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1964-03-12 第46回国会 参議院 内閣委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十二日(木曜日)    午前十一時四十三分開会   —————————————   委員異動  三月十二日   辞任      補欠選任    古池 信三君  大谷藤之助君    宮澤 喜一君  館  哲二君    村山 道雄君  山本  杉君    源田  実君  高橋  衞君   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     三木與吉郎君    理事            石原幹市郎君            下村  定君            伊藤 顕道君            鶴園 哲夫君    委員            大谷藤之助君            太田 正孝君            源田  実君            小柳 牧衞君            塩見 俊二君            重政 庸徳君            高橋  衞君            館  哲二君            林田 正治君            山本  杉君            千葉  信君            山本伊三郎君            鬼木 勝利君            向井 長年君   国務大臣    国 務 大 臣 山村治郎君   政府委員    内閣法制局第二    部長      真田 秀夫君    臨時行政調査会    事務局次長   井原 敏之君    行政管理政務次    官       川上 為治君    行政管理庁行政    管理局長    石川 準吉君    林野庁長官   田中 重五君   事務局側    常任委員会専門    員       伊藤  清君   説明員    林野庁職員部長 森   博君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国家行政組織及び国家公務員制度等  に関する調査林野庁定員外職員の  問題に関する件) ○臨時行政調査会設置法の一部を改正  する法律案内閣提出)   —————————————
  2. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を開会いたします。  国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査を議題とし、林野庁定員外職員の問題に関する件について調査を行ないます。  まず、前回本件調査関連し、政府側から発言を求められておりますので、これを許します。森林野庁職員部長
  3. 森博

    説明員森博君) 前回国有林野事業で使っております常用定期作業員が六カ月以上雇用しておりますが、国家公務員法第六十条では、臨時的任用でも六ヵ月をこえてはならないことになっているのではないかという千葉先生の御質問がございまして、私のほうのお答えが明瞭でなかった点がございますので、重ねて御説明を申し上げますが、国家公務員法第六十条にいっております臨時的任用と申しますのは、これは人事院規則八の一二の第十六条によりますと、常勤官職に欠員を生じた場合でございまして、まず第一には、災害その他重大な事故のため、当該官職に採用、昇任等方法により職員を任免するまでの間欠員にしておくことができない緊急の場合、第二番目には、当該官職が一年以内に廃止されることが予想される臨時的のものである場合、第三には、適当な任用候補者がない等の場合でございまして、人事院承認を得て現に職員でない者を臨時任用する制度であると思います。国有林野事業におきます常用定期作業員人事院規則八の一四の第一条に基づきます非常勤職員でありまして、常勤官職に充てる非常勤職員ではないと思っておりますので、国家公務員法第六十条の規制は受けていないものと、こう考えておるわけであります。
  4. 千葉信

    千葉信君 この問題に入りますと長くなるおそれがあるから、その前に、あなたのこの間の答弁で片づけておかなければならないことが二つあるのですがね。一つは、あなたはいま九万人以上もいる林野庁常勤的非常勤職員というか、労務者というか、どうもその範囲の明らかでないこれらの職員に対して、第一はこれらの諸君は一定した職務を持っているものでないとか、ないしは官職職名はないとか、まさに人間扱いしていない答弁がことばの中にあった、この点はいまでもそう思っているか。  それから第二点は、これらの非常勤職員もしくは常勤的労務者の場合にはれっきとした一般職職員だと私は言ったのに、あなたは否定するもしないもない御答弁で終始をされたわけですが、その二つの点についてこの際明確にしてください。
  5. 森博

    説明員森博君) 第二の問題の、一般職職員であるかどうかということにつきましては、もちろんこれは一般職職員と思っております。  それから職というものがないというふうに——職がいろいろ変わりまして、たとえば伐木の職とか、集運材の職とか、常にそういう職をいろいろ変わっていただく、こういうことになっているわけでございまして、申し上げますと、たてまえはそういうふうになっておるわけでございまして、たとえば仕組みが非常に——山から下ってまいりますときにはいろいろ作業形態が変わりまして、伐木やっている人が今度巻立になるとかいろいろあるわけでございます。それで実態といたしましては、われわれの林業労働の報酬と申しますか、これは非常にその中の職種によって差があるわけでございまして、そういう点から申しますと、たとえば伐木をやってそれから巻立のほうにかわるというような場合にも、これは非常に賃金に差があるわけでございます。それで、たとえば一般公務員の場合におきますと、これは一本の俸給体系に、全国なるわけでございますが、これは作業員関係になりますと、全国非常に違うわけでございまして、そういう関係から、また、その職種によってもいろいろ違う。その職がいろいろ違いますと、やはり職とそれからその俸給というものは、これは一致してなければならないもの、職というものは俸給に伴ったものでできているわけでございます。それでございますので、変わっていただくときに、賃金が非常に違うということであれば、やはり職も変わって、それで仕事もいろいろ作業関係で、冬場はなくなったりする作業がございますので、変わっていただくということをたてまえにいたしまして、職をそれぞれ変えていくという形になっているわけで、その職というのは、これは長く続くというものではないわけなんでございます。そういう点から、職がないということを申しませんけれども、非常に特殊な形になっておりまして、それでまた、これは非常に雇用する面におきましても、全国非常に賃金が違うわけでございます。それから作業の中の、林業労働の中の作業というのは非常に違っている、金額が。重労働もございます、軽労働もございます、いろいろ違ってるわけでございます。そのために職を違わせる。ですから、その中の職もどうしてもこま切れの職になるわけでございますが、それを継ぎ合わせてこうやる、こういうふうな形になっているわけでございます。
  6. 千葉信

    千葉信君 一般職公務員だということをはっきり言ったことは了解するのです。だいぶ勉強してきたようだ。しかし、第二点の、そのいまの答弁ならば、おおむね了解できるし、実情もそうであろうと思うが、この間の答弁では、これらの日々雇い上げる職員については、職名などというものはない、職はない、こういう答弁をしたので、それで私はいきり立ったわけだ。いまあなたの言うように、実際上は、職そのものはりっぱにあるのだけれども、そしてその職についているときには、たとえば作業員であるとか、これは一々読むのはやめますが、本来その職階制に関する法律国会を通ったけれども職種職給に関する明細書はまだ国会承認を受けてない。したがって、官職とはいっても、いまのところはまだいずれの官職も暫定的なもの、これはあなたも知ってるだろう。しかし、そうであっても、暫定的ではありながら、その一般職職員が、職名もなしに、人間扱いしないような答弁をしたから、私は激高したのであって、いまのように、給与の関係等があって必ずしも固定しないから、一人の人が、他の職について、いつでも同じ職にいるのではない。そういう実情があってああいう答弁になったということならば、私は一応了解するけれども、しかし、これからもあることですから、特にこれらの一般職職員は神経がとがっていると思う。おまえら職名官職も何もないのだというようなかっこうの、こういう国会答弁がもし耳に入るようなことがあれば、決していい気分はしないと思う、実際の状態はそうでないのだから。やはり人事院でもはっきりその非常勤職員に対しても、毎年人事院のほうから報告される文書の中にも、職名の分類の基準というものをはっきり出して、そしてたとえば事務補佐であるとか、タイピストであるとか、あるいは労務関係では作業員であるとか土木工夫だとか、いろいろその職名はちゃんと持ってるわけだから、今後その取り扱いについては十分慎重にやっていただきたい。いま私から聞きました二つの点については一応了解します。  そこで、国家公務員法第六十条の解釈、あなたの言われた解釈は間違いではない。しかし、それは現行ではないのだ。あなたは古い頭で、古いときたたき込まれた頭で六十条を解釈しているのであって、いまはそういう六十条の解釈は成り立たない。どうしてかというと、非常勤職員であるとか、常勤労務者雇用関係については、これはいずれの省庁でも日々雇い上げているかっこうをとっているようですが、昭和三十六年までは定員法が現存して、その定員法にあなたがいま言われた人事院規則の八の一四にいう「二ヵ月以内の任期を限られた」ということは、定員法の第一条に日々雇用する職員の場合には二ヵ月以上継続してこれをしてはならない、こういう条文が、この定員法廃止とともにこの条文は消えた。消えたけれども、はっきりこれは消えっきりに消えたのじゃなく、そういう非常勤諸君等に対する扱いについては、三十六年の六月二日施行ということになって人事院から、人事院規則八の一四の規則が出ている。それによりますと、第四条では昭和三十六年六月一日以降、つまり定員法廃止されたその日以降「引き続き在職する二ヵ月以内の任期を限られた常勤職員の他の官職への異動については、なお、従前の例による。」と、あなたは初め、八の一二を引用されたけれども、この八の一四もわれわれとしては非常勤職員雇用条件としては頭に入れておかなければならない。おまけにあなたの答弁をされた国家公務員法の第六十条というのは、この定員法条文のなくなってしまった段階においては、国家公務員法のどこをさがしても、臨時雇用するものないしは日々雇い上げるその職員等に対する規定はどこにもない。ないでしょう、一カ所も。ない場合には、その臨時雇用する職員に対するどこかの国家公務員法条文を適用する以外に道がない。そうなればあなたのいま言われた第六十条の中に「任命権者は、人事院規則の定めるところにより、緊急の場合、」これが一つ。「臨時官職に関する場合」これが一つ。「又は任用候補者名簿がない場合には、」こうなっております。私はこの例示としてあげられている「臨時官職に関する場合」という条文の援用なしには非常勤職員等を使用する法的な根拠が何もなしに政府はいいかげんなことをやっているということにならざるを得ない。こういう解釈法律解釈にあたってはとることが正しい。客観情勢が変わり、客観的な事実が変わり、おまけ法律も改正されたときには、在来の法律条文解釈では役に立たないというのが実態なんです。だから、そういう意味では、あなたの言われたさっきの六十条に関する答弁は、昔の非現行のものの答弁としては、私もそういうふうにそれまではこの条文解釈していた。間違いではないけれども定員法廃止になったそれ以後の解釈のしかたとしては必ずしも適切なものではない。したがって、人事院では人事院規則の八——一四の第四条の解釈によってそれに代替するものだという見解をとっておるのですから、あなたは八——一四の第四条で、つまりそれまでの日々雇用する者を林野庁のように十年も二十年もこき使っておる、そしてそれを表彰して、それで能事終われりというやり方法律上は違法だということにならざるを得ない。ぼくのいま言ったような解釈でいけばですよ。その点に問題が起こってきているわけです。そしてこれはあなたが私の言うことに納得がいけば、私はあとは、これは委員長に申し上げますが、本来ただいま申し上げている質問というのは鶴園君の質問関連して、私が林野庁長官質問をした国家行政組織法第十七条関係から出発して、突然ひょいと職員部長が立たれて答弁したところからこういう混乱が起こったのです。もしいまの解釈について、私は職員部長というそ仕事が非常に林野庁非常勤職員の身分なり、あるいは待遇等に大きな関係を持つために、あなたの考えに対しては十分われわれも納得し、あなたも納得するような解釈のしかたをしておくのでなければ、思わない不幸が引き続いてくるおそれがあるから、そこで私はあなたにその点をはっきりしてもらいたいと思って質問したわけですから、六十条の解釈はどうですか。
  7. 森博

    説明員森博君) 私ども先生の御意見拝聴いたしまして、たいへん参考になる御意見で、勉強しなければならないと思うわけでございます。なかなかむずかしい問題と思うのでございますので、検討させていただきたいと思います。
  8. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いまの職員部長発言の中に関連をしてちょっと伺っておきたいのだけれども、何かあなたは職が変わるような話でしたですね。あれは職ですか、それとも作業の何といいますか、形というのか、そういうものが違うのか。それから、そうでない者も一ぱいあるでしょう。私は常用作業員の中の変わる者の例をとって言っておられるように思うのですが、変わらない者もあるのですね。それからもう一つ、いま千葉さんの発言にもう少し関連をするのですが、任用はどうしているのですか。それからもう一つ……、そうね、任用を聞けばいいですね。私は一昨日、二ヵ月の任期を持っているのではないか、二ヵ月間の雇用予定ではない、任期を持っておるのじゃないかという質問をしておるのですが、これはいま千葉さんのものと非常に関連するのですが、これひとつ、三つ答弁してみてください。
  9. 森博

