから、すみやかに大蔵省と折衝をして善処をしたいということだろうと思うのですけれども、それをひとつお尋ねしたいと思うのです。
  55. 岡田覚夫

    説明員岡田覚夫君) ただいま御質問がありましたような経過が確かにあったと思うのであります。その点につきまして、だいぶ前の事情でもございますので、その当時の事情につきまして、現在調査をいたしておるわけですが、ただ、常勤職員を組合員としますといった場合には、どうもいまのところでは、すべていわゆる予算的に割り当てをして、それで常勤職員だけを入れたという——組合員にしたというだけではなくして、当時各地方から実態を集めまして、これだけを組合員にするというふうなことで組合員にしたというふうにどうも考えられるわけです。そういう点では抜けたところがないように思うのですけれども、しかし、実態的には相当抜けているものがあるということでありますので、一体どういう事情によってそういう抜けができたのか、その点につきまして、今度、ひとつ十分調査をしてみたいというふうに考えております。調査の結果によりまして、いろいろ常勤的職員であったとします場合には、なぜ、組合員にならなかったかという理由が、一つ一つ明らかになってまいると思うのです。そういう点で、調査を十分にやりまして、その結果によりまして、ひとつ十分検討して、大蔵省とも協議したいというふうに考えております。
  56. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは衆議院でも論議されておりますから、ある意味では事態は明らかになっておりますけれども、八千名前後の者が残っておるということは、これはどこか手違いがあったという簡単な問題ではないのじゃないかと思うのです。若干のものは非常に少ないものでありますけれども、非常に少ないものは組合員にしたようですね、これは明らかになっております。しかし、八千何名というのは組合員にならなかった。しかも、私は、いま簡単に申し上げましたが、二十八年の大蔵省の通達、これに対して農林省としてはそういうものはやらない。大蔵省はやれというのだけれども、農林省はやらない。しかも、一括やらぬといっている。また、二十九年に大蔵省は通達を出しているのだけれども、それに対してもそういう処置をしない。しなかったから三十三年の政令がまた出てもそれでも処理できない、しない。そして三十五年、六年に、その人たちが定員化される、こうなったわけです。ですから私は大蔵省には責任がないので、大蔵省から見れば、農林省が間違えた。それは農林省が言うほどの、意見じゃないかと私は思うのです。大蔵省から言わせれば、念を入れているのです、大蔵省は。ですから私はこれはやはり農林省が責任を感じなければならない問題だと私は思っているのです。ですから何か、いまのお話ですと、ちょびっとこぼれたような話に受け取れる。そうじゃない、八千名くらいですよ。たいへんな数字ですよ。ですから私は、農林省としては調査をして、それがまとまったら大蔵省と折衝をするということのようですが、気持ちはどうなんですか。
  57. 岡田覚夫

    説明員岡田覚夫君) 実は、いまお話の点ですと、つまり大蔵省の通達が出たけれども、全部組合員にしなかった、こういうふうなお考えのようですけれども、実態の話を聞いてみますと、たとえば月二十日の勤務で契約しておった、ところが、そうでない人が相当、まあ二十二日をこえるような勤務が実態上あった、そういうふうな例もございまして、その辺の適用関係の問題もあったのじゃなかろうかという気もするわけです。先ほど申し上げましたように、一応まあ常勤的職員というものは初めから割り当てをしてやったのじゃなくて、常勤的勤務の形態にある者は一応組合員にするというたてまえにしております。それ以外の者は、当時の組合の財政等の関係もありまして制限したような趣旨もあるようでございますけれども、しかし、それが全部が全部その常勤的職員であった者を初めからしなかったという趣旨ではどうもないように私たちは考えております。そういう意味でその適用の間違いがあったのか、それとも実態上そういう実態があったのだけれども適用しなかったのか、その辺が実はあまりつまびらかでないものでございますから、そういう点をひとつ明らかにしまして、われわれとしまして前向きの姿勢で何とか考えていきたいというふうには考えておるわけでございます。
  58. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうなってくると、少しものを言わなければならなくなるのですが、厚生課長はこの通達を見ているのですか、農林省の通達を。はっきりしているのじゃないですか、「農林省共済組合としては、」「常勤労務者に限り、」としてあるのです。「常勤労務者に限り、」ということになれば、常勤的非常勤という者は全部省かれます。これは困りますよ、そういう通達をはっきりしているのだから、しかもそれがどういう勤務状態であったかということは三十一年に人事院総裁の判定が出ておるわけですね、これは六つの食糧事務所について個人調査をやっているわけです。全部その判定もはっきり出ているのです。明らかに常勤職員だと出ている。ですからこれはやはりこのときの二十八年の処理が間違ってやったと言うとなんですが、そこに問題があるのですね。だから、私はこれははなはだ遺憾だ、すみやかに処理したいというそういうお気持ちを聞きたいと思っておるわけなんですよ。それが大事だと私は思います。
  59. 岡田覚夫

    説明員岡田覚夫君) その点は現在調査をいたしておりますから、その調査の結果をもちまして十分検討しまして、前向きの姿勢で処理をしたいというふうに考えております。
  60. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大蔵省にちょっとお尋ねしますが、これは共済組合法の二条、職員の定義がありますね、それから三十七条に組合員になる資格が書いてありますが、この二条、三十七条の立場から言いますと、これは法律改正しないで、認定でできるのではないかと私は思うわけなんですが、農林省はどう思っていますか、ひとつ大蔵省の見解と両方聞きたいと思います。
  61. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 先生御質問趣旨が、現在の時点において、まあ、ある職員を共済組合員として認定することができるかどうか、こういう問題は法律改正の問題ではございませんので、現行法の解釈問題として可能でございます。ただ、過去期間の取り扱い、つまり定員化される以前の取り扱い等につきまして何らかの形で救済するというような必要がございますれば、そういう問題については法律改正の問題が起こってくる、こういうことになろうかと思っております。
  62. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは、時間がないものですから、がみがみかみつくわけにもいかぬし、困っておるわけです。ですが、これは私は当時の農林省のやはり一つの失敗だと思うのです。農林省だけに集中しておるわけです、これが。ですからこの点については農林省はやはり責任を持って解決するんだという、そういう答弁を私は聞きたいわけなんです。
  63. 岡田覚夫

