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1964-03-24 第46回国会 参議院 内閣委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月二十四日(火曜日)    午前十一時二十三分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            伊藤 顕道君            鶴園 哲夫君    委員            源田  実君            小柳 牧衞君            林田 正治君            千葉  信君            松本治一郎君            山本伊三郎君            鬼木 勝利君            向井 長年君   国務大臣    文 部 大 臣 灘尾 弘吉君    国 務 大 臣 大橋 武夫君   政府委員    人事院総裁   佐藤 達夫君    人事院事務総局    給与局長    瀧本 忠男君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     岡田 勝二君    文部大臣官房長 蒲生 芳郎君    文部省社会教育    局長      齋藤  正君    文部省調査局長 天城  勲君    文化財保護委員    会事務局長   宮地  茂君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    文部省大学学術    局審議官    村山 松雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○文部省設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○国家行政組織及び国家公務員制度等  に関する調査  (公務員の給与問題に関する件)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。  文部省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続きこれより質疑を行ないます。  政府側より蒲生官房長齋藤社会教育局長天城調査局長宮地文化財保護委員会事務局長説明員として木田総務課長村山審議官が出席されております。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。伊藤君。
  3. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 前回に引き続いて、二、三お伺いしたいと思いますが、この前お伺いした最後の問題は、三十八年度設置がきまった阿蘇青年の家の建設状況とか、あるいは利用状況、こういう問題についてお伺いしたわけですが、三十九年度、すなわち新年度予定されておる第三青年の家の設置費として、たしか二億九百万円が予定されておる、こういうふうに承知しておるわけですが、その第三青年の家の設置場所あるいは建物の大きさとか収容人員ですね、こういうものについてはどのような計画になっておるか、特に設置場所については新聞の報道等でもだいぶ問題になってきたわけですが、現在どこに予定されて、最終的にはどこにきまろうとしておるのか、こういう問題について、まずお伺いしたい。
  4. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 第三青年の家につきましては、過般来、東北地区候補地につきまして、第一回目の実地調査をいたしました。その材料を現在検討中でございまして、いまだどこに建てるかということを文部省としては決定しておりません。なお、調査をもう一度しなければならない部分が若干あるのでございまして、できるだけ早い機会にもう一度やった上で設置場所をきめたい、かように考えております。  なお、第三青年の家の三十九年度予算案に計上せられておりますのは、千六百坪分の建物でございまして、私ども予定といたしましては、明年度さらに追加を要求いたしまして、四百人収容規模にいたしたいと思っておるわけであります。と申しますのは、三十八年度設置いたしました国立阿蘇青年の家につきましては、同様に三十八年度で二億の予算を入れまして、三十九年度でさらに建築の増加分を入れて、そうして三十八年度、三十九年度合わせまして四百人収容のものにすることを予定しておりますので、同様の手順を踏んで第三青年の家も阿蘇青年の家も同様の規模にいたしたい、かように考えておるわけであります。
  5. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そうすると、阿蘇青年の家も第三青年の家についても、大体二カ年の年次計画で進められておる、そういうことですか。
  6. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 基本的なところは二ヵ年で済ましたいというふうに考えております。  なお、土地状況によりまして、付帯的ないろいろなものは少しずつ部分的に整理するところは残ると思いますけれども、基幹となるべき収容する本館等のものは二ヵ年で完了するように進めてまいりたい、かように考えております。
  7. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 やがて四月になって新年度になるわけですが、いまだにどこにしようか決定してない。ずいぶんのんきなことをおっしゃっておるが、もう新年度早々入ろうとしておるのだがこの段階で大体内定はしておるのですか。その内容の中で幾つ候補地があって、それでまだしぼりかねておると。どういう状況なんですか。
  8. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 東北地区で福島、宮城、それから山形、それから岩手、四県につきまして候補地としてあげられておりまして、地元のほうといたしましてもいろいろ設置につきまして御協力を願うということを申しておるのでございます。それらにつきまして実地調査をいたしまして、まだ具体的にどこだということも内定もいたしておりません。ただ明年度工事期間ということを考えますれば、おのずから最終的にきめる時期というものはあるわけでございます。工事期間といたしましては、やはり阿蘇の例からいたしまして、せいぜい十二月まででございますので、なるべく早くきめたほうがいいと思っておりますが、まだ材料を比較検討しておる段階でございまするので、決定に至らないのでございます。
  9. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 まあ検討している段階とおっしゃるわけですけれども、これはずいぶん前から計画は進んでおるはずでしょう。したがって、その計画に基づいてまあ国全体の行政から最も公平、厳正にしようというわけで検討されてきたと思う。もうやがて新年度に入るまぎわまで来ておるわけですね。それでまだしぼりかねておると、こういうことは怠慢のそしりを免れぬと思うのですが、新年度早々きちっと厳正にきめて、着々と計画を進めていくと、この四県のうちで特定の県によっては、地勢等関係計画等も多少違うでしょうし、そういう基本的なことは当然この方針に従って早くから決定しておかなければならぬ問題だと思うのですが、もう新年度早々入ろうとするのにまだ予定もきまっていない。こういうことではこれはこのことに限らず、政府のやることはどうもそういう点で緩慢さが見受けられるわけです。大乗的な立場でき然とした態度で早くきめるのが至当かと思います。そうせぬで四県のうちでどの県にしょうかなどというと、その四県がいろいろ誘致運動を起こしたり、いろいろとそこに情実がからんでくると思うのですね。また問題が起きると思うのです。ですから大乗的な立場で、国全体の視野から文部省計画を進めておるのですから、そういう視野から、さて東北ときまったらいろいろ全体のつり合いからどこというようなことは、もう早目に手を打たなければ、いろいろと問題を起こすおそれがあろうかと思います。この点どうも遺憾にたえないわけです。大体いつごろきめる予定ですか。
  10. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) なお、一、二雪解けを見て調査すべき点がございまするから、その機会がおとずれましたならば、調査の上お話のようにできるだけ早くきめるようにいたしたいと思っております。
  11. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 関連。国立両年の家ですがね、これは富士と阿蘇と今度東北計画されたわけですが、文部省というか国としての構想ですね。どういうふうに持っていこうというのですか、将来の計画ですね。
  12. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 明年度予算におきましては第三青年の家を要求いたしましたにつきましては、大体阿蘇につくりましたので、今度は関東より以北の点だということは初めからそういう考えで遊んでまいりました。でございまするから、他の地区にもいろいろございましたけれども、順序といたしましてその区域内にしぼって現在調査をしておる段階でございます。なお、将来計画として国全体として何カ所どの地区に設けたらいいかということは、まだ文部省として正式に全体計画決定する段階に至りませんけれども、現在の予算に出ております三つでは少ないであろう。そうすると、おのずからその数としては、いわゆるブロックというものを一つの基準にして、それより下がるか上がるかという限度の数というものを私どもとしては一応心づもりとしては持っておりますけれども、全体どの地区幾つというようなことは文部省としては正式にまだ決定をいたしておらないわけであります。
  13. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 もう一点。まあ私ども青年の家、いままでできたところから見ると、これは非常に効果的というか、いままでのもいいようですから、これはできる限りこういう予算には力を入れて文部省やっていただきたいと思います。いまのとりあえず第三の家は、いまお話のように、関東以北というようなことの構想、もっと広く言えば東日本での中心というような考えでとりあえずやっておられるのか。そこらもひとつ参考のために聞いておきたい。広い意味でやっておられるのか、ブロック的な構想のもとにやっておられるのかということです。
  14. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 基本としては広く国全体の配置の上からどこかということをやっておるわけでございます。それからそれに加えますに、土地状況あるいは多人数収容いたしますから水源の問題、その他交通状況の問題、その他いろいろなことを比較考量しておりまして、その場合にどういう距離、どういう地点がいいかという材料をいまこまかく出して検討しておる段階でございます。
  15. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 国立青年の家のほかに、各都道府県あるいは市町村にもそれぞれ青年の家が設けられておるわけですが、各都道府県にはもう全部そろっておるのかあるいは市町村、そういうものについての設置ぐあいはどういう状況になっておるのか。これはまあ数字をいれれば大体児当つくわけですが、それと文部省がこれらの都道府県市町村立青年の家に補助金を交付しておるわけですが、それは新年度はどのくらい予算化されておるのか。また、三十八年度の総額はどうであったか。こういうことによってその増減は明らかになるわけですが、こういう点を説明していただきたいと思います。
  16. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 公立青年の家は現在七十九ヵ所ございまして、そのうち都道府県立が四十九ヵ所、市立のものが二十一ヵ所、市町村組合立のものが九ヵ所ございまして、そうして予算——文部省のこれに対する補助金は、三十九年度も三十八年度も五千三百万余でございまして、十三ヵ町分予定しておるわけでございます。
  17. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 文部省としては、第一次計画で三十九年までに九十六ヵ所も地方青年の家を建設する、そういう予定であったと聞いておるわけですが、これはどの程度進行しておるのか。おそらくこの予定どおりはできていないと思うのですが、その状況はどうですか。
  18. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 未設置県が現在六県ございます。長野、奈良、高知、佐賀、長崎、熊本でございまして、しかし、三十九年度はこのうち未設置を解消する県も出てまいると思います。  それからなお、いまお話のございました青年の家は三十九年度で全部完了するかという問題でございますが、実は勤労青年その他がこういう施設利用する利用度というものはますます向上してまいりまして、しかもその利用の形態というものもだんだん多様になってきておりますので、私どもとしてはこういう山紫水明の地に置くというタイプのものと、さらに都市等におきまして勤労青年が学習したり楽しんだりする場所としてむしろ都市に向くものも促進してまいりたいということで、この青年施設に対しましては三十九年度で終わるということなく、なお、継続してまいりたいというふうに考えておるわけであります。
  19. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これらの都道府県あるいは市町村、そして国のそれも大体同じでしょうが、青年の家へ入ってからの一体日課は現在どういうようなことをやっておるか、大体日程はどうなっておるか、一週間とか二週間とか一定期間があろうと思います。最初計画は大体存じておりますが、現在どういうふうに運営されておるか。
  20. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 国立青年の家の場合で申しますと、この地方青年の家の場合も大体同様でございますが、団体で、リーダーがおって、そしてその団体としての研修計画を持ってくるというものが大部分でございます。したがいまして、青年家自体といたしましては、起床とか朝のつどいとか、全体的な生活の姿勢、規律というものを正しまして、その中で行なわれます研修事業というものは、もちろん求めに応じては援助いたしますけれども、その団体自体研修計画をつくってくるというたてまえになっております。
  21. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 国とか都道府県市町村、そういうものによっても違うでしょうが、大体の、青年の家に入った場合、まあ一定期間入るわけですが、一日一人平均どのくらいの経費がかかるのですか。
  22. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 経費の点でございますか。
  23. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 青年の家に希望者団体として入るとして、経費が若干かかるのでしょう。それは国立の場合と都道府県市町村、大体似たようなものであろうと思うが、大きな差があればそれを各区別をして、大体一様であれば大体のところで一日一人平均経費ですね。
  24. 齋藤正

    政府委員齋藤正君) 国立青年の家の場合には、食費が二百五十円、それだけでございまして、あと経費は徴収はいたしません。寝具その他全部、所としてやっております。公立の場合も大体同じような方針が多うございます。
  25. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 次に、国立学校関係定員についてお伺いしますが、この提案の説明によると、国立学校関係で三千八百一五十一名の増員の中で学年進行による増員の数が大部分で二千百人ということになっていますが、その学校別内訳はどのようになっていますか。
  26. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 学年進行二千百十名の学校別内訳は、高専も含めまして、国立大学及び高専七十九校にわたっております。申し上げますと、北海道大学八十名、室蘭工業