    説明員森博君) 職ですか、という御質問でございますが、まあ職というのは、やはりこれは賃金なり俸給なりに結びついたものが職だと、こういうふうに考えておりますので、たとえば伐木とか巻立とか集運材手とかいうのが職種だとわれわれは考えておるわけでございます。それから、そういうふうに私は変わるということを申し上げましたが、屋外作業員の大部分は変わっているわけです。中には比較的変わらない職というのもございますけれども雇用いたしますたてまえといたし律しては、変わることがあるというたてまえで雇用いたしておりますので、考え方としては同じだと、こう考えております。それから任用でございますが、これは人事院規則の八——一四で任用いたしておりまして、前年度十二ヵ月雇用された者、心身健全な者、省管内の異動に応じられる者、そういうふうに考えておりまして、期間というのは二ヵ月間雇用するという形で採用しているわけです。
  10. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも職員部長、一万二千名もいるのですから、そして国有林野における根幹的な要員なんですね。それの任用が何かあいまいな答弁ですが、それから期間もあいまいですよ。ですから二ヵ月の期間というのは、これは雇用予定ではなくて、はっきり任期を持っているのですね。二ヵ月と、辞令はそう出ているでしょう。私は辞令を見せてもらった。辞令を見てみると、これは二ヵ月の任期を持っている。それからもう一つ任用はこれは先行ですよ。あれは条件が要るわけですよ。過去十二カ月以上引き続いて勤務している者、これからさらに将来とも働いてもらう者、そして転勤に応ずることができる者、これだから、任用の場合においては、これははっきり先行しているわけです。こういうのを非常勤なんというのはおかしいですね。どういうわけで非常勤というふうに言われるのか、それを聞きたいわけです。ぼくは、これは一つの焦点なんですよ。日々じゃないですよ。二ヵ月の任期を持っているのですよ。そしてこれは特別の事情の変化がない限り更新をしていく。そして無期限雇用林野庁長官が表彰し、農林大臣が長年勤務したということで表彰しているわけですよ。それはどういう理由非常勤なのか、これをちょっと聞きたいのです。いま答弁できなければ、別でもいいですよ。先行ですよ、明らかにこれは。二ヵ月の任期を持っている。いいかげんなことでは困りますよ。まあ答弁できるなら答弁してください。
  11. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 研究しますか、答弁しますか。
  12. 森博

    説明員森博君) よく研究いたしましてから。
  13. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 一つ言っておきますがね。こういうあいまいなことじゃだめですよ。あいまいじゃなくて、もっとしっかりしなければ困るんです、こういうのは。なっちゃないです、林野庁は。こればかりじゃないけれども、ほかの問題も出したいけれども、とにかくこういうあいまいなことじゃいかぬですよ。一万二千人もおって、十五年勤続したといって、農林大臣が表彰したり林野庁長官が表彰するのだから。もっとこういう任用関係については、はっきりした見解を持って次回機会を改めてひとつ答弁してもらうということにいたしましょう。
  14. 千葉信

    千葉信君 早く林野庁長官を呼んでもらいたいんですがね。その前にひとつ山村さんに注意を喚起しておきたいのは、いま質疑応答の中で明らかになったような常勤労務者ないしは常勤的非常勤職員の数というのは、この人事院の統計による報告によりますと、林野庁に九万六千四百人いるのです。これはゆゆしい問題だと思う。またそのほかの現業庁にもあります。しかし、林野庁が一番多くて九万六千四百人。しかもそれがいま鶴園委員質問に出たように、実際の雇用状態は日々雇い上げたと前回委員会では答弁しておりながら、いま日々雇い上げではない、実際の状態においては、この人事院規則に制限されておる二ヵ月以内という条文があるものですから、二ヵ月の雇用期間をもって雇い上げておる。これは行政管理庁長官としてもこのままで放任できない問題だと思う。私はあとから林野庁長官前回答弁関連して少しつつがなければならぬ点がありますからね。いままでの質問から見ても、山村さんもよく実情おわかりになったと思うから、これ至急、長い間かかって善処ということじゃなくて、早急にこの問題を解決していただくように、しかもその解決の方法は、この間の林野庁長官答弁は、知っていて答弁しているのか、知らないで答弁しているのか知らないけれども法律を半分しか見ていない。もっと詳しく調べれば林野庁長官なり山村さんなりが腹をきめれば、腹をくくればすぐにでも解決する方法がちゃんと法律にあるのですから、それひとつ山村さんどうですね、至急に解決してもらえないものですか、これは。
  15. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先般来鶴園委員並びに千葉委員のいろいろの御質問を拝聴いたしておりまして、私ども十分これは検討に値するものと考える次第でございます。十分行管といたしましても検討いたします。
  16. 千葉信

    千葉信君 それじゃ林野庁長官に連絡を……。
  17. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔午後零時十五分速記中止〕   〔午後零時三十分速記開始
  18. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記を起こして。  ただいま田中林野庁長官が出席されましたので、長官に対する御質疑を願います。
  19. 千葉信

    千葉信君 それじゃ、林野庁長官前回に引き続いて御質問いたします。  前回の私の質問に対して、林野庁のいまいる非常勤職員ないしは常勤労務者にまぎらわしい職員に対して定員法上の正規措置をとれない理由は、国家行政組織法第十九条にあると。その第十九条によると、「各行政機関所掌事務を遂行するために恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤職員定員」云々、つまりこの条文にある恒常的な職種ではないからという御答弁だった。あなたはそうして第十九条だけをたてにとって答弁されておる。しかし、この委員会質疑でだんだん明らかになってきましたことは、日々雇い上げた本来の方式であるべきものを二ヵ月の期限を切って採用したりして、おまけに継続して同一人が十年、二十年も、表彰を受ける状態にまで勤続をした、もしそういう状態が真実ならば、これは林野庁長官国会うそを言ったことになるのですよ。実際は恒常的な状態で雇っているにかかわらず、いや、恒常的な職種ではないから、これは第十九条によって恒常的な職種ではないから定員化することはできない——あなたにうそだなんということをここではっきり言うことは少し言い過ぎかもしらぬけれども、少なくとも実情をはっきりとわれわれに了解できる程度にまでは説明することができない状態でしょう。しかも、私は長官にいままたあらためて来てもらったのは、前回の続きですけれども、あなたは第十九条の第一項だけを取り上げて、しゃちほこばった答弁をしておられますけれども、同じ十九条の第二項によりますと、「特別の事情により前項定員を緊急に増加する必要が生じた場合においては、同項の規定にかかわらず、附加すべき定員は、一年以内の期間を限り、政令でこれを定めることができる。」、これ、恐縮だけれども行政管理庁長官もよく耳を澄ましてお聞きを願いたい。同じく同条の第三項には「前項規定に基づく政令により附加された定員で一年をこえて置く必要があるものについては、すみやかに、第一項の規定に基づく法律を改正する措置がとられなければならない。」、つまり一年間は政令でやってもいいけれども、そのあともっと継続して使用しなければならないような状態のときには、今度は法律によって第十九条の第一項、第二項、第三項で、非常に私どもから言えばこしゃくにさわるぐらいに政府の思うとおりに何でも簡単にやれるような法律条文になっている。やれないやれないとしゃちほこばって答弁するのは、どこに理由があるのか了解に苦しむ。やろうと思えば政令で簡単にできるのですからね。おまけにもう一つあるのです。同じく国家行政組織法の第二十一条の第二項には、「現業行政機関現業に係る定員は、別に法律の定めるところにより、第十九条第一項の規定にかかわらず、政令でこれを定めることができる。」、つまり二十一条では、第十九条の第三項で、一年以上たったらこれは政令でなくて法律に移行しろといっていますが、現業の場合にはまた特例があるわけです。現業の場合には第十九条の一項にかかわらず政令でずっとやってもよろしいと、立法の状態がこういうかっこうになっているんですから、私は山村さんの決意のいかんひとつでこの問題はそんなにむずかしい問題ではないと思うんです。そこで私は林野庁長官にお伺いしますが、こういう法律条文があることはあなた知らぬはずはない。知っていて国会で聞かれると、第十九条の第一項だけを答弁して得々としている。その態度自体がおかしいと思う。しかもおまけに第十九条の第一項にいうところの実情は、恒常的な職種ではないとあなたが言い切る根拠がないくらいの状態がこの委員会ではっきりしているんです。いまもあなたの来る前に、あなたのほうの職員部長に私も鶴園委員質問して、実際の状態は、日々雇い上げというやり方をすることに法律なり人事院規則がなっているけれども、実際上はもう二ヵ月の期間人事院規則にも制限がないのだからという考えで二ヵ月間の期限をきめて雇用した、どんどんそれを雇用した。これは雇用しているのを悪いとは言わないんです。法律上は疑義があるけれども、当然そういう必要とする人員ならばそういう雇い方をしてもよろしい。ただ、そういう雇い方をしてもよろしいけれども扱いはこの法律のとおりにはっきりと正規取り扱いをすべきだ。これをひとつ私の意見に不服ならば答弁を聞こうじゃありませんか。
  20. 田中重五

    政府委員田中重五君) この前申し上げたわけでございますが、「恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤職員」と申す場合の、その恒常的職ということばの解釈でございますが、この職を組織の単位と考えました場合に、その職がその組織の単位として恒常的に置かれる必要があり、それに一人の自然人が充てられるというふうに考えました場合には、常用作業員の場合には、その常用作業員職種をこの十九条にいうところの職というふうには解釈していないということをこの前も申し上げたつもりでございます。そういう理由といたしましては、この前も申し上げましたが、その職種の内容が作業の特殊性から言いまして、気象的、地形的あるいは林業自体の特殊性から言いましても、間断な仕事になっておるということで、その職種をもってここにいう恒常職というふうには解釈していないことを申し上げたわけでございます。
  21. 千葉信

    千葉信君 どうもあなたはなるべくぼくたちの言うことを聞きたくない聞きたくないという腹で無理やりへ理屈をこねている答弁としかとれないのですが、あなたはそんなことを言うけれども、いまあなたの使役している非常勤職員の使い方はどうなんですか。さっきも職員部長から答弁がありましたけれども実情については、たとえば伐採の仕事をやっている職員がいる。その伐採の仕事は一年じゅう続くのではない。そういう場合にはその伐採の仕事をやっていた伐採の職種に従事した職員が、今度は運搬のほうに回る。つまり運搬夫というかっこうになる。そういうことが答弁の中で言われました。私は実際の仕事の運営のしかたとしてはそうだと思うのです。そうして非常勤職員の使役の状態は、そういう伐採した職員を今度は運搬のほうに回して使っている。あなたのほうの答弁はそういうふうに一つ職種から次の職種に移らなければならないような林野庁仕事状態であるから、したがって、その職に固定するわけにいかないから、この第十九条で縛らざるを得ない。あなたはこういう答弁でしょう。ところが、実際には非常勤の場合にも、かりに伐採夫の発令をした職員の場合でも、仕事がなくなったらこの次は運搬夫に切りかえる、職種の転換ができる。人事院規則の配置転換の条項をここにはっきり三項もうたっているではありませんか。非常勤職員のほうでできるそういう職種の転換なり職種の変更が本採用にした場合にできないという理由は一体どこにあるのですか。しかも第十九条の解釈からいけば、伐採なら伐採の仕事は一年間継続するものではない場合であっても毎年あるのだ。毎年継続して林野庁はその仕事をやらなければいかぬ。運搬の仕事もしかり。私は例として二つをとりましたが、ほかの仕事もみんな同様だと思うのです。そうすればそういう職種が恒常的ではないというのはあなたのこじつけなんです。期間はかりに切れるとしても、またその次の年には冬場に入ったら伐採の仕事をやらなければならない。その職員も使わなければならない。そうすれば継続して恒常的な職種として使うのに一体何の不自由がある。転換だけを行なえばいいじゃないですか。それを非常にやりやすい状態定員法の改正と同時に切りかえられて、そういうことがやりやすい措置になっているのに、あなたのほうでは第十九条の一項だけにしがみついて、そしてみすみすあなたの部下が、あなたの使いよういかんによっては一生懸命仕事をしようとする、気持ちよく働こうとするのに、いやな思い、さびしい思い、いじめられた思いで働かされたら能率が上がるはずがない。正規扱いをしてやりやすい方法がある。その方法のとおりに正規扱いをして気持ちよく能率を高めて働かせることのできる方法はちゃんと法文にあるのだ。それを国会で問い詰められたからといって、何もしゃちほこばったかっこうで、できる解釈が幾らもあるのに、その解釈を拒否して、職種の転換は絶対にできない。職種の転換ができないということはどこに国家公務員法規定があるか。しょっちゅうできるじゃないですか。ただ普通の場合、配置転換はいやだということを言う人がいるけれども、しかし、配置転換だってこの方法をもってすれば幾らでもある、法律上も何も制限がない、どうしてできる方法を講じないか、できないことばかりしゃちほこばったかっこう答弁しなければならないか、常識を疑われる。答弁してください。
  22. 田中重五