    説明員岡田覚夫君) お話のように、農林省に集中していることは確かでございますので、そういう点はいろいろ問題があると思います。そういう意味で農林省といたしましてもできるだけ解決するように善処したいというふうに考えています。
  64. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大体ぼくの分担は寒冷地なんですが、共済関係で一つ二つほど聞いておきたいと思うのです。これはもうすでに聞かれたと思いますが、私、納得しない点があるから直接聞かなければいけない、大蔵省に伺います。  国家公務員共済組合の運営機構が地方公務員共済組合の機構と別の構成をとっているのですが、地方公務員のような理事が、組合でなしに、一般の何といいますか職員から選んだ理事を置くという、こういう措置が何でとれないのですか。
  65. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 先生に私どもから申し上げることもいささかどうかと存じますけれども、国家公務員共済組合法の制定後におきまして地方公務員共済組合法はつくられたわけでございます。また、その制定の経緯も実は地方職員等の場合におきましては地方共済組合法等がございまして、それを受け入れたというような形になっておるわけでございます。したがいまして、もともと制度的に違った形で従来から並存いたしておったという形でございます。その場合に、国家公務員共済組合法の組織なり運営を向こうに合わせるのが妥当かどうかという点につきましてはいろいろ議論があるところでございまして、現在のたとえば三公社の運営審議会なり、あるいは四現業の運営審議会等という方式で組合員の意向を聞くこと自体も必ずしも不当とも考えられない。こういった点は考えておりますが、ただ先ほど来御指摘がございましたように、今後さらに組合員の意向を反映するように検討すべきであるという御意見でございますので、今後の検討の問題として考えていきたいと思っております。
  66. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 先ほどそういう言質があったということであればけっこうですが、それではたまたま大蔵大臣見えておりますから、大蔵がそういう御答弁になったかどうかもう一回ひとつ。
  67. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 同じ御質問がお二人からございまして、明確にお答え申し上げました。新しいテーマを提供されたわけでございますから、私たちは現行制度でも十分だと現在までは思ってまいりましたが、組合員の意思をいまより以上に出すためには機構上、法制上どうすればいいかという問題に対しては勉強しますと、そういうように答えております。
  68. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それではそれは了解します。  たくさん質問はあるのですが、時間の関係で省略をして、これも質問があったかどうか知りませんが、念のために聞いておきますが、公企体職員等共済組合の場合のベースアップの問題ですね。もうこれは時間がないから説明せぬでも給与課長わかっていると思いますが、相当期間ストップされておるのですね。これに対して大蔵当局はどう考えていますか。
  69. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 現在公務員年金制度連絡協議会というものが設けられまして、その場において恩給、共済を通じて既裁定年金のベースアップ問題を鋭意研究中でございます。その過程においておのずからその問題も解決していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  70. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 簡単な答弁ですが、段階を追うと、昭和三十一年六月から停止された者と昭和三十三年十二月から停止された者とがあるのですね。そうすると、早い者が三十一年というともうすでに九年も経過しておるのですが、これはこれから検討してどうこうということじゃなくして、恩給法の場合は毎年この改正が出ておるのだから、今度の臨時国会とは言わないまでも、通常国会ではやはりこの問題も同様に考えてもらいたいというのが私の強い意思ですが、この点どうですか。
  71. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 基本的には物価ないし国民所得水準の向上に伴いまして既裁定年金の引き上げを行なうべきであるという考え方は社会保険一般を通じて変わらないところであります。ただ具体的には、三十一年と三十四年との間のタイム・ラグの問題だけだと考えていいのか、そうでなくして、やはり新しい保険整理に基づく社会保険の体系として国家公務員を中心に三公社、地方公共団体等も全部含まれておるわけでありまして、これらについての制度問題としての検討は必ずしも従来完了いたしておらなかったわけであります。そのために、結果的に見れば、三十一年から三十四年に至る間の方々が非常に不利を招いておることは先生御指摘のとおりでありますが、まあ遺憾ながらそういった制度的な検討が従来完了しておらなかったために措置できなかった。これを制度的に解決する過程において、同時にこの問題もできるだけすみやかに解決いたしたい、かように考えております。
  72. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 制度的な問題をここで論議すると相当問題をぼくらも持っておりますが、大体、社会保険というと一般の厚生年金あるいは船員年金なんかをさされておると思うのです。あるいは国民年金も入りますが、しかし、公務員の共済組合のみならず、共済グループの年金制度は、国家公務員共済組合法第一条あるいは地方公務員共済組合法第一条、おのおのそういう目的の中に、いわゆる人事管理面が相当含まれておるのですよ。私は、時間がないから詳しく言いませんが、したがって私は、なるほど社会保険のいわゆる保険数理によるところの保険料から考えるとそれはまた無理があります。しかし、人事管理という面があれば、その点は恩給の場合と同じような考え方政府措置すべきであると私は思っておるのです。そういうものを兼ねて早急に措置すると言われたのですが、どうですか、大蔵大臣も次の国会くらいにはあなたの英断で何とかこれは実現するように努力できませんか。
  73. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 慎重かつすみやかに結論を得たいと思います。
  74. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大臣はそれ以上言えないと思うのですが、問題は事務当局の理解ですがね。ぼくは制度としての論議はきょうは長くなりますからやりませんが、制度の上からいっても私はやるべきだという結論を持っておるのです。いま検討されておるというのですが、どういう点を検討されておるのですか。
  75. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 共済組合の場合におきましては、既裁定年金をどの程度まで、かつまた、かりに制度として確立するとすれば何に比例して上げていくかという問題があるわけでございます。そういったポイントについてまず検討する必要があります。  それからもう一つ、財源をどう負担するかという問題があるわけでございます。これは他の社会保険の例等も見ならって、かつはまた、国家公務員共済組合としての特色も考えながら検討していかなければならない。実はそこら辺のところがまだ現在のところ、検討未了のところが多いわけでありまして、現在のところ、諸外国の制度等も考えながら、かつはまた、恩給制度とのバランス等も考えながら検討しておるところでございます。
  76. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 前段に言われた何を標準にこれをベースアップするかという問題は、おのおの適用期間ごとに、いわゆる恩給法に準ずるものであれば恩給法、旧法に準ずるものであれば旧法という基準でやっていけば、私は一応の基準は出るのじゃないかと思うのですよ。これはもう全部一番有利な国家公務員共済組合の率でやれということになればこれはまた問題がありましょうが、しかし私は、やり方についてはそう問題はないと思います。たとえば後段に言われた財源措置、これは一応共済組合は平準保険料方式だからその財源はいまの組合掛け金に入っていないのだから、当然持つなら国が持たなければならない、一応たてまえは。しばらくは政府、国で出さなくてもいいです、掛け金は十分余っているのだから。これはもう財源的な問題はないです。あるいは二十年、三十年後に問題になるけれども、一応出すというたてまえをとれば財政措置も私は考えるべきである、そういうことを言ったが、一体どのくらい金が要るという計算をしておりますか。
  77. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 実は先生の御意見でどの程度まで引き上げるべきかという問題については、恩給に右へならえすべきであるという御意見でございますが、実は恩給自体についてどのような措置をとるかということも、先ほど総務長官あるいは恩給局長から御答弁ございましたように、まだ検討の段階でございまして、どの程度になるかということも、またいつ実現されるかということも、まだ未確定の状況でございます。われわれもちろん恩給のみに依存しているわけではございませんけれども、やはり一つの基準として両者並行していくべきだという考え方からすればそういう考えもごもっともであろうと思いますが、具体的な数字等については、いまのところ明らかに申し上げる段階ではないと思います。ただ、いずれにいたしましても、かりにその財源を、もし先生のおっしゃるように、国庫で負担すべきであるということになりますれば、これは整理資源としての負担ということになろうかと思いますが、そういった場合におきましては、当面直ちに国の財源によってやらなければならないということになろうかと思います。ただこれは厚生年金の今回の改正等にあたりまして既裁定年金の引き上げを若干行なっておりますが、その財源等についてはまあいろいろ議論がございます。必ずしも使用者なりあるいは国が持つという形にもなってないようでもございまして、そういった点も一方ではやはり考えなければならないこともある。もちろんそれがそのまま公務員適用されてしかるべきであるかどうかは私どももかなり議論はございますけれども、そういった面を一方では考えなければならない、まあこういった点を総合勘案しながら、公務員制度としての面をも総合しながら答えを出していきたい、こう思います。
  78. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 恩給についての基準率についていろいろ問題があったようです。私聞いてなかったのですが、これはそれで私考えていってもいいと思うんですよ。しかし、残されたものがどの基準によるべきかということをさぐるために待たすという理由は私はないと思う。したがって、私は最低であるかどうか知らぬけれども、従来の恩給法がその基準になっておれば、恩給法によって一応やって、恩給法改正になればそれによってまた改正もできるのだから、おくれたやつをそのつらを合わせるためには最大の努力をしてもらいたい、こういうことなんです。いま聞きますと、まだそれに対する所要費用は計算してないと言われますが、そういうことでは私は誠意がないと思うんです。やろうという意欲があれば、それを第一考えなくちゃ私はいかないと思う。ただこの委員会の何か逃げると言うとおかしいけれども、その場限りのことで置かれては困る。もうすでに、財源は幾ら要るんだ、したがってどうするんだということは、そういうところから出てこなくちゃいかぬと思う。その点でどうですか。
  79. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 先生御指摘趣旨は、まあ三公社の職員について、三十一年の七月から三十三年の十二月あるいは三十四年の十月に至るまでの間の退職者について何らかの措置をとるべきだという御意見でありますとすれば、その場合おそらく二万ベースに引き上げるべきだということになろうかと思います。ただ私どもとして従来から議論いたしておりましたのは、一番大きな問題は、やはり財源をだれが負担するかという問題でございまして、先生御指摘のように、国庫で負担すべきであるということが言い切れるのなら、きわめて問題は簡単でありましょう。しかしながら、まあ現在の制度で、社会保険の中で、直ちにおっしゃる構想によって、そういう制度を当然とれるかどうか、この辺のところに議論がかなりまだ残っているわけであります。これらの点を最も大きな問題としてただいま検討いたしておるわけでございます。
  80. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大蔵大臣よく聞いておいてくださいね。実際改定された後の整理資源は国が持たなければ、持つところはないですよ。各国の例を見ても、社会保険であれば使用者が出しているところもありますよ。国が持つという前提で私はこれを計算しない限り、それを今後の掛け金にかけるということはできないですよ。だからその財源をどこで持つかということを検討するといったら的違いです。あれは国が持たなくちゃならぬ、厚生年金の場合はどう考えられているか知りませんけれども、これは現在の被保険者なりあるいは事業主に持たすということは、これは制度上は私はできないと見ているのですが、どうなんですか、それは。そういうことも考えているのですか。
  81. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 私どもがどうすべきかということを考えているわけではございませんが、厚生年金の今回の改正の例を見ますと、必ずしも明確に出ているわけではございませんけれども、そういった既裁定年金の整理資源、これらについては実は将来に向かっての財源率の中で処理していくような話も伺っております。したがいまして、そういうようなところは、まあ公務員とは違うということは言い切れるかどうか、このようなところも今後の検討問題として考えざるを得ないということでございます。
  82. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 厚生年金のお話し出ましたが、論議をすると長くなるから、私はこの点は避けるけれども、将来に向かってそういう整理資源が含められているということは、私計算上聞いておらないのです。将来に向かってその整理資源を——過去の整理資源ですよ、今後増額されるやつはいいですよ、過去の整理資源までを今後組合に負担さすのだという、そういう財源率の計算になっておりますか。
  83. 平井廸郎

