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鶴園哲夫君 いずれこの問題は、総裁も
お話のように、根本的な問題でありますが、私は、一等級を官民比較からはずすと、二等級を五百人以上の企業に限定をする、さらにことしになりましてから、二等級は官民比較からはずせと、そういう意見が各省の幹部の中に極まっておりますから、おそらくはずすことになるだろうと見ておる。この五十人以上という官民対応等級の桎梏の中からはずすだろうと見ておる、二等級も。そういうやり方では、これは同じ
公務員の問題でありますから、そういう二元的なやり方をとらざるを得なくなっておる。事実、もう一等級もそうです。二等級もそうなんです。五百人以上の企業と比較しておられる。二等級は、御承知のとおり、二十三万も民間を調べてその中の二等級というのは実に八千人もいるんです、二等級に該当する人は。で、
公務員の場合は八百八十人ですよ。けたが一つ違っておる、五百人以上の企業をとってみても。だからその矛盾を救うには、二等級あたりは現実に千人以上の企業と比較しなければならぬということになってきているんですよ。それを無理して五百人以上と比較されるものだから、しかたがないから二元論的になる。五百人以上をとってみますと、二等級に該当するのは二十三万人の中から八千人も出てくる。こっちの
公務員の側は、二十三万人の中で八百八十人ですよ。これはもう救うべからざる矛盾です。ですから私は、せっかく総裁が新しい創意をこらして、これから白紙の
立場をとって根本的に
検討されようという、そういうお気持ちのようでありますので、この五十人以上の企業の
調査の問題についてはひとつ再
検討していただきたい。ますますこの矛盾は広がるだけだという点を申し上げておきたいと思います。
先ほ
ども申し上げましたが、民間の、人事院で四等級で引っぱってくる者と
公務員との間に十歳の年齢の差がある。この十歳というのは、人生五十五年ですから、
公務員は。官の十歳というのは非常に大きなウエートです。十歳も
公務員のほうが年配が上だ。それはラスパイレスをやってみたって、これは民間の例外的なものしか出てこないんです、比較すれば。ですから私は、五等級をついても、六等級をついても、十歳の差があるということはこれはむちゃだと思います。
これを救うのには、私は一つは、いま言った五十人以上の企業というものについて
検討される必要がある。なお、十五、六年前に日本の企業の中に占めている五十人以上のものの占めている地位というものと、今日の日本の産業界に占めている五十人以上の地位というものは、相当変わってきているというふうに見なければならぬと思うのです。ですから、十五年前の
考え方を固定して、これだったらこれでいいのだという、そういう安易な、あぐらをかいたようなやり方については再
検討される必要があると私は思っておるのです。これは、ここでごちゃごちゃ始めてみてもなんですが。
次に、諸手当についてお伺いいたします。
まず、住宅手当ですね。この住宅手当は、三十六年の勧告で
調査をされたけれ
どもゼロの回答だと、で、二年たった三十八年の四月にまた
調査をなさったけれ
ども、これまた、ゼロ回答という形になっておるわけであります。私はこの住宅手当の
調査の方法が悪いというふうに思っております。どうも
見当はずれだという感じですね。三十八年の勧告のときの住宅手当の民間の
調査の場合に、住居を移転を要する事業所、要するに、転勤を従業員なり
職員がする、そういうものについての
調査をやられておるわけでありますが、それを見ますというと、非常にこのウェートは高いですね。住宅手当という制度を持っているのが三四%ということになっておりますですね。この三四%というのは、これは、五十人の企業も、百人の企業も。一万人の企業も、一企業として扱っておられるわけですから、ですから、実際上のウエートとしては、まだこれは相当変わると思うのです。大きく変わると思うのであります。いずれにいたしましても、まあ三十八年の
調査が若干の前進を示したという気がするのです。しかしながら、もう一つ私は条件があると思うのですが、それは社宅なり、独身寮なりというものを持っている事業所——その事業所において、その社宅なり独身寮に入っておる者との不均衡をどうしておるか、これが
調査の条件だと思うのです。ところが、これは
調査なさらないで——本来、この
公務員の住宅手当という制度がやかましくなってきたのは、従来は出先機関の長とかいう人は官舎を持っていたのですね。しかし、だれも不満はなかった。それは、出先機関の長というのは、官舎を持っていなければ転勤が非常に激しいのでやむを得ないのだという
考え方があったのですね。ところが、近年、交通が便利になるというような点もありまして、あるいはいろいろ
行政運営上の問題もあって、この転勤というのがいまや全
公務員の問題になっておるわけです。決してその出先機関の長だけの問題ではなくて、全
公務員の問題——県の中を
考えましても、出張所の
職員が、ほかの出張所に転勤しなければならぬという状態が、いまや常態になってきているわけですね。そうなりますと、当然いままでは問題なかったのだけれ
ども、すべての
公務員が異動の対象になるということになりますと、これはその従来の官舎をもらっている者ともらってない者との間の不均衡感というものが著しく出てきたわけです。のみならず、同じ俸給表を適用されているのに、一方は現実に実質的に住宅手当が出ている。それは官舎とか、国設宿舎とか、あるいは国が直接労を費やして、公設宿舎、公営宿舎というものを借りて貸しておるわけですね。これは現実に、実質的に住宅手当が出ているわけです。ですから、生活費の中に占める住宅費というのは非常に大きな比重を占めておりますから、この不均衡感というものがこれまたぬぐうべからざるものとして出てきておる。ですから住宅手当が問題になった経緯から見て、こういう
調査ではおかしいとピントがはずれておるのではないかと私は思うわけです。ですから、私は
調査としては、やはり社名を持っておる者、あるいは社宅あるいは独身寮等を持っておる事業所において、その事業所の中で社宅とか独身寮とかに入っていない者との間の不均衡をどう処理しているか、これを
調査しなきゃいけないと思っております。これはいま申し上げるように、
公務員の住宅手当が問題になった経緯から見ていってしかりだと思います。いかがでございますか。