    政府委員田中重五君) この十九条の恒常的に置く必要のある職の解釈をめぐっての見解になると思います。それでその職を私のほうから申し上げておりますのは、伐木手なら伐木手、造林手なら造林手、そういうものを職というふうに考えているわけでございますから、そこでその職としては恒常的に置かれるという意味での職ではないか、こういう理解でございます。
  23. 千葉信

    千葉信君 だからしゃちほこばった、片寄った解釈だと言うのです。さっき質疑応答職員部長は答えておる。非常勤職員の場合にはやっておるじゃないか、あるいは職員を使役してその仕事が切れると、次の職種に転換して、非常勤職員の場合はやっておるでしょう。そういうやっておることがなぜ定員内の職員の場合にはできないという解釈をとらなければならないかということです。しかも第十九条第一項だけにあなたはしがみついているから、こんな恒常的に置く云々という字句に拘泥しているけれども、たとえばこの二十一条の場合の条文なんかはどうですか。「現業行政機関現業に係る定員は、別に法律の定めるところにより、第十九条第一項の規定にかかわらず、」第十九条第一項のあなたの言う恒常的な職種云々の規定にかかわらず、必要な場合には、政令でこれを定めることができる、となっている。あなたのしがみついている条文は、ここで変わった立場で規制されているじゃないですか。
  24. 田中重五

    政府委員田中重五君) いま二十一条のことを御審議になっているわけだと思いますが、それで二十一条につきましては、これは別段の定めといたしまして、農林省設置法の九十一条の二項で「国の経営する企業に勤務する職員の給与等に関する特例法の適用を受ける職員のうち林野庁に恒常的に置く必要がある職に充てるべき常勤職員定員は、政令で定める。」ということで、これは国有林野事業職員定員令という政令規定しているのでありますが、これの定員職員につきましては、やはりその恒常的に置かれる職に勤務する常勤職員が何名ということで規定しております。
  25. 千葉信

    千葉信君 わかっております、そんなことは。だからその恒常的な職種というものの解釈が、解釈のいかんによっては幾らでもそういう定員はふやすことができる。幾らでもといっても、これは仕事の限界があるわけですから、そんなにむちゃくちゃにふえるわけはない。必要のある範囲でふやすことについては、なにもそこに農林省設置法にどういう条文があっても、第十九条の第一項と変わらない趣旨のことじゃないですか。いいですか、変わらない趣旨のものだし、おまけに第十九条の第一項だけではなくて、第二項、第三項とある、どうしても必要ならば政令で一年間は置いていいと、それがだめならば、二年以上になる場合には、今度は法律改正の措置をとれと、こうまでなっているじゃないですか。あなたはそれを、自分たちが、非常勤職員をいまのままで置きたいばっかりに、置こう置こうとして答弁しておる。そんな態度自体がおかしい。少し極端な言い方をすれば、人の長たる資格を疑わざるを得ない。あなたは、どっかにあれしようとする腹があるんだろう。たとえば大蔵省であるとかあるいは行政管理庁であるとか、そっちのほうとの交渉がスムーズにいかないか、もしくはやる腹がないために、こんな条文を、自分たちがのんびりかまえていられるような解釈のしかたをして、毎日糊塗しているのだろう。それで、林野庁非常勤職員として、いやな思いをして働いている職員に対して相済むと思うか、君は。そんな気持ちならば、これこそ、はっきり言うと、人の長たる資格がないことになる。どうですか。あなたは、この十九条なり、農林省設置法の九十一条なりの解釈について、職員のためを思う解釈のしかたを研究してみる気持ちは起こりませんか。あくまでもいまの答弁で、あなたはしがみついていくんだという腹ですか。あなたの存念のほどを聞こうじゃないか。
  26. 田中重五

    政府委員田中重五君) この十九条の解釈につきましては、いま、申し上げたとおりでございます。
  27. 千葉信

    千葉信君 行政管理庁長官、どうですか。いまの質疑応答を聞いておっても、全く事務屋の範囲を一歩も出ない、こちこちの立場で答弁しておられますけれども、あなたは、行政管理庁長官として、こういう問題については、どういうお考えを持っていますか。
  28. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) すでに先ほどお答え申し上げたとおり、十分私たちといたしましては検討いたしたいと思います。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 林野庁長官ね、十九条の解釈は、長官おっしゃったのですが、これは現実問題として、前回長官もおっしゃったように、やはりすっきり割り切ってお考えになっておるように思わない。解釈は別ですよ。それを林野庁常用作業員に適用する場合に、若干の疑念を持っておるのじゃないかと思うのです。その点も前回、少しばかり問い詰めて論議をしたわけですが、先ほど部長は、答弁の中で、何か職が変わるような話なんですが、しかしながら、変わらないものも相当おるわけですよ。にもかかわらず、職種をあまりこまかく分担し過ぎている。職種を統合しなければならぬということも考えなきゃならない。私は、例として幾らも申し上げましたが、それは農事試験場なり、あるいは種畜牧場なんというところにいて作業をしておる人たち、これはもう作業だけやっておるのじゃないです。場合によれば、牛を飼うこともあるし、ときによれば、飼料を耕作することもある。作付けもするし、それは農業夫だと、これは畜産夫だというようなふうに分け過ぎている。その人は、また机に向かって帳簿もつけるし、事務もとっているのですよ。しかしながら、種畜牧場にやはり恒常的に置く職であるということになっておる。林野の場合、こま切れに分け過ぎているのですよ、分業でやりますからね。分け過ぎている点に、従来のいきさつについては理由もあると思います。しかしながら、やはり職業を統合しなければならぬというところにきている。また、職種ごとに非常に賃金も違うという点にも問題があることは御承知のとおりなんです。これは雇用形態が、国有林野では非常におくれているということも、これは世間みなが指摘しているところなんです。内閣総理大臣の諮問機関である調査会は、はっきりそれを指摘している。国の機関としてはこの雇用関係を近代化する、そういう職能も持っておるというふうにいっておるわけです。ですから、私は林野庁長官が、先ほどからの千葉委員の御質問の中にありましたが、これはやはり検討される必要があると私は思うわけです。例としていっぱい引っぱり出してもいいですよ。また職務を兼ねる、千葉さんのおっしゃるように、職務を兼ねると、そういうこともできるのです。変わらなくても——変わらないものもいっぱいいるのです。しかもいまやこの林野庁常用作業員というものは、これは常勤労務者の擬装にすぎないということはいまや通念になっているのですよ。林野庁だけですよ。ですから私は林野庁長官、ぜひそういう点について検討をしてもらいたいというふうに思っています。それらの問題については、続いて当委員会においてもまた論議をしてよろしゅうございます。これは検討すべきですよ。長官ひとつ答弁を求めます。
  30. 田中重五

