○
説明員(村山松雄君) 現在までの短期大学を含めました大学志願者の実数は、四十一、二万程度でございます。そのうちで、その当該年度に高等学校を卒業いたしました者が、大体二十八万人程度、十二、三万人程度の者が、前年度以前の卒業者で、つまりいわゆる浪人でございます。新卒の大学志願率は、現在、卒業者の三〇%弱になっております。こういう傾向が、急増期にもあまり変化がないといたしますと、急増期には、高等学校卒業者が約百五十万人をこすと推定されますので、新卒志願者が四十五万人程度になると思います。浪人がどのくらい持ち越されるかにつきましては、非常に不確定な要素が含まれまするので、確たる数字はわかりかねますけれ
ども、現状と同じように浪人が発生するといたしますと、浪人を加えました急増期の志願者実数は六十万人程度に達するのではなかろうか、かように推定されるわけでございます。浪人につきましては、現在入学試験制度が、わが国では、だれでも何度でも大学を志願できる。その結果、本人の能力、適性といったようなことを
考えないで、いたずらにと申しましては多少言い過ぎでございますけれ
ども、浪人が累積するという
経緯もございますので、入学試験方法の改善にもつとめまして、浪人そのものが発生することを防止いたしたいと
考えておりますし、また、急増の前でありますところの本年あるいは来年は、高等学校卒業生が従来よりも減りますので、浪人防止対策とあわせまして、浪人は極力減少さしたい。また、若干は減少すると思われますが、一応それは将来の問題になりますので、従来の程度で累積するといたしますと、急増期には新卒で四十五万人、それから浪人を含めますと六十万をこす志願者が来るのではなかろうか、こういうぐあいに推定されるわけでございます。ちなみに、それに対する大学の収容力のほうは、これも短期大学を含めまして現在約二十八万人であります。したがいまして、これが変わらないといたしますと、急増期には新卒卒業生だけでも収容力をはるかに上回ることになりますし、浪人が累積するとすれば、志願者に対する収容力は半分以下、こういうことになるわけでございます。