  27. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ちょっと待ってください。七十九校一々ここで言っても頭に入らぬから、これあと資料として出してください。
  28. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 承知しました。
  29. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 七十九校に分配されるわけでしょう。
  30. 村山松雄

    説明員村山松雄君) そうでございます。
  31. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ここで七十九校も言うのは、容易じゃないから、聞くほうもたいへんだし、資料として出してください。
  32. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 承知いたしました。
  33. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それと昨年度においては学年進行で千九百三十八人の増員が認められたわけですが、現在まで充足状況は一体どうなっていますか。千九百三十八人の定員増が認められたわけでしょう、三十八年度において。その充足状況はどうなっているか。
  34. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 国立学校定員に対する現在員の状況でございますが、増員数は主として教官でございまして、教官につきましては、選考を各大学におきましては各大学でやるたてまえでございますので、たいへん慎重を期します関係上、年度定員増の分に対して直ちに充足されるという状況ではございませんで、その状況は正確には把握できませんけれども、大体従来の例から申しますと、初年度には大体七〇%程度が充足されまして、一年以上かけまして完全に充足されていく、こういう状況になっております。昨年度の分も大体そのような状況になっておろうかと存じております。
  35. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 一年たって七〇%の充足状況ということは、まだ三〇%の欠員があるということになるのですが、こういうことでは大学国立学校のいわゆる教育効果を期待できないと思うんだが、これは那辺に原因があるのですか、三〇%の欠員がいまでも補充できないという原因は一体どこにあるのか。
  36. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 欠員が多いのは定員増加初年度でございまして、全体を通じますと現在三十八年度末で国立学校全体の欠員率は四・三%ということになっております。したがって、初年度はなかなか容易に充足できませんけれども、若干年月をかければほぼ完全に充足されるわけでございます。初年度になかなか充足されません理由は、やはりこの国立学校増加分は新しい学部なり、新しい学科の創設に伴う分でございまして、これは一般の事務系統職員のように、定員があれば、資格のある者ならばだれでも採用できるということではなしに、資格のある者の中からそれぞれの大学においてその目的に照らしてきわめて厳選をするために最初のうちはなかなか充足できない。しかし、有資格者であれば相当数あるわけでございますので、若干の年をかければほぼ完全に充足できる、こういう状況になっております。
  37. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 そういうことになると、各専門分野になるのでなかなか人選が意にまかせない、そういう事情があって所期のような一〇〇%の充足ができない、そういうふうなことですか。
  38. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 初年度にたいへん人選に慎重を期することが表面的に初年度定員がなかなか充足できない主たる理由だと考えております。
  39. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この国立学校関係教職員定員増に伴って、結局国立学校学生の数は当然に倍になっておる。それは逆を言えば、学生数がどんどんふえてくるので教職員増員が必要になってくる、こういうことになるわけですが、この国立学校関係教職員定員増状況はこれでわかるわけですが、学生数の増は一体どういうことになっておりますか。
  40. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 三十九年度国立学校学生数増員大学関係で二千四百三十五名、ただし改組によります減員が六百七十五名ございますので、差し引きますと千七百六十名の増ということになります。それから短期大学につきましては、八十名の増員に対しまして、四年制に昇格したものがございますし、高専に転換したものも含めまして三百六十人の減員になっておりますので、短期大学につきましては、差し引き二百四十名の減員ということになります。大学と短大と合わせまして、差し引き純増が千四百八十人ということになります。それから高等専門学校につきましては、十二校の新設によりまして千五百二十名の学生入学定員がございますが、増員と相なっております。
  41. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 年々学生の数は漸増の傾向をたどっておると思うのですが、最近五カ年間のこういう各学校種別の総数をひとつ資料として後ほど出していただきたい。そうすると、年度ごと学生数増加傾向がわかると思うので、それをお願いしておきますが、特に問題なのは、四十一年度ころから大学生が急増してくるであろう、こういうことが推察されるわけです。これに対して文部省としてはどのような具体策考えておるのか、おそらく四十一年度に入ると大学生は急増すると思うのです。こういう前提に立って文部省のとろうとしておる対策、こういうものはどのようなものであるか、具体的に承りたい。
  42. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 過去の実績につきましては資料として御提出いたしたいと思います。  それから四十一年以降のいわゆるベビーブームに対する大学収容計画でございますが、現在までのところ、ベビーブームの子供が高等学校をどの程度卒業するであろうか、それから大学にどの程度志願するであろうかということの推計をいろいろの角度からやっておりまして、大体見当がつきかかった状況でございます。それに対して大学収容計画のほうは、まだ具体的なものはこれからつくるという段階でございますが、大体の考え方といたしましては、高等学校卒業生が四十一年度には現在より約五割ふえると、したがって、従来の高等学校から大学への進学率を維持するという考え方に立つといたしますと、大学収容力も相対的に約五割程度ふやさなければならぬということになるわけでございますが、大学の場合は高等学校と違いまして、卒業生に対する社会的需要ということも大学拡充計画を立てるにあたりましてたいへん重要視すべき要素でございます。これらの点につきましてもいろいろ検討を進めておりまして、進学希望者増加大学卒業生に対する社会的需要という二つの面から大体の見当をつけまして、それで出てきましたおおよその数字を、今度は四年制の大学あるいは短期大学という学校種別配分、それから国立大学公立大学私立大学といったような設置者別配分考えなければならぬことになるわけでございまして、そのような具体的な計画は目下鋭意検討中でございまして、できますれば、一部昭和四十年度予算からこの大学急増対策を具体的な形で御審議をお願いいたしたいと、かように思っておる次第でございます。
  43. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 この前要求して出していただいた各大学患者数及び診療関係要員、こういう表を拝見すると、ずいぶん大学によって無給医局員有料医局員、いわゆる医員の有給、無給の比率がずいぶんかけ離れておると思うのですが、これはもちろん各大学自主性にまかしておると思うのですが、こういう格段な差について文部省としてはどう考えておるのか、これはずいぶんこの表によってまちまちなんですが。
  44. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 先日提出いたしました「国立大学病院における患者数および診療関係要員数について」の資料数字についての御指摘でございますが、御指摘のように、大学別かなり数ばらつきがございます。その理由は、まず教官のほうにつきましては、これは主として設置年度の古い大学、したがって、現在規模の大きい大学は教授、助教授の数が多くなっておりますし、設置年代の新しい大学につきましては少ないと、こういう関係になっております。それから、特に東京医科歯科大学と大阪大学につきましては医学部のほかに菌学部がございます。医学歯学関係が二学部でございますので、職員の数も多くなっております。主として沿革上の理由ということになろうかと思います。それから無給医員についての人数ばらつきは、これは定員ではなくて大学が自主的に無給医員志願を許可するたてまえになっております。したがって、志願者の多い大学無給医員も多い。もう少し言い方をかえれば、研究指導の能力が高くて医学の勉強をするために本人があそこえ行ったほうが有利だと考え大学人数も多いし、まあしからざる大学無給医員の数が少ない、こういう結果になっているのじゃないか、かように考えております。
  45. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止
  46. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけて。
  47. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 それでは、大臣見えたので、前回に引き続いて、国立学校定員関係して、この前、附属病院医員実態について、それを中心にお伺いしたわけですが、なお、問題がありますので、二、三お伺いします。  正確な資料によっていろいろ調べますと、この附属病院における一日平均診療時間をまず調べてみると、大体患者一人について、八十分ぐらいの診療を、診察なり医療をかかえておる、こういうことがあるわけです。こういう中で、いわゆる正式な要員である国家公務員の担当しておる割合は、八十分に対して二十五分ぐらい、すると、外来患者に対しては三十五分ぐらいの診療時間が持たれておるが、それに対して正式要員の担当はわずか十五分である。こういう実態が明らかになっておるわけです。こういうことになると、この前にも申し上げたのですが、無資格者診療する時間のほうがはるかに多いわけで、これは国立大学附属病院としての権威にかかわる問題だと思いますし、これはこのままにしておいては、ゆゆしい問題となろうと思うのです。こういう問題に対して大臣としては、一体具体的に、どういうような措置を考えておるのか。
  48. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 御指摘の問題は、大学病院の、何と申しますか、性格とでも申しましょうか、長年にわたる慣習が作用いたしておると思うのであります。したがいまして、その問題を一挙に解決するということは、なかなか困難な点もあろうかと思いますが、この前のときにも申し上げましたように、これにつきましては、一そう積極的に解決のために努力いたしたいと存じます。その方向としましては、大学病院として、その病床数あるいは、外来患者数や研究目的に応じまして、診療要員として確保すべき数は、一体どの程度のものであるかということを、まずひとつ考える必要があろうと思います。その診療要員として確保すべき数につきましては、これをやはり正規の職長として定員の中に入れることが適当ではないかと、その方向に向かって努力いたしたいと思うのであります。なおまた、自分の研究と同時に、大学病院として一部、診療にも従事さしておる者があるわけでございますが、これらの者につきましては、非常勤の職員としたらいかがであろうかと存じます。また、もっぱら自己の研究のために病院に籍を置く者につきましては、大学院の学生あるいは研究生として、学生としての身分を明確にして、正規の職員と混同を避けるようにいたしたいと思います。さらに根本的にはインターン生、この問題はいろいろ検討いたしておりますが、このインターン等をも含めまして大学病院医学研究体制との関係を十分に解明いたしまして、すっきりした診療及び研究体制の整備をはかるべきではないか、かようにまあ考えておる次第でありますが、なかなか一挙に解決することも困難でございますけれども、ただいま申し上げましたような方向においてひとつ積極的に努力してみたいと存じます。
  49. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いまもお伺いしたように、入院患者については八十分の診療時間のうち約二十五分、外来患者については三十五分のうち大体十五分の診療時間しか正規のものは診療しない、こういうことから推すと、結局無給医員の一大奉仕を前提としない限り、この国立大学附属病院は成り立たない、こういうことになろうと思う。これでは国立の名に値しないと思うのですが、しかもこの前の質疑で明らかになったように、諸外国には全くない悪例ですね。これはほんとうの一大悪例、大臣は先ほど長年の慣例だからと言いましたけれども、長年の慣例であろうと、最近の慣例であろうと、そういう悪い例については、これはもう断固としていわゆる抜本的な方向で大メスを加えない限り、長年の慣例だからと済まされる問題ではないのではなかろうかと思います。この問題について、ひとつ決意のほどお伺いしたい。
  50. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 先ほどお答え申し上げましたとおりでございますが、日本の大学の、大学病院のあり方というふうなものが、かなりこのような状態をもたらすに至った原因ではないかと思います。しかもそれが長いこと行なわれてきておることでございますので、私は先ほど、いま直ちに全部を解決することはなかなか困難ではないかということを率直に申し上げたわけであります。しかし、この状態が決して妥当であるとは私も考えません。やはり本来その診療について責任を持つべきものとしからざるものとの区別ははっきりしなければならぬ、そういう意味合いにおきまして、先ほど申しましたような方法を頭に置いて解決に努力してまいりたい。責任を持つべきはずのものにつきましては、やはり明確にその数を確保しなければならぬと思います。いまおっしゃいましたような状態でもって必ずしも責任の明確でないものが多くの時間を診療に従事しておるという姿は、これはどう考えましても適当でないと私ども思いますので、その辺の是正に今後努力してまいりたいと存じます。
  51. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 これはまだ批准されていませんけれども、ILOの百号条約には、御存じのように、同一労働、同一賃金の条項があるわけです。いまILOについては八十七号が問題になっておるわけですけれども、やがて近い将来にこの同一労働、同一賃金の精神を盛った百号条約が、当然に近く国会の問題になろうと思います。これはむしろあまりにもおくれ過ぎておる。当然に、近くなされなければならない。そういう精神からも考えられることは、無給医員と有給医員との勤労時間とか、骨折り、責任の程度、こういうのをつぶさにこの目で見ますと、ほとんど変わらないことをやっているのです。ほとんどやることは変わりはない。やはり、主治医を仰せつかり、相当の患者を担当されて、真夜中でも、急患の外来には出ていかなければならぬ。こういう身近な例をはっきり私は知っているわけで、したがって、その実態に即してお伺いしているわけです。こういうことからも、同じような骨を折り、同じような責任を持って、そして一方は少ないながら一応の給与法に基づいて処遇を受ける。もちろん、この給与も十分でありませんけれども、一応、給与法に基づく給与を受けている。一方は全然受けていない。しかも、非常に大事な人命を預かっている。大事な仕事を担当している。いわゆる無給医員であるからといって責任はなかなか免れない。やはり担当している以上有給医員に変わらない同じ心労と努力によって患者を担当しておられる、これはどなたが聞いたってこんな不合理な話はないと思うのです。にもかかわらず、こういう、残酷な、一面から見るときわめて残酷だと思うのです。こういう世界残酷物語が日本だけに行なわれている。これは実に重大問題だと思うのです。先ほども申し上げたように、ただいま大臣も言われる長年の慣例だから一年で一ぺんにということはなかなか困難でしょう。だから、やはり年次計画を立ててやる以外には方策はなかろうと思うのです。この点について重ねて大臣の決意をお伺いしたいと思います。