    政府委員田中重五君) この十九条の解釈についてこちらの見解を申し上げているわけでございますが、で、作業の形態、仕事の系列、そういう面からいいまして、常用作業員に充てられている職種が十九条にいうところの「恒常的に置く必要がある職」というふうには考えていないということを申し上げているわけでございますが、ただいま山村行政管理庁長官の検討するという御発言につきましては、行政管理庁の検討の内容については、これは私どもといたしましても、十分にその御検討の内容については尊重をするという考え方は持っております。
  31. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 他に御質疑はございませんか。——。別に御発言もなければ、本件の調査は、本日はこの程度にとどめます。  速記とめてください。   〔速記中止
  32. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記つけてください。  では午後二時再開することにいたしまして、これにて休憩いたします。    午後一時休憩    ————————    午後二時五十八分開会
  33. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) これより内閣委員会を再開いたします。  まず委員異動について御報告いたします。  本日、古池信三君、宮澤喜一君、村山道雄君及び源田実君が委員を辞任され、その補欠として大谷藤之助君、館哲二君、山本杉若及び高橋衛君が選任されました。   —————————————
  34. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) では、臨時行政調査会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に続きこれより質疑を行ないます。  政府側より山村行政管理庁長官、井原臨時行政調交会事務局次長、石川行政管理局長が出席されております。  御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。山本君。
  35. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃあひとつ長官に若干質問したいと思うのですが、相当あの答申も、ある程度各専門部会で煮詰まってきているようにも聞くのですが、第一部、第二部、第三部おのおの部会で検討していただいているのですが、この前ちょっと聞いておこうと思ったのですが、第一部、第二部、第三部の区分けは、行政管理庁で一応この三つに分けたらいいということで計画されたのですか、あるいは七人委員会の中で意見が出てやられたのですか、この点一つ
  36. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) それは臨調の、調査会のほうできめたものと思っております。
  37. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 おのおの第一、第二、第三部と、大体いい分け方をしているのですが、おのおの、やはり調査会の現況報告を読ましていただきますと、いろいろ意見が出ておるんですが、第一部、第二部、第三部、おのおのその使命を持った役割りがあるんですが、第一部、第二部、第三部、おのおの各調査会で最も問題になった点、それから憲法調査会においても議論があったように、国民にアッピールするという意味においてもやはりあると思うのですね。どれもこれも羅列主義じゃなくて、ここにやはり大きな問題があったということがあると思うのですが、その焦点を、立ち会われた方がおられたら……。
  38. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 専門部会を三つつくりまして、それぞれの部会の段階で専門的に検討したわけです。  第一部会は、「現況」の中で御報告しておりますが、行政の総合調整の問題を中心に検討いたしたわけでございます。この中身は、内閣総理府の問題、それから予算編成機構、予算編成のあり方、こういう問題を第一専門部会で検討いたしました。  それから第二専門部会では、行政事務の再配分ということを検討いたしました。  第三部会では、四つ分科会をつくりまして、第一分科会では、許認可事務の整理合理化、第二分科会では、行政手続の合理化、それから第三分科会では、お役所仕事の能率が悪いということが言われますが、事務運営一般の近代化、それから第四分科会が公務員に関する問題、こういうふうに分けたわけでございます。  そこで、いまの山本委員のお尋ねでございますが、どういう問題が中心になったかというお尋ねのように伺ったのでございますが、第一専門部会では、行政の総合調整ということでございますが、中心になりました問題は、現在、行政事務が総理府をはじめ、十二の省に分かれて分担管理されて、内閣のもとで行政運営をやっておるわけでございますが、いま非常に問題になっております点は、各省庁のセクショナリズムということであります。このセクショナリズムに対しては、内閣がもっとリーダーシップといいますか、もっと統制力を発揮して、行政の統一性の保持ということで、各省てんでんばらばらにならぬようにという配慮が要るわけでございます。そこで、そのためにはどうしたらいいかということが、第一専門部会の第一の中心問題であります。それには結局、内閣の補助部局の機能といいますか、内閣の政策決定の機能と、各省に分かれておる行政運営の総合調整をして行政の統一性を維持していく、そして内閣の責任を立てていくということが中心でなくちゃならぬ、それに、内閣の総合調整機能を強化しますのには、やはり予算編成のあり方というものが非常に大きな問題でございます。予算編成のやり方、予算編成機構のあり方、こういう問題が大体第一部会の中心問題になったわけでございます。で、もう少し砕いていいますと、内閣の補助部局といたしまして内閣官房、総理府、総理府のそれぞれの外局、それから別の省でございますけれども大蔵省の主計局、こういうふうに、内閣のそういう重要な調整機能というものが各省にあるわけであります。こういうもののあり方を中心に考えよう、中心問題はこういうことであったように思っております。  それから第二専門部会は、行政事務の合理的配分でございますが、ここの部会の問題意識は、一口に申しますと、現在の行政が中央集権になり過ぎておるという考え方で、なるべく行政事務を下におろしたほうがいい、これは垂直的な段階での地方分権の問題と共管競合という問題で非常に迷惑をかける面が多いのでありますので、行政各省庁の横の再配分で合理化できるものがあればする。縦と横に分けまして行政事務の再配分をやらなければいけないわけでございます。考え方といたしましては、中央本省というものに権限が過大に集中しているのじゃないか、こういう時代でございますので、地方出先機関あるいは府県、問題によりましては市町村、そういう段階で相当まかせ切ってよろしい問題があるように思うのです。そういうことで、そういう観点から、権限なり事務の再配分を検討いたしましたのが、第二専門部会であります。  第三専門部会の問題は、御承知のように、第一分科会は、許認可等と申しておりますが、届け出、検査、検定、報告、こういう、いわゆる行政で規制を加えておるものを、大体法令を洗いますと、八千近くあったと思いますが、この中で大きく問題になりますものを中心にしまして、整理統廃合、権限の下部委譲、あるいは許認可でなくても、届け出でいいのじゃなかろうかというような行政規制の緩和、こういうものを中心に問題を検討いたしました。  第二分科会では、行政手続の合理化でありますが、これは国民の権利義務に関係のある処分を各省がいたしますときに、諮問でありますとか意見を聞いて関係者の権利を守るという制度があるわけでありますが、これが非常に実体法ごとに、また運営する各省ごとに非常に区々になりておる。これは行政の能率化というよりも、国民の権利義務を守るという観点で、こういう行政手続というものの合理化がやはり行政の民主化のために必要だということで検討したわけであります。  第三分科会は、行政事務運営一般の問題でありまして、いわゆる悪名の高い判こ行政、時間がかかるというような問題、あるいは行政の中には、自然に内部から改善を促進するという契機が非常に少ない。そういうような行政のあり方とかいうものにもうちょっと、どういうふうにしたら生き生きとした行政運営ができるだろうかということを中心にいたしまして、いわゆるお役所仕事という悪名を返上するといいう目的で、役所の仕事やり方、なかんずく、最近特に重点を置いておりますのは、行政窓口の一元化的な運用をもっとやるべきじゃないかというようなことが中心になっております。  第四分科会は、公務員に関する問題でありまして、権限や機構をいろいろいじりましても、やはり運営に当たります公務員の心がまえなり執務態度、その他行政改革上、人間の面から検討しなければならないものがかなりございますので、そういう点を人事管理の適正なり、公務能率の増進という観点で問題をとらえたわけでございます。  大体、部会の大きな問題点と申しますとそういうことでございまして、それ以外に若干の張り出しの特殊項目を検討いたしました。
  39. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 大体要点がはっきりしてきたんですが、いま内閣の統制力ということが相当論議されております。議事録全部は見ておりませんが、この報告は大体そのとおりだと思っております。七人委員の全部の方の意見は聞いていないのですが、特定の人の意見を聞くと、なかなか問題のあるやつがあるようであります。そこで、この内閣の統制力ということですが、各省の総合調整機能の強化という問題ですが、いま言われましたけれども、一部ではこういう意見もあるようですがね、現在のごとく、総理大臣の権限は、もう昔と違って、内閣に対して絶対的な権限を持っておりますね、各大臣の任免権を持っておる状態ですから。むしろ逆に、この大臣の権限をもう少し、いわゆる集団指導といいますか、というような考え方ですね。いまのところはもう総理大臣の任免でもって一年たったらすぐ首になってしまうという、こういう形では各省の長官としての国務大臣、いまの制度は。それが非常に逆に各省の仕事が中断されるという、大臣がすぐかわるということから逆に能率が、一般事務能率というわけでなしに、私の言うのは大きい政治につながる行政能率というものが非常に落ちておるのではないか、こういう意見があるのですが、これは長官の御意見を聞くというわけじゃないのですが、そういう問題が論議にならなかったのですか。
  40. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) たいへん口はばったい議論でありますが、臨時行政調査会の中では、行政改革をいろいろ検討してまいりますと、公務員の人間の問題と、もう一つには政治の姿勢ということが根本にあるのじゃないかという議論が出ております。そこで、政治の姿勢といいましても、それはそういうことは行政機構の政治の改善に直ちにはつながらないわけでございます。臨調の改革ということではないかもしれませんが、そこでいまおっしゃった趣旨では、結局合議体としての内閣を強くするということ、これにはすべて問題が政治にからんでまいります。たとえば部会段階では大臣の数が多いという、あるいは任期が短か過ぎるという議論もございます。そういう意味で、いま山本委員の御指摘のような議論は確かに専門部会の中にもあったわけでございます。
  41. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 もちろん、これは臨時行政調査会調査範囲であるか、権限ということはどうか知りませんが、いまおっしゃったように、現在は国務大臣と各省長官は一応兼ねておるわけです。まあそうでない方もありましょうけれども、そういうことによって国務大臣というものの権限をもう少し与えてもいいと、しかし、各省長官とは必ずしも一致しなくてもいいと、こういう意見があったかどうかということを聞きたかったのですけれども、その点ひとつ………。
  42. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 国務大臣と行政長官は切り離してもいいんじゃないかという議論はありました。それから、幾つかの行政庁を一人の大臣が見てもいいんじゃないかという議論もございます。それから国務大臣が各省長官を兼ねますと、結局各省の代弁という場面もかなり出てまいりますので、無任所大臣をもう少しふやしたほうがいいんじゃないか、そういう是非の議論が部会で出ました。
  43. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私は長官にちょっとお尋ねするのですが、そういう意見が出ても、そういうことはなかなか実際これは相当の政治力がなければやれないということになると思うのですが、どうですかね、現在の議院内閣制の今日にあって、私は国務大臣の数はふやすかどうかは別として、ある程度制限をして、それに相当いわゆる総理大臣の任免権だけではなくして、これは憲法にも関係しますけれども、できれば国家行政組織法でできる範囲においてそういう力を与えるということで、各省長官国務大臣と切り離してやるというふうになれば、内閣がかわっても、また、いまのように各省大臣を、国務大臣をしょっちゅうかえられるのですけれども、行政機構としての継続的な能率というものは私はそのほうが進むのではないかと思うのですがね。これは相当行政改革の根本に触れた問題でありますが、これはまあ一度予算委員会長官なりまた総理に聞こうと思っておったのですが、ここで言ってしまったら種がばれてしまうかもしれませんが、その点についてどう考えられますか。
  44. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 行政の根本の問題でありますので、これは実は行政管理庁長官としてお答えするのはどうかと思うのでありますが、いずれにいたしましても、答申の中身におきまして、結果におきましてどういう答申が出てまいりますか知りませんが、ただいま山本委員がおっしゃったような議論は一応あると思います。同時にまた、私といたしましては、この際に答申の内容に対して何か政府から注文をつけるような感じのことばは差し控えさしていただきたいと思います。
  45. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 その立場はよくわかります。国会で、ここで質問しておるのは、もちろん臨時行政調査会を規制するというような意味の発言ではなくして、やはり今後これが答申に出ればこのとおりやるというんじゃないですから、この前も長官答弁されたように、これをひとつ尊重して、そうして政府のほうで、行革本部でこれを具体化する、こういうことですから、したがって、われわれとしては、臨時行政調査会の答申というよりも、むしろ行革本部の構成といいますか、今後のやり方というものが私は重点になってくるという意味で実は質問しておるんですよ。大体私もいろいろ聞いてもおりますし、大体これが一年、半年延びても一応大体の構想がきまっておる。そういうことで、むしろいま私らが聞いておきたいのは、この答申が出て行革本部——ほとんど政府の首脳がこれに参画する行革本部の考え方というものが重点になってくると、私はそういう考え方は理解できる、そういう意味でしておるのでありますが、何も臨時行政調査会の答申を規制するというのでなくして、そういうものでないという前提を議事録に残して、ひとつあなたの御意見をお聞きしたいと思います。そこで、大体内閣の問題については一応これでおきましょう。  先ほど言われました予算編成権のあり方ですがね。これはしょっちゅう前から言われておるんです。これは私は現在の大蔵省はすべての権力を持っておるということは若干問題があると思うんですがね。その際にやはり予算編成権を総理直轄の総理府か、またそれ以外の機構にしようという考えですか、どういうことです。
  46. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) たいへん重要な問題で、いま審議会が非常に慎重な審議をしておるわけですが、実はこの問題は総合調整の問題といたしまして、会長の佐藤喜一郎委員がみずから主査として分担いたしております部会の報告では、大蔵省の主計局を内閣ないしは総理府に持ってくるというような議論まで出ておりません。予算閣僚会議をつくって、実際に予算編成についてのリーダーシップが内閣としてとれるようなかっこう考えられぬかという程度にとどまっております。七人委員の方もいまの作業段階で、佐藤会長自身はもう少し突っ込んだ考え方で、その主計局といいますか、予算編成機構のあり方の是非なり現状の得失なりを検討している最中でございます。
  47. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 ここにも案が——大体現状維持案とか、あるいは予算閣僚会議とかいうものの意見が若干載っておるんです。もっと積極的な意見が出されたとも聞いておるんですが、それは一応別としまして、現状では私はまだ与党の味を知っておりませんからわかりませんが、相当予算編成の場合は政策を織り込むということもありますが、大蔵官僚の事務レベルで相当規制されるらしいです。やっぱりこれをたださなければ、この議院内閣制という民主主義の政治機構に合わないんじゃないか。予算の大綱というものは閣議でまずきめられておる。これは与党の三役が入られてきめられておるのはいいのですが、私は政策が予算にあらわれる部面が相当制約されておるのじゃないかと思うのです。これは名前を言いませんが、与党の方々の意見を聞いてもそういう不満なり意見があります。そういうことから、私はもう少しこの点ははっきり出してもらったらどうかと思うのです。これは内閣に予算担当部局を置くというのですが、具体的に言えば、いまの大蔵省の主計局だけを別部局にするということじゃないかと思うのです。これは閣議に直結した直属の機関である、だから比較的公正であると言われますが、これでもまたその部局自体が大蔵省の主計局みたいに化するのじゃないかということになる。だからもう少し、予算閣僚会議を設けるとかなんとか書いてありますが、こういう閣議といいますか、現在政務次官なんかがおりますが、議員を——これはもちろん与党議員ですね、政党政治ですから与党議員になりますが、与党議員がもう少し予算編成の中に実力的なものを持つものの構想というものが必要でなかろうかと思うのです。そうすれば、民主的な国民の意見というものが予算によりよく反映する。現在の予算編成は、私ははっきり言って、事務的なものに片寄っているのじゃないかと思うのです。この点についてはそういう意見は出なかったのですか。
  48. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 大蔵省の主計局を内閣ないし総理府にだけ持ってきたのでは十分ではない、やはり官僚政治といいますか、官僚予算になるのではないかというような御懸念のように承ったわけでございますが、いま検討されておる問題は、予算編成機構を内閣ないし総理府に持ってくることの是非得失、これを確かに検討いたしております。それ以外に、いま仰せになりました与党議員がもっと予算編成に関与したらどうかというような御趣旨のようでございますが、この問題も検討されております。で、考え方といたしましては、むろんまだ紆余曲折がありますので結論がどうなるかわかりませんが、内閣の補佐官というようなもの、特別職の国会議員の方が、与党の議員が入られて重要政策に参画されて、それが総理大臣を補佐するというような考え方はあり得ないのかという話題が確かに委員の中に出ております。
  49. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私は当然そういうものは話が出ておると思いますし、また、行革本部ができてもやはり検討すべき問題ではなかろうかと思うのです。また、現在のようなままであれば、私は少し官僚の人々が悪いとか、そういう意味では決してない、機構そのものがそうなっていますから、大蔵省の主計局の主計官なりそういう方々は自分らの責任分野というものが限られておりますね。だから、自分の責任を果たすということから、やはりそのときの内閣、政府を構成しているものの政策というものを入れようとしても入りにくいような形になっている。議員ということは、何も議員がえらいということではない。議員は国民から選ばれたものですから、やはり政策ということにはまじめであると思う。したがって、補佐官がいいかどうかは別として、現在議員が参画するということには問題があります。この間の予算委員会でもやったのですが、予算の提案権は内閣にあるのです。これは与党といえども、その予算編成には意見を聞いていろいろやるけれども、予算編成の権限というものは内閣にあることは当然です。したがって、議員はいまのままで単独に入るということはできません。政党であるから、政務調査会とか、あるいはその他の意見を入れておるけれども、予算編成権は厳然として内閣にある。しかし、それを一歩進めて、いわゆる補佐官であるかどうかは知りませんが、こういう人が主となって予算の編成をする機構というものがやはり必要ではなかろうか。将来を展望しても、こういう点について、これは長官臨時行政調査会の答申を牽制する意味ではなくて、政府のいまの閣僚の一人としてどうお考えであるかという点について……。
  50. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 予算編成という重要な問題でございますので、これにつきましては、率直に言いますならば、行革本部等ともまだ意見の交換はいたしておりません。したがいまして、これが政府の閣僚の一人としての発言ということを申し上げるわけには参りませんけれども、私は議員の立場から閣僚の一人に入りまして、先般の予算編成の体験をいたしました結果、多分にただいま山本委員のおっしゃったような必要を痛感いたしております。したがいまして、おそらくやこの答申の結果におきましても、そういうような御主張というものは相当に盛られてくるのではないかということを期待もし、また同時に、その結果を待っておる次第でございます。
  51. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 もう一点だけこの点についてお聞きしておきたいのですが、今度は臨時行政調査会の問題ですが、そういう点、これは政府からそういう諮問をしてもいい、行政調査会に。それはそうだと思うのですが、そういうものについて積極的に意見を求める——もちろん意見は出ておるけれども、それを出されるという意思があるか、また出しておるか。その点重要ですからね、いま申しました予算編成について……。
  52. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 具体的に一つの条項を注文をつけて諮問しておることはございません。
  53. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 どうですかね。私は各種委員会とか、そういう調査会とかの設置については過去五年間経験しておるのです。私自身も地方財政調査会の委員に任命されておるのですが、やはり実現性ありというふうにしようと思えば、ある程度政府もそこに意見を出して、そうしてできれば、この答申そのものが実現するような方向に進むのがいい。またはもう七人委員会の方々に全部まかして意見を聞くのである、答申を聞くということになれば、この間私質問したように、実現性が私は非常に薄いと思う。太田試案が発表されると、相当各省内の幹部級に対してセンセーションを起こしたように新聞で見ましたが、これは新聞ですからどの程度か知りませんが、したがって、私は、政府が積極的にこうせよということはないが、こういう問題についてはどう考えるということで、地方制度調査会でも、自治省の人々とか、各省の人々を呼んで意見を聞く、それと同じようにそういう方法をとられておるのか、またとる気があるのか、また調査会としてはとれないのか、この点をひとつ聞いておきたい。
  54. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先般太田委員の試案が出ましたときに、閣議におきましてこの問題につきましていろいろと意見があったのは事実でございます。これを契機といたしまして、ぜひとも実現性のある答申を期待するというたてまえから、各省におきましては密接な連絡をとっておる次第でございます。ただ全体の問題といたしまして、はたして内閣としてこの特定の条項を諮問したほうがよろしいかどうかということにつきましてはまだ考えておりません。
  55. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) いま長官がお話のように、諮問が出ておりませんが、ただ七人委員会としましては政府意見をどういうふうに反映していくかという、これは調査の段階で十分に各省の責任者から聞いております。それから一つの運営の体制といたしまして、行政管理庁の事務次官が臨時行政調査会の事務局長を法律上兼ねております。で、そこで政府部内のいろいろな意見は事実上局長をパイプとして入ってくるようにもなっております。したがって、この点、この点ということでの諮問こそございませんけれども、実現ということはむろん重点でございます。その辺は調査の段階におきましても、運営の段階におきましても、相当円滑にやっておるように考えております。それから実現の問題でございますが、すぐ立法化して実現できるものと、理想ではあるけれども、それを実現するまでに数年の年月を要するというような問題というものと二通りあるというのが委員会考え方でございます。したがって、当面の問題ということだけではなしに、かなり難問題につきまして長期を要してもこの際言うべきは言う、言うべきであるという考え方、したがって、改革意見の中にもそういうおおむね二通りのものが入ってくるのではないかというふうに私は見ております。
  56. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 この問題はこれで置きますが、もう一つ根本的な行政機構の問題として、これは行政管理庁の方を前に置いてどうも言いにくいかどうか知りませんが、私は行政管理庁のいわゆる存在というものは非常に価値があると考えておるのです、行政機構としては。しかし、実際の行政管理庁としては、こう言っては失礼でありますが、各省を制約される力、権限を持たされておらない。ただ監査するということで、勧告ですか、そういう調査実情を報告するということで、各省によっては直しておると言われますけれども、またあとからそうでない、行政管理庁の満足するような方法でやってないところがたくさんあると思います。また、その機構自体もいまの人員からいきましても、私はそういう組織が十分強化されておらない。したがって、その点がこの臨時行政調査会で、行政管理庁という名前でするかどうか知りませんが、その権限をもっと強くせよというような意見があの七人委員、いわゆる民間から選ばれた七人委員の中でどういう評価をされておるか、これをちょっと聞いておきたい。
  57. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 行政管理庁のあり方につきましては、先ほど申し上げました会長みずからが主査となりまして、内閣総理府の整序なり強化の問題として検討しておる最中でございます。むろんまだ結論が出ておりませんが、考え方としては行政管理庁の機能は強化しなければならないというのが七人委員会考え方でございます。
  58. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ第一の部会はそれとしまして、第二部会のことでちょっと尋ねておきたいのですが、この中央集権化を避ける、それから地方分権と申しますか、地方自治体に対して権限を与える、これは地方制度調査会でもたびたび答申をしておるんですよ、事務の再配分ということで。ところが、実際はそうはいかないのですね。ちょっと一見してそう言いやすいことであるけれどもなかなか実行のできない問題ですね。それは私いまの事務配分ということだけでなくして、財政力をどこが持つかということが根本問題だと思います。今日の地方財政あるいは国の財政の立て方から見ると、たとえそれが地方に対して事務の配分をやっても、これはことばをかえると、権限を与えるといいますか、やっても実際はやはり国の統制下に服した仕事しかできない、こういうことになるので、この点地方分権といいますか、そういう事務的な再配分ということでなくして、財政的にどういう考え方を七人委員会なりこの部会がとっておるのか、これをちょっとお伺いいたしたい。
  59. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 事務委譲につきまして、財政面の裏打ちのない権限委譲をやりましても、仰せのごとくでございまして、その考え方はございます。したがって、事務委譲をやりましたらできるように、受けたほうの行財政能力というものを裏打ちをしてやらなければ、権限だけもらってもむしろ迷惑という問題もあるわけでありまして、並行して権限がおりますれば、地方交付税の問題、補助金制度の問題を含めましてあるいは自主財源としての地方税のあり方、そういうことまでも含めまして考えませんと、おっしゃるとおり一片の意見ということになるわけでありまして、そういう考え方を含めて検討がなされておるわけであります。ただ、関連いたしますけれども、いま中央各省の大体の考え方というのは、地方分権といいましても、いまの府県の現状にどやどやと権限委譲をやってもなかなかできないじゃないかという心配が非常に強いという現状でございます。したがって、その辺はこれからの問題でございますが、なかなか悪いことばで言うと、府県に対しては不信ということばを使うと各省はおこりますけれども、一口にいいますと、現在の府県に対して中央本省はおおむね不信感を持っております。まかせるばかりでうまくなるとは思わぬという疑念があるようでございます。この辺がこれからなかなかむずかしい問題でございます。
  60. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 いま言っておる不信ということは、これは避けたいと思いますが、その能力がまだそこまでいっていないという意見は、これは七人委員会の中の意見ではなくして……七人委員会の中の意見ですか。
  61. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 各省の事務当局といろいろ調査の段階で聴取した
  62. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そこまでくると、これを論議すると私もまた一言なかるべからずですから、行政管理庁には私からは言いたくないと思うのです。地方制度調査会でもまた自治省地方行政部会でも、当委員会でも論議はされると思いますが、地方自治体にその仕事の、事務の消化能力がないと言われるけれども、それは当たらない。いま申しましたように、財源が与えてないから仕事ができないのであって、たとえば大学を出て府県に入っておる人と国におる人と比較してそんなに人間的に能力の差というものはない。やはり役所の仕事といいますか、行政というものは、権限というものが仕事の八割まであります。したがって、その権限が与えられずして地方団体にはそういう事務消化能力がないんだという断定は私は間違いだと思いますが、もし七人委員会でそういう意見が出ましたら、言えるならばこういうことを言っておったということで言ってもらってけっこうです。私はそれには賛成できない。ただやはり国の仕事と地方の仕事というもの、事務とはこれはさい然としてあります。全国的に統一的な、広域的な行政というものはやはり国がやらなければ、地方にまかすということは、仕事自体が国の仕事ですからただ地方にまかしては了承ができないじゃないかということは、これだけは払拭してもらいたい。ただ事務再配分の場合に、国の仕事、地方の仕事をどこで分けるかということであって、能力があるかどうかということになるとちょっと問題があるから、この点私は善意に意見を総合して申し上げたわけでございます。
  63. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そこまでくると、これを論議すると私もまた一言なかるべからずですから、行政管理庁には私からは言いたくないと思うのです。地方制度調査会でもまた自治省地方行政部会でも、当委員会でも論議はされると思いますが、地方自治体にその仕事の、事務の消化能力がないと言われるけれども、それは当たらない。いま申しましたように、財源が与えてないから仕事ができないのであって、たとえば大学を出て府県に入っておる人と国におる人と比較してそんなに人間的に能力の差というものはない。やはり役所の仕事といいますか、行政というものは、権限というものが仕事の八割まであります。したがって、その権限が与えられずして地方団体にはそういう事務消化能力がないんだという断定は私は間違いだと思いますが、もし七人委員会でそういう意見が出ましたら、言えるならばこういうことを言っておったということで言ってもらってけっこうです。私はそれには賛成できない。ただやはり国の仕事と地方の仕事というもの、事務とはこれはさい然としてあります。全国的に統一的な、広域的な行政というものはやはり国がやらなければ、地方にまかすということは、仕事自体が国の仕事ですからただ地方にまかしては了承ができないじゃないかということは、これだけは払拭してもらいたい。ただ事務再配分の場合に、国の仕事、地方の仕事をどこで分けるかということであって、能力があるかどうかということになるとちょっと問題があるから、この点私は善意に聞いておきますから。  そこで一応第二の問題はそうしておきますが、実際問題で言うべくして、地方団体に権限を委譲するとしても、これは具体的に出してもらわぬといかないということを言っておいてほしいと思う。その抽象的なものではこれは実らない。昭和二十五年ですが、神戸報告が出されて、相当細分した勧告が政府に出されておる。国と地方自治体との事務の範囲というものを出されておるのですが、ところがなかなか実現しない。そこで私はやはり官僚組織の強さというものを言っておるのですが、なかなか実現しない。したがって、もし出されるならばきわめて具体的にこの事務の再配分を出されなくては、抽象的ではこれは念仏にひとしいということだけは、ちょっときつい言い方かもしれませんけれども。  それから次に第三のやつですが、時間もないので、ちょっとあとが急ぎますので、聞きたいことがあるのですが、一応第三の行政能率、お役所仕事を排するということは、これは常に言っておることであり、また、皆さん方もこれは反対する者はないと思う。実際問題で、国が取り上げる問題でなくて、各地方団体一部の役所の問題として取りかかってもなかなかできない。たとえば地方団体で市長がかわると、市長が公約して、皆さん方が来たら一つの窓口で全部のことをそこでやるんだと、しかも一時間も二時間も待たさずにやるのだと公約されて市長が出てもできないのです。選挙なんかのときにそう言うと、それはあの人がやってくれるものだと思うが、今日そう言う人がなくなってきたほどいまの行政事務というものは複雑ですね。したがって、これを根本的にどう検討されておるか知りませんが、報告書を読んでもやや私は抽象的な文句が多いと思うのですよ、まだ答申じゃありませんけれども。したがって、ほんとうのお役所仕事を排するということになれば、根本的にやはりいまの官僚——いつも官僚ということばを使いますが、役所の人々の頭の切りかえということ、率直に言いますと、課長がおりますならば、課長は自分はこういう仕事だと、部下のやった係長の持ってきたやつを見てやるんだという考え方、部長になれば課長より上だから全部集めてきてわしが見なければそれはだめだと、また局長になれば局長が各部のを集めてきてわしが見なければだめだ、それを抜かしてやると責任の分野というのが問題になって、これまた相当大きな問題になるのですね。したがって、やるならば、行政組織、事務権限の問題その他をあわせて根本的にやらなければならぬでしょう。これは私はアメリカをほめるわけじゃないのですが、駐留軍が来たときに、私はそのときお役所の仕事を行ってよく見ましたが、向こうはその点はわりあいに徹底しておりますね。上に立つ課長とか、責任者が窓口におるのですからね。それで受け付けたやつを、これやれ、こうせいといったらおしまいです。日本とちょっと逆ですね。窓口というものがここまでやれるかどうか問題ですよ。実際問題これがやられなくちゃお役所仕事を排するんだといっても、これはもうから念仏です。そこまで役所におる人の頭が切りかえられるかということの問題。とにかくこういうことばを使うと非常に公務員におこられるかもしれませんけれども、私も公務員出身でこういうことを言うとおこられるかもしれませんが、窓口に近いほうのやつが、下僚の月給の安い新しい人が窓口で、一年ずつふえるたびに奥へいくのですね。国会の議席も新しい人が前にすわっておりますがね。これはわれわれどうしてか知りませんが、これは一応別として、そういう組織になっている。これは逆にしたら、お役所仕事廃止といいますか、これを改善することが一番の根本の問題。窓口におる者がプライドを持つという考え方が持てるかどうかということ、これは池田さんの人つくりの問題に入っているかどうか知りませんが、役人の人つくりといいますか、これが非常に大事だと思う。こういう点をぼくはひとつ、そういう論議は出てくると思いますが、よくそういうことの意見を出しておかなければ、結局答申が出ても一般の国民からは期待はずれの結果になるのですね。まあ、非常に進歩的な市長が——ちょっと所は記憶しませんが、因島の市役所に行ったときに、ちょうど玄関を入った左側に市長室がありまして、その人が言っております。とにかくまずお客さんが来たらわしが会うんだというので、玄関のわきに大体守衛のたまり場のところに市長がおられた。私はそのときほめたんですがね、いまどうなっているか知りません。どうせ当選したときだからかどうかは知りませんが、こういうことですから、そういう点が、私の言っていることが間違いかどうか知りませんが、ひとつ臨時行政調査会でそういう意見が出ておるなら一ぺん聞かしていただきたい。
  64. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 先ほど申し上げました第三専門部会の第三分科会で、事務運営の近代化というところで、いまお話の出ました問題は、窓口業務の一元的処理というようなテーマで検討をいたしております。ところが、いまおっしゃいましたように、窓口に一番権限のある者がおって、そこで話がさばけるようにするということが根本だと思いますが、ただ役所にはいろんな関連のことがございまして、窓口におる者で全部が片づくようにということはなかなかむずかしいことになっております。したがって、権限の再配分を十分いたしまして、なるべく方々に関連が起こらぬようにする事務の配分ということがまず要ると思います。  それからいまおっしゃいましたように、上の人間が窓口におる。なるべくそこで話がつくようにしてやる。これは佐藤喜一郎委員が銀行出身の人でありますので、銀行なんかでかなり窓口に権限者を置いているということを聞いております。そういうことを役所にどのくらい導入できるかどうかという着想はあるようでございますが、まあ銀行業務と行政はだいぶ違いますので、その辺のむずかしさはございますけれども、確かに仰せのとおり、一つの市の窓口の民主化、親切な、明るい窓口にするだけでもたいへんな大仕事でございまして、ただ、そういう問題は役人の体質改善と申しますか、考え方の切りかえも並行してやりませんとできないのであります。調査会では、上の人間が下から上がってくるのに判を押すという体制でなしに、責任者が仕事を割りつけていくというような体制を原則にすべきだ、積み上げで処理する方式でもいいけれども、割りつけ方式という方式もあるべきだということを申しております。大体、いま山本委員がおっしゃったような趣旨でみな考えて検討いたしております。最終的にどういうものに固まりますか、まだ検討の途中でございます。
  65. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 先ほどはぼくは極端な言い方をしているのですが、必ずしも局長や部長が窓口におる——それは職務の範囲とか、内容も違いますから、私はそうは言っておらないのですが、少なくとも全般を理解できる、いわゆる具体的には係長ぐらいの人が窓口におって、しかもその人がプライドを持って窓口の事務をやれるという体制がなければ、いまの役所の仕事が、いわゆる国民のための行政というものは実現しないと思うのです。したがって、これはみんなの、何もやっている人の頭の切りかえだけでなくて、全般がそういう切りかえをせなければ、とにかく窓口におるやつはもうこれはだめなんだという国民一般の常識もあって、特にこれは議員に多いと思うんですよ。議員の人は——私はもう各省に行っても、大臣とか、長官にはあまり行かないんですよ。局長のところへも行かない。やっぱり担当のところへ言っていくんですが、とにかく窓口のやつはあんなのだめだと言って、いわゆる部長とか、責任のある局長とかに行きますわね。これは私は悪いと思うんですよ。とにかくあんな者に会うたってもしょうがないと言って責任者のところに行くから、ついそれが一つの慣習になってしまう。だからあれでしょう。あなたのところはどうか知りませんが、局長とか、課長でも別室で仕事しています。課長になったら一つの室をもらうんだという、私はそんなものにプライド持つことがいけないと思う。私はそういうことからある意味じゃ官僚泣かせの議員だとも言われますが、そういう意味じゃないんです。私はみなが、一般職員といったら悪いんですが、一般職の人と役づきの人が机を並べておっても、自分のプライド、責任にプライドを持つというこの決意がなければ、私はこの臨時行政調査会でどういう答申されても、これがいいと認識されたことをやらなければだめだ、こういう私は刻印を押しているんです。私のやつが当たるかどうか今後私は見ております。その点は今後もひとつ答申が出た後に行革本部で具体案をつくるときに、しかも日ごろから行政管理庁としてもそういうものの考え方で各省の指導といいますか、やってもらいたい。これは私は決して人格を無視して話している人じゃないんです。課長なら課長の要するに責任と人格もあるし、また経験もあるのだから、尊敬はするけれども、その人自身がそういう考え方で国民に接しておらないということは、これはもういまの行政組織の一番の欠陥だ。そうかといって、あしたから課長とか、部長の室をはずせというわけじゃない。そういう気持ちがまず先行しなければだめだということをここで一言言っておきたい。これに対して長官の御意見を聞いておきたい。
  66. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) ただいま山本委員の御意見を拝聴いたしまして、私全く同感でございます。たまたま私の県の千葉県で、加納知事が——もうなくなりましたけれども、知事さんになりましたときに、すべての課において課長が一番前のテーブルへ出て事務を見るようになりまして、その後も続いて、新しい知事になりましたけれども、そのやり方は変わらずやっております。そして、かえって能率的に仕事が処理されておる現状でございます。これはちょうど山本委員の、貴重な、非常に建設的な御発言でございますので、私も拝聴いたしまして、いま役所の者とも相談いたしておりまして、行管といたしましていまの御意見をちょうだいいたしまして、この答申を待つまでもなく、ひとつ行政の改善のために努力してまいりたいと思います。ありがとうございました。
  67. 向井長年