    政府委員平井廸郎君) 厚生年金の既裁定年金の引き上げに伴う原資については、法律上特別の措置をとっておりません。と申しますことは、裏返して申しますならば、将来に向かって国で財源を負担してやる、私ども厚生年金の専門家でございませんので、あるいは解釈を誤っているかもしれませんが、私ども伺っている範囲においては、今回の既裁定年金の引き上げについては、特別の財源措置ということは法律考えられていないようでございます。
  84. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 厚生省の人おりますか、重要な問題を大蔵省は定義したが、それは間違いないですね。
  85. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) その点についてだけ言えば、そのとおりでございます。
  86. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 保険局長、その点ということは、過去のいわゆる財源までも今後の財源率にそれをかけて、掛け金を算定しているのですか。
  87. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) 事実はそのとおりでございます。それがいまのところ、われわれと大蔵省との間の大きい争いでございます。
  88. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そうすると、結局厚生省は大蔵省のほうの主張で、いわゆる過去の整理資源に当たるものも今後の組合員に負担さすという方向で財源率を計算されたのですか。
  89. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) 今回の改正案と、それからこの前の改正ですね、これはそういう計算になっております。ただし、これについてはよく御存じのとおり、非常な反対があるわけであります。
  90. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 きょうはいいことを聞いたですね、これはぼくも実はそういうことは知らなかった。過去の財源率までも、実は持っているということになれば、これはまあ相当問題があると思いますが、それならそれでいい、しかし、そうなると私は政府としては、年金自体に対する理解というものは、私はきわめて国はないと思うのですね、結局増額したというけれども、使用主と被保険者に、全部じゃないけれども、費用を負わしてやっているということになるのですよ、実際問題……。したがって、政府は一万円年金だというけれども、財源率はみなが持っているのだということだから、あまり政府も宣伝はできないですね。これはまあ本件と違うからここで追及しませんが、はしなくもそういう点をお知らせ願ってありがたいのですが、これはどうも政府はこういうことはインチキだと言えませんが、どうも私理解できないのですがね、それが公務員の場合にも引っかかってきて、これがはしなくも公共企業体のベースアップの問題に引っかかってきたのですが、そういうことを引っかけてこれができないということでは、私はどうも政府のやり方はみみっちいというよりも、年金に対する理解がないと思うんですね、その点大蔵大臣どうでしょう。
  91. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) どういう結論が出るか広範にいま検討をいたしておるということでございます。こういうことで政府は全然持たぬという結論を出しておるのではないので、ぜひいまの御発言などは相当影響するだろうと理解を願いたい。
  92. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 時間の関係もあるけれども、これはまたきょうはいいことを教えてもらったし、厚生省の保険局長、あなたそんな弱気になったらだめですよ。厚生年金といったら日本の年金の基幹をなすものですから、それがそういうことで何か大蔵省にひねられたようですが一これはぜひひとつ厚生省がんばりなさい、きょう大蔵大臣が前におられますから、私も言いましたから、おそらくこれで少しは大蔵省の態度変わってくると思いますから、今後一生懸命やりなさい。それじゃ共済組合についてはこの程度にしておきます。  それから簡単に寒冷地について伺います。寒冷地は実は衆議院修正をされまして、われわれとしてはどうも修正の度合いがあれでは満足をしないんですが、今後われわれの要求どおりにあの率の引き上げについて政府見解はどうでしょう。これは主務大臣は大蔵大臣か、総理府総務長官かどちらでもけっこうです。
  93. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 御承知のとおり、寒冷地は政府の原案で申しますと一般会計から四十四億四千万円、特別会計から九億二千四百万円、地方公共団体が七十一億五千三百万円、合計百二十五億一千七百万円というのが当初予算の上でございます。それが今度衆議院修正になりましたので、五%アップで一般会計が三億八千二百万円、特別会計で七千九百万円、地方公共団体で六億一千五百万円、合計いたしまして十億七千六百万円でありますから、今度の修正案どおり御議決になりますと、当初予算と増加分合わせまして百三十五億九千三百万円、こういう数字でございます。いろいろ議論の存するところでございますし、僻地とかこういう寒冷地、こういうところに有能な人材を定着せしめる、こういうことからいえば、こういう制度がその意味相当大きく稗益をしたことは政府も認めておるわけでございます。しかし、百分の八十五と、こういうところまできておりますので、現在のところは、これが通れば院議尊重、こういう考え方でございます。また、将来のことは将来の問題として検討していくべきだということだと思います。
  94. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 人事院に聞きますが、人事院の場合は、将来これは——今回はもうすでに勧告出したんですが、将来率の問題でそういう引き上げの問題についてどう考えられておりますか。
  95. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 人事院といたしましては、寒冷地に関しまして勧告権があるわけでございます。そこでこの勧告権は、やはり法律趣旨に従いまして勧告をいたす、その土俵の中のお話でございまして、その土俵と申しますのは、やはり寒冷地における寒冷増高費がどの程度であるかということを研究いたしましてやるということでございます。その意味におきまして今回の人事院勧告、ただいま御審議願っております改正案基礎になりまする勧告におきましては、むしろ石炭手当等につきまして石炭の小売り価格ということが法律に明記してありますから、そういう従来の感じでまいりますならば、たとえば三公社五現業では事実問題として、石炭の運搬賃の一部が取り上げられておるけれども、国の公務員の場合にはそういうものを取り上げる余地がない、こういうようなことで、むしろその辺の法改正をしていただいて、そういうことを実情に即したようにするほうが適当であるというような観点を加味して、事実上定額部分につきましては定率部分の五%に相当する、あるいはそれよりももう少し多い部分に相当するものを加味するというようなことで人事院は現在の法体系あるいは多少法体系を変えていただくことをお願いしたわけでありますが、その範囲内においてできるだけのことをやったつもりでございます。そこで問題はやはり寒冷地に在勤いたしまする公務員がいろいろな意味において不遇であるということは別途あろうかと思います。そういう問題につきましては、やはり人事院の勧告権の限度でなく、それ以上のところでお考え願うことが適当であろう、このように考えております。
  96. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 人事院のいろいろ勧告があるのですが、寒冷地給に対する勧告については私はどうも納得できないのですよ。われわれこの国会で率の修正をしたのですね。私は人事院自体がそういうこれの認識をして人事院がもっとやるべきだと思うのです。人事院はそれだけの資料がそろっていないということもあるかもしれませんが、寒冷地における生計費と暖地における生計費については相当私は開きがあると思うのです。したがって、それは現在の勧告基準から見ると問題があることは私も知っておりますが、しかし、実態をもっと人事院は調査をして国会で修正ということも一つの方法です。方法だけれども、十分ひとつ人毎院が科学的に調査をし、また、財源的にはこれは政府と相談するかどうか別として、十分検討して出すべきだと思うのです。国会で修正するということは、これは国会の権限でやるのだからどの法律案でもやれるのですけれども、今回の場合は参議院においていろいろこの問題は検討しましたが、一応衆議院修正については各党が一応了解されておりますので、これ以上私は言わない、言わないけれども、やはり十分人事院も考えて出すべきであると思うのですが、この点抽象的な質問ですが、どう人事院は考えられますか。
  97. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 今回の勧告をいたしまするにあたりましても、われわれ資料を十分検討いたしまして、実際問題としたら一年がかりくらいで考え、また資料を収集し、その結果に基づいてやったわけでございますけれども、やはりこの問題はこれでけりというふうに考えておりません。今後の問題としてやはりいろいろの状況が違ってくるということがあるわけでございます。十分今後も検討して勉強いたしたい、このように考えております。
  98. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃこれに附帯決議もつけられ、処置されるのでございますから、私の質問は以上で終わります。非常に時間が制約されておりますので、この給与関係四法案についても、私としては非常に残念だと思いますが、一応この質問を終わるに際しまして、先ほどからほんの数点ですが、政府質問し、あるいは大蔵大臣からもいろいろ答弁がありましたが、この四法案についてはわれわれの質問なりあるいは附帯決議趣旨に従ってひとつ政府が善処されたいと思うのですが、代表して大蔵大臣一言。
  99. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) いろいろ御指摘がございましたが、政府給与関係の問題につきましては、在来も積極的な立場で検討を進めてきたわけでございます。きょうはいわゆるこの法律案の成立を見まして附帯条件等つくようでございますが、熟読玩味いたしまして、国会の意思に沿うように前向きで努力をしたいと思います。
  100. 千葉信