  52. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 大学の今日の状況等につきましても、なお、精査をいたしまして、そして、いま申し上げましたような方向において、なるべくすみやかに解決したい、このような考え方でもって検討を進めさせていただきたいと思います。
  53. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 いわゆる無給医員というのはことばをかえて言えば、公務員でないわけです。したがって、そういう公務員でない方が、いわゆる副手のような名称で患者を担当している。たまたま間違いがなければいいんでしょうが、誤診でもあった場合、その無給医員の方の誤診があったと仮定した場合、これは一体責任はどこへいくわけですか。公務員でないのだから、表面上の責任はないわけです。しかし、本人自体は責任を痛感するでしょうし、究極の責任は、一体、どこで負おうとするのか、こういうところに問題が出てくるだろうと思います。これは具体的にあり得るだろうと思います。好ましくないことだが、実際にはあり得る問題。そういう場合、一体、責任の所在を明確にしなければならぬわけです。この点についてのお考えをお伺いしたい。
  54. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 責任ということになりますと、やはり法律的な問題にもなろうかと思いますので、政府委員からお答え申し上げます。
  55. 村山松雄

    説明員村山松雄君) この場合、責任は二つあろうかと思います。一つは医師法上の問題でございますし、それからもう一つは、そのものの外見上の勤務しておられると見られる病院の監督上の責任ということになろうかと思います。この点につきましては、医師法上の問題は、無給医員といえども医師免許状を持っている医師でございますし、これは本人に帰属すると考えられます。それから、病院の監督上の責任ということになりますと、無給医員であっても病院が認めて診療に従事させておる以上は、病院の責任に帰属すると、こういう工合に従来とも解釈いたしております。
  56. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 その場合ですね、問題はその患者考え方、これが大きな問題になろうと思うのであります。こういう問題は、実際にも幾つか出ておると思うのですが、その点の状況はどうですか。
  57. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 無給医員による診療上の問題というのは、従来絶無ではございません。若干ございましたが、実際問題といたしましては、先ほども申しましたように、医師法上の問題は、これは本人の責任でございますし、それから外見上これを使っております病院側の責任といたしましては、病院としては、無給医員患者診療する場合には、必ず有給職員の指導のもとに診療させるたてまえをとっておりますので、まずその指導者であるところの職員、これは助手なり講師なりの場合が多うございますが、指導者の職員が責任をとる、さらには診療科の主任であるところの教授の責任、最終的には国家、設置者である国家の責任という段階で処理いたしております。いままで国家賠償といった最終的のところまで問題が持ち上がった例はございませんので、いままでは大体指導医なりあるいは主任教授までの段階で、患者側と話し合いによりまして問題を解決しておったという実情でございます。
  58. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 結局無給医員である副手ですね。無給副手、これはこの資料の中にもありますが、大学によって副手とか研究生、専攻生、研修生、これはみな大学によってまちまちのようですが、要するに、無給副手ですね、こういう方は大学に行かないでも医師の資格をとるまで高校を出てから七年、大学へ行った場合は十一年ということになります。七年ないし十一年以上、大学無給副手として勤務しておっても全然、いわゆる文字が示すように全然何らの給与は受けてない。それで、実際どうしておるのだろうかといろいろ調べると、言うまでもなくアルバイトをやっておるわけですね、町の医院とかあちこちの病院に行ってみたり、いろいろそういうことでアルバイトによってたばこ銭なり教科書をかせいでおる、これが実態です、それで、非常に身体的に無理しておるわけですね、附属病院では患者を担当させられて、それに責任がある、その中でさらにまた疲れたからだをひっさげて何とかたばこ銭ぐらいかせがねばいかぬということで町の病院にアルバイトとして、時間などをきめてバイトをやっておる、これが実態です。聞いてみると、非常に無理が多いわけですね。ずいぶんこれは酷な話であるわけで、大学で相当患者をまかせられて忙がしく働いておるのだから、それで最低限度の生活できるぐらいでないと、話がわからぬわけですけれども、実際には、繰り返して申し上げておるように、無給副手が示すように、全然収入がない。また、お医者さんが足らぬので町の病院でもあるいは医院でもそういう無給副手などをアルバイトに歓迎してこれを迎えておる、これが実態のようです。こういう問題は深く掘り下げるといろいろ問題が出てくると思うのですが、この問題に対してどう考えておりますか。
  59. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) いまお述べになりましたような状態というものは、決して私は歓迎すべき状態とは考えられないと思うのでございます。したがいまして、大学側といたしましては、先ほど申し上げましたような方向でもってものごとをはっきりさせる必要もございましょうし、また、御本人の側から申し上げましても、そのような状態をいつまでも続けるということが適当であるかどうかということについての反省もなければならぬのじゃなかろうかと思うのでありまして、今日の大学病院が、私しろうと考えでございますけれども患者を引き受けるのを無制限にやっておる、いわば、一般病院みたいなことを大学病院がかなりやっておるわけであります。そういうふうなところから、非常に多くの人をかかえ込んで仕事をいたしておるわけでございますが、大学病院本来の使命ということから考えますれば、そのあり方についても検討をしなければならない点があるのではないか、これはしろうと考えでございますけれども、そのようにも思うわけでございます。いずれにしましても、その、いわゆる無給副手なる者の生活の実態というものが、いかにも、無理が重なっておるようにも思いますので、そういう点につきましては、大学大学として十分今後のあり方について検討をしてまいる必要があるのではなかろうか、何とかそのような状態から脱却できるような方向において、お互いに考えてみなければならぬと、私はさように考えております。
  60. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ここで身近な問題を一つ出してみますると、いわゆるインターンで七年間の研修で資格を取った。その方は別に大学附属病院に残らないで、直ちに民間病院につとめて、住宅を一軒支給されて、現在七万もらっておるわけです。卒業してすぐ資格を取ってすぐ民間病院につとめておる。で、一方の人は、さらに大学院へ行ってそれに四年加えたから十一年以上たったわけですね。それで繰り返しお伺いしておる無給医員として大学附属病院につとめておる。これは全然ゼロです。こういう珍現象がいまあるわけですね。そこで、最近インターンなども非常に問題になっておると思うのです。目下検討を重ねられておると思うのですが、このインターンだけ取り出しても、そういうふうな問題があるのですが、一方は七年の課程で、もう家をもらって七万円、一方は十一年研修を重ねて全然無給、文字どおりの無給、こういうことになると、よほど家庭に経済的な余裕のある人はいざ知らず、何といっても、人さまの生命にかかわる大事な仕事を担当する医員が、医学卒業生がだんだんそういう傾向で、経済的に走って、研究を怠って、とにかく経済的に走るようなことになると、これはゆゆしい問題だと思うのですね。人さまの大事な生命を預かるんだから、やはり経験と、深い研究を重ねて、初めて国民の期待に沿い得る。これはもう、どなたがどうおっしゃろうとはっきりした話だと思うのです。やはり経験も、そして学究も深いほどいいわけですね、品物を扱うのと違いますから。しかしながら、これは経済的に相当余裕がないとできないわけです。良心的に考えても許されない、家庭の事情では。ところが、一方では、大学を出てインターンを済まして資格を取ればそういうふうにやれる、いわゆる官、公、国立の病院ではそういう待遇はしないでしょうけれども、私の病院では、個人の病院ではそういう待遇をしておるわけです。その間にずいぶん開きがあろうと思います。結局人間の命は地球の重さよりも重たいと言っておりますけれども、いまの医学界全体を見ても、経済が生命に優先しておる、生命に経済が優先した考え方から、いろいろ、薬事法一つ見ても、この患者にこの薬を使えば完全によくなるということはわかっておっても、なかなかそれは使えない、規制がある、質と量に制約があるわけです。こういう問題一つとってみても、人間の命はそんなに大事であるとされていながら、やはり経済が生命に優先している、ここから政治が行なわれておる。こういう実態が多いわけです。こういうようなことを考えても、こういう矛盾は一刻も早く解決しなければならぬ。そこで、大臣は通り一ぺんの答弁をなさっております。今後研究はいたします、早く解決しなければならぬ問題、しかしながら、長年の間の悪い慣習で、急にはどうにも、こういうような意味のことを繰り返し御答弁になっておりますが、そこで、私はあえてこの問題を取り上げてお伺いしているゆえんのものは、これはよほど強い決意で抜本的にここで解決しないならば、通り一ぺんな努力では、通り一ぺんの計画では、これは是正できないと思うのです。しかも、繰り返し申し上げるように、こういう悪例は日本だけの問題、諸外国にはこういう問題はないわけです。先ほどもお伺いしたように、ILO百号が近い将来に通れば、どうしてもこれは、同一労働、同一賃金で、当然に有給医員無給医員との間にそういう差があっては相ならぬと当然なると思います。しかし、この百号は近い将来必ず通るであろうということは明確であります。ただ現在は批准されてないということだけであって、近い将来の問題です。こういうことをあわせて考えたときに、文部大臣はこの点を十分にかみしめてもらって、もっと強い決意で、不退転の決意でやらないと、通り一ぺんの、長い間の慣習だ慣習だということだけでは済まされぬのです。しかも、先進国ではこういう制度は全然ないわけです。日本だけの悪い残酷物語です。これはゆゆしい問題だという観点から、特に国立学校定員に関連してお伺いしておるわけです。かような意味合いから、ひとつ強い決意のほどをお伺いしたいと思う。
  61. 灘尾弘吉

    国務大臣灘尾弘吉君) 御趣旨はよく了解をいたします。私としましても、今日の不合理な状態を是正するために極力努力をいたしたいと思います。ただこの問題につきまして、なお、私ども考えなければならぬと思いますことは、医師の養成という問題について、現在ののような制度のままでよろしいのかどうか、こういうふうな問題も一つの課題になってくるのではないかと思います。同時にまた、大学病院のあり方という問題についても、あわせて検討していかなければならぬ問題ではなかろうか、かように考えるわけです。諸外国の大学病院がどういうことになっておりますか、私つまびらかにいたしておりませんけれども、日本の大学病院は、少なくとも大学の研究とかなんとかいうことだけでなしに、広く社会の病人をお引き受けしている、こういうような状態になっているところに、いろいろこれに従事する診療者の問題というものも、一つは出てくるのではなかろうか、このように思いますが、どこまでもやはり大学病院というものを主体といたしましてこういうふうな問題についての是正ははかってまいらなければならないと思います。同時にまた、医育の問題につきましては、さらに今日インターンの問題が問題とされておりますように、われわれとしましても、日本の医育の状態という問題について、どこまでどうしたらよろしいかというふうな問題についてもあわせて検討いたしたいと思います。何にいたしましても、いまの状態は御指摘のように、不合理な点が多々あるわけであります。これが是正につきましては私ども十分努力いたしたい、かように思います。
  62. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 大臣が十分この問題に関心を持たれて善処すると、そういうお考えであるようですが、そうすると、新年度定員増にもこれは具体的に出てこなければならぬわけだと思うのです。そこで、ここに提出いただいたこの表を見ますると、無給医員の各附属病院の合計が八千二百一名になっております。これは三十七年度の問題ですが、三十八年度はまだ統計は困難であろう、それはわかります。したがって、三十七年度に比べてもちろん年々増員の措置をとっておられると思いますが、ここで最後にお伺いしたいのは、三十八年度に対して今回新たに国立大学病院におけるいわゆる無給医員の有給化ですね、いわゆる定員化、これは何名ですか。それによって文部省の関心のほどが具体的に数字的に出てくると思います。で、相当数が定員増になっておれば、大臣が繰り返し答弁されたことがある程度考えられておるということになりますが、もしあまりたいして増員になっていないということになると、いままで御答弁なさったこと、これはただ通り一ぺんな御答弁ということになるわけです。そこで最後に、三十八年度に比べて何名だけ新たに定員化されることになるか、その数字を承りたいと思います。
  63. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 三十九年度国立大学附属病院定員増の中で助手六十八名がございます。この助手六十八名は、これは必ずしも全部が無給医員の切りかえではございませんが、診療科の増設、ベッド数の増加に伴うものもありますが、その増員が六十八名ございますれば、現実には無給医員の中から任用されるということになろうかと思います。それにいたしましても、現在おります人数に比べますとたいへん少ないわけでございますが、今後ますます努力いたしたいと考えております。
  64. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 助手六十八名の定員化だとは言っておりますが、この中には必ずしも無給の者ばかりではないということになると、純粋に定員化という数字幾つなんですか。いわゆるいままで無給であった者が有給になって初めて国家公務員になるわけでしょう、だから定員増ということになるわけです。
  65. 村山松雄

    説明員村山松雄君) 文部省といたしましては、無給の者を有給化せいというようなひもつきの増員をやっておるわけじゃございませんでして、助手を増員すれば実際問題として無給医員から任用されるであろうということで、助手の増員数六十八名がほぼそれに該当すると申し上げたわけでございます。  実際問題といたしましても無給医員が常時八千名程度おるわけでございますが、それはまた常時助手に欠員を生ずれば助手に任命されて、常時更新しておるわけでございます。そういう事態でございますので、先日も御説明申し上げましたように、八千名おるからそれがすべて必要な職員であり有給化すべきものという考え方はとっておらないわけでございます。現状の大半病院の入院患者数外来患者数からすれば、先月の御説明申し上げましたが、診療要員として必要な数字は約千五百名程度であって、しかもその全部を定員化するのはやはり現状の大学病院の実情からは必ずしも適当でないので、そのうちで五百名程度はぜひ専任の定員化すべきもの、それから、残りの千名に相当するものは非常勤の医員という形が妥当であろうという計画を立てて大蔵省に予算の要求をしておるわけでございます。そういう要求をした結果落ちつきました数字が助手六十八名、これは病床数の増加ども考慮した数字、こういう結果になったわけでございます。  純粋の無給医員の有給化等にいたしましては、そういうひもつきの予算定員ではないわけでございます。