    ○向井長年君 関連して。いま山本委員が言われたことに関連するのですが、大体、長官どうなんですか。徳川時代からいわゆる役人といってきたのですよ。いまなお役所といっておるのですね。こういうことばがやはり何としても国民にぴったりこないのですよ。いま公務員でしょう。言うならば、公務員は国民の公僕である、こういう心がけを持って、いろいろサービスなり、あるいは仕事をしておられる。ところが、名前がやはり役人あるいは役所と、こういうようなことをいわれるので、現在もやはりそういう形が何としてもどっかにあらわれてくる、こういう感じがします。たとえば最近、各役所と申しますか、こういう職場におきまして、部長なり局長なり、あるいはまた課長なりが、大きな机で、しかも安楽いすの大きなところへすわられる。しかも、先ほど言われたように、別室に設けられる、こういうことが民間にも最近伝わってきておる。はなはだしいときは、夏と冬といすが違うのです。夏は藤いすの大きいやつを課長以上にこれを渡す、冬は安楽いすである、こういう一つのいわゆるシステムというものが、いま言われたような役人的な、あるいはまた公僕的な形になり得ない一つ状態をつくっておるのじゃないか。したがって、まあこれは従来役所といっておるから役所で通っておりますけれども、こういうことが、やはり平素そういう立場で官僚とか、あるいは官僚主義とか、そういうように国民にはあまりいい感じを与えていない。そういう意味におきまして、今後そういう問題をどういうように啓蒙し、教育していくかということを、長官関連してお尋ねしたいと思います。
  68. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 公務員があくまでも国民の公僕の精神に徹底しなければならないことは申すまでもございません。したがいまして、要は能率のある行政ができる、ほんとうに親切な行政が展開されるように各公務員は心がけなければならないと思いますし、また、その執務態度、執務のいろいろな機構等につきましても、そういうように改善してまいらなければならないと存じます。あるいは私も、先ほどつい役所ということばを使ったかもしれませんが、これは一つの惰性でございまして、確かに昔の官尊民卑的な意味での役所ということばは廃止すべきだと思います。ただ、私の個人的な見解でございますが、いま私が使ったといたしましても、これは大役を処理しなければならないという意味の役所であるというように御了解いただきたいと思います。  いずれにいたしましても、非常に重要な問題でございますので、また同時に、先ほど来の山本委員の御発言、ほんとうに建設的な、ありがたい御発言でございます。私といたしましてはこの御意見をちょうだいいたしまして、十分行政改善に努力してまいるつもりでございます。
  69. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ最後に、定数の問題をちょっと聞いておきたい。これは直接に臨調に関係ないかもしれませんが、おそらく臨調でも問題になっていると思いますから……。この定数は、この前の法律改正で一括定数を規制するのじゃなくて、各省にこれはまかされてきたのですが、法律案としては、毎年々々この各省設置法が内閣委員会に何十となく出てくるのですが、これはどうなんですか。もちろん定数のふえることは、事務量がふえるのですから、これは私理解できると思いますが、行政管理庁で、ふやすという理由といいますか、根拠といいますか、それを克明に、何ですか、調査をされておりますか、法律案を出されるときに。
  70. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 私からお答えいたします。  毎年各省の提示いたされます増員要求は、克明に担当別で検討いたしまして、これを査定いたしておるのでございますが、最近における傾向は、主として現業関係の需要が非常に多いのでございます。特に郵政省でございますとか、その次は教職員でございます。防衛庁以下、それぞれ需要が増大いたしますが、たとえば貨幣の改鋳、新紙幣の発行とか、印刷局や、造幣局等に現実にその需要が出てまいりますが、切りがたい慣行がございます。大体平均、この数年間一万前後だと思います。
  71. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 この現業部局のふえるということは、これはまあ一見してその理由がわかると思うのです。しかし、そうでないところも相当ふえてきておると思うのです。各省これは五人、十人でありますけれども、ふえてきておると思います。もうすでに本国会に出されておる各省の設置法を見ましても、人員がふえているというのは軒並みふえていると思いますね。これは現業庁でないと思う、例を示して言いませんけれども。だからそういうときにははっきりとデータをとってやっておられると思うのですけれどもね。でないと、結局、一般新聞の論調を見ても、公務員はもう年々ふえるだけだ——現業庁のことを一緒に言われておると思いますが、私はそうでないと思うのですね。したがって、そういう点について、行政管理庁としては、やはりこの前のような、一括して、定数をきめるということであれば私は克明にやられておるが、各省にまかしてからは、やはり言うてきたものは一応私は受け取っておられるのじゃないかと思う。ただ、ある省では、行政管理庁のほうからの意見で、部をつくることをやめさせられたということを聞いております。まあそれはありますけれども、大部分は私はやはり各省から言ってきたもの、これをけっておられるということは私はあまり聞かないのですがね。そういう例ありますか、この国会に提案された……。一、二でけっこうです。
  72. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 機構及び定員につきましては、大体リンク制と申しますか、ふやすものに対しましては振りかえの体制を自主的に各省で考えておりまして、増大を防いでおるのでございますけれども、本年度におきましては、部につきましては、要求二十に対して、査定をいたしました新設はわずかに四でございます。その他、他の局につきましては、本年は特例でございますけれども、審議会等につきましても、要求十に対しまして、新設は六というような数字になっております。
  73. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 その部局のやめさせられた例を知っておるのですが、チェックされたことを知っておるのですが、人員について、要求してきたやつがチェックされたという省はありますか。
  74. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 人員につきましては、要求量を相当査定いたしておりますが、先ほどの中央の現業以外の数字につきましてはきわめて意外に少ないものでございまして、百名から二百名の間でございますが、これはまだ計数整理が完全に終わりませんので、確定数ははっきり申し上げかねるのでございますが、大部分は現業でございます。人員につきましても、それぞれの省庁別に厳密な査定をいたし、また、予算査定との関連を持つ面がございますので、現実に検討の上決定いたしておるのでございます。
  75. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 いや、ぼくの言っているのは、五人、十人とふやしてきているのですが、最初二十人要求してきたやつを、たとえば十五人にしたとか、そういうところはありますか。
  76. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) ございます。四万五千の要求に対して査定の結果、事務当局といたしましては、一万四千二百五名。
  77. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それは現業を含めてわかるのですが、一般事務部局でたとえば大蔵省あるいは自治省、経済企画庁から言ってきているやつを、それを減らしたところはありますか。
  78. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 人数そのものよりは、たとえば参与官の一名増であるとか、審議官の一名増あるいはほかの職種を要求いたしました場合にまず機構的にそういう官を認めるかどうかということによりまして、この定員はきまってまいる要素もございます。現業以外はおおむねその機構と関連させて査定をいたすことになっております。追加いたしまして申し上げますと、新しいものは原則として極力認めないという方針になっております。
  79. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私も、一部聞いただけですから、データがないからこれ以上言いませんが、大体この要求をしてきた場合に、部局の設置とかあるいはいま言われた役職、特別な役職をつくるという場合には、相当これは行政管理庁でチェックすると聞いているのですが、一般の人数の場合は、予算査定が通れば、もう、そのまま行管が認めているのだというようなうわさを聞くのですが、そうでなくて、やはり十人ふえる場合には、どういう事務量がどれだけふえて、ふやすのだというところまで、資料をとってやっておられるのですか。
  80. 石川準吉