    千葉信君 私は、最初労働大臣と大蔵大臣から御答弁をお願いします。それは今回の寒冷地の問題に関する人事院の勧告についてはがまんのできない気持ちを私は持っております。と同時に、山内君には悪いけれども、衆議院修正についても私ははっきりといま山本君は、各党としては了解しているという話がありましたが、私は了解できないものがある。ところが、この問題に関連して次の点をお尋ねしたい。それは防衛庁を国防省に昇格させるという問題が国会の終末期に至って、これはたしか六月十二日の閣議でしたか、国防省に昇格させるという閣議の決定がなされ、その前日に行政管理庁ではこの案件に賛成の態度を表明した。ところが、その前に、この寒冷地給与衆議院における修正の話し合いが行なわれて——いいですか、修正の話し合いが行なわれて、その修正の話し合いの中に寒冷地給のこのちょっぽり、鼻くそほどの、五%ほどの修正の話し合いか、あるいは最初に話し合いがあった九〇%上げるという話し合いか、そのいずれかは知らないけれども、その修正の話し合いの中に、防衛庁を国防省に昇格させ、そしてその昇格の案件については、この国会に頭を出すだけでよろしい、こういう話し合いがあったということですね。しかも、これは準なる風評、あるいは推測ではございません。黒金官房長官が、この問題で、山形県から上京してきた町村の代表者の前で明確に言い切っているのです。寒冷地給の修正の問題はいま話し合っておりますけれども、非常にむずかしいですよ、なぜむずかしいかというと、当時まだ政府は国防省昇格の問題については一応遅疑逡巡して見送ろうという態度をとっていた。そのときに黒金官房長官が山形県の代表者のいる前で、国防省昇格の話し合いがついているから非常にむずかしい、こうはっきり明言しているのです。ここにも証人はいますよ。ここにもその席に同席した人がいまいます。これは本来ならば、あなた方の答弁のいかんによっては黒金さんも引っぱり出して答弁させる必要があるところだけれども、とりあえずあなた方で間に合えば、それで時間がスムーズに行くから、この際ひとつどちらからでもいいから、お二人に等えてもらいたい。そういう事実があったのかどうか。特に財政需要の問題について、折衝か何かでそういう話をしたことがあったのかなかったのか。
  101. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 寒冷地手当の五%の引き上げの修正の過程において、防衛省問題とからんだというようなことは承知いたしておりません。黒金官房長官がどのような状態でもって話をしたのか、ちょっとおかしいと思います。私はこの五%の問題は官房長官には相談をしておりません。私も新潟県で、寒冷地には相当関係がございますが、私自身もなかなかむずかしいなあと、こういう話はしましたが、国防省問題をからんでおるからというようなことでは全然ありません。これは私事実を申し上げますと、党はこういう問題とではなく、国会末期にできれば防衛省昇格問題を出そうという決定をもうすでに前からしておったわけですから、この問題が内閣委員会でからみ合って議論をされたというふうには全然理解いたしておりません。私のところに参りましたのは九〇%——百分の九十にしたい、こういう在野党の要求が強い、そういうことでございました。そこで自民党出身の議員さんから、一体大蔵省は百分の九十をのんでくれないか、こういうことでございましたが、それはとてもいま一〇%のむわけにはいきません。私自身も寒冷地に対し不満なしとしないが、いままでのものが戦後の物価上昇で、物価中心にしてものを考えるものだから、大都会のほうがより附随給与が多いというようなこともございます。また、今度は辺地とか僻地とか離島とか、そういうところにこそ人材を定着せしめるというように変えなければいかぬのだという思想を持っておりましたから。私は僻地には理解が非常にあるわけであります。また、寒冷地には非常に理解があるわけであります。そういう前提に立っているけれども、この時期において財政負担が増すというようなもの、特にもう百分の九十ということになれば相当な金額になりますので、まあせいぜい一億、二億ということの国会の御修正ということであれば、もうしようがないということになるでしょうが、いまの段階において一〇%などはとても、こういうことを申し上げたわけですが、もう大蔵大臣の意見はわかったから、われわれはわれわれでもって決議をする、こういうことでございました。最終的には五%引き上げということを、先ほど申し上げたとおり、地方公共団体を入れまして十億七千六百万、こういう数字になったわけでありまして、私自身はこの五%引き上げということについてはやむを得ないということで、院議を尊重いたします、こういうことを閣議で報告をしているということでありまして、内閣委員会の中でどういうような話があったのか、私はこの種の問題はとにかく超党派で議論する問題でありますから、こんなものとからみ合うのはちょっとおかしいんじゃないかと思うのであります。これは私の推測でありますが、私自身そのような事実を全然関知いたしておりません。
  102. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) この五%修正の問題は、衆議院内閣委員会におきましては、内閣委員会理事と財政当局との間で話し合いが行なわれたようでございます。私はそれには全然入っておりませんので、何ともお答えいたしかねます。
  103. 千葉信