  66. 伊藤顕道

    伊藤顕道君 ここの一覧表を見ますると、大学附属病院が二十一ヵ所あがっておるわけです。これに対して無給医員が八千二百一名という状況です。この中で、いま定員化が約六十八名、こういうことになると焼け、石に水で、これは非常に百年河清を待つというようなこんな程度ではなかなか解決しないと思うのです。  そこで、もうお約束の時間も過ぎておりますから、きょうのところはこの程度にとどめておきますが、いまのこの数字では、いままで大臣が御答弁なさったことは具体化していないと解さざるを得ないわけです。八千二百余名もある無給医員の中で、大体定員化がそういうような零細な数字であるわけですから、これではとても灘尾文部大臣にまかせておいたんではこの問題は解決しない、こういう結論を下さざるを得ないわけです。こういうことを私に言わせないためにも、さらにまだ十分手はあるわけですから、ひとつ十分抜本的に具体的にこれを解決して、なるほど灘尾文部大臣のときにこの無給医員の問題は解決した、そういうふうな時点に立ってひとつ十分特段の努力をいただきたいということを最後に要望申し上げて、本日のところは、この問題については終わりとしたいと思います。
  67. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ、本案の質疑は、本日はこの程度にとどめます。午後は一時三十分再開することとし、これにて休憩いたします。    午後零時三十九分休憩    ————・————    午後一時五十分開会
  68. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を再開いたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、公務員の給与問題に関する件の調査を行ないます。  政府側から、佐藤人事院総裁瀧本給与局長が出席されております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。鶴園君。
  69. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 内閣委員会で毎年三月、いまごろ、国家公務員の給与の問題について、人事院総裁あるいは給与担当大臣等に対しましてお伺いをするわけです。それは、ちょうど三月一ぱいごろで本年の勧告の調査要綱を人事院でおつくりになります関係で、したがいまして、毎年三月になりますと、いまごろ給与の問題について、大綱について、お尋ねをしたりあるいは要望をしたりということになっておるわけであります。その意味で、きょう若干の点についてお尋ねしたり要望したり、こういうふうに思っております。  昨年の十二月の特別国会で給与法の一部改正が出ましたときに、公務員の給与についての大筋につきましては私も意見は述べてあります。それに対しまする人事院の側の答弁も伺っておるわけです。まだはなはだしく私としましては納得のいかない点が多うございますので、できるだけ前回のものと重複しないような形でお尋ねをしたいと思っております。  まず、この五十人以上の事業所を調査する問題ですが、これは過去にも何回か論議をいたしましたし、したがって、ここで重ねてお尋ねをするというのもどうかというふうに思うのであります。しかしながら、私は、この人事院の公務員の給与をきめる根本であるこの五十人以上の調査というこれが、相当矛盾を深めてまいっておるというふうに思っております。したがって、今回の民間企業の実態調査にあたって、この五十人以上というものを改めるお考えはないかどうか。それをまずお尋ねをいたします。
  70. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) お察しのとおり、いよいよ民間調査の時期を控えておるわけで、私ども調査項目について十分検討を進めておりますが、御承知のような事情でことしはちょっと間があいたような関係で、少し時期がおくれております。したがって、今日のところまだ結論を得ておりません。実はきょう午前中も人事院会議をやっておったわけでありますが、そういうようなことで結論を得ておりませんが、まずこの五十人の問題につきましても、私どもとしては、あらゆる機会に従来の問題を総ざらいにしていこうという態度でおります関係上、いまお示しの五十人以上の問題についてもこれは検討をしておると申し上げてよろしいと。ただしかし、この人数の切り方の問題は、これは基本的な態度をどちらへ持っていくかというような根本の出発点の問題がからまってまいりまして、たとえば国は民間にも類を見ないような大企業ではないかというような立場からいきますと、五十人とか百人とか千人とか二千人とかいうこと自身が話にならないというような面がございます。しかしまた、一方において、立場を変えまして、民間給与を調べる以上は国民的視野に立って調べなければならないということになれば、十人でも二十人でも、あるいは毎勤統計のように三十人というような考え方もあるわけであります。その辺のところは出発点をどちらに置くかによって非常に根本にかかわる重大問題であると思います。したがいまして、そういう点も含めまして検討を続けているわけであります。いま、にわかにどうということは申し上げられませんけれども、率直に言えば、まあ五十人ということを、そのままそれを減らすとか上げるとかというだけのまだ根拠は、今日の段階では得ておらぬ、こういう申し上げ方しかできないのであります。
  71. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは、五十人以上の事業所、これを全国的にわたって六千三百程度毎年調査されるわけですから、これが公務員の賃金をきめる基盤になっているわけですけれども、この調査が非常に矛盾をだんだん激しくしてきているというふうに思っているのです。一等級は、御承知のように、もう民間の給与調査とははずしておられることは御承知のとおりであります。同じ公務員であり、同じ行政職俸給表の一という、そういう俸給体系の中にあるわけでありますけれども、一等級はもう民間給与とは比較しないという形になってまいっているし、前はそうでないのですが、そういうふうになっております。それから二等級ですが、この二等級も事実上もう五十人以上の企業の民間と比較してはどうにもならないというので、御承知のとおりに五百人以上の企業と比較をしておられます。ですから二等級の場合においては、もうすでにその意味ではくずれている、こういうふうに思われますし、先般事務次官を一官一給与制度という新しい制度をつくられまして、それとの関連で二等級も官民比較からはずすべきだという意見が、各省の幹部の中には相当有力に出始めております。ですから、これは事実上の問題として、一等級と二等級、こういう重要なところ、また官庁においては最もこれは中枢のところで、最も重要なところですから、これの給与のきめ方というのは、官民比較と、この五十人以上の企業というものとは完全にはずれてしまっている、こういうふうに見ておりますし、それから先般も問題にいたしましたが、五十人以上の企業をとって対応等級の比較をされるわけですけれども、四等級は公務員の場合は四十八歳だ、民間の場合は四等級といわれるのは三十九歳だという、十歳も年齢の下の者と比較をしなくちゃならない。あるいは三等級というグループ、民間の三等級というグループは実に二万人おる、公務員の場合には三千四百人くらいしかおらぬ、けたが違ったものになっているわけですね。こういう矛盾というのは、私はいまの五十人以上の企業では救えない。ラスパイレスというようなものを持ってきておやりになりましても、こんなに年齢が違ってしまったのじゃこれはどうも労多くして功少ない、こういう感じを持っているわけです。ですから、私は人事院が長年やっておられました——十何年になりましょうか、この五十人以上の事業所を調査されるというやり方はいまの俸給表の関係からいいますと、これは矛盾もはなはだしくなってきておる、こう思っておりますが、そういう点について、私は、どうごちゃごちゃ小細工を弄してみましても、これはすでに救うべからざる矛盾だというふうに思っているけれども、総裁はどういうふうに考えておられますか。
  72. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) ただいまおことばのありましたたとえば二等級の比較の問題などについても、これはもうたびたび御指摘があり、また、人事院からも御説明を申し上げているところでございます。要するに、官との対応職種というものが、五十人相度のところでは見つかるか、見つからぬかという問題にこれは結局結着するところだと思います。いまお話のようなことも含めまして、これもたびたび御指摘になっていることでありますし、先ほど申し上げましたように、白紙に立ってそういう点は一応検討の中に加えてはおりますけれども、しかし全然、いまの五十人というのが、最後のおことばにあったように、ナンセンスであるということもこれは言い切れないという複雑な感情でいるということです。
  73. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いずれこの問題は、総裁もお話のように、根本的な問題でありますが、私は、一等級を官民比較からはずすと、二等級を五百人以上の企業に限定をする、さらにことしになりましてから、二等級は官民比較からはずせと、そういう意見が各省の幹部の中に極まっておりますから、おそらくはずすことになるだろうと見ておる。この五十人以上という官民対応等級の桎梏の中からはずすだろうと見ておる、二等級も。そういうやり方では、これは同じ公務員の問題でありますから、そういう二元的なやり方をとらざるを得なくなっておる。事実、もう一等級もそうです。二等級もそうなんです。五百人以上の企業と比較しておられる。二等級は、御承知のとおり、二十三万も民間を調べてその中の二等級というのは実に八千人もいるんです、二等級に該当する人は。で、公務員の場合は八百八十人ですよ。けたが一つ違っておる、五百人以上の企業をとってみても。だからその矛盾を救うには、二等級あたりは現実に千人以上の企業と比較しなければならぬということになってきているんですよ。それを無理して五百人以上と比較されるものだから、しかたがないから二元論的になる。五百人以上をとってみますと、二等級に該当するのは二十三万人の中から八千人も出てくる。こっちの公務員の側は、二十三万人の中で八百八十人ですよ。これはもう救うべからざる矛盾です。ですから私は、せっかく総裁が新しい創意をこらして、これから白紙の立場をとって根本的に検討されようという、そういうお気持ちのようでありますので、この五十人以上の企業の調査の問題についてはひとつ再検討していただきたい。ますますこの矛盾は広がるだけだという点を申し上げておきたいと思います。  先ほども申し上げましたが、民間の、人事院で四等級で引っぱってくる者と公務員との間に十歳の年齢の差がある。この十歳というのは、人生五十五年ですから、公務員は。官の十歳というのは非常に大きなウエートです。十歳も公務員のほうが年配が上だ。それはラスパイレスをやってみたって、これは民間の例外的なものしか出てこないんです、比較すれば。ですから私は、五等級をついても、六等級をついても、十歳の差があるということはこれはむちゃだと思います。  これを救うのには、私は一つは、いま言った五十人以上の企業というものについて検討される必要がある。なお、十五、六年前に日本の企業の中に占めている五十人以上のものの占めている地位というものと、今日の日本の産業界に占めている五十人以上の地位というものは、相当変わってきているというふうに見なければならぬと思うのです。ですから、十五年前の考え方を固定して、これだったらこれでいいのだという、そういう安易な、あぐらをかいたようなやり方については再検討される必要があると私は思っておるのです。これは、ここでごちゃごちゃ始めてみてもなんですが。  次に、諸手当についてお伺いいたします。  まず、住宅手当ですね。この住宅手当は、三十六年の勧告で調査をされたけれどもゼロの回答だと、で、二年たった三十八年の四月にまた調査をなさったけれども、これまた、ゼロ回答という形になっておるわけであります。私はこの住宅手当の調査の方法が悪いというふうに思っております。どうも見当はずれだという感じですね。三十八年の勧告のときの住宅手当の民間の調査の場合に、住居を移転を要する事業所、要するに、転勤を従業員なり職員がする、そういうものについての調査をやられておるわけでありますが、それを見ますというと、非常にこのウェートは高いですね。住宅手当という制度を持っているのが三四%ということになっておりますですね。この三四%というのは、これは、五十人の企業も、百人の企業も。一万人の企業も、一企業として扱っておられるわけですから、ですから、実際上のウエートとしては、まだこれは相当変わると思うのです。大きく変わると思うのであります。いずれにいたしましても、まあ三十八年の調査が若干の前進を示したという気がするのです。しかしながら、もう一つ私は条件があると思うのですが、それは社宅なり、独身寮なりというものを持っている事業所——その事業所において、その社宅なり独身寮に入っておる者との不均衡をどうしておるか、これが調査の条件だと思うのです。ところが、これは調査なさらないで——本来、この公務員の住宅手当という制度がやかましくなってきたのは、従来は出先機関の長とかいう人は官舎を持っていたのですね。しかし、だれも不満はなかった。それは、出先機関の長というのは、官舎を持っていなければ転勤が非常に激しいのでやむを得ないのだという考え方があったのですね。ところが、近年、交通が便利になるというような点もありまして、あるいはいろいろ行政運営上の問題もあって、この転勤というのがいまや全公務員の問題になっておるわけです。決してその出先機関の長だけの問題ではなくて、全公務員の問題——県の中を考えましても、出張所の職員が、ほかの出張所に転勤しなければならぬという状態が、いまや常態になってきているわけですね。そうなりますと、当然いままでは問題なかったのだけれども、すべての公務員が異動の対象になるということになりますと、これはその従来の官舎をもらっている者ともらってない者との間の不均衡感というものが著しく出てきたわけです。のみならず、同じ俸給表を適用されているのに、一方は現実に実質的に住宅手当が出ている。それは官舎とか、国設宿舎とか、あるいは国が直接労を費やして、公設宿舎、公営宿舎というものを借りて貸しておるわけですね。これは現実に、実質的に住宅手当が出ているわけです。ですから、生活費の中に占める住宅費というのは非常に大きな比重を占めておりますから、この不均衡感というものがこれまたぬぐうべからざるものとして出てきておる。ですから住宅手当が問題になった経緯から見て、こういう調査ではおかしいとピントがはずれておるのではないかと私は思うわけです。ですから、私は調査としては、やはり社名を持っておる者、あるいは社宅あるいは独身寮等を持っておる事業所において、その事業所の中で社宅とか独身寮とかに入っていない者との間の不均衡をどう処理しているか、これを調査しなきゃいけないと思っております。これはいま申し上げるように、公務員の住宅手当が問題になった経緯から見ていってしかりだと思います。いかがでございますか。
  74. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) ただいまの御批判もたびたび承っておるところで、決して忘れてはおらないわけであります。住宅手当をことしも調査するかどうか、調査するとしたらどういう点について調査するかというようなことを含めまして、ただいま特に検討をしておるという次第でございます。
  75. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記とめて。   〔速記中止
  76. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をつけて。