    政府委員(石川準吉君) 予算査定のほうは主としてもとより全部の要素を検討はするのでございますが、財政的な観点より査定が加わりますので、自然、金額的な歳出のほうに回るほうの予想を重点で見ると思います。私ども国家行政組織法根拠して見る場合には、まず、全体の行政機関の体系の中において、新設を認むべきもの、あるいは廃止すべきもの、変更すべきものという観点で、多少角度が違います。したがいまして、いまのような機構の改廃によって、増減いたす人員につきましては、まず、その点が機構がきまって、おのずから定員に響くという場合があるのでございますが、トータルといたしまして観察いたしますと、大体、主計局側の考え方と、われわれのほうと八、九割は合致している。あとは、多少数字の細部において食い違う場合が多い。しかし、大きいところでは大体合致しているという現状でございます。
  81. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 今度の臨調の答申によって、行政改革が必然的にやられなくちゃならぬと思うのですが、その場合に公務員の何といいますか、廃庁あるいはまた、廃局廃課、公務員が要らないという場合に、配置転換というものが必ず起こってくると思うのですが、その点がいろいろと公務員の方々を刺激していると思うのです。太田試案によるとそれは決してやめさせるのじゃない、適当なところに配置転換ということの趣旨があると思いますが、これもなかなかむつかしい問題があると思います。もちろん、配置転換といえば職場を与えるというのだけれども、やはりその人の住所の関係とか、また、その人のいままでの経験その他から考え、簡単に配置転換していくというわけにいかないという部面も、私は必然的に出てくると思います。これが一応、問題の大きい一つの点だと思うのです、あの試案が出されたときの。そこで、この点はそういうことによって根本的な行政改革が後退するということがあっても、これは何もなりません。これは、私は一応、今度のキーポイントになり、最後の場合に政治的な問題になると思います。この点については、まだ答申が具体的に出ていないのですからここで言うわけにいかないのですが、相当行政改革をやる前提としてそれをまず検討しておく必要があると思います。それでなければやはりそこで終わってしまう、この点について、臨調のほうで相当慎重にやられておると思いますが、何か具体的な問題が提起されておりますか。
  82. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 七人委員の中の一人であります太田委員山本先生の御承知のような立場の方でありまして、その関係の問題については、おそらく七人委員の中で一番問題を深刻に考えておられると思いますが、太田委員は御承知のように、いまおっしゃいました問題の、実は主査になっておるわけでございます。行政改革の一つのねらいは、国民に対する行政の奉仕の向上だ、この奉仕の向上の第一にくるものは、やはり簡素化ということではなかろうか、簡素化ということを貫きます場合に、行政の中にもやはり行政需要が推移いたしますので、非常に拡充しなければならぬものと、少しは手を省いてもいいもの、こういうものがあるので、そういうことがはっきりしないと国民に対するサービスの向上にならぬじゃないか、しかし、従来ややもしますれば斜陽部門はそのままにしておきまして、成長部門の増員とか機構の拡充だけが出てくるものでありますから、行政機構は固定化いたしますし、いよいよ膨大化するわけであります。それではならぬというのが調査会の大きな考え方の一つになっております。したがって、行政の簡素化の中で、いまの斜陽と成長部門と分けて、そういうふうに振り分けをして、拡充すべきものに斜陽化部門の人員を持っていくということは、一応観念的には考えられるわけでありまして、そういう考え方で太田委員は問題を、検討を進められております。ただ、いまおっしゃいましたとおりに、配置転換といいましても、いろいろな個々の職員にとっては利害関係が重大なことでありまして、きわめて慎重にやらなければならぬ問題で、その問題意識も太田主査は十分持ってやっておるようでございますから……。ただ、いま第一次試案が出まして、各省の意見を全部聞きまして、第二次の試み案を作成中でございます。次第に問題が整理されまして、第一次試案よりもぐっとしぼったものだろうという考えでございます。これは四月ごろになると思います。
  83. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ、最後に、これは長官に希望的な質問になるのですが、一応これで私は質問は終わりたいと思うのですが、幾たびか行政改革に類する答申もある、しかし、それを実現したということは、ほんとうに一割も実現したかどうかわからぬようないままでの状態です。それが、一時やったけれどもまたすぐ変わってしまって、前のように複雑なものになってしまっている実情です、これは地方団体だけを見ましても。したがって、私は今度は根本的にやるのだというので特に七人委員会という日本の各界の権威者を集めてやっておられる、国民も期待しております。それと同時に、いま最後に申しましたように、公務員諸君におかれましても、これによって生活権を奪われるということになれば、たとえそれが国民的要望であるにせよ、やはり自分の生活権から考えれば、それは黙ってそれに応ずるということも、私は酷だと思うのであります。したがって、この点をどうあんばいするかということが私は今度の行政改革のキーポイントだと思います。したがって、その点は慎重に考えると同時に、勇断をもってやらなければならない。各方面からの、やはり行政改革をやれば利害反する方々がどうしても出てくる。国民全般の方々の行政をするためには相当の犠牲はやむを得ないとは思いますが、しかし、そのやったことがまた二、三年たったらまたもとに返るということになれば、その間に出血した人は犠牲になるということですから、この点はひとつ行革本部長には長官がなられるのですから、その点はひとつ十分慎重に、しかも勇断をもってやっていただきたいと思うのであります。それがためにこれは一つの私の希望でありますが、なるほど七人委員会の方々の意見は、これはもちろん答申を尊重しなければいけませんが、先ほど質問しますと、各省庁の人々の意見を聞いておくということでありますが、そういう配置転換が、そういうものが起こる場合には、その該当する層の方々のやはり意見を聞いてやるという雅量がなければいけないと思うのです。そういう用意があるかどうかということを一言聞いて、私の質問を終わりたいと思います。
  84. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 行政改革という仕事が過去の歴史を見ましてもなかなか、容易じゃないということにつきましてはまことに仰せのとおりでございまするし、したがいまして、この問題を行政改革本部長として私が答申をちょうだいした暁におきましては、相当の決意をもってこれに取り組まなければならないと存ずる次第でございます。しかし仰せのとおりある程度まで勇断をもってこれに当たらなければこの目的を達することができませんし、半面におきまして、犠牲者がなるべく少ないようにという配慮を心がけることは当然でございます。これはすでにこの臨調の法案が当委員会等におきまして通過いたしました際におけるところの両院の附帯決議にもございます。したがいまして、私どもは十分にこの精神を尊重いたしまして、特に大きな配置転換等の起こる場合におけるところの関係者の御意見等は十分に行革本部としてはこれをお聞きいたしまして、その上におきまして善処するつもりでございます。何ぶんともよろしくお願いいたします。
  85. 千葉信

    千葉信君 鶴園委員質問の最中に、はしなくも露呈してきた問題ですが、この臨時行政調査会設置法の中にもなければ、政令にもないことが、しかもその経過を聞きますと、予算の査定の中でその予算さえもばっさり削られてしまった参与という臨時行政調査会の役職ですね、これの人数は四十人ということですが、民間人がこの中に何人おるか、その他の諸君が何人おりますか。
  86. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 千葉委員の仰せになりました通称参与でございますが、前回もお答えいたしましたように、設置法九条の三項でやっておるわけでございます。したがって、機関意思を問うとか会議を開くとかいうような運用ではございません。これははっきりいたしております。  それからお尋ねのポイントでございますが、約四十名おりますが、全部役所以外の人で、言うならば民間人でございます。
  87. 千葉信

    千葉信君 その民間人である参与という名前の役職、この諸君に対してはもうおそらく大体が非常勤だと思うのですが、出席されるたびに何ぼ日当を払われましたか。手当を何ぼ払われましたか。
  88. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 諸謝金というかっこうで、来てもらった人に一人当たり二千六百円車代を出しておると思っております。
  89. 千葉信

    千葉信君 実に安いのも安いですが、出そうと思えば法律規定で見ると、他の非常勤の場合には四千九百円まで出るというかっこうになっておりますがね、しかし、参与というものは法律にもなければ、政令にもない、これが発生した経過を聞きますと、何か川島前長官が、その一番最初の会合の席上で、金は何ぼでも出す、予備金からでも何でもどんどん出すような発言をされて、実行に移されたらしいのですがね。これは山村さん、これは実はこういうものをかってに政府が置いて、たとえ二千六百円であろうと、諸謝金であろうと、どういうような名前をつけようと、これは給与法違反ですよ。給与法には厳格に規定があるのですから、給与法には非常勤職員の分として、第二十二条によりますと、委員とか、顧問とか、参与の職にある者、あるいはこれに準ずる者、常勤を要しない非常勤職員、こういう諸君に対しては、一日働いた場合に最高四千九百円の手当を支給することができる。承ると二千六百円払っているそうだが、諸謝金であろうと何であろうと、これは公務員法の規定によっても、何という名前をつけようとも、品物で出そうとも、その条項に当てはまるのです。しかも、これは正規に設けられた役職であって、そうしてそれに対して人事院承認をとらなければならない。私の調査した限りでは、人事院承認をとっておらない。もちろんとろうたってとれない。これはね、山村さん給与法違反であるばかりでなく、罰則があるんですよ。こういうやり方は罰則の第二十五条によると、こういう違法なやり方をした者に対しては、一年以下の懲役、もしくは三万円以下の罰金。だれがその罪をか。ふるのですか、どうしてこの問題を解決されようとするのか、長官の御答弁を承りたい。
  90. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 御存じのように、私が行管に参りましたときには、すでに臨調は発足いたしておりまして、参与の仕事は、もう進んでおった次第でございます。その後の注意が足りなかったというおしかりでございますればまた別でございますが、その間のいきさつにつきましては事務局からお答えいたします。
  91. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 参与はいま給与法の引用でお示しがあったわけでありますが、これは私ども職員という任命行為をやっていないわけであります。したがって、繰り返し申し上げますように、臨時行政調査会設置法第九条の三項で、必要な協力を求め得る、何人からもそういう協力を求め得るという根拠によって、運用しているわけであります。たまたま、部内の通常の呼称は参与ということでありますし、それが御要求になりました資料等にも麗々しく書きまして、これは前回たいへん恐縮いたしたわけでありますが、あくまで部内呼称でありまして、そのつどいろいろの人が来て、来たときには謝金を出す、役人でございませんので、公務員でございませんので、給与というものを払う筋合いのものではございません。ただわずらわした労に対して謝金を出すというたてまえで、諸謝金という予算上の制度もあろうかと思います。それで運用いたしておるわけであります。したがって、あくまでも一般にしろ、特別にしろ、常勤非常勤を問わず、公務員というふうには私ども考えておりませんし、任命行為もいたしておらない次第でございます。
  92. 千葉信

    千葉信君 井原さんも案外法律を知らな過ぎるね。あなたのほうから出てきている資料によっても、たとえば「臨時行政調査会の現況」なる冊子の十二ページですね。この十二ページによりましても、たまに民間人を呼んでぽつりぽつりと聞いたのか、それともこの臨時行政認否会の仕事に恒常的に参加したのか明らかなんですよ。あなたのほうでは、たとえば一つをとってみても、第一班として何のだれそれが参加した、第一班の科学技術行政の中に篠原専門委員、丹羽、山県、桑田各参与、みんなそうでしょう。こういう資料を出しておいて、そしてしかもそれはぽつりぽつりと民間人を必要があるから呼んできたんだと、そんな答弁が成り立ちますか。おまけにだ、あなたは命令しちゃいないとかなんとか言うけれども、命令したしないにかかわらないのですよ。この給与法の二十二条は命令してもしなくても、そういう人を委嘱して、そして非常勤の人を頼んで政府仕事をさせれば、それに対して幾らの日当を払うか、その日当についてはここにはっきり最高の制限がある。そしてそれは金銭であろうとなかろうと、品物であろうと何であろうと、公務員法の規定によってこういうものは支給してはならない、支給した場合は違法だ、こうなっているのですよ。で、あなたは、それを公務員ではないと言うけれども、通例こういう組織に恒常的に動員され、日当を払われている者は、これは公務員でありませんとあなた言うかもしらぬけれども法律上はこれは非常勤職員といって、りっぱに一般職職員なんですよ。公務員なんですよ。それがたまたま一回程度ちょっとおいで願いたいといって来てもらった程度なら、あなたのほうではこんな資料出さぬでしょう。自分のほうで出した資料を否定したような答弁になっていますよ。
  93. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) この現況の一二ベージに、参与という言い方をこういう国会の御要求になりました資料に書きましたことは、私繰り返したいへんまずかったと思っております。これはやるべきでないと思っております。それともう一つ、ここに書きましたのは、他の参与と違いまして、専門事項の参画といいますか、参考人的な意見を出す頻度が非常に多い方々であります。したがって、専門委員に準ずるではないかとか、先般は専門委員の人選を誤ったからだとかいう御意見まで出たわけでありますが、そういう点はたいへん恐縮しておるわけでございますけれども、あくまでもこれは特別の役職というふうに私ども考えておりませんので、そういうむずかしい話になるのでありましたら、当然行政管理庁とも相談をするはずであります。ただそういうふうにして意見を随時いろいろな人からいただくためにこういうことを運用としてやろうという、人選の中に特に専門の方がおられますので、参画の頻度がかなり高かったわけであります。それがこういう資料にも見え、いまのようなおしかりを受ける結果にもなったわけでありますけれども、私どもあくまでこれは公務員とは考えておりませんし、人をわずらわせば謝金を出すのは、これは予算上もあるわけでありまして、給与というふうには考えておらぬわけでありますので、御了承いただきたいと思います。
  94. 千葉信

    千葉信君 何ぼあやまっても、そんなあやまるあやまらないは別として、これは明らかに国家公務員ですよ、あなたが何と言おうと。国家公務員でないと言っても、法律はそれを国家公務員だとはっきりいっておるのですから、一般職職員非常勤職員、顧問、参与、もしくは顧問、参与に準じてそういう仕事をやっている、日当を払っている。これはもしあなた必要ならば、この公務員法なり給与法を主管している関係官庁を呼びますか。ここへ呼んで黒白を明らかにしますか。そんなあなた法律を知らないでいいかげんな強弁をするのはやめなさい。法律上はっきりしているじゃないか。読んでごらんなさい、そこに法律出して。待っている。政府がそんなでたらめなことを言っちゃ困るじゃないか。  委員長法律を知らない人を相手にして質疑してもしようがない。この公務員法等を主管している役職員をここに呼んで、この点を明らかにしましょう。同時に、行管長官、この問題はいかに強弁しようとも、法律上はっきりしている問題ですから、今回この法律案国会で採決する場合でも、これから六ヵ月またこの違法をほおかむりするわけにはいかぬですから、はっきり脇町行政調査会設置法の中に入れるか、それとも国会の意向をくんで、もし国会がいいとなったら、その参与の制度なるものを、名前は何でもよろしいから、そういう専門委員と同格のかっこうで、常時、井原君の答弁からいっても、しょっちゅう来て意見を聞かなければならぬというものを、どういう名前にするにしろ、正式なものにするかどうか、それともやめるか、どっちかの点をけじめをつけなければ、これは、これからまた六ヵ月間政府は違法行為を平気で繰り返す、その点をはっきりしなければならない段階だと思うのです。これから六ヵ月間延ばすのですから……。したがって、いま行管長官から答弁してもらうよりも、その根拠となっている国家公務員であるのかどうか、一般職職員であるのかどうか、私は法律ではっきりしていますが、井原君はああいう答弁のしかたをしますから、これははっきりさせる必要がありますから、関係行政官を次の委員会委員長において招致の方法をとってください。人事院総裁でもけっこうだし、人事官でもけっこうです。
  95. 井原敏之

    政府委員(井原敏之君) 確かに、当初法律によってこういうことをあるいは考えたら一番よかったのであります。そういうことでもありませんし、また運用としてもはっきり、繰り返し申し上げますけれども、任命行為も何もやっていないわけであります。したがって、私どもはこの一般職職員の給与に関する法律の違反を犯しているとは今日までも考えておりません。ただ先生のおっしゃるように、この問題が非常に疑問があるということならば、私、委員会に報告してやめるように努力してもよろしゅうございますけれども、今日まで違法をしたと言われましては、ちょっとそうは考えられないのでございます。
  96. 千葉信

    千葉信君 全然了承できない。法律上の根拠から私は聞いている。だから、いまのような法律上解明されない、そう思っておりますなんという答弁答弁にならぬですよ。次回に人事院総裁なり人事官を呼んでください。
  97. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔午後四時三十二分速記中止〕   〔午後七時十五分速記開始
  98. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) それでは速記をつけてください。
  99. 千葉信

    千葉信君 休憩中にいろいろ理事の方々でお話し合いが行なわれたようでございまして、その結果として、先ほどの委員会の審議の関係から法制局の見解を、呼んで聞いてもらいたいという希望がありまして、いま法制局側の見解が述べられようとしておりますが、私はその前に一言申し上げておきたいことは、この国家公務員法の実施なり、その解釈等の関係については最終的にはこの法律の第三条によって人事院がその責めに任ずるという立場にありますし、さらに私は他の委員会でありましたように、法制局に対する不信任云々などという気持ちはさらさらございませんけれども、しかし、どうも従来の経験からいいますと、いまにわかに法制局の見解を聞いて、ああさようでございますかということにはなりかねるというのが私の見解でございますから、あらためて次の機会——いつになりますかは別として、次の機会にこの法律実施の責任を法律上持っている人事院見解を必ず聞くことにして、それを条件として法制局側の当委員会における見解をいま聞くことについては異議ありませんから、そのつもりでお取り計らい願います。
  100. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) この際、政府といたしまして、先ほど問題になっておりました参与の問題につきましての見解を一応申し上げさしていただきます。  臨調における参与といわれているものは臨時行政調査会設置法第九条に基づいて協力を求めているものでございまして、任命行為もなく、国家公務員ではございません。したがって、手当ではなく、謝金を支払っているものでございます。なお、法理的な解釈につきましては、法制局の方々にお願いをいたします。
  101. 真田秀夫

    政府委員(真田秀夫君) 私、千葉先生の御発言を直接聞いておりませんので、あるいは御発言の趣旨とぴったり合わないということになるかもしれませんが、もしそういう点はあらためて御指摘を受けまして、お答えさしていただきたいと思います。  臨時行政調査会設置法第九条三項の解釈が問題となっているようでございますけれども、同条第一項にまず目を落としますると、調査会は、その所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、行政機関あるいは地方公共団体その他の団体の長に対して資料の提出、意見の開陳、説明その他必要な協力を求めることができるという規定になっております。つまり調査会以外の機関に対しまして資料の提供とか、資料の提出とか、意見の開陳とか、説明とかそういう特定の行為の協力を求めるという規定でございます。次に第三項に参りますと、ちょうどそれと似たようなことが書いてございまして「所掌事務を遂行するため特に必要があると認めるときは、第一項に掲げる者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。」とこういう規定になっております。つまり第三項も第一項と同じように、調査会以外の、つまり部外者に対して一定の行為の協力を依頼する、こういうふうに読むべきだろうと思います。でありますから、資料の提出をしてくれないかとか、あるいは意見を述べてくれないか、あるいは場合によっては外国の法令の翻訳をしてくれないかというような一定の行為の協力を依頼することでございまして、その協力を受けた部外者は、結局その依頼は断わることももちろん自由でございまして、それは一種の契約関係であろうかと存じます。そういう関係でございますので、先ほど長官がお述べになりましたように、任命行為というものとはおよそ縁がないわけでありまして、この依頼を受けた者が公務員たる自分を持つというような関係ではないというふうに解釈いたします。
  102. 千葉信

    千葉信君 てんで法制局どこから聞いてきたのだか、問題の中心さえもはずれて設置法の関係答弁しているじゃないか。おれが問題にしたのはそういうことでなくて、国家公務員法における問題とそれから給与法の中の非常勤職員に対する給与の関係、それから罰則の関係を問題にしたのであって、同時にその公務員法の関係というのは、いまお話にありましたような場合も、任命するとかなんとかいう問題にかかわらず、非常勤職員として一般職職員であることは間違いないという見解で対立したのですが、それに対する何らの回答になっていない、ピントが狂っている。そんなことではますます法制局の見解なんか聞くどころの話じゃない。冒頭に申し上げたように、私は最終的なこの法律の実施の責任を持っている担当行政官からこの問題についての見解を聞くことにいたします。てんで話になりません。
  103. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) ちょっと速記をとめて。   〔午後七時二十三分速記中止〕   〔午後七時三十六分速記開始
  104. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記を始めて。
  105. 山村新治郎

    国務大臣山村治郎君) 先ほど私が申し上げたことと法制局の申し上げたことは決して食い違いはいたしておりません。元来この問題になっておるピントは、参与がはたして公務員であるかどうかという点でございます。むしろその点からピントをはずすからおかしくなってしまうのではないかと思います。私がはっきりお答え申し上げているのは、参与は公務員ではないということをお答えしているのです。参与が公務員でない限りにおいて給与法も国家公務員法関係がございません。むしろ逆にそのほうに持っていかれることがピントのはずれる原因だと思っております。率直に申し上げてそう思います。
  106. 石原幹市郎

    石原幹市郎君 その点で、参与は公務員でないという意味のことについては、法律上その関係で何か法制局から答弁することがございますか。
  107. 真田秀夫

    政府委員(真田秀夫君) 臨時行政調査会で参与という名前で意見の開陳等を依頼するということをやっていらっしゃるそうでございます。その参与と称されている、つまり依頼を受けた人の地位が、身分がどうであるかということが問題になっているのだそうでございますけれども、行政調査会は、その依頼を九条の三項に基づいて発しているというふうに運用していらっしゃるそうでございます。そこで、九条三項の解釈ということが次に問題になるわけでございますが、その点は私が先ほど申し上げましたとおり、これはそういう一定の職員の身分と申しますか、職をつくるという規定ではございませんで、資料の提出とか、意見の開陳とか、説明とか、そういう一定の行為を依頼するという規定でございますので、第九条第三項によって依頼を受ける方が、かりにその予定者として定められておったといたしましても、そのことによってある職ができ上がるというものではない、かように考えるわけでございます。したがいまして、職でない。つまり公務員でないわけでございますから、給与法なり、国家公務員法との関係はない、かように考える次第でございます。
  108. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記をとめて。   〔午後七時三十八分速記中止〕   〔午後八時十七分速記開始
  109. 三木與吉郎

    委員長三木與吉郎君) 速記を起こして。  本日はこれにて散会いたします。    午後八時十八分散会