    千葉信君 大橋さん、あなた給与を担当している大臣でしょう。そういう重要な話をあなたが知らないで問題をきめるということは、あなたの立場としては考慮を要するんじゃないですか。
  104. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 私の申し上げました意味は、給与を引き上げることでございますから、私としては別に反対する理由はございません。問題は財政当局のほうではたして受け入れられるかどうかという点が主たる問題でございましたので、そのことにつきましては、理事と財政当局で話を進めてもらった事実はございますが、しかし、ただいま御指摘の国防省昇格の問題と取引という事実につきましては、私は全然承知をいたしておりません。
  105. 千葉信

    千葉信君 これは時間があれば、黒金さんを呼んで、とことんまで非常におもしろくやれる問題なんだが、時間の関係もあるから具体的な内容に入りますが、瀧本給与局長質問しますが、冒頭にも申し上げましたように、私は、この衆議院修正内容そのものに非常に不満なんです。どうしてかというと、これは全部一律に各級地とも百分の五の増額をしようとする趣旨である、こういう提案理由説明になっております。法律案提案理由説明趣旨というものの拘束力と附帯決議の拘束力とそう変わらぬじゃないかという私の判断ですが、しかし、一応政府の受け取り方は、必ずしも私の判断とは一致しない。そこで、もしもこのとおりに実施をされた場合、表面上はどこもみな五%上がるのだから公平なような印象を与えております。ところが、実際上はまさにこれは悪平等なやり方なんです。なぜかというと、八〇%支給されておるものが五%引き上げられた場合にはその引き上げ率は支給割合に対して幾らになりますか。一割にもならないでしょう。ところが、一級地の一割五分の地域が五%引き上げられるということになると、これは三割五分程度です。私はこの点はかりに法律案がこのまま通過した場合でも、この実施の責任は人事院にあるし、人事院が支給区分の決定をすると同時に、その支給割合等についても、最終的には人事院の決定を待って総理大臣が実施するかどうかをきめるわけですから、したがって、人事院でそういう悪平等とののしられるような内容のものをそのまま人事院はちょうだいをするつもりでいるのか、それとも人事院の権限に基づいてこの点について何らかの公平な措置考えるのか。たとえば私は例としては、一五%の地域を五%上げることが不公平だという場合には、その地域の支給区分の改定を行なうという方法もあります。それによって十分不利益が救済されるわけですから、どうしてもこれは五%程度必要だと思うところは他にも方法があるわけですから、そこで一応瀧本さんのほうでどうこの国会の審議の過程で出てきました修正なら修正趣旨なりについて考えているか、最終判断を聞こうとしてもいままだ無理でしょうけれども、しかし、給与局長としての立場からこの点をどう考えるか、この際御答弁を願います。
  106. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 修正案も参議院の御審議で最終的にきまるわけでございますが、現在の形の修正案という中におきましては、五%引き上げで各級地とも五%引き上げ、いま千葉委員の御指摘になりましたように、率でいうと非常にアンバランスのような意味も含んでおるように見えます。しかしながら、国会の御意思でそういうふうにやるのだとおきめになったらこれはやはり直ちにそれがぐあいが悪いということをいうわけにはいかぬのじゃないか。人事院といたしましては、人事院が適当と思う一これは御不満の点は多々ありましょうけれども、いろいろの制約下において人事院の考え得ることをやったわけでございまして、それに対して国会で御修正になったのでありますから、やはり国会の御審議の経緯というものは十分尊重しなければならぬと思います。ただし技術的にいろいろ問題が残ることがあり得るようにも考えられますけれども、それは今後の問題としてわれわれ十分研究をするということで、国会で御審議になり、そうして御修正になりましたところを直ちに変えるというわけにはなかなかいま直ちに、すぐの場合としてはできにくいのじゃないか、今後の問題としては十分検討をする必要があるのではなかろうか、このように考えます。
  107. 千葉信

    千葉信君 そういうふうに答弁するだろうと思って聞いたのです。いいですか、いまのあなたの答弁の中にも、こういう五%を各地域に全部同じ率で引き上げるということは必ずしも公平ではないということはあなたのいまの答弁の中にも出ておるのです。ただしかし、国会の御意思で決定されたことだから人事院としては従わざるを得ない。これまた当然のことだと思うのです。しかし、いま瀧本さんが言ったように、こういう悪平等きわまる引き上げのために再びここにアンバランスが現実の問題としてもうすでに生じておる。これに対しては、こういう問題について権限を持ち、また勧告しなければならない義務を持っておる人事院の立場としては、直ちにこのあとこの問題の是正の方針をとらなければいかぬと思う。どうして是正をするか、どうすれば公平にいくかということについて研究をして、同時にまた、さっきから聞いていると、大蔵大臣ぬけぬけと、おれは新潟県だからなんという、話のわかったような答弁をしておりますが、ほんとうはあなたは話はわかっていないのだ。新潟県の場合でも私は、不公平な点がたくさんありますが、きょうはこの席上でその不公平な点を申し上げることは御遠慮申し上げますが、ひとつまあ大まじめに九〇%の修正に対してもそれは困るなどといった、そういうことじゃなくて、もっと公平に問題を解決するために、欲ばって率を引き上げろというのじゃなくて、いま言ったように、五%ずつみんな上げることについては必ずしも公平ではない。したがって、そのために不公平がもうすでに発生しているから、この法律案が通れば人事院としてはやむを得ず従うだろうけれども、しかし、問題の残った個所に対しては人事院としては、再び勧告をするなり是正をするなりの方針をとる必要がある。この点について、ひとつ給与局長から確認の意味答弁をほしい。同様に大蔵大臣からもほしいし、給与担当大臣からも一緒にこの問題についても善処の答弁を私はきょう聞いておきたいと思う。
  108. 田中角榮

    ○国務大臣(田中角榮君) 私もあなたと同じ考え方検討をしたんです。五%引き上げるという場合に、私は五級地が五%、四級地は四%、三%、二%、一級地は一%、こういう方法もないかと、こういうことを言ったわけであります。百分の九十という場合でも、五級地は百分の九十、それから四級地が百分の七十、五十、三十というふうな方法もあるということを検討いたしましたが、最終的に修正案は一律五%ということになりましたから、私たちは法律上はこの法律の第二条によりまして最高限度をきめるだけでありますので、この五%という中でランクをつけろといえば、私が言うように、五級地は五%、四級地は四%、だんだんとすれば私が先ほど言ったような数字にはならないで、非常に少ない数字になるわけでありますが、私のほうではもう精一ぱい努力をするということで財政上の立場から考えまして、地方公共団体を入れて十億円程度ということでございますので、現在の法律からいえばあなたが言うように、段階はつけられるわけでありますけれでも、もう衆議院の段階において、一般会計において三億八千二百万円は支出をいたしますと、こういう腹をきめましたので、現在の状態でこの法律修正のまま御可決になれば私のほうは一級地から五級地まで一律五%、こういう状態で財政支出に応ずる、こういう考え方でございます。しかし、あなたの言われる、級地別にいろいろ問題が含まれておるという事実は私も承知をいたしております。
  109. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) この実施につきましては、人事院でよく検討の上政府意見を出してくださることに相なっております。それに従ってやりたいと思いますが、なお将来の問題といたしましては、人事院に十分検討してもらうことをお願いしたいと思います。
  110. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの問題でございまするが、法律で最高限度として各級地五%ずつ、それは法律の最高限度であるから、さらに総理府令をきめる段階において、人事院が適当に考える余地があるのではないかということがあるわけでございまするけれども、しかし、この際国会でおきめになりましたことは、やはりそういう技術的なことでなしに、今回各級地とも五%ずっとおきめになっておるのを、そういう国会の御意思があるのをその範囲で人事院でちぎれということは、実際問題として非常にむずかしい問題であろうというふうに思います。したがいまして、それはそれでやっておいて、その後のアンバランス問題等につきましては、十分私は検討していきたいと思います。
  111. 千葉信