  77. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 途中から割り込んで質問するのもちょっと総裁に対しまして申しわけないのですけれども、これはまあいろいろやりくりということで御了承いただいて、総裁の場合にももしそういうことがあればお許し願うということで、労働大臣にそれじゃお尋ねをいたしたいと思いますが、労働大臣人事院総裁と寒冷地手当の問題についてお尋ねをしたいと思いますが、まず労働大臣に、給与担当大臣に対しましてお尋ねをいたしたいのは、こういうふうに勧告が出たわけでございますが、これは人事院としては本年から実施をしたいという、そういうお気持ちだろうと思っておりますし、それから勧告に関係のある公務員の人たちも、本年からという考え方を持っておるわけでありますが、ところが、これは法律を改正しなければなりませんし、従来のように総理府令というだけではなくて、法律を改正しなけりゃならぬわけでありますが、この国会においてこの問題について処理するというお考えがあるのかどうか、その点をお尋ねしたいわけです。
  78. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 先般寒冷地手当の改正につきまして、人事院から政府は勧告を受領いたしております。お話のとおり、これが実行にあたりましては法律改正を要する次第でございまするが、まだ政府といたしまして正式に態度を決定する段階には至っておりません。ただいま給与担当といたしまして、私の手元で検討をいたしておるのでございます。私といたしましては、人事院勧告の給与に関するものでございまするから、原則として完全に実施すべきものである、したがって、勧告のとおり昭和三十九年度から実施できるようにしたい、かような心づもりをもちまして検討準備をいたしておるところでございます。成案を得ましたならば今国会に御審議をお願いしたい、かように存じております。まだ私の手元で検討いたしておる段階でございます。いずれ政府に正式に態度をきめてもらって御審議をいただくようにすみやかに運びたいと思います。
  79. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 この寒冷地の問題で給与担当の大臣がお答えになりましたのですが、人事院総裁に一つ聞いておきます。実は一般寒冷地該当の人々が考えておることは、今度の勧告にはきわめて不満なんです。なるほど五級地、四級地には若干石炭手当あるいは薪炭手当の増額ということになっておるが、それもまず平均して五%程度でなかろうかと思う。しかも三級地以下は豪雪手当というようなもので、しかも一メートル半以上積雪のあった場合のみそれを支給するということですから、三級地以下には、そういう積雪が非常に多い年には何らかの前進は見るけれども、それ以外には何にもない。これは相当われわれとしても問題あると思っておるのです。大橋大臣はこの勧告を尊重してと言われますが、これは与党のほうにもきわめて不満があると思う。したがって、この点は政府としても十分考えてもらわなくちゃいけないと思います。これは大橋担当大臣も御存じだと思いますが、あとであなたに質問いたしますけれども、この寒冷地におる公務員だけでなくして、非常に暖地との間の生活費の格差があるということは御存じだと思うのです。しかも国の国家公務員の人事行政また地方公務員もそうでありますけれども、人事行政から見ましても、もう少し寒冷地に対する優遇措置というものが必要だと思うのです。この点についてまず人事院総裁に、なせこういう四級地、五級地に重点を置いた、いわゆる勧告をされたかという経緯と理由をひとつお述べ願いたいと思います。
  80. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 今回の勧告について、寒冷地におられる方々について決して御満足であるなどとは私ども考えておりません。おそらくいろいろと御不満があるであろうことはかねて覚悟をしておるところでございます。ただしかし、私ども資料によりましていろいろ実態調査してみました結果では、結局今回勧告申し上げたような形になってしまった。この四級地以上と三級地以下との、いわば格差みたいな問題についても御指摘がございましたけれども、これとてもやはり石炭、薪炭というようなものについての固定した定額のものをとらえてみて、それが実質的にそれを値上げをしたというよりも、物価その他から勘案して、今日の実情でこれをとらえればこういう額になるだろうということで多少額は上がったわけであります。そういうことであるからして、理論ばかり申し上げて恐縮でありますけれども、別段四級地、三級地の間に勧告によって格差ができたという理屈にはならないだろう、それにプラスして、いまお示しの豪雪手当というようなものも考えて、まずここで合理的な形が整うだろうという気持ちで勧告申し上げたのであります。
  81. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 労働大臣は何か忙しいようでありますから、労働大臣に一つお伺いしますが、まあ政府は寒冷地手当の立法過程を十分御存じだろうと思います。これは議員立法で出されたものでありますから、その当時非常に政治性の強い内容といいますか、立法であったと思います。その後人事院に権限が、勧告という権限が委譲されるまでは、政府がこれを担当しておったのですが、政府として寒冷地に対してまあ根本的に検討する必要ありという考え方が、あるのかどうか、ひとつこれをお聞きしたいと思います。非常に不合理な点は、人事院のほうでは再々級地区分の是正、ということでだいぶ是正されてきましたけれども、なおかつ給付の内容その他については、私は非常にまだ何と申しますか、不合理な点があると思うのです。政府として寒冷地に対して相当検討された経過があるかどうか、それをひとつ労働大臣にお伺いをいたしたい。
  82. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 御承知のとおり、給与は全般的にただいまの慣行として、人事院の勧告を待って初めて政府として措置をするというやり方になっております。この寒冷地手当につきましてもおおよそそういうふうな考えでおりまして、政府が独自にこれが検討をいたしておるということはございません。もっぱら人事院の検討にたよっておるような状況でございます。
  83. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それはなんでしょう、昭和三十五年ですか、そのころは政府のこれは権限で改正をされた。この前の石炭手当の改正のときには政府がやられて、その際に法律改正で人事院にそれを譲るということになったのと違いますか。経過はそうなっているはずですよ。
  84. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) お話のとおりの経緯でございます。しかし、三十六年以降におきましては先ほど私が申し上げましたごとく、人事院勧告を待つ慣行になっております。
  85. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 労働大臣にこれを言うのはちょっと無理かと思うのです、その当時は担当が違いましたから。その当時は石炭手当のあれも、空冷地の支給も率の引き上げで相当もみにもんで、これは与野党共同で政府に当たって、そして率の引き上げが実現しようとしたときに、大蔵省からの横やりで、財源の問題で、石炭手当に肩がわりされてしまったんです。その経緯があるから政府——そのころ総理府の関係じゃなかったかと思いますが、相当その点は検計されておったと思うのです。この寒冷地手当については政府自体もしたがって今度の人事院が、三十六年からこちらへ人事院に勧告権が委譲になりましてから人事院がやっているんですが、これは人事院に勧告を移すこと自体が若干無理な性格のものじゃないかと思うのです。というのは最初立法されたときは議員立法ですから、人事院は全然タッチせずに国会できめてしまった。それをあとで人事院にまかされたんだから、人事院としてはどうしても勧告する場合に、科学的基礎とかそういうことで合理性がなきゃいかぬということで、そういうことを言われるのですよ。だからどちらに追及をしても逃げ口があると思うのですね。だからここでお願いをしたいのはせっかく勧告が出たのですから、この機会にひとつ総理府で寒冷地についてもう少し根本的に検討を私はしていただきたいと思うのです。これはひとつきょうはそこではっきりと確答を得なくてもいいんでございますが、その点はひとつ要望したいと思うのですが、ひとつ大橋大臣の御見解を聞いておきたい。
  86. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 実は内輪のことを申し上げますると、政府部内におきまして給与の問題をいろいろ検討いたしました場合、多くは大蔵省から軽くあしらわれて実現がむずかしいというような事情が多いのでございます。でことに現在の法制のたてまえで人事院勧告の制度がある、また。公共企業体の職員につきましては公労委の仲裁裁定がある、こういうふうになってまいりしますると、こうした人事院の勧告あるいは公労委の裁定以外に行政的に賃金を上げ下げするという、下げるほうは大蔵省ですから関係ございませんでしょうが、特に上げるという場合におきましては、大蔵省が非常に事務的に抵抗いたしまするので、政府といたしましても安きに過ぎたような形で恐縮ではございまするが、人事院勧告の支援を受けて実行していく、こういうふうな慣行になっておる次第でございます。その辺のところを御理解いただきたいと思います。
  87. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いま山本委員が質問いたしましたように、この寒冷地手当の今度の勧告につきましては非常に問題があるわけでございます。したがって、これは別の機会にあらためて勧告自身について掘り下げて追及する必要がある、こう思っております。  ただ一点だけ申し上げて政府検討願いたいことは、いま山本委員からありましたように、実はこの寒冷地手当につきましては附帯決議が何回となくついておるわけであります。で三十三年の三十一回国会、この場合におきまして、寒冷地手当については現行の支給率を変えるべきだということ。それから支給区分の是正というこの二つついておるわけですが、支給区分等については漸次是正が始まっておるわけですが、支給率、これは残っておるわけです。続いて三十六年の三十八回国会におきましても三十七年度から支給の最高限を引き上げる措置をとるべきだという附帯決議がついておるわけなんです。これがまた今度の勧告では軽視されておるわけですが、軽視より無視されておるわけですね。ですから三十三年と三十六年と二回にわたって参議院の議決としてこういう附帯決議がついたわけですけれども、人事院がこの点については全く配慮を払っていないというところに今度の勧告の一つの大きな問題があると思っております。したがって、先ほど山本委員も給与担当大臣に要望いたしましたが、寒冷地手当の過去の経過から見て、これはやはり政府がこの勧告を受けて国会におけるいろいろの附帯決議等を尊重をして険討をする必要があると私ども思っております。その点について担当大臣の見解を聞いておきたいと思います。
  88. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 私は、政府が最近においてとっておりまする給与問題については、できるだけ人事院の勧告を待って、そしてそれを実現するという形で処理していく行き方が実際的によろしいんじゃないかと思っておるのであります。というのは、この勧告に対して政府の給与担当という面において上げるということをやって、そして大蔵省に要求するということになると、上げるときはそれでよろしゅうございますが、逆に大蔵省は常に人事院の勧告に対して価引きをするというようなこともつり合い上認めざるを得ないのじゃないか。それでは勧告制度というものの根本が動揺いたしてまいりまするので、やはり私は人事院の勧告を権威あらしめ、そして公務員の給与を適正に上げ下げするという上からいっていまのような考え方で進んでいく。そしてさらにこれを進めまして、常に人事院の勧告を完全に実施するという慣行を早くつくることが適切じゃないか、こういうふうに考える次第でございます。しかし、いろいろ御意見もございまするので、なお今後とも研究いたしたいと思います。
  89. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 大臣のおっしゃることは理解できる面もあるのですが、まあ私はこの寒冷地手当という制度が昭和二十四年にできまして以来の経緯からいいまして、しかも与野党一致してこういう附帯決議を二回にわたってつけている、支給率の問題について。これが二回とも、二回つけたものが二つとも人事院によってアウトにされているということは、これはやはり私ども考えなければなりませんが、政府としてもやはりぜひとも検討をし考慮を払う必要がある、こういうふうに思いますが、なお人事院の総裁は責任重大になったわけですが、これは二回とも尊重しなかったのはどういう意味ですか。
  90. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) このかねての附帯決議については、重々これを印刷物にしてしょっちゅう心にとめておるわけでございますが、しかし、いざ勧告という段になりまして、先ほど申しましたようなわれわれの手元の資料というものからいたしまして、この附帯決議そのままの御要望に合致するような結論は出なかった。これは先ほど科学性、合理性というお話もございましたが、まあここで科学性、合理性というような大きなことは申しません。まあ技術性というようなところでひとつ表現さしていただきますが、そういう技術性の結果からは出なかった、こういうことでございます。
  91. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも給与の勧告と遮って、総裁の御答弁もあいまいのようでありますが、これは政府もそういう意味でやはり検討する必要がありますですね。  そこで、この問題は、先ほど申し上げましたように、あと、別にあらためまして論議をいたしますが、給与担当大臣が見えておりますので、もう一点、大臣と総裁に対して、両方にお尋ねしておきたい点が一点ありますので……。これは今度、労働大臣も御承知のように、春闘というやつ、これが例年と——まあ例年だんだんとずれておったのですが、ことしは明確にずれまして、おそらく公労協等あるいは民間の賃金等がきまりますのは五月になるのではないか。配分がきまるということになりますと、さらにおくれて六月、七月あたりに具体的にきまる。さらに、御承知のように、総計だけではなくて、今度は全労会議等におきましても七月あたりが賃金を上げる時期になっておるわけですね。そうしますと、例年から、例年だんだんずれる傾向が強かったのですが、本年あたりは明確に、俗称春闘相場というものは四月ではなくて五、六、七というあたりにきまる。人事院にあとでお尋ねしますが、四月末の調査をやるというと、春闘相場というのは四月末の調査には全然出てこないというようになると思うのです。で、四月一日にさかのぼって民間は賃金がきまりましょうけれども、しかしながら、四月末の給与簿で調査しますから、支給がずっとうしろになっておりますから、そうしますと、ことしは明確に言えることは、民間の春闘相場というものははっきりはずれてしまう、こういうことになるわけです。そういたしますと、この春闘相場といわれるものが公務員のものになるのは来年の四月の人事院の調査に出る。そして、例年の例ですと十月ということになりまして、一年六ヵ月明確におくれるという、そういう事態が今度はもうはっきりするわけです。だから、そういう点について総裁はどういうふうに措置されようとしているのか、政府はどういう考え方を持っておられるのか。これはいつごろ——大臣は十月なんというようなことになりますと、一年六ヵ月完全におくれてしまう、ことしは。何かその措置をとらなければならぬ。その点について総裁、担当大臣お話をひとつ承っておきます。