    千葉信君 瀧本さん、いつでもそういう答弁をしていて、実際上はなかなかサボってあなたのほうはまじめにやらないおそれが多いので、今度はそういうことのないように、ひとつアンバランスが最初から起こっているから、この点の是正についてあなたのほうは人事院の資料に基づいて方策を考えてください。これはあなたに注文しておきます。  それから、大蔵大臣に申し上げておきますが、大蔵大臣は、おれの考えもおまえの考えと同じだといううまいことを言っておりますが、ちっとも同じではない。私は本来五%など上げてごまかすべき筋合いではない、少なくとも十割にもっていく、一〇〇%にしろ、八割最高を十割にしろ、こういう意見で今日まできているわけです。ですから、したがって、私の言っている真意というのは、最高の五%はもちろん大不満なんです。ですから最低の一割五分の支給地が二割になってそれでいいとは考えていない、もっと上げるべきだという考え方なんです。ただ、こういう問題を処理する場合には、やはり給与関係であるから、公平の原則ということをまず根本に考える必要がある。その点が見失なわれているところに、今回の修正に問題があるわけですから、その点大蔵大臣の考えをすぐ修正しておいて、今度の財政措置をするときにあやまちを起こさないようにしてください。大蔵大臣にこれを注文しておきます。  私は以上で質問を終わります。
  112. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 ちょっと、いま給与局長千葉さんの質問に答えて、五級地以下をちぎるのだというような考え方で受け取られては困る、最高が少ないのだという趣旨ですから、そういう点を間違ってとられては困るのですよ。そういう点、ですから今度の場合、大蔵大臣の言われたように、一応院の決定であるから一律五%、こういう方針だ、こういうように私は了解するのですが、その点間違いないように、それだけ議事録にとどめておけばいいわけです。
  113. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 最高級地五%増すということでございますから、その範囲内でバランスをとるということになると、これはちぎるよりしかたがないという意味のことを申し上げたわけであります。そういう趣旨に御了解願いたいと思います。
  114. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御発言ございませんか。——他に御発言がなければ、四案の質疑は終局したものと認め、これより四案を一括して討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  115. 下村定

    下村定君 私はただいま議題になっております恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案につきまして、自由民主党を代表して賛成の意見を申し述べます。  本案の内容は、いずれも従来からその改正要望されているものでありまして、委員会審議を通じて明らかになりましたとおり、まだ十分とは申されませんが、現段階ではこの程度でやむを得ないものと存じます。ただし、恩給及び各種年金制度には、現職国家公務員給与とのスライド制確立をはじめ、将来解決すべき問題が多く残されているのであります。よって、これらの諸問題、特にスライド制の早期解決のため、法律案に対し、次の附帯決議を付することにいたしたいと存じます。なお、この附帯決議案は、自由民主、社会、公明、民社の各党、会派の共同提案でありますが、便宜上私から朗読させていただきます。    恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   現在現職公務員給与ベースは約三万円となつているが、退職公務員恩給基礎となるべースは、公務死亡・傷病恩給関係が約二万四千円、普通恩給関係が約二万円となつており、その格差是正は遺族未処遇、傷恩間差是正抑留加算外国政府職員並びに外国特殊法人職員の殉職者の遺族に対する公務扶助料の支給、これら職員軍人としての在職年、低額の恩給を受ける者の在職年、恩給最短年限をこえる在職年の通算終戦時在職条件の撤廃その他第四十三回国会における本委員会附帯決議中未解決の諸問題とともに従来から重大な懸案となつている。   政府は、恩給及び共済制度の適用をうける戦争犠牲者、退職公務員等の給与ベースを現職公務員給与ベースの上昇にスライドさせ、この格差是正をはかるとともに前記諸懸案解決のため適切な方途を講ずべきである。   右決議する。
  116. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、ただいま議題となりました四法案には、種々不満はありますが、現段階では前進があるものと考え、賛成をするものであります。  国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、各会派の共同提案による附帯決議を提案いたします。便宜上私から朗読いたします。    国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   定員法の施行に伴い著しく急増した常勤的非常勤職員については、昭和三十六年の閣議決定に基づきおおむねその定員化が行なわれた。   政府は、これらの職員の共済組合長期給付については、当時の実情を勘案し、非常勤職員在職期間通算措置を速かに検討すべきである。   右決議する。  その趣旨を簡単に申し上げますと、御承知のように、定員法施行以来、非常勤職員が多数発生したのでありますが、これらは当然行政を遂行するために必要な非常勤職員が常勤的職務をしてきた実情にかんがみ、共済組合の長期給付につき、非常勤職員在職期間通算する措置を講ずるのは当然ではないかと考えます。また、すでに外国政府職員期間等につきましては、共済組合期間通算する措置がとられているのでありまして、この点から見ましても、これらの期間通算すべきであると考えるのであります。  以上をもちまして、私の討論を終わります。
  117. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 私は、ただいま議題となりました四法案につきましては、多くの不満もありますけれども、一面また、前進の面もございますから、賛成するものであります。  ただ、国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案に対し、自民、社会、公明、民社、各会派の共同提案による附帯決議提出いたします。便宜私から朗読いたしたいと思います。   右決議する。  その趣旨を簡単に申し上げたいと思います。先ほどの質疑指摘いたしましたように、第三十一回国会で共済組合法等を審議し、当委員会で可決されましたときに、十項目にわたる附帯決議を付したのでありますが、そのうち数項目については附帯決議趣旨が実現しておるのでありますが、今回の附帯決議事項はいまだ解決されておりませんので、本附帯決議案を提出いたした次第であります。  以上で討論を終わります。
  118. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 私はただいま議題となりました四法律案に賛成するものでありまするが、寒冷地手当改正案につきましては、本委員会において、従来よりその支給率の引き上げ及び級地指定の是正について附帯決議などにより政府に善処方を要望してまいったのでありまするが、支給率につきましては、今回衆議院修正により、現行の最高支給率の百分の八十を百分の八十五に引き上げており、要望の一端がかなえられておりまするが、この措置をもってしましても、今回なお不十分と思われますし、また、級地の指定につきましても適正を欠くものがあると思われまするので、この際附帯決議案を提出いたしたいと存じます。なお、この附帯決議案は、自由民主党、社会党、公明会、民社党、各会派の共同提案でありまするが、便宜私から朗読することにいたします。    国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   積雪寒冷地域の困難な生活事情から優秀な公務員が定着し難く、地域開発を阻害している実状と、最近における防寒、防雪等の諸経費の増嵩等にかんがみ、寒冷地手当支給率は、今回の措置をもつてしても、なお不充分と認められるので、政府は、すみやかにその最高限の引上げにつき検討のうえ、善処せられたい。また、今回の人事院勧告によつても、なお寒冷地域間の級地指定に適正を欠くものがあると認められるので、その是正措置をも講ぜられたい。   右決議する。  以上で私の討論を終わります。
  119. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御意見もないようでございますが、四案に対する討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  恩給法の一部を改正する法律等の一部を改正する法律案国家公務員共済組合法長期給付に関する施行法等の一部を改正する法律案国家公務員共済組合法等の一部を改正する法律案国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案。  以上四案全部を問題に供します。四案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  121. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって四案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました附帯決議案について採決いたします。下村君、鶴園君、伊藤君、石原君提出にかかわる、ただいま可決すべきものと決定いたしました四案に対するそれぞれの附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  122. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって四案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、野田総務長官、大橋給与担当国務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。
  123. 野田武夫

    政府委員野田武夫君) ただいま御決議につきましては、政府といたしましては、できるだけ御趣旨に沿うよう善処いたしたいと考えております。
  124. 大橋武夫

    ○国務大臣(大橋武夫君) 国家公務員に対する寒冷地手当石炭手当及び薪炭手当支給に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、政府といたしまして、人事院の調査研究に基づいて、御趣旨に沿うよう善処いたしたいと考えます。
  125. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。     —————————————
  126. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案議題とし、前回に引き続きこれより質疑を行ないます。  政府側からは、小林厚生大臣、梅本官房長、今村国立公園部長舘林環境衛生局長、黒木児童局長、小山保険局長が出席いたしております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  127. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけてください。
  128. 千葉信

    千葉信君 厚生大臣というよりも、むしろ前回の委員会答弁された本人に聞きたいと思いますが、官房長ですか。この前の委員会の最終段階は、厚生省にある成人病予防対策連絡打合会、中央保健所運営打合会、防疫調査打合会等の会議に際して、東大ないしは慶大の教授等がその会議に参加した場合、厚生省としては予算に組まれている諸謝金をこれに提供しているという事実について、私は国家公務員法の第二条、百一条、それから百四条、これらを根拠にして教育公務員特例法の二十一条をもって対抗することは不当であるという判断で当時質疑を一時中断いたしました。これに対して官房長の再答弁、それでいいかどうか、この際お伺いしたいと思います。
  129. 梅本純正

    政府委員(梅本純正君) 先般の当委員会におきまして、国立大学の教授等を、先ほど先生御指摘の打合会等に随時招いた場合の謝金の支給につきまして私から答弁申し上げましたことは、その後研究いたしました結果、当を得ない点がありましたので、ここに取り消しをさしていただきたいと思います。
  130. 千葉信

    千葉信君 結局結論としては、厚生省は法律上不当というとことばが少しどぎつ過ぎますが、私の意見が正しいことがわかったわけですが、したがって、この打合会に対しては、これを廃止するなり、もしくはまた、国家行政組織法上合法的な機関に切りかえるなりする措置がどうしても必要になってくると思うのですが、そうなりますと、その場合に、ここに計上されている諸謝金の関係予算、それから委員会委員等旅費の関係等につきましても、当然これは厚生省として善処をしなければならぬ筋合いだと思いますが、その点はひとつはっきりお答えをいただきたいと思います。
  131. 梅本純正

    政府委員(梅本純正君) ただいま先生おっしゃった打合会等を廃止した場合におきます関係予算につきましてでございますが、まあ廃止しました場合には予算として使い道のないものになります。使い道のない予算は使用が不可能でございますから、これはひとつ予算整理の技術上の問題といたしまして処理いたしたいと思いますので、御了承を願いたいと思います。
  132. 千葉信

    千葉信君 小林厚生大臣いかがですか。
  133. 小林武治

    ○国務大臣(小林武治君) 先般来いろいろお話がございましたが、国家行政組織法第八条に基づかない打合会等につきましては、従来から当委員会で御意見があり、また、重ねて先般来のお話もありましたので、厚生省といたしましては、御指摘のありました打合会等につきましては、その内容を個々に検討いたしまして、早急に廃止をするなり、または法制化するなりを決定することといたしまして、その具体的措置につきましては、行政管理庁とも十分協議の上善処することといたしたいので、御了承を願いたいのであります。  なお、問題となっております医療費基本問題研究員の点についてでありますが……。
  134. 千葉信

    千葉信君 待った、待った。それはまだ……。  問題が明確を欠きますから、やっぱり一応筋道を立てて、この両研究員制度について一言しなければいかぬと思う。それは、厚生省が昭和三十八年五月一日厚生省令第十七号で発出されました医療費基本問題研究員の設置に関する省令の関係ですが、これは御承知のように、その前の国会等で医療報酬等に関する基本的な調査研究はどうしても必要な事態だという判断に立って厚生省では臨時医療報酬制度調査会法案を国会に提案しました。しかしこれは、当時私は自社両党の会長会談に責任者として出席しまして、最終的には廃案ということに一応話がなりましたが、しかし、諸般の事情考えてそのワクから臨時医療報酬制度調査会法案ははずしました。はずしたけれども、当時委員会審議の過程で最終的に廃案になった事実がございます。そのあと厚生省としては、再び三たびそういう法律案を国会に出しても容易に目的を達する可能性がないという判断から厚生省はこの省令の発出になり、つまり当時三十八年四月二十八日の朝日にも報道された記事がここにございますが、まず研究員設置という西村構想なるものが報道されておりまして、この臨時医療報酬制度調査会法にかわる方法として、厚生省は先ほど申し上げた省令を決定をいたしました。ところが、私の見解によりますと、この省令による医療費基本問題研究員の設置に関する省令は、これまた国家行政組織法第八条違反の疑いがあります。たとえば研究員に非常勤者としてお医者さん連中を頼んでいるようだし、お医者さんばかりがどうか知りませんが、頼んでおりますが、ここに問題があって、私は以下具体的に二、三点だけ質問したいと思う。この非常勤の医療研究員の諸君に対してどの程度の報酬を支払っているか、予算の額は私のほうで知っております。
  135. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) 昨年度は支払いをしておりませんでした。今年度予算では一人当たり一日で二千五百円、こういう予算を計上しております。
  136. 千葉信

    千葉信君 ずいぶんまた少ない予算だな。お医者さんでしょう、そうじゃない人ですか、この研究員諸君は。
  137. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) 現在研究員にお願いをしております人は六人でございます。うち五人が昨年の七月十六日に任命されておりますが、これは一橋の高橋長太郎、上智大学の高宮晋、慶応大学の大熊一郎、それから横浜国立大学の伊藤長正、東京大学の嘉治元郎、この五人の教授または助教授でございます。それからその後八月八日に一人任名されております。これは慶応大学の外山敏夫でございます。こういう方々にいま研究をしていただいております。
  138. 千葉信

    千葉信君 研究された…いつ会合したか、いつ集まってもらったかは知りませんが、その研究のやり方はどういうふうにやっておりますか、個々の人がみな個々ばらばらに研究をして、そうして最後になまのままその研究の成果を厚生省のほうに出すようになっているのか、それともその意見をどこかで集約するような方法を何かの方法で考えておられるのか、どういう方法でやられておるか、その点ひとつ。
  139. 小山進次郎

    政府委員小山進次郎君) これらの方々にお願いをいたしましたのは、個別的な立場で御研究を願う、こういうことでお願いをしたわけであります。その結果、これらの方々が御相談になりました結果、省令に掲げてあります四つの問題をそれぞれひとつ分けて担当しようじゃないか。こういうことになりまして、いろいろの経過はございましたけれども、全体を四つに分けまして、第一が医療の需給に関する長期の見通し、それが一つ。これは嘉治元郎助教授が担当してやる、こういうことになりました。それから、そういう長期の需給の趨勢の上に立って医業経常というものをどういうふうにしたらいいかということを第二のテーマとして研究しております。これは高宮晋教授と伊藤長正助教授が担当する。それから三番目には、そういう趨勢下において、医療の技術的組織というものをどうしたらいいかということを研究する。これは外山敏夫教授が担当する。それから四番目には、そういうふうな長期の趨勢下にあって、今度は医療の需要の組織のほうをどうしたらよいかという適正化を研究する。これは高橋教授それから大熊教授が担当する。いずれにしてもそれは最終的には、その担当項目について個別的に研究報告を出していただく。ただし、なるべく相互に研究が重複しないように連絡がとれるようにということで、共通の前提等は随時集まって研究し合い、責任はそういうふうに明らかにする、かようになっております。
  140. 千葉信