  92. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これは従来の私ども考え方でございますが、数年来四月ということを調査月にきめております。この四月の調査月のあと、いろいろ物価やその他の客観情勢の変動というものもあるわけでございます。われわれといたしましては、勧告のしっぱなしで、あとはそっぽを向いているというようなことではなしに、たとえば物価などについてよほど顕著な事実が立証し得るような顕著な事実があればというような心がまえで、常にこれを注視してきております。そういう態度が、まあ今回の場合においても当然これはわれわれの態度ということになるわけでございますが、ただ、調査月を、たとえば四月から五月にするかとか、あるいは六月にするかというような問題も、これはおそらくあわせて御質問だろうと思いますが、四月を五月にするあるいは六月にする、調査月そのものをずらすということは、これはまあわれわれの立場としてはたいへんなことでございます。根本問題に触れることで、これはなかなか、先ほど申しましたように、この点も白紙に立って検討はしておりますけれども、なかなかこの四月の調査月というものをずらすということは、勇気を要する、まだそこまでの踏み切りはついておりません。まあこういうことであります。
  93. 大橋武夫

    国務大臣(大橋武夫君) 私は、人事院の勧告というのは、やはり勧告時において、勧告の趣旨に照らして間違いとないというところが勧告されるのだと思うのでございます。お話のとおり、ことしは春闘が特にずれておりまするので、従来の四月現在の調査でもってそのままそれをなまな勧告につくり上げるということは必ずしも適当でないということは十分にわかるのでありますが、人事院におかれましても、専門家ぞろいのことでございまするから、それらの事情を考慮されて、適切なる勧告を行なわれるのではないかと思うのであります。で、ことに人事院の勧告について政府がさらにその基礎になっておる数字をいろいろ検討するとか、あるいはことしは春闘相場もずれて、七月ごろにようやく賃金がきまるのだというようなことになりますと、人事院の勧告を尊重しようというわれわれの考え方がはずれて、むしろいつから実施するかは政府の責任できめるのだというようなことにもなりかねないのでございまして、私ここ数年来毎年人事院の勧告が十月一日現在で実施される、ほとんど慣行になってきておることを非常に残念に思っておるのでありまして、昨年そういう決定がなされました際におきましても、昨年は、財政の事情その他、特にやむを得ない事情があるのでかように決定するが、しかし、三十九年度以降については、できるだけすみやかに完全実施の本来のあり方に進むのだ、こういう前提のもとに閣議の相談に努力をしたというような経緯もございまして、ぜひとも来年度は時期についても、人事院の勧告を完全に実施するよう、できるだけの努力をいたしたい、かように思っておる次第でございます。
  94. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あまり時間をとりましても何ですが、いまの給与担当大臣の答弁の中にありましたように、これは人事院としまして、専門家ぞろいの人事院のことでございますから、そういう点は十分お考えになって、適切な処置をおとりになるべきだと私も思います。従来人事院としましては、推定位置でどうこうすることはいろいろ問題があるとの話もございました。しかしながら、これくらい明確にずれますと、これはもう四月末の調査という調査の時期が問題になりますし、なお四月末というのは、春闘相場もくみたいというそういう期待を持って四月末というようになっておるわけですから、どうもしかしこの程度明確にずれてくると、人事院としては、これはやはり何らかの措置をしなければなるまいと、私は思うわけです。これは労働大臣と同じ考え方なんですが、総裁いかがですか。
  95. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) さかのぼって考えますならば、なまいきなことを申しますけれども、われわれのほうが春闘を追っかけるか、春闘のほうがわれわれのほうに調子を合わせていただくかということになりますと、これはもうそんなことはここで申し上げません。しかしながら、先ほど述べましたようなことに関連しまして、なかなかこれは調査時期の変更ということになりますと、かねてここでもいろいろ問題が提起されておりましたように、勧告時期そのものの問題というようなことも、労働大臣がそこに触れられたかどうか、そういう問題にも触れまして、なかなかこれは根本的な重要問題だということを痛感しておるわけです。何も四月で絶対ことしはやりますということをきめたわけではございませんから、確定的なことは申し上げかねますけれども、四月に、やっぱり従来どおり四月にやり得るようにという態勢で準備を進めておることは事実です。これは正直に申し上げます。したがいまして、その後の変更というようなものにつきましては、従来のわれわれの態度と同じような態度をもってこれに臨むべきだというようなことが一応いまのところの考え方になっております。しかし、たびたび申し上げますように、根本論としては、なお結論は得ておりません次第であります。
  96. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ労働大臣どうぞ。  この問題は、私は一昨年から問題になっておったのですが、去年も問題になったのですけれども、本年はあまりにも明確ですから、ですからいま給与担当大臣お話のように、そういうずれた問題については明確にずれているのだから、その点についてはやはり人事院としてしかるべき措置をとるべきであると、私は思います。重ねてお尋ねするようなことはいたしませんですが、そういう意味でひとつ今回については配慮を払っていただくように要望いたしておきます。  それからもとに戻りまして、住宅手当に戻りますが、私は住宅手当は、先ほど申し上げました経韓から言って、人事院としてはもう少し実情に合った調査をおやりになる必要があるように思っております。その条件としては、転勤を要する、そういう事業所を問題にしなければならない。転勤の月給をもらわぬでいいような事業所を調べたって話になりませんから、やはり転勤を要するのを調べなければ処置ないということですね。  それからもう一つは、やっぱり住宅を社宅あるいは独身寮というものを備えている事業所、そういうところで一体不均衡をどうしているのかという点も焦点を合わさなければならない。  もう一つありますのは、住宅手当という、そういう名目だけで調査してもらっては困る。住宅手当ということでは出していないけれども、別居手当であるとか、あるいは調整号俸みたいなやつですね、そういう所へ行った場合には、住宅のない所へ行ったような場合は、あるいは住宅のないような場合には、調整号俸をつけるとか、あるいはその期間は、そっちへ行っている間は二号、三号上げるとか、こういうものを含めて調査をしてもらわないと、私はまずいと思う。ですから、いま私申し上げたこの三つの条件を配慮を払って調査をしてもらいますと、これは住宅手当という制度をつくらなければならないと私は思っております。昨年の調査でも、転勤を要する事業所の場合には、三四%という率になっておりますし、先ほど申し上げました住宅手当という制度だけではなくて、もう少し住宅手当に該当する実質的ものを調査するということになりますれば、この率はもっと相当上がりましょうし、さらに昨年の勧告の場合におきましても、住宅手当についてはこれは引き続いて検討するということになっておったと私は記憶し、また何っておるようにも思うのです。その意味で本年の調査にもこの住宅手当を取り上げてもらって、先ほど申した点も配慮をいただいて努力をしてもらいたい、こういう気持ちを持っているわけですが、総裁の見解を伺います。
  97. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 今年の民間調査で住宅手当を調べるかどうか、これをないないづくしのようなことでたいへん恐縮でございますけれども、もちろん最終的には決定しておりませんけれども、ただ私の感想を申し上げさしていただければ、去年三十八年の調査のときに、いま鶴園委員の言われるような、少なくともその中のポイントに当たるようなことは調べておいたらよかったの、じゃないかという気持ちを、これは去年のことでありますけれども、持っておったということを申し上げさしていただきたいと思います。
  98. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それから手当の中でもう一つ宿日直手当ですね、これは三十七年のいまごろ問題になりまして調査されたわけなんです。そうしてゼロ回答、こうなったわけですね。その後私もいろいろ聞いておりますと、三百六十円ではあまりにも低過ぎる。これは一万円ベースのときの二十八年にこういうふうになったのですが、十年前ですね、三百六十円という形になったのですが、一万円ベースのときの三百六十円ならばこれは宿直をやるという希望があったけれども、いまみたいに三万円ベースになって三百六十円というのではやり手がないというのでよ。やらせるのに苦しむというのですね。これは困っちゃったです。ですから、これはやはり今年あらためて調査要綱に入れてもらって、そうしてひとつ努力をしてもらいたいと思うのですね。やはり手がないのですよ。中にはもうやらぬぞ、おれは。業務命令だと——それは宿直制というのは業務命令かどうか、拒否して悪いのか、こういうわけですよ。ほかのやつがかわってやっているという場合もありますし、やらせにくいし、やりたくない、こういう空気です。困ったものです。なお、私はその点について総裁はどういうふうに考えておられるか。もっとこまかく言っていいですよ、ひどい話を。いま非常に困っております。
  99. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 大体のことは承知しております。したがって、この宿日直手当の調査関係も、これは一つの問題点に違いないだろうというわけで、特にいま検討を進めておる次第でございます。
  100. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 三十七年のときの調査には不備がありまして、どうも民間では夜食と朝食を出しておるのではないか、それを調査しないでおいてけしからぬと、そういう現実の宿直している職員は言うわけです。それを含めて考えてくれないことには処置ない。ですから、やはりそういう意味で夜勤——夜泊まるわけですから朝食、夕食というようなものをもらっているかという程度の配慮をして調査してもらわないと、せっかく調査してみたが徒労に終わった、徒労に終わったというと恐縮ですが、公務員のほうは不平満々だというのでこれは徒労に終わったと同じことです。ですから、総裁もこの点については、今度の調査の中に入れて努力したいというお考えがうかがえますが、ぜひそういう意味でもう少し親切な調査をしていただきたい、親切というか、科学的というか、人事院の好きなことばでいえば科学的ですよ。そういう調査をしてもらいたいという要望をしておきます。よろしゅうごいざますか、総裁。
  101. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 承りました。
  102. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に期末手当です。去年は御承知のように、人事院の期末手当の計算方法については二つの批判点があったんですが、その小さな一つを受け入れてもらったので、より科学的になったんですが、最後の大きなやつですね、これは期末手当のそれこそ基盤を切りくずすやつで、人事院としても非常におつらいだろうと思うんです。しかし、これが解決しないというと、公務員が持っている期末手当に対する民間との不均等感というものが解消しないわけです。ですから従来からいわれておる第二の期末手当の批判点というものについて努力してもらいたい、つまり個人調査瀧本給与局長はむずかしいというお話ですが、五、六年前はともかくあるいは十年前はともかくとして、今日ではそういうばかな話はないと私は思っている、ですから個人調査をして、ある程度対応等級的な考え方で期末手当を計算してもらいたい、これは争点なんですよ、期末手当の。公務員と人事院との争点、はっきりいえば。それにはまず個人調査というのが大前提になるわけですよ。そういうことに努力されるお気持ちがあるのかどうか、それをお尋ねいたします。
  103. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 小さな点か大きな点かということは留保さしていただきますが、個人別の調査となりますと、これは正確な結果が容易に出るということであれば、私はそれにこしたことはないと実は思います。ところが、そういうことが期待できるかどうか、ことに調査方式、調査のやり方、実行上の問題としてはたしてそれがやれるかどうかということについて、これはむしろ給与局長あたりに直接お尋ねになったほうが明快だろうと思いますけれども、なかなかこれはむずかしいということをわれわれは聞いております。
  104. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいま総裁から申し上げましたように、われわれ技術的に現在の段階におきまして職員個々の期末で支給する給与を調べるために、個人表で調べることは非常に困難である、その困難の第一は、現在民間の賞与というものが団体交渉できめられるものが相当多くなってきているということは否定いたさないのでありますが、やはり管理者が査定するような面もあるわけでございまして、そういうわけで調査に協力してもらうということが非常にむずかしいというような点がございます。そこで現在の段階におきましては、やはり限られた時間と限られた調査人員をもちましてやります現在の調査におきましては、事業所表によりまして調査するという方法を用いる以外にはないのではなかろうかというように考えております。しかしながら、この賞与が、いわゆる期末勤勉手当が非常に増額してまいりまして、現在のように四カ月近いものになってくるというようなことになりますると、これは年間給与の三分の一くらいがそこで占めておるような状況になっておるわけでございます。そういう点から見て、その部分だけが比較的簡易な方法によって調査するということにつきましては問題がないわけではないということは、これは申し上げ得るかと思います。そういう意味におきまして、これはやはり一そうの正確を期した調査をやるということを目途に、われわれ今後十分に検討いたすべき問題である、このように考えております。
  105. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの問題は今後ともやはり毎勧告ごとに問題になる点なわけですよ、争点ですよ。ですから、私はいまの総裁なりあるいは局長の御答弁のような何か少ししらじらしいお話では、これは限られた人員で限られた日にちで、したがって、ずさんな調査というならば、科学的ではないということを隠しているということでしょう。逆に言えばそれはきわめて非科学的な調査ということになっちゃう。そんなもので人事院の一枚看板である科学性なんというものは、期末手当についてはきわめて薄れてしまう。ですから、私は局長の困難な面もあるという点を否定しようとは思いません。しかしながら、これはやはり努力をしなければいけないというように思うんです。こういうずさんな調査で期末手当をはじかれたのではかなわないというふうに私は思うんです。ですから、この点は毎回問題になるんですけれでも、人事院としてもひとつ思い切って努力をしてもらいたい、私はここでイエスかノーか答弁があるまでがんばろうと思うんですけれども、そうもいきますまい、時間の関係もありますので。しかし、これが解決しないと、いつまでもやらなければいけない、争点なんですからしょうがない。しかも人事院のほうは非科学性という負い目を持っておるんですから、あくまでもこれは追及する。ですから総裁、これはそういう方向で努力してもらいたい、いかがでございますか。
  106. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 先ほども申し上げましたように、できればこれは理想としてはやはり私は望ましいことだと思います。ただ遺憾ながら、実行上の問題があるということを局長が御説明申し上げたわけです。そういう点はやはりいまの御激励のとおり、前向きにやはり考えていかなければならない覚悟は持っておるわけでございます。
  107. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは解決するまでやります。  次に、昨年の十二月に特別国会で問題にいたしましたあの生計費、人事院のいういわゆる標準生計費というのが、人事院がつくっておる俸給表をこっぱみじんに粉砕しておるという点を問題にいたしたわけですが、さらに人事院がとらの子のように大切にする官民対応等級、これもむちゃであるという点を問題にいたしたわけですが、これらの点について今度解決のほうに努力されるかどうか、簡単に伺います。
  108. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これもたびたび御指摘のある問題で、十分肝に銘じておるわけでありますけれども、これもまた人事院の考え方はたびたび申し上げたとおり、いまさらここで繰り返すことはありませんけれども、要するに、従来とっておりましたこの標準生計費、独身男子十八歳というようなところで押えておること自身が、これは第二義的と申しますか、ことばはよくありませんけれども、われわれとしては、民間給与との比較の裏づけの意味でこれを使っておるということでございます。いまおっしゃいましたようなことで、ずっと今度は生計費のほうをあらゆる階層についてつないで考えるということになりますと、これはいまのような根本の点にもまた触れてまいります。また、技術的な困難性というものを伴ってくることは明瞭であります。かたがたわれわれとしては、常にそういうことを念頭において俸給表をつくるということははっきり申し上げられますけれども、これとこれとをこう結びつけてというようなところまでは踏み切りがいまだついておらない。たいへん恥ずかしいことでございますけれども、いまだについておらないというのが率直なお答えであります。
  109. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この問題も、言うまでもなく、公務員給与についての最大の争点である。しかもこれは人事院がこれもまた負い目になっておるわけですから、人事院がつくった標準生計費が、人事院がつくった給与をこっぱみじんに砕いてみるというような話は聞いたことがない。さらに官民対応統計というものは実際は下のほうを持ってきたというむちゃな状況です。ですから、私はこの点については、人事院の給与についての根本的なところですから、なかなかお譲りにならぬだろうと思う。しかし、そうは言ってみても、これはどうしたってこれじゃかなわない。科学性が泣いちゃう、私はそう思うのです。ですから、やはり総裁のお話のように、前向きの形で積極的にひとつ是正をしていくといいますか、より科学性を持たせていくというか、そういう、面に御努力をひとつ願いたいと思っております。ですから、これは争点ですから、毎回やります。今度は勧告出ます、またやります。あるいは勧告の前にまたやるかもしれません。それと関連して行(二)の問題ですね。これは人事院の標準生計費から見ましてひど過ぎるという点で、昨年の十二月に総裁にお尋ねしましたときに、これは人道上の問題もある、今後も従来よりも一そう熱意をもって解決したいというような、努力をしたいというような答弁が出ております。今回の場合においても、この点については十分配意を願いたいということです。行(二)の俸給表は、御承知のとおり、行(二)という俸給表については号俸数が長過ぎる、各等級。調べさしてみたところが、五等級というのは三十号俸もある。四等級は二十六号俸、三等級は二十五号俸、まるで足長バチみたいに足が長いのです。こういう俸給表というものは、行(二)の場合にはきわめて不適正だという面を指摘しなければならないと思うのです。思い切って間引いたらどうです。間引けば昇給金額が高まりすから、前進する面が相当出てくると思うのです。行(二)の問題について、今度の勧告の場合に、これは一つの焦点になると思うのですけれども、お考えなり、いま考えておられる点をお尋ねしておきたい。
  110. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これはもうかねがねこれまた御指摘あり、また伺ってみるとまことにごもっともな点も相当あるということから、実は相当行(二)の表のあり方について私ども真剣に取り組んできております。何とか改善の余地はないか、その点だけは十分これは御了承いただきたいと思います。ただ、いまここでこういたしますというようなことはもちろん結論が出ておりませんので申し上げかねますけれども、その意気込みだけはひとつ御了承願いたいという気持ちがいたします。
  111. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次は、これも昨年の十二月に問題にしたのですが、事務次官の一官一給与制、これは二つの意味において問題がある。一つは等級制というものに重要な影響がある。もう一つは額について非常に大きな問題がある、こう思っておりますが、この一官一給与制が八等級制について非常に重要な影響を及ぼしておる。その点については、昨年の十二月の特別国会でいろいろお尋ねをしておるわけです。この四月一日で事務次官との均衡をとるために一等級の人たちの指定がえを行なう。あるいは二等級局長を正式の一等級にするとか、あるいは本省の課長の中のある者を、相当の者を正式に二等級にするとかいう措置を四月一日でとられたと思うのです。局長で一等級に正式になる基準、それから三等の課長が正式に二等になる基準、これを答弁願いたい。
  112. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの御質問でございますが、現在公務員の一等級から八等級まで行(一)について申しますとあるわけであります。そこで十年前に比べますると、現在の職務というものは、これはやはりその職務内容が全体的には重くなってきておるということもいえるように思っております。これはそれといたしまして、別途四等級以下くらいのところにつきましては、非常に毎年々々の等級別定数の改定ということを通じまして、比較的上位の、比較的という意味は、下の等級から見て上の等級という意味でありますが、上位の等級定数を増すということを従来たび重ねてやってまいったのでございます。そういう関係から見ますと、われわれ比較的四等級以下につきまして相当の改善をしてきたというふうに考えておるのでございまするが、それと均衡をとるという意味でやったというわけではございませんけれども、昨年次官等の一官一給与制というものを出したわけであります。そういうふうになってまいりますと、やはり全体的に見まして均衡上、また職務の、重要度という観点から、局長の一等級、あるいは課長の二等級というようなことを考えていく必要がある。これはすでに御説明申し上げておるとおりであります。そこで、それに伴いまして、新年度から、局長あるいは課長の中の重要な職務に従事いたしております者につきまして、定数上におきまして、これを標準定数としてやっていこう、こういう考え方でございます。ただいま申し上げましたように、どういう局長を一等級にするかということでございますが、これはやはりその職務と責任の度合い等から見まして、また、その本人がその職についておるという状態において非常に重要な職務を遂行しておる、そういうことを判断いたしまして、これはやるわけでございまするが、標準職務表の改定ということをいたしまして、重要職務に従事いたしております者を一等級にする。局長の中で重要職務に従事いたしておりますそういうポストについておる局長を一等級にするという基準でございます。これはまだそういう人事院規則を発する段階に至っておりませんが、大要のことを申し上げれば、そういう次第でございます。
  113. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは局長の中から一等級の局長ができる。それは五局あればその中の一人が定数としてきまるというようなことではないですか。これは中身はいま局長お話のように、重要であるとかいうことばはありましょうけれども、しかし、員数の割り当てとしては五局ある省においては一人とか、三局ある省においては一人とかいうような調子のものなんでしょう、これは。
  114. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまの点でございまするが、これは各省庁の業務でそれぞれ上下があるというような判断をせられる、これまた非常にむずかしいというような観点から、ただいま御指摘になりましたような一つのものの考え方というものが出てくるというふうにも思いまするけれども、実際問題といたしましては、やはり各省庁につきまして一応その数の見当はつけるとはいたしましても、その省庁につきまして、個別に見てまいりまして、特定のポストというものを一等級のポストというように考えるというつもりでおります。
  115. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この考え方は、いま先ほど局長お話のように、また、昨年の特別国会で論議をいたしましたように、八等級制に対する非常に重要な考え方の変更ということになるわけですね。しかるにこれが三等級どまりである。公務員は同じなんですから、八等級あるのですから、ですから全体にやはりこの点は波及すべきであるというか全体について考える必要があるという点を伺ったのですが、そのときの答弁は会議録によりますと、いろいろむずかしい点もあるけれども、ひとつ検討していきたいという答弁になっています。ですから私は班長の中に正式に三等の班長というものが出てくる。それから係長の中でも古参係長といわれた人へたちが正式に四等の係長になるとか、こういうふうになっているのです。それはどうなんですか。もしそういうことにならないということであれば、これはえらいことになります。
  116. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) 前回にもこの問題が出まして、ただいまお述べになりましたような趣旨のお答えを申し上げたと記憶いたしております。先ほども申し上げまして、繰り返して恐縮でございまするが、やはり、国の伸展に伴いまして、そのスタッフ業務であると考えられる国の行政というもののウエートというものが非常に増してきておるということはございます。それからまた一方におきまして、公務員の異動ということがわりあい少ない、途中でやめる人等が少ないというような関係から、いわゆる出入りが非常に少ないというような関係になっております。そのために現在の公務員の年齢別人員構成というものは年齢の高いほうへずっと移動しておる。山が移動しておる。ちょうちん型であるといってもいいかもしれません。一方におきまして、また公務員がやはり年をとるというか、年齢がふえてまいるということになれば、これはいろいろな条件から社会的地位というような問題もありましょうし、また、家族構成がふえてくるというような問題もありましょうし、いろいろな問題がからみ合いまして、やはりいい給与あるいはいい級のポストというようなことに欲望が出てまいる。圧力が非常に強くなるということもあるわけです。いろいろなそういう実態がからみ合いまして、それに対処する方法といたしまして等級別定数の改定等を通じて従来とも相当やってまいったのであります。全然やらなかったわけじゃございません。たまたまやってまいったそのやる過程におきましては、むしろ四等級以下の定数改訂というようなことを通じましてその辺の改善をはかってまいったというところが私は相当大きかったというふうに思っております。まあそういうことがあります一方。またいろいろな要請から一官一給与というような問題が出てまいりまして、問題は現在の三等級あるいは四等級という辺に御指摘のような問題があろうかと思います。これの解決ということにつきましては、われわれもう非常に大きな問題として意識しておりまして、いかようにこの辺を解決していくかということにつきましては、従来とても研究してまいりまして、現在も研究を進めておるのでございまするが、この解決方法として、御指摘のような方法だけが唯一の方法であるかどうかという点につきましては、まだいろいろ考え方があるのではなかろうかというようなことを思っております。いずれにいたしましても、やはりこの問題は非常に大きな問題でございまするので、できれば早い機会にやはり解決をはかりたいと思っております。しかし、この問題がいろいろな観点から、関係するところが非常に多いので、現在の状態で直ちにやれるかというと、そのようにもなかなかまいらない面があるかもしれませんが、しかし、この間胆は非常に大きな問題でございまするのであまり、まあ来年とか、再来年とか、その翌年とか、五年後とか、のんびりしたことを言っておられる問題ではないと思います。したがいまして、そういう見地からこの問題は研究し、必ず成果をおさめるように努力いたしたい、このように思っております。
  117. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、いまの局長の答弁については不満であります。この四等以下については、等級別定数の改訂に努力してきた、三等以上についてはそういう努力がないようなふうにも受け破れるのですが、そうではなくて、等級別定数の改訂についてはすべてにわたって行なってきたと思っております。それは局長をどんどん、どんどんつくるというようなことで、今度は局長は八人ふえます。設置法に出ております。毎年七、八人ずつ局長がふえてくるのです。課長なんというのはいまやうなるほどできておる、参事官、調査官、審議官、これは役所の中には、かんかんと鳴り渡っておりますよ。そういうようなことによって等級別定数というものはふえてきておりますから、これは何もあながち四等級以下の問題はなくて、全体にわたって見られるわけです。四等でも何とかかんとかできましたし、五等でも何とか専門職というのはできているし、その意味では共通したものとしてあったので、今度のやつは評価がえをやろうというわけですから、評価がえは、これは八等級制に対する根本的な問題だというのです。それを三等以上やるが、下のほうは再来年くらいの話じゃこれは納得できません。私はいろいろそのむずかしい面もありましょう、ありましょうが、これはすみやかに処理しなければいけないと私は思います。で、あらかじめ係長にならなければ五等級にならぬということは、これはする必要はない。だから今度は係長でなくても五等級になれる、そういうことになるだろうと私は期待している、それでなければこれは問題ですよ、局長の言われましたように、重要な問題であるが、私らに言わせると、これはさらに一そう重要な問題です。本来、等級制というのが、行政運営の直系組織に野合したところに問題があるのですよ。等級制なんというのは意味ないですよ、八等級制というのはどういう意味を持っておりますか。だからああいう次官、局長、課長、課長補佐、係長、上級係長、中級係長、初級係長、この行政運営の組織と給与が野合するから、局長になるには、二等になるには局長をつくらなければならぬから、局長は毎年七、八人ずつふえます。それはなれぬのですからしょうがない、野合しちゃったから。あり得べからざることですよ。今度は局長をつくるには局員が要りますからね、局員が要らない局長というのをつくり始めた、審議官とか参事官とかね。課員がいない課長——調査官を一ぱいつくった。これは結局やはり人事院の責任だけではない、政府の責任——人事院の責任ですけれども、ですから、いまの八等級制は私は意味がないと思う。これは行政運営を麻痺さして半身不随にしているもんですよ、総裁、八等級制というのは。今回、局長が、あるいは人事院が、こういう問題について根本的に考えられたということは、私は前進だと思っているのですよ。その前進を三等級で、ぶっとめて、あとはちょっと待ってくれというような話では、これはいけない。ですから、これは本年からすみやかに実行してもらいたい、こういう点を考えているのですが、総裁、いかがです。
  118. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) 去年からそういうお話を伺って、私は個人的にひそかに同感をしておったわけですが、ただいまお話にも出ましたように、この等級というものと現実とが例外々々のような形で両方にまたがったようなものが出てきて、わけがわからぬようなものになるのじゃないかという御指摘、まさによくわかるのでありまして、そういう意味で、いま局長も答えましたように、私どもとしては、大事なものですから、そういう根本からぜひひとつ一ぺん検討していかなければいかぬということでやっておるわけであります。ただ、しかし、なかなか現実の問題になってまいりますというと、採用のほうとのつながりの問題でこういう問題が出ているもんですから、そう腕をふるって一気かせいにというわけには参りませんけれども、そういう御指摘は一応、一応じゃない、まことにごもっともだという気持ちだけは私持って、何とかもっとすっきりした形に、これは勇気を要することだろうと思います、でき上がりの形としては。思いますけれども、やはりそういう点は根本的に考え直していく必要がある。現にこれは検討を進めてもらっておるわけであります。
  119. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 ですから、三等以上については勇気をふるわれたわけですから、ですから、公務員全体にこれはやはり勇気をふるうのがしごく当然だと思います。その意味で私は重ねて総裁のいまの答弁の一そうの努力を要望しておきたいと思います。  一ぺん八等級制の問題について根本的に総裁と給与局長の意見も聞きたいと思うのですけれども、これは任用局の問題にも関連しますけれども、ですがここでは省略をさしてもらって、それからもう一つは、一等級から八等級まであるのですが、いまのところこういう段階がありますから、これを見てみますと、先般四等級の連中が集まったんですよ。そして四等級の連中が百名くらい集まりまして話をしておったら、四等級の連中がいわく、三等以上は公務員だと言うのですよ。四等以下は公務員じゃないと、こう言うのですよ。それは三等以上はいかにも公務員らしく、ある意味で公務員らしく待遇されているけれども、四等級以下はまるで公務員らしく待遇されておらぬと、こういうような言い方なんですよ。公務員の御承知のとおり九九%は四等以下なんですよ。で、この四等の連中は、四等というのは公務員の墓場だと言うのですよ。墓場はきれいにしてもらいたいと、人事院は。公務員の墓場だと、こう言う。それはそうでしょう、九九%の公務員は大体四等までいくわけですから。墓場だと。三等にはなれない。宝くじみたいなものになるわけですね。ですから四等は墓場だとか言うもんですから、それから調べてみたんです。そうしましたら、一等から八等級の間の格差ですね、八等と七等との格差、七等と六等との格差ですね、この格差を見てみたんですよ。そうしましたら、五等級まではそれぞれの格差は七千円ちょっとくらいです。四等と五等の格差はちょっと大きくて八千七百円くらいです。ところが三等から四等になりますと二万六千円になるのですよ。一挙にいままでの格差の七千円とか八千円という、やつが、四等から三等で一挙に二倍になるのですね、一万六千円。あとは三等と二等の間の格差というのは、一万八千円、二等と一等の格差も一万八千円くらいです。ですからこの八等級の格差の断層というのは、三等と四等の間にあるのですね。大きな格差がある。一万六千円という大きな格差がある。何でこんなのが出るのだろうと思って、三十五年からの各等級の各号俸の昇給率を計算してみた、引き上げ率を。ところが、そこにはやはり原因はなくて、問題は昇給金額にあるのですね。昇給金額はこれは毎年変わっていくわけですから、ベース改訂というのは一年に一回しかありませんから、それはそう開いてはいないのだけれども、問題は昇給金額の格差にあるというのが私の一つの大きな結論です。一等と二等の間の昇給金額の格差というのは二百円です。ところが、二等と三等の間は七百円くらい。三等と四等の格差は二千七百円になるのです。千円くらいの格差ですよ。これは大きいですね。ですから、四等に十年おると一万円の差がついちゃう。三等と四等との間に、ここに問題があるのじゃないかというふうに思うのですがね。三等と四等との間の昇給金額の格差、これがべらぼうに大き過ぎる、こういうように思うのですが、この墓場論に対してどういうふうに思っておられるか。で、この四等の人たちは、四等というのは判任官のたまり場だと、こう言うのですよ。人事院のある人に電話かけて、四等というのは判任官のたまり場だと言っているぞ。それはたまり場ならまだいいと、昔は判任官はけっこう子供を大学を出したり、食えた。いまの四等というのはそういうもんじゃない、ひどいもんだと、こういう言い方ですよ。ですから、私はそういう点について、人事院はどういうふうに見ておられるか。で、この四等と三等との間の格差というのは、いま申し上げたように非常に大きいのですが、それと同時に、三等になるととたんに二十五%の手当が出る。ここで旅費も違うわけですよ。日当、宿泊も違う。日々三等と四等との間の格差の大きさを味わわされているというわけですね。あまりにもひどいから、これはいけないと、人事院としてこれは考えるべきだと私は思う。墓場なんです、これ。三等になってから二等までいく人です、大体。ところが、公務員は大体この四等で終わるわけですよ、九九%の公務員は。それがこんなにひどいことではいけないので、これはひとつどういうふうに人事院は見ておられるのか、それをお尋ねをしたい。
  120. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまいろいろ御指摘がございましたが、われわれも現在四等級という点が、従来給与を改善してまいったのでございまするけれども、四等級辺がやはりおくれておるということは、十分意識いたしております。で、この点は先ほどから種々問題がたくさん出てはおりますけれども、やはり一つの大きな問題ですから、で、いま一つの御考察として昇給金額の問題とかいうような点から御説明がございましたが、われわれこの四等級あたりというものは、公務員の大多数の方につきましてはそこで終始される、終始といいますか、そこでおやめになるというようなことも十分意識いたしておる次第でございます。現在の四等級付近の改善ということにつきましては、これはもう極力考えなければならない、御趣旨のとおりに気持ちとしては考えておる次第でございます。
  121. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私はなお詳細に検討してみますと、四等、五等、六等というのは谷間になっておりますね。これは標準生計費からもうかがわれることなんですけれども、六等、五等、四等というところが谷間になっている。で、私は解決の一つの方法としまして、三十七年に六等級を中心にして号俸を間引きましたですね。これだけでほうっておくのはいけない。今度は五等級を中心にして号俸を間引く、そうすれば四、五、六というところはもう少し、谷間に落っこっているのが上がってくるというふうに私は思います。この点はどうですか。もっと詳細に言ってもいいのですが、時間の関係がありますから、簡単に専門家であります瀧本さん、あるいは総裁、どういうふうに見ておられますか。
  122. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいまお答え申し上げましたように、四等級付近というものにつきまして改善に一そうの努力をしなければならぬ。それにつきましてはお示しの案もあるわけでございまするけれども、いろいろわれわれのほうで現在検討を進めております。この問題は、やはりこの前、号俸の間引きということをやったのでありますが、これはあの当時御指摘がありましたように、非常に理解しにぐいというような観点から、必ずしも十分に歓迎されなかったというような問題もあります。また、手続等が非常に煩瑣で、切りかえにあたって間違い等も起きてくる可能性も多い。それを防ぐために特段の努力をしなければならぬというような問題もございます。それはそれといたしまして、いずれにいたしましても、この公務員の大多数がおりまするところの処遇につきまして、十分考えなきゃならぬということはお示しのとおりでございまするので、そういうことを頭に置きまして、こういう問題を現在研究いたしておる次第でございます。やはりこの辺の改善につきましては、特段の配慮をしなければならぬというふうに考えております。
  123. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 あの一つは、ラスパイレスで比較をするようになってから、四、五、六というところが落ちているというふうに思います。それはいま四、五、六におる人は大体四、五、六の中位号俸全部から上におりますから、対応間差のときはまだよかったのですけれども、ラスパイレスで中位号俸から上におる人たちがその辺から不利な取り扱いを受けるのじゃないかというような気がいたします。  それからもう一つは、三十七年に号俸を間引きましたのですね。六等級は三号俸、五等級三号俸、四等級一号俸を間引かれたのですね。ところが、中位号俸から大体全部上におりますから、その連中は不利な取り扱いを受けておるわけですよ、間引くことによってね。三短を二回やりましたね、去年やりました。おととしも三短やりましたね。で、六カ月は短くなりましたが、しかしながら、中位号俸から上におる人たちは二年から三年の損をしているのですよ、間引くことによって。その間六カ月ですから、二年六カ月から一年六カ月秘匿損しているわけですよ。その意味でも四、五、六の中位号俸全部から上におる人たちは不利な取り扱いを受けている。だからこんな四、五、六というところがいま公務員中心勢力なんですよね。公務員の中で言っていますよ。政府はいまや公務員を一番安く使って、一番能率を上げている。それは最も働き盛りの連中が四、五、六におるわけですよ。そこのところがへこんでおるわけですからいけないわけですよ。安く使う、能率を上げている、けしからぬですよ、そういうやり方は。だから私は四、五、六というのは給与改善の際に考える、特に考慮を払うという必要があると同時に、これはやはり俸級を間引くというようなことによって、二、三年のうちに、あるいは三、四年のうちに根本的に是正をするという考え方をはかっていかないというと、これはたいへんなものだと思いますね。これはよくおわかりにならぬかもしれないのですが、総裁にひとつ決意のほどを承っておきます。
  124. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) よくわかっているつもりでございますが、要するに、ただいま局長が答えましたようなことで、私自身もそういう御批判のありますことは承知しておるわけで、この次に勧告するというような場合におきましては、そういう点も十分考慮に入れて、合理的な形のものにしたいというふうに考えております。
  125. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 最後になりましてもう一点だけ伺っておきますが、これは初任給調整手当ですね。これは、十二月のときにも申し上げましたが、私は給与局と任用局との間の連絡がうまく行っていないのではないか、常識的に上級職の人たちがだんだん公務員になり手がなくなってくるというような、常識で判断しておられるのではないか。私が任用局の資料をもらって検討いたしますと、これは上級職が来なくなっただけではなしに、中級職も初給職も同じであります。それ以上に中級職、初給職もみな来なくなっている。いま初給職を雇うとすれば、人事院でもそうでしょう。東京都からはそういう初級職が来ないから、埼玉県の奥、私は人事院の若い女の子に聞いてみると、埼玉の奥から来たり、神奈川の奥から来たというのです。東京からは来ない、そうですよ。いま初給職を取るのは、県で取るわけです、県の出先機関で。県で取る場合も県庁所在地では来ないんですよ。そういうところでは公務員になり手がない、だから、県庁所在地からずっと離れた奥の高等学校を出た優秀な子が受けている。それを一年二年たつと本省へ呼ぶわけです。これは中級職も、初給職も同じです。これは任用局で調べればすぐわかる。ですから、私はこの初任給調整手当というものは、これはやはり支度金なんですから、人事院に言わせるとこれははっきり支度金なんですから、こういうものを中級職にも、初級職にも出しなさい。来ないですよ、こうなったら困りますよ、総裁。ですから、私は十二月に申し上げたように、この初任給調整手当というやつを、これは中級職にも、初給職にも出すように努力をしていただきたい、こういうふうに思います。
  126. 瀧本忠男

    政府委員瀧本忠男君) ただいま任用と試験との関係お話があったわけでございますが、人事院といたしまして、公務員の新制高等学校卒、初級試験合格者を採用いたしますときの初任給、あるいは大学を卒業いたしまして、上級試験に合格いたしまして、採用いたしまするときの金額というものをきめます場合に、公務員に何でもかんでもみんな引っぱってくるのだということで、そこを非常に高くきめるということも一つの方針かもしれませんけれども、現在のところ、やはり民間と隔絶して高くするというところまではやっておりません。これは部内者との均衡問題、いろいろの観点からやっておらない、やはり許されることは、民間の大体高等学校卒あたりの初任給、あるいは大学卒の初任給あたりと一応バランスのとれるというあたりを金額的に見まして、この初任給決定をやっているという次第でございます。そこで、現有新制高等学校卒、あるいは中卒で選考採用等になります場合、初任給が八等級の二号、これは新制高等学校の場合でありまするが、それは御承知のように、標準生活費でもう一度見直すというような作業もやっておりますために、まあ、われわれの資料によります限り、民間の新制高等学校の卒業の初任給と大体調子が合っているように考えます。ただ、大学卒の場合におきましては、たとえば七等級の一号俸というものは、部内職員が昇級して、そういう金額になる号俸でございますし、また、大学卒にとりましては、昇進と初任給が、一つの号俸が二重の意味において使われているということでございます。そこで、新しく大学を卒業しまして採用する場合、ことに理工科系統の職員を採用いたします場合に、これは、この俸給表上の体系としての七等級の一号俸という金額では、やはりこれは不足であるという意味におきまして、ここに初任給調整手当というものをつけておる次第であります。全体的に今後におきましても、民間の初任給とバランスをとるというような意味におきましてこれは考えていかなければならないというように思っております。直ちに初級試験合格者あるいは中級試験合格者に初任給手当を出すべきかどうかという点につきましては十分これは検討をしてみる必要がある。御指摘の点でございまするので、検討はいたしてみまするが、現在のところ、大要ただいま申し上げましたような気持ちでおります。
  127. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これはそういう答弁では……。私は初任給調整手当を本俸に入れるべきだと思うのですが、これは非常に公務員に悪い感じを与えていることは前回申し上げたとおりなんです。支度金みたいなものなんです、これは。二年たったら、三年たったら引っぱがすのですから。せっかくオーバーを着て役所に入ったと思ったらだんだん薄いオーバーになってしまう。二年たったら引っぱがされてしまった。三年たったら引っぱがされて裸になってしまった。上級職にはオーバーを着せるけれども、中級職、下級職にはオーバーなんか着せやせぬというような初任級の取り扱いというものはよくない。しかも採用が困難であるということであれば、もちろん初級職、中級職のほうが困難になってきておる。任用局の資料で明らかです。はるかに困難になってきておる、中級職、初級職のほうが。上級職の場合は、理工系は別にして、農学系、法文系というのはこれはまだ余裕がありますよ。困っておるのは理工系の上級職と中級職、初級職ですよ。そういう早くいえば支度金なんだからその程度の配慮は払ってよろしいと私は思う。実情を御存じのはずなんです。いまの四、五年の採用の状況というのは、三十五年以降の、採用の状況ということについては、これは任用局と給与局との間の連絡が悪いのじゃないかと思うのです。総裁どうですか。もっとそういう点は考慮に入れてやらなければいけないと思うのです、給与というのは。検討してもらいましょう。よろしゅうございますか。これで終わりますよ。
  128. 佐藤達夫

    政府委員(佐藤達夫君) これは初任給調整手当のこれも本質に私は触れる問題であろうと思いますが、いま給与局長から答えましたように、初級の高校卒の場合については、民間と十分ににらみ合わせて、しかも民間よりも下回っておらぬ形でできておるわけであります。それといまの上級の関係との問題は直ちに上級がそうだから初級のほうにもこうだということになるかどうか。私自身がそこの根本に多少疑問を持っておるものですから、あまりお気に召すようなお答えになりませんけれども、確かに問題は問題であると思いますから、それは検討する所存であります。
  129. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——別に御発言もなければ本件の調査は本日はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。   午後三時四十四分散会    ————・————