    千葉信君 そうすると、まあこの分担を、それぞれ個々の人に分担してもらう。ところが、どういうふうにするかということについてこれらの委員諸君に相談した——相談をしたということばは非常にこの際うまいことばです。それからまた、その研究の成果が得られたときには、その問題についてお互いに突き合わす、また、それを相談ということば答弁された。しかし、結局、相談ということばを使っても、そういう研究した成果なるものをどういう結論にするかということについては、やはりその六人なら六人の委嘱された委員は、私の目から見れば打ち合わせ会、会議ですね、あなたのことばから言えば相談ですか、実態は私はやはりこれは国家行政組織法第八条に違反するという事実がそこからも出てきておるのです。同時に、もっと突っ込んでいけば、省令なんぞを大臣がかってに出して、どんどんこういうでたらめなやり方をすることができるとなったら、行政組織に混乱を来たします。ですからこの点は、やはり厚生省としてある程度反省をお持ちのようですから、あまり深くは追及いたしませんが、この際ひとつ厚生大臣からどうするかということについての明確な御答弁を承っておきたいと思います。
  141. 小林武治

    ○国務大臣(小林武治君) ただいま御指摘の医療費基本問題研究員の点につきましては、私は御質問のような点につきまして私どもも同感の点があります。したがいまして、可及的すみやかに御趣旨に沿うよう措置いたしたいと存じております。ただ、いま委嘱しました学者の方々は、いま研究を進めておる最中でもありまするし、この措置をとるにつきましては、関係官庁とも協議する関係もございますので、その時期につきましてはしかるべくごしんしゃくの上、ひとつ御了承願いたいと思います。
  142. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの……
  143. 千葉信

    千葉信君 ちょっと委員長、速記をとめてください。
  144. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  145. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけて。  これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  厚生省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  146. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。     —————————————
  147. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 次に、農林省設置法の一部を改正する法律案議題とし、前回に続き、これより質疑を行ないます。  政府側から赤城農林大臣、中西官房長、昌谷農政局長、武田農林水産技術会議事務局長田中林野庁長官、久我統計調査部長、庄野水産庁長官が出席されております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  148. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 要望だけ申し上げておきたいと思います。本来でありますと、若干の質問をいたしまして要望申し上げるのが筋だと思いますけれども、質問は省略をいたしまして、要望だけ申し上げておきたいと思いますが、それは今度新しくできます植物に関しますウイルス研究所、これはせっかくできるわけでございますけれども、定員が十四名、したがいまして、一般の意見といたしましては期待に反してはなはだしく小さい、こういうことが言われておるわけであります。そこで若干の懸念がありますのは、このウイルス研究所ができましたために、そのほかの農業技術研究所あるいは地域の農事試験場、さらには園芸試験場とか、林業試験場、そういうところでもウイルスの研究が行なわれておるわけでありますが、そういうものが全部吸収されるといいんでありますけれども、それが吸収されずに残るということに相なりますというと、心配になりますのは、このウイルスの研究所ができたために、それ以外に広く行なわれているウイルスの研究というものは押えられるのではないか、こういう点を心配をいたしておるわけであります。その点について、そういうことのないようなひとつ善処方を要望いたしておきたいと思います。  それからもう一つは、前回御質問をいたしました水産庁の日光の養魚場の問題であります。これはいろんな問題がございますけれども、ここで要望いたしたい点は、いままで養魚場であったわけでありますが、これが試験研究機関になるわけですけれども、そういう体制がととのっていないように見受けるわけであります。人員配置から見まして、そういう体制がととのっていないように思うのです。研究職が非常に少なくて、行政職(一)。あるいは行政職(二)というのが非常に多い。これでは養魚場からこういうふうな研究所になったのには足りない面があるのではないか、そういう点についての今後の善処方を要望いたしたいと思っております。  もう一つは、同じ試験場の問題でございますが、これは非常に不便なところでございまして、先般これは官署指定を受けまして、寒冷地の五級地になったわけでありますが、容易でないというと、なかなか官署指定にならぬのでありますけれども、非常に寒いところであります。ところが、宿舎が明治四十一年にできたやつでありまして、窓にはガラスはない、非常にまずいようですけれども、何せあまりにも古い建物ですし、寒冷地にある住宅といたしましては、宿舎といたしましては非常に不備だというふうに思っておりますが、そういう点についてのひとつ善処方を要望いたしておきたいと思います。  まあ質問をしませんで、要望申し上げるわけでありますから、若干無理な点もあろうと思いますけれども、要望だけ申し上げまして終わりたいと思います。
  149. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 第一の点でございますが、ウイルスの研究は、いま御指摘のように、農事試験場、園芸試験場あるいは蚕糸試験場、各地域農業試験場等で行なわれております。これは御承知のように、応用的研究をやっておりますので、このたびのウイルス研究所ができるためにそのほうの仕事をほかしたりあるいは合併するというようなことはいたしません。このたびのウイルス研究所は、基本的な研究をいたすということにいたしておりますので、その辺の混淆はなく処理といいますか、運営いたしていきたいと思います。  また、御要望の組織の弱体という点などにつきましては、十分能率をあげるように督励をいたしたいと思います。  また、日光養魚場の廃止に伴ういろいろな御要望等につきましては、十分配慮をいたしていきたいというふうに考えております。
  150. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 一点だけ農林大臣に参考に承っておきたいのですが、地方農政局が昨年ですか発足いたしましたね。あの農林省設置法改正のときに、二重行政になるんじゃないかとかいろいろ議論されたわけですが、実施されてみてからの農林大臣としての感想ですね、地方には若干そういう声がやはりあるのですが、やってみられての地方農政局に対する農林大臣の感じをひとつ承っておきたいと思います。
  151. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 私も初めそういう二重行政的な感がいたさないわけでもございませんでしたが、まだ発足一年でございますので、その成果等をはっきり申し上げられるまでにはまいりませんが、私はやっぱり置いてよかった。というのは、御承知のように、地方農政局の主としての母体をなしておったものは農地局であったわけでありますが、やはり農業の体質改善というような点から考えますならば、基盤整備、土地改良、こういうものはなお強力に進めていかなくちゃならない。そういう意味におきまして、農政局という地方の前よりは大きい機構の中で、農地局の土地基盤の問題などを解決していくのには適当である。それからもう一つは、御承知のように、体質改善の上で構造改善の仕事を進めております。これはやはり新しい仕事でございますから、それにまた地域的な状況等もよく勘案して構造改善を弾力的に進めていくのが適当じゃないか、こう考えております。そういう点におきましては、やはり地方農政局において、地方の実情をよく知ってそして行なっていくということが適当であると思います。それにはやはり何といたしましても——そういうような点から非常にいまのところすべり出しはいいと、こういうふうに考えております。
  152. 千葉信

    千葉信君 赤城さんにお尋ねしますが、今度のこの改正案の第六十九条の三で、今回営林局に審議会を設けられますね。これはいま法律案が上がるかもしれないという段階なんですが、この法律が通ったあとでゆっくり実施に関する政令案をつくるというので、実は政令案らしいものを提出してもらいたいということを私のほうから要求しましたのに対して、まだできておりませんという返事です。これは一体どういうことですか。そんなぶざまなことでは法律案が通ったってりっぱな仕事はできないということになりますよ。できているのですか、ないのですか。
  153. 赤城宗徳

    ○国務大臣(赤城宗徳君) 準備をいたしておりますので、あと半日か、二、三日くらいでできるか……、いま出せば提出できるような準備をしております。
  154. 千葉信

    千葉信君 だらしないぞ赤城さん。法律案が通るかもしれない、通してもらいたい通してもらいたいと騒いでいて、通ったあとの準備も整っていない。そんなぶざまなことで一体仕事ができますか。これはやはりよほど赤城さん、監督を厳重にしなければいかぬ、もっと。あなた人柄がいいし村夫子然としているので、だれもあまりひどいことは言わないけれども、あなたの監督している部下が、こういうぶざまなことでは私はいかぬと思う。その点をくぎさしておいて私の質問やめます。
  155. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——他に御発言がなければ、本案の質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言がなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  農林省設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。  本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  156. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、先例により委員長に御一任願います。  では、これにて暫時休憩いたします。    午後三時十二分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕      —